【発明の詳細な説明】
発明の名称 多軸CNC旋盤
技術分野
本発明は一般に工作機械に関し、より具体的には、JITおよびSPC製造理
念とともに使用するのに特に適合した多軸CNC旋盤に関する。
発明の背景および概要
ドリル、旋盤、フライス盤、切削盤および他の加工機をはじめとする工作機械
ならびにより複雑な装置、たとえばねじ切り盤は、すべて共通の目的、すなわち
、きわめて高い精度および最大限の経済性の条件の下で同一の完成部品を数多く
製造する、という目的によって特徴づけられる。そのため、工作機械における関
心および工作機械の開発が産業革命の進展と並行に生じた。
従来、工作機械は、すべての労働者の中で最も熟練し、最も高給を得ていた者
の中に入る機械工によって運転されていた。しかし、より最近、工作機械は、コ
ンピュータ数値制御(computer numerio control)ま
たはCNCとして知られる、工作機械の運転をコンピュータまたは他のプログラ
ム可能な制御装置によって調整する手法に適合されるようになった。CNC技術
によると、製造する部品の寸法、表面仕上げおよび他の特徴が、工作機械の運転
を調整するためにCNC装置によって使用されるシーケンス運転命令の形態で供
給される。これが、これまで可能であった均一さおよび迅速さを上回る均一さお
よび迅速さをもって、完成部品の仕上げを可能にする。
単軸旋盤、フライス盤および同様な装置をCNC技術に適合させるのにはおお
むね成功した。しかし、多軸工作機械の場合、自動化における以前の試みは、主
として、そのような機械を構成するカム、歯車および他の部品をサーボ制御に適
合させることからなるものであった。おそらくは、それが旧式設計を新技術に適
合させる手法であったため、CNC運転によって多軸旋盤の運転を自動化するこ
れまでの試みは、おおむね不成功に終わった。
本発明は、完全にCNC運転に適合させた多軸旋盤を含む。本発明のより広義
な態様によると、複数のスピンドルが、中心軸を中心にして離間した地点に配置
されている。各スピンドルは、細長い素材を受け、その素材をスピンドル軸を中
心に回転させるコレットを有している。中心軸を中心にして等間隔で離間した地
点に位置するワークステーションにスピンドルを選択的に位置づけるための割り
出し機構が設けられている。
各ワークステーションは、切削工具を受け、サーボ機構の作用の下で、切削工
具を回転する素材に接近する方向およびそれから離れる方向に進めるための内部
工具スライドを含む。また、ワークステーションごとに外部工具スライドが設け
られ、素材に接近する方向およびそれから離れる方向ならびに素材の回転軸に対
して並行な方向に切削工具を進めるように適合されている。各ワークステーショ
ンで、素材は、成形されるというよりも変形される。すなわち、個々のワークス
テーションの切削工具を使用して、まったく異なる多様な機械加工作業を実施す
ることができる。
本発明の多軸CNC旋盤は、ジャストインタイム(JIT)[Just In
Time]および統計的プロセス制御(SPC)[Statislical
Process Control]製造理念とともに使用するように適合するこ
とが容易である。JITによると、一度に、特定のアセンブリ作業を完了するの
に必要なぴったりの数の部品しか注文されない。これは、多数の部品が同時に注
文される場合には必要である、在庫における投資をなくし、また、以前に注文さ
れた部品が設計の変更によって製造中止になる危険性をなくす。経済バッチがよ
り小さいため、本発明の工作機械はJITに適合される。理由は、本発明を組み
込んだ工作機械は、製造する部品の性質を変化させるのに、種々のワークステー
ションで使用される切削工具を変更する必要がなく、また、セットアップ時間が
劇的に減るからである。
SPCによると、各部品の寸法を公差範囲の中央に維持しようとする観点から
、完成部品が所定の標準と比較される。切削工具の摩耗または他の原因により、
製造される部品の寸法が公差範囲の中央から変動し始めるならば、公差を維持す
るため、製造工程における調節がただちに実施される。本発明の工作機械では、
切削工具はすべてサーボ機構によって配置され、次にこれらのサーボ機構がコン
ピュータ数値制御下にあるため、SPCは容易に実施される。
図面の簡単な説明
添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照することにより、本発明をより完
全に理解することができる。
図1は、本発明を組み込んだ多軸CNC旋盤の正面図である。
図2は、本発明の特定の要素を示すために特定の部分をより明確に切り欠いた
、図1の多軸CNC旋盤のベースの正面図である。
図3は、図2のベースの平面図である。
図4は、図1の多軸CNC旋盤のフレームおよび特定の動作部品を示す縦断面
図である。
図5は、図4の一部を拡大した図である。
図6は、装置のカバーを取り外した本発明の多軸CNC旋盤を示す、図1に類
似した正面図である。
図7は、図6の7−7線から見た、図6の多軸CNC旋盤の特定の部品を示す
図である。
図8は、図6の8−8線から見た、図6の多軸CNC旋盤の特定の部品を示す
図である。
図9は、図8の一部を拡大した図である。
図10は、図9に示す特定の部品をさらに示す図である。
図11は、本発明の特定の要素を示すために特定の部品をより明確に切り欠い
た図6の多軸CNC旋盤の内部スライドアセンブリの1個の側面図である。
図12は、図6の12−12線から見た、図6の多軸CNC旋盤の特定の部品
を示す図である。
図13は、本発明の多軸CNC旋盤の外部スライドアセンブリの1個を示す図
である。
図14は、図13の14−14線から見た断面図である。
図15は、本発明の多軸CNC旋盤の外部スライドアセンブリをさらに示す、
図14の15−15線から見た断面図である。
図16は、本発明の多軸CNC旋盤の外部スライドアセンブリをさらに示す縦
断面図である。
図17は、図13の17−17線から見た断面図である。
図18は、図17に示す装置の特定部分を拡大した図である。
図19は、図6の19−19線から見た、本発明の多軸CNC旋盤の特定の部
