JPH11507020A - 活性化したグリコシド化合物の収集およびその生物学的使用 - Google Patents

活性化したグリコシド化合物の収集およびその生物学的使用

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JPH11507020A JP8534893A JP53489396A JPH11507020A JP H11507020 A JPH11507020 A JP H11507020A JP 8534893 A JP8534893 A JP 8534893A JP 53489396 A JP53489396 A JP 53489396A JP H11507020 A JPH11507020 A JP H11507020A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は組合せ炭水化物化学の分野に関連し、有機分子の変性、および/または炭水化物および/またはグリコミネティック独立体からなる多数の生成物の合成を含むものである。さらに詳しくは、本発明は炭水化物単位の導入による有機分子の変性に有用な活性化炭素グリコシドに関連し、新規な化学的特性を有する多数の生成物の合成を提供する。さらに本発明は、炭素グリコシドからなる化合物の生成のための方法にも関連する。本明細書において、多量の分子を提供し、かつ種々の生物学的、化学的および他の活性を持つ作用薬または拮抗薬として作用する種を同定する方法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 活性化したグリコシド化合物の収集およびその生物学的使用 I.発明の技術分野 本発明は組合せ炭化水化物化学の分野に関し、有機分子の修飾および/または 炭水化物および/または糖模倣物(glycomimetic entities)を含む一連の産物の 合成に関する。特に本発明は炭水化物および/または糖模倣物単位を含む化学化 合物およびそのように製造された化合物を製造する手段および方法に関する。本 発明はまた、そのような化合物のライブラリーにも関し、および多様な生物学的 、化学的および他の活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する分子 種の同定のための使用にも関する。II.発明の背景 疾患の進行に関係する生理学的/生物学的プロセスの基礎をなす、分子的基礎 の改良された理解は、病理学上の障害に関与する生物分子(biomolecule)のア ゴニストおよびアンタゴニストを直接スクリーニングするためのアッセイの開発 を容易にする。そのようなアッセイで、一連の多数の分子は簡単に好ましい効果 に関して試験される。結果的に、ランダムに製造された一連の多数の化合物を合 成するための単純な方法を考案することに多大な興味が存在する。 医薬製剤の発見および薬剤開発の従来のアプローチは、潜在的なその薬剤候補 の同定のため小分子の合成に関し、その効果を最大とする候補薬剤への手工業( ”hand−crafted”)分子の修飾に関する。標的分子、またはその中間体までの 経路は構造/活性関係および該分子に関する官能基の合理的変化の解明に関与し 、複雑な合成形質転換を頻繁に必要とするものである。結果として、通常はスク リーニングに適した唯一または2、3の化合物を製造することができる。 しかしながら、固相合成の導入以来、研究者たちの化合物の分子的に多様なラ イブラリーの製造のための手段と選択が著しく変化し、ついで一連の多数の新規 化合物の製造のための新規な方法が開発されている。何千、場合によっては何百 万もの異なる分子が自動化または手動技術を用いて製造される。典型的には、こ れらの技術は連続工程を含み、その各々は前以て存在する分子の化学的修飾、例 えば、増大しつつある配列への単位の付加または官能基の修飾によって、特に修 飾には天然に存在する単位の複合体への付加、例えばアミノ酸、ヌクレオチド、 糖、脂質、またはヘテロ環化合物などの付加を含む。これらの例において、非常 に多様な化合物を製造することが可能である。これらの合成策は化合物のファミ リーまたはライブラリーを製造するものであるが、一般に「組合せ化学(”comb inatorial chemistry”)」または「組合せ合成(”combinatorial synthesis” )」法と称される。 組合せ化学法は新規の治療剤を同定するための特別な見込みを有する。一般的 には、ゴードン(Gordon)ら、1994、J.Med.Chem 37:1385− 401;およびギャロップ(Gallop)ら、1994、J.Med.Chem.37: 1233−51参照。例えば、組合せライブラリーは核酸を同定するため(ラタ ム(Latham)ら、1994、Nucl.Acids.Res.22:2817−2822 )、逆転写酵素に対するRNAリガンドを同定するため(チェン(Chen)およ びゴールド(Gold)、1994、Biochemistry 33:8746−56)およ び特定の反応変化状態に特異的な触媒抗体を同定するため(ポンサー(Ponser )ら、1994、Trends.Biochem.Sci.19:145−50)に行う。 組合せ法を使用して製造されたライブラリーの多様性は深い印象を与えるもの である。例えば、これらの方法は、40兆のデカペプチドを含むライブラリーを 製造するために使用され(ピニラ(Pinilla)ら、1994、Biochem.J.3 01:847−53)、1,4−ベンゾジアゼピンライブラリー(ブーニン(Bu nin)ら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.91:4708−12、19 94年2月22日に発行された米国特許第5,288,514号)、同じ分子に一 緒に結合した多数の小さなリガンドを含むライブラリー(ワラス(Wallace)ら 、1994、Pept.Res.7:27−31)、小生物体のライブラリー(チェ ンら、1994、J.Am.Chem.Soc.116:2661−2662)、ペプ チドステロイド受容体(ボイス(Boyce)およびネスラー(Nestler)、 1994、J.Am.Chem.Soc.116:7955−7956)および天然に 存在しないアミノ酸を含むペプチドライブラリー(ケール(Kerr)ら、199 3、J.Am.Chem.Soc.115:2529−31)などを製造する。 しかしながら、多様な多数の化合物の製造への前記アプローチにおける固有の 、(各工程は異なった選択のかなりの数を含む)、典型的には各個々の化合物は 、微小量にて存在するであろう。ライブラリー中で利用できる任意の特定の化合 物の限られた量の結果として、特定の化合物の生理学的特性(例えば、その生理 学的活性)は決定できるが、通常は存在する本化合物の化学的構造を同定するの は不可能である。現在、望ましい化合物(「ヒット(hit)」)の同定を容易に する多様な多数の化合物を製造するため3つの一般的な方法が現存し、「空間的 −処理可能(”spatially-addressable”)」法、「分離ビーズ(”split-bead ”)」法および組合せ法と称される。一般的にはゴードンら、上記およびギャロ ップら、上記参照。 空間的−処理可能法の1つの例は、標準マイクロタイタープレートの大きさに 適している不動のピン上のペプチドライブラリーの製造に関与する。PCT公開 番号第91/17271号および第91/19818号参照。ゲイセン(Geyse n)ら、1993、BioMed.Chem.Lett.3:391−404)、199年 2月22日発行の米国特許第5,288,514号およびブーニンら、1994、 Proc.Natl.Acad.Sci.91:4708−12)参照。個々のライブラリ ーメンバーの構造は合成の間に使用された一連の反応工程とともにピンの位置を 分析することによって解読されることができる。 他の関連する空間的−処理可能法は個々の容器が単一の反応単位である個々の 反応容器中のポリマーの固相合成に関する。各反応容器は二次元マトリクスによ り空間的に定義される。従って、個々のライブラリーメンバーの構造は各反応単 位が検査される一連の反応を分析することによって解読されることができる。 第3の空間的−処理可能法が合成樹脂を維持する「ティーバッグ」を使用する 。各ティーバッグが記録される一連の反応は各ティーバッグにおいて合成された オリゴマーの構造を決定する。例えば、ラム(Lam)ら、1991、Nature 3 5 4:82−84;ホーテン(Houghten)ら、1991、Nature 354:84 −86、ホーテン、1985Proc.Natl.Acad.Sci.82:5131−5 135;およびジャングら、1992、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.9 1:367−383参照。 しかしながら、空間的−処理可能法の使用は少なくとも1つの重要な欠点を有 する。空間的−処理可能法のライブラリーのメンバーが空間的に分離されたもの の中で合成されるので、相対的に小さなライブラリーしか構築されない。空間的 −処理可能法のライブラリー中の各反応容器の位置がライブラリー全体が二次元 マトリクスで定義されているようなXY座標対によって定義される。ライブラリ ーの大きさが増加すると二次元マトリクスの面も増加する。加えて、該ライブラ リーの構築に使用された異なる形質転換事象の数は指数的に増加する。 従って、4つの異なる入力よりなる直鎖テトラメア(tetramere)の完全なセ ットの産生は唯一16×16マトリクス(44=256ライブラリーメンバー) のみを必要とし、4つの異なる入力よりなる直鎖オクタマーの完全なセットの産 生は256×256マトリクス(48=65,536ライブラリーメンバー)を 必要とし、ついで20の異なる入力よりなる直鎖オクタマーの完全なセットの産 生は、400×400マトリクス(204=160,000ライブラリーメンバ ー)を必要とする。それゆえ、ライブラリーマトリクスの物理的な大きさが、か さ張るようになる空間的−処理可能法を用いた20の異なる入力からなる直鎖テ トラマーの完全なセットを構築することは1667マイクロタイタープレートを 必要とする)、マトリクス中の各反応容器のへの試薬の配分は、つまらない、時 間を消費する手動操作または複雑な、高価な自動化装置のいずれかを必要とする 。 現存する第2の一般的な方法は「分割ビーズ」組合せ合成方法の使用に関する 。例えばフルカ(Furka)ら、1991、Int.J.Pept.Pritein.Res. 37:487−493参照。一般的に合成支持体はアリコートに配分される。つ いで各アリコートはモノマーにさらされ、ついでビーズをためる。ついで該ビー ズを混合し、再度アリコートに配分し、ついで第2のモノマーにさらす。この工 程を所望のライブラリーが産生されるまで繰り返す。 「分割ビーズ」法で産生されたポリマーは空間的−処理可能でないため、個々 のライブラリーメンバーの構造は該反応ヒストグラムの分析によって解明される 。むしろ該ライブラリーを含む化合物の構造を直接ポリマーを分析することによ って決定する。従って、分割ビーズアプローチの1つの制限はポリマー組成物を 分析するのに別個の工程が必要であることである。シークエンシング法がペプチ ドおよび核酸に利用できる一方、他の組成物のポリマーの配列は、例えば炭水化 物、有機体、ペプチド核酸または混合ポリマーなどは容易には決定できない。従 って、分割ビーズ法が限られた合成工程により合成された容易に利用できる化合 物かまたは構築単位としてのペプチドおよび核酸の使用に限られる。 近年直接ライブラリーメンバーの配列を決定する必要性を明らかにした分割ビ ーズ表に関するバリエーションが提案されている。これらの方法は、共合成(co -synthesis)として知られる方法でもあるが、独特の同定タグ(マーカー)を有 する増大しつつあるポリマーをタグつけるための化学的物質を利用する。例えば 、1994年4月14日、PCT公開番号第WO94/08051;ネスラーら 、1994、J.Org.Chem.59:47234724;1993年4月1日 、PCT公開番号第WO93/06121;ニードルズ(Needels)ら、199 3、Proc.Natl.Acad.Sci.90:10700−10704;ケールら、 1993、J.Amer.Chem.Soc.115:2529−2531およびブレン ナー(Brenner)およびラーナー(Lerner)、1992、Proc.Natl.Acad .Sci.89:5381−5383参照。化学的に検出可能な「タグ」を有する ライブラリーメンバーをコードすることはライブラリーメンバーを有する個々の ライブラリーメンバーの化学的構築の独特の同定の構築、または共合成を提供す る。PCT/US93/093145参照。 しかしながら共合成法の適用には限界がある。例えば、タグつけ構造は合成有 機化学試薬およびその条件で両立できない。さらなる制限とは、タグおよびライ ブラリーメンバーの共合成を変えることが可能である矛盾しない保護基の必要性 の結果である。また、アッセイ受容体に選択的に結合するタグからはアッセイに 混乱が生じるであろう。 第3の一般的なアプローチはオリゴマーの融合を調製する組換え法に関する。 例えば、PCT公開番号第91/17271号;PCT公開番号第91/198 18号;スコット(Scott)、「ディスカバリング・ペプチド・リガンズ・ユー ジング・エピトープ・ライブラリーズ(Discovering Peptide Ligands Usin g Epitope Libraries)」、TIBS 17:241−245(1992);ク ゥイルラ(Cwirla)ら、「ペプチド・オン・ファージ:ア・バスト・ライブラ リー・オブ・ペプチズ・フォー・アイデンティファイイング・リガンズ(”Pep tides on Pharge:A Vast Library of Peptides for Identifying Ligan ds”)、Proc.Natl.Acad.Sci.87:6378−6382(1990) ;デブリン(Devlin)ら、「ランダム・ペプチド・ライブラリーズ(”Random Peptide Libraries:A Source of Specific Protein Binding Molecul es”Sience249:404−406(1990);およびスコットおよびスミ ス(Smith)、「サーチング・フォー・ペプチド・リガンズ・ウィズ・アン・エ ピトープ・ライブラリー(”Searching for Peptide Ligands with an Epit ope Library”)Science249:386−390(1990)。これらの方法 を用いて、組換え生物体またはファージ中のコーディング配列を決定することに よってライブラリー中の各オリゴマーを同定することが可能である。