JPH1162489A - トンネル覆工方法およびその装置並びにトンネル永久覆工体 - Google Patents

トンネル覆工方法およびその装置並びにトンネル永久覆工体

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JPH1162489A
JPH1162489A JP9240406A JP24040697A JPH1162489A JP H1162489 A JPH1162489 A JP H1162489A JP 9240406 A JP9240406 A JP 9240406A JP 24040697 A JP24040697 A JP 24040697A JP H1162489 A JPH1162489 A JP H1162489A
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tunnel
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lining plate
formwork
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澄夫 植松
Mitsumasa Okamura
光政 岡村
Tsutomu Kitagawa
勉 北川
Yukihisa Inagawa
雪久 稲川
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トンネル内の作業環境を害することが全くな
く、支保工建込み作業、二次覆工用コンクリート打設作
業を省略し、工期を大幅に短縮する。 【解決手段】ガントリー16上に天端フォーム18およ
び両側フォーム20,20を配設させてなる型枠12を
介して、トンネル14内に覆工用コンクリート48を打
設する方法において、二次覆工用コンクリートと同等の
覆工板38を、型枠12の各フォーム18,20に当接
させて支持させた後、トンネル内壁面60と型枠12と
の間に、一次覆工用コンクリート48を充填し、養生硬
化後、型枠12を脱型させることにより、一次覆工用コ
ンクリート48の表面に覆工板38を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル切羽(掘
削)側において、トンネル内に設置した型枠とトンネル
内壁面との間に一次覆工用のコンクリートを覆工すると
同時に、二次覆工用コンクリートと同等の覆工板を配設
させることにより、二次覆工作業を省略することができ
るトンネル覆工方法およびその装置並びにトンネル永久
覆工体に関するものである。なお、本明細書中、「打
設」とは、養生硬化させていない泥状のコンクリートを
型枠とトンネル内壁面との間に充填させることをいう。
【0002】
【従来の技術】元来、トンネル内へのコンクリートの覆
工作業は、まず削岩機等により掘削されたトンネル内壁
面に、必要に応じて支保工建込み(H型鋼をトンネル周
方向に配設させる作業)を行い、次に吹付機を介して一
次覆工用コンクリートを直接吹付けると共に、トンネル
の強度を向上させるため、要所にロックボルトを打込
み、このロックボルトを締込む工法(NATM)が一般
的に用いられている(図12および図13参照)。
【0003】また、前記工程に次いで、二次覆工用コン
クリートの表面に必要に応じて化粧板を配設させてい
た。
【0004】また、支保工建込みは省略する場合がある
(図14および図15参照)。
【0005】なお、図12〜図15中80はトンネル、
82はトンネル内壁面、84は一次覆工用コンクリー
ト、86はコンクリート吹付機、88はロックボルト、
90は既二次覆工用コンクリート打設部、92は支保工
に使用する支保部材(H型鋼)を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、トンネル内への
一次覆工用コンクリートの覆工は、直接トンネル内壁面
へ吹付けていたため、吹付けるコンクリートがトンネル
内壁面に固着されずにトンネル内に跳ね返り易く、この
跳ね返りロスが30〜40%であり、コンクリートの吹
付ロスが多く、このため非常に高価な一次覆工用のコン
クリートの使用量が増大し、経済的でないことが問題と
