JPH1167115A - マイクロ波イオン源 - Google Patents
マイクロ波イオン源Info
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- JPH1167115A JPH1167115A JP9237680A JP23768097A JPH1167115A JP H1167115 A JPH1167115 A JP H1167115A JP 9237680 A JP9237680 A JP 9237680A JP 23768097 A JP23768097 A JP 23768097A JP H1167115 A JPH1167115 A JP H1167115A
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- plasma electrode
- plasma
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- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マイクロ波イオン源において反応性の強いガ
スを使った場合であってもプラズマ電極の開口部にスパ
ッタリング物質が堆積しないようにする。 【解決手段】 プラズマ電極の物質が堆積してはいけな
い部分の磁力線方向の投影位置に導電体を設け導電体を
プラズマ電極に対して正にバイアスする。
スを使った場合であってもプラズマ電極の開口部にスパ
ッタリング物質が堆積しないようにする。 【解決手段】 プラズマ電極の物質が堆積してはいけな
い部分の磁力線方向の投影位置に導電体を設け導電体を
プラズマ電極に対して正にバイアスする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波を利
用するイオン源において、エッチングされた壁材、壁材
とガス化合物などがプラズマ電極に堆積するのを防ぐよ
うにした装置に関する。マイクロ波を利用するイオン源
というのは、マイクロ波によってガスを励起しプラズマ
としてこれからイオンビームを引き出すようにしたイオ
ン源のことである。単にマイクロ波イオン源といえば磁
場による電子のラーモア運動を伴わないようなものをも
含む。しかしここではより狭義にこの言葉を使用する。
チャンバのマイクロ波の進行方向に磁場を印加し電子を
サイクロトロン運動させガス分子との衝突確率を増大さ
せるような工夫のあるものを指すものとする。
用するイオン源において、エッチングされた壁材、壁材
とガス化合物などがプラズマ電極に堆積するのを防ぐよ
うにした装置に関する。マイクロ波を利用するイオン源
というのは、マイクロ波によってガスを励起しプラズマ
としてこれからイオンビームを引き出すようにしたイオ
ン源のことである。単にマイクロ波イオン源といえば磁
場による電子のラーモア運動を伴わないようなものをも
含む。しかしここではより狭義にこの言葉を使用する。
チャンバのマイクロ波の進行方向に磁場を印加し電子を
サイクロトロン運動させガス分子との衝突確率を増大さ
せるような工夫のあるものを指すものとする。
【0002】ECRイオン源というのは、マイクロ波イ
オン源において縦磁場を印加する事によって電子をサイ
クロトロン運動させ、マイクロ波を共鳴吸収するように
したものである。つまりマイクロ波周波数fと、縦磁場
Bでの電子サイクロトロン周波数fc =qB/2πmが
一致する(f=fc )のをECRイオン源と呼ぶ。この
強さの磁場Bを共鳴磁場Br =2πmfc /qとよぶ。
マイクロ波が2.45GHzの場合、共鳴磁場は875
ガウスである。
オン源において縦磁場を印加する事によって電子をサイ
クロトロン運動させ、マイクロ波を共鳴吸収するように
したものである。つまりマイクロ波周波数fと、縦磁場
Bでの電子サイクロトロン周波数fc =qB/2πmが
一致する(f=fc )のをECRイオン源と呼ぶ。この
強さの磁場Bを共鳴磁場Br =2πmfc /qとよぶ。
マイクロ波が2.45GHzの場合、共鳴磁場は875
ガウスである。
【0003】これに対してマイクロ波イオン源というの
