JPH115081A - 汚水の汚濁物分離装置 - Google Patents

汚水の汚濁物分離装置

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JPH115081A
JPH115081A JP32394797A JP32394797A JPH115081A JP H115081 A JPH115081 A JP H115081A JP 32394797 A JP32394797 A JP 32394797A JP 32394797 A JP32394797 A JP 32394797A JP H115081 A JPH115081 A JP H115081A
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JP
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packing
sewage
wastewater
pollutant
layer
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JP32394797A
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English (en)
Inventor
Yasuo Namita
靖夫 波田
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Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
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  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】フィルタのように目詰まりを起こすことがな
く、簡便、安価、効率よくかつ寿命の長い汚水の汚濁物
分離装置を提供すること。 【構成】処理槽の汚水収容部の流通路に沈降しない充填
物を浮遊させて集合させた充填物集合体層を設ける。充
填物が繊維又は繊維加工製品である、あるいは酸性及び
塩基性の少なくとも一方を有する、あるいは形状、大き
さ、比重が異なる少なくとも二種からなる。充填物を攪
拌する攪拌手段を設ける。 【効果】上記目的を達成し、フィルタによる濾過の前処
理装置としても使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば排水処理等にお
いて単独でも使用できるが、フィルタで処理する前段階
で前処理用として使用できる汚水の汚濁物質分離装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】排水処理、食品工業その他の分野では、
汚水の汚濁物質である微粒子を除去する手段として、フ
ィルタは一般的に良く知られている。このようなフィル
タを使用する場合、捕捉可能な粒径により長短はある
が、いずれも必ず目詰まりによる性能劣化を起こすこと
を避けられない。それ故に、高い捕捉効率を維持し、か
つ寿命を延ばすことはフィルタを製造、あるいは利用す
る上で重要な課題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の濾紙あるいは不
織布からなるフィルタは、目詰まりによる性能劣化を起
こすことを避けられず、その寿命の点で問題があった。
本発明の第1の目的は、従来のフィルタのような目詰ま
りによる性能劣化を起こし難く、その性能を長く、すな
わち寿命を長くできる汚水の汚濁物分離装置を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、構造、使用方法が
簡単で便利である簡便、高効率、かつ安価な汚水の汚濁
物分離装置を提供することにある。本発明の第3の目的
は、汚濁程度の高い汚水も濾過効率よく、寿命を長くし
て使用できる汚水の汚濁物分離装置を提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、フィルタで処理する前段階
