JPH11513254A - 細胞培養のためのコロイドシリカ - Google Patents

細胞培養のためのコロイドシリカ

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JPH11513254A JP9514426A JP51442697A JPH11513254A JP H11513254 A JPH11513254 A JP H11513254A JP 9514426 A JP9514426 A JP 9514426A JP 51442697 A JP51442697 A JP 51442697A JP H11513254 A JPH11513254 A JP H11513254A
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Abstract

(57)【要約】 コロナ処理したポリスチレンのような基体上に薄いコロイドシリカフイルムを形成する方法が提供される。乾燥フイルムは、50nm厚、高シラノール、均質、高表面積、多孔性、亀裂がない、付着性、湿潤性、負の荷電、およびガンマ放射安定性として特徴付けられる。コロイドシリカフイルムのいくつかの特異的な利点が、上皮細胞培養、特に、血清を含まない培地中の一次培養に関して示された。フイルムに対する細胞反応は、組織培養ポリスチレンと比較して、増大した外殖体付着、増大した細胞増殖速度、および継代培養前後の識別関数の増大した式であった。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞培養のためのコロイドシリカ 発明の背景 1. 発明の分野 本発明は、細胞培養に関し、特に、培養において、一次細胞を含む細胞の付着 および増殖に役立つ表面を提供することに関するものである。 2. 従来技術 1970年代まで、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラスが組織培養に用いられる主な材料で あった。この時期における標準的な培養容器は、ペンシルバニア州、ブロックウ ェイのブロックウェイガラスカンパニーにより作成された処方ボトルであった。 これらのガラス容器は、繰り返しの洗浄後、すなわち、表面浸食後の組織培養用 途のために著しく改良されてきた。Rappaport C.,J.P.PooleおよびH.P.Rappapo rtの「Studies of the Surfaces Required for Growth of Mammalian Cells in Synthetic Medium」,Exp .Cell Res.,Vol.20,1960,465-510頁参照のこと。 1970年代に、組織培養材料として、射出成形ポリスチレン(PS)が導入され た。今日、ポリスチレンに加えて、ポリカーボネート(PC)およびポリエチレ ンテレフタレート(PET)のような高分子もまた、培養における付着依存性哺 乳類細胞の増殖基体として一般に用いられている。これらの材料のシートまたは 射出成形容器が、一般に用いられている形状の例である。 ほとんどの高分子は、電気プラズマ放電により処理され、表面を親水性にする ことにより、細胞付着を改良している。高分子がポリスチレンである場合には、 これらの表面は、細胞培養PSまたは単にTCPSと呼ばれている。TCPSの 増大した湿潤性および表面酸化(−OH基および−COOH基)により、周囲の 培地から細胞付着分子を吸着することができ、したがって、細胞が付着すること ができる。基体を多孔性とすることにより、ある用途に関して、特に、分化機能 の発現が必要とされる場合に、高分子表面を改良する。 高分子表面は、ほとんどの細胞培養用途、特に、組織培養PSへの付着および 分裂によく適した株化細胞系統を含む用途に利用できる。しかしながら、これら のPS表面は、ある場合には、一次細胞培養および血清を含まない細胞培養のよ うな用途には適していない。 ほとんどの哺乳類細胞培養は、増殖培地中に5-10%の胎仔ウシ血清を用いて、 細胞の付着を向上させ、細胞生存度および増殖を維持することにより行われてい る。付着させるのが困難な細胞のこのような培養では通常、単体または組合せの いずれかの形態の細胞外マトリクス(ECM)成分により被覆して、細胞付着を 改良することにより、高分子基体を改良している。ECM成分の例としては、コ ラーゲン、フィブロネクチンおよびラミニンが挙げられる。ECM成分由来の配 列を有するペプチドもまたこの目的に使用される。例えば、Hubbell等の米国特 許第5,278,063号を参照のこと。血清およびECMコーティングは、評価または 適用するのに費用が高く、時間がかかり、ロット間で不均一である場合があるの で、血清またはECMコーティングの必要ないまたは必要の少ない表面が望まれ ている。 培養において足場依存性細胞を成長させるのに、ミシガン州、アンアーバーの SoloHill Labs,Inc.により製造されたガラス被覆マイクロキャリヤが用いられ ている。SoloHillは、それらのビーズを滑らかな表面を有するものとして記載し ている。ビーズ上で成長したMRC−5細胞は、DEAE−デキストランマイク ロキャリヤ上で成長した細胞よりも、トリプシン化後の細胞生存度が大きいと報 告されている。ガラス基体はまた、デキストランまたはコラーゲンゲルのいずれ かと比較して、培養において、ウイルス中枢(生存可能なウイルス感染細胞)の 生成を増大させると報告されている。Variani,J.,M.J.BendelowおよびW.J.Hil legas,の「The Effect of Substrate on the Production of Infectious Virus by Cells in Culture」,J .of Biol.Stand.,Vol.16,1988,333-338頁参照の こと。 SoloHillビーズ上で成長した細胞は、細胞を容易に脱着できる、細長い糸状足 により付着すると言われている。米国特許第4,029,045号、同第4,448,884号、同 第4,564,532号、および同第4,661,407号は、これらのキャリヤに関するものであ る。これらに記載されているように、ガラスコーティングは、化学蒸着技術(米 国特許第4,029,045号、同第4,564,532号、および同第4,661,407号)または高周 波スパッター技術(米国特許第4,029,045号および同第4,448,884号)により高分 子ビーズに施されている。組織培養表面を生成するのにコロイドシリカを使用す ることは、記載も示唆もされていない。 反対の形状を有する、すなわち、内側にガラスを、外側に有機高分子を有する マイクロキャリヤが、CELLFASTの商標で、北アイルランド、アントリムのQDM La boratoriesにより販売されている。これらの粒子は、個々の細胞が固着し、増殖 できる凹部を有するものとして記載されている。可溶性ケイ酸塩溶液、有機高分 子溶液、および酸性溶液を組み合わせることによるガラスビーズの製造について 記載している、PCT特許公報WO86/07345、およびWO86/07345に開示された 種類のビーズを高分子被覆して、細胞培養のための凹部含有マイクロキャリヤを 製造することを記載している、PCT特許公報WO87/02703を参照のこと。 ケイ酸ヘテロ重合縮合体を、生きている細胞の培養においてコーティング組成 物として使用することが、Scholze等の米国特許第4,243,692号に記載されている 。この特許によれば、置換シラン、官能シラン、および加水分解性ケイ酸を同時 に縮合して、ヘテロ重合縮合体を生成している。ある場合には、縮合反応の一部 が、被覆されている支持体上で行われる。この特許の工程では、二酸化ケイ素( SiO2)粒子を基体に適用していない。 微生物を増殖させるための培地として、例えば、寒天培地の代替物として、コ ロイドシリカから生成されるシリカゲルを使用することか、Pramer,D.の「The Influence of Physical and Chemical Factors on the Preparation of Silica Gel Media」,Applied Micrbiol.,Vol.5,392-395頁,1957年;Kingsbury,J.M. およびBarghoorn,E.S.の「Silica Gel as a Microbiological Medium: Potentia lities and a New Method of Preparation」,Applied Microbiol.,Vol.2,5-8 頁,1954年;およびTemple,K.L.の「A New Method for the Preparation of Sil ica Gel Plates」,J .Bacteriol.,Vol.57,57頁,1949年に論じられている。 