JPH1151193A - 超高圧流体封止装置 - Google Patents

超高圧流体封止装置

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JPH1151193A
JPH1151193A JP9220642A JP22064297A JPH1151193A JP H1151193 A JPH1151193 A JP H1151193A JP 9220642 A JP9220642 A JP 9220642A JP 22064297 A JP22064297 A JP 22064297A JP H1151193 A JPH1151193 A JP H1151193A
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幸明 永田
Ryoji Muratsubaki
良司 村椿
Nobutaka Yamagishi
伸考 山岸
Tadashi Kanayama
忠司 金山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 500MPa以上の超々高圧下で、高速往復
運動するプランジャポンプの摺動部に関して、従来より
長時間良好にシールし得る超高圧流体封止装置を提供す
る。 【解決手段】 高圧室と低圧室との間でプランジャが往
復運動するポンプ等の流体機械において、外側部材と内
側部材とからなる二部材間に形成された環状間隙内に高
圧部側から順に弾性リング、パッキンリング、バックア
ップリング、ボトムリングを配置し、内側部材の摺動部
で摩擦熱が最も発生しやすいボトムリングのテーパ面先
端部近傍にのみ非金属材料のパッキンリングを使用し、
他の部分を金属材料のままとした二つの部材でボトムリ
ングを一体的に構成し摩擦熱を非常に低くおさえたた
め、強いシール力を維持しながらもパッキン類の寿命を
長く延ばすことを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧室と低圧室と
の間でプランジャ(ピストン等の類似のものを含む)が
往復運動するポンプ等の流体機械において、流体をシー
ルする超高圧流体封止装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高圧水を利用した加工技術も、洗
浄,剥離,はつり,切断,静水圧等多種多様の用途に応
用されており、流体の圧力も数百MPa以上にも及ぶ超
高圧水を発生させる往復動プランジャポンプが各種類開
発されている。この種の流体装置では、高圧部と低圧部
とを仕切るための高圧流体封止手段において、使用条件
に応じて幅広く素材を選択し、また、形状に工夫をこら
し、より良好なシール効果が得られ、しかもできるだけ
長寿命で安定した性能を維持し得るようにシール技術の
開発が続けられている。
【0003】一般的な封止手段としては、パッキンや弾
性リング等を用いて構成されたもので、大別してセルフ
シール型パッキンと圧縮型パッキンがある。
【0004】本出願人においても特開平1−20376
4号公報では圧力が500MPaまで適用できる流体封
止装置として、往復動プランジャポンプのシリンダ内周
面とプランジャ外周面との間に形成された環状間隙内
に、高圧部側から低圧部側へ向かって順次弾性ペンタリ
ング、パッキンリング、バックアップリングが配置さ
れ、アダプタリングによってシリンダ内から部材が抜け
出さないように係止された圧縮型パッキンによる超高圧
流体のシール効果について開示した。
【0005】さらに、本出願人は特開平8−30359
1号公報により、500MPa以上の超々高圧の加圧テ
ストや静水圧加工用の超高圧水発生装置の開発にともな
い、前記シール技術を応用した流体封止装置として、前
記圧縮型パッキンのパッキン形状と組み合わせを工夫し
た改良型超々高圧シール技術を確立した装置を提供し
た。
【0006】つまり、特開平8−303591号公報で
開示した装置によれば、往復動プランジャポンプのシリ
ンダ内周面とプランジャ外周面との間に形成された環状
間隙内に設けられる超高圧流体封止装置において、高圧
部側から順に弾性リング、パッキンリング、バックアッ
プリング、ボトムリングが配されてなり、パッキンリン
グは高圧部側に向かって縮径する外周テーパ面と該外周
テーパ面の縮径先端に連なる平行筒状端部を有し、弾性
リングはパッキンリングより高圧部側で外側部材の内周
面に当接し、パッキンリングにより押圧された状態で設
けられ、外側部材の内周面と前記外周テーパ面と前記平
