JPH1154245A - セラミックスヒーター - Google Patents

セラミックスヒーター

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JPH1154245A
JPH1154245A JP21236597A JP21236597A JPH1154245A JP H1154245 A JPH1154245 A JP H1154245A JP 21236597 A JP21236597 A JP 21236597A JP 21236597 A JP21236597 A JP 21236597A JP H1154245 A JPH1154245 A JP H1154245A
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heater
heat transfer
heat
ceramic
surface roughness
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JP21236597A
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Inventor
Masuhiro Natsuhara
益宏 夏原
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な構造であり、流体を介し被加熱体を高
速加熱できかつ高速均熱化の可能なセラミックスヒータ
ーを提供する。 【解決手段】 電気絶縁性のセラミックス基板上に発熱
体を具備たセラミックスヒーターであり、その伝熱面に
よって直接加熱される被加熱体が流体であり、その伝熱
面の表面粗さがRaで0.3μm以上のものであり、さ
らには同表面粗さがRaで2μmを越えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性のセラ
ミックス製基板上に層状発熱体を具備し、直接の被加熱
体が流体であるセラミックスヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスを絶縁性基板として用い、
同基板上に層状の発熱体回路および同回路への通電に供
する電極を設けた、いわゆるセラミックスヒーターは、
小型軽量であること、通電の電流密度を比較的大きくと
れること等の長所がある。セラミックスヒーターに用い
られる電気絶縁性のセラミックス製基板の材料には、ア
ルミナ(以下Al23と記述)、窒化アルミニウム(以下
AlNと記述)、窒化珪素(以下Si34と記述)等が利
用されている。これらの中でも特にAl23は安価であ
り、比較的熱伝導が良いので広く用いられている。
【0003】しかしながら、最近コンパクトで熱伝導性
の高いセラミックスヒーターの需要が急激に増加しつつ
あり、市場では特に短時間で昇温・均熱化の図れるもの
が好まれるようになってきた。このニーズに応えるため
にはセラミックス製基板自体に高い耐熱衝撃性が要求さ
れる。このような観点から現用のAl23基板を眺める
と、安価である反面必ずしも満足しうるものとは言えな
い。例えば急熱急冷のヒートサイクルによって割れ易
く、例えば1分以内での短時間での高速昇温と急速な均
熱化ができない問題がある。
【0004】この点AlN、Si34はいずれもAl2
3よりも高価な材料ではあるが、例えばAlNは、熱
伝導率が高く比較的曲げ強度が高いために急速な昇降温
が可能であるとともに、均熱化に要する時間も短かくす
ることができる。またSi34はAl23に比べれば、
格段に優れた曲げ強度を有するとともに、熱伝導率も高
いためAlNに準ずる有望なセラミックス製基板の材料
候補である。
【0005】例えば特開平5−135849号公報およ
び特開平9−80940号公報には、画像定着装置のセ
ラミックスヒーターの基板にAlNを用いた事例が紹介
されている。また本発明者等は、AlN基板を用いたセ
ラミックスヒーターを同様の画像定着装置に適用した類
似の事例を、特願平8−285096号として出願して
いる。これらの文献に開示されたヒーターでは、その伝
