JPH1164313A - 建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方法及び装置並びに評価方法 - Google Patents
建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方法及び装置並びに評価方法Info
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- JPH1164313A JPH1164313A JP9216289A JP21628997A JPH1164313A JP H1164313 A JPH1164313 A JP H1164313A JP 9216289 A JP9216289 A JP 9216289A JP 21628997 A JP21628997 A JP 21628997A JP H1164313 A JPH1164313 A JP H1164313A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 建材より発生する室内環境汚染ガス成分の測
定方法及び装置と、測定結果に基づく室内環境の評価・
改善方法を提供する。 【解決手段】 測定装置は、ガス吸引ポンプ1と、吸引
ポンプの吸込み口に接続された第一のチューブ2と、第
一のチューブの途中に着脱可能に介装された汚染ガス捕
集剤3と、吸引ポンプ1の吐出口に接続されていて開口
端4aが空気容器5に接続された第二のチューブ4と、
第二のチューブの途中に充填されたフィルター6と、第
一のチューブ2の開口端2aの高さ位置を調整可能のス
タンド7とから成る汚染ガスサンプリング装置を備えて
いる。第一チューブの開口端2aと第二のチューブの開
口端4aは、共に建材表面の所定面積部分を密封状態で
覆い得る椀形の捕集器8に接続され得るようになってい
る。
定方法及び装置と、測定結果に基づく室内環境の評価・
改善方法を提供する。 【解決手段】 測定装置は、ガス吸引ポンプ1と、吸引
ポンプの吸込み口に接続された第一のチューブ2と、第
一のチューブの途中に着脱可能に介装された汚染ガス捕
集剤3と、吸引ポンプ1の吐出口に接続されていて開口
端4aが空気容器5に接続された第二のチューブ4と、
第二のチューブの途中に充填されたフィルター6と、第
一のチューブ2の開口端2aの高さ位置を調整可能のス
タンド7とから成る汚染ガスサンプリング装置を備えて
いる。第一チューブの開口端2aと第二のチューブの開
口端4aは、共に建材表面の所定面積部分を密封状態で
覆い得る椀形の捕集器8に接続され得るようになってい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋の建材より発
生する人の健康を害する室内汚染ガス成分の測定方法及
び装置並びに評価方法に関する。
生する人の健康を害する室内汚染ガス成分の測定方法及
び装置並びに評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、新築家屋やリハウスした家屋に入
居した際に健康を害する例が多数報告されている。この
現象は、シツクハウスと呼ばれ、最近の家屋の高い機密
性や、建材に合板やクロス材が多く用いられることに起
因している。即ち、健康を害する具体的原因としては、
建材(内装材料,接着剤,壁紙,合板等)などから発散
するPPb〜PPmレベルの有害な揮発性化学物質(ホ
ルムアルテヒド等の高分子可塑剤・高分子架橋剤や、ベ
ンゼル,キシレン,トルエン等の揮発性有機溶剤等)に
あると言われている。
居した際に健康を害する例が多数報告されている。この
現象は、シツクハウスと呼ばれ、最近の家屋の高い機密
性や、建材に合板やクロス材が多く用いられることに起
因している。即ち、健康を害する具体的原因としては、
建材(内装材料,接着剤,壁紙,合板等)などから発散
するPPb〜PPmレベルの有害な揮発性化学物質(ホ
ルムアルテヒド等の高分子可塑剤・高分子架橋剤や、ベ
ンゼル,キシレン,トルエン等の揮発性有機溶剤等)に
あると言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、室内に
おけるこのような有害ガスの発生源を特定したり、その
発生量を測定・予測して健康を維持するための対策を講
ずる方法や、室温と発生量を予測して単位時間当たりの
換気回数(換気率)を予測するための測定手段は、現在
未だ十分に確立していない。
おけるこのような有害ガスの発生源を特定したり、その
発生量を測定・予測して健康を維持するための対策を講
ずる方法や、室温と発生量を予測して単位時間当たりの
換気回数(換気率)を予測するための測定手段は、現在
未だ十分に確立していない。
【0004】本発明は、このような現在の実情に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、建材よ
り発生する室内環境汚染ガス成分の測定方法及び装置
と、測定結果に基づく室内環境の評価・改善方法を提供
しようとするものである。
なされたものであり、その目的とするところは、建材よ
り発生する室内環境汚染ガス成分の測定方法及び装置
と、測定結果に基づく室内環境の評価・改善方法を提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による建材より発生する室内汚染ガス成分の
測定方法は、測定を実施すべき室内を外気と所定時間換
気するステップと、該室内を常態に保持して汚染ガスの
発生源となるべき床,壁,天井及び家具等の建材表面の
所定面積部分から発生するガスを所定の捕集剤に捕集せ
しめるステップと、該捕集剤に捕集せしめられた捕集物
を所定の溶媒を用いて溶解させて溶液となすステップ
と、該溶液を紫外線分光光度検出器を装備した高速液体
クロマトグラフにより発生ガス成分を測定するステップ
を含んでいる。
に、本発明による建材より発生する室内汚染ガス成分の
測定方法は、測定を実施すべき室内を外気と所定時間換
気するステップと、該室内を常態に保持して汚染ガスの
発生源となるべき床,壁,天井及び家具等の建材表面の
所定面積部分から発生するガスを所定の捕集剤に捕集せ
しめるステップと、該捕集剤に捕集せしめられた捕集物
を所定の溶媒を用いて溶解させて溶液となすステップ
と、該溶液を紫外線分光光度検出器を装備した高速液体