行筒状端部の外周面とによって圧縮される。さらに低圧
部側に向かって縮径するテーパ面を有するパッキンリン
グと高圧部側に向かって縮径するテーパ面を有するボト
ムリングとのそれぞれのテーパ面で形成される断面三角
形状の環状空間内に配置された断面台形状のバックアッ
プリングは、前記パッキンリングより高い降伏強度を有
するものを使用しており、前記パッキンリングの低圧部
側テーパ面に密着する面を下底面とし、前記ボトムリン
グの高圧部側テーパ面および前記外側部材内周面とにそ
れぞれ密着する面を両側面部とし、上底面部はボトムリ
ングの高圧部側テーパ面と外側部材内周面とで断面三角
形状の環状空間を形成するように構成されている。
【0007】以上のような構成を持つ従来の超高圧流体
封止装置の作用を図3を用いて以下に説明する。まず、
流体圧によって弾性リングGおよびパッキンリングPが
低圧部側(図中矢印方向)へ押圧されるのに伴い、係止
手段であるアダプタXによって環状間隙内に係止されて
いるボトムリングAのテーパ面に沿って断面台形状バッ
クアップリングBが環状間隙の低圧部側、即ちその上底
面部が一辺となる断面三角形状の環状空間S側に押し込
まれ、その両側面がシール面としてシリンダ面とボトム
リングAのテーパ面を押す力が大きくなると共に、パッ
キンリングPによる摺動面のシール力も大きくなる。し
たがって、流体圧の上昇に伴って、断面台形状のバック
アップリングBの両側面部の接触面及びパッキンリング
Pの摺動面に対するシール力がそれぞれ強力となり、た
とえ500MPa以上の超高圧においても良好に流体を
封止できるという効果があった。
【0008】なお、このように内部部材が外側部材およ
び超高圧流体封止装置に対して摺動する場合、パッキン
リングは摺動面に直接当接するため、高分子ポリエチレ
ン等の比較的柔らかい材質からなるものとし、またボト
ムリングは超高圧で押圧されても殆ど変形しないステン
レス等の金属の剛性材質からなるものが使用されてき
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の超高圧流体封止装置を用いて3mm/se
c.までのプランジャ速度で作動させる従来のプランジ
ャポンプでの昇圧は、たとえ500MPa以上でも問題
なく可能であったが、用途により、または使用者の希望
により超高圧ポンプ自体の小型軽量化が要求される場合
があり、プランジャ速度をかなり上げる高速性能を持つ
装置が必要となった。たとえば、28mm/sec.ま
でプランジャ速度を上げるとバックアップリングに押圧
されている金属製のボトムリングの高圧側縮径先端内周
面部がプランジャの往復運動で金属同士の接触により摩
擦熱を発生し、ひどくなるとプランジャに焼き付きを起
こしてプランジャ表面に付着してしまい、その付着物で
プランジャの摺動中にパッキンリング(耐熱性樹脂)の
内周面を軸方向に傷をつけて超高圧流体を良好に封止で
きなくなった。
【0010】あるいは、プランジャの速度によってはプ
ランジャの焼き付きまでには至らなくても摺動により金
属製ボトムリングの高圧側縮径先端内周面部に発生した
摩擦熱でプランジャ表面を熱くし、パッキンリング自体
が軟化して溶出してしまいパッキンリング寿命を短くし
てしまう不都合があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、500MP
a以上の超々高圧下で、たとえプランジャ摺動速度を上
げたとしても長時間良好にシールし得る超高圧流体封止
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係わる超高圧流体封止装置
では、外側部材と内側部材とからなる二部材間に形成さ
れた環状間隙を封止して高圧部と低圧部を仕切るために
前記環状間隙内に前記高圧部側から順に弾性リング、パ
ッキンリング、バックアップリング、ボトムリングを配
置してなる超高圧流体封止装置であって、前記パッキン
リングが前記外側部材の内周面と前記内側部材の外周面
に当接する壁部を形成し、該壁部から高圧部側に向かっ
て縮径する外周テーパ面と該外周テーパ面の縮径側先端
に連なる平行筒状端部を有して前記弾性リングと密着さ
せ圧縮し、さらに、前記壁部から低圧部側に向かって縮
径する外周テーパ面とを有し、前記ボトムリングが前記
外側部材の内周面と前記内側部材の外周面とに当接する
壁部を形成し、高圧部側に向かって縮径するテーパ面を
有し、前記バックアップリングが断面台形状で形成さ
れ、該断面台形状の下底面部が前記パッキンリングの低
圧部側テーパ面と密着し、かつ、前記断面台形状の両側
