JPH1150822A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JPH1150822A
JPH1150822A JP21184397A JP21184397A JPH1150822A JP H1150822 A JPH1150822 A JP H1150822A JP 21184397 A JP21184397 A JP 21184397A JP 21184397 A JP21184397 A JP 21184397A JP H1150822 A JPH1150822 A JP H1150822A
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JP
Japan
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valve
internal combustion
combustion engine
electromagnet
spring
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JP21184397A
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Inventor
Kingo Suyama
欣悟 陶山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の回転数の変化に応じてリフト荷重の
変更を安定して行うことができる内燃機関の動弁装置を
提供する。 【解決手段】バルブスプリング34,35のシリンダヘ
ッド11側の一端に、永久磁石によって形成されたばね
受け36を取り付ける。シリンダヘッド11の上部には
電磁石37を設ける。内燃機関が高速回転している時に
は、電磁石37をばね受け36の永久磁石と同じ極性に
磁化させることによってばね受け36と電磁石37との
間に反発力を発生させ、ばね受け36を押し上げること
によりバルブスプリング34,35の両端の間隔を短く
し、各バルブ24,25を押し上げるリフト荷重を大き
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置に関し、内燃機関の回転に同期して吸気バルブや排気
バルブの開閉にかかるリフト荷重を可変とする動弁装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関が高速回転状態にある場合に
は、その回転が伝達されるカムシャフトも高速回転し、
吸気バルブ,排気バルブが短い周期で往復駆動される。
【0003】しかし、往復の周期が短い場合、カムシャ
フトと一体回転するカムによってバルブに加わえられる
押圧が解除されても、バルブが完全に閉位置に配置され
る前に次の押圧が加わることがあった。この場合には、
バルブが確実に戻りきらないバルブバウンスが発生する
ことがあった。また、バルブがカムの回転に追従できな
くて跳ねてしまうバルブジャンプや、バルブとバルブス
プリングとが共振するバルブサージングなどが発生する
ことがあった。
【0004】上記の現象の発生を防ぐため、バルブスプ
リングにはバネ定数の大きいものが用いられてきた。こ
のバネ定数は、内燃機関がバルブの押し上げに大きいリ
フト荷重を必要とする高速回転状態にある場合に対処し
得る大きさに設定される。
【0005】しかし、内燃機関が低速回転状態にある場
合には、その大きいリフト荷重は過剰である。そのた
め、バルブが過剰なリフト荷重によってカムに押しつけ
られているときの摩擦による機械的損失が大きかった。
【0006】特開昭57−13207号公報には、油圧
を用いてバルブスプリングの一端を他端側へ付勢する手
段が提案されている。しかし、油圧を用いた場合、油の
劣化によって粘度が変化したり、温度によって油の圧力
が変化したりするので安定した制御が容易でなかった。
また、油漏れ防止のためにシール性を確保する必要もあ
った。さらに、内燃機関の回転数の変化に応じてバルブ
スプリングの両端の間隔を即応させるのも難しかった。
【0007】油の代わりに機械式のアクチュエータを用
いた手段も提案されているが、エンジンの回転数の変化
に応じてバルブスプリングの両端の間隔を即応させるこ
とが難しかった。また、ON/OFFのみの制御しかで
きないため、内燃機関の回転数に応じてリフト荷重を細
かく変更させることも困難であった。
【0008】特開平2−221608号公報には、バル
ブスプリングの一端側に設けた電磁石によって発生させ
た磁力を他端側に設けた永久磁石に作用させてリフト荷
重を変更する手段が提案されている。すなわち、内燃機
関が高速回転状態にある場合には、バルブスプリングの
両端に設けた両磁石を互いに同極とし、両磁石間に反発
力を生じさせ、バルブスプリングの弾性力に加わる付勢
