JPH1168213A - Qスイッチco2レーザ装置 - Google Patents

Qスイッチco2レーザ装置

Info

Publication number
JPH1168213A
JPH1168213A JP22946397A JP22946397A JPH1168213A JP H1168213 A JPH1168213 A JP H1168213A JP 22946397 A JP22946397 A JP 22946397A JP 22946397 A JP22946397 A JP 22946397A JP H1168213 A JPH1168213 A JP H1168213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
total reflection
concave mirror
telescope
mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22946397A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuhiko Sakai
辰彦 坂井
Katsuhiro Minamida
勝宏 南田
Hirofumi Imai
浩文 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP22946397A priority Critical patent/JPH1168213A/ja
Publication of JPH1168213A publication Critical patent/JPH1168213A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光路内に配置された光学素子の熱レン
ズ効果を防ぎ、安定した高出力のQスイッチCO2 レー
ザ光を得ようとするものである。 【解決手段】 CO2 レーザガスを放電励起する放電励
起部15、半透鏡22と全反射凹面鏡26とからなる光
共振器21、および回転チョッパ56を有するQスイッ
チ装置55を備えたQスイッチCO2 レーザ装置におい
て、前記放電励起部15と全反射凹面鏡26との間に配
置された出力側集光素子27と、全反射凹面鏡26とに
よりテレスコープ25が構成されており、前記全反射凹
面鏡26と出力側集光素子27と間に前記回転チョッパ
56が位置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は高出力Qスイッチ
CO2 レーザ装置、特に市販の連続波レーザを簡単にQ
スイッチCO2 レーザに変更し、安定的にQスイッチ発
振を行うQスイッチCO2 レーザ装置に関する。この発
明のQスイッチレーザ装置は、溶接、切断、表面処理そ
の他の加工に利用される。
【0002】
【従来の技術】高ピーク出力を持つパルスレーザは高速
加工、化学反応等の種々のレーザ応用において、連続波
レーザに比べ効果的である。工業応用可能なレーザはY
AG、CO2 レーザがある。これらのレーザでパルス光
を得る方法として励起をパルス化したノーマルパルスが
あるが、得られるピーク出力は小さい。
【0003】高ピーク出力を得る方法として、連続波レ
ーザにQスイッチを用いる方法がある。Qスイッチレー
ザとしてはYAGレーザに電気/音響光学素子を用いる
方法が知られている。しかし、光学素子の耐光強度、お
よびYAGレーザ媒質のスケーリングの問題からQスイ
ッチYAGレーザ平均出力は数百 W以下であり、溶接な
どの加工応用には不適である。また、YAGレーザ媒質
は上準位寿命が250μs と長いため、パルス繰り返し
周波数は数kHz 以下までしか十分にQスイッチ発振が得
られず、高速パルス繰返しを必要とする高速・大規模加
工プロセスには適用できない。
【0004】高出力化の観点では、ガスレーザ媒質であ
るCO2 レーザが有利である。CO2 レーザで高ピーク
パルスを得る方法として、たとえばTEAレーザがあ
る。この方法は大型の高圧パルス電源を使用するためラ
ンニングコストが高く、パルス繰返し周波数も1kHz 程
度が限界である。また、CO2 レーザにQスイッチを適
用する方法(スーパーパルスQスイッチ)がある。Qス
イッチCO2 レーザは上記の出力特性に関する問題点を
解決し、パルス繰返し周波数が10 kHz以上、平均出力
も1 kW 以上が得られる。高出力のQスイッチCO2
