JPH1166356A - 流体シミュレーション装置 - Google Patents

流体シミュレーション装置

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JPH1166356A
JPH1166356A JP23090197A JP23090197A JPH1166356A JP H1166356 A JPH1166356 A JP H1166356A JP 23090197 A JP23090197 A JP 23090197A JP 23090197 A JP23090197 A JP 23090197A JP H1166356 A JPH1166356 A JP H1166356A
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JP
Japan
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grid
data
analysis
lattice
fluid simulation
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Application number
JP23090197A
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English (en)
Inventor
Akira Nakano
明 中野
Nobuo Shimomura
信雄 下村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Publication of JPH1166356A publication Critical patent/JPH1166356A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で格子作成、及び実計算を行うことが
でき、高精度の解析結果が得られ、粘性問題にも対応可
能な流体シミュレーション装置を提供する。 【解決手段】 3次元CAD1を用いて物体の外形に形
成された三角形メッシュ等の物体外形データ(DXF形
式等)を、I/F部2によりUCD形式等の所定のデー
タ形式に変換し、その物体外形データを用いて、解析デ
ータ作成部3により、所定の解析対象範囲内の空間に上
記物体に近づくにつれて任意の間隔で段階的に格子幅が
小さくなるようないわゆるデカルト格子を自動作成す
る。そして、上記格子のデータとその他の解析データと
を用いて、解析部4により、物体近傍の所定範囲内の格
子点では局所選点法を、それ以外の格子点では差分法を
用いる、いわゆるデカルト格子局所選点法による数値解
析を行う。解析結果は表示部5にて可視化される。これ
により、短時間で格子作成、及び実計算を行うことがで
きると共に、高精度の解析結果が得られ、粘性問題にも
対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の周囲を流れ
る流体の挙動を、3次元の格子を用いて数値的に解析す
る流体シミュレーション装置に関するものである。
【従来の技術】気体、液体などの流れ状態を取り扱う流
体力学の分野においては、近年のコンピュータの急速な
進歩に伴って、CAE(Computer Aided Engineering)
による数値シミュレーションの研究は飛躍的な発展を遂
げている。例えば、計算量が膨大となるために事実上解
析が不可能であったような3次元の大規模問題でさえ、
コンピュータの著しい高速化により、現実的な計算時間
での解析が可能となってきている。そのような3次元流
体シミュレーションの手法としては、物体の周囲を流れ
る流体の挙動を3次元の格子を用いて数値的に解析する
手法が一般に用いられているが、そのなかでも、上記格
子として構造系格子を用いた手法が最も一般的である。
この構造系格子を用いた手法とは、例えば図13に示す
ように、物体の周囲に規則的な六面体格子(図13のよ
うな一般座標系格子、若しくは直交格子)を形成し、主
に有限差分法を用いて計算するものである。また、その
他の手法としては、図14に示すような四面体や六面体
などで不規則な格子(非構造系格子)を形成し、有限体
積法や有限要素法を用いて計算する手法がある。また、
図15に示すように、物体の周囲に物体に近づくにつれ
て段階的に格子幅が小さくなるような直交格子(デカル
ト格子)を形成し、有限体積法を用いて計算する、いわ
ゆるデカルト格子法も知られている。
【発明が解決しようとする課題】上述した3つのシミュ
レーション手法には、それぞれ長所、短所が存在する。
まず、最も一般的に用いられている上記構造系格子を用
いた手法には、他の手法に比べて計算時間が短く、高精
度の解析結果が得られるという長所がある。ところが、
この手法では図13に示すような規則的な格子を作成す
る必要があるため、例えばCADを用いて作成された物
体の表面データを用いて空間に自動的に格子を作成する
ような処理は非常に困難である。従って、格子作成に際
し、まず上記物体の2次元図面等を用いて形状を幾つか
に分割し、部分毎に規則的な格子を作成し、更にそれら
各格子をつなぎ合わせるといった作業を手作業で行うこ
とにより格子を作成するほかなく、格子作成に手間と時
間がかかるという問題点があった。特に、最近では解析
対象をより実際に近い形で解析することが求められてお
り、また、解析対象自体も複雑化する傾向にあるため、
この格子作成に要する時間は益々大きくなりつつある。
例えば、図16に示すようなミッドフリーザタイプ冷蔵
