JPH116778A - 真空センサ及び真空センサの製造方法 - Google Patents

真空センサ及び真空センサの製造方法

Info

Publication number
JPH116778A
JPH116778A JP17312197A JP17312197A JPH116778A JP H116778 A JPH116778 A JP H116778A JP 17312197 A JP17312197 A JP 17312197A JP 17312197 A JP17312197 A JP 17312197A JP H116778 A JPH116778 A JP H116778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
base
electrode
vacuum
fixed electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17312197A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Esashi
正喜 江刺
Toshimi Matsuoka
敏美 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diavac Ltd
Original Assignee
Diavac Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diavac Ltd filed Critical Diavac Ltd
Priority to JP17312197A priority Critical patent/JPH116778A/ja
Publication of JPH116778A publication Critical patent/JPH116778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つのダイヤフラム電極を備え、そのダイヤ
フラム電極によって広範な圧力を測定することができる
真空センサ及びその真空センサの製造方法を提供する。 【解決手段】 第1の基体2と、圧力を測定する気体が
導入される導入孔3dが形成された第2の基体3と、前
記第1の基体2と第2の基体3との間に介装され、第1
の基体2と第2の基体3との間に空間を形成する第3の
基体4と、第1の基体2と第2の基体3の間に配置され
前記空間を測定室Aと真空室Bとに区画するダイヤフラ
ム電極5と、前記第1の基体2の上面に前記ダイヤフラ
ム電極5に対向して形成された第1の固定電極6と、前
記第2の基体3の上面に前記ダイヤフラム電極5に対向
して形成された第2の固定電極10と、第2の固定電極
10に電圧を印加する電圧印加手段を備え、前記ダイヤ
フラム電極5と前記第1の固定電極6間の静電容量が一
定となるように、第2の固定電極10に電圧を印加し、
前記電圧から圧力を測定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空装置内の圧力
を測定するための真空センサに関し、特に、広範な測定
範囲(レンジ)を有するダイヤフラムを用いた真空セン
サ及びその真空センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造工程において、半導体ウエ
ハに対して所定の処理を施すための真空装置が用いられ
ている。そして、この真空装置に装着される真空センサ
は、信頼性、小型化等への要求が高まっており、真空装
置内の圧力を測定するための真空センサとして従来、例
えばピラニ真空計、ダイアフラム型真空計がよく用いら
れている。
【0003】従来のダイアフラム型真空計について図5
に基づて説明する。ダイアフラム型真空計100は、気
密容器101の中央部に金属薄膜の可動ダイアフラム電
極102が配置されている。前記気密容器101の中央
部に中央固定電極103が、また気密容器101の外周
部に外周固定電極104が、それぞれ可動ダイアフラム
電極102に対向接近した状態で設けられている。中央
固定電極103と、可動ダイアフラム電極102とは、
図示しない交流ブリッジの被測定端子間に接続されてい
る。
【0004】そして、真空装置内部の圧力を測定するに
際して、気密容器内101の気密空間Sが真空導入部1
05を経て真空装置内部と連通される。この状態におい
て、真空装置内の圧力は、真空導入部105を経てダイ
アフラム型真空計の気密空間Sに伝達され、その圧力に
応じて可動ダイアフラム電極102は変位する。この可
動ダイアフラム電極102の変位により、中央固定電極
103と、可動ダイアフラム電極102との間の静電容
量が変化し、この静電容量は、交流ブリッジによって測
定され、その測定値と圧力が一定の関係を有することか
