JPH1159594A - 振動強制による失速抑制機能を持つエアフォイル - Google Patents

振動強制による失速抑制機能を持つエアフォイル

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JPH1159594A
JPH1159594A JP10177732A JP17773298A JPH1159594A JP H1159594 A JPH1159594 A JP H1159594A JP 10177732 A JP10177732 A JP 10177732A JP 17773298 A JP17773298 A JP 17773298A JP H1159594 A JPH1159594 A JP H1159594A
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airfoil
leading edge
fluid
forcing
chord
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Israel Wygnansky
ウィグナンスキー イスラエル
David Greenblatt
グリーンブラット デビッド
Avi Seifert
セイフェート アビ
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Ramot at Tel Aviv University Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転翼航空機用途において、エアフォイルの
失速抑制を図る。 【解決手段】 エアフォイル上の少なくとも一ヶ所から
流体を流すことによってエアフォイルの失速を抑制する
方法。その位置は、エアフォイル上のどこであってもよ
いが、もしその位置がエアフォイル翼弦における前縁か
ら4分の1内にあり、そして流体の流れが非ゼロ純量の
流れであるなら、1を超えるストルーハル比によって表
される周波数で流体の流れを変調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、迎え角が急速に連
続的に変化する回転翼型航空機等に用いるエアフォイル
に関し、特に、失速を抑制するようにデザインされたエ
アフォイルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回転翼型航空機は、主に垂直離着
陸及びホバリング能力があるために、軍事的な用途に
も、また民事的な用途にも広く用いられるようになっ
た。しかし、これらの能力には、比較的に最大飛行速度
(通常150ノット)が低い、操作性に限界がある、回
転翼機構に生じる大きな振動負荷のために維持費が高く
つく、等の深刻な限界が伴っている。これらの限界は、
失速と言う現象に端を発している。失速は、古くからあ
る問題で、流体の遷移、乱流、分離、再合流等のすべて
が、不安定で圧縮可能な三次元環境に拘束される高度に
複雑な現象であり、ヘリコプター回転翼を設計する者に
は大きな問題となっている。このデザイン問題の根源に
は、失速が生じる際の、流体の流れの基本的な仕組みが
完全に理解されていないということがある。このため、
回転翼負荷の予測に深刻な限界があり、回転翼デザイン
の足かせとなっている。
【0003】エアフォイルの失速の主な原因は、前縁の
近くで始まり、拡大し、エアフォイルに沿って下流に移
動する強い渦流にある。このいわゆる失速、すなわち前
縁渦( DSV )は、突然の揚力損失と、抵抗及び縦揺れ
モーメントの急激な増加とを引き起こす(「失速の分析
及び予測の進歩」 L. W. Carr, "Progress in the anal
ysis and prediction of dynamic stall", Journal of
Aircraft, Vol. 25 No. 1, pp. 6-17 (1988) を参照
)。回転翼設計者は、この望ましくない現象を避ける
ために、失速抑制のほとんどすべての研究を、前縁渦を
抑制する、あるいは排除することに向けている。通常、
エアフォイルの形状変更を行う(例えば、前縁スラッ
ト)、あるいは境界層制御( BLC )を用いる(例え
ば、流体を吹き込む、あるいは吸引する)、これらは、
特に渦が生じる前縁領域に応用される。これらの DSV
を抑える試みは、未だ、多くの研究における種々の実験
的な構成に限定されており、軍の、あるいは民間の航空
機産業では行われていない。
【0004】失速渦の影響を排除あるいは緩和しようと
努めるなら、初めに失速渦の発生あるいは発端を研究す
べきことは当然であり、今日まで例外なく、渦を抑制す
るすべての試みは、その発生の研究に集中している。な
ぜなら、「・・・前縁から去った後にこの活動的な構造
を操るのに有効な手段を考案することは難しい・・・」
(「縦揺れエアフォイルの前縁及び後縁の調査」 C. S
hih, L. M. Lourenco and A. Krothapalli, "Invest
igation of flow at the leading and trailing edges
of a pitching-up airfoil", AIAA Journal, Vol. 33,
No. 8, pp.1369-1376 (1995) を参照)からである。
次に種々の失速抑制技術を簡単に振り返る。
【0005】K.L.マッククラウド3世( McCloud I
II )、L.P.ホール( Hall )及びJ.A.ブレイ
ディー( Brady )氏らは、ヘリコプター回転翼の境界
層制御( BLC )を最初に試みた人々である(「ヘリコ
プター回転翼に対する吹出し境界層制御の全面的な風洞
実験」 "Full-scale wind tunnel tests of blowingbou
ndary layer control applied to helicopter rotor",
NASA TN D-335I, 1960 を参照)。ブローイングを前縁
ノズルから行って実物大の回転翼に対して実験を行い、
後退羽根の失速に遅れを観察した。また、 BLC を後退
羽根にだけ適用する周期的なブローイングを提案した。
水トンネルの研究において、マカリスター( McAlister
)氏( Carr, 1988 を参照)は、前縁渦が運動量係数
Cμ=6%に対してかなり緩和され、 Cμ=45%にお
いて抑制されることを、流れを視覚化することによって
確かめた。G.A.アディングトン( Addington )、
S.J.シュレック( Schreck )及びM.W.ルトゲ
ス( Luttges )氏らは、ランプ形の運動状態にあるエ
アフォイルの失速を抑制する試みで上面前縁に吸引を適
用した(「多孔性の吸引面を持つ翼の静的な、そして動
的な流れ場の発達」 "Static and dynamic flow field
development about a porous suction surfacewing", A
IAA-92-2628-CP, 1992 を参照)。失速がピッチ率α+
< 0.05に対して抑制された。遷移域の影響を数量化
する試みにおいて、グリーン及びギルブライス( Gilbr
aith )氏らは、ランプ形縦揺れ運動にあるエアフォイ
ルの失速に対する、前縁緩和板の影響を研究した(「前
縁の摩擦による失速の研究」 "An investigation of dy
namic stall through the application of leading edg
e roughness", Paper No 137, 18th European Rotorcra
ft Forum, Avignon, France 1992 を参照)。上面圧力
分布に対する重要な影響が観察されたが、空力的な影響
の量的な改善については報告されていない。振動性の縦
揺れにあるエアフォイルの上面に「空気パルス」を0.
2cでスロットから送出する研究が、M.W.ルトゲ
ス、M.C.ロビンソン及びD.A.ケネディーらによ
って行われた(「エアフォイル上の不安定な分離流構成
の制御」 "Control of unsteady separated flow struc
tures on airfoils", AIAA-85-0531, AIAA Shear Flow
Control Conference, 1985 )。流れの視覚化による研
究から、強制ストルーハル数(Strouhal number) F+ が
0.25を超えるときに「エアフォイル表面における密
着流の増強」が観察された。さらに、これらの条件の下
では、空気パルスによって「渦形成の進行」が生じた。
【0006】L.W.カー( Carr )及びK.W.マカ
リスター(「振動するエアフォイルの失速に対する前縁
スラットの影響」 "The effect of a leading-edge sla
t onthe dynamic stall of an oscillating airfoil",
AIAA Paper 83-2533, AIAA/AHS Aircraft Design Syste
m and Operations Meeting, 1983 を参照)氏らは、失
速環境における、前縁スラットを持つエアフォイルを研
究した最初の人々で、揚力及び縦揺れモーメント特性へ
の DSV 特有の影響が除去されることを確認した。C.