クロマトグラフにより発生ガス成分を測定するステップ
を含んでいる。
【0006】又、本発明による建材より発生する室内汚
染ガス成分の測定方法は、測定を実施すべき室内を外気
と所定時間換気するステップと、該室内を常態に保持し
て汚染ガスの発生源となるべき床,壁,天井,家具等の
建材表面の所定面積部分から発生するガスを所定の捕集
剤に捕集せしめるステップと、該捕集剤に捕集せしめら
れた有機ガスを熱脱着してガスクロマトグラフ質量分析
計により測定するステップを含んでいる。
染ガス成分の測定方法は、測定を実施すべき室内を外気
と所定時間換気するステップと、該室内を常態に保持し
て汚染ガスの発生源となるべき床,壁,天井,家具等の
建材表面の所定面積部分から発生するガスを所定の捕集
剤に捕集せしめるステップと、該捕集剤に捕集せしめら
れた有機ガスを熱脱着してガスクロマトグラフ質量分析
計により測定するステップを含んでいる。
【0007】更に、本発明による建材より発生する室内
汚染ガス成分の測定装置は、室内の床,壁,天井,家具
等の建材表面の所定面積部分を密封状態で覆うことので
きる所定面積の発生ガス捕集器と、ガス吸引ポンプと、
一端が前記捕集器に他端が前記吸引ポンプの吸込み口に
接続されていて途中に発生ガス捕集剤を着脱可能に介装
した第一のチューブと、一端が前記捕集器に他端が前記
吸引ポンプの吐出口に接続されていて途中にポンプオイ
ルミスト等の有機物を除去するフィルターを介装した第
二のチューブと、前記発生ガス捕集剤を所定の溶媒で溶
解させた溶液から発生ガス成分を測定する紫外線分光光
度検出器を装備した高速液体クロマトグラフ、又は前記
発生ガス捕集剤に捕集された有機ガスを熱脱着して測定
するガスクロマトグラフ質量分析計とを備えている。
汚染ガス成分の測定装置は、室内の床,壁,天井,家具
等の建材表面の所定面積部分を密封状態で覆うことので
きる所定面積の発生ガス捕集器と、ガス吸引ポンプと、
一端が前記捕集器に他端が前記吸引ポンプの吸込み口に
接続されていて途中に発生ガス捕集剤を着脱可能に介装
した第一のチューブと、一端が前記捕集器に他端が前記
吸引ポンプの吐出口に接続されていて途中にポンプオイ
ルミスト等の有機物を除去するフィルターを介装した第
二のチューブと、前記発生ガス捕集剤を所定の溶媒で溶
解させた溶液から発生ガス成分を測定する紫外線分光光
度検出器を装備した高速液体クロマトグラフ、又は前記
発生ガス捕集剤に捕集された有機ガスを熱脱着して測定
するガスクロマトグラフ質量分析計とを備えている。
【0008】又、本発明による建材より発生する室内汚
染ガス成分のサンプリング装置は、一対のガス吸引ポン
プと、該一対のガス吸引ポンプの各吸込み口に一端が夫
々接続されていて途中に発生ガス捕集剤を着脱可能に夫
々介装した一対のチューブと、前記一対のガス吸引ポン
プの各吐出口に夫々取り外し可能に接続された所定容量
の一対の空気容器と、前記一対のガス吸引ポンプの作動
時間を限定し得るタイマー装置と、温湿度記録計と、電
源とを携帯可能のボックス内に格納し、前記ボックスの
外壁に、前記一対のガス吸引ポンプとタイマー装置と温
湿度記録計とを同時に起動せしめ得るスイッチを設ける
と共に、前記一対のチューブの各他端に一端が接続され
ていて他端が測定を実施すべき室内に開口する伸縮自在
のガス採取パイプを立設している。
染ガス成分のサンプリング装置は、一対のガス吸引ポン
プと、該一対のガス吸引ポンプの各吸込み口に一端が夫
々接続されていて途中に発生ガス捕集剤を着脱可能に夫
々介装した一対のチューブと、前記一対のガス吸引ポン
プの各吐出口に夫々取り外し可能に接続された所定容量
の一対の空気容器と、前記一対のガス吸引ポンプの作動
時間を限定し得るタイマー装置と、温湿度記録計と、電
源とを携帯可能のボックス内に格納し、前記ボックスの
外壁に、前記一対のガス吸引ポンプとタイマー装置と温
湿度記録計とを同時に起動せしめ得るスイッチを設ける
と共に、前記一対のチューブの各他端に一端が接続され
ていて他端が測定を実施すべき室内に開口する伸縮自在
のガス採取パイプを立設している。
【0009】更に、本発明による建材より発生する室内
汚染ガス成分の評価方法は、前記測定方法を用いて各種
建材からの室内汚染ガス発生速度を予め求めておく第一
のステップと、前記測定方法を用いて得られた対象室の
建材からの室内汚染ガス発生速度と該対象室の換気率を
考慮して計算される室内汚染ガス成分濃度と基準値とを
比較する第二のステップと、前記第二のステップにおい
て計算により得られた室内汚染ガス成分濃度が前記基準
値を越えているとき前記第一ステップで求めた各種建材
からの室内汚染ガス発生速度と前記対象室の換気率の変
更を考慮しつつ前記対象室の空気質が室内環境基準を満
たし得るような建材を前記各種建材の中から選択する第
三のステップを含んでいる。
汚染ガス成分の評価方法は、前記測定方法を用いて各種
建材からの室内汚染ガス発生速度を予め求めておく第一
のステップと、前記測定方法を用いて得られた対象室の
建材からの室内汚染ガス発生速度と該対象室の換気率を
考慮して計算される室内汚染ガス成分濃度と基準値とを
比較する第二のステップと、前記第二のステップにおい
て計算により得られた室内汚染ガス成分濃度が前記基準
値を越えているとき前記第一ステップで求めた各種建材
からの室内汚染ガス発生速度と前記対象室の換気率の変
更を考慮しつつ前記対象室の空気質が室内環境基準を満
たし得るような建材を前記各種建材の中から選択する第
三のステップを含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明実施の形態を図示し
た実施例に基づき詳述する。本発明方法は、室内空気質
を評価するために、最も多く発生すると言われているホ
ルムアルデヒドと、揮発性有機化合物(以下、単にVO
Cという)の測定を分けて行うことにより実施された。
た実施例に基づき詳述する。本発明方法は、室内空気質
を評価するために、最も多く発生すると言われているホ
ルムアルデヒドと、揮発性有機化合物(以下、単にVO
Cという)の測定を分けて行うことにより実施された。
【0011】実施例 新築一戸建て住宅を想定した実験施設(3階建て、家
具、内装品備え付け)の一室を特定して、室内空気中の
ホルムアルデヒド及びVOCの測定並びにホルムアルデ
ヒドの発生源調査を行った。測定結果は、厚生省及び世
界保健機構(WHO)のガイドライン値と比較して室内