は、共鳴磁場よりも大きい磁場B(B>Br )を軸方向
に印加する。つまりECRイオン源はB=Br 、マイク
ロ波イオン源はB>Br によって区別される。構造上の
差異は殆ど無い。さらに本発明はB<Br のイオン源に
ついても適用する事ができる。これら3つの場合を含ん
で、縦磁場Bを有するマイクロ波利用イオン源を、以
後、マイクロ波イオン源ということにする。
は、共鳴磁場よりも大きい磁場B(B>Br )を軸方向
に印加する。つまりECRイオン源はB=Br 、マイク
ロ波イオン源はB>Br によって区別される。構造上の
差異は殆ど無い。さらに本発明はB<Br のイオン源に
ついても適用する事ができる。これら3つの場合を含ん
で、縦磁場Bを有するマイクロ波利用イオン源を、以
後、マイクロ波イオン源ということにする。
【0004】プラズマ電極というのはイオン源のビーム
出口に設けた有孔の電極である。その電位はチャンバの
電位と同じ場合もあるし異なる場合もある。多くの場合
はチャンバと同電位である。
出口に設けた有孔の電極である。その電位はチャンバの
電位と同じ場合もあるし異なる場合もある。多くの場合
はチャンバと同電位である。
【0005】一般に、イオン源出口には3枚の有孔電極
を設ける事が多い、その1枚目の電極はプラズマ電極で
あり正の高電圧が掛かる。2枚目は負電圧が印加され
る。3枚目は接地(大地)電圧である。1枚目の正電圧
が掛かる電極を正電極と呼ぶこともある。イオン源チャ
ンバの出口にあってビーム引き出し口の電極がプラズマ
電極であるということである。イオンビームの出口であ
るから、ひとつ或いは複数の通し穴が穿たれている。
を設ける事が多い、その1枚目の電極はプラズマ電極で
あり正の高電圧が掛かる。2枚目は負電圧が印加され
る。3枚目は接地(大地)電圧である。1枚目の正電圧
が掛かる電極を正電極と呼ぶこともある。イオン源チャ
ンバの出口にあってビーム引き出し口の電極がプラズマ
電極であるということである。イオンビームの出口であ
るから、ひとつ或いは複数の通し穴が穿たれている。
【0006】
【従来の技術】図6、図7によって従来例に掛かるマイ
クロ波イオン源の概略の構造を説明する。図6はチャン
バ中心線に沿う縦断面図、図7はチャンバを原料ガス入
口を含む面で軸方向に直角に切った断面図である。ヘッ
ドチャンバ1はここでは円筒上の容器である。図中左方
からマイクロ波が進行して行くものとする。初めにマイ
クロ波導波管2がヘッドチャンバ1と同心に設けられ
る。これは誘電体であることもあり中空であることもあ
る。いずれでも良い。
クロ波イオン源の概略の構造を説明する。図6はチャン
バ中心線に沿う縦断面図、図7はチャンバを原料ガス入
口を含む面で軸方向に直角に切った断面図である。ヘッ
ドチャンバ1はここでは円筒上の容器である。図中左方
からマイクロ波が進行して行くものとする。初めにマイ
クロ波導波管2がヘッドチャンバ1と同心に設けられ
る。これは誘電体であることもあり中空であることもあ
る。いずれでも良い。
【0007】導波管2の終点にマイクロ波導入窓3が設
けられる。導波管2は大気圧下にある。マイクロ波導入
窓3は誘電体(セラミック)の板であって、チャンバ側
の真空を維持し、マイクロ波を真空側に導入するために
必要である。右方の広い円筒部にはセラミックまたは金
属によるプラズマ生成部壁4がある。壁4に囲まれたプ
ラズマ生成領域5には、外部から、ガス導入口6を通っ
てガスが導入される。
けられる。導波管2は大気圧下にある。マイクロ波導入
窓3は誘電体(セラミック)の板であって、チャンバ側
の真空を維持し、マイクロ波を真空側に導入するために
必要である。右方の広い円筒部にはセラミックまたは金
属によるプラズマ生成部壁4がある。壁4に囲まれたプ
ラズマ生成領域5には、外部から、ガス導入口6を通っ
てガスが導入される。
【0008】プラズマ生成領域5の前端には開口8を持
つプラズマ電極7がある。さらにチャンバの外周にはコ
イルがあって、チャンバの軸方向に磁場を発生するよう
になっている。ここでは簡単のためコイルの図示を省略
している。プラズマ電極の先には減速電極や接地電極が
あるがここでは図示を略している。チャンバの形状は目
