JPH11514857A - 抗原虫剤の標的としてのヒストンデアセチラーゼ - Google Patents

抗原虫剤の標的としてのヒストンデアセチラーゼ

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JPH11514857A JP9512810A JP51281097A JPH11514857A JP H11514857 A JPH11514857 A JP H11514857A JP 9512810 A JP9512810 A JP 9512810A JP 51281097 A JP51281097 A JP 51281097A JP H11514857 A JPH11514857 A JP H11514857A
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Abstract

(57)【要約】 ヒストンデアセチラーゼ阻害は、潜在的な抗原虫化合物を同定するための標的を提供する。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は原虫感染症に対する治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 抗原虫剤の標的としてのヒストンデアセチラーゼ発明の背景 寄生原虫類はヒト及び動物の多様な感染症に関与している。該感染症の多くは 宿主の生命にかかわり、畜産業界に多大な経済的損失をもたらす。例えば、マラ リアは、該疾患を撲滅しようとする国際的な非常な努力にも拘わらず、依然とし てヒトの健康を大いに脅やかしている。Trypanosoma cruziに よって引き起こされるシャガス病及びT.bruceiによって引き起こされる アフリカ睡眠病のようなトリパノソーマ症はアフリカや南アメリカでは珍しくな い。また、Pneumocystiscarinii、Toxoplasma gondii、クリプトスポリジウム属によって引き起こされる免疫減弱宿主の 日和見感染は開発途上国でますます増大している。 経済的に極めて重要な原虫感染症は、アイメリア属の原虫が媒介して感染する 家畜の広範囲に及ぶ病気であるコクシジウム症である。アイメリア属のうちで最 も重要な原虫には、家禽の原虫、即ち、E.tenella、E.ac ervulina、E.necatrix、E.brunetti及びE.ma ximaがある。コクシジウム症は、家禽の高罹患率及び高死亡率に関与し、甚 大な経済的損失をもたらし得る。 シャガス病のようなある種の原虫感染症には満足すべき治療法がない。他の原 虫感染症では原虫の薬剤耐性株が発生し得る。従って、新規且つ有効な抗原虫薬 を同定することが依然として求められている。しかし、駆虫薬の発見は、殆どの 場合、寄生虫集団に対する天然産物及び合成化合物の生物学的スクリーニングに よる無作為の労力を要するプロセスの結果であった。このプロセスは、抗原虫薬 の標的を同定してスクリーニングプロセスに組み込むことができれば、はるかに 容易且つより特異的になり得る。 ヒストンデアセチラーゼ(脱アセチル酵素)とヒストンアセチルトランスフェ ラーゼは共にヒストンの純アセチル化レベルを制御する。ヒストンデアセチラー ゼの作用を阻害すると、高アセチル化されたヒストンが凝集し、それが、遺伝子 発現の改変、細胞分化及び細胞周期の停止を含む多様な細胞性応答に影響を与え る。最近、トリコスタチンA(trichostatin A)及びトラポキシンA(trapoxin A)が それぞれ哺乳動物のヒストンデアセチラーゼの可逆阻害剤及び不可逆阻害剤とし て記載された〔例えば、Yoshidaら,Bioassays,1995,1 7(5):423−430参照〕。トリコスタチンAが、部分精製された酵母の ヒストンデアセチラーゼを阻害することも記載された〔Sanchez del Pinoら,Biochem.J.,1994,303:723−729〕。 トリコスタチンAは抗かび抗生物質であり、ネズミにおいては赤白血病細胞の抗 トリコモナス活性や細胞分化活性、sis−形質転換線維芽細胞においては表現 型の復帰を誘発する能力を有することが証明された〔例えば、米国特許第4,2 18,478号;Yoshidaら,Bioassays,1995,17(5 ):423−430及び該論文中に引用されている参考文献を参照されたい〕。 環状テトラペプチドであるトラポキシンAは、v−sis−形質転換NIH36 3細胞の形態学的復帰を誘発する〔Yoshida及びSugita,Jap. J.Cancer Res.,1992,83(4)324−328〕。本発明 者は、トラポキシンAと構造的に関連する多くの環状テトラペプチドがヒストン デアセチラーゼ阻害剤であり且つ抗原 虫活性をも有することを見出した。発明の要旨 本発明は、抗原虫剤の標的としてのヒストンデアセチラーゼに関する。より特 定的に言えば、本発明は、テスト化合物がヒストンデアセチラーゼの作用を阻害 し得るかどうかを決定することにより潜在的な抗原虫剤を同定する方法に関する 。本発明はさらに、原虫感染症に罹患している宿主にヒストンデアセチラーゼを 阻害する化合物を治療上有効量投与することにより原虫感染症を治療する方法に 関する。図面の簡単な説明 図1は、HeLa細胞ヒストンの高アセチル化を引き起こすヒストンデアセチ ラーゼ阻害剤を示す。 図2は、P.falciparum由来のヒストンの高アセチル化を引き起こ すヒストンデアセチラーゼ阻害剤を示す。発明の詳細な説明 1つの態様において、本発明は抗原虫活性を有する化合物を同定する方法を提 供し、該方法は、 (a) ヒストンデアセチラーゼ又は該酵素を含む抽出 物を、(i)ヒストンデアセチラーゼと相互作用する既知量の標識化合物、及び (ii)既知稀釈度のテスト化合物又は天然産物抽出物と接触させるステップ;及 び (b) 前記テスト化合物により誘発された前記標識化合物の相互作用の阻害 率(%)を定量するステップ を含む。 別の態様において、本発明は抗原虫活性を有する化合物を同定する方法を提供 し、該方法は、 (a) 宿主又は原虫の無傷の細胞をテスト化合物又は天然産物抽出物と接触 させるステップ; (b) 前記細胞を破壊してヒストンを得るステップ;及び (c) ヒストンのアセチル化レベルを測定するステップ を含む。 本発明の方法は、化合物を抗原虫薬としてスクリーニングする容易且つ特異的 なアッセイを提供する。 本発明において、ヒストンデアセチラーゼ(本明細書ではHDA又はHDAア ーゼとも称される)は、精製若しくは部分精製された天然酵素、クローン化ヒス トンデアセチ ラーゼ若しくはその改変体、該酵素の粗試料、又はヒストンデアセチラーゼ活性 を含む抽出物であってよい。該酵素は、哺乳動物源由来(例えば、ヒト頚ガン、 HeLa細胞)、鳥類源由来(例えば、ニワトリの肝臓若しくは赤血球の核)又 は原虫源由来(例えば、Eimeria tenella若しくはP.berg hei)であってよい。原虫のヒストンデアセチラーゼを用いるのが好ましい。 所望の酵素活性を保有するヒストンデアセチラーゼのフラグメントも本発明の範 囲内に包含される。 ヒストンデアセチラーゼと相互作用する化合物は、酵素の基質である化合物、 酵素とその活性部位で結合する化合物、又は別の部位に結合して酵素活性を変え る作用をする化合物であってよい。基質は、アセチル化ヒストン、若しくは該ヒ ストン由来の標識アセチル化ペプチドフラグメント、例えば、AcGly−Al a−Lys(ε−Ac)−Arg−His−Arg−Lys(ε−Ac)−Va lNH2、又は他の合成若しくは天然基質であってよい。ヒストンデアセチラー ゼに結合する化合物の例としては、n−ブチレート、トリコスタチン、トラポキ シンAのような公知阻害剤や、本明細書に記載されている他の阻害剤がある。 ヒストンデアセチラーゼと相互作用する化合物は、該化合物と該酵素との相互作 用のレベルを容易に定量し得るように標識するのが好ましい。好ましい放射性標 識はトリチウムである。 テスト化合物は、合成化合物、精製試料、粗試料、又は、植物、微生物若しく は動物源から得た天然産物の初抽出物であってよい。 本発明の1つの実施態様は、テスト化合物によって誘発されるヒストンデアセ チラーゼ活性の阻害に基づいている。該酵素の阻害アッセイには、ヒストンデア セチラーゼ又は該酵素を含む抽出物を、それぞれ既知濃度で存在する酵素基質と テスト化合物との混合物に加えるステップを含む。酵素の量は、該基質の≦20 %がアッセイ中に消費されるように選択する。該アッセイは、一連の異なる稀釈 レベルのテスト化合物を用いて実施する。インキュベーション後、酵素作用によ り放出された標識基質部分を分離し、計数する。該アッセイは一般に、(テスト 化合物を含まない)対照及び(テスト化合物の代わりに公知酵素阻害剤を含む) 陽性対照と平行して行う。当業界で承認された方法を用い、酵素活性の50%を 阻害するテスト化合物の濃度(IC5 0 )を測定する。 酵素阻害率はテスト化合物の阻害活性の最も直接的な測定値であるが、本発明 者は、酵素活性部位への結合に対してテスト化合物を公知阻害剤と競合させる競 合的結合アッセイから得られた結果が上記酵素阻害アッセイから得られた結果と 十分に相関することを見出した。