の前処理装置として使用でき、後工程で使用するそのフ
ィルタの負担を軽減し、その寿命を延ばすことができる
汚水の汚濁物分離装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、汚水を処理槽に導入して収容し
汚濁物質を分離する処理を行ない処理水を排出する汚水
の汚濁物分離装置であって、上記処理槽の汚水の収容部
の汚濁物質を分離する処理を行なう流通路に沈降しない
充填物を浮遊させて集合させた充填物集合体層を有する
汚水の汚濁物分離装置を提供するものである。また、本
発明は、(2)、充填物集合体層の充填物が繊維及び繊
維加工製品の少なくとも1種の細片である上記(1)の
汚水の汚濁物分離装置、(3)、充填物集合体層の充填
物が酸性及び塩基性の少なくとも一方を有する上記
(1)又は(2)の汚水の汚濁物分離装置、(4)、充
填物集合体層の充填物が形状の異なる少なくとも二種の
充填物の混合物からなる上記(1)ないし3のいずれか
に記載の汚水の汚濁物分離装置、(5)、充填物集合体
層の充填物が大きさの異なる少なくとも二種の充填物の
混合物からなる上記(1)ないし(4)のいずれかの汚
水の汚濁物分離装置、(6)、充填物集合体層の充填物
が比重の異なる少なくとも二種の充填物の混合物からな
る上記(1)ないし(5)のいずれかの汚水の汚濁物分
離装置、(7)、充填物集合体層の充填物を強制攪拌す
る攪拌手段を設けた上記(1)ないし(6)のいずれか
の汚濁物分離装置、(8)、攪拌手段は充填物を攪拌す
る攪拌翼を有する機械的手段、流体的手段及び振動手段
の少なくとも1つを有する上記(7)の汚濁物分離装置
を提供するものである。
【0005】本発明において、「処理槽」としては、汚
水の導入口と処理水の排出口を有することにより汚水を
収容でき、さらにその収容した水の流通路に充填物を浮
遊させて集合させた充填物集合層を形成でき、これによ
り導入口から汚水を導入してこの充填物集合層に通水し
ながら処理し、その処理水を排水できる筒体の器体であ
ればよいが、導入口を器体の一側部の下部に設け、排出
口を器体の側部の上部に設け、器体の底部には汚水を処
理することによって分離された汚濁物質の微粒子を集中
排除できる汚濁物質取出部を設けることが好ましい。処
理水の排出口には充填物を分離できるメッシュを設ける
ことが好ましい。メッシュは充填物が外部に逃げ出さな
いものであれば特に制約はない。器体の上部は開口して
着脱自在の蓋体を設け、充填物の出し入れ、メッシュの
交換、処理槽内部の清掃を行ない易くすることが好まし
い。処理槽の材質としては、金属、金属メッキ材、樹脂
等を使用することができる。
【0006】本発明において、充填物集合体層とは、処
理槽に収容した汚水に沈降しない充填物を浮遊させなが
ら集合させた層であり、「沈降しない」とは、水面に充
填物が集合する場合のみならず、水中にも集合する場合
でもよく、両者を併用する場合のいずれでもよいが、流
通する汚水がその集合層の間隙により汚濁物質を捕捉さ
れるものであればよい。充填物が沈降しないためには、
比重が水より小さい物は空洞を有しない充実体でもよい
が、比重が水より大きくても水に浮くように空間を有す
るものは使用でき、いずれも特に制約はない。比重が異
なるものを複数使用すると、充填物集合体を多層構造に
することができ、それぞれの層に適した汚濁物質を捕捉
することができる。充填物の比重を調整するには、充填
物素材中に比重の大きい微粒子を混合したり、また、逆
に微小な気泡の形成、発泡、中空化等により見掛けの比
重を変化させることもできる。充填物の材質及び状態と
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂の粒子、ペレット、ポリアミド、ポリ
エステルの中空バルーン、発泡ポリウレタン粒子、発泡
ポリスチレン粒子、多孔質ゴム粒子、ガラスバルーン、
短繊維、短中空繊維、織布、不織布等の繊維関連物質の
細片等、プラスチック、ゴム、セラミック材料、繊維関
連物質の粒子、ペレット、バルーン、細片、発泡粒子等
が使用できる。
【0007】また、充填物は、その表面に酸性、塩基
性、両性の性質を有するものでも良く、そのためにはこ
れらの物質を充填物表面に吸着させてもよく、高分子材