熱面に耐熱性プラスチックスのフィルムが接触し、同フ
ィルムを介して被加熱体である紙に熱を伝えている。そ
して通常は耐熱性プラスチックスフィルムとの間での熱
伝導の接触抵抗を抑え、ヒーターと同フィルム間の隙間
を減らすために、ヒーターの表面はかなり平滑に仕上げ
られている。例えば特願平8−285096号公報に
は、その表面粗さはRaで2μm以下、さらには0.5
μm以下が望ましいとされている。しかしながら、この
ような平滑な面を形成するためには、難加工性のセラミ
ックスの表面を長時間かけて研磨加工しなければなら
ず、コストアップとなる。
【0006】またヒーターの伝熱効率を上げるために
は、基板材料の改良以外にも種々の研究がなされてき
た。例えば特開昭63−160190号公報には、発熱
体の伝熱面から発した赤外線を効率良く被加熱体に伝え
るための一手段が開示されている。この手段によれば、
発熱源であるニクロム線ヒーターの外周にマイカを配置
し、さらにその伝熱に供する表側の面に高い赤外線放射
効率を有する材料からなる層を配置し、その裏側の面に
は高い赤外線反射効率を有する材料からなる層を配置し
ている。これによってその挟持部分での伝熱効率を改善
している。しかしながら、このような構造のヒーターで
は発熱体の両側に、特定の材料を取り付けねばならず加
工工程が煩雑となり、やはりコストアップは避けられな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
述べた問題点を解消してより製造コストの低減が図れる
軽量かつ高熱効率のセラミックスヒーターを提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明が提供するセラミックスヒーターは、電気絶縁性
のセラミックス基板上に発熱体を具備してなるものであ
って、同ヒーターの伝熱面によって直接加熱される被加
熱体が流体であり、同ヒーターの伝熱面の表面粗さがR
aで0.3μm以上のものである。さらには同表面粗さ
がRaで2μmを越えるものである。なおここで「ヒー
ターの伝熱面」とは、被加熱体への伝熱レイアウトによ
って種々の面が考えられる。例えばその面が発熱体を設
置した面である場合もあるし、または基板を介したその
裏面である場合もある。また発熱体を設置した面の側面
である場合もある。
【0009】このような基板の材料としては、特にその
熱伝導率が80W/m・K以上のセラミックスからなる
ものがあり、この中でも特に同基板がAlNを主成分と
するセラミックスからなるものがある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によれば、電気絶縁性基板
をセラミックスで構成し、その表面に層状の発熱体回路
部、および必要により同回路部への通電量を制御する制
御部と同発熱体に通電する電極部を具備した小型、軽量
かつヒートサイクルに強いセラミックスヒーターが提供
される。その伝熱面の表面粗さはRaで0.3μm以上
のものである。なお本発明で言う「ヒーターの伝熱面」
とは、ヒーターの発熱体回路を形成した基板の全表面を
指す。ただし同一面に形成された同回路への通電に供す
る電極、制御用回路およびリード部分は除外される。本
発明のヒーターでは、その熱がヒーターの伝熱面から直
接まず流体に伝わる。または熱がその伝熱面からまず流
体に伝わり、その流体を介して個体に伝わる。したがっ
て被加熱体が例えば空気・水・油等の流体であれば、そ
れらの加熱のために用いることができる。また被加熱体
が固体であれば、伝熱はこれらの流体を経て行われる。
被加熱体が固体の場合、介在する流体は層状または膜状
であっても良く、それが二層以上であっても良い。
【0011】発熱体の表面粗さをRaで0.3μm以
上、好ましくはRaで2μmを越える微視的凹凸形状に
するのは、ヒーターの表面粗さを大きくすることによっ
てその表面積が増加し、熱伝達面積を広くでき、その伝
達熱量を大きくできるからである。直接に加熱するもの
が流体の場合、常にヒーター表面に被加熱体が供給され
るため、高い効率で熱が伝達され得る。このように表面