本発明とは異なり、コロイドシリカのこれらの初期の使用目的は、コーティング が施される基体上に高度に架橋された実質的に永久的なフイルムを形成するため にコーティング工程中に水を除去するためではなく、むしろ、ゲル中に水を保持 す る(すなわち、離液を最小にするために)ことにあった。発明の概要 上述した点に鑑みて、本発明の目的は、組織培養における細胞の増殖に使用す る改良表面を提供することにある。本発明の目的は、特に、一次細胞の増殖に役 立つ表面を提供するにある。 本発明のさらなる目的は、細胞培養作業に現在用いられている基体に容易に施 せる表面、またはペトリ皿、カバーグラス、フラスコ、細胞管、マルチウェルプ レート、細胞ウェルインサート等のような、将来開発されるかもしれない表面を 提供することにある。 上述した目的および他の目的を達成するために、本発明は、基体および基体の 少なくとも一部に施されるコロイドシリカのフイルムからなる、細胞培養を行う 装置を提供する。本発明はまた、コロイドシリカの水溶液を基体に施し、乾燥さ せて、所望のフイルムを形成する、そのような装置を製造する方法を提供する。 以下詳細に記載するように、本発明によれば、コロイドシリカにより被覆され た基体は、被覆されていない基体とは著しく異なる、培養における細胞からの反 応を誘発することが分かった。特に、コロイドシリカフイルムは、特に一次細胞 に関して、より生体内様の細胞反応を誘発する増殖表面を提供する。 ここに用いているように、「コロイドシリカフイルム」という用語は、コロイ ドシリカの水溶液(すなわち、粒子が予め選択された温度、例えば、25℃の温度 で溶液内に実質的に分散した状態にあるように、寸法および濃度が十分に小さい シリカ粒子を含有する溶液)を基体に施し、水を除去した結果としてシリカ粒子 が架橋して、基体上にフイルムを形成するように溶液を乾燥させることにより基 体上に形成されたフイルムを称する。シリカ粒子は好ましくは、水溶液中で架橋 しないように荷電されている。図面の簡単な説明 図1は、コロイドLUDOX分散体により被覆され、クリスタルバイオレットラク トン(CVL)により染色された皿に関する吸光度対回転速度のプロットである 。 図2は、様々な溶剤中にフイルムを浸漬した後の、本発明により調製したコロ イドシリカフイルムで被覆された皿からのクリスタルバイオレットの脱着を示す プロットである。 図3A、3Bおよび3Cは、ポリスチレン表面(図3A)および本発明により 調製したコロイドシリカで被覆したポリスチレン表面(図3Bおよび3C)上で 増殖したMDCK細胞の顕微鏡写真である。これらの図の増殖培地は、血清を含 んでいた。 図4Aおよび4Bは、ポリスチレン表面(図4A)および本発明により調製し たコロイドシリカフイルムで被覆したポリスチレン表面(図4B)上で増殖した MDCK細胞の顕微鏡写真である。これらの図の増殖培地は、血清を含んでいな かった。 図5Aおよび5Bは、ポリスチレン表面(図5A)および本発明により調製し たコロイドシリカフイルムで被覆したポリスチレン表面(図5B)上の一次ウサ ギ腎臓近位細管外殖体から増殖した細胞の顕微鏡写真である。 明細書に含まれ、その一部を構成する上述した図面は、本発明の様々な形態を 説明するものであり、記載と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。もち ろん、図面と記載の両方は、説明のためのみであり、本発明の限定するものでは ないことが理解されよう。好ましい実施の形態の記載 上述したように、本発明は、コロイドシリカフイルムを基体に施すことによる 細胞培養表面の調製に関するものである。 本発明を実施する際に、様々な幾何学形状を有し、様々な材料から作成された 様々な基体を使用しても差し支えない。基体の例としては、ポリスチレン、ポリ カーボネート、およびポリエチレンテレフタレートのような有機材料から作成さ れた基体、およびガラス、セラミック、ガラスセラミック、および金属のような 無機材料から作成された基体が挙げられる。さらに、基体は、複数の材料から構 成されていても差し支えなく、例えば、層形状を有していても差し支えない。中 実および多孔性の両方の基体を用いても差し支えない。基体に関して可能性のあ る形態の例としては、ペトリ皿、カバーグラス、スライド、プレート、フラスコ 、細胞管、マルチウェルプレート、細胞ウェルインサート等が挙げられる。基体 表面の全てまたは一部を本発明のフイルムにより所望なように被覆しても差し支 え ない。 基体は、コロイドシリカコーティング溶液のシリカと、基体との間に結合が形 成できるように、湿潤性表面を有する必要がある。ポリスチレンのような重合材 料の場合には、そのような湿潤性表面は、例えば、プラズマ処理またはコロナ処 理により達成することができる。 本発明のフイルムは、コロイドシリカの水溶液を被覆すべき基体に施し、次い で、水を除去して所望のフイルムを作成することにより形成される。このフイル ムは、好ましくは、約100nm未満、そして最も好ましくは約50nm末満である 厚さ、比較的高いSi−OH含有量、および好ましくは少なくともある程度の多 孔度により特徴付けられる。 水溶液中のシリカ粒子は、粒子が、例えば、室温で分散された状態に維持され るように十分に小さい寸法を有している。これらの粒子の適切な平均直径は約12 nmであるが、所望であれば、これより大きいまたは小さい平均直径を有する粒 子を用いても差し支えない。平均値辺りのシリカ粒子の分布を用いて、完成フイ ルムの多孔度を制御することができる。特に、小さい粒子と大きい粒子との組合 せを用いることにより、小さい粒子は大きい粒子の間の空間を埋める傾向にある ので、多孔度を減少させることができる。 シリカ粒子は好ましくは純粋なSiO2であるが、所望であれば、例えば、ア ルミナを含めることにより表面の改質された粒子を用いても差し支えない。特に 、アルミナを含ませることにより、ある種の細胞に望ましいかもしれない正電荷 を有する粒子が形成される。 基体に施される水溶液は一般的に、薄いフイルムを確実に形成するために、例 えば、約10重量%および好ましくは約5重量%未満の比較的低濃度のシリカ粒子 を有する。溶液の残りは主に、シリカ粒子を懸濁状態に維持するのに必要な、い くつかの対イオンを有する水である。溶液は好ましくは有機材料を含まないが、 フイルム形成高分子が、フイルム形成工程、活性シラノール部位の数、または完 成フイルム上の細胞の増殖を実質的に妨げなれけば、所望であれば、それらを含 んでも差し支えない。水溶液に含まれる有機物は、所望であれば酸素プラズマ処 理により少なくともある程度まで乾燥フイルムから除去しても差し支えない。ま た、所望であれば、例えば、酸溶液中で乾燥フイルムを洗浄して、有機物を除去 しても差し支えない。 シリカ粒子の水溶液を様々な様式で基体に施すことができる。好ましい手法は 、中でも回転被覆によるものである。何故ならば、基体が回転している速度を単 に変更することにより、フイルムの厚さを容易に制御できるからである。水溶液 の粘度は、回転速度と共同した、さらなる変数である。これを用いてフイルム厚 を制御しても差し支えない。粘度は、例えば、水溶液に有機物を加えることによ り増大させることができる。 他の可能性のある被覆手法の例としては、溶液を霧状にし、霧として基体に施 すこと、基体を溶液中に浸漬すること等が挙げられる。どのような方法を用いた としても、最終的なフイルムは、亀裂および剥離を避けるほど十分に薄くなけれ ばならない。 一度基体にしたら、コーティングを乾燥させて、所望のフイルムを形成しなけ ればならない。乾燥は、単に室温での蒸発により行っても差し支えなく、または 、所望であれば、高温(または低温)で行っても差し支えない。再度、乾燥は、 フイルムが、剥離につながる亀裂を発生させないような速度で行わなければなら ない。また、乾燥は、基体から材料がブリードしないような温度で行うべきであ る。その上、乾燥は、例えば、約120℃未満の温度で、フイルムからシラノール 基が実質的に失われないような温度で行うべきである。さらに、有機基体を用い る場合には、乾燥温度は、基体が著しく変形しないように十分に低いべきである 。 このように作成された本発明のコロイドシリカフイルムを用いることが一般的 に好ましいが、所望であれば、このフイルムを改質しても差し支えない。例えば 、これらのフイルムを、コラーゲン層、ECM層、またはジアルデヒドデンプン の層のような続いての層のための結合剤として用いても差し支えない(米国特許 第5,281,660号参照)。また、有機官能シランを気相または液相でフイルムに施 して、表面化学柔軟性を加えても差し支えない。 細胞培養前に、フイルムを生物活性無機イオン(例えば、Ca、Mg)により 改質しても差し支えない(カルシウム表面の分裂促進効果の議論に関する、Chen gの来国特許第4,757,017号参照)。表面改質を行った場合、系のpHを制御して 、 コロイドシリカフイルムが実質的に溶解しないようにする必要がある。 