しかしなが ら、ライブラリーメンバーがイン・ビボで産生されているので、組換え方法はそ の合成が細胞内で媒体されるポリマーに限定される。従って、これらの方法は典 型的にペプチドおよびオリゴヌクレオチドライブラリーの構築に限られる。 別の最近の発展において、写真製版(photolithography)、化学および生物学 の技術が組合わされて基質の表面のオリゴマーおよび他の化合物の集合を製造す る。この技術は”VLSIPSTM”として知られている。例えば米国特許第5, 143,854号;PCT公開番号第90/15070号;PCT公開番号第9 2/10092号、25、1992;フォーダー(Fordor)ら、1991、Sc ience251:767−773;ピーズ(Pease)ら、1994、Proc.Natl .Acad.Sci.91:5022−5026;およびヤコブ(Jacob)およびフ ォーダー、1994Trends.Biotechnology 12:19−26参照。しかしな が ら、VLSIPSTM法は最小化を通してライブラリーの大きさの制限の問題を克 服するが、特別の光遮蔽(photoblocking)化学および高価であり、特別の合成 およびアッセイ装置を必要とする。従って、VLSIPSTMは固相化学およびア ッセイ方法論を出現させるのに容易ではなく、経済的にも適切でない。 現在、炭水化物は殆ど組合せ化学の分野において利用されていない。生物学的 分子の多くの生理学的相互作用、例えば受容体とリガンド間の作用は特異的なグ リコシル化のパターンによって定義されるのでングリコシル化された薬剤は生物 学的分子の標的化された抑制または活性化の主要な効果である(例えばヤマザキ (Yamazaki)ら、1992、Intl.J.Biochem.24:99−104;ボー マン(Borman)ら、C&EN、1992年12月7日:25−28;ペチトウ (Petitou)、1993、Trends in Receptor Research、編:クラッセン( Classen)、エルゼビア・サイエンス・パブリッシャーズB.V.(Elsevier Science Publishers B.V.)参照)。 例えば、セレクチンはsLexなどの細胞表面炭水化物と相互作用する細胞接着 分子である。現在の科学的証拠はセレクチン受容体が白血球と組織とのやりとり に重要な役割を果たしていると示唆する。セレクチンはまた、傷害、好酸球およ び好中球の移動および活性化時にはアップレギュレート(upregulate)されると 示されている。多くの免疫炎症障害は、一部は、適する組織の部分に存在する白 血球の結果である。E−、L−またはP−セレクチン/sLex相互作用などの炭 水化物−タンパク質相互作用は、皮膚炎症、喘息および肺炎症などの炎症関連性 の多様な疾患に関連する。さらに、セレクチンは癌の転移時の細胞接着に関する 。実際、大多数の腫瘍の型、例えば、膀胱癌および大腸および膵臓癌などは、悪 性腫瘍の転移段階を通ってこれらが増殖する時、sLexの高発現レベルを示す。 従って、接着、特にセレクチンによって媒介される炭水化物/タンパク質の相 互作用に関連した初期の事象を抑制するために設計された薬剤は癌、関節炎およ び他の型の炎症性疾患を含む細胞の接着に関連した多くの重篤な疾患を予防およ び処置するのに有用である。それゆえ、グリコシル化した薬剤は多数の生物学的 な相互作用に関連したタンパク質/炭水化物相互作用の標的化した抑制の強力な 手段であってよい。 例えばオリゴ糖を含むsLexは以前にセレクチン受容体を抑制すると示された 。さらに、ジギトキシゲニン(digitoxigenin)のグリココンジュゲートのエク ス・ビボの可能性が中心構造のC−3位にて単糖単位の本質を変えることによっ て増大される(ブラウン(Brown)ら1995、Tetrahedron Letters 36: 1117−1120)。 生物学的に適当である炭水化物−タンパク質の相互作用の他の例は、例えば、 プラット(Platt)ら、1994、Journal of Biological Chemistry 26 9:27108−14;ヒンマン(Hinman)ら、1993、Cancer Research 53:3336−42;ポールら、1992、Analytical Biochemistry 20 4:265−72;コーケンズ(Keukens)ら、1992、Biochemica et Bi ophysica Acta.1110:127−136;バーガ−デフテルダロビック(V arga-Defterdariovicら1992、Int.H.Peptide Protein Res.39: 12−17:ヤマザキら、上記;ジオルフィス(Giorphis)ら、1992、Ca ncer Chemother Pharmacol 29:290−96;シアロッチ(Ciarrochi) ら、1991、Anticancer Research 11:1317−1322;ミンコット (Mingot)−レクラーク(Leclercq),1991、J.Med.Chem.34: 1476−82;ガビウス(Gabius)ら、1990、Anticancer Research 10:1005−12;フロム(From)ら、1990、Molecular and Cellu lar Biochemistry 94:157−65;ボドレー(Bodley)ら、1989、 Cancer Research 49:5969−5978;チーレ(Thiele)ら、198 9、Eur.J.Immunol.19:1161−64;チュ(Chu)ら、1989、 Journal of Medicinal Chemistry 32:612−17;トレス(Torres) ら、1988、Int.J.Peptide Protein Res.31:474−80;モン テキュッコ(Montecucco)ら、1988、Nucleic Acids Research 16: 3907−18;コニシ(Konishi)ら、1986、The Journal of Antibi otics 39:784−91;オザキ(Ozaki)ら、1985、Eur.J.Bioch em.152 ーソン(Anderson)、1995、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 1:902−47参照。 組合せ化学中の炭水化物の統合がこれまでのところ置き去りにされている1つ の理由は炭水化物の化学に固有のものであるようである。すなわち、O−グリコ シド結合は加水分解的に不安定であり、酵素によって開裂できると知られている 。最近、少なくとも6つの異なる糖含有分子を含む炭水化物ライブラリーの分解 が報告されている(PCT特許出願、WO95/03315号、1995年2月 発行)。しかしながら、そこに開示された教示はO−グリコシド結合が適応性を 減少させ、その結果そのようなライブラリーによって提供されている化合物の商 業価値を期待しているのだが、不安定性の問題を解決していない。さらに、WO 95/03315号に提供されているライブラリーの化合物は糖残基のみからな る。その開示はまた、ステロイドまたはペプチドのような異なる化学的性質の残 基を炭水化物の組合わせに与え、そのことは生物学的システムにおいて役割を果 たしているような分子(すなわちグリコシル化したペプチド)はその意義の観点 から特に好ましいようである。 組み合わせ化学法によって製造された化合物中の炭水化物の統合、すなわちグ リコシル化した一連の化合物の製造は非常に好ましいが、炭水化物化学に固有の 困難のため、および従って炭水化物関連ライブラリーの製造の予測不能な性質の ため、これまでは炭水化物は組み合わせ化学的アプローチ中において開発されて いなかった。 III.本発明の概要 化学的化合物の修飾および/または複雑な組合わせ化学的ライブラリーの合成 の新規かつ改良された方法の開発は非常に望ましい。特にそのようなアプローチ のための炭水化物の統合および開発が必要である。 本発明は相対的に安価でたやすく得られる手段を提供し、炭水化物の単位を含 む新規化合物からなる新規化合物の理論的に無限である配列の産生法を提供する 。さらに、本発明は分子の粗い配列のデコンボルーション(deconvolution)に よって関心の活性のある化合物の分子の本質の単純な解明方法を提供する。 本発明の1つの態様により、化学的化合物中の炭水化物または糖模倣単位およ び適切な官能基よりなる組合わせライブラリーのメンバーの統合のための手段と して有用な「活性化された」炭素グリコシドを提供する。 本発明の「活性化された」グリコシドは少なくとも1つの接着した炭水化物単 位を含み、少なくとも1つの炭素原子を含むスペーサー/リンカー単位を介して 誘導体を合成した官能基を含む。一般的に本発明の「活性化された」グリコシド は下記一般式 (X)m−Z (I) 式中Xは炭水化物単位または修飾された炭水化物単位であり; Zは少なくとも1つの炭素原子を含み、スペーサー・リンカー単位を介して酸 素ではない炭素のかわりである平行ではない位置である;および mは正の整数である。 より具体的な態様において、本発明により提供される「活性化された」グリコ シド[(X)m−Z]は下式により特徴付けられる 式中、 Zは−CH2WCH2T、−CCCH2T、=C=CHCH2T、−ArCH2T、 −ArVまたは−(CH2nV; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3またはCR2−CR21 2; TはO-1、M2、SR1、S(O)R1、SO21、P(O)OR1 2、COD 、OC(NH)CCl3またはNR1 2; VはO-1、SR1、S(O)R1、P(O)OR1 2、COD、NR1 2; nは正の整数、好ましくは1〜10; M1はNa+、K+、Mg++、Cu+またはCu++イオン; M2はLi+、Mg++、Ca++イオン R1はH、CH3または低級アルキル; R2はOR1、NR1 2またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3; 保護基にはメチル−、ベンジル−、MOM、MEM、MPMおよびtBDMS ; UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2またはNR1; DはOR1、NR1 2またはO-1;および 低級アルキルはC1〜C10、分枝鎖または非分枝鎖である。 本発明の他の態様において: Zは−CH2−W−CH2E、−CCCH2E、=C=CHCH2E、−ArCH2 E、−ArE、−ArG、または−(CH2nG; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3またはCR2−CR21 2; EはOH、Cl、Br、I、OMS、OTf、OTs、OAcまたはOC(NH )CCl3 GはOH、Cl、Br、I、OMs、OTf、OTs、OAcまたはCOD; nは正の整数、好ましくは1〜10の間; M1はNa+、K+、Mg++、またはCa++イオン; R1はH、または低級アルキル; R2はOR1、NR1 2またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3; 保護基にはメチル−,ベンジル−、ベンゾイル−,アセチル−、MOM、ME M、MPM、tBDMSおよびTMS; UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2またはNR1; DはOR1、NR1 2またはO-1;および 低級アルキルはC1〜C10、分枝鎖または非分枝鎖である。 本発明の他の態様は、各化合物が少なくとも1つのモノマーであり炭水化物で あるような1つまたは複数のモノマーからなる複数の化合物を含む合成ライブラ リーの産生方法を提供することである。より詳しくは、提供された方法は1つま たは多数の活性化された炭素配糖体((X)m−Zと定義する、上記参照)を1 または多数のモノマーとZ−プライムした反応中で、有機分子、無機分子および 固相合成支持体を含む任意の化学的性質のホモ/ヘテロ−オリゴマーまたはホモ /ヘテロポリマーの存在と反応させることを含む。 本発明の方法により製造されたライブラリーは多様なコア構造、多様な炭水化 物残基またはその両方を有する一連の分子の配列を含んでよい。そのようなライ ブラリーの作成に使用した炭水化物残基はモノマー、ダイマー、トリマーおよび オリゴマー、分枝鎖または非分枝鎖、そのような官能基を含む化学的残基の適切 な官能基に結合しているものを含む。適切な官能基には、以下に限られるもので はないが、フェノール、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、アミドおよび アミノ基を含む。残基が適切な官能基を1より多くを有する場合、1またはそれ 以上のそのような官能基はカップリング反応中に適切な保護基により保護されて よい。そのような保護基には、例えば、ベンジルまたはアルキル基が含まれる。 カップリング反応後、その保護基は選択的に除去されてよい。 多数の異なるライブラリーメンバーは液相かまたは代わりに固相支持体に結合 してまたは両方の技術の組合せによって合成されてよい。合成後、ライブラリー メンバー合成支持体から開裂されてよい。 そのようなライブラリーのメンバーはそのライブラリーメンバーの構造を同定 する化学的同定標識(identifier tag)に結合してよい(例えばPCT特許出願 番号第94/08051号、1994年4月14日公開)。ライブラリーメンバ ーおよび同定標識の間の架橋が同定標識とライブラリーメンバーとの間の結合ま たは代わりに同定標識と固相合成支持体との間の結合を含む。 そのようなライブラリーの作成は存在する化学的化合物のライブラリーの修飾 に関与し、炭水化物の結合を現存および新規の組合せライブライリー、生物−オ リゴマーおよび有機基質を提供する。合成は過多の段階に関与し、各段階は多数 の選択を有し、多様な塑性物を有する産物の多数は現存する組合せの天然産物ま たは化合物の化学的ライブラリーの直接的な修飾によって得られる。代わりに、 このようなライブラリーは、分枝鎖および非分枝鎖のモノマー、ダイマー、トリ マー、オリゴマーを含む修飾した炭水化物を有する組合せ化学を使用して得てよ い。 本発明の他の態様は、一連の化合物のデコンボルーション方法を提供すること である。より詳しくは、該方法は: (1)該化合物が1または多数のモノマーおよび少なくとも1つのモノマーであ る多数の化合物の合成が大多数の(有機分子、無機分子、固相合成支持体を含む 任意の化学的本質、1または多数のモノマー、ホモ/ヘテロ−オリゴマーまたは ホモ/ヘテロ−ポリマーとして定義される、上記参照)“A”((X)m−Zと して定義される、上記参照)の大多数が“B”と反応する (2)所望の生物学的、化学的または他の効果のスクリーニング (3)“A”および/または“B”の一層少ない量での(2)の反復工程 (4)活性化合物が合成および/または同定されるまで(2)および(3)の工 程の反復 よりなる。 