らことから、真空装置の圧力が求められる。
【0005】しかし、前記した従来のダイアフラム型真
空計100において、圧力感度を高めるためには、可動
ダイアフラム電極102の厚さをミクロン程度の非常に
薄い薄膜として形成すると共に、1辺を数センチメート
ルの大きさを有する形状にしなればならなかった。また
可動ダイアフラム電極102の厚さを薄くして、ダイア
フラム真空計100を製造しようとすると、その加工
や、気密容器への固定が難しくなるという問題があっ
た。また、前記した従来のダイアフラム型真空計100
は、前述のように可動ダイアフラム電極102の変位を
利用しているため、1つの可動ダイアフラム電極102
で広範囲の真空圧力を測定することができないという問
題があった。そのため、広範囲の真空圧力を測定するに
は、真空装置に複数台のダイアフラム型真空計を設ける
必要があり、そのため真空装置にデッドスペースが増大
するという問題があった。
【0006】これら問題を解決するために、特開平6−
109568号公報に示されるような真空センサが提案
されている。この真空センサを図4に基づいて説明す
る。図において、符号51はシリコン基板で、このシリ
コン基板51の一端側には絶縁層52を介して3組のダ
イヤフラム電極53,54,55が複数箇所に亘り電気
的に絶縁して固定されている。各ダイヤフラム電極5
3,54,55は、それぞれ一対の導電性薄膜からな
り、内部の空間を高真空に封止した状態で、それらの周
縁がシリコン基板51に固定されている。
【0007】前記3組のダイヤフラム電極53,54,
55は夫々面積が異なり、ダイヤフラム電極53の面積
Sa>ダイヤフラム電極54の面積Sb>ダイヤフラム
電極55の面積Scの関係を有している。そして、シリ
コン基板51の他端側に厚肉部51Bが形成され、この
厚肉部51Bの内部には、前記ダイヤフラム電極55に
隣接して一対の導電性薄膜からなる温度補正用電極56
が形成されている。この温度補正用電極56は、内部の
空間56Aを高真空に封止した状態で、絶縁層52を介
してシリコン基板51と絶縁され、それらの周縁をシリ
コン基板51Bに固定されている。
【0008】また、前記の厚肉部51Bの内部には、温
度補正用電極56に隣接して絶対圧力の測定で基準圧力
となる真空室57が形成され、真空室57内にはゲッタ
ー材58が収容されている。このゲッター材58によ
り、真空室57内の基準圧力が高真空に保たれ、基準圧
力の変動による当該真空センサの出力の変動を防止して
いる。
【0009】また、ダイヤフラム電極53の空間53A
とダイヤフラム電極54の空間54Aは第1連通路59
を介して相互に連通し、ダイヤフラム電極54の空間5
4Aとダイヤフラム電極55の空間55Aは第2連通路
60を介して相互に連通している。ダイヤフラム電極5
5の空間55Aと温度補正用電極56内の空間56Aは
第3連通路61を介して相互に連通し、温度補正用電極
56内の空間56Aと真空室57は第4連通路62を介
して相互に連通している。従って、ダイヤフラム電極5
3,54,55の空間53A,54,55Aと、温度補
正用電極56内の空間56Aと、真空室57とは相互に
連通している。
【0010】また、真空室57とシリコン基板51の他
端側の端面との間には、第5連通路63が形成され、第
5連通路63の途中は、シリコン基板51の他端下側部
に形成した封止口64に嵌め込んだ封止材65により閉
塞されている。シリコン基板51上には、ダイヤフラム
電極53,54,55の夫々に対応して端子部(図示せ
ず)が設けられ、これらの端子部とダイヤフラム電極5
3,54,55は、リード線(図示せず)を介して接続
されている。
【0011】このように構成された真空センサがガス中
に設置され、前記真空センサが置かれた周囲のガスの圧
力が低下すると、ガスの圧力の変化に対応して夫々の各
ダイヤフラム電極53,54,55の間隔が大きくな
り、静電容量の値が減少する。ガスの圧力の変化に対応
した各組のダイヤフラム電極53,54,55の変位量
は、ダイヤフラム電極53,54,55の導電性薄膜の
厚さが同じ場合には、導電性薄膜の面積に比例するの
で、面積の大きなダイヤフラム電極53では、静電容量
の値の変化は大きく、面積の小さなダイヤフラム電極5
5では、静電容量の値の変化は小さくなる。ダイヤフラ
ム電極54では中間となる。従って、面積の大きなダイ
ヤフラム電極53により、真空度の高い領域が測定さ
れ、また、面積の小さなダイヤフラム電極55により真
空度の低い領域が測定される。ダイヤフラム電極54に
より真空度が上記領域の中間の領域が測定される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記真
空センサによれば、広範な測定範囲を得ようとすれば複
数組のダイヤフラム電極を形成しなければならず、容易
に製造するすることができないという技術的課題があっ
