JPH11507745A - 不等辺の基部三角形を有する再帰反射キューブコーナ製品 - Google Patents

不等辺の基部三角形を有する再帰反射キューブコーナ製品

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JPH11507745A JP9503163A JP50316397A JPH11507745A JP H11507745 A JPH11507745 A JP H11507745A JP 9503163 A JP9503163 A JP 9503163A JP 50316397 A JP50316397 A JP 50316397A JP H11507745 A JPH11507745 A JP H11507745A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つの面、好ましくは2つ以上の面において広範囲の再帰反射照射角を形成する、改善されたキューブコーナ再帰反射製品を提供する。本発明に従った製品は、実質的平行な溝群の3つの交差するセットによって形成される、少なくとも1つのキューブコーナ要素配列を有する組織化表面を含む。各キューブコーナ要素は、3つの交差する溝セットの各々の1つの溝によって画定される不等辺の基部三角形を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 不等辺の基部三角形を有する再帰反射キューブコーナ製品 発明の分野 本発明は、組織化表面を有する再帰反射製品に関する。特に本発明は、不等辺 の基部三角形を具備するキューブコーナ再帰反射要素を含む組織化表面を有する 再帰反射シートと、該製品を形成するための型に関する。 背景 キューブコーナ再帰反射要素に依存する再帰反射製品は、交通および個人安全 標識関連用途において広く受け入れられている。キューブコーナ再帰反射シート は、悪い照明条件の下および夜間における道路標識の可視性、または顕著性を向 上させるために広く使用されている。キューブコーナ再帰反射シートは、車両顕 著性標識関連用途においても広く受け入れられる。例えば米国では、政府規制に よりセミトラックトレーラーに再帰反射材料を配置して、これらの車両の顕著性 を向上させることが要求される。キューブコーナ再帰反射シートのその他の用途 としては、高度可視性衣料用の再帰反射シートなどが挙げられる。 基礎的なキューブコーナ再帰反射要素は、再帰反射技術で良く知られている。 この要素は、概して単一基準点、または頂点で交差する3つの相互に実質的垂直 な側面を有し、基部三角形が頂点に対向した三面体構造である。要素の対称軸、 または光学軸は、キューブ頂点を通って延び、キューブコーナ要素の内部空間を 三等分する軸である。機能に際しては、キューブコーナ要素の底面へ入射した光 が3側面のそ れぞれに反射して、光源に向けて方向転換する。側方キューブコーナ面からの反 射は、正反射を通じて達成されることもあり、その場合、キューブコーナ要素の 側面は、例えばアルミニウムまたは銀などの正反射性物質で被覆される。代案と して全内反射の原理によって反射が達成されることもあり、その場合、キューブ コーナ要素の面は、正反射性材料で被覆されない。概して再帰反射シートには、 キューブコーナ反射性要素の少なくとも1配列を含む組織化表面が組み込まれ、 対象物の可視性を向上させる。シートによって再帰反射される総合光は、個々の キューブコーナ要素によって再帰反射される光の合計である。 「照射角形成」という用語は、シートに入射する光の照射角およびシートの方 向の関数として、再帰反射シートの再帰反射性能について述べるために一般に使 用される。入射光の照射角は、典型的にはシートの底面に直角に延びる軸に関し て測定される。製品の再帰反射性能は、特定の照射角で製品が反射する製品面に 入射する総合光の百分率として表現することもできる。 従来の平頭のキューブコーナ再帰反射要素は、照射角が良好でない。入射光の 照射角が要素の光学軸をはずれると、従来のキューブコーナ要素によって再帰反 射される光量は、急速に落ち込む。同様に傾斜しない平頭のキューブコーナ要素 を用いる再帰反射シートも、シートに高照射角度で入射する光に対する再帰反射 性能に劣る。 複数面において広い照射角を示す再帰反射シートは、多くの用途に恩恵をもた らす。このような用途の1つは、トラック輸送産業のための再帰反射顕著性シー トに関する。トラック顕著性シートは、典型的にはトレーラーのフレームに対し て水平方向および垂直方向にトラックトレーラーの後方と側方に配置される。効 果的に機能するためには、どちらの方向にシートが配置された場合でも、シート はトレーラーに高照射角度で入射する光を再帰反射しなくてはならない。したが って 2面において広い照射角を示す再帰反射トラック顕著性シートを提供することが 望ましいであろう。標識用途もまた、複数面で広い照射角を有する再帰反射シー トから恩恵を被るであろう。特に広い照射角の複数面を有する再帰反射シートは 、シートを標識上で特定方向に配置する重要性を低下させる。 「タイル貼り」として技術分野で一般に知られている、複数面に広い照射角を 有する再帰反射製品を製造するための1方法は、複数の傾斜キューブコーナ配列 の不連続なタイルをシート上に異なる方向で配列することを伴う。タイル貼りに 関する出版物の例は、広い照射角の複数面がある製品を効果的に製造する利点を 有するタイル貼りを含む。しかしタイル貼りには、いかなる特定方向でもタイル 貼り部分のごく一部だけが、それらの表面に入射する光の最大量を再帰反射する ように方向付けられているという固有の不都合がある。その結果、タイル貼りキ ューブコーナシートは、照射角を複数面で得るために、いかなる特定方向でも固 有の輝度損失を被る。 米国特許第4,588,258号では、2つの広い照射角の面を有する再帰反射製品が 開示されている。キューブコーナ要素の光学軸を含む面と実質的一致する第1の 面と、第1の面に垂直な第2の面である。しかしこの製品は、第2の面よりも実 質的にさらに広い照射角を第1の面で示す。 ゼロ以外の照射角で実質的同様の再帰反射性能を示す2つの広い照射角の面を 有する再帰反射シートを提供することが望ましいであろう。タイル貼りキューブ コーナシートに必用なように、輝度を犠牲にすることなく、この光学特性を達成 するシートを提供することは、より一層望ましいであろう。技術は、このような 製品またはこのような光学特性を達成するための方法を開示あるいは提案しない 。 発明の要約 本発明は、1つ以上の面において改善された照射角を有するキューブコーナ再 帰反射シート、およびマスター製品と該製品を製造するための型に向けたもので ある。簡単には、発明の1つの側面に従って、本発明は基礎面に配置される底面 を有する基材と、底面から変位した組織化表面とを含む再帰反射キューブコーナ シートを提供する。組織化表面は、実質的平行な溝群の3つの交差するセットに よって形成されるコーナ要素適合ペアの配列を含む。2つの溝セットのみが60度 未満の角度で交差し、配列内の複数のキューブコーナ要素は、3つの交差する溝 セットの各々の1つの溝によって画定される不等辺の基部三角形を含む。 別の側面に従って、発明は基礎面に配置される底面を有する基材と、底面から 変位した組織化表面とを含む光学的に実質的透明な材料から形成される再帰反射 シートを提供する。組織化表面は、実質的平行な溝群の相互に交差する3つのセ ットによって形成される傾斜キューブコーナ要素適合ペアの配列を含み、各適合 ペアは、第1のキューブコーナ要素および光学的に対向する第2のキューブコー ナ要素を含む。