JPH1157616A - 塗工方法 - Google Patents

塗工方法

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JPH1157616A
JPH1157616A JP23266097A JP23266097A JPH1157616A JP H1157616 A JPH1157616 A JP H1157616A JP 23266097 A JP23266097 A JP 23266097A JP 23266097 A JP23266097 A JP 23266097A JP H1157616 A JPH1157616 A JP H1157616A
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JP
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coating material
coating
present
concrete
water
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JP23266097A
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Masao Kawaguchi
正夫 川口
Hiroshi Nakano
弘 中野
Hiromichi Sakashita
裕道 坂下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート、モルタルに限らず、その他の
鉄鋼等の金属、木材等に適用出来る塗工方法を提供す
る。 【解決手段】 塗装する躯体1の表面に、シリカ質の珪
酸リチウム系水溶液を主成分とする無機質一液性の水性
塗材である下塗材2,高炉水砕スラグを細骨材化処理加
工した粉状物質を主成分とし、複数の無機質系の素材を
上記骨材に添加したものである中塗材3,シリカ質を主
成分とし、官能性側鎖を有するオルガノシロキサン類よ
りなる架橋材と亜鉛、銅、錫、アルミニウム等を含む金
属有機化合物並びにB’’’ハロゲン(TBT)よりな
る硬化触媒とよりなる常温硬化型の一液性の塗装材であ
る上塗材4の内の任意の2つの塗材を2層に或いは3つ
の塗材を3層に或いは中塗材3のみ,上塗材4のみを1
層塗装してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート、モルタ
ル、カーボン、鉄鋼等の金属、木材、グラスファイバ
ー、プラスチック等の劣化を防止し、耐久性、耐汚染性
を増大させる塗工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリートに耐久性、耐汚
染性を増大させる塗工方法として特開平5−96234
号がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれはコンクリ
ート、モルタルにしか適用出来なかった。
【0004】本発明の目的は、コンクリート、モルタル
に限らず、その他の鉄鋼等の金属、木材等に適用出来る
塗工方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、塗装する躯体1の表面に以下の下塗材2,
中塗材3,上塗材4の内の任意の2つの塗材を2層に或
いは3つの塗材を3層に或いは中塗材3のみ,上塗材4
のみを1層塗装してなる塗工方法である。 下塗材2:シリカ質の珪酸リチウム系水溶液を主成分と
する無機質一液性の水性塗材である。 中塗材3:高炉水砕スラグを細骨材化処理加工した粉状
物質を主成分とし、複数の無機質系の素材を上記骨材に
添加したもの、 上塗材4:シリカ質を主成分とし、官能性側鎖を有する
オルガノシロキサン類よりなる架橋材と亜鉛、銅、錫、
アルミニウム等を含む金属有機化合物並びにB’’’ハ
ロゲン(TBT)よりなる硬化触媒とよりなる常温硬化
型の一液性の塗装材である。 即ちこの手段には以下の6つの実施の形態がある。 実施の形態1.塗装する躯体1の表面に上記の下塗材
2,中塗材3を順次塗装する。 実施の形態2.実施の形態1の上に更に上塗材4を順次
塗装する。 実施の形態3.塗装する躯体1の表面に上記の下塗材
2,上塗材4を順次塗装する。 実施の形態4.塗装する躯体1の表面に上記の中塗材3
を塗装する。 実施の形態5.塗装する躯体1の表面に上記の中塗材
3,上塗材4を順次塗装する。 実施の形態6.塗装する躯体1の表面に上記の上塗材4
を塗装する。 なお下塗材2が樹脂系の素材表面或いは有機質系の塗面
に対しては使用することが出来ないので、この場合には
実施の形態4,5,6による。
【0006】
【作用】下塗材2はコンクリート等素材の粗の部分に浸
透し、皮膜を形成せずに微細孔の空隙部分を充満してガ
ラス状の硬質な固形物を形成し、また中塗材3のスラグ
自身の潜在水硬性がセメントとアルカリ結合水と反応
し、この反応の進行によって細骨材の表面にCaO-SiO 2
Al2 O 3 -nH 2 O 等の硬質の水和性物質を生成し、これ
