JPH1166292A - ノイズ低減装置 - Google Patents

ノイズ低減装置

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JPH1166292A
JPH1166292A JP9216466A JP21646697A JPH1166292A JP H1166292 A JPH1166292 A JP H1166292A JP 9216466 A JP9216466 A JP 9216466A JP 21646697 A JP21646697 A JP 21646697A JP H1166292 A JPH1166292 A JP H1166292A
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noise
pixel
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noise reduction
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JP9216466A
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Shiro Ikeda
志郎 池田
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Hitachi Denshi KK
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Hitachi Denshi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズの低減と、解像度の確保が両立できる
ようにしたノイズ低減装置を提供すること。 【解決手段】 まず、処理ステップ3、4で、画像のエ
ッジ部の画素については、ノイズ低減処理をしないよう
にする。一方、エッジ部以外の画素については、処理ス
テップ5でノイズ低減処理を行った後、レベル変化ΔF
に応じて処理を切り替え、レベル変化ΔFが補正処理判
定値TH2 以上のときは、処理ステップ7でこれ以上は
なにもしないが、レベル変化ΔFが補正処理判定値TH
2 未満のときは、処理ステップ8で、各画素に対するノ
イズ補正の強さが、各画素間での輝度値の変化が所定値
を越える毎に最小値にされ、以後、各画素毎に増加し、
所定値で一定になるようにした映像信号補正を施すよう
にしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像信号のノイズ
低減装置に係り、特に画像のエッジ成分の保存が充分に
得られるようにしたノイズ低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】映像信号のノイズ低減技法については、
従来から種々の方法が知られており、まず、その1とし
ては、空間周波数領域での帯域制限による方法があり、
この方法は、具体的には、さらに、高周波成分の除去手
段によるもの。周期性雑音の除去手段によるもの。特定
周波数領域の除去手段によるもの。に分けられる。
【0003】そして、これらは、何れも、フィルタなど
の帯域制限手段を用い、これにより映像信号を帯域分割
し、これら分割した帯域の高周波成分、若しくは特定の
周波数成分をノイズと見做して削除する方式である。し
かしながら、この方式では、希望する削除すべき帯域成
分の分割に、急峻な特性の帯域制限手段が必要であり、
このため、フィルタなど帯域制限手段の回路規模が大き
くなってしまう。また、映像信号成分中の周波数成分を
削除する場合は、ノイズ成分と同時に信号成分も削除し
てしまう。
【0004】そこで、その2のノイズ低減技法として、
ノイズ成分と信号成分の判断に信号レベルによる判断を
追加し、特定の周波数成分で、且つ、特定のレベルの信
号の場合をノイズ成分と見做す方式があり、さらには、
その3として、フレーム加算によるノイズ成分除去方式
がある。
【0005】そして、このフレーム加算方式は、映像信
号を1フレーム毎に、時間軸方向、すなわち動きの成分
により帯域制限を行い、高周波成分、或いは特定周波数
成分をノイズ成分と見做し、これを除去する方式であ
り、この方式によれば、画面中の周波数成分にあまり影
響を与えることなくノイズ成分を除去することができる
が、反面、時間軸成分から高周波成分が除去されたこと
により、動きに残像がでるなど、空間軸と同様に時間軸
信号成分も削除してしまうという問題点がある。
【0006】更に、このフレーム加算方式では、フレー
ムごとの情報を保持しておく必要があるため、フレーム