庫の冷蔵室ダクト近傍の流体シミュレーションを行う場
合、従来は、図17に示すように、まず上記冷蔵室ダク
トの2次元図面のみを用いて頭のなかで3次元モデルを
構成し、その3次元モデルを幾つかに分割してそれぞれ
に規則的な格子を作成し、更にそれら各格子をつなぎ合
わせる処理を、全て手作業で行うことにより全体の格子
を作成していた。図18は、図17に示す冷蔵室ダクト
近傍の流体シミュレーションを上記構造系格子を用いた
手法を用いて行った際の処理時間の一般的な例である。
ここで、前処理とは、実際の解析に必要な解析データ
(格子データを作成するために使用する物体形状デー
タ、格子データ、境界条件データ等)を作成する処理で
あり、その大部分を物体形状データ及び格子データの作
成作業が占める。実計算とは、上記前処理で作成された
解析データを用いた数値計算処理であり、殆どがコンピ
ュータによる処理時間である。後処理とは、上記実計算
で得られた解析結果を可視化(カラーコンター図、ベク
トル図等)するなどして評価する処理である。図18に
示すように、この例では、物体形状データ及び格子デー
タの作成を主とする前処理が全体の処理時間の90%以
上を占めており、またその時間は40日にも達してい
る。このシミュレーションの対象である冷蔵室ダクトを
試作して実験する場合にかかる時間は、冷蔵室ダクトの
試作で1週間、実験で1〜2週間程度の合計2〜3週間
であることから、処理時間だけで比較すると、構造系格
子を用いたシミュレーションを行うより試作品による実
験を行うほうが効率がよいということになってしまう。
これは、構造系格子を用いたシミュレーションにおける
物体形状データ及び格子データの作成時間がネックにな
っていることは明らかである。一方、上記非構造系格子
を用いた手法では、上記構造系格子を用いた手法と異な
り、図14に示すような不規則な格子で解析が可能であ
るため、物体のCADデータ(表面データ)を用いて自
動的に四面体の格子を作成する技術が確立されている現
在では、格子作成にかかる時間は上記構造系格子を用い
た手法等と比べて短くできるという長所がある。例えば
上述した冷蔵室ダクトのシミュレーションに非構造系格
子を用いた手法を用いると、前処理は数日程度で可能で
あると思われる。しかしながら、本手法では、有限体積
法や有限要素法を用いるため、有限差分法を用いる上記
構造系格子を用いた手法等と比べて実計算にかかる時間
がかなり大きくなり、また解析精度も低いという欠点が
ある。高い解析精度が求められている現在では、特に解
析精度が低いという点は大きな問題点である。また、上
記デカルト格子法においては、その格子作成方法が、空
間の側から物体に向かって段階的に格子幅が小さくなる
ような直交格子(デカルト格子)を形成し、物体の近傍
においては上記格子を物体の表面に沿うような自由形状
で作成するものであり、格子作成時間を比較的短くでき
るという長所がある。また、物体の近傍以外の部分では
直交格子を用いているため、上記非構造系格子を用いた
手法と比べて一般に精度が良い。しかしながら、上記非
構造系格子を用いた手法と比べて計算時間の短縮効果は
なく、実計算に時間がかかるという問題点がある。ま
た、この手法は比較的新しい試みであるため、現在のと
ころ非粘性を仮定した流体計算にのみ対応しており、粘
性問題には対応できないという問題点もある。本発明は
上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、短時間で格子作成、及び実計算を行うことが
でき、高精度の解析結果が得られ、粘性問題にも対応可
能な流体シミュレーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、物体の周囲を流れる流体の挙動を、3次元
の格子を用いて数値的に解析する流体シミュレーション
装置において、3次元CADを用いて作成された上記物
体の外形を表す第1の物体外形データを、所定のデータ
形式の第2の物体外形データに変換するデータ変換手段
と、上記データ変換手段により得られた上記第2の物体
外形データを用いて、所定の解析対象範囲内の空間に、
上記物体に近づくにつれて任意の間隔で段階的に格子幅
が小さくなるような格子を作成する格子作成手段と、上
記格子作成手段により得られた上記格子を用いて、物体
近傍の所定範囲内の格子点では局所選点法を、それ以外
の格子点では有限差分法を用いることにより、上記流体
の挙動を解析する解析手段とを具備してなることを特徴
とする流体シミュレーション装置として構成されてい
る。更には、上記解析手段により得られた解析結果を実
験により得られた結果と共通の所定のデータ形式で出力
する解析結果出力手段と、上記解析結果出力手段から出
力された解析結果を、上記実験結果と共に表示する表示
手段とを具備すれば、上記解析結果と実験結果とを容易
に比較、検討することができる。また、上記第1の物体
外形データを、上記物体の外面を覆うように形成された
三角形を表す数値データにより構成すれば、3次元CA
Dと流体シミュレーション装置との間のデータ信頼性が
確保できると共に、上記格子作成手段における格子作成
処理が単純化できる。また、上記第1の物体外形データ
が上記3次元CADにおいて作成された上記物体外形の
分類情報を含み、上記データ変換手段が、上記分類情報
を含む上記第1の物体外形データを上記第2の物体外形
データに変換するように構成すれば、境界条件等の解析
データを作成する際の作業が容易化できる。また、上記
格子作成手段によって作成される格子の格子幅同一の範