力を発生させる。また、内燃機関が低速回転状態にある
場合には、同バルブスプリングの両端に設けた両磁石を
互いに異極とし、両磁石間に吸引力を生じさせ、バルブ
スプリングの弾性力に抗う付勢力を発生させる。このよ
うな電磁石利用の動弁装置によれば、油圧方式,機械式
アクチュエータ方式における問題点は生じない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−2
21608号公報に開示の手段では、バルブスプリング
の伸縮に伴って両磁石が衝突しないようにするためにバ
ルブスプリングの伸縮量以上に両磁石を離間させる必要
がある。このような離間構成は磁力を効率よく付勢力と
して作用させる上で不利であり、強力かつ大型の磁石を
採用する必要がある。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、内燃機関の回転数の変
化に即応でき、しかも効率良くバルブスプリングのリフ
ト荷重を変更可能な内燃機関の動弁装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ガス通路を開閉するバルブに荷重を加えるバルブス
プリングの両端の間隔を変更させることによって前記ガ
ス通路を閉じる方向へ前記バルブを付勢する前記荷重を
変更させる内燃機関の動弁装置において、磁力によって
前記バルブスプリングの両端の間隔を変更させる変更手
段を有することをその要旨とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記変更手段
は、前記バルブスプリングの前記バルブに連動しない不
動端と、前記バルブに連動する従動端とのうちの不動端
の位置を電磁力によってバルブスプリングの伸縮方向へ
変更することをその要旨とする。
【0013】請求項1及び請求項2の構成によれば、電
磁石の磁力によってバルブスプリングの両端の間隔を素
早く変更することができる。請求項3に記載の発明は、
前記変更手段は、前記バルブスプリングの不動端側に設
けられた永久磁石と、前記永久磁石を前記不動端側から
従動端側へ反発するように配置された電磁石と、前記電
磁石の電磁力を調整する電磁力調整手段とを備えている
ことをその要旨とする。
【0014】この構成によれば、電磁力を調整すること
により、バルブスプリングの両端の間隔を調整すること
ができる。請求項4に記載の発明は、請求項1から3に
記載の内燃機関の動弁装置において、全気筒のうちの少
なくとも1つにおける全バルブスプリングの両端の間隔
を単一の前記変更手段によって変更するようにしたこと
をその要旨とする。
【0015】この構成によれば、複数個のバルブスプリ
ングの両端の間隔を単一手段で変更することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明の内燃機関の動弁装置を
具体化した第1の実施形態を図1〜図7に基づいて説明
する。
【0017】図1は、本実施形態にかかる内燃機関の動
弁装置の断面図である。11は、複数のピストン(図示
略)を収容するシリンダブロック(図示略)の上端に取
り付けられたシリンダヘッドである。シリンダブロック
とシリンダヘッド11とによって形成される燃焼室12
には吸気通路13及び排気通路14が接続されている。
吸気通路13内には燃料噴射弁(図示略)が設けられて
いる。
【0018】シリンダヘッド11の上部には回転可能に
支持された吸気バルブ用カムシャフト15及び排気バル
ブ用カムシャフト16が平行に設けられている。両カム
シャフト15,16には、カム17,18が一体形成さ
れている。排気バルブ用カムシャフト16は図示しない
駆動力伝達系を介して内燃機関の出力軸であるクランク
シャフト(図示略)から回転力を得る。また、吸気バル
ブ用カムシャフト15は図示しない駆動力伝達系を介し
て排気バルブ用カムシャフト16から回転力を得る。
【0019】シリンダヘッド11には、収容孔19,2
0が垂直に形成されている。収容孔19,20のそれぞ
れの底部は略円筒形状をなしたリフト空間21に接続さ
れている。リフト空間21の底部には、収容孔19の下
方から吸気通路13にかけて円筒形状のバルブガイド2
2が貫通固定されており、収容孔20の下方から排気通
路14にかけて円筒形状のバルブガイド23が貫通固定
されている。バルブガイド22,23の内部には吸気バ
ルブ24及び排気バルブ25の軸部26,27がスライ
ド可能に挿通されている。軸部26,27の末端部に
は、有底形状のガイド筒28,29が取り付けられてお
り、ガイド筒28,29はシリンダヘッド11の収容孔
19,20にスライド可能に嵌入されている。ガイド筒
28,29の端面にはカム17,18の摺接対象である
接触プレート30,31が止着されている。ガイド筒2
8,29内にはばね受け32,33が圧入固定されてい