ーザのQスイッチ方法として、光共振器内部に一対のレ
ンズからなるテレスコープを挿入して微小ビームスポッ
トを形成し、そこで機械回転チョッパ等によりQスイッ
チを行う方法がある。この方法は、高出力動作時のQス
イッチの耐久性、パルス繰返しの制御性、ランニングコ
スト等の点から最も適している。さらに、QスイッチC
2レーザとして、ガスレーザ媒質と大気とを遮断する
窓にテレスコープレンズの機能を持たせ、レーザ出力鏡
である半透鏡にもう一方のテレスコープレンズ機能を持
たせる方法(簡易テレスコープ法)が知られている。こ
の方法は、光共振器内部の光学素子数を低減させ、発振
効率を向上させる方法として有効である。
【0005】レーザ平均出力として1 kW を超えるよう
な場合、各光学素子は加熱され、レンズの熱による屈折
率変化、いわゆる熱レンズ効果により集光特性が変化す
る。これによりビームモードが変化し、発振の不安定化
につながる。それを避けるため、各光学素子は冷却する
必要がある。しかし、上記簡易テレスコープ法では、テ
レスコープレンズの機能を併せ持つ半透鏡、および窓兼
用レンズの透過型素子はその外周からしか冷却できない
ため、熱レンズ効果を十分に抑制し、熱的安定を得るの
が困難である。特に、半透鏡は発振光のビーム広がり角
調整、テレスコープ機能の両立のため表面・裏面の曲率
の設計が複雑、かつ微妙である。熱レンズ効果はレーザ
発振性能に大きく影響するので、上記簡易テレスコープ
法を高出力レーザとして用いるには問題があった。
【0006】また、レーザ光透過窓により光共振器中で
レーザ光をいったん大気部分に取り出し、そこに2枚の
円柱反射鏡を使いテレスコープを構成する方法がある
(文献SPIE vol.1031. 7th Int. Symp of GCL,P52 参
照)。この方法は冷却が容易な反射鏡をテレスコープに
用いることから、特にテレスコープ自体の安定化には有
効な手段である。しかし、光共振器内にレーザ光透過窓
を挿入しているため、このレーザ光透過窓でのビームの
歪み、レーザ光透過窓の加熱による熱レンズ効果が発生
し、やはり出力の安定性に問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、Qスイッ
チCO2 レーザ装置において、レーザ光路内に配置され
た光学素子の熱レンズ効果を防ぎ、安定した高出力のQ
スイッチCO2 レーザ光を得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のQスイッチC
2 レーザ装置は、CO2 レーザガスを放電励起する放
電励起部、半透鏡と全反射凹面鏡とからなる光共振器、
および回転チョッパを有するQスイッチ装置を備えたQ
スイッチCO2 レーザ装置において、前記放電励起部と
全反射凹面鏡との間に配置された出力側集光素子と、全
反射凹面鏡とによりテレスコープが構成されており、前
記全反射凹面鏡と出力側集光素子と間に前記回転チョッ
パが位置している。
【0009】この発明のQスイッチレーザ装置は、テレ
スコープの集光素子として半透鏡を用いていない。従来
では、発振光のビーム広がり角調整とテレスコープ機能
との両立を考慮して、半透鏡の表面および裏面の曲率を
設計しなければならなかったが、この発明ではその必要
がない。したがって、半透鏡の表面および裏面の曲率を
それぞれ独立に設計する必要がなく、曲面の形状は単純
であり、半透鏡の曲率設計が容易である。また、発振器
内の気密を保つために、発振器出力側にレーザ光透過窓
にレーザ光透過平板ガラスを設ける必要もない。このた
めに、この発明のQスイッチレーザ装置は、レーザ発振
性能に大きくかかわる熱レンズ効果の影響が従来装置に
比べて少なく、安定した出力が得られる。
【0010】上記QスイッチCO2 レーザ装置におい
て、前記半透鏡および放電励起部を収容し、前記テレス
コープ側にレーザ光透過窓が取り付けられた気密の放電
励起部ケーシングと、前記テレスコープスコープおよび
回転チョッパを収容し、前記出力側集光素子がレーザ光
透過窓に面するようにしてして放電励起部ケーシングに
接続され、大気に解放されたテレスコープケーシングと
を備えていることが好ましい。
【0011】全反射凹面鏡が大気に解放されたテレスコ
ープケーシングに配置されているので、冷却が容易であ
る。熱による集光性変化の影響が少なく、きわめて安定
した高出力Qスイッチ発振が行える。