なっていた。
【0007】また、コンクリート吹付時の跳ね返りが粉
塵となり、トンネル内に充満し、作業環境を害し、作業
性が良くないことが問題となっていた。
【0008】また、トンネルの強度を向上させるための
ロックボルトの打込、締込み作業、並びに支保工建込み
作業が面倒であることが問題となっていた。
【0009】また、一次覆工コンクリートの覆工後、二
次覆工コンクリートの打設、または化粧板の配設を行っ
ていたため、作業工数および作業時間が増大することが
問題となっていた。
【0010】本発明は、このような欠点に鑑み、トンネ
ル内の作業環境を害することが全くなく、支保工建込み
作業、二次覆工コンクリート打設作業を省略し、工期を
大幅に短縮することができるトンネル覆工方法およびそ
の装置並びにトンネル永久覆工体を提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、ガント
リー上に、天端フォームおよび両側フォームを配設させ
てなる型枠を介して、トンネル内に覆工用のコンクリー
トを打設する方法において、二次覆工用コンクリートと
同等の覆工板、例えば表面に化粧加工が施されたプレキ
ャストコンクート板を、覆工板の表面を型枠の各フォー
ムに当接させて支持させた後、トンネル内壁面と型枠と
の間に、一次覆工用コンクリートを充填し、養生硬化
後、型枠を脱型させることにより、一次覆工用コンクリ
ートの表面に、覆工板を配設させることを特徴とするも
の、または覆工板の型枠の各フォームへの支持を、型枠
に装着した全方向移動自在の移載機構を介して、覆工板
を各フォーム上に移載させ、覆工板を各フォームに固着
させることにより行うことを特徴とするもの、または各
フォームを、ガントリー上に、トンネルの周方向に移動
自在に配設させた第1フォーム部材と、この第1フォー
ム部材上に、トンネルの前後方向に移動自在に配設させ
た第2フォーム部材と、により構成し、覆工板を各フォ
ームに支持させた後、各覆工板の位置を、第1フォーム
部材および第2フォーム部材を移動させることにより、
調整することを特徴とするもの、または型枠の各フォー
ムに支持させた各覆工板間に防水部材を介入させること
により、トンネル内壁面からの湧水の型枠内への浸入を
防止することを特徴とするもの、または覆工板の裏面に
排水溝を施し、この排水溝内に排水材を装填させること
により、打設した一次覆工用コンクリートと、覆工板と
の間の排水を行うことを特徴とするものである。
【0012】本発明の装置は、ガントリー上に、天端フ
ォームおよび両側フォームを配設させてなる型枠を介し
て、トンネル内に覆工用のコンクリートを打設する装置
において、型枠の各フォーム上に、二次覆工用コンクリ
ートと同等の覆工板、例えば表面に化粧加工が施された
プレキャストコンクリート板を、覆工板の表面を型枠に
当接させて支持させた後、トンネル内壁面と型枠との間
に、一次覆工用コンクリートを充填し、養生硬化後、型
枠を脱型させることにより、一次覆工用コンクリートの
表面に覆工板を配設させることを特徴とするもの、また
は覆工板の型枠の各フォームへの支持を、型枠に装着し
た全方向移動自在の移載機構を介して、覆工板を各フォ
ーム上に移載させた後、覆工板を各フォームに固着させ
ることにより行うことを特徴とするもの、または各フォ
ームを、ガントリー上に、トンネルの周方向に移動自在
に配設させた第1フォーム部材と、この第1フォーム部
材上に、トンネルの前後方向に移動自在に配設させた第
2フォーム部材と、により構成し、覆工板を各フォーム
に支持させた後、各覆工板の位置を、第1フォーム部材
および第2フォーム部材を移動させることにより、調整
することを特徴とするもの、または型枠の各フォームに
支持させた各覆工板間に防水部材を介入させることによ
り、トンネル内壁面からの湧水の型枠内への浸入を防止
することを特徴とするもの、または覆工板の裏面に排水
溝を施し、この排水溝内に排水材を装填させることによ
り、打設した一次覆工用コンクリートと、覆工板との間
の排水を行うことを特徴とするものである。
【0013】本発明のトンネル永久覆工体は、吹付けコ
ンクリート並びに支保工等の支保部材と二次覆工用コン
クリートを兼ね備えた、従来のNATM工法の覆工体と
