JPH116632A

JPH116632A - 空気調和機

Info

Publication number: JPH116632A
Application number: JP9173277A
Authority: JP
Inventors: Yoshiyuki Funakoshi; 美之船越; Takeshi Kitagawa; 武北川
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 1997-06-13
Filing date: 1997-06-13
Publication date: 1999-01-12

Abstract

(57)【要約】【課題】背面側ドレンパンに内部結露が生じるのを防
止して、利用快適性の向上を図ることが可能な空気調和
機を提供する。【解決手段】前面側熱交換器１と背面側熱交換器２と
を逆Ｖ字状に組み合わせて成る熱交換器１０をケーシン
グ内に備える。底フレーム１７と、底フレーム１７に突
設した後舌部１９とで背面側熱交換器２で生じたドレン
水を受けるための背面側ドレンパン８を構成する。背面
側ドレンパン８の両端部に排出口を設ける。背面側ドレ
ンパン８の底面２１には、中央部から両端部に向かって
下り勾配を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、逆Ｖ字状の熱交
換器を備えた空気調和機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機、特に分離形空気調和機の室
内機等においては、室内の居住空間をより有効に利用す
ることができるように、また据付自由度を向上させるた
めに、本体ケーシングをコンパクトでしかも薄形とする
ことが要求される。そこで本体ケーシング内に備える熱
交換器を前面側と背面側とに分割して逆Ｖ字状に組み合
わせるとともに、本体ケーシングの天面にも吸込口を設
け、これによって熱交換能力を低下させることなく本体
ケーシングをコンパクト化することが従来から行われて
いる（例えば実公昭５７−３５７７１号公報、特開平９
−１４６８４号公報）。

【０００３】上記のような逆Ｖ字状の熱交換器を備えた
空気調和機の室内機では、この熱交換器が冷媒回路の蒸
発器として機能する冷房運転時には、前面側熱交換器の
みならず背面側熱交換器にもドレン水が発生する。そこ
で前面側熱交換器の下端部下方に前面側ドレンパンを設
ける一方、背面側熱交換器の下端部下方にも背面側ドレ
ンパンを設けるようにしている。そして図５は、従来の
空気調和機の室内機に設けられた上記背面側ドレンパン
４８を示す断面図である。同図に示すように上記背面側
ドレンパン４８は、本体ケーシングの背面側を構成する
底フレーム４７と、この底フレーム４７に突設された後
舌部４９とによって挟まれるように形成されている。ま
た上記背面側ドレンパン４８の底面４１には、支持片５
０が突設されている。そして背面側ドレンパン４８内に
位置する背面側熱交換器４２の下端部が、上記支持片５
０によって下面側から支持されている。さらに上記後舌
部４９下方の底フレーム４７には、スクロール部４６が
形成されている。そしてこれら後舌部４９及びスクロー
ル部４６よりも前面側が空調空気の通風路４５となり、
クロスフローファン（図示せず）が配置されている。

【０００４】図４は、上記底フレーム４７の正面図であ
る。同図に示すように背面側ドレンパン４８は、後舌部
４９及びスクロール部４６と略同幅に、従って空調空気
の通風路４５（図５参照）と略同幅に成され、その両端
部には、受けたドレン水を排出するための排出口（図示
せず）が形成されている。そしてこの排出口から排出さ
れたドレン水は、通風路４５の両外側に設けられた導水
路（図示せず）を通じて、前面側ドレンパン（図示せ
ず）に滴下するようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように背面側ド
レンパン４８で受けられたドレン水は、その両端部に設
けた排出口から排出される。しかし背面側ドレンパン４
８に滴下したドレン水は、滴下後直ちに排出口から排出
される訳ではなく、ある程度の水量が背面側ドレンパン
４８に貯溜した後、はじめて表面張力に抗して排出口か
ら流出することとなる。そのため上記背面側ドレンパン
４８には常にドレン水が滞留し、これによって上記後舌
部４９が冷却されてこの後舌部４９に内部結露が生じて
しまうという問題があった。後舌部４９に結露が生じる
と、これがスクロール部４６を伝って吹出口から室内に
落下したり、あるいは吹出風とともに居住者に向かって
飛散したりして、空気調和機の利用快適性を低下させる
一因となり得る。

【０００６】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、背面側ドレンパ
ンに内部結露が生じるのを防止して、利用快適性の向上
を図ることが可能な空気調和機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで請求項１の空気調
和機は、前面側熱交換器１と背面側熱交換器２とを逆Ｖ
字状に組み合わせて成る熱交換器１０と、上記背面側熱
交換器２で発生したドレン水を受けるための背面側ドレ
ンパン８とをケーシング内に備えた空気調和機におい
て、上記背面側ドレンパン８は、受けたドレン水を排出
するための排出口を有するとともに、この排出口に向か
って、その底面２１に下り勾配を形成したことを特徴と
している。