囲の間隔を、上記物体の外形位置から空間方向に向かっ
て所定の比率で増加するように設定すれば、例えば、格
子数の増加を抑えながら、物体表面近傍の格子を密に
し、物体表面から遠い格子は粗くする等、格子生成の自
由度を高めることができる。また、上記格子作成手段
を、上記第2の物体外形データを構成する点から上記物
体外形の法線方向への距離に基づいて上記格子幅同一の
範囲内の格子を選択し、該選択された格子を再分割する
ように構成すれば、物体外形データとして作成された面
要素の大きさにムラがあっても、格子幅同一の範囲内の
格子は必ず適切に再分割できる。また、上記解析手段
が、格子幅の小さい層ほど小さな時間刻み幅を設定し、
隣接する格子幅の大きい層と進行時間が一致するまで集
中的に上記格子幅の小さい層の計算を行う、いわゆる階
層的時間進行法を用いることにより、非定常計算におけ
る計算時間を大幅に短縮できる。また、上記格子作成手
段において格子を静止系格子と移動系格子に分けて作成
し、上記解析手段による数値解析において、上記静止系
格子ではデカルト座標系方程式群を、上記移動系格子で
は一般座標系方程式群を計算し、上記両格子の境界部で
物理量を補間するようにすれば、移動境界、例えば物体
の回転を考慮する問題を取り扱うことが可能である。
【作用】本発明に係る流体シミュレーション装置は、発
明者等によって開発された、いわゆるデカルト格子局所
選点法、即ち上記物体に近づくにつれて任意の間隔で段
階的に格子幅が小さくなるようなデカルト格子に対し
て、物体近傍の所定範囲内の格子点では局所選点法を、
それ以外の格子点では有限差分法を用いる手法を用いた
解析手段を中心的に具備し、この手法に適合するような
デカルト格子を3次元CADで作成された物体外形デー
タに基づいて自動的に作成するためのデータ変換手段、
格子作成手段とで構成されている。まず、3次元CAD
を用いて作成された物体の外形を表す第1の物体外形デ
ータが、データ変換手段により、所定のデータ形式の第
2の物体外形データに変換される。ここで、上記第1の
物体外形データを、上記物体の外面を覆うように形成さ
れた三角形を表す数値データにより構成すれば、3次元
CADと流体シミュレーション装置との間のデータ信頼
性が確保できると共に、上記格子作成手段における格子
作成処理が単純化できる。また、上記第1の物体外形デ
ータに、上記3次元CADにおいて作成された上記物体
外形の分類情報(グループ情報)を含むようにすれば、
境界条件等の解析データを作成する際の作業が容易化で
きる。続いて、格子作成手段により、上記第2の物体外
形データを用いて、所定の解析対象範囲内の空間に、上
記物体に近づくにつれて任意の間隔で段階的に格子幅が
小さくなるような、いわゆるデカルト格子が自動的に作
成される。このとき、上記格子作成手段によって作成さ
れる格子の格子幅同一の範囲の間隔を、上記物体の外形
位置から空間方向に向かって所定の比率で増加するよう
に設定すれば、例えば、格子数の増加を抑えながら、物
体表面近傍の格子を密にし、物体表面から遠い格子は粗
くする等、格子生成の自由度を高めることができる。更
に、上記格子作成手段を、上記第2の物体外形データを
構成する点から上記物体外形の法線方向への距離に基づ
いて上記格子幅同一の範囲内の格子を選択し、該選択さ
れた格子を再分割するように構成すれば、物体外形デー
タとして作成された三角形を表す数値データの大きさに
ムラがあっても、格子幅同一の範囲内の格子は必ず適切
に再分割される。上記格子作成手段により格子が作成さ
れると、その他解析に必要な解析データ(例えば境界条
件等)が準備され、それら格子データを含む解析データ
を用いて、解析手段により、上記デカルト格子局所選点
法による数値解析が行われる。デカルト格子局所選点法
は、上述のように、物体近傍の所定範囲内の格子点では
局所選点法を、それ以外の格子点では有限差分法を用い
るため、有限体積法を用いる従来のデカルト格子法に比
べて計算時間が大幅に短縮される。また、従来のデカル
ト格子法では難しかった粘性問題を取り扱うことができ
る。解析結果は、試作による実験結果と同じ形式で出力
され、表示手段で可視化される。従って、上記解析結果
と実験結果とを容易に比較、検討することができる。
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して、本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し、本発明の理解に
供する。尚、以下の実施の形態及び実施例は本発明を具
体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する
性格のものではない。ここに、図1は本発明の実施の形
態に係る流体シミュレーション装置A1の概略構成を示
すブロック図、図2は3次元CADにより物体外面に生
成された三角形面要素の一例を示す図、図3は従来の非
構造系格子を用いた手法における格子作成方法(方向)
と、流体シミュレーション装置A1における格子作成方
法(方向)の比較図、図4は流体シミュレーション装置
A1における格子作成手順の概要を示す説明図、図5は
物体外面の三角形面要素からの法線方向距離により格子
の再分割範囲に入るセルを選択する方法の説明図、図6
は物体外面の三角形面要素を構成する点からの距離によ
り格子の再分割範囲に入るセルを選択する方法の説明
図、図7は格子の再分割範囲を設定する方法の一例を示
す説明図、図8は局所選点法における離散化方法の説明
図、図9は静止系と回転系の連成問題の一例を示す図、
図10は分離して作成された静止系格子と回転系格子の