料からなる充填物のようにその高分子に酸性、塩基性あ
るいは両性の官能基を導入したものでもよく、両者の混
合物でもよい。このようにすると、汚水中のイオン性の
汚濁物質がそれぞれ反対極性の充填物表面に吸着され易
く、捕捉効率を増大することができる。充填物表面が両
性であれば、いずれのイオン性物質も吸着するので好ま
しい。具体的には、ポリプロピレン粒子表面に−COO
H、−SO3 H、−CONH2 をグラフト化したものも
使用できる。充填物表面にこれら官能基を付与する方法
としては、このグラフト化に関する後述する実施例の方
法も挙げられるが、これらの官能基その他の酸性基、塩
基性基、両性基のいずれかを有する樹脂等の成形、これ
に他の樹脂その他のものを混ぜた混合体の成形、これら
のいずれかの官能基を有する樹脂等を他の粒子表面に塗
布するいずれの方法でもよい。これら官能基を有する充
填物を使用すると、単なる物理的な汚濁物質の微粒子除
去とは別に化学的な分離の要素が加わった分離が可能に
なる。また、磁気を持ち金属を吸着できるものでもよ
く、例えは磁性体を樹脂やゴム等に混入し成形したもの
が挙げられる。充填物の形状は、球状、角状、棒状、偏
平状、繊維状や、織布あるいは不織布の細片等いずれで
もよく、これらは単独又は複数併用してもよい。また、
その大きさも水中で自由に回転できたり、移動できる大
きさであればよい。このように充填物は各種の比重、表
面の極性、形状、大きさのものをそれぞれにおいてある
いは複数に跨がって混合使用すると、それぞれに適合し
た汚濁物質を捕捉することができ、その捕捉効率を高め
ることができる。なお、充填物は網籠等に収容して処理
槽への出し入れを容易にしてもよい。
【0008】充填物集合体層の充填物は静置した場合に
は比較的定位置に留まろうとし、汚水から分離した汚濁
粒子が充填物間の間隙や空隙に詰まり易くなるので、充
填物と汚水の接触面積を大きくしたり、分離した汚濁粒
子を振るい落とすためにも、強制攪拌することが好まし
く、そのためには充填物を攪拌する攪拌翼を有する機械
的手段、流体的手段及び振動手段の少なくとも1つを設
ける。攪拌翼を有する機械的手段としては、例えば単独
又は複数の翼を有し、後者の場合にはそれを多段に設け
ることもできる構造であって、その翼が例えば羽根状又
は螺旋状であり、その翼を軸を中心に回転させたり、そ
の軸を軸方向に変位させたりするいずれかの少なくとも
1つを選択することができる。これらの回転や変位は供
給汚水の水流、その他の水流、空気圧、モータ、その他
の機械的動力によって行うことができるが、手動で行っ
てもよく、これらは時々行ってもよいが、特に前者の水
流等の手動以外のものは連続的に行ってもよい。また、
充填物を変動させる流体的手段としては、例えば処理槽
に流体の供給口を汚水の流れ方向又はこれに直角又はそ
の角度を問わず単独又は分岐して突出させるように配管
し、その供給流体圧で充填物を変動させる流体圧変動手
段であって、その流体が例えば処理しようとする汚水で
ある場合、その他の液体である場合、空気等の気体であ
る場合の少なくともいずれか1つの手段が挙げられる。
また、振動手段とは超音波を利用すること、容器そのも
のを機械的に振動させる等のことが挙げられる。これら
手段は併用することもできる。充填物集合体層の下方の
処理槽の筒体を逆円錐状に形成すると、その尖端から分
離した汚物を効率よく取り出すことができるので好まし
い。この場合処理槽の筒体の上部を円あるいは楕円状に
形成することも好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に示すように、1は汚濁物分
離装置であり、上面を開口した有底円筒体の器体からな
る処理槽2の一側部の下方に導入管3が設けられている
とともに、処理槽2の側部の上部に管を処理槽2内部の
水平側よりその外側の部分を立ち上がらせて屈曲し再度
垂直下方に屈曲しその先端位置をその内部の水平側より
下方に位置させた排出管4が設けられ、その内側の端部
には筒状メッシュからなる分離体4aが取り付けられ、
さらに処理槽2の上部開口部には着脱自在の蓋体5がボ
ルト締め等により設けられ、その処理槽2の底部中央に