タン( Tung )、K.W.マカリスター及びC.M.ワ
ン( Wang )(「多要素エアフォイルの失速の研究」 "
dynamics stall study of a multi-element airfoil",
18th European Rotorcraft Forum, Avignon, France, S
eptember15-18, 1992 を参照)氏らは、水トンネルの実
験を行い、失速抑圧装置としての前縁スラットの有効性
を確認した。しかし、通常飛行を行う回転翼の構成に細
長い薄板を付加することは、構造的な完全性を損なう危
険があるということが指摘されている。P.フレイムス
( Freymuth )、S.ジャクソン及びW.バンク(「失
速がない動的な分離に向けて」 "Toward dynamic separ
ation without dynamic stall", Experiments in Fluid
s, Vol. 7, pp. 187-196 (1989) を参照)氏らは、回転
円筒ノーズを持つ、縦に揺れる楔形エアフォイルを、流
れを視覚化することによって研究し、前縁渦がない分離
剪断層を確認した。Y.H.ユー(Yu )、S.リー(
Lee )、K.W.マカリスター、C.タン及びC.ワン
グ(「高度回転翼航空機の失速抑制」 "Dynamic stall
control for advanced rotorcraft lo application", A
IAA Journal, Vol. 33 No. 2, pp. 289-295(1995)を参
照)氏らは、折り曲げ前縁の概念を研究し、流れが、渦
を生じないで「・・・前縁の周りを容易に通過できる・
・・」と、報告している。折り曲げがないものと比較し
た場合、揚力ヒステリシスが減少し、抵抗係数 CD 及び
大きな負のモーメント係数 CM における特有な増加がお
よそ40%減少する、と主張している。また、「前縁の
可変折り曲げ」の概念も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに試
された失速抑制方法のすべては、満足できるものではな
い。このため、周知の方法よりも、特に、回転翼航空機
用途において、エアフォイルの失速抑制のより適当な方
法が求められており、そのような方法を達成することは
非常に有利である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、間に翼弦を区
画形成する前縁と後縁とを持つエアフォイルの失速を抑
制するための方法を提供する。この方法は、次の内容か
らなるステップを含む。(a)翼弦における前縁からお
よそ4分の1内の、エアフォイル上の少なくとも一ヶ所
を通って流体を流し、もしこの流れが非ゼロ純量の流れ
であるなら、この流れを、およそ1を超えるストルーハ
ル比によって表される第一の周波数で変調する。(b)
翼弦における前縁からおよそ4分の1を超える、エアフ
ォイル上の少なくとも一ヶ所を通してこの流体を流す。
【0009】また、本発明は、表面を持ち、媒体を介し
て移動するエアフォイルの失速を抑制する方法を提供す
る。この方法は、エアフォイルの表面上位置に隣接する
媒体中に振動を起こすステップを含む。
【0010】さらに、本発明は、次のものを含む、媒体
を介して移動するためのエアフォイルを提供する。
(a)上面。(b)下面。なお、上面及び下面は、前縁
及び後縁において接し、それらの間に内部を区画形成
し、前縁及び後縁は、それらの間に翼弦を区画形成す
る。(c)次の中から選択する位置に少なくとも一つの
孔。(i)翼弦における前縁からおよそ4分の1を超え
る上面の位置、(ii)翼弦における前縁からおよそ4
分の1を超える下面の位置、(iii)後縁に沿う位
置。(d)上記少なくとも一つの孔を介して媒体と内部
との間で流体を流すメカニズム。
【0011】本発明は、次のものを含む、媒体を介して
移動するためのエアフォイルを提供する。(a)上面。
(b)下面。なお、上面及び下面は、前縁及び後縁にお
いて接し、それらの間に内部を区画形成し、前縁及び後
縁は、それらの間に翼弦を区画形成し、上面及び下面の
各々は、ある形状を持つ。(c)次の少なくとも一ヶ所
に隣接する媒体部分を振動させるメカニズム。(i)上
面の位置、(ii)下面の位置、(iii)前縁に沿う
位置及び(iv)後縁に沿う位置。
【0012】本発明の主要な用途は、空中を飛行する回
転翼航空機であるが、本発明の範囲は、例えば、水等の
他の流体媒体を介して移動するエアフォイルも含む。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、前縁16と後縁18とに
おいて接する上面12と下面14と、それらの間に区画
形成された内部容積20とを含むエアフォイル10の断
面形状を示す。前縁16と後縁18との間がエアフォイ
ル10の翼弦22である。エアフォイル10は、前縁1
6を先頭に後縁18を背後にして、流動媒体24を介し
て移動する。ここでは、エアフォイル10を単一表面を
持つものとして説明するが、この表面は、上面12、下
面14、前縁16及び後縁18を含むものである。上記
の定義は、既知であり、本発明の範囲を定めるためにこ
こに列挙している。
【0014】驚くべきことに、媒体24がエアフォイル
10を通過するときに、エアフォイル10の表面の数個
所、例えば、前縁16、後縁18、翼弦22における前
縁16から4分の1内の上面12の位置26、 翼弦2
2における前縁16から4分の1を越える上面12の位
置28、翼弦22における前縁16から4分の1内にあ
る底面14の位置30、そして翼弦22における前縁1
6から4分の1を越える底面14の位置32において、
媒体24に振動を強制することによってエアフォイル1
0の失速を抑制できることが発見された。この強制振動
は、位置16、18、26、28、30あるいは32に
おける表面12及び14の形状を、振動が得られるよう
に機械的に変えることによって、あるいは位置16、1
8、26、28、30あるいは32において内部20か
ら媒体24へ流体を流すことによって発生させるもので
ある。この流体は、媒体24を構成するものと同じ流体
であっても、あるいはそれとは異なる流体であってもよ
い。もし振動を励起するために用いる流体が媒体24を
構成する流体と同じものであるなら、流体の流れは、内
部20から媒体24へ、そして媒体24から内部20へ
の両方向であってもよく、また、この流れは、純量ゼロ
の流れであっても、あるいはそうでなくともよい。さら
に、上面14あるいは下面16の、翼弦22における前
縁16から4分の1を越える位置、位置28と32等に
おいて、そして後縁18それ自体に沿う位置において、
内部20から媒体24の中へ、あるいは媒体24から内
部20の中へ流体を一定に流すことによって、エアフォ
イル10の失速に対する同様な抑制が得られることが発
見された。本発明が基礎を置く実験結果を下記に示す。
【0015】本発明による振動強制の周波数は、二つの
無次元数、k=πfoc /U∞と定義されるエアフォ
イル振動ストルーハル数kと、強制ストルーハル数、 F
+ =ffc’/ U∞との比によって定義される。この
場合、foはエアフォイル振動の周波数であり、ffは
強制振動の周波数であり、cは翼弦22の長さであり、
c’は振動強制の位置から後縁18までの距離であり、
U∞は媒体24の自由流速である。本発明によれば、非
ゼロ純量の流れによって振動強制を達成する場合は、f
fを、 F+ のkへの比がおよそ1を超えるように選択す
る。この比を「ストルーハル比」と呼ぶ。この非ゼロ純
量の流れによる振動強制は、断続的であってもよいし、