本発明のさらに他の態様により、少なくとも1つの炭水化物の単位を含み、誘 導体を製造した官能基にスペーサー/リンカー単位を介して結合させることを含 む新規化学化合物の配列を提供する。本発明は下式を含む新規化学化合物を提供 する: (X)m−Z’ 式中、Xは炭水化物単位または修飾した炭水化物単位; Z’は“Z”および“B”の反応産物;および Bは1または多数の有機分子、無機分子、固相合成支持体を含む任意の化学的 性質のモノマー、ホモ/ヘテロ−オリゴマー、またはホモ/ヘテロ−ポリマーで ある。 Zは少なくとも1つの炭素原子を含むスペーサー/リンカー単位を介して活性 化した官能基を、Xは炭素のかわりに酸素以外のものであるアノマー位置に結合 させる; mは正の整数である。 より詳しい態様により、本発明の手段と方法により製造された一連の化合物の 配列は下式を含む: 式中: Z’は“Z”および“B”の反応産物である; Bは1または多数の有機分子、無機分子、固相合成支持体を含む任意の化学的 性質のモノマー、ホモ/ヘテロ−オリゴマー、またはホモ/ヘテロ−ポリマーで ある;および 他の変数(すなわち、Z、W、Tなど)は上記に定義したとおりである。 IV.用語集 以下の語句は各々が使用される以下の一般的な定義を有するよう意図されてい る。 炭水化物:本明細書で使用する「炭水化物」は一般的組成物(CH2O)n、式 中、nは3またはそれ以上の整数で、以下に限るものではないが、グルコース、 ガラクトース、フコース、フルクトース、サッカロース、マンノース、アラビノ ース、キシロース、ソルボース、ラクトースおよびその誘導体、ホモ/ヘテロ− オリゴマー、そのホモ/ヘテロ−ポリマー、例えば以下に限るものではないが、 アルドン酸、ウロン酸、デオキシ糖またはnが典型的には4、5、6、7原子で あるアミノ糖、ムコ多糖などのさらなる要素また残基を含むものを含む化学的残 基である。該炭水化物中の酸素原子は窒素、硫黄、炭素などのヘテロ原子により 置換されてよい。本明細書で使用する炭水化物は任意のヒドロキシ基である“H ”が任意の化学的矛盾のない残基“R”によって置換されている化学的構造を含 むと理解されており、本明細書で使用されている意味においては任意のモノマー 、オリゴマーまたはポリマーであってよい。 炭水化物単位:本明細書で使用する「炭水化物単位」とは単糖を含むモノマー である。 炭素配糖体:本明細書で使用する「炭素配糖体」とは、アノマー位に酸素を有 さないがむしろ炭素を有する炭水化物の誘導体である。 化学的略語:以下の化学的略語は以下の表1に示し、本発明で使用する。 官能基:本明細書で使用する「官能基」とは1つの原子または原子群および単 位として作用する関連化学的結合を含み、異なる化合物中にて反応が起こるとき にはいつでもほぼ同様のタイプの化学的反応性を有するものである。 ヘテロ原子配糖体:本明細書で使用する「ヘテロ原子配糖体」とは、アノマー 位の酸素原子が炭素原子で置換されている炭水化物である。 同定標識:「同定標識」とは、標識した合成オリゴマーライブラリー中の個々 のオリゴマーの構造を解明するための手段を提供する検出可能な属性である。例 えば、同定標識は、標識した合成オリゴマーライブラリーの合成で得られた生成 物を同定するために使用することができる。 リンカー:リンカーとは、離れた部分へ結合するかまたは連結するものである 。「リンカー」とは残基、分子または合成支持体または基質に結合した分子の基 および合成支持体または基質からの合成ポリマーまたはオリゴマーをスペーシン グするものである。「リンカー」はまた、残基、分子、または基質に結合した分 子基および該基質からの合成支持体をスペーシングするものである。 リンカーは両機能性であってよく、該リンカーはモノマー、オリゴマー、合成 支持体、または基質、連続したスペーサー残基に結合できる一端で官能基を有し 、およびモノマー、オリゴマー、合成持体または基質に結合できる一端で官能基 を有ししてよい。機能機は同一または別個である。 モノマー:本明細書で使用する「モノマー」は、少なくとも1つ結合で形成す ることができる任意の原子または分子である。従って、「モノマー」はオリゴマ ーまたはポリマーを形成するための多数の連続したまたは連結した化学的または 酵素的反応工程における単独の単位として一緒に連結することができる任意の化 学的性質の原子または分子のセットの任意の数である。モノマーは、官能基が必 ずしもそうである必要はないが、同一であってもよい1または多数の官能基を有 してよい。本発明で有用であるモノマーのセットには、以下に限るものではない が、アルキルおよびアリールアミン、アルキルおよびアリールメルカプタン、ア ルキルおよびアリールケトン、アルキルおよびアリールカルボン酸、アルキルお よびアリールエステル、アルキルおよびアリールエーテル、アルキルおよびアリ ールスルホキシド、アルキルおよびアリールスルホン、アルキルおよびアリール スルホンアミド、フェノール、アルキルアルコール、アルキルおよびアリールア ルケン、アルキルおよびアリールラクタム、アルキルおよびアリールラクトン、 アルキルおよびアリールジ−およびポリエン、アルキルおよびアリールアルキン 、アルキルおよびアリール不飽和ケトン、アルデヒド、1,6−アニヒドロカル ボヒドレート、スルホキシド、スルホン、1またはそれ以上の原子:窒素、硫黄 、リン、酸素および1またはそれ以上の上記官能基、L−アミノ酸、D−アミノ 酸、デオキシリボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオシド 、リボヌクレオチド、糖、ベンゾジアゼピン、β−ラクタム、ヒダントイン、キ ノンヒドロキノン、テルペンなどの他の多機能的な分子を含む。 単糖:本明細書で使用する「単糖」とは任意の炭水化物モノマーまたはその誘 導体である。 人名反応(named reaction):本明細書で使用する「人名反応」とは、当業者 に公知である化学的標準反応であり、以下に限られるものではないが、アルパー (Alper)反応、バルビエール反応、クライゼン−アイルランド(Claisen−I reland)反応、コープ転位、デルピンアミン合成、ゲバルトヘテロ環合成(Gew ald Heterocycle Synthesis)、ヒヤマ−ヒースコック(Hiyama−Heatcock )立体選択アリル化、ストーク(Stork)ラディカル環化、トロストシクロペン タン化(Trost Cyclopentanation)、バイデンハーゲン(Weidenhagen)イミ ダゾール合成が含まれる。一般的には、ハスナー(Hassner)およびストゥマー (Stumer)、1994参照。また、「オーガニック・シンセシス・ベースド・ オン・ネームド・リアクションズ・アンド・アンネームド・リアクションズ(O rganic Synthesis Based on Named Reactionsand Unnamed Reactions)」 、テトラヘドロン・オーガニック・ケミストリー・シリーズ(Tetrahedron Or ganic Chemistry Series)、編、ボールドウィン(Baldwin)およびマグナス (Mugnus)、パーガモン(Pergamon)、英国参照。 オリゴマーまたはポリマー:本明細書で使用する「オリゴマー」または「ポリ マー」は例えばアミド、エステル、チオエーテル、ケトン、エーテル、スルホキ シド、スルホアミド、スルホン、リン酸、アルコール、アルデヒド、アルケンア ルキン、芳香族、多芳香族、窒素、硫黄、酸素およびリンなどの1またはそれ以 上の原子からなる複素環化合物、例えばテルペン、ステロイド、β−ラクタム、 ベンゾジアゼピン、キサンテート、インドール、インドロン、ラクトン、ラクタ ム、ヒダントイン、キノン、ヒドロキノンなどの共通のコア構造を有する化学物 質、多糖、リン脂質、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウ レア、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンスルフィドポリイミド 、ポリアセテート、ポリペプチド、ポリヌクレオチドなどの繰り返し鎖、または 本開示の概説をみれば当業者には容易に明らかであろう他のオリゴマーまたはポ リマーを含む同一または多様な化学的性質の多数のモノマーを含む任意の化学構 造である。従って、「オリゴマー」および「ポリマー」は、当業者には明らかで あるような直鎖、分枝鎖、環状または推定の多様な他の形態であってよい。 オリゴ糖または多糖:本明細書で使用する「オリゴ糖」または「多糖」とは、 多数の単糖からなる炭素グリコシドを含む炭水化物をいう。 保護基:本発明の残基は1つまたは3、4の固有の官能基を有してよい。適切 な「保護基」はライブラリーを構築するための機能性および特定の化学に依存す る。適切な機能的保護基の例は当業者には容易に理解できるものであり、例えば 、グリーン(Greene)およびウッツ(Wutz)、プロテクティング・グループ・ イン・オーガニック・シンセシス(Protecting Groups in Organic Synthes is)、第2版、ジョーン・ウィリーアンド・サンズ(John Wiley and Sons) 、ニューヨーク(1991)、に記載されており、参照のため本明細書に包含す る。 スペーサー/リンカー単位:本発明および本明細書で使用される本発明の化合 物は第2の物質に炭水化物または糖模倣的に結合するスペーサー/リンカー単位 を含む。スペーサー/リンカー単位は一般的に炭水化物または糖模倣物のアノマ ー部位にある炭素に結合し、ついで少なくとも1つの炭素原子を含む。好ましく は、スペーサー/リンカー単位は脂肪族または芳香族化合物である。 スペーサー/リンカー単位は生理学的環境中にて開裂または分解されているそ のような化合物であってよい。 合成化学ライブラリー:「合成化学ライブラリー」は、無作為または半無作為 に合成した分子の集合であり、かかるライブラリーの各メンバーは化学合成また は酵素合成により製造されるものをいう。 合成支持体:「合成支持体」は、堅固なまたはやや堅固な表面を有し、官能基 またはリンカーを有する物質をいう。合成支持体は合成反応を行うのに適してい る官能基またはリンカーで誘導体を作成することができる。 好ましくは、かかる物質は小さなビーズ、ペレット、ディスク、毛管、中空繊 維、針、固体繊維、セルロースビーズ、多孔ガラスビーズ、シリカゲル、時にポ リエチレングリコールジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンビーズ、グラ フトコポリマービーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、N,N ,N−ビスアクリロイルエチレンジアミンで架橋されたジメタクリルアミドビー ズ、疎水性ポリマーをコートしたガラス粒子の形態または他の都合の良い形態を とうるであろう。 「合成支持体」は同定標識を保有することができるように構築されて良い。 合成:「合成」とは、イン・ビトロ化学または酵素合成によって製造される場 合をいう。 「転換事象(Transformation event)」または「反応」:本明細書で使用す る「転換事象」または「反応」とは化合物、モノマー、オリゴマーまたポリマー の化学的構造の変化を引き起こす事象である。「転換事象」または「反応」は、 以下に限られるものではないが、光学的、化学的、酵素的、または生物学的に媒 介されたまたは開裂、光学的、化学的、酵素的または生物学的に媒介された側鎖 基または官能基の付加、除去、修飾、温度変化、圧力変化などの物理的、化学的 、酵素的、生物学的または他の手段、または組み合わせた手段により媒介されて よい。従って、「転換事象」または「反応」には以下に限るものではないが、例 えば1または複数のモノマーの付加、溶剤またはたはガスの付加、または金属ま たは例えばゼオライトなどの無機基質の配位などのモノマー、オリゴマーまたは ポイリマーの分子量の増加の結果となる。「形質転換事象」または「反応」はま た、例えばアルコールの脱水によイアルケンまたはエステルまたはアミドの酵素 的加水分解などのオリゴマーまたはポリマーの重量の低下となってもよい。「形 質転換事象」または「反応」はまた、例えば1または多数のキラル中心、クライ ゼン転位、アイルランド転位、またはコープ転位および本開示の概説により当業 者に 明らかであるであろう他の事象における立体化学的変化などのモノマー、オリゴ マー、ポリマーの分子量における正味の不変という結果となる事象をも含む。 V.発明の詳細な説明 本発明は組合せ炭水化物化学の分野に関し、少なくとも1つの炭水化物または 糖模倣物を含む化合物およびそのように製造された化合物を製造する手段と方法 を指示する。本発明は有機化合物の修飾としての炭素配糖体の新規な使用に一部 は基づき、それによって炭水化物/糖模倣物の単位を前以て存在していた分子、 例えば、前以て存在した合成化合物ライブラリーに包含する。本明細書に開示す る手段と方法を使用すると、理論的には無限の炭水化物単位を含む新規な分子が 製造される。そのように、本発明は多様な生物学的、化学的または他の活性のア ゴニストまたはアンタゴニストとして作用する新規の分子種の同定のための炭水 化物/糖模倣物を含む一連の多数の化合物の製造を提供する。 A.炭水化物および/または糖模倣物を含む新規化合物 炭水化物は細胞認識に基本的な生物学的プロセスの遂行において重要である。 炭水化物含有複合体に蓄積されている非常に多くの詳細な知識は炭水化物が生理 学的相互作用および認識において重要な役割を果たしていることを明らかにして いる。例えば、受容体とそのリガンドの間の認識と結合は特異的なグリコシル化 パターンによって定義される。生理学的プロセスの調節における糖の重要性は、 炭水化物が薬剤の発見および開発の分野における将来を約束する印象を有すると 期待されている結論を強要する。さらに、理論的に無限の容易に利用できる炭水 化物は非常に僅かな形質転換体に関与する新規化合物の理論的に無制限な配列の 製造を促進する。例えば、ピラノース中のたった6つの糖を使用すると128の 二糖類が形成される。レイン(Laine)、1994、Glycobiology 4 759 −767。ペプチドの場合、対照的に、20アミノ酸が202=400の異なる ジペプチドに達するために必要である。バウム(Baum)、1994、Chemical & Engineering News 20−26。 表IIに示す計算は炭水化物化学固有の途方もなく非常に高い多様性を説明す る。 *)各ヘキソース単位が1回より多くは使用されないD−ヘキソースの直鎖異性 体(レーン、上記)。 