は分離した汚濁物取出管6が設けられ、これにバルブ7
が設けられている。そして、処理槽2には、汚水が導入
管3から導入され、処理槽2に収容された状態で、充填
物8、8・・・が浮遊された状態で集合された充填物集
合体層9が形成されるように、充填物が収容されてい
る。その寸法は、処理槽2の内径Dに対し、蓋体5を含
めた処理槽2の長さL、充填物集合体層9の長さL1
充填物集合体層9の上端から蓋体5の上面までの長さL
2 、充填物集合体層9の下端(導入管3の位置とほぼ一
致)から処理槽2の底部までの長さL3 、導入管3の内
径D1 、排出管4の内径D2 、取出管6の内径D3 とす
ると、L=L1 +L2 +L3 >2D、L1 =2.0〜2
0D、L2 =0.1〜1D、L3 =1〜3D、D1 =D
2 <D/2、D3 <D/2とすることが好ましい。この
ような構成において、図1に示すように、汚水を導入管
3から導入し、処理槽2に収容した充填物をその汚水の
収容とともに浮遊させて、充填物集合体層9を形成し、
これに通水し、さらに分離体4aを介して排水管4から
排水するようにすると、汚水は充填物集合体層9の浮遊
する充填物8、8・・・の間隙、空隙を通って上昇する
が、その過程で汚濁物質は充填物に衝突して通過を阻止
され、これが充填物集合体層9の全長において行われ、
汚水は濾過されて排出される。通過を阻止された汚濁物
質の粒子は重力の作用により次第に下方に沈降し、最終
的には底部に溜まる。その際、排出管4はその流入部よ
り取出部の外側部分が立ち上がっており、その立ち上が
りの位置を水面と同じ位置(充填物集合体層9の上端)
にすると、その水面の処理水を多く取り出すことができ
る。このようにして汚水を処理すると、充填物は浮遊
し、自由に回転、移動ができ、その相互の間隔が変動す
るので汚濁物質が充填物に付着してもその間隔を閉じる
ようなことがなく、しかも充填物は回転、移動により汚
濁物質に対して新たな表面を提供でき、したがって濾紙
のように目詰まりを起こすこともなく、その寿命を長く
維持することができる。なお、図1では処理槽2の底部
は平底であったが、L3 の部分あるいはその下方半分が
逆円錐状でもよく、さらに偏平逆円錐状でもよく、汚濁
物質の粒子が集中し易くする点で好ましい。
【0010】また、図2に示すように、11は強制攪拌
を可能にした汚濁物分離装置であり、上面を開口し、底
部を逆円錐状に形成した有底円筒体の器体からなる処理
槽12の一側部の上下方向中間に、導入管13が処理槽
12の側部の下部に設けられているとともに、処理槽1
2の側部の上部に一端をその内部に連通した水平部を有
しその先端を垂直下方に屈曲した排出管14が設けら
れ、その内側の端部直下の処理槽12の水平方向全面に
は平板状メッシュからなる分離体14aが取り付けら
れ、さらにその処理槽12の逆円錐状底部尖端には分離
した汚濁物取出管16が設けられ、これにバルブ17が
設けられている。また、上記導入管13の供給口の上方
で処理槽12のやや下方よりの中央には、軸の下端に回
転羽根15aを有する攪拌翼15が設けられている。そ
して、処理槽12には、汚水が導入管13から導入さ
れ、処理槽12に収容された状態で、充填物8、8・・
・が浮遊された状態で集合された充填物集合体層19が
形成されるように、充填物が収容されている。その寸法
は、処理槽12の内径Dに対し、処理槽2の長さL、充
填物集合体層19の長さL1 、充填物集合体層19の上
端から開口部までの長さL2 、充填物集合体層19の下
端(導入管3の位置とほぼ一致)から処理槽12の底部
までの長さL3 、導入管13の内径D1 、排出管14の
内径D2 、取出管16の内径D3 とすると、L=L1
2 +L3 >2D、L1 =2〜20D、L2 =0.1〜
1D、L3 =1〜3D、D1 =D2 <D/2、D3 <D
/2とすることが好ましい。このような構成において、
図2に示すように、汚水を導入管13から導入し、処理
槽12に収容した充填物をその汚水の収容とともに浮遊
させて、充填物集合体層19を形成し、攪拌翼15を回
転しながら、この状態で通水し、さらに分離体14aを
介して排水管14から排水するようにすると、汚水は充
填物集合体層19の浮遊し、攪拌翼15の回転数に応じ