配列内の複数のキューブコーナ要素は、3つの交差する溝セット の各々の1つの溝によって画定される不等辺の基部三角形を含む。さらに配列内 の複数のキューブコーナ要素は、第1の面において傾斜する対称軸を有し、シー トはその最も広範囲の照射角を第1の面から角度的に変位した第2の面において 形成する。 図の簡単な説明 図1は、本発明の原理に基づいたキューブコーナ製品の1実施例の部分拡大平 面図である。 図2は、図1に示すキューブコーナ製品の断面図である。 図3は、図1に示す製品に従った再帰反射製品の予測再帰反射性能を示す等輝 度曲線のグラフである。 図4は、図1に示す製品に従った再帰反射製品の測定された再帰反射性能を示 す等輝度曲線のグラフである。 図5は、図1-2に示すキューブコーナ立体形に対する入射光の照射角の関数と しての総光反射のグラフである。 図6は、図1-2に示すキューブコーナ立体形および異なるキューブコーナ立体 形について、入射光の照射角の関数としての総光反射を比較したグラフである。 図7は、本発明の原理に基づいたキューブコーナ再帰反射シートの1実施例の 概略図である。 図8は、図7に示したシートの1応用例をトラック顕著性シートとして示す自 動車の斜視図である。 図9は、不等辺の基部三角形キューブコーナ要素を用いた再帰反射シートの斜 視図である。 図10は、図9に示す製品に従った再帰反射製品の予測再帰反射性能を示す等輝 度曲線のグラフである。 図11は、不等辺の基部三角形キューブコーナ要素を用いた再帰反射シートの斜 視図である。 図12は、図11に示す製品に従った再帰反射製品の予測再帰反射性能を示す等輝 度曲線のグラフである。 図13は、本発明の原理に基づいたキューブコーナ再帰反射シートの概略平面図 である。 図14は、市販のキューブコーナ再帰反射シートの概略平面図である。 図15は、図13に示すシートと図14に示すシートの光学性能を比較したグラフで ある。 図16a-16jは、増大する傾斜角度におけるキューブコーナ再帰反射要素の適合 ペアの等輝度プロフィールを示す等輝度グラフである。 図1、2、7-9、11、13、および14は、一定比率には描かれていない。 詳細な説明 本発明は、改善された光学性能特性を示すキューブコーナ再帰反射製品を提供 する。本発明の1実施例は、少なくとも1つの面で改善された照射角を示す再帰 反射シートの提供に向けたものである。本発明に従った製品は、少なくとも2つ の「広い照射角」面を有することが必用ではないが好ましい。本発明に従った製 品は、特定の照射角においてどちらの広い照射角の面でも、実質的同一光量を反 射することがより一層好ましい。 本発明の1側面は、従来のキューブコーナ技術に暗黙の特定の仮説が、全ての キューブコーナ立体形に対しては当てはまらないという認識にある。従来のキュ ーブコーナ技術に暗黙の特に重要な1仮説は、キューブコーナ要素の光学軸を特 定面において特定角度で傾斜させることで、キューブコーナ要素の光学軸を含む 面に対して実質的平行で、シート基礎面に垂直な面における製品の照射角が改善 されるという仮説である。本開示は、この仮説が全種類のキューブコーナ立体形 に対しては、正確でないことを実証する。本発明の第2の側面は、キューブコー ナ要素の光学軸がある面と一致しない広い照射角の面を有する再帰反射製品の光 学性能は、広い照射角の面をシートの縁に対して特定の方向角度で配列すること により改善されることもあるという認識である。好ましくは広い照射角の面は、 シートの1縁に対しほぼ平行に方向付けられるべきである。 図1は、第1溝セット30および2つの第2溝セット36、37を含 む相互に交差する3つの溝セットから形成される複数のキューブコーナ要素12、 14を含む製品の組織化表面10の部分拡大概略平面図である。キューブコーナ要素 12、14は、相互にほぼ垂直な3つの面16、18、20と、基材の3つの溝セットの各 々の1つの溝によって画成される基部三角形とを有する。各溝セット内の隣接す る溝間の距離は、好ましくは約600ミクロン未満、より好ましくは約150〜200ミ クロンであるが、キューブコーナ要素の精密な測定値が決定的ではないことを理 解すべきである。図1に示すキューブコーナ要素12、14の基部三角形の夾角は、 ほぼ65度、65度、および50度であるが、キューブコーナ要素12、14の基部三角形 の特定の立体形は決定的ではなく、これらの特定基部三角形の測定値を有するキ ューブコーナ要素により本発明が制限されないことは理解されるであろう。 第1溝セットとしての溝セット30、および第2溝セットとしての溝セット36、 37の指定は、実質的任意の慣例である。図1に示すキューブコーナ要素のように 二等辺の基部三角形を有するキューブコーナ要素では、第2溝セット36、37は、 実質的同一溝角度(例えば38.721°)を有する。対照的に、第1溝30の溝角度a1( 例えば27.795°)は、第2溝セット36、37の溝角度とは異なる。1つの溝セット を第1溝セットとして指定する慣例を用いることで、その上に配列が配置される 基材の縁に対するキューブコーナの配列の方向は、第1溝セット30が基材の縁と 交差する角度によって定義できる。 図2は、図1に示す組織化表面10を有する製品2の部分断面図である。製品2 は、平らに置いた際に基礎面に配置される底面6と、底面6から変位する組織化 表面10とを有する基材4とを含む。基材4を形成する材料は、製品2が相応しい 特定用途次第で異なっても良い。異なる用途のための適切な材料については、以 下に述べる。さらに図2に示す実施例では、組織化表面10は底面6に対向して実 質的同平 面に置かれるが、組織化表面10は底面6と対向したり、同一平面に置かれる必用 がないことが理解されるであろう。 図2について述べると、キューブコーナ要素12、14の対称軸24、26は、底面6 に実質的直角で、それぞれのキューブコーナ要素12、14の頂点と交差して延びる 軸28に対しおよそ7.47度の傾斜角度αで傾斜する。しかし精密な傾斜角度αが決 定的ではないことは理解され、本発明は約4度から約15度で広がる傾斜角度の範 囲でも考察された。図2に示す実施例では、キューブコーナ要素12、14は、第1 溝30にほぼ垂直な面で傾斜する。より正確には、キューブコーナ要素12、14は、 第1溝30と底面6にほぼ垂直な面に対称軸24、26が置かれるように傾斜する。図 1-2に示すような傾斜キューブコーナ要素は、「後方」傾斜キューブコーナ要素 とも称される。後方傾斜キューブコーナ要素は、キューブコーナ要素の基部三角 形の1夾角のみが60度未満であることでさらに特徴づけられ、その他の2つの夾 角は少なくとも60度であり、図示した実施例では約65度である。対照的に前方傾 斜するキューブは、基部三角形の2つの夾角が60度未満であり、基部三角形の1 夾角は60度を超えることで特徴付けられる。 図2はまた、およそ29.795度である第1溝30の溝側面角度a1を示す。図2に は示されないが、第2溝36、37の溝側面角度は、およそ38.721度である。実質的 に図1および2に示すようなキューブコーナ要素を組み込んだ再帰反射シートは 、米国特許第2,310,790号(Jungersen)で開示されている。 図3は、屈折率1.517の材料から形成される後方傾斜キューブコーナ要素12、1 4によって形成される再帰反射キューブコーナ要素の適合ペアの異なる照射角お よび方向角度における予測総光反射を示す等輝度輪郭グラフである。キューブコ ーナ適合ペア配列の予測総光反射は、%作用面積および光線強度の知識から計算 することもできる。総 光反射は、%作用面積と光線強度の積として定義される。