それらの高い多様性のため、炭水化物は多才であり、以下で詳しく述べるよう に前以て存在する非常に多彩な化合物に接着することができる。そのように、炭 水化物単位は特異的な化学化合物を修飾し、分子、前以て存在する組合せライブ ラリーを導くのに利用されることができ、または新規の組合せライブラリーの産 生に使用することができえる。最終的に、たいていの炭水化物は大スケールで( 複数グラムからキログラムレベル)相対的に安価に容易に得られる。 これらの全ての理由により、薬剤の製造のための組合せ化学の分野において炭 水化物の調製および開発が期待されることができる。しかしながらこれまでのと ころ、炭水化物化学において固有の問題、すなわちO−グリコシド結合の不安定 性は組合せ化学のプラットホームにおいての炭水化物の調製を妨げていた。 本発明は炭水化物化学固有の障害、すなわちO−グリコシド結合の不安定性を 多様な化学化合物を使用することによって回避し克服する。炭水化物グリコシド 結合、好ましくはC−C結合がO−グリコシド結合よりずっと加水分解的分析的 および生物学的に安定であることを予示する。炭素グリコシドは「普通の」炭水 化物同様多才であり、安定な官能基(アミノ酸、ペプチド、核酸、糖、ステロイ ド、脂質、アルコールなどを含む)を含む非常に多様な化学的残基に容易に結合 することができる。 炭素−配糖体はグリコシドのアノマー炭素の酸素が炭素原子により置換されて いる場合の結果である。例えば、酸素架橋が、メチレン基により置換されている ような場合、炭素配糖体が形成される。上記で議論したように、そのような炭素 配糖体はもはや加水分解では開裂できず、ついで当該技術分野において良く知ら れているように酵素的に安定である。実際、炭素グリコシドは酵素的および代謝 的研究に使用される。例えば、ラレゲリエ(Lalegerie)ら、1982、Bioch emie 64:977;シュルマン(Shulman)ら、19874Carbohydr.Res .33:229;クミールブスキ(Chmirlewski)ら、1981、同書、97、 参照。しかしながら、炭素グリコシドは新規の分子および多様な生物学的、化学 的およびそのような望ましい他の活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして 作用する分子種を生み出すための組合せライブラリーの製造に使用されていない 。 いくつかの生理学的に活性な天然の産物はそのような炭素−配糖体結合を本質 的に含むと知られている。カワサキ(Kawasaki)ら、1986、Tetrahedron Lett.27:2145およびそこに引用されているもの。例えば、ショウドマ イシン(Showdomycin)(ニシムラ(Nishimura)ら、1964、Antibiot. Ser.A.17:148)は、ストレプトコッカスヘモリティカスに対する強力 な活性を保有すると示されており、マウスにおける腫瘍を阻害することがわかっ ている。アリール炭素配糖体であるビネオマイシン(Vineomycine)(イマムラ (Imamura9ら、1981、J.Antibiot.34:1517)は抗腫瘍活性を 示し、ラビドマイシンおよびギルボアルシンV(ヒラヤマ(Hirayama)ら、1 981Bull.Chem.Soc.JPN.54:1338)もあてはまる。 従って、炭素配糖体は、炭水化物にあてはまるが、生物学的および生理学的な活 性を含む。従って、炭素配糖体は「普通の」炭水化物の生物学的特徴に類似して よく、ついで生物分子のアンタゴニストまたはアゴニストとして新規な化合物の 候補を約束することを含んでよい。実際、炭素グリコシドを含む化合物は乳癌化 学予防剤として開発されている(PCT特許出願第WO94/11030号、1 994年5月公開)。 化学的修飾物としての炭素配使用は、小さい、中くらいおよび大きなサイズの 分子を新規薬剤先導物および新規薬剤候補物の源としての新規糖模倣物および炭 水化物を合わせる。本明細書に開示された方法は、新規分子の調製およびモノマ ー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、分枝鎖および非分枝鎖などを含む新規の グリコシドを用いた薬剤のスクリーニングおよび発見のための化学的ライブラリ ーの調製を含む。本発明内で新規化合物および組合せライブラリーの製造のため の手段と方法があり、その産物は少なくとも1つの修飾した炭水化物を含み、つ いでそのようにして製造した化合物を含む。 B.「活性化した」炭素配糖体ビルディング・ブロックの製造 1つの態様により、本発明の「活性化した」配糖体は少なくとも1つの炭水化 物および/または糖模倣物を含む化合物の製造のための手段として有用である。 該「活性化した」炭素配糖体は以下の一般式を含む本発明によって提供される : (X)m−Z 式中、 Xは炭水化物単位または修飾した炭水化物単位; Zは少なくとも1つの炭素原子を含むスペーサー/リンカー単位を介して、酸 素ではないが炭素でもないアノマー位でのXに結合されている。 mは正の整数; 少なくとも1つのXはそのアノマー位で酸素を有さないという条件つきである 。 本発明の化合物の炭水化物は単糖、二糖、オリゴ糖または多糖および分枝鎖ま たは非分枝鎖のものを含む。炭水化物単位は5員環構造、6員環構造、またはそ の両者であってよい。任意のヒドロキシ基の水素は一致する残基、リンカーまた は固相合成支持体によって置換される。その炭水化物残基(Xm)の分子量は単 糖の分子量(約180)より低いか等量であるか、または例えばセルロースまた は他の複合糖のように数十万ダルトンである。 より詳しい態様により、活性化した官能基Zは以下のうちの1つを含む: Zは−CH2WCH2T、−CCCH2T、=C=CHCH2T、−ArCH2T、 −ArVまたは−(CH2nV; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3またはCR2−CR21 2; TはO-1、M2、SR1、S(O)R1、SO21、P(O)OR1 2、COD 、 OC(NH)CCl3またはNR1 2; VはO-1、SR1、S(O)R1、SO21、P(O)OR1 2、COD、NR1 2 ; nは正の整数であり、好ましくは1〜10である M1はNa+,K+、Mg++、Cu+またはCu++イオン; M2はLi+、Mg++、Ca++イオン; R1はH、CH3または低級アルキル; R2はOR1、NR1 2またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3 保護基にはメチル−、ベンジル−、MOM、MEM、MPMおよびtBDMS である。 UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2またはNR1; DはOR1、NR1 2またはO-1;および 低級アルキルはC1から〜C10、分枝鎖または非分枝鎖である。 本発明の別の態様においては: Zは−CH2−W−CH2E、−CCCH2E、=C=CH2E、−ArCH2E、 −ArE、−ArGまたは−(CH2nG; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3またはCR2−CR21 2; EはOH、Cl、Br、I、OMs、OTf、OTs、OAcまたはOC(NH) CCl3; GはOH、Cl、Br、I、OMs、OTf、OTs、OAcまたはCOD; nは正の整数であり、好ましくは1〜10の数である M1はNa+,K+、Mg++、Ca++イオン; R1はHまたは低級アルキル; R2はOR1、NR1 2またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3 保護基にはメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、ME M、MPM、tBDMS、およびTMSである。 UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2またはNR1; DはOR1、NR1 2またはO-1;および 低級アルキルはC1から〜C10の分枝鎖または非分枝鎖でで示される化合物で ある。 本発明の一つの具体的な態様において、「活性化された」炭素グリコシドには 以下の一般構造式を含む: 式中、変数(Z、A、Uなど)は上記で定義した通りである。 本発明の最も好ましい態様において、「活性化された」炭素配糖体は以下の式 を含む。α−形態が実施例には示されているが、本発明はβ−形態の結合を含む 。 アノマー炭素における炭素−炭素結合形成のためのおびただしい数の方法が当 技術分野において知られている。アノマー炭素における炭素−炭素結合形成のた めの最も一般的な方法には、この求電子中心における求核攻撃が含まれる。多種 多様の求電子性の糖例えばグリコシルハライド、イミダート、グリカン、ラクト ン、チオグリコシド、並びに酸素保護されたグリコシド例えばp−ニトロベンゾ エートが用いられてきた。用いられてきた炭素求核剤には、シリルエノールエー テル、アルケン、アリルシラン、アリルスタンナン、ホモエノラート、及び有機 金属例えばグリニャール試薬、有機リチウム、銅酸塩、及びアルミン酸塩が含ま れる。 さらに、金属(パラジウム、マンガン、ロジウム及びコバルト)に基づく炭素 −グリコシドを作成する手法が開発されてきた。[4+2]付加環化及びシグマ トロピー転位のような協奏反応もまた、炭素グリコシドを作成するために用いら れてきた。フリーラジカル化学の分野もまた、この領域に及んできている;フリ ーラジカル法の特別の利点は、温和な反応条件と官能基に対する広い許容性であ る。炭素−グリコシド合成の問題については、Hanessian及びPernet,1976 ,Adv .Chemi.Biochem. 33:111;Suhadoluid,1970,Nucleosid .Antibiotics ,Willey−Interscience:New York;及びDaves及びCheng,1976,Prog .Med.C hem13:303;Inch,1984,Tetrahedron 40:3161;Hacksell及びDaves,1985 ,Prog .Med.Chem22:1;及びBuchanan,1983,Prog .Chem.Org.Natl.Pr od. 44:243によって示されてきた。 以下の反応式は、本発明により提供される新規化合物及び組み合わせライブラ リーの作成に有用な活性化された炭素グリコシドの作成の基礎となる、一般的な 化学反応を示す: 触媒量のTMSTf R=Me 触媒量のTMSTf及びBF3OEt2 R=OMe R’は炭水化物の保護基を示す アノマー炭素における炭素−炭素結合を形成する典型的な手法には、求電子中 心における求核攻撃が含まれる。様々な求電子性の糖、例えば還元糖(又はラク トール)、アルキルグリコシド、アノマーエステル、アノマートリクロロアセト イミダート、及びグリコシルハライドが用いられてきた。用いられてきた炭素求 核剤には、シリルエノールエーテル、オレフィン、アリル−、プロパルジルシラ ン、シアニド、ホモエノラート及び有機金属例えばグリニャール試薬、有機リチ ウム、銅酸塩及びアルミン酸塩が含まれる。これらの反応は、アノマー位を修飾 するために使用することができる。炭水化物のアノマー位を修飾するときに典型 的に用いられる保護基は、当業者には明らかである。さらに、多数の官能基が使 用できる。炭素グリコシド結合の形成のために使用される炭水化物のC−原子は 、官能基の示差的保護により、当業者に明らかであるように修飾することができ る。官能基の保護のための技術と方法は、特に、前掲のGreene及びWutzの他の箇 所に見つけることができる。 一連の種々の反応の種類が、炭素グリコシドの作成のために用いられてきた( Postema,1992,Tetrahedron 48:8545;Postema,C-Glycoside Synthesis,19 95,CRC Press,Ann Arbor,Michigan)。例えば、Diels-Alder反応のようなシ グマトロピー転位又は付加環化のような協奏反応は、炭素グリコシドの形成に 使用できる。また、Wittig反応は、炭素グリコシド合成に広く適用されており、 これはアノマーホスホランの反応により行うことができる。炭素グリコシドの合 成のための他の方法には、とりわけ、パラジウムが介在する反応、フリーラジカ ル反応、及び糖分子のアノマー中心の求電子的活性を頼みとする反応が含まれる 。これらの方法は、当業者によく知られている。 炭素グリコシドの製造のための効果的な試薬には、アリルトリメチルシラン( Herscovici及びAntonakis,1992,Nat .Prod.Chem. 10:337;Postema,1992,T etrahedron 48:8545;Daves,1990,Acc .Chem.Res. 23:201;Hacksell,198 5,Progress in Medical Chemistry 22:1;Hanessian及びPernet,1976,Adv .Chem.Biochem. 33:111;Carbohydrate Chemistry,Specialist Periodical Reports,Royal Chemical Society,1968-1990,p.1−24);アリル シランの 製造:Anderson及びFuchs,1987,Synthetic Commun. 17:621)及び市販元から 入手可能な一連の炭素求核剤が含まれる。更なる例には、トリメチルシリルエノ ールエーテル、アリルトリメチルシラン、E−及びZ−クロチルトリアルキルシ ラン、有機アルミニウム試薬、トリアルキルスタンナン、プロパルギリックトリ アルキルスタンナン、[1−(アセトキシ)−2−プロペニル]トリメチルシラ ン、[1−(アセトキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−トリメチルシラン 、及びエチル−2−プロペニルトリメチル−シラン−1−カーボネートが含まれ る。すべてが、炭素グリコシド化反応の分野における有効な炭素求核剤である( Panek及びSparks,1989,J .Org.Chem. 54:2034及びその文献中の引用文献) 。[1−(アセトキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−トリメチルシラン試 薬の使用は、末端が酸素置換されたプロペニル基を得る手段を提供する。 炭素グリコシドは少数の合成的変換で生成することができるが、これらの化合 物は、新規の炭水化物模擬体の製造のためのアルキル化剤として容易に使用し得 る適当な炭素グリコシドを必ずしも形成しない。1つの態様において、本発明は 、炭水化物模擬体を製造するための新規の炭水化物アナログを提供する。