JPH1163117A - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents

高負荷伝動用vベルト

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JPH1163117A
JPH1163117A JP22146497A JP22146497A JPH1163117A JP H1163117 A JPH1163117 A JP H1163117A JP 22146497 A JP22146497 A JP 22146497A JP 22146497 A JP22146497 A JP 22146497A JP H1163117 A JPH1163117 A JP H1163117A
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JP
Japan
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belt
tension
load transmission
cloth
glue rubber
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JP22146497A
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Inventor
Kimichika Oono
公睦 大野
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下面にそれぞれ多数の上面溝6,6,…及
び下面溝7,7,…が設けられたエンドレスの張力帯
1,1と、各々、その各上面溝6及び下面溝7に係合す
る上向き突条12及び下向き突条11を有し、上記各張
力帯1に係止固定されている多数のブロック8,8,…
とを備え、上記各張力帯1の下面に、下帆布5が接着処
理により被覆されてなる高負荷伝動用VベルトBに対し
て、その下帆布5の剛性を向上させて、VベルトBの張
力変換率を向上させると共に、その耐久性をも向上させ
る。 【解決手段】 各張力帯1下面の下帆布5を、レゾルシ
ン・ホルマリン・ラテックス組成物及び糊ゴムによって
接着処理する。また、糊ゴムによる接着処理は糊ゴムを
ソーキングする処理のみとし、その糊ゴムにはカーボン
ファイバーを30〜70phr 配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車、農
業用機械又は汎用機械のベルト式変速装置に使用される
高負荷伝動用Vベルトに関し、特に張力帯下面に補強布
を有するものの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばコンバインやトラクタ等の
農業用機械や自動車等における変速装置として、変速時
の操作性や燃料消費率の向上等を図る観点から、ベルト
式無段変速装置の開発が進められている。そして、この
種の変速装置に用いられる高負荷伝動用Vベルトとして
は、例えば特開昭60−49151号公報に記載されて
いるものが知られている。
【0003】このものは、両側1対のエンドレス状の張
力帯に、多数のブロックがベルト長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて係止固定されてなっており、図4に示すよ
うに、上記各張力帯Aの上下両面には、各々、ベルト幅
方向に延びるように設けられた多数の上面溝a及び下面
溝bがベルト長さ方向(同図の左右方向)に所定ピッチ
間隔をおいて配置されている。そして、上記各ブロック
Bの両側部には、それぞれベルト長さ方向に貫通するス
リット状の嵌合部cがベルト幅方向に延びるように設け
られ、その嵌合部cの上縁部dが上記各張力帯Aの上面
溝aに、また下縁部eが下面溝bにそれぞれ係合され、
これらのことで、各ブロックBは両張力帯A,Aに係止
固定されている。そして、図5に例示するように、上記
各張力帯Aは保形層fを有し、その保形層fには心線g
がベルト長さ方向に延びるように埋設され、かつ保形層
fの上下両面は、補強布としてそれぞれ上帆布k及び下
帆布iで被覆されていて、これらのことで高負荷伝動に
耐えることができるようになっている。
【0004】すなわち、上記Vベルトは、各々、固定シ
ーブ及び可動シーブからなる駆動側及び従動側の2つの
変速プーリ間に巻き掛けられて走行するが、その際、該