がスラグ粒子の空間を充填する結合材となり、また上塗
材4のシリカ質が架橋材と硬化触媒とによって超硬質状
の架橋造膜となり、セメント、コンクリートを始めとす
る土木建築用、鉄鋼その他の非鉄金属類等多くの素材に
接着するので、セメント、コンクリート、モルタルに限
らず、その他の鉄鋼等の金属、木材、プラスチック等に
適用出来るものである。
【0007】
【実施の形態】図1は本発明の3つの塗材よりなる実施
の形態を示すもので躯体1の表面に以下の下塗材2,中
塗材3,上塗材4を順次塗布するものである。 下塗材2:シリカ質の珪酸リチウム系水溶液を主成分と
する無機質一液性の水性塗材である。 中塗材3:高炉水砕スラグを細骨材化処理加工した粉状
物質を主成分とし、複数の無機質系の素材を上記骨材に
添加したものである。 上塗材4:シリカ質を主成分とし、官能性側鎖を有する
オルガノシロキサン類よりなる架橋材と亜鉛、銅、錫、
アルミニウム等を含む金属有機化合物並びにB’’’ハ
ロゲン(TBT)よりなる硬化触媒とよりなる常温硬化
型の一液性の塗装材である。
【0008】次に本発明における下塗材2を詳細に説明
する。下塗材2は、シリカ質の珪酸リチウム系水溶液を
主成分とする無機質一液性の水性塗材である。塗布して
乾燥すると透明になり、この成分が乾燥して生成した固
形物は極めて硬質で安定性が高く、他の珪酸塩累の乾燥
物が容易に溶解するのに対し、この塗材は水に対し難溶
性を示す。これをコンクリート等の素材に塗工すると、
その粗の部分に浸透し、皮膜を形成せずに微細孔の空隙
部分を充填して行き、ガラス質状の硬質な固形物を形成
して、構造物の表面部分の強度を増大させ、その結果、
素材の劣化を防止する機能も有している。また、皮膜を
形成することなく、素材の表面から内部にかけて段階的
な濃度分布状態になるため、含浸部と未含浸部の間に強
度の不連続な部分が形成しない状態に施工され、素材を
補強する効果を発揮する。この下塗材2は、主として、
現場打放しコンクリート二次製品類、モルタル、ケイカ
ル板、フレキシブルボード、スレート、PC、GRC等
のセメント系の素材に用いるもので、これらの素材表面
を樹脂製品及び有機質系の塗材等で処理された面に対し
ては使用することができないので、この場合は下塗材2
は使用せず、中塗材3又は上塗材4を用いる。これらの
面を修復及び補修改修施工する場合は、表面の塗材を剥
離材と高圧温水の併用又は超音波剥離工法などで完全に
剥離し、下地を修復したのちに施工する。塗布量は、下
地素材の種類及び粗密性などの仕上げ程度により異な
る。このため、下塗材2を塗工する前に素材面の吸込程
度など試験的に実施するなどして、事前に確認する必要
がある。標準工法としての塗布量は100g/m2 で、
施工に際しては、ローラー, 刷毛, 吹付のいずれの方法
でも施工が可能である。乾燥に要する時間は、夏期と冬
期若しくは屋外と屋内とでは乾燥条件が異なり一様では
ないが、標準的には約3時間/20℃である。この下塗
材2を施工する際には、水又は有機溶剤系のシンナーな
どの希釈剤を使用しないで、そのまま使用する。
【0009】下塗材2の原理,性能,内容は以下の通り
である。従来のシリカ系と呼ばれる塗料が、ケイ酸ナト
リウム・カリウム等の水ガラスをバインダーにしてお
り、アルカリを多く含むために、塗膜が炭酸化による白
濁化及び耐水性不足による早期劣化を来し易いのに比
べ、この下塗材2はアルカリ分を減じたケイ酸リチウム
系シリカゾルをベースとしている。この下塗材2は、コ
ンクリート,モルタル,スレート若しくは石材等の表層
部の粗の部分に含浸し、極めて強固なガラス質を形成し
て脆弱又は劣化した部分を強化すると共に、躯体1と中
塗材3又は上塗材4との接着特性を強化する。
【0010】本発明の下塗材2の素材中への充填含浸硬
化モデルは図2の通りである。主成分のバインダーは珪
酸リチウムで、コロイドより小さいポリシリケート(ポ
リシリケートは、粒子がイオンよりは大きいが、コロイ
ドよりは小さい状態のシリカである)として存在してお
り、図2(ロ)示のように下地の微少隙間に含浸してガ
ラス状の非晶質シリカとしてセメント系材料と極めて親
和し強固に固化する。この珪酸リチウムは、セメント系
素材の粗の隙間に充填浸透した後、水分が蒸発し乾燥す
ると、非常に強固なガラス質の固化物を形成する。この
充填浸透作用と接着結合作用によって、素材の含浸層部
(塗装の下地部分)を強化する。また、含浸する少量の
エマルジョンは図2(ロ)示のようにコンクリート類の
細孔径に比べて大きいため表層部に残り、これが躯体1
と中塗材2又は上塗材4との接着を強固にする。この固
化した無機ガラス質の物質は、アモルファス(非晶質)
タイプのシリカを主成分としているため、長期的にはセ
メント系材料素材内部のカルシウム分と反応して、セメ
ントの水和物と同様のカルシウムシリケートを生成する
と考えられている。この反応は、コンクリートの強度を
増す目的で、混和材としてシリカヒュームが用いられる
場合と同様で、ポゾラン反応と呼ばれ、一般式では次の
