JPH1156349A - 蔗糖脂肪酸エステル合成酵素を産生する微生物 - Google Patents

蔗糖脂肪酸エステル合成酵素を産生する微生物

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JPH1156349A
JPH1156349A JP22380397A JP22380397A JPH1156349A JP H1156349 A JPH1156349 A JP H1156349A JP 22380397 A JP22380397 A JP 22380397A JP 22380397 A JP22380397 A JP 22380397A JP H1156349 A JPH1156349 A JP H1156349A
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fatty acid
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正章 森川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蔗糖脂肪酸エステル(SE)の合成に関与する酵素
を産生する、単離された微生物を提供する。 【解決手段】蔗糖と脂肪酸から蔗糖脂肪酸エステルを合
成する酵素を産生し、かつIdeonella属に属する単離さ
れた微生物、Ideonella sp. No.13(FERM P-16206)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蔗糖脂肪酸エステ
ル(SE)の合成に関与する酵素を産生する、単離された新
規の微生物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】蔗糖
脂肪酸エステルは、界面活性剤の一種であり、人体・生
態系に対する高い安全性が確認されているため、今日ま
で、商業ベースで工業的に大量生産され、食用品の乳化
・分散剤などの用途を含め、幅広く使用されている。
【0003】この蔗糖脂肪酸エステルの従来の製造法
は、化学法が主流であるが、一方で、酵素法による合成
方法を待望する声が根強いのも事実である。
【0004】この背景として、酵素法によると、化学法
に比べて、以下のような利点が期待できることが挙げら
れる。 すなわち; 酵素反応は常温、常圧、中性pHの条件下で反応が
進行するため、耐酸、耐アルカリ、耐圧設計の設備が不
要となり、また、反応温度が化学法より低いため、温度
調節に要する設備負担が軽減され、その管理も容易にな
る。
【0005】 酵素はタンパク質であるため、無毒か
つ生分解性であり、環境や生態系に対する影響が小さい
SEの製造法の実現が図れる。
【0006】 酵素反応は反応特異性が高く、常温、
中性pHにて反応が進行するため、副反応が起こりにく
く、よって、純度の高い生成物が得られやすい。 さら
に、反応中に原料の変質が起こりにくく、また、未反応
原料が次回の反応に供することができるので、原料の有
効利用も可能となる。
【0007】 酵素反応によれば、位置特異的反応が
可能であり、これを利用することで、蔗糖の特定位置の
水酸基のみをエステル化して、目的とする改変体(生成
物)が高い純度で得ることができる。
【0008】近年、エステル合成に適した固定化リパー
ゼ剤(リポザイム、ノボザイム等)の入手が容易になっ
たこともあって、酵素法によるエステル合成への関心が
高まり、とりわけ糖類はエステル化可能な水酸基を多数
有することから、その位置的選択(部位特異的)エステ
ル化は、多くの科学者が研究テーマとしている。
【0009】例えば、Klibanov等[Klibanov et al., "
Protease-catalyzed Regioselective esterification o
f sugars and related compunds in anhydrous dimethy
lformamide", J. Am. Chem. Soc., 110, pp. 584-589
(1988)]は、原料に高反応性の脂肪酸トリクロロエチル
エステルを用い、プロテアーゼを触媒とすることで、蔗
糖の1'位を選択的にエステル化している。[Patil et a
l., "Enzymatic synthesis of a sucrose-containing l
inear polyester in nearly anhydrous organicmedia",
Biotechnol. Bioeng., 37, pp. 639-646 (1991); Cha
n et al., "A regioselective, chemoenzymatic synthe
sis of sucrose-1'-methacrylate", Biocatalysis, 8,
pp.163-169 (1993);およびSoedjak et al., "Enzymatic
transesterification of sugars in anhydrous pyridi
ne, Biocatalysis, 11, pp.241-248 (1994)の文献も参
照されたい]。
【0010】また、Fregapane等[Fregapane et al., "
Enzymatic solvent-free synthesisof sugar fatty aci
d ester", Enzyme Microb. Technol., 13, pp. 796-800
(1991)]は、アセトンを付加した糖(イソプロピリデン
誘導体)を原料に用いることで、糖の脂肪酸メチルへの
溶解性を向上させ、さらに、市販の固定化リパーゼ剤を
触媒として用いることで、主に単糖類をエステル化して
いる。 [Fregapane et al., "Facile chemo-enzymati
c synthesis of monosaccharide fatty acidesters", B
iocatalysis, 11, pp.9-18 (1994); およびSarney et a
l., "Chemo-enzymatic synthesis of disaccharide fat
ty acid esters", J. Am. Oil Chem.Soc., 71, pp.711-
714 (1994)の文献も参照されたい]。
【0011】また、Klibanov等[Klibanov et al., "Li
pase-catalyzed acylation of sugars solubilized in
hydrophobic solvents by complexation", Biotechnol.
