JPH1151006A - 油圧駆動機械の制御装置 - Google Patents

油圧駆動機械の制御装置

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JPH1151006A
JPH1151006A JP9206924A JP20692497A JPH1151006A JP H1151006 A JPH1151006 A JP H1151006A JP 9206924 A JP9206924 A JP 9206924A JP 20692497 A JP20692497 A JP 20692497A JP H1151006 A JPH1151006 A JP H1151006A
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differential pressure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作弁の前後差圧を検出し、差圧の大きさに
応じた圧力補償を行う際に、圧力補償の度合いを弱め
て、より「負荷なり」となる補償を行えるようにする。
また、逆に、圧力補償の度合いを強めた過補償を行える
ようにする。これらにより、レバー微操作性を向上させ
るともに、高負荷側に多量の圧油を供給させる。 【解決手段】 本発明の装置では、複数の操作子のうち
の特定の操作子の操作量の大きさに応じて、圧力補償手
段による圧力補償度合いが小さくなるように、圧力補償
度合いが補正される。すなわち操作弁の前後の検出差圧
が大きくなればなるほど、対応する操作弁の開口面積を
絞る度合いを大きくするように圧力補償度合いが圧力補
償手段で求められる。そして、特定の操作レバーの操作
量、例えば最小差圧となっている操作弁に対応する操作
レバーの操作量が小さくなればなるほど、上記差圧の大
きさに応じた圧力補償度合いを小さくするように、つま
り操作弁の開口面積を絞る度合いを減らすように、上記
求められた圧力補償度合いが補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル、ク
レーン等の油圧駆動機械において、操作子の操作量に応
じて油圧アクチュエータを駆動制御する制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設機械のような油圧駆動機械
では、複数の操作レバーの操作量を示す駆動指令信号
が、対応する複数の操作弁(流量制御弁)に加えられ、
これら複数の操作弁の開口面積が上記駆動指令信号に応
じて変化され、それによって、対応する複数の油圧アク
チュエータが駆動されるという構成がとられる。つま
り、複数の操作レバーが同時に操作されると、油圧ポン
プの吐出圧油は、複数の圧油供給路上の複数の操作弁を
介して複数の油圧アクチュエータに供給され、これら複
数の油圧アクチュエータが同時に駆動される。
【0003】かかる構成において、複合操作時の油圧ア
クチュエータの駆動速度のいわゆる負荷依存性を解消す
る技術として、ロードセンシングシステムと呼ばれるも
のがある。
【0004】このシステムでは、油圧ポンプと流量制御
弁との間、あるいは流量制御弁と油圧アクチュエータと
の間に、圧力補償弁と呼ばれるバルブが設けられ、流量
制御弁を通過する圧油の弁の前後における圧力の差圧
が、いずれの駆動軸(建設機械では、ブーム、アーム等
のことである)についても同一の値になるように補償す
るようにしている。つまり、油圧回路の一般公式であ
る、Q=c・A・√( ΔP )(ただし、Qは流量制御
弁の絞りを通過する流量、cは流量定数、Aは絞りの開
口面積、ΔPは絞りの前後差圧である)において、差圧
ΔPが、各駆動軸について同一となるようにすること
で、オペレータが指令する駆動指令値(開口面積A)に
比例した流量Qが得られるようにしている。
【0005】また、油圧ポンプの吐出圧が、操作中の油
圧アクチュエータの負荷圧の最大値に、上記前後差圧が
加算された圧力となるように、油圧ポンプの吐出圧の制
御を行うようにしており、これによって複合操作時の各
油圧アクチュエータの負荷圧の違いによる速度の変化
(負荷圧依存性)が防止される。
【0006】一方、このシステムでは、バルブの構造が
複雑となり、また油圧の安定性の悪さからハンチングを
生じやすいという欠点があった。
【0007】そこで、この問題点を解決すべく、本出願
人に係る先願(特願平8−43101号、特願平8−4
1554号)では、上記圧力補償弁を使用しないでシス
テムを構成するようにしている。
【0008】上記先願に開示されたものでは、上記油圧
回路の一般公式、 Q=c・A・√( ΔP ) において、複合操作時の各油圧アクチュエータの負荷圧
の違いによって生ずる各油圧アクチュエータの速度、つ
まり各油圧アクチュエータの流量Qi(以下、添え字iは
i番目の駆動軸を示す)の変化(負荷依存性)を防止す
るために、オペレータの操作に応じて駆動された操作弁
の絞りの前後差圧△Pi、つまり操作弁に流入する圧油
の圧力Ppと操作弁から流出する圧油の圧力PLの差圧Δ
Pi を検出し、以下のような補正処理を行うようにして
いる。
【0009】すなわち、上記検出した各差圧△Piの中
の最小値ΔPminを求め、各駆動軸ごとに、差圧△Piと
最小差圧△Pmin の比の平方根を、操作弁の開口面積補
正係数Ki(Ki=√(△Pmin /△Pi))として演算
し、これを操作レバーによる駆動速度指令である操作弁
の開口面積Aiに乗じるという開口補正を行なうという
ものである。これを式で示すと、 Qi=c・(Ai・Ki)・√(△Pi)=c・Ai・√
(△Pmin/△Pi)・√(△Pi)=c・Ai・√(△Pm
in) となり、i番目の油圧アクチュエータに流入する流量Qi
は、複合操作中どの軸も共通である最小差圧△Pmin を
基準にして、各軸の開口面積指令Aiの比で分流される
という作用をなす。
【0010】ここで、差圧ΔPiが最小差圧ΔPminとな
っている駆動軸では、上記補正係数Kiの分母分子の値
は同一となる(Ki=1)。したがって、負荷圧PLが最
大負荷圧となっている駆動軸(差圧ΔPiは最小差圧Δ
Pmin)では、開口面積Aiは絞られないことになる。
【0011】このような補正を行うことにより、複合操
作時に、ポンプ圧Ppと各油圧アクチュエータの負荷圧
PLの差圧ΔPiの如何に関わらず、レバー操作通りの分
流性能を、簡単な制御でショックなく、連続性を保持し
つつ取得することができる。
【0012】また、上記先願では、上記補正係数Ki
(0≦Ki≦1)に対して下限値KLiを設け、この下限
値KLiを0とすることにより、完全な圧力補償機能を働
かせるようにしたり、また下限値KLiを1とすることに
より、完全に負荷なりの流量分配を実現するようにして
いる。
【0013】すなわち、補正係数のとれる範囲を、レバ
ー操作量、あるいは圧力等の関数により、KLi≦Ki≦
1と制限することにより、上記圧力補償の機能を強めた
り、弱めたりするようにしている。
【0014】例えば、レバー操作量の関数を用いて上記
補正係数下限値KLiを可変にすることにより、微操作時
は圧力補償を効かせたレバーなりの流量分配(KLi=
0)にしたり、フルレバーのラフ操作時は圧力補償を弱
めて負荷なりの流量分配(KLi=0.5)にしたりとい
う具合に、流量分配の仕方を連続的に変えることができ
る。
【0015】これにより、例えば、吊り作業や法面の整
正作業などのファイコン作業時には、オペレータとして
は負荷によらずに操作レバー通りの精密作業を行うこと
ができるとともに、一方、掘削時の放土作業や荒スキト
リ作業(刃先で平地をラフにならす作業)などの複数の
操作レバーをフルに操作するフルレバー作業時には、オ
ペレータとしては操作レバーの操作比に気を遣うことな
く、負荷なりの作業を行うことができる。
【0016】以上のように、上記先願に記載された発明
は、圧力補償の機能を作業の内容に応じて、あるいはオ
ペレータの操作感覚に合わせて、容易に変えることがで
きるという利点を得ている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した補正係数Ki
による分流補償では、最大負荷となっている駆動軸で
は、補正係数Ki=√(△Pmin /△Pi)の分母分子の
値が同一であり(Ki=1)、最大負荷圧となっている
駆動軸の操作弁の開口面積は絞られず、圧力補償の度合
いは作業内容が同じであれば変わらないため、つぎのよ
うな問題が招来する。
【0018】すなわち、上述した荒スキトリ作業等など
のフルレバー複合操作時には、フルレバーの状態から、
高負荷となっている駆動軸のレバーのみを中立側にゆっ
くり戻していったときに、軽負荷側の油圧アクチュエー
タの速度を、加速させたいとの要求がある。
【0019】しかし、上記先願に開示された発明によれ
ば、高負荷側の駆動軸の補正係数Kiは常に1のままで
あり、圧力補償の度合は変わらず、かつポンプ圧は高負
荷となっている油圧アクチュエータの負荷圧にならって
しまうので、高負荷側のレバーをゆっくり戻したとして
も、軽負荷側の油圧アクチュエータの速度は変化しない
ことになる。このように、フルレバー操作時に、フルレ
バーの状態から、高負荷となっている駆動軸のレバーの
みを中立側にゆっくり戻していったときに、軽負荷側の
油圧アクチュエータの速度が、加速されるという操作感
覚を得ることができないことになっていた。
【0020】また、ブーム、旋回体などの慣性体を対象
とした分流補償では、駆動指令を与えてから油圧アクチ
ュエータが実際に動き出すまでにしばらく時間がかかる
ために、起動加速時に流量があまり流れず、負荷圧がそ
のときのポンプ圧にならってしまうという現象が生じる
ことになる。
【0021】例えば、油圧ショベルでダンプトラックへ
の積込み作業を行う場合には、ブーム上げと旋回の複合
操作が行なわれるが、このような慣性体同士の作業で
は、お互いに差圧Piの値がほぼ同じになるために、上
述した差圧の大きさに応じた開口面積補正制御を実行し
ても、圧力補償の度合いに大きく差をつけることができ
ない。
【0022】ここに、上記ブーム上げと旋回の複合操作
時には、バケットの積荷の多少によらずにダンプへの積
込み位置を一定に保つために(バケット移動軌跡を一定