該結合アッセイは、部分精製酵素よりもヒスト ンデアセチラーゼを含む粗抽出物を使用し得るために、より便利な酵素阻害率評 価法である。粗抽出物の使用は必ずしも酵素阻害アッセイに適当であるわけでは ない。というのは、抽出物中に存在する他の酵素がヒストンデアセチラーゼ基質 に作用し得るからである。競合的結合アッセイは、ヒストンデアセチラーゼ又は 該酵素活性を含む抽出物を、それぞれ既知濃度で混合物中に存在するテスト化合 物と標識阻害剤との混合物に加えて行う。インキュベーション後、酵素−阻害剤 複合体を、結合しなかった標識阻害剤及び非標識テスト化合物から分離し、計数 する。標識阻害剤とヒストンデアセチラーゼとの結合を50%阻害するのに要す るテスト化合物の濃度(IC50)を計算する。 好ましい実施態様において、本発明の方法は、ヒストン デアセチラーゼ又はアイメリア若しくはプラスモジウム属のような原虫源から得 たヒストンデアセチラーゼを含む抽出物を用いる。 より好ましい実施態様において、本発明の方法は、上記の酵素阻害アッセイ又 は結合アッセイにおいて、宿主のヒストンデアセチラーゼに対するテスト化合物 のIC50を測定して、宿主のものよりも寄生虫のヒストンデアセチラーゼに対し て選択性を有するテスト化合物を同定するステップをさらに含む。該アッセイは 、原虫宿主から得たヒストンデアセチラーゼを用いる、先に記載のアッセイと同 じであり、例えば、宿主のヒストンデアセチラーゼは、ヒトのような哺乳動物源 又はニワトリのような鳥類源から得ることができる。 寄生虫のヒストンデアセチラーゼに対して選択的である阻害剤の同定に有用な 別の方法は、酸・尿素・トリトン(AUT)ゲル電気泳動を用いてヒストンのア セチル化レベルを測定する方法である。従って、宿主のヒストンを全く若しくは 殆ど高アセチル化することなく寄生虫のヒストンを高アセチル化し得る化合物が 、選択的ヒストンデアセチラーゼ阻害剤であると考えられる。 酵素阻害又は結合アッセイに粗試料又はヒストンデアセチラーゼを含む抽出物 を用いる場合、テスト化合物の標的は、ヒストンのアセチル化レベルを調べて確 認することができる。例えば、該酵素を含む宿主又は寄生虫の無傷の細胞をテス ト化合物で処理する。あるいは、該酵素を含む宿主又は寄生虫の無傷の細胞を標 識した酢酸ナトリウム(14Cが好ましい標識である)で処理する。どちらの場合 にも、細胞を溶解し、ヒストンを部分精製し、酸・尿素・トリトン(AUT)ゲ ル電気泳動にかけて分析する。タンパク質の検出は、染色又はフルオログラフィ ーにより放射性標識を検出して行う。そのようなAUTゲル上ではアセチル化種 の移動が遅いために特異的にアセチル化した種は容易に区別し得る。ヒストンデ アセチラーゼ阻害剤は、ヒストンを高アセチル化する。AUTゲル電気泳動はテ スト化合物で処理した無傷の細胞を用いるので、この方法は細胞環境内でヒスト ンデアセチラーゼ阻害剤に変換され得るプロドラッグの同定にも用い得るが、該 酵素自体をベースとするアッセイではそのような同定はできないであろう。 別の態様において、本発明は原虫感染症の治療法を提供し、該方法は、原虫感 染症に罹患している宿主に、ヒスト ンデアセチラーゼを阻害する化合物を治療上有効量投与することを含む。治療上 有効量とは、原因原虫のヒストンデアセチラーゼを阻害するのに十分な量であり 得る。 ヒストンデアセチラーゼ阻害剤であり得、従って原虫感染症の治療に有用であ り得る公知化合物の例には、トリコスタチンA、トラポキシンA、HC−tox in、クラミドシン(chlamydocin)、Cly−2、WF−3161、Tan− 1746、アピシジン(apicidin)及びその類似体が含まれるがそれらには限定 されない。トリコスタチンA、トラポキシンA、HC−toxin、クラミドシ ン、Cy−2及びWF−3161並びにその誘導体は当業界では周知である。H C−toxinはLieschら(1982)Tetrahedron 38, 45−48に、トラポキシンAはItazakiら(1990)J.Antib iot.43,1524−1532に、WF−3161はUmehanaら(1 983)J.Antibiot.36,478−483に、Cly−2はHir otaら(1973)Agri.Biol.Chem.37,955−956に 、クラミドシンはClosseら(1974)Helv.Chim.Acta.57 ,533−54 5に、また、Tan 1746はTakeda Yakuhin Kogyo K.K.の日本国特許第7196686号に記載されている。 本明細書に引用されているアピシジン及びその類似体は以下の構造式を有する : アピシジンIa、Ib、Icは、1994年7月27日に出願された係属出願 USSN08/281,325号及び1995年5月23日に出願された同8/ 447,664号に記載されている。該化合物は、上記出願明細書に開示されて いるようにフザリウム属の株から生成する。 ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は抗原虫剤として有用である。従って、該阻害 剤は、ヒトや家禽を含む動物の原虫感染症の治療及び予防に用い得る。ヒストン デアセチラーゼ阻害剤を用いる得る原虫感染症の例及びそれぞれの原因病原体に は、(1)アメーバ症(双核アメーバ属、Entamoeba histoly tica);(2)ランブル鞭毛虫症(ランブル鞭毛虫);(3)マラリア(P .vivax、P.falcparum、P.malariae及びP.ova leを含むプラスモジウム属);(4)リーシュマニア症(L.donovan i、L.tropica、L.mexicana及びL.braziliens isを含むリーシュマニア属);(5)トリパノソーマ病及びシャガス病(T. brucei、T.theil eri、T.rhodesiense、T.gambiense、T.evan si、T.equiperdum、T.equinum、T.congolen se、T.vivax及びT.cruziを含むトリパノソーマ属);(6)ト キソプラズマ症(Toxoplasma gondii);(7)新胞子虫症( neosporosis)(Neospora caninum);(8)バベシア症(バ ベシア属);(9)クリプトスポリジア症(クリプトスポリジウム属);(10 )赤痢(大腸バランチジウム);(11)膣炎(T.vaginitis及びT .foetusを含むトリコモナス属);(12)コクシジウム症(E.ten ella、E.necatrix.E.acervulina、E.maxim a、E.brunetti、E.mitis、E.bovis、E.melag ramatisを含むアイメリア属並びにイソスポラ属);(13)腸肝炎(H istomonas gallinarum);並びに(14)アナプラズマ属 、Besnoitia属、リューコサイトゾーン属、微胞子虫類、サルコシスチ ス属、タイレリア属及びニューモシスチス・カリニにより引き起こされる感染症 が含まれる。 ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、アピコンプレクサ亜門のメンバーによって 引き起こされる原虫感染症の治療又は予防に用いるのが好ましい。ヒストンデア セチラーゼ阻害剤は、ヒト及び動物のマラリア、トキソプラズマ症、クリプトス ポリジア症及びトリパノソーマ病の治療又は予防、並びにコクシジウム感染症の 治療や予防、特に家禽のコクシジウム症の防除処置に用いるのがなお好ましい。 家禽のコクシジウム症の予防におけるような、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤 の持続的な投与が考えられる場合、該阻害剤は宿主のヒストンデアセチラーゼよ りも原虫の該酵素に対して選択的であるのが好ましい。そのような選択的阻害剤 を長期間投与することにより、ヒストンデアセチラーゼの阻害による宿主への有 害作用が最小限になると考えられる。 ヒト及び動物の寄生虫感染症の発症を阻止するためにヒストンデアセチラーゼ 阻害剤を用いる2つの特定の例は、食餌又は飲料水に入れて阻害剤を連続投与す ることによる(1)ヒトの風土病的流行地域におけるプラスモジウム(マラリア )感染症の予防及び(2)家禽のコクシジウム症の予防である。マラリアは全世 界の死因の第1位を占め る。マラリアは風土病的流行地域では蚊を媒介として感染し、極めて急速に致命 的な感染症に進行し得る。従って、マラリアを媒介する蚊が存在する地域に居住 するか又は該地域を訪れる個人は、感染症の予防のために決まって予防薬を用い る。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1日当たり1回以上経口又は非経口投与 し得る。投薬量は、0.01〜100mg/kgの範囲である。該化合物は、患 者又は動物が寄生虫感染症に罹患する恐れがある期間全体を通して投与し得る。 コクシジウム症は、ヒトにも動物にも発症し得る病気であり、数種のコクシジ ウム属によって引き起こされる。コクシジウム症のうち最も経済的に重要なもの は、家禽に発生するコクシジウム症である。家禽のコクシジウム症は、アイメリ ア属の寄生原虫によって引き起こされる。