JPH1162946A - ロール支持装置 - Google Patents

ロール支持装置

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JPH1162946A
JPH1162946A JP9222359A JP22235997A JPH1162946A JP H1162946 A JPH1162946 A JP H1162946A JP 9222359 A JP9222359 A JP 9222359A JP 22235997 A JP22235997 A JP 22235997A JP H1162946 A JPH1162946 A JP H1162946A
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JP
Japan
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bearing
pressure
bearing housing
roll
grease
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JP9222359A
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English (en)
Inventor
Kenji Yamamura
賢二 山村
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高面圧下で極低速回転のため軌道面に油膜が
ほとんど形成されず、水が軸受内部に侵入しやすい使用
環境下であっても、摩耗や早期剥離あるいは割れを生じ
にくい長寿命の連続鋳造用ロール支持装置を提供する。 【構成】 転がり軸受2と軸受箱3とを具備するロール
支持装置において、軸受2は、少なくとも転動体16に
Cを0.6〜1.3重量%、Crを8〜20重量%、そ
の他不可避的不純物元素を含有する鋼を用い、かつ、内
輪15または外輪14のうちの少なくとも固定輪が浸炭
法または浸炭窒化法により表面硬化処理された軸受材料
により構成され、軸受箱3は軸受との間に2つの空間
8,9を規定するシール部5,6部を備え、さらに、軸
受箱3内に連通する通路11aを備え、この通路11a
を介して軸受箱3の内圧を実質的に一定に保持する圧力
調整手段11,12,21,21A,21B,22,2
2A,23,24を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼設備用のロー
ル支持装置、とくに連続鋳造機ガイドロールのように極
低速回転で使用されるロールを支持するロール支持装置
に係り、とくにロール支持装置に用いられる転がり軸受
の長寿命化に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機のガイドロールを支持する転
がり軸受は、高面圧下で繰り返しせん断応力をうけると
いう厳しい使われ方をするため、そのせん断応力に耐え
て転がり疲労寿命を確保すべく、高炭素クロム軸受鋼
(SUJ2)を用い、それに焼入焼戻しをして硬さをH
RC58〜64としていた。また、肌焼鋼を用いた転が
り軸受においては、SCR420、SCM420、SA
E4320H等を用い、これに浸炭又は浸炭窒化処理、
焼入焼戻し処理を施すことにより、表面硬さがHRC5
8〜64であり、かつ心部硬さがHRC30〜48にな
るようにして必要とされる寿命を確保してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連続鋳
造機用の軸受は数rpmという極低速回転で使用される
ため、軌道輪に潤滑油やグリースが引き込まれ難く、油
膜がほとんど形成されない。また、冷却水やスケール等
が軸受内部に侵入しやすい使用環境下にあり、潤滑条件
が悪化して摩耗や早期剥離、あるいは割れを生じる。ま
た、近年では鉄鋼設備のメンテナンスフリー化の要求が
高く、軸受の長寿命化が需要家から要望されている。
【0004】転がり軸受の長寿命化に関して、特開昭6
3−303221号公報は、内外軌道輪のうち少なくと
も一方または転動体に0.30重量%以上のCと3重量
%以上のCrを含む鋼を用い、他の部品に高炭素クロム
軸受鋼若しくは軸受用浸炭鋼を用いた長寿命の転がり軸
受を開示している。しかし、この従来技術は、転がり軸
受の長寿命化に関して高速回転で振動が作用する環境下
で用いられる軸受の剥離寿命について開示するにとどま
り、低速回転で使用する場合に問題となる摩耗について
の考慮がなされていない。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、高面圧下で極低速回転のため軌道面に
油膜がほとんど形成されず、また水が軸受内部に侵入し