Bioeng., 42, pp. 788-791 (1993)]は、糖のフェニル
ホウ酸エステルを原料に用いることで、糖類の溶剤への
溶解性を向上せしめ、さらに、リポプロテインリパーゼ
を触媒とすることで、蔗糖アクリレートを合成してい
る。 [Schlotterbeck etal., "Lipase-catalyzed mon
oacylation of fructose", Biotechnol. Letters,15, p
p.61-64 (1993)およびOguntimein et al., "Lipase cat
alyzed synthesisof sugar ester in organic solvent
s", Biotechnol. Letters, 15, pp.175-180 (1993)等の
文献も参照されたい]。
【0012】さらに、特殊な誘導体を用いずに、単糖類
と脂肪酸を直接反応させた例として、市販の固定化酵素
剤(リポザイム、ノボザイム等)を触媒として、果糖ま
たはグルコースをエステル化した報告もされている。
[Khaled et al., "Fructoseoleate synthesis in a fi
xed catalyst bed reactor", Biotechnol. Letters,13,
pp.167-172 (1991); Coulon et al., "Comparison of
direct esterification of fructose by Candida antar
tica lipase", Biotechnol. Letters, 17, pp.183-186
(1995);およびLjunger et al., "Lipase catalyzed acy
lation of glucose", Biotechnol. Letters, 11, pp.11
67-1172 (1994)等の文献も参照されたい]。
【0013】このように、糖と脂肪酸を原料として単糖
エステルを酵素法で合成することは可能であったのに対
して、蔗糖エステルは、特殊な誘導体を原料とすること
で初めて酵素法によって合成できていたのが実情であっ
た。 このような特殊な誘導体の利用は、蔗糖エステル
を工業生産する上には不利であり、従って、このことが
酵素法による工業生産が未だ達成されていない理由の一
つでもあった。
【0014】また、合成用に使用されている酵素はいず
れも市販のリパーゼ剤またはプロテアーゼ剤であり、こ
れらの蔗糖脂肪酸エステルに対する活性は満足のゆくも
のではなかった。 実際、市販のリパーゼ剤13種の内、
蔗糖脂肪酸エステルに対して分解活性が認められたの
は、リパーゼMY(名糖産業)とリパーゼOF(名糖産業)の
2種類のみであり、これらの分解活性にしても実用レベ
ルにはほど遠いものであった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術での問題点に鑑み、蔗糖脂肪酸エステル(SE)に対す
る活性が高い酵素とそれを産生する微生物を自然界から
検索し、これらを利用した酵素法による工業規模での蔗
糖脂肪酸エステル(SE)の合成を図ることを目的として、
鋭意研究を進めた結果、本発明の完成に至ったものであ
る。
【0016】すなわち、本発明の要旨とするところは、
蔗糖と脂肪酸から蔗糖脂肪酸エステルを合成する酵素を
産生する、単離されたイデオネラ(Ideonella)属に属す
る新規の微生物とその利用にある。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明者らは、エステル化
反応が平衡反応であることから、SEに対して高い分解活
性を示す酵素が、反応条件の変化によって(反応条件次
第で)高い合成活性を示すとの認識の下、脂肪酸エステ
ル分解活性が大きい微生物(以下、単に「SE分解菌」と
称する)を探索した。 微生物試料は、蔗糖脂肪酸エス
テルの製造工場や大学などの研究機関周辺の土壌試料
(84株)とした。 そして、比較的高い活性を呈した8
株を選抜し、この中から最高の分解活性を示した1株を
選択した。
【0018】この株を、イデオネラ属細菌No.13 (Ideon
ella sp. No.13 (以下、『No.13株』と称する))と命名
し、平成9年4月24日に、本願出願人は、茨城県つくば
市東町1丁目1番3号に所在の通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所にこれを寄託し、そこで、受託番
号 FERM P-16206 が付与されており、本願発明は、この
寄託微生物自体はもちろん、この微生物の能力を実質的
に引き継いだその変異体および子孫まで意図するもので
ある。
【0019】そして、このNo.13株を培養して粗酵素を
調製したところ、No.13株は、グルコースを1%添加し
たL培地で、菌体の増殖に伴ってエステラーゼを産生し
た[産生量:2.6単位/ml]。 また、このエステラー
ゼを用いた反応系での蔗糖脂肪酸エステル類の合成を確
認した。
【0020】
【実施例】以下に、本願発明を具体的に説明するが、本
願発明が実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべ
きでない。
【0021】実施例1:SE分解菌の単離 まず、本出願人の蔗糖脂肪酸エステル製造工場(滋賀県
神崎郡五箇荘町下日吉427)構内の土壌ならびに同所に
併設されている排水処理場の廃液、活性汚泥、および大
阪大学工学部(大阪府吹田市山田丘2−1)構内ならび
に近辺の土壌から、計84個の分離用試料を任意に採取し
た。
【0022】これら試料をL+SE液体培地(組成を下記表
1を示した)およびL/10+SE培地(組成を下記表2を示
した)の双方の培地に接種した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】なお、蔗糖モノステアレートを主成分とす
るDKエステルSS(商品名;第一工業製薬株式会社
製)を50g/lの水溶液とし、これを別途に高圧蒸気滅菌
または濾過滅菌したものを、「蔗糖脂肪酸エステル(S
E)」として各培地に添加した。そして、固体培地とする
場合には、15g/lの寒天をさらに加えた。
【0026】各試料を滅菌水に懸濁した後、寒天培地に
塗布し、30℃または37℃で、菌体の十分な増殖が目視で
確認できるまで培養を継続した。 培地中の蔗糖脂肪酸
エステル(SE)は、培養当初は培地に溶解して透明である
が、分解が進行すると、高級脂肪酸を遊離して白濁す
る。 菌体の周囲に形成される白いハロー(白濁円)の
有無に基づいて、蔗糖脂肪酸エステル(SE)を分解してい
るSE分解菌を選抜した。具体的には、以下に記載のSE寒
天法または滴定法によった。
【0027】[SE寒天法]SE寒天法は、0.2%の蔗糖脂
肪酸エステル(SE)、pH7の50mMリン酸緩衝液を含む1.5
%の寒天に、直径4mmの円形の穴を開け、異なる濃度の
酵素液20μlをそこに注入し、37℃で一夜静置した後、
白濁円の直径(mm)を測定した(図1参照)。
【0028】[滴定法]滴定法は、まず、(5mlの5%
蔗糖脂肪酸エステル(SE)水溶液、4mlのMcIlvanine緩衝
液(pH 8)、1mlの様々な濃度の酵素液からなる)反応液