メモリなどの記憶手段、遅延手段が必要であり、空間周
波数軸の方式に比較して回路規模は更に大きくなる。
【0007】ところで、以上に挙げた方式は、何れも回
路規模が大きくなってしまうが、これを改善する方法と
して空間フィルタ法がある。そして、この空間フィルタ
法の中で最も基本的な方法が移動平均法で、この方法
は、画像を構成する各画素ごとに周辺の画素との平均化
等の演算を行う方法であり、このため数画素分のフィル
タ構成で実現可能である。また、この移動平均化法によ
る演算の他に、該当画素と周辺画素とで重み付けを行っ
て所望のフィルタ特性を得る方法も知られている。
【0008】一方、これら移動平均法としては、さら
に、エッジ保存平滑化法があり、この保存平均化法は、
当該画素とその周辺画素、若しくはそれぞれの画素のレ
ベル差によってエッジ成分を判定し、エッジ成分を構成
する画素を含まないように平均化を行う方式や、当該画
素近傍に9個程度の領域を設け、分散が最小となる領域
の平均値を用いる方式である。
【0009】従来技術の空間周波数領域におけるフィル
タ法による方式では、フィルタの減衰特性が不充分な場
合は、残すべき信号成分も減衰されてしまうため、フィ
ルタの減衰特性を充分に急峻にする必要があり、フィル
タの次数が大きくなってしまう問題点がある。同様に、
フレーム加算方式においては、時間軸方向のフィルタ特
性を充分とる必要がある。
【0010】一方、空間フィルタ法による方式では、当
該画素と周辺画素との演算でフィルタ次数が限られるた
め、特に低域成分のノイズ除去効果は困難である。さら
に以上の他にも、局所統計量フィルタを用いた方法とし
て、当該画素と周辺画素の標本中央値を演算するメジア
ンフィルタ方式があるが、何れも一長一短があるので、
適当に選択して用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ノイ
ズ低減処理に伴う画像のエッジ部分でのデータ欠如につ
いて配慮がされておらず、画質劣化の抑制に二律背反に
よる制限が与えられてしまうという問題があった。すな
わち、ノイズ低減処理では、何れにしろ、画素データ間
での平均化処理を伴うので、一方で、ノイズの低減に重
点をおけば、画素間でのデータの急峻な変化が平滑化さ
れ、画像のエッジ部分が鈍って解像度が低下し、他方、
ノイズの低減を抑えたのでは、信号対雑音比が低下し、
何れにしても画質が低下してしまうという二律背反(ト
レードオフ)関係になってしまうのである。
【0012】本発明の目的は、ノイズの低減と、解像度
の確保が両立できるようにしたノイズ低減装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、複数の画素
からなる映像信号の各画素を逐次所定の順序で対象画素
として選択し、該対象画素の輝度値と、該対象画素の1
画素前の対象画素の輝度値との差からなる輝度変化分を
所定の補正処理判定値と比較し、この比較結果に応じ
て、対象画素毎のノイズ補正処理の内容を切換えるよう
にしたノイズ低減装置において、前記各画素に対するノ
イズ補正の強さが、各画素間での輝度値の変化が所定値
を越える毎に最小値にされ、以後、各画素毎に増加し、
所定値で一定になるようにした映像信号補正手段を設
け、前記輝度変化分が前記補正処理判定値未満のときの
ノイズ補正処理が、前記映像信号補正手段により実行さ
れるようにして達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるノイズ低減装
置について、図示の実施形態例により詳細に説明する。
図1は、本発明によるノイズ低減装置の一実施形態によ
る処理手順を示したもので、1〜6は各処理ステップを
表わす。まず、処理ステップ1では、ノイズ補正処理を
施すべき映像信号を、所定の単位、例えばフレーム単位
でメモリに用意する。
【0015】従って、例えば一般的なテレビジョン方式
の映像信号の場合には、フレーム周期で映像信号が取り
込まれ、メモリに用意されることになる。以後、処理ス
テップ2以降の処理は、所定の基準動作クロックC(後
述)毎に開始され、1クロック期間で処理ステップ10
までの処理を実行し終えるようになっている。
【0016】そこで、まず、処理ステップ2では、メモ
リに用意された1フレーム分の映像信号から、所定の順
序で処理すべき画素の選択を行ない、その信号レベルを
取り込んで対象画素Pとする。ここで、所定の順序と
は、例えば一般的なテレビジョン方式の映像信号の場合
には、画面の左から右、上から下の順序になる。
【0017】次に、処理ステップ3では、空間フィルタ
法によるノイズ低減処理を施し、ノイズ低減された画素
データFを出力する。従って、この実施形態では、処理