本発明 を用いて、例えばシアリルルイスx(sLex)四糖類のような、しかしこれに限 られない複合炭水化物の糖模擬体ライブラリーを製造することができる(Raoら , 1994,The Jornal of Biological Chemistry 269:1963;Allansonら,1994,Te trahedron Asymmetry 5:2061)。アリルハライドをアルキル化剤として有する 利点の1つは、E−2脱離反応になりにくいであろうということである(特に、 Lowry及びRichardson,Mechanisms and Theory in Organic Chemistry,第2版 ,1981,Harper & Row,New York,p.530を参照)。なかでも、このタイプの 新規の炭素グリコシドの際立った利点は、本発明によって作出された非常に多数 の新規の化学物質ということである。 例えば、幾つかの末端置換されたハロゲン炭素グリコシドは、ルイス酸で反応 を触媒する場合、2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロパン又は 2−クロロメチル−3−トリメトキシシリル−1−プロパンと、活性化された炭 水化物との反応から効果的に得られる。それにより、アリルシランは、ルイス酸 触媒とアノマーアセテートにより生じるピラノースオキソニウムイオンへの立体 化学的に制御されたアキシャル付加を受けることができる。ベンジル保護された 炭水化物は、アリルクロリドを導入してα−C−グリコシドへの立体選択的で効 果的な経路をもたらす。ペル−O−アセチル化炭水化物の使用は、O−ベンジル 保護された糖を必要とする水素化分解工程を回避することによって、さらなる有 用性を与える。Nashed及びAnderson,1982,J .Amer.Chem.Soc. 104:7282;P anek及びSparks,1989,J .Org.Chem. 54:2034。2−クロロメチル−3−トリ メチルシリル−1−プロパン及び2−クロロメチル−3−トリメトキシシリル− 1−プロパン試薬は、ベンジル保護された炭水化物と同じ効率で反応するが、ペ ル−O−アセチル化された炭水化物は2−クロロメチル−3−トリメチルシリル −1−プロパン試薬とより良い結果を示す。本発明により用いられる炭素グリコ シド合成の例は、以下の本開示により提供される。α−及びβ−配置は両方とも 本発明の一部である。 C.C−炭水化物及び/又は糖模擬物質を含んでなる化合物の作成 本発明の手段及び方法は、炭水化物及び/又は糖模擬物質の、現存する及び新 規な有機化合物、バイオオリゴマー、及び組み合わせ的な化学的ライブラリーへ の導入に焦点を合わせている。モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、ポ リマーを含む、分岐の及び非分岐の炭素グリコシドは、生物学的活性、寿命、効 力などの修飾剤として使用し得る。 一般的に、本発明の手段、「活性化された」グリコシドを、新規化合物、及び それぞれの化合物が1又は複数のモノマーから成り、少なくとも1つのモノマー が炭水化物又は糖模擬体である複数の化合物を含んでなる、合成ライブラリーの 作成に使用する。1又は複数の活性化された炭素グリコシド((X)m−Zと定義 、上記参照)を、いずれかの化学的性質を有する、有機分子、無機分子及び固体 の合成担体を含む、モノマー、ホモ/ヘテロオリゴマー、又はホモ/ヘテロポリ マー物質として定義される1又は複数の「B」とのZ−プライム(Z−primed) 反応で反応させる。生成した一連の化合物は、[(X)m−Z']で示される。 このようなライブラリーの作成に用いる炭水化物部分には、分岐した又は分岐 していない、このような官能基を含む、化学的部分の適当な官能基に結合した、 モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーが含まれる。適当な官能基には、フ ェノール、ヒドロキシ、カルボキシ、チオール、アミド、及びアミノ基が含まれ るがこれらに限られない。部分が1以上のこのような適当な官能基を有する場合 には、1又はそれ以上のこのような官能基を、カップリング反応の間、適当な保 護基により保護することができる。このような保護基には、低級メチル−、ベン ジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM、MPM、tBDMS又は TMS基が含まれる。カップリング反応の後に、保護基を選択的に脱離できる。 様々なライブラリー構成員の複数が、液相中かあるいは固体合成担体に結合さ せるか、又は場合によりその両方の技術の組み合わせを用いて合成することがで きる。合成後、ライブラリー構成員を合成担体から切り離すことができる。一連 の新規化合物が固体担体上で合成される場合は、その固体担体は、適当なリンカ ー(以下参照)を用いて物質「B」に結合するか又は物質「B」中に含ませるか 、あるいはその固体担体を[(X)m−Z]中に含ませることができる。固体担体 は合成反応の後又は最中に除いてもよいし、除かなくてもよい。 このようなライブラリーの構成員は、そのライブラリー構成員の構造を同定す る化学的同定子タグに結合することができる(例えば、1994年4月14日公 開のPCT特許出願WO94/08051号を参照されたい)。ライブラリー構 成員と同定子タグとの間の結合は、同定子タグとライブラリー構成員との間のリ ンカーか、あるいは同定子タグと固体合成担体との間のリンカーを含むことがで きる。 このようなライブラリーの作成は、現存の化合物ライブラリーの修飾を必要と し、現存の及び新たな組み合わせライブラリー、バイオオリゴマー及び有機基質 への炭水化物の導入をもたらす。合成は、数多くの段階を必要とし、各段階にお いて、様々な組成を有する数多くの生成物が、現存の組み合わせ的な天然物又は 化合物の化学的ライブラリーの直接的な修飾によって得られる数多くの選択を各 段階は有する。別法として、このようなライブラリーは、分岐した及び分岐して いない、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーを含む、炭水化物又は糖模 擬体による組み合わせ的な化学反応を用いることにより得ることができる。この ように、本発明を、新規化合物と大規模な組み合わせライブラリーの作成のため に、3つの一般的方法に適用することができる: (1)選択した化合物を、一連の種々の炭素グリコシド又は炭素グリコシドライ ブラリーを用いて化学的な修飾に付する; (2)有機分子の混合物、例えば、先在する化学的ライブラリーを、単一の炭素 グリコシド試薬を用いて化学的な修飾に付する;又は (3)有機分子の混合物又は先在するライブラリーを、一連の種々の炭素グリコ シドを用いて化学的な修飾に付する。 3つの場合すべてにおいて、少なくとも1つの適当な官能基を含んでなるすべ ての有機分子を、本発明の活性化された炭素グリコシド/ヘテロ原子グリコシド と反応させるための基質として用いることができる。炭素グリコシド試薬と反応 し得る適当な官能基には、チオール、アミン、フェノール、カルボキシレート、 ヘパリン誘導体、ステロイド、核酸、テトラゾール、ペプチド、芳香族、ピリジ ン、ピラジン、テルペン、アルカロイドなどが含まれるがこれらに限られない。 他の例は、当業者には明らかであろう。反応を溶液相中で行うか又は基質を固体 担体に結合してもよい。 定義された化学構造の有機分子を一連の多種多様な炭素グリコシド試薬と反応 させる方法(1)は、化合物の所望の特性例えば、寿命、安定性、効力、活性、 における改善を達成するために、既知の又は未知の生物学的な、生理学的な、化 学的な、又は他の活性を有する分子の化学的修飾に特に有用である。基質に固有 の反応し得る官能基の数と、反応に使用する種々の炭水化物の複雑さに依存して 、反応生成物の数は変わるであろう。例えば、基質が反応し得る官能基を1個有 し、10個の異なるグリコシドを用いる場合、反応生成物の数は10個になると 予想される。反応し得る官能基が2個であり、10個の異なる炭素グリコシドを 用いる場合、生成物の複雑さは120個になると予想される。一般に、反応し得 る官能基の数をnと定義し、用いる炭素グリコシドの数をCとすると、生成物の 複雑さは、 生成物の数=(C+1)n−1 と数学的に決めることができる。 本発明のさらなる変法は、保護されていないか又は特に保護された炭素グリコ シド試薬の使用によって達成することができ、1つの協奏反応で複数のモノマー 単位からなる分岐した又は分岐していない分子が形成する。更なる変法は、1つ の協奏反応において炭素グリコシドのα−及びβ−異性体の両方を使用すること により達成することができる。他の修飾は、前の記載に基づいて当業者に明らか となろう。 本発明の好ましい態様では、ペニシリン−Oを記載した方法により修飾した。 即ち、適当に官能化された炭素グリコシドを、適当に修飾したペニシリン−O前 駆体と反応させた。結果として、新規のペニシリン−O誘導体が本発明により提 供される。 本発明の別の好ましい態様では、ビタミンEを炭素グリコシドとの反応に付し 、天然型ビタミンEの新規誘導体を得た。 本発明のさらに好ましい態様では、エステロンを、炭素グリコシドとの化学反 応により、記載したように修飾して新規のエステロン誘導体を得た。 本発明のさらに別の好ましい態様では、カスタノスペルミンを、記載したよう に炭素グリコシドとの反応に付し、新規のカスタノスペルミン誘導体を得た。 提供された方法の実行可能性を示す本発明のさらなる好ましい態様は、この開 示の実施例の節でみることができる。 方法(2)では、多様な有機分子の混合物を、1つの明確な特定の炭素グリコ シド試薬(α、β又はその両方)と反応させる。この方法は、先在する組み合わ せ的化学的ライブラリーに、さらなる多様性を与えるのに特に有用である。どん な種類の先在するライブラリーも、ライブラリー構成員が本発明の活性化された 炭素グリコシドと反応し得る1又は複数の官能基を有している限り、使用できる 。このような官能基の例は、上に記載している。反応のために、基質分子を固体 の合成担体に結合させるか、あるいは、反応を溶液中で行うか、又は両者の混合 物として行うことができる。当業者は、それぞれの場合について適当な条件を決 定することが可能である。 炭素グリコシドによる修飾は、一般に、近年出現してきた先在する組み合わせ ライブラリーの大部分に適合し(例えば、Lamら,WO 92/00091,PC T/US91/04666;Stillら,WO94/08051,PCT/US9 3/09345;Gordonら,前掲;Gallopら,前掲)、新規の組み合わせライブ ラリー及び新規の化合物を生じる。例えば、空間的にアドレス可能な(spatiall y addressable)ライブラリー、分割ビーズ(split-bead)ライブラリー、及び 組み合わせ的方法を用いて作成されたライブラリーは、炭素グリコシドにより誘 導される。また、その構成員がライブラリー構成員の分子の性質を同定するため の同定子タグを含んでいるライブラリーもまた、同定子タグの化学的性質が炭素 グリコシドに適合する、即ち反応性でない限り使用できる。当業者は、それぞれ 個々の場合について適合性を決定することが可能であろう。 本発明の好ましい態様では、ペプチドライブラリーを、本開示により提供され るように炭素グリコシドによる修飾に付する。例えば、炭水化物単位をチロシン 又はセリンのヒドロキシル基と反応させることができる。好ましい態様では、フ ェ ノール性のヒドロキシル基を反応性官能基として使用する。チロシン残基は、ラ ンダムなライブラリー作成の前に前もって官能化するか、又は別法として作成中 にライブラリーに付加するか、あるいは作成後にライブラリーに付加することが できる。固相又は溶液法の両方が使用できる。 本発明の別の好ましい方法では、新規のジアミノ酸ライブラリーを、アミノ酸 チロシンのフェノール性ヒドロキシル基の炭素グリコシドによる誘導化の後、固 体担体に結合させることにより作成する。次に別のアミノ酸を結合させる。それ により天然の又は非天然のアミノ酸を使用できる。 有機分子の混合物を大量の種々の炭素グリコシド試薬又は炭素グリコシドライ ブラリーと反応させる方法(3)は、最も多様な新規化合物を提供する。実際、 適当な反応性の「活性化された」炭素グリコシドへと修飾し得る炭水化物の無限 の多様性が与えられ、及びこのような炭素グリコシド試薬と反応するにふさわし い先在する有機分子の化学的性質における豊富さと多様性が与えられるとすると 、この方法の潜在能力は、単純に言えば、非常に素晴らしく、作成し得る新規化 合物の数と化学的多様性は無限である。 前掲参照の、一連の適合し得る既存の組み合わせライブラリー全体を用いるこ とが可能であり、適当な官能化した炭素グリコシドとランダムに反応することが できる。この手法により、理論的に限りない規模の、高度にランダム化されたラ イブラリーが得られる。例えば、本発明の特定の態様では、ペプチドライブラリ ーは、このような一連の炭素グリコシド、又は炭素グリコシドライブラリーと反 応して、限りない数の新規化合物を生じる。当業者は、この手法の能力と可能性 を認識するであろう。 保護基 本発明のモノマー、即ち炭素グリコシドの形成のために使用する炭水化物及び /又は基質は、そのモノマー内に、官能基の一部を保護する基を有することがで きる。適当な保護基は、新規な化合物又は組み合わせ的な化学的ライブラリーを 作成するために使用する官能基及び特定の化学反応に依存するであろう。適当な 官能基保護基の例は、当業者には明らかであろうし、特にGreene及びWutz,1991 , Protecting Groups in Organic Synthesis ,第2版,John Wiley & Sons,NYに おいて容易に見いだすことができる。本発明の最も好ましい保護基には、ベンジ ル−及びアセチル基が含まれる。 カップリング反応 炭素グリコシド試薬を官能化して、独特な化合物を形成するために数多くの化 学反応において使用することができる。適当な官能化された炭素グリコシドは、 例えばフェノール、ヒドロキシ、カルボキシ、チオール、アミノ、アミド及び/ 又は同等な官能基に、温和な条件下で結合させることができる。 カップリング反応は、アリルクロリド、ブロミド、ヨージド、アセテート、ア ルコール、グリニャール、Cope転位、Claisen転位、アリルカップリングのため に典型的に使用する標準的な条件下で、当業者がよく知っているように、そして 新規の糖模擬体及び独特な化合物を形成するために以下に提供する様々な実施例 に記載されているように、新規化合物を形成することができる。