を、37℃または60℃で30分間反応させる。 次いで、ア
セトン/エタノール=50%/50%の混液を10ml、そして、
0.05規定水酸化ナトリウムを10ml加えて反応を停止し、
さらにアセトン/エタノール=50%/50%の混液を10mlを
加えた後、フェノールフタレインを指示薬として0.05規
定の塩酸で遊離脂肪酸を逆滴定した。 そして、この条
件下で、1分間に1μmolの脂肪酸を遊離するために必
要な酵素量を1単位と定義した。
【0029】なお、SE寒天法で測定した白濁円の直径(m
m)と、滴定法で測定した酵素活性(単位/ml)との間に
は、図2に示したように、片対数グラフにて直線関係が
得られる。 この関係式を利用することで、両者のデー
タの互換が図れる。
【0030】ここまでの分離手順で、計44株が、コロニ
ー周辺にハローを形成した。
【0031】また、L+SE寒天培地よりも、L/10+SE寒天
培地の方でハローを形成した菌が圧倒的に多かった。
これは、分離源となった工場廃水(汚泥)や土壌が、栄
養分の希薄な環境であるため、栄養価が希薄なL/10+SE
寒天培地でよく生育したものと思われる。
【0032】そして、高い分解活性を示した菌の多く
は、蔗糖脂肪酸エステル製造工場の排水および廃水処理
場から分離された菌であった。 これは、常に蔗糖脂肪
酸エステル(SE)に曝され続け、比較的温度が安定してい
る分離源の環境が、SE分解菌の生育に適合したものと考
えられる。
【0033】なお、分解活性は高くないものの、土壌試
料からもSE分解菌は分離されており、このことは、SE分
解菌が自然界に比較的広範に分布していることを示唆す
るものである。
【0034】次に、分離株を、L/10+SE液体培地に接種
し、充分に増殖するまで、1〜3日間、30℃または37℃
で、振とう培養し、培養液の遠心上清の酵素活性をSE寒
天法で測定した。 その結果、84株の内、8株がSE寒天
上で8mm以上の直径の白濁円を形成した。 これらの菌
株は、顕微鏡観察により、その菌体の大きさから、いず
れも細菌であると認められた。 8株の内、最も活性の
高かった分離株、SE分解菌 No.13株を選択し、そのハロ
ー形成の状態を図3に示した。
【0035】なお、リパーゼの産生能を備えたArthroba
cter属細菌(4株)についてもSE寒天法を適用したが、
いずれの株によっても、直径8mmを超える白濁円の形成
には至らなかった。
【0036】実施例2:SE分解菌 No.13株の同定 実施例1にて単離されたNo.13株の菌学的位置づけを決
定すべく、No.13株の形態的性質、培地における生育状
態、生理学的性質およびNo.13株が保有する遺伝子につ
いて分析(解析)を行った。
【0037】[No.13株の形態的、培養的性質]図4お
よび5は、(SEを含む/含まない)寒天培地上で生育し
たNo.13株の写真であり、コロニーの色は白色乃至クリ
ーム色であった。 Leptothrix属(鞘皮)細菌はマンガ
ンを含む寒天培地にて、マンガンを酸化して酸化マンガ
ンを生成し、コロニーが黒色になるものが多いが、マン
ガンを含む寒天培地にNo.13株を接種してもコロニーは
黒色は呈さず、また、鞘皮細菌によく見られる歪つな形
状のコロニーも形成されなかった。 液体培養した菌体
を集菌したところ、薄いピンク色乃至普通のピンク色を
呈していた。 これに対して、蔗糖脂肪酸エステル(SE)
を含む培地では、コロニー周辺に、SEの分解に起因する
白いハローが形成されていた。
【0038】図6は、No.13株の光学顕微鏡写真(倍
率:1000倍)であり、この細菌は、幅0.5μm×長さ1.5
μm〜2.0μmの桿菌で、運動性が認められた。 培養条
件によっては、菌体の長さが5μmに至ることがあり、
2〜5個の菌が、鎖状に連なることもある。 しかしな
がら、鞘皮細菌に見られる鞘状物は認められなかった。
【0039】[No.13株の生理学的性質]No.13株の生理
学的性質を決定すべく、api 20E キット(bio Merieux)
およびapi 20NE キット(bio Merieux)を用い、各キット
に添付のプロトコールに従った。
【0040】炭素源利用能力の判定 炭素源利用能力を判定するために、No.13株が良好に生
育したPTYP基本培地(表3に組成を示した)に、濾過滅
菌した炭素源を1g/lまたは2g/l添加した培地を用い
た。
【0041】
【表3】
【0042】なお、炭素源にカルボン酸を用いる場合、
水酸化ナトリウムでpHを7に調整した上でカルボン酸を
添加した。 グルコース1g/lを含むPTYP基本培地に、
1白金耳のNo.13株を接種し、これを37℃で、一夜振と
う培養して前培養液を得た。この前培養液を、所定の炭
素源を含む前出のPTYP基本培地に0.6体積%接種し、好
気的に、37℃で、2日間振とう培養した。 菌体の生育
を、培養液に関して、600nmの吸光度で測定した。
【0043】各種炭素源を添加したPTYP培地で好気培養
した時の吸光度を、炭素源を添加しなかった培地で培養
した場合の吸光度と比較し、炭素源の資化性(利用能
力)を判定した。 その結果を、表4に示した。
【0044】
【表4】
【0045】api 20 kitによる判定結果と、後述する16
S-rRNA遺伝子塩基配列の相同性比較において、高い相同
性を示した細菌の炭素源利用能力に関する比較を、表5
に示した。
【0046】
【表5】
【0047】表5の結果から、Rubribivax gelatinosus
とは、クエン酸とグリセリン、メタノール、エタノー
ル、マンノースの利用性において相違が認められる。
【0048】Leptothrix cholodniiは、種々の有機酸や
糖類を資化しているのに対し、No.13株は利用できない
有機酸や糖類が散見される。
【0049】Ideonella属細菌は、1属1種(イテ゛オネラ テ゛ク
ロラタンス(Ideonella dechloratans))が報告されている[Mal
mqvist et al., "Ideonella dechloratans gen.nov., s
p.nov., a New Bacterium Capable of Growing Anaerob
ically with Chlorate as anElectron Acceptor", Syst
em. Appl. Microbiol. 17, 58-64 (1994)]のみで、炭
素源資化性に関するデータも少ないが、報告されている
範囲内ではNo.13株の炭素源資化性データと一致してい
る。
【0050】また、活性汚泥からよく分離されるBrachy
monas denitrificansは、No.13株とはグルコース、フル
クトース、グリセリンの利用性が異なるのに加え、Brac
hymonas denitrificansは運動性が無い点でNo.13株の性
状とは一致しない。
【0051】嫌気条件下での生育の判定 グルコース1g/lを含むPTYP基本培地に、表6に記載の
電子受容体を10mMまたは20mM添加して培地を調製した。
電子受容体を含まない培地で、好気的に、37℃で、一
夜振とう培養した前培養液を、電子受容体を含む培地
に、0.6体積%接種し、嫌気ボックス中(窒素ガス、水
素ガス、炭酸ガスの90:5:5の体積比率の混合ガス雰