品を示す図である。
図20は、本発明の多軸CNC旋盤のスピンドルの1個を示す、その部品を第
一の向きで示す図である。
図21は、スピンドルの部品を第二の向きで示す、図20に類似した図である
。
図22は、その部品を第三の向きで示す、図20に類似した図である。
図23は、本発明の多軸CNC旋盤のグルートアクチュエータを示す断面図で
ある。
図24は、図25の24−24線から見た、本発明の多軸CNC旋盤のスピン
ドルキャリヤを示す断面図である。
図25は、本発明の多軸CNC旋盤のスピンドルキャリヤの端面図である。
図26は、本発明のフレームを構成する鋳造部材の1個を示す拡大図である。
図27は、本発明の多軸CNC旋盤の素材送り管の1個を示す図である。
図28は、本発明の多軸CNC旋盤の素材送り管をさらに示す拡大断面図であ
る。
図29は、本発明の多軸CNC旋盤の素材送りアセンブリを示す正面図である
。
図30は、本発明の多軸CNC旋盤の割り出し機構を示す部分断面図である。
図31は、本発明の多軸CNC旋盤とともに使用することができる工具ホルダ
アクセサリを示す部分断面図である。
図32は、本発明の多軸CNC旋盤のフレームの3点取り付けシステムをさら
に示す図である。
図33は、本発明の多軸CNC旋盤のフレームの3点取り付けシステムをさら
に示す図である。
詳細な説明
まず図面、特に図1を参照すると、本発明を組み込んだ多軸CNC旋盤50が
示されている。旋盤50は、冷却液タンクとしても働くベース52を含む。ハウ
ジング54がベース52から上に延び、多軸CNC旋盤50の機械部品および製
造部品を包囲し、保護するように働く。
コンピュータ数値制御(CNC)システム56がハウジング54の一端に位置
している。CNCシステム56は、好ましくは、General Electric社によって販
売され、同社により、Power Mate Motion Control Systems として認識されてい
るタイプであり、コンピュータモニタ画面58および/または複数の状態ランプ
60を含むことができる。キーボード62を使用して、旋盤50の運転をコンピ
ュータ制御することができる。CNC装置56は、従来の制御盤64をさらに含
むこともできる。
多軸CNC旋盤50のハウジング54は、スライド式アクセスドア66をさら
に含む。ドア66は、案内面68上でスライド自在に支持され、視界窓70を設
けられている。多軸CNC旋盤50の製造部品は、ドア66が図1に示す閉位置
にあるときドア66の背後に位置し、ドアの視界窓70越しに見ることができる
。
ヒンジ式ドア72が、旋盤50の機械部品に対するアクセスを提供する。アク
セスポート74は通常、取り外し可能なカバー76によって包囲されている。旋
盤50の素材キャリヤを包囲するカバー78がハウジング54の主部から左(図
1)に延びている。
次に図2および3を参照すると、多軸CNC旋盤50のベース52がさらに詳
細に示されている。ベース52は全体に溶接によってつなぎ合わせた鋼板からな
る。ベース52には、旋盤50の動作部品をベース52に取り付けるように働く
複数の取り付けブロック80および複数の取り付け孔82が設けられている。
ベース52は、旋盤50の動作部品を支持し、位置づけることに加えて、冷却
液タンクとしても働く。ベース52に入る冷却液は、まず、冷却液の液面86を
画定するプレート84に含まれる。多軸CNC旋盤50の運転によって生じる切
りくずが、ポート88を通ってベース52に入り、プレート84の上に位置する
切りくずコンベヤ90に受けられる。このコンベヤ90が切りくずをベース52
の外に運び出すと、切りくずは、重力の作用により、切りくず容器92に落ち込
む。
旋盤50の運転中、プレート84の一端に位置するリップ94の上を絶えず冷
却液が流れている。このリップ94から、冷却液はバスケット96に流れ込む。
このバスケットは、冷却液を濾し、それにより、切りくずコンベヤ90によって
ベース52の外に運び出されなかった切りくずを除去するよう働く。好ましくは
、旋盤の運転中に2個のバスケット96を用い、1個を、ブラケット98によっ
て画定される作業位置に配置し、もう1個を、冷却液から切りくずを除去する前
に冷却液をバスケット96から流し出すドレンプラットフォーム100に配置す
る。ブラケット98によって画定される作業位置に配置されたバスケット96を
通過する冷却液は、矢印102によって画定される経路に沿って流れ、ベースか
ら窓103を介して冷却液を引き込むポンプ(図示せず)によって旋盤50の動
作部品に戻される。この流路がベース52中の均一な温度を維持し、冷却液を油
臭くしてしまう無流動点をなくす。
図4に最もよく示すように、多軸CNC旋盤50は、本発明の重要な要素を含
むフレーム104を含む。フレーム104は、旋盤50の作動部品を支持し、並
べるように働く精密鋳造部材106および108を含む。鋳造部材106は、対
向した壁110および112を含み、鋳造部材108は、対向する壁114およ
び116を含む。
鋳造部材106の壁110および112は、それぞれ対向面120および12
2を画定する。面120および122は、Blanchard 研磨または機能的に同等な
加工を使用して、平坦かつ平滑に研磨されている。同じ手法が面120と面12
2との間で正確な並行さを保証する。鋳造部材108からなる壁114および1
16が、同一に加工され、したがって、同等に平坦かつ平滑で並行である対向面
124および126を画定している。面122および124が旋盤50のフレー
ム104のアライメント面を画定する。
フレーム104はさらに、鋳造部材106の表面122と鋳造部材108の表
面124との間に精密な並行さを維持するために整合機械加工されている4本の
タイロッド128を含む。各タイロッド128は、細長い中央部130を含み、
この中央部が小径部132まで延び、次に、小径部がねじ付き端部材134に延
びている。鋳造部材108の底では、ブッシュ136が各小径部132に取り付
けられ、互いにまっすぐ並ぶ、鋳造部材108に形成された空間138および取