気質を評価した。
具、内装品備え付け)の一室を特定して、室内空気中の
ホルムアルデヒド及びVOCの測定並びにホルムアルデ
ヒドの発生源調査を行った。測定結果は、厚生省及び世
界保健機構(WHO)のガイドライン値と比較して室内
気質を評価した。
【0012】建材から発生する室内汚染ガス成分(有害
ガス成分)の測定に先立ち、先ず対象室の全ての窓とド
アーを解放して1時間放置し、室内の空気を全て外気と
置換した。その後、窓とドアーを閉め切り、常態に戻し
て対象室の換気率を測定した。換気率は、対象室内に散
布されたヘリウムの濃度の経時変化から求めた。即ち、
先ず濃度が20〜50ppm程度となるように対象室内
にヘリウムガスを散布して、各経過時間における室内の
ヘリウム濃度を測定し、次式から換気率β(回/hr)
を求めた。各経過時間毎のヘリウム濃度は、室内空気の
所定量をその都度真空瓶で捕集して分析室に持ち帰り、
TCD検出器付きのガスクロマトグラフで測定した。 β=(1/t)In{(C1 −C0 )/(C−C0 )} 但し、tは時間(hr)、C1 は初期ヘリウム濃度(p
pm)、Cはt時間後のヘリウム濃度(ppm)、C0
は外気中のヘリウム濃度(ppm)である。かくして得
られた換気率は、0.41(回/hr)であった。
ガス成分)の測定に先立ち、先ず対象室の全ての窓とド
アーを解放して1時間放置し、室内の空気を全て外気と
置換した。その後、窓とドアーを閉め切り、常態に戻し
て対象室の換気率を測定した。換気率は、対象室内に散
布されたヘリウムの濃度の経時変化から求めた。即ち、
先ず濃度が20〜50ppm程度となるように対象室内
にヘリウムガスを散布して、各経過時間における室内の
ヘリウム濃度を測定し、次式から換気率β(回/hr)
を求めた。各経過時間毎のヘリウム濃度は、室内空気の
所定量をその都度真空瓶で捕集して分析室に持ち帰り、
TCD検出器付きのガスクロマトグラフで測定した。 β=(1/t)In{(C1 −C0 )/(C−C0 )} 但し、tは時間(hr)、C1 は初期ヘリウム濃度(p
pm)、Cはt時間後のヘリウム濃度(ppm)、C0
は外気中のヘリウム濃度(ppm)である。かくして得
られた換気率は、0.41(回/hr)であった。
【0013】次に、発生する室内汚染ガスを下記のよう
にして捕集した。この汚染ガスの捕集は、室内全体の発
生濃度を知る目的と、発生源を確認する目的のために、
2通りの方法で行われた。
にして捕集した。この汚染ガスの捕集は、室内全体の発
生濃度を知る目的と、発生源を確認する目的のために、
2通りの方法で行われた。
【0014】図1は、室内全体の発生濃度を知るために
用いられた汚染ガスサンプリング装置の一例を示す概略
斜視図である。図中、Aはホルムアルデヒドを捕集する
ためのサンプリング装置、BはVOCを捕集するための
サンプリング装置であるが、これらの装置の構成は同じ
であるので、サンプリング装置Aについてその構成を説
明することにし、サンプリング装置Bについては同一符
号を用いサンプリング装置Aと異なる点についてのみ説
明する。1は小型のガス吸引ポンプ(柴田科学社製充電
ミニポンプ)、2は一端2aが開口していて他端2bが
吸引ポンプ1の吸込み口に接続されたシリコンゴムチュ
ーブ、3はチューブ2の途中に着脱可能に介装された汚
染ガス捕集剤、4は一端4aが空気容器5に他端4bが
吸引ポンプ1の吐出口に夫々接続されたシリコンゴムチ
ューブ、6はチューブ4の途中に充填された活性炭等よ
り成るフィルター、7はチューブ2の一端2aの高さ位
置を調整することを可能にするスタンドである。
用いられた汚染ガスサンプリング装置の一例を示す概略
斜視図である。図中、Aはホルムアルデヒドを捕集する
ためのサンプリング装置、BはVOCを捕集するための
サンプリング装置であるが、これらの装置の構成は同じ
であるので、サンプリング装置Aについてその構成を説
明することにし、サンプリング装置Bについては同一符
号を用いサンプリング装置Aと異なる点についてのみ説
明する。1は小型のガス吸引ポンプ(柴田科学社製充電
ミニポンプ)、2は一端2aが開口していて他端2bが
吸引ポンプ1の吸込み口に接続されたシリコンゴムチュ
ーブ、3はチューブ2の途中に着脱可能に介装された汚
染ガス捕集剤、4は一端4aが空気容器5に他端4bが
吸引ポンプ1の吐出口に夫々接続されたシリコンゴムチ
ューブ、6はチューブ4の途中に充填された活性炭等よ
り成るフィルター、7はチューブ2の一端2aの高さ位
置を調整することを可能にするスタンドである。
【0015】この場合、サンプリング装置A用の捕集剤
3としてはウォーターズ社製オゾンスクラバーとセップ
パックとを連結させたものを用い、またサンプリング装
置B用の捕集剤3としてはパーキンエルマー社製TEN
AX−GRを用いた。
3としてはウォーターズ社製オゾンスクラバーとセップ
パックとを連結させたものを用い、またサンプリング装
置B用の捕集剤3としてはパーキンエルマー社製TEN
AX−GRを用いた。
【0016】室内全体の汚染状況を調査することを目的
とした室内空気の捕集は、部屋の中央部にサンプリング
装置A,Bを設置し、各チューブ2の一端即ち開口端2
aが床面より1.2mの高さ位置になるようにスタンド
7を調整した。吸引ポンプ1は0.2リットル/分の吸
引速度で30分間運転されたが、チューブの開口端2a
から吸い込まれた室内の汚染ガスは捕集剤3により捕集
され、浄化された空気はフィルター6を通過して空気容
器5内へ放出された。運転中、吸引ポンプ1より仮にオ
イルミストが発生したとしても、これらはフィルター6
により除去されるので、空気容器5内に貯留する空気は
清浄なものとなる。
とした室内空気の捕集は、部屋の中央部にサンプリング
装置A,Bを設置し、各チューブ2の一端即ち開口端2
aが床面より1.2mの高さ位置になるようにスタンド
7を調整した。吸引ポンプ1は0.2リットル/分の吸
引速度で30分間運転されたが、チューブの開口端2a
から吸い込まれた室内の汚染ガスは捕集剤3により捕集
され、浄化された空気はフィルター6を通過して空気容
器5内へ放出された。運転中、吸引ポンプ1より仮にオ
イルミストが発生したとしても、これらはフィルター6
により除去されるので、空気容器5内に貯留する空気は
清浄なものとなる。
【0017】上述のようにしてサンプリング装置Aによ
り捕集されたホルムアルデヒドは、JIS K 030