囲気)、蛍光灯照射下、30℃で7日間静置培養した。
菌体の生育を、培養液に関して、600nmの吸光度で測定
した。 その結果を、以下の表6に示した。
【0052】
【表6】
【0053】電子受容体としてKNO3を添加した場合にの
み、無添加条件のものと比較して吸光度の有意な増加が
観察された。 好気的に培養した場合と比べれば、増殖
効果は極めて悪いが、No.13株には微弱ながら硝酸呼吸
能力のあることが確認された。 後述する通り、No.13
株が、硝酸塩を亜硝酸塩に還元する能力を有しているこ
とも、この結果を支持している。
【0054】16S-rRNA遺伝子塩基配列の比較においてN
o.13株との間で高い相同性が認められたIdeonella属細
菌は、硝酸塩と塩素酸塩を電子受容体として、嫌気条件
下で生育できることが知られているのに対し、No.13株
は硝酸塩の利用しか認められなかった。 No.13株の硝
酸呼吸能力が微弱であることは、絶対好気性であるLept
othrix属細菌の挙動と似ている。
【0055】[No.13株が保有する遺伝子の解析]No.13
株の細菌学的位置づけを遺伝子工学的側面から特徴付け
るために、No.13株の16S-rRNA遺伝子のクローニング、
次いで、その塩基配列の決定(解析)を行った。
【0056】No.13株が保有する遺伝子のクローニング まず、鋳型DNAには、Sarkosyl法[Morikawa et al.,
"Isolation of a newsurfactin producer Bacillus pu
milus A-1, and cloning and nucleotide sequence of
regulator gene, psf-1", J. Ferment. Bioeng., 74, 2
55-261 (1992)]で調製したNo.13株染色体DNAを充てた。
【0057】そして、上流側プライマーに、5'-AAGAGTT
TGATCATGGC-3'(配列番号:1)を、そして、下流側プラ
イマーに、5'-GGTTACCTTGTTACGACTT-3'(配列番号:2)
のプライマーを用い、Vent DNA ポリメラーゼ(東洋紡
社製)でPCR増幅した。
【0058】PCR反応の条件は、添付のカタログの記載
に従った。 PCR増幅断片をプラスミドベクターpUC18の
SmaI部位にクローニングした。
【0059】宿主菌に E. coli JM109[recA1, endA1, g
ryA96, thi, hsdR17, supE44, relA1, △(lac-proAB),
F'(traD36, proAB+, lac1y, lacZ △ M15)]を用いた。
QIAGEN KIT(フナコシ)で組み換えプラスミドの大量
調製を行った。 大腸菌の形質転換は、Lederberg とCo
hen[Lederberg et al., "Transformation of Salmonell
a typhimurium by plasmid deoxyribonucleic acid",
J. Bacteriol., 119, 1072-1074 (1992)]の方法によっ
た。 また、必要に応じて、適当な制限酵素部位を利用
してサブクローニングを行った。 さらに、培地は、L
培地(組成を表7に示した)を用いた。
【0060】
【表7】
【0061】なお、抗生物質を添加する場合、50μg/ml
アンピシリンを用いた。
【0062】No.13株が保有する遺伝子の解析 No.13株のクローンが保有する遺伝子の塩基配列を、自
動解析装置(Auto ReadSequencing Kit)(Pharmacia社
製)とALFexpress(Pharmacia社製)装置を用いて、ジデ
オキシ法によって解析した。 なお、解析ソフトウェア
には、DNASIS(Hitachi)を使用した。 その解析結果
を、配列番号:3として示した。
【0063】微生物分類の重要な指標の一つである、16
S-rRNA遺伝子の塩基配列(配列番号:3)を基に、他の
微生物が保有する16S-rRNA遺伝子との相同性について検
索を行い、その結果を、以下の表8に示した。
【0064】
【表8】
【0065】配列番号:3から明らかなように、この配
列には、Proteobacteriaに特徴的な塩基配列が含まれて
いる。 Proteobacteriaは、紅色細菌とその類縁細菌の
系統分類名であり、さらに、α、β、γ、δのサブクラ
スに細分される。 表8に記した微生物の大半は、Prot
eobacteriaβサブクラスに分類される菌であり、No.13
株も、Proteobacteriaβサブクラスに属すると考えられ
る。
【0066】16S-rRNAの塩基配列を基に作成したSphaer
otilus-Leptothrixグループの系統図[Ghiorse et al.,
"Phylogeny of Sphaerotilus-Leptothrix group infer
redfrom morphological comparisons, genomic fingerp
rinting, and 16S ribosomal DNA sequence analysis",
Int. J. Syst. Bacteriol., 46, pp.173-182 (1996)]
によれば、No.13株と相同性の高いLeptothrix discopho
ra、Sphaerotilus natans、Rubribivax gelatinosusは
クラスターとなっており、Proteobacteriaβサブクラス
のRubribivax サブディビィジョンに位置している。
【0067】そして、前出のGhiorseらの文献によれ
ば、Ideonella dechloratansは、Proteobacteriaβサブ
クラスのComamonasグループに分類されている。 99.2
%という最も高い一致率を示したIdeonella 属は、活性
汚泥から分離された細菌で、塩素酸塩を電子受容体とし
て嫌気条件下で生育することを特徴とした菌である。
また、Rubribivax 属、Rhodocyclus属細菌は光合成細菌
であり、嫌気・光条件下で生育できることを特徴として
いる。Leptothrix属、Sphaerotilus属細菌は鞘皮細菌と
呼ばれ、菌体の周囲に長い筒状の鞘を形成することを特
徴としている。
【0068】これに対して、No.13株は、嫌気条件下で
ほとんど生育せず、また、表5に記載の炭素源資化性で
もクエン酸とグリセリンの利用性が異なるなど、No.13
株がRubribivax 属細菌とは考えにくい。 なお、Ideon
ella 属細菌については、これまでに報告された内容か
ら検討してみると、シトクロムCオキシダーゼが陽性で
あること、プロテアーゼとエステラーゼを生産するこ
と、およびグルコースを発酵/酸化しない点においてN
o.13株との間で一致が認められる。
【0069】以上述べた方法によって得られたデータ
を、以下にまとめた。