フイルムに局部的なデリバティゼーションを行って、組織細胞増殖の特殊形態 を得ても差し支えない。例えば、Kleinfeld等の「Controlled Outgrowth of Dis sociated Neurons on Patterned Substrates」,J .of Neurosci,Vol.8,No.11 , 1988,4098-4120頁を参照のこと。デリバティゼーションを用いるよりもむし ろ、例えば、局部的なプラズマ処理またはコロナ処理により、基体上に局部的な 湿潤区域および非湿潤区域を形成することにより、パターン化増殖を行っても差 し支えない。シリカコーティング溶液は湿潤区域のみに付着し、したがって、続 いての細胞増殖のためのパターン化表面を形成する。 コロイドシリカの分散およびコーティングの形成におけるそれらの使用に関す る議論が、Dobanの米国特許第2,906,658号、Ilerの米国特許第2,833,661号およ び同第3,773,776号、Payneの米国特許第3,754,984号、Wolinskiの米国特許第2,9 09,443号、およびWoodwardの米国特許第3,676,189号に見られる。 以下詳細に記載するように、本発明のある好ましい実施の形態により、回転被 覆により、コロナ処理されたPS皿にコロイドシリカ分散液を施した。回転被覆 により、亀裂が無く透明で、反応性シラノール基が表面に多くある、50nm厚の 付着フイルムが形成された。これらのフイルムは、非常に湿潤性であり、緩衝液 中でやや可溶性であった。これらのフイルムは、血清を含まない培地中での一次 細胞の培養において、非被覆コロナ処理PSより優れていることが分かった。従 来技術において知られているように、血清を含まない培地中で一次細胞を培養す ることは困難であるので、このことは、本発明の重要な利点である。 いかなる様式にも限定することを意図せずに、本発明を以下の実施例によって より完全に記載する。 実施例1 コロイドシリカフイルムによる基体の被覆 1. 基体 コーニングコスター社(ニューヨーク州、オネオンタ)により製造された従来 のコロナ処理35mmポリスチレンペトリ皿を基体として用いた。皿のいくつかは 、被覆時点で滅菌されていなかったが、その他の皿には、被覆前に滅菌のために ガ ンマ線を放射した。 2. コロイドシリカコーティング溶液 20から40ミリリットルのコロイドシリカコーティング溶液を、デュポンのLUDO X銘柄のコロイドシリカ、グレードHS-40(デラウェア州、ウィルミントン、デュ ポンスペシャルティーケミカルス)を用いて調製した。製造業者により報告され ているように、このグレードは以下の特性を有している:粒子の電荷−−負;平 均粒子直径−−12nm;比表面積−−220m2/g;SiO2含有量−−40重量% ;安定化対イオン−−ナトリウム;SiO2/Na2O比(重量)−−95;25℃で のpH−−9.7。「Ludox Colloidal Silica -- Properties,Uses,Storage,an d Handling,」Dupont Specialty Chemicals,Wilmington,Delaware,Publicati on No.H-47771,January,1994を参照のこと。 コーティング溶液もまたLUDOXグレードSKを用いて調製した。製造業者により 報告されているように、このグレードは以下の特性を有している:粒子の電荷− −負;平均粒子直径−−12nm;比表面積−−230m2/g;SiO2含有量−−2 5重量%;;25℃でのpH−−4−7。安定化対イオン(例えば、ナトリウム) を用いるよりはむしろ、グレードSKに用いたシリカ粒子の表面は、溶液のpHに かかわらず、永久的な負の電荷を有するようにアルミナにより改変されている。 その上、SKグレードは、水溶性のフイルム形成高分子(ポリビニルアルコール) を含んでいる。「Ludox Colloidal Silica -- Properties,Uses,Storage,and Handling,」Dupont Specialty Chemicals,Wilmington,Delaware,Publicatio n No.H-47771,January,1994を参照のこと。 コーティング溶液は、HS-40分散体を脱イオン水で希釈して、10%(容積/容 積)溶液(10倍の希釈)を調製することにより、基体を被覆する直前に調製した 。ある実験において、50%(容積/容積)溶液を用いた(2倍の希釈)。LUDOX SKにより調製したコーティング溶液を2倍の希釈で使用した。 HS-40溶液のpHは希釈後に>9のままであったが、少量のシリカホイスカが 希釈から数時間後に形成された。脱イオン水ではなく、pH9の水を使用するこ とにより、ホイスカが形成されなくなることが分かった。 0.2μ非滅菌界面活性剤不含有酢酸セルロースシリンジフィルタ(ニューヨー ク 州、ロチェスター、ナルジーン、カタログ番号191-2020)を用いて、希釈した分 散体を濾過した。濾液の化学分析(DCP)により測定したように、濾過中にお いて、シリカは、著しくは損失しなかった。LUDOX HS-40は、40重量%のSiO2 として証明されている。10倍に希釈され、濾過された溶液が、4.7重量%のシリ カ濃度を有することが分かった。 3. 被覆方法 ラミナーフローフッドの内部に配置されたベンチトップフォトレジストスピナ ー(テキサス州、ガーランド、ヘッドウェイリサーチ社、カタログ番号1-EC-101 D-R485)を用いて、ポリスチレンペトリ皿を一度に1つずつ回転被覆した。スピ ナーは、フットペダルスイッチおよび3/4インチ(1.9cm)の真空回転チャック に接続された制御器からなる。 各々の皿の底面が、回転前に完全に被覆されるように、過剰のコーティング溶 液(0.2−0.4ml)をパスチャーピペットを用いて各々の皿上に滴下し、皿を手 で揺らした。パスチャーピペットを、それぞれの使用ごとに0.1NのNaOH中 で洗浄して、ピペット上で重合シリカ粒子が形成されないようにした。 次いで、皿を真空チャック内に配置し、40秒間に亘り4,000rpmの速度で回 転させて、過剰の溶液を除去した。フイルムが薄くなるにつれ、回転の最初の2 −5秒以内で、シリカフイルムの色が急速に変化するのが観察された。 回転後、皿を金属製ラック上に真っ直ぐに(開放部分を上にして)配置した。 40−100の皿を回転被覆した後に、ラックおよび皿を60分間に亘り50−70℃の強 制空気オーブン内に配置して、乾燥させた。ある期間の乾燥時間が与えられなか ったフイルムは洗浄により容易に除去されたので、この乾燥工程は、本発明のコ ロイドシリカフイルムの成功にとって重要である。しかしながら、室温で乾燥さ せたフイルムもまた洗浄に耐えることが分かったので、高温での乾燥は必要では ない。 4. 洗浄 乾燥後、被覆皿を1%(容積/容積)の硫酸中で洗浄し、ナトリウムイオンを 浸出させ、未結合コロイドシリカを除去した。酸洗浄はまた、運送および貯蔵中 に細菌およびカビが増殖しないように製造業者によりLUDOX中に含まれた殺生剤 を 除去する(不活化させる)と考えられている。 100までの皿を、撹拌せずに、30−60分間に亘り室温で2リットルのナルジー ンビーカー中の2リットルの酸中に浸漬した。皿を酸から取り出し、脱イオン水 で3回濯ぎ、10リットルの脱イオン水を流しながら30分間に亘り洗い流した。次 いで、皿を60分間に亘り50−70℃の強制空気オーブン内に真っ直ぐに配置して、 乾燥させた。 5. 滅菌 乾燥させた皿をホイルパッケージまたはプラスチックスリーブ内に配置し、ガ ンマ線の放射により滅菌した(1.0-2.5 Mradまたは10-25 KGrey)。滅菌皿、特 に、LUDOX HS-40の10倍希釈物により作成された皿を、実施例3において以下に 記載する細胞培養実験に用いた。 実施例2 コロイドシリカフイルムの物理的および化学的特徴付け I. 材料および方法 A. フイルム厚 ポリスチレン上の回転被覆シリカフイルムの厚さを干渉法により測定した。確 認のために、研磨したシリコンウエハ上にもフイルムを形成し、その厚さを楕円 偏光測定器を用いて測定した。2つの技術により測定した厚さは一致した。 B. フイルムの化学的性質 本発明のコロイドシリカフイルムと染料との反応により、表面の化学的性質を 間接的に研究した。 クリスタルバイオレットラクトン(CVL)は、シラノール表面に特異的な染 料である。Iler,R.K.,The Chemistry of Silica,John Wiley & Sons Inc.,NY , 1979,および「Process for Determining Amount and Uniformity of Distribu tion of Colloidal Silica」と題するTurnerの米国特許第3,023,401号を参照の こと。Turnerの特許に記載されているように、この種のラクトン染料を用いて、 染色された紙の色を標準化された標品の色と単に比較することにより、紙上の吹 付けコロイドシリカの量および均一性を測定することができる。 