ように現される。 Ca(OH)2+nSiO2+nH2O → CaO・ n
SiO2・nH2
【0011】下塗材2の主成分で水性無公害型の無機主
材であるシリカゾルバインダーの成分特性及び機能は次
に示す通りである。シリカゾルの粒子は球形で、各粒子
の表面にはSiOH基とOHイオンを擁しており、この
アルカリイオンにより電気二重層が形成されるため、各
粒子間の反発力で安定化している。水分が蒸発して乾燥
してくると、やがてこの反発していた電荷バランスがく
ずれて粒子同志が結合し、極めて安定したシロキサン結
合をつくり、極めて硬く強固に結合した塗膜を形成す
る。この塗膜は、接着性,堅牢性,耐摩耗性,耐熱性な
どに特に優れた性能を発揮し、そのうえ、無機シリカが
有する高い帯電防止機能により、塗膜面に静電気が生じ
ないので、ほこりや汚れを吸着させず、他の有機系塗料
にはみられない極めて突出した耐汚染性能を発揮する。
下塗材2の粒子の形状及び粒子間結合の状態は図3の通
りである。
【0012】造膜時の状態の特筆点は下記の通りであ
る。 増摩性:固体表面に付着する硬いシリカ粒子によって摩
擦計数が増大する。 強固な付着力:REL表層部に対する強固な充填付着力
を発揮する。 結合・硬化:乾燥又は焼結により極めて硬く硬化結合し
たゲルの形成能を有する。 帯電防止性による高い耐汚染性:SiOH基による高い
帯電防止性を有する。 高い含浸充填性:粗又は多孔質素材等の内部に浸透充填
して、空言間を埋め緻密に且つ強固に硬化させ表面を平
滑化する。 樹脂改質補強:構成微粒子等の成分を特殊な均一分散技
術により、樹脂の機械的、光学的及び電気的な改質補強
を行う。 本発明の下塗材2の性能・用途および標準規格,塗装・
保管基準を下表1〜3に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】 *水性塗料のため、蓋を開けたままにしたり、長期保管
したときに、水分が蒸発して粘度が上がり使用できない
場合がある。また、冬期には凍結することがあるので、
凍結しないよう保管には十分注意する。施工前に、あら
かじめ素地の表面に付着した粉分,油分,塵埃その他の
汚れを洗浄除去し、必要により下地の損傷ヶ所を補修ま
たは改修し、素地調整を施したのち、素地面が十分に乾
燥していることを確認してから塗装を開始する。施工条
件は、素地面の含水率が10%以内でPHは10以内で
ある。
【0016】下塗材2は主として次の特徴を有してい
る。 (1)塗料・塗膜 ・安全・無公害,不燃,難燃性 水性無機質塗料であり、石油系の有機溶剤類を一切含有
していないために、人体や生物系などの環境に対しては
無害でほぼ無臭である。また、不燃で引火性及び発火性
はなく全く安全である。 ・接着性能 無機質シリカゾルをベースとしているので、コンクリー
トやモルタル及びサイディング材その他セメント系の素
材とは極めて親和性を有し、素材の隙間に含浸充填し、
強固に接着硬化した強化層を形成する。 ・耐候・耐久性 素材を補強して劣化を防止する
【0017】(2)作業性,施工性 塗料には有機系の溶剤類や成分を何ら含んでいないた
め、無臭・無毒で不燃性で引火や発火など火気を心配す
る必要はなく、作業する人にとってはもちろん、付近の
人や環境に対して安全,無公害である。また、一液性塗
料であり、使用するときにシンナー類又は他の液を加え
て希釈したりする必要はなく、そのまま塗装に供するこ
とができ、現場における粘度調整などの手間は不要とな
り、作業工程を短縮でき、取扱いと管理は極めて簡単便
利で作業性に富んでいる。また、水性で使用後の塗装工
具、作業着、衣類などに付着した場合も水で簡単に洗浄
できる。
【0018】(3)耐汚染性 完全に形成され造膜した塗膜は、静電気等の帯電を防止
する硬化と性能を有し、汚れやほこりが付着しにくいほ
か、付着しても塗膜部分の特筆する機能である自浄作用
によって、雨水や水等で自然に又は簡単に洗い流すこと
ができ、通常の塗料で施工したときに雨水などで洗い流
された後に残る、所謂鼻たれ現象の黒い汚れのすじ跡な
どは残らず、塗装面は美粧性を維持することができる。
また、塗装面は耐酸耐アルカリなどの耐薬品性にすぐ
れ、シンナーなどの有機溶剤に対しても溶解したり剥離
を生起しない。
【0019】(4)通気性 コンクリートやモルタルに代表されるセメント系の土木
建築構造物の表面を塗装する場合に、これらの素材面を
塗膜で全くマスキングしてしまうと、素材の背面などか
ら廻ってくる水分や湿気が蒸発すると、上記はこの塗膜
面によって遮られて逃げ場を失い、次第に蒸気圧を高
め、やがて弱い塗膜部分を膨張させ、さらにこれが進行
して塗膜を破壊し、早晩必ず剥離する現象を生起する。
然るにこの下塗材2で塗装施工した塗膜面は、微細孔を
有する通気性をもった状態に仕上がり、コンクリートな
どの素材内部に発生している蒸気は、これらの微細孔を
通して外部へ排出される。このため、塗装施工面は長期
間を経ても膨れや剥離現象などの生起を未然に防止でき
る。この微細な孔は水蒸気は通すが、外部からの雨水な
どの侵入は防止することができる。