準連続的であってもよいが、どちらの場合でも、ストル
ーハル比がおよそ1を超えるような周波数ffで、流体
の勢いを周波数あるいは振幅において変調する。
【0016】本発明による、前縁16から遠く離れた振
動強制あるいは一定の流体の流れによる失速の抑制は、
直観的なものではない。 DSV が前縁16の近くで発生
するため、前縁16の近くにおいて振動強制あるいは定
常流体放出(ブローイング)を行うことによって、失速
が最も良く抑制可能であると考えられていた。しかし、
下記の実験結果は、そうではないということを示してい
る。ここでは、前縁16から「遠い」位置とは、前縁1
6から翼弦22のおよそ4分の1よりも遠い位置である
と定義する。
【0017】定常ブローイング及び振動強制は、共に、
静的な失速の範囲で、すなわち、およそ10-3 以下の
エアフォイル振動ストルーハル数kで、エアフォイル1
0の迎え角がゆっくりと変化する航空力学的な条件下で
大規模に研究されている。これらの研究では、純量がゼ
ロあるいはゼロでない流れによる振動強制は、静的な失
速を遅らせて揚力を向上することににおいて、伝統的な
定常ブローイングよりも遥かに有効であると、確証的に
示されている(例えば、「振動性ブローイング、境界層
分離を遅らせるための手段」 A. Seifert, T. Bachar,
D. Koss, M. Shepshelovich and I. Wygnanski, "Oscil
latory blowing, a tool to delay boundary layer sep
aration", AIAA Journal, Vol. 33 p. 2052 (1994) を
参照)。現在、理論的に十分な解決がなく、また、これ
らの流れの計算シミュレーションもできていないが、実
験による観察結果によれば、強制による不安定さから、
高運動量の流体の「小包み」を周期的に表面に移送する
約二次元の大きな渦が生じ、再循環領域であった所へ影
響を与える。この不規則な流れの平均速度に応じて、よ
り高い圧力勾配に耐えることが可能な、よく混合された
厚い境界層が生じるようだ。同様に、本発明によれば、
振動強制の方が定常ブローイングよりも好ましい。
【0018】
【実施例】本発明は、これまで周知のものよりも優れた
方法で失速が抑制されるエアフォイルに関する。特に、
本発明は、回転翼型航空機に揚力の増加を提供すること
ができる。本発明によるエアフォイルの原理及び作動に
ついては、図面及びその説明文から理解することができ
る。
【0019】さて、図面を参照する。図2Aから2F
に、媒体24に振動を誘発するための種々のメカニズム
を示す。図2Aから2Cのメカニズムは流体の流れに基
づくもので、図2Cから2Fのメカニズムは機械的なも
のである。
【0020】図2Aは、実施例として、スピーカー3
4、バリヤー36、及び表面12及び14によって囲ま
れたキャビティ内で音響スピーカーが音波を発生するエ
アフォイル10を概略的に示す部分断面図である。この
音波は、上面12の位置28における孔33を介して媒
体24へ伝播する。図2Bは、エアフォイル10の同様
な実施例を示す概略的な部分断面図であり、スピーカー
34の代わりに、バリヤー36’及び38及び表面12
及び14によって囲まれたキャビティ内で音波を発生す
るために圧電素子40が用いられている。図2A及び図
2Bの実施例の両方は、純量ゼロの流れを特徴としてい
る。図 2Cは、実施例として、非ゼロ純量の流れを特
徴とするエアフォイル10を概略的に示す部分断面図で
ある。この実施例においては、ポンプ42がダクト44
を介して孔33から流体を定常流として排出する、ある
いは定期的に噴出する。ポンプ42によって排出される
流体は、エアフォイル10が取り付けられた機体の他の
個所の取り入れ口(図示せず)を介して供給される媒体
24と同じ流体であってもよいし、あるいはタンク(図
示せず)から供給される異なる流体であってもよい。例
えば、もし媒体24が空気であるなら、ポンプ42によ
って排出される流体は、空気であっても、あるいはヘリ
ウムまたは二酸化炭素等の他のガスであってもよい。
【0021】図2Dは、実施例として、上面12の位置
28にヒンジ47を介してプレート46が取り付けたエ
アフォイル10を概略的に示す部分断面図である。プレ
ート46は、プレート46を引くバネ50に対抗してプ
レート46を押す回転カム48によって上下に振動す
る。この振動プレート46のメカニズムは自明であり、
例えば、圧電駆動装置あるいは電磁駆動装置等の、他の
同等なメカニズムを用いることもできる。図2Eは、実
施例として、永久磁石を含むロッド52が、孔33を介
して突出し、ソレノイド54内を流れるAC電流によっ
て孔33内を上下に振動されるエアフォイル10を概略
的に示す部分断面図である。図2D及び図2Eの両実施
例は能動的である。図2Fは、実施例として、媒体24
に振動を誘発するメカニズムが受動的であるエアフォイ
ル10を概略的に示す断面図である。この実施例では、
孔33内に風車56が旋回可能に取り付けられている。
風車56を通過する媒体24の流れが風車56を回転
し、媒体24に生じる反動力によって媒体24に振動が
発生する。同様に、能動的な実施例として、風車56を
モーターによって回転することも可能である。
【0022】
【実験】すべての失速実験は、365mm NACA 001
5エアフォイル(概略的な断面形状を図3に示す)を用
いて行った。エアフォイル10’に、36の圧力タップ
(図示せず)を備え、翼弦の75%の位置に軸62を配
置してフラップ60を組み込んだ。フラップ角(δf )
は、−10°から30°の範囲で偏向可能であった。エ
アフォイル10’の本体は本質的に中空で、内部20が
プレナムチェンバとして機能した。強制及びブローイン
グのために、二つのスロットを独立させて、前縁に1m
mのスロット64を、そしてフラップの肩に1.5mm
のスロット66を用いた(決して同時には用いない)。
使用しないスロットは、内部的に、あるいはエアフォイ
ル表面上にテープを用いて閉じた。
【0023】すべての動圧測定は、 PS 4000マルチ
チャネルアレイ圧力変換器( AA Lab Systems )を用い
て行った。各圧力タップと圧力変換器との間を繋ぐ管の
有限長に起因する振幅減衰及び位相ずれに対して、圧力
変換器を較正した。圧力変換器の1000 Hz の最大周
波数は、予期していた最大強制周波数の二倍以上であ
り、ナイキスト基準を満たすものであった。各変換器
は、±100mm H2O の最大振幅を持ち、このこと
が、本構成に対する実験を、レイノルズ数 Re ≦0.3
x106 に制限した。すべての圧力データをデジタル化
し、メモリ・アクセスを介して直接的にパーソナルコン
ピュータに移送することで、リアル・タイムの表示及び
入力を可能にした。
【0024】R.A.ピジアリ( R. A. Piziali )氏
によって開発されたピッチ・ドライブ・システム(「失
速を含む広範囲の迎え角に対する2D及び3D振動翼航
空力学」 "2-D and 3-D oscillating wing aerodynamic
s for a range of angles ofattack including stall",
NASA Technical Memorandum 4632 (1994) を参照)を
用いて、第二高調波において1%以下の歪みで、1/4
翼弦位置の周りに正弦縦揺れ運動を発生させた。この運
動は、クランク・メカニズムによるもので、このメカニ
ズムは、(振動振幅を設定する調整可能なオフセットが
設けられた)はずみ車及びクランクピンを駆動する可変