キシレン(またはCCl4)中のCVL(ウィスコンシン州、ミルウォーキー 、アルドリッヒケミカル社、カタログ番号332488)の2%(重量/容積)溶液を 用いて、実施例1に記載したように調製したシリカ被覆ポリスチレン皿上のシラ ノール基の存在を測定した。少量のCVL溶液(0.2-0.5ml)を試験皿上にピ ペットで移し、揺らして、ピペットで取った。溶液中ではやや黄色であるCVL 染料が、シラノール含有シリカと接触すると青に変色する。 青色の強度を、分光光度計を用いて、試験皿を直接通しての600nmでの吸光 度を測定することにより定量した。図1は、2000−5000rpmの範囲の速度でLU DOX HS-40の10倍希釈物により回転被覆された皿に関する吸光度のデータを示し ている。この図面に示したように、低速で被覆された皿は、高速で被覆されたも のよりも大きい吸光度値を有していた(すなわち、より厚いフイルム)。HS-40 の2倍希釈物により作成されたフイルムは、10倍希釈物により被覆されたものよ りも著しく暗い青であった。 水性カチオン染料であるクリスタルバイオレットは通常、細胞培養に用いられ ている。Rappaport等およびCarrol & Freemanにより報告されているように、こ の染料は、シリカに対して反応性である。Rappaport,C.,J.P.PooleおよびH.P.R appaportの「Studies on Properties of Surface for Growth of Mammalian Cel ls in Synthetic Medium」,Experimental Cell Research,Vol.20,465-510頁 ,1960;およびCarroll,B.およびE.Freemanの「The Behavior of Colloidal Sil icate Solutions as Revealed by Adsorption Indicators」,J.Phys Chem.,V ol.58,335-338頁,1954を参照のこと。 特に、Rappaport等は、クリスタルバイオレット染料吸着を浸食ガラス表面の 生物活性と関連付けた。それらの実験において、ガラス管またはボトルを5分間 に亘りクリスタルバイオレット中に浸漬し、水で濯いだ。次いで、染料をエタノ ールで脱着し、溶液を分光光度計により600nmで読んだ。Rappaport等は、より 多くの染料を吸着したガラス表面は、表面積が大きく、負の電荷を有したことを 示した。強いクリスタルバイオレットの反応性を有する表面が、それらの一次細 胞培養において最高の性能を示した。 Rappaport等のクリスタルバイオレット技術を以下に記載するように用いて、 様 々な溶剤に浸漬する前後で、本発明のコロイドシリカフイルムの耐久性を定量し た。 C. 鏡検法 染色したものと染色していないフイルムの600倍まで光学鏡検法を用いて、フ イルムが微小亀裂を有するか否かを求めた。走査型電子鏡検法(SEM)を皿の 表面に行って、被覆したときと、緩衝液中に浸漬した後の両方で、乾燥したフイ ルムの微小組織を求めた。 II. 結果 A. 微小亀裂および剥離 LUDOX HS-40の2倍希釈物により作成したフイルム(20%のSiO2)は回転被 覆後に微小亀裂を有したが、LUDOX SKの2倍希釈物(12.5%のSiO2)による ものと、HS-40の10倍希釈物(4%のSiO2)によるものは微小亀裂を有さなか った。これらの試験に用いた回転速度は、4,000rpmであった。 観察された微小亀裂は、ゲル化(脱水)中に生じた応力によるものであると考 えられ、泥割れの外観を有している。微小亀裂は、基体からのコロイドシリカフ イルムの剥離につながることがあるので、望ましくない。 重要なパラメータは、乾燥前のフイルムの薄さである。したがって、高濃度の シリカを含有するコーティング溶液は、回転速度が高い場合に使用しても差し支 えない。 実施例3の細胞培養実験に用いた皿は、LUDOX HS-40の10倍希釈物を用いて被 覆され、微小亀裂を有さなかった。 B. シラノールおよびフイルム適用範囲 全てのSiO2濃度(すなわち、20%、12.5%、および4%)で作成したフイ ルムにより、容易に観察できる、実質的に均一なCVL染料との青反応が得られ た。より高濃度の溶液により作成したフイルムは、より多くのシリカによるより 多くのシラノールを示すより暗い反応を有した。 CVL実験に用いたキシレン溶剤は、コロイドシリカフイルムの元でポリスチ レンを化学的に攻撃することが分かった。特に、粗いPS表面が観察された。溶 剤の基体に到達する能力は、フイルムが多孔性であることを示している。 C. 表面組織および化学的性質 LUDOX HS-40(10倍希釈物)により作成された、乾燥し、炭素被覆されたコロ イドシリカフイルムの多孔度および表面組織をSEMにより調査した。5,000−2 0,000の倍率で、最軟調交差線が見られた。100,000倍では、観察できた唯一の特 徴は、<10nm範囲にある非常に微細な組織であり、認識できる細孔はなかった 。 いくつかの被覆皿を、疑似体液(SBF)、すなわち、イオン成分および血液 の血漿濃度を有する緩衝溶液中に37℃で6日間に亘り浸漬した。Li,P.,K.Nakan ishi,T.KokuboおよびK.deGrootの「Induction and Morphology of Hydroxyapat ite,Precipitated from Metastable Simulated Body Fluids on Sol-Gel Prepr ared Silica」,Biomaterials,Vol.14,No.13,963-968頁,1993を参照のこと 。次いで、皿を水で洗浄して乾燥させ、生物活性ガラスの特徴である、リン酸カ ルシウムコーティングの存在についてアッセイした。そのようなコーティングは 見られなかった。使用した条件下で、NaCl結晶が見られた。10,000倍でのS EMは、処理したフイルムが、処理しなかったフイルムと比較して、より粗い表 面組織を有することを示した。EDAXによる化学分析は、このフイルムは明ら かに、溶液からの塩の吸着により化学的に改変されなかったことを示した。しか しながら、フイルムは、水和および脱水により物理的に変化していた。 D. フイルム厚 LUDOX HA-40の10倍希釈物、4,000rpmの回転速度、および40秒間の回転時間 を用いて形成したフイルムが、約50nmの厚さを有した。同一の回転速度と回転 時間で、LUDOX SKの2倍希釈物により、200nmの厚さのフイルムを形成した。 E. フイルム分布および耐久性 クリスタルバイオレットの染色は、LUDOX HA-40(10倍希釈物)により形成し たコロイドシリカフイルムが均一であり、皿の側面と底面に存在したことを示し た。皿の側面のフイルムの存在は、コーティング溶液が回転中に側壁まで移動し たことを示している。底面と側壁が交わる角領域において、フイルムの厚くなる 箇所が生じるかもしれない。 図2は、様々な溶剤に一晩に亘り浸漬した皿の脱着クリスタルバイオレット染 料の600nmでの吸光度グラフである。コロナ処理した(TC+)非被覆PSお よ びコロナ処理していない(TC−)非被覆PSの両方は、非常に小さい吸光度値 を有している。溶剤に浸漬していない本発明のコロイドシリカフイルムにより被 覆した皿(HS)(特に、LUDOX HA-40により10倍の希釈で被覆された皿)は、 負の対照の5−6倍の値を有した。 予測されるように、強アルカリまたはフッ化水素アンモニウムに浸漬した被覆 皿は、非被覆皿と等しい吸光度レベルとなった(すなわち、フイルムは溶解によ り除去された)。HCl、H2SO4、および純粋なイソプロピルアルコールの1 M溶液に浸漬した皿により、未処理皿に近い吸光度値が得られた。試験はしてい ないけれども、フイルムの溶解度は、イソプロピルアルコールよりも小さい分子 量を有するアルコール中におけるほうが高いと思われる。Iler,R.K.のThe Chemi stry of Silica ,John Wiley & Sons Inc.,NY,1979を参照のこと。 生物学的緩衝液(DPBS;DMEM/F12)に浸漬した皿により、浸漬後 に、負の表面荷電および/または表面積のいずれかの損失を示す、負と正の対照 の間の値が得られた。 F. 溶解度 様々な期間に亘り37℃で、LUDOX HS-40(10倍希釈物)により被覆した皿に接 触させられた緩衝溶液中の可溶性シリカレベルを測定することにより、本発明の コロイドシリカフイルムの溶解動力学を研究した。 粉末から作成したDMEM/F12(ニユーヨーク州、グランドアイランド、 ライフテクノロジーズ、カタログ番号12400)およびDPBS培地をこれらの研 究に用いた。上述したように被覆した35ミリリットルのペトリ皿に、2ミリリッ トルの緩衝液を加えた。