対象となった画素については、その全てに、前処理とし
て空間フィルタ法によるノイズ低減処理が施されること
になる。ここで、空間フィルタ法とは、画面の縦方向と
横方向の平均化による2次元フィルタ、又は、更に時間
軸方向も含めた3次元フィルタなどの有限長フィルタに
よる処理のことであり、詳しくは後述する。
【0018】次に、処理ステップ4では、対象画素Pが
画像のエッジ部に対応する画素か否かを判定する。この
ため、画素データFと1画素前の対象画素B’の輝度レ
ベルの変化分ΔFを求め、これを別途設定されている対
象画素判定値TH1 と比較し、変化分Δが対象画素判定
値TH1 以上であったらY(肯定)と判定し、そうでなけ
ればN(否定)と判定する。
【0019】ここで、対象画素判定値TH1 とは、画像
のエッジ部を識別する閾値となるもので、画素間での輝
度レベルの変化が対象画素判定値TH1 以上のときは、
画像のエッジ部であると見做すのである。そして、ま
ず、この処理ステップ4での結果がY(肯定)となったと
きは、このときの対象画素Pはエッジ部であると見做し
て処理ステップ5に進み、対象画素Pをそのまま画素B
のデータとする。つまり、画像のエッジ部では何もノイ
ズ処理がされないことになる。
【0020】他方、処理ステップ4での判定結果がN
(否定)のときは、このときの対象画素Pは、エッジ部以
外のノイズ補正処理対象画素であると見做し、処理ステ
ップ6に進む。
【0021】この処理ステップ6では、画素データFの
レベル変化、すなわち、いまの画素データFと1画素前
の画素データB’との差ΔFが、別途設定されている補
正処理判定値TH2 と比較され、さらにノイズ補正を適
用するか否かを判定する。
【0022】ここで、この補正処理判定値TH2 は、上
記した対象画素判定値TH1 に対して、TH1 >TH2
の関係があることは、いうまでもないが、さらに具体的
な値については、後で詳しく説明する。
【0023】この処理ステップ6では、画素データFの
レベル変化分ΔFが補正処理判定値TH2 以下のとき、
判定結果がYになり、そうでなければNになる。そし
て、まず、この処理ステップ6での判定結果がNのとき
には、処理ステップ7に進み、画素データFをそのまま
画素データBとして出力する。しかして、処理ステップ
6での判定結果がYのときには、処理ステップ8に進
み、画素データFのレベルと、画素データBの1画素前
のデータである画素データB’のレベルに応じたノイズ
補正を行い、ノイズ補正された画素データAを得る。
【0024】この処理ステップ8におけるノイズ補正処
理は、本発明の特徴の1であり、具体的には、次の演算
式による処理となっている。 画素データA=(画素データFのレベル)/(2exp(G−
1))+(画素データB'の補正レベル)×(2exp(G−1)
−1)/(2exp(G−1) なお、この処理の詳細は後述する。
【0025】このあと、処理ステップ9では、この画素
データAを画素データBとして出力する。そして、最後
に、処理ステップ10で、各処理ステップ4、7、9か
ら夫々出力されてくる画素データBを所定の順序でメモ
リに格納し、所定の単位、例えばフレーム単位からなる
映像信号に戻し、これによりノイズ補正処理が施された
映像信号を得るのである。
【0026】図2は、本発明によるノイズ低減装置の一
実施形態で、以下、この図2に示す実施形態について、
図1のノイズ補正処理と共に詳細に説明する。まず、空
間フィルタ法によるノイズ低減手段11は、上記したよ
うに、画面の縦方向と横方向の平均化による2次元フィ
ルタ、又は、更に時間軸方向も含めた3次元フィルタな
どの有限長フィルタからなり、対象画素Pに対して空間
フィルタ法によるノイズ低減処理を施し、ノイズ低減さ
れた画素データFを出力する働きをする。
【0027】図3は、空間フィルタ処理の一例で、対象
画素Pを33としたとき、その上下左右に隣接する画素
34のレベルと、斜め及び1画素離れて隣接する画素3
2のレベルを、それぞれ図示の係数により加算し、平均
化することによりノイズの低減が得られるようにしてい
る。
【0028】このとき、斜め方向の画素のレベルを考慮
し、係数のレベルが円形分布になるようにするのが一般
的であり、且つ、処理による信号レベルの変化が生じな
いように、各係数の加算値が1になるようにする。従っ
て、この空間フィルタ法によるノイズ低減手段11は、
図1の処理ステップ5での処理に対応する。
【0029】次に、第1の映像信号比較手段15は、対
象画素Pと1画素前の画素データFの各輝度レベルを取
り込み、それらの差分ΔF(=|F−B'|)を求め、これ
を別途設定されている対象画素判定値TH1 と比較し、
ΔF<TH1 のときはレベル0を保ち、ΔF≧TH1