り付けブロック142に形成された空間140に受けられている。
複数のナット144それぞれがタイロッド128の1本のねじ付き端部134
とねじで係合している。ナット144が座金146と係合し、次に、この座金が
圧縮部材148と係合している。したがって、たとえばトルクレンチを使用して
ナット146を正確に締め付けると、フレーム104を構成する鋳造部材106
および108が互いに対して確実に配置される。
鋳造部材106および108の上端および鋳造部材106の下端では、ロッド
128の小径端部が鋳造部材106および108に形成された空間138′の中
を延びている。同様に、ナット144が座金146と係合し、この座金が鋳造部
材106および108と直接係合している。
鋳造部材106は、フレーム52に載り掛かり、その取り付けブロック80に
よって支持されている取り付けブロック142′に支持されている。
取り付けブロック142および142′は、複数のねじ部品152によってベ
ース52に固着されている。取り付けブロック142は、ベース52の取り付け
ブロック80と係合して、フレーム104をそれに対して正確に配置する。本発
明の重要な側面は、2個の取り付けブロック142および142′を含む3点取
り付けシステムを使用してフレーム104をベース52に取り付けることを含む
。この手段により、ベース52とフレーム104との間で傾き、ぐらつきまたは
整合ずれが起こる危険性が解消される。
フレーム104をベース52に支持する3点取り付けシステムを、図32およ
び33にさらに示す。各取り付けブロック142は、ベース52の個々の取り付
けブロック80と係合して鋳造部材108を2部分で支持している。対照的に、
取り付けブロック142′は、2個の取り付けブロック80の間を橋渡しし、鋳
造部材106を1個の中央点で支持し、それにより、フレーム104の3点支持
を提供している。ピン150が、互いにまっすぐ並ぶ、鋳造部材106中の空間
138および取り付けブロック142′の中央に形成された空間104の中を延
びている。ナット144がピン150の端部134とねじで係合し、座金146
と係合し、この座金が対応する部材148と係合している。
スピンドル駆動モータ154が多軸CNC旋盤50のフレーム104の一端に
取り付けられている。スピンドル駆動モータは、好ましくは、可変速度交流電気
モータである。モータ154はモータ取り付けアダプタ156によって支持され
、次に、このアダプタが軸受けハウジング158によって支持されている。軸受
けハウジング158は、複数のねじ部品160により、フレーム104の鋳造部
材106の壁110に固着されている。
モータ154は、たわみ継手164まで延びる出力軸162を有している。次
に、このたわみ継手164がスピンドル駆動軸166を駆動する。駆動軸166
は軸受け168によって回転自在に支持され、この軸受けは鏡板170によって
軸受けハウジング158に保持されている。次に、鏡板が、ねじ部品172によ
って固着されている。スペーサ174および止めナット176が駆動軸/軸受け
アセンブリを完成させる。
図4および5を参照すると、駆動軸166は、複数のねじ部品183によって
管状のラム182に固着されたピストン180の中を延びている。ピストン18
0はシリンダ184に取り付けられ、シリンダは、硬化精密ダウエルピン186
によって鋳造部材106の壁112に対して配置され、複数のねじ部品188に
よって壁112に固着されている。第一の作動油チェンバ(hydraulic
fluid chamber)190が、ピストン180の一端に画定され、
複数のシール192によって隔離されている。チェンバ190は、複数のねじ部
品196によってシリンダ184に固着されている鏡板194によって閉鎖され
ている。鏡板194には、作動油出入口198が設けられている。
第二の作動油チェンバ200がピストン180の反対側端部に配置され、複数
のシール202によって隔離されている。このチェンバ200には、シリンダ1
84に形成された作動油出入口204が設けられている。したがって、チェンバ
190または200の一方に選択的に水圧を加えると同時に反対側のチェンバか
ら水圧を解除すると、ピストン180および管状のラム182がシリンダ184
に対して縦方向に動かされる。
管状ラム182の、ピストン180から離れた側の端部には、フランジ206
が設けられている。止め輪208がフランジ206と係合し、複数のねじ部品2
10が止め輪をアダプタ212に固着している。アダプタ212は、軸166を
回転自在に支持する軸受け216を支持している。ねじ部品210および止め輪
208は、管状のラム182をスピンドルキャリヤアセンブリ218に固着する
ようにも働く。
多軸CNC旋盤50の動作部品を図6〜19に示す。たとえば図7、8および
9に明確に示すように、図面に示し、ここで説明する具体的な多軸CNC旋盤5
0は、8個のスピンドル装置を含む。しかし、当業者によって理解されるように
、本発明は、本発明の具体的な用途の要件によって決まる所望の数のスピンドル
を有する多軸CNC旋盤で使用するのに適合させやすい。
多軸CNC旋盤50を構成する内部スライドアセンブリ220を図7、8、9
、10および11に示す。特に図7および11を参照すると、各スライドアセン
ブリ220は、複数のねじ部品228によってモータ取り付けプレート226に
固着されたモータ224を含む。モータ取り付けプレート226は次に、複数の
ねじ部品232によって取り付けプレート230に固着されている。取り付けプ
レート230は次に、複数のねじ部品234により、フレーム104を構成する
鋳造部材106の壁110に固着されている。
モータ224は、駆動プーリ238に固着された出力軸236を有している。
駆動ベルト240は駆動プーリ238および従動プーリ242にかかって延びて
いる。従動プーリ242はスペーサ244に取り付けられ、次に、このスペーサ
はアダプタ246に固着されている。したがって、モータ224が動くと、アダ
プタ246は、モータ224、出力軸236、駆動プーリ238、ベルト240