【0020】(5)素材表面部の劣化防止 打放しコンクリートなど、表面及び表層部分に近い内部
に存在する空隙部分に含浸充填し緻密化してガラス状に
強固に硬化させる機能から、これらの脆弱な空隙層や部
分を補強して強度を増大させるほか、劣化の増進を防止
する。
【0021】下塗材2の材料特性を図4乃至図7を参照
して説明する。 ・耐水性 図4は本発明の下塗材2の溶解分を従来のけい酸ナトリ
ウムと比較して示すグラフである。本発明の下塗材2は
特殊けい酸リチウム水溶液を主成分としており、その乾
燥固形物は硬く極めて安定性が高い。他のけい酸塩の乾
燥物が水に容易に溶解するのに対し、水に対して難溶性
を示す。 〔試験方法〕純水100gに乾燥固形物10gを加え、
攪拌しながら経時的に溶解したシリカ(SiO2 )の濃
度を測定した。
【0022】・透水防止性 図5は本発明の下塗材2の透水量を示すグラフである。
下塗材2はコンクリート内に浸透してガラス状硬質固形
物を形成する。但し、皮膜は形成せずに、微細孔の空隙
部分を充填して行くため、硬化後は通気性を有するの
で、水の透過を完全に遮断することはない。 〔試験方法〕 供試体 10φ×20cm コンクリート試験片 W/C = 0.7 供試体の打込面に、下塗材2を400g/m2 量塗布
し、乾燥した後に、30cmの高さに透水管(底面44
cm2 )を立て透水管を測定した。
【0023】・素地強化作用 図6は本発明下塗材2の補強効果を示すグラフである。
この下塗材2は、コンクリート内に浸透してガラス状の
硬質固定物を形成し、含浸部を強化する。しかも、皮膜
は形成せず、表面から内部にかけて段階的な濃度分布状
態となるため、コンクリート素材への含浸部と未含浸部
の間に強度の不連続な部分ができない。また、本発明の
下塗材2は表面硬度を高めるので、耐摩耗性が向上す
る。下表4はテーパー摩耗試験結果を示すものである。
【0024】
【表4】 〔試験方法〕 供試体 1:3 モルタル 条 件 荷重 500g 摩耗輪 H−22
【0025】図7は本発明下塗材2の補強効果の持続性
を示すグラフである。下塗材2の乾燥固形物は、難溶性
であり耐候性に優れている。また完全な無機質であるた
め、有機質系のように紫外線による黄変はせず、汚れは
付着しにくく耐汚染性に優れている。図7はコンクリー
ト外壁面に、下塗材2及びポリマーセメントペーストを
各々塗布したときの引張強度の経時変化を示している。 〔試験方法〕 試験場所: コンクリート外壁面 試験器 : 建研式接着力試験器(治具4×4cm) この結果から、年数の経過に伴い、徐々に強度は低下す
るが、5年経過後においても効果は歴然としている。し
かし、更に長期にわたり効果を持続させるには、施工後
に更に下塗材2又はトップ等の仕上材によって被覆する
ことが望ましい。
【0026】次に本発明における中塗材3を詳細に説明
する。中塗材3は、プレミックスタイプの粉体(主材)
と専用の混和液(副材)とから成る無機水性の塗覆材
で、ガラス質系上塗覆材のCPエース(商品名)と複合
した強化塗膜により、弾性と断熱及び素材の劣化防止と
耐塩害性にも効力を発揮し、高性能化したポリマーセメ
ント質の性質を併せもち、コンクリート系はもとより鉄
その他の金属質をはじめ多くの素材に対し協力に付着
し、施工性能に優れた安全無公害型の塗材である。この
中塗材3は、特殊処理したスラグを骨材とし、これにセ
メントを配合した粉体を主材とし、副材にはカチオン系
の硬化材を分散配合した混和液を用い、粉状体の主材と
液状副材の2種類から成るプレミックス型の塗覆材で、
目的,用途により粉体粒度のサイズその他が異なり、
小,中,大の3種類があり、特長として以下に示すよう
な顕著な特性と性能を持っている。
【0027】(1)主材(粉状) ・高炉水砕スラグを細骨材化処理加工した粉状物質を主
成分として使用している。 ・複数の無機質系の素材を骨材に添加している。 ・高炉水砕スラグは、スラグ自身の潜剤水硬化性でセメ
ントのアルカリ結合によって水と反応し硬化するので、
その組成からセメントの原料として古くから用いられて
いる。この反応の進行によって細骨材の表面にCaO-SiO
2 -Ai203- nH2Oなどの水和性物質が生成し、これがス
ラグ粒子の空間を充填する結合材となる。 ・スラグの潜在水硬性発現により、コンクリート中の遊
離Ca(OH)2 が消費減少し水密性や化学的抵抗性を向上さ
せる。
【0028】一般に、セメント化合物の中で、高炉セメ
ント系は耐海水性が優れていることは定説になってい
る。コンクリートの耐海水性試験の中でも高炉セメント
系が良好な結果を示していることからもよく判る。これ
は塩化物の浸透に対し、高炉セメント系はCiの吸着効
果が高く、水溶性の塩素は表層部に限定されるためとさ
れている。スラグ含有率の高いセメントは水和性生物と
してのCa(OH)2 が相対的に少なくなり、遮塩性が
高まる。以上の特長により、高炉水砕スラグをセメント
系結合材として使用している。
【0029】(2)副材(混和液) 混和液はカチオン系を硬化液として使用している。目的
に即して調合されたセメント系粉耐の主剤と混合して利