【０００８】また請求項２の空気調和機は、本体ケーシ
ングの背面側を構成する底フレーム１７の前方に、前面
側熱交換器１と背面側熱交換器２とを逆Ｖ字状に組み合
わせて成る熱交換器１０を備え、上記前面側熱交換器１
の下端部下方に前面側ドレンパン７を設ける一方、上記
背面側熱交換器２の下端部下方に背面側ドレンパン８を
設け、さらにこれら前面側ドレンパン７と背面側ドレン
パン８との間に送風ファン３を配置するとともに、上記
背面側ドレンパン８の端部に排出口を形成し、背面側ド
レンパン８で受けたドレン水を、上記排出口から通風路
１５の外側に設けた導水路を通じて前面側ドレンパン７
に滴下させるようにした空気調和機において、上記背面
側ドレンパン８の底面２１に、上記排出口に向かう下り
勾配を形成したことを特徴としている。

【０００９】上記請求項１又は請求項２の空気調和機で
は、背面側ドレンパン８に滴下したドレン水を、その底
面２１に形成した下り勾配に沿って直ちに排出口へと向
かって流し、強制的に排出口から排出することが可能と
なる。

【００１０】さらに請求項３の空気調和機は、上記排出
口は背面側ドレンパン８の両端部に形成され、上記背面
側ドレンパン８の底面２１には、その中央部から両端部
に向かって下り勾配を形成したことを特徴としている。

【００１１】上記請求項３の空気調和機では、排出口か
らのドレン水の排出を確実なものとすることが可能とな
る。

【００１２】請求項４の空気調和機は、上記背面側ドレ
ンパン８は、底フレーム１７と、この底フレーム１７か
ら通風路１５に突出した後舌部１９とによって挟まれる
ように形成されていることを特徴としている。

【００１３】上記請求項４の空気調和機では、構成が簡
素であって実施に好適である。

【００１４】請求項５の空気調和機は、上記背面側熱交
換器２は、その下端部を背面側ドレンパン８内に位置さ
せるとともに、その通風方向前面側の側面２３と上記後
舌部１９との間に間隙２４を形成すべく、後舌部１９側
から支持部材２０で支持されていることを特徴としてい
る。

【００１５】上記請求項５の空気調和機では、後舌部１
９と背面側熱交換器２の通風方向前面側の側面２３との
間に間隙が形成されるので、背面側熱交換器２によって
後舌部１９が冷却されるのを防止することが可能とな
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、この発明の空気調和機の具
体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説
明する。

【００１７】図３は、上記空気調和機の室内機を示す縦
断面図である。この室内機では、底フレーム１７と前面
グリル２２とによって本体ケーシングが構成され、そし
てこの前面グリル２２には、前面吸込口４が形成された
前面パネル１１と、天面吸込口５が形成された天面パネ
ル１２とが取り付けられている。また本体ケーシング内
に配置された室内熱交換器１０は、前面側熱交換器１と
背面側熱交換器２とに分割され、これらを逆Ｖ字状に組
み合わせて構成されている。このうち上記前面側熱交換
器１は２０本の冷媒管を挿通して構成され、そのうちの
４本の冷媒管が挿通された部分を一区画として全体が５
区画に区分されている。そして互いに隣接する区画部同
士の間を折曲部とすることにより、その頂部から下部に
かけて前面側に凸となるよう湾曲されている。また背面
側熱交換器２は８本の冷媒管を挿通して構成されたもの
であり、上記前面側熱交換器１と同じように４本の冷媒
管が挿通された部分を一区画として全体が２区画に区分
され、両区画の間を折曲部とすることによって、その頂
部から下部にかけて背面側に凸となるよう湾曲されてい
る。そして上記室内熱交換器１０の逆Ｖ字状の外側が本
体ケーシング１９内における吸込側通風路１４となり、
その内側が吹出側通風路１５となっている。なお前面側
熱交換器１の上部前方には、抗菌・脱臭作用等を有する
空気清浄機用フィルタ１６が設けられている。さらに上
記吹出側通風路１５にはクロスフローファン（送風ファ
ン）３が設けられ、このファンモータ３の背部から吹出
口１３へと滑らかに連なるようにスクロール部６が形成
されている。また前面側熱交換器１の下端部下方には、
この前面側熱交換器１で発生したドレン水を受けるため
の前面側ドレンパン７が設けられ、背面側熱交換器２の
下端部下方には、この背面側熱交換器２で発生したドレ
ン水を受けるための背面側ドレンパン８が設けられてい
る。この背面側ドレンパン８は、底フレーム１７と、ス
クロール部６上方の底フレーム１７において吹出側通風
路１５へ突出して設けられた後舌部１９とによって構成
されている。この後舌部１９からは、さらに支持片（支
持部材）２０が突設されている。そしてこの支持片２０
によって背面側熱交換器２の通風前面側の側面２３が後
舌部１９側から支持され、上記側面２３と後舌部１９と
の間に間隙２４を形成している。また上記クロスフロー
ファン３は、前面側ドレンパン７と背面側ドレンパン８
とに挟まれるように位置し、前面側ドレンパン７を構成
する背面側の側板１８が前舌部として機能する。なお上
記スクロール部６の背部に発生するドレン水は、背部ド
レンパン９で受けるようになっている。