同等であり、表面に化粧加工が施されると共に、裏面に
排水溝が施され、この排水溝内に排水材を装填させてな
る覆工板を、トンネル内壁面に、裏面側を対向させて配
設させ、一次覆工用コンクリートを充填させて構築する
ことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るトンネル覆工装置
は、図1〜図6に示すように、以下の構成からなるもの
である。
【0015】本発明で使用する型枠12は、トンネル1
4内に移動自在に配設されたガントリー16上に、天端
フォーム18および両側フォーム20,20が配設され
たものであり、各フォーム18,20は伸縮自在であ
り、両側フォーム20,20が折畳み自在である。
【0016】本例の天端フォーム18および両側フォー
ム20,20は鋼製の骨材を縦横に配設させてなるもの
である。
【0017】また、各フォーム18,20は、型枠12
のガントリー16上に、トンネル14の周方向に移動自
在に配設させた第1フォーム部材22と、この第1フォ
ーム部材22上に、トンネル14の前後方向に移動自在
に配設させた第2フォーム部材24と、により構成して
ある。
【0018】これは、後述の覆工板38を各フォーム1
8,20に支持させた後、各覆工板38の位置を、第1
フォーム部材22および第2フォーム部材24を移動さ
せることにより、調整するためである。
【0019】本例の第1フォーム部材22のトンネル1
4の周方向への移動機構は、ガントリー16に配設され
たガイドレール26に、第1フォーム部材22の裏面側
に突設されたガイド28を、嵌合させ、第1フォーム部
材22を、油圧シリンダー、ジャッキ等の駆動機構(図
示略)を介して移動させることにより行うものである。
【0020】また、第2フォーム部材24のトンネル1
4の前後方向への移動機構は、第1フォーム部材22の
表面側に突設された摺動突起30に、第2フォーム部材
24の裏面側に突設された摺動凹部32を、係止させ、
第2フォーム部材24を、油圧シリンダー、ジャッキ等
の駆動機構(図示略)を介して移動させることにより行
うものである。
【0021】型枠12に、覆工板38を各フォーム1
8,20に移載させるための移載機構34が配設されて
いる。
【0022】本例の移載機構34は、多関節構造とし、
油圧シリンダー、ジャッキ等の駆動機構36を介して、
全方向に移動自在としてある。
【0023】なお、図中38は覆工板、40は型枠16
の伸縮手段である油圧シリンダー、42は走行用クロー
ラー、44は削岩機、46は一次覆工用コンクリート、
48は一次覆工用コンクリート46の注入ノズル、50
は既一次覆工用コンクリート覆工部、52は妻枠、54
は妻止部材、56はエアチューブ、58は覆工板38間
に介入させる防水部材、60はトンネル内壁面、62は
トンネル14の切羽面(掘削側前面)を示す。
【0024】本装置を介してトンネル14内に一次覆工
用のコンクリート46を覆工すると同時に、二次覆工用
コンクリートと同等の覆工板38を配設させる覆工方法
を以下に詳述する。
【0025】本例で使用する覆工板38は、表面に化粧
加工が施されたプレキャストコンク板であり、トンネル
14の周方向に5個に分割されている。
【0026】また、覆工板38が二次覆工用コンクリー
トと同等であるとは、従前から使用してきた二次覆工コ
ンクリートと同等素材であり、打設された二次覆工コン
クリート層と同等幅を有するということである。
【0027】また、トンネル内壁面60は、本装置内に
設置された削岩機44あるいは別体の削岩機(図示略)
により略半円形に掘削された表面凹凸形状の内周面であ
り、切羽面62は「直切羽」と呼ばれる垂直面である。
【0028】まず、覆工板38を、移載機構34を介し
て、覆工板38の表面を型枠12の各フォーム18,2
0に当接させて、各フォーム18,20に支持させる。
【0029】この際、移載機構34は型枠12に装着さ
れているため、型枠12とは別に移載装置を用意する必
要がなく、移載装置の設置スペースを確保する必要もな
く、トンネル内を作業スペースとして有効に利用するこ
とができる。
【0030】この際、覆工板38と各フォーム18,2
0との支持は、覆工板38に穿孔されたボルト孔68お