3による排ガス中のホルムアルデヒド分析法・高速液体
クロマトグラフ法(CNPH−HPLC法)に準拠し
て、その濃度を測定した。即ち、捕集剤3(DNPH溶
液含浸セップパックカートリッジ)をチューブ2より取
り外してこれに捕集されているホルムアルデヒドをアセ
トニトリルで溶離し、紫外線分光光度検出器付き高速液
体クロマトグラフ(島津製作所製高速液体クロマトグラ
フ分析計LC−10A)に導入して、30分平均濃度を
測定した。測定結果は下記の通りであった。 捕集時間:午前11:00〜11:30 室内温度:26℃ 室内湿度:70% 試料量 :8.0リットル 捕集量 :1.10μg 測定結果:110ppb
り捕集されたホルムアルデヒドは、JIS K 030
3による排ガス中のホルムアルデヒド分析法・高速液体
クロマトグラフ法(CNPH−HPLC法)に準拠し
て、その濃度を測定した。即ち、捕集剤3(DNPH溶
液含浸セップパックカートリッジ)をチューブ2より取
り外してこれに捕集されているホルムアルデヒドをアセ
トニトリルで溶離し、紫外線分光光度検出器付き高速液
体クロマトグラフ(島津製作所製高速液体クロマトグラ
フ分析計LC−10A)に導入して、30分平均濃度を
測定した。測定結果は下記の通りであった。 捕集時間:午前11:00〜11:30 室内温度:26℃ 室内湿度:70% 試料量 :8.0リットル 捕集量 :1.10μg 測定結果:110ppb
【0018】以上は、汚染ガス発生の低減化対策を施し
た前記特定室において行った測定結果を示しているが、
それでもホルムアルデヒド濃度は、世界保健機構(WH
O)で定めたガイドライン値(80ppb)を越えた1
10ppbであった。なお、参考までに同低減化未対策
の別の一室で上記同様の測定を行ったところ、下記の通
りの測定結果を得た。 捕集時間:正午〜午後0:30 室内温度:26℃ 室内湿度:70% 試料量 :7.0リットル 捕集量 :3.80μg 測定結果:450ppb
た前記特定室において行った測定結果を示しているが、
それでもホルムアルデヒド濃度は、世界保健機構(WH
O)で定めたガイドライン値(80ppb)を越えた1
10ppbであった。なお、参考までに同低減化未対策
の別の一室で上記同様の測定を行ったところ、下記の通
りの測定結果を得た。 捕集時間:正午〜午後0:30 室内温度:26℃ 室内湿度:70% 試料量 :7.0リットル 捕集量 :3.80μg 測定結果:450ppb
【0019】このように、低減化未対策の部屋はガイド
ライン値を遙かに越えている。これらの測定値は室内温
度が比較的高い範囲でのものではあるが、一般的に快適
な室温である20℃程度においても、ガイドライン値を
越えた濃度のホルムアルデヒドの発生が予想されるの
で、上記測定対象とした部屋においては何らかの対策
(建材の交換、換気率の向上等)を講じなければならな
いことが分かる。
ライン値を遙かに越えている。これらの測定値は室内温
度が比較的高い範囲でのものではあるが、一般的に快適
な室温である20℃程度においても、ガイドライン値を
越えた濃度のホルムアルデヒドの発生が予想されるの
で、上記測定対象とした部屋においては何らかの対策
(建材の交換、換気率の向上等)を講じなければならな
いことが分かる。
【0020】VOCの測定は、前記特定室において、サ
ンプリング装置Bを用い上述と同様の手順で行った。但
し、この場合、捕集剤3としてパーキンエルマー社製T
ENAX−GRを用い、吸引ポンプ1は0.05リット
ル/分の吸引速度で運転され、その濃度は、環境庁大気
保全局有害大気汚染物質測定方法マニュアルによる加熱
脱着−ガスクロマトグラフ質量分析法により、島津製作
所製ガスクロマトグラフ質量分析計QP−5050及び
パーキンエルマー社製加熱脱着装置ATD−400を使
用して、30分平均値を測定した。下表は、かくして得
られた、特定室と参考までに測定した外気中におけるV
OCのトルエン換算値〔μg/m3 〕で示した定量結果
である。 (注)その他成分:上位10成分以外の成分のトルエン
換算総量
ンプリング装置Bを用い上述と同様の手順で行った。但
し、この場合、捕集剤3としてパーキンエルマー社製T
ENAX−GRを用い、吸引ポンプ1は0.05リット
ル/分の吸引速度で運転され、その濃度は、環境庁大気
保全局有害大気汚染物質測定方法マニュアルによる加熱
脱着−ガスクロマトグラフ質量分析法により、島津製作
所製ガスクロマトグラフ質量分析計QP−5050及び
パーキンエルマー社製加熱脱着装置ATD−400を使
用して、30分平均値を測定した。下表は、かくして得
られた、特定室と参考までに測定した外気中におけるV
OCのトルエン換算値〔μg/m3 〕で示した定量結果
である。 (注)その他成分:上位10成分以外の成分のトルエン
換算総量
【0021】なお、上記表の主要10成分の定量結果を
示せば下記の通りである。 特定量 外 気 温度: 26℃ ─ 湿度: 70% ─ 試料量: 3.80リットル 4.00リットル 主要10成分のトルエン換算合計量: 3.60μg 0.15μg 主要10成分のトルエン換算合計濃度:940μg/m3 40μg/m3 上記測定結果から明らかなように、特定室におけるVO
Cの合計濃度は1400μg/m3 であり、WHO/E
UROレポート提案値300μg/m3 を遙かに越えて
いた。又、この内、濃度の最も高いのはトルエンであり
670μg/m 3 であることが分かった。更に、これら
を外気中の値と比較すると、VOCの発生源は室内であ
ることは明らかである。
示せば下記の通りである。 特定量 外 気 温度: 26℃ ─ 湿度: 70% ─ 試料量: 3.80リットル 4.00リットル 主要10成分のトルエン換算合計量: 3.60μg 0.15μg 主要10成分のトルエン換算合計濃度:940μg/m3 40μg/m3 上記測定結果から明らかなように、特定室におけるVO
Cの合計濃度は1400μg/m3 であり、WHO/E
UROレポート提案値300μg/m3 を遙かに越えて
いた。又、この内、濃度の最も高いのはトルエンであり
670μg/m 3 であることが分かった。更に、これら
を外気中の値と比較すると、VOCの発生源は室内であ
ることは明らかである。
【0022】図2は、室内汚染ガスの発生源を確認する
ために使用した汚染ガスサンプリング装置の概略構成図
である。このサンプリング装置は基本的には図1に示し