用するカチオン系を混和したモルタルは、広範な種類の
下地に対して強固な接着力を示すばかりでなく、硬化慣
性した造膜質は曲げ強度、耐摩耗性、耐薬品性、防水性
に極めて優れている。しかし、実際面においては、配合
物の調合が難しく性能を発揮される事なく失敗に帰して
いる例も数多くあり、その原因は、主として単に濡れた
骨材を使用したとか、骨材とセメントと水で練り混ぜて
からカチオン系混和剤を使用するとか、ごく単純で且つ
初歩的な管理配合上のミスが原因と考えられる。本発明
の中塗材3は、主剤の粉耐と副剤の硬化用混和液をセッ
トにしたものであり、両材を現場で単に練り混ぜるだけ
で使用できる。
【0030】(3)特長 本発明の中塗材3は、従来のポリマーセメントモルタル
では得られなかった特筆する次のような特長を有してい
る。 1.鋼材、コンクリート、スレート、合板など、広範囲
の物質に極めて強い接着力で付着する。 2.耐蝕性、耐候性に極めて優れている。耐海水性及び
耐尿性にも優れており、屋外暴露や乾燥状態を繰り返す
環境でも防蝕効果を発揮し、高い付着力を持続する。 3.物理的性能にすぐれている。可撓性,耐摩耗性及び
耐衝撃性等には特に優れた性能を発揮する。 4.湿度変化の激しい環境にも十分耐えられる。冷熱サ
イクル(−20℃←→+20℃)並びに凍結融解試験
(−40℃←→+40℃,3%食塩水中)において、塗
膜の破壊や付着力の低下はほとんど発生しない。 5.対歪み又はクラックなどにすぐれた追従性がある。
歪み追従性のほか疲労特性にもすぐれ、動的環境に対し
ても強靱で、基材のヘアクラックが表面に現れにくい。 6.重厚な美観が得られる。着色したモルコート材を塗
覆することにより、ポリマーセメントモルタル独特の重
厚感が得られる。
【0031】7.外壁などのコンクリート構造物や屋根
材などに塗膜した場合、前記の効果のほかに、次のよう
な特性がある。 外壁などのコンクリート及びモルタル構造物に対し
ては、特に適している。材料特性から付着力が強く強靱
で、体アルカリ性に優れ、長期にわたりその性能を維持
し、基材モルタル・コンクリートの中性化を防止する。
また、中塗材3は、セメントモルタルに比べて透水率が
極めて低く、バリヤー効果が極めて高い塗覆材である。 屋根材では中塗材3を吹付塗装することにより、金
属板はぜ折り・接合部分がシールされ、雨水の毛細管減
少を低減させ、雨漏り防止に効果がある。また中塗材3
を塗覆すると、断熱性に優れているので断熱効果が上昇
して、日照りがより緩和され、耐久性を増大させる。特
に亜鉛鉄板製の屋根などに塗覆すると、素材の耐久性が
大幅に向上する。さらに、屋根の補修塗覆材としても適
用でき、亜鉛鉄板・亜鉛カラー鉄板、その他の屋根材な
どの補修塗装に当材を使用すると補修期間の間隔を大幅
に延長させ、新しいイメージの屋根板となる。コンクリ
ート部、モルタル等の補修にも使用でき、打放しコンク
リート、モルタル等の欠損部分、爆裂部、ジャンカ等の
補修部にも施工性と付着強度などで威力を発揮する。
【0032】造膜処理した本発明の中塗材3の塗膜質の
主な特性を表5に示す。
【表5】
【0033】本発明中塗材3の塗膜質の耐油耐溶剤特性
と圧縮強度の比較を表6に示す。
【表6】
【0034】本発明中塗材3の品質規格と主な性能及び
他材との比較を表7に示す。
【表7】
【0035】本発明中塗材3の塗膜のその他の特性は下
記の通りである。 ・耐塩水特性:スレートに塗覆した供試体、連続300
0時間試験で異常なし(JIS Z 2371) 鉄板表面に塗覆した供試体、連続2000時間試験で異
常なし(JIS K 5400) ・屋外暴露 :寒冷地の屋外暴露において、3年間異常
なし ・促進耐候性:サンシャインウェザーメータ試験で、連
続4000時間異常なし
【0036】本発明中塗材3の混和液の性状(水性エマ
ルジョン)を表8に示す。
【表8】
【0037】本発明中塗材3の造膜質の特徴は下記の通
りである。 ・耐水性、耐油性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性が良好
である。 ・不燃性、引火性はなく、無臭性で周囲の環境に対して
安全無公害で、作業の施工性にすぐれている。 ・一部の素材を除き、多くの素材に対し協力に付着し接
着性能が高い。 ・物理的な強度と化学的安定性にすぐれている。
【0038】本発明中塗材3の主材(粉体)と副材(混
和材)の標準混合比率を下記の表9に示す。
【表9】
【0039】本発明中塗材3の混合比率の違いによる粘
度の目安は表10に示す通りである。
【表10】 注)1.数値は標準混合の目安で、季節及び施工地など
の周囲温度により粘度が異なる。 2.施工対象物又は目的用途などにより、適宜、粘度を
調整のうえ、試験的に塗覆するなどして混合率を決定す
る。 3.表中の品種は主材が細粒粉体の小タイプの粘度であ
る。中及び大タイプは粉体がさらに粗くなるため、同一
比率でも粘度傾向は高くなる。
【0040】図8は本発明中塗材3の曲げ強度の実験結
果を示すグラフであり、実験の条件は下記の通りであ
る。なお図中P/CはポリマーエマルジョンPとセメン