よびボルト孔68に螺合させるボルト70により行う。
【0031】また、覆工板38の移載順序は、型枠12
の下部から上部に向けて順次行うものとし、最初に両側
フォーム20,20の下部に、最後に天端フォーム19
の上部に載置させる。
【0032】次に、各フォーム18,20上に支持させ
た各覆工板38の位置を、各フォーム18,20を構成
する第1フォーム部材22および第2フォーム部材24
を移動させることにより、調整する。
【0033】この際、各覆工板38間には止水効果を奏
する止水材64を介入させることにより、トンネル14
の周方向において、各覆工板38のジョイントの止水を
確実にすることができる。
【0034】本例において、止水材64は、含水状態に
おいて膨張し、各覆工板38のジョイントの止水効率を
向上させることができる水膨張ゴムを採用することが望
ましい。
【0035】次に、型枠12をトンネル12の所定位置
まで移動させる。
【0036】この際、型枠12のトンネル掘削側と反対
側は、覆工板38と共に覆工された既一次覆工用コンク
リート覆工部50と重合させておく必要がある。
【0037】次に、型枠12のトンネル掘削側の妻枠5
2の妻止部材54をトンネル内壁面60側へ伸長させる
と共に、妻止部材54とトンネル14の切羽面62との
間にエアチューブ56を配設させ、エアチューブ56に
エア供給機構(図示略)を介してエアを圧入させ、エア
チューブ56を膨張させる
【0038】このエアチューブ56へのエア圧入、およ
び妻止部材54のトンネル内壁面60側への伸長によ
り、妻止部材54の上面がトンネル内壁面60に、エア
チューブ56の前面がトンネル14の切羽面62に、そ
れぞれ密接する。
【0039】この際、妻止部材54のトンネル内壁面6
0の当接部において、妻止部材54を弾性体とすること
により、トンネル内壁面60のひび割れ等の細かいクラ
ックへ妻止部材54を確実に密接させることができる。
【0040】前記工程により、型枠12のトンネル掘削
側周縁を確実に被覆する。
【0041】その後、トンネル内壁面60と、覆工板3
8を支持させた型枠12との間に、一次覆工用コンクリ
ート46を充填させ、養生硬化させる。
【0042】この際、トンネル内壁面60の全周の凹凸
に対応させて各部位毎に妻止部材54が確実に密接され
るため、非常に高価な一次覆工用コンクリート46の漏
出を防止することができる。
【0043】また、一次覆工用コンクリート46の充填
は、型枠16の下部、上部へと順次行う。
【0044】また、一次覆工用コンクリート46の養生
硬化後、エアチューブ56のエアを放出させると共に、
型枠12をトンネル内壁面60側から油圧シリンダー4
0を介して縮短させる。
【0045】前記工程により、型枠12のトンネル掘削
側周縁の被覆を解除する。
【0046】この養生硬化した一次覆工用コンクリート
46の固着力により、覆工板38が一次覆工用コンクリ
ート46の表面に固着される。
【0047】このように、トンネル掘削作業に対応させ
て、順次一次覆工用コンクリート46の充填、養生硬化
と共に、覆工板38を配設させることにより、トンネル
14内にトンネル永久覆工体を構築することができる。
【0048】この際、トンネル内壁面60に覆工板38
を一次覆工用コンクリート46を介して固着させるた
め、従前行っていた支保工建込み作業が不要となる。
【0049】また、覆工板38の表面には化粧加工が施
されているため、二次覆工作業後に必要に応じて行って
いた化粧板の配設作業が不要となる。
【0050】また、トンネル14の前後方向における各
覆工板38の接合部に空隙が生じた場合には、図5に示
すように、ゴム、ウレタン等の弾性素材からなる防水部
材58、あるいは前記止水材64を空隙に介入させ、ト
ンネル内壁面60からの湧水が型枠12内に浸入するの
を防止すると共に、一次覆工用コンクリート46の覆工
精度を向上させることができる。
【0051】また、図7〜図11に覆工板38の別の例
が示してある。
【0052】本例の覆工板38は裏面側に排水溝72が
縦横方向に数個ずつ穿孔されたものであり、図11に示
すAおよびB部分には、図9に示す覆工板38を、図1
1に示すC部分には、図10に示す覆工板38を、使用
する。