に保持するために)、比較的軽負荷となっている旋回側
の操作弁の開口面積を、より絞りこんでやり、レバーの
微操作性を向上させるとともに、高負荷側のブームに多
量の流量を供給したいとの要求がある。
【0023】しかし、差圧の大きさの応じた開口面積補
正制御だけでは、ブームと旋回の両駆動軸の負荷圧がポ
ンプ圧にならってしまうため、こうした圧力補償の過補
償制御(軽負荷側となっている駆動軸の開口面積を、よ
り絞る制御)を実現することが不可能であり、上述した
レバー微操作性を向上させるとともに高負荷側の多量の
流量を供給したいとのオペレータの要求が満たされない
ことになっていた。
【0024】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、操作弁の前後差圧を検出し、差圧の大きさ
に応じて圧力補償を定める制御を行う際に、圧力補償の
度合いを弱めて、より「負荷なり」となる補償を行える
ようにすることを第1の解決課題としており、また、圧
力補償の度合いを強め過補償にすることにより、レバー
微操作性を向上させるとともに高負荷側に多量の圧油を
供給させるようにすること第2の解決課題としており、
これらにより作業効率を向上させることを共通の課題と
している。
【0025】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、本発
明の第1発明の主たる発明では、上記第1の解決課題達
成のために、油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設
けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操
作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を、対応
する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有
し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエー
タを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記操
作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出する圧
油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧検出手
段と、前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応
じた補正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数
を、各操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、
前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
正量が、前記複数の操作子のうちの特定の操作子の操作
量に応じて、減らされるように、当該補正係数をさらに
補正する第2の補正係数演算手段と、前記第2の補正係
数演算手段で演算された補正係数を用いて、対応する操
作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるよう
にしている。
【0026】すなわち、かかる構成によれば、操作弁に
流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出する圧油の圧
力との差圧が、各操作弁毎に検出され、この検出された
差圧の大きさに応じた補正量をもって、操作子の操作量
を補正するための補正係数が、各操作子毎に演算され
る。
【0027】具体的には、操作弁の前後の検出差圧が大
きくなればなるほど、対応する操作弁の開口面積を絞る
度合いを大きくする補正量をもって補正係数が演算され
る。これにより、油圧ポンプの圧力は最小差圧となって
いる油圧アクチュエータの負荷圧力(最大負荷圧)以上
に保たれることになる。
【0028】そこで、上記演算された補正係数が、複数
の操作子のうちの特定の操作子の操作量に応じて、差圧
の大きさに応じた補正量を減らすように、さらに補正さ
れる。
【0029】そして、最終的に、この補正係数を用い
て、対応する操作子の操作量が補正される。
【0030】具体的には、特定の操作レバーの操作量、
例えば最小差圧となっている操作弁に対応する操作レバ
ーの操作量が小さくなればなるほど、上記差圧の大きさ
に応じた補正量を減らすように、つまり操作弁の開口面
積を絞る度合いを減らすように、補正係数が、補正さ
れ、この補正係数を用いて操作レバーの操作量が補正さ
れることになる。このように、操作弁の開口面積を絞る
度合いが減ったことにより、軽負荷側の操作弁への流量
が増大することになる。さらに、油圧ポンプが流量飽和
(要求流量がポンプ吐出可能量を越えている)している
場合、油圧ポンプが最大負荷圧を保てなくなり、ポンプ
圧力−流量等馬力性能カーブより、ポンプ吐出圧の低下
に応じて、吐出可能流量が増え、軽負荷側の操作弁への
流量がより増大される。
【0031】したがって、フルレバー操作時に、フルレ
バーの状態から、高負荷となっている駆動軸のレバー
(特定の操作子)のみを中立側にゆっくり戻していった
場合に、軽負荷側の操作弁の開口面積を絞る度合いを減
らすような補正がなされるので、この軽負荷側の油圧ア
クチュエータの速度が、加速されるという操作感覚を得
ることができる。
【0032】また、本発明の第2発明の主たる発明で
は、上記第2の解決課題達成のために、同様な油圧駆動
機械において、前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該
操作弁から流出する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎
に検出する差圧検出手段と、前記差圧検出手段で検出さ
れた差圧の大きさに応じた補正量だけ前記操作子の操作
量を補正する補正係数を、各操作子毎に演算する第1の
補正係数演算手段と、前記第1の補正係数演算手段で演
算された補正係数の補正量が、前記複数の操作弁のうち
の特定の操作弁に対応する油圧アクチュエータに流入す
る圧油の圧力に応じて、増やされるように、当該補正係
数をさらに補正する第2の補正係数演算手段と、前記第
2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用いて、
対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを
具えるようにしている。
【0033】すなわち、かかる構成によれば、操作弁に
流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出する圧油の圧
力との差圧が、各操作弁毎に検出され、この検出された
差圧の大きさに応じた補正量をもって、操作子の操作量
を補正するための補正係数が、各操作子毎に演算され
る。
【0034】具体的には、操作弁の前後の検出差圧が大
きくなればなるほど、対応する操作弁の開口面積を絞る
度合いを大きくする補正量をもって補正係数が演算され
る。つまり、軽負荷となっている操作弁への多大な圧油
の流入が抑制されるような補正がなされる。
【0035】そこで、上記演算された補正係数が、複数
の操作弁のうちの特定の操作弁に対応する油圧アクチュ
エータに流入する圧油の圧力に応じて、差圧の大きさに
応じた補正量が増やされるように、さらに補正される。
そして、最終的に、この補正係数を用いて、対応する操
作子の操作量が補正される。
【0036】具体的には、特定の操作弁から油圧アクチ
ュエータに流入する圧油の圧力、例えば、最小差圧とな
っている操作弁から油圧アクチュエータに流入する圧油
の圧力が大きくなればなるほど、上記差圧の大きさに応
じた補正量を増やすように、つまり操作弁の開口面積を
絞る度合いを増やすように、補正係数が、補正され、こ
の補正係数を用いて操作レバーの操作量が補正されるこ
とになる。このように、操作弁の開口面積を絞る度合い
が増えたことにより、軽負荷側の操作弁への圧油の流入
がさらに抑制されることになる。
【0037】したがって、たとえば、ブーム上げと旋回
の複合操作を行う場合のように、差圧の大きさに応じた
補正だけでは、ブーム側と旋回側とで圧力補償の度合い
に大きく差をつけることができない場合であったとして
も、軽負荷側である旋回側の操作弁の開口面積を、より
絞りこむ補正ができるようになり、レバー微操作性が向
上するとともに、高負荷側へは、より多くの流量の圧油
が流れるようになり、バケットの積荷の多少いかんによ
らずに、常にダンプトラックへの積込み位置を一定に保
つ(バケット移動軌跡を一定に保持する)ことが可能と
なる。
【0038】以上のように、本発明によれば、特定の操
作レバーの操作量、特定の駆動軸の負荷圧などに応じ
て、圧力補償の度合いを弱めたり、圧力補償の度合いを
強めたりすることで、オペレータの要求する操作感覚
に、より合致させることができるので、作業効率が飛躍
的に向上する。また、かかる制御の実現には、個々の制
御内容に応じて機械的な部品を追加することを要しない
ので、コストを最小限に抑えることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る油圧駆動機械の制御装置の実施の形態について説明す
る。
【0040】なお、この実施の形態では、油圧駆動機械
として、油圧ショベルのような建設機械を想定してい
る。
【0041】図1は、油圧ショベルの制御装置の構成を
示している。
【0042】同図に示すように、この装置は、図示せぬ
エンジンによって駆動され、制御部8から出力される駆
動指令に応じて斜板傾転角が変化され、これによって吐
出流量が変化される可変容量型の油圧ポンプ1と、2つ
の操作子としての操作レバー6,7にそれぞれ対応して
設けられた2つの油圧アクチュエータとしての油圧シリ
ンダ2,3と、油圧ポンプ1と上記油圧シリンダ2,3
との間の2つの圧油供給路31,32にそれぞれ設けら
れ、制御部8から出力される駆動指令S1,S2に応じ