【００１８】図１は、上記底フレーム１７の正面図であ
る。同図に示すように背面側ドレンパン８は、後舌部１
９及びスクロール部６と略同幅に、従って吹出側通風路
１５と略同幅に成されている。そしてその両端部には、
受けたドレン水を排出するための排出口（図示せず）が
設けられ、破線で示す背面側ドレンパン８の底面２１に
は、中央部から上記排出口が設けられた両端部へ向かっ
て下り勾配が形成されている。そして上記排出口から排
出されたドレン水は、吹出側通風路１５の両外側に設け
られた導水路（図示せず）を通じて、前面側ドレンパン
７に滴下するようになっている。図２（ａ）は上記背面
側ドレンパン８の中央部断面図であり、また同図（ｂ）
は上記背面側ドレンパン８の端部断面図である。両図の
比較によっても背面側ドレンパン８に下り勾配が形成さ
れていることが明らかであるが、さらに上記底面２１に
は、排出口が穿設された後舌部１９側に向かっても下り
勾配が形成されている。背面側熱交換器２の下端部は背
面側ドレンパン８内に位置しているが、後舌部１９に突
設された支持片２０によってその通風前面側の側面２３
を後舌部１９側から支持され、これによって後舌部１９
と上記側面２３との間に間隙２４が形成されているの
は、上述の通りである。

【００１９】以上のように構成された空気調和機の室内
機において、図３に示すクロスフローファン３が回転駆
動されると、このクロスフローファン３、前舌部１８、
及び後舌部１９等の作用によって渦気流が発生し、この
渦気流によって前面吸込口４及び天面吸込口５から室内
空気を吸い込むようになる。吸い込まれた室内空気は、
さらに本体ケーシングの吸込側通風路１４から吹出側通
風路１５へと流通し、その際室内熱交換器１０によって
熱交換され空調空気となる。そしてこの空調空気は、上
記スクロール部６に沿って前面側へと流通方向を変えつ
つ、吹出口１３から再び室内へと吹き出されるようにな
っている。

【００２０】ところで上記のように作動する空気調和機
において、その室内熱交換器１０が蒸発器として機能す
る冷房運転時には、前面側熱交換器１と背面側熱交換器
２との双方にドレン水が発生する。このうち前面側熱交
換器１で発生したドレン水は前面側ドレンパン７に滴下
して処理される。一方、背面側熱交換器２で発生したド
レン水は背面側ドレンパン８に滴下するが、この背面側
ドレンパン８には、中央部から両端部に向かって下り勾
配が形成されている。従って滴下したドレン水は、直ち
に上記下り勾配に沿って両端部に流れ、排出口から強制
的に排出される。そのため滴下したドレン水が表面張力
によって背面側ドレンパン８に滞留することもなく、後
舌部１９がドレン水で冷却されることは回避される。従
って後舌部１９によって背面側ドレンパン８の側板を構
成するという簡素な構造を採用しても、吹出側通風路１
５に突設された上記後舌部１９に内部結露が生じること
は防止され、上記結露が吹出口１３から室内に滴下した
り、吹出風とともに居住者に向かって飛散したりすると
いう不具合が生じることもなく、これによって空気調和
機の利用快適性を向上させることができる。また上記底
面２１の勾配は、排出口が穿設された後舌部１９側に向
かっても形成されているから、より確実にドレン水の強
制的な排出を行うことができる。しかも上記後舌部１９
と背面側熱交換器２の通風前面側の側面２３との間に
は、間隙２４を設けている。すなわち、後舌部１９と上
記背面側熱交換器２との間には空気層が形成されている
ということである。従って蒸発器として機能する背面側
熱交換器２から後舌部１９への冷熱の伝達は確実に遮断
され、これによっても後舌部１９における結露の発生が
確実に防止される。