粗さを大きくすることによって熱の伝達面積が拡がると
ともに、ヒーター表面の熱の放射率が1に近づくので、
より一層高い熱伝達効率のものが得られる。ただし直接
に加熱される流体の流れがヒーター表面の微視的凹凸に
よって妨げられること無く、定常的にヒーターの広い面
積と接触するためには、ヒーター表面の表面粗さはRa
で20μm以下とするのが望ましい。
【0012】また例えば目的とする被加熱体が固体や高
粘性の液体であり、これが薄い空気層のような断熱性の
流体層を介してヒーターに密着しているような場合に
は、その流体層に熱伝導性の良い流体を介在させるのが
望ましい。熱伝導性の良い流体としては、液体では例え
ば熱伝導性のグリース等の樹脂や高温時に溶融する半田
や銀ロウ等のロウ材等々が挙げられ、気体では例えばヘ
リウムや水素等の分子量の小さい気体等々が挙げられ
る。このようにするとヒーター表面からの熱によって流
体の粘性が早く低下するため、熱の伝達はより一層加速
される。
【0013】またセラミックス製の半田ゴテの先にこの
ようなヒーター構造を適用すれば、表面粗さが大きいた
めにフラックスの保持能力が向上し、その作業を高い効
率で進められる別の効果も得られる。
【0014】ヒーター全体の熱効率を向上させるために
は、セラミックス製の電気絶縁性基板材料自体にも高い
熱伝導性が要求される。またそれとともに、加熱・冷却
を頻繁に繰り返すような用途には、耐熱衝撃性に優れた
材料が要求される。このような要求を満たすセラミック
スとしては、例えばAlN、Si34、窒化硼素(以下
BNと記述)、炭化珪素(以下SiCと記述)、ベリリア
(以下BeOと記述)等が挙げられる。
【0015】この内SiCは通常のもので熱伝導率が1
50W/m・K以上、曲げ強度・耐熱衝撃性でも問題は
ないが、電気絶縁性に劣るため表面を電気的に絶縁処理
しないと用いることはできないという制約がある。また
BNは熱伝導率・曲げ強度・耐熱衝撃性ともに優れてい
るが高価である。BeOは毒性があり、実用上好ましく
ない。さらにSi34は曲げ強度・耐熱衝撃性の点では
優れているが、熱伝導率が30W/m・K程度であり、
ヒーター基板内での温度のバラツキが大きくなる。
【0016】本発明のヒーター用途に好適な基板の熱伝
導率は、80W/mK以上である。上記セラミックスの
内Si34以外のものは全てこのレベルの熱伝導率を有
するものであるが、上記の実用性を考慮するとAlNを
主成分とするものが最も好ましい材料である。
【0017】電気絶縁性基板上に形成する発熱体層の形
成方法は特に制約は無く、基板表面への溶射、蒸着、印
刷焼き付け等種々の手段が適用できる。しかしながら通
常は印刷焼き付けによる方法が最も生産性に優れた方法
である。すなわちスクリーン印刷によって発熱体回路、
必要によっては電極、制御回路の各パターンを形成した
後、焼成によって同パターンを焼き付ける方法である。
【0018】発熱体の材質には、スクリーン印刷法のよ
うな厚膜法では主にタングステン(以下Wと記述)、モリ
ブデン(以下Moと記述)、銀ーパラジウム(以下Ag−
Pdと記述)、白金ーパラジウム(以下Pt−Pdと記
述)、酸化ルテニウム(以下RuO2と記述)等の成分が、
また蒸着法のような薄膜法ではニクロム(以下Ni−C
rと記述)、窒化タンタル(以下TaNと記述)等の成分
がある。印刷法ではこれらの成分にビヒクル、有機溶剤
を加えてペースト状にし、セラミックス製の基板上にこ
れらのペーストを所望のヒーター回路パターンにて、印
刷または塗布した後焼成する。なお上記成分の内W,M
oのように融点の高い成分の層を形成する場合には、セ
ラミックス製基板の焼結前の生成形体上にこれらのペー
ストを印刷または塗布し、セラミックスの焼結と同時に
焼き付けすることもできる。
【0019】本発明においてヒーターの表面を、その表
面粗さRaで0.3μm以上にするには、ヒーター回路
を形成した後にサンドブラスト、ホーニング、バレルま
たは砥石・砥粒による研磨等種々の方法が採用できる
が、通常は焼結したままのセラミックス素地をそのまま
活かし、その適度な凹凸を利用して、その上にヒーター
