JPH11514294A - 汚染物容器との連通を改善した燃料フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 汚染物容器（６６）との連通を改善した燃料フィルタが提供される。この燃料フィルタは、燃料入口（１４）と燃料出口（１６）を備えた本体（１２）と、該本体に取り付けられた、円筒形の周壁を有するハウジング（２２）から成る。ハウジング（２２）内に、下端（４４）を有するフィルタ素子（３６）が配置されている。フィルタ素子（３６）には、燃料出口（１６）に連通する内部通路が設けられ、フィルタ素子（３６）の外部は、燃料入口（１４）に連通している。ハウジング（２２）の底部内に、フィルタ素子（３６）の下端（４４）を載置する支持プレート（５４）が配置されている。ハウジング（２２）の底部に汚染物容器（６６）が固定されている。支持プレート（５４）は、ハウジング（２２）の内部と汚染物容器（６６）とを連通させる螺旋状の流体通路（８２）を有し、水等の液体汚染物をハウジング（２２）の内部から汚染物容器（６６）内へ流出することができるようにする。螺旋状の流体通路（８２）は、汚染物容器の内部をハウジング（２２）内の乱流から隔離する働きをする。

Description

【発明の詳細な説明】 汚染物容器との連通を改善した燃料フィルタ技術分野 本発明は、内燃エンジンの燃料系統として一般に用いられているタイプの汚染 物容器を有する燃料フィルタに関する。ここで、「燃料」とは、ガソリン又はデ ィーゼル等の液体燃料又はその他の液体燃料のことをいう。背景技術 燃料は、容器、特に温度変化が生じやすい金属製の燃料タンクに貯留された場 合、凝縮の結果として燃料中に水が生じやすい。水はガソリンやディーゼル等の 大抵の燃料と不混和性であり、燃料にとって重大な汚染物である。水は、燃料管 内で凍結し、燃料の流れを詰まらせることがある。更に、水は、燃料系統の金属 部品を腐蝕させる。 これらの理由から、水及びその他の不混和性汚染物を燃料から除去することが 望ましい。この目的のために、従来、燃料フィルタのハウジングの底部に、水及 びその他の不混和性汚染物を収集することができる汚染物収集容器を配置するこ とが提案されている。 この種の燃料フィルタの一例は、「ねじ付き汚染物収集ボウルを備えたフィル タ組立体」と題する米国特許第４，７４０，２９９号に記載されている。この特 許は、燃料入口と燃料出口を有し、フィルタ素子を着脱自在に収容したフィルタ ハウジングを有する燃料フィルタを開 示している。そのハウジングの下方に汚染物収集ボウルが配置されている。この ハウジング内に汚染物収集リングが配置され、その収集リング上にフィルタ素子 が設置されている。収集リングは、収集ボウルと螺合する雄ねじを有する下方に 突出した管状部分を有している。フィルタハウジングの内部から収集ボウルへの 流れ通路を設けるために、収集リングに放射状に延長したリブが設けられている 。かくして、フィルタハウジングの内部へ、そして、フィルタ素子の外部へ流入 した水及びその他の汚染物は、重力によって下降し、収集リング上の直立したし たリブ間を通過して収集ボウル内に流入することができる。 上記特許のフィルタ組立体は、燃料フィルタを通る燃料流の乱流が、収集リン グ上の直立したしたリブ間の短い開放通路によってフィルタハウジングの内部と 収集ボウルとの間に容易に伝えられるという点で潜在的な問題を提起する。 本発明の目的は、フィルタハウジング内の乱流を汚染物収集容器の内部から隔 離するような態様で汚染物収集容器との連通を改善した燃料フィルタを提供する ことである。 本発明に関する従来技術の背景の更なる詳細について米国特許第４，７４０， ２９９号において引用された引例を参照されたい。発明の開示 汚染物容器との連通を改善した本発明による燃料フィルタは、燃料入口ポート と燃料出口ポートを備えたフィルタ本体を有する。このフィルタ本体に円筒形の 周壁を有するフィルタハウジングが取り付けられており、そのハウジング内に、 該ハウジングを中央燃料チャンバと周囲燃料チャンバとに分離する働きをするフ ィルタ素子が配置されている。周囲燃料チャンバは、フィルタ素子の外周とハウ ジング即ちケーシングの間に設けられている。