【0012】上記QスイッチCO2 レーザ装置におい
て、前記テレスコープケーシングを放電励起部ケーシン
グに着脱可能に取り付けることにより、連続CO2 レー
ザ装置を簡単にQスイッチCO2 レーザ装置に変更する
ことができる。
【0013】また、前記全反射凹面鏡がレーザ光軸方向
に沿って移動可能とすることが好ましい。高出力レーザ
発振を行う場合、レーザガス、光共振器の反射鏡、レン
ズ等の加熱により、発振ビームモードが変化する。全反
射凹面鏡をレーザ光軸方向に沿って移動し、テレスコー
プギャップを変更することで、全反射鏡の等価的曲率を
変えることが可能である。これにより、ビームモードの
変動に対して常に安定して発振が行えること、出力ビー
ムの発散角をテレスコープギャップの調整で制御できこ
と、テレスコープ曲率半径の製作誤差を吸収することが
できるなどの利点がある。
【0014】前記全反射射凹面鏡がレーザ光軸に対して
直角な面内で平行移動可能とする、あるいは前記全反射
凹面鏡がレーザ光軸に直角な面内に対し傾斜可能として
もよい。これらの移動または傾斜により、レーザ共振の
アライメントを行うことが可能であり、レーザパワー、
発振モード、およびレーザ出力ビーム伝搬方向を調整す
ることができる。
【0015】さらに、上記QスイッチCO2 レーザ装置
において、レーザ光の伝搬方向と出力を検出するレーザ
光検出手段と、レーザ光検出手段からの信号に基づいて
前記全反射凹面鏡を少なくとも移動または傾斜する駆動
手段を設けてもよい。これらレーザ光検出手段および駆
動手段により、全反射凹面鏡の位置および姿勢をフィー
ドバック制御し、常に安定したレーザ発振およびビーム
伝送を行うことができる。
【0016】上記QスイッチCO2 レーザ装置におい
て、前記テレスコープの集光素子が反射集光鏡からな
り、テレスコープおよび回転チョッパをレーザガス雰囲
気中に配置してもよく、さらに前記全反射凹面鏡が少な
くとも鏡軸方向に沿って移動可能または傾斜可能として
もよい。この装置では、発振器内の気密を保つために、
光共振器内にレーザ光透過平板ガラスを設ける必要がな
い。したがって、熱レンズ効果の影響が従来装置に比べ
て少なく、安定した出力が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施の
形態であり、QスイッチCO2 レーザ装置の主要部を模
式的に示している。QスイッチCO2 レーザ装置11
は、主として放電励起部15、光共振器21、Qスイッ
チ装置55、およびケーシング61とからなっている。
なお、図1では、放電励起部の電極、CO2 レーザガス
供給装置、レーザ電源などレーザ発振器に必要な装置や
部材を省略している。
【0018】放電励起部15は、ケーシング前室62に
配置されており、CO2 レーザガスが常時供給されてい
る。レーザガスは相対する電極(図示しない)による放
電で励起され、レーザ光が発生する。
【0019】光共振器55は、半透鏡22とテレスコー
プ25とからなっている。半透鏡22は、たとえばZn
Se製で表面多層コートが施されており、反射率は50
%である。半透鏡22は半透鏡ホルダ23によりケーシ
ング61の前面に固定されており、外周部にはめ合う冷
却リング49により水冷されている。半透鏡22と半透
鏡ホルダ23との間にOリング39が挟み込まれてお
り、ケーシング61の気密を保持している。
【0020】テレスコープ25は全反射凹面鏡26と集
光凸レンズ27とからなっており、ケーシング後室63
に収納されている。全反射凹面鏡26は、銅などで作ら
れており、表面に金コートが施されている。テレスコー
プ25は、反射面が球面または放物面のいずれであって
もよく、光軸は半透鏡の光軸に一致している。全反射凹
面鏡26は、凹面鏡ホルダ29によりケーシング後室6
3の後端部に固定されている。冷却水循環装置51にか
らの冷却水が、全反射凹面鏡26の内部に設けられた冷
却水流路52を循環して、全反射凹面鏡26を直接冷却
する。集光凸レンズ27は、凸レンズホルダ37により
ケーシング前室62とケーシング後室63とを仕切る仕
切り壁64に固定されている。集光凸レンズ27は、外
周部にはめ合う冷却リング49により水冷されている。
集光凸レンズ27は、仕切り壁64に設けられたレーザ
光透過窓65を塞いでいる。ケーシング後室63は大気
に解放されているので、集光凸レンズ27と凸レンズホ
ルダ37との間にOリング39を配置して、ケーシング