て、その開口面積が変化され、その変化された開口面積
に応じた流量の圧油を、それぞれ対応する油圧シリンダ
2,3に供給する2つの操作弁としての流量制御弁4,
5と、上記操作レバー6,7の操作量V1,V2を、後述
するように補正する等の処理を行い、この補正された操
作量に応じた駆動指令信号S1,S2を、それぞれ対応す
る流量制御弁4,5に対して出力し、それに応じて、そ
れぞれ対応する油圧シリンダ2,3を駆動制御する制御
部8とから構成されている。
【0043】上記操作レバー6は図示せぬ作業機である
ブーム(油圧シリンダ2に接続されている)を駆動させ
るための電気レバーであり、オペレータが操作した量に
比例した電気信号を出力する。同様に操作レバー7は、
図示せぬ作業機であるアーム(油圧シリンダ3に接続さ
れている)を駆動させるための電気レバーであり、オペ
レータが操作した量に比例した電気信号を出力するもの
である。
【0044】上記圧油供給路31,32に分岐される圧
油供給路30上には、油圧ポンプ1の吐出圧力Ppを検
出する圧力センサ9が配設されている。
【0045】また圧油供給路31のうち、油圧シリンダ
2のボトム室に連通する供給路上、同シリンダ2のヘッ
ド室に連通する供給路上には、それぞれブームの負荷圧
力P1B,P1Hを検出する圧力センサ10a,10bが配
設されている。
【0046】同様に、圧油供給路32のうち、油圧シリ
ンダ3のボトム室に連通する供給路上、同シリンダ3の
ヘッド室に連通する供給路上には、それぞれアームの負
荷圧P2B,P2Hを検出する圧力センサ11a,11bが
配設されている。
【0047】これら各圧力センサの検出信号は、上記操
作レバー6,7の操作量を示す電気信号とともに、制御
部8に入力され、図2に示される処理が実行される。
【0048】図2は、制御部8で行なわれる演算処理を
説明するブロック図である。なお、この図2では、説明
の便宜のため演算処理が各演算器で行われるものとして
説明しているが、もちろん全てソフトウェアで処理する
ようにしてもよい。
【0049】いま、図2の矢印に示すように、操作レバ
ー6がブーム用油圧シリンダ2を伸長させる方向に操作
されており、操作レバー7がアーム用油圧シリンダ3を
縮退させる方向に操作されている場合を想定する。
【0050】制御部8の差圧検出手段8aには、操作レ
バー6,7の操作量V1,V2を示す信号、圧力センサ
9,10a,10b,11a,11bの各圧力検出信号
Pp,P1B,P1H,P2B,P2Hが入力される。
【0051】そして、操作レバー6の方向(伸長方向)
に応じて、P1B,P1Hの中から、P1B(油圧シリンダ2
に圧油が流入する側であるボトム室側)が選択されて、
ブ−ム用流量制御弁4の前後差圧△P1=Pp−P1Bが
演算される。一方、操作レバ−7の方向(縮退方向)に
応じて、P2B,P2Hの中から、P2H(油圧シリンダ3に
圧油が流入する側であるヘッド室側)が選択されて、ア
−ム用流量制御弁5の前後差圧△P2=Pp−P2Hが演
算される。
【0052】制御部8の第1の補正係数演算手段8bで
は、上記差圧検出手段8aで検出、演算された検出差圧
△P1、△P2が入力され、これらの内で最小の差圧△P
minが選択される。
【0053】さらに、この最小差圧ΔPminを用いて、
ブ−ム用操作レバ−6の操作量V1を補正するための補
正係数K1が、K1=√(△Pmin /△P1)と演算され
るとともに、アーム用操作レバー7の操作量V2を補正
するための補正係数K2が、K2=√(△Pmin /△P
2)と演算される。
【0054】つぎに、第2の補正係数演算手段8cで
は、上記第1の補正係数演算手段8bにおける最小差圧
ΔPminの選択処理に連動して、最小差圧ΔPminとなっ
ている駆動軸側のレバ−操作量を最小差圧側操作量Vmi
nとして選択する処理が実行される。すなわち、上記第
1の補正係数演算手段8bで最小差圧ΔPminがブ−ム
側の差圧ΔP1である場合には、最小差圧側操作量Vmin
として、ブ−ム用操作レバ−6の操作量V1が選択(Vm
in=V1)され、また、最小差圧ΔPminがア−ム側の差
圧ΔP2である場合には、最小差圧側操作量Vminとし
て、ア−ム用操作レバ−7の操作量V2が選択(Vmin=
V2)されることになる。
【0055】第2の補正係数演算手段8cには、最小差
圧側操作量Vminと補正係数K1、K2の下限値KLとの対
応関係が、操作量Vminの値が小さくなるにつれて補正
係数下限値KLが大きくなるような関係をもって、記憶
テーブルとして記憶されている。そこで、現在の最小差
圧側操作量Vminの大きさに対応する補正係数下限値KL
がこの記憶テーブルから読み出される。なお、最小差圧
側操作量Vminと補正係数下限値KLとの対応関係を記憶
テーブルとして記憶しておく代わりに、最小差圧側操作
量Vminから補正係数下限値KLを演算する演算式を用意
しておき、演算により直接補正係数下限値KLを求める
ようにしてもよい。
【0056】そこで、こうして求められた補正係数下限
値KLと、ブ−ム側の操作量を補正する補正係数K1、ア
−ム側の操作量を補正する補正係数K2との大小比較が
それぞれ行われ、大きな方が、新たに補正係数K1′,
K2′として選択出力される。
【0057】操作量補正手段8dには、上記補正係数K
1、K2をさらに補正した補正係数K1´、K2´が入力さ
れるとともに、操作レバー6、7からの駆動指令値とし
ての操作量V1、V2が入力される。
【0058】そこで、予め設定されている操作ストロー
ク量(流量制御弁4のスプールストローク量)V1と、
流量制御弁4のスプールの開口面積A1との関係に基づ
き、現在の操作量V1に対応する開口面積A1が求められ
る。同様にして、現在の操作量V2に対応する開口面積
A2が求められる。ここで、上記スプールストローク−
開口面積の関係は、スプールの形状から一義的に定まる
ものである。
【0059】こうして得られた開口面積A1、A2に対し
て、上記求められた補正係数K1´、K2´がそれぞれ乗
じられ、補正開口面積A1’=K1´・A1、A2’=K2
´・A2が求められる。
【0060】さらに、予め設定された、上記スプールス
トローク−開口面積の逆の関係より、上記補正開口面積
A1’、A2’に対応するスプールストローク量S1、S2
が求められ、このスプールストローク量S1、S2を示す
信号が、ブーム用流量制御弁4のメインスプールを駆動
する電磁比例パイロット弁12、アーム用流量制御弁5
のメインスプールを駆動する電磁比例パイロット弁13
の各ソレノイドに対して加えられる。この結果、これら
パイロット弁12、13から、各入力電気信号に比例す
るパイロット圧が、流量制御弁4、5に対してそれぞれ
加えられ、流量制御弁4、5の各メインスプールが、上
記補正開口面積A1’A2’になるように駆動される。以
上の内容を具体的な数値を挙げて説明する。
【0061】いま、オペレータがブーム上げとアームダ
ンプの複合操作を行い、圧油の流入側であるブームボト
ム圧力P1Bが100kg/cm2、アームヘッド圧力P2H
が160kg/cm2、油圧ポンプ1の吐出圧Ppが18
0kg/cm2であったものとすると、差圧検出手段8a
では、ブーム用流量制御弁4の前後差圧は、 △P1=Pp−P1B=180−100=80kg/cm2 と演算され、アーム用流量制御弁5の前後差圧は、 △P2=Pp−P2H=180−160=20kg/cm2 と演算される。
【0062】つぎに、第1の補正係数演算手段8bで
は、各差圧△P1,△P2のうちで最も小さい値を最小差
圧△Pminとして選択するのであるから、 最小差圧△Pmin=△P2=20kg/cm2 となる。さらに、 ブーム側補正係数K1=√(△Pmin/△P1)=√(2
0/80)=0.5 アーム側補正係数K2=√(△Pmin/△P2)=√(2
0/20)=1.0と演算される。
【0063】ここで、最小差圧ΔPminが得られている
駆動軸(この場合はアーム)の補正係数(K2)は、常
に1になることがわかる。
【0064】ここで、仮に、上記補正係数K1、K2がそ
のまま操作量補正手段8dに入力されたものと仮定する
と(第2の補正係数演算手段8cが存在しないと仮定す
ると)、この操作量補正手段8dでは、各レバー操作量
Viに応じて定まる開口面積Aiに対して、補正係数Ki
を乗算して求めた補正開口面積Ki・Aiに相当する駆動
指令信号S1、S2を出力するのであるから、ブーム用流
量制御弁4に対しては本来の開口面積A1を0.5倍し
た駆動指令が、アーム用流量制御弁5に対しては本来の
開口面積A2を1.0倍した駆動指令が出力されること
になる。
【0065】すなわち、最小差圧ΔPminが得られてい
るアーム側の開口面積A2は補正されることなく、差圧
ΔP1がより大きな値を示しているブーム側の開口面積
A1については、差圧ΔP1の大きさに応じた補正量だけ
補正される。つまり差圧ΔP1の大きさに応じた分だけ
開口面積A1を絞るような補正がなされ、圧力補償が実
現される。
【0066】ここに、第2の補正係数演算手段8cで
は、最小差圧ΔPminが得られている駆動軸がアーム側
となっているため、アーム側のレバー操作量V2が最小
差圧側操作量Vminとして選択される。
【0067】いま、アーム側操作レバー7の操作量Vmi
n が100%(フルレバー操作)であったものとする
と、上記記憶テーブルより、操作量Vmin最大値に対応
する補正係数下限値KL=0.2が読み出され、この補
正係数下限値KLと上記各補正係数K1,K2との大小比
較がそれぞれ行われる。K1=0.5,K2=1.0とな
っており、補正係数K1,K2の方が補正係数下限値KL
よりも大きいので、補正係数下限値KLに影響されるこ
となく、補正係数K1,K2がそのままK1′,K2′とし
て第2の補正係数演算手段8cから出力されることにな
る。
【0068】ところが、アーム側操作レバー7が上記フ
ルレバー位置(操作量Vmin =100%)から中立位置
(操作量Vmin=0%)に戻されると、操作量Vmin最小
値に対応する補正係数下限値KL=0.8が、上記記憶
テーブルから読み出され、この補正係数下限値KLと上
記各補正係数K1,K2との大小比較がそれぞれ行われ
る。K1=0.5,K2=1.0となっており、補正係数
K2(=1.0)に関しては補正係数下限値KL(=0.