やすい使用環境下であっても、摩耗や早期剥離あるいは
割れを生じにくい長寿命のロール支持装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、先に特願
平8−70366号公報において開示したように、連続
鋳造機のガイドロール支持用の軸受のように極低速回転
で使用され、早期剥離や割れが問題となっている軸受の
長寿命化につき継続的に鋭意研究を進めている。しかし
ながら、水が軸受の摩耗に及ぼす影響に対する考察が不
十分であったため、軸受箱内に多量の水が侵入した場合
を想定していなかった。
【0007】今回、本発明者等が鋭意研究努力した結
果、多量の水が軸受箱内に侵入すると軸受に予想を越え
る著しい摩耗を生じることが判明した。すなわち、軸受
の摩耗は、軸受内部に水が侵入した場合と水が侵入して
いない場合とで比較すると、前者が後者の数倍から数十
倍と大きくなる。このため、連続鋳造機用の軸受におい
ては、軸受鋼の耐摩耗性を単に向上させるだけでは軸受
寿命を十分に延ばすことができない。
【0008】水や粉塵等の侵入を防止する方法として、
特開平7−71445号公報には軸受箱内を加圧する方
法が開示されている。しかし、軸受箱内への水の侵入を
防止するだけでは軸受の摩耗を防ぐには不十分である。
そこで、これらの知見に基づき本発明者等は下記の発明
を完成した。
【0009】本発明に係るロール支持装置は、転がり軸
受と軸受箱とを具備するロール支持装置において、前記
転がり軸受は、少なくとも転動体にCを0.6〜1.3
重量%、Crを8〜20重量%、その他不可避的不純物
元素を含有する鋼を用い、かつ、内輪または外輪のうち
の少なくとも固定輪が浸炭法または浸炭窒化法により表
面硬化処理された軸受材料により構成され、前記軸受箱
は、軸受との間に第1の空間を規定する第1のシール部
と、軸受との間に第2の空間を規定する第2のシール部
と、を備え、さらに、前記軸受箱内に連通する通路を備
え、この通路を介して軸受箱の内圧を実質的に一定に保
持する圧力調整手段を有することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に係るロール支持装置においては、ロー
ルが熱膨張し、軸受箱内で軸受が移動して第1及び第2
の空間の容積比が変わると、これに応じて圧力調整手段
は通路を介して第1及び第2の空間に圧力媒体を供給
し、軸受箱の内圧が実質的に一定に保持されるように圧
力調整する。これにより第1及び第2の空間は負圧にな
らないので、これらに水が侵入しなくなる。
【0011】本発明に用いられる軸受鋼に含まれる元素
の作用及びその臨界的意義並びに表面硬化処理につき説
明する。 1)C;0.6〜1.3重量% Cは、基地をマルテンサイト化することにより、焼入れ
焼戻し処理後の硬さを向上させるために必要な元素であ
る。炭素含有量の下限値を0.6重量%としたのは、軸
受として必要な強度を確保するためである。炭素含有量
の上限値を1.3重量%としたのは、これを上回ると心
部の靭性を低下させるためである。 2)Cr;8〜20重量%(より好ましくは12〜20
重量%) Crは、焼入れ性を向上させ、基地を固溶強化する他
に、多量に添加することにより生成する炭化物を硬くて
粒成長の遅いM73 型に変え、炭化物の粗大化を防止
し、転動疲労寿命および耐摩耗性を向上させるのに役立
つ。Cr含有量の下限値を8重量%(より好ましくは1
2重量%)としたのは、相手材の耐摩耗性をも向上させ
るためには8重量%以上の添加が必要になるからであ
る。一方、Cr含有量の上限値を20重量%としたの
は、これを超えると素材の段階で巨大炭化物が生成さ
れ、この巨大炭化物の周囲に応力集中を生じて、短時間
で寿命が尽きるようになるからである。また、Cr添加
量の増大はコスト高を招くからである。 3)表面硬化処理 連続鋳造用軸受には過大なラジアル荷重が負荷されるた
め、内外輪のうち特に固定輪において剥離などを起点と
した割損が生じやすいという問題がある。この割損を防
止するため内外輪のうち少なくとも固定輪には心部靭性
の高い表面硬化型鋼を用い、浸炭法又は浸炭窒化法を用
いて表面を硬化させるとともに圧縮残留応力を付与す
る。
【0012】浸炭法による場合は、920〜950℃の
温度域の浸炭処理雰囲気中で必要な硬化層深さを得るた
めに所定時間保持した後に、860〜880℃の温度域
から焼入し、さらに160〜180℃の温度域に約2時
間保持の焼戻しする。
【0013】浸炭窒化法による場合は、870〜950
℃の温度域の浸炭窒化処理雰囲気中で必要な硬化層深さ
を得るために所定時間保持した後に、860〜880℃
の温度域から焼入し、160〜180℃の温度域に約2
時間保持の焼戻しする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面及び表を参照し