前室62の気密を保っている。全反射凹面鏡26と集光
凸レンズ27とは焦点位置が一致するように配置されて
おり、両者の共焦点位置またはその近傍に後述の回転チ
ョッパ56が配置されている。
【0021】この実施の態様の装置では、テレスコープ
25の集光凸レンズ27の熱影響は従来装置と同じであ
る。しかし、全反射凹面鏡26は大気に解放されたケー
シング後室63に配置されているので、冷却が容易であ
る。全反射凹面鏡26は熱伝導率の高い金属製とするこ
とにより、高い冷却効果が可能となり、熱による集光性
変化の影響が少なく、きわめて安定した高出力Qスイッ
チ発振が行える。さらに、全反射凹面鏡26の反射面の
みしか使用しないため、従来技術のように半透(出力)
鏡の表裏面の曲率を独立に設計する必要がなく、この観
点でも出力安定性に貢献する。
【0022】図2は、第2の実施の態様を示している。
なお、以下の実施の態様の説明では、図1に示す装置お
よび部材と同様のものには同一の参照符号を付け、その
説明を省略する。ケーシング67は、放電励起部15お
よび半透鏡22を収容する気密の放電励起部ケーシング
68と、テレスコープ25および回転チョッパ56を収
容し、大気に解放されたテレスコープケーシング69と
からなっている。テレスコープケーシング69は、放電
励起部ケーシング68の後端部に着脱可能に取り付けら
れている。放電励起部ケーシング68およびこれに取り
付けられた部材は、既存の連続レーザ光発振器のものを
用いることができる。したがって、連続CO2 レーザ発
振器の全反射鏡をテレスコープで置き換えることによ
り、QスイッチCO2レーザ発振器を容易に得ることが
できる。この場合、テレスコープ25は、焦点距離が連
続CO2 レーザ発振器の全反射鏡と等価な全反射鏡とし
て機能する。また、テレスコープとの交換により、ビー
ムモードを本来の連続波レーザのビームモードに一致さ
せることも、あるいは変更することも可能である。
【0023】図3および図4は第3の実施の態様であ
り、QスイッチCO2 レーザ装置の後部の主要部のみを
示している。この実施の態様は、テレスコープケーシン
グ69が放電励起部ケーシング68の後端部に着脱可能
に取り付けられている点では上記第2の実施の態様と同
じである。
【0024】テレスコープケーシング69は、放電励起
部ケーシング68の後端部にボルト73で着脱可能に固
定されている。テレスコープケーシング69の後部に案
内溝70が設けられており、ここにスライダ31が摺動
可能にはめ合っている。全反射凹面鏡26は凹面鏡ホル
ダ29に固定されており、凹面鏡ホルダ29はばね32
を介してスライダ29に支持されている。凹面鏡位置調
整ねじ34によりスライダ29をレーザ光軸方向に沿っ
て変位させ、全反射凹面鏡26の位置を調整する。移動
精度は1μm 以下である。また、スライダ29には対角
線方向に間隔をおいて1対の鏡軸傾斜調整ねじ35が取
り付けられている。鏡軸傾斜調整ねじ35は鏡軸の傾
斜、つまりレーザ光軸に直角な面に対する全反射凹面鏡
26の傾きを調整する。これら調整機構により、従来の
全反射鏡のアライメント機構と等価なアライメント機能
を示す。集光凸レンズ27は、レーザ光透過窓65に面
するようにしてテレスコープケーシング69の先端部に
固定されている。テレスコープケーシング69の先端面
のOリング39と集光凸レンズ27の外周のOリング3
9とにより、放電励起部15の気密を保持する。
【0025】Qスイッチ装置55は円盤状の回転チョッ
パ56を備えており、回転チョッパ56の外周寄りに多
数のスリット57が円周方向に沿って設けられている。
回転チョッパ56の一部がテレスコープケーシング側壁
の切欠き開口71からケーシング内部に入り込んでい
る。回転チョッパ56は、スリット57が全反射凹面鏡
26と集光凸レンズ27の共焦点位置を通過するように
配置されている。回転チョッパ56は、モータ59によ
り回転駆動される。レーザ光はスリット通過の有無によ
り、スイッチングされる。
【0026】この実施の態様では、全反射凹面鏡26の
レーザ光軸方向の位置または傾きを調整することによ
り、レーザ光の出力、発振ビームモード、ビーム伝搬方
向または発散角を調整することができる。この結果、反
射鏡およびレンズの熱レンズ効果、曲率製作誤差、取付
け誤差などを、解消または実用上影響ない程度まで減少
することができる。また、大気中にQスイッチ装置を配
置することができるので、チョッパ駆動モータからの潤