、従動プーリ242およびスペーサ244の作用の下で回転する。
アダプタ246は、プレート110の上に軸受け248によって回転自在に支
持されている。軸受け248は、取り付けプレート230を貫通して延びる複数
のねじ部品252により、軸受けハウジング250中に支持されている。ボール
ナット254がアダプタ246に取り付けられ、複数のねじ部品256によって
それに固着されている。
ボールねじ258がボールナット254の中を延び、ボールナット254と動
作的に係合している。ボールねじ258は、ボールナット254に対して回転し
ないように固着されている。したがって、モータ224が作動してアダプタ24
6およびボールナット254を回転させると、ボールねじ258は選択的に伸縮
する。
標的アダプタ260がボールねじ258の一端から延び、標的262を支持し
ている。センサブラケット264が複数のねじ部品266によって取り付けプレ
ート226に固着されている。近接センサ268、270および272がブラケ
ット264に取り付けられている。標的262が近接センサと並ぶと、近接セン
サ268、270および272が動かされて、旋盤50のフレーム104に対す
るボールねじ258の配置を示す信号を発する。近接センサ270はボールねじ
258の通常位置を示し、近接センサ270はボールねじ258の完全収縮位置
を示し、近接センサはボールねじ258の完全伸長位置を示す。
モータ224がCNCシステム54の制御下に作動してボールねじ258の位
置を決める。近接センサ268、270および272の出力がCNCシステム5
4に送られ、次に、このシステムがモータ224を作動させて、実行中のプログ
ラムにしたがってボールねじ258を正しく位置づける。
ボールねじ258がボールねじブーツ274を貫通して延びている。このブー
ツ274は、複数のねじ部品276により、フレーム104の鋳造部材106の
壁112に固着されている。ブーツ274の遠位端には、ロッドワイパ278が
設けられている。
ボールねじ258の、標的アダプタ260から離れた側の端部には、ねじ部2
80が設けられている。プッシャブラケット282が、ボールねじ258の端部
280とねじで係合したナイロンインサート止めナット284により、ボールね
じ258の端部に固着されている。平坦な座金286がプッシャブラケット28
2とボールねじ258との間に位置し いる。
スライド体292が、ボールねじ258およびボールナット254の作用の下
で往復運動するよう、プッシャブラケット282に固着されている。このボール
ナットは次に、CNCシステム54の制御の下、モータ224によって動かされ
る。駆動キー294がスライド体292の一端に取り付けられ、複数のねじ部品
296によってそれに固着されている。スライド体292には、従来の中央穿孔
298が設けられ、従来の工具ホルダを受けるようになっている。次に、工具ホ
ルダが従来の工具、たとえばドリル、リーマなどを受ける。
当業者であれば、スライド体292およびその中に受けられる工具ホルダが、
回転する素材に対して最後の作業機能を提供するように適合された静的装置を含
むという事実を認識するであろう。内部工具スライドアセンブリ220もまた、
最終作業機能、たとえばタップ立て、ならい削り作業などを実行し、また、工作
物を切断したのちピックアップ機能を実行するように適合された能動スライド部
品とで使用するように適合されている。
図31は、所望により、図11の受動工具ホルダアセンブリの代わりとして、
本発明の多軸CNC旋盤50の内部スライドアセンブリに使用することができる
能動工具ホルダアセンブリ700を示す。工具コレットホルダアセンブリ700
は、軸受け706によってサブフレーム704に回転自在に支持される工具ホル
ダ受け702を含む。モータ708は、駆動プーリ712を駆動する出力(軸)
710を有している。駆動プーリ712と、工具ホルダ受け702に動作的に接
続されている従動プーリ716にはベルト714が掛かっている。装置700の
使用において、従来の工具ホルダが工具ホルダ受け702の穿孔720に配置さ
れる。次に、工具ホルダは従来の工具を受ける。モータ708により、工具は、
回転する素材に接近したり素材から離れたりしながら回転する。この手段により
、工具を利用して、たとえば素材のタップ立てを提供することができる。
図9を参照すると、各スライド体292は、ねじ部品306によってそれに固
着された1対のガイドブロック304を有している。ガイドブロック304は、
支持体308中に形成され、部品307および314によって画定される対応す
る形状の硬化され精密研磨された案内面に受けられる。ガイドブロック304、
ひいてはスライド体292のスライド動は、ポリテトラフルオロエチレン層31
0をガイドブロック304と対応する案内面との間に配置することによって容易
になる。
ガイド体308の構造は、図5および9を同時に参照することによって明瞭に
理解されよう。案内面を構成するガイド体308の構成部品307は、複数のね
じ部品312によってシリンダ184に固着されている。構成部品314どうし
は複数のねじ部品316によって固着されている。カバープレート318が、ガ
イド体308の、ピストン180から離れた側の端部に取り付けられ、複数のね
じ部品320によって固着されている。
冷却液がたわみノズルアセンブリ322から作業区域に吐き出される。ノズル
アセンブリ322は、鏡板318に設けられた吐き出し窓324に選択的に取り
付けられる。窓324は通路326まで延びている。冷却液は通路326に送ら
れて、シリンダ184に形成された入口328を介してたわみノズルアセンブリ
322から吐き出される。
次に図12〜19を参照すると、多軸CNC旋盤50は、複数の外部スライド
アセンブリ330を含む。各外部スライドアセンブリ330は、複数のねじ部品
334によって壁114に固着された支持ブラケット332により、フレーム1
04の鋳造部材108の壁114に支持されている。各外部スライドアセンブリ
330は、切削工具336を回転する素材に対して支持し、位置づけるためにあ