各々の実験に関して、3つの皿からの溶液を収集し、ア ッセイした。得られた結果は以下のとおりである: 曝露時間 これらのデータは、5日間の保温中に平坦域レベルに到達せずに溶液中のシリ カのレベルの増大、すなわち、培地中へのシリカの「遅い放出」を示している。 より多くのシリカが、pH7.2でのDPBSよりもpH8.1でのDMEM/F12 において放出された。増大したアルカリ度もまた、DMEM/F12培地に関し て観察された比較的高い154ppmのシリカレベルを説明しているかもしれない 。しかしながら、溶液は、過飽和レベルでピークとなり、次いで、平衡レベルま で減少し得る。Iler,R.K.のThe Chemistry of Silica,John Wiley & Sons Inc. ,NY,1979を参照のこと。 比較のために、ガラスボトル中に貯蔵したいくつかの他の溶液に関して、Si O2レベルを測定した。予備混合し、ガラス中に貯蔵したDMEM/F12溶液 (ミズーリ州、セントルイス、メディアテック、CELLFROW、カタログ番号15-090 -LV)は、<1ppmのSiO2を有した。使用済みと新しいガラス組織培養ブレ ーキボトルを5日間に亘り37℃で25mlのDPBS溶液とともに保温した。これ らのボトルは、緑がかった色をしており、ソーダ石灰ガラスから作成されたよう である。新しいボトル、または使用済みボトルのいずれからも、5日後に、シリ カの溶解は検出されなかった。これらの結果は、本発明のコロイドシリカフイル ムは、高表面積のために、使用済み(浸食)ガラスよりも著しく溶解度が高いこ とを示している。 シリカの溶解性は、複雑であり、シリカおよび溶剤の両方を含む多くの因子に 依存する。水性培地中へのシリカの溶解は、以下のように、水和反応により生じ る: ケイ酸は、非常に反応性が高く、溶液中の無機塩まは有機化合物と結合するか もしれず、またはシリカ表面に吸着されるかもしれない。脱水される場合には、 ケイ酸は重合する。 Ilerに論じられているように、上記反応の速度は、シリカの表面積;表面水和 [Si−OH];非晶質シリカ対結晶質シリカ;シリカの純度;溶剤のpH、温 度、および容量;および溶剤の化学的性質(例えば、塩濃度)を含む様々なパラ メータに依存する。Iler,R.K.のThe Chemistry of Silica,John Wiley & Sons Inc.,NY,1979を参照のこと。 G. 性質の概要 表1は、HS-40およびSK分散体を用いて調製したコロイドシリカフイルムの特 性を要約したものである。ここに示されているように、本発明のコロイドシリカ フイルムは、シラノールの含有量が多く、PSに対する付着性が良好であった。 コロイドシリカフイルムは、低コスト、使用しやすいこと、均質性、高表面積お よび湿潤性を含む他の望ましい特徴を有している。また、そのような分散体は、 表1に示したものに加えて、様々な異なる表面化学的性質および粒径を有するも のとして得られる。 実施例3 コロイドシリカフイルム上の細胞培養 I. 材料および方法 A. 一般原理 2種類のよく特徴付けられた細胞培養系、すなわち、上皮細胞系統(MDCK )、および一次腎臓上皮(近位細管外殖体)標品を用いて、本発明のコロイドシ リカフイルムを評価した。Taub,M.等の「Growth of Madin-Darby Canine Kidney Epithelial Cell (MDCK) Line in Hormone-Supplemented,Serum-Free Medium 」,Proc.Natl.Acad.Sci.,Vol.76,No.7,3338-3342頁,1979;およびJung, J.C., S.Lee,N.KadakiaおよびM.Taubの「Growth of Primary Rabbit Proximal Tubule Cells in Glucose-Free Serum-Free Medium」,J.of Cell.Phys.,Vol .150, 243-250頁,1992を参照のこと。 MDCK細胞に関して、血清を補った培地および血清を含まずホルモンを補っ た培地の両方においてデータを得た;一次細胞に関しては、血清を含まない培養 のデータのみを得た。一般的に、実験は、三重に行った。新しい表面に対する細 胞の特異的反応は、予測するのが困難であるので、細胞培養は、細胞の付着、伸 展、増殖速度、分化、および継代性を含むいくつかの細胞反応を測定するように 設計した。 分化機能の発現は、刷子縁酵素アルカリホスファターゼの活性により測定した 。継代性は、トリプシン化による継代培養における成功として定義した。位相差 顕微鏡並びにSEMおよびTEMの特徴付けによる細胞形態を求めた。 以下に示す結果において、本発明により調製した皿を「HS皿」(「HS表面 」)と称する。対照皿は、「PS皿」(「PS表面」)と称される、従来の滅菌 され、コロナ処理された、ポリスチレン組織培養皿であった。 B. 血消を含むMDCK細胞 MDCK細胞を、10%のFCSを補ったDMEM/F12培地を含有する35m m皿中に5×103細胞/皿で平板培養した。細胞を、4日間に亘り5%のCO2/ 95%の空気で加湿された環境内において37℃で保温した。次いで、細胞をEDT Aトリプシンにより皿から除去して、コルターカウンターで計測した。以下に報 告する値は、三重測定の平均(±標準偏差)である。 C. 血清を含まないMDCK細胞 MDCK細胞を、5μg/mlのインシュリン、5μg/mlのトランスフェ リン、5×108Mのハイドロコルチゾン、5×10-12MのT3および25ng/ml のPGE1を補った血清を含まないDMEM/F12培地を含有する35mmの培 養皿中に皿当たり104細胞で平板培養した。細胞を、毎日各々の条件において二 重の皿において計測した。増殖速度を、培養におけるlog2細胞数対日数のプ ロットから測定した。 D. MDCK継代培養 MDCK細胞を、血清を含まない培地K−1中で密集するまで増殖させた。血 消を含まない培地K−1は、5種類の成分(5μg/mlのインシュリン、5μ g/mlのトランスフェリン、5×10-12のT3、5×108Mのハイドロコルチゾ ン、25ng/mlのPGE1)を補ったDMEM/F12培地を含有していた。 続いて、細胞を、血清を含まない培地K−1、または10%のウシ胎児血清を補っ たDMEM/F12のいずれかと共に、35mm皿中に104細胞/皿で平板培養し た。37℃で5%のCO2/95%の空気の雰囲気内において3日後に細胞を計測し た。以 下に報告する値は、三重測定の平均(±標準偏差)である。 培地を平板増殖後およびその後の規定どおりの日に培地を変えた場合、血清を 含まない培地K−1内においてHSおよびPS表面上で、密集するまで増殖が行 われた。細胞が密集した後、培地K−1または10%のウシ胎児血清を補ったDM EM/F12のいずれか有する培養皿中に細胞を継代培養(104細胞/35mm皿 )した。この研究の結果は、継代培養後に、細胞は、血清を含まない培地K−1 または10%のウシ胎児血清を補ったDMEM/F12の両方において、両面に増 殖できたことを示している。特定の操作理論に結びつけることを意図するもので はないが、血清を含まない培地K−1中のHS下層により得られた増殖は、この 実験において行われた規定どおりの培地の交換に帰するかもしれない。 E. 血清を含まない一次腎臓培養 ウサギ腎臓近位細管細胞の一次培養物を、5μg/mlのインシュリン、5μ g/mlのトランスフェリン、および5×108Mのハイドロコルチゾンを補った 血清を含まないDMEM/F12中で増殖させた。培養物を、規定どおりに培地 を交換しながら、20日間に亘り37℃、5%のCO2/95%の空気の加湿雰囲気中 に維持した。次いで、コルターカウンターを用いて、培養皿中の細胞の数を測定 した。以下に報告する値は、三重測定の平均(±標準偏差)である。 ポリスチレン上で高増殖速度に導かれる濃度および著しく低い濃度(通常の平 板増殖濃度の1/6)で皿に平板増殖された管状材料について実験を行った。両方 の密度で、HSおよびPS表面の両方で、増殖が行われた。 上述した血清を含まない培地中での増殖は、繊維芽細胞の過剰増殖なしに生じ た。HSおよびPS表面での増殖もまた、グルコースを含まない培地中で観察さ れ、典型的に、腎近位細管のグルコース新生能力を示した。 F. 一次培養物のアルカリホスファターゼ活性 一次ウサギ腎臓近位細管細胞が、生体内環境において観察されたような生体外 偏光動力学を示す。これらの細胞は、微じゅう毛を有する頂表面(すなわち、刷 子縁)、および刷子縁酵素を保持する。特定の刷子縁酵素、アルカリホスファタ ーゼのレベルを、HSおよびPS表面に維持された一次培養物内で実験した。 特に、一次培養物は、5μg/mlのインシュリン、5μg/mlのトランス フェリン、および5×108Mのハイドロコルチゾンを補った血清を含まないDM EM/F12培地中で密集するまで増殖させた。