滑油などの不純物がレーザガス雰囲気中に混入すること
がない。このため、チョッパ駆動モータの選択範囲が広
がり、廉価なQスイッチ装置を得ることができる。な
お、テレスコープの光軸が半透鏡の光軸に位置している
場合、全反射凹面鏡26の光軸方向の位置調整だけで、
レーザ光の出力などを容易に調整することができる。
【0027】なお、この実施の態様では全反射凹面鏡2
6をレーザ軸方向に沿って変位させたが、レーザ光軸に
直角な面に対し平行移動するようにしてもよい。
【0028】図5は、第4の実施の態様を示している。
第3の実施の態様では全反射凹面鏡26をレーザ光軸方
向に手動により変位させていたが、この実施の態様では
全反射凹面鏡26の変位をフィードバック制御する。
【0029】図5に示すように、QスイッチCO2 レー
ザ装置11の出側に、レーザ光の伝搬方向と出力を検出
するレーザ光検出手段91が配置されている。レーザ光
検出手段91として、レーザ出力ビームのポインティン
グ検出器、パワー測定器、モード検出器などが用いられ
る。レーザ光検出手段91からの検出信号は、制御装置
93に出力される。
【0030】一方、前記スライダ31に、サーボモータ
95が取り付けられている。また、スライダ31には、
全反射凹面鏡26を保持する全反射凹面鏡保持装置10
1のベーステーブル102が固定されている。図6に示
すように、ベーステーブル102に、Y軸ステージ10
3がY軸(垂直)方向に移動可能に取り付けられてい
る。Y軸ステージ103に、精密送りねじ105がはめ
合っている。サーボモータ107がベーステーブル10
2に金具109で支持されている。サーボモータ107
により精密送りねじ105を駆動すると、Y軸ステージ
103はベーステーブル102に対しY軸方向に前、後
進する。X軸ステージ104がY軸ステージ103にX
軸(水平)方向に移動可能に取り付けられている。Y軸
ステージ103に支持されたサーボモータ108により
精密送りねじ106を駆動すると、X軸ステージ104
はY軸ステージ103に対しX軸方向に前、後進する。
X軸ステージ104に、全反射凹面鏡26が固定されて
いる。この実施の態様では、発振光軸と垂直な面内で全
反射凹面鏡26が平行移動する。この結果、入射または
出射するレーザ光の全反射凹面鏡26に対する位置が変
化し、発振光軸の位置が移動する。全反射凹面鏡26の
平行移動が、全反射凹面鏡の角度変化に相当する。
【0031】前記制御装置93は、あらかじめ設定した
目標方向および目標出力、ならびに検出信号に基づいて
操作量を演算し、サーボモータ95、107、108に
出力する。サーボモータ95の駆動により、全反射凹面
鏡26が取り付けられたスライダ31は前進、あるいは
後進し、全反射凹面鏡26は所定の位置に位置する。ま
た、サーボモータ107、108の駆動により、全反射
凹面鏡26は発振光軸に対して垂直な面内で平行移動す
る。これにより、Qスイッチレーザビームの発振制御が
可能となり、自動で安定した発振、およびビーム伝送を
行うことができる。なお、全反射凹面鏡26の位置制御
について説明したが、全反射凹面鏡26の傾斜を自動制
御することも可能である。
【0032】図7は、第5の実施の態様を示している。
第1〜第4の実施の態様では、テレスコープの集光素子
は、凸レンズであった。第5の実施の態様では、集光素
子が凹面鏡44である。放電励起部ケーシング75は、
先端部に半透鏡22が、後端部の窓にレーザ光透過ガラ
ス79がそれぞれ取り付けられている。テレスコープ4
1は、放電励起部ケーシング76とは別のテレスコープ
ケーシング77に収納されている。テレスコープケーシ
ング77の内部は、大気に通じている。この実施の態様
では、集光素子が凹面鏡44であるために全反射凹面鏡
26とともに冷却が容易である。
【0033】図8は、第6の実施の態様を示している。
この実施の態様では、テレスコープは放電励起部15と
ともに一つのケーシング81に収納されている。第5の
実施の態様では放電励起部15と集光凹面鏡42との間
にレーザ光透過ガラスが配置されているが、この実施の
態様では放電励起部15に集光凹面鏡42が直接面して
いる。したがって、レーザ光透過ガラスの熱レンズ効果
の影響を受けず、安定した高出力Qスイッチ発振が得ら
れという利点がある。
【0034】図9は、図8の装置と同様の構成の装置
で、テレスコープ41の詳細を模式的に示している。テ