る。
【0020】リフト空間21には略円盤形状を成した永
久磁石製のばね受け36が設けられている。ばね受け3
6は複数の貫通孔を有し、同貫通孔にはバルブガイド2
2,23がスライド可能に嵌入されている。ばね受け3
6とばね受け32,33との間にはコイル状のバルブス
プリング34,35が介在されている。両カムシャフト
15,16の回転に伴い、バルブ24,25がバルブス
プリング34,35とカム17,18との協働によって
バルブガイド22,23に沿って上下動し、吸気通路1
3及び排気通路14が開閉される。バルブ24,25が
吸気通路13及び排気通路14を閉じた状態では、カム
17,18と接触プレート30,31との間にわずかの
クリアランスが生じるようにしてある。ばね受け36に
接するバルブスプリング34,35の一端34a,35
aはバルブ24,25に連動しない不動端であり、ばね
受け32,33に接する他端34b,35bはバルブ2
4,25に連動する従動端である。
【0021】リフト空間21の底部には略円盤形状の電
磁石37がばね受け36と対向して着座されている。電
磁石37はばね受け36に対する電磁石37の対向面側
にN極又はS極の一方を発生するように対向配置されて
いる。電磁石37に対するばね受け36の対向面はN極
又はS極の一方に設定されている。
【0022】図3に軸部26,27、バルブスプリング
34,35、ばね受け36、電磁石37の配置の関係を
表した略斜視図を示す。図4に示すように、電磁石37
はオルタネータ39から励磁電流を受け取る。オルタネ
ータ39から電磁石37に供給される励磁電流はコント
ローラ38によって制御される。コントローラ38はエ
ンジン回転数を検出するエンジン回転数検出器40から
得られるエンジン回転数検出情報に基づいて励磁電流を
制御する。オルタネータ39から供給される励磁電流は
永久磁石製のばね受け36に対する電磁石37の対向面
側にばね受け36の対向面上の磁極と同じ磁極を発生す
る方向へ流される。
【0023】次に、永久磁石製のばね受け36,電磁石
37,コントローラ38,オルタネータ39及びエンジ
ン回転数検出器40からなるリフト荷重変更装置10を
備えた動弁装置1が設けられた内燃機関の低速回転状態
及び高速回転状態にある場合の動作について図1、図2
及び図5を用いて説明する。
【0024】図1は、内燃機関が低速回転状態にある場
合の動弁装置1の断面図である。内燃機関が低速回転
(<R1)状態にある場合には、図5のグラフに示され
るようにコントローラ38はオルタネータ39から電磁
石37へ励磁電流Aを供給しない制御を行う。したがっ
て、電磁石37は磁化されないため、ばね受け36と電
磁石37との間に反発力が発生することがなく、ばね受
け36と電磁石37は互いに接した状態で維持される。
【0025】図2は、内燃機関が高速回転状態にある場
合の動弁装置1の断面図である。内燃機関が高速回転
(>R1)状態にある場合には、図5のグラフに示され
るようにコントローラ38は、エンジン回転数Nに応じ
た大きさの励磁電流Aをオルタネータ39から電磁石3
7へ供給する制御を行い、ばね受け36と電磁石37と
の間に反発力が発生する。この反発力により、ばね受け
36はバルブスプリング34,35の不動端34a,3
5aと共に押し上げられ、バルブスプリング34,35
の不動端34a,35aと従動端34b,35bとの間
隔は狭められる。
【0026】図6はカム角と励磁電流の関係を示したグ
ラフであり、図7はカム角とバルブスプリングの荷重の
関係を示したグラフである。電磁石37への励磁電流
は、図6のグラフに示されるようにバルブ24,25が
開かれるにつれて増やされる。そして、バルブが最も開
口される時に励磁電流は最も多く供給される。また、バ
ルブ24,25が閉じられるにつれて励磁電流は減らさ
れる。図6において、線Aは高速回転時における電磁石
37へ供給される励磁電流の変化を示し、線Bは低速回
転時における電磁石37へ供給される励磁電流の変化を
示している。
【0027】したがって、バルブスプリング34,35
のリフト荷重も、図7のグラフに示されるようにバルブ
24,25の開口に比例して増加する。図7のグラフ中
の線C及び線Dは高速回転時におけるバルブスプリング
34,35の荷重を示し、線E及び線Fは低速回転時に
おけるバルブスプリング34,35の荷重を示す。グラ
フに示されるように、バルブスプリング34,35のリ
フト荷重はバルブ24,25が開かれるにつれて増加す
る。そして、バルブが最も開口される時にバルブスプリ
ング34,35のリフト荷重も最大になる。バルブ2
4,25が閉じられるにつれてリフト荷重は減少する。
また、図6に示される回転数に応じた励磁電流によっ
て、リフト荷重も回転数に応じて増減される。
【0028】以上のように構成された本実施形態のリフ