ときレベル1になる切換信号S1 を出力し、それを第1
のデータセレクタ14に供給する。
【0030】そして、第1のデータセレクタ14は、切
換信号S1 のレベルが0のときは第2のデータセレクタ
13の出力を選択し、切換信号S1 のレベルが1になっ
たときだけ対象画素Pを選択するように動作する。
【0031】次に、第2の映像信号比較手段16は、ノ
イズ低減された画素データFをノイズ低減手段11から
入力し、そのレベル変化分、すなわち、現在の画素デー
タFと、1画素前の画素データB’との差分ΔF(=|F
−B'|)を、予め設定されている補正処理判定値TH2
と比較し、ΔF<TH2 のときはレベル0を保ち、ΔF
≧TH2 のときレベル1になる切換信号S2 を出力し、
それを第2のデータセレクタ13に供給する。
【0032】そこで、第2のデータセレクタ13は、切
換信号S2 のレベルが0のときは映像信号補正処理手段
12の出力を選択し、切換信号S2 のレベルが1になっ
たときだけ画素データFを選択するように動作する。
【0033】従って、これら第1のデータセレクタ14
と第1の映像信号比較手段15、それに第2のデータセ
レクタ13と第2の映像信号比較手段16が、それぞれ
図1の処理ステップ3、4と処理ステップ6、7の処理
に対応する。
【0034】次に、映像信号補正処理手段12は、図1
の処理ステップ8におけるノイズ補正処理を実行するも
ので、図4に示すように、カウンタ18とデータリミッ
タ19、それに補正演算部20で構成されている。ま
ず、カウンタ18は、基準動作クロックCによりカウン
トアップされ、第2の映像信号比較手段16から出力さ
れる切換信号S2 のレベルが1になるとリセットされ
る。
【0035】そして、これにより、画素データFの変化
分ΔFが補正処理判定値TH2 未満になっている期間
中、すなわち、ΔF<TH2 になっている期間中、この
期間の開始時点から対象画素Pが選択される毎にカウン
トアップされてゆき、画素データFの変化分ΔFが補正
処理判定値TH2 を越えた終了時点でリセットされるカ
ウントデータCGを出力する働きをする。
【0036】次に、データリミッタ19は、カウンタ1
8から出力されるカウントデータCGと、予め設定して
ある所定の効果最大値Lとを入力とし、カウントデータ
CGが効果最大値L以下のときは、カウントデータCG
をそのままデータGとして出力し、カウントデータCG
が効果最大値Lを越えたときは、この効果最大値Lをデ
ータGとして出力する働きをする。
【0037】従って、画素データFの変化分ΔFが補正
処理判定値TH2 未満になっていてリセットされないま
まになっているときに、データリミッタ19から出力さ
れるデータGの値は、順次、次に示すように変化してゆ
く。ここで、各数値の発生間隔は、基準動作クロックC
の周期となる。0123333……
【0038】そして、画素データFの変化分ΔFが補正
処理判定値TH2 を越えた状態が現われると、その都
度、0にリセットされるので、このときのデータGの値
は、次の(表1)のようになる。ここで、↑はリセット時
点を表わす。
【0039】
【表1】
【0040】次に、補正演算部20は、画素データF
と、画素データBの1画素前のデータである画素データ
B’を用い、それらのレベルに応じた平均化処理を、デ
ータGの数値を指数関数として実行し、ノイズ補正され
た画素データAを出力する。そして、得られた画素デー
タAは、第2のデータセレクタ13に供給される。
【0041】従って、映像信号補正処理手段12と第2
のデータセレクタ13、それに第1のデータセレクタ1
4が、図1の処理ステップ8、9、10の処理に対応す
るものとなる。
【0042】次に、この実施形態の動作について、図5
に示す動作説明用のサンプル画像を用いて説明する。こ
の図5は、理解を容易にするため、輝度レベルを高さ方
向にとった3次元表示にしてあり、従って、この図5に
おいては、画像の水平方向と垂直方向が画素の位置座標
であるのに対して、輝度方向は信号の輝度レベルで、高
くなるほど明るい信号であることを示している。
【0043】そして、このサンプル画像は、上からみる
と、画像の背景部分21の右下に4角形の明るい部分2
2があり、この明るい部分22の左下には、中間の明る
さの4角形の部分23がある画像になっており、これら
の部分全体に波状にノイズ成分24が乗っている状態を
表わしている。
【0044】従って、信号部分は、一部の角が欠けてい
る立方体で表わされ、立方体の境界部分では輝度が大き
く変化していて、崖のようになっており、この部分に画
像のエッジが存在していることになる。
【0045】ここで、部分22の輝度を最大輝度H、部