て攪拌される充填物8、8・・・の間隙、空隙を通って
上昇するが、その過程で汚濁物質は充填物に衝突して通
過を阻止され、これが充填物集合体層19の全長におい
て行われ、汚水は濾過されて排出される。通過を阻止さ
れた汚濁物質の粒子は重力の作用と攪拌による充填物か
らの剥離により次第に下方に沈降し、最終的には底部に
溜まる。その際、排出管14は分離体14aより上方に
位置するので、汚濁物質を除去(濾過)された浄化水を
取り出すことができる。また、図3に示すように、導入
管13が処理槽12の内部で垂直に立ち上がらせられ、
さらに水平に突出されてその供給口が処理槽12の中央
下部寄りに位置するように設けられ、供給汚水の圧力で
充填物の攪拌を行うこともできる。このようにして汚水
を処理すると、浮遊している充填物は供給汚水の圧力に
よる強制攪拌により自由に回転、移動し、その相互の間
隔が絶えず変動するので汚濁物質が充填物に付着しても
その間隔を閉じるようなことがなく、しかも充填物は回
転、移動により汚濁物質に対して新たな表面を提供で
き、その接触面積を大きくできるとともに、付着した汚
濁物質を振るい落とし、したがって濾紙のように目詰ま
りを起こすこともなく、その寿命を長く維持することが
できる。その際、供給汚水の圧力を大きくすると、充填
物の攪拌は十分に行われるので、これを連続的又は時々
行ってもよいが、汚水の汚濁程度によっては濾過が不十
分になり、十分な浄化水が得られない場合があり、その
ときは充填物間に汚濁物質が詰まり、充填物が変動し難
くなるので、図2の攪拌翼15を併用してもよい。この
場合、攪拌翼15を作動させると、充填物を供給汚水の
圧力の場合よりさらに強く強制攪拌することができ、充
填物に付着した汚濁物質がその充填物の攪拌あるいは充
填物同士の衝突によりさらによく振るい落とされ、充填
物はその元の表面状態を常に回復し、当初と同様に汚濁
物質の分離機能を持つことができるようになる。この場
合も、連続して攪拌することもできるが、攪拌を時々行
うようにしてもよい。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に示すD=90mm、L=L1 +L2 +L3 =35
0mm、L1 =200mm、L2 =50mm、L3 =1
00mm、D1 =D2 =6mm、D3 =16mmであっ
て、ステンレススチール製の円筒状メッシュからなる分
離体4a(穴径1mm角、直径10mm×長さ50m
m)を用い、充填物としてポリプロピレン製のペレット
(直径3mm×長さ3mm)を処理槽2に、上記L1
200mm、すなわち汚水を収容した場合の水面から導
入管3の所までの長さになる量の充填体を収容し、汚水
として水道水に0.5%の下記表1の粒度分布の試験用
ダスト(JIS Z8901 試験用ダスト8種(関東
ローム層の微粒子)を混ぜたものを使用し、0.40m
/秒の流速で導入管3より処理槽2内に導入し、処理槽
2に汚水を収容して上記充填物を上記長さになるように
浮遊集合させ、排出管4より排出させた。排出開始後1
0分の時点より20分間排出管4からサンプルを採取
し、0.1μのメンブレンで濾過することにより残存微
粒子量を求めた。これより20分間でのダスト捕捉量を
求め、20分間での投入ダスト量全体に対する割合であ
る微粒子の捕捉効率を求めたところ78%であった。こ
の測定時点では捕捉効率はよいので、その寿命は長い
(○)と判断した。これらの結果を表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】実施例2 実施例1において、充填物として4デニール×10mm
長さのポリプロピレン繊維を用いたこと以外は同様にし
て試験を行ったところ、微粒子の捕捉効率は85%であ
り、寿命は長いと判断された。これらの結果を表2に示
す。充填物が繊維の場合、球状とは異なり、一部繊維間
の絡み合いも認められており、充填物間の間隔、空隙が
狭められた分だけ、ダストの除去率が向上したものと推
測できる。異種の形状の充填物、大きさのことなる充填
物を使用した場合も同様の効果が得られ、これらを複数
併用してその効果をさらに高めるようにしてもよく、実