ながら本発明の種々の好ましい実施の形態についてそれ
ぞれ説明する。表1に示す化学成分の材料を用いて球面
ころ軸受22210CDを作製し、各供試軸受につき耐
久試験を行った。なお、供試軸受の外輪14には表1に
示す記号Aを用い、内輪15には表1に示す記号Bを用
いた。供試軸受の転動体16に用いた材料は表2のなか
に試験結果と併せて記号で表示した。また、供試材の熱
処理条件としては、供試材Aに対しては約930℃で6
時間の浸炭を行った後に、焼入れおよび焼戻しを行っ
た。その他の供試材B〜Fに対しては840〜1070
℃の温度域で焼入れを行い、さらに160〜180℃の
温度域で焼戻しを行い、表面硬さをHRC59〜62と
して用いた。
【0015】耐久試験の試験条件としては、荷重300
0kgf、回転数4rpm、潤滑材としてウレア系のグ
リースを軸受の空間容積の約80%充填した。このよう
な条件下で500時間の耐久試験を行った。なお、試験
雰囲気として、約80℃の蒸気中と、蒸気が無い場合の
2種類の雰囲気を採用した。評価方法として外輪最大負
荷位置の軌道面の摩耗量(μm)を用いた。試験後に外
輪最大負荷位置の軌道面形状を測定し、その最大摩耗深
さを摩耗量とした。その結果を表2に示す。
【0016】次に、試験の結果について説明する。試験
No.1は、雰囲気に蒸気を用いなかった場合の従来例
である。試験No.2は、試験No.1と同じ材料の軸
受を用いて蒸気中で試験を行った場合の従来例である。
この試験No.2は試験No.1と比較して極端に摩耗
量が大きくなっている。これらの結果から、グリース中
に水が多量に混入した場合は、摩耗の進行が著しく促進
されることがわかる。
【0017】試験No.3〜5は、軸受は本発明の範囲
を満たすが、グリース中に多量の水が混入した場合の比
較例にそれぞれあたる。これらの比較例では耐摩耗性の
向上効果が不十分になる結果が得られた。
【0018】試験No.6は、水の侵入は無いが、転動
体の成分のうちCrが本発明範囲の下限値をさらに下回
った場合の比較例にあたる。この比較例からは、水が混
入しない場合においても、耐摩耗性の向上効果が不十分
になるという結果が得られた。
【0019】試験No.7〜9は、本発明の実施例にあ
たる。これらの実施例から、軸受箱内への水の混入を防
ぐことにより、軸受材料の耐摩耗性の向上効果が十分に
発揮されることが判明した。
【0020】次に、軸受箱内への水の混入を防止する方
法について説明する。図1に示すように、連続鋳造機の
ガイドロール1を支持する装置は自動調心ころ軸受2と
軸受箱3とを備えている。軸受2は、ロール1の肩部に
設けられたコーナーリング4と係止リング7とによって
ロール1に固定され、軸受箱3のなかに収納されてい
る。設備稼働時には周囲の環境温度が上昇して、ロール
1が熱膨張するので、図2に示すように軸受2はロール
1とともに軸受箱3内で移動し、その位置が変わる。こ
のとき軸受箱3内の空間8および9の容積が変化し、こ
れにより軸受箱3の内圧が変動する。すなわち、図1に
示す設備停止時の状態から図2に示す設備稼働時の状態
に移行すると、軸受2が軸受箱3のなかで変位し、空間
8および9の合計容積が小さくなり、軸受箱3の内圧は
上昇する。
【0021】これとは逆に、図2に示す設備稼働状態か
ら図1に示す停止状態に移行する場合には、軸受箱3の
内圧が低下し、この時にシール部5,6を介して多量の
水蒸気を含む外気を空間8,9のなかに吸い込む。この
吸引水分が軸受箱3内で結露した後にグリース中に取り
込まれ、軸受の摩耗を促進させるようになる。これを防
止するためには、軸受箱3の内圧を常に大気圧よりも大
きくすればよい。
【0022】通常、連続鋳造設備等のロール支持装置に
は、一定の割合でグリースを供給するための給脂管10
が軸受箱3に連通しており、軸受箱3内の余剰のグリー
スはロール1とシール部5,6との間の間隙、または軸
受箱3に連通する排脂管(図示せず)を介して排出され
るようになっている。いずれの排脂方式においても、給
脂管10からグリースを供給するだけで軸受箱3の内圧
を常に大気圧よりも大きい正圧の状態に保とうとする
と、莫大な量のグリース供給が必要となり、グリースの
消費に要するコストおよび設備の管理面からも不利であ
る。
【0023】そこで、図3,図4,図5にそれぞれ示す
ように、高圧エア供給管12およびグリース補充管13
を備えた加圧装置11を通路11aを介して軸受箱3に
連通させ、給脂管10から軸受箱3内にグリースを供給
するグリース供給圧力よりも若干低い圧力を、高圧エア
で加圧されたグリースにより軸受箱3内に加えるように
する。グリース供給圧力はグリース循環時の抵抗などか
ら2〜3kgf/cm2 程度であるから、加圧装置11
から軸受箱3内に加える圧力を1.5〜2.5kgf/
cm2 程度の若干低い圧力とすることにより、給脂管1