レスコープケーシング83は、放電励起部ケーシング8
2の後端部にボルト73で着脱可能に固定されている。
テレスコープケーシング83の底部に案内溝70が設け
られており、ここにスライダ29が摺動可能にはめ合っ
ている。スライダ29の外周に、Oリング85がはめ込
まれている。全反射凹面鏡26は凹面鏡ホルダ29に固
定されており、凹面鏡ホルダ29は金属べローズ45を
介してスライダ29に支持されている。凹面鏡位置調整
ねじ34によりスライダ29をレーザ光軸方向に沿って
変位させ、全反射凹面鏡26の位置を調整する。スライ
ダ29には、対角線方向に間隔をおいて1対の鏡軸傾斜
調整ねじ35が取り付けられている。鏡軸傾斜調整ねじ
35は鏡軸の傾斜、つまりレーザ光軸に直角な面に対す
る全反射凹面鏡26の傾きを調整する。集光凹面鏡42
は、レーザ光透過窓65に面するようにしてテレスコー
プケーシング83の頂部寄りに固定されている。テレス
コープケーシング83の先端面のOリング39、凹面鏡
ホルダ外周のOリング39、金属べローズ45、および
集光凹面鏡外周のOリング39により、放電励起部ケー
シング82およびテレスコープケーシング83の内部の
気密を保っている。全反射凹面鏡26および集光凹面鏡
42は金属製であり、冷却水循環装置51により冷却さ
れる。これにより、これら凹面鏡26、42の熱レンズ
効果を防ぐことができる。なお、テレスコープの光軸が
半透鏡の光軸に直角にセットされており、全反射凹面鏡
26の傾きを調整する必要がない場合、全反射凹面鏡2
6の位置を調整だけにより、レーザ光の出力、発振ビー
ムモード、ビーム伝搬方向または発散角の調整が容易に
なる。
【0035】
【発明の効果】この発明では、QスイッチCO2 レーザ
装置において、レーザ光路内に配置された光学素子の熱
レンズ効果を防ぎ、安定した高出力のQスイッチCO2
レーザ光を得ることができる。この発明は、長距離のビ
ーム伝搬が必要な加工応用などに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の態様を模式的に示すも
ので、QスイッチCO2 レーザ装置の構成図である。
【図2】この発明の第2の実施の態様を模式的に示すも
ので、QスイッチCO2 レーザ装置の構成図である。
【図3】この発明の第3の実施の態様を模式的に示すも
ので、テレスコープ部の斜視図である。
【図4】図3に示すテレスコープ部の縦断面図である。
【図5】この発明の第4の実施の態様を模式的に示すも
ので、QスイッチCO2 レーザ装置の構成図である。
【図6】図5に示す装置に設けられた全反射凹面鏡保持
装置の斜視図である。
【図7】この発明の第5の実施の態様を模式的に示すも
ので、QスイッチCO2 レーザ装置の構成図である。
【図8】この発明の第6の実施の態様を模式的に示すも
ので、QスイッチCO2 レーザ装置の構成図である。
【図9】図8に示す装置と同様の装置で、テレスコープ
部の縦断面図である。
【符号の説明】 11 QスイッチCO2 レーザ装置 15 放電励起部 21 光共振器 22 半透鏡 25 テレスコープ 26 全反射凹面鏡 27 集光凸レンズ 29 全反射凹面鏡ホルダ 31 スライダ 32 ばね 34 凹面鏡位置調整ねじ 35 鏡軸傾斜調整ねじ 37 凸レンズホルダ 41 テレスコープ 42 集光凹面鏡 45 べローズ 49 冷却リング 51 冷却水循環装置 55 Qスイッチ 56 回転チョッパ 57 スリット 59 チョッパ回転モータ 61 ケーシング 62 ケーシング前室 63 ケーシング後室 65 レーザ光透過窓 67 ケーシング 68 放電励起部ケーシング 69 テレスコープケーシング 75 ケーシング 76 放電励起部ケーシング 77 テレスコープケーシング 91 レーザ光検出手段 93 制御手段 95 サーボモータ 101 全反射凹面鏡保持装置 102 ベーステーブル 103 Y軸ステージ 104 X軸ステージ 107 サーボモータ 108 サーボモータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CO2 レーザガスを放電励起する放電励
    起部、半透鏡と全反射凹面鏡とからなる光共振器、およ
    び回転チョッパを有するQスイッチ装置を備えたQスイ
    ッチCO2 レーザ装置において、前記放電励起部と全反
    射凹面鏡との間に配置された出力側集光素子と、全反射
    凹面鏡とによりテレスコープが構成されており、前記全