たサンプリング装置A,Bと同様の構成であるが、チュ
ーブ2,4の各一端2a,4aが椀形の捕集器8内に接
続されている点で異なる。従って、実質上サンプリング
装置A,Bの構成部品と同じ部品には同一符号が付され
ている。捕集器8は建材表面の所定面積部分を密封状態
で覆うことができるように構成されていて、開口端直径
300mmのステンレス製椀形容器より成るものを用い
た。
ために使用した汚染ガスサンプリング装置の概略構成図
である。このサンプリング装置は基本的には図1に示し
たサンプリング装置A,Bと同様の構成であるが、チュ
ーブ2,4の各一端2a,4aが椀形の捕集器8内に接
続されている点で異なる。従って、実質上サンプリング
装置A,Bの構成部品と同じ部品には同一符号が付され
ている。捕集器8は建材表面の所定面積部分を密封状態
で覆うことができるように構成されていて、開口端直径
300mmのステンレス製椀形容器より成るものを用い
た。
【0023】測定に際しては、前記特定室の床と壁の建
材表面に椀を伏せた状態で捕集器8の開口端縁を密着固
定して捕集器内が密封状態となるようにし、建材表面よ
り発生する汚染ガスの捕集条件を室内の換気条件と等し
い条件とするために即ち捕集器8内の換気条件を室内の
換気条件と同じにするために、吸引ポンプ1の吸引速度
を0.1リットル/分に設定して測定を行った。
材表面に椀を伏せた状態で捕集器8の開口端縁を密着固
定して捕集器内が密封状態となるようにし、建材表面よ
り発生する汚染ガスの捕集条件を室内の換気条件と等し
い条件とするために即ち捕集器8内の換気条件を室内の
換気条件と同じにするために、吸引ポンプ1の吸引速度
を0.1リットル/分に設定して測定を行った。
【0024】この場合も、ホルムアルデヒド及びVOC
の測定は、捕集剤3の種類、使用機器、分析方法共に既
述の場合と同じであるので、それらについての説明は省
略する。その結果得られたホルムアルデヒドの発生量は
下記の通りであった。なお、発生速度は、捕集器8の開
口端面積と捕集時間の積で捕集量を除すことにより算出
された。 捕集時間:午前11:00〜午後3:00 室内温度:28.0℃ 室内湿度:70% 捕集量: 壁3.00μg、床6.30μg 発生速度:壁24μg/m2 ・hr、床51μg/m2
・hr 上記の値は捕集器8により覆われた面積部分のものであ
るから、床及び壁の専有面積全体から発生するホルムア
ルデヒドの量は、上記の値に基いて計算により求めた。
その結果、特定室の壁(ビニールクロス)からの発生総
量は1000μg/hr、床からの発生総量は550μ
g/hrであることが分かった。このことから、発生速
度は壁よりも床からの方が約2倍程大きいが、発生総量
は床よりも壁の方が遙かに多いことが分かった。
の測定は、捕集剤3の種類、使用機器、分析方法共に既
述の場合と同じであるので、それらについての説明は省
略する。その結果得られたホルムアルデヒドの発生量は
下記の通りであった。なお、発生速度は、捕集器8の開
口端面積と捕集時間の積で捕集量を除すことにより算出
された。 捕集時間:午前11:00〜午後3:00 室内温度:28.0℃ 室内湿度:70% 捕集量: 壁3.00μg、床6.30μg 発生速度:壁24μg/m2 ・hr、床51μg/m2
・hr 上記の値は捕集器8により覆われた面積部分のものであ
るから、床及び壁の専有面積全体から発生するホルムア
ルデヒドの量は、上記の値に基いて計算により求めた。
その結果、特定室の壁(ビニールクロス)からの発生総
量は1000μg/hr、床からの発生総量は550μ
g/hrであることが分かった。このことから、発生速
度は壁よりも床からの方が約2倍程大きいが、発生総量
は床よりも壁の方が遙かに多いことが分かった。
【0025】なお、汚染ガス発生の低減化対策の施され
ていない別の一室で上記と同様のホルムアルデヒド発生
源調査を行ったところ、下記の通りの結果を得た。即
ち、壁からの発生速度は48μg/m2 ・hrで発生総
量は1900μg/hr、床からの発生速度は180μ
g/m2 ・hrで発生総量は3900μg/hrであっ
た。従って、この部屋では、発生量の多い材料は床材で
あることが分かった。
ていない別の一室で上記と同様のホルムアルデヒド発生
源調査を行ったところ、下記の通りの結果を得た。即
ち、壁からの発生速度は48μg/m2 ・hrで発生総
量は1900μg/hr、床からの発生速度は180μ
g/m2 ・hrで発生総量は3900μg/hrであっ
た。従って、この部屋では、発生量の多い材料は床材で
あることが分かった。
【0026】上述の説明から明らかなように、本発明に
よる測定方法及び装置を用いれば、種々の建材を対象と
してその建材からの汚染ガス発生速度を予め実験室等に
おいて求めておいてそのデータを保存しておけば、検討
対象とする部屋の建材の種類,床や壁の面積及び換気率
等を知るだけで、その部屋の汚染ガス濃度を計算で求め
ることが可能であり、また、その部屋の建材や換気率の
変更による汚染ガス濃度の低減効果を予測することもで
きることは明らかである。
よる測定方法及び装置を用いれば、種々の建材を対象と
してその建材からの汚染ガス発生速度を予め実験室等に
おいて求めておいてそのデータを保存しておけば、検討
対象とする部屋の建材の種類,床や壁の面積及び換気率
等を知るだけで、その部屋の汚染ガス濃度を計算で求め
ることが可能であり、また、その部屋の建材や換気率の
変更による汚染ガス濃度の低減効果を予測することもで
きることは明らかである。
【0027】上記特定室及び別の一室を対象とし、換気
率を0.32回/hrとして、ホルムアルデヒドの発生
量の上記実測値に基づくホルムアルデヒド濃度の計算値
と実測値を比較したところ、特定室の実測値が110p
pb,計算値が120ppbであり、別の一室の実測値
が570ppb,計算値が510ppbであって、これ
ら両者は何れも極めて近似した値であることが確認され
た。このことは、建築物の室内空気質の設定や改善に比
較的廉価且つ合理的に対処できることを意味する。
率を0.32回/hrとして、ホルムアルデヒドの発生
量の上記実測値に基づくホルムアルデヒド濃度の計算値
と実測値を比較したところ、特定室の実測値が110p
pb,計算値が120ppbであり、別の一室の実測値
が570ppb,計算値が510ppbであって、これ
ら両者は何れも極めて近似した値であることが確認され