速DCモーターからなり、1/4翼弦位置にある軸に取
り付けられたシャフトに、連結ロッドとピッチ・アーム
とが取り付けられている。システムの39°レンジを妨
げないで、振動中に同時強制入力が可能なよう注意をは
らった。振動振幅は、クランク・ピンのオフセットによ
り最大±5°に調節可能であった。瞬間入射角を確かめ
るためにエンコーダ・シグナルをシャフトに取り付け、
その信号を圧力データと共に、 DMA を介してPCへ転
送した。
【0025】エアフォイルのプレナムチェンバ20に接
続した回転バルブ及び小さな遠心送風機(ブロワ)を用
いて強制を加えた。このバルブは「T」タイプに構成さ
れ、プレナム20がブロワの排出口あるいは注入口へと
開放するため、純量ゼロの流れを持つ振動性ブローイン
グ吸引作用を生じる。振動の主要な周波数及び振幅は各
々バルブ及びブロワの回転速度によって決まるため、各
回転速度を、各々独立させてコンピュータによって制御
し、モニターした。スロット出口64及び66に発生し
た噴流の熱線較正を、層流のコア領域内における、エア
フォイル10のスパンに沿った複数の位置において行っ
た。この較正を、運動量係数 Cμ= (2h/c )(URMS/U∞)
2 を決定するために用いた。この場合、hはスロット出
口64あるいは66の幅であり、 URMS はスロット出口
64あるいは66における速度変動である。システムの
特性及び精度の詳細については、(「振動性ブローイン
グ、境界層分離を遅らせるための手段」 A. Seifert,
T. Bachar, T. Koss, M. Shepshelovich and I. Wygnan
ski, "Oscillatory blowing, a tool to delay boundar
y layer separation", AIAA Journal, Vol. 31 No. 11,
pp. 2052-2060 (1993) を参照)。
【0026】(i)上記の構成で得られた初期の動的デ
ータは、比較的に少量の運動量強制入力、 Cμで、必須
の空力的な数量に対する劇的な効果が得られることを示
した。従って、次の手法で詳細に変数を調べた。
【0027】(a)図4を参照する。特定のレイノルズ
数においてエアフォイル10’の静的失速角(αs )を
決定した。
【0028】(b)平均エアフォイル振動角をαs −5
°に設定し、典型的なエアフォイル振動ストルーハル数
に対応する周波数k及び ±5°の入射角エクスカーシ
ョン(システム最大)において振動した。
【0029】(c)失速前のモーメント係数のエクスカ
ーション、すなわち、 EPS = CM(最大) − CM (最
小)を記録し、任意に小さな許容値εをエクスカーショ
ンに加え、最大許容エクスカーション、EA =(1+
ε) EPS を定義した。
【0030】(d)同じエクスカーション(±5°)を
持つ平均入射角を失速後のモードへと増加した。
【0031】(e)異なる周波数及び振幅において強制
を、また定常ブローイングを行うことによって、同時に
条件E≦ EA を維持しながら、特定の周期に対して可能
な限りの最大揚力係数 CL (最大)の達成を試みた。エ
アフォイル振動周期内における強制振幅、すなわち Cμ
を変える試みはなかった。
【0032】この方法を表す図4には、強制あるいはブ
ローイングなしで、平均入射角を6°増加することの効
果が示されている。明らかに、より高い CL (最大)が
達成できたが、モーメント・エクスカーションは容認で
きないほど大きい。上記の方法は、許容可能な範囲にモ
ーメント・エクスカーションを抑えながら、同時に、CL
(最大)を維持あるいは増加することを目的としてい
る。
【0033】ここに示すすべてのデータに対して、ε=
0.2を選択した。この選択は任意であり、これよりも
小さな、あるいは僅かに大きな値の選択によって、この
研究の全体的な結論に影響が現れるものではない。
【0034】この研究に関しては、(O(104)の可
能な組合せをもたらす)多数のパラメータが存在するの
で、より重要度が低い変数の排除が必要であった。しか
し、データの一貫性を保つために、この研究の本質から
除いたデータについても無作為にチェックを行ってい
る。パラメータ排除に用いたルールは、通常の回転翼先
端の動的な条件に可能な限り類似する数量を一定に維持
するためのものであった。次に、強制、ブローイング、
異なる形状等の効果を調べた。従って、 Re 、k及びΔ
αの値を、 Re 〜106 、k〜0.1、Δα〜±5°に
制限するよう試みた。この研究において、 Re を除い
て、これらの値は達成された。レイノルズ数は、先に説
明した圧力変換器によって、最大0.3x106に制限さ
れた。したがって、パラメータは、強制ストルーハル数
F+ (〜0.6から3.0まで)、 RMSあるいは定常運動
量係数 Cμ(〜0.01%から3%)、フラップ偏向角
δf (−10°から20°)、平均入射角α(5°から
18°)であり、そして前縁あるいは後縁における強制
あるいはブローイングの可能性があった。したがって、
可能な組合せ数はO(104)からO(103)まで減少
した。
【0035】図5Aから5C を参照して、縦揺れ振動に
あるエアフォイルの前縁定常ブローイング及び振動強制
の効果を考察する。これらの図は、δf = 0°におけ
る翼弦長及び入射角(α=13+5sinωt )の関数と
して、エアフォイル10’の上面12の瞬間的な(相平
均ではない)圧力分布を表わす。図5Aは基本的な圧力
分布(すなわち、ブローイングあるいは強制がない)を
表し、図5B及び5Cは、各々、定常ブローイング及び
振動強制の場合の圧力分布を表わす。基本的なケースに
おいては、前縁渦がおよそ18°において発生し、 DSV
は、エアフォイル10’に沿って移動しながら衰え
る。このことは、18°から8°の間のダウン・ストロ
ーク中の、暗色が付いた、ほぼ一定な圧力から分かる。
アップ・ストロークになると、圧力は回復し始める。予
期に反して、小さな定常運動量入力は、エアフォイル性
能に悲惨な影響を与える以外の何ものでもなかった。こ
の場合、エアフォイル10’が18°に到達する前に、
流れは前縁から完全に分離し、全表面12からの大きな
分離層となり、ダウン・ストローク中、その状態が続
く。エアフォイル10’が8°から上方に縦揺れを始め
ると、圧力は回復し始める。上記に対照的に、 F+ =
0.6の強制及び同一の Cμでは、有意義な渦形成は全
くない。このことは、18°を越える前縁圧から明らか
である。前縁圧は、エアフォイルの揺れが落ち着くとき
に、ゆっくりと減少し始める。同時に、基本的なケース
に見られる分離領域は明らかに減少する。このことは D
SV のかなりの減弱を暗示する。
【0036】図6Aから6Dは、図5Aから5C に同様
なシナリオを示すが、次の違いがある。フラップ60を
20°に偏向し、ブローイング及び強制をフラップの肩
から行い、平均入射角を10°に減し、 F+ =1.4及
び Cμ=0.05%に設定した。この時点で、周期全体
を通じてフラップ角を不変に保持したことに気付くこと
が重要である。これは、フラップ型ヘリコプター回転翼
の使用を促進しないことを意図したためであった。ここ
では、むしろ、動的問題として、アフト負荷の影響をシ
ミュレートする手段としてフラップ型構成を用いた。図
6A に表された基本的なケースは、非フラップの場合
よりも3°低い平均入射角でさえも、アフト負荷が失速
特性に与える劇的な影響をはっきりと示している。ここ
では、前縁16から劇的な様相で失速が起こり、ダウン
・ストローク中、エアフォイル10’を覆う本質的に一