直接機械加工キューブ コーナ配列の総光反射に関する優れた考察は、Stammにより米国特許第3,812,706 号で発表されている。 初期単一光線強度では、シート底面を通る2経路透過から、および3つの各キ ューブ表面での反射損失から、損失が生じることもある。近垂直入射および屈折 率約1.5のシートの底面透過損失は、およそ0.92である。反射性被覆されたキュ ーブの反射損失は、例えばコーティングの種類およびキューブ表面垂直線に対す る照射角度に左右される。アルミニウム反射性被覆キューブ表面の典型的な反射 係数は、各キューブ表面でおよそ0.85〜0.9である。全内反射に依存するキュー ブの反射損失は、実質的に皆無である。しかしキューブ表面垂直線に対する光線 の照射角度が臨界角未満であると、全内反射が崩壊して著しい量の光がキューブ 表面を通過することもあり得る。臨界角は、キューブ材料の屈折率、およびキュ ーブの背後物質(典型的には空気)の屈折率の関数である。前面透過損失および 全内反射については、Hechtの「Optics」1987年第二版Addison Wesleyなど の標準的光学テキストで説明されている。 単一または個々のキューブコーナ要素の有効面積は、屈折入射光線に直角な面 における3つのキューブコーナ表面の投射と、同一面における第3の反射の画像 表面の投射との位相的共通部分により求めることもでき、またそれに等しい。有 効口径を求めるための1つの方法は、例えばEckhardtによりApplied Optics 第10巻7号、1971年7月1559-1566頁で考察されている。Straubelは、米国特許 第835,648号で有効面積または口径の概念についても考察している。次に単一キ ューブコーナ要素の%作用面積は、キューブコーナ表面の投射総合面積で割った 有効面積として定義される。%作用面積は、光学技術の当業者に既知の光学モデ リング技術を用いて計算することもでき、ある いは従来の光線追跡技術を用いて数値的に求めることもできる。キューブコーナ 適合ペア配列の%作用面積は、適合ペア中の個々のキューブコーナ要素2個の% 作用面積を平均化して計算できる。別の表現では、%作用口径は、光を再帰反射 するキューブコーナ配列の面積を配列の総合面積で割ったものに等しい。%作用 面積は、例えばキューブ立体形、屈折率、照射角度、およびシートの方向による 影響を受ける。 図3について述べると、ベクトルV1は、キューブコーナ要素12、14の対称軸2 4、26を含む面を表す。例えば図1のベクトルV1は、第1溝30に実質的垂直な面 に置かれる。同軸等輝度曲線は、照射角および方向角度の様々な組み合わせにお けるキューブコーナ要素12、14の底面への入射光の百分率として、予測総光反射 を表す。プロットの中心からの放射状の展開は、増大する照射角を表す一方、円 周状の展開は、光源に対して変化するキューブコーナ要素の方向を表す。最も内 側の等輝度曲線は、キューブコーナ要素12、14の適合ペアが基部三角形への入射 光のおよそ90%を反射する照射角セットの境界を定める。連続的に境界外にある 等輝度曲線は、要素12、14が基部三角形への入射光を連続的により低い百分率で 反射する照射角の境界を定める。 図4は、図1および2に示すキューブコーナ要素の適合ペアと同じ立体形を有 するキューブコーナ要素の適合ペアの測定された総光反射を表す、図3に示した グラフに同様の等輝度グラフである。キューブコーナ要素は、屈折率が1.517で あるBK7ガラスから形成される。製造の不完全性および測定誤差のためにプロ ットにはわずかな変動があるものの、図4に示す測定結果によって図3に示す等 輝度プロフィールの形状が確認される。 図3-4に示す等輝度プロットの2つの側面に注目すべきである。第1にプロッ トは、キューブコーナ要素12、14の適合ペアが実質的相 互に垂直で、ベクトルV1が示すキューブコーナ要素の傾斜面と一致しない面に 置かれる2つの広い照射角の面を有することを実証する。図1-2に示すキューブ コーナ適合ペアでは、2つの広い照射角の面は、キューブコーナ要素の傾斜面に 対しておよそ45度に方向付けられており、等輝度グラフの広く丸い突出部に一致 する2つの実質的垂直な面40、42として等輝度グラフ上で同定される。 図3-4に示す等輝度曲線の第2の側面は、キューブ12、14が面V1に対し実質的 対称的であるという事実から帰結する。したがって図1-2に示す立体形を有する キューブコーナ要素の適合ペアは、面40または面42のどちらにおいても特定照射 角の光のほぼ同一百分率を反射する。この側面は、面40および42における要素12 、14の底面への入射光の照射角の関数として、キューブコーナ要素12、14の予測 総光反射をプロットした図5でさらに詳細に示される。曲線44および46は、屈折 率1.6の材料から形成される再帰反射キューブコーナ要素の適合ペアの総光反射 を表す。2つの曲線は、実質的には照射角の全範囲にわたり重なり合っており、 適合ペアにより反射される総合光が面40または面42に対応する面の特定の照射角 において、ほぼ等しいことを示唆する。60°を超える角度でのわずかな差違は、 非常に高照射角度でのキューブの性能予測における数値的誤差に起因する。曲線 48および50は、屈折率1.5の材料から形成される再帰反射キューブコーナ要素の 適合ペアの類似曲線である。 図6では、図1-2に示すキューブコーナ要素の適合ペア立体形の再帰反射性能 と、米国特許第4,588,258号('258号特許)が述べる前方傾斜キューブコーナ要 素の適合ペア立体形とが比較される。曲線52は、総光反射を'258号特許立体形に おける照射角の最も広い面での照射角の関数としてプロットする。この面は、'2 58号特許で「X」面として同定される。曲線54は、'258立体形における照射角が 2番目に 広い面での照射角の関数として、総光反射をプロットする。この面は、'258号特 許で「Y」面として同定される。曲線56および58は、図1に示す立体形における 2つの照射角が広い面に対する照射角の関数として、総光反射をプロットする。 図6は、約35〜40度を超える照射角において、図1に示すキューブコーナ要素の 適合ペアが広い照射角の面40、42の双方で、'258号特許の示す立体形が「Y」面 で反射するよりも高い百分率の光を反射することを実証する。 図7は、本発明の原理に基づいた2つの広い照射角の面を有する代表的な再帰 反射シート60の概略平面図である。シート60は、第1および第2の縦縁62、およ び実質的に図1-2に示す組織化表面に関連して述べたような組織化表面を含む。 組織化表面は、第1溝66および第2溝68、69の2つのセットを含む実質的平行な 溝群の3つの交差するセットによって画成されるキューブコーナ要素の適合ペア の配列を含む。キューブコーナ要素は二等辺の基部三角形を有するので、2つの 底夾角は同一である。第1溝セットを基部三角形の2つの等しい角を結ぶ溝セッ トとして定義することもできる。残りの溝セットは、第2溝セットとみなすこと もできる。図7に示す実施例では、配列はシート表面を実質的完全に覆って延び る。キューブコーナ要素の各適合ペアは、第1溝66に実質的垂直な面で傾斜する 2つの対向した個々のキューブコーナ要素70、72を含む。さらに実質的全ての第 1溝66の主要部分、好ましくは第1溝66全体は、製品の縦縁62と好ましくはおよ そ45度である角度αで交差する面に置かれる。図7では、図示の目的で組織化表 面が大きく拡大されていることに留意すべきである。実際には、隣接する溝間の 距離は、典型的には約60〜600ミクロンである。 