フィルタ素子は、燃料入口ポート と燃料出口ポートの間に配置されており、それによって、フィルタ素子を燃料流 路内に位置させる。 フィルタハウジングの底部内に支持プレートが配置されている。フィルタハウ ジングの外部の下方に収集容器即ち汚染物容器が固定されている。汚染物容器は 、その中に収集された汚染物が目で見えるように透明にすることができる。 支持プレートの上面に螺旋状の直立凸条を形成し、その凸条の上にフィルタ素 子の底面を座置させる。この螺旋状の凸条によって螺旋状の汚染物チャンネル即 ち流れチャンネルが形成される。この流れチャンネルによってハウジング内の周 囲燃料チャンバを汚染物容器に連通させる。水等の汚染物を含んだ燃料は、まず 、周囲燃料チャンバに流入し、そこで、重力によって燃料から水が分離される。 フィルタハウジングの底部内に収集された水は、螺旋状の汚染物チャンネルを経 て収集容器内に流入 する。 螺旋状の汚染物チャンネルは、収集容器の内部をフィルタハウジング内に生じ る乱流から隔離する。即ち、フィルタハウジングの内部と収集容器の内部との間 に短い直接的な通路が存在しない。そうではなく、本発明においては、支持プレ ートに形成された螺旋状の凸条が、フィルタハウジングの内部を汚染物容器の内 部に連通させる長い螺旋状の通路を画定する。この螺旋状の通路は、汚染物を通 すが、フィルタハウジング内の乱流を汚染物容器へ連通させない（伝えない）。図面の簡単な説明 本発明の上記及びその他の目的並びに特徴、及びそれらを達成する態様は、以 下に添付図を参照して述べる本発明の実施形態の説明から一層明かになろう。 図１は、汚染物容器との連通を改善した本発明による燃料フィルタの立断面図 である。 図２は、図１の燃料フィルタに用いられる支持プレートの透視図である。 図３は、支持プレートの上から見た平面図である。 図４は、図３の線４−４に沿ってみた支持プレートの立断面図である。発明を実施するための最良の形態 図１は、汚染物容器との連通を改善した本発明による燃料フィルタの一実施形 態の断面図である。この燃料フ ィルタ１０は、燃料入口１４と燃料出口１６を有する本体１２に取り付けられる ようになされている。本体１２は、管状カプリング２０を受容する中央ねじ付き 通路１８を有する。管状カプリング２０には、フィルタハウジング２２が取り付 けられている。フィルタハウジング（以下、単に「ハウジング」とも称する）２ ２は、管状カプリング２０と螺合する中央ねじ付き開口２６を有する頂部プレー ト２４を備えている。かくして、管状カプリング２０は、フィルタハウジング２ ２を取り付けるための手段を構成する。フィルタハウジング２２の頂部プレート ２４は、本体１２の下面３０に係合する周縁ガスケット２８を装着することがで きるようになされている。 ハウジング２２は、内方へ折り曲げられた下端３４を有する管状壁又は円筒形 周壁３２を備えている。 フィルタハウジング２２内には、有孔中央管３８を有するフィルタ素子３６が 収容されている。フィルタ素子３６は、管状カプリング２０の外表面に密封係合 するガスケット４２を受容する管状開口を備えた上端板４０と、中央管３８の下 端を閉鎖する下端板４４を有する。中央管３８を囲繞してフィルタ材が配設され ており、フィルタ材の外表面４６とハウジング２２の管状壁３２の内表面との間 の管状空間が周囲燃料チャンバ４８を画定している。 頂部プレート２４の複数の開口５０は、燃料入口１４ と周囲燃料チャンバ４８の間に連通を設定し、燃料フィルタ１０に流入した燃料 は、ハウジング２２の内部に入り、フィルタ素子３６のフィルタ材の外表面４６ の周りに流入する。次いで、燃料は、フィルタ素子３６のフィルタ材を透過して その間に濾過され、有孔中央管３８内に流入する。有孔中央管３８の内部は、中 央燃料チャンバ５２を画定する。燃料出口１６は、この中央燃料チャンバ５２に 連通している。 フィルタハウジング２２の下端の内部に一部突入するようにして支持プレート ５４が配置されている。支持プレート５４は、図２〜４に明示されるように、上 面５８と下面６０を有する一体の半径方向のフランジ部分５６と、雄ねじ６４付 きの外周面を有する下方管状部分６２から成る。 支持プレート５４のフランジ部分の下面６０は、ハウジング２２の内方へ折り 曲げられた下端３４の内側面に係合し、それによって、支持プレート５４をハウ ジング２２に固定する。 