る。外部スライドアセンブリ330は、切削工具336を、回転する素材に接近
する方向および素材から離れる方向ならびにフレーム104の壁114に接近す
る方向および壁から離れる方向、すなわち素材に対して並行に動かすように働く
。
図13および15を参照すると、各外部スライドアセンブリ330は、円形の
ガイド342および長方形のガイド344によって案内されるハウジング340
を含む。ガイド342は、ハウジング340に取り付けられ、ブラケット332
に取り付けられたブッシュ343によってスライド自在に支持されている。ガイ
ド344は、ブラケット332に取り付けられ、ねじ部品335によって固着さ
れている。
図15および19を参照すると、モータ346がモータ取り付けプレート35
0に取り付けられ、複数のねじ部品によってそこに固着されている。モータ取り
付けプレート350は次に、複数のねじ部品354によって取り付けプレート3
52に支持されている。
モータ346は、駆動プーリ358に接続された出力軸356を有している。
駆動プーリ358はベルト360を駆動し、次に、このベルトが従動プーリ36
2を駆動する。従動プーリ362はスペーサ366によってアダプタ364に固
着されている。アダプタ364は、軸受けハウジング370に取り付けられた軸
受け368により、プレート116に回転自在に支持されている。軸受けハウジ
ング370は複数のねじ部品372によってプレート352に固着されている。
ボールナット374が複数のねじ部品376によってアダプタ364に固着さ
れている。したがって、モータ346が作動して駆動軸356、駆動プーリ35
8、駆動ベルト360および駆動プーリ362、アダプタ366およびスペーサ
364に動きを伝えると、ボールナット374が動かされてプレート116に対
して回転する。ボールねじ378がボールナット374を貫通して延び、ボール
ナットと動作的に接続している。
標的アダプタ380がボールねじ378の一端に固着され、その遠位端に取り
付けられた標的382を有している。複数の近接スイッチ384、386および
388が支持プレート390に取り付けられ、この支持プレートは複数のねじ部
品392によってモータ取り付けプレート350に固着されている。標的382
が近接センサ384、386または388の1個と並ぶと、外部スライドアセン
ブリのハウジング340の、フレーム104のプレート114に対する配置を示
す信号が発される。
ボールねじ378の、標的アダプタ380から離れた側の端部はねじ付き端部
394を含む。ボールねじ378は、ナイロンインサート止めナット396によ
り、外部スライドアセンブリ330のハウジング340に固着されている。した
がって、モータ346が動くと、ボールナット374がボールねじ378を動か
して、ハウジング340を壁114に対して位置づけるように働く。図16を参
照すると、ハウジング340は、ガイド部材342および344により、壁11
4に接近したり壁から離れたりするスライド動に備えて支持されている。
モータ346は、CNCシステム54の制御の下で作動して、ボールねじ37
8を位置づける。近接センサ384、386および388の出力がCNCシステ
ム54に送られ、次に、CNCシステムが、実行中のプログラムにしたがってモ
ータ346を動かしてボールねじ378を配置する。
図16および17に明確に示すように、モータ400が、ハウジング340の
、切削工具336から離れた側の端部に取り付けられている。モータ400は出
力軸402を有し、この出力軸がたわみ継手404に接続され、次に、たわみ継
手がボールねじ406の一端に接続されている。ボールねじ406は、ハウジン
グ340中に取り付けられた軸受け408および410によって回転自在に支持
されている。
ボールナット412がボールねじ406に取り付けられ、ボールねじ406と
動作的に接続されている。ボールナット412は工具スライド414に固着され
、この工具スライドは複数のねじ部品416によってハウジング340中にスラ
イド自在に支持されている。したがって、モータ400が作動してボールねじ4
06を回転させると、ボールナット412がスライド414、ひいては切削工具
336を、ハウジング340に対して内側および外側に動かすように働く。
モータ400は、CNCシステム54の制御の下で動作する。モータ400お
よびスライド414は、ボールねじ308に対応する標的382ならびにセンサ
384、386および388のように、それに対応する標的および複数の近接セ
ンサを有している。CNCシステム54は、センサから信号を受信して、切削工
具336の位置づけを制御する。
特に図18を参照すると、切削工具336の急速取りはずし継手が示されてい
る。切削工具336は、スライド414の中に配置された取り付け棒416に支
持されている。切削工具336と回転する素材との係合から生じる切削力は、ね
じ部品419によってスライド414に固着された反作用ブロック418によっ
て受け取られる。取り付け棒416、ひいては切削工具336は、傾斜部422
を有する保持棒420により、通常は図18に示す位置に保持されている。ピン
424が傾斜部422と取り付け棒416との間に配置され、取り付け棒416
、ひいては切削工具336を所定位置に保持するように働く。ばね426が通常
、棒420を所定位置に保持する。
ストッパ428が、ハウジング340中の、スライド414の離れた側の端部
に取り付けられている。スライド414がボールナット412およびボールねじ
406の作用の下で完全に引き込まれているとき、バー402がストッパ428
と係合する。この作用がばね426を圧縮し、それにより、傾斜部422によっ
てピン424に加えられる圧力を解除する。次にこれが、切削工具336および
取り付け棒416をスライド414から切り離すことを可能にする。
本発明の多軸CNC旋盤50はさらに、図20、21および22に示すタイプ
の複数のスピンドル430を含む。各スピンドル430は、軸受け432および
434により、図4のスピンドルキャリヤ218に回転自在に支持され、ねじ部