図7に示す各適合ペアの対向したキューブコーナ要素70、72は、第1溝66に物 理的に相互に直接対向して位置されるが、このような 相対物理的位置は、本発明の要求条件でないことが理解されるであろう。最も広 い意味では、ここで使用される「対向した」という用語は、光学的に対向したこ とを意味するものと解釈される。キューブコーナ要素は「鏡像」再帰反射パター ンを作り出す場合、光学的に対向したと考えることもできる。キューブコーナ再 帰反射技術では、相互に物理的鏡像である要素、すなわち実質的同一であるが相 互に相対的に180度回転したキューブコーナ要素は、鏡像再帰反射パターンを生 じることが良く知られている。直接的機械加工技術では、図7に示すように対向 したキューブコーナ要素を相互に溝に直接対向して位置させることが有利である 。しかし対向したキューブコーナ要素は、シート上で相互に物理的に離れていて も良いことが理解されるであろう。さらに光学的に対向したキューブコーナ要素 を生じるために、対向したキューブコーナ要素が相互に完全な物理的鏡像でなく ても良いことが理解されるであろう。通常の視覚化条件の下では、対向したキュ ーブコーナ要素の物理的形状におけるわずかな変動は、再帰反射パターンにおい て肉眼では検出不可能なわずかな変動しか生じない。このようなキューブコーナ 要素でも、ここで使用される用語の意味の範囲内では対向した要素である。 図7に示す組織化表面を有する再帰反射シートは、図3に示したのと実質的同 一形状の理論的等輝度プロフィールを示す。しかしシートの縁とおよそ45度の角 度で交差する面に第1溝66が置かれるようにキューブコーナ要素の配列が方向付 けられているので、図3の面40に対応する1つの広い照射角の面は、シート60の 縦縁62とほぼ平行である。図3の面42と対応するその他の広い照射角の面は、シ ート60の縦縁とほぼ垂直である。製造の不完全性や測定誤差などの要因の結果、 シート60の再帰反射性能が図3に示す理論的性能とは異なる場合もあることは、 当業者によって認識されるであろう。このよ うな小さな変動は、本発明の範囲内であると考えられる。 再帰反射シート60が特に有利な1つの用途は、車両顕著性シートの分野である 。図8は、水平方向に配置された再帰反射シート60の帯と、垂直方向に配置され た再帰反射シート60の帯を有する大型車両82を示す概略である。再帰反射シート 60は、通過する自動車のヘッドライトからの光を再帰反射して車両82の顕著性を 向上させる。高照射角度で再帰反射シート60の水平方向の帯が反射する光量を最 大化するためには、その照射角の最も広い面が縦縁62と実質的平行であるべきで ある。対照的に、高照射角度で再帰反射シート60の垂直方向の帯が反射する光量 を最大化するためには、その照射角の最も広い面が縦縁62と実質的垂直であるべ きである。 再帰反射シート60は、このような車両顕著性用途に特に良く適している。シー ト60を車両82上に水平方向に置いた場合、1つの広い照射角の面は、再帰反射シ ート60の縦縁62と実質的平行に並ぶので、水平の帯84が高照射角度で反射する光 量が最大化される。同様にシート60を車両上に垂直方向に置いた場合、1つの広 い照射角の面は、再帰反射シート60の縦縁62と実質的垂直に並ぶので、垂直の帯 86が高照射角度で反射する光量が最大化される。単一シート製品をこの用途のた めに提供できる能力は、このような顕著性シートのデザイン、製造、流通、およ び装備過程に経費節減をもたらす。 シート60は、道路標識シート用途においても同様に有利である。上述のように 最も傾斜したキューブコーナシート製品の再帰反射性能は、標識上のシートの方 向に依存する。例えば'258号特許が示すシートは、X面として同定される面でよ り良い照射角を有する。'258号特許のシートからの最良の光学性能を確実にする ためには、X面が入射光の入射面と一致するようにシートを方向付けなくてはな らない。対照的に図7に示すシートでは、どちらの広い照射角の面が入射光の入 射面と一致するように方向付けられていても良い。 ほとんどの用途においては、1つの照射角の最も広い面がシートの縦縁62と実 質的平行に並ぶ場合に、シート60はその最良の再帰反射性能を示す。図7に示す キューブコーナ立体形では、これはシートの縦縁62と45度の角度で交差する面に 第1溝66の主要部分、好ましくは各第1溝66の長さ全体がある組織化表面に対応 する。しかし当業者は、シート片の縁と厳密に45度に交差する面に第1溝がなく ても良いことを理解するであろう。製品の縁62と第1溝66の交差角度が45度から 外れるにつれて、製品の再帰反射輝度は低下するが、低下は緩やかである。約35 〜55度、さらに好ましくは約40〜50度の角度で第1溝66が縁62と交差するならば 、性能要求条件次第で図7に示す立体形から本発明の利点は得られる。さらにキ ューブコーナ要素の光学軸の傾斜面から角度的に変位した広い照射角の面を有す るその他のキューブコーナ立体形が多数存在する。広い照射角の面が、シートの 縁と実質的平行に並ぶようにキューブコーナ要素を方向付けることで、このよう なキューブコーナ要素を組み込んだ再帰反射シートの性能が、改善される場合も あることを再帰反射技術の当業者は理解するであろう。 本発明の光学的利点は、図1に示す立体形以外のキューブコーナ要素立体形を 使用することで得られる。不等辺の基部三角形を有する広範なキューブコーナ要 素は、本発明の観点に従った再帰反射シートの製造に適切な等輝度プロフィール を有する。不等辺の基部三角形キューブコーナ要素は、キューブコーナ要素基部 三角形の3つの夾角がいずれも同一でないことで特徴付けられる。 代表的な不等辺の基部三角形キューブコーナ要素立体形を用いた組織化表面10 0の1例は、図9に示した。各キューブコーナ再帰反射要素の基部三角形の夾角 は、ほぼ62.09度、50.00度、および67.91 度である(それぞれβ1、β2、およびβ3)。溝102(a3)の溝側面角度はおよ そ41.812度であり、溝104(a2)の溝側面角度はおよそ27.623度であり、溝106 (a1)の溝側面角度はおよそ35.702度である。各キューブコーナ要素の光学軸 は、溝106にほぼ平行で材料底面に垂直な面において基材底面に直角の軸に対し およそ8.30度傾斜する。 図10は、屈折率が1.590で、図9に示す立体形を有する材料から形成されたキ ューブコーナ要素の適合ペアを用いた再帰反射シートの予測等輝度プロフィール である。ベクトルV1は、キューブコーナ要素が傾斜する面(すなわちキューブ コーナ要素の対称軸を含む面)に対応する。図9に示すキューブコーナ立体形は 、面110、112として表示されるキューブコーナ要素がそれぞれほぼ30度および12 0度傾斜する面から角度的に変位した2つの広い照射角の面を示す。さらに面110 および112は、相互にほぼ垂直である。したがって溝104が再帰反射シートの縦縁 と30度または120度に交差するように組織化表面を方向付けることで、1つの広 い照射角の面はシートの縦縁と平行に、もう1つの広い照射角の面はシートの縦 縁と垂直に並ぶ。 図11は、対向したキューブコーナ要素が傾斜する面から角度的に変位した2つ の広い照射角の面を有する別の不等辺の基部三角形キューブコーナ立体形を含む 組織化表面120を示す。図11に示すキューブコーナ要素基部三角形の夾角は、ほ ぼ68.71度、63.29度、および48.00度(それぞれβ1、β2、およびβ3)である。 溝122(a2)の溝側面角度はおよそ42.295度であり、溝124(a1)の溝側面角度 はおよそ26.284度であり、溝126(a3)の溝側面角度はおよそ36.334度である。 