面が前記外側部材の内周面と前記ボトムリングの高圧部
側テーパ面とにそれぞれ密着して前記パッキンリングと
前記ボトムリングとで形成される断面略三角形の環状空
間内に備えられ、前記ボトムリングのテーパ先端部で前
記バックアップリングと前記内側部材の外周面に当接す
る部分を非金属材料とし他の部分を金属材料とした二つ
の部材で前記ボトムリングのテーパ面を構成したことを
特徴とする超高圧流体封止装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】高圧部側に配置された弾性リン
グ、パッキンリング、バックアップリングの形状や材質
は従来の流体封止部材と同様にする。つまり、パッキン
リングは外側部材の内周面と内側部材の外周面に当接す
る壁部を形成し、該壁部から高圧部側に向かって縮径す
る外周テーパ面と該外周テーパ面の縮径側先端に連なる
平行筒状端部を有し、弾性リングはパッキンリングより
高圧部側で外側部材の内周面に当接し、パッキンリング
により押圧された状態で設けられ、外側部材の内周面と
前記外周テーパ面と前記平行筒状端部の外周面とによっ
て圧縮されているため、前記パッキンリングの縮径側先
端に連なる平行筒状端部が容易に内側へ押圧されて面圧
が確保され、シール性が高くなるといった同じ作用が得
られるのは明かである。
【0014】本発明においては、外側部材と内側部材と
からなる二部材間に形成された環状間隙内に設けられる
流体封止部材の一つであるボトムリングの構成に特徴を
もたせたもので、バックアップリングとのシール性能を
良好に維持しつつさらに摺動面と接触しても摩擦熱の発
生をおさえる構造として、以下のように改良したもので
ある。
【0015】従来のボトムリングは、押圧による変形を
しないように考慮してステンレス等の金属部材の一体物
で構成され、さらに、バックアップリングとの強力な密
着性を維持するために、外側部材の内周面と内側部材の
外周面とに当接する壁部から高圧部側に向かって縮径す
るテーパ面を有している。ところが、内側金属部材の摺
動速度が速くなると、前記ボトムリングの内周面と摺動
する内側金属部材の外周面において、金属同士の接触に
よる摩擦熱が発生してしまう。そこで、本発明では、特
に摩擦熱を発生するボトムリングのテーパ先端部に前記
縮径するテーパ面形状を保つ樹脂等の非金属材料のパッ
キンリングを使用し、他の部分を金属材料のままとした
二つの部材でボトムリングを一体的に構成したため、高
速往復運動によりテーパ先端部の内周面に発生する摩擦
熱を非常に低くおさえることができ、強いシール力を維
持しながらもパッキン類の寿命を長く延ばすことが可能
となった。
【0016】すなわち、内側部材が外側部材および超高
圧流体封止装置に対して摺動する場合には、断面台形状
のバックアップリングにおける下底近傍の一側面と密着
して押圧されるボトムリングの縮径するテーパ面の先端
部分の内周面が内側部材外周摺動面とより激しく接触し
て焼き付きやカジリを発生するため、その先端部のみに
摺動グレードに処置した樹脂あるいは合成ゴム等焼き付
けやカジリを発生しにくい材質のパッキンを使用するだ
けで十分に摩擦熱を低くおさえることができる。また、
前記断面台形状のバックアップリングにおける上底近傍
の側面と密着するボトムリングの縮径するテーパ面部は
金属材料の剛性材質のままとしているため超高圧の押圧
でも従来通り、殆ど変形しない状態を維持することが可
能となった。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例として、往復動プランジャ
ポンプのシリンダ摺動部に採用した超高圧流体封止装置
の構成図を図1の断面図に示す。
【0018】摺動部における本実施例の超高圧流体封止
装置は、シリンダ10内周面とプランジャ9の外周面間
に形成される環状間隙内にそれぞれ嵌合されており、高
圧部側(図中スペーサリング5側)から順に、ウレタン
ゴムからなる断面五角形状のペンタリング1、高分子ポ
リエチレンからなるパッキンリング2、銅製の断面台形
状のバックアップリング3、摺動特性の良い樹脂からな
る断面略三角形状のデルタリング6、ステンレス製のボ
トムリング4が配されてなるものであり、このボトムリ
ング4は、アダプタ7によってシリンダ10からのプラ
ンジャ挿入側端部で係止されているため、超高圧で押圧
されても環状間隙からシリンダ外へ脱落することはな
い。
【0019】また、本実施例では、パッキンリング2は
高圧部側に向かって縮径する外周テーパ面2aと該外周