この病気は、汚染された糞便を介して 家禽群全体に極めて急速に伝染し得る。該寄生虫は、腸の組織を破壊し、それに よって、腸壁に損傷を与えて栄養の吸収を妨げる。家禽小屋にコクシジウム症が 発生すると、養家禽家に莫大な経済的損失をもたらし得るので、予防策として飼 料中に抗コクシジウム剤を用いることが慣例となっている。ヒストンデアセ チラーゼ阻害剤は、家禽の生存期間中の一時期又は全期間を通じて、飼料又は飲 料水に入れて投与する。投薬量は飼料又は飲料水中0.1〜500ppmの範囲 である。 ヒト及び動物の確立された寄生虫感染症を治療するために、該感染症の疑いが あるか又は感染していると診断されたら直ぐヒストンデアセチラーゼ阻害剤を経 口又は非経口投与し得る。治療期間は、特定の寄生虫感染症及び該感染症の重篤 度に準じて異なる。一般に該治療は、寄生虫が根絶されるか及び/又は該感染症 の症状がなくなるまで続ける。2つの特定の例は、(1)動物又はヒトのCry ptosporidium parvumの治療、及び(2)ヒトの急性Pla smodium falciparumマラリアの治療である。Cryptos poridiumparvumは、ヒト及び動物の腸管壁の細胞に感染して該細 胞を破壊する寄生原虫である。該感染症は、極めて急速に確立し、患者に急性作 用を及ぼす。ヒトの場合、患者は5〜7日間重症の赤痢にかかる。免疫減弱患者 では、C.parvum感染症はなかなか根治せず、致命的となり得る。動物の 場合には、C.parvum感染症は若い乳牛の死因の第1位を占める。C.p arvum感染症は、症 状や、糞便の検査により容易に診断し得る。該感染症の疑いがあったり及び/又 は感染していると診断されたら、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤を用いた治療を 開始し得る。投薬量は、0.01〜500mg/kgの範囲である。治療は、該 感染症が治癒するまで1日1回以上経口的又は非経口的に行う。通常、該投薬期 間は1〜3週間である。 P.falciparumは、ヒトに急性の致命的マラリア感染症を引き起こ す。該感染症は治療せずに放っておくと、患者が死に至る場合が極めて多い。マ ラリア感染症は患者の症状や血液試料の検査により容易に診断し得る。診断され たら直ぐ治療を開始する。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、該感染症が治癒す るまで、1日1回以上、経口又は非経口投与する。投薬量は、0.01〜200 mg/kgの範囲である。 ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、治療を要する宿主に、他の抗原虫剤の場合 と類似の方法で投与し得る。例えば、該阻害剤は、非経口、経口、局所又は経直 腸投与し得る。投与量は、用いられる特定の化合物、関与する感染器官、特定の 宿主、該感染症の重篤度、宿主の身体状態及び選択された投与経路に応じて異な り得る。適切な投薬量は当業 者が容易に決定し得る。ヒト及び動物の原虫感染症の治療における投薬量は、0 .01〜500mg/kgの範囲であってよい。ヒト及び動物の予防用に用いる 場合、投薬量は0.011〜100mg/kgの範囲である。特に家禽の抗コク シジウム剤として用いる場合、該化合物は、動物の飼料や飲料水に入れて投与す るのが好ましい。投薬量は0.1〜500ppmの範囲である。 本発明の組成物はヒストンデアセチラーゼ阻害剤及び不活性担体を含む。該組 成物は、ヒト及び家畜に用いる場合には医薬組成物の形態、また家禽のコクシジ ウム症の防除用には飼料組成物の形態であってもよい。用語「組成物」とは、有 効成分と担体を構成する不活性成分とを含む生成物、並びに2種以上の成分の組 み合わせ、複合体若しくは凝集体、1種以上の成分の分離体又は1種以上の成分 の他のタイプの反応から直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含するもの とする。従って、本発明の組成物には、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤と不活性 担体を混合することにより形成される組成物が含まれる。 本発明の医薬組成物は有効成分としてヒストンデアセチラーゼ阻害剤を含み、 該組成物はさらに、医薬上許容し得 る担体及び場合によって他の治療用成分をも含み得る。該組成物は、経口、経直 腸、局所投与並びに(皮下、筋肉内及び静脈内投与を含む)非経口投与に適当な 組成物を含むが、任意の所与のケースに最も適当な経路は、有効成分を投与する 特定の宿主や症状の性質及び重篤度に依存する。該医薬組成物は単位剤形として 製剤し、医薬業界で周知の方法のいずれかを用いて製造するのが便利である。 実際の使用に際しては、慣用の医薬製剤法に従い、ヒストンデアセチラーゼ阻 害剤を医薬担体との均質混合物中の有効成分として組み合わせることができる。 担体は、投与経路、例えば、経口又は(静脈内を含む)非経口投与に望ましい剤 形に応じて多様な形態をとり得る。 経口剤形組成物の製造には、通常の医薬媒体のいずれかを用い得る。例えば、 懸濁剤、エリキシル剤及び溶剤のような経口液体製剤の場合、水、グリコール、 油、アルコール、矯味・矯臭剤、保存剤、着色剤などを用い得る。また、散剤、 カプセル剤及び錠剤のような経口固体製剤の場合には、スターチ、糖、微晶質セ ルロース、稀釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような担体が含ま れ得る。錠剤及びカプセル剤は投与し易いことから最も有利な経口 剤形であり、該剤形に固体医薬担体が用いられることは明らかである。所望なら 、錠剤を標準的な水性又は非水性技術によりコーティングしてもよい。上記の一 般的な剤形に加えて、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、制御放出手段及び/又 は投与装置により投与することもできる。 経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれ所定量の有効成分を含むカ プセル剤、カシェ剤若しくは錠剤、散剤若しくは顆粒剤、水性液、非水性液、水 中油滴型エマルション若しくは油中水滴型エマルション中の溶剤若しくは懸濁剤 のような離散単位として製剤し得る。そのような組成物は、任意の製薬法に従っ て製造し得るが、いずれの方法も、有効成分と1種以上の必要な成分を構成する 担体とを混和するステップを含む。一般に、該組成物は、有効成分を、液体担体 若しくは微細に分割された固体担体又はその両方と均質且つ十分に混合し、必要 なら、その後で、混合生成物を所望の剤形に成形して製造する。例えば錠剤は、 場合によって1種以上の補助成分を加えて圧縮又は成形して製造し得る。圧縮錠 剤は、有効成分を、場合によって結合剤、滑沢剤、不活性稀釈剤、界面活性剤又 は分散剤と混合して、適当な機械を用いて散剤又は顆粒剤のような 自由流動形態に圧縮して製造し得る。すりこみ錠剤は、不活性液体稀釈剤で湿潤 した粉末化化合物の混合物を適当な機械で成形して製造し得る。錠剤は1個当た り約1〜約500mgの有効成分を含み、カシェ剤又はカプセル剤は1個当たり 約1〜約500mgの有効成分を含むのが望ましい。 非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースの ような界面活性剤と適当に混合した水中のこれら有効成分の溶液又は懸濁液とし て製造し得る。油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその混合 物中の分散剤として製造してもよい。通常の貯蔵及び使用条件下では、これらの 製剤は微生物の増殖を防ぐ保存剤を含む。 注射に適した医薬剤形には、滅菌水性溶剤又は懸濁剤、及び滅菌注射用溶剤又 は分散剤を必要時に調合するための滅菌散剤が含まれる。いずれの場合にも、剤 形は滅菌され且つ注射器で注入し易い程度に流動性でなければならない。該剤形 は、製造及び貯蔵条件下に安定であり且つ細菌や菌類のような微生物の汚染作用 から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール (例え ば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、 その適当な混合物及び植物油を含む溶媒又は分散媒であってよい。 適当な局所製剤には、経皮投与装置、エアゾール、クリーム、軟膏、ローショ ン、丸衣剤などが含まれる。有効成分を含むこれらの製剤は慣用法に従って製造 し得る。例えば、所望の稠度を有するクリーム又は軟膏の製造に十分な量の親水 性物質と約5〜10重量%の化合物を含む十分な量の水を混合してクリームや軟 膏を製造する。 経直腸投与に適した医薬組成物(ここで、担体は固体である)が単位薬用量の 座薬として最も好ましい。適当な担体には、ココアバターや当業界で通常用いら れている他の物質が含まれる。座薬は、軟化又は溶融担体と組み合わせて混合し 、次いで冷却、成形して形成するのが便利である。 