た。このことは、建築物の室内空気質の設定や改善に比
較的廉価且つ合理的に対処できることを意味する。
【0028】図3は、上記別の一室のホルムアルデヒド
濃度の低減化対策として、建材の変更による濃度低減の
効果を計算により算出した結果を示すものである。図
中、曲線aは前記ホルムアルデヒド発生源調査で得た発
生速度に基いて計算した経過時間対ホルムアルデヒド気
中濃度の変化特性を、曲線bは床材を特定室と同じもの
に変更した場合の変化特性を、曲線cは床材を特定室と
同じものに変更すると同時に本棚の材料をホルムアルデ
ヒド発生速度の小さいものに変更した場合の変化特性
を、曲線dは床材と壁材を特定室と同じものに変更する
と同時に本棚の材料をホルムアルデヒド発生速度の小さ
いものに変更した場合の変化特性を夫々示している。こ
の場合、換気率は総て0.32回/hrとして計算した
が、何れにしても、外気と換気後室内を常態に戻してか
ら14時間後の室内空気中のホルムアルデヒド濃度はガ
イドライン値よりも高く、建材の変更対策のみではガイ
ドライン値達成が難しいことを示唆している。
濃度の低減化対策として、建材の変更による濃度低減の
効果を計算により算出した結果を示すものである。図
中、曲線aは前記ホルムアルデヒド発生源調査で得た発
生速度に基いて計算した経過時間対ホルムアルデヒド気
中濃度の変化特性を、曲線bは床材を特定室と同じもの
に変更した場合の変化特性を、曲線cは床材を特定室と
同じものに変更すると同時に本棚の材料をホルムアルデ
ヒド発生速度の小さいものに変更した場合の変化特性
を、曲線dは床材と壁材を特定室と同じものに変更する
と同時に本棚の材料をホルムアルデヒド発生速度の小さ
いものに変更した場合の変化特性を夫々示している。こ
の場合、換気率は総て0.32回/hrとして計算した
が、何れにしても、外気と換気後室内を常態に戻してか
ら14時間後の室内空気中のホルムアルデヒド濃度はガ
イドライン値よりも高く、建材の変更対策のみではガイ
ドライン値達成が難しいことを示唆している。
【0029】図4は上記別の一室の換気率を変更した場
合の計算結果を示している。即ち、曲線aは図3の曲線
aそのもので換気率が0.32回/hrの場合の経過時
間対ホルムアルデヒド気中濃度の変化特性を、曲線eは
建材はそのままで換気率を0.5回/hrに変更した場
合の変化特性を、曲線fは同様に換気率を1回/hrに
変更した場合の変更特性を、曲線gは同様に換気率を2
回/hrに変更した場合の変化特性を夫々示している。
この結果から明らかなように、換気率を2回/hr以上
にすれば80ppbの達成は可能であることが分かっ
た。
合の計算結果を示している。即ち、曲線aは図3の曲線
aそのもので換気率が0.32回/hrの場合の経過時
間対ホルムアルデヒド気中濃度の変化特性を、曲線eは
建材はそのままで換気率を0.5回/hrに変更した場
合の変化特性を、曲線fは同様に換気率を1回/hrに
変更した場合の変更特性を、曲線gは同様に換気率を2
回/hrに変更した場合の変化特性を夫々示している。
この結果から明らかなように、換気率を2回/hr以上
にすれば80ppbの達成は可能であることが分かっ
た。
【0030】このように、本発明によれば、建材からの
汚染ガス発生速度を現場及び実験室等で比較的簡単に知
ることができ、そのデータを参照することにより精度良
く室内汚染ガス濃度を計算で予測することも、現場で室
内汚染ガス濃度を測定評価することもできるので、より
健康的な住居を提供するための住宅設計が可能となるば
かりか、築後住宅の改修等も極めて有効に行うことがで
きる。
汚染ガス発生速度を現場及び実験室等で比較的簡単に知
ることができ、そのデータを参照することにより精度良
く室内汚染ガス濃度を計算で予測することも、現場で室
内汚染ガス濃度を測定評価することもできるので、より
健康的な住居を提供するための住宅設計が可能となるば
かりか、築後住宅の改修等も極めて有効に行うことがで
きる。
【0031】図5は、対象室内のホルムアルデヒド及び
VOCを測定するのに好適なサンプリング装置の概略構
成を示している。図中、既述のサンプリング装置の構成
部品と実質上同一の部品には同一符号が付されている。
9は携帯可能のボックスで、このボックス内には、一対
のガス吸引ポンプ1,1と、各ポンプの吸引側に接続さ
れた一対のシリコンゴムチューブ2,2と、各チューブ
2,2に着脱可能に夫々介装された一対の発生ガス捕集
剤3,3と、各捕集剤の上流側と下流側に夫々設けられ
た一対の電磁弁10,10と、各ポンプの吐出側に接続
された一対のシリコンゴムチューブ4,4と、各チュー
ブに夫々接続された一対の空気容器5,5と、各ポンプ
の作動時間を限定すると共に各電磁弁10の開閉を制御
し得るタイマー装置11と、温湿度記録計12が格納さ
れている。
VOCを測定するのに好適なサンプリング装置の概略構
成を示している。図中、既述のサンプリング装置の構成
部品と実質上同一の部品には同一符号が付されている。
9は携帯可能のボックスで、このボックス内には、一対
のガス吸引ポンプ1,1と、各ポンプの吸引側に接続さ
れた一対のシリコンゴムチューブ2,2と、各チューブ
2,2に着脱可能に夫々介装された一対の発生ガス捕集
剤3,3と、各捕集剤の上流側と下流側に夫々設けられ
た一対の電磁弁10,10と、各ポンプの吐出側に接続
された一対のシリコンゴムチューブ4,4と、各チュー
ブに夫々接続された一対の空気容器5,5と、各ポンプ
の作動時間を限定すると共に各電磁弁10の開閉を制御
し得るタイマー装置11と、温湿度記録計12が格納さ
れている。
【0032】13は電磁弁10の上流側で各チューブ2
に共通に接続されていてボックス9に立設された伸縮自
在のガス採取パイプ、14はボックス9の上壁に設けら
れていてボックス9内に格納された図示しない電源を介
して一対のポンプ1と総ての電磁弁10とタイマー装置
11と温湿度記録計12とを同時に起動せしめ得る電源
スイッチである。
に共通に接続されていてボックス9に立設された伸縮自
在のガス採取パイプ、14はボックス9の上壁に設けら
れていてボックス9内に格納された図示しない電源を介
して一対のポンプ1と総ての電磁弁10とタイマー装置
11と温湿度記録計12とを同時に起動せしめ得る電源
スイッチである。
【0033】上記構成から明らかなように、ボックス9
内には図1で説明したサンプリング装置A及びBが格納