【0070】 A.形態的性質(寒天培地および液体培地に生育した細菌) (1)細胞の形と大きさ:桿状、0.5μm×1.5〜5.0μm (2)運動性の有無: あり (3)グラム染色性: 陰性 B.培養的性質、培地における生育状態 (1)肉汁液体培養: (+) (2)マッコンキー培地: (−) C.生理学的性質 (1)グラム染色性: 陰性 (2)硝酸塩の還元能: 硝酸塩 (+) 亜硝酸塩 (−) (3)VPテスト: (+) (4)インドールの生成: (−) (5)硫化水素の生成: (−) (6)アセトインの生成: (+) (7)デンプンの加水分解: (8)有機酸の利用: クエン酸 資化性(−) 酢 酸 資化性(+) 安息香酸 資化性(−) 蟻 酸 資化性(−) 乳 酸 資化性(+) リンゴ酸 資化性(+) ピルビン酸 資化性(+) コハク酸 資化性(+) グルコン酸 資化性(−) n−カプリル酸 資化性(−) アジピン酸 資化性(−) 酢酸フェニル 資化性(−) (9)色素の生成: (−) (10)ウレアーゼ: (−) (11)オキシダーゼ: (+) [シトクロムcオキシダーゼ] (12)プロテアーゼ: (+) [カゼイン寒天] (13)エステラーゼ: (+) [SE寒天] (14)B−ガラクトシダーゼ: (−) (15)アルギニンジヒドロラーゼ: (±) (16)リジンデカルボキシラーゼ: (−) (17)オルニチンデカルボキシラーゼ:(−) (18)トリプトファンデアミナーゼ:(±) (19)生育の範囲: 温度;30〜37℃/pH;6〜8.5 (20)酸素に対する態度: 好気性 (21)O−F試験[Hugh leifson法]: (−) (22)糖類の利用: L−アラビノース 資化性(−) D−キシロース 資化性(−) D−グルコース 資化性(−) D−マンノース 資化性(−) D−フラクトース 資化性(+) D−ラムノース 資化性(−) D−メリビオース 資化性(−) D−アミグダリン 資化性(−) マルトース 資化性(+) シュークロース 資化性(−) ラクトース 資化性(−) D−ソルビトール 資化性(−) D−マンニトール 資化性(−) イノシトール 資化性(−) グリセリン 資化性(++) ゼラチン 資化性(+) N-アセチル-D-ク゛ルコサミン 資化性(−) (23)アルコールの利用: メタノール 資化性(−) エタノール 資化性(−) D.その他の特徴的性質: エスクリンの分解 (+) アルギニンの分解 (−) E.化学分類的性質: 16S-rRNA遺伝子の塩基配列: 配列番号:3No.13株の同定 No.13株の16S-rRNA遺伝子の塩基配列を比較したとこ
ろ、Ideonella 属細菌、Rubribivax 属(光合成)細
菌、 Leptothrix属(鞘皮)細菌の16S-rRNA遺伝子の塩
基配列と95%以上の高い一致をみた。
【0071】光合成細菌の特徴である嫌気・光条件での
生育が極めて悪いこと、クエン酸とグリセリンの利用能
力が異なることから、No.13株は、Rubribivax 属細菌で
はないと判断した。
【0072】Leptothrix属細菌の中には、鞘を形成せ
ず、マンガンを酸化しない変異株も知られているが、N
o.13株が鞘皮細菌の特徴である鞘を菌体の周囲に形成し
ないこと、マンガン塩を酸化して黒色の酸化マンガンを
培地中に形成しないこと、そして利用できない糖類が比
較的多いことから、No.13株がLeptothrix属細菌である
可能性も否定された。
【0073】そして、Ideonella 属細菌が、塩素酸塩と
硝酸塩を電子受容体として嫌気で生育できるのに対し、
No.13株は微弱ながら硝酸塩のみを利用して嫌気で生育
した。
【0074】また、Ideonella 属細菌について報告され
た範囲内で検討したところ[前出の、Malmqvist 等の文
献]、炭素源の資化性と生理学的性質の一致をみてい
る。さらに、16S-rRNA遺伝子の塩基配列は、99.2%とい
う極めて高い一致率を示しており、No.13株はIdeonella
属に最も近縁にある細菌であると判断し、No.13株をId
eonella sp. No.13と命名した。
【0075】実施例3:SE分解菌 No.13株による酵素生
実施例1で単離したNo.13株に関して、その酵素(蔗糖
脂肪酸エステル(SE)の合成酵素)の生成能力を以下の手
順に従って評価した。
【0076】(1) 培地の調製ならびに検討 L培地(組成を下記表9を示した)、L/10培地(組成を
下記表10に示した)、および最少培地(組成を下記表11
を示した)の3種類の培地を基本培地とし、炭素源とし
て、蔗糖脂肪酸エステル(SE)またはグルコース(Glu)を
添加した培地を調製した。
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】
【表11】
【0080】No.13株の培養は500ml容の坂口フラスコで
行った。 L/10+1%グルコース培地で培養した前培養
液0.5mlを100mlの各培地に接種し、37℃で2日間振とう
した。
【0081】そして、No.13株の培地および炭素源が与
える影響について検討した。 つまり、前出のL/10培
地、L培地および最少培地に、炭素源として蔗糖脂肪酸
エステル(SE)またはグルコース(Glu)を添加し、 図7に
示した培地の栄養条件下でNo.13株を培養し、菌体増殖
とエステラーゼ活性を調べた。 炭素源を添加したL/10
培地、L培地で菌体は良好に増殖し、高いエステラーゼ
活性が認められた。
【0082】最少培地での菌体の増殖は芳しくなかっ
た。 誘導剤として用いた蔗糖脂肪酸エステル(SE)は、
その使用の有無にかかわらず、No.13株はエステラーゼ
を生産しているいことが判明した。 これらの結果を受
けて、エステラーゼ生産量の多かったL+Glu1%培地
を、以後の実験に用いた。
【0083】(2) No.13株の培養 まず、前培養を、L/10+1%グルコース培地で、37℃
で、一夜振とう培養して行った。 L培地よりもL/10培
地の方が、培養初期の増殖が良好なため、前培養にはL/
10培地を用いた。 本培養には、5l容量のミニジャー
ファーメンター(マルビシ バイオ エンジ製)を用
い、培地は、L+1%グルコース培地とし、培地量2.5
l、温度37℃、通気量1.25l/分(0.5VVM)、接種量50ml(2
%)の条件下で培養を行った。 消泡剤としてアデカノー
ル103を必要時に添加した。
【0084】図8に、No.13株をミニジャーファーメン
ターで培養した時の培養経過図を示した。 それによる
と、約10時間後の誘導期の後、対数増殖し、その後、吸
光度は徐々に減少した。 目視観察によれば、栄養的に
貧弱な培地であるL/10+Glu1%培地を用いた方が、誘
導期は短かった。 そして、培養液上清のエステラーゼ
活性は、菌体増殖に伴って増加し、増殖が停止した後
も、徐々に増加した。最終的に、2.6単位/mlのエステラ
ーゼを生産した。
【0085】一方、培養液のpHは培養の進行に従って上
昇し、培養開始時に7.3であったのが、終了時には8.79
になった。 培養終了時の培養液はアンモニア様の臭気
を呈しており、アミン系化合物が生成され、その結果、
pHがかように上昇したものと考えられる。 高いpHによ
る、菌体増殖および酵素生産の阻害を懸念して、pHコン
トローラーを用い、塩酸によりpHを7.6に調整して同様
の培養実験を行ったが、菌体増殖および酵素生産にはほ
とんど変化はなかった。
【0086】(3) 粗酵素の調製 まず、No.13株の前々培養を、試験管を用いて、5mlのL
/10+1%グルコース培地で、37℃で、一夜振とう培養