0からのグリース供給を妨げることなく軸受箱3の内圧
を常に正圧の状態に保つことができ、これにより軸受箱
3内への水分や粉塵の侵入が防止される。また、グリー
スの消費量を必要最低限に抑えることができる。
【0024】図3に示すように、2つの加圧装置11を
それぞれの通路11aを介して軸受箱3の内部空間8,
9にそれぞれ連通させることができる。図4に示すよう
に、1つの加圧装置11を2つに分岐した通路11a,
11bを介して軸受箱3の内部空間8,9にそれぞれ連
通させるようにしてもよい。
【0025】図5に示すように、1つの加圧装置11の
通路11aを給脂管10に連通させ、給脂管10を介し
て軸受箱3の内部を加圧するようにしてもよい。なお、
給脂管10を軸受箱3に連通させる位置としては、軸受
外輪の非負荷圈側中央部とすることが好ましい。その理
由を以下に述べる。
【0026】連続鋳造設備等に用いられるロール支持装
置においては、ロール1の熱膨張による過大なアキシャ
ル荷重による軸受2の損傷を防止するために、ロール1
の熱膨張に合わせて軸受2が軸受箱3内で移動できるよ
うに、軸受外輪14と軸受箱3との間にすき間を設けて
ある。設備が稼働と停止を繰り返す間に加熱と冷却が繰
り返され、軸受2の内部ではなく軸受外輪14と軸受箱
3とのすき間に結露による水が多量に溜まるということ
が調査により判明した。この水分がグリース中に取り込
まれて、軸受2の摩耗が促進されるのを防ぐために、軸
受外輪14と軸受箱3とのすき間が最も大きい軸受外輪
14の非負荷圈側中央部に給脂管10を連通設置し、こ
のすき間にグリースを供給して、水が溜まらないように
する。なお、給脂管10の代わりに加圧装置11をここ
に連通させても同様の効果が得られる。また、より好ま
しくは給脂管10および加圧装置の通路11aの両方を
ここに連通させる。
【0027】なお、球面ころ軸受の外輪側中央部から給
脂する場合には、図6に示すように、軸受外輪14の外
径側に給脂用の溝19および給脂孔20を備えた軸受を
用いることが好ましい。なお、符号15は内輪、符号1
6は転動体、符号17は保持器、符号18は案内輪をそ
れぞれ示す。
【0028】また、余剰のグリースを排出する方式とし
て、ロール1とシール部5,6との間隙から排出させる
方式を用いる場合は、軸受箱3の内圧はグリースの供給
圧力よりも低くてよいため、所望の圧力を維持するため
にシール部5,6の構造をとくに改良する必要は無く、
従来タイプのシール部5,6を用いることで足りる。し
かしながら、軸受箱3に連通設置した排脂管から余剰の
グリースを排出する方式をとる場合、加圧装置11によ
り加える圧力よりも高く、かつ、給脂管10からグリー
スを補給する圧力と同等以下の圧力で開く弁を設置する
等して、軸受箱3の内圧を一定に維持することが必要と
なる。
【0029】上記構造のロール支持装置を用いることに
より、図7の中に破線Qで示すように、設備停止時に軸
受箱3の内圧が負圧になることを防ぎ、実線Pで示すよ
うに、軸受箱3の内圧を常に大気圧より大きい正圧の状
態に保つことが可能となり、軸受箱3内への水分や粉塵
等の侵入を防止できるとともに、グリースの消費量を必
要最低限に抑えることもできる。
【0030】また、軸受箱3の内圧を常に大気圧より大
きい正圧の状態に保持する方法として、高圧エアで加圧
したグリースではなく、直接高圧エアを供給することも
できる。直接高圧エアを軸受箱3の内部に供給する方法
としては、図8〜図11に示す装置があげられる。この
場合、軸受箱3内の軸受2はグリースを封入したグリー
ス密封型シール付軸受とすることが望ましい。
【0031】図8および図9に示すように、高圧エア配
管21,21Aを介して軸受箱3の空間8,9のいずれ
か一方に供給し、連通管22,22Aにより両方の空間
8,9を同圧に保つようにすることができる。図8の装
置では高圧エア配管21を空間8のほうに連通させ、さ
らに空間8は連通管22を介して空間9に連通させてい
る。図9の装置では高圧エア配管21Aを空間9のほう
に連通させ、さらに空間9は連通管22Aを介して空間
8に連通させている。
【0032】図10に示すように、高圧エア配管21B
により同時に両方の空間8,9に高圧エアを供給するよ
うにしてもよい。この場合、軸受2の両端側の内輪と外
輪との間にシール部材(図示せず)を設けるとともに潤
滑剤を充填し、この軸受2を無給脂で用いることが可能
であり、給脂設備および給脂にかかるコストを削減する
ことも可能となる。このため、高圧エアを軸受箱3に直
接供給する場合には、軸受2をシール付きの軸受とし、
この軸受に潤滑剤を充填して用いることが好ましい。な
お、供給エアは、運転停止時に軸受箱3内で結露を生じ
ないような相対湿度に調整されていることが望ましい。
【0033】さらに、軸受箱3の内圧を常に大気圧より
大きい正圧の状態に保持する方法として、オイルエア潤