定な圧力領域が存在する。図 6B に示すように、小さ
な運動量入力を行う定常ブローイングの圧力分布に対す
る影響は、ほとんど無視できる程度である。しかし、 F
+ =1.4における同じ運動量入力は、図 6Cに明らか
なように、圧力の劇的な変化を示す。第一に、エアフォ
イル10’が上昇するとき、高い吸引ピークから分かる
ように、最大揚力が明らかに増加する。第二に、前縁失
速の消極的な徴候は、前縁16の近くの、緩やかに減少
する圧力分布から明らかなように、完全に消滅する。失
速を抑える以前の試みから見れば、フラップの肩への強
制によって前縁失速が除去されるという事実は驚異的な
結果である。後縁領域における分離抑圧作用が、エアフ
ォイル10’の周りの循環を良くし、前縁領域における
分離を間接的に抑制すると思われる。フラップに関連し
てよく知られた BLC 方法である定常ブローイングが、
なぜここで重要な効果を示さないのかが疑問である。こ
の答えは、先の運動量入力の10倍の入力による定常ブ
ローイングの影響を示す図 6Dを考慮することで得ら
れる。図 6Dは、強制に相当する結果を達成するため
には、「1桁異なる大きさの」定常運動量入力がさらに
必要であることを示している。
【0037】−10°、0°及び10°のフラップ角に
対しても同様な結果が得られる。しかし、20°のフラ
ップ偏向の場合に、最も大きな揚力値が得られた。さら
に、この構成に対する定常ブローイングの完全なデータ
・セットが記録されたため、詳細な比較が可能である。
0°の場合のフラップ強制を下記に示す。
【0038】上記の、前縁からのブローイング及び強制
の質的な説明を、揚力 CL 、モーメント CM 及び形状抗
力 CDp に対する不可欠な空気力学係数として量的な次
元をとり、これらの量を、基本的な静的なケースと共
に、各々、図7Aから7Cにプロットする。ここでは、
実線がアップ・ストロークを示し、破線がダウン・スト
ロークを示す。図 7A には、最大入射角において失速
が起こる、古典的な揚力ヒステリシスがはっきりと見ら
れる。さらに、境界層へのブローイングの悲惨な影響が
明白である。ここでは、周期を通して、大なり小なり本
質的に流れが上面から切り離される。これとは対照的
に、同じ Cμでの強制は、 CL (最大)の僅かな増加を
見せるが、ほぼ同一のアップ・ストロークを維持し、揚
力ヒステリシスを壊滅させ(周期の大部分に対するこの
現象を反転さえする)、αに対しほとんど直線的な応答
を提供する。この影響は、図7Bに、モーメント係数に
対するヒステリシス・ループとして劇的に現れている。
ここでは、基本的なケースに対するエクスカーション
が、許容限界 EA の外にあることが明らかである。さら
に、図 7B は、それを証明する。ブローイングに対し
ては、実際、モーメント・ストールが、リフト・ストー
ルより以前のおよそ16°において始まり、落下するた
め、許容限界の3倍以上のエクスカーションをもたら
す。さらに、期待通りに、特有の負のモーメントが効率
的に制限されるため、許容可能なエクスカーションにな
る。図7Cの曲線は、期待通り、ブローイングが極度に
有害な影響を与えることを示しており、ドラグ・ストー
ルはおよそ15°で始まる。この周波数における強制
は、形状抗力に対して比較的に小さな影響を持つだけな
ので、全体的な増加は無視できる程度である。強制及び
ブローイングに起因する有効な運動量によって誘発され
た推進力を、形状抗力の計算に考慮していないことに気
付くことが重要である。この影響は、全体的な抗力を測
ることによってのみ埋め合わせができるものである。
【0039】先に論じたフラップの肩へのブローイング
及び強制を行うフラップ型のケースに対する不可欠な空
気力学係数を図8Aから8Cに示す。この場合の第一の
顕著な特徴は、フラップ偏向の直接的な結果として CL
−α勾配が上方に位置を変えたことである。第二に、図
6Aから6Dに示した表面圧に応じて、定常ブローイン
グによって、すべての三つの係数に比較的に小さな影響
が現れる。大規模な分離が観察された前縁の場合とは対
照的に、低い運動量係数でのブローイングは、全体的な
性能に対して僅かに有益な影響があり、 CL における大
きなエクスカーション、そして幾分減少した CM 及び C
Dp エクスカーションをもたらす。しかし、図8Bに示
す許容エクスカーション範囲( EA )から、ブローイン
グによってモーメント・エクスカーションを抑えること
が不可能であることが明らかである。これとは対照的
に、この場合も、強制によって、エクスカーションを許
容可能な限度内に抑制することが可能である。さらに、
二つの点が明らかである。第一に、 CL (最大)がおよ
そ10%増加し、第二に、形状抗力ヒステリシスがかな
り修正され、ダウン・ストローク CDp がアップ・スト
ロークのものよりも少ない。これらの二つの特徴は、運
動量入力が半分であっても、前縁強制よりもフラップ強
制の方に重要な利点が現れることを示すものである。
【0040】ここでは、 CL (最大)、モーメント・エ
クスカーション[ CM (最大) −CM (最小) ]、そ
して時間平均値 CDp だけが重要な量であると主張して
いるのではなく、この変数の研究の主な目的によれば、
これらの量は、全体的なエアフォイル性能を示す最も良
い指標となるものである。失速が三次元の現象であるこ
とは、ピジアリ氏や他の人たちの研究から明らかであ
り、この三次元の影響は、二次元のブローイングあるい
は強制を行った場合にかなり減少したが、強制のない失
速後のケースにおける、特にダウン・ストローク中の、
ヒステリシス・ループにおける僅かな違いから観察され
た。したがって、99%の信頼限界に基づく、前述の集
団平均化された量において2%以下の誤差を許容する本
実験の統計的デザインは、通常、基本的なケースに対し
ては25ループ(宙返り)を、そしてブローイングある
いは強制がある場合には5ループを必要とした(「実験
法への序論」 B. J. Brinkworth, An Introduction To
Experimentation, Second Edition, The English Unive
rsities Press, Ltd., 1973 を参照)。
【0041】図9Aから9Cには、前縁ブローイング及
び強制について先の段落で言及した量が含まれている。
ここで、各データ・ポイントは、 F+ 及び Cμ(あるい
はブローイングの場合は単に Cμ)に依存する、特定の
集団平均化された量を示す。図9Aから9Cは、本質的
に、特定のエアフォイル構成に対する、データの鳥かん
図を提供するものであり、ブローイング及び強制の影響
を明確に評価することを可能にするものである。図5A
から5C及び図7Aから7Cに提示されたデータが、こ
こでは、各々、第三、第二の「ブローイング」及び「 F
+ =0.6」のデータ・ポイントによって表されてい
る。ここで、次のことが重要である。図9Aにおける C
L (最大)データ・ポイントは、それに関連するモーメ
ント・エクスカーションが図9Bの点線以下に落ちる場
合にのみ、有効であると考えられる。図9A及び9B
は、先のデータを分かりやすくしたものであり、 Cμ<
2%における定常ブローイングに対する、エアフォイル
から生じる揚力は、強制のないケースよりも決して有意
義な程に大きくはなく、時々それよりも小さくなること
が分かる。さらに、モーメント・エクスカーションが許
容限界内にないため、いずれのポイントも効力があると
は思えない。揚力及びモーメント・データの両方に現れ
る振動について、繰り返し精度を調べた。さらに、これ
と同じ傾向は、フラップ偏向による前縁ブローイングに