た。また複数組のダイヤフラム電極を形成するため、真
空センサが大型化するという技術的課題があった。更
に、圧力の測定範囲に応じて、最適なダイヤフラムを選
択し、その静電容量の変化が出力されるリ−ド線の切換
えを行い、最適なダイヤフラムの静電容量の変化を測定
しなければならなかった。そのため、切換え回路などの
回路装置を設ければならないという技術的課題があっ
た。
【0013】本発明は上記技術的課題を解決するために
なされたものであって、1つのダイヤフラム電極を備
え、そのダイヤフラム電極によって広範な圧力を測定す
ることができる真空センサ及びその真空センサの製造方
法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる真空セン
サは、第1の基体と、圧力を測定する気体が導入される
導入孔が形成された第2の基体と、前記第1の基体と第
2の基体との間に介装され、第1の基体と第2の基体と
の間に空間を形成する第3の基体と、第1の基体と第2
の基体の間に配置され前記空間を測定室と真空室とに区
画するダイヤフラム電極と、前記第1の基体の上面に前
記ダイヤフラム電極に対向して形成された第1の固定電
極と、前記第2の基体の上面に前記ダイヤフラム電極に
対向して形成された第2の固定電極と、前記第2の固定
電極に電圧を印加する電圧印加手段を備え、前記ダイヤ
フラム電極と前記第1の固定電極間の静電容量が一定と
なるように、第2の固定電極に電圧を印加し、前記電圧
を圧力に変換することを特徴とする。
【0015】ここで、前記第2の基体には第1の固定電
極に電気的に接続されるリ−ド線を取付けるための貫通
孔と、第2の固定電極に電気的に接続されるリ−ド線を
取付けるための貫通孔とを備え、前記貫通孔の内壁に導
電性部材を形成し、リ−ド線を外部に導出すると共に、
前記貫通孔を導電性部材によって閉塞するのが望まし
い。また、前記真空室にはゲッタ−材が収容され、真空
室内が基準圧力が高真空に保持されているのが望まし
い。更に、第1の基体及び第2の基体はガラスから構成
され、第3の基体はP型シリコンから構成されているの
が望ましい。また第1の固定電極は導体から構成され、
第2の固定電極はP型シリコンから構成されているのが
望ましい。また、圧力を測定する気体が導入される導入
孔にP型シリコンによりフィルタが形成されているのが
望ましい。
【0016】本発明にかかる真空センサによれば、ダイ
ヤフラム電極がたわむ(変形)しないように電圧を印加
し、ダイヤフラム電極を初期の状態に維持しつつ、印加
する電圧の値から圧力を求めるようになしているため、
広範な圧力を測定することができる。また、1つのダイ
ヤフラム電極によって、圧力を測定することができるた
め、真空センサの大型化も防止することができる。
【0017】また、本発明にかかる真空センサの製造方
法は、パイレックスガラス等のガラスからなる第1の基
体に第1の固定電極をアルミ蒸着等の手段により形成す
る工程と、第2の基体に第2の固定電極を形成するため
に、シリコン(Si)からなる基体の上面にP型シリコ
ンを形成する工程と、前記基体の上面をパイレックスガ
ラス等のガラスからなる第2の基体に陽極結合させ、シ
リコンエッチングすることによって第2の固定電極を形
成する工程と、第3の基体にキャパシタのための間隙を
作るために、シリコンからなる第3の基体の所定部分を
エッチングする工程と、前記エッチング工程の後、第3
の基体の上面に不純物を拡散させ、ダイヤフラム電極の
ためのP型シリコンを形成する工程とを備え、前記工程
を経た第2の基体と第3の基体を陽極接合することによ
って、測定室を形成する工程と、第3の基体をエッチン
グすることによって、ダイヤフラム電極を形成する工程
と、第1の基体を第3の基体に陽極接合することによっ
て、真空室を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0018】ここで、前記シリコン(Si)基体の上面
をパイレックスガラス等のガラスからなる第2の基体に
陽極結合させ、シリコンエッチングすることによって、
第2の基体に第2の固定電極を形成すると共に、フィル
タを同時に形成するのが望ましい。また、前記第2の基
体と第3の基体を陽極接合した工程後、前記貫通孔の内
壁に導電性部材をアルミ蒸着等によって形成することが
望ましい。更に、第1の基体を第3の基体に陽極接合す
る際、真空室にゲッタ−材を収納するのが好ましい。
【0019】本発明にかかる真空センサの製造方法によ
れば、容易に前記した真空センサを製造することができ
る。また、第2の固定電極を形成する際、フィルタを同
時に形成することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1に基づいて説明する。図に示すように、本発明にかか
る真空センサ1は、第1の基体2と、圧力を測定する気
