JPH11514916A - 多段相抽出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本多相抽出装置は、上部及び下部において連結導管４により連結されている少なくとも２つの室１、１ａ、２、２ａを含んでなる。更に室は、第１及び第２の分散された相中に小滴群を形成させるための分散装置３、４ａを備えている。そしてこの多相抽出装置には、第１及び第２の分散された相の供給及び除去のための口８、９、１０、１１、８ａ、９ａ、１０ａ、１１ａが取り付けられている。本発明の改良は、実質的に室１、２が連結導管４の入り口開口の領域に位置する隔離域６、７を含んでなるという事実にある。

Description

【発明の詳細な説明】 多段相抽出装置 本発明は、上部と下部が連結導管で連結され、分散装置を備え、そして第１、 第２及び随時第３の分散された相の供給及び除去のための口を含んでなる少なく とも２つの室を有する多相抽出装置に関する。 この種の多相抽出装置は、物質の分離、抽出、濃縮及び精製のために、化学、 湿式冶金、微生物及び他の工業分野で使用することができる。 ３相流体の抽出工程を行う装置は、２つの室が上部で一緒に連結され、または 多孔性の分離板を含んでなる２室の形のものが公知である。この室を連続相で満 たし、この連続相に溶解しない２つの分散された相を滴々の形で通過させる。こ の結果、物質は１つの分散された相（ラフィネート相）から連続相（液膜相とし ても公知）を通って他の分散された相（抽出相）へ移行する［参照、例えばジャ ーナル「セオレチッシェ・グルンドラーゲン・デア・ヘミッシェン・テクノロジ ー（Ｔｈｅｏｒｅｔｉｓｃｈｅ Ｇｒｕｎｄｌａｇｅｎ ｄｅｒ ｃｈｅｍｉｓ ｃｈｅｎ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅ）］１９８４、１８巻、６号、７３６〜７３ ８ページ］。 これらの装置は、その性能並びに多段工程への拡張に関して改良が必要である 。 技術的観点から及び達成できる効果の観点から、連続相（液膜）で満たされた 第一及び第二室からなる３相抽出装置は、公知の装置に最も近い。この室は、各 相を分散させるための装置を有し、連続相の循環のために溢流路により一緒に連 結されている。溢流路は室の上部及び下部を連結するパイプの形をしている。ま た抽出装置は、第一及び第二の分散 された相の供給及び除去のための口を備えている［１９９４年４月２７日付けロ シア国特許願第９４−０１５７７６／２６（０１５４０６）］。 分散すべき相、即ち最初の溶液及び溶媒（抽出相）を、分散装置によりそれぞ れ適当な室に滴々に分散させる。この小滴は連続相中を一緒に移動する。第一及 び第二室における乳化液間の密度の相違のため、上部及び下部溢流路を介して連 続相の循環が起こり、結果として抽出すべき物質が１つの室から他の室へ、また 分散すべき第１相から第２相へ移行する。 公知の３相抽出装置の欠点は、分散された相の小滴が循環連続相により１つの 室から他の室へ随伴されることがあるという事実である。この現象は装置の効率 を低下させ且つ抽出相の汚染をもたらす。また特に循環運動量（第一及び第二室 における乳化液の密度間の差）の増大の結果としてラフィネート相と抽出相の流 速比が上昇するならば、その現象は更に強められる。他の欠点は、この抽出装置 で連続的な多成分抽出を行うことが不可能なことである。即ちこの抽出装置は多 成分混合物の選択的分離（最初の溶液からの個々の成分の分離）が必要とされる 工程には使用できない。 稀薄溶液からの物質、例えば排水からの金属の抽出及び濃縮の場合、ラフィネ ート及び抽出の流れの比は２〜１０より高くてよい。そのような場合、公知の抽 出装置のデザインは、効率の向上を何ら可能にしない。 本発明の目的は、多相抽出装置の効率を改善することである。本発明の更なる 目的は連続多成分抽出を行うための多相抽出装置を開発することである。 この目的は、上述した装置から出発して、多相抽出装置の２つの室が 連結導管に対する入り口開口の領域に位置する分離域を含んでなる本発明に従っ て達成される。 好適な具体例によれば、第二室はその上部及び下部において第三室と連結され る。 室は有利にはハウジングの中に配置され、共通の分離板によって分離される。 本発明の改良は、上部及び下部において連結された室を有する第１段階の直ぐ 下に、直列で連結され且つ相互に連結された室を有する更なる段階が存在し、そ して個々の段階が分散された相が通流する有孔板（ふるい板）により一緒に連結 されているということが特徴である。 多相抽出装置は、好ましくは有孔板に連結導管を備えて各段階間に連続相を輸 送し、またハウジング内に連続相の供給及び除去口を備えている。 