トCとの比率である。(以下同じ) 方法: JIS−A−6203に準拠 ・モルタル配合 C:S=1:3(wt) (C:普通ポルトランドセメント, S:6号硅砂) フロー値=約170mm ・養生 気中28日
【0041】図9は本発明中塗材3の圧縮強度の実験結
果を示すグラフであり、実験の条件は下記の通りであ
る。 方法: JIS−A−6203に準拠 ・モルタル配合 C:S=1:3(wt) (C:普通ポルトランドセメント, S:6号硅砂) フロー値=約170mm ・養生 気中28日
【0042】図10は本発明中塗材3の接着強度の実験
結果を示すグラフであり、実験の条件は下記の通りであ
る。 方法: 建研式引張試験 ・モルタル配合 C:S=1:3(wt) (C:普通ポルトランドセメント, S:6号硅砂) フロー値=約170mm,モルタル厚=3mm ・下地 歩道用コンクリート平板(JIS−A−5304) ・養生 気中28日
【0043】図11は本発明中塗材3の透水量の実験結
果を示すグラフであり、実験の条件は下記の通りであ
る。 方法: JIS−A−1404に準拠 ・モルタル配合 C:S=1:3(wt) (C:普通ポルトランドセメント, S:6号硅砂) フロー値=約170mm ・養生 気中28日 ・水圧 3kg/cm2 × 1hr
【0044】図12は本発明中塗材3の吸水率の実験結
果を示すグラフであり、実験の条件は下記の通りであ
る。 方法: JIS−A−6203に準拠 ・モルタル配合 C:S=1:3(wt) (C:普通ポルトランドセメント, S:6号硅砂) フロー値=約170mm ・養生 気中28日 ・浸水時間 48hrs
【0045】次に、本発明の上塗材4について詳細に説
明する。本発明における上塗材4はガラス質状常温塗覆
材で、シリカ質を主成分とする無機質シリカゾルと高分
子質からなる複合型の常温硬化型クリアー色の塗覆材
で、耐熱性に優れ、施工性に富み、臭いや引火性はな
く、周囲の環境に対して無公害である。また、コンクリ
ートやタイルをはじめとする土木建築用、鉄鋼その他の
非鉄金属類など多くの素材類に塗覆でき、薄膜で超硬質
状に造膜形成する。塗覆した後、常温下において完全に
乾燥硬化し造膜形成した塗覆膜は、素材と親和して高強
度で密着し、非晶質で極めて硬質のガラス質膜を形成す
る。こうしてできた塗覆膜は、不燃で可撓性に富み、紫
外線に強く耐久性に極めてすぐれているほか、撥水性、
耐汚染性、耐透水性、耐薬品性など多くの特筆する特徴
と特性を有している。
【0046】(1)組成 本発明上塗材4は、シリカ質を主たる成分に、架橋材及
び硬化触媒などを従とした成分で構成され、有機溶剤及
び水酸基並びに水を一切含むことなく、一液性の溶液を
成している。 ・主たる成分:液状で溶剤を一切含まないメチル基又は
フェニル基を有するオルガノシロキサン(ジブチル錫ジ
アセテート) ・架橋材 :官能性側鎖を有するオルガノシロキサン
類(アルコキシ基、アシロキシ基、オキシム基)(オル
ガノポリシロキサン) ・硬化触媒 :亜鉛、銅、錫、アルミニウムなどを含む
金属有機化合物並びにB’’’ハロゲン(TBT)
【0047】(2)硬化機構 本発明上塗材4において、主な構成分の中心をなすオル
ガノシロキサン官能基が、空気中の水分による加水分解
を受けて水酸基に変化し、この水酸基を架橋材とするシ
ロキサン官能基が反応し、さらに硬化触媒の作用を受け
て脱アルコール反応を起こして、高分子系化合物のポリ
シロキサンの硬化質体を形成すると考えられる。即ち、
夫々の成分において、加水分解と脱水縮合反応が連続的
に反応促進される結果、常温領域において、金属酸化物
状としてのガラス質状の物質が得られるものと考えられ
る。
【0048】本発明上塗材4の主な用途と効果を下表1
1に示す。
【表11】
【0049】本発明上塗材4の種類と特性を下表12、
表13に示す。
【表12】
【0050】
【表13】
【0051】本発明上塗材4の塗覆膜の造膜硬化時間
(施工した後、塗覆膜が造膜し硬化するまでに要する時
間)は下記の通りである。 ・指触乾燥時間 20℃において、約2〜3時間 ・標準硬化時間 20℃において、約24時間(硬度
H〜2H) ・完全硬化時間 20℃において、約30日以上(硬
度8〜9H) また、本発明上塗材4の施工後塗覆膜が造膜し主な性能
を発現するまでの時間は下記の通りである。 ・不燃性の造膜 約40時間前後(膜厚により異なる場合がある。) ・耐溶剤性造膜 3〜6日(膜厚により異なる場合がある。) ・耐水性の造膜 約24時間後(膜厚により異なる場合がある。) ・強度 コンクリートモルタル:40時間養生後 約30kgf/cm2 金属類 :40時間養生後 約21kgf/cm2
【0052】本発明上塗材4の標準塗覆仕様を下表14
に示す。
【表14】 *目的と用途により塗覆厚を厚くする必要がある場合
は、標準塗覆仕様の量を2回塗覆施工する。1回目と2
回目の塗隔時間は指触乾燥4時間以上である。ドライア
ーなどを用いて強制乾燥する場合は、100℃以下の温
度内で実施する。
【0053】図13は本発明上塗材4の光沢度を市販の