体が導入される導入孔が形成された第2の基体3と、前
記第1の基体2と第2の基体3との間に介装され両者を
結合すると共に、第1の基体2と第2の基体3との間に
一定の空間を形成する第3の基体4と、第1の基体2と
第2の基体3間の空間を測定室Aと真空室Bとに区画す
るダイヤフラム電極5を有している。
【0021】前記第1の基体2はパイレックスガラス等
のガラスから構成され、前記第1の基体1の上面には、
アルミニウム(Al)等の導体からなる第1の固定電極
6が形成されている。この第1の固定電極6はアルミニ
ウム(Al)を蒸着すること等によって形成される。ま
た第2の基体3も、前記第1の基体2と同様にパイレッ
クスガラス等のガラスから構成されると共に、前記第2
の基体3には第1乃至第4の貫通孔3a、3b、3c、
3dが形成され、第1乃至第3の貫通孔3a、3b、3
cの内側壁面には導電性部材7a、7b、7cが形成さ
れている。前記導電性部材7a、7b、7cは、第1の
固定電極6と同様、アルミニウム(Al)を蒸着するこ
と等によって形成される。この第1の貫通孔3a内側壁
面に形成された導電性部材7aは、前記第1の固定電極
6と電気的に接続される。また貫通孔3aは導電性部材
8aによって閉塞され、前記導電性部材8aからリ−ド
線9が導出されている。
【0022】また、第2の貫通孔3bの内側壁面に前記
導電性部材7aと同様に形成された導電性部材7bは、
第2の基体3の下面に形成された第2の固定電極10と
電気的に接続されている。この第2の貫通孔3bも、前
記第1の貫通孔3aと同様、貫通孔3bは導電性部材8
bによって閉塞され、前記導電性部材8bからリ−ド線
11が導出されている。更に、第3の貫通孔3cの内側
壁面に前記導電性部材7aと同様に形成された導電性部
材7cは、後述する第3の基体4と電気的に接続され、
貫通孔3cは導電性部材8cによって閉塞され、前記導
電性部材8cからリ−ド線12が導出されている。尚、
前記導電性部材8a、8b、8cとして、例えば導電性
エポキシ樹脂等が用いられる。
【0023】ここで、前記リ−ド線9はダイヤフラム電
極5と第1の固定電極6間の静電容量を測定するもので
あり、またリ−ド線11は第2の固定電極10に対し
て、電圧を印加するためのものである。またリ−ド線1
2はグランド(接地)端子である。このグランド(接
地)端子12は、ダイヤフラム電極5と第1の固定電極
6によって構成される容量検出回路と、ダイヤフラム電
極5と第2の固定電極10によって構成される静電引力
用回路の共通のグランド(接地)端子である。なお、第
4の貫通孔3dは、真空度を測定するための導入孔3d
であって、後述するダイヤフラム電極5と第2の基体3
によって、測定室Aが形成される。また圧力を測定する
気体が導入される導入孔3dにP型(P+ )シリコンの
フィルタ−17が形成されているのが好ましい。このフ
ィルタ−15によって、測定室A内への塵等の侵入を防
止することができる。このフィルタ−15は第2の基体
の上面あるいは下面に形成することができる。
【0024】また、前記第1の基体2と前記第2の基体
3の間には、第3の基体4が配置され、前記第1の基体
2と前記第2の基体3とを結合すると共に、その内部に
真空室Bを形成する。この第3の基体4はシリコンから
構成され、好ましくはP型シリコン(P+ シリコン)で
あるのが好ましい。この第3の基体4と前記第1の基体
2と前記第2の基体3と、陽極結合によって、密着接合
される。
【0025】また、このダイヤフラム5電極と第2の基
体3によって、導入孔3dと連通する測定室Aが形成さ
れ、前記ダイヤフラム電極5と第1の基体2によって、
真空室Bが形成される。なお、図1において、真空室B
が第3の基体4によって区画されているが、いずれも連
通され、1つの真空室Bを形成している。また、前記真
空室Bには、ゲッター材13が収容されている。このゲ
ッター材13により、真空室B内の基準圧力が高真空に
保たれ、基準圧力の変動による当該真空センサの出力の
変動を防止している。
【0026】このように構成される真空センサ1は、第
1の固定電極6とダイヤフラム電極5によって、キャパ
シタCS が形成される。
【0027】次に、この真空センサの製造方法について
図2、図3に基づいて説明する。まず、第2の基体3に
第2の固定電極10とフィルタ−15を形成する工程を
図2に基づいて説明する。尚、フィルタ−15は図1に
示されたフィルタ−15と異なり、第2の基体3の下面
に形成される場合について説明する。図2(a)に示す
ように、シリコン(Si)基体20の上面に酸化珪素
(SiO2 )膜21を形成する。その後、酸化珪素(S
iO2 )膜の上面にホトレジストを塗布し、酸化珪素
(SiO2 )膜の所定部分をエッチングする(図2
(b))。その後、図2(c)に示すように、不純物を