上記医薬組成物は、適切な場合には、上記担体成分の他に、1種以上の追加担 体成分、例えば、稀釈剤、緩衝剤、矯味・矯臭剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤 、滑沢剤、保存剤(酸化防止剤を含む)などや、組成物を対象受容者の血液と等 張にするために含有される物質を含み得る。 家禽のコクシジウム症の防除処置に用いる場合、ヒスト ンデアセチラーゼ阻害剤は飼料組成物の1成分として投与するのが便利である。 適当な家禽飼料組成物は、典型的には約1〜約1,000ppm、好ましくは、 約0.01〜約0.1重量%のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を含む。最適なレ ベルは、当然、関与するアイメリアの種に応じて異なり、当業者が容易に決定し 得る。E.tenellaに関わる病原体の防除には、家禽飼料の食餌の約0. 01〜約0.1重量%のレベルが特に有用であり、腸内に寄生する種の類似の防 除に好ましい濃度は、食餌の約0.01〜約0.1重量%である。盲腸や腸のコ クシジウム症の病原性作用の軽減には約0.01〜約0.1重量%の量が有利で ある。 家禽飼料を製造する場合、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤を微粉剤形態で家禽 飼料と機械的に混合して同飼料中に分散させるか、又は中間組成物(プレミック ス)と機械的に混合して同組成物に分散させた後、他の成分とブレンドして、家 禽に与える最終家禽飼料を容易に製造し得る。家禽飼料の典型的な成分には、糖 蜜、発酵残留物、コーンミール、ひきオートムギ及び押しオートムギ、コムキの 麦芽やふすま入り飼料及びふすま入り粗挽き小麦粉、アルファ ルファ、クローバー並びに肉粉と共に、骨粉、炭酸カルシウム及びビタミン類の ようなミネラル補助成分が含まれる。 式Iの化合物を含む組成物は、粉末又は液体濃縮物形態で製造することもでき る。標準的な家畜製剤慣行に従い、ラクトース又はスクロースのような慣用の水 溶性賦形剤を散剤に混和して、該製剤の物性を改良することができる。従って、 本発明の特に適当な散剤は、50〜100%w/w、好ましくは60〜80%w /wの組み合わせ体と、0〜50%w/w、好ましくは20〜40%w/wの慣 用家畜用賦形剤を含む。これらの散剤は、例えば、中間体プレミックスを介して 動物飼料に添加してもよいし、動物が飲む水に稀釈してもよい。 本発明の濃縮液は、水溶性化合物組み合わせ体を含むのが適当であり、場合に よって、家畜に許容し得る水溶性溶媒、例えば、ポリエチレングリコール、プロ ピレングリコール、グリセロール、グリセロールホルマール、又は最大30%v /vのエタノールとの混合溶媒を含み得る。濃縮液は、動物、特に家禽の飲料水 に加え得る。実施例に用いた材料の製造法 1. アピシジン(Ia) (a) フザリウム属の接種培養ATCC 74322 フザリウム属 ATCC 74322を含む寒天斜面培地の一部を、以下の組 成を有する50mlの種培地を含有する250ml容のバッフル無しフラスコに 無菌移植した: 酵母エキス(Difco) 4.0g/L 麦芽エキス(Difco) 8.0g/L グルコース 4.0g/L Junlon(ポリアクリル酸、 Kouyok Trading Co.,Tokyo) 1.5g/L 蒸留水 1Lまでの量 (滅菌前にpHを7.0に調整) 培養体を半径2インチの回転振とう盤(220rpm)上25℃、85%相対 湿度(rh)で3日間インキュベートしてバイオマスを得た。バイオマスを部分 に分け、グリセロールを含む滅菌バイアルに移し、(凍結栄養菌糸として)凍結 した。該菌糸を10〜15%グリセロールの最終濃度で−75℃に維持した。 室温に解凍した上記凍結栄養菌糸のバイアルを種培地に接種し(種培地50m l当たり1ml)、培養体を上 記条件下に2〜4日間インキュベートした。種培養体の調製にも以下の組成を有 する種培地を用い得る: コーンスティープリカー 5.0g/L トマトペースト 40.0g/L オート粉 10.0g/L グルコース 10.0g/L 微量成分ミックス* 10ml/L 蒸留水 1Lまでの量 (滅菌前にpHを6.8に調整)* 組成(g/L)=FeSO4・7H2O(1.0);MnSO4・4H2O(1. 0);CuCl2・H2O(0.025);CaCl2(0.1);H3BO3(0 .056);(NH46MoO2・4H2O(0.019);ZnSO4・7H2O (0.2)。 (b) フザリウム属の産生培養 種培地のアリコート(12ml)を以下の組成を有する産生培地の液状部22 0ml中に植え込んだ: グルコース 150.0g/L NZアミン TypeA 4.0g/L (Sheffield Products) 尿素 4.0g/L K2HPO4 0.5g/L KCl 0.25g/L MgSO4・7H2O 0.25g/L ZnSO4・7H2O 0.9g/L CaCO3 16.5g/L 蒸留水 1Lまでの量(pH7.0)。 この混合物をぐるぐるかき混ぜてバイオマスを分散させ、次いで、675cm3 の蒸気滅菌した大粒のバーミキュライト(固体部分)を含有する2L容の回転 培養容器中に注いだ。回転ビンの内容物を振とう/混合して、全体に均一な接種 と適用範囲を確実にした。回転ビンをWheaton回転装置上で水平方向に約 4rpmで回転させながら22℃、75%rhで24日間インキュベートして、 発酵培地中で第2の代謝産物を得た。 該培養から、上記産生培地の液状部を含む液体培地(250ml容のバッフル 無しフラスコ中50ml)中で所望の代謝物も産生した。フラスコを22℃、7 5%rhで7〜14日間インキュベートした。 さらに上記液体産生培地を用い、23L容のタンク発 酵装置中での発酵も行った。10Lの産生培地+10mlのPolyglyco l 2000(Dow)を500mlの種培養体と共に接種し、21℃で、40 0rpmに設定した攪拌下に、風量5L/分及び圧力0.3バールで発酵させた 。攪拌は500rpmから600rpmに加速し、風量は発酵6日目(0日は発 酵開始日)に10L/分に増大した。生成物を単離するために14日後に発酵ブ イヨンを採取した。同じ条件を以下の組成を有する産生培地を用いる23L容の タンク発酵にも用いた: グルコース 150.0g/L フルクトース 15.0g/L スクロース 40.0g/L NZ アミン Type E 4.0g/L (Sheffield Products) 尿素 4.0g/L K2HPO4 0.5g/L KCl 0.25g/L MgSO4・7H2O 0.25g/L ZnSO4・7H2O 0.9g/L CaCO3 8.0g/L 蒸留水 1Lまでの量(pH7.0)。 (c) アピシジンの単離及び精製 上記のように調製した発酵ブイヨン(1.6L)をメチルエチルケトン(ME K)で抽出した。溶媒を蒸発させた後、残留水性懸濁液を凍結乾燥した。得られ た固体塊を塩化メチレンで十分にすり砕き、濾過した。先ず、溶液を、97:3 (v/v)の塩化メチレン−メタノールを用いる無水E.Merckシリカゲル 60の100ml容ベッド上で高速分別して、0.6カラム容量の洗浄を行った 後、化合物Ia富化試料を得た。溶離剤として酢酸エチル/塩化メチレン(1: 2v/v)を用いるEMシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて最終 精製を実施し得る。 収量:約5mgの均一物質。2. アピシジン類似体Ib及びIc (a) Fusarium pallidoroseumの種培養 Fusarium pallidoroseum ATCC 74289を含 む寒天斜面培地の一部を、以下の組成を有する種培地50mlを含む250ml 容のバッフル無しフラスコに無菌移植した: 酵母エキス(Difco) 4.0g/L 麦芽エキス(Difco) 8.0g/L グルコース 4.0g/L Junlon(ポリアクリル酸、 Kouyok Trading Co.,Tokyo) 1.5g/L 蒸留水 1Lまでの量 (滅菌前にpHを7.0に調整)。 培養体を半径2インチの回転振とう盤(220rpm)上、25℃、85%相 対湿度(rh)で2日間インキュベートしてバイオマスを得た。バイオマスを部 分に分け、グリセロールを含有する滅菌バイアルに移し、(凍結栄養菌糸として )凍結した。これらを10〜15%グリセロールの最終濃度で−75℃に維持し た。 上記凍結栄養菌糸のバイアルを室温に解凍し、種培地に接種(種培地50ml 当たり1ml)し、培養体を上記条件下にインキュベートした。 (b) Fusarium pallidoroseumの産生培養 種培養体のアリコート(上記種培地中12ml)を、以下の組成を有する産生 培地の液状部220ml中に植え込 んだ: グルコース 150.0g/L フルクトース 15.0g/L スクロース 40.0g/L NZ アミン Type E 4.0g/L (Sheffield Products) 尿素 4.0g/L K2HPO4 0.5g/L KCl 0.25g/L MgSO4・7H2O 0.25g/L ZnSO4・7H2O 0.9g/L CaCO3 8.0g/L 蒸留水 1Lまでの量(pH7.0)。 