された状態になっており、このサンプリング装置A,B
によってガス採取パイプ13を介して、測定を実施すべ
き室内のホルムアルデヒドとVOCが同時に捕集される
ようになっている。即ち、ボックス9を測定すべき室の
中央に置き、ガス採取パイプ13を伸ばしてその先端が
適当な高さ位置になるように調節し、電源スイッチ14
をONにすれば、ポンプ1,タイマー装置11及び温湿
度記録計12が同時に起動し、各電磁弁10が開いてホ
ルムアルデヒドとVOCの捕集が開始される
内には図1で説明したサンプリング装置A及びBが格納
された状態になっており、このサンプリング装置A,B
によってガス採取パイプ13を介して、測定を実施すべ
き室内のホルムアルデヒドとVOCが同時に捕集される
ようになっている。即ち、ボックス9を測定すべき室の
中央に置き、ガス採取パイプ13を伸ばしてその先端が
適当な高さ位置になるように調節し、電源スイッチ14
をONにすれば、ポンプ1,タイマー装置11及び温湿
度記録計12が同時に起動し、各電磁弁10が開いてホ
ルムアルデヒドとVOCの捕集が開始される
【0034】かくして、所定の捕集時間が経過すると、
タイマー装置11によりポンプ1及び温湿度記録計12
が作動を停止せしめられ、電磁弁10が一斉に閉じられ
て捕集作業が終了せしめられる。従って、捕集現場が遠
隔地にあるような場合でも、捕集作業終了後各種測定器
具の揃っている実験室やセンターへこのボックス9を送
るだけで、必要なホルムアルデヒド及びVOCを測定す
ることができ、既述のようにして、その現場での汚染ガ
スの発生状況を把握し、評価することが可能となる。
タイマー装置11によりポンプ1及び温湿度記録計12
が作動を停止せしめられ、電磁弁10が一斉に閉じられ
て捕集作業が終了せしめられる。従って、捕集現場が遠
隔地にあるような場合でも、捕集作業終了後各種測定器
具の揃っている実験室やセンターへこのボックス9を送
るだけで、必要なホルムアルデヒド及びVOCを測定す
ることができ、既述のようにして、その現場での汚染ガ
スの発生状況を把握し、評価することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、家屋の新
築やリハウスに当たって、居住環境を最適なものにする
ことができ、居住者の健康で快適な生活を保証すること
が可能となる。
築やリハウスに当たって、居住環境を最適なものにする
ことができ、居住者の健康で快適な生活を保証すること
が可能となる。
【図1】本発明に係る室内汚染ガスサンプリング装置の
一実施例を示す概略斜視図である。
一実施例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る建材表面から発生する汚染ガスサ
ンプリング装置の概略構成を示す図である。
ンプリング装置の概略構成を示す図である。
【図3】建材を変更した場合におけるホルムアルデヒド
室内濃度の経時変化を示す線図である。
室内濃度の経時変化を示す線図である。
【図4】換気率を変更した場合におけるホルムアルデヒ
ド室内濃度の経時変化を示す線図である。
ド室内濃度の経時変化を示す線図である。
【図5】本発明に係る室内汚染ガスサンプリング装置の
他の実施例を示す概略構成図である。
他の実施例を示す概略構成図である。
1 ガス吸引ポンプ 2,4 シリコンゴムチューブ 3 汚染ガス捕集剤 5 空気容器 6 フィルター 7 スタンド 8 捕集器 9 ボックス 10 電磁弁 11 タイマー装置 12 温湿度記録計 13 汚染ガス採取パイプ 14 電源スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 30/88 G01N 30/88 C
Claims (5)
- 【請求項1】 測定を実施すべき室内を外気と所定時間
換気するステップと、該室内を常態に保持して汚染ガス
の発生源としての床,壁,天井及び家具等の建材表面の
所定面積部分から発生するガスを所定の捕集剤に捕集せ
しめるステップと、該捕集剤に捕集せしめられた捕集物
を所定の溶媒を用いて溶解させて溶液となすステップ
と、該溶液を紫外線分光光度検出器を装備した高速液体
クロマトグラフにより発生ガス成分を測定するステップ
とを含む、建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方
法。 - 【請求項2】 測定を実施すべき室内を外気と所定時間
換気するステップと、該室内を常態に保持して汚染ガス
の発生源としての床,壁,天井及び家具等の建材表面の
所定面積部分から発生するガスを所定の捕集剤に捕集せ
しめるステップと、該捕集剤により捕集された有機ガス
を熱脱着してガスクロマトグラフ質量分析計により測定
するステップとを含む、建材より発生する室内汚染ガス
成分の測定方法。 - 【請求項3】 室内の床,壁,天井,家具等の表面の所
定面積部分を密封状態で覆うことのできる所定面積の発
生ガス捕集器と、ガス吸引ポンプと、一端が前記捕集器
に他端が前記吸引ポンプの吸込み口に接続されていて途
中に発生ガス捕集剤を着脱可能に介装した第一のチュー
ブと、一端が前記捕集器に他端が前記吸引ポンプの吐出
口に接続されていて途中にポンプオイルミスト等の有機
物を除去するフィルターを介装した第二のチューブと、
前記発生ガス捕集剤を所定の溶媒で溶解させた溶液から
発生ガス成分を測定する紫外線分光光度検出器を装備し
た高速液体クロマトグラフ、又は前記発生ガス捕集剤に
捕集された有機ガスを熱脱着して測定するガスクロマト
グラフ質量分析計を含む、建材より発生する室内汚染ガ
ス成分の測定装置。 - 【請求項4】 一対のガス吸引ポンプと、該一対のガス
吸引ポンプの各吸込み口に一端が夫々接続されていて途
中に発生ガス捕集剤を着脱可能に夫々介装した一対のチ
ューブと、前記一対のガス吸引ポンプの各吐出口に夫々
取り外し可能に接続された所定容量の一対の空気容器
と、前記一対のガス吸引ポンプの作動時間を限定し得る
タイマー装置と、温湿度記録計と、電源とを携帯可能の
ボックス内に格納し、前記ボックスの外壁に、前記一対
のガス吸引ポンプとタイマー装置と温湿度記録計とを同
時に起動せしめ得るスイッチを設けると共に、前記一対
のチューブの各他端に一端が接続されていて他端が測定
を実施すべき室内に開口する伸縮自在のガス採取パイプ
を立設して成る、建材より発生する室内汚染ガス成分の