一例を示す図、図11は上記静止系格子と回転系格子の
全体図、図12は解析結果の可視化例(ベクトル、コン
ター図)を示す図である。尚、以下の説明では、物体形
状を表現するために該物体表面に作成する3角形等の2
次元メッシュを「面要素」、実際に計算に用いるために
作成された6面体等の3次元メッシュを「格子」と呼ん
で区別する。本実施の形態に係る流体シミュレーション
装置A1は、図1に示すように、3D−CAD1で作成
され、DXF形式で出力された物体表面データをUCD
形式に変換するI/F部2(データ変換手段に相当)
と、上記I/F部2により出力されたUCD形式の物体
表面データを用いて所定の解析対象範囲内の空間にデカ
ルト格子を作成すると共に、その他の解析データ(各種
解析条件等)を作成する解析データ作成部3(格子作成
手段に相当)と、上記解析データ作成部3により作成さ
れた解析データを用いて、デカルト格子局所選点法(後
述する)により数値計算を行い、その結果をUCD形式
で出力する解析部4(解析手段、及び解析結果出力手段
に相当)と、上記解析部4から出力されたUCD形式の
解析結果データを用いて解析結果を可視化する表示部5
(表示手段に相当)とで構成されている。尚、流体シミ
ュレーション装置A1は、全てワークステーション等の
コンピュータシステム上に構築できる。以下、流体シミ
ュレーション装置A1における処理手順に従って、上記
各構成要素について更に詳しく説明する。上記3D−C
AD1としては、一般的な市販の3次元CADシステム
が利用できる。該3D−CAD1では、解析対象範囲内
の物体の形状を3次元ソリッドモデル等で作成する。そ
して、作成されたソリッドモデル等の表面を覆うように
三角形の面要素を生成する(図2参照)。これは、物体
の表面形状を単純な微小平面である三角形に統一して表
現することにより、3D−CAD1と流体シミュレーシ
ョン装置A1との間のデータ信頼性を確保すると共に、
後述する解析データ作成部3での格子作成処理を単純化
するためである。3次元ソリッドモデルを構成する自由
曲面データやソリッドデータなどをそのまま流体シミュ
レーション装置A1に渡すようにしてもよいが、3D−
CAD1と流体シミュレーション装置A1との間の補間
精度などの相違によりデータ信頼性を欠く恐れがあり、
また、格子作成処理が非常に複雑になってしまう。尚、
一般的な3次元CADシステムには、ソリッドモデルの
表面に三角形の面要素を自動生成する機能が標準的に搭
載されており、極めて簡単な操作で短時間に処理でき
る。また、通常、この三角形面要素自動生成機能におい
ては、生成される三角形の概略の大きさを設定できるの
で、適当なサイズを設定する。生成される面要素は三角
形(平面)の集合体として表されるため、生成された面
要素のサイズが大きすぎると、物体の形状が正確に表現
できず、解析精度に影響を及ぼすことになる。一方、面
要素のサイズが小さすぎると、それだけ面要素生成に時
間がかかるばかりでなく、後述する格子生成処理時(あ
る程度大きな面要素からでも適切な格子を作成できる)
にも無駄な時間がかかってしまう。解析の精度に影響が
ない程度に大きなサイズの面要素サイズを設定すること
が望ましい。尚、ソリッドモデルの表面に自動生成する
面要素として三角形以外に四角形を選択できるCADシ
ステムも多いが、四角形の場合には4点が同一平面上に
ない捩れ状態になると法線方向が定まらず、法線方向が
必要な後の格子作成時に結局2つの三角形に分割して処
理する必要が生じるため、ここでは三角形面要素を使用
する。生成された三角形面要素の形状データ(構成点の
座標値、及び各三角形のコネクションデータ)はDXF
形式のファイルに出力する。ここで、DXFとはCAD
分野における標準データ形式の一つである。CAD間で
のデータ互換性や信頼性などの面から、本実施の形態で
はDXF形式を選択したが、もちろん他のデータ形式
(例えばIGES等)を用いてもよい。また、一般的な
3次元CADシステムには、形状作成時に各形状をグル
ープ化する機能が搭載されていることが多い。そこで、
生成された三角形面要素を、例えば境界条件その他の条
件の違いによりグループ分けし、そのグループ情報(分
類情報に相当)(通常、各三角形の属性の1つとして表
現される)を形状データと共に上記DXF形式のファイ
ルに出力するようにしてもよい。こうすることにより、
後の解析データ作成部3による境界条件その他の解析デ
ータ作成時に、そのグループ情報を利用して容易且つ短
時間に作業を行うことができる。続いて、上記I/F部
2では、上記3D−CAD1から出力されたDXF形式
の三角形面要素データ(グループ情報を含む)をUCD
形式に変換する。ここで、UCD(Unstructured Cell
Data )とは、科学計算結果等を可視化するアプリケー
ションプログラムであるAVSやVIZ(共に開発元Ad
vanced Visual Systems 社) で用いられている可視化デ
ータ形式であり、形状、格子、計算結果のデータを全て
含んだ形で表現できる。流体シミュレーション装置A1
内では全てのデータをこのUCD形式に統一する。もち
ろん、ここで使用するデータ形式はUCDに限られるも
のではなく、他の同様のデータ形式を用いてもよい。解
析データ作成部3では、上記I/F部2から出力された
UCD形式の三角形面要素データを用いて、解析対象範
囲内の空間(流体域)に六面体セルによる格子を作成す
る。この格子作成手順について以下詳述する。上記従来
の非構造系格子を用いた手法の場合には、通常、物体表
面に生成された三角形(若しくは四角形)面要素をその