テーパ面2aの縮径側先端に連なる平行筒状端部を有
し、ペンタリング1はパッキンリング2より高圧部側で
シリンダ10内周面に当接してパッキンリング2により
押圧された状態で設けられ、シリンダ10内周面と外周
テーパ面2aと平行筒状端部の外周面2bとによって圧
縮されている。
【0020】さらに、パッキンリング2は低圧部側に向
かって最小径の断面頂点部がプランジャ9外周面と当接
するまで縮径し、プランジャ9外周面に対して60゜の
角度を持つテーパ面2cと、ボトムリング4の高圧部側
に向かって縮径し、プランジャ9外周面に対して60゜
の角度を持つテーパ面4aと該テーパ面角度と同じ角度
にしたテーパ面を有して前記ボトムリング4の縮径先端
部に一体化して取り付けた断面略三角形状のデルタリン
グ6のテーパ面とシリンダ10内周面とで環状間隙内に
形成する断面正三角形状の環境空間内に、パッキンリン
グ2のテーパ面2cに密着する面を下底面部とし、ボト
ムリング4とデルタリング6とで構成するテーパ面4a
およびシリンダ10内周面とにそれぞれ密着する面を両
側面部とした断面台形状のバックアップリング3を設
け、該断面台形状の上底面部はボトムリング4のテーパ
面4aとシリンダ10内周面とで断面三角形の環状空間
8を形成している。
【0021】このような構成の超高圧往復動プランジャ
ポンプの摺動部において、まず、パッキンリング2のテ
ーパ面2aがペンタリング1の圧縮力をプランジャ9方
向の力に変換してプランジャ9方向に縮小すべく作用
し、また逆に、ペンタリング1とパッキンリング2との
当接面がペンタリング1の圧縮力をシリンダ10内周面
方向の力に変化してシリンダ10内周面方向に縮小すべ
く作用する。即ち、ペンタリング1の復元力はその全周
に作用し、各当接面はパッキンリング2により全周で密
着状態となり、高圧シリンダ摺動部における初期シール
が完了する。
【0022】以上のような状態の超高圧プランジャポン
プにおいて、プランジャ9を作動させ、超高圧の流体圧
が上昇するに伴って、摺動部では、流体圧によってペン
タリング1およびパッキンリング2が低圧部側へ押圧さ
れ、係止手段であるアダプタ7によって環状間隙内に係
止されているボトムリング4とデルタリング6のテーパ
面4aと6aに沿って断面台形状のバックアップリング
3が環状間隙の低圧部側、即ちその上底面部が一辺とな
る断面三角形状の環状空間8側に押し込まれ、その両側
面がシール面としてシリンダ10内周面とデルタリング
6と一体的に形成されたボトムリング4のテーパ面を押
す力が大きくなると共に、パッキンリング2による摺動
面へのシール力も大きくなる。
【0023】つまり、図2に示すように、デルタリング
6はボトムリング4の高圧部側に向かって縮径するテー
パ面4aの先端部分に位置するようにテーパ角度を同じ
にしてボトムリング4と一体的に構成し、該先端テーパ
面6aは断面台形状のバックアップリング3における下
底面部3a近傍の一側面部3bと密着させ、かつ、該内
周面6bはボトムリング4の内周面4bと一致させてプ
ランジャ外周面9aと接触させているため、昇圧時に
は、断面台形状のパックアップリング3の下底面部3a
がパッキンリング2により押圧され、バックアップリン
グ3の一側面3bが密着しているデルタリング6とボト
ムリング4とで形成するテーパ面6aと4aを押圧す
る。押圧されたデルタリング6は該内周面6bと当接す
るプランジャ外周面方向に縮小すべく作用するが、非金
属材料で構成されているため摺動するプランジャと接触
しても、摩擦熱の発生を低くおさえることができる。ま
た、残りの上底近傍の一側面部3cは、金属製の剛性材
質からなるボトムリング4のテーパ面4aと密着させて
いるため、たとえ超高圧で押圧されても殆ど変形しない
構成となっている。
【0024】結果として、本実施例による超高圧流体封
止装置を摺動部に備えた超高圧プランジャポンプでは、
流体圧1000MPa以上という超高圧状態においても
良好に流体が封止され、かつ、デルタリングの内周面と
接触するプランジャ外周面状態が良好に保たれ、封止装
置の寿命を延長することができた。
【0025】実際のシール実験では、10≪/700M
Paの昇圧作動において、従来のパッキン構成の封止装
置では30回程度の昇圧/減圧作動繰り返しでシール不
良となっていたが、本発明の封止装置を使用したとこ
ろ、10倍の300回の昇圧/減圧作動でも良好なシー
ルが可能となった。
【0026】なお、以上の実施例においては、弾性リン
グとしてペンタリングを用いたが、本発明では弾性リン
グの形状を断面五角形に限定するものではなく、断面略