アリルハライド を用いる多くの命名された標準的な反応条件は、新規化合物及び官能基を製造す るためのアリルハライド官能基を含む炭素グリコシドの使用と同様なものであり 、Alper反応、Barbier反応、Claisen−Ireland反応、Cope転位、Delepineアミン 合成、Gewald複素環合成、Hiyama−Heathcock立体選択的アリル化、Storkラジカ ル環化、Trostシクロペンタン化、Weidenhagenイミダゾール合成が含まれるがこ れらに限られない。一般に、Hassner及びStumer,1994,“Organic Synthesis B ased on Named Reactions and Unnamed Reactions ”,Tetrahedron Organic Che mistry Series ,Baldwin及びMagnus編,Pergamon,Great Britainを参照された い。 当業者は、本発明の方法は、ケトン、アミド、エステル、チオエステル、エー テル、スルホン、スルホンアミド、スルホキシド、核酸、アミノ酸、糖、芳香族 類、アルコール、アルデヒド、アルケン、アルキン、ポリ芳香族類、複素環化合 物、テルペン、ステロイド、β−ラクタム、キサンタン、インドール、インドロ ン、ラクタム、ベンゾジアゼピン、キノリン、ヒドロキノン、ヒダントイン、そ のオリゴマー及びポリマー例えばペプチド、ヘパリン、シクロデキストリンなど を含むがこれらに限られない、事実上いずれの適合する化学組成物中の炭水化物 単位(分岐した又は分岐していない、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマ ーを導入するために使用し得るということを認識するであろう。炭素グリコシド による修飾に付すのに適当な他の化学的組成物は、当業者には明らかであろう。 基質が、本発明の官能化された炭素グリコシドと反応させるために、1以上の適 当な官能基を含んでなる場合、これらの官能基は同一である必要はない。 本発明は、固相合成法、溶液相の化学反応又はその両者のいずれかを用いるこ とができる。ペプチドの固相合成のための技術は、例えばAtherton及びSheppard ,Solid Phase Peptide Synthesis :A Practical Approach,Oxford University Press内のIRL Press,Oxford,England(1989);オリゴヌクレオチドについて は、例えばGait,Oligonucleotide Synthesis :A Practical Approach,Oxford University Press内のIRL Press,Oxford,England(1984)に記載されている。 溶液及び固相の多重成分の組み合わせ的な一連の合成方法のついての技術はもま た、記載されている。 本発明により用いられる他の合成法は、例えばBuninら,1994,Proc .Natl.A cad.Sci. 91:4708−12及び米国特許第5,288,514号(1994年2月 22日発行);及びChenら,1994,J .Am.Chem.Soc. 116:2661−2662に記載 されている。 このように、当業者が認識するように、本発明の方法は、現在知られているか 又は後に開発されるであろう、炭水化物単位を含むオリゴマー又はポリマーのラ イブラリーを作成するため、化学的、生物学的又はそれ以外の事実上いずれの合 成法とも共に使用できる。 合成担体: 結合と切り離し。ある場合には、その合成プロトコルは、合成の各段階におい て複数の様々な中間体を生じる様々な反応物が関与する複数の様々な反応を提供 することが必要となる。他の技術も利用できるが、この合成は、容易に混合でき 、分離することができ、一連の合成のための固体基質として働くことができる、 ビーズとして商業的に入手できる、小さい限定できる固体基質を用いることによ っ て、達成することができる。固体基質は、中空でない、多孔性の、変形できる又 は硬質のものであってよく、便利な構造と形を有していてよい。幾つかの場合に おいては、磁性の又は蛍光のビーズが有用である。一般的に、ビーズは、直径が 少なくとも10〜2000μm、一般的には少なくとも20〜500μm、より 一般的には少なくとも50〜250μmであろう。 合成方法の性質又は最終生成物のアッセイに依存して、いずれかのビーズがよ り望ましかったり、あまり望ましくなかったりすることがある。ビーズは非常に 便利であるが、固体担体の大きさが反応経過における所望の多様性を許容する場 合は、他の固体担体、例えば細管、中空ファイバー、針、中空でないファイバー なども使用できる。 合成の性質に依存して、最初の反応物の結合を許容する様々な方法でビーズを 官能化してもよい。生成物をビーズから脱離することを可能にすることを望むか どうかによって、エステル結合、アミド結合、アミン結合、エーテル結合を介し て又は炭素原子等を介してこれらを結合させてもよい。ビーズは、例えば、炭水 化物単位のヒドロキシ基又は活性化された炭素グリコシド試薬[(X)m−Z]の 他の適当な官能基に結合させるか、あるいは、いずれか化学的性質を有する基質 「B」の適当な官能基に結合させてよい。 便宜上は、ビーズへの結合は永続的なものであるが、開裂可能な、ビーズと生 成物との間のリンカーを提供することができる。適当な結合は、当技術分野にお いて十分確立されており、当業者は、特定の化学反応スキームにどれを用いるか について知るであろう。さらに、2又はそれ以上の異なる結合を使用して、タグ 及び/又は生成物の、示差的な切り離しを可能とすることができる。 粒子に結合した結合基の性質に依存して、結合の様式が、カルベン、ニトレン 又は他の非常に反応性に富んだ化学種によって得られるような、単結合又は二重 結合への挿入を可能にする場合、ビーズ上の反応性官能基は必要ないであろう。 この場合、開裂可能な結合が、ビーズに生成物又はタグを結合する結合基中に提 供されるであろう。 望ましくは、生成物が永続的に結合する場合には、ビーズへの結合を延ばして 、 スクリーニングの間に生成物の結合をビーズが立体的に妨害しないようにし得る 。様々な結合、特にポリエチレンオキシ、糖、ポリオール、エステル、アミド、 それらの組み合わせなどの親水性の結合が使用できる。 ビーズ上に存在する官能基には、ヒドロキシ、カルボキシ、イミノハライド、 アミノ、チオ、活性なハロゲン(Cl又はBr)又は擬ハロゲン(例えば−CF3 、−CFなど)、カルボニル、シリル、トシル、メシラート、ブロシラート、ト リフラートなどを含むことができる。炭素グリコシド試薬が、同定子タグを含む 先在する化合物と反応する場合には、官能基を選択することにおいて、その同定 子が通常はビーズへも結合するようになるだろうという事実に、いくらかの考慮 を払うべきである。考慮には、同一又は異なる官能基が生成物及び同定子と結合 するかどうか、並びに2つの官能基が生成物又は同定子の結合及びタグの切り離 し段階に、適宜に適合するかどうかが含まれる。種々の結合基を生成物に用い、 特定の量の生成物を選択的に脱離することができる。幾つかの場合では、粒子は 保護された官能基を有し、各段階の前に、その官能基を部分的にか又は完全に脱 保護することができ、後者の場合には再保護することができる。例えば、ポリペ プチド合成においてヒドロキシをベンジルエーテルなどで保護するように、アミ ノ酸をカルボベンズオキシ基で保護することができる。 生成物の切り離しが所望である場合には、使用することができる官能基及び反 応物が多数存在する。便宜上は、エーテルを使用することができ、例えば、ベン ズヒドリルエーテル、インダニルエーテルなどの置換されたベンジルエーテル又 はその誘導体を、酸性又は温和な還元条件によって開裂することができる。別法 として、β−脱離を使用することができ、弱塩基が生成物の遊離のために働く。 そのチオアナログを含めてアセタールを使用することができ、弱酸が、特に捕捉 カルボニル化合物の存在下で働く。ホルムアルデヒド、HCl及びアルコール部 分を組み合わせることによって、α−クロロエーテルを形成する。次にこれをヒ ドロキシ官能基とビーズ上でカップリングさせてアセタールを形成することがで きる。様々な光学的置換活性な(photolabile)結合、例えば、o−ニトロベン ジル、7−ニトロインダニル、2−ニトロベンズヒドリルエーテル又はエステル などが使用できる。特に環状無水物により部分酸エステル(half-acid esters) 又はアミドが形成する場合、エステル及びアミドはリンカーとして働き、次いで カルボジイミドなどのカップリング剤を使用してビーズ上のヒドロキシ又はアミ ノ官能基と反応させる。配列を酵素的加水分解に付す場合、特に酵素が特定の配 列を認識する場合、ペプチドはリンカーとして使用することができる。カルボン 酸誘導体、例えばホスゲン、カルボニルジイミダゾールなどと弱塩基を用いて、 カーボネート及びカルバメートを製造することができる。特にカーボネートエス テルについては、酸、塩基又は強力な還元剤、例えばLiAlH4、を用いて結合 を開裂することができる。開発されてきた様々な系の有用性は、所望なように、 生成物及び同定子の結合及び生成物及びタグの示差的切り離しのための条件にお ける広い多様性を許容する。 リンカー 合成反応が固体担体上で行われる場合、結合基は生成物上に残存する官能基を 生じるので、リンカーの選択は合成法の一部になり得る。ビーズから切り離した 後に生成物を更に修飾することは一般に実行可能である。合成方法を設計する場 合に、結合基の結合する点として生成物中に保持するために官能基を使用するこ とができる。別法として、生成物の性質により許容される場合、金属の水素化物 又は酸による、結合している官能基例えばアリールチオエーテル又はシリルの開 裂又は切り離し方法を用いることができる。 多くの場合において、合成方法は結合のための官能化された部位を含めること が可能であるので、官能基は、結合基の選択において利点を有することができる 。幾つかの場合においては、担体に生成物を結合させる部位に、異なる官能基を 有することが望ましく、それは、異なる結合様式を用いることを必要とすること もあり、その結合様式は、例えば光照射及び酸加水分解などの、同時に又は順次 に行うことができる同一の切り離し方法か又は異なる切り離し方法のいずれかに 適応しなければならない。 本発明の組み合わせ的合成を行う物質は、本明細書中、ビーズ、固体表面、( 固体)基質、粒子、担体などと交換可能な形で呼ぶ。これらの用語には、以下の も のが含まれると意図する: a)ビーズ、ペレット、ディスク、細管、中空ファイバー、針、中空でないファ イバー、セルロースビーズ、気孔ガラスビーズ、シリカゲル、場合によりジビニ ルベンゼンで架橋したポリスチレンビーズ、グラフト共重合ビーズ、ポリアクリ ルアミドビーズ、ラテックスビーズ、場合によりN,N1−ビス−アクリロイルエ チレンジアミンで架橋結合したジメチルアクリルアミドビーズ、疎水性ポリマー でコートされたガラス粒子など、即ち剛性の又は半剛性の表面を有する物質; b)低分子量の非架橋ポリスチレンなどの可溶性の担体。 本発明の方法は、試薬の選択と関与する条件に依存して、各段階において反応 の多様性を可能にする。即ち、アミノ酸については、天然にコードされた一般的 アミノ酸の使用に関係して20までが存在し、他のアミノ酸を使用することを望 むならば、より広い選択、例えばD−アミノ酸、α−位以外にアミノ基を有する アミノ酸、側鎖上の異なる置換基又はアミノ基上の置換基を有するアミノ酸など を有することができる。 糖及び脂質については、非常に多くの数の様々な化合物が存在し、様々な置換 によってさらに増加し得る。これら化合物のすべては、本合成に使用することが できる。個々の有機化合物についての選択は、天文学的な数になり得る。さらに 、ペプチド結合が尿素、ウレタン、カルボニルメチレン基などで置換されている 、ホスフェート結合が様々な有機及び無機の基で置換されている、エーテル結合 における酸素が窒素又は硫黄で置換されているか又はその逆である、模擬アナロ グが存在し得る。 合成の方法は、製造することを望む生成物の基の性質により変わる。すなわち 、方法は、前の段階の結果の維持を許容し、さらに先の段階に必要なものを予想 しつつ、生成物の性質を段階ごとに変化させる能力を考慮に入れなければならな い。様々な単位が、例えばヌクレオチド、アミノ酸及び糖など同一のファミリー のものである場合は、合成の方法は、比較的よく確立され及び非常に慣用な化学 反応を利用できるであろう。すなわち、ヌクレオチドについては、ホスホルアミ ダイト又はホスファイト化学反応を用いることができ、オリゴペプチドについて は、 慣用の保護基を用いるFmoc又はBoc化学反応を用いることができ、糖につ いては、方法はあまり慣用なものではないが、多糖類の合成のために数多くの保 護基、反応性官能基及び条件が確立されている。他のタイプの化学反応について は、適宜に、個々の単位の性質に目を向け、合成の機会を知るか又は工夫する。 幾つかの場合において、同一又は異なる段階で導入する、同一又は異なるブロ ック(block)を有することを望むことができる。例えば、一般的なペプチド官 能基単位、例えばフィブロネクチン結合単位(RGDS)、多糖類、sLexの ようなオリゴ糖、又は有機の基、例えばラクタム、ラクトン、ベンゼン環、オレ フィン、グリコール、チオエーテルなどを、合成の間に導入することを望むこと ができる。このようにして、そこに多様性が導入される分子の環境を達成するこ とができる。これらの状況は、数多くの生成物が特定の官能物質に関連して生成 する多数の選択を有する少数の段階のみに関係する。この方法は、目的の特徴を 有することが知られているコア分子又は単位と関係した数多くの誘導体に興味が ある場合に、特に適用される。 合成方法の開発において、組み合わせ的合成の過程で製造し得る少数の化合物 のバッチ合成を提供することができる。極端な例、例えば立体障害、電荷及び/ 又は双極子相互作用、別の反応経路などが関係し得る合成を理解することにより 、さもなければ形成しないか又は低い収率でのみ形成され得る化合物の収率増加 を得るための条件を最適化することができる。この方法では、溶媒、温度、時間 、濃度などの違いを含め、組み合わせ的合成における様々な反応条件が可能にな る。さらに、組み合わせ的合成よりもさらに高い濃度の特定の生成物が得られる バッチ合成を使用して、化合物の活性を特徴づけるためのアッセイを開発するこ とができる。D.スクリーニング法 一般に、現在利用できるスクリーニング法を、本発明の組み合わせ的な方法論 に適用することができる。当業者によって現在行われている、3つの一般的な方 法は、「ディスクリート分子合成」、「コード化混合物合成(Encoded Mixture Synthesis)」、及び「デコンボルーション(Deconvolution)法」及びそれらの 変法である。 