8)よりも大きいので、補正係数K2がそのままK2´と
して第2の補正係数演算手段8cから出力されることに
なるが、補正係数K1(=0.5)に関しては補正係数
下限値KL(=0.8)の方が大きな値を示しているの
で、補正係数下限値KLがK1の代わりにK1´として第
2の補正係数演算手段8cから出力されることになる。
【0069】これを、オペレータの操作感覚で説明する
と、ブーム上げとアームダンプというフルレバー作業を
行っているときに、高負荷圧側になっているアーム用の
操作レバー7をフルレバー位置から中立位置に徐々に戻
していくと、低負荷側になっているブーム側の流量制御
弁4の開口面積A1を絞る度合いが減少されるように、
つまり圧力補償の度合いが緩やかになるように補正がな
されるので(補正係数K1を大きくする)、油圧ポンプ
1から低負荷側であるブーム側流量制御弁4に流入する
圧油の流量が多くなり、ブーム側油圧シリンダ2の速度
が、加速されるという操作感覚を得ることができ、オペ
レータの望む操作感覚に合致させることができる。
【0070】また、このように軽負荷のブーム側の流量
制御弁4の開口面積A1を絞らないようにすることで、
油圧ポンプ1の吐出圧Ppが高負荷のアーム側の負荷圧
以下に落ち込むので、アーム用操作レバー7の操作にか
かわらず、ポンプ全流量をブーム側に供給させて、加速
化を図ることができる。
【0071】以上説明した実施の形態によれば、油圧シ
リンダの各室ごとに圧力センサを配設しているが、図3
(a)に示すように、流量制御弁4(あるいは5)のス
プールストローク方向に応じて自動的に油圧シリンダ2
(あるいは3)へ流入する側の圧油の負荷圧を導く管路
14(あるいは管路15)を設け、この管路14(ある
いは管路15)上に、油圧シリンダ2(あるいは3)に
流入する側の圧油の負荷圧P1(あるいはP2)を検出す
る圧力センサ10c(あるいは11c)を設けるように
してもよい。このようにすることで圧力センサの数を減
らすことができる。しかも、この場合には、図4(a)
に示すように、制御部8の差圧検出手段8a’におい
て、図2で必要であった、ボトム側の圧力P1B(あるい
はP2B)と、ヘッド側の圧力P1H(あるいはP2H)とを
選択するための構成を設けなくて済むという効果が得ら
れる。
【0072】さらに、図3(b)に示すように、油圧ポ
ンプ1の吐出圧Ppと上記流入側負荷圧P1(あるいはP
2)との差圧ΔP1(あるいはΔP2)を直接検出する差
圧センサ10d(あるいは11d)を設けるようにすれ
ば、油圧ポンプ1用の圧力センサ9の配設をも省略する
ことが可能となる。しかも、この場合には、図4(b)
に示すように、制御部8の差圧演算手段8a’’におい
て、図4(a)で必要であった、ポンプ吐出圧Ppと、
負荷圧P1(あるいはP2)と差圧ΔP1(あるいはΔP
2)を演算するための構成を設けなくて済むという効果
が得られる。
【0073】本発明としては、図5に示すようないわゆ
るロードセンシング制御が行われる油圧回路に適用して
もよい。この図5に対応する制御ブロック図を図6に示
す。なお、図1、図2、図3(b)、図4(b)と同一
の要素には同一の符号を付けて説明を省略する。
【0074】図5に示される油圧ショベルの制御装置で
は、流量制御弁4,5のそれぞれの流出側の負荷圧を導
く管路14,15が配設されており、シャトル弁16に
よって、これら各負荷圧の内で高圧側の圧力PLが選択
されるようになっている。シャトル弁16によって選択
された最大負荷圧力PLの圧油が管路17を介して可変
容量型ポンプ1の斜板傾転角を制御するサーボ弁19の
一方に導きかれるとともに、このサーボ弁19の反対側
には油圧ポンプ1の吐出圧Ppの圧油が管路18を介し
て導かれるようになっている。また、このサーボ弁19
には、所定のばね力F=ΔPのバネが付設されている。
したがって、このサーボ弁19では、上記ポンプ1の吐
出圧Ppが、最大負荷圧PLよりも、バネ力に応じた一定
値、つまり差圧予設定値ΔPだけ高くなるように、油圧
ポンプ1の斜板傾転角が制御される。つまり、常に、差
圧Pp−PLが差圧予設定値ΔPになるようなロードセン
シング制御がなされる。
【0075】ここで、油圧ポンプ1の吐出量に十分余裕
があるものとすると、図2で説明した最小差圧△Pmin
を上記差圧予設定値ΔPとみなすことができる。したが
って、図6に示される第1の補正係数演算手段8b´で
は、最小差圧ΔPminを、上記ロードセンシング制御の
目標差圧ΔPに固定設定することができる。この結果、
図2の第1の補正係数演算手段8bのごとく差圧検出手
段8aから出力される差圧検出値ΔP1、ΔP2の中から
最小差圧△Pminを選択する処理を行う必要がなく、同
様の制御を、より簡易な構成で行うことが可能となる。
【0076】なお、この方式をとった場合には、目標差
圧ΔP(=ΔPmin)と、実際に検出される差圧Pp−P
Lとの間にずれがあることにより、圧力補償としては完
全に正確でなく誤差が生じる可能性もあるが、図2に示
す制御と概略同等の効果は得られる。
【0077】また、図7に示すように、最小差圧ΔPmi
nを上記目標差圧ΔPに固定するするのではなくて、上
記誤差を低減させるために、操作レバーの操作量の和に
基づいて最小差圧ΔPminを予測するような実施も可能
である。
【0078】すなわち、油圧ポンプ1が目標差圧ΔPを
保持できなくなり誤差が生じるのは、油圧ポンプ1の吐
出可能量よりも操作レバーの操作量に応じた要求流量の
方が大きくなっている場合であるので、吐出可能量と要
求流量との比較結果に応じて最小差圧ΔPminを推定す
るようにしたものである。
【0079】図7の第1の補正係数演算手段8b″に
は、各流量制御弁4、5に対する駆動指令信号(開口面
積)S1,S2、油圧ポンプ1の吐出圧Ppが入力され
る。ここで、駆動指令(開口面積)S1,S2と要求流量
Q1、Q2(操作レバー6、7の操作量に応じた要求流量
Q1、Q2)との対応関係は、予め記憶テーブルに記憶さ
れている。そこで、入力された駆動指令(開口面積)S
1、S2に対応する要求流量Q1、Q2がこの記憶テーブル
から読み出され、この読み出された要求流量Q1、Q2の
和が、全体の要求流量Qrとして求められる。
【0080】一方、油圧ポンプ1に関して、ポンプ吐出
圧Ppと吐出可能流量Qpとの対応関係を示す等馬力カー
ブが予め記憶テーブルに記憶されている。そこで、入力
された油圧ポンプ1の検出吐出圧Ppに対応する吐出可
能流量Qpがこの記憶テーブルから読み出される。
【0081】また、ポンプ吐出可能流量Qpと全体要求
流量Qrとの差△Qと、最小差圧ΔPminとの対応関係
について、予め記憶テーブルに記憶されている。そこ
で、現在の差ΔQに対応する最小差圧ΔPminがこの記
憶テーブルから読み出されることで、最小差圧が推定さ
れる。すなわち、ポンプ吐出圧Ppと最大負荷圧PLとの
実際の差圧が十分大きい場合には、油圧ポンプ1で目標
差圧が保持されるようになり、この実際の差圧が0にな
ると、目標差圧が0になるような推定がなされる。
【0082】このように、本実施形態によれば、ポンプ
吐出可能流量Qpと全体要求流量Qrとの差ΔQに応じて
最小差圧ΔPminをきわめて高い精度で、最小差圧ΔPm
inを検出することなく求めることができる。
【0083】図2に示す第2の補正係数演算手段8cで
は、第1の補正係数演算手段8bによる最小差圧ΔPmi
nの選択処理に連動して、最小差圧ΔPminとなっている
駆動軸の操作量を最小差圧側操作量Vmin として選択す
るようにしているが、最小差圧ΔPminになっている駆
動軸の操作量Vminを逐次選択するのではなくて、特定
の駆動軸の操作量をVminに固定してしまう実施も可能
である。
【0084】図8は、これを実現する制御ブロック図を
例示したものである。
【0085】同図8に示す第2の補正係数演算手段8
c″では、最小差圧ΔPminになっている駆動軸がブー
ム、アームのいずれであろうとも、ブーム用操作レバー
6の操作量V1が一義的にVminとされ、現在の操作量V
minに対応する補正係数下限値KLが記憶テーブルから読
み出されるようになっている。
【0086】この場合の現象を説明すると、いま、前述
したのと同様にブーム上げとアームダンプの複合操作が
なされており、ブーム側が高負荷圧になっている状態
で、最大負荷圧であるブーム側の操作レバー6をフルレ
バー位置から中立位置に戻していくものとすると、図2
の制御ブロック図の場合と同様にして、補正係数下限値
KLが増大することにより低負荷側であるアーム用流量
制御弁5の開口面積の絞り込みの度合いが弱まり、低負
荷側のアーム用油圧シリンダ3に多くの流量が流れ込む
ようになり、負荷なりの流量分配が得られることにな
る。
【0087】逆に、ブーム側が低負荷圧側になっている
状態であるとして、このブーム側の操作レバー6をフル
レバー位置から中立位置に戻していくものとすると、同
様に補正係数下限値KLが増大することにより低負荷圧
側であるブーム用流量制御弁4の開口面積の絞り込みの
度合いが弱まり、低負荷側のブーム用油圧シリンダ2に
多くの流量が流れ込むようになり、結果的に、負荷なり
の流量分配を同様にして得ることができる。
【0088】このように、Vmin を常時ブーム用操作レ
バー6の操作量V1として固定しておくことにより、ブ
ームのファイコン操作時には油圧システム全体が負荷な
りの動きとなり、またフルレバー操作時には油圧システ
ム全体で圧力補償が十分かかった状態にもっていくこと
ができ、オペレータの操作感覚に合致させることができ
る。
【0089】以上のように、特定の駆動軸の操作量をV
minに固定しておく場合であっても、この特定軸の操作
に連動した負荷なりの流量分配を実現することができ
る。
【0090】なお、ブームが単独操作されている場合に
は、第1の補正係数演算手段8bにおいて、ブーム用流
量制御弁4の前後差圧△P1が最小差圧△Pminとして選
択されており、補正係数K1は1になっているので、ブ
ーム側は、第2の補正係数演算手段8c″で得られた補
正係数下限値KL(≦1)の制限の影響を受けることは
ない。つまり、通常と同様に単独操作を行うことができ
る。
【0091】また、Vminとなる駆動軸を一の駆動軸に
固定するのではなく、作業内容に応じて適宜変更するよ
うな実施も可能である。
【0092】図9は、これを実現する制御ブロック図を
例示したものである。
【0093】同図9に示す第2の補正係数演算手段8
c″´のVmin選択処理部30では、複数の操作レバー
6、7,40、41の内で同時に操作されているレバー
の組合せに応じて、その中の特定の操作レバーの操作量
がVminとして選択される。
【0094】なお、図9において、40はバケットを駆
動するための操作レバーであり、操作量V3が出力され
るようになっており、41は油圧ショベルの上部旋回体
を駆動するための操作レバーであり、操作量V4が出力
されるようになっているものとする。
【0095】例えば、第2の補正係数演算手段8c″´
のVmin選択処理部30では、ブームと旋回用の操作レ
バーが同時操作されていると、ブーム用操作レバー6の
操作量V1がVminとして選択され、またブームとアーム
用の操作レバーが同時操作されていると、これら両操作
レバー6、7の操作量の和V1+V2がVminとして選択
され、またアームとバケット用の操作レバーが同時操作
されていると、バケット用操作レバー40の操作量V3
がVminとして選択され、これら以外の操作レバーの組
合せでは、Vminが0に設定される。以上説明した実施
形態の第2の補正係数演算手段8c〜8c″´では、V
minの大きさに対応する補正係数下限値KLを求め、この
補正係数下限値KLと第1の補正係数演算手段8bから
出力される補正係数K1,K2との大小比較を行うように
しているが、図10に示すような処理にてこれと同等の
処理を行うようにしてもよい。
【0096】すなわち、図10に示す第2の補正係数演
算手段8c″″では、操作量Vminと補正ゲインG(G
≧1)との対応関係が予め記憶テーブルに記憶されてい