円形状または断面三角形状等、種々の形状のものが使用
可能であるが、初期シール性が良好となり、また弾性リ
ングの圧力変形が大きくて寿命が短縮化されるのを避け
るためにも、外側部材の内周面とパッキンリングの外周
面とのあいだの環状間隙にほぼ嵌合するものが望まし
い。
【0027】また、上記実施例では、弾性リングにウレ
タンゴム、パッキンリングに高分子ポリエチレン、バッ
クアップリングに銅、デルタリングに樹脂、ボトムリン
グにステンレスをそれぞれ材質として用いたが、本発明
はこれに限るものではない。これらの他に、例えば、弾
性リングには合成ゴムや天然ゴムなど、パッキンリング
にはテフロンなど、バックアップリングには銅以外に、
鉛、すず、アルミ、チタンなど、デルタリングには高分
子ポリエチレンやテフロンなど、また、アダプタあるい
はボトムリングにはステンレス以外にチタン,合金鋼な
どが、また従来の一般的な高圧流体封止装置に用いられ
ていたものが同様に利用できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、摺動部
による摩擦熱が最も発生しやすいボトムリングのテーパ
面先端部近傍にのみピーク樹脂等の非金属材料を使用す
るように構成したため、プランジャ摺動時には金属と樹
脂との接触となり従来の金属と金属との摩擦による種々
の問題、例えば、焼き付きやカジリ等が発生せず、しか
も、流体圧の上昇に伴って、断面台形状のバックアップ
リングの両側面部の接触面に対する強力なシール力も維
持できるパッキン形状としているため、500MPa以
上の超高圧においても良好に流体を封止でき、かつ、パ
ッキンの寿命も従来と比べ格段に延ばすことが可能とい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による超高圧流体封止装置を用
いた超高圧プランジャポンプの概略構成縦断面図であ
る。
【図2】図1の超高圧流体封止装置におけるA部の拡大
詳細図である。
【図3】従来の超高圧プランジャポンプの摺動部のシー
ルに用いられている高圧流体封止装置の作用を示す説明
図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・・・・ペンタリング 2・・・・・・パッキンリング 3・・・・・・バックアップリング 4・・・・・・ボトムリング 5・・・・・・スペーサリング 6・・・・・・デルタリング 7・・・・・・アダプタ 8・・・・・・環状空間 9・・・・・・プランジャ 10・・・・・シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 忠司 富山県魚津市本江2410 株式会社スギノマ シン内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側部材と内側部材とからなる二部材間
    に形成された環状間隙を封止して高圧部と低圧部を仕切
    るために前記環状間隙内に前記高圧部側から順に弾性リ
    ング、パッキンリング、バックアップリング、ボトムリ
    ングを配置してなる超高圧流体封止装置であって、 前記パッキンリングが前記外側部材の内周面と前記内側
    部材の外周面に当接する壁部を形成し、該壁部から高圧
    部側に向かって縮径する外周テーパ面と該外周テーパ面
    の縮径側先端に連なる平行筒状端部を有して前記弾性リ
    ングと密着させ圧縮し、さらに、前記壁部から低圧部側
    に向かって縮径する外周テーパ面とを有し、 前記ボトムリングが前記外側部材の内周面と前記内側部
    材の外周面とに当接する壁部を形成し、高圧部側に向か
    って縮径するテーパ面を有し、 前記バックアップリングが断面台形状で形成され、該断
    面台形状の下底面部が前記パッキンリングの低圧部側テ
    ーパ面と密着し、かつ、前記断面台形状の両側面が前記
    外側部材の内周面と前記ボトムリングの高圧部側テーパ
    面とにそれぞれ密着して前記パッキンリングと前記ボト
    ムリングとで形成される断面略三角形の環状空間内に備
    えられ、 前記ボトムリングのテーパ先端部で前記バックアップリ
    ングと前記内側部材の外周面に当接する部分を非金属材
    料とし他の部分を金属材料とした二つの部材で前記ボト
    ムリングのテーパ面を構成したことを特徴とする超高圧
    流体封止装置。
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