サンプリング装置。 - 【請求項5】 請求項1及び2に記載の測定方法を用い
て各種建材からの室内汚染ガス発生速度を予め求めてお
く第一のステップと、前記測定方法を用いて得られた対
象室の建材からの室内汚染ガス発生速度と該対象室の換
気率を考慮して計算される室内汚染ガス成分濃度と基準
値とを比較する第二のステップと、前記第二のステップ
において計算により得られた室内汚染ガス成分濃度が前
記基準値を越えているとき前記第一ステップで求めた各
種建材からの室内汚染ガス発生速度と前記対象室の換気
率の変更を考慮しつつ前記対象室の空気質が室内環境基
準を満たし得るような建材を前記各種建材の中から選定
する第三のステップを含む、建材より発生する室内汚染
ガス成分の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9216289A JPH1164313A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方法及び装置並びに評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9216289A JPH1164313A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方法及び装置並びに評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1164313A true JPH1164313A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16686210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9216289A Pending JPH1164313A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 建材より発生する室内汚染ガス成分の測定方法及び装置並びに評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1164313A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006226906A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Horiba Ltd | 浮遊粒子状物質濃度測定装置 |
JP2009128054A (ja) * | 2007-11-20 | 2009-06-11 | Institute Of Envir0Nment & Resource Systems | ガス捕集装置 |
JP2009236539A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Yazaki Corp | 複合するガス状化学物質を選択的に濃縮し検出する装置及び方法 |
CN104864237A (zh) * | 2015-05-29 | 2015-08-26 | 李丽霞 | 一种用于气体样品采样的固定器 |
CN109060968A (zh) * | 2018-08-28 | 2018-12-21 | 济南海纳特科技有限公司 | 一种板式家具有机挥发物快速检测方法及检测装置 |
CN111521479A (zh) * | 2020-06-09 | 2020-08-11 | 成祖荣 | 一种基于多雨雪天气的工业区空气监测方法 |
KR20210027602A (ko) * | 2019-08-29 | 2021-03-11 | 한국생산기술연구원 | 고온 대기환경 모사 내열성 시료 테스터기 및 그 테스트 방법 |
CN112557586A (zh) * | 2019-09-25 | 2021-03-26 | 上海迪勤智能科技有限公司 | 内墙涂料污染物散发率的测试方法 |
JP2022509550A (ja) * | 2018-11-13 | 2022-01-20 | リタ フランセ リプリゼンテ パー ル ミニステ ドゥ ランテリゥール | 揮発性有機化合物を収集するための装置 |
-
1997
- 1997-08-11 JP JP9216289A patent/JPH1164313A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006226906A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Horiba Ltd | 浮遊粒子状物質濃度測定装置 |
JP2009128054A (ja) * | 2007-11-20 | 2009-06-11 | Institute Of Envir0Nment & Resource Systems | ガス捕集装置 |
JP2009236539A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Yazaki Corp | 複合するガス状化学物質を選択的に濃縮し検出する装置及び方法 |
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JP2022509550A (ja) * | 2018-11-13 | 2022-01-20 | リタ フランセ リプリゼンテ パー ル ミニステ ドゥ ランテリゥール | 揮発性有機化合物を収集するための装置 |
KR20210027602A (ko) * | 2019-08-29 | 2021-03-11 | 한국생산기술연구원 | 고온 대기환경 모사 내열성 시료 테스터기 및 그 테스트 방법 |
CN112557586A (zh) * | 2019-09-25 | 2021-03-26 | 上海迪勤智能科技有限公司 | 内墙涂料污染物散发率的测试方法 |
CN111521479A (zh) * | 2020-06-09 | 2020-08-11 | 成祖荣 | 一种基于多雨雪天气的工业区空气监测方法 |
CN111521479B (zh) * | 2020-06-09 | 2023-01-20 | 深圳市利诚检测技术有限公司 | 一种基于多雨雪天气的工业区空气监测方法 |
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