的によって様々である。プラズマ生成領域5が半径方向
にもっと広い場合もある。プラズマ生成領域5が軸方向
にもっと短い場合もある。
つプラズマ電極7がある。さらにチャンバの外周にはコ
イルがあって、チャンバの軸方向に磁場を発生するよう
になっている。ここでは簡単のためコイルの図示を省略
している。プラズマ電極の先には減速電極や接地電極が
あるがここでは図示を略している。チャンバの形状は目
的によって様々である。プラズマ生成領域5が半径方向
にもっと広い場合もある。プラズマ生成領域5が軸方向
にもっと短い場合もある。
【0009】ガス導入口6からガスを供給し、マイクロ
波を導波管2を通じてプラズマ生成領域5に導入する。
マイクロ波によって電子が振動しガス分子に衝突するの
でガス分子を励起する。放出された電子はさらにマイク
ロ波を吸収し加速され分子に衝撃を与える。これによっ
て電子、イオン、中性ラジカルが混在するプラズマが生
成される。プラズマの電位はプラズマ電極7によってそ
の電位付近に固定される。プラズマ中の正イオンがプラ
ズマ電極7の開口8を通して引き出される。縦磁場が掛
かっているから電子は磁力線に捕らえられ小さい半径で
回転運動する。そのために壁面に衝突する確率が減り、
ガス分子をより有効に励起することができる。磁場の大
きさが共鳴磁場である場合は、電子のサイクロトロン運
動とマイクロ波が同期するから吸収が盛んになりプラズ
マの生成効率を高めることができる。
波を導波管2を通じてプラズマ生成領域5に導入する。
マイクロ波によって電子が振動しガス分子に衝突するの
でガス分子を励起する。放出された電子はさらにマイク
ロ波を吸収し加速され分子に衝撃を与える。これによっ
て電子、イオン、中性ラジカルが混在するプラズマが生
成される。プラズマの電位はプラズマ電極7によってそ
の電位付近に固定される。プラズマ中の正イオンがプラ
ズマ電極7の開口8を通して引き出される。縦磁場が掛
かっているから電子は磁力線に捕らえられ小さい半径で
回転運動する。そのために壁面に衝突する確率が減り、
ガス分子をより有効に励起することができる。磁場の大
きさが共鳴磁場である場合は、電子のサイクロトロン運
動とマイクロ波が同期するから吸収が盛んになりプラズ
マの生成効率を高めることができる。
【0010】マイクロ波イオン源は様々なガスを用いて
目的のイオンのビームを生成することができる。ガスは
時に腐食性を持つ場合がある。腐食性ガスをチャンバ内
に導入すると、チャンバ壁を化学的物理的に侵食する。
反応性の強いガスを扱う場合は壁の材料を腐食やスパッ
タリングに強いセラミック製とする。例えばBNなどの
強固な絶縁体によって内壁を覆うようにする。それでも
一部は反応性ガスによってスパッタリングされ侵食され
る。壁から削り取られた壁材料はそのまま中性の粒子と
なってチャンバ内を浮遊することもあるし電荷を帯びる
こともある。
目的のイオンのビームを生成することができる。ガスは
時に腐食性を持つ場合がある。腐食性ガスをチャンバ内
に導入すると、チャンバ壁を化学的物理的に侵食する。
反応性の強いガスを扱う場合は壁の材料を腐食やスパッ
タリングに強いセラミック製とする。例えばBNなどの
強固な絶縁体によって内壁を覆うようにする。それでも
一部は反応性ガスによってスパッタリングされ侵食され
る。壁から削り取られた壁材料はそのまま中性の粒子と
なってチャンバ内を浮遊することもあるし電荷を帯びる
こともある。
【0011】壁材料はさらにガスと化合して化合物とな
ることもある。化合物も中性の粒子あるいは電荷をもつ
粒子としてチャンバ内に存在する。これらはプラズマ電
極7の穴8を通って外部に排除されることもある。イオ
ンビームとしてガスがプラズマ電極出口8から出るの
で、壁材、壁材化合物の一部はプラズマ電極の穴8の近
くに堆積する。壁材とその化合物のことを簡単に以後ス
パッタリング物質とよぶ。これが電極に付着した場合は
付着物質17とよぶことにしよう。
ることもある。化合物も中性の粒子あるいは電荷をもつ
粒子としてチャンバ内に存在する。これらはプラズマ電
極7の穴8を通って外部に排除されることもある。イオ