ウレタン系塗料,アクリル系塗料と比較実験して示すグ
ラフであり、実験の条件は下記の通りである。 試験機 : スーパーUVテスターW−3 UV照射: 90mW RH70% Dew Cycle: Light /dark 4/2 hrs Water Spray 15 sec/30 min 光沢度 : 60−60鏡面反射率(%)
【0054】本発明上塗材4の付着(接着)強度試験を
次の条件で行った。 ・供試体 :JIS規格の鋼板 サイズ 3×300×300(mm) JIS規格のコンクリート板 サイズ 35×300×300(mm) 夫々の供試体に対し、モルコート1000(中塗材3の
商品名)を標準仕様で塗覆し24時間放置養生 乾
燥させた。 ・試験方法 :20℃気中(RH70%)放置試験 温冷20サイクル試験 → 気中(+)50℃〜気中
(−)50℃ 乾潤20サイクル試験 → 気中(+)50℃〜水中
(+)20℃ ・試験装置 :建研式引張試験機 試験結果として、鋼板に対する付着強度を表15に、コ
ンクリートに対する付着強度を表16に示す。
【0055】
【表15】 本発明上塗材4の塗膜面と試験機治具面をエポキシ接着
剤で接着させて引張試験を実施したところ、エポキシ接
着剤と本発明上塗材4の塗膜の境界面が剥離した。
【0056】
【表16】
【0057】本発明上塗材4の防錆特性効果の実験を下
記の条件で行った。その結果を表17に示す。 試験方法: JIS Z 2371(塩水噴霧試験)に
準拠35℃で塩化ナトリウムの3%水溶液を350時間
噴霧した。
【表17】
【0058】本発明上塗材4の耐中性化進行特性試験の
結果を表18に示す。条件は次の通りである。 ・供試体 :40×40×160(mm)を2枚用意し、
向かい合う2面を塗覆し、その他の面をエポキシ樹脂を
用いてアルミフォイルを接着被覆する。 ・試験方法:供試体を24時間放置養生したのち、中性
化試験装置に入れる。 ・試験条件:中性化試験を実施したのち、供試体を2分
割してその割裂面にフェノールフタレイン溶液を塗布し
て、赤色に発色しない部分の表面からの距離を測定す
る。
【表18】
【0059】本発明上塗材4の圧力に対する耐透水性試
験の結果を表19に示す。試験方法はJIS A 14
04に準拠する。
【表19】
【0060】同じく本発明上塗材4の時間に対する耐透
水性試験の結果を表20に示す。試験方法はJIS A
1404に準拠する。
【表20】
【0061】本発明上塗材4の耐酸・耐塩性評価試験の
結果を表21に示す。条件は次の通りである。 ・試験方法:供試体を、5%硫酸水溶液、5%塩酸水溶
液、5%硝酸水溶液及び人工海水の夫々に浸漬し、目視
により供試耐の形状変化を観察する。
【表21】
【0062】本発明上塗材4の耐アルカリ性・耐溶剤性
評価試験の結果を表22に示す。条件は次の通りであ
る。 ・試験方法:供試体を、水酸化カルシウムの飽和水溶液
と有機溶剤のトルエンに夫々浸漬し、目視により供試耐
の形状変化を観察する。
【表22】
【0063】本発明上塗材4の有機系塗料の塗装面との
比較試験結果を下表23に示す。
【表23】
【0064】本発明には以下の6つの実施の形態があ
る。 実施の形態1:塗装する躯体1の表面に上記の下塗材
2,中塗材3を順次塗装する。コンクリート・モルタル
面に塗装する場合の下地処理,素地調整として、直接塗
装する場合は、表面劣化・突起物・クラック・爆裂等は
事前に所定の規格と仕様に従い、十分に補修又は改修を
施す。次に、表面に付着した塵埃,油分,レイタンスそ
の他の汚れは、ワイヤブラシ、サンダー、グラインダ
ー、バフ、ケレン、高圧温水洗浄機等を用いて洗剤及び
水等でよく洗浄し、十分に素地調整を施した後、よく乾
燥する。表面に水分が残存又は含水率が高い場合はJI
S規格に従い十分に乾燥する。次に本発明の無機質水性
の下塗材2を用いて規定及び施工要領に従い塗装施工
し、十分に乾燥する。次に、本発明の中塗材3又は無機
シリカ質水性の着色塗料を用いて塗装施工する。施工に
際しては、夫々所定の施工仕様又は施工要領に従う。ま
た、鉄鋼・非鉄金属面に塗装する場合の下地処理,素地
調整として、表面に生起した錆は電動のグラインダー又
はケレン等して十分に除去し、有機質系の旧塗膜は、剥
離剤及び温水高圧洗浄機等を併用して十分に除去する等
して素地調整を施し乾燥する。戻り錆及び水濡れには充
分注意する。次にエポキシ樹脂系ハイエポン等の防錆性
及び耐久特性にすぐれた本発明の下塗材2(プライマ
ー)を所定の仕様に従って処理する。次に、本発明中塗
材3又は所定の着色材を用いて塗装施工する。施工に際
しては、夫々所定の施工仕様又は施工要領に従う。
【0065】実施の形態2:実施の形態1の上に更に上
塗材4を順次塗装する。図1はこの実施の形態2に相当
する。 実施の形態3:塗装する躯体1の表面に上記の下塗材
2,上塗材4を順次塗装する。 実施の形態4:塗装する躯体1の表面に上記の中塗材3
を塗装する。 実施の形態5:塗装する躯体1の表面に上記の中塗材
3,上塗材4を順次塗装する。 実施の形態6:塗装する躯体1の表面に上記の上塗材4