【0053】本例に係る覆工板38を配設させる場合、
覆工板38の排水溝72に予め、合成繊維、植物(ヤ
シ)繊維等で形成された排水材74を装着させた後、ト
ンネル内壁面60と覆工板38との間に一次覆工用コン
クリート46を充填し、養生硬化させ、一次覆工用コン
クリート46の固着力により覆工板38を配設させて、
トンネル14内にトンネル永久覆工体を構築する。
【0054】この際、覆工された一次覆工用コンクリー
ト46と、覆工板38との間に排水材74が介入された
状態となり、一次覆工用コンクリート46内部で発生す
る余剰水分、トンネル内壁面60側からの湧水、等を排
水材74により、トンネル14外部に排出させることが
でき、湧水等によるトンネル14の強度低下、損傷等を
回避することができる。
【0055】なお、図8中、65はトンネル14の床面
に配設された排水溝、66は中央排水溝を示す。
【0056】また、本例において、トンネル14の強度
向上のためのロックボルトの打込み、締込み作業を開示
してないが、トンネル14の強度が弱い場合にはこの作
業が必要となることは自明のことである。
【0057】また、型枠12は伸縮、折畳み自在のもの
であるが、必ずしも、伸縮折畳み自在のものに限定され
ることはない。
【0058】また、覆工板38は周方向に対して5個に
分割して配設させてあるが、その個数は5個に限定され
るものではなく、また型枠16の全周に対応する1個の
ものとすることは自由である。
【0059】また、妻止工程において、エアチューブ5
6を補助的に使用しているが、省略することは自由であ
る。
【0060】また、覆工板38の移載において、型枠1
2に装着した移載機構34により行っているが、型枠1
2と別体のクレーン等の移載装置により行うことは自明
のことである。
【0061】また、各フォーム18,20は、移動自在
の第1フォーム部材22および第2フォーム部材24に
より構成してあるが、各フォーム18,20および覆工
板38の精度が高いものであれば、各フォーム18,2
0を第1フォーム部材22および第2フォーム部材24
により構成する必要はない。
【0062】また、覆工板38は、表面に化粧加工が施
されたプレキャストコンクリート板であるが、化粧加工
を省くこと、あるいは現場にてその都度成形して使用す
ることは自由である。
【0063】また、切羽面62は直切羽であるが、傾斜
面となる斜切羽に本装置を使用する場合には、型枠12
を斜切羽面と対応させて傾斜させることが必要である。
【0064】また、本例は略半円形のトンネル等の覆工
におけるものであるが、円形のトンネル、例えば海中ト
ンネル、下水道等にも利用できる。
【0065】
【発明の効果】本発明に係るトンネル覆工方法およびそ
の装置並びにトンネル永久覆工体によれば、二次覆工用
コンクリートと同等の覆工板を、覆工板の表面を型枠の
各フォームに当接させて支持させた後、トンネル内壁面
と型枠との間に、一次覆工用コンクリートを充填し、養
生硬化後、型枠を脱型させることにより、一次覆工用コ
ンクリートの表面に、覆工板を配設させるため、従来の
一次覆工用コンクリートの吹付けによる吹付ロスが皆無
となり、またコンクリートの吹付ロスによる粉塵で作業
環境を害することがなく、容易、かつ確実にトンネル掘
削面に一次覆工用コンクリートを覆工すると共に、二次
覆工コンクリートと同等の覆工板を配設することができ
る。
【0066】また、一次覆工用コンクリートを介して二
次覆工コンクリートと同等の覆工板を配設するため、従
前行っていた支保工建込み作業、二次覆工作業を皆無と
し、作業工程数および作業時間を激減させることができ
る。
【0067】また、覆工板の型枠上への移載を、型枠に
内装させた移載機構により行うことにより、型枠とは別
に移載装置を用意する必要がなく、移載装置の設置スペ
ースを確保する必要もなく、トンネル内を作業スペース
として有効に利用することができる。
【0068】また、型枠の各フォームをトンネルの周方
向および前後方向に移動自在とすることにより、覆工板
を各フォームに載置、支持させた際、位置調整を容易に
行うことができる。
【0069】また、覆工板を、表面に化粧加工を施した
プレキャストコンクリート板とすることにより、二次覆
工作業後に必要に応じて行っていた化粧板の配設作業を