る。そこで、図2の制御ブロック図と同様にして、現在
最小差圧ΔPminになっている駆動軸の操作量Vmin(V
1)に対応する補正ゲインGが、この記憶テーブルから
読み出される。この読み出された補正ゲインGは、補正
係数K1,K2に乗算され、この値G・K1、G・K2と、
1.0との大小比較がそれぞれ実行され、小さい方の値
が新たな補正係数K1´、K2´としてそれぞれ出力され
る。
【0097】つまり、図2のように補正係数の下限を設
定するのではなくて、いわば補正係数の上限を1.0で
サチュレーションするという手法である。
【0098】この図10に示す実施形態によれば、最小
差圧側操作量Vminの大きさに応じて、補正係数K1,K
2が1.0以下の範囲内で、1.0に、より近づくよう
に補正されるので、図2の制御と同様に、低負荷圧側の
流量制御弁の開口面積の絞りの度合いを(圧力補償の度
合い)を減少させることができ、負荷なりの流量分配が
実現されることになる。
【0099】図11は図10の変形例である。
【0100】すなわち、この図11では、最小差圧△P
minに前もって上記補正ゲインG(G≧1)が乗算され
(最小差圧△Pminを実際よりも過大評価しておき)、
補正係数K1,K2を予め大きめに演算しておくようにし
ている。そして、その後、1以上になった最小差圧側の
駆動軸の補正係数の上限を、1以下に制限するようにし
ており、図10と同等の効果が得られる。
【0101】以上説明した実施形態では、Vminと補正
係数下限値KLあるいは補正ゲインGとの対応関係、つ
まり特性を、各補正係数K1,K2に共通のものとしてい
るが、各補正係数K1、K2毎に補正係数下限値KLある
いは補正ゲインGの特性を異ならせる実施も可能であ
る。
【0102】図12は、これを実現する制御ブロック図
であり、同図12の第2の補正係数演算手段8c″″″
には、ブーム側とアーム側とで、最小差圧側操作量Vmi
nと補正係数下限値KLとの対応関係、つまり特性がそれ
ぞれ異なるものとして設定されている。この場合、アー
ム側の特性の方がブーム側の特性よりも、補正係数下限
値KLの増大し始めるポイントが、より操作量Vminの小
側に位置されるように、設定されている。
【0103】このため、最大負荷圧側がブームであると
きには、VminとKL1との特性にしたがい、操作レバー
が僅かに中立側に戻されただけで、負荷なりの制御、つ
まり圧力補償を弱めた制御がなされることになるが、最
大負荷圧側がアームであるときには、VminとKL2との
特性にしたがい、操作レバーが相当中立側に戻されない
限り、負荷なりの制御、つまり圧力補償を弱めた制御が
なされないことになる。
【0104】以上説明した実施形態の操作量補正手段8
dでは、レバー操作量Vに対応する開口面積Aを演算
し、これに補正係数K´を乗じることにより補正開口面
積が得られる駆動指令Sを生成するようにしているが、
図13(a)、(b)に示すように、より簡易に操作量
補正手段8dを構成してもよい。
【0105】図13(a)は、第2の補正係数演算手段
8cから出力された補正係数K1′、K2´を、乗算部2
2、23にて操作量V1、V2に直接乗算することにより
駆動指令S1、S2を生成するように構成したものであ
る。
【0106】図13(b)は、第2の補正係数演算手段
8cから出力された補正係数K1′、K2´を、操作量最
大値Vmaxに乗算したものと、操作量V1、V2との大小
比較を最小値選択部22´、23´で行い、小さいもの
を駆動指令S1、S2として出力するように構成したもの
である。
【0107】図13(a)、(b)に示す構成では、駆
動指令S1、S2と開口面積A1、A2との対応関係あるい
は操作量V1、V2と開口面積A1、A2との対応関係(略
二次曲線である)を厳密に考慮していないので、完全に
正確なる圧力補償を実現することはできないが、当該対
応関係を厳密に考慮した場合と比較して遜色なく同等の
負荷なりの制御を実現することができる。
【0108】図14は、図13(a)、(b)に示す構
成を実現するための全体構成図である。
【0109】同図14に示すように、図1の電気操作レ
バー6、7の代わりに、油圧パイロット式操作レバー
(いわゆるPPCレバー)6´、7´が設けられてい
る。
【0110】この操作レバー6´、7´の操作量を示す
パイロット圧V1、V2は、圧力センサ20,21によっ
てそれぞれ検出され、この検出された操作量V1,V2に
基づいて前述したのと同様に補正係数演算処理が実行さ
れる。一方、操作レバー6´、7´の操作量を示す信号
は、図13(a)あるいは(b)の操作量補正手段8d
の乗算部22、23あるいは最小値選択部22´、23
´に出力される。これらは、電磁減圧弁で構成されてい
る。また、電磁減圧弁22、23あるいは22´、23
´には、補正係数K1´、K2´が入力される。
【0111】そこで、この電磁減圧弁22、23あるい
は22´、23´に入力されている補正係数K1´、K2
´が1のときには、油圧パイロット式操作レバー6´、
7´から出力されているパイロット圧V1、V2は減圧さ
れないで、そのまま出力されることになる。一方、補正
係数K1´、K2´が1よりも小さくなると、操作レバ−
6´、7´から出力されたパイロット圧が減圧されて、
出力される。そして、この減圧されたパイロット圧V
1、V2がそれぞれ流量制御弁4、5に対して加えられ
る。
【0112】また、図14に示すごとく操作レバー6
´、7´から出力されるパイロット圧V1、V2を、流量
制御弁4、5までの管路の途中で減圧するという構成を
とる代わりに、図15に示すように、操作レバー6´、
7´の出力信号V1、V2をそのまま流量制御弁4、5に
それぞれ加えつつ流量制御弁4、5に付与される力を調
整することにより、同様の効果を得るようにしてもよ
い。
【0113】同図15では、操作レバー6´、7´の操
作量を示すパイロット圧V1、V2がそのまま流量制御弁
4、5にそれぞれ加えられる。
【0114】流量制御弁4、5では、操作レバー6´、
7´からのパイロット圧が作用する側の反対側に、電磁
弁12,13から出力されたパイロット圧に比例した力
がストローク規制部24、25によって付与される。ス
トローク規制部24、25は、流量制御弁4、5を付勢
するバネに対して電磁比例弁12、13から出力された
パイロット圧に応じた力を加えるものである。
【0115】すなわち、電磁弁12、13に、制御部8
で生成された駆動指令S1、S2が入力されると、これら
駆動指令S1、S2に比例したパイロット圧の圧油が、上
記ストローク規制部24、25にそれぞれ加えられる。
したがって、ストローク規制部24、25は、駆動指令
S1、S2に応じたスプール位置を越えて、操作レバー6
´、7´の操作量V1、V2に応じたスプール位置まで、
流量制御弁4、5のスプールがストロークされてしまう
ことを防止する作用をなす。
【0116】操作レバー6´、7´の操作量V1、V2が
それぞれ駆動指令S1、S2以下である場合には、このス
トローク規制部24、25によるストロークの制限は受
けないが、操作レバー6´、7´の操作量V1、V2がそ
れぞれ駆動指令S1、S2よりも大きくなった場合には、
ストローク規制部24、25によるストロークの規制を
受けることになり、この図15に示す構成のものでも、
図14の構成のものと同様の効果が得られる。
【0117】以上説明した実施形態では、圧力補償の制
御を、流量制御弁4、5の開口面積A1、A2を補正する
ことにより実現しているが、図16に示すように、流量
制御弁4、5に、流量分配を調整する圧力補償弁26、
27がそれぞれ設けられている場合には、この圧力補償
弁26、27を用いて同様の圧力補償の制御を行うよう
にしてもよい。
【0118】すなわち、図16において、操作レバー6
´、7´は、図14、図15と同様に油圧式PPCレバ
ーであるものとする。
【0119】流量制御弁4,5それぞれには、これら流
量制御弁4、5の前後差圧ΔP1、ΔP2をそれぞれ制御
する圧力補償弁26,27が付設されている。
【0120】圧力補償弁26、27には、それぞれ、管
路14,15を介して、流量制御弁4、5から流出する
側の圧油が、弁の一方側に導かれるとともに、弁の他方
側には、圧力補償弁26、27をそれぞれ通過し、流量
制御弁4、5に流入する側の圧油が導かれている。さら
に、圧力補償弁26、27には、これら両圧油に所定の
差圧を持たせるように、電磁比例弁12,13から出力
されるパイロット圧に応じた力と、バネによる付勢力が
付与されている。
【0121】いま、操作レバー6´、7´がフルレバー
位置まで操作され、このフルレバー操作に応じたパイロ
ット圧が流量制御弁4、5にそれぞれ加えられたとき
に、流量制御弁4、5の前後差圧ΔP1、ΔP2がそれぞ
れ所定の差圧、例えば20kg/cm2になるように設定
されているものとする。
【0122】ここで、操作レバー6´、7´を徐々に戻
して、流量制御弁4、5に加えられるパイロット圧を小
さくしていくと、圧力補償弁26、27がそれぞれ左側
(開き側)に駆動されることになる。これにより、流量
制御弁4、5の流入側の圧油の圧力が上昇することにな
り、この圧力が油圧ポンプ1の吐出圧Ppに近くなる。
すなわち、流量制御弁4、5の前後差圧ΔP1、ΔP2が
大になるので、流量制御弁4、5の開口面積A1、A2が
同じであっても、より多くの流量が駆動軸に流れるよう
になり、開口面積A1、A2を補正する実施形態と同様
に、負荷なりの流量分配が実現されることになる。
【0123】図17は、図16に示す制御部8の構成を
示す制御ブロック図である。
【0124】同図17に示すように、差圧検出手段8
a″では、流量制御弁と圧力補償弁とをまとめて1つの
操作弁4´、5´とみなしている。すなわち、操作弁4
´、5´に流入する圧油の圧力、つまり圧力補償弁2
6、27の前圧(ポンプ吐出圧)Ppが圧力センサ9で
検出されるともに、この操作弁4´、5´から流出する
圧油の圧力、つまり流量制御弁4、5の後圧(油圧シリ
ンダ負荷圧)P1、P2がそれぞれ圧力センサ10c、1
0cで検出され、これらの差圧ΔP1、ΔP2(前後差圧)
が演算される。
【0125】第1の補正係数演算手段8bでは、補正係
数K1、K2が、上記演算された前後差圧ΔP1、ΔP2に
基づいて演算される。ただし、流量制御弁4、5の前後
差圧自体は、圧力補償弁26、27の働きによって各駆
動軸で所定の差圧に近くなるように制御されているの
で、補正係数K1,K2の値がゼロに近いほど圧力補償弁
26、27にて圧力補償をかけている度合いが高いこと
になる。
【0126】第2の補正係数演算手段8c7´には、パ
イロット圧センサ20、21でそれぞれ検出された操作
レバー6´、7´の操作量V1,V2が入力され、これら
の内で最小差圧側の操作量Vminが選択され、この最小
差圧側操作量Vminに対応する補正係数下限値KLが記憶
テーブルから読み出される。
【0127】ここで、最小差圧側操作量Vminと補正係
数下限値KLとの対応関係を示す特性は、最小差圧側操
作量Vminが小さくなるにつれて、補正係数KLの値がゼ
ロから1に徐々に近づく特性に設定されている。
【0128】そこで、第1の補正係数演算手段8bで演
算された補正係数K1,K2と、記憶テーブルから読み出
された補正係数下限値KLとの差K1−KL、K2−KLが
それぞれ求められ、この差が新たな補正係数K1′,K
2′(−1≦K′≦1)として出力される。
【0129】操作量補正手段8d´には、補正係数K´
(K1´、K2´)と電磁比例弁12、13に対する駆動
指令S´(S1´、S2´)との対応関係を示す特性が予
め記憶テーブルとして記憶されている。この特性は補正
係数K1´、K2´がマイナスの値になるに従い、駆動指
令S1´、S2´の値が小さくなるようなものとして設定
されている。
【0130】そこで、第2の補正係数演算手段8c7´
から出力された補正係数K1′K2′が入力されると、こ
の補正係数K1´、K2´に対応する駆動指令S1´、S2
´がこの記憶テーブルから読み出され、圧力補償弁2