まま用いて空間(流体域)方向に格子を作成していた
(図3(a)参照)。本実施の形態では、空間(流体
域)から物体の方向に向かって、物体に近づくにつれて
段階的に格子幅が小さくなるような格子を作成する(図
3(b)参照)。具体的には、図4(簡単のため、2次
元で表す。以下の図についても同様)に示すように、流
体域全体をまずc1のサイズの直交格子(立方体セル)
で分割する。続いて、上記c1サイズのセルのうち、物
体からその法線方向に所定距離の範囲a1内にあるセル
を1/2のc2サイズに再分割する。更に範囲a2内に
あるセルを1/2のc3サイズに再分割する。これらの
処理を所定回数繰り返し、最小のセルと物体(即ち上記
三角形面要素により形成される面)との交点を求める。
上記再分割範囲a1、a2、…の設定方法などについて
更に具体的に説明する。上記再分割範囲a1、a2、…
は、図5(a)に示すように、物体表面を構成する各三
角形からの法線方向距離により設定する。例えば、図5
(a)に示すように、各三角形の法線方向単位ベクトル
nを定義し、ベクトルn定義点(図5(a)白丸)から
各セル中心点までのベクトルRと上記ベクトルnとの内
積距離D(=R・n)が、予め指定した距離Dnest以下
となるセルを選択する。即ち、図5(a)、(b)にお
ける破線(物体からの距離Dnest)が上記再分割範囲a
1、a2、…に相当する。ここで、図6(a)に示すよ
うに、物体表面を構成する各三角形からの法線方向距離
ではなく、各点からの距離で設定する方法もある。しか
しその方法では、図6(b)のように部分的に2点間の
距離が大きい、即ち三角形の大きさが大きい場合には
(CADの自動面要素分割では面要素サイズが一定にな
らない場合が多い)、物体近傍のセルでも部分的に再分
割できない場合が生じうる。そのような場合、もう一度
3D−CAD1に戻って三角形面要素自動生成時のサイ
ズパラメータを小さく変更するなどして再度処理をやり
直さなければならず、ロスは大きい。その点、上記法線
方向距離で設定する方法では、そのようなことは起こり
えない。また、上記再分割範囲a1、a2、…の位置
(物体からの距離Dnest)の設定は、例えば以下のよう
な方法による。図7に示すように、まず、物体の表面か
ら法線方向にセル幅を等比変化させた立方体セルを仮定
する。そして、最小セルcsと、最小セルの2倍のセル
幅となったセルclとの距離の半分を距離Dnestとす
る。更に、上記再分割範囲a1、a2、…の位置を設定
する。もちろん、上記仮定する立方体セルのセル幅は等
比変化に限られるものではなく、例えば物体表面近傍ほ
どセル幅の増加割合が小さく、物体表面から離れるほど
セル幅の増加割合を大きくすることもできる。このよう
な方法により、例えば、格子数の増加を抑えながら、物
体表面近傍の格子を密にし、物体表面から遠い格子は粗
くする等の処理を容易に行うことができ、格子生成の自
由度が高められる。以上のような手順により数回の再分
割を重ねて設定された最小セルまで分割されると、以下
のような方法で、物体に沿ったセルを物体表面にフィッ
ティングさせる処理を行う。物体に沿ったセルの各辺
と、物体表面に形成されている三角形面要素との交点を
求め、物体外部側のセルのみを残す。即ち、物体に沿っ
たセルを物体表面位置でカットする処理を行う。従っ
て、殆どの場合、物体に沿ったセルは立方体セルにはな
らないが、後述するように、本実施の形態で用いる数値
計算方法では物体近傍のセルは立方体セルである必要は
なく、どのような形状であっても高精度で解析できる。
以上説明した格子作成処理は、最初に最小セルサイズ等
の幾つかのパラメータを設定すれば、後は解析データ作
成部3において自動的に処理される。従って、従来の構
造系格子を用いた手法のような手作業による格子生成と
比べると、極めて短時間で、且つ簡単に格子を生成でき
る。上記のような方法で格子が作成されると、続いて、
解析データ作成部3において、解析に必要な境界条件等
の解析データを作成する。この作業は、画面(表示部
5)に3次元的に表示された格子に対して、マウス等を
用いてインタラクティブに行う。その際、上記3D−C
AD1で作成したグループ情報を用いれば、各グループ
毎に容易に条件設定などを行うことができる。以上説明
した解析データ作成部3による処理においては、物体表
面に生成された三角形面要素や作成途中の格子の状態、
解析データの設定状態などを表示部5のディスプレイ上
に3次元的に表示し、常に確認しながら作業を進めるこ
とができる。格子、及びその他の解析データの作成が終
了すると、上記解析データ作成部3は、格子データを含
む全ての解析データをUCD形式で解析部4に出力す
る。解析部4では、上記解析データを用いて、デカルト
格子局所選点法により数値計算(実計算)を行う。ここ
で、上記デカルト格子局所選点法とは、発明者らが新た
に開発した熱流体シミュレーション手法であり、既に学
会発表を行っている(日本機械学会論文集61巻592
号(1995−12)等)。本手法は、上記従来のデカ
ルト格子法と同様の格子を用いた上で、デカルト格子法
における計算時間や精度面での問題点を克服し、更に粘
性問題にも適用可能とするものである。具体的には、物
体近傍においては近傍点局所選点法を、それ以外の格子
点では有限差分法を用いる。上記近傍点局所選点法と
は、任意に配置された計算点を用いて離散化を行う手法
であり、基本的には隣接点を図8のように走査する。即
ち、点0に隣接する点1〜8を用いて点0周りの局所的
な流速等の物理的分布を2次関数で構成し、離散化す