して行った。 前培養は、2l容量の坂口フラスコを用
い、前々培養液の全量を、1lのL+1%グルコース培地
で、37℃で、1日振とう培養して行った。 本培養に
は、100l容量のジャーファーメンター(マルビシ バ
イオ エンジ製、タイプMPF)を用い、培地は、L+1%
グルコース培地とし、培地量50l、温度37℃、通気量50l
/分(1VVM)、接種量1l(2%)、培養時間48時間の条件下で
培養を行った。
【0087】100 l容量のジャーファーメンターで培養
した培養液を、シャープレス連続遠心機で除菌した。
得られた上清液を、4℃で、限外濾過濃縮器(旭化成、
マイクローザUF SPL-1053)で1/10量にまで濃縮した。
濃縮液に、pH7.5の20mMトリス塩酸緩衝液に溶解し、同
緩衝液中で透析、脱塩した。 得られた粗酵素液を凍結
乾燥して、粗酵素粉末とした。
【0088】そして、実施例1に記載のSE寒天法および
滴定法で酵素活性を測定したところ、2000単位/gの酵
素活性であった。
【0089】次に、No.13株培養液上清を濃縮、硫安塩
析、透析脱塩した粗酵素について、蔗糖脂肪酸エステル
分解の温度特性とpH特性を、前出の滴定法によって分析
し、その結果を、それぞれ図9と図10に示した。 pH4
〜pH8のpH域ではMcIlvaine緩衝液(リン酸水素2ナト
リウムとクエン酸を含む)を、また、pH9〜pH10のpH域
ではClark-Lubs緩衝液(ホウ酸、塩化カリウムおよび水
酸化ナトリウムを含む)を用いた。
【0090】図9のグラフから明らかなように、蔗糖脂
肪酸エステル(SE)分解の至適温度は60℃であり、70℃と
80℃でも活性が認められた。 一方、図10のグラフから
明らかなように、至適pHは8で、pH6〜pH8で高い活性
を示した。
【0091】そして、エステラーゼまたはリパーゼの基
質となり得る代表的なエステル化合物の分解活性を調べ
た。 以下の表12に、蔗糖脂肪酸モノエステルに対する
分解活性を100としたときの相対活性を示した。
【0092】
【表12】
【0093】4mlのMcIlvaine緩衝液(pH8)、4.75ml
の水、0.25gの基質(エステル化合物)、1mlの粗酵素
液からなる反応液を、60℃で、30分振とうして反応させ
た後、滴定法による活性測定と同様にして酵素の相対活
性を求めた。 蔗糖脂肪酸モノエステル以外に、糖類の
エステル誘導体であるTween-80(ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル)に対しても分解活性が認めら
れた。 この粗酵素は、同じ糖エステルでも、水に溶解
しない蔗糖脂肪酸ポリエステルにはほとんど作用しなか
った。
【0094】また、エステラーゼの基質である(活性測
定条件下では水溶性を呈する)酢酸エチルにもほとんど
作用しなかった。 さらに、エステラーゼとリパーゼの
活性測定基質として広く使用されているPNPA(パラニト
ロフェニルアセテート)にもほとんど作用しなかった
(データ示さず)。 そして、トリグリセライドについ
ても、水溶性のトリアセチン、および、非水溶性のトリ
ブチリンとオリーブ油に対してもほとんど作用しなかっ
たことから、本酵素はいわゆるリパーゼと呼ばれる酵素
ではないものと思われる。 よって、水溶性の糖類エス
テルに特異的に作用する特殊なエステラーゼである可能
性が高く、今後、さらに多くの基質について調査すれば
その傾向はさらに明確になるであると考えられる。
【0095】実施例4:SE分解菌 No.13株産生酵素によ
る蔗糖脂肪酸エステルの合成 実施例3(3)で得られた粗酵素を用いて、様々なショ糖
脂肪酸エステルの合成反応を行った。
【0096】オクタン酸(C8)、ラウリン酸(C12)ま
たはミリスチン酸(C14)のうちいずれかの脂肪酸10 m
g、50重量/容量%ショ糖を含む50 mMリン酸緩衝液(pH
7)100μl、粗酵素液20μl(3単位)及びジメチルスル
ホキシド20μl(13.3容量%)を含む反応液をエッペン
ドルフチューブに入れ、45℃にて20時間反応させた。次
いで、反応液に400μlのメタノール、400μlのクロロホ
ルム及び100μlの水を加えて溶媒抽出し、下層のクロロ
ホルム層40μlを、シリカゲルプレート60(メルク社
製)に適用して、薄層クロマトグラフィー分析に供し
た。 この際の展開溶剤として、クロロホルム/メタノ
ール/酢酸/水=70/20/8/2の混合溶剤を用いた。
また、対照群として、粗酵素液を含有しない反応液で
同様の操作を行った。 この結果を図11に示す(図中、
微弱なスポットが存在していた箇所に、手書きにてマー
クしてその存在を示した)。
【0097】図11において、酵素存在下に反応を行う
と、各炭素数の脂肪酸について鎖長に応じたRf値(C8:
0.19及び0.15、C12:0.22及び0.18ならびにC14:0.25及
び0.20)を有する矢印で示される各々2種の反応産物が
生成されている(図11、レーンb、d及びf)。 ここ
で、脂肪酸の炭素数が大きくなるほど生成物のRf値は大
きくなっており、また、本酵素が2つのショ糖脂肪酸エ
ステル異性体を分解したことに対応するように反応産物
が2種であるとの知見からして、これらエステラーゼ反
応によってショ糖脂肪酸モノエステルの置換位置異性体
2種が生成されたと考えられる。
【0098】さらに、同様の条件下での反応におけるエ
ステルの生成を確認するために、ショ糖とラウリン酸を
反応させて合成される産物について検討した。 反応条
件は、上記と同様であり、反応終了後の抽出物を、ショ
糖モノラウレートを含む標準試料(DKエステルS-L18A、
第一工業製薬社製)と比較すべく、薄層クロマトグラフ
ィー分析した。 展開溶剤として、クロロホルム/メタ
ノール/酢酸/水=70/20/8/2の混合溶剤を用いた。
この結果を図12に示す。
【0099】図12に明示したように、本酵素を用いたシ
ョ糖とラウリン酸との反応によって、標品のショ糖モノ
ラウレートと同様のRf値(0.40及び0.33)を有する産物
が得られた。 次いで、この反応産物を高速液体クロマ
トグラフィー質量分析(LC-MS)に供した。 LC-MS装置
として、高速液体クロマトグラフィー部分には、カラム
Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 mm×150 mm、ナカライテス
ク社製)を装備したLC10AT(島津社製)を用いた。 使
用溶離液は、10 mMの酢酸アンモニウム水溶液(溶離液
A)と10 mM酢酸アンモニウムのメタノール溶液(溶離
液B)を用い、流速 0.7 ml/分にて溶離液A100%から
溶離液B100%までの直線濃度勾配とした。
【0100】質量分析部分には、Finigan Mat LCQ装置
(Finigan社製)を用いて、イオン化はESI法により、ま
た検出は負イオンにて行った。 得られた液体クロマト
グラフィーの結果を図13に示す。
【0101】図13において、主たるピークa及びbの保
持時間は、市販のショ糖モノラウレートの標品の保持時
間と一致していた。 そして、双方のピークのマススペ
クトルにより、ショ糖モノラウレートの分子量524.6に
対して、-H(523.6)、+CH3CO0(583.6)及び+CF3COO(637.