キューブコーナ要素の光学軸は、溝122とほぼ45度の角度で交差する面において 基材底面に直角の軸に対しおよそ9.51度傾斜する。 図12に示すように、図11に示したキューブコーナ要素の配列を含 む屈折率1.590の再帰反射シートは、要素がそれぞれ約26度および116度傾斜する 面V1から角度的に変位した2つの広い照射角の面130、132を有する。したがっ て溝124が再帰反射シート縦縁と49度または139度に交差するように組織化表面を 方向付けることで、1つの広い照射角の面はシート縦縁と平行に、もう1つの広 い照射角の面はシート縦縁と垂直に並ぶ。 不等辺の基部三角形を用いたキューブコーナ要素デザインには、二等辺の基部 三角形を有するキューブコーナ要素と比べてさらに別の利点がある。1つの利点 は、不等辺の基部三角形キューブコーナ要素を有する組織化表面は、製造工程に おいて隣接するキューブコーナ要素に物理的破損を引き起こすことなく、対向し たキューブコーナ要素の傾斜度をより大きくできることである。 3つの相互に交差する溝のセットを使用した直接機械加工キューブでは、溝側 面角度のいずれか1つが45°を超えるとキューブの切断が生じ、切削工具が隣接 するキューブ縁を切断する。キューブコーナ要素の破損の結果、再帰反射性が損 失する。例えば米国特許第4,588,258号が述べるキューブコーナ要素立体形は、 従来の配列において傾斜角度9.736度を超える傾斜ができない。以下の表Iでは 、溝にほぼ平行で基礎面に垂直な面において傾斜し対向したキューブコーナ要素 について、夾角(β)および溝側面(a)角度を含む基部三角形の代表的な不等 辺立体形の値が示される。不等辺立体形は、45度を超えるあらゆる溝側面角度の 前においてより大きな傾きを可能にすることで、切削工具が引き起こす機械的切 断による既知の限界を超えるキューブコーナ要素の傾斜を可能にする。例えば表 Iは、ほぼ13.376度までの傾きまたは傾斜角度が縁切断なしに使用できることを 実証する。 傾斜する面にはない改善された好ましい照射角に関するこの発明の教示と共に 、不等辺の基礎立体形キューブコーナ要素の配列は、またキューブの底面へ垂直 または直角に入射する光について、総光反射が崩壊する既知の限界を超えた傾き を可能にする。再帰反射シートの総光反射(TLR)は、%作用口径と再帰反射 される光線強度の産物であ る。キューブ立体形、照射角、および屈折率の組み合わせによっては、%有効口 径が比較的高くても、光線強度の著しい減少の結果、総光反射が比較的劣ること もある。1例は、再帰反射光線の全内反射に依存する再帰反射キューブコーナ要 素の配列である。全内反射がキューブ面の1つで臨界角を超えると、光線強度は かなり減少する。このような状況では、金属化またはその他の反射性コーティン グが有利に使用できることもあるが、経費、加工、外観、またはその他の要因の ためにこれらのコーティングが常に望ましいとは限らない。このような状況では 、不等辺の基部三角形キューブコーナ要素の使用が好ましい。 表IIは、垂直入射光および屈折率1.586のキューブに関する限界総光反射立体 形を示す。例えば米国特許第4,589,258号(Hoopman)が示すように底角度52.1 °-52.2°-74.6°のキューブコーナ要素では、限界傾き角度は15.60°である。 しかし不等辺の基礎立体形を使用することで、総光反射を崩壊させることなく、 例えば16.41°(45.40°-58.57°-76.03°)または18.830°(77.358°-65.642 °-37.00°)などのようにこの限界を超えることもできる。表IIのデータは、分 析解ではなく数値解を表す。 本発明の原理は、タイル貼り再帰反射シートにも応用できる。ここでの用法で は、タイル貼り組織化表面には、シートの縁に対して異なる方向に配置されたキ ューブコーナ要素の適合ペアの複数の不連続な配列が含まれる。タイル貼りは、 広い照射角の複数面を有する再帰反射シートを製造するために用いられる1つの 方策である。定義によれば特定の照射角およびシート方向では、配列の一部のみ が最大量の光を再帰反射するように方向付けられているので、タイル貼り再帰反 射シートは、高照射角度で固有の輝度損失を被る。しかし本発明の原理に基づい た組織化表面でキューブコーナ要素の配列を方向付けることにより、タイル貼り シート固有の輝度損失を最小化する、または少なくとも減少させることが可能で ある。 タイル貼りの実用性は、図7に示す再帰反射シートに関連して説明することも できる。上述のように図7に示す再帰反射シート組織化表面は、2つの広い照射 角の面に帰結するキューブコーナ要素の適合ペアの単一配列を有する。第1の面 はシート60の縦縁62と実質的平行であり、第2の面はシート60の縦縁62と実質的 垂直である。シートの縁に対して2つの異なる方向に配置された2つの別個の配 列を有する組織化表面が含まれるタイル貼り再帰反射シートは、4つの広い照射 角の面を有する。同様にシートの縁に対して3つの異なる方向 に配置された3つの別個のタイル貼り配列を有するタイル貼り組織化表面を含む 再帰反射シートは、6つの広い照射角の面を有する。概して図7に示すキューブ コーナ立体形については、シートの縁に対しX/2個の別個の方向に配置された複 数のタイル貼り配列を有する組織化表面によって、X個の広い照射角の面を有す る再帰反射シートを作ることができる。 本発明に従って、少なくとも1つのキューブコーナ要素の適合ペア配列は、1 つの広い照射角の面がシートの縁とほぼ平行に位置するように方向付けられるべ きである。したがって図7に示すキューブコーナ要素立体形では、第1溝が製品 の縁とほぼ45度の角度で交差するようにキューブコーナ要素の適合ペアの1配列 が方向付けられるべきである。 残りの配列の方向は、組織化表面中のキューブコーナ要素の適合ペアの不連続 な配列の数に左右される。図7のキューブコーナ立体形について、タイル貼りの 目標がより回転対称的な再帰反射パターンの製造であると仮定すると、キューブ コーナ要素の適合ペアの配列間の角差違εは、式 ε=90/N で表すこともできる。式中Nは、キューブコーナ要素の不連続な配列の数を表す 。ゆえに(例えばキューブコーナ要素のN-2配列を使用する)4つの広い照射角 の面を有する再帰反射シートでは、キューブコーナ配列方向の角差違は、およそ 45度であるべきである。したがってキューブコーナ要素の第2の配列は、第1溝 が製品の縁とおよそ90の角度で交差するように方向付けられるべきである。同様 に6つの広い照射角の面を有する再帰反射シートでは、キューブコーナ配列方向 の差違はおよそ30度であるべきである。したがって、キューブコーナ要素の第2 の配列は、第1溝が縦シートの縁に対しておよそ15 度の角度で製品の縁と交差するように方向付けられるべきであり、キューブコー ナ要素の第3の配列は、第1溝が縦シートの縁に対しておよそ75度の角度で製品 の縁と交差するように方向付けられるべきである。この連続は、希望する限り多 くの別個の方向に続けることができる。 図13は、6つの広い照射角の面を生じるキューブコーナ要素の6つの配列を有 する本発明に従ったタイル貼り再帰反射シート150の1実施例の概略図である。 好ましい実施例では、再帰反射シート150は、ロールに巻き取れる薄く柔軟な再 帰反射シートの連続的ウェブとして製造される。再帰反射シート150の組織化表 面は、シート150の縦縁152に対して6つの別個の方向に置かれたキューブコーナ 要素の適合ペア配列の6つの群を含む。