回路を成膜することによって形成することができる。し
たがって、本発明によれば、通常の場合セラミックス基
板の表面は仕上げ加工する必要が無い。
【0020】
【実施例】
(実施例1) 射出成形用のポリプロピレン樹脂の混練
り状のスラリーを加熱するため、表1のaないしgに記
載の材質のセラミックスヒーターを作製し、その性能を
評価した。まずAlN、Si34、SiC、Al23
主成分とする焼結体製で、外径60mm、内径50m
m、長さ100mmの円筒形状の基板を表2に記載の種
類でそれぞれ3個ずつ調製した。いずれの焼結体試料も
99%以上の相対密度(アルキメデス法で計量した実測
密度を理論密度で除した値)であった。なおSiCを主
成分とする焼結体試料は、生成形体で表1のaの組成の
AlN系成分を含むペースト(電気絶縁層となる)を全表
面に塗布して乾燥した後、以下に記述するように通電用
電極とするWペーストを塗布し、セラミックス本体とと
もに焼結して調製した。これらの模式的なヒーター形状
を図1に示す。なお図示していないが発熱体への通電用
電極の層を基板の両端部に形成した。同電極層はこれら
のセラミックスを焼結する前の生成形体の段階で、該当
する位置にWペーストを印刷塗布してそのパターンを形
成しておき、セラミックスと同時焼結することによって
形成した。また通電用のリードは、下で述べる発熱体印
刷回路パターンを焼き付けした後、この電極層の一部に
ニッケルメッキ層を形成し銀ロウによって配設した。
【0021】各セラミックス焼結体試料の組成および熱
伝導率等の物性値を表1に示す。各物性値は上記ヒータ
ー形状試料と同一条件で調製したそれぞれの試片により
確認した。熱伝導率はレーザーフラッシュ法で、3点曲
げ強度はJIS基準の方法で、熱膨張係数は棒状試験片
によって常温から300℃の温度範囲で確認した。なお
熱衝撃性のレベルを示す破壊抵抗係数については、(表
には記載しないが)ヤング率をインストロン試験機によ
って確認したストレスーストレイン曲線を用いて算定
し、この値と上記の3点曲げ強度・熱膨張係数・熱伝導
率の値より試算した。各ヒーター試料のスラリーが通過
する内径側の面は、適宜表2に記載のような表面粗さに
仕上げ加工を行った。いずれの試料も焼結肌でその表面
粗さがRaで5ないし10μmであったので、同じ表面
粗さの試料は焼結肌のまま、それ以下の表面粗さの試料
は砥粒で伝熱面である内径側の面を研磨加工して調製し
た。またそれ以上の表面粗さの試料は内径側をサンドブ
ラスト加工して、その表面粗さを同表に記載のレベルに
調整した。その後外周表面におおよそ図1に記載の発熱
体回路パターンで、Ag−Pdペーストを印刷塗布し
た。印刷はスクリーン上に同ペーストをにじませ、この
スクリーン上に円筒状のセラミックス製基板素材を回転
させることによって行った。その後これを乾燥し、大気
中880℃で焼き付けた。
【0022】
【表1】
【0023】その後この円筒状ヒーターの一方の口径端
を射出成形機のスラリー加熱口に接続し、電源および温
度調節器を備えた外部回路に通電用リード端子を接続
し、スラリー加熱時の熱効率を評価した。試験時間は昇
温後1時間保持し、降温する単位サイクルで100サイ
クル繰り返した。その結果を表2に示す。ヒーターの均
熱性を見るため、1サイクル目およびその後の10サイ
クルおきに100サイクルまでの前後11回にわたっ
て、ヒーター表面の温度分布を計測した。その計測は昇
温後2分間保持の時点で、サーモグラフィーにてヒータ
ーの長手方向全長にわたって行い、表1の「均熱性」欄
に記載の温度分布の最大の振れ幅が得られた。なおこの
場合実用上支障の無い同幅ΔΤの目安は10℃以下であ
る。スラリーの成形性についてはこの均熱性に大きく左
右されるが、表1の同項目欄には、成形体の内部に気泡
が無く均一に成形されている状態の場合は○印を、成形
体内部の一部に気泡が存在している状態の場合はΔ印
を、成形体内部に気泡がかなり多数存在している場合は
×印をそれぞれ付した。
【0024】
【表2】
【0025】気泡が成形体内部に存在するのは、ヒータ
ーの内側をスラリーが通過する際に、スラリーが十分加