この混合物をぐるぐるかき回してバイオマスを分散させ、675cm3の蒸気 滅菌した大粒のバーミキュライト(固体部分)を含有する2L容の回転培養容器 中に注いだ。回転ビンの内容物を振とう/混合して、均一な接種及び適用範囲を 確実にした。回転ビンを、Wheaton回転装置上で水平方向に約4rpmで 回転させながら、22℃、75%rhで19日間インキュベートして、発酵培地 中で第 2代謝産物を得た。 (c) 単離及び精製 225mgの化合物Iaを含む上記のように調製した発酵ブイヨン(5.6L )を、メチルエチルケトンを用い、2時間攪拌して、消費したバイオマスを濾去 して抽出した。減圧下に溶媒を蒸発させ、得られた水性懸濁液を蒸発させた後、 得られた半固体残留物を200mlの塩化メチレン中に入れ、濾過して、大量の 不溶性非関連物質を除去した。 溶液を再度蒸発させ、新たに得られた残留物をメタノールに溶解した。メタノ ール中のSephadex LX−20の950ccカラム上のゲル濾過により 分別を進め、0.55〜0.65カラム容量後に化合物Iaと数種の関連類似体 が溶出した。その後、塩化メチレン中のメタノールのステップ勾配で溶離する1 20cc E.Merckシリカゲル 60カラム上のフラッシュクロマトグラ フィーにかけた。3%メタノール洗浄に対応する画分中で標的化合物が一緒に溶 出した。 最初のシリカカラムから溶出した物質を、塩化メチレン/酢酸エチルの3:1 v/v混合物から酢酸エチル含量を徐々に100%まで増大させて溶離する新規 の120cc E.Merck シリカゲル 60カラムにかけ、溶出順に4つの画分を得た。 画分IIIは、Ibを含む化合物の混合物を含み、該画分をそのままHPLC( 上記と同一条件)にかけて処理した。勾配溶離中15.5分後に均質化合物Ib が認められた。 一方、画分IVは、HPLCにかけるにはあまりに複雑であることが判明したの で、先ず該画分をSephadexLH−20上でゲル濾過してさらに濃厚にし てから、HPLC(50℃に維持した9×250mm Zorbax RxC8 カラム、流速 2ml/分、30%水性アセトニトリルで1時間→60%アセト ニトリル勾配の2時間かけてのアイソクラチック溶離)にかけて化合物Icの最 終精製を行った。Ve=6.9−7.2のカラム容量。3. アピシジン類似体IIA及びIIB 酸素雰囲気下に3mlの塩化メチル及び0.15mlのピリジン中に7.2m gのCu(II)(OAc)2を含む溶液を調製した。該溶液に、3mlの塩化メチ レン中50mgのアピシジンの溶液を一度に加えた。溶液を室温で12時間攪拌 し、次いで、4時間45℃に加熱した。溶媒を減圧除去し、残留物を6mlのメ タノール/水(1:1)に 溶解し、これに150mgのNaIO4を加えた。溶液を40℃で48時間攪拌 した。溶液をブラインで稀釈、塩化メチレンで抽出し、有機層を脱水(Na2S O4)、濾過、減圧濃縮した。粗生成物を、溶離剤として1:1のアセトン/ヘ キサンを用いる分取薄層クロマトグラフィー(3×1000μmシリカゲルプレ ート)にかけて部分精製した。下方のバンドを、溶離剤として1:1のアセトン /ヘキサンを用いる分取TLC(1×1000μmシリカゲルプレート)にかけ て再精製し、化合物IIA(3mg)及び化合物IIB(2mg)を得た。両化合物 とも満足すべき陽子NMRスペクトルを生成した。 物性: 化合物IIA: Rf=0.33(溶離剤として1:1のアセトン/ ヘキサンを用いるTLCによる) Tr=6.1分(溶離剤 50:50のアセトニトリ ル/水、流速 2ml/分、4.6×30cm Zo rbax RX−8カラムによる) MS:638(M+1); 化合物IIB: Rf=0.17(溶離剤として1:1のアセトン/ ヘキサンを用いるTLCによる) Tr=5.7分(溶離剤 50:50のアセトニトリ ル/水、流速 2ml/分、4.6×30cm Zo rbax RX−8カラムによる) MS:608(M+1)。3. 2−3H−N−デスメトキシアピシジン アピシジン(25mg,0.0401mmol)を分子ふるいにかけた(3: 2)CH2Cl2/1−ブタノール(4ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム −炭(約2.5mg)を加えた。該系を水素ガスで3回真空パージし、反応混合 物を1 atmのH2下に2時間23℃で激しく撹拌した(TLC制御;SiO2 ,1:1のアセトン−ヘキサン;アピシジン Rf 0.50,N−デスメトキシ アピシジン Rf 0.38)。次いで、反応混合物をセライトプラグを介して濾 過し、塩化メチレンで十分に洗浄し、濾液を真空濃縮した。残留物をフラッシュ カラムクロマトグラフィー(SiO2,1:3:96のNH4OH−MeOH−C HCl3,3×9cm)にかけて精製し、真空濃縮して、白色粉末としてN−デ スメトキシアピシジン(2 2.2mg,理論量23.8mg,93%)を得た。分析用RP−HPLC(2 ml/分で40%アセトニトリル−水→アセトニトリルの勾配溶離,8.5分で ピーク溶出;Zorbax Rx−C8,4.6mm×25cm);1H NM R(CDCl3,500MHz)満足すべき結果を得た;ESI−MS(MeC N−H2O−TFA)m/e 594(M+,C334755の計算値:593. 77)。 N−デスメトキシアピシジン(10mg,0.0168mmol)を分子ふる いにかけたCHCl3(170μl)に溶解し、0℃に冷却した。ピリジニウム ブロミドペルブロミド(8.1mg,0.0253mmol,1.5当量)をそ のまま0℃で加え、反応混合物を窒素雰囲気下に0℃で45分間攪拌した(TL C制御;SiO2,1:3:96のNH4OH−MeOH−CHCl3;N−デス メトキシアピシジン Rf 0.40,2−ブロモ−N−デスメトキシアピシジン Rf 0.44)。0℃で反応混合物を飽和水性NaHCO3でクエンチし、C H2Cl2で抽出した。有機層を水で洗浄し、Na2SO4で脱水、真空濃縮した。 粗残留物を分取逆相HPLC(20ml/分 での40%アセトニトリル−水→アセトニトリルの勾配溶離,22分でピーク溶 出)にかけて精製し、凍結乾燥して、白色粉末として2−ブロモ−N−デスメト キシアピシジン(4.3mg,理論量11mg,40%)を得た。分析用RP− HPLC(2ml/分での40%アセトニトリル−水→アセトニトリルの勾配溶 離,9分でピーク溶出;Zorbax Rx−C8,4.6mm×25cm);1 H NMR(CDCl3,500MHz)満足すべき結果を得た;ESI−MS (MeCN−H2O−TFA)m/e674(M+,C334655Brの計算値 :672.67)。 2−ブロモ−N−デスメトキシアピシジン(2mg,0.0030mmol) を分子ふるいにかけたCH2Cl2(1ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム −炭(約0.5mg)を加えた。該系をジュウテリウムガスで2回真空パージし 、反応混合物を1 atmのD2下に23℃で2時間激しく攪拌した(TLC制 御;SiO2,1:3:96のNH4OH−MeOH−CHCl3;2−ブロモ− N−デスメトキシアピシジン Rf 0.40,2−D−N−デスメトキシアピシ ジン Rf 0.34)。次いで、反応 混合物をセライトプラグを介して濾過し、塩化メチレンで十分に洗浄し、濾液を 真空濃縮して、白色粉末として2−3H−N−デスメトキシアピシジン(1.4 mg,理論量1.8mg,80%)を得た。分析用RP−HPLC(2ml/分 での40%アセトニトリル−水→アセトニトリルの勾配溶離,2−D−N−デス メトキシアピシジンの場合には9.8分及び2−ブロモ−N−デスメトキシアピ シジンの場合には10.7分でピーク溶出;Zorbax Rx−C8,4.6 mm×25cm);1H NMR(CDCl3,500MHz)満足すべき結果を 得た;ESI−MS(MeCN−H2O−TFA)m/e 595(M+,C334655Dの計算値:594.78)。 32を用いて2−ブロモ−N−デスメトキシアピシジンを2−D−N−デスメ トキシアピシジンに変換する上記ステップを繰り返して、標記三重水素化化合物 を得た。4. AcGly−Ala−Lys(ε−14C−Ac)−Arg−His−Ar g−Lys(ε−14C−Ac)−ValNH2 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF,20μl)中のAcGly−Ala −Lys−Arg−His−Arg −Lys−ValNH2(0.5mg,0.32μmol)の溶液に、無水炭酸 ナトリウム(5mg)、次いでジクロロメタン中の[14C]アセチルクロリドの 溶液(5μl,50μCi,0.877μmol,比活性=57mCi/mmo l)を加えた。混合物を25℃で0.5時間攪拌し、メタノール(200μl) を加え、溶液をガラスウールプラグを介して濾過し、炭酸ナトリウムを除去した 。濾液を窒素下に45℃でほぼ乾燥するまで濃縮し、得られた残留物をメタノー ル(500μl)に再溶解した。粗生成物を、Vydac 210HS54カラ ム(9.4×250mm)を用い、移動相が30分間での5%→20%アセトニ トリル/0.1%水性トリフルオロ酢酸の勾配からなり、流速が3ml/分の分 取逆相HPLCにかけて精製した。