を塗装する。 なお躯体1樹脂系の素材表面或いは有機質系の塗面のと
きは下塗材2を使用することが出来ないので、この場合
には実施の形態4,5,6による。
【0066】本発明はかかる構成よりなるものであるか
ら、下塗材2はシリカを主体とする無機質であるかる無
公害で強度が強く,また水溶性であるからコンクリート
等素材の粗の部分に浸透し、皮膜を形成せずに微細孔の
空隙部分を充満してガラス状の硬質な固形物を形成し、
また中塗材3は粉体と水系えお液体とよりなり、現場で
混ぜて使用し、スラグ自身の潜在水硬性がセメントとア
ルカリ結合水と反応し、この反応の進行によって細骨材
の表面にCaO-SiO 2 Al2 O 3 -nH 2 O 等の硬質の水和性
物質を生成し、これがスラグ粒子の空間を充填する結合
材となり、また上塗材4のシリカ質が架橋材と硬化触媒
とによって超硬質状の架橋造膜となり、セメント、コン
クリートを始めとする土木建築用、鉄鋼その他の非鉄金
属類等多くの素材に接着するので、セメント、コンクリ
ート、モルタルに限らず、その他の鉄鋼等の金属、木材
等に適用出来るものである。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下塗材2
はコンクリート等素材の粗の部分に浸透し、皮膜を形成
せずに微細孔の空隙部分を充満してガラス状の硬質な固
形物を形成し、その塗膜が硬く耐汚染性に優れ、躯体の
寿命を長くし、また中塗材3のスラグ自身の潜在水硬性
がセメントとアルカリ結合水と反応し、この反応の進行
によって細骨材の表面にCaO-SiO 2 Al2 O 3 -nH 2 O 等
の硬質の水和性物質を生成し、これがスラグ粒子の空間
を充填する結合材となり、また上塗材4のシリカ質が架
橋材と硬化触媒とによって超硬質状の架橋造膜となり、
セメント、コンクリートを始めとする土木建築用、鉄鋼
その他の非鉄金属類等多くの素材に接着するので、セメ
ント、コンクリート、モルタルに限らず、その他の鉄鋼
等の金属、木材、等に適用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2に相当する一実施の形態の概
略を示す断面図である。
【図2】本発明の下塗材2の素材中への充填含浸硬化モ
デルを示す図である。
【図3】(イ)は本発明の下塗材2の粒子の形状、
(ロ)は粒子間結合の状況を示す説明図である。
【図4】本発明の下塗材2の溶解分を従来のけい酸ナト
リウムと比較して示すグラフである。
【図5】本発明の下塗材2の透水量を示すグラフであ
る。
【図6】本発明下塗材2の補強効果を示すグラフであ
る。
【図7】本発明下塗材2の補強効果の持続性を示すグラ
フである。
【図8】本発明中塗材3の曲げ強度の実験結果を示すグ
ラフである。
【図9】本発明中塗材3の圧縮強度の実験結果を示すグ
ラフである。
【図10】本発明中塗材3の接着強度の実験結果を示す
グラフである。
【図11】本発明中塗材3の透水量の実験結果を示すグ
ラフである。
【図12】本発明中塗材3の吸水率の実験結果を示すグ
ラフである。
【図13】本発明上塗材4の光沢度を市販のウレタン系
塗料,アクリル系塗料と比較実験して示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 躯体 2 下塗材 3 中塗材 4 上塗材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 41/68 C04B 41/68 41/71 41/71 (72)発明者 川口 正夫 東京都青梅市長渕4丁目371番地の1−101 号 (72)発明者 中野 弘 東京都豊島区東池袋2−39−3 (72)発明者 坂下 裕道 千葉県八千代市真木野174−49

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装する躯体1の表面に以下の下塗材
    2,中塗材3,上塗材4の内の任意の2つの塗材を2層
    に或いは3つの塗材を3層に或いは中塗材3のみ,上塗
    材4のみを1層塗装してなる塗工方法: 下塗材2:シリカ質の珪酸リチウム系水溶液を主成分と
    する無機質一液性の水性塗材、 中塗材3:高炉水砕スラグを細骨材化処理加工した粉状
    物質を主成分とし、複数の無機質系の素材を上記骨材に
    添加したもの、 上塗材4:シリカ質を主成分とし、官能性側鎖を有する
    オルガノシロキサン類よりなる架橋材と亜鉛、銅、錫、
    アルミニウム等を含む金属有機化合物並びにB’’’ハ
    ロゲン(TBT)よりなる硬化触媒とよりなる常温硬化
    型の一液性の塗装材である。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001195A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Asuton:Kk コンクリートの補修方法

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