第1の配列群154は、第1溝が縁152と15 度の鋭角に交差するように配置され、第2の配列群158は、第1溝が縁152と75度 の鋭角に交差するように配置され、第3の配列群162は、第1溝が縁152と45度の 鋭角に交差するように配置され、第4の配列群155は、第1溝が縁152と45度の鋭 角に交差するように配置され、第5の配列群159は、第1溝が縁152と75度の鋭角 に交差するように配置され、第6の配列群163は、第1溝が縁152と15度の鋭角に 交差するように配置される。各配列は、上記の図1および2に関連して述べたの と実質的同一のキューブコーナ要素の適合ペアから形成される。ベクトル156、1 60、および164は、それぞれキューブコーナ要素の各配列154、158、162の第1溝 の方向を表す。同様にベクトル157、161、および165は、それぞれ配列155、159 、および163の第1溝の方向を表す。6つの別個の配列群154、155、158、159、1 62および163がそれぞれシート150の組織化表面の表面積のおよそ6分の1をカバ ーすることは、必用ではないが好ましい。 シート150は、6つの広い照射角の面を有する。配列群162および 155に対応する2つの広い照射角の面は、シート150の縦縁152に対してほぼ0度 および90度に並ぶ。配列セット154および159に対応する2つの広い照射角の面は 、シート150の縁に対して60度および150度に並ぶ。配列セット158および163に対 応する2つの広い照射角の面は、シート150の縁に対して30度および120度に並ぶ 。 図13に示すシート150は、6つの別個の方向に方向付けされた6つの配列を用 いて、6つの広い照射角の面があり、内1つがシート150の縦縁152に実質的平行 に並ぶ再帰反射シートを作り出す。しかしシート150により多くのまたはより少 ない数の配列を組み込み、それに相応してより多くのまたはより少ない数の広い 照射角の面のある再帰反射シートを作り出せることが理解されるであろう。 本発明の単一配列実施例に関連して上述したように、発明の利点を得るために は、配列が精密に並ぶ必用はない。多くの用途では、特定照射角での必用な輝度 を生み出すには、好ましい方向の約5度内外のキューブコーナ配列の配置で十分 である。 図14は、図1-2に示したのと同様の後方傾斜キューブコーナ要素の適合ペアの 複数のタイル貼り配列を用いた再帰反射シート170の概略図である。図14に示す シートは、イリノイ州ナイルズのStimsonite Corporationから市販されSTI MSONITE高性能等級反射性シートの商品名の下に製造流通される(ロット 1203W、製品番号8432170)。再帰反射シート170の組織化表面は、シート170の 縦縁172に対して複数の別個の方向に配置されたキューブコーナ要素の適合ペア 配列の複数の群を含む。キューブコーナ配列は、配列の第1溝がシート170の縦 縁172に対して0度、30度、60度、および90度の方向に配置された面に置かれる ように方向付けられる。 本発明に従ったシート150の縦縁152に対して広い照射角の面がおよそ0度およ び90度の角度に並ぶように再帰反射シートのタイル 貼り部分を位置づけることで、図14に示すタイル貼りシートに比して著しい性能 増大が達成される。これらの性能増大は、再帰反射シートの輝度(カンデラ毎平 方メートル)を再帰反射シート上でのタイル部分の変化する方向(例えば変化す る溝アライメント角度)に対する距離(メートル)の関数として表した図15に示 される。図15における輝度データは、道路を45度の角度に横切って駐車したセミ トラックトレーラーに接近する標準的セダンを表す。再帰反射シートは、セミト レーラーの底縁を水平に横切って配置される。図15を制作するために用いた試験 環境および方法論の詳細な説明は、Sign Luminance as a Methodology for Matching Driver Needs,Roadway Variables,and Signing Materials、 WoltmanおよびSzczech著Transportation Research Record,1213,Human performance and Highway Visibility--Design Safety and Methods,米国 学術研究会議輸送調査委員会pp.21-26(1989)にある。 図15では、曲線180が図14の再帰反射シートに示すように0、30、60、および90 度に方向付けられたキューブコーナ配列を有するシートに対応する。曲線182は5 、35、および65度の方向に配置されたキューブコーナ配列を有するシートに対応 し、曲線184は10、40、および70度の方向に配置されたキューブコーナ配列を有 するシートに対応し、曲線186は15、45、および75度の方向に配置されたキュー ブコーナ配列を有するシートに対応し、曲線188は20、50、および80度の方向に 配置されたキューブコーナ配列を有するシートに対応する。図15は、ほぼ15、45 および75度の方向に配置されたキューブコーナ配列を有するシートが、シートか らの距離のほとんど全てにおいて最良の再帰反射性能を示すことを実証する。同 様に10、40、および70度の方向に配置されたキューブコーナ配列を有するシート 、および20、50、および80度の方向に配置されたキューブコーナ配列 を有するシートは、モデル化した距離範囲にわたり良好な再帰反射性能を示す。 シート170に対して0度の方向では、最も劣る再帰反射性能が示される。本発明 に従って方向付けされたタイル貼り再帰反射シートは、曲線上に示すあらゆる距 離において図14に示すシートよりも優れている。さらに本発明に従ったシートは 、約50メートルから約150メートルに及ぶ距離的臨界範囲において2倍近く明る い。 本発明に従った反射性シートは、例えば説明したキューブコーナ要素の配列で 既成シートを型押しして、あるいは型に液体材料を流し込んで一体型材料として 製造することもできる。代案としてはこのような再帰反射シートは、例えば米国 特許第3,684,348号が教示するように既成フィルムに要素を流し込んで、あるい は個々の成形要素表面上に既成フィルムをラミネートして層状製品として作るこ ともできる。 本発明に従った再帰反射シートを製造するための有用なツールとしては、連続 的ベルトまたはマンドレルの形態でも良い型押し型が挙げられる。このような連 続的型は、例えばダイヤモンド刻線または旋盤などの精密機械加工ツールを使用 した被削性基材中の組織化表面の直接的機械加工に始まるマスター型、または製 品を製造するための複製工程を用いて形成することができる。組織化表面は、マ スター製品上へのニッケルの電着により複製することもできる。このような複数 の複製ツールを型押しまたは鋳造型に連結することができる。本発明が新しい組 織化表面立体形を有する製品について述べる範囲で、本発明の請求事項は、再帰 反射シートの複製、成形および製造法に使用する型をカバーすることを意図する 。 この発明の再帰反射製品またはシートに適切な材料は、好ましくは寸法安定性 、耐久性、耐候性を有し、希望する形状に容易に複製される透明な材料である。 適切な材料の実例としては、ガラスと、Rohm and Haas Companyが製造するP LEXIGLASブランドの樹脂などの屈折率 約1.5のアクリルと、屈折率約1.59のポリカーボネートと、英国特許番号第2,027 ,441号および米国特許第4,576,850号、第4,582,885号、および第4,668,558号が 教示するような反応性材料と、材料から形成するキューブコーナ要素の硬化に使 用される化学線の波長に対して透過性の材料と、ポリ(カーボネート)、ポリ( メタクリル酸メチル)、ポリ(テレフタル酸エチレン)、および多官能アクリレ ートモノマーの架橋ポリマーからなる群より選択されるポリマー材料と、E.I. Dupont de Nemours and Co., Inc.