ト荷重変更装置10の作用及び効果を以下に述べる。 (1−1)電磁石37を磁化させて、ばね受け36と電
磁石37との間に反発力を発生させることにより、バル
ブスプリング34,35の両端の間隔を変更できる。こ
れにより、内燃機関の回転数に応じてバルブスプリング
34,35がバルブ24,25を押し上げるリフト荷重
の大きさを変更できる。
【0029】すなわち、内燃機関が低速回転状態にある
場合には、電磁石37は磁化されないため、バルブスプ
リング34,35の両端の間隔を最大にできる。両端の
間隔が最大にされたバルブスプリング34,35は弾性
力が低下するため、バルブスプリング34,35がバル
ブ24,25を押し上げるリフト荷重は小さくなる。し
たがって、軸部26,27の末端部を過剰なリフト荷重
でカム17,18へ押しつけることによって生じる機械
的損失を低減できる。
【0030】また、内燃機関が高速回転状態にある場合
には、電磁石37が磁化されることによって、ばね受け
36と電磁石37との間に反発力を発生させる。この反
発力により、ばね受け36はバルブスプリング34,3
5の不動端34a,35aと共に押し上げられ、バルブ
スプリング34,35の両端の間隔は狭められる。両端
の間隔が狭められたバルブスプリング34,35は弾性
力が増加するため、バルブスプリング34,35が軸部
26,27を押し上げるリフト荷重は大きくなる。した
がって、内燃機関の高回転によって短い周期で押圧され
る軸部26,27の末端部を素早く且つ確実にカム1
7,18へ当接させることができるようになり、バルブ
バウンスやバルブジャンプ、バルブサージングなどの発
生を防ぐことができる。
【0031】(1−2)ばね受け36と電磁石37との
当接する広面積において反発力を発生させ、ばね受け3
6を均一に押し上げることにより、ばね受け36の傾き
を軽減できる。
【0032】(1−3)電磁石の反発力を利用したバル
ブスプリング34,35によるリフト荷重の調節をコン
トローラ38で制御している。すなわち、電気によって
リフト荷重を変更できるため、内燃機関の回転数の変化
に応じて、バルブ24,25を押し上げるリフト荷重の
大きさの変更に即応できる。
【0033】(1−4)電磁石37への供給電流の大き
さを無段階調整して磁力の反発力を無段階に調節できる
ため、リフト荷重も内燃機関の回転数に応じて無段階に
変更することができる。
【0034】(1−5)電磁石を利用しているため、油
圧を利用する場合に必要な漏れ防止のためのシール性を
確保する必要がない。 (1−6)バルブ24,25の着座時にリフト荷重をわ
ずかに減少させる制御を行うことによりバルブ24,2
5及びそれらの当接部の摩耗を低減することができる。
【0035】(1−7)永久磁石製のばね受け36と電
磁石37とを隣接した状態で反発力を発生させるため、
磁力を効率良く作用させることができる。 (第2実施形態)次に、本発明を具体化した第2実施形
態を図1、図2及び図8に基づいて説明する。なお、本
実施形態において、第1実施形態と同じ構成部について
は符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0036】本実施形態では、第1実施形態において気
筒毎に設けたリフト荷重変更装置を全ての気筒について
まとめたことを特徴とする。その詳細について3気筒の
エンジンを例として説明する。
【0037】第2実施形態における動弁装置の断面図は
図1及び図2と同じである。ただし、並列に配された各
気筒の上部には円筒形状のリフタ空間が互いに隣接した
連続リフタ空間21aが形成されている。
【0038】連続リフタ空間21aには、同連続リフタ
空間21aの底面の形状に沿った板状の永久磁石製のば
ね受け36aが設けられている。ばね受け36aは複数
の貫通孔を有し、同貫通孔にはバルブガイド22,23
がスライド可能に嵌入されている。ばね受け36aとば
ね受け32,33との間にはコイル状のバルブスプリン
グ34,35が介在されている。
【0039】ばね受け36aに接するバルブスプリング
34,35の一端34a,35aはバルブ24,25に
連動しない不動端であり、ばね受け32,33に接する
他端34b,35bはバルブ24,25に連動する従動
端である。
【0040】バルブ24,25とバルブスプリング3
4,35の動作については第1実施形態と同じのため、
詳細な説明は省略する。連続リフト空間21aの底部に
は、同連続リフタ空間21aの底面の形状に沿った電磁
石37aがばね受け36aと対向して着座されている。
電磁石37aはばね受け36aに対する電磁石37aの
対向面側にN極又はS極の一方を発生するように対向配
置されている。電磁石37aに対するばね受け36aの
対向面はN極又はS極の一方に設定されている。電磁石
37aへの励磁電流の供給方法及び制御方法は第1実施
形態と同じである。