分23の輝度を下側中間輝度D、部分23から部分22
までの輝度を上側中間輝度M、ノイズ成分24の大きさ
(振幅)をノイズレベルNと定義すると、これらと、上記
した対象画素判定値TH1及び補正処理判定値TH2
関係は、以下の〜の通りにしてある。なお、これら
対象画素判定値TH1 及び補正処理判定値TH2 には、
TH1 >TH2 の関係があることは、既に説明した通り
である。 対象画素判定値TH1 <最大輝度H 対象画素判定値TH1 >下側中間輝度D 対象画素判定値TH1 >上側中間輝度M 補正処理判定値TH2 >ノイズレベルN 補正処理判定値TH2 <下側中間輝度D 補正処理判定値TH2 <上側中間輝度M
【0046】次に、図6は、図5に示したサンプル画像
について、上記実施形態による信号処理を実行した結果
を、同じく3次元で示したものであり、以下、図5のサ
ンプル画像の映像信号を上記実施形態により処理した結
果を、この図6により説明する。なお、この図6では、
理解を容易にするため、画面の上下の端部と左右の端部
は、エッジ部としては見做さないで説明する。
【0047】まず、ノイズ成分24については、上記
の関係から、映像信号補正処理手段12によるノイズ補
正処理が働き、この結果、大きなノイズ除去作用が与え
らえることになり、図6に示すように、画像の背景部分
21と、明るい部分22及び中間の明るさの部分23で
は、そのエッジ部を除いて、ノイズ成分24がきれいに
除かれることになる。
【0048】次に、下側中間輝度Dになっている部分
と、上側中間輝度Mになっている部分では、上記と
の関係から、第2のデータセレクタ13が働き、この結
果、映像信号補正処理手段12によるノイズ補正処理は
機能せず、上記との関係から、空間フィルタ法によ
るノイズ低減手段11によるノイズ低減だけが働くこと
になる。なお、このように構成した理由は以下の通りで
ある。
【0049】まず、第1には、この下側中間輝度Dと、
上側中間輝度Mになっている部分では、信号レベルの変
化範囲が、ノイズレベルNと信号の中間にあるので、信
号成分とノイズ成分が同等のレベルで存在している確率
が高いからである。次に、第2として、ノイズ低減処理
がなされる領域と、そうでない領域とのつながりを滑ら
かにするため、この部分でも軽いノイズ低減処理を施し
て置くのである。そして、第3としては、この部分に
は、信号成分が含まれる確率が高いので、ノイズ低減処
理を充分に利かすと、画像の重心ずれ(位相の悪化)が生
じてしまう虞れがあるからである。
【0050】この結果、図6に示すように、エッジ部が
保存されることになる。ここで、明るい部分22のエッ
ジ部E22では、上記の関係から、ノイズ処理が全く
与えられないので、図示のように、この部分E22で
は、ノイズ成分24がそのまま残ってしまうが、エッジ
部の保存は充分に得られることになる。
【0051】一方、中間の明るさの部分23のエッジ部
では、上記、、及び上記、の関係から、ノイズ
低減手段11によるノイズ低減が与えらるので、図示の
ように、この部分E23では、多少レベルが抑えられた
ノイズ成分となっており、エッジ部は多少損なわれる
が、ノイズの除去とつながりの滑らかさがバランス良く
得られていることが判る。
【0052】次に、図7により、映像信号補正処理手段
12の動作について説明する。この図7は、図5のサン
プル画像にほぼ対応させた映像信号の画素を大まかに平
面座標として示したもので、背景部分21と明るい部分
22、それに中間の明るさの部分23が、図5と図6に
対応して示してあり、各画素内に記載してある数字が、
図4で説明したデータGを表わす。
【0053】既に図4で説明したように、この映像信号
補正処理手段12を構成する補正演算部20でのノイズ
補正の強さは、カウンタ18からデータリミッタ19を
介して出力されるデータGの数値によって決まり、デー
タGが0のときはノイズ補正量も0で、このときは画素
データFがそのまま画素データAになり、データGが
1、2、3と変るにつれ、指数関数的にノイズ補正の強
さが増してゆくようになっている。
【0054】一方、この補正演算部20でのノイズ補正
は、基本的には、画素の配列方向での平均化処理(単純
な平均化処理ではないが)であり、従って、画素の輝度
レベルが変化したところでは、その変化を抑える処理と
なって、解像度を低下させ、多くの画素を対象にして連
続して実行すると、画像に重心ずれが現われ、これらが
相俟って、大きな画質の劣化を招いてしまう。
【0055】しかしながら、この実施形態によれば、画
素間での輝度レベルの変化量に応じてデータGの値が変
化し、図7に示すように、画像のエッジ部ではデータG
が0にされ、その後、1、2、3と増加され、最大値が