ンビームとしてガスがプラズマ電極出口8から出るの
で、壁材、壁材化合物の一部はプラズマ電極の穴8の近
くに堆積する。壁材とその化合物のことを簡単に以後ス
パッタリング物質とよぶ。これが電極に付着した場合は
付着物質17とよぶことにしよう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】反応性の高いガスを用
いる場合、壁材が腐食され、壁材、壁材化合物などがプ
ラズマ電極に付着堆積する。付着物質17は時としてイ
オンビームの通し穴8を塞ぐようになる。例えばBF3
のようなガスを使う場合である。プラズマ電極7の開口
面積が減少すると、イオンビーム電流が減少する。イオ
ン源としての性能が低下する。さらにプラズマ電子が入
り込む領域がなくなり、プラズマ電位が不安定になるこ
ともある。甚だしい場合はプラズマ電極の通し穴がふさ
がってしまいビームが出なくなることもある。そうする
とイオン源として全く機能しなくなる。そのようなこと
が起こらないように、開口部に壁材などが付着するのを
防ぐようにする必要がある。
いる場合、壁材が腐食され、壁材、壁材化合物などがプ
ラズマ電極に付着堆積する。付着物質17は時としてイ
オンビームの通し穴8を塞ぐようになる。例えばBF3
のようなガスを使う場合である。プラズマ電極7の開口
面積が減少すると、イオンビーム電流が減少する。イオ
ン源としての性能が低下する。さらにプラズマ電子が入
り込む領域がなくなり、プラズマ電位が不安定になるこ
ともある。甚だしい場合はプラズマ電極の通し穴がふさ
がってしまいビームが出なくなることもある。そうする
とイオン源として全く機能しなくなる。そのようなこと
が起こらないように、開口部に壁材などが付着するのを
防ぐようにする必要がある。
【0013】特開平6−349434号はチャンバと、
プラズマ電極を絶縁し、プラズマ電極に負電圧を掛ける
ようにしたイオン源を提案している。負電圧によって正
イオンが加速されてプラズマ電極に強く衝突し、プラズ
マ電極をスパッタリングするので、堆積物が除去され
る、という。しかしそのようにするためにはプラズマ電
極を、チャンバから絶縁しなければならず、電極の取り
付け構造が複雑になる。また新たな電源が必要である。
配線もより複雑になる。プラズマ電極の負電圧が、イオ
ンビーム引き出し作用に悪影響を及ぼすこともある。よ
り単純な工夫によってプラズマ電極開口部への壁材など
の堆積を防止する事が望まれる。マイクロ波イオン源に
おいてプラズマ電極開口部への壁材成分、化合物などの
堆積を防ぐようにしたイオン源を提供する事が本発明の
目的である。
プラズマ電極を絶縁し、プラズマ電極に負電圧を掛ける
ようにしたイオン源を提案している。負電圧によって正
イオンが加速されてプラズマ電極に強く衝突し、プラズ
マ電極をスパッタリングするので、堆積物が除去され
る、という。しかしそのようにするためにはプラズマ電
極を、チャンバから絶縁しなければならず、電極の取り
付け構造が複雑になる。また新たな電源が必要である。
配線もより複雑になる。プラズマ電極の負電圧が、イオ
ンビーム引き出し作用に悪影響を及ぼすこともある。よ
り単純な工夫によってプラズマ電極開口部への壁材など
の堆積を防止する事が望まれる。マイクロ波イオン源に
おいてプラズマ電極開口部への壁材成分、化合物などの
堆積を防ぐようにしたイオン源を提供する事が本発明の
目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】プラズマ電極裏面の開口
を囲む部分を磁力線の方向に投影したチャンバ内の一部
に或いは窓に導電体を設け、プラズマ電極に対して正に
バイアスする。導電体には開口を磁力線方向に投影した
位置に穴を設けるとよい。
を囲む部分を磁力線の方向に投影したチャンバ内の一部
に或いは窓に導電体を設け、プラズマ電極に対して正に
バイアスする。導電体には開口を磁力線方向に投影した
位置に穴を設けるとよい。
【0015】プラズマ中に導電体を設けると、プラズマ
電位が導電体の電位にほぼ固定される。プラズマ電極に
おいてどうして壁材成分などが付着するかというと次の
ような作用によると推測される。プラズマ中の壁材成分