る。これは、直交均等格子配列に対してはテーラー展開
に基づく中心差分と解析的に一致するため、本手法は有
限差分法の一般形ともいえる。従って、全格子点に対し
て上記近傍点局所選点法を用いるようなこともできる
が、計算時間の短縮のため、本実施の形態では、物体に
沿ったセル、即ち形状が立方体になっていない格子部分
に対してのみ近傍点局所選点法を用い、その他の直交格
子部分には有限差分法を用いる。このように、物体近傍
では任意に配置された計算点を用いて離散化を行う近傍
点局所選点法を用いるため、上述のように物体に沿った
セルの形状を任意とすることができた。以上のように、
デカルト格子局所選点法を用いた場合、物体近傍点以外
の大部分は有限差分法にて計算を行うため、有限体積法
を用いる従来のデカルト格子法に比べて、上記従来の構
造系格子を用いた手法と大差ない程度に計算時間を短縮
できる。また、上記論文等でも立証しているように、上
記従来のデカルト格子法では難しかった粘性問題への適
用も可能である。更に、上記デカルト格子局所選点法を
用いた数値計算においては、上記論文にも提案している
ように、格子幅が異なる階層的な格子群の集合体として
格子が形成される点を生かし、非定常計算において時間
的補間を全く用いない階層的時間進行法を用いることに
より、非定常計算における計算時間を大幅に短縮でき
る。上記階層的時間進行法とは、格子間隔が小さい(密
格子)層ほど小さな時間刻み幅を設定し、隣接する粗い
格子(粗格子)の層と進行時間が一致するまで集中的に
密格子層の計算を行う手法であり、効率のよい時間積分
が可能となる。また、例えば図9に示すような回転翼を
有する角型筒内の流れ問題などの静止系と回転系(移動
系)の連成問題では、静止系格子(図10(a))と回
転系格子(図10(b))とを仮想的な境界にて分離し
て作成し(図11)、静止系格子ではデカルト座標系方
程式群を、回転系格子では一般座標系方程式群を計算
し、上記両格子系の境界部で物理量を補間するようにす
れば、効率のよい計算が行える。上記境界部での物理量
の補間は、まず境界値を得る側の境界部分の座標値に対
して、回転距離に相当する変換(例えば、回転系格子か
ら静止系格子境界へ内挿する場合には、静止系格子の接
続境界を−ωt回転する)を与え、次に、変換した座標
位置に最隣接する他方の格子系内点を走査し、物理量の
分布を2次関数で構成した一方の格子層から他方の格子
層の境界上の格子点に物理量を内挿する方法により境界
値を得る一連の処理を、回転系→静止系、静止系→回転
系の順に行う。以上のような方法により、静止系と回転
系の連成問題を取り扱うことができる。尚、以上の例で
は静止系と回転系の連成問題を取り上げたが、回転以外
の移動境界問題についても同様に取り扱うことが可能で
ある。以上のような方法で数値計算を終了すると、解析
部4では、解析に用いた上記格子データ等に加えて解析
結果を含んだUCD形式のファイルを出力する。表示部
5では、上記解析部4から出力されたUCDファイルを
読み込み、解析結果をカラーコンター図、ベクトル線図
等で可視化表示する(図12)。尚、以上のような数値
シミュレーションと並行して、試作品による実験を行う
場合がある。この場合、例えば図1に示すように、3D
−CAD1から何らかの形式で出力された形状データを
I/F部6で変換し、その形状データに基づいて試作品
を試作し、その試作品を用いて実験を行う。その実験結
果を、上記流体シミュレーション装置A1の解析部4か
ら出力される解析結果と同じUCD形式で出力すれば、
上記解析結果と実験結果とを同じ表示部5にて可視化で
き、両者を容易に比較、検討することができる。上記の
ような流体シミュレーション装置A1を用いて、上記従
来技術において構造系格子を用いた手法で行ったと同様
の冷蔵室ダクト近傍の流体シミュレーション(図16〜
図18参照)を行った場合、格子作成時間は最大で1日
程度、その他の解析条件等の作成時間や3次元CADに
よる物体形状作成時間を入れた前処理全体でも数日程度
の短時間で処理ができた。また、実計算と後処理につい
ても上記構造系格子を用いた手法と同等の数日程度で終
了した。このように、流体シミュレーション装置A1を
用いた場合、上記従来の手法や試作による実験と比べて
大幅な時間短縮が可能となった。このようにシミュレー
ションの時間が短縮されることで、試作品の数を少なく
できると共に、従来よりも数多くシミュレーションを行
えるため、より信頼性の高い情報を得ることが可能とな
る。以上説明したように、本実施の形態に係る流体シミ
ュレーション装置A1では、3D−CAD1を用いて作
成され、I/F部2によりUCD形式に変換されたた物
体外形データを用いて、解析データ作成部3により所定
の解析対象範囲内の空間に、上記物体に近づくにつれて
任意の間隔で段階的に格子幅が小さくなるようなデカル
ト格子を自動的に作成し、該格子を用いて、解析部4に
より、物体近傍の格子点では局所選点法を、それ以外の
格子点では有限差分法を用いるデカルト格子局所選点法
を用いて数値解析を行うため、従来の手法に比べて短時
間で格子作成、及び実計算を行うことができ、高精度の
解析結果が得られ、且つ粘性問題にも対応できる。ま
た、上記解析部4による解析結果を、試作品による実験
結果と同じUCD形式で出力するため、上記解析結果と
実験結果とを同じ表示部5にて可視化でき、両者を容易
に比較、検討することができる。また、上記3D−CA
D1から取得する物体外形データを単純な微小平面であ
る三角形に統一しているため、3D−CAD1と流体シ
ミュレーション装置A1との間のデータ信頼性が確保で