からSURLYNの商品名の下に市販さ れるようなポリエチレンをベースとするイオノマーと、ポリエステル、ポリウレ タンと、酢酸酪酸セルロースが挙げられる。ポリカーボネートは、概してより広 範な照射角で改善された再帰反射性能に貢献する靭性および比較的高い屈折率を 有するため、特に適切である。これらの材料は、染料、着色剤、顔料、UV安定 剤、またはその他の添加剤をさらに含んでも良い。着色剤は、シートの日中可視 性および顕著性を改善するために蛍光染料または顔料を含んでも良い。材料の透 明性は、製品またはシートのこれらの部分を通して、分離または平頭表面が光を 透過することを確実にする。 平頭または分離面の組み込みにより製品の再帰反射性はなくならず、むしろ製 品全体が部分的に透明になる。部分的に透明な材料が要求されるいくつかの用途 では、製品の低い屈折率は製品を通る光透過範囲を改善する。これらの用途では 、アクリル(屈折率約1.5)のより大きい透過範囲が望ましい。 完全に再帰反射性の製品では、高屈折率を有する材料が好ましい。これらの用 途では、屈折率が約1.59であるポリカーボネートなどの材料を使用して、材料と 空気間の屈折率の差違を増大させることにより再帰反射を増大させる。またポリ カーボネートは、温度安定性および耐衝撃性を有するために概して好ましい。 発明では、優れた光学性能および卓越した柔軟性を有するシートを製造するた めに開示されたキューブコーナ要素光学デザインを使用した鋳造硬化タイプの製 造法の使用も考察された。この方法を使用した製品の1実施例は、キューブコー ナ要素のための第1のポリマー組成物と、熱可塑性材料である第2のポリマーオ ーバーレイ材料とを含む。好ましくはオーバーレイ材料は、キューブコーナ要素 を形成する樹脂の硬化に使用される化学線の波長に対し透過性である。この実施 例の材料の別の好ましい特性は、各部材の相対弾性係数である。高弾性係数の材 料は、変形抵抗性を与える機械的特性を有するので、キューブコーナ要素のため に好ましい。オーバーレイ材料は、好ましくは相対弾性係数が幾分低めのポリマ ー材料である。キューブコーナ部材の硬化の間に、キューブコーナ材料の組成物 次第で、個々のキューブコーナ要素には一定度合いの縮小が起きる。オーバーレ イ材料の弾性係数が高すぎる場合、硬化の間にそれらが縮小するにつれてキュー ブコーナ要素にねじり応力がかかる。応力が十分に高ければキューブコーナ要素 は歪み、結果的に光学性能が劣化する。オーバーレイフィルムの弾性係数がキュ ーブコーナ材料の係数よりも十分に低ければ、オーバーレイは、キューブコーナ 要素の縮小と共に変形し、付着するキューブコーナ要素に光学特性の劣化につな がるタイプの変形応力を及ぼさない。 代案としては、キューブコーナ要素の寸法次第で、キューブコーナ要素とオー バーレイ材料との弾性係数の格差はそれほど大きくなくて良い。キューブコーナ 要素の高さが低い場合、より小さなキューブコーナ要素が硬化する間に示す収縮 は、絶対寸法単位での測定ではそれほど大きくなく、またオーバーレイフィルム は、大型のキューブコーナ要素に対するほど大きなねじれおよび寸法応力の発生 に向けた相互作用をキューブコーナ要素に対してしないと思われるので、キュー ブ コーナ要素とオーバーレイフィルムとの弾性係数の格差はそれほど大きくなくて 良い。概してオーバーレイ材料とキューブコーナ要素材料間の係数格差は、1.0 〜1.5x107パスカル程度以上であるべきだと言うことができる。キューブコーナ 要素の高さが低下するにつれ、この係数格差がすぐ上に書いた範囲特定の下縁に 近づくこともあり得る。しかしキューブコーナ要素材料の係数には、実用的な下 限があることに留意すべきである。概して約2.0〜2.5x108パスカル程度の一定 レベル以下では、キューブコーナ要素は柔軟になりすぎて、応力をかけた際に適 切に破断するのに十分な機械的剛性を持たない。実施例によっては破断は、不連 続なキューブコーナ要素を得るための望ましい特徴である。このような破断なし には、応力下でのシートの柔軟性および優れた光学特性に必須である個々のキュ ーブコーナ要素のデカップリングは達成できない。 キューブコーナ要素とその上にキューブコーナ要素が流し込まれるオーバーレ イフィルム間の相対弾性係数に関する考察だけでなく、オーバーレイフィルムに は、弾性係数が比較的低いことが要求される。これは、製造の目標が結果的に得 られる再帰反射シート材料における高度な柔軟性の達成である場合に重要である 。好ましくはキューブコーナ要素は、最小量のランドでオーバーレイフィルム上 に流し込まれる。ランドが十分に最小化できるならば、オーバーレイフィルムの 延伸またはその他の適切な弾性ひずみの結果、個々のキューブコーナ要素間のキ ューブコーナ材料の破断が生じる。これは二次加工後にオーバーレイ/キューブ コーナ材料に弾性応力をかけることで達成され、あるいは材料を二次加工装置か ら単に除去する過程の結果として得られる。これは、二次加工におけるかなりの 効率を意味し、同一効果を達成するためにより多くのランドを破断する重要な鋳 造後操作が不必要であることから二次加工経費の節減となる。 キューブコーナフィルムの最小ランドの破断の結果として、個々のキューブコ ーナ光学要素は、相互におよびオーバーレイ材料から実質的完全にデカップルさ れる。このデカップリングから著しい利点が派生する。それらの第1は、材料に 求められる超柔軟性である。デカップルされた光学要素は、ランドの厚さに関わ らずもはやランドの効果により機械的に制約されない。これにより弾性オーバー レイ/キューブコーナ複合材料の著しいひずみが可能になる一方、同時にひずみ 後の複合材料の実質的完全な機械的回復が可能になる。また個々のキューブ要素 のデカップリングによって、複合材料にかかるひずみ応力を分離することが可能 になる。この直接的利点は、再帰反射材料にかかる応力が、概して材料の光学特 性に最小の劣化効果を与えることである。柔軟性がより少ない従来技術の二次加 工では、キューブコーナ組成物の1領域にかかる限局性の応力が隣接領域に伝達 される結果、光学特性の箸しい損失が再帰反射材料のより大きな領域に達する。 再帰反射製品において柔軟性をある程度達成するための別の異なる方法では、 第1のステップで底材料のシートにキューブコーナ要素の配列を一時的に固着す る。キューブコーナ要素は、底材料上の剥離コーティング上に適切な材料を流し 込んで形成することもできる。次に金属被膜加工またはその他の手段によって、 キューブコーナ要素上に反射性層が形成される。次に基材は、キューブコーナ要 素の反射性層側面に固定される。底材料のシートは除去され、基材上に形成した 比較的自立型のキューブコーナ要素の露出配列が残される。 適切な裏打ち層は、再帰反射要素にシールできる着色または非着色材料を含め たあらゆる透明なまたは不透明な材料から作ることもできる。適切な裏打ち材料 としては、アルミニウムシートと、亜鉛めっき鋼と、ポリメタクリル酸メチルと 、ポリエステル、ポリアミド、ポリフッ化ビニル、ポリカーボネート、ポリ塩化 ビニルなどのポリマー材 料と、これらおよびその他の材料から作られる多様なラミネートが挙げられる。 裏打ち層またはシートは、反射キューブコーナ要素に格子パターンまたはその 他のあらゆる適切な形状でシールすることもできる。シーリングは、超音波溶接 、接着剤などのいくつかの方法の使用、または反射要素の配列上の不連続な位置 でのヒートシーリングによって影響を受けることもある(例えば米国特許第3,92 4,928号参照)。