各変速プーリの溝に沿って曲がるときに、各ブロックB
がベルト幅方向と直交する面内において揺動しないよう
に両張力帯A,Aで固定することにより高負荷伝動を可
能にしている。そのときの各張力帯Aによる各ブロック
Bの固定は、主に下面溝bで行われる。つまり、上記下
帆布iが保形層fの変形を抑えることで、各張力帯Aは
その保形作用が高まって各ブロックBを揺動しないよう
に固定することができる。換言すると、各ブロックBに
対し必要な固定力Fを得るためには、各張力帯Aの下面
溝bには相等量の圧縮力Cが加わることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記Vベル
トは、上記2つの変速プーリ間に巻き掛けられたとき
に、このVベルトに動力伝達を可能とするベルト張力を
与える必要がある。そのためには、各変速プーリにおい
てベルト幅方向に可動な可動シーブに対して常にベルト
幅方向に推力を加えることによってVベルトに側圧力を
付与しておく必要がある。すなわち、各変速プーリの推
力により各ブロックBはベルト背面側に押され、各張力
帯Aは各ブロックBの嵌合部cの下縁部eから圧縮力C
を受けて張力が付与されることになる。この推力に対し
て該推力から変換された張力の割合(張力変換率)は変
速装置の性能を表す指標となり、この張力変換率の値が
大きいほど高伝動性能が得られる。
【0006】しかし、上記下帆布iは、従来、その上側
の保形層fと接着させるための処理として糊ゴムをソー
キングする処理しか行われておらず、その処理のみで
は、下帆布iの剛性が低く、各ブロックBからの圧縮力
Cをかなり吸収してしまうという問題がある。このた
め、上記推力から発生する張力が低くなって張力変換率
が低下し、Vベルトの高伝動性能が得られなくなる。ま
た、各ブロックBの固定力Fが小さくなって各ブロック
Bの揺動が大きくなり、下帆布iに摩耗が生じて各張力
帯Aが早期に破損してしまう虞れがある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記高負荷伝動用V
ベルトの張力帯下面における補強布に対して、その接着
処理を見直すことによって、その補強布の剛性を向上さ
せて、Vベルトの張力変換率を向上させると共に、その
耐久性を向上させようとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、張力帯下面の補強布を、レゾルシ
ン・ホルマリン・ラテックス組成物及び糊ゴムによって
接着処理するようにした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、上下面
にそれぞれ上下に対応する多数の係止部がベルト長さ方
向に所定ピッチ間隔をおいて設けられたエンドレスの張
力帯と、各々、上記係止部に係合する係合部を有し、上
記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて係
止固定されている多数のブロックとを備え、上記張力帯
の少なくとも下面に、補強布が接着処理により被覆され
てなる高負荷伝動用Vベルトを対象とする。
【0010】そして、上記張力帯下面の補強布の接着処
理は、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス組成物及び
糊ゴムによる接着処理であるものとする。
【0011】このことにより、張力帯下面の補強布は、
レゾルシン・ホルマリン・ラテックス組成物による処理
(RFL処理)が施されることで、その樹脂成分により
帆布繊維が固められ、その剛性が向上する。このため、
その補強布は、変速プーリに加えられた推力によりブロ
ックを介して圧縮力を受けたときにその圧縮力を殆ど吸
収することなく張力帯に伝えるので、上記推力から発生
する張力が大きくなって張力変換率が向上する。この結
果、必要な張力を得るために変速プーリに加える推力を
小さくすることができ、ブロック折れを防止することが
できる。また、ブロックの固定力が大きくなってブロッ
クが揺動するのを抑えることができ、補強布の摩耗や発
熱を低減させることができる。よって、Vベルトの伝動
性能及び耐久性を向上させることができる。
【0012】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、補強布は、ベルト幅方向に延びる210デニール
/1の経糸とベルト長さ方向に延びる140デニール/
2の緯糸とからなるウーリーナイロンであり、上記経糸