省略することができ、覆工作業の工期を大幅に短縮する
ことができる。
【0070】また、覆工板の裏面に排水溝を施し、この
排水溝内に排水材を装着させることにより、覆工後、一
次覆工用コンクリートと覆工板との間に排水材が介入さ
れた状態となり、一次覆工用コンクリート内部で発生す
る余剰水分、トンネル内壁面側からの湧水、等を排水材
により、トンネル外部に排出させることができ、湧水等
によるトンネルの強度低下、損傷等を回避することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル覆工装置の正面図。
【図2】同、側面図。
【図3】同、平面図。
【図4】各フォームの移動機構を示す拡大正面図。
【図5】防水部材を示す拡大正面図。
【図6】本発明に係るトンネル覆工装置の要部拡大側面
図。
【図7】覆工板の別の例を示す側面図。
【図8】同、使用状態を示す略線斜視図。
【図9】同、正面図。
【図10】同、正面図。
【図11】同、覆工板のトンネル周面の配設位置を示す
略線正面図。
【図12】従来技術を示す側面図。
【図13】同、正面図。
【図14】別の従来技術を例示す側面図。
【図15】同、正面図。
【符号の説明】
12 型枠 14 トンネル 16 ガントリー 18 天端フォーム 20 側フォーム 22 第1フォーム部材 24 第2フォーム部材 34 移載機構 38 覆工板 46 一次覆工用コンクリート 58 防水部材 60 トンネル内壁面 72 排水溝 74 排水材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 光政 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 北川 勉 岐阜県本巣郡真正町十四条144番地 岐阜 工業株式会社内 (72)発明者 稲川 雪久 岐阜県本巣郡真正町十四条144番地 岐阜 工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガントリー(16)上に、天端フォーム(18)
    および両側フォーム(20),(20)を配設させてなる型枠(1
    2)を介して、トンネル(14)内に覆工用のコンクリート(4
    8)を打設する方法において、 二次覆工用コンクリートと同等の覆工板(38)を、覆工板
    (38)の表面を型枠(12)の各フォーム(18),(20)に当接さ
    せて支持させた後、トンネル内壁面(60)と型枠(12)との
    間に、一次覆工用コンクリート(48)を充填し、養生硬化
    後、型枠(12)を脱型させることにより、一次覆工用コン
    クリート(48)の表面に、覆工板(38)を配設させることを
    特徴とするトンネル覆工方法。
  2. 【請求項2】 覆工板(38)の型枠(12)の各フォーム(1
    8),(20)への支持を、型枠(12)に装着した全方向移動自
    在の移載機構(34)を介して、覆工板(38)を各フォーム(1
    8),(20)上に移載させた後、覆工板(38)を各フォーム(1
    8),(20)に固着させることにより行うことを特徴とする
    請求項1記載のトンネル覆工方法。
  3. 【請求項3】 各フォーム(18),(20)を、ガントリー(1
    6)上に、トンネル(14)の周方向に移動自在に配設させた
    第1フォーム部材(22)と、この第1フォーム部材(22)上
    に、トンネル(14)の前後方向に移動自在に配設させた第
    2フォーム部材(24)と、により構成し、 覆工板(38)を各フォーム(18),(20)に支持させた後、各
    覆工板(38)の位置を、第1フォーム部材(22)および第2
    フォーム部材(24)を移動させることにより、調整するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のトンネル
    覆工方法。
  4. 【請求項4】 型枠(12)の各フォーム(18),(20)に支持
    させた各覆工板(38)間に防水部材(58)を介入させること
    により、トンネル内壁面(60)からの湧水の型枠(12)内へ