6、27の差圧を制御する電磁比例弁12、13に対し
てそれぞれ出力される。
【0131】ここで、いま、ブームが最小差圧ΔPmin
となっている駆動軸であるものとすると、第1の補正係
数演算手段8bにおいて、このブーム側の補正係数K1
が1と求められる。このため、第2の補正係数演算手段
8c7´で補正係数下限値のKLとの差として求められる
K1′は、最小差圧側操作量Vminの大きさにかかわらず
に、常にプラスの値を示す。よって、最大の駆動指令S
1´が操作量補正手段8d´から電磁比例弁12を介し
て圧力補償弁26に加えられ、圧力補償弁26は流量制
御弁4の前後差圧ΔP1を、所定の差圧(20kg/cm
2)に保持する作用をなす。一方、最小差圧ΔPminにな
ってい駆動軸以外の軸、たとえばアームでは、補正係数
K2が1よりも小さくなっているので、補正係数K2の値
が小さいほど、最小差圧側操作量Vminの操作量が小さ
いほど、補正係数K2′の負の絶対値は大きくなる。こ
のため、操作量補正手段8d´から出力される駆動指令
S2´としては、最大値よりも小さな値をとる。駆動指
令S2´が小さくなると、圧力補償弁27を右側(閉じ
側)に押す力が弱くなるので、圧力補償機能が弱まるこ
とになり、これにより、負荷なりの流量分配が実現され
ることになる。
【0132】このように、高負荷圧側の操作レバーがフ
ルレバー位置から中立位置に少しでも戻されると、最小
差圧側操作量Vminが小さくなることにより、補正係数
K2が小さいほど、つまり低負荷側の駆動軸(圧力補償
弁での圧力補償が強い駆動軸)ほど、圧力補償の度合い
が、減少されることになる。よって、たとえば、放土か
ら掘削開始点への戻し操作など、ラフでスピードが要求
される作業を行う場合に、オペレータとしては、最大負
荷圧となっている駆動軸の操作レバーの操作を加減する
ことにより(フルレバー位置から中立位置に戻すと)、
より低負荷圧になっている駆動軸のみを加速させること
ができ、オペレータの望む操作感覚に合致させることが
できるとともに、作業効率を向上させることができる。
【0133】・圧力補償の度合いを増大させる制御 以上説明した実施形態では、圧力補償の度合いを減少さ
せる制御を行う場合について説明したが、逆に、圧力補
償の度合いを増大させる制御を行う場合について、以下
説明する。
【0134】こうした、いわゆる圧力の過補償を行う方
法として、第1の補正係数演算手段8bに入力される差
圧を、実際に検出される差圧よりも大きめに補正してお
く方法と、第1の補正係数演算手段8bで演算、出力さ
れる補正係数を、小さめに求める方法の2種類がある。
【0135】そこで、まず、前者の第1の補正係数演算
手段8bに入力される差圧を、実際に検出される差圧よ
りも大きめに補正しておく方法を実現する実施形態につ
いて図18を参照して説明する。
【0136】図18は、図1の全体構成を前提として制
御部8で実行される制御内容を示す制御ブロック図であ
る。
【0137】同図18に示すように、過補償補正手段8
eでは、差圧検出手段8a″″を介して、油圧シリンダ
2、3に流入される圧油の圧力P1,P2が取り込まれ、
これら圧力P1,P2の内で、大きな方が最大圧Pmaxと
して選択される。
【0138】ここで、最大圧Pmax と、圧力補正ゲイン
Gpとの対応関係が記憶テーブルに記憶されている。こ
の対応関係を示す特性は、最大圧Pmaxが大きい程、圧
力補正ゲインGpの値が1から0に徐々に変化する特性
となるように設定されている。なお、圧力補正ゲインG
pの値を、最大圧Pmaxの大きさいかんにかかわらずに、
一定値に設定してもよい。
【0139】そこで、現在の最大圧Pmaxに対応する圧
力補正ゲインGpがこの記憶テーブルから読み出され、
この読み出された圧力補正ゲインGpが、切換スイッチ
31の3つの入力端子の内の一つの入力端子に加えられ
る。この切換スイッチ31の他の2つの入力端子には、
常時1となる信号が加えられており、2つの出力端子か
らは検出圧力P1を補正するためのゲインG1、検出圧力
P2を補正するためのゲインG2がそれぞれ出力される。
【0140】この切換スイッチ31は、検出圧力P1、
P2の中から最大圧Pmaxを選択する動作に連動して切換
え作動される。検出圧力P1が最大圧Pmaxとして選択さ
れた場合には、切換スイッチ31からは1.0を示すゲ
インG1が出力されるとともに、圧力補正ゲインGpを示
すゲインG2が出力されるように切り換えられ(上側に
切り換えられ)、検出圧力P2が最大圧Pmaxとして選択
された場合には、切換スイッチ31からは圧力補正ゲイ
ンGpを示すゲインG1が出力されるとともに、1.0を
示すゲインG2が出力されるように切り換えられる(下
側に切り換えられる)。
【0141】いま、最大圧Pmaxがアーム側の検出圧力
P2であるものとすると、切換スイッチ31からはゲイ
ンG1=Gp(Gp<1)、ゲインG2=1が切換出力
され、これらゲインG1,G2が、実際の検出圧力P
1,P2にそれぞれ乗算され、検出圧P1がP1´に補正さ
れるとともに、検出圧P2がP2´に補正される。このた
め、補正圧力P1´は、実際の検出圧力P1よりも小さく
なり、補正圧力P2´は、実際の検出圧力P2と同じ値を
とる。
【0142】この補正圧力P1´、P2´は、差圧検出手
段8a″″に戻され、この補正圧力P1´、P2´とポン
プ吐出圧の検出値Ppを用いて差圧ΔP1、ΔP2がそれ
ぞれ求められ、これらが第1の補正係数演算手段8bに
出力される。以下、第1の補正係数演算手段8bでは、
補正係数K1、K2が演算され、この補正係数K1、K2が
操作量補正手段8dに出力され、この操作量補正手段8
dから駆動指令S1、S2が生成、出力される。
【0143】このように、軽負荷圧側であるブーム側の
補正圧力P1´は、実際の検出圧力P1よりも小さく、つ
まり、より軽負荷なものと仮想されて、差圧ΔP1が求
められる。したがって、差圧ΔP1としては、より大き
な値をとることになり、補正係数K1は、より小さな値
をとることになる。よって、ブーム側の流量制御弁4に
出力される駆動指令S1は、より小さな値をとることに
より、流量制御弁4の開口面積A1は、より絞られ、軽
負荷側の駆動軸に流れる流量は、より制限されることに
なる。一方、高負荷側であるアーム側の補正圧力P2´
は実際の検出圧力P2と同じで、補正係数K1は1.0の
ままであるので、高負荷側の駆動軸には流量が多く流れ
ることになる。
【0144】このように、本実施形態によれば、軽負荷
側の駆動軸に関して、ポンプ吐出圧Ppとの差圧を、実
際の差圧よりも大きくなるように補正するようにしてい
るので、低負荷圧側の流量制御弁の開口面積を、より絞
り、流量を、より制限することができるとともに、その
分だけ、高負荷側の流量を、より多く流すことができる
という過補償の作用がもたらされる。
【0145】たとえば、ブーム上げと旋回とを同時に操
作してダンプへの積込み作業を行う場合に、本実施形態
の制御を適用することができる。掘削位置から放土位置
までの旋回角が90度の場合に、旋回側を過補償する
と、旋回体側の操作レバーによる微操作性が向上すると
ともに、ブームをきわめて速く上昇させることができる
ようになり、オペレータの望む操作感覚に合致させるこ
とができ、作業効率を向上させることができる。また、
掘削位置から放土位置までの旋回角が180度の場合
に、ブーム側を過補償すると、ブームの操作レバーによ
る微操作性が向上するとともに、旋回体をきわめて速く
動かせることができるようになり、オペレータの望む操
作感覚に合致させることができ、作業効率を向上させる
ことができる。
【0146】なお、上記実施形態では、最大圧Pmaxを
圧力P1、P2の中から選択することにより求めるように
しているが、この最大圧Pmaxは、通常、油圧ポンプ1
の吐出圧Ppに非常に近い値を示すので、補正ゲインGp
を記憶テーブルから求める際に、最大圧Pmaxの代わり
にポンプ吐出圧Ppを使用してもよい。
【0147】また、上記実施形態では、最大圧Pmaxを
示す駆動軸の種類に応じて、過補償とすべき駆動軸を選
択するようにしているが、作業の目的に応じて過補償に
すべき駆動軸を指示、設定する実施も可能である。
【0148】図19は、これを実現する制御ブロック図
である。
【0149】同図19に示すように、過補償補正手段8
e´には、差圧検出手段8a″″´を介してポンプ吐出
圧Pp、検出負荷圧P1,P2が入力されており、現在の
ポンプ吐出圧Ppに対応する補正ゲインGpが記憶テー
ブルから読み出され、これがモード選択スイッチ32に
入力される。
【0150】このモード選択スイッチ32は、作業種類
を示す作業モードを選択するスイッチであり、選択され
た作業モードに応じて過補償すべき駆動軸が切り換えら
れる。たとえば、作業モードとして、第1の作業モード
を選択すると、モード選択スイッチ32は上側に切り換
えられ、補正ゲインG1=1,補正ゲインG2=Gpが
出力される。また、他の第2の作業モードを選択する
と、モード選択スイッチ32は下側に切り換えられ、補
正ゲインG1=Gp,補正ゲインG2=1が出力され
る。
【0151】よって、第1の作業モードが選択される
と、モード選択スイッチ32から出力された補正ゲイン
G1=1,補正ゲインG2=Gp(<1)が、それぞれ
検出負荷圧P1,P2に乗算され、補正圧力P1´、P2´
として、差圧検出手段8a″″´に戻される。以下、図
18に示す制御ブロック図と同様の演算処理が実行され
ることになる。
【0152】この結果、差圧ΔP2が実際の差圧よりも
大きく求められることになり、流量制御弁5の開口面積
A2は、より絞られ、アーム側に流れる流量は、より制
限されることになる。一方、ブーム側の補正圧力P1´
は実際の検出圧力P1と同じであり、差圧ΔP1は実際の
差圧と同じであるので、補正係数K1は1.0のままと
なり、ブーム側には流量が多く流れることになる。
【0153】このように本実施形態では、第1の作業モ
ードが選択されたならば、アーム側の圧力P2の方がブ
ーム側の圧力よりも低い、軽負荷であると仮定して、ア
ーム側の過補償制御がなされることになる。一方、逆に
第2の作業モードが選択されたならば、ブーム側の圧力
P1の方がアーム側の圧力よりも低い、軽負荷であると
仮定して、ブーム側の過補償制御がなされる。
【0154】この場合、記憶テーブルの内容として、P
pが小さい値(例えば100kg/cm2)を示すときに、補
正ゲインGpの値として1.0が得られるように、Ppが
高い値(例えば200kg/cm2)を示すときに、補正ゲイ
ンGpの値として0.5程度が得られるような特性に設
定しておき、旋回体側を過補償する場合を想定すると、
以下に示すような効果が得られる。
【0155】ここで、過補償制御を行わない場合を想定
する。
【0156】すると、ダンプトラックへの積込み作業に
おいて、バケットが空荷の状態で、ブーム上げと旋回の
フルレバー同時操作を行うと、油圧ポンプ1の吐出圧P
pは100kg/cm2程度となり、短時間で、ブーム上げに
必要な上昇位置まで速く上昇させることができる。しか
し、バケットに土砂などの積荷を多量に積んだ状態で、
同じ操作を行ったとすると、今度は、油圧ポンプ1の吐
出圧Ppは、200kg/cm2程度に上昇してしまい、ポン
プ吐出圧Ppと吐出可能流量Qpの特性(等馬力曲線)で
定まる吐出可能流量Qpによる流量制限によって、各油
圧アクチュエータに流入する流量が減ってしまい、ブー
ム上昇に時間がかかってしまうことになる、なお、旋回
体は、油圧ポンプ1の吐出圧Ppが高いため、最初に加
速されてしまうので、比較的遅くはならない。
【0157】このようにして、バケットに土砂等の積荷
が多量が積み込まれている場合には、空荷の場合に比較
して、ブームが速く上昇しないことになり、バケットの
移動軌跡が、本来の軌跡よりも下側に落ちてしまうこと
になる。
【0158】そこで、かかる作業時に、本実施形態の過
補償制御を適用すると、油圧ポンプ1の吐出圧Ppが高
いとき、つまりバケットに積荷が多量に積み込まれてい
るときに、吐出圧Ppが高くなるほど旋回体側の流量制