のイオンが電極に衝突するのと同時に電子がプラズマ電
極に衝突すると、ここで電気的に中和し中性粒子となっ
て電極表面に付着する。正イオンが電極面に衝突する場
合はイオンによる静電的な斥力が働いてすぐに反発して
電極から離反してゆき、結局壁材成分は電極に付かない
のである。とすればプラズマに対してプラズマ電極を負
電圧になるようバイアスすれば電子がプラズマ電極に流
入しなくなるのでスパッタリング物質(壁材物質)のイ
オンがプラズマ電極に付着しないようになる。
電位が導電体の電位にほぼ固定される。プラズマ電極に
おいてどうして壁材成分などが付着するかというと次の
ような作用によると推測される。プラズマ中の壁材成分
のイオンが電極に衝突するのと同時に電子がプラズマ電
極に衝突すると、ここで電気的に中和し中性粒子となっ
て電極表面に付着する。正イオンが電極面に衝突する場
合はイオンによる静電的な斥力が働いてすぐに反発して
電極から離反してゆき、結局壁材成分は電極に付かない
のである。とすればプラズマに対してプラズマ電極を負
電圧になるようバイアスすれば電子がプラズマ電極に流
入しなくなるのでスパッタリング物質(壁材物質)のイ
オンがプラズマ電極に付着しないようになる。
【0016】問題になるのは電子であって電子は質量が
小さくて磁力線によって強く束縛されているから磁力線
に沿って螺旋運動すると考えることができる。磁力線は
軸方向に生じているから、電子は磁力線に捕らわれて軸
方向に往復運動することになる。全ての電子がプラズマ
電極に衝突するのではなくて一部の電子だけが衝突す
る。それはプラズマ電極を軸方向に投影した部分にある
電子が衝突の可能性を持つ。であるからプラズマ電極の
付着物が付いて欲しくない部分の投影領域において電子
を閉じ込めるようにすれば良い。それでプラズマ電極の
軸方向の投影領域に導電体を設け、これをプラズマ電極
に対して正にバイアスするのである。
小さくて磁力線によって強く束縛されているから磁力線
に沿って螺旋運動すると考えることができる。磁力線は
軸方向に生じているから、電子は磁力線に捕らわれて軸
方向に往復運動することになる。全ての電子がプラズマ
電極に衝突するのではなくて一部の電子だけが衝突す
る。それはプラズマ電極を軸方向に投影した部分にある
電子が衝突の可能性を持つ。であるからプラズマ電極の
付着物が付いて欲しくない部分の投影領域において電子
を閉じ込めるようにすれば良い。それでプラズマ電極の
軸方向の投影領域に導電体を設け、これをプラズマ電極
に対して正にバイアスするのである。
【0017】導電体とプラズマ電極の間に電界が発生
し、これが電子を導電体側に引きつけプラズマ電極に至
らないようにする。導電体にはプラズマ電極の開口とほ
ぼ同じ穴を設ける必要がある。磁力線に拘束されて、電
子は軸方向に進むので導電体に穴がないと導電体によっ
て遮断される。またその穴がないとイオンの運動も妨げ
られるからイオンビームを十分に引き出す事ができな
い。
し、これが電子を導電体側に引きつけプラズマ電極に至
らないようにする。導電体にはプラズマ電極の開口とほ
ぼ同じ穴を設ける必要がある。磁力線に拘束されて、電
子は軸方向に進むので導電体に穴がないと導電体によっ
て遮断される。またその穴がないとイオンの運動も妨げ
られるからイオンビームを十分に引き出す事ができな
い。
【0018】導電体を正にバイアスすると電子が導電体
に入りイオンと再結合してスパッタリング物質が導電体
自体に付着することがあり得る。もしも導電体を覆い尽
くすと絶縁物によって遮断され、導電体の電位がプラズ
マに掛からなくなるから、付着物を除く必要がある。そ
のためには導電体に電流を流して加熱し高温にして付着
物を飛ばすようにする。
に入りイオンと再結合してスパッタリング物質が導電体
自体に付着することがあり得る。もしも導電体を覆い尽
くすと絶縁物によって遮断され、導電体の電位がプラズ
マに掛からなくなるから、付着物を除く必要がある。そ
のためには導電体に電流を流して加熱し高温にして付着
物を飛ばすようにする。
【0019】
[実施例1(チャンバの中間部に導電体を設ける)]図
1は本発明の第1の実施例を示す断面図である。図2は