予め設定してある効果最大値Lで抑えられるようになっ
ている。
【0056】従って、この実施形態によれば、画像のエ
ッジ部の画素にはノイズ補正がされず、その後、順次、
ノイズ補正量が増してゆくので、解像度の低下が抑えら
れ、さらに、ノイズ補正の強さに限度が与えられるの
で、画像に現われる重心ずれにも限度が与えられること
になり、この結果、ノイズ補正に伴う画質の劣化を充分
に抑えることができ、ノイズの大きな低減と、高画質の
保持の両立を容易に得ることができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、平均移動法よりも数十
倍の回路規模が必要な空間周波数領域におけるフィルタ
法でなければ、除去することの出来なかった周波数成分
を、平均移動法と同程度の回路規模の装置により除去す
ることができ、解像度の劣化を伴うことなく、充分にノ
イズ低減が図れるようにしたノイズ低減方法及びノイズ
低減装置を低価格で提供することができる。
【0058】また、ノイズ補正を充分に適用しても、画
像の重心ずれが最小限に抑えられるので、この点でも画
質が劣化する虞れがなく、ノイズの低減による高画質の
保持を充分に得ることができる。さらに、入力信号レベ
ルによりノイズ除去効果の増減を行うため、ノイズ除去
効果を高くしても必要な信号成分の保存が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるノイズ低減装置の一実施形態によ
る動作を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明によるノイズ低減装置の一実施形態を示
すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態で用いられている空間フィ
ルタの動作説明図である。
【図4】本発明によるノイズ低減装置の一実施形態にお
ける映像信号処理手段の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明によるノイズ低減装置の動作を説明する
ためのサンプル画像の説明図である。
【図6】本発明のノイズ低減装置によりノイズが低減さ
れたサンプル画像の説明図である。
【図7】本発明のノイズ低減装置におけるノイズ補正用
データの説明図である。
【符号の説明】
1〜10 処理ステップ 11 空間フィルタ法によるノイズ低減手段 12 映像信号補正処理手段 13 第2のデータセレクタ 14 第1のデータセレクタ 15 第1の映像信号比較手段 16 第2の映像信号比較手段 18 カウンタ 19 データリミッタ 20 補正演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の画素からなる映像信号の各画素を
    逐次所定の順序で対象画素として選択し、該対象画素の
    輝度値と、該対象画素の前記所定の順序の1画素前の対
    象画素の輝度値との差からなる輝度変化分を所定の補正
    処理判定値と比較し、この比較結果に応じて、対象画素
    毎のノイズ補正処理の内容を切換えるようにしたノイズ
    低減装置において、 前記各画素に対するノイズ補正の強さが、各画素間での
    輝度値の変化分が前記所定値を越える毎に最小値にさ
    れ、越えない場合は前記ノイズ補正の強さが各画素毎に
    増加し、前記ノイズ補正の強さが所定値で一定になるよ
    うにした映像信号補正手段を設け、 前記輝度変化分が前記補正処理判定値未満のときのノイ
    ズ補正処理が、前記映像信号補正手段により実行される
    ように構成したことを特徴とするノイズ低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記映像信号に、空間フィルタ法によるノイズ低減処理
    を施す手段が設けられていることを特徴とするノイズ低
    減方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101025569B1 (ko) 2009-10-13 2011-03-28 중앙대학교 산학협력단 이산 웨이블렛 변환을 기반으로 하는 영상의 노이즈 제거 장치 및 방법

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KR101025569B1 (ko) 2009-10-13 2011-03-28 중앙대학교 산학협력단 이산 웨이블렛 변환을 기반으로 하는 영상의 노이즈 제거 장치 및 방법

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