施例1又は2、あるいは両者に準じて実施できる。
【0014】実施例3 実施例1において、半分はポリプロピレン粒子(比重
0.90、直径2mm)を用い、残りの半分はこのポリ
プロピレン90部にタルク11部を混練りして作製した
ペレット(比重0.97、直径6mm×長さ3mm)を
用いたこと以外は同様にして試験を行ったところ、この
場合には汚水を流している間に、充填物集合体層は上層
がポリプロピレン粒子層で、下層がペレット層の2層に
分かれたが、微粒子の捕捉効率は84%であり、寿命は
長いと判断された。これらの結果を表2に示す。
【0015】実施例4 ポリブロピレン粒子(直径6mm×長さ3mm)を濃度
1%のベンゾフェノンのアセトン溶液に1分間浸漬後、
25℃で30分乾燥した。次いで、得られた粒子(10
重量部)を15%のアクリル酸(CH2 =CHCOO
H)溶液(100重量部)と共に石英ガラス製容器に仕
込み、脱気処理した後、25℃で10分間、400W高
圧水銀灯による照射(平均波長400nm)した。反応
後、熱水で洗浄濾過し、乾燥した。このようにしてアク
リル酸をグラフトしたポリブロピレン粒子が得られた
が、重量から求めたアクリル酸のグラフト率は5%であ
った。この粒子は水に投入すると表面に浮かぶ。実施例
1において、充填物としてこのグラフト処理したポリブ
ロピレン粒子を使用すること以外は同様にして試験を行
なった。その結果を表2に示す。また、充填物を1%硫
酸銅溶液に1時間浸漬した場合、水洗してから濾過した
粒子表面は青く着色しており、銅イオンを吸着除去でき
ることが分かった。一方、溶液側の着色は認められず、
その溶液の銅イオン濃度は50ppm以下であった。
【0016】実施例5 図3に示すD=90mm、L=L1 +L2 +L3 =35
0mm、L1 =200mm、L2 =30mm、L3 =1
20mm、D1 =D2 =6mm、D3 =16mmであっ
て、ステンレススチール製の平板状メッシュからなる分
離体14a(穴径1mm角、直径90mm)を用い、充
填物としてポリプロピレン製のペレット(直径3mm×
長さ3mm)を処理槽12に、上記L1 =200mm、
すなわち汚水を収容した場合の分離体14aから導入管
13の所までの長さになる量の充填体を収容し、汚水と
して水道水に0.5%の下記表1の粒度分布の試験用ダ
スト(JIS Z8901 試験用ダスト8種(関東ロ
ーム層の微粒子)を混ぜたものを使用し、60m/秒の
流速で導入管13より処理槽12内に導入し、充填体を
攪拌しながら(攪拌翼15は停止したままにする)、処
理槽2に汚水を収容して上記充電物を上記長さになるよ
うに浮遊集合させ、排出管4より排出させた。排出開始
後10分の時点より排出管4から20分間サンプルを採
取し、0.1μのメンブレンで濾過することにより残存
微粒子量を求め、実施例1と同様にして微粒子の捕捉効
率を求めたところ、81%であった。その捕捉効率はダ
スト混入量が多いにもかかわらず良く、上記実施例1の
ものに比べても良いので、その寿命は顕著に長い(◎)
と判断した。これらの結果を表3に示す。
【0017】実施例6 実施例5において、図3の装置の代わりに導入管13の
屈曲部分をなくし迂回することなく直ちに処理槽12に
汚水を導入することと、攪拌翼15を設けた以外は同様
に形成した図2の装置を用い、試験用ダストを水道水に
1%混ぜた汚水を使用するとともに、その汚水の導入速
度を10m/秒にし、充填体は定位置で変動はするが攪
拌はされない状態にして、通水して処理したところ、2
時間後に充填体は殆ど変動せず、分離された汚濁物質が
その間隙や空隙を埋めた状態になり、浄化水側にダスト
が混入してきたことが目視できたので、攪拌翼15を毎
分15回転で回転させた。この回転を始めて間もなく、
ほぼ当初と同様な清浄な浄化水が得られた。その浄化水
について実施例5と同様に残留微粒子量を求め、捕捉効
率を計算したところ83%であった。その捕捉効率はダ
スト混入量が多いにもかかわらず良く、上記実施例1の
ものに比べても減少しないと目視により判断できるの
で、その寿命は顕著に長い(◎)と判断した。これらの
結果を表3に示す。なお、この回転を1分行って停止
し、その停止時間を10〜20分毎にして再度同様の回