熱されていないか、若しくは加熱し過ぎたことによる溶
剤不足によって生じる。スラリーが十分加熱されていな
い場合、スラリーの粘度は高い。したがって、スラリー
内に気泡を抱き込み易くなる。またスラリーを加熱し過
ぎると、スラリー内の溶剤が揮散した後の隙間に気泡を
抱き込み易くなる。ヒーターの均熱性が十分であれば、
このような不具合は起こらない。またヒーターの熱が素
早くスラリーに伝わらない場合には、ヒーターに近い部
分のスラリーは過熱気味となり、逆に遠い部分のスラリ
ーは加熱不足気味となり、均質な成形体が得られない。
【0026】以上の結果より以下のことが分かる。(1)
ヒーター伝熱面の表面粗さがRaで0.3μm未満の場
合には、ヒーターの温度分布幅ΔTは10℃を越えスラ
リーの成形性が低下する。ヒーター伝熱面の表面粗さが
この値以上になると均熱性は改善され、良質な成形体が
得られる。さらに2μmを越えると、特に20μm以下
の範囲内であれば、より一層以上の点が改善される。
(2)この均熱性は昇温後所定の時間で確認しているの
で、熱伝導率の高いヒーター基板の方が均熱に達する時
間が早く、ΔT値は小さく抑えられる。(3)Al23
主成分とする焼結体をヒーター基板とした試料gの場
合、表面粗さによっては急昇温ができない、繰り返し加
熱による途中での割れが生じる。
【0027】(実施例2) 実施例1のa、d、f、g
と同質の基板材料を用いて、模式的に図2に示したよう
な電気湯沸かし器用のセラミックスヒーターを作製し
た。形状は実施例1同様円筒状とし、外径15mm、内
径10mm、長さ200mmとした。水道水をその内径
側に流して、実施例1と同様の様式でヒーターの熱効率
を確認した。焼結後の各セラミックス基板の両端部にM
oペーストを印刷して焼き付け、Mo層を形成して通電
用の電極とした。その後実施例1と同様にしてニッケル
メッキ層をその一部に形成して、リード端子を銀ロウ付
けした。ヒーター回路はNi−Crを蒸着法により所定
のパターンを形成した。
【0028】さらに各ヒーター試料の伝熱面である内周
面を、実施例1と同様にして表3に記載の表面粗さに仕
上げた。その後既製の電気湯沸かし器を改造した器具の
給水パイプに、ヒーターの内側口径部分を接続し、ヒー
ターは既成の通電制御回路部に結線した後、給水パイプ
のバルブを開いて、15℃の水道水を1.5リットル/分
(l/min)の流量でヒーター内を通過させ、ヒーター
に通電することによるヒーターの長手方向での最大温度
幅および出口側の水温を計測した。水温はいずれも棒状
水温計によって測った。その結果を表3に示す。試験時
間は昇温後1時間保持し降温する単位サイクルで100
サイクル繰り返した。その結果を表3に示す。ヒーター
の均熱性を見るため、1サイクル目およびその後の10
サイクルおきに100サイクルまでの前後11回にわた
って、ヒーター表面の温度分布を計測した。その計測は
昇温後2分間保持の時点で、サーモグラフィーにてヒー
ターの長手方向全長にわたって行い、表3の「均熱性」
欄に記載の温度分布の最大の振れ幅が得られた。なおこ
の場合実用上支障の無い同幅ΔTの目安は10℃以下で
ある。
【0029】
【表3】
【0030】以上の結果より、ヒーターの伝熱面の表面
粗さまたは基板の熱伝導率の大小による一定時間後のヒ
ーターの均熱性の度合いは、実施例1と同様の傾向にあ
ることが分かる。また、それによる熱伝効率も均熱性の
高い試料ほど高いことが分かる。
【0031】(実施例3) 実施例1のa、d、f、g
と同質のセラミックス焼結体を用いて半田ゴテを作製し
た。まずこれらの材質からなる円筒形状の成形体を作る
ため、同円筒形状を展開した形の生成形シートを調製し
た。すなわち図3のaに示すような矩形のシート状の生
成形体を予め調製し、その一方の面に同図に模式的に示
した発熱体回路となるのW回路パターンをペースト印刷
法で形成した。これをW回路パターンが内周になるよう
に、同図の矢印方向に巻き取り、同図シートの上下の端
を繋ぎ円筒形状に再成形して一体化した。その後同W回
路の両ターミナル部分に、同様なWペーストを刷毛によ
って塗布して、図3のb(リング状に一体化した成形体