品436および438によってその中に保持されている。
各スピンドル430は、遊星歯車442を取り付けられた本体部440を含む
。スペーサ444および446が、遊星歯車442と軸受け432との間および
遊星歯車442と軸受け434との間に配置されている。コレット受け穿孔44
8が本体440の中を延び、従来の自動開きコレット450がその中に配置され
ている。従来のコレットアライメント機構452を穿孔448のコレット受け端
に配置することもできる。打込みキー454がコレットとスピンドルとの間の正
しいアライメントを保証する。
本発明のスピンドル430は、独自のコレット開閉レリース機構を含む。グル
ート(glut)456がグルートガイド458にスライド自在に支持され、スピン
ドル430に取り付けられたコレットアクチュエータ464の中に形成されたス
ロット462と係合する回し金460を含む。コレットアクチュエータ464は
、ねじ部品468によって固着されたリテーナ466を含む。ばね作動部材47
0がスピンドル430の本体440の中でスライド自在に支持されている。ばね
従動リテーナ472がばねアクチュエータ470にスライド自在に支持されてい
る。
コレット固定位置を図20に示す。この地点で、グルート456は、ばねアク
チュエータ464を、コレット450に対して最も後の位置に配置するように動
かされた状態にある。一連のくさび474が下に押し込められる。この動きがス
ライダ476を後方に動かして、補正座金478を圧縮し、それにより、加工さ
れる細長い素材(図示せず)がコレット450の中に確実に保持される。スライ
ダ472の回し金480がばねリテーナ466から切り離され、それにより、プ
ランジャ482がばね484の作用の下で完全に延展される。
図21では、グルート456が動かされてばねアクチュエータ464を遊星歯
車442に向けて動かした状態にある。くさび474は、補正座金478および
遠心力の作用の下で上に動く。リテーナ466は、回し金480に接近するが係
合はせず、それにより、ピン482はそのままの位置にある。この地点で、自動
開きコレット450は、その中を延びる素材を配置し直したり、そして/または
先に係合していた素材と同じ寸法の新たな細長い素材を受けたりするのに十分な
くらい解放される。
図22では、グルート456が動かされてばねアクチュエータ464をその限
界位置まで動かしている。この地点で、カムアクチュエータ470によるピン4
82の作動および回し金480とリテーナ466との係合により、ばね484が
実質的に圧縮される。これが戻り止め486を保持ボール488と並ばせてボー
ル488を上に動かし、それにより、コレット450の取り外しを可能にする。
スピンドル430による回転の場合に異なるサイズまたはタイプの素材がコレ
ット450によって保持されるとき、コレットの取り外しが示される。コレット
450の取り外しは、手動で実施することもできるし、従来のコレット取り外し
交換装置の使用によって自動的に実施することもできる。図23は、本発明の実
施において図20に示すグルート460を動かすのに使用することができるグル
ートアクチュエータ490を示す。グルートアクチュエータ490は、鋳造部材
108の壁116に取り付けられ、複数のねじ部品494によって壁116に固
着された取り付けプレート492によってそれに支持される。グルートアクチュ
エータ496は、ガイドロッド500にスライド自在に支持された可動ハウジン
グ498に固着されている。ガイドロッド500は、ねじ部品502によって取
り付けプレート492に固着されている。ピストン504がガイドロッド500
に固定され、シール506を設けられている。インナピストン508は、ガイド
ロッド500にスライド自在に支持され、シール510を設けられている。アウ
タピストン512も同様に、ガイドロッド500にスライド自在に支持され、シ
ール514を設けられている。
ピストン504、508および512は、ハウジング498を4個のチェンバ
516、518、520および522に分割する。作動油出入口526、528
、530および532がそれぞれチェンバ516、518、520および530
に延びている。チェンバ516はシール534によって漏れに対して封止され、
チェンバ522はシール536によって漏れに対して封止されている。
したがって、当業者であれば、加圧された作動油をチェンバ516、518、
520および522の1個に選択的に導入すると同時に残りのチェンバから作動
油を抜くことにより、ハウジング498、ひいてはグルートアクチュエータ49
6を、ガイドロッド500および壁516に対して四つの位置のいずれかに選択
的に配置できることが理解されるであろう。このようにして、図23のグルート
アクチュエータ490は、図20のグルート460の位置を決め、それにより、
本発明の多軸CNC旋盤50のコレット450を選択的に係合、切り離しまたは
解放するように働く。グルートアクチュエータ490の第四の位置は、スピンド
ルキャリヤ218の割り出しを可能にするために使用される。
図19を参照すると、8個のグルート456、8個のグルートガイド458、
8個の回し金460および8個のグルート誘導体490を有する多軸CNC旋盤
50が示されている。これは、ワークステーションのいずれかでの、本発明の特
定の用途に必要なだけの数のそのような構成部品の使用を実証する。普通、グル
ートおよびグルートアクチュエータは2個までしか必要ない。
図4のスピンドルキャリヤ218を図24にさらに示す。等間隔で形成された
多数の歯542を周囲に有する結合部540が対向する本体部544と546と
の間に固着されている。結合部540は、ダウエル548によってまっすぐに並
べられ、ねじ部品550によって定位置に固着されている。次に本体部544と
546とは、ねじ部品552によって結合されている。
図20、21および22に示すスピンドル支持軸受け434が、本体部材54
6に形成された、軸受けを受けるための空洞554に受け入れられる。軸受け4