拡散し、P型シリコン(P++シリコン)22を形成する
と共に両側に形成された酸化珪素(SiO2 )膜を除去
する。この部分は第2の固定電極10及びフィルタ−1
5として形成される部分である。次に、図2(d)に示
すように、拡散領域にホトレジスト23を塗布した後、
酸化珪素(SiO2 )膜及びシリコン(Si)基体の一
部をエッチングする。その後、拡散領域上面に形成され
たホトレジストを除去し、酸化珪素(SiO2 )膜をエ
ッチングする(図2(e))。
【0028】そしてまた、パイレックスガラス等のガラ
スからなる第2の基体3に、あらかじめ貫通孔3a〜3
dをサンドブラストによって形成する。この第2の基体
3に対して、前記図2(e)に示されたシリコン基体2
0を陽極接合する(図2(f))。その後、シリコンエ
ッチングを施し、シリコン基体20を除去することによ
って、第2の基体3の下面に、第2の固定電極10及び
フィルタ−15を形成する(図2(g))。尚、第2の
固定電極10及びフィルタ−15は、P型シリコン(P
++シリコン)をエッチング処理により、所定の厚さに形
成される。
【0029】次に第3の基体4及びダイヤフラム電極5
の形成工程について、図3に基づいて説明する。第3の
基体4は、両面が磨かれた所定の厚さを有するP型シリ
コン(P+ シリコン)の上面に間隙を作るために、上面
の一部を除き、ホトレジスト24を形成する(図3
(a))。その後、上面を4μmシリコンエッチングす
る(図3(b))。また、P型シリコン(P+ シリコ
ン)の下面にキャパシタCS のための間隙を作るために
下面の一部を除き、ホトレジスト25を形成し、下面を
11μmシリコンエッチングする(図3(c))。そし
て、その後、前記ホトレジスト25を除去し、図3
(d)に示すように、所定部分を除いて再びホトレジス
ト26を形成し、不純物を拡散させ、P型シリコン(P
++シリコン)27を形成する。
【0030】そして、前記ホトレジスト26を除去した
後、前記した第2の基体3を上面に陽極接合する(図3
(e))。貫通孔3a〜3dの内壁に形成される導電性
部材7a〜7cは、アルミニュ−ム等を蒸着等すること
によって形成される。次に、図3(f)に示すように、
アルミニュ−ム等を蒸着等によって形成された導電性部
材7a〜7cを保護するために、第2の基体3の上面に
保護用のシリコン部材14を配置し、第2の基体3の上
面を覆う。また、第2の基体3の下面の所定部分にホト
レジスト28を形成し、第3の基体4のシリコンをエッ
チングする。その後、図2(g)に示すように、保護用
のシリコン部材16を取り外すと共に、第3の基体4の
下面の所定部分のホトレジストを除去する。また、貫通
孔3a〜3cに導電性エポキシ樹脂を装填し、リ−ド線
9、11、12を取り付ける。その後、第3の基体4の
下面と、あらかじめ蒸着等の手段で形成された第1の固
定電極6を備える第1の基体2とを陽極接合する。その
際、ゲッタ−材13を真空室Bに収納する。
【0031】次に、この真空センサの動作について説明
する。真空センサ1がガス中に設置し、真空センサ1が
置かれた周囲のガスの圧力が低下すると、ガスの圧力の
変化に対応してダイヤフラム電極5と、第1の固定電極
6間の間隔が大きくなり、静電容量Cs の値が減少す
る。この静電容量Cs の変化をリ−ド線9から導出し、
この静電容量Cs の変化に対応した電圧を第2の固定電
極10に与えることによって、前記静電容量Cs の値を
一定に保つようにする。言い換えれば、ガスのいかなる
圧力の変化に対しても、ダイヤフラム電極5が初期の状
態を維持すように(静電容量Cs が変化しないよう
に)、第2の固定電極10に電圧が印加される。この印
加される電圧を測定することにより、電圧と圧力の関係
から、圧力が求められる。
【0032】ここで、第2の固定電極10に与えられる
電圧と圧力は以下の関係がある。静電気の力Fe は、F
e =ε0A 2/2d2 (1)で与えられる。このと
き、ε0 は真空誘電率、VA は第2の固定電極10に与
えられた電圧、dはダイヤフラム電極5と第2の固定電
極10の距離である。例えば、d=0.3μmの場合、
静電気の力Fe は、Fe =2.6×10-3 Torr /V2
(2)となる。圧力がPのとき、ダイヤフラム電極5
に与えられた静電気の力Fe により、ダイヤフラム電極
は初期状態に固定されるため、力の平衡方程式により、
e =P (3)で与えられる。ここで、(3)式を
(1)式に代入すると、VA =(2d2 P/ε01/2
(4)となり、与えるVA はP1/2 に比例するこ
とがわかる。したがって、VA 、即ち、第2の固定電極
10に与えられる電圧を測定することによって、圧力を
測定することができる。
【0033】なお、上記実施形態では、第1、第2、第
3の基体が別個独立である場合について説明したが、第
1、第2の基体あるいは第2、第3の基体が一体化した