【0041】図8に軸部26,27、バルブスプリング
34,35、ばね受け36a、電磁石37aの配置の関
係を表した略斜視図を示す。次に、本実施形態の動弁装
置が設けられた内燃機関の低速回転状態及び高速回転状
態にある場合の動作について説明する。
【0042】内燃機関が低速回転状態にある場合には、
コントローラ38はオルタネータ39から電磁石37a
へ励磁電流Aを供給しない制御を行う。したがって、電
磁石37aは磁化されないため、ばね受け36aと電磁
石37aとの間に反発力が発生することがなく、ばね受
け36aと電磁石37aは互いに接した状態で維持され
る。
【0043】一方、内燃機関が高速回転状態にある場合
には、コントローラ38は、エンジン回転数Nに応じた
大きさの励磁電流Aをオルタネータ39から電磁石37
aへ供給する制御を行い、ばね受け36aと電磁石37
aとの間に反発力が発生する。この反発力により、ばね
受け36aはバルブスプリング34,35の不動端34
a,35aと共に押し上げられ、バルブスプリング3
4,35の不動端34a,35aと従動端34b,35
bとの間隔は狭められる。
【0044】以上のように構成された本実施形態のリフ
ト荷重変更装置10aによれば、第1実施形態と同様の
作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を得ること
ができる。
【0045】(2−1)全気筒のばね受け及び電磁石を
一体にすることで気筒毎のバルブスプリングの荷重の制
御のバラツキを少なくすることができる。 (2−2)ばね受け36aと電磁石37aとがより広い
面積において反発力を発生させることにより、ばね受け
36aを均一に押し上げ、ばね受け36aの傾きを更に
軽減できる。
【0046】(2−3)気筒毎に構成されていたばね受
けと電磁石を一体にすることにより部品点数を削減する
ことができ、構成も簡略化できる。 (第3実施形態)続いて、本発明の内燃機関の動弁装置
を具体化した第3実施形態を図9〜図11に基づいて説
明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同
じ構成部については符号を等しくしてその詳細な説明を
省略する。
【0047】本実施形態では、ばね受け及び電磁石をバ
ルブ毎に設けたことを特徴とする。図9に示されるよう
にバルブ24,25が傾斜して配されるDOHCエンジ
ンを例として説明する。
【0048】シリンダヘッド11aには、収容孔19,
20が互いに傾斜して形成されている。吸気バルブ24
をガイドする円筒形状のバルブガイド22が収容孔19
から吸気通路13にかけて貫通固定されており、排気バ
ルブ25をガイドする円筒形状のバルブガイド23が収
容孔20から排気通路14にかけて貫通固定されてい
る。
【0049】バルブガイド22,23にはそれぞれ永久
磁石製のリング状のばね受け36b,36cがスライド
可能に嵌入されており、ばね受け36b,36cとばね
受け32,33との間にはコイル状のバルブスプリング
34,35が介在されている。ばね受け36b,36c
に接するバルブスプリング34,35の一端34a,3
5aはバルブ24,25に連動しない不動端であり、ば
ね受け32,33に接する他端34b,35bはバルブ
24,25に連動する従動端である。
【0050】収容孔19,20の底部にはリング形状の
電磁石37b,37cがばね受け32,33と対向して
着座されている。電磁石37b,37cはばね受け36
b,36cに対する電磁石37b,37cの対向面側に
N極又はS極の一方を発生するように対向配置されてい
る。電磁石37b,37cに対するばね受け36b,3
6cの対向面はN極又はS極の一方に設定されている。
電磁石37b,37cへの励磁電流の供給方法及び制御
方法は第1及び第2実施形態と同じである。
【0051】図10は、内燃機関が低速回転状態にある
場合の動弁装置1bの吸気側バルブを拡大した断面図で
ある。図11は、内燃機関が高速回転状態にある場合の
動弁装置1bの吸気側バルブを拡大した断面図である。
【0052】以上のように構成された本実施形態のリフ
ト荷重変更装置10bでは、リフト荷重変更装置10b
をバルブ毎に設けたことにより、傾斜して設けられたバ
ルブ24,25についても対応できる。また、第1実施
形態における(1−2)項の効果を除いて第1実施形態
と同様の効果が得られる。
【0053】なお、上記各実施形態は以下のような実施
形態も可能である。 ・反発力を発生する永久磁石及び電磁石をバルブスプリ
ングの従動端とガイド筒28,29との間に設けてもよ
い。
【0054】・リフト荷重変更装置10,10a,10
bでは、ばね受け36,36a,36b,36cに永久
磁石を用い、電磁石37,37a,37b,37cをシ
リンダヘッド11,11aに設置したが、両部材を逆に
設置した構成にしてもよい。