生成物を含む画分を合わせ、真空濃縮してア セトニトリルを除去し、1N 重炭酸ナトリウム溶液を用いてpHを6.8に調 整し、標識した標記化合物(水溶液4ml中の17μCi,予測比活性=114 mCi/mmol)を得た。該化合物は、HPLC分析(Vydac 210H S54カラム,4.6×250mm,20分間での5%→25%アセトニトリル /0.1%水性トリフルオロ酢酸 の移動相勾配、1ml/分)にかけて測定すると、>99%の放射線化学純度を 有していた。5. AcGly−Ala−Lys(ε−3H−Ac)−Arg−His−Ar g−Lys(ε−3H−Ac)−ValNH2 3:2のDMF−水(100μl)中のAcGly−Ala−Lys−Arg −His−Arg−Lys−ValNH2(3.1mg,2.0μmol)の溶 液に、ナトリウム[3H]アセテート(2:1のDMF−水中0.2M溶液40 μl,8μmol,比活性=2.9Ci/mmol)、次いで、1−ヒドロキシ ベンゾトリアゾール水和物(HOBT,DMF中0.25M溶液48μl,12 μmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド ヒドロクロリド(EDC,DMF中0.25M溶液48μl,12μmol)及 びN−メチルモルホリン(NMM,DMF中0.5M溶液48μl,24μmo l)を加えた。混合物を25℃で一晩放置し、酢酸(20μl)及びメタノール (180μl)を加えた。Vydac 218TP510カラム(9.4×25 0mm)上の多重注入によるHPLC(流速 5ml/分;2 10nmでの検出;16分間での4%→16%アセトニトリル/0.1%水性ト リフルオロ酢酸の移動相勾配)にかけて生成物を単離した。生成物を含む画分を 合わせ、エタノールで連続フラッシュしながら真空濃縮してTFAを除去した。 標識した標記化合物(3.7mCi,予測比活性=3Ci/mmol)をエタノ ール中の溶液(1.5ml)として得た。該化合物は、HPLC分析(Zorb ax Rx−C8カラム,4.5×250mm,15/85/0.1のメタノー ル:水:過塩素酸,1ml/分,220nm)にかけて測定すると、92.5% の放射線化学純度を有していた。 以下の非限定的実施例により本発明を説明する。実施例1競合的結合アッセイ (a) 溶解物の調製 ニワトリの肝臓: 3〜5羽の3週齢のニワトリの肝臓を摘出し、氷冷リン酸 塩緩衝塩水(pH7.4)中でリンスし、さいの目に切断し、再度、0.1mM フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)を含む氷冷50mM N− 2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸(HEPES) (pH7.4)で3、4回 リンスする。次いで、組織をHEPES緩衝液に再懸濁し、ポリトロンホモジナ イザー中でホモジナイズし、3,000×gで10分間遠心する。次いで、上清 をさらに100,000×gで1時間遠心する。ペレット及び脂質の浮上層を廃 棄し、上清をニワトリ肝臓S100画分と称し、結合アッセイ用に取っておく。 タンパク質濃度を予測した後、上清(S100)をアリコート化し、−80℃で 凍結する。 E.tenella卵母細胞: 約2×109個のE.tenella卵母細 胞を5mlのPBS/0.1mMPMSFに懸濁し、4.0mm及び1.0mm のガラスビーズの等量混合物(v/v)4mlを加える。次いで、ガラスビーズ −卵母細胞混合物を20分間振とうして、卵母細胞を破壊する。顕微鏡で破壊効 率を調べる。得られたホモジネートをガラスビーズから分離し、3,000×g で10分間遠心する。次いで、上清をさらに100,000×gで1時間遠心す る。ペレットを廃棄し、上清をE.tenellaS100画分と称し、結合ア ッセイ用に取っておく。タンパク質濃度を予測した後、上清(S100)をアリ コート化し、−80℃で凍結する。 P.berghei: (50%を超える寄生虫感染赤 血球を含む)P.bergheiマラリア感染マウスから22.5mlの血液を 採取し、氷上に15分間置いたサポニン〔100:1容量のリン酸塩緩衝塩水( PBS)中10%サポニン〕で処理して寄生虫を放出し、2,000×gで10 分間遠心する。ペレットをPBS中で2回洗浄し、次いで、凍結、総容量2ml 中に0.1mM PMSFを含むPBS(PBS/PMSF)中で3回解凍する 。次いで、PBS/PMSFを加えて、容量を10mlとし、懸濁液を100, 000×gで1.5時間遠心する。ペレットを廃棄し、上清をP.berghe iS100画分と称し、結合アッセイ用に取っておく。タンパク質濃度を予測し た後、上清(S100)をアリコート化し、−80℃で凍結する。 (b) 競合的結合アッセイ 各アッセイ管は、最終容量1ml中、1.3ng/mlの3H−N−デスメト キシアピシジン、150〜200μgの適切なS100上清及び0.001〜1 0μg/mlの潜在的HDA阻害剤濃縮物を含む。 (i)標識基質: 2−3H−N−デスメトキシアピシジン(18.69mC i/mg)をエタノール中1:10 0に稀釈し、0.05%Triton−X100含有50mM HEPES(p H7.4)(HEPES/Triton)1ml当たり該溶液2μlを加える。 これによりアッセイ液1ml当たり1.3ngの2−3H−N−デスメトキシア ピシジン(54,000 DPM/ml)を得る。 (ii)潜在的HDA阻害剤: ジメチルスルホキシド(DMSO)1ml当た りテスト化合物2mgを含むストック溶液を調製する。該ストック溶液をエタノ ール中1,000、100、10、1及び0.1μg/mlに稀釈する(この場 合には全滴定を要する)。陰性対照としてエタノールを用い、陽性対照として非 標識N−デスメトキシアピシジンの100μg/ml溶液を用いる。アッセイに は、6μlのテスト化合物溶液、陽性対照及び陰性対照を用いる。 (iii)(a)からの上清: S100試料を、HEPES/Triton緩 衝液中3.0mgのタンパク質/ml(ニワトリ肝臓)又は4mgのタンパク質 /ml(寄生虫)の濃度に稀釈する。アッセイには50μlを用いる。 潜在的HDA阻害剤(ii)のストック溶液を50mM HEPES/Triton緩衝液に稀釈して、0.001〜10μMの範囲の最 終濃度のテスト化合物を得る。3H−N−デスメトキシアピシジンを1.3ng /mlの最終濃度になるまで加える。各管に、50μlの寄生虫又はニワトリ肝 臓S100溶液(150〜200μg)を加える。アッセイ混合物を25℃で1 時間インキュベートし、次いで、ポリエチレンイミンを含浸させたWhatma n GF/Bフィルター(水330ml当たり2mlのポリエチレンイミンに室 温で1時間ソーキングして前処理したフィルター)を介して吸引する。アッセイ 管を1〜2mlのHEPES/Tritonで3回リンスし、前記フィルターを 介して吸引した。次いで、フィルターを乾燥し、リン光(scintilant)を計数す る。 E.tenella及びニワトリ肝臓溶解物を用いる結合アッセイで、化合物 Ia、Ib、Ic、IIA、IIB、トリコスタチン、トリコスタチン酸(trichost atic acid)及びHC−toxinを評価した。トリコスタチン酸は、E.te nella溶解物でもニワトリ肝臓溶解物でも>1,000nMのIC50値を示 した。他の化合物は全て、E.tenella溶解物では4〜60nMの範囲の IC50 値を示し、ニワトリ肝臓溶解物では、化合物IIA及びIIBを除き、2〜35n Mの範囲のIC50値を示した。化合物IIA及びIIBは、ニワトリ肝臓溶解物より もE.tenellaに対して選択的である(ニワトリ肝臓において、IC50> 1,000nM)。E.tenella(1)及びP.falciparum(2)に 対する化合物Ia、Ib、Ic、トリコスタチン、トリコスタチン酸、HC−t oxinの抗寄生虫活性をin vitroで評価した。E.tenella溶 解物でもニワトリ肝臓溶解物でも>1,000nMのIC50値を示したトリコス タチン酸は、いずれの寄生虫に対しても活性ではなかった。他の化合物は、E. tenellaに対して8〜250ng/mlの範囲の最低阻害濃度を有し、P .falciparumに対するIC50値は7〜115ng/mlの範囲であっ た。(1) 概して、Crane,Schmatz,Stevens,Habberse tt及びMurray,Eimeria tenella:in vitro development in irradiated bovinekidn ey cells(1984)Parasito logy 88:521−530に記載の手順に従う。(2) 概して、Desjardinsら,“Quantitative Asse ssment of Antimalarial Activity In V itro bya Semiautomated Microdilution Technique”Antimicrobial Agents and Chemotherapy ,1979,16:710−718に記載の手順に従 う。