ものであっても良く、また第1、第2、第3の基体が一
体化した基体であっても良い。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる真空セン
サによれば、ダイヤフラム電極がたわむ(変形)しない
ように電圧を印加し、ダイヤフラム電極を初期の状態に
維持しつつ、印加する電圧の値から、圧力を求めるよう
になしているため、1つのダイヤフラム電極によって広
範な圧力を測定することができる。また、1つのダイヤ
フラム電極によって、圧力を測定することができるた
め、容易に製造することができ、真空センサの大型化も
防止することができる。更に、圧力の測定範囲に応じ
て、最適なダイヤフラム電極を選択し、その静電容量の
変化が出力されるリ−ド線の切換えを行う必要がないた
め、切換え回路などの回路装置を設ける必要がない。真
空センサの導入孔にフィルタが設けられているため、測
定室A内に塵等が侵入することもなく、誤動作、故障を
防止することができる。
【0035】本発明にかかる真空センサの製造方法によ
れば、容易に前記した真空センサを製造することができ
る。また、第2の固定電極を形成する際、フィルタを同
時に、しかも容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施形態を示す断面図であ
る。
【図2】 図2本発明の実施形態にかかる製造方法を説
明するための断面図である。
【図3】 図3本発明の実施形態にかかる製造方法を説
明するための断面図である。
【図4】 図4は従来の真空センサを示す断面図であ
る。
【図5】 図5は従来の真空センサを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空センサ 2 第1の基体 3 第2の基体 3a〜3c 貫通孔 3d 貫通孔(導入孔) 4 第3の基体 5 ダイヤフラム電極 6 第1の固定電極 7 導電性部材 8 導電性部材 9 リ−ド線 10 第2の固定電極 11 リ−ド線 12 リ−ド線 13 ゲッタ−材 14 保護用シリコン部材 15 フィルタ− 20 シリコン基体 21 酸化珪素膜 22 P型シリコン 23 ホトレジスト 24 ホトレジスト 25 ホトレジスト 26 ホトレジスト 27 P型シリコン 28 ホトレジスト A 測定室 B 真空室

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基体と、圧力を測定する気体が導
    入される導入孔が形成された第2の基体と、前記第1の
    基体と第2の基体との間に介装され、第1の基体と第2
    の基体との間に空間を形成する第3の基体と、第1の基
    体と第2の基体の間に配置され前記空間を測定室と真空
    室とに区画するダイヤフラム電極と、前記第1の基体の
    上面に前記ダイヤフラム電極に対向して形成された第1
    の固定電極と、前記第2の基体の上面に前記ダイヤフラ
    ム電極に対向して形成された第2の固定電極と、第2の
    固定電極に電圧を印加する電圧印加手段を備え、 前記ダイヤフラム電極と前記第1の固定電極間の静電容
    量が一定となるように、第2の固定電極に電圧を印加
    し、前記電圧から圧力を測定することを特徴とする真空
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記第2の基体には第1の固定電極に電
    気的に接続されるリ−ド線を取付けるための貫通孔と、
    第2の固定電極に電気的に接続されるリ−ド線を取付け
    るための貫通孔とを備え、前記貫通孔の内壁に導電性部
    材を形成し、リ−ド線を外部に導出すると共に、前記貫
    通孔を導電性部材によって閉塞したことを特徴とする請
    求項1に記載された真空センサ。
  3. 【請求項3】 前記真空室にはゲッタ−材が収容され、
    真空室内が基準圧力が高真空に保持されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載された真空セン
    サ。
  4. 【請求項4】 第1の基体及び第2の基体はガラスから
    構成され、第3の基体はP型シリコンから構成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載された真空センサ。
  5. 【請求項5】 第1の固定電極は導体から構成され、第
    2の固定電極はP型シリコンから構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載され
    た真空センサ。
  6. 【請求項6】 圧力を測定する気体が導入される導入孔
    にP型シリコンによりフィルタが形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載され