も現れていることを確認した。これは、この範囲におけ
る Cμへの、不安定ではあるが繰り返される依存性を表
すものである。ブローイング率を約 Cμ>3%に増やす
と、定常ブローイングによって CL(最大)及び平均値
形状抗力(図9Cを参照)が劇的に改善し、同時に、モ
ーメント・エクスカーションが抑制される。この観察結
果は、マカリスター氏の流動視覚化データに質的に類似
している( Carr, 1988 を参照)。残りのデータ・ポイ
ントは、種々の F+ 及び Cμに対する強制結果を表わ
す。 CL (最大)データが、常に、非強制及びブローイ
ングによるデータ以上であることが一目瞭然である。さ
らに、対応する最大揚力増加分に対して、モーメント・
エクスカーションの許容値を得ることが重要であり、点
線以下の各モーメント・エクスカーションのデータ・ポ
イントを有効であると考える。モーメント・エクスカー
ションのデータをより注意深く考察するなら、従来の考
えを覆すような現象が明らかになる。ここでは、 Cμの
最適条件あるいは最適範囲も、共鳴振動数も明らかであ
り、このことは、特に、 F+ が低い場合に局所的な最小
最大によって示される表面圧力のリアル・タイムによる
視覚的表示から、これらの決定的な Cμにおいて、表面
の流れが共鳴するということが明らかになった。これ
は、恐らく、静的な強制実験の場合とほとんど同じよう
に、エアフォイル表面上に大規模な移動層が発生するた
めであると思われる(「周期的な刺激によるエアフォイ
ルの失速の遅れ」A. Seifert, A. Darabi and I. Wygna
nski, "Delay of airfoil stall by periodic excitati
on", Journal of Aircraft, Vol. 33 No. 4, pp. 691-6
98 (1996)を参照)。しかし、この研究では、強制によ
って生じる大規模な渦の振幅及び位相速度を測ることは
しなかった。この現象は、動的なケース及び静的なケー
スの直接的なリンクを提供するかもしれないので、将来
的にはこの現象を考察すべきである(例えば、1996
年のサイファート( Seifert )氏らの文献を参照)。
低い F+ においてモーメント・エクスカーションが理不
尽に大きくなった高い Cμにおいては、高周波数におけ
る強制のデータは許容可能な範囲内にあった。したがっ
て、ここで調べた Cμの範囲に対して、許容可能なエク
スカーションを維持可能な単一周波数は存在しない。形
状抗力のグラフ(図9C)は、あらゆる周波数における
強制の方が、任意の Cμでのブローイングよりもはるか
に優れているが、運動量入力が増加すると形状抗力が僅
かに増加することを示している。この抗力増加の影響
は、 F+ が増加すると幾分減弱するようである。もう一
度言うが、ここでは、運動量入力の有効な推進力は明ら
かにされなかった。
【0042】図10Aから10Cは、図6Aから6D及
び図8Aから8Cに表されたフラップ偏向がある場合の
データを、図9Aから9Cのように表すものである。揚
力が全体的にかなり増加していることが、図10Aから
明らかである。ここでは、 CL (最大)増加分を、フラ
ップ偏向がないケースに比較している。強制あるいはブ
ローイングなしでフラップを20°偏向するだけで、お
よそ44%最大揚力が増加するが、モーメント・エクス
カーションが容認できないほど大きくなることに注意が
すべきである。フラップからのブローイングを始める
と、小さな Cμにおける最大値は僅かに減少するが、そ
の後、さらに運動量入力が加えられると単調に増加す
る。定常ブローイングに対応するモーメント・エクスカ
ーションは、Cμの増加にともない次第に減少し、約0.
3% < Cμ<2.0%に対して許容値を達成する。平均
形状抗力も Cμ〜0.3%においてかなり減少し始め
る。フラップの肩への定常ブローイングにおいては、前
縁強制に対して図9Aから9Cにおいて結論づけたもの
と同様な結論が得られるが、ブローイング率が高ければ
失速抑制につながるとは必ずしも言えない。グラフ上の
残りのデータ・ポイントは、異なる周波数における強制
に関するものである。各々第二及び第一の「ブローイン
グ」及び「 F+ =1.4」のデータ・ポイントは、図8
Aから8Cのヒステリシス・ループから抽出したもので
ある。図10A及び10Bに、好ましい現象が見られ
る。すなわち、非常に小さな Cμにおいて、50%を超
える CL (最大)が達成可能であると同時に、モーメン
ト・エクスカーションが抑えられる。これに加え、形状
抗力は、強制がない値の2分の1以下に下がる。モーメ
ント・エクスカーションが維持される Cμの最小値を見
い出すことはしなかったが、ニシュリ( Nishri )氏及
びウイグナンスキ( Wygnanski )氏の詳細な調査
(「流れの分離とその抑制」 "On flow separation and
its control", in Computational Methods in Applied
Science, John Wiley & Sons Ltd., 1996 を参照)が
示すところによれば、 Cμを、恐らく少なくとも1桁の
レベルでさらに減少させることが可能である。ニシュリ
氏及びウイグナンスキ氏は、フラップ構成が双安定性で
あることを示したので、少なくとも静的な条件下では、
分離したフラップ流を付着させて、さらに1桁規模で運
動量入力を減少できる可能性は低い。
【0043】未だに解決されていない疑問は、フラップ
の肩への強制及び前縁強制がδf =0°(すなわち、対
称なエアフォイル)に対してどのように作用するかであ
る。直感的には、そして失速抑制のすべての試みから
は、前縁領域からの抑制が最良の結果をもたらすように
思えるが、図11Aから11Cに示す結果は、全くこれ
とは正反対である。ここでは、空気力学係数は、高 Cμ
−低 F+ のシナリオでプロットされている。ほとんどす
べての Cμと F+ との組合せに対する基本的な傾向は同
じであるので、この具体的なケースを任意に選択した
(次の段落参照)。図11Aは、前縁強制が CL (最
大)を増加し、フラップの肩への強制が、さらに CL
(最大)を増加して、ヒステリシスが本質的に排除され
ることを示している。さらに、前縁強制のケースではそ
うではないが、フラップ強制では、究極的に回転翼航空
機の性能を決定する CL エクスカーションが、基本的な
ケースよりも大きい。図 11Bは、両強制方法による
モーメント・エクスカーションの抑制が可能であるが、
フラップ強制の方がより大きなエクスカーション抑制を
提供することを示している。先のデータの傾向と調和し
て、形状抗力ヒステリシスは、逆になっており( 図1
1C)、強制で達成されるよりもかなり低い平均値を生
じている。
【0044】δf = 0°のケースに対する全体的な比
較を図12A及び12Bに示す。前縁及びフラップの肩
に対する、 F+ 及び CμスペクトルにおけるΔCL (最
大)と平均値 CDp との比較であり、許容可能なモーメ
ント・エクスカーション範囲内にあるデータだけがプロ
ットされている。図12Aから、次のことが明らかであ
る。対称なエアフォイルを用いるという事実にも拘ら
ず、概して、フラップの肩への強制が、揚力を増加する
のにはより有効である。この観察結果は、失速処理に関
する従来の考えの多くを確かに否定するものである。さ
らに、前縁強制は、モーメント・エクスカーションの減
少が周波数及び運動量 RMS 入力に比較的に強く依存す
るという点において、一貫性がないものである。このこ
とは、図12A及び12Bに示された孤立データ・ポイ
ントの数から明らかである。さらに、前縁強制は、低い