    反射凹面鏡と出力側集光素子と間に前記回転チョッパが
    位置していることを特徴とするQスイッチCO2 レーザ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記半透鏡および放電励起部を収容し、
    前記テレスコープ側にレーザ光透過窓が取り付けられた
    気密の放電励起部ケーシングと、前記テレスコープスコ
    ープおよび回転チョッパを収容し、前記出力側集光素子
    がレーザ光透過窓に面するようにしてして放電励起部ケ
    ーシングに接続され、大気に解放されたテレスコープケ
    ーシングとを備えている請求項1記載のQスイッチCO
    2 レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記テレスコープケーシングが、放電励
    起部ケーシングに着脱可能に取り付けられている請求項
    2記載のQスイッチCO2 レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記全反射凹面鏡がレーザ光軸方向に沿
    って移動可能である請求項1、2または3記載のQスイ
    ッチCO2 レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記全反射凹面鏡がレーザ光軸に対して
    直角な面内で平行移動可能である請求項1、2または3
    記載のQスイッチCO2 レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記全反射凹面鏡がレーザ光軸に直角な
    面内に対し傾斜可能である請求項1、2または3記載の
    QスイッチCO2 レーザ装置。
  7. 【請求項7】 レーザ光の伝搬方向と出力を検出するレ
    ーザ光検出手段と、レーザ光検出手段からの信号に基づ
    いて前記全反射凹面鏡を少なくとも移動または傾斜する
    駆動手段を備えた請求項4、5または6記載のQスイッ
    チCO2 レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記テレスコープの出力側集光素子が反
    射集光鏡からなり、テレスコープおよび回転チョッパが
    レーザガス雰囲気中に配置されている請求項1記載のQ
    スイッチCO2 レーザ装置。
  9. 【請求項9】前記全反射凹面鏡が少なくとも鏡軸方向に
    沿って移動可能または傾斜可能である請求項8記載のQ
    スイッチCO2 レーザ装置。
JP22946397A 1997-08-26 1997-08-26 Qスイッチco2レーザ装置 Pending JPH1168213A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22946397A JPH1168213A (ja) 1997-08-26 1997-08-26 Qスイッチco2レーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22946397A JPH1168213A (ja) 1997-08-26 1997-08-26 Qスイッチco2レーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1168213A true JPH1168213A (ja) 1999-03-09

Family

ID=16892600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22946397A Pending JPH1168213A (ja) 1997-08-26 1997-08-26 Qスイッチco2レーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1168213A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1299407C (zh) * 2004-10-22 2007-02-07 清华大学 猫眼腔氦氖激光器
JP2010021518A (ja) * 2008-06-12 2010-01-28 Komatsu Ltd スラブ型レーザ装置