【００２１】以上にこの発明の具体的な実施の形態につ
いて説明したが、この発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施するこ
とができる。上記では、背面側熱交換器２の両端部に排
出口を設け、従ってその底面２１には中央部から両端部
に向けて下り勾配を形成したが、例えば背面側熱交換器
２の中央部等に排出口を設け、両端部から中央部に向か
って下り勾配を形成するようにしてもよいし、また一方
の端部だけに排水口を設け、他方の端部からこの排水口
を設けた端部に向かって下り勾配を形成するようにして
もよい。いずれにせよ、とにかく背面側熱交換器２に排
出口を形成し、この排出口に向かってその底面に下り勾
配を形成すればよいのである。また上記排水口からのド
レン処理も、上記では導水路を通じて前面側ドレンパン
７に滴下させているが、例えば背面側ドレンパン８に独
自の処理構造を設けるなどしてもよい。さらに上記では
後舌部１９と底フレーム１７とで背面側ドレンパン８を
構成したが、他の部材によって構成した背面側ドレンパ
ン８であっても、本発明を適用してその優れた効果を得
ることができる。

【００２２】

【発明の効果】上記請求項１又は請求項２の空気調和機
では、背面側ドレンパンに滴下したドレン水を強制的に
排出しているので、背面側ドレンパンが滞留するドレン
水で冷却されることは回避され、これに内部結露が生じ
ることは防止される。従って内部結露が室内に滴下した
り居住者に向かって飛散することもなく、その利用快適
性を向上させることが可能となる。

【００２３】また請求項３の空気調和機では、確実に利
用快適性を向上させることが可能であり、請求項４の空
気調和機では実施に好適である。

【００２４】さらに請求項５の空気調和機では、背面側
熱交換器による後舌部の冷却も防止できるので、より確
実に利用快適性を向上させることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の空気調和機の一実施形態の室内機を
構成する底フレームの正面図である。

【図２】上記室内機に備えられた背面側ドレンパンを示
し、（ａ）は中央部断面図であり、（ｂ）は端部断面図
である。

【図３】上記室内機の縦断面図である。

【図４】従来例の空気調和機の室内機を構成する底フレ
ームの正面図である。

【図５】従来例の空気調和機の室内機に備えられた背面
側ドレンパンの断面図である。

【符号の説明】

１前面側熱交換器２背面側熱交換器３クロスフローファン７前面側ドレンパン８背面側ドレンパン１０室内熱交換器１５吹出側通風路１７底フレーム１９後舌部２０支持片２１底面２３側面２４間隙

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】前面側熱交換器（１）と背面側熱交換器
（２）とを逆Ｖ字状に組み合わせて成る熱交換器（１
０）と、上記背面側熱交換器（２）で発生したドレン水
を受けるための背面側ドレンパン（８）とをケーシング
内に備えた空気調和機において、上記背面側ドレンパン
（８）は、受けたドレン水を排出するための排出口を有
するとともに、この排出口に向かって、その底面（２
１）に下り勾配を形成したことを特徴とする空気調和
機。
【請求項２】本体ケーシングの背面側を構成する底フ
レーム（１７）の前方に、前面側熱交換器（１）と背面
側熱交換器（２）とを逆Ｖ字状に組み合わせて成る熱交
換器（１０）を備え、上記前面側熱交換器（１）の下端
部下方に前面側ドレンパン（７）を設ける一方、上記背
面側熱交換器（２）の下端部下方に背面側ドレンパン
（８）を設け、さらにこれら前面側ドレンパン（７）と
背面側ドレンパン（８）との間に送風ファン（３）を配
置するとともに、上記背面側ドレンパン（８）の端部に
排出口を形成し、背面側ドレンパン（８）で受けたドレ
ン水を、上記排出口から通風路（１５）の外側に設けた
導水路を通じて前面側ドレンパン（７）に滴下させるよ
うにした空気調和機において、上記背面側ドレンパン
（８）の底面（２１）に、上記排出口に向かう下り勾配
を形成したことを特徴とする空気調和機。
【請求項３】上記排出口は背面側ドレンパン（８）の
両端部に形成され、上記背面側ドレンパン（８）の底面
（２１）には、その中央部から両端部に向かって下り勾
配を形成したことを特徴とする請求項２の空気調和機。
【請求項４】上記背面側ドレンパン（８）は、底フレ
ーム（１７）と、この底フレーム（１７）から通風路
（１５）に突出した後舌部（１９）とによって挟まれる
ように形成されていることを特徴とする請求項２又は請
求項３の空気調和機。
【請求項５】上記背面側熱交換器（２）は、その下端
部を背面側ドレンパン（８）内に位置させるとともに、
その通風方向前面側の側面（２３）と上記後舌部（１
９）との間に間隙（２４）を形成すべく、後舌部（１
９）側から支持部材（２０）で支持されていることを特
徴とする請求項４の空気調和機。