の密度が85〜95本/inに設定されかつ緯糸の密度
が65〜80本/inに設定されているものとする。
【0013】すなわち、経糸の密度は、85本/inよ
りも小さいと、補強布自体の耐摩耗性が極めて悪くなる
一方、95本/inよりも大きいと、補強布自体の剛性
が悪化して張力変換率が低下するので、85〜95本/
inの範囲としている。また、緯糸の密度は、上記経糸
の密度と同様に、65本/inよりも小さいと、補強布
自体の耐摩耗性が相当に悪化する反面、80本/inよ
りも大きいと、張力変換率が低くなるので、65〜80
本/inの範囲としている。よって、従来よりよく使用
されている補強布自体の耐摩耗性及び剛性を向上させる
ことができ、Vベルトの伝動性能及び耐久性をより一層
向上させることができる。
【0014】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、糊ゴムによる接着処理は、糊ゴムをソーキ
ングする処理のみであり、上記糊ゴムは、カーボンファ
イバーが30〜70phr 配合されているものとする。
【0015】すなわち、糊ゴムをコーティングする処理
等を施すと、その糊ゴムがクッション作用となって補強
布がブロックからの圧縮力を吸収するので、糊ゴムによ
る接着処理は、糊ゴムをソーキングする処理のみとして
いる。この結果、張力変換率を確実に向上させることが
できる。また、カーボンファイバーは、補強布の耐摩耗
性を向上させるので、各ブロックの揺動による摩耗を効
果的に抑えることができる。このカーボンファイバーの
配合量は、30phr よりも少ないと、補強布の耐摩耗性
の向上効果が不十分である一方、70phr よりも多い
と、張力帯との接着性が不十分となるので、30〜70
phr の範囲としている。よって、請求項1又は2の発明
の作用効果をより高めることができる。
【0016】請求項4の発明では、請求項3の発明にお
いて、糊ゴムのソーキング重量は、64〜128g/m
2 であるものとする。
【0017】すなわち、糊ゴムのソーキング重量は、6
4g/m2 よりも少ないと、補強布の耐摩耗性が不十分
となる一方、128g/m2 よりも多いと、補強布の剛
性低下により張力変換率が低下するので、64〜128
g/m2 の範囲としている。よって、伝動性能及び耐久
性が極めて良好なVベルトが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る高
負荷伝動用VベルトBを示し、このVベルトBは、図示
は省略するが、各々、固定シーブ及び可動シーブからな
る駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛けら
れてなるベルト式無段変速装置を構成する際に用いられ
るものであり、両側1対のエンドレスの張力帯1,1に
多数のブロック8,8,…がベルト長さ方向に所定ピッ
チ間隔をあけて係止固定されてなっている。
【0019】上記各張力帯1は、ゴム状弾性材からなる
保形層2と、この保形層2の上下中央部に、スパイラル
状に巻かれてベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて並
んだ状態で埋設された心線3,3,…とからなってい
る。そして、上記保形層2の上面には上帆布4が被覆さ
れ、下面には補強布としての下帆布5が接着処理により
被覆されている。
【0020】上記各下帆布5の接着処理は、レゾルシン
・ホルマリン・ラテックス(RFL)組成物及び糊ゴム
による処理とされ、この糊ゴムによる処理は、糊ゴムを
ソーキングする処理のみとされている。つまり、糊ゴム
をコーティングする処理等を施すと、その糊ゴムがクッ
ション作用となり、後述の如く各下帆布5が各ブロック
8から圧縮力を受けたときにその圧縮力を吸収して張力
変換率が低下するので、糊ゴムによる処理は糊ゴムをソ
ーキングする処理のみとしている。尚、上記RFL組成
物のラテックス成分は水素化ニトリルゴムであることが
望ましい。
【0021】上記糊ゴムにはカーボンファイバーが30
〜70phr 配合され、その糊ゴムのソーキング重量は、
64〜128g/m2 とされている。すなわち、カーボ
ンファイバーの配合量は、30phr よりも少ないと、各
下帆布5の耐摩耗性が十分に向上しなくなる一方、70
phr よりも多いと、各張力帯1との接着性が不十分とな
るので、30〜70phr の範囲としている。また、上記
糊ゴムのソーキング重量は、64g/m2 よりも少ない