転を行なう、時々回転させる方法によれば、その停止時
間中は分離された汚濁物質の攪拌が停止されるので、そ
の沈降を促すことができ、より好ましいことが分かっ
た。なおまた、本実施例の攪拌翼15の回転を充填体間
に対する汚濁物質の詰まり具合をみて変速したり、停止
したりし、これを自動制御することもでき、さらにこれ
らを含めて実施例5と同様な方法を組み合わせて実施す
ることもできる。
【0018】実施例7 実施例5において、充填物として実施例2で使用した充
填物を用いたこと以外は同様にして汚水を処理したとこ
ろ、表3に示すとおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に
長いと判断された。
【0019】実施例8 実施例6において、充填物として実施例2で使用した充
填物を用いたこと以外は同様にして汚水を処理したとこ
ろ、表3に示すとおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に
長いと判断された。
【0020】実施例9 実施例5において、充填物として実施例3で使用した充
填物を用いたこと以外は同様にして汚水を処理したとこ
ろ、表3に示すとおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に
長いと判断された。
【0021】実施例10 実施例6において、充填物として実施例3で使用した充
填物を用いたこと以外は同様にして汚水を処理したとこ
ろ、表3に示すとおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に
長いと判断された。
【0022】実施例11 実施例5において、充填物として実施例4で使用した充
填物を用いたこと及び汚水に0.1%硫酸銅を混ぜたこ
と以外は同様にして汚水を処理したところ、表3に示す
とおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に長いと判断され
た。また、充填物は銅イオンを吸着して着色することか
ら、溶液中の硫酸銅が吸着除去されることも分かった。
【0023】実施例12 実施例6において、充填物として実施例4で使用した充
填物を用いたこと及び汚水に0.1%硫酸銅を混ぜたこ
と以外は同様にして汚水を処理したところ、表3に示す
とおり、捕捉効率はよく、寿命は顕著に長いと判断され
た。また、充填物は銅イオンを吸着し着色することから
硫酸銅が吸着除去されることも分かった。
【0024】比較例1 実施例1において、充填物を使用せず、充填物集合体層
を設けなかったこと以外はと同様にして試験を行ったと
ころ、微粒子の捕捉効率は2%であった。この結果を表
2に示す。
【0025】比較例2 実施例1において、充填物を使用せず、筒状メッシュか
らなる分離体4aの代わりに、不織布製フィルタ(長さ
70mm×直径40mm、孔径50μ、厚さ500μの
ポリエステル製円筒フィルタ)を設置したこと以外は同
様にして試験を行なった。この場合、30秒過ぎると急
激に圧損が増し、水の通過量も急激に減ったため、50
秒で試験を中断した。実施例1と同様に測定したとこ
ろ、その時点でのダストの捕捉効率は94%であった
が、実際の全捕捉量は4.6gと著しく低かった。フィ
ルタは目詰まりのため使用不可、すなわち寿命は短い
(×)と判断した。この結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】表2の結果から、実施例1〜4のものは、
「捕捉効率(%)」が少なくとも78%であり、寿命も
長いのに対し、比較例1は捕捉効率が悪く、実用になら
ず、比較例2は寿命が短いことがわかる。また、表3の
結果から、「捕捉効率(%)」が少なくとも79%であ
り、汚水の汚濁程度が高いことを考えると、寿命が顕著
に長いことがわかる。なお、本発明を「フィルタの前段
階で使用する汚水の汚濁物分離装置」、「汚水の汚濁物
質分離方法」とし、これに応じた表現に代えても良く、
「汚濁物質」を「固体物質」、「固体微粒子物質」とし
てもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、充填物を浮遊させ集合