土または水分などの汚染物質の進入防止、キューブコーナ反射 表面周囲の空隙保存ためにはシーリングが望ましい。再帰反射シートの比較的細 長い帯を必用とするトラック顕著性などの用途において、縁シーリングが有益な こともある。 複合材において追加的強度または靭性が必用な場合、ポリカーボネート、ポリ ブチレートまたは繊維強化プラスチックの裏打ちシートを使用することもできる 。結果的に得られる再帰反射材料の柔軟性の程度次第で、材料は巻いたりまたは 帯やその他の適切なデザインに切断することができる。また再帰反射材料を接着 剤および剥離シートで裏打ちして、接着剤塗布またはその他の固着手段を使用す る追加的ステップなしに、あらゆる基材へ塗布できるようにすることもできる。 上述の各実施例に関連して特に開示されてはいないが、キューブコーナ再帰反 射技術の既存の特徴を組み込んだ様々な修正または組み合わせが本発明で考察さ れた。例えばキューブコーナ要素を分離する溝の中に分離面を提供することは、 当業者には明らかであろう。さらに例えば表面へのアルミニウムまたは銀の層の 蒸気コーティングなど、組織化表面の一部分を正反射性物質で被覆することも明 らかであろう。さらにAppeldornに対する米国特許第4,775,219号が開示するよ うに、隣接するキューブコーナ要素間の二面角が異なっても良いことは、当業者 には明らかであろう。このような明らかな修正または組み合わ せを組み込んだ製品は、本発明の範囲内にあると考えられる。 実施例I この実施例は、キューブコーナ要素の光学軸が傾斜する面と最も広い照射角の 面の間に希望する量の角偏差をもたらすキューブコーナ要素の傾斜角範囲を明ら かにする。図16Aから16Jは、図1-2に示すキューブコーナ要素の適合ペアの予 測再帰反射性能を表す等輝度曲線である。概して図16Aから16Eは、65-65-50の 基部三角形に至る傾斜角度まで増大する傾斜角度で要素が傾斜するにつれ、照射 角の最も広い面のキューブコーナ要素傾斜面からの角度的な変位が増大すること を実証する。その後、対向したキューブコーナ要素の傾斜角度の増大の結果、広 い照射角の面とキューブコーナ要素傾斜面の間における角度的な変位は減少する 。 図16Aは、等辺の基部三角形を有し、屈折率が1.59である単一キューブコーナ 要素の等輝度プロフィールである。これは、等辺の基部三角形キューブコーナ要 素の3つの対称軸の結果である良く知られた6つの丸い突出部の等輝度パターン を示す。図16Bから16Jは、対向したキューブコーナ要素が増大する傾斜角度で 傾斜するのに伴う、キューブコーナ要素の適合ペアの等輝度パターンのひずみを 表す。対向したキューブコーナ要素は、等輝度グラフを通って水平に延びる面で 傾斜する。図16Bは、およそ61度、61度、および58度の夾角を有する二等辺の基 部三角形を生じる1.60度の傾斜を表す。図16Cは、およそ62度、62度、および56 度の夾角を有する二等辺の基部三角形を生じる3.14度の傾斜を表す。図16Dは、 およそ63度、63度、および54度の夾角を有する二等辺の基部三角形を生じる4.63 度の傾斜を表す。図16Eは、およそ65度、65度、および50度の夾角を有する二等 辺の基部三角形を生じる7.47度の傾斜を表す。図16Fは、 およそ67度、67度、および46度の夾角を有する二等辺の基部三角形を生じる10.1 5度の傾斜を表す。 この一連の等輝度グラフを調べると、対向したキューブコーナ要素傾斜面から の照射角の最も広い面の角度的な変位が増大することが明らかである。 残りの等輝度グラフは、照射角の最も広い面と対向したキューブコーナ要素傾 斜面との間の開度の減少を表す。図16Gは、およそ69度、69度、および42度の夾 角を有する二等辺の基部三角形を生じる12.69度の傾斜を表す。図16Hは、およ そ71度、71度、および38度の夾角を有する二等辺の基部三角形を生じる15.12度 の傾斜を表す。図16Iはおよそ73度、73度、および34度の夾角を有する二等辺の 基部三角形を生じる17.46度の傾斜を表す。図16Jは、およそ75度、75度、およ び30度の夾角を有する二等辺の基部三角形を生じる19.72度の傾斜を表す。 この一連の等輝度グラフは、対向したキューブコーナ要素が約12度までの増大 する傾斜角度で傾斜するにつれ、キューブコーナ要素の傾斜面に対しておよそ45 度に方向付けされた2つの実質的垂直な面において、製品の照射角が広がり続け ることを実証する。さらに大きな傾斜は、これらの面における照射角を増大させ 、傾斜面と実質的一致する面での照射角を減少させる。最適な傾斜量は、65-65- 50の基部三角形に対応するおよそ7.47度であるように見えるが、およそ5度から およそ12度に広がる傾斜角度の範囲は、相互にほぼ垂直に方向付けされた2つの 広い照射角の面を有する再帰反射製品の製造に適するようであることが理解され るであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 基礎面に配置される底面を有する基材と、底面から変位した組織化表面 とを含み、実質的平行な溝の3つの交差するセットによって形成されるキューブ コーナ要素の適合ペア配列を備えたキューブコーナ製品であって、 (a) 2つの溝セットのみが60°未満の角度で交差し、 (b) 配列内の複数のキューブコーナ要素が、3つの交差する溝セット の各々の1つの溝によって画定される不等辺の基部三角形を含む キューブコーナ製品。 2. 溝セット内の隣接する溝が、600ミクロン未満の距離で隔てられる請求項 1に記載のキューブコーナ製品。 3. 少なくとも1つの溝セット内の少なくとも1つの溝が分離面を有する請 求項1に記載のキューブコーナ製品。 4. 製品がマスター製品である請求項1に記載のキューブコーナ製品。 5. 製品が再帰反射シートを形成するのに適した型である請求項1に記載の キューブコーナ製品。 6. 製品が再帰反射シートである請求項1に記載のキューブコーナ製品。 7. 製品の一部分が正反射性材料で被覆される請求項6に記載のキューブコ ーナ製品。 8. 光学的に実質的透明な材料から形成される薄く柔軟な再帰反射シートで あって、基礎面に配置される底面を有する基材と、底面から変位され、実質的平 行な溝群の相互に交差する3つのセットによって形成される傾斜キューブコーナ 要素の適合ペアの配列を備え、各適合ペアが第1のキューブコーナ要素および光 学的に対向した第2のキューブコーナ要素を有してなる組織化表面とを具備し、 (a) 配列内の複数のキューブコーナ要素が、3つの交差する溝セット の各々の1つの溝によって画定される不等辺の基部三角形を含み、 (b) 配列内の複数のキューブコーナ要素が、第1の面において傾斜す る対称軸を有し、 (c) 第1の面から角度的に変位した第2の面において、最も広範囲の 照射角を形成する、 再帰反射シート。 9. キューブコーナ要素が、第2の面が製品の縁と15°未満の角度で交差す るように方向付けされた請求項8に記載の再帰反射シート。 10. キューブコーナ要素が、第2の面が製品の縁と5°未満の角度で交差す るように方向付けされた請求項8に記載の再帰反射シート。 11. シートが実質的同様の広範囲の照射角を第3の面において形成し、第3 の面が第2の面と75°〜90°の角度で交差する請求項8に記載の再帰反射シート 。 12. シートが実質的同様の広範囲の照射角を第3の面において形成し、第3 の面が第2の面と90°の角度で交差する請求項8に記載の再帰反射シート。
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