と、各下帆布5の耐摩耗性が不十分となる一方、128
g/m2 よりも多いと、各下帆布5の剛性低下により張
力変換率が低下するので、64〜128g/m2 の範囲
としている。
【0022】また、上記各下帆布5は、ベルト幅方向に
延びる210デニール/1の経糸とベルト長さ方向に延
びる140デニール/2の緯糸とからなるウーリーナイ
ロンであり、この経糸の密度は85〜95本/inに設
定されかつ緯糸の密度は65〜80本/inに設定され
ている。すなわち、経糸の密度は、85本/inよりも
小さいと、各下帆布5自体の耐摩耗性が極めて悪くなる
一方、95本/inよりも大きいと、各下帆布5自体の
剛性が悪化して張力変換率が低下するので、85〜95
本/inの範囲としている。また、緯糸の密度は、上記
経糸の密度と同様に、65本/inよりも小さいと、各
下帆布5自体の耐摩耗性が相当に悪化する反面、80本
/inよりも大きいと、張力変換率が低くなるので、6
5〜80本/inの範囲としている。
【0023】上記各張力帯1の上面には、各々、断面凹
字状をなす係止部としての多数の上面溝6,6,…が、
また下面には、各々、上記上面溝6,6,…に上下に対
応して断面円弧状をなす係止部としての多数の下面溝
7,7,…がそれぞれベルト長さ方向に所定ピッチ間隔
でベルト幅方向に延びるように設けられている。
【0024】一方、上記各ブロック8は略逆台形板状を
なしていて、その両側面は、変速プーリの溝面に摺接す
る摺接部9,9とされている。また、各ブロック8の両
側部には、各々、ベルト長さ方向に貫通しかつベルト幅
方向に延びるスリット状の嵌合部10,10が、側方に
向けて開放された状態に設けられている。この各嵌合部
10の上縁部は、下方に向けて突出する断面凸字状をな
していて、上記張力帯1の上面溝6に係合する係合部と
しての下向き突条11とされている。また、上記各嵌合
部10の下縁部は、上方に向けて隆起する断面円弧状を
なしていて、上記張力帯1の下面溝7に係合する係合部
としての上向き突条12とされている。以上の構成から
なる高負荷伝動用VベルトBを駆動側及び従動側の2つ
の変速プーリ間に巻き掛けて走行させたときの動作につ
いて説明する。各変速プーリの可動シーブには、このV
ベルトBに動力伝達を可能とするベルト張力を与えるた
めにベルト幅方向に推力が加えられる。このため、Vベ
ルトBが各変速プーリに巻き付いた部分では、その推力
により各ブロック8はベルト背面側に押され、各張力帯
1(各下帆布5)が各ブロック8の各嵌合部10の下縁
部である上向き突条12から圧縮力を受ける。このと
き、各下帆布5がRFL処理と糊ゴムのソーキング処理
のみとで接着処理がなされているので、各下帆布5の帆
布繊維がそのRFL組成物の樹脂成分により固められて
いると共に、糊ゴムがクッション作用をすることはな
い。このため、各下帆布5は、その剛性が十分に高くな
っており、上向き突条12からの圧縮力を殆ど吸収する
ことなく各張力帯1に伝える。この結果、各張力帯1に
は大きな張力が生じ、大きな張力変換率が得られる。
【0025】したがって、上記実施形態では、各下帆布
5のRFL処理及び糊ゴムのソーキング処理により、必
要な張力を得るために各変速プーリに加える推力を小さ
くすることができ、各ブロック8が折れるのを防止する
ことができる。また、各ブロック8の固定力が大きくな
って各ブロック8が揺動するのを抑えることができ、各
下帆布5の摩耗や発熱を低減させることができる。しか
も、糊ゴムにはカーボンファイバーが30〜70phr 配
合され、その糊ゴムのソーキング重量は64〜128g
/m2 とされていると共に、各下帆布5は、210デニ
ール/1の経糸と140デニール/2の緯糸とからなる
ウーリーナイロンとされ、この経糸の密度が85〜95
本/inに設定されかつ緯糸の密度が65〜80本/i
nに設定されているので、通常よく使用されている材料
からなる各下帆布5の耐摩耗性を向上させつつ、張力変
換率の低下を防止することができる。よって、簡単な構
成で伝動性能及び耐久性が極めて良好なVベルトBが得
られる。
【0026】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。先ず、下帆布(ベルト幅方向に延びる210デニ
ール/1の経糸とベルト長さ方向に延びる140デニー
ル/2の緯糸とからなるウーリーナイロンを使用)の処
理並びにその経糸及び緯糸の密度を以下の如く異ならせ
て9種類の高負荷伝動用Vベルトを作製した。すなわ