【0055】以上、各実施形態について説明したが、上
記各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想に
ついて、以下にそれらの効果と共に記載する。 ・請求項1に記載の動弁装置において、前記変更手段は
電子制御であることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
【0056】このようにすれば、バルブスプリング3
4,35が軸部26,27を押し上げるリフト荷重の大
きさを容易に制御することができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
2に記載の発明によれば、電磁石の磁力によってバルブ
スプリングの両端の間隔を素早く変更することができ
る。
【0058】請求項3に記載の発明によれば、電磁力を
調整することにより、バルブスプリングの両端の間隔を
調整することができる。請求項4に記載の発明によれ
ば、複数個のバルブスプリングの両端の間隔を単一手段
で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の動弁装置の断面図(低速回転
時)。
【図2】同実施形態の動弁装置の断面図(高速回転
時)。
【図3】同実施形態の要部の略斜視図。
【図4】同実施形態の制御の流れの概略図。
【図5】同実施形態の励磁電流と内燃機関の回転数との
関係を示すグラフ。
【図6】同実施形態の励磁電流とカム角との関係を示す
グラフ。
【図7】同実施形態の荷重とカム角との関係を示すグラ
フ。
【図8】第2実施形態の要部の略斜視図。
【図9】第3実施形態の動弁装置の断面図。
【図10】同実施形態の動弁装置の拡大断面図(低速回
転時)。
【図11】同実施形態の動弁装置の拡大断面図(高速回
転時)。
【符号の説明】
10,10a,10b…リフト荷重変更装置、11,1
1a…シリンダヘッド、17…吸気用カム、18…排気
用カム、21…リフト空間、21a…連続リフト空間、
24…吸気バルブ、25…排気バルブ、32,33…ば
ね受け、34,35…バルブスプリング、36,36
a,36b,36c…ばね受け、37,37a,37
b,37c…電磁石。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス通路を開閉するバルブに荷重を加え
    るバルブスプリングの両端の間隔を変更させることによ
    って前記ガス通路を閉じる方向へ前記バルブを付勢する
    前記荷重を変更させる内燃機関の動弁装置において、 磁力によって前記バルブスプリングの両端の間隔を変更
    させる変更手段を有することを特徴とする内燃機関の動
    弁装置。
  2. 【請求項2】 前記変更手段は、前記バルブスプリング
    の前記バルブに連動しない不動端と、前記バルブに連動
    する従動端とのうちの不動端の位置を電磁力によってバ
    ルブスプリングの伸縮方向へ変更する請求項1に記載の
    内燃機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、前記バルブスプリング
    の不動端側に設けられた永久磁石と、前記永久磁石を前
    記不動端側から従動端側へ反発するように配置された電
    磁石と、前記電磁石の電磁力を調整する電磁力調整手段
    とを備えている請求項2に記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3に記載の内燃機関の動弁
    装置において、全気筒のうちの少なくとも1つにおける
    全バルブスプリングの両端の間隔を単一の前記変更手段
    によって変更するようにした内燃機関の動弁装置。
JP21184397A 1997-08-06 1997-08-06 内燃機関の動弁装置 Pending JPH1150822A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5843184B1 (ja) * 2014-12-25 2016-01-13 Zメカニズム技研株式会社 Xy分離クランク機構を備えた駆動装置
US9969535B2 (en) 2003-07-18 2018-05-15 Creanova Ag Hinged closure moulded in closed position

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US9969535B2 (en) 2003-07-18 2018-05-15 Creanova Ag Hinged closure moulded in closed position
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