きると共に、後述する解析データ作成部3での格子作成
処理が単純化された。また、上記物体外形データが上記
3D−CAD1で作成されたグル─プ情報を含んでいる
ため、解析データ作成部3において境界条件等の解析デ
ータを作成する際の作業が容易化された。また、物体外
形位置から法線方向にセル幅を等比変化させた立方体セ
ルを仮定し、最小セルcsと、最小セルの2倍のセル幅
となったセルclとの距離の半分の範囲を再分割範囲と
し、その処理を繰り返すことにより、物体外形位置から
法線方向に等幅に上記格子幅同一の範囲を設定すること
ができ、複雑形状に沿った格子の粗密を妥当な範囲で制
御することができる。尚、セル幅の変化を、等比変化で
はなく所定の異なる比率で増加するように設定すれば、
例えば、格子数の増加を抑えながら、物体表面近傍の格
子を密にし、物体表面から遠い格子は粗くする等、格子
生成の自由度を高めることができる。また、上記物体外
形から法線方向への距離に基づいて上記格子幅同一の範
囲内の格子を選択し、該選択された格子を再分割するよ
うに構成されているため、物体外形データとして作成さ
れた面要素の大きさにムラがあっても、格子幅同一の範
囲内の格子は必ず適切に再分割できる。また、上記解析
部4による数値計算において、格子幅が異なる階層的な
格子群の集合体として格子が形成される点を生かし、非
定常計算において時間的補間を全く用いない階層的時間
進行法を用いることにより、非定常計算における計算時
間を大幅に短縮できる。また、静止系格子と回転系格子
とを仮想的な境界にて分離して作成し、静止系格子では
デカルト座標系方程式群を、回転系格子では一般座標系
方程式群を計算し、上記両格子系の境界部で物理量を補
間するようにすれば、静止系と回転系の連成問題などの
移動境界を考慮した問題を取り扱うことができる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る流体
シミュレーション装置は、物体の周囲を流れる流体の挙
動を、3次元の格子を用いて数値的に解析する流体シミ
ュレーション装置において、3次元CADを用いて作成
された上記物体の外形を表す第1の物体外形データを、
所定のデータ形式の第2の物体外形データに変換するデ
ータ変換手段と、上記データ変換手段により得られた上
記第2の物体外形データを用いて、所定の解析対象範囲
内の空間に、上記物体に近づくにつれて任意の間隔で段
階的に格子幅が小さくなるような格子を作成する格子作
成手段と、上記格子作成手段により得られた上記格子を
用いて、物体近傍の所定範囲内の格子点では局所選点法
を、それ以外の格子点では有限差分法を用いることによ
り、上記流体の挙動を解析する解析手段とを具備してな
ることを特徴とする流体シミュレーション装置として構
成されているため、従来の手法に比べて短時間で格子作
成、及び実計算を行うことができ、高精度の解析結果が
得られ、且つ粘性問題にも対応できる。また、上記解析
手段により得られた解析結果を実験により得られた結果
と共通の所定のデータ形式で出力する解析結果出力手段
と、上記解析結果出力手段から出力された解析結果を、
上記実験結果と共に表示する表示手段とを具備すれば、
上記解析結果と実験結果とを同じ表示手段にて可視化で
き、両者を容易に比較、検討することができる。また、
上記第1の物体外形データを、上記物体の外面を覆うよ
うに形成された三角形を表す数値データにより構成すれ
ば、3次元CADと流体シミュレーション装置間のデー
タ信頼性が確保できると共に、上記格子作成手段での格
子作成処理が単純化できる。また、上記第1の物体外形
データが上記3次元CADにおいて作成された上記物体
外形の分類情報を含み、上記データ変換手段が上記分類
情報を含む上記第1の物体外形データを上記第2の物体
外形データに変換するように構成すれば、境界条件等の
解析データを作成する際の作業が容易化できる。また、
上記格子作成手段によって作成される格子の格子幅同一
の範囲の間隔を、上記物体の外形位置から空間方向に向
かって所定の比率で増加するように設定すれば、例え
ば、格子数の増加を抑えながら、物体表面近傍の格子を
密にし、物体表面から遠い格子は粗くする等、格子生成
の自由度を高めることができる。また、上記格子作成手
段を、上記第2の物体外形データを構成する点から上記
物体外形の法線方向への距離に基づいて上記格子幅同一
の範囲内の格子を選択し、該選択された格子を再分割す
るように構成すれば、物体外形データとして作成された
面要素の大きさにムラがあっても、格子幅同一の範囲内
の格子は必ず適切に再分割できる。また、上記解析手段
が、格子幅の小さい層ほど小さな時間刻み幅を設定し、
隣接する格子幅の大きい層と進行時間が一致するまで集
中的に上記格子幅の小さい層の計算を行うようにすれ
ば、非定常計算における計算時間を大幅に短縮できる。
更に、上記格子作成手段において格子を静止系格子と回
転系格子に分けて作成し、上記解析手段による数値解析
において、上記静止系格子ではデカルト座標系方程式群
を、上記回転系格子では一般座標系方程式群を計算し、
上記両格子の境界部で物理量を補間するようにすれば、
物体の回転等の移動境界を考慮する問題を取り扱うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る流体シミュレーシ
ョン装置A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 3次元CADにより物体外面に生成された三
角形面要素の一例を示す図。
【図3】 従来の非構造系格子を用いた手法における格