連結導管または溢流路の入り口開口付近に配置された分離域または分離室を含 んでなる具体例は、連続相の循環流が１つの室から他の室へ小滴を随伴するのを 防止する。共通の分離板で準分離されたハウジング内の２つの室の配列もこれに 寄与する。この場合、溢流路として作られた連結導管の断面は実質的に増加し、 連続相の流速は１つの室から他の室への移行時に低下する。 第二室と第三室との連結は、共通の中央に第二室を含む基本的に新規な多室系 を提供する。第３の分散された相の導入及び除去似た目の口並びに分散装置と関 連して、このデザインは連続多成分抽出工程の実施を可能にする。 室間のその上部及び下部における連結は、工程の種々の技術的変化の 実行に好都合である。例えば分散すべき第２相は最初の溶液として使用できる。 ついでそれから分離された成分は、連続相を通って第１及び第３の分散された相 へ移行する。ほかに最初の混合物を連続相の形で供給しても良い。この場合、連 続相の種々の成分は種々の分散された相へ抽出される。 第一及び第二室に続く同様のデザインの室の更なる配置（数段階の直列連結） は、多相抽出装置における多段物質分離工程の実施を可能にする。連続相の供給 及び除去のための口並びに段階間にそれを輸送するための連結パイプを有する抽 出装置の具体例は、液膜法及び３相抽出法を用いる分離法の実施を可能にする前 提条件を確立する。 図１〜３は本発明による３相抽出装置の３つの可能な変化を示す構成図であり 、図４〜６は多相抽出装置の更なる具体例である。 図１は、液膜として働く固定された位置の循環連続相を用いる物質の分離法を 行うための１段階抽出装置を示す。 図２及び３は、室がハウジング内に配置された多段３相抽出装置である。 図２による抽出装置において、室は垂直壁１６の形の共通隔離板により分離段 階において準分離されている。図３による抽出装置では、この隔離板が中央の同 心円パイプ１６の形をしている。この場合、１つの室１は環状の外側室内に配置 され、他の室２は抽出装置が円筒形の塔型で作られるように中央のパイプ１６内 に配置されている。 すべての具体例において、３相抽出装置は、本質的には共に分散装置を備えて いる第一室１及び第二室２を含んでなる。分散された相に依存して、接触せしめ られる相間の境界は室１及び２間の連結部の上または 下に存在しなければならない。３相抽出装置の室１及び２は、連結導管４または 溢流路の入り口開口に取り付けられた分離域または分離室６及び７を含んでなる 。この抽出装置は第１及び第２の分散される相の供給のための口８及び９並びに 除去のための口１０及び１１を備えている。 図２及び３による多段抽出装置は、再上部の第一室１及び第二室２の下に配置 された直列に連結された室１及び２の系を含んでなる。更に連続相の供給のため の口１２及び除去のための口１３並びに上部及び下部の室間に連続相を（段階か ら段階へ）移送するための連結導管１４も付与されている。異なる状態の室１及 び２は、隣の室間おいて分散装置として役立つ有孔板１５（ふるい板）を介して 一緒に連結されている。１つの段階内において、室１及び２は、それぞれ下部の 有孔板１５の上且つ上部の有孔板の下に配置された共通の隔離板１６によって分 離されている。 ３相抽出装置の運転の基礎になる原理は次の通りである。第一及び第二室に連 続相を満たす。分散すべき第１及び第２相を口８及び９並びに分散装置３を通し て室に供給する。接触させる液体の密度に依存して、分散された相の小滴は室１ 及び２中を上方へまたは下方へ移動する。多段装置の場合には各段階で分散と凝 集が繰り返される。第２及び続く段階の室で分散すべき相の分散は、（相流の移 動により）有孔板１５によって達成される。２つの分散された相は口１０及び１ １により抽出装置から除去される。 小滴が室１及び２を通って一緒に移動するにつれて、異なる密度の乳化液が生 成する。結果として、連続相は上昇する動き及び下降する動きを発現する。これ は連続相の、連結部４の入り口開口に取り付けられた 隔離板域６及び７を介する室１及び２間での循環をもたらす。 連続相が室１及び２中を隔離板域６及び７を通って流れるにつれて、連続相に より随伴された分散された相の小滴は分離される。このようにして、第１及び第 ２の分散された相の流れの混合の結果として、分離工程によってこうむる効率の 低下が著しく減少する。 分散された相の小滴の随伴は、隔離域６及び７及び連結部４における連続相の 流速に依存する。室１及び２の、ハウジング内に配置された隔離板による準分離 （図２及び３を参照）の結果として、連結部４の断面積が実質的に増加し、かく して連続相の速度が更に減少し、したがって小滴の更に良好な分離が達成される 。この関連において、分散された相に対する液体溢流（水圧層）の形の隔離域６ 及び７の簡単な且つ有効な構造が利用される。 ３相抽出装置は、液膜による物質の分離装置並びに多相抽出装置として使用で きる。第１の場合、最初の溶液（ラフィネート相）を分散された相の形で室１及 び２に供給する。抽出すべき物質は連続相によって抽出される。この（液膜とし ても働く）循環する連続相によって抽出された物質は他の室に移動し、そこで第 ２の分散された相（抽出相）による再抽出が行われる。循環する連続相は、固定 位置（図１）のまたは通流（図２、３）の形であってよい。後者の場合、少なく とも２つの成分を含む最初の溶液を口１２を介して抽出に供し、抽出すべき種々 の種類の成分を室１及び２において異なる分散された相を介して抽出する。多段 塔装置の場合、連続相及び分散された相の向流接触が起こる。連続相は上部の及 び下部の室間の連結パイプ１４を経て段階から段階へ流れ、口１３から装置を出 る。 上述した多相抽出装置は、ラフィネート相及び抽出相間の大きな及び種々の割 合の場合にも、分離工程の効果的な実施を可能にする。 図４は、多成分抽出工程に対する１段抽出装置を示す。この場合、すべての分 散された相の密度は連続相の密度より大きくなければならない。連続相はラフィ ネートまたは供給物相である。分散された相は抽出相を表す。抽出装置のすべて の室は図５及び６に示すように塔内に配置されている。 図６による断面図は、室が円筒形塔内に配置された具体例を示す。第一及び第 三室において、１ａ及び３ａはそれぞれ環状の室であり、一方第二室２ａは中央 のパイプである。 図４〜６による多相抽出装置は、基本的には、第一、第二及び第三室、それぞ れ分散装置４ａを備えた１ａ、２ａ及び３ａからなる。第一及び第三室、それぞ れ１ａ及び３ａは、その上部及び下部において第二室２ａに連結されている。こ の抽出装置は第一、第二及び第三の分散された相の供給のための口６ａ、７ａ、 ８ａ及び除去のための９ａ、１０ａ、１１ａを備えている。 図５による多段抽出装置は最上の段階の３つの室の下に配置された更なる室１ ａ、２ａ及び３ａを備えている。更にそれは連続相の供給のための口１２ａ及び 連続相の除去のための１３ａも備えている。 図４〜６による多相抽出装置の運転の基礎になる原理は次の通りである。第一 、第二及び第三室、それぞれ１ａ、２ａ及び３ａに連続相を満たす。分散すべき 第１、第２及び第３相を、口６ａ、７ａ及び８ａ並びに分散装置４ａを通して供 給する。接触させる液体の密度に依存して、分散された相の小滴は室１ａ、２ａ 及び３ａ中を上方へまたは下方へ移 動し、相界面で凝集する。多段抽出装置の場合、各段階で分散と凝集の工程が繰 り返される。第２及び続く段階の室で分散すべき相の分散は、隣の段階の室を隔 離する有孔板１４ａを通過させることによって達成される。第１、第２及び第３ の相は口９ａ、１０ａ及び１１ａから除去される。 室１ａ、２ａ及び３ａにおける乳化液間の密度の違いの結果として、連続相は 第二室において上昇する動き及び第一及び第三室、それぞれ１ａ及び２ａにおい て下降する動きを発現する。これは上部及び下部の連結部を介する室間での循環 をもたらす（図４及び５）。向流循環の達成も可能である。この場合、上昇する 動きは、室２ａで起こり、下降する動きは室１ａ及び３ａで起こる。 多室系における第２ａ室の第３ａ室との連結の結果として、連続相は室２ａか ら始まるいくつかの循環回路を形成し、その流れにつれて流れの混合も起こるよ うになり、最初の溶液の成分が種々の分散された相間で分配される。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、上部及び下部において連結導管（４）により連結され、分散装置（３、４ ａ）を備え、そして第１及び第２の分散された相の供給及び除去のための口（８ 、９、１０、１１、８ａ、９ａ、１０ａ、１１ａ）を含んでなる少なくとも２つ の室（１、１ａ、２、２ａ）を有する多相抽出装置であって、室（１、２）が連 結導管（４）の入り口開口の領域に位置する隔離域（６、７）を含んでなる該多 相抽出装置。 ２、第二室（２ａ）がその上部及び下部において第三室（３ａ）と連結されて いる請求の範囲１の装置。 ３、室がハウジング内に収容され、共通の隔離板（１６）で分離されている請 求の範囲１及び２の装置。 ４、相互に連結された室を有する第１段階の直ぐ下に、直列に且つ相互に連結 された室を有する更なる段階が配置され、但し個々の段階が分散された相が通流 する有孔板（１５、１４ａ）によって一緒に連結されている請求の範囲１〜３の 装置。 ５、連結パイプ（１４）が有孔板（１５）に取り付けられて個々の段階間に連 続相を輸送し、そして口（１２、１３）が連続相の供給及び除去のためにハウジ ング上に配置されている請求の範囲４の装置。