次いで、培養物を、Taub,M.,L aurie,G.W.,Martin,G.R.,およびKleinman,H.K.の「Altered Basement Membrane Protein Biosynthesis by Primary Cultures of CPK/CPK Mouse Kidney」,Kid ney International Vol.37,1990,1090-1097頁に記載されているように、アル カリホスファターゼアッセイに用いた。アルカリホスファターゼ活性を、p−ニ トロフェノールホスフェーテッドからのp−ニトロフェノールの放出速度により 測定した。値は三重測定の平均である。 G. 血清を含まない一次腎臓継代増殖 細胞を特定の下層(例えば、HS)から同一の下層(例えば、HS)まで継代 した。1:3の継代比で継代した場合、HSおよびPS上の一次継代細胞は、最 初に同様に増殖するように見えた。2週間後、HS上の一次継代細胞は、多くの 大きい多細胞ドームを形成した密集単層を形成することが観察された。このこと は、上皮溶質移送の能力を示している。以前、ドームは典型的に、一次継代培養 においては観察されなかったが、それらの外観が、通常のプラスチック上の一次 培養の密集単層内で観察された。 ウサギ腎臓近位細管細胞もまた、低継代比(1:20)で継代した。細胞はま たこの継代比で生存した。PS上の細胞は、老化(非常に拡大した形態学により 示されるように)し始めたが、HS上の細胞は、通常の上皮形態学を維持した。 H. ウサギ腎臓近位細管の付着 一次細胞腎臓近位細管細胞を、HS皿およびPS皿上に精製ネフロンセグメン トを平板増殖させることにより開始した。次の日に、20の顕微鏡領域に付着させ た細管の数を、倒立顕微鏡により100倍で測定した。顕微鏡領域当たりに付着し た細管の数は、各々の条件に関して、3つの皿について行った測定からの平均で ある。 11. 結果 A. 血清を含むMDCK細胞 血清を含むMDCK細胞をHS皿およびPS皿の両方の上に付着させ、伸展さ せて、再生した。HS皿当たりの平均細胞数は、4日後にPS対照皿における細 胞数の70%であった(HSの53,860±3,400対PSの77,060±11,200)。位相差 による細胞形態学は、立方体様または玉石状であり、HS皿および対照皿におけ る細胞に関して同様であった。図3を参照のこと。培地が比較的より酸性であっ たので、HS皿上のMDCK単層は、PS細胞(白い矢印)よりも密集後のより 多い増殖を示し、PS上よりも明らかに代謝活性が大きかった。 細胞単層を能動的に移送することを示す、「ドーミング」、または半球水疱形 成と呼ばれる現象が、対照PS皿およびHS皿の両方に見られた。ドームは、皿 からやや高くなっており、図3(黒い矢印)におけるようなPS皿およびHS皿 上の隆起円形領域として見える細胞単層の多細胞区域である。 ドーミングを生じさせるために、3つの細胞条件が必要である:機能的形質膜 偏光、閉鎖結合(例えば、タイト結合)の形成、およびベクトラル上皮活性イオ ン移送。Lever,J.E.の「lnducers of Dome Formation in Epithelial Cell Cult ures Including Agents That Cause Differentiation」,Chap.1 in Tissue Cul ture of Epithelial Cells ,Ed.M.Taub,Plenum Press,NY,1985を参照のこと 。ドーミングは、基底外側の流体蓄積が妨げられるので、コラーゲン被覆メッシ ュまたはニトロセルロースフィルタのような多孔性支持体上では生じない。Cere ijido,M.等の「Polarized Monolayers Formed by Epithelial Cells on Permeab le and Translucent Support」,J .of Cell Biology,Vol.77,853-880頁,197 8を参照のこと。明らかに、HS表面は、PSのようにドーミングに必要とされ る細胞条件を誘発し、湿って、ドーム形成を妨げる「漏れ」られるときに十分な 多孔度を提供しない。 B. 血清を含まないMDCK細胞 血清を含まないMDCKは、PS皿と、HS皿とでは非常に異なって反応した 。HS上では、細胞は形態学において上皮のように見えた。PS上では、細胞は 上皮のように見えたが、HS上よりも伸展していた。 PS上の細胞を付着させ、伸展させ、増殖させた(おそらく、培養には血清を 含まなかったので、細胞膜結合リガンドによる)。HS皿上の細胞は、付着した が、伸展も増殖もしなかった。図4参照。HS上の増殖速度は、PS対照皿に関 する1.8と比較して、0.06倍加/日と不十分であった。PS皿に関しては、密集 は、 7日の培養期間内に達成されたが、HS皿に関しては、この期間内には密集は達 成されなかった。 伸展していない細胞中において有糸分裂が欠如していることは、培養における 既知の関連細胞の伸展および増殖であることを考慮すると、驚くべきことではな い。細胞分裂の頻度が、細胞伸展における実験的に制御された増加とともに増加 することが観察されている。現在の理論は、より良好に伸展した細胞は、より多 くの増殖因子を捕獲し、表面積が大きいために多量の栄養素を取り込むことがで きるというものである。Alberts,B.等のMolecular Biology of the Cell,3rd E d.,Garland Publishing Inc.,NY,969頁,1994を参照のこと。 細胞がPS上に付着して伸展したので、付着促進リガンドの欠如することが、 それら細胞がHS表面上に伸展しなかったことの説明にはならない。特定の操作 の理論に結びつけることを意図するものではないが、コロイドシリカ基体対ポリ スチレン基体への付着促進リガンドの付着の差である可能性がある。このことに より、接着域および細胞伸展が発達することができなかった。他の水和「ゲル」 は、同様に伸展細胞の伸展を阻害する(例えば、マサチューセッツ州、ベッドフ ォードのコラボレイティブバイオメディカルプロダクツにより製造されているMA TRIGEL)。 毎日の培地の交換が、平板増殖から24時間後に開始された場合、MDCK細胞 は、HS皿上の血清を含まない培養において伸展し、密集するまで再生した。こ の結果は、付着阻害因子の除去または新しい付着因子の添加のいずれかが、HS 上の血清を含まないMDCK伸展に必要であったことを示唆している。しかしな がら、後者の可能性は、培地が血清を含まないので、ありそうもないと思われる 。 いくつかのプールMDCKのHS皿からの使用された培地の化学分析により、 約100ppmのSiO2がHS表面から培地中に溶解した(おそらくSi(OH)4 として)ことが示された。ここでも、特定の操作理論に結びつけることを意図 するものではないが、可溶性シリカが伸展阻害剤として作用した可能性もある。 血清を含まない細胞培養物は典型的に、おそらく、血清成分が培地中の阻害因子 を不活化するので、血清含有培養物よりも阻害因子に対する感度が大きい。HS 皿上の血清を有するMDCK培養物の場合には、血清成分は、コロイドシリカ上 に 吸着され、続いてのシリカの溶解を減少または除去して、可溶性シリカの作用を 最小にする。 C. MDCK継代培養 血清含有培地中においてHSおよびPS上で密集するまで増殖したMDCK細 胞は、同一種類の表面に容易に継代培養することができる。継代培養は、細胞が 高い比率で(例えば、1:2)分割された場合だけではなく、ずっと低い継代増 殖比(1:10、1:20、1:50)でも成功した。細胞は、密集するまで増殖した 。上述したように、培地は比較的酸性が強かったので、HS皿上の密集MDCK 単層は、著しい細胞増殖を示し、PS皿上の細胞よりも代謝的により活性である ように見えた。 MDCK細胞を、HS皿およびPS皿上で血清を含まずに密集するまで増殖さ せ、次いで、酵素により放出させ、洗浄し、血清を含む場合と含まない場合の両 方で、同一腫の新しい皿上に平板増殖させた。血清を含まないPS皿上に平板増 殖された血清を含まないPS皿を、100%の細胞数で陽性の対照として用いた。 PS皿上で、血清を含む継代培養物および血清を含まない継代培養物は、3日 後に106%±3%および100%±13%の同等の比率で増殖した。血清を含んだHS 継代培養物は、対照細胞数の118%±33%まで増殖し、細胞の伸展の阻害を示し 、増殖は、血清を含まないHS表面に曝した後では、「転移された」状態ではな かった。血清を含まないHS継代培養物は、伸展を維持し、対照細胞数の3%± 0%で増殖が阻害された。ここでも、特定の操作理論に結びつけることを意図す るものではないが、これらの実験は、細胞内作用ではなくむしろ細胞外作用が、 血清を含まないHS培養に見られる伸展阻害の原因のようであることを示してい る。 D. 細胞を含まない一次腎臓培養 HS対PS上の一次外殖体の培養に関して、いくつかの特異的な利点を確認し た。