    の浸入を防止することを特徴とする請求項1、請求項2
    または請求項3記載のトンネル覆工方法。
  5. 【請求項5】 覆工板(38)が、表面に化粧加工が施され
    たプレキャストコンクリート板である請求項1、請求項
    2、請求項3または請求項4記載のトンネル覆工方法。
  6. 【請求項6】 覆工板(38)の裏面に排水溝(72)を施し、
    この排水溝(72)内に排水材(74)を装填させることによ
    り、 打設した一次覆工用コンクリート(48)と、覆工板(38)と
    の間の排水を行うことを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4または請求項5記載のトンネル
    覆工方法。
  7. 【請求項7】 ガントリー(16)上に、天端フォーム(18)
    および両側フォーム(20),(20)を配設させてなる型枠(1
    2)を介して、トンネル(14)内に覆工用のコンクリート(4
    6)を打設する装置において、 型枠(12)の各フォーム(18),(20)上に、二次覆工用コン
    クリートと同等の覆工板(38)を、覆工板(38)の表面を型
    枠(12)に当接させて支持させた後、トンネル内壁面(60)
    と型枠(12)との間に、一次覆工用コンクリート(46)を充
    填し、養生硬化後、型枠(12)を脱型させることにより、
    一次覆工用コンクリート(46)の表面に覆工板(38)を配設
    させることを特徴とするトンネル覆工装置。
  8. 【請求項8】 覆工板(38)の型枠(12)の各フォーム(1
    8),(20)への支持を、型枠(12)に装着した全方向移動自
    在の移載機構(34)を介して、覆工板(38)を各フォーム(1
    8),(20)上に移載させた後、覆工板(38)を各フォーム(1
    8),(20)に固着させることにより行うことを特徴とする
    請求項7記載のトンネル覆工装置。
  9. 【請求項9】 各フォーム(18),(20)を、ガントリー(1
    6)上に、トンネル(14)の周方向に移動自在に配設させた
    第1フォーム部材(22)と、この第1フォーム部材(22)上
    に、トンネル(14)の前後方向に移動自在に配設させた第
    2フォーム部材(24)と、により構成し、 覆工板(38)を各フォーム(18),(20)に支持させた後、各
    覆工板(38)の位置を、第1フォーム部材(22)および第2
    フォーム部材(24)を移動させることにより、調整するこ
    とを特徴とする請求項7または請求項8記載のトンネル
    覆工装置。
  10. 【請求項10】 型枠(12)の各フォーム(18),(20)に支
    持させた各覆工板(38)間に防水部材(58)を介入させるこ
    とにより、トンネル内壁面(60)からの湧水の型枠(12)内
    への浸入を防止することを特徴とする請求項7、請求項
    8または請求項9記載のトンネル覆工装置。
  11. 【請求項11】 覆工板(38)が、表面に化粧加工が施さ
    れたプレキャストコンクリート板である請求項7、請求
    項8、請求項9または請求項10記載のトンネル覆工装
    置。
  12. 【請求項12】 覆工板(38)の裏面に排水溝(72)を施
    し、この排水溝(72)内に排水材(74)を装填させることに
    より、 打設した一次覆工用コンクリート(48)と、覆工板(38)と
    の間の排水を行うことを特徴とする請求項7、請求項
    8、請求項9、請求項10または請求項11記載のトン
    ネル覆工装置。
  13. 【請求項13】 二次覆工用コンクリートと同等であ
    り、表面に化粧加工が施されると共に、裏面に排水溝(7
    2)が施され、この排水溝(72)内に排水材(74)を装填させ
    てなる覆工板(38)を、トンネル内壁面(60)に、裏面側を
    対向させて配設させ、一次覆工用コンクリート(48)を充
    填させて構築することを特徴とするトンネル永久覆工
    体。
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