そのプラズマ電極裏面を示す2−2断面図、図3は導電
体を含む面で切断した図1の3−3断面図である。円筒
形のヘッドチャンバ1の中に導波管2が挿入され、マイ
クロ波が導波管2、マイクロ波導入窓3を通じてプラズ
マ生成部に入る。チャンバ1の内壁にはBNなどの壁材
4が貼ってあり、反応性の強いガスであってもチャンバ
が腐食しにくいように配慮されている。プラズマ生成部
5の前端部にはプラズマ電極7が取り付けられる。プラ
ズマ電極7には開口8がある。ガス導入口6からガスを
内部に導き入れる事ができる。ここまでの構成は図6、
図7と同様である。
1は本発明の第1の実施例を示す断面図である。図2は
そのプラズマ電極裏面を示す2−2断面図、図3は導電
体を含む面で切断した図1の3−3断面図である。円筒
形のヘッドチャンバ1の中に導波管2が挿入され、マイ
クロ波が導波管2、マイクロ波導入窓3を通じてプラズ
マ生成部に入る。チャンバ1の内壁にはBNなどの壁材
4が貼ってあり、反応性の強いガスであってもチャンバ
が腐食しにくいように配慮されている。プラズマ生成部
5の前端部にはプラズマ電極7が取り付けられる。プラ
ズマ電極7には開口8がある。ガス導入口6からガスを
内部に導き入れる事ができる。ここまでの構成は図6、
図7と同様である。
【0020】それに加えてプラズマ生成領域5の半ばに
おいてプラズマ電極裏面10の軸方向への投影の位置に
円環状の導電体9が設けられる。開口8を有するプラズ
マ電極の裏面10が円環状であるので、導電体9もその
ような形状にする。導電体9には開口13があって、プ
ラズマ電極7の開口8を転写したような形状になってい
る。これはプラズマを導電体によって遮断することなく
電子の軸方向への流れを抑制するためである。スパッタ
リング物質が付着して欲しくない部分10の軸方向への
投影になるように導電体9を設置する。導電体の端子は
絶縁体16によってチャンバと絶縁される。プラズマ電
極裏面10にいたる磁力線が導電体によって途中で遮断
される。電子は磁力線に拘束されその周りを小さい半径
の螺旋を描きながら進行する。つまり電子は磁力線の方
向にチャンバ内を運動すると言える。途中に導電体があ
ると電子の流れが妨げられる。電子はプラズマ電極裏面
10には到達しにくくなる。しかし正イオンや中性イオ
ンは磁場の影響は少なく自在に動き得るから導電体9に
開口13があれば流れは妨げられない。
おいてプラズマ電極裏面10の軸方向への投影の位置に
円環状の導電体9が設けられる。開口8を有するプラズ
マ電極の裏面10が円環状であるので、導電体9もその
ような形状にする。導電体9には開口13があって、プ
ラズマ電極7の開口8を転写したような形状になってい
る。これはプラズマを導電体によって遮断することなく
電子の軸方向への流れを抑制するためである。スパッタ
リング物質が付着して欲しくない部分10の軸方向への
投影になるように導電体9を設置する。導電体の端子は
絶縁体16によってチャンバと絶縁される。プラズマ電
極裏面10にいたる磁力線が導電体によって途中で遮断
される。電子は磁力線に拘束されその周りを小さい半径
の螺旋を描きながら進行する。つまり電子は磁力線の方
向にチャンバ内を運動すると言える。途中に導電体があ
ると電子の流れが妨げられる。電子はプラズマ電極裏面
10には到達しにくくなる。しかし正イオンや中性イオ
ンは磁場の影響は少なく自在に動き得るから導電体9に
開口13があれば流れは妨げられない。
【0021】それだけではなくて導電体をプラズマ電極
に対して正電位になるようにバイアス(電源12)す
る。すると電子は導電体の方に引き寄せられてプラズマ
電極には至らない。電子がプラズマ電極7の裏面10に
衝突しないので電子・正イオンが再結合できず、スパッ
タリング物質の正イオンが電極裏面10に当たっても跳
ね返るだけで付着しないのである。この例では導電体9
をガス導入口6よりも窓3の近くに設けている。しかし
そうでなくて導電体9をプラズマ電極7の方により接近
させても良い。反対に窓の方へ近づけても良い。軸方向
への平行移動は自由である。導電体に電子が流入するか
ら導電体自体にスパッタリング物質が堆積することもあ