支持プレート５４の管状部分６２に、一体の半径方向のフランジ部分６８を有 する汚染物容器６６（図１参照）が螺着されている。その目的のために、汚染物 容器６６の上端の内側面に、支持プレート５４の管状部分６２の雄ねじ６４に螺 合する雌ねじ７２が刻設されている。汚染物容器６６のフランジ部分６８の上面 ７０に周溝７４が形成されており、周溝７４はＯ−リング（図示せず ）を受容するようになされている。かくして、汚染物容器６６の上端は、フィル タハウジング２２の内方へ折り曲げられた下端即ち半径方向内方に延長した部分 ３４に摺動自在に固定される。かくして、汚染物容器６６の内部７６は、ハウジ ング２２の内部に密閉連通し、ハウジング２２内の周囲燃料チャンバ４８に連通 する。 支持プレート５４のフランジ部分５６の上面５８に一体に、螺旋状の直立凸条 ７８（図２、３及び４参照）が形成されている。図２及び３に示されるように、 螺旋状凸条７８は、フランジ部分５６の上面５８上の、該フランジ部分５６の外 周縁に近接した部位に端を発して螺旋状に延長し、支持プレート５４の管状開口 ８０のところに終端している。この螺旋状の直立凸条７８は、汚染物容器６６の 内部７６をハウジング２２の周囲燃料チャンバ４８に連通させる螺旋状の燃料通 路８２を構成する。 燃料が入口１４から入り、周囲燃料チャンバ４８に流入してフィルタ素子３６ を囲繞すると、燃料に含まれている水又は燃料より重いその他の不混和性汚染物 （塵埃、砂、錆等）が重力によってハウジング２２の下端部内に沈殿し、螺旋状 の燃料通路８２を経て汚染物容器６６内に流入する。直立凸条７８の上に座置す るフィルタ素子の下端板４４は、燃料通路８２の上側境壁を構成する。 フィルタハウジング２２の内部を汚染物容器６６の内 部に連通させる螺旋状の燃料通路８２を設けたことは、汚染物容器６６の内部を フィルタハウジング２２内の燃料流の乱流から隔離するという利点を提供する。 即ち、直線に比べて長い螺旋状の燃料通路８２は、フィルタハウジング２２から 汚染物容器６６への汚染物の自由な流れを可能にするが、汚染物容器６６をハウ ジング２２内の燃料流の乱流から遮断する。燃料流の乱流は、もし遮断又は隔離 されなければ、一旦燃料から分離されて汚染物容器６６へ通された汚染物を再度 燃料と混合させることになる。 以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実 施形態の構造及び形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸 脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろな変更及び改変を 加えることができることを理解されたい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．燃料フィルタであって、 燃料入口（１４）と燃料出口（１６）を有する本体（１２）と、 上端を前記本体（１２）に連結されており、貫通開口を備えた底部を有するハ ウジング（２２）と、 前記ハウジング（２２）内に保持されており、下端（４４）と、前記本体の前 記燃料出口（１６）に連通した内部通路を有し、外部を前記本体の前記燃料入口 （１４）に連通されているフィルタ素子と、 前記ハウジング（２２）の下端部内に配置されおり、前記フィルタ素子の下端 （４４）を載置するための支持プレート（５４）と、 前記ハウジング（２２）の底部に支持された汚染物容器（６６）とから成り、 前記支持プレート（５４）は、該ハウジング（２２）と汚染物容器（６６）とを 連通させる少くとも１つの螺旋状の流体通路を有することを特徴とする燃料フィ ルタ。 ２．前記支持プレート（５４）は、螺旋状の直立凸条（７８）を有する内側 上面を有し、前記フィルタ素子の下端（４４）は、該直立凸条（７８）の上に載 置されており、前記螺旋状の流体通路は、該直立凸条（７８）の互いに隣接する 部分間の空間によって形成されていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載 の燃料フィルタ。 ３．