ディスクリート分子合成は、例えば自動化された合成又は伝統的な化学的手段 による特定の傾向の(biased)又は一般的な「構造活性相関」(SAR)に基づ く溶液中の又は固体担体上での個々の化合物の合成に関する。 この一連の「空間的にアドレス可能な(spatially addressable)」合成の間 、個々の反応ウェル又は位置で、構築ブロック(building block)を系統的に反 応させて、少なくとも1つの炭水化物単位を含んでなる、分離された「ディスク リート分子」を形成する。反応の規模と性質に依存して、活性な化合物は、グリ ッド上、例えば96ウェルプレート又は一列の反応容器上のその化合物の位置に より決められれる。 別法として、化合物を固体担体上で合成することができ、個々の粒子又は粒子 の群又はその組み合わせを用いてアッセイを段階ごとに行うことができる。例え ば、組み合わせ的合成を行った後に約50から10,000の粒子の群を、分離 容器中に分離することができる。各容器中で、粒子に結合した生成物の一部を遊 離する。部分的な遊離は、粒子への生成物の示差的な結合の結果として、限られ た量の試薬、条件などを用いることによるものであり得る。したがって粒子あた りに遊離する生成物分子の平均の数は、粒子あたりの生成物分子の総数より少な い。それで、混合物が小容量で得られる。次いで、この混合物を、結合の結果が 、レセプターに結合する既知の結合リガンドの阻害、細胞の代謝過程の活性化又 は阻害などである、結合に関するアッセイに使用することができる。 当業者が知っているように、結合活性の測定に様々なアッセイ条件が使用でき る。ある群が活性であると分かれば、個々の粒子を同じか又は異なるアッセイに よりスクリーニングすることができる。勿論、大きな群をより小さな群などに分 割することができ、最終的に単独の粒子をスクリーニングする、3又は4段階の 方法がある。個々の場合において、粒子上の生成物の一部が遊離し、得られた混 合物を適当なアッセイにおいて使用することができる。アッセイは同じか又は異 なっていてもよく、より複雑で時間のかかるアッセイを、より後の又は最後の段 階で使用する。 「コード化混合物合成」の方法は、本発明により提供された手段と方法で合成 されたライブラリーに適用することができる。ペプチド、ヌクレオチドなどの化 学的に不活性な同定子タグを、混合物中の合成された各化合物を同定するために 使用する。本発明の方法と手段が、炭水化物単位を同定子タグと共に、先在する ライブラリーの化合物に導入するために使用される場合には、この方法は特に興 味がある(例えば、PCT公報WO 94/08051(1994年4月14日 );Nestlerら,1994,J .Org.Chem. 59:4723−4724;PCT公報WO 93/ 06121(1993年4月1日);Needelsら,1993,Proc .Natl.Acad.Sci .90 :10700−10704;Kerrら,1993,J .Amer.Chem.Soc. 115:2529-2531;及 びBrenner & Lerner,1992,Proc .Natl.Acad.Sci. 89:5381−5383)。当業 者は、どのライブラリー及びどの同定子タグが、本発明により提供される手段と 方法の化学反応に適合するか知るであろう。 上記のすべての方法の主な欠点は、探索速度がかなり制限されるということで ある(さらなる考察については、この開示の第2節を参照されたい)。本発明は 、理論的に無制限の一連の新規化合物の作成を提供するので、上記構造解明法の すべてにより、新規化合物の高度なそれどころか無制限の処理量(throughput) をもたらす、本発明の能力が限定されるであろう。すなわち、開示した方法及び 化合物の真の能力を引き出すことを始めるためには、化合物を、順次に「解明し (deconvoluted)」得る、混合物中又はプール中のスクリーニングをしなければ ならない。 一般に、「解明(deconvolution)」法の概念は、複雑に込み入った一連の新 規な化合物を創製し、分画、再試験(retesting)、精製及び構造の解明により 、その複雑性を解明することである。この方法の制限は、ライブラリー内の化合 物の数が増加するに従い、通常、個々の化合物はそれぞれ極少量でしか存在し得 ないということである。この事実は、ライブラリー構成員が固体担体上で合成さ れる場合には、特に真実である。しかし、既知の構造解明及び生成物分離の技術 は、ある一定の基質の量を必要とする。すなわち、個々の化合物の構造の精密な 決定が、しばしば不可能である。本発明により提供される化学反応は、このよう な限 定を受けず、個々の化合物を理論的に制限のない量で合成することができ、研究 者は容易に用いることのできる標準的な方法、例えば重量分析又はNMRによっ て、最後には目的とする化合物の構造を解明することが可能である。 より具体的には、本発明の化合物のライブラリーに用い得る、所望の活性な化 合物、すなわち「ヒット」、のスクリーニング及び同定のための解明法、は次の ようなものである。最初の工程では、一連の化合物混合物を組み合わせ的に合成 し、種々のプールを、所望の生物学的、生理学的、化学的又は他の活性について 試験する。所望の活性が存在すると同定されたプールのみを、さらに追跡する。 次の合成段階では、「活性な」プールの反応混合物を、プールの部分集合に分割 し、「活性な」プールを再び同定などする。すべての合成段階において、個々の プールの複雑さを絞りこみ、数段階経た後、特定の構造上の特徴を固定し、最後 に特定の活性な化合物に到達する。 例えば、[(X)m−Z]炭素グリコシドサブライブラリー(式中、各Xは別個 の二糖類、オリゴ糖類又は多糖類を包含する)を、ペプチドライブラリーの開発 に使用される方法と形式的に同様に作成することができる。例えば、炭水化物の ライブラリー、例えば1995年2月公開のPCT特許出願WO 95/033 15により提供されるライブラリー、又は一連のオリゴマー及び/又はポリマー の炭素グリコシドを、活性な炭素グリコシド試薬(炭素グリコシド「サブライブ ラリー」)の作成のために使用することができる。次いで、活性化された炭素グ リコシドのプールを含むこのような「サブライブラリー」を、「B」(式中、B は、上記のいずれかの化学的性質を有するモノマー、オリゴマー、又はポリマー を含んでなる)と反応させることができる。 最も単純な場合には、「B」は既知の化学的性質と所望の構造を有する先導化 合物であり得る。「B」と反応した各サブライブラリーから生じる反応生成物プ ールを、所望の生物学的、化学的又は他の効果について、適当なアッセイを用い て試験し、所望の活性を示すプールをさらに追跡する。次いで、選択的保護及び 脱保護のスキームにより、より小さな多様性を有するプールである[(X)m−Z ]サブライブラリーの作成が可能となる。特定の特徴を、炭素グリコシド試薬部 分 及び活性な化合物(「ヒット」)のこのような化学的特徴が同定されるまで、段 階ごとに決定する(この場合「B」の化学的性質が知られたので)。 別法として、[(X)m−Z]「サブライブラリー」は一連の種々の基質分子と 反応させることができる。例えば、「B」は、単純には、先在する合成ライブラ リー、例えばペプチドライブラリーを含んでなる。「B」はまた、有機化合物の 特定のクラスを示す、初発の[(X)m−Z]の結合のための特定の傾向の(biase d)先在するライブラリー、例えばトリテルペン、芳香族フェノール、抗生物質 、ルチン、レチナーゼ酸、ステロイドなどを含んでなる。又は、最も高度な化学 的多様性を包含するために、「B」は、あらゆる化学的性質を有する、あらゆる ランダムな一連の化合物、例えば天然物、合成産物などの粗製画分を包含し得る 。 炭素グリコシドの化学的性質を、上記のように決定する(「解明する」)こと ができるのに対して、「B」の構造は、適当な手段によって別々に解明し明らか にしなければならない。「B」が先在するライブラリーである場合、「B」の構 造は、「B」−ライブラリー構成員の同定に適当な方法により同定することがで きる。例えば、「B」ライブラリー構成員は、活性化合物の「B」部分の構造を 決定するための同定子タグを含んでいてもよい。他の場合には、活性化合物の構 造は、古典的な手段、例えばNMR又は質量分析などにより解明することができ る。当業者は、いずれの特定の場合においても、所望の[(X)m−Z']の化学的 性質を同定するための適当な手段を決定し得る。 E.アッセイ方法 生成物の対象とする特性を決定するために、広範囲のアッセイ法および技術を 採用する。 レセプターなどの特定の生体分子に対する本発明化合物の結合特性が対象であ る場合、レセプターは単分子、ミクロソームまたは細胞関連分子などである。ア ゴニスト活性が対象である場合無傷の生物または細胞を用いるのが好ましく、被 検生成物の結合に対する応答を測定する。化合物が固相支持体上で合成される場 合、生成物を支持体ビーズから分離するのが望ましく、特にシグナルトランスダ クションによる生理学的活性が興味深い。 細胞応答を検出するために、カリフォルニア州レッドウッド・シティー、モレ キュラー・デバイス社から入手しうるマイクロフィジオメーターなどの種々の器 具が適用しうる。結合が対象である場合、標識したレセプターを使用してよく、 標識として蛍光、酵素、放射性同位体などを使用してビーズに対するレセプター の結合を検出できる。別法として、レセプターに対する抗体を使用することがで きるが、すなわち抗体を標識し、シグナルを増幅させ、対象レセプターの変化を 回避し、その結果、対象生成物に対するその結合に影響を及ぼすことができる。 また、レセプターに結合したリガンドの置換によっても結合を測定することがで き、ここではリガンドを検出可能な標識で標識する。 幾つかの場合、2段階スクリーンを行うことができ、その場合、最初のスクリ ーンとして結合を使用し、第2のスクリーンでは生存可能な細胞との生物学的活 性を使用する。組換え技術を用いることにより、細胞の遺伝的能力を大きく変化 させることができる。次いで、外来性遺伝子または外来性転写調節配列を操作し て、表面膜タンパク質に対する結合を細胞内シグナルなどの観測可能なシグナル とすることができる。たとえば、細胞内にロイコダイを導入し、ロイコダイを染 色生成物、特に蛍光生成物に形質転換する酵素を、β−ガラクトシダーゼおよび ジガラクトシジルフルオレセインなどの表面膜に対する適当な結合において発現 するようにすることができる。この方法では、特定の細胞を特定の粒子または可 溶性化合物に結合させることにより、細胞の蛍光性をFACSを用いて測定する ことができ、活性化合物または可溶性化合物を有する粒子を同定することができ る。 空間アレイを提供することもでき、その場合、粒子または可溶性化合物を、ハ ニカムプレートに分配し、ハニカムプレート上の各ウエルに0または1個の粒子 または可溶性化合物を配する。 化合物の対象アレイを用いて、特定の触媒特性をもつ化学種を発見する。この 目的のために、化合物のアレイを拡散性試験基質で囲まれた半固体マトリックス に嵌め込む。触媒活性が、光りの吸収における変化または切断された基質による 蛍光の検出などのマトリックスを妨げないプロセスによって局部的に検出される ならば、触媒活性のゾーンにおけるビーズを単離して標識をデコードすることが でき、あるいは、化合物が溶液中である場合、前述のデコンボリューションスト ラテジーを採用してもよい。 触媒活性の代わりに、阻害または活性化活性をもつ化合物を作製することがで きる。酵素を阻害または活性化するか、あるいは結合反応を遮断する化合物を探 す。酵素を阻害する化合物を検出するために、この阻害、活性化または遮断が観 測できるような半固体マトリックス内またはフィルター上に拡散させるのが好ま しい。したがって、化合物を固相支持体上に合成する場合、スクリーニング操作 を行う前に、生成物をビーズから解放するのが望ましい。 特に興味深いことは、生物学的活性をもつ生成物を発見することである。微生 物の増殖の阻害、ウイルスの増殖の阻害、遺伝子発現の阻害または遺伝子発現の 活性化などの生きている細胞における効果をもつ生成物を発見することが望まし い場合がある。化合物を溶液中で合成して入手する場合、細胞をこのような化合 物のアレイで処理し、前述のデコンボリューションストラテジーによって所望の 効果をもつ活性分子を同定する。ビーズ上の化合物のスクリーニングは、たとえ ば、ビーズを半固体培地に嵌め込み、ビーズから放出された生成物分子のライブ ラリが、化合物が周囲の培地に拡散できるようにすることなどによって容易に達 成することができる。次いで、バクテリアのローンをもつプラークなどの効果が 観察できる。増殖阻害または増殖活性化あるいは遺伝子発現における影響のゾー ンを視覚化し、ゾーンの中心のビーズを取り出し、分析する。 化合物が固体粒子に結合している場合、ひとつのアッセイスキムとして、作用 される分子または細胞系が実質的にホモジニアスにゲル内に嵌め込まれるような ゲルが必要である。ポリアクリルアミド、寒天、ゼラチンなどの種々のゲル化剤 を用いることができる。次いで、加水分解活性をもつように粒子をゲルに広げる が、基質は蛍光生成物を提供するゲル中に存在する。次いで、蛍光に対してゲル をスクリーニングし、蛍光シグナルにかかわる粒子を機械的に選択する。細胞を ゲルに嵌め込むと細胞ローンが形成される。粒子を前述のように広げる。もちろ ん、ゲル上に1または0個の粒子の存在する領域を定義する格子目を設定するこ とができる。細胞毒性が基準であった場合、生成物を放出し、充分な時間インキ ュベートし、生体染色剤をゲルに塗り付ける。染色剤を吸収した細胞または吸収 しなかった細胞を、次いで区別する。 上述したように、シグナルがトランスダクトされた場合を示すように、細胞を 遺伝的に操作することができる。遺伝子がどの発現を活性化するかが分かってい るレセプターは多く存在する。遺伝子が、このようなレセプターに応答するプロ モーターの転写制御下にある部位に外来性遺伝子を挿入することによって、蛍光 シグナルなどの検出可能なシグナルを提供する酵素を産生することができる。次 いで、前述した方策によって蛍光細胞に関連する化合物を分析する。 特定の具体例において、本発明化合物のセレクチン結合および阻害を試験する ためにELISAアッセイを発展させた。たとえば、ELISAプレートをsL ex−ヘキサ−セラミドまたコントロール糖脂質でコートし、E−セレクチン、 L−セレクチンまたはP−セレクチンIgGキメラの結合における標的化合物の 影響を評価する。 F.炭素配糖体を有する化合物 さらなる態様において、本発明は、いずれかの化学的性質を示す適当に誘導さ れた官能基にスペーサー/リンカーユニットを介して結合する少なくとも1個の 糖質ユニットを有する化合物のアレイに関する。 本発明は、式: (X)m−Z’ [式中、Xは糖質ユニットまたは修飾糖質ユニット; Z'は“Z”および“B”の反応生成物; Bは1個または複数個のいずれかの化学的性質を示す有機分子、無機分子、固 相合成支持体などのモノマー、ホモ/ヘテロオリゴマーまたはホモ/ヘテロポリ マー部分である] で示される新規な化合物を提供する。 