させた充填物集合体層を設けたので、充填物の間隔、空
隙が変動し、従来のフィルタのような目詰まりによる性
能劣化を起こし難く、その性能を長く、すなわち寿命を
長くでき、また、汚水流路の途中に充填物を集合させた
層を設けることが主要構成であるので、構造、使用方法
が簡単で便利である簡便な、効率のよい、しかも汚水の
通水が可能であればその他の動力を必要とせず、充填物
の交換も少なくて済み、安価である汚濁物分離装置を提
供することができ、これにより、汚水の浄化、濾過装置
としても使用できるのみならず、フィルタで処理する前
段階の前処理装置として使用すると、後工程で使用する
そのフィルタの負担を軽減し、その寿命を延ばすことが
できるというフィルタの補助装置としても優れた効果を
有することができる。また、充填物を強制攪拌すること
により、充填物集合体層の濾過機能を濾紙の場合に比べ
れば勿論、その強制攪拌しない場合に比べても顕著に長
く維持でき、これにより汚濁程度の高い汚水も効率良
く、かつ寿命を長くして処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置の断面正面模式図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の装置の断面正面模式図で
ある。
【図3】本発明のさらに他の実施例の装置の断面正面模
式図である。
【符号の簡単な説明】
1、11 汚濁物分離装置 2、12 処理槽 3、13 導入管 4、14 排出管 4a、14a 分離体 5 蓋体 6、16 汚濁物取出管 8、8・・充填物 9、19 充填物集合体層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水を処理槽に導入して収容し汚濁物質
    を分離する処理を行ない処理水を排出する汚水の汚濁物
    分離装置であって、上記処理槽の汚水の収容部の汚濁物
    質を分離する処理を行なう流通路に沈降しない充填物を
    浮遊させて集合させた充填物集合体層を有する汚水の汚
    濁物分離装置。
  2. 【請求項2】 充填物集合体層の充填物が繊維及び繊維
    加工製品の少なくとも1種の細片である請求項1に記載
    の汚水の汚濁物分離装置。
  3. 【請求項3】 充填物集合体層の充填物が酸性及び塩基
    性の少なくとも一方を有する請求項1又は2に記載の汚
    水の汚濁物分離装置。
  4. 【請求項4】 充填物集合体層の充填物が形状の異なる
    少なくとも二種の充填物の混合物からなる請求項1ない
    し3のいずれかに記載の汚水の汚濁物分離装置。
  5. 【請求項5】 充填物集合体層の充填物が大きさの異な
    る少なくとも二種の充填物の混合物からなる請求項1な
    いし4のいずれかに記載の汚水の汚濁物分離装置。
  6. 【請求項6】 充填物集合体層の充填物が比重の異なる
    少なくとも二種の充填物の混合物からなる請求項1ない
    し5のいずれかに記載の汚水の汚濁物分離装置。
  7. 【請求項7】 充填物集合体層の充填物を強制攪拌する
    攪拌手段を設けた請求項1ないし6のいずれかに記載の
    汚濁物分離装置。
  8. 【請求項8】 攪拌手段は充填物を攪拌する攪拌翼を有
    する機械的手段、流体的手段及び振動手段の少なくとも
    1つを有する請求項7に記載の汚濁物分離装置。
JP32394797A 1997-04-25 1997-11-11 汚水の汚濁物分離装置 Pending JPH115081A (ja)

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JP9-121477 1997-04-25
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112013007085B4 (de) 2013-05-16 2019-08-14 Mitsubishi Electric Corporation Aufzugsteuersystem

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