りうる。これを防ぐには導電体を加熱すればよい。導電
体自体をヒ−タとして電流を流す事によって加熱しスパ
ッタリング物質の付着堆積を防止する事ができる。
に対して正電位になるようにバイアス(電源12)す
る。すると電子は導電体の方に引き寄せられてプラズマ
電極には至らない。電子がプラズマ電極7の裏面10に
衝突しないので電子・正イオンが再結合できず、スパッ
タリング物質の正イオンが電極裏面10に当たっても跳
ね返るだけで付着しないのである。この例では導電体9
をガス導入口6よりも窓3の近くに設けている。しかし
そうでなくて導電体9をプラズマ電極7の方により接近
させても良い。反対に窓の方へ近づけても良い。軸方向
への平行移動は自由である。導電体に電子が流入するか
ら導電体自体にスパッタリング物質が堆積することもあ
りうる。これを防ぐには導電体を加熱すればよい。導電
体自体をヒ−タとして電流を流す事によって加熱しスパ
ッタリング物質の付着堆積を防止する事ができる。
【0022】[実施例2(窓に導電体を埋め込み設置し
た実施例)]導電体9をマイクロ波導入窓3の中に埋め
込んだ例である。図4と図5によって説明する。導波管
から半径方向にずらしてあり、マイクロ波がチャンバ内
に入るのを妨げないようになっている。もしもリング状
の導電体が窓の中心に一致して設けられるとマイクロ波
が導電体に吸収され内部に入りにくい。導電体9が軸直
角方向にずれているので、プラズマ電極の開口8も同じ
方向に同じ距離だけずらしている。
た実施例)]導電体9をマイクロ波導入窓3の中に埋め
込んだ例である。図4と図5によって説明する。導波管
から半径方向にずらしてあり、マイクロ波がチャンバ内
に入るのを妨げないようになっている。もしもリング状
の導電体が窓の中心に一致して設けられるとマイクロ波
が導電体に吸収され内部に入りにくい。導電体9が軸直
角方向にずれているので、プラズマ電極の開口8も同じ
方向に同じ距離だけずらしている。
【0023】プラズマ電極の裏面であって付着物が堆積
しては困る部分10の軸方向の投影として導電体を設け
れば良いのである。導電体9はプラズマ電極7に対して
正にバイアスしている。この構造は、有孔電極方向から
の電子の逆流によってマイクロ波導入窓3が損傷を受け
難くすることができる。たとえば逆流した電子が衝突す
る位置には熱伝導の良いセラミックを用いる。
しては困る部分10の軸方向の投影として導電体を設け
れば良いのである。導電体9はプラズマ電極7に対して
正にバイアスしている。この構造は、有孔電極方向から
の電子の逆流によってマイクロ波導入窓3が損傷を受け
難くすることができる。たとえば逆流した電子が衝突す
る位置には熱伝導の良いセラミックを用いる。
【0024】
【発明の効果】縦磁場を掛けて電子を磁力線によって拘
束したマイクロ波イオン源において、プラズマ電極の開
口回りの軸方向の投影の位置に導電体を設けプラズマ電
極に対して正電位にバイアスしたので、軸線方向に運動
する電子がプラズマ電極に至らないようにすることがで
きる。これによってスパッタリング物質がプラズマ電極
裏面や開口部に付着し堆積するのを防止する事ができ
る。プラズマ電極に堆積物が溜まらないのでイオンビー
ムは安定し、運転中に次第にビーム電流が減少するとい
うようなことがない。プラズマ電極開口がふさがるとい
うこともない。BF3 のように反応性の強いガスを使っ
ていても長時間安定な運転が可能になる。
束したマイクロ波イオン源において、プラズマ電極の開
口回りの軸方向の投影の位置に導電体を設けプラズマ電
極に対して正電位にバイアスしたので、軸線方向に運動
する電子がプラズマ電極に至らないようにすることがで
きる。これによってスパッタリング物質がプラズマ電極
裏面や開口部に付着し堆積するのを防止する事ができ
る。プラズマ電極に堆積物が溜まらないのでイオンビー
ムは安定し、運転中に次第にビーム電流が減少するとい
うようなことがない。プラズマ電極開口がふさがるとい
うこともない。BF3 のように反応性の強いガスを使っ
ていても長時間安定な運転が可能になる。
【図1】チャンバ半ばに導電体を設けた、本発明の第1
の実施例を示すイオン源の断面図。