PS表面上で増殖するように適用された一次細胞および細胞系統にはよくあ ることであるが、腎臓の一次性が、MDCK細胞系統とは異なった挙動を示した 。 第一に、腎臓細管外殖体(ネフロンセグメント)の付着は、PSよりもHSの ほうが良好であった。このことは、PS対照表面への乏しい付着が観察された点 で、組織標品が最適以下である実験において最も明白であった。これらの条件下 で、PS皿と比較して、HS皿上に、顕微鏡領域当たり10倍の細管セグメントが 付着した(HSに関して16±5細管セグメント/顕微鏡領域対PSに関して1.6± 1.4細管セグメント/顕微鏡領域)。付着により貢献する条件下では、HS皿は 、PS皿よりも高い付着レベルを達成し続けた(HSに関して10.7±1.0細管セ グメント/顕微鏡領域対PSに関して4.6±1.0細管セグメント/顕微鏡領域)。 組織の付着機構は、個々の細胞の付着ほどには明確には定義されていない(す なわち、インテグリン受容体およびリガンドは明確には定義されていない)。こ こでも、特定の操作理論に結びつけることを意図していないが、HS皿の場合に は、付着は、コラーゲンに関して負に帯電したシリカゲルの親和性によるもので あろう。 図5は、培養における外殖体からの細胞の外殖を示している。HS皿上のこの 段階の細胞は、PS皿上の細胞よりも著しくより多い細胞内小胞を有していた。 これらの小胞は、位相差顕微鏡により白であり、それらの意味は知られていない 。 第二に、腎臓細胞は、PS上よりも、HS皿上のほうがより速く外殖体から再 生する。ある培養セットは、PSのものよりも約3.5倍の10日目のHS上での細 胞平均数/皿を有した。細胞を別の実験において20日目に計測し、PS皿と比較 して、HS皿上に約1.6倍の細胞が見られた(HSに関する、83,360±14,311細 胞/皿対PSに関する51,563±17,715細胞/皿)。 HS皿上の密集一次培養物は、同等のPS培養物の約2.8倍のアルカリホスフ ァターゼ活性を示した(HSに関する、22.6±5.4ナノモルp−ニトロフェノー ル/mgタンパク質/分対PSに関する、8.2±1.7ナノモルp−ニトロフェノー ル/mgタンパク質/分)。続いての実験において、この差は不定であるが、全 ての場合において、アルカリホスファターゼ活性に関して、HS表面が、PS表 面と同程度あるか、またはそれより良好であることが分かった。 一次培養におけるコロイドシリカフイルムの第三の、そして、おそらく最も重 要な利点が、継代培養において見られた。細胞を、PS皿と同様にHS皿から容 易に酵素処理により表面から除去し、同一の基体上で継代培養した。細胞は、特 にHS表面上で増殖した場合に、上皮形態学を維持した。 HS皿上で継代培養された細胞を、対照皿よりもゆっくりとトリプシン化から 回収したが、細胞は段々と、密集するまで増殖し、より特異的な形態学を維持し た。PS上の継代培養における細胞の個体群は、より大きい程度まで老化し、密 集の際に、個々の細胞が大きくなり、ドーミングが欠如した。HS皿上で継代培 養した細胞は、立方体様形態学を維持し、より大きいドームを形成した。 特定の操作に結びつけることを意図するものではないが、一次細胞は、より多 くの細胞外マトリクス(ECM)成分を生長させ、外殖体組織の付着後にいくつ かのECMを作成する「機会の窓」を明らかに有し、付着および伸展のために基 体の「条件を整える」ので、一次培養は、MDCK細胞(血清を含まない)より もコロイドシリカフイルム上でよりうまくいったかもしれない。 さらに、可溶性シリカと培養における細胞との間には、細胞付着促進リガンド に関して競合が存在するかもしれない。これは、可溶性シリカの頻繁な除去によ り、血清を含まないMDCK培養物における伸展が促進されることの理由となり 得る。一次腎臓細胞は、可溶性シリカによる損失を克服するのに十分な量のリガ ンドを生成するかもしれない。 特定の操作の理論に結びつけることを意図するものではないが、以上の細胞培 養結果の洞察は、ケイ素含有材料の生体内挙動の考察から得られると考えられる 。特に、シリカゲルおよびECM成分の「自然の」親和性の証拠が文献に見られ る。 ケイ酸塩インプラント内に見られる組織結合現象の機構が、Larry Hench等に より探求されている。Hench,L.L.およびJ.Wilsonの「Bioceramics」,MRS Bull. Vol.16,No.9,1991,62-74頁;Henchの「Bonding of Bone to Material,Prese nting a High Specific Area,Porous,Silica-Rich Surface」と題する米国特 許第4,171,544号;Ohura,K.等の「Bone-bonding Ability of P205-Free Cao-Sio 2 Glasses」,J .of Biomed.Mats.Res.,Vol.25,1991,357-365頁;およびLi ,P.等の「Process of Formation of Bone-like Apatite Layer on Silica Gel」 ,J. of Mats .Sci.: Mats.in Med.,Vol.4,1993,127-131頁を参照のこと。 組織結合の主要な表面成分が、インプラント−組織界面でのシラノール基であ ると報告されている。シラノール表面が、生体内と生体外での細胞の付着および 増殖を可能にするECM成分の付着を支持することが示されている。シラノール が豊富な表面もまた、骨のインプラントを囲み、しっかりと付着する新しい骨と なるハイドロキシアパタイト[Ca5(PO44(OH)]の結晶の核形成を行 えると考えられている。Henchは、「高表面積で多孔性のシリカが豊富な表面」 の重要性を認識しており、彼の米国特許第4,171,544号において、多孔性VYC ORおよびポートランドセメントを例示している。 BIOGLASSインプラント(フロリダ州、アレイチュア、ユーエスバイオマテリア ルス)は、生体内に中間体シリカゲル/リン酸カルシウム/ECM「seam」 を形成することにより、骨および軟部組織と結合する。これらのガラスの軟部組 織および硬部組織と結合する能力は、移植後数分以内に生じる浸食工程に依存し ており、これらの浸食および無機質化の現象が広範囲に詳述されている。コラー ゲン並びにグリコサミノグリカン(GAG)が、生体外における浸食BIOGLASS表 面中に取り込まれることが分かった。Hench,L.L.の「Bioceramics」,MRS Bulle tin ,Vol.16,No.9,62-74頁,1991を参照のこと。 ゾルゲル由来の多孔性シリカ基体が、日本の京都大学でコクドタダシにより生 物活性であることが分かった。生物材料の分野においてコクド等は、「生物活性 」への鍵は、インプラント表面にあるシラノール基の量およびヒドロキシル化の 速度であることを発見した。Ohura,K.等の「Bone-bonding Ability of P205-Fre e Cao-Sio2 Glasses」,J .of Biomed.Mats.Res.,Vol.25,1991,357-365頁 ;Li,P.等の「Process of Formation of Bone-like Apatite Layer on Silica G el」,J.of Mats.Sci.: Mats.in Med.,Vol.4,1993,127-131頁;およびLi, P.,I.Kangasneimi,K.deGroot,T.Kokubo,およびA.U.Yli-Urpoの「Apatite Cry stallization from Metastable Calcium Phosphate Solution on Sol-Gel-Prepa red Silica」,J .of Non-Crystalline Solids,Vol.168,1994,281-286頁。 結合組織の形成における本態性微量元素としてのケイ素の役割が、動物の栄養 研究により測定され、BirchallおよびCarlisleにより示された。Birchallおよび Chappel,前出;およびCarlisle,E.M.の「Silicon as an Essential Trace Eleme nt in Animal Nutrition」,in Silicon Biochemistry,eds.D.EveredおよびM. O'Connor,John Wiley & Sons Ltd,Sussex,UK,1986を参照のこと。 ヒトさい帯組織から精製されたGAGおよびポリウロナイド中のケイ素の結合 形態をSchwartzが発見したことにより、ケイ素の分子生物学が観察された。Schw artz,K.の「A Bound Form of Silicon in Glycosaminoglycans and Polyuronide S」,Proc .Nat.Acad.Sci.,USA,Vol.70,No.5,1608-1612頁,1973を参照の こと。