子作成方法(方向)と、流体シミュレーション装置A1
における格子作成方法(方向)の比較図。
【図4】 流体シミュレーション装置A1における格子
作成手順の概要を示す説明図。
【図5】 物体外面の三角形面要素からの法線方向距離
により格子の再分割範囲に入るセルを選択する方法の説
明図。
【図6】 物体外面の三角形面要素を構成する点からの
距離により格子の再分割範囲に入るセルを選択する方法
の説明図。
【図7】 格子の再分割範囲を設定する方法の一例を示
す説明図。
【図8】 局所選点法における離散化方法の説明図。
【図9】 静止系と回転系の連成問題の一例を示す図。
【図10】 分離して作成された静止系格子と回転系格
子の一例を示す図。
【図11】 上記静止系格子と回転系格子の全体図。
【図12】 解析結果の可視化例(ベクトル、コンター
図)を示す図。
【図13】 構造系格子の一例(一般座標系)を示す
図。
【図14】 非構造系格子の一例を示す図。
【図15】 デカルト格子の一例を示す図。
【図16】 ミッドフリーザタイプ冷蔵庫の冷蔵室ダク
ト周辺の形状を示す模式図。
【図17】 上記冷蔵室ダクト近傍の流体シミュレーシ
ョンにおける格子作成手順を示す模式図。
【図18】 上記冷蔵室ダクト近傍の流体シミュレーシ
ョンを上記構造系格子を用いた手法により行った場合の
所要時間を示すグラフ図。
【符号の説明】
1…3D−CAD 2…I/F部(データ変換手段に相当) 3…解析データ作成部(格子作成手段に相当) 4…解析部(解析手段、及び解析結果出力手段に相当) 5…表示部(表示手段に相当)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の周囲を流れる流体の挙動を、3次
    元の格子を用いて数値的に解析する流体シミュレーショ
    ン装置において、 3次元CADを用いて作成された上記物体の外形を表す
    第1の物体外形データを、所定のデータ形式の第2の物
    体外形データに変換するデータ変換手段と、 上記データ変換手段により得られた上記第2の物体外形
    データを用いて、所定の解析対象範囲内の空間に、上記
    物体に近づくにつれて任意の間隔で段階的に格子幅が小
    さくなるような格子を作成する格子作成手段と、 上記格子作成手段により得られた上記格子を用いて、物
    体近傍の所定範囲内の格子点では局所選点法を、それ以
    外の格子点では有限差分法を用いることにより、上記流
    体の挙動を解析する解析手段とを具備してなることを特
    徴とする流体シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 上記解析手段により得られた解析結果
    を、実験により得られた結果と共通の所定のデータ形式
    で出力する解析結果出力手段と、 上記解析結果出力手段から出力された解析結果を、上記
    実験結果と共に表示する表示手段とを具備してなる請求
    項1記載の流体シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の物体外形データが、上記物体
    の外面を覆うように形成された三角形を表す数値データ
    により構成される請求項1又は2記載の流体シミュレー
    ション装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の物体外形データが、上記3次
    元CADにおいて作成された上記物体外形の分類情報を
    含み、 上記データ変換手段が、上記分類情報を含む上記第1の
    物体外形データを上記第2の物体外形データに変換する
    請求項1〜3のいずれかに記載の流体シミュレーション
    装置。
  5. 【請求項5】 上記格子作成手段によって作成される格
    子の格子幅同一の範囲の間隔が、上記物体の外形位置か
    ら空間方向に向かって所定の比率で増加するように設定
    される請求項1〜4のいずれかに記載の流体シミュレー
    ション装置。
  6. 【請求項6】 上記格子作成手段が、上記第2の物体外
    形データを構成する点から上記物体外形の法線方向への
    距離に基づいて上記格子幅同一の範囲内の格子を選択
    し、該選択された格子を再分割する請求項1〜5のいず
    れかに記載の流体シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】 上記解析手段が、格子幅の小さい層ほど
    小さな時間刻み幅を設定し、隣接する格子幅の大きい層
    と進行時間が一致するまで集中的に上記格子幅の小さい
    層の計算を行う請求項1〜6のいずれかに記載の流体シ
    ミュレーション装置。
  8. 【請求項8】 移動境界を考慮する問題を取り扱う際
    に、上記格子作成手段において格子を静止系格子と移動
    系格子に分けて作成し、上記解析手段による数値解析に
    おいて、上記静止系格子ではデカルト座標系方程式群
    を、上記移動系格子では一般座標系方程式群を計算し、
    上記両格子の境界部で物理量を補間する請求項1〜7の
    いずれかに記載の流体シミュレーション装置。
  9. 【請求項9】 上記移動境界が、物体の回転による境界
    である請求項8記載の流体シミュレーション装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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