34は、ねじ部品438によって保持されるプレート556によって固着される
。図20、21および22に示す軸受け432が、本体部材544に形成された
、軸受けを受けるための空洞558に受け入れられる。軸受け432は、ねじ部
品436によって固着されるプレート560によって固着される。
再び図24を参照すると、本体部544および546は、軸受けを受ける空洞
554および556を機械加工する前に固着され、それにより、空洞どうしの正
確なアライメントを保証することが好ましい。ときには、本体部分544および
546を分解する必要があることが察知されよう。このため、拡大輪郭部564
を有するアライメントリング562が設けられている。輪郭部は約60°のセグ
メントを含み、次にこれらのセグメントが、約60°の空セグメントによって分
けられている。アライメントリング562の輪郭部564により、軸受け受け空
洞554と558とのアライメントを逸することなく、スピンドルキャリヤ21
8の本体部544と546とを分離し、再び組み合わせることができる。
太陽歯車570がスピンドルキャリヤ218の中に回転自在に支持されている
。太陽歯車570は、プレート574によって保持された軸受け572によって
回転自在に支持されている。次にプレート574が、ねじ部品576によって保
持されている。
太陽歯車570は、図4の駆動軸166の内歯スプライン579に係合する内
歯スプライン578を有している。このようにして、太陽歯車は、スピンドル駆
動モータ154の作用によって回される。太陽歯車570は、スピンドル430
の遊星歯車442と係合し、それにより、モータ154がスピンドルを所定の速
度で回転させるように働く。
スピンドルキャリヤ218は、本体部546に形成された相補ねじ付き空間5
80と係合するねじ部品210によって管状のラム182に固着されている。し
たがって、ピストン180が作動すると、スピンドルキャリヤ218の位置がフ
レーム104に対して縦方向に移される。
図26を参照すると、フレーム104を構成する鋳造部材108は、ねじ部品
586によってその中に固着された多数の歯を有する結合部582を有している
。結合部582は、スピンドルキャリヤ218の結合部540の歯542に対し
て逆になる複数の歯588を含む。したがって、ピストン180が動かされてラ
ム182を鋳造部材108に向けて動かすと、スピンドルキャリヤ218の歯5
42が鋳造部材108の結合部582の歯588と係合して、スピンドルキャリ
ヤ218を、多軸CNC旋盤50のフレーム104に対して回転しないように固
定する。逆に、ピストン180が動かされてラム182を鋳造部材108から離
れる方向に動かすと、スピンドルキャリヤ218の歯542が鋳造部材108の
結合部582の歯588から切り離され、すると、スピンドルキャリヤ218が
旋盤50のフレーム104に対する割り出しに適合する。
フレーム104には、軸受け部材590が設けられている。軸受け部材590
は、スピンドルキャリヤ218を割り出しに備えて回転自在に支持する精密に機
械加工された内面592を有している。このため、軸受け面214の下寄りセグ
メントには、ポリテトラフルオロエチレン層594が設けられて、軸受けリング
590に対するスピンドルキャリヤ218の回転を容易にしている。
多軸CNC旋盤50には、図27および28に最も明確に示す複数の素材キャ
リヤアセンブリ600が設けられている。各素材キャリヤアセンブリ600は、
スピンドル430の1個の中を延び、スピンドル430の中に受け入れられ、ス
ピンドル430によって回されるコレット450とともに回転するようにその中
に支持される内側の素材送り管602を含む。各管602は、スピンドル430
とねじで係合したナット604に固着され、それにより、管602をコレット4
50とで回転するように固着している。中に受け入れた素材とともに回転するよ
うに適合された素材送り管の使用は、本発明の重要な特徴を構成し、従来技術を
有意に逸したものである。
管602は、その長さの有意部分を通じて、固定管606の中を延びている。
管606には、スピンドル430から離れた側のその端部に位置する従来の栓6
08が設けられている。図27に示す具体的な栓608は、バイヨネットタイプ
の栓であり、素材を管606および602に挿入するために内側に動いて栓60
8を解放する取っ手610が設けられている。他すべてのときには、栓608は
、図27に示す位置に配されたままであって、管606の内部を冷却液の漏れに
対して封止する。
回転する管602は、冷却液を管602から管606に流れ込ませる、その中
に形成された複数の窓612を有している。管606は、管606の、栓608
から離れた側の端部からの冷却液の漏れを防ぐシール614まで延びる。第二の
シール616がシール614に取り付けられ、管602に沿って延びて、冷却液
の漏れをさらに防ぐ。
各管606にはさらに、冷却液を管606に入れるように働く取り付け具61
8および620が設けられている。管602の中に位置し、その中で回転する素
材の位置を進めることを望むときは、管606の中の冷却液の圧力を増大させる
。素材の一端が管602および606を含むアセンブリの中に位置し、したがっ
て、冷却液の増圧から生じる縦方向の力を加えられるということが理解されよう
。しかし、素材の反対側端はコレットの中に位置し、したがって、管602およ
び606の中の冷却液の増圧を受けない。この手段により、素材に対して縦方向
の力が加わり、それが、別個の素材前進機構を使用する必要なく、素材をコレッ
ト450の中に押し通す。管602および606の中の冷却液の存在はまた、従
来技術の素材前進機構に比較して有意な振動減衰およびノイズ軽減を提供する。
多軸CNC旋盤50の素材送り機構を図29に示す。素材送りアセンブリ60
0の素材送り管602および606は、送りアセンブリ622に支持されている
。リング624が素材送りハウジング626の各端に設けられている。ローラ6
28が送りアセンブリ622に設けられ、リング624と係合している。この手
段により、カートリッジアセンブリ622、ひいては素材送りアセンブリ600