    た真空センサ。
  7. 【請求項7】 パイレックスガラス等のガラスからなる
    第1の基体に第1の固定電極をアルミニュ−ム等を蒸着
    等の手段により形成する工程と、 第2の基体に第2の固定電極を形成するために、シリコ
    ンからなる基体の上面にP型シリコンを形成する工程
    と、前記基体の上面をパイレックスガラス等のガラスか
    らなる第2の基体に陽極結合させ、シリコンエッチング
    することによって第2の固定電極を形成する工程と、 第3の基体にキャパシタのための間隙を作るために、シ
    リコンからなる第3の基体の所定部分をエッチングする
    工程と、前記エッチング工程の後、第3の基体の上面に
    不純物を拡散させ、ダイヤフラム電極のためのP型シリ
    コンを形成する工程とを備え、 前記工程を経た第2の基体と第3の基体を陽極接合する
    ことによって、測定室を形成する工程と、第3の基体を
    エッチングすることによって、ダイヤフラム電極を形成
    する工程と、第1の基体を第3の基体に陽極接合するこ
    とによって、真空室を形成する工程とを含むことを特徴
    とする真空センサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコン基体の上面をパイレックス
    ガラス等のガラスからなる第2の基体に陽極結合させ、
    シリコンエッチングすることによって、第2の基体に第
    2の固定電極を形成すると共に、フィルタを同時に形成
    することを特徴とする請求項7に記載された真空センサ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の基体と第3の基体を陽極接合
    した工程後、前記貫通孔の内壁に導電性部材をアルミニ
    ュ−ム等を蒸着等によって形成することを特徴とする請
    求項7または請求項8に記載された真空センサの製造方
    法。
  10. 【請求項10】第1の基体を第3の基体に陽極接合する
    際、真空室にゲッタ−材を収納したことを特徴とする請
    求項7、8、9のいずれかに記載された真空センサの製
    造方法。
JP17312197A 1997-06-13 1997-06-13 真空センサ及び真空センサの製造方法 Pending JPH116778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17312197A JPH116778A (ja) 1997-06-13 1997-06-13 真空センサ及び真空センサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17312197A JPH116778A (ja) 1997-06-13 1997-06-13 真空センサ及び真空センサの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH116778A true JPH116778A (ja) 1999-01-12

Family

ID=15954535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17312197A Pending JPH116778A (ja) 1997-06-13 1997-06-13 真空センサ及び真空センサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH116778A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6300676B1 (en) 1998-12-21 2001-10-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Small size electronic part and a method for manufacturing the same, and a method for forming a via hole for use in the same
CN103257005A (zh) * 2012-02-21 2013-08-21 苏州敏芯微电子技术有限公司 电容式压力传感器及其制造方法
JP2014521071A (ja) * 2011-06-29 2014-08-25 インベンセンス,インク. 一部が縦型集積電子回路とともに環境に曝露された密閉封止型memsデバイス
CN104792363A (zh) * 2015-04-13 2015-07-22 湛江市科海科技有限公司 一种基于碳化硅薄膜结构的多功能传感器及其制作方法