Cμにおいて全く効果的がなく、運動量入力に対して揚
力が常に増加するわけではないが、周波数に依存して局
所的な最大値を生じる。他方、フラップ強制の場合は、
揚力及びモーメント・エクスカーションにおける変分
は、考察した全 Cμ範囲に渡って本質的に有効で、 Cμ
に対し単調である。平均形状抗力の比較を含む図12B
は、フラップ強制が、前縁強制よりも効率的に形状抗力
を減らしたことを示している。さらに、 Cμにおける増
加が、前縁強制に対する平均 CDp を増加する傾向にあ
るが、フラップ強制に対する Cμに関しては、この量は
僅かに減少する。この比較を考察すると、 CDp は、エ
アフォイル形状、特に前縁領域の形状に非常に敏感であ
ることに気づく。だから、後縁強制のために前縁スロッ
ト64を(テープで)閉じると、基本形状抗力はほぼ2
倍になった。それにも拘らず、フラップの肩への強制で
は、比較的に低い平均形状抗力が得られる。
【0045】図13A及び13Bは、図12A及び12
Bと同様な比較を示すものであるが、両ケースのフラッ
プ偏向角を20°にしたものである。図13A及び13
Bは、先の図面からの観察結果のすべてを本質的に確証
するもので、すなわち、最大揚力が増加する、フラップ
偏向のケースに対する平均形状抗力の減少が極めて大き
い等、すべての影響が本質的に増大されているのが例外
である。先に述べたように、このフラップ構成は、単に
アフト負荷構成をシミュレートするもので、回転翼航空
機への使用を必ずしも促進しようとするものではなく、
単に、アフト負荷と強制との強力な組合せ効果を示すも
のである。
【0046】本発明は、限られた数の実施例に関して説
明されたが、本発明について多くの変形、改良及び他の
適用が行なわれ得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なエアフォイルの断面形状を示す。
【図2A】音響スピーカーが備えられたエアフォイルの
概略的な部分断面図である。
【図2B】音波を発生する圧電素子が備えられたエアフ
ォイルの概略的な部分断面図である。
【図2C】後縁の近くの孔から流体を放出するポンプが
備えられたエアフォイルの概略的な部分断面図である。
【図2D】可動板が上面に備えられたエアフォイルの概
略的な部分断面図である。
【図2E】振動ロッドが備えられたエアフォイルの概略
的な部分断面図である。
【図2F】風車が備えられたエアフォイルの概略的な部
分断面図である。
【図3】ここに報告する実験で用いられたエアフォイル
の概略的な断面形状である。
【図4A】静的モード及び二つの異なる動的モードにお
ける、図3のエアフォイルの、迎え角に対する CL のグ
ラフである。
【図4B】静的モード及び二つの異なる動的モードにお
ける、図3のエアフォイルの迎え角に対する CM のグラ
フである。
【図5A】図3のエアフォイルの上面の圧力プロット
を、角周波数wの振動周期において、翼弦長と時間tと
の関数として示すものであり、このときの迎え角の角度
は13 + 5sinωt である。
【図5B】エアフォイルの前縁に定常ブローイングを行
った場合の、図5Aに同様なプロットである。
【図5C】エアフォイルの前縁に振動強制を行った場合
の、図5Aに同様なプロットである。
【図6A】図3のエアフォイルの上面の圧力プロット
を、角周波数wの振動周期において、翼弦長と時間tと
の関数として示すものであり、このときの迎え角の角度
は10 + 5sinωt である。
【図6B】エアフォイルのフラップの肩に定常ブローイ
ングを行った場合の、図6Aに同様なプロットである。
【図6C】エアフォイルのフラップの肩に振動強制を行
った場合の、図6Aに同様なプロットである。
【図6D】Cμを一桁増やした場合の、図6Aに同様な
プロットである。
【図7A】ブローイングも強制もない場合、前縁に定常
ブローイングを行った場合、そして前縁に振動強制を行
った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3の
エアフォイルの、迎え角に対する CL のグラフである。
【図7B】ブローイングも強制もない場合、前縁に定常
ブローイングを行った場合、そして前縁に振動強制を行
った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3の
エアフォイルの、迎え角に対する CM のグラフである。
【図7C】ブローイングも強制もない場合、前縁に定常
ブローイングを行った場合、そして前縁に振動強制を行
った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3の
エアフォイルの、迎え角に対する CDp のグラフであ
る。
【図8A】ブローイングも強制もない場合、フラップの
肩に定常ブローイングを行った場合、そしてフラップの
肩に振動強制を行った場合の、静的モード及び動的モー
ドにおける図3のエアフォイルの、迎え角に対する CL
のグラフである。
【図8B】ブローイングも強制もない場合、フラップの
肩に定常ブローイングを行った場合、そしてフラップの
肩に振動強制を行った場合の、静的モード及び動的モー
ドにおける図3のエアフォイルの、迎え角に対する CM
のグラフである。
【図8C】ブローイングも強制もない場合、フラップの
肩に定常ブローイングを行った場合、そしてフラップの
肩に振動強制を行った場合の、静的モード及び動的モー
ドにおける図3のエアフォイルの、迎え角に対する CDp
のグラフである。
【図9A】図3のエアフォイルの前縁への定常ブローイ
ング及び振動強制における、 Cμに対する最大ΔCL の
グラフによる比較である。
【図9B】図3のエアフォイルの前縁への定常ブローイ
ング及び振動強制における、 Cμに対する CM エクスカ
ーション(暴走的可動域)のグラフによる比較である。
【図9C】図3のエアフォイルの前縁への定常ブローイ
ング及び振動強制における、 Cμに対する CDp 平均値
のグラフによる比較である。
【図10A】図3のエアフォイルのフラップの肩への定
常ブローイング及び振動強制における、 Cμに対する最
大ΔCL のグラフによる比較である。
【図10B】図3のエアフォイルのフラップの肩への定
常ブローイング及び振動強制における、 Cμに対する C
M エクスカーションのグラフによる比較である。
【図10C】図3のエアフォイルのフラップの肩への定
常ブローイング及び振動強制における、 Cμに対する C
Dp 平均値のグラフによる比較である。
【図11A】ブローイングも強制もない場合、前縁に振
動強制を行った場合、そしてフラップの肩に振動強制を
行った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3
のエアフォイルの、迎え角に対する CL のグラフであ
る。
【図11B】ブローイングも強制もない場合、前縁に振
動強制を行った場合、そしてフラップの肩に振動強制を
行った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3
のエアフォイルの、迎え角に対する CM のグラフであ
る。
【図11C】ブローイングも強制もない場合、前縁に振
動強制を行った場合、そしてフラップの肩に振動強制を
行った場合の、静的モード及び動的モードにおける図3
のエアフォイルの、迎え角に対する CDp のグラフであ
る。
【図12A】図3のエアフォイルにおいて、フラップ角
が0°の場合の、前縁への、そしてフラップの肩への振
動強制における、 Cμに対する最大ΔCL のグラフによ
る比較である。
【図12B】図3のエアフォイルにおいて、フラップ角