を側面から見た図である。)に示すように外部との通電
用のW電極部を形成した。その後いずれの試料も窒素中
900℃で脱脂を行い、図3のcに示すようにその先端
部分を半田ゴテの先端部断面形状になるように丸め成形
加工を行った。その後AlNを主成分とする成形体は、
窒素中1800℃で、またAl23を主成分とする成形
体は窒素中1600℃でそれぞれ焼結した。焼結後の外
径は5mm、内径は2mm、長さは30mmの円筒形で
あった。
【0032】焼結後半田ゴテの先端部分については、実
施例1と同様にしてその表面粗さを表4に記載の値に調
製した。最後にW電極部にニッケルメッキを施し、銀ロ
ウによって外部電源・制御回路と接続した。半田ゴテと
しての実用性の評価結果を表4に示す。なお同表の記載
中フラックスの補給頻度欄の表示は、例えば「1/4」
とは一度フラックスをコテに付けると、4ケ所の半田付
けがフラックスの補給無しで行えることを示す。また
「昇温性」の欄には使用温度である400℃に達するま
での時間(分)を示すが、Al23製のコテの場合、電源
投入時急速に昇温させると割れるため割れずに使用温度
に達するまでの最短時間(分)を示す。
【0033】
【表4】
【0034】以上の結果より、ヒーターの伝熱面の表面
粗さまたは基板の熱伝導率の大小による一定時間後のヒ
ーターの均熱性の度合いは、実施例1と同様の傾向にあ
ることが分かる。またそれによる熱伝効率も均熱性の高
い試料ほど高く、フラックスの補給頻度も少ないことが
分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明によって提供されるその表面粗さ
を一定値以上に制御したセラミックスヒーターは従来の
ものに比べ安価な構造であり、このヒーターを用いるこ
とによって流体を介した被加熱体の高効率な伝熱が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒーターの一実施例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明のヒーターの一実施例を示す模式図であ
る。
【図3】本発明のヒーターの一実施例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1、セラミックス基板 2、発熱体回路 3、通電制御用の外部回路 4、スラリー通路 5、水道水通路 6、水温計 7、セラミックス成形シート 8、通電電極部 9、半田ゴテ先端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性のセラミックス製基板上に発
    熱体を具備してなるセラミックスヒーターであって、当
    該セラミックスヒーターの伝熱面によって直接加熱され
    る被加熱体が流体であり、当該セラミックスヒーターの
    伝熱面の表面粗さがRaで0.3μm以上であることを
    特徴とするセラミックスヒーター。
  2. 【請求項2】 前記伝熱面の表面粗さがRaで2μmを
    越えていることを特徴とする請求項1に記載のセラミッ
    クスヒーター。
  3. 【請求項3】 前記流体が熱伝導性の流体であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のセラミックスヒー
    ター。
  4. 【請求項4】 前記基板は、その熱伝導率が80W/m
    ・K以上のセラミックスからなることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載のセラミックスヒータ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記基板は、窒化アルミニウム(AlN)
    を主成分とするセラミックスであることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載のセラミックスヒータ
    ー。
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