CN115219103A (zh) * 2022-09-20 2022-10-21 季华实验室 一种电容薄膜真空计传感器及其制作方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6300676B1 (en) 1998-12-21 2001-10-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Small size electronic part and a method for manufacturing the same, and a method for forming a via hole for use in the same
JP2014521071A (ja) * 2011-06-29 2014-08-25 インベンセンス,インク. 一部が縦型集積電子回路とともに環境に曝露された密閉封止型memsデバイス
CN103257005A (zh) * 2012-02-21 2013-08-21 苏州敏芯微电子技术有限公司 电容式压力传感器及其制造方法
CN104792363A (zh) * 2015-04-13 2015-07-22 湛江市科海科技有限公司 一种基于碳化硅薄膜结构的多功能传感器及其制作方法
CN115219103A (zh) * 2022-09-20 2022-10-21 季华实验室 一种电容薄膜真空计传感器及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5801313A (en) Capacitive sensor
Chavan et al. Batch-processed vacuum-sealed capacitive pressure sensors
US5483834A (en) Suspended diaphragm pressure sensor
US6051853A (en) Semiconductor pressure sensor including reference capacitor on the same substrate
EP1207378B1 (en) Semiconductor pressure sensor and pressure sensing device
US6445053B1 (en) Micro-machined absolute pressure sensor
US4578735A (en) Pressure sensing cell using brittle diaphragm
US4530029A (en) Capacitive pressure sensor with low parasitic capacitance
KR20000057142A (ko) 마이크로 공학 센서
JPH06129933A (ja) 過圧保護ポリシリコン容量性差圧センサー及びその製造方法
US20040182165A1 (en) Capacitive pressure sensor and its manufacturing method
US5444901A (en) Method of manufacturing silicon pressure sensor having dual elements simultaneously mounted
JPH0727646A (ja) 容量式差圧センサ
JPH116778A (ja) 真空センサ及び真空センサの製造方法
WO2007126269A1 (en) Touch mode capacitive pressure sensor
US5440931A (en) Reference element for high accuracy silicon capacitive pressure sensor
JP2006295006A (ja) 静電容量型センサの構造
JP3385392B2 (ja) 真空センサ
KR20020095105A (ko) 마이크로 이온 펌프 및 저압 마이크로인클로저내에 높은진공을 유지시키기 위한 방법
JP3172953B2 (ja) 静電容量式圧力センサ
JP3409980B2 (ja) 半導体圧力センサ
JP4540775B2 (ja) サーボ式静電容量型真空センサ
US7398694B2 (en) Pressure sensor and method for manufacturing pressure sensor
JP4059306B2 (ja) サーボ式静電容量型真空センサ
JP2865552B2 (ja) 静電容量式圧力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040507

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060410

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02