が0°の場合の、前縁への、そしてフラップの肩への振
動強制における、 Cμに対する CDp 平均値のグラフに
よる比較である。
【図13A】図3のエアフォイルにおいて、フラップ角
が20°の場合の、前縁への、そしてフラップの肩への
振動強制における、 Cμに対する最大ΔCL のグラフに
よる比較である。
【図13B】図3のエアフォイルにおいて、フラップ角
が20°の場合の、前縁への、そしてフラップの肩への
振動強制における、 Cμに対する CDp 平均値のグラフ
による比較である。
【符号の説明】
10 エアフォイル 16 前縁 18 後縁 22 翼弦 24 媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デビッド グリーンブラット イスラエル国、ラアナナ、ハグダッドハイ ブリストリート8 (72)発明者 アビ セイフェート イスラエル国、テルアビブ、カシャニスト リート7/6

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々の間に翼弦を区画形成する前縁と後
    縁とを持つエアフォイルの失速を抑制する方法であっ
    て、 (a)前記翼弦における前記前縁からおよそ4分の1以
    内にある、前記エアフォイル上の少なくとも一ヶ所を通
    して流体を流すこと、なお、前記流れが非ゼロ純量の流
    れである場合は、およそ1を超えるストルーハル比で表
    される第一の周波数で前記流れを変調し、 (b)前記翼弦における前記前縁からおよそ4分の1を
    超える位置にある、前記エアフォイル上の少なくとも一
    ヶ所を通して前記流体を流すこと、の中から選択するス
    テップからなる方法。
  2. 【請求項2】 前記流体がガスである請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ガスが空気である請求項2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記翼弦における前記前縁からおよそ4
    分の1以内にある前記少なくとも一ヶ所を通る前記流体
    の前記流れが振動性を持つ請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記翼弦における前記前縁からおよそ4
    分の1を超える位置にある前記少なくとも一ヶ所を通る
    前記流体の前記流れが定常である請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記翼弦における前記前縁からおよそ4
    分の1を超える位置にある前記少なくとも一ヶ所を通る
    前記流体の前記流れが、非ゼロ純量の流れであって、お
    よそ1を超えるストルーハル比によって表される第二の
    周波数で変調させる請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記翼弦における前記前縁からおよそ4
    分の1を超える位置にある前記少なくとも一ヶ所からの
    前記流体の前記流れが振動性を持つ請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 表面を持ち媒体を介して移動するエアフ
    ォイルの失速を抑制する方法であって、前記エアフォイ
    ルの前記表面上の一ヶ所に隣接する前記媒体に振動を起
    こすステップからなる方法。
  9. 【請求項9】 前記振動が、前記少なくとも一ヶ所に位
    置する振動性機械的装置を用いて確立される請求項8に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記振動が、前記少なくとも一ヶ所を
    通して流体を流すことによって確立される請求項8に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記流体がガスである請求項10に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ガスが空気である請求項11に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 媒体を介して移動するエアフォイルで
    あって、 (a)上面と、 (b)下面と、なお、前記上面及び前記下面が前縁及び
    後縁において当接して前記上面及び前記下面の間に内部
    を区画形成し、前記前縁及び前記後縁がそれらの間に翼
    弦区画形成し、 (c)(i)前記上面の、前記翼弦における前記前縁から
    およそ4分の1を越える位置、 (ii)前記下面の、前記翼弦における前記前縁からおよそ
    4分の1を越える位置及び (iii)前記後縁に沿う位置からなるグループから選択さ
    れる位置にある少なくとも一つの孔と、 (d)前記少なくとも一つの孔を介して前記媒体と前記
    内部との間で流体を流すメカニズムとからなるエアフォ
    イル。
  14. 【請求項14】 前記メカニズムが前記流体の振動性の
    流れを起こす請求項13に記載のエアフォイル。
  15. 【請求項15】 前記メカニズムが音響スピーカーを含
    む請求項14に記載のエアフォイル。
  16. 【請求項16】 前記メカニズムが圧電素子を含む請求
    項14に記載のエアフォイル。
  17. 【請求項17】 前記流体がガスである請求項13に記
    載のエアフォイル。
  18. 【請求項18】 前記ガスが空気である請求項13に記
    載のエアフォイル。
  19. 【請求項19】 媒体を介して移動するエアフォイルで
    あって、 (a)上面と、 (b)下面と、なお、前記上面及び前記下面が前縁及び
    後縁において当接して前記上面及び前記下面の間に内部
    を区画形成し、前記前縁及び前記後縁がそれらの間に翼
    弦を区画形成し、前記上面及び前記下面が各々特定の形
    状を持ち、 (c)(i)前記上面における位置、 (ii)前記下面における位置、 (iii)前記前縁に沿う位置及び (iv)前記後縁に沿う位置からなるグループから選択され
    る少なくとも一ヶ所に隣接する、前記媒体の一部分を振
    動するメカニズムとからなるエアフォイル。
  20. 【請求項20】 前記媒体の前記一部分を振動するメカ
    ニズムが、前記上面における位置及び前記下面における
    位置からなるグループから選択される前記少なくとも一
    ヶ所の各々に、前記形状を振動するメカニズムを含む請
    求項19に記載のエアフォイル。
  21. 【請求項21】 前記媒体の前記一部分を振動する前記
    メカニズムが、 (i)前記少なくとも一ヶ所の各々に孔及び (ii)前記少なくとも一つの孔を介して流体を流すメカニ
    ズムを含む請求項19に記載のエアフォイル。
  22. 【請求項22】 前記少なくとも一つの孔を介して前記
    流体を流す前記メカニズムが音響スピーカーを含む請求
    項21に記載のエアフォイル。
  23. 【請求項23】 前記少なくとも一つの孔を介して前記
    流体を流す前記メカニズムが圧電素子を含む請求項21
    に記載のエアフォイル。
  24. 【請求項24】 前記流体がガスである請求項21に記
    載のエアフォイル。
  25. 【請求項25】 前記ガスが空気である請求項21に記
    載のエアフォイル。
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