JP2012149901A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Japan Aerospace Exploration Agency 高精度非接触位置測定機構を持つサブミリ波近傍界測定装置
US10884255B2 (en) 2015-10-14 2021-01-05 Trumpf Lasersystems For Semiconductor Manufacturing Gmbh Linear polarization of a laser beam
WO2021010089A1 (ja) * 2019-07-16 2021-01-21 日亜化学工業株式会社 Qスイッチ共振器、及びパルス発生器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1299407C (zh) * 2004-10-22 2007-02-07 清华大学 猫眼腔氦氖激光器
JP2010021518A (ja) * 2008-06-12 2010-01-28 Komatsu Ltd スラブ型レーザ装置
JP2012149901A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Japan Aerospace Exploration Agency 高精度非接触位置測定機構を持つサブミリ波近傍界測定装置
US10884255B2 (en) 2015-10-14 2021-01-05 Trumpf Lasersystems For Semiconductor Manufacturing Gmbh Linear polarization of a laser beam
WO2021010089A1 (ja) * 2019-07-16 2021-01-21 日亜化学工業株式会社 Qスイッチ共振器、及びパルス発生器
US12003072B2 (en) 2019-07-16 2024-06-04 Nichia Corporation Q switch resonator, and pulse generator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6115396A (en) Control system for a laser with multiple solid state rods
US4989217A (en) Laser resonator
EP0580867B1 (en) Laser
JPH07211972A (ja) レーザ発振器
CN113677476B (zh) 用于激光加工工件的加工设备、用于激光加工工件的加工设备的成套零件以及用于使用这种加工设备激光加工工件的方法
JPH07123173B2 (ja) ポンプ式レーザ装置およびそのための方法
US5757842A (en) Method and apparatus for compensating thermal lensing effects in a laser cavity
EP0191856B1 (en) a co2 tea laser utilizing an intra-cavity prism q-switch
JPH1168213A (ja) Qスイッチco2レーザ装置
US5566195A (en) Intracavity raman laser
JPS6363594A (ja) ガスレ−ザ装置
CN209919119U (zh) 一种硬脆材料激光精密加工装备
JP3970501B2 (ja) レーザ加工装置
JP3766515B2 (ja) Qスイッチco2レーザ装置
JP4132690B2 (ja) スラブレーザ
JP3769105B2 (ja) レーザ装置
JP7221300B2 (ja) レーザ加工装置及び被加工物の加工方法
JPH0126198B2 (ja)
JPH09270552A (ja) 固体レーザ装置
JP2681319B2 (ja) レーザ発振器
JPH07115234A (ja) 高出力レーザー装置
JPS6364073B2 (ja)
JPH10125993A (ja) 固体レーザ発振器及びレーザマーキング装置
JP2000277836A (ja) ガスレーザ発振器、ガスレーザ発振器の共振器アライメント方法およびレーザ加工装置
JPH0817256B2 (ja) レーザ発振器のモード調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070612