前記支持プレート（５４）は、前記ハウジングの底部の前記貫通開口を 貫通して下方に突出した一体の管状部分（８０）を有しており、該管状部分には 雄ねじ（６４）が形成されており、前記汚染物容器（６６）は、該支持プレート の該管状部分（８０）に螺着されていることを特徴とする請求の範囲第１項に記 載の燃料フィルタ。 ４．前記支持プレート（５４）は、上面（５８）を有する半径方向のフラン ジ部分（５６）と、前記ハウジングの底部の前記貫通開口を貫通して下方に突出 した一体の管状部分（８０）とを有しており、前記螺旋状の流体通路は、該フラ ンジ部分の上面（５８）に形成されており、該管状部分（８０）には雄ねじ（６ ４）が形成されており、前記汚染物容器（６６）は、該支持プレートの該管状部 分（８０）に螺着されていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の燃料フ ィルタ。 ５．前記支持プレートの前記フランジ部分（５６）は、下面（６０）を有し 、前記汚染物容器（６６）は、上方周縁フランジ部分（６８）を有し、前記ハウ ジングの底部は、前記貫通開口を囲繞する、半径方向内方に延長した部分（３４ ）を有しており、該半径方向内方に延長した部分（３４）は、前記フランジ部分 （５６）の下面（６０）と前記汚染物容器（６６）の上方周縁フランジ部分（６ ８）との間に挟持されていることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の燃料フ ィルタ。 ６．燃料フィルタであって、 円筒形周壁（３２）を有し、と、燃料流路を画定する燃料入口（１４）と燃料 出口（１６）を有するハウジング（２２）と、 前記燃料流路内に前記燃料入口（１４）と燃料出口（１６）との間に位置する ように前記ハウジング（２２）内に配置されており、該ハウジングの内部をその 中央に位置する中央燃料チャンバ（５２）と、該ハウジングの前記円筒形周壁（ ３２）によって外周を画定された周縁燃料チャンバ（４８）とに分離するフィル タ素子（３６）と、 前記周縁燃料チャンバ（４８）に連通しており、該周縁燃料チャンバから汚染 物を流出させることができる少くとも１つの螺旋状汚染物チャンネル（８２）を 構成する少くとも１つの螺旋状凸条（７８）と、 前記ハウジング（２２）に結合されており、前記螺旋状汚染物チャンネル（８ ２）に連通した汚染物容器（６６）と、 から成る燃料フィルタ。 ７．前記ハウジング（２２）と前記汚染物容器（６６）との間に支持プレー ト（５４）が介設されており、前記螺旋状凸条（７８）は、該支持プレート（５ ４）の一部として形成されていることを特徴とする請求の範囲第６項に記載の燃 料フィルタ。 ８．前記フィルタ素子（３６）は、前妃螺旋状凸条 （７８）を載置させる下端（４４）を有し、前記螺旋状汚染物チャンネル（８２ ）は、該凸条（７８）の互いに隣接する部分間の空間によって形成されているこ とを特徴とする請求の範囲第７項に記載の燃料フィルタ。 ９．前記支持プレート（５４）は、前記ハウジングの底部開口を貫通して下 方に突出した一体の管状部分（８０）を有しており、該管状部分には雄ねじ（６ ４）が形成されており、前記汚染物容器（６６）は、該支持プレートの該管状部 分（８０）に螺着されていることを特徴とする請求の範囲第７項に記載の燃料フ ィルタ。 １０．前記支持プレート（５４）は、上面（５８）を有する半径方向のフラン ジ部分（５６）と、前記ハウジングの底部開口を貫通して下方に突出した一体の 管状部分（８０）とを有しており、前記螺旋状汚染物チャンネル（８２）は、該 フランジ部分の上面（５８）に形成されており、該管状部分（８０）には雄ねじ （６４）が形成されており、前記汚染物容器（６６）は、該支持プレートの該管 状部分（８０）に螺着されていることを特徴とする請求の範囲第７項に記載の燃 料フィルタ。 １１．前記支持プレートの前記フランジ部分（５６）は、下面（６０）を有し 、前記汚染物容器（６６）は、上方周縁フランジ部分（６８）を有し、前記ハウ ジングの底部は、前記底部開口を囲繞する、半径方向内方に延長した部分（３４ ）を有しており、該半径方向内方に延長した部分（３４）は、前記フランジ部分 （５６）の下 面（６０）と前記汚染物容器（６６）の上方周縁フランジ部分（６８）との間に 挟持されていることを特徴とする請求の範囲第１０項に記載の燃料フィルタ。