実施例2ヒストンのアセチル化状態の測定 HeLa細胞ヒストンの調製: 37℃で増殖中の約2×107個のHeLa細胞を標準組織培地(10%ウシ 胎児血清を含むMEM)中の種々の化合物で4時間処理した。次いで、細胞を約 10mlの総容量のPBS中でこすり落としてフラスコから取り出した。細胞を PBS中で2回洗浄し、約3mlの溶解緩衝液(Lysis緩衝液;0.45% Nonidet P−40、10mMのトリス、10mMのNaCl、5mMの MgCl、0.1mMのEGTA、0.1mMのPMSF)に再懸濁した。懸濁 液を10秒間ぐるぐるかき回して混合、15分間氷上でインキュベートし、溶解 緩衝液中30%スク ロースの1mlクッションを介して1,300×gで10分間遠心して核をペレ ット化した。上清を廃棄し、次いで、核を1.0mlの水に再懸濁した。H2S O4を0.4Mの最終濃度になるまで加え、核懸濁液を氷上で30分間インキュ ベートし、次いで、13,000×gで10分間遠心してペレット化した。ペレ ットを廃棄し、上清タンパク質に10容量の氷冷アセトンを加え、−20℃で一 晩放置して、可溶性タンパク質を沈降させた。これらのタンパク質(主にヒスト ン)を10,000×gで15分間4℃で遠心してペレット化し、ゲル電気泳動 用にAUT試料緩衝液(試料緩衝液:0.9M 酢酸、0.02%w/v メチ ルグリーン)に再懸濁した。 ゲル電気泳動: Alfagemeら(1974)J.Biol.Chem.249,3729 の方法に従い、但し、Lennox及びCohen(Method in En zymology,170,532−549)に記載のように変更を加えて、酸 ・尿素・トリトン(AUT)ポリアクリルアミドゲルを実施した。HeLa細胞 及びPlasmodiumfalciparumのヒストンを最適に分離するた めに、 分離用のゲルに、7.5Mの尿素、12%のアクリルアミド、0.38%のTr iton X−100、0.08%のビスアクリルアミド及び0.87Mの酢酸 を含めた。充填用のゲルには、7.5Mの尿素、0.37%のTriton X −100、6%のアクリルアミド、0.04%のビスアクリルアミド及び0.8 7Mの酢酸を含めた。ゲルを1M 酢酸中で泳動させた。350Vで1時間ゲル を予備電気泳動させ、450Vで3.5時間泳動させた。ゲルは、7%酢酸、2 0%メタノール中のクーマシーブリリアントブルーRで染色し、次いで7%酢酸 及び20%メタノール中で脱色するか、又はEnlightening(New England Nuclear製)で処理し、脱水して、フルオログラフィ ーにより放射性標識を検出した。 図1に示されているように、アピシジン、トリコスタチン及びHC−toxi nにより、ヒストンのゲルプロフィールには非処理細胞と異なる移動が生じる。 この変化は、H4ヒストンの場合に最も顕著であった。処理細胞中ではヒストン が高アセチル化されるために、H4の上方バンドは顕著に増加し、H4の下方バ ンドは減少した。これは、ヒストンのアセチル化状態が高度であればある程、ヒ スト ンのゲル中での移動が遅くなるために生じる。14 C アセテートによるP.falciparumの標識: 約1×109個のP.falciparum感染赤血球(約60%の寄生虫感 染)を、種々の濃度のテスト化合物及び250μCiの14C酢酸ナトリウムを含 む10mlのRPMI 1640に再懸濁し、37℃で2時間インキュベートし た。次いで、細胞をPBSで3回洗浄し、下記のようにヒストンを調製した。 P.falciparumヒストンの調製: Caryら(1994)Parasitology Reserach,80 ,255−258の方法に従ってヒストンを調製した。P.falciparu m感染赤血球に1/100容量の10%サポニン/PBSを加えて赤血球を溶解 し、放出された寄生虫をPBSで洗浄してペレット化した。寄生虫を1mlの低 張溶解緩衝液〔10mMのトリス(pH8.0)、1.5mMのMgCl、2m MのPMSF、0.2mMのN−α−p−トシル−L−リシンクロロメチルケト ン(TLCK)、0.25μg/mlのロイペプチン及び10μg/mlのペプ スタチン〕に再懸 濁し、氷上で15分間インキュベートし、ダウンス(dounce)ホモジナイザー中 100ストロークで溶解した。13,000×gで10分間遠心して核濃厚ペレ ットを得、ペレットを水に再懸濁し、ヒストンを調製、HeLa細胞について記 載したようにAUTゲル上で泳動させた。 図2に示されているように、アピシジンとトリコスタチンとにより、P.fa lciparumヒストンが高アセチル化される。これは、14C−アセチル化量 の全体的な増加及び標識ヒストンのバンドパターンの移動によって示される。処 理した寄生虫の上方への移動は、(ゲル中での泳動が遅い)多くのアセチル化リ シンを含むヒストン集団の増加と、(ゲル中での移動が速い)非アセチル化又は 低アセチル化ヒストンの数の減少とにより生じる。実施例3ヒストンデアセチラーゼ阻害アッセイ(全ての温度は℃である) ヒストンデアセチラーゼ活性及び阻害アッセイ1: 標準アッセイ液は、総容量40μl中:HEPES−ナトリウム、pH7.4 (400nmol)、約114mCi/mmolの比活性を有する基質〔AcG ly−Ala−Lys(ε−14C−Ac)−Arg−His−Arg −Lys(ε−14C−Ac)−ValNH2〕〔Kervabonら(1979 )FEBS Letters 106:93−96参照〕(100pmol)、 及びヒストンデアセチラーゼ(HDAアーゼ)活性源を含んでいた。加えたHD Aアーゼの量は、基質の≦20%がアッセイ中に消費されるように選択した。酵 素を添加して反応を開始し、41℃で60分間反応を進めた。60分経過したと きに、25mM 酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.2(200μl)中のAmb erlite AG 50W×4 カチオン交換樹脂−ナトリウム形態(200 〜400メッシュ)の50%スラリーを加えて反応を停止した。該樹脂は、残留 基質にも(部分)脱アセチル化ペプチジル生成物にも結合する。次いで、クエン チした反応体を25℃で少なくとも30分間ときどき攪拌しながらインキュベー トし、さらに25mMの酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.2(760μl;最終 容量1,000μl)を加えて稀釈し、さらに、少なくとも30分間25℃でと きどき攪拌しながらインキュベートし、次いで、10,000×gで1分間遠心 した。酵素により放出された14C−アセテートを含む上清のアリコート(800 μl)を取り出し、Aquasol 2 液体シンチレーションカウンター(LSC)カクテル(10ml)と混合し 、BeckmanモデルLS−5801 LSCで計数した。アセテートの放出 が特異的にHDAアーゼの作用によるものかどうかを確認するために、公知HD Aアーゼ阻害剤〔初期には、1〜5mMのブチレート(Cousensら(19 79)J.Biol.Chem.254:1716−1723参照)、後には、 かつて、HDAアーゼ阻害剤であると証明されたDMSO中40〜1,000n Mのアピシジン〕を含む対照の並行インキュベーションを行った。阻害剤の存在 下に生成した放射能の量を阻害剤の不在下に得られた値から差し引いて、HDA アーゼ依存性アセテート生産量を計算した。 阻害実験では、検査すべき阻害剤を標準アッセイカクテルにジメチルスルホキ シド中の所望濃度(反応体中のDMSOの最終濃度は2.5%v/vで一定に維 持した)で加え、HDAアーゼ活性を、阻害剤を含まず2.5%v/vの最終D MSOを含む対照(阻害剤を含まない)のインキュベーションにおいて認められ た活性と比較した。 ヒストンデアセチラーゼ活性及び阻害アッセイ2: 標準アッセイ液は、総容量200μl中:HEPES− ナトリウム、pH7.4(2,000nmol)、約3Ci/mmolの比活性 を有するAcGly−Ala−Lys(ε−3H−Ac)−Arg−His−A rg−Lys(ε−3H−Ac)−ValNH2(11pmol)、及びヒストン デアセチラーゼ(HDAアーゼ)活性源を含んでいた。加えたHDAアーゼの量 は、基質の≦20%がアッセイ中に消費されるように選択した。酵素を添加して 反応を開始し、41℃で60分間反応を進めた。60分経過したときに、0.1 Mの酢酸及び0.5Mの塩酸を含む水溶液(20μl)、次いで酢酸エチル(1 ,000μl)を加えて反応を停止した。次いで、クエンチした反応体を25℃ で少なくとも15秒ぐるぐるかき回し、10,000×gで1分間遠心した。酵 素により放出された3H−アセテートを含む酢酸エチル相のアリコート(900 μl)を取り出し、Aquasol 2 液体シンチレーションカウンター(L SC)カクテル(6ml)と混合し、BeckmanモデルLS−5801 L SCで計数した。アセテートの放出が特異的にHDAアーゼの作用によるものか どうかを確認するために、公知HDAアーゼ阻害剤〔初期には、1〜5mMのブ チレート、後では、かつて、 HDAアーゼ阻害剤であると証明されたDMSO中40〜1,000nMのアピ シジン〕を含む対照の並行インキュベーションを行った。