は、多軸CNC旋盤50の中心軸632を中心に回転するように適合される。
多軸CNC旋盤50の割り出し機構640を図30に示す。モータ642が、
駆動プーリ646を駆動する出力(軸)644を有する割り出し器643を駆動
する。ベルト648が駆動プーリ646に掛かり、モータ642および割り出し
器643の作用の下で従動プーリ650を作動させるよう働く。従動プーリ65
0は回転プレート652に接続され、この回転プレートが複数のねじ部品658
によって送りアセンブリ622に接続されている。したがって、モータ642お
よび割り出し器643が作動すると、送りアセンブリ622およびそれに取り付
けられた素材送り管が軸632を中心に回転する。
スパイダ656がアセンブリ622に取り付けられ、アセンブリとともに、モ
ータ642および割り出し器643の作用の下で回転する。スパイダ656は、
それぞれが対向する球形の端部662を有する複数のピン660を含む。ピン6
60の球形の端部662は穿孔664に受けられ、それにより、アセンブリ62
2と、複数のねじ部品668によってスピンドルキャリヤ218に固着されたコ
ネクタ666との間の所定の量のアライメント誤差を吸収する。したがって、モ
ータ642は、始動すると、アセンブリ622を回転させるだけでなく、スピン
ドルキャリヤアセンブリ218をもそれと同時に回転させるように働く。
運転
多軸CNC旋盤50の運転には、1個以上の栓608を切り離して、素材キャ
リヤアセンブリの管606および602に素材を挿入することができるようにす
る。次に、グルートアクチュエータアセンブリ490を作動させて、グルート4
60が1個以上のコレット450を開くように操作する。まず、素材を手で配置
する。その後、素材キャリヤアセンブリの管602および606の中の冷却液の
圧力を選択的に増大させると、素材が対応するコレット450の中を前進して正
しく配置される。
多軸CNC旋盤50の工具に対する素材の割り出しは、ピストン180の作動
とともに始まって、ラム182を右方向(図5)に移動させ、それにより、素材
キャリヤ218(図24)の結合部540の歯542を、フレーム104(図2
6)に固着された結合部584の歯582から切り離す。次に、割り出しモータ
642(図30)を作動させてキャリヤアセンブリ622、ひいては管602お
よび606ならびにスピンドル430およびコレット450を取り付けられた素
材キャリヤ218を割り出しする。この動作が、素材がフレームに対して正しく
配置されるまで、素材、管602および606、スピンドル430ならびにコレ
ット450を、多軸CNC旋盤50の軸632を中心に回転させる。
多軸CNC旋盤50の内部スライドアセンブリ220は、フレーム104の鋳
造部材106の壁112に固着されたガイド体308に取り付けられている。し
たがって、素材がモータ642の作用の下で割り出されるとき、内部スライドア
センブリは動かず、静止したまま、それと並ぶ次の1片の素材と係合する位置に
ある。
同様に、外部スライドアセンブリ330は、ねじ部品334によってフレーム
104の鋳造部材108の壁114に固着されたサブフレーム332に支持され
ている。したがって、素材がモータ642の作用の下で割り出されるとき、外部
スライドアセンブリ330は移動せず、それと並ぶ次の素材片と係合するための
位置にとどまる。
本発明の重要な特徴は、外部スライドアセンブリ330が、工具336を、回
転する素材に接近する方向および素材から離れる方向、すなわち素材に対して垂
直な方向に動かすだけでなく、素材の長手に沿って、すなわち素材に対して並行
な方向にも動かすように適合されている事実を含む。工具336は、成形工具を
含まず、代わりに、素材片の外面に所望の形状を形成するの使用することができ
る汎用金属作業工具を含む。したがって、本発明の多軸CNC旋盤50を異なる
製品の製造に適合する際にも、工具336を取り外し、交換する必要はない。
これはつまり、本発明の多軸CNC旋盤50が、旋盤50を使用して少数の部
品を製造し、入手可能な部品を、後続の製造運転でそれらが必要とされるまさに
その瞬間に利用できるという点で、ジャストインタイムまたはJIT製造理念に
容易に適合されることを意味する。また、本発明の多軸CNC旋盤50は、内部
スライドアセンブリ220および外部スライドアセンブリ330に使用される工
具の摩耗が絶えず監視され、スライドアセンブリ220および330を作動させ
ることによって調節されて、十分に許容可能な範囲にある製造公差を保証する統
計的プロセス制御またはSPC製造理念にも容易に適合される。
内部スライドアセンブリ220を構成する工具のすべておよび外部スライドア
センブリ330を構成する工具のすべてがそれぞれの機能を完了したしたのち、
それらの工具は、回転する素材から切り離される。この時点で、ピストン180
を作動させて素材キャリヤ218の歯542を歯582から切り離すと、モータ
642が作動して素材を次に続くワークステーションと並ぶように割り出す。当
業者によって理解されるように、多軸CNC旋盤50を構成する1個以上のスピ
ンドルは、完成した工作物を素材から切り離すカットオフステーションを含む。
切り離されると、素材は、関連する管602および606中の冷却液の増圧の作
用により、それぞれのコレットの中を選択的に進められる。
多軸CNC旋盤のすべての構成部品がCNCシステム54の制御の下で動作す
る。このようにして、成形工具ではなく、汎用切削工具の使用が容易になり、次
にそれがJIT製造理念を促進する。同様に、CNCシステムは、摩耗に合わせ
て切削工具を絶えず配置し直すことにより、SPC製造理念を容易にする。
本発明の好ましい実施態様を添付図面で示し、前記詳細な説明に記載したが、
本発明は、開示された実施態様に限定されず、本発明に真髄を逸することなく、
部品および要素の多様な再構成、変形および代用が可能であることが理解されよ
う。
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