の実施例を示すイオン源の断面図。
【図2】図1においてプラズマ電極の背面部分を示すた
めの2−2断面図。
めの2−2断面図。
【図3】図1において導電体の部分を示すための3−3
断面図。
断面図。
【図4】マイクロ波導入誘電体窓に導電体を埋め込んだ
本発明の第2の実施例を示すイオン源の断面図。
本発明の第2の実施例を示すイオン源の断面図。
【図5】図4の縦断面図であって、図5(a)は導電体
の埋め込まれた部分のa−a縦断面図、図5(b)はプ
ラズマ電極の背面部分を示すためのb−b断面図。
の埋め込まれた部分のa−a縦断面図、図5(b)はプ
ラズマ電極の背面部分を示すためのb−b断面図。
【図6】従来例にかかるマイクロ波イオン源の断面図。
【図7】図6のマイクロ波イオン源のガス導入口を含む
面で切った断面図。
面で切った断面図。
1 ヘッドチャンバ 2 マイクロ波導波管 3 マイクロ波導入窓 4 プラズマ生成部壁 5 プラズマ生成領域 6 ガス導入口 7 プラズマ電極 8 プラズマ電極の開口 9 導電体 10 プラズマ電極裏面 12 バイアス電源 13 導電体の開口 16 絶縁物 17 付着物質
Claims (2)
- 【請求項1】 真空に引く事のできるチャンバと、チャ
ンバに原料ガスを導入するガス導入管と、マイクロ波を
導くマイクロ波導波管と、チャンバの真空と導波管側を
遮断するための誘電体の窓と、チャンバの周囲に設けら
れチャンバの内部にチャンバ軸方向に平行な縦磁場を生
成するコイルと、チャンバの出口にあってイオンビーム
を外部に引き出すための開口を有するプラズマ電極と、
プラズマ電極の裏面を縦磁場と平行な方向に投影された
位置であってチャンバ内部のプラズマ生成空間に設けら
れまたは誘電体窓に埋め込まれプラズマ電極に対して正
電位にバイアスされている導電体とを含む事を特徴とす
るマイクロ波イオン源。 - 【請求項2】 導電体に電流を流し加熱できるようにし
た事を特徴とする請求項1に記載のマイクロ波イオン
源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9237680A JPH1167115A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | マイクロ波イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9237680A JPH1167115A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | マイクロ波イオン源 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1167115A true JPH1167115A (ja) | 1999-03-09 |
Family
ID=17018923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9237680A Pending JPH1167115A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | マイクロ波イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1167115A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016126938A (ja) * | 2015-01-06 | 2016-07-11 | 株式会社アルバック | イオン源、イオン処理装置 |
-
1997
- 1997-08-18 JP JP9237680A patent/JPH1167115A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016126938A (ja) * | 2015-01-06 | 2016-07-11 | 株式会社アルバック | イオン源、イオン処理装置 |
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