6)の質量数にピークが確認された。 また、市販の標品
のマススペクトルにおいても同様の質量数のピークが確
認された。
【0102】このように、本発明の酵素存在下で、ショ
糖とラウリン酸とを反応させると、ショ糖モノラウレー
トの2種類のエステル置換位置異性体が得られることが
明らかになった。
【0103】
【発明の効果】このように、本発明によると、所期の目
的であった、蔗糖と脂肪酸から直接に蔗糖脂肪酸エステ
ル(SE)を合成する酵素と、これを産生する新規の微生物
が提供される。
【0104】この酵素の発現に関与する遺伝子の解析が
なされている現状では、遺伝子に変更を加えて改変を施
し、蔗糖脂肪酸エステル(SE)の合成により適した酵素を
作り出すことも可能となる。 すでにプロテアーゼにお
いては、構造的に改変を加えて分解活性を抑え、水が多
量にある反応系においても高い合成力を備えた酵素が作
り出されており、また、エステラーゼとプロテアーゼの
反応機構は同じであるため、合成力の高いエステラーゼ
を作り出すことは、当該技術分野での技術水準からすれ
ば、さほど困難でないと予想される。 同時に、合成反
応の条件を最適化することで、反応率を着実に改善する
ことも当然に期待できる。
【0105】つまり、遺伝子レベルでの改変、酵素の改
変/修飾と反応条件の検討ならびに改善によって、蔗糖
脂肪酸エステル(SE)の収率の改善が大いに期待できるの
である。
【0106】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 AAGAGTTTGA TCATGGC 17 配列番号:2 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GGTTACCTTG TTACGACTT 19 配列番号:3 配列の長さ:1452 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:イデオネラ属細菌 (Ideonella sp.) 株 名:Ideonella sp. No. 13 (FERM P-16206) 配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 1..1452 特徴を決定した方法:E その他の情報: この部分は、Ideonella sp. No. 13
の16S-rRNA遺伝子の塩基配 列である。
【0107】配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 138..145 特徴を決定した方法:P その他の情報: この部分は、Proteobacteriaに特徴的
な塩基配列である。
【0108】配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 279..286 特徴を決定した方法:P その他の情報: この部分は、Proteobacteriaに特徴的
な塩基配列である。
【0109】配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 331..337 特徴を決定した方法:P その他の情報: この部分は、Proteobacteriaに特徴的
な塩基配列である。
【0110】配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 474..483 特徴を決定した方法:P その他の情報: この部分は、Proteobacteriaに特徴的
な塩基配列である。
【0111】配列の特徴 特徴を表す記号:rRNA 存在位置: 1368..1377 特徴を決定した方法:P その他の情報: この部分は、Proteobacteriaに特徴的
な塩基配列である。
【0112】 配列 TCAGATTGAA CGCTGGCGGC ATGCCTTACA CATGCAAGTC GAACGGTAAC GCGGGGCAAC 60 CTGGCGACGA GTGGCGAACG GGTGAGTAAT GCATCGGAAC GTGCCCAGTA GTGGGGGATA 120 GCCCGGCGAA AGCGAATTAA TACCGCATAC GACCTGAGGG TGAAAGGGGG GGATCGCAAG 180 ACCTCTCGCT ATTGGAGCGG CCGATGTCAG ATTAGGTAGT TGGTGGGGTA AAGGCCTACC 240 AAGCCGACGA TCTGTAGCTG GTCTGAGAGG ACGACCAGCC ACACTGGGAC TGAGACACGG 300 CCCAGACTCC TACGGGAGGC AGCAGTGGGG AATTTTGGAC AATGGGCGCA AGCTGATCCA 360 GCCATGCCGC GTGCGGGAAG AAGGCCTTCG GGTTGTAAAC CGCTTTTGTC AGGGAAGAAA 420 TCTTCTGAGT TAATACCTCG GGAGGATGAC GGTACCTGAA GAATAAGCAC CGGCTAACTA 480 CGTGCCAGCA GCCGCGGTAA TACGTAGGGT GCAAGCGTTA ATCGGAATTA CTGGGCGTAA 540 AGCGTGCGCA GGCGGTTTTG TAAGACAGAG GTGAAATCCC CGGGCTCAAC CTGGGAACTG 600 CCTTTGTGAC TGCAAGGCTT GAGTGCGGCA GAGGGGGATG GAATTCCGCG TGTAGCAGTG 660 AAATGCGTAG ATATGCGGAG GAACACCGAT GGCGAAGGCA ATCCCCTGGG CCTGCACTGA 720 CGCTCATGCA CGAAAGCGTG GGGAGCAAAC AGGATTAGAT ACCCTGGTAG TCCACGCCCT 780 AAACGATGTC AACTGGTTGT TGGGAAGGTT CCTTCTCAGT AACGTAGCTA ACGCGTGAAG 840 TTGACCGCCT GGGGAGTACG GCCGCAAGGT TGAAACTCAA AGGAATTGAC GGGGACCCGC 900 ACAAGCGGTG GATGATGTGG TTTAATTCGA TGCAACGCGA AAAACCTTAC CTACCCTTGA 960 