滑(NSK Technical Joumal N
o.659,1995年,頁1〜7記載)がある。オイ
ルエア潤滑は、高圧エアと潤滑油をミキシングバルブに
て混合し、常に一定圧力のエアと潤滑油とを図11に示
すような給油管23から軸受2に供給し、廃油管24を
介して潤滑油を回収するものであり、軸受箱3内が常に
一定の正の圧力に保たれる。これと転動体にCを0.6
〜1.3重量%、Crを8〜20重量%を含有し、残部
Feおよびその他合金元素からなる軸受鋼を用いた軸受
を組み合わせても同様の効果が得られる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、高面圧下で極低速回転
のため軌道面に油膜がほとんど形成されず、また水が軸
受内部に侵入しやすい使用環境下であっても、摩耗や早
期剥離あるいは割れを生じにくい長寿命のロール支持装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール支持装置における軸受の動作を説明する
ための部分断面図。
【図2】ロール支持装置における軸受の動作を説明する
ための部分断面図。
【図3】本発明の実施形態に係るロール支持装置を示す
部分断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置を
示す部分断面図。
【図5】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置を
示す部分断面図。
【図6】外輪中央に給脂孔をもつシールタイプの球面こ
ろ軸受を示す部分断面図。
【図7】ベアリング部における圧力条件の変動につき本
発明と従来とを対比して示す特性線図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置を
示す部分断面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置を
示す部分断面図。
【図10】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置
を示す部分断面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るロール支持装置
を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…ロール、2…軸受、3…軸受箱、4…コーナーリン
グ、5,6…シール部、7…係止リング、8,9…空
間、10…給脂管、11…加圧装置、12,21,21
A,21B…高圧エア供給管、13…油脂補充管、14
…外輪、15…内輪、16…転動体、17…保持器、1
8…案内輪、19…給脂溝、20…給脂孔、22,22
A…連通管、23…給油管、24…廃油管。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 33/32 F16C 33/32 33/62 33/62 33/76 33/76

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受と軸受箱とを具備するロール
    支持装置において、 前記転がり軸受は、少なくとも転動体にCを0.6〜
    1.3重量%、Crを8〜20重量%、その他不可避的
    不純物元素を含有する鋼を用い、かつ、内輪または外輪
    のうちの少なくとも固定輪が浸炭法または浸炭窒化法に
    より表面硬化処理された軸受材料により構成され、 前記軸受箱は、軸受との間に第1の空間を規定する第1
    のシール部と、軸受との間に第2の空間を規定する第2
    のシール部と、を備え、 さらに、前記軸受箱内に連通する通路を備え、この通路
    を介して軸受箱の内圧を実質的に一定に保持する圧力調
    整手段を有することを特徴とするロール支持装置。
JP9222359A 1997-08-19 1997-08-19 ロール支持装置 Pending JPH1162946A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018513023A (ja) * 2015-05-26 2018-05-24 エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング ロール装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018513023A (ja) * 2015-05-26 2018-05-24 エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング ロール装置

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