御弁の開口面積が、より絞られ、旋回体側への流量が、
より抑制されることになる。そして、この流量が減った
分だけ、ブーム側へ、より多くの流量の圧油を供給させ
ることができる。このため、バケットに多量の積荷が積
み込まれている場合であったとしても、ブームを、より
速く上昇させることができる。つまり、バケットの移動
軌跡は、下側に落ちてしまうことはなくなる。
【0159】このように、本実施形態によれば、油圧ポ
ンプ1の吐出圧Ppが大きくなるほど、旋回体側の流量
制御弁の開口面積が、より絞られ、より過補償となるよ
うな制御がなされるので、バケットの積荷の多小いかん
にかかわらず、常にバケットの移動軌跡を上方に維持す
ることができ、オペレータとしては、バケットと地面と
の接触、ダンプトラックへの積込み高さを気にすること
なく、フルレバー操作を行うことができる。この結果、
作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【0160】さて、上述した実施形態では、圧力の過補
償を行う方法として、第1の補正係数演算手段8bに入
力される差圧を、実際に検出される差圧よりも大きめに
補正しておく方法について説明したが、つぎに、第1の
補正係数演算手段8bで演算、出力される補正係数を、
小さめに求めておく他の方法について説明する。
【0161】図20は、この方法を実施するための制御
ブロック図である。
【0162】同図20に示すように、過補償補正手段8
e″には、第1の補正係数演算手段8bから出力された
補正係数K1,K2が入力される。そこで、この入力され
た補正係数K1、K2がそれぞれn乗(n≧2)され、
これが新たな補正係数K1´、K2´として操作量補正手
段8dに出力される。そして、この操作量補正手段8d
から駆動指令S1、S2がそれぞれ生成出力される。
【0163】このように過補償補正手段8e″では、補
正係数K1、K2をn乗することにより、補正係数K1、
K2が小さな値を示すほど、つまり軽負荷圧になってい
る駆動軸ほど、より小さな値になるように補正してい
る。
【0164】たとえば、n乗を3乗とし、ブーム側が高
負荷側であるとすると、ブーム側の補正係数K1は1で
あり、これを3乗したとしても、新たな補正係数K1´
は1のままとなる。これに対して軽負荷側であるアーム
側の補正係数K2が0.8であるとすると、これを3乗
した結果は、0.512となる。新たな補正係数K2´
が0.512となり、元の0.8に較べて、より小さな
値となるので、アーム側の流量制御弁5の開口面積A2
は、より絞られることになり、過補償が有効に実現され
ているのがわかる。
【0165】また、n=2の場合には、第1の補正係数
演算手段8bで演算、出力されたK1=√(ΔPmin/Δ
P1)、K2=√(ΔPmin/ΔP2)を、過補償補正手段
8e″であらためて2乗して、K1´=ΔPmin/ΔP1、
K2´=ΔPmin/ΔP2を求めることになるので、第1の
補正係数演算手段8bで、最初から、K1´=ΔPmin/
ΔP1、K2´=ΔPmin/ΔP2を演算しておき、これを
そのまま操作量補正手段8dに出力させてもよい。
【0166】また、過補償補正手段8e″´を図21に
示すように構成してもよい。
【0167】すなわち、同図21に示す過補償補正手段
8e″´では、油圧ポンプ1の吐出圧Ppと補正係数K
1、K2の上限を制限するリミットKLとの対応関係が、
記憶テーブルに予め記憶されている。そこで、現在の油
圧ポンプ1の吐出圧Ppに対応する補正係数上限値KLが
この記憶テーブルから読み出される。モード選択スイッ
チ32は、この補正係数上限値KLにより補正係数の上
限を制限すべき駆動軸を選択するものであり、記憶テー
ブルから読み出された補正係数上限値KLと、モード選
択スイッチ32で選択された駆動軸側の補正係数、たと
えばK1との大小比較が行われ、小さい方の値が、新た
な補正係数K1´として出力される。よって、補正係数
K1´は、元のK1に較べてより小さくなるように補正さ
れることになり、ブーム側の流量制御弁4の開口面積A
1は、より絞られるようになり、過補償が実現される。
他方の補正係数K2は、1と大小比較がなされるので、
補正係数K2´は、元の補正係数K2の値のままとなる。
【0168】また、図22に示すように過補償補正手段
8e″″を構成してもよい。
【0169】同図22に示すように、この過補償補正手
段8e″″には、操作レバー6、7の操作量V1,V2が
入力される。また、操作レバー6、7の操作量V1、V2
のうちで選択された操作量Vと、補正係数上限値KLと
の対応関係を示す記憶テーブルが設定されている。上記
選択操作量Vは、モード選択スイッチ32の選択操作に
連動して、操作レバー6、7の操作量V1、V2の中から
選択される。
【0170】モード選択スイッチ32で第1の作業モー
ドが選択され、上側に切り換えられると、選択操作量V
としてブーム用操作レバー6の操作量V1が選択される
とともに、モード選択スイッチ32からアーム側の補正
係数K2の上限値を制限する補正係数上限値KLが出力さ
れることになる。この場合には、ブーム用操作レバー6
の操作量Vが大きくなるに伴い、他の駆動軸であるアー
ム側の流量制御弁5の開口面積A2が、より多く絞られ
る。そして、ブーム側の流量はより増大することにな
る。
【0171】一方、モード選択スイッチ32で第2の作
業モードが選択され、下側に切り換えられると、選択操
作量Vとしてアーム操作レバー7の操作量V2が選択さ
れるとともに、モード選択スイッチ32からブーム側の
補正係数K1の上限値を制限する補正係数上限値KLが出
力されることになる。この場合には、アーム用操作レバ
ー7の操作量Vが大きくなるに伴い、他の駆動軸である
ブーム側の流量制御弁4の開口面積A1が、より多く絞
られる。そして、アーム側の流量はより増大することに
なる。
【0172】なお、以上説明した実施形態では、油圧シ
ョベルのような建設機械を想定して説明したが、もちろ
ん任意の油圧駆動機械に適用可能である。また、主に、
ブーム、アームといった2つの作業機の制御に適用され
ることを想定したが、3以上の作業機に適用することも
当然可能である。
【0173】また、油圧アクチュエータとして、主に油
圧シリンダを想定して説明したが、旋回体駆動用、走行
用などに用いる油圧モータに対しても同様に本発明は適
用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る油圧駆動機械の制御装置
の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図3(a),(b)は、図2に示す差圧検出手
段の別の実施構成図である。
【図4】図4(a),(b)は、図3の各構成に対応し
た制御ブロック図である。
【図5】図5は、図1とは異なる全体構成を例示した図
である。
【図6】図6は、図5に示す制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】図7は、図5に示す制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】図8は制御部の第2の補正係数演算手段の構成
を示すブロック図である。
【図9】図9は、制御部の第2の補正係数演算手段の構
成を示すブロック図である。
【図10】図10は、制御部の第2の補正係数演算手段
の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は制御部の第2の補正係数演算手段の
構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、制御部の第2の補正係数演算手段
の構成を示すブロック図である。
【図13】図13(a),(b)は、制御部の操作量補
正手段の構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、図1とは異なる全体構成を例示し
た図である。
【図15】図15は、図1とは異なる全体構成を例示し
た図である。
【図16】図16は、図1とは異なる全体構成を例示し
た図である。
【図17】図17は、図16に示す制御部の構成を示す
ブロック図である。
【図18】図18は制御部の過補償補正手段の構成を示
すブロック図である。
【図19】図19は制御部の過補償補正手段の構成を示
すブロック図である。
【図20】図20は制御部の過補償補正手段の構成を示
すブロック図である。
【図21】図21は制御部の過補償補正手段の構成を示
すブロック図である。
【図22】図22は制御部の過補償補正手段の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】 1 可変容量型油圧ポンプ 2 ブーム用油圧シリンダ 3 アーム用油圧シリンダ 4 ブーム用流量制御弁 5 アーム用流量制御弁 6 ブーム用操作レバー 7 アーム用操作レバー 8 制御部 9 油圧ポンプ用圧力センサ 10a、10b ブーム油圧シリンダ用圧力センサ 11a、11b アーム油圧シリンダ用圧力センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、請求
項2に係る発明では、上記第1の解決課題達成のため
に、油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出圧油が供給さ
れることにより駆動される複数の油圧アクチュエータ
と、これら複数の油圧アクチュエータ毎に設けられた複
数の操作子と、これら複数の操作子毎に設けられ、操作
子の操作量に応じて開口面積が変化され、この開口面積
に応じた流量の圧油を、対応する油圧アクチュエータに
供給する複数の操作弁と、操作弁の流入側の圧油の圧力
と流出側の圧油の圧力との前後差圧が大きくなるほど、
所定の圧力補償度合いをもって、この操作弁の開口面積
を小さくする圧力補償手段とを具えた油圧駆動機械の制
御装置において、前記複数の操作子のうちの特定の操作
子の操作量の大きさに応じて、前記圧力補償手段による
圧力補償度合いを小さくするように、圧力補償度合いを
補正する圧力補償度合い補正手段を具えるようにしてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】すなわち、かかる構成によれば、複数の操
作子のうちの特定の操作子の操作量の大きさに応じて、
圧力補償手段による圧力補償度合いが小さくなるよう
に、圧力補償度合いが補正される。請求項3に係る発明
においても同様に、圧力補償手段による圧力補償度合い
が小さくなるように、圧力補償度合いが補正される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】請求項5に係る発明では、上記第2の解決
課題達成のために、油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐
出圧油が供給されることにより駆動される複数の油圧ア
クチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータ毎に
設けられた複数の操作子と、これら複数の操作子毎に設
けられ、操作子の操作量に応じて開口面積が変化され、
この開口面積に応じた流量の圧油を、対応する油圧アク
チュエータに供給する複数の操作弁と、操作弁の流入側
の圧油の圧力と流出側の圧油の圧力との前後差圧が大き
くなるほど、所定の圧力補償度合いをもって、この操作
弁の開口面積を小さくする圧力補償手段とを具えた油圧
駆動機械の制御装置において、前記複数の操作弁のうち
の特定の操作弁に対応する油圧アクチュエータに流入す
る圧油の圧力に応じて、前記圧力補償手段による圧力補
償度合いを大きくするように、圧力補償度合いを補正す
る圧力補償度合い補正手段を具えるようにしている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】すなわち、かかる構成によれば、複数の操
作弁のうちの特定の操作弁に対応する油圧アクチュエー