CATGGCAGGA ATCCTGAAGA GATTTGGGAG TGCTCGAAAG AGAACCTGCA CACAGGTGCT 1020 GCATGGCCGT CGTCAGCTCG TGTCGTGAGA TGTTGGGTTA AGTCCCGCAA CGAGCGCAAC 1080 CCTTGTCATT AGTTGCTACG AAAGGGCACT CTAATGAGAC TGCCGGTGAC AAACCGGAGG 1140 AAGGTGGGGA TGACGTCAGG TCCTCATGGC CCTTATGGGT AGGGCTACAC ACGTCATACA 1200 ATGGCCGGTA CAGAGGGCTG CCAACCCGCG AGGGGGAGCC AATCCCAGAA AACCGGTCGT 1260 AGTCCGGATC GCAGTCTGCA ACTCGACTGC GTGAAGTCGG AATCGCTAGT AATCGCGGAT 1320 CAGCTTGCCG CGGTGAATAC GTTCCCGGGT CTTGTACACA CCGCCCGTCA CACCATGGGA 1380 GCGGGTTCTG CCAGAAGTAG TTAGCCTAAC CGCAAGGAGG GCGATTACCA CGGCAGGGTT 1440 CGTGACTGGG GT 1452
【図面の簡単な説明】
【図1】 SE寒天法にて培地上に形成されたハローの状
態を示す写真である。
【図2】 SE寒天法による白濁円の直径(mm)と、滴定法
で測定した酵素活性(単位/ml)との間の相関を示すグ
ラフである。
【図3】 SE分解菌 No.13株によるハロー形成の状態を
示す写真である。
【図4】 SEを含む寒天培地上で生育したNo.13株によ
るハロー形成を示す写真である。
【図5】 SEを含まない寒天培地上で生育したNo.13株
によるハロー形成を示す写真である。
【図6】 No.13株の光学顕微鏡写真(倍率:1000倍)
である。
【図7】 三種の培地でのNo.13株の生育状況を示すグ
ラフである。
【図8】 No.13株をミニジャーファーメンターで培養
した時の培養経過図を示すグラフである。
【図9】 粗酵素の温度特性を示すグラフである。
【図10】 粗酵素のpH特性を示すグラフである。
【図11】 本発明のショ糖脂肪酸エステラーゼによる
種々のショ糖脂肪酸エステルの合成の態様を表す図であ
る。
【図12】 本発明のショ糖脂肪酸エステラーゼによる
ショ糖ラウレートの合成の態様を表す図である。
【図13】 図12において得られたショ糖ラウレート
の高速液体クロマトグラフィーにおける分離を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蔗糖と脂肪酸から蔗糖脂肪酸エステルを
    合成する酵素を産生し、かつイデオネラ(Ideonella)属
    に属する単離された微生物。
  2. 【請求項2】 前記微生物が、配列番号:3に記載の塩
    基配列からなる16S-rRNAを有する請求項1に記載の微生
    物。
  3. 【請求項3】 前記微生物が、以下の性状、すなわち、 A.形態的性質(寒天培地および液体培地に生育した細菌) (1)細胞の形と大きさ:桿状、0.5μm×1.5〜5.0μm (2)運動性の有無: あり (3)グラム染色性: 陰性 B.培養的性質、培地における生育状態 (1)肉汁液体培養: (+) (2)マッコンキー培地: (−) C.生理学的性質 (1)グラム染色性: 陰性 (2)硝酸塩の還元能: 硝酸塩 (+) 亜硝酸塩 (−) (3)VPテスト: (+) (4)インドールの生成: (−) (5)硫化水素の生成: (−) (6)アセトインの生成: (+) (7)デンプンの加水分解: (8)有機酸の利用: クエン酸 資化性(−) 酢 酸 資化性(+) 安息香酸 資化性(−) 蟻 酸 資化性(−) 乳 酸 資化性(+) リンゴ酸 資化性(+) ピルビン酸 資化性(+) コハク酸 資化性(+) グルコン酸 資化性(−) n−カプリル酸 資化性(−) アジピン酸 資化性(−) 酢酸フェニル 資化性(−) (9)色素の生成: (−) (10)ウレアーゼ: (−) (11)オキシダーゼ: (+) [シトクロムcオキシダーゼ] (12)プロテアーゼ: (+) [カゼイン寒天] (13)エステラーゼ: (+) [SE寒天] (14)B−ガラクトシダーゼ: (−) (15)アルギニンジヒドロラーゼ: (±) (16)リジンデカルボキシラーゼ: (−) (17)オルニチンデカルボキシラーゼ:(−) (18)トリプトファンデアミナーゼ:(±) (19)生育の範囲: 温度;30〜37℃/pH;6〜8.5 (20)酸素に対する態度: 好気性 (21)O−F試験[Hugh leifson法]: (−) (22)糖類の利用: L−アラビノース 資化性(−) D−キシロース 資化性(−) D−グルコース 資化性(−) D−マンノース 資化性(−) D−フラクトース 資化性(+) D−ラムノース 資化性(−) D−メリビオース 資化性(−) D−アミグダリン 資化性(−) マルトース 資化性(+) シュークロース 資化性(−) ラクトース 資化性(−) D−ソルビトール 資化性(−) D−マンニトール 資化性(−) イノシトール 資化性(−) グリセリン 資化性(++) ゼラチン 資化性(+) N-アセチル-D-ク゛ルコサミン 資化性(−) (23)アルコールの利用: メタノール 資化性(−) エタノール 資化性(−) D.その他の特徴的性質: エスクリンの分解 (+) アルギニンの分解 (−) を有する請求項2に記載の微生物。
  4. 【請求項4】 前記微生物が、イデオネラ属細菌No.13
    (Ideonella sp. No.13 (FERM P-16206))である請求項3
    に記載の微生物。
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JP2008199957A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Kyoto Institute Of Technology 芳香族ポリエステル分解細菌およびこれを用いた芳香族ポリエステル分解方法

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