ち、下帆布にRFL処理及び糊ゴムのソーキング処理を
施したもの(実施例1〜7)と、それらの処理に加えて
さらに下帆布上面(張力帯側の面)に重量が32g/m
2 の糊ゴムのコーティング処理を施したもの(実施例
8)と、下帆布にソーキング処理を施すのみでRFL処
理を施していないもの(比較例)とを作製した(尚、上
記実施例1〜8及び比較例の糊ゴムのソーキング重量並
びに経糸及び緯糸の密度については表1参照)。
【0027】次に、上記各Vベルトに対して耐久試験を
行った。すなわち、図2に示すように、上記各Vベルト
23を、プーリ径が120mmの駆動プーリ21と、プー
リ径が60mmの従動プーリ22との間に巻き掛け、各V
ベルト23に引張加重DW(DW=150kg)を加える
一方、従動プーリ22には負荷を加えない状態で駆動プ
ーリ21を6000rpm の速度で回転させ、500時間
が経過した時点での各Vベルト23の下帆布における摩
耗の程度を調べた。また、500時間が経過する前に不
具合が生じた場合には、直ちに走行を停止してその時点
での摩耗の程度を調べると共に、その時点までの走行時
間をチェックした。尚、上記駆動及び従動プーリ21,
22は、共に固定シーブのみからなり、可動シーブを有
していない。
【0028】続いて、発生張力(張力変換率)を測定す
る試験を行なった。すなわち、図3に示すように、上記
各Vベルト23を、共に固定シーブ25a,25aから
なる駆動側プーリ25と、可動シーブ26a及び固定シ
ーブ26bからなる従動側プーリ26との間にそれぞれ
巻き掛けた。このとき、駆動側及び従動側プーリ25,
26の径をそれぞれ54.56mm及び122mmと
し、両プーリ25,26の軸間距離を150.04mm
とした。また、従動側プーリ26の可動シーブ26aに
3920Nの推力を付与した。そして、従動側プーリ2
6に駆動側プーリ25において49Nm相当のトルクを
加えた状態で駆動側プーリ25を2600rpmで回転
させて各Vベルト23を走行させ、所定時間毎に駆動を
停止して発生張力を測定し、その平均値を求めた。つま
り、この発生張力が大きいほど、張力変換率が大きいこ
とになる。
【0029】これらの試験の結果を表1に示す。このこ
とより、RFL処理の有無以外は殆ど同じ条件である実
施例1と比較例とを比較すると、実施例1のVベルト
は、比較例のものよりも張力変換率がかなり優れている
と共に、耐摩耗性も向上しており、RFL処理を施すこ
とによる効果が判る。
【0030】次に、実施例1と他の実施例2〜8をそれ
ぞれ比較すると、実施例2のVベルトのように糊ゴムの
ソーキング重量が64g/m2 よりも少ないと、張力変
換率は良好であるものの、下帆布の耐摩耗性が悪くな
り、逆に、実施例3のVベルトのようにそのソーキング
重量が128g/m2 よりも多くなると、耐摩耗性は良
好であるが、張力変換率が悪化することが判る。
【0031】また、実施例4のVベルトのように経糸密
度が85本/inよりも小さいと、張力変換率は優れて
いるものの、下帆布の耐摩耗性が極めて悪くなり、逆
に、実施例5のVベルトのように経糸密度が95本/i
nよりも大きいと、耐摩耗性は良好となるものの、張力
変換率が悪化することが判る。
【0032】そして、実施例6のVベルトのように緯糸
密度が65本/inよりも小さいと、張力変換率は良好
といえるが、下帆布の耐摩耗性が極めて悪くなるのに対
し、実施例7のVベルトのように経糸密度が80本/i
nよりも大きいと、耐摩耗性は優れているものの、張力
変換率が悪化することが判る。
【0033】さらに、実施例8のVベルトのように下帆
布上面に糊ゴムをコーティングすると、耐摩耗性は優れ
ているが、張力変換率がかなり低下することが判る。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、上下面にそれぞれ上下に対応する多数の係止部
がベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をおいて設けられた
エンドレスの張力帯と、各々、上記係止部に係合する係
合部を有し、上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ
間隔をあけて係止固定されている多数のブロックとを備
え、上記張力帯の少なくとも下面に、補強布が接着処理
により被覆されてなる高負荷伝動用Vベルトに対して、
その張力帯下面の補強布を、レゾルシン・ホルマリン・
ラテックス組成物及び糊ゴムによって接着処理したこと