ケイ素の結合は、シラノレート(Si−O−C)結合による共有であり、 このようにして、結合組織内で架橋剤として機能すると考えられた。そのような 結合が、本発明のコロイドシリカフイルムをコロナ処理したPS皿に保持するの に含まれているかもしれない。 Barnes等は、フィブロネクチン、ビトロネクチンおよびヒト血清からの他の付 着促進リガンドを分離するのにアフィニティークロマトグラフィーカラム中にガ ラスビーズを使用することを報告した。Barnes,D.等の「Glass-Beads AffinityC hromatography of Cell Attachment and Spreading-Promoting Factors in Huma n Serum」,Anal.Biochem.,Vol.137,196-204頁,1984を参照のこと。ガラス ビーズは、濃縮酸中に一晩浸漬し、蒸留水により洗浄し、炭酸ナトリウムにより pH8に調節することにより調製した。pH8で、血清から付着促進リガンドを 枯渇させ、pH9に調節した後に、カラムからリガンドを溶離させる。十分に大 きい比率のガラスビーズ表面積対血清容積が要求された。分離するためには、ク ロマトグラフィーの前および最中にアルカリ雰囲気を維持することが要求された 。Barnes等は、「血清SF、フィブロネクチン、およびラミニンの全てが、ガラ スビーズへの結合およびそれからの溶離に関して同様の特性を示し、この特性が 、ある様式で、これら3種類の細胞の付着および伸展促進糖タンパク質の生物学 的活性に関連するかもしれないことを示唆していることは興味深い」と述べてい る。 Barnes等はまた、他の血清タンパク質(例えば、増殖因子)は、この処理によ り枯渇されたのかもしれないと述べている。リガンドをクロマトグラフィー枯渇 血清に戻すことにより、細胞伸展阻害剤を導入するクロマトグラフィーの可能性 を試験し、細胞への阻害効果がないことが分かった。Barnes等は、それらのガラ スの表面化学的性質を測定しなかったが、それらの方法は、反応性が高く、浸出 したシリカゲル表面層が形成されたことを示唆している。pHを9まで上昇させ ることにより、下にあるシリカが溶解することによってリガンドを放出したのか もしれない。 ガラス上の細胞増殖に関する代謝速度が上昇することが以前に報告されている 。 Warren等は、プラスチックフラスコと比較して、ガラス(ブレーキボトル)上で 増殖した腎臓細胞系統(BHK)により放射線標識グルコサミンの吸収が3から 4倍に増大したことを報告した。Warren,L.,D.L.BlitheおよびG.Cossuの「Vari ation in the Carbohydrates of Glycoproteins of Cells Growing on Differen t Surfaces」,J .of Cell.Phvs.,Vol.113,17-22頁,1982を参照のこと。War ren等はまた、これらの基体上で増殖する細胞の糖タンパク質の炭水化物におけ る変異(SDS−PAGEによる)を例証した。 実施例4 比較例 コロナ処理したPS皿をPA04およびLUDOX HS-40コロイドシリカの混合物で被 覆した(以後「PA皿」(「PA表面」)と称する)。PA04は、PSに光結合可 能な、BSIコーポレーション(ミネソタ州、プレイリー、エデン)により作成 されたポリアクリルアミドゲル材料である。ガンマ滅菌の前に放射したUVおよ びポアオンポアオフ技術を用いて、皿を湿潤被覆した。これらのコーティングは 、透明であったが不均質であった。ミクロンサイズのシリカ粒子がコーティング の表面に見られた。これらの粒子はCVL染料により青色に染まったが、全体的 なコーティングは染まらなかった。このことは、コーティング中のシラノールの 分散度が低いことを示している。SEM顕微鏡写真およびEDAX分析は、CV L観察を支持した。このコーティングの特徴の概要が表1に示されている。 実施例3の方法にしたがって、MDCK細胞および一次細胞の培養実験をPA 皿に関して行った。これらの実験は、MDCK細胞に関して、PA表面がPS表 面とHS表面との間の中間体であることを示した(血清を含むMDCK細胞−− HSに関する35mm皿当たり53,860±3,400対PSに関する77,060±11,200対P Aに関する58,860±4020;血清を含まないMDCK細胞−−HSに関する0.06倍 加/日対PSに関する1.8対PAに関する1.0;血清を含むおよび含まない継代培 養−−HSに関する118%±33%および対照の3%±0%対PSに関する106%± 3%および100%±13%対PAに関する115%±11%および9%±0%対照)。一 次細胞に関して、PA表面では、PS表面またはHS表面のいずれかよりも少な く増殖が行われた(HSに関する83,360±14,311細胞/皿対PSに関する51,563 ± 17,715対PAに関する31,360±220)。 このデータは、血清を含まない培地における一次細胞の増殖に関して、フイル ム全体に亘りSi−OH基を有することの重要性を示している。上述したように 、均一に分布したシリカにもかかわらず、PAフイルムのみが局所的にシリカ粒 子を有した。これらの粒子は、HSフイルムにより達成された向上した一次細胞 増殖を行うのに十分なシラノール基を提供しなかった。 本発明の好ましい並びに他の実施の形態をここに記載したが、以下の請求の範 囲により定義されるように、本発明の範囲から逸脱せずに、当業者にはさらなる 実施の形態が理解されよう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも一部がコロイドシリカフイルムにより被覆された基体からなる、 培養において細胞を増殖させる装置。 2.前記基体が湿潤性表面を有することを特徴とする請求の範囲1記載の装置。 3.前記基体が高分子材料からなることを特徴とする請求の範囲1記載の装置。 4.前記コロイドシリカフイルムが多孔性であることを特徴とする請求の範囲1 記載の装置。 5.前記コロイドシリカフイルムが反応性Si−OH基を含有することを特徴と する請求の範囲1記載の装置。 6.前記コロイドシリカフイルムが培養培地中に部分的に可溶性であることを特 徴とする請求の範囲1記載の装置。 7.前記コロイドシリカフイルムが、約100ナノメートル未満の厚さを有するこ とを特徴とする請求の範囲1記載の装置。 8.前記コロイドシリカフイルムが、血清を含まない培地中の一次細胞の増殖に 役立つことを特徴とする請求の範囲1記載の装置。 9.前記非被覆基体が、血清を含まない培地中における一次細胞の増殖を支持し 、前記コロイドシリカフイルムが、同等の条件下の該非被覆基体上で行われた増 殖と比較して、前記培地中の細胞の増殖を向上させることを特徴とする請求の範 囲8記載の装置。 10.培養培地および増殖させるべき細胞を請求の範囲1記載の装置のコロイドシ リカフイルムに施す工程からなることを特徴とする細胞を増殖させる方法。 11.前記細胞が一次細胞であることを特徴とする請求の範囲10記載の方法。 12.前記培養培地が血清を含まないことを特徴とする請求の範囲11記載の方法。 13.細胞培養を行う装置を製造する方法であって、 (a) 基体を提供し、 (b) 該基体の少なくとも一部にコロイドシリカの水性分散体を施し、 (c) 該基体の一部上の該水性分散体の少なくとも一部を乾燥させてフイルムを 形成させる各工程からなり、該フイルムが、培養において細胞を増殖させる ための付着表面として機能することを特徴とする方法。 14.前記基体が湿潤性表面を有することを特徴とする請求の範囲13記載の方法。 15.前記基体が高分子材料からなることを特徴とする請求の範囲13記載の方法。 16.前記フイルムが多孔性であることを特徴とする請求の範囲13記載の方法。 17.前記フイルムが反応性Si−OH基を含有することを特徴とする請求の範囲 13記載の方法。 18.前記フイルムが培養培地中に部分的に可溶性であることを特徴とする請求の 範囲13記載の方法。 19.前記フイルムが、約100ナノメートル未満の厚さを有することを特徴とする 請求の範囲13記載の方法。 20.前記フイルムが、血清を含まない培地中における一次細胞の増殖に貢献する ことを特徴とする請求の範囲13記載の方法。 21.前記非被覆基体が、血清を含まない培地における一次細胞の増殖を支持し、 前記フイルムが、同等の条件下の該非被覆基体上で行われた増殖と比較して、前 記培地中の細胞の増殖を向上させることを特徴とする請求の範囲20記載の方法。 22.前記水性分散体中のシリカの濃度が約5重量パーセント未満であることを特 徴とする請求の範囲13記載の方法。
JP9514426A 1995-10-06 1996-10-02 細胞培養のためのコロイドシリカ Ceased JPH11513254A (ja)

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