タに流入する圧油の圧力に応じて、圧力補償手段による
圧力補償度合いが大きくなるように、圧力補償度合いが
補正される。請求項4に係る発明、請求項6に係る発
明、請求項7に係る発明においても同様に、圧力補償手
段による圧力補償度合いが大きくなるように、圧力補償
度合いが補正される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】また、請求項1に係る発明では、第1の解
決課題、第2の解決課題達成のために、特定の操作子の
操作量の大きさに応じて、圧力補償の度合いを弱めた
り、圧力補償の度合いを強めたりするように圧力補償度
合いが補正される。以上のように、本発明によれば、特
定の操作レバーの操作量、特定の駆動軸の負荷圧などに
応じて、圧力補償の度合いを弱めたり、圧力補償の度合
いを強めたりすることで、オペレータの要求する操作感
覚に、より合致させることができるので、作業効率が飛
躍的に向上する。また、かかる制御の実現には、個々の
制御内容に応じて機械的な部品を追加することを要しな
いので、コストを最小限に抑えることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応
    して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作
    子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油
    を、対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作
    弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アク
    チュエータを駆動するようにした油圧駆動機械におい
    て、 前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出
    する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧
    検出手段と、 前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応じた補
    正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数を、各
    操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、 前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
    正量が、前記複数の操作子のうちの特定の操作子の操作
    量に応じて、減らされるように、当該補正係数をさらに
    補正する第2の補正係数演算手段と、 前記第2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用
    いて、対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手
    段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記特定の操作子は、前記操作弁に
    流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出する圧油の圧
    力との差圧が最も小さくなっている操作弁に対応する操
    作子である請求項1記載の油圧駆動機械の制御装置。
  3. 【請求項3】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応
    して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作
    子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油
    を、対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作
    弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アク
    チュエータを駆動するようにした油圧駆動機械におい
    て、 前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出
    する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧
    検出手段と、 前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応じた補
    正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数を、各
    操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、 前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
    正量が、前記複数の操作弁のうちの特定の操作弁に対応
    する油圧アクチュエータに流入する圧油の圧力に応じ
    て、増やされるように、当該補正係数をさらに補正する
    第2の補正係数演算手段と、 前記第2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用
    いて、対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手
    段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
  4. 【請求項4】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応
    して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作
    子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油
    を、対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作
    弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アク
    チュエータを駆動するようにした油圧駆動機械におい
    て、 前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出
    する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧
    検出手段と、 前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応じた補
    正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数を、各
    操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、 前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
    正量が、作業内容に応じて増やされるように、当該補正
    係数をさらに補正する第2の補正係数演算手段と、 前記第2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用
    いて、対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手
    段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
  5. 【請求項5】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応
    して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作
    子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油
    を、対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作
    弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アク
    チュエータを駆動するようにした油圧駆動機械におい
    て、 前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出
    する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧
    検出手段と、 前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応じた補
    正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数を、各
    操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、 前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
    正量が、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力に応
    じて、増やされるように、当該補正係数をさらに補正す
    る第2の補正係数演算手段と、 前記第2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用
    いて、対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手
    段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
  6. 【請求項6】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応
    して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作
    子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油
    を、対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作
    弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アク
    チュエータを駆動するようにした油圧駆動機械におい
    て、 前記操作弁に流入する圧油の圧力と当該操作弁から流出
    する圧油の圧力との差圧を、各操作弁毎に検出する差圧
    検出手段と、 前記差圧検出手段で検出された差圧の大きさに応じた補
    正量だけ前記操作子の操作量を補正する補正係数を、各
    操作子毎に演算する第1の補正係数演算手段と、 前記第1の補正係数演算手段で演算された補正係数の補
    正量が、前記複数の操作子のうちの特定の操作子の操作
    量に応じて、増やされるように、当該補正係数をさらに
    補正する第2の補正係数演算手段と、 前記第2の補正係数演算手段で演算された補正係数を用
    いて、対応する操作子の操作量を補正する操作量補正手
    段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
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