により、Vベルトの伝動性能及び耐久性の向上化を図る
ことができる。
【0036】請求項2の発明によると、補強布を、ベル
ト幅方向に延びる210デニール/1の経糸とベルト長
さ方向に延びる140デニール/2の緯糸とからなるウ
ーリーナイロンとし、上記経糸の密度を85〜95本/
inに設定しかつ緯糸の密度を65〜80本/inに設
定したことにより、Vベルトの伝動性能及び耐久性のさ
らなる向上化を図ることができる。
【0037】請求項3の発明によると、糊ゴムによる接
着処理を、糊ゴムをソーキングする処理のみとし、その
糊ゴムに、カーボンファイバーを30〜70phr 配合し
たことにより、請求項1又は2の発明の作用効果をより
助長することができる。
【0038】請求項4の発明によると、糊ゴムのソーキ
ング重量を64〜128g/m2 としたことにより、最
良の伝動性能及び耐久性を有するVベルトを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高負荷伝動用Vベルト
の一部を示す斜視図である。
【図2】高負荷伝動用Vベルトの耐久試験の要領を示す
概略図である。
【図3】高負荷伝動用Vベルトの発生張力測定試験の要
領を示す概略図である。
【図4】張力帯の下面溝に加わるブロックの力の状態を
示す側面図である。
【図5】従来の張力帯の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
B 高負荷伝動用Vベルト 1 張力帯 5 下帆布(補強布) 6 上面溝(係止部) 7 下面溝(係止部) 8 ブロック 11 下向き突条(係合部) 12 上向き突条(係合部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下面にそれぞれ上下に対応する多数の
    係止部がベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をおいて設け
    られたエンドレスの張力帯と、 各々、上記係止部に係合する係合部を有し、上記張力帯
    にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて係止固定さ
    れている多数のブロックとを備え、 上記張力帯の少なくとも下面に、補強布が接着処理によ
    り被覆されてなる高負荷伝動用Vベルトであって、 上記張力帯下面の補強布の接着処理は、レゾルシン・ホ
    ルマリン・ラテックス組成物及び糊ゴムによる接着処理
    であることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高負荷伝動用Vベルトに
    おいて、 補強布は、ベルト幅方向に延びる210デニール/1の
    経糸とベルト長さ方向に延びる140デニール/2の緯
    糸とからなるウーリーナイロンであり、 上記経糸の密度が85〜95本/inに設定されかつ緯
    糸の密度が65〜80本/inに設定されていることを
    特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の高負荷伝動用Vベ
    ルトにおいて、 糊ゴムによる接着処理は、糊ゴムをソーキングする処理
    のみであり、 上記糊ゴムは、カーボンファイバーが30〜70phr 配
    合されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の高負荷伝動用Vベルトに
    おいて、 糊ゴムのソーキング重量は、64〜128g/m2 であ
    ることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283882B1 (en) * 1998-10-13 2001-09-04 Bando Chemical Industries, Ltd. Heavy-duty power transmission V-belt

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US6283882B1 (en) * 1998-10-13 2001-09-04 Bando Chemical Industries, Ltd. Heavy-duty power transmission V-belt

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