阻害剤の存在下に生成 した放射能の量を阻害剤の不在下に得られた値から差し引いて、HDAアーゼ依 存性アセテート生産量を計算した。 阻害実験では、検査すべき阻害剤を標準アッセイカクテルにジメチルスルホキ シド中の所望濃度(反応体中のDMSOの最終濃度は2.5%v/vで一定に維 持した)で加え、HDAアーゼ活性を、阻害剤を含まず2.5%v/vの最終D MSOを含む対照(阻害剤を含まない)のインキュベーションにおいて認められ た活性と比較した。 HDAアーゼ源としてのHeLa核抽出物の調製: Cousensら(前掲)の方法に従ってHeLa核を調製した。得られた核 ペレットに〜4容量の冷25mMのHEPES−ナトリウム(pH7.4)を加 えて低張溶解し、4℃で10分間ときどきぐるぐるかき回しながらインキュベー トした。次いで、懸濁液を10,000×gで10分間4℃で遠心し、得られた 上清をHDAアーゼ活性源として用いた。 HDAアーゼ源としてのニワトリ赤血球核抽出物の調製: ニワトリを二酸化炭素で窒息させて殺し、断頭して、1/10容量の抗凝集溶 液(16mMのクエン酸、89mMのクエン酸三ナトリウム、16mMのリン酸 二水素ナトリウム、130mMのグルコース)を含有する氷上のビーカー中に出 血させた。血液を4層のチーズクロスを介して濾過し、赤血球を沈降(1,50 0×g、5分、4℃)させ、上清を廃棄した。赤血球を、3容量の緩衝液A〔1 0mMのTrisクロリド(pH7.2)、50mMの重亜硫酸ナトリウム、1 0mMの塩化マグネシウム、0.1mMのフェニルメタンスルホニルフルオリド (PMSF)、8.6%w/vのスクロース〕中の懸濁液で2回洗浄し、次いで 遠心(1,500×g、5分、4℃)した。洗浄した赤血球を等容量の緩衝液A に懸濁し、1/100容量の10%v/vサポニン(0.1%v/vの最終濃度 )を加え、懸濁液を〜20分ときどきゆるやかにかき混ぜながら、顕微鏡により 細胞の>95%が溶解したことが判明するまでインキュベートした。懸濁液を遠 心(1,500×g、5分、4℃)して、溶解していない細胞をペレット化した 。得られた上清を慎重に注ぎ出し、追加の緩衝液Aで稀釈(2容量:最終の緩衝 液A/出発赤血球比=3:1)し、 遠心(3,000×g,45分,4℃)して、上清を廃棄した。得られた核ペレ ットを3容量の緩衝液A中に懸濁して2回洗浄し、次いで、遠心(3,000× g、45分、4℃)し、次いで、3容量の緩衝液A(重亜硫酸ナトリウム及びP MSFを含まない)で3回目の洗浄をした。得られた核ペレットに〜4容量の冷 25mM HEPES−ナトリウム(pH7.4)を加えて低張溶解し、4℃で 10分間ときどきぐるぐるかき回しながらインキュベートした。次いで、懸濁液 を10,000×gで10分間4℃で遠心し、得られ上清をHDAアーゼ活性源 として用いた。 HDAアーゼ源としてのEimeria tenella抽出物の調製: Eimeria tenellaの胞子形成卵母細胞からのS100抽出物を 上記のように調製した。該抽出物の一部(2.5ml)をセントリコン(centri con)限外濾過装置を用いて1/5に濃縮し、得られた濃縮物(500μl)を 、25mM HEPES−ナトリウム(pH7.4)で平衡にしたSupero se 12HR 10/30ゲル濾過カラム上のクロマトグラフィーにかけた。 アピシジン阻害性HDAアーゼ活性を含む画分(18〜23) (500μl)をプールし、Eimeria HDAアーゼ活性源として用いた 。HDA触媒活性とアピシジン結合との相関関係 全ニワトリ肝臓ホモジネートをイオン交換クロマトグラフィーにかけると、ア ピシジン及びブチレート阻害性HDAアーゼ活性は2−3H−N−デスメトキシ アピシジン結合活性と同時溶出した。アニオン交換クロマトグラフィー及びゲル 濾過によるニワトリ赤血球核HDAアーゼの部分生成によっても酵素活性と結合 活性の同時溶出が生じた。さらに、Eimeria tenella胞子形成卵 母細胞のホモジネートを硫酸アンモニウム沈降及びゲル濾過にかけると、カラム 上で2−3H−N−デスメトキシアピシジン結合活性と同時溶出したブチレート 及びアピシジン阻害性Eimeria HDAアーゼが部分精製された。これら のデータは、宿主と寄生虫のいずれにおいても結合活性及び酵素活性が直接関連 すること、及び実際に3H−N−デスメトキシアピシジンの結合標的がHDAア ーゼであることを強力に示唆した。ヒストンデアセチラーゼ阻害アッセイ(アッ セイ1)で、アピシジン、トリコスタチン、トリコスタチン酸、HC−toxi n及びn−ブチレート を評価した。その結果は、酵素及び3H−N−デスメトキシアピシジンの競合的 結合アッセイで得られた結果と相関する。従って、結合アッセイで全く活性を示 さなかったトリコスタチン酸は酵素阻害アッセイでも不活性である。他の化合物 は、E.tenella及びニワトリ肝臓抽出物を用いた酵素阻害アッセイにお いて2〜20nMの範囲のIC50値を示した(但し、文献記載のものと一致する IC50値を有していたn−ブチレートを除く)。従って、リガンドとしてヒスト ンデアセチラーゼの阻害剤又は基質を用いる結合アッセイは、抗原虫剤の同定及 び設計に用い得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 G01N 33/569 A G01N 33/569 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,KR,K Z,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG, SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,US,U Z,VN (72)発明者 ガーネツト,アン・エム アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 マイヤーズ,ロバート・ダブリユ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ラトレイ,サンドラ・ジエイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 シユマツツ,デニス・エム アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 抗原虫活性を有する化合物を同定する方法であって、 (a) ヒストンデアセチラーゼ又はヒストンデアセチラーゼを含む抽出物を、 (i)ヒストンデアセチラーゼと相互作用する既知量の標識化合物;及び(ii) 既知稀釈度のテスト化合物又は天然抽出物と接触させるステップ;及び (b) 前記テスト化合物によって誘発される前記標識化合物の相互作用阻害率 (%)を定量するステップ を含む方法。 2. 前記標識化合物がヒストンデアセチラーゼに結合する、請求項1に記載の 方法。 3. 前記標識化合物がヒストンデアセチラーゼの基質である、請求項1に記載 の方法。 4. 前記ヒストンデアセチラーゼが原虫のヒストンデアセチラーゼである、請 求項1に記載の方法。 5. (d)前記テスト化合物によって誘発される、前記標識化合物の宿主ヒス トンデアセチラーゼとの相互作用の阻害率を定量するステップをさらに含む、請 求項4に記載の方法。 6. 原虫のヒストンデアセチラーゼを阻害する化合物を治療上又は予防上有効 な量宿主に投与することを含む、原虫感染症を治療又は予防する方法。 7. 前記化合物が、原虫のヒストンデアセチラーゼを宿主のヒストンデアセチ ラーゼよりも高度に阻害する、請求項6に記載の方法。 8. 前記原虫感染症がアピコンプレクサ亜門に属する原虫によって引き起こさ れる、請求項6に記載の方法。 9. 前記原虫感染症が、コクシジウム症、マラリア、クリプトスポリジア症又 はトキソプラズマ症である、請求項6に記載の方法。 10. 前記化合物が、TAN−1746、HC−toxin、クラミドシン、 WF−3161、トラポキシンA及びCly−2からなる群から選択される、請 求項6に記載の方法。 11. 抗原虫活性を有する化合物を同定する方法であって、 (a) 宿主又は原虫の無傷の細胞をテスト化合物又は天然産物抽出物と接触さ せるステップ; (b) 前記細胞を破壊してヒストンを得るステップ;及 び (c) ヒストンのアセチル化レベルを測定するステップを含む方法。 12. 酸・尿素・トリトンゲル電気泳動を用いてヒストンのアセチル化レベル を測定する、請求項11に記載の方法。 13. 不活性担体及び有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を含む、原虫感 染症の予防又は治療に有用な組成物。 14. 前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、TAN−1746、HC−to xin、クラミドシン、WF−3161、トラポキシンA及びCly−2からな る群から選択される、請求項13に記載の組成物。
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