Zは、少なくとも1個の炭素原子を含むスペーサー/リンカーユニットを介し て酸素であるアノマー形成位置でXに結合する活性化された官能基である; mは正の整数である。 本発明の糖質化合物は、単糖、二糖、分枝鎖あるいは非分枝鎖のオリゴ糖また は多糖である。糖質ユニットは、5員の環構造、6員の環構造あるいはその両方 である。水酸基の水素のいずれもが、適合するモイエティ、リンカーまたは固相 合成支持体で置換しうる。糖質モイエティ(Xm)の分子量は、単糖の分子量( 約180)程度からセルロースまたは他の複合糖質などでは数十万程度である。 “B”は、有機分子、無機分子、固相合成支持体などのいずれかの化学的性質 を示すモノマー、ホモ/ヘテロオリゴマー、またはホモ/ヘテロポリマー部分で ある。たとえば、“B”は、ケトン、アミド、エステル、チオエステル、エーテ ル、スルホン、スルホンアミド、スルホキシド、核酸、アミノ酸、糖質、アロマ チックス、アルコール、無水物、アルケン、アルキン、ポリアロマチックス、複 素環式化合物、テルペン、ステロイド、β−ラクタム、キサンタン、インドール 、インドロン、ラクタム、ベンゾジアゼピン、キノン、ヒドロキノン、ヒダント イン、ならびに、ペプチド、ヘパリン、シクロデキストリンといったようなそれ らのオリゴマーおよびポリマーなどのモノマー、ホモ/ヘテロオリゴマー、また はホモ/ヘテロポリマーである。 特定の具体例においては、活性化官能基Zは上記B部分で定義される構造のう ちのひとつを含む。 本発明の最も好ましい具体例においては、“活性化”配糖体は、下記式のひと つを含む。α体を例示するが、本発明には結合のβ配置も包含される。 前述したような本発明の特定の具体例は、本発明の製造方法にしたがって製造 された独特の化合物である。しかし、これらの具体例は単なる例であり、例示と して企図されたものであり、本発明の範囲を限定するものではないと理解された い。上記化合物およびその医薬的に許容しうる塩に加えて、本発明はさらに、適 用しうるものであれば、本発明に開示した方法を用いて製造しうる本発明化合物 の溶媒和物ならびに非溶媒和物(水和物など)に関する。 本明細書における化学式は、互変異性の現象を表す。本明細書中の化学式は、 可能な互変異体の一例に過ぎず、本発明は、本明細書に開示の方法を用いて製造 しうる互変異体のいずれをも包含し、例示した化学式における互変異体のいずれ かひとつに限定されるものではないことを理解すべきである。 前述の化合物は、化学的に相関性のある化合物の製造に適用可能なことがわか っているどのような方法においても製造することができる。適当な方法を後記実 施例において説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを企図 するものではないことを理解すべきである。 本明細書に記載した化合物の幾つかは、1個または2個以上の不斉中心を持ち 、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体となり うる。本発明はそのような可能な立体異性体ならびにそのラセミ体および光学的 純粋体のすべてを包含する。常套の方法で用いるキラルシントン、キラル試薬ま たは光学分割体を用いて光学活性(R)および(S)異性体を製造することがで きる。本明細書に記載した化合物がオレフィン二重結合を有する場合、Eおよび Z幾何異性体の両方を包含することを企図するものである。 G.炭素配糖体で修飾された化合物の用途 炭素配糖体修飾化合物の用途は、生物学的、化学的、生理学的またはその他の 活性のアゴニスト的またはアンタゴニスト的調節である。本発明方法を生体活性 分子の前駆体の調節に用いる場合、たとえば耐性機構に影響されない抗生物質な どの改良薬物または天然産物、改良細胞増殖抑制剤および細胞障害剤、改良抗ウ イルス剤、活性化合物の高安定性などを簡便に提供する。本発明方法によって製 造および同定される新規化合物は、ガンおよびガン転移などの病理学的疾患、炎 症、ウイルスまたは細菌感染などの治療、さらに細胞粘着、細胞増殖、酵素活性 などの生理学的効果の調節に有用である。 抗高血圧剤、β遮断剤、抗がん剤、抗菌剤、抗細胞増殖剤、抗不安薬、抗鬱薬 、抗生物質、ビタミン、抗炎症剤、堕胎薬、抗ヒスタミン剤、鎮咳薬、鎮静薬な どの広範囲の薬物を製造することができる。 本発明の特定の具体例において、本発明化合物はセレクチンファミリーのメン バーのインヒビターである。セレクチンは、sLexなどの細胞表面糖質と相互 作用する細胞粘着分子のクラスである。セレクチンは、白血球細胞の経内皮移動 などの細胞粘着に関連する。したがって、特定の具体例において、本発明化合物 は、喘息、関節炎および他の炎症性疾患、さらに多くのタイプのガンおよびガン 転移などの不適当な細胞粘着に関連する疾患の治療剤として有用である。 本発明の医薬組成物は、混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセ ル封入、エントラッピングまたは凍結乾燥プロセスなどの常套の手段による公知 の作法で製造することができる。医薬的に使用しうる賦形剤および製剤中への活 性化合物のプロセシングを促進する補助剤などの1種または2種以上の生理学的 に許容しうる担体を用いる常套の作法により医薬組成物を製剤することができる 。投与経路に応じて剤形を選択する。 注射液用には、本発明の薬剤を水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液ま たは生理的食塩水などの生理学的に適合性の緩衝液中に配合する。経粘膜投与用 には、浸透されるべき障壁に適した浸透剤を配合する。このような浸透剤は当業 者には公知である。 経口投与用には、活性化合物を当業者には公知の医薬的に許容しうる担体と合 わせることによって本発明化合物を容易に配合することができる。治療される患 者による経口摂取のために、このような担体と本発明化合物を配合して錠剤、丸 剤、糖衣錠、カプセル剤液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤として 製剤することができる。経口使用のための医薬製剤は、固相賦形剤を加え、必要 に応じて得られる混合物を研磨し、粒状の混合物をプロセシングし、要すれば適 当な補助剤を添加して、錠剤または糖衣錠として得られる。適当な賦形剤は、ラ クトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールといったような糖質な どのフィラー;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガ芋デ ンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルトース、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリ ビニルピロリドン(PVP)といったようなセルロース製品である。要すれば、 架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウ ムなどのその塩といったような崩壊剤を加えてもよい。 適当なコーティング剤により糖衣錠を製剤する。この目的のために、濃縮糖質 溶液を用いることができ、該溶液に必要に応じてアカシアゴム、タリク、ポリビ ニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二 酸化チタン、ラッカー液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を配合する。 活性化合物用量の異なる組み合わせのものを区別し、特徴づけるために錠剤また は糖衣錠に着色剤または色素を加えてもよい。 経口投与しうる医薬製剤として、ゼラチンでできたプッシュフィットカプセル 剤、ゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤でできた軟シ ールカプセル剤が挙げられる。プッシュフィットカプセル剤には、活性成分とラ クトースなどのフィラー、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたは ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および必要に応じて安定化剤を配合し てよい。ソフトカプセル剤では、脂肪油、液状パラフィンまたは液状ポリエチレ ングリコールなどの適当な液体に活性成分を溶解する。さらに、安定化剤を加え てもよい。すべての経口投与用製剤は、このような投与に適した用量で用いるべ きである。 バッカル投与用には、本発明組成物を常套の作法で製剤した錠剤またはロゼン ジの形体で投与される。 吸入による投与用には、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタ ン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスなどの適 当な噴射剤を用いた気密圧力パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレーの形体 で本発明化合物を簡便にデリバリーすることができる。気密圧力エアロゾルの場 合、用量単位は、割り当てられた量をデリバリーするバルブを用いることによっ て決定することができる。吸入器または注入器で用いるゼラチンなどのカプセル 剤およびカートリッジ剤は、本発明化合物とラクトースまたはデンプンなどの適 当な粉末基剤の粉末混合物を配合する。 ボーラス注射または継続注入などの注射による非経口投与用として本発明化合 物を製剤することができる。注射用製剤は、保存剤を配合したアンプルまたは複 数回投与用コンテナーなどの単位用量の形体で製造する。該組成物は、懸濁液剤 、液剤または油性もしくは水性ビヒクル中の乳液剤などの形体で製造することが でき、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤成分を配合してよい。 非経口投与用医薬製剤には、水溶性形体の本発明活性化合物の水溶液が包含さ れる。さらに、適当な油性注入懸濁液剤として活性化合物の懸濁液を製造するこ とができる。適当な新油性溶媒またはビヒクルとしては、胡麻油などの脂肪油、 などオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、もしく はリポソームが挙げられる。水性注入懸濁液剤には、カルボキシメチルセルロー スナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加する 物質を配合する。必要に応じて、該懸濁液に適当な安定化剤または化合物の安定 性を増加して高濃度溶液の製剤を可能にする作用剤を配合してもよい。 別形体の製剤として、発熱因子フリー滅菌水などの適当なビヒクルと用時調製 する散剤として活性成分を製剤してもよい。 たとえばカカオバターまたは他のグリセリドといったような常套の坐剤基剤を 含む坐剤または保持浣腸などの直腸用組成物として本発明化合物を製剤してもよ い。 上述したような製剤のほかに、本発明化合物をデポ剤として製剤してもよい。 このような長期作用製剤は、埋没投与する(たとえば、皮下または筋肉内に)。 したがって、たとえば、適当なポリマー物質または疎水性物質(たとえば許容し 得る油中の乳液として)またはイオン交換樹脂とともに製剤するか、または徐々 に溶解する塩などの徐溶性誘導体として製剤する。 本発明の疎水性化合物用の医薬的担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活 性剤、水混和性有機ポリマーおよび水相を含む共溶媒系である。該共溶媒系は、 VPD共溶媒系であってよい。VPDは、3%w/vのベンジルアルコール、8 %w/vの非極性界面活性剤ポリソルベート80および65%w/vのポリエチ レングリコール300からなる溶液であり、無水エタノールで最終体積にする。 VPD共溶媒系(VPD:5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1に希釈 したVPDからなる。この共溶媒系は、疎水性化合物をよく溶解し、それ自身が 全身投与において低毒性である。当然、共溶媒系の比率は、その溶解性および毒 性特性を壊すことなく相当に変化させることができる。さらに、共溶媒成分を変 化させることもできる。たとえば、ポリソルベート80の代わりに他の低毒性非 極性界面活性剤を用いること、ポリエチレングリコールのフラクションサイズを 変えること、ポリエチレングリコールの代わりにポリビニルピロリドンなどの他 の生体適合性ポリマーを用いること、およびデキストロースの代わりに他の糖質 または多糖を用いることなどが挙げられる。 ほかに、疎水性医薬組成物用の他のデリバリーシステムを用いてもよい。リポ ソームおよび乳液が、疎水性薬物のデリバリービヒクルまたは担体としてよく知 られている。通例、低毒性の面で劣っているが、ジメチルホルムアミドなどの特 定の有機溶媒もまた用いることができる。さらに、治療剤を含む固相疎水性ポリ マーの半透性マトリックスなどの徐放性システムを用いて本発明化合物をデリバ リーしてもよい。種々の徐放性素材が創られており、当業者にはよく知られてい る。徐放性カプセルは、その化学的性質に応じて、2,3週間から100日以上 かけて化合物を放出する。治療用試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じ て、タンパク質安定化のさらなる方策を用いる。 適当な固相またはゲル相担体または賦形剤を含む医薬組成物として本発明化合 物を製剤することもできる。このような担体または賦形剤としては、炭酸カルシ ウム、リン酸カルシウム、種々の糖質、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン およびポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定さ れるものではない。 本発明化合物の幾つかは、医薬的に適合しうるカウンターイオンとの塩として 提供される。医薬的に適合しうる塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リン ゴ酸、コハク酸などの多数の酸と形成される塩であるが、これらに限定されるも のではない。塩は、水性溶媒または対応する遊離塩基型である他のプロトン性溶 媒中で、溶解性が高い。 本発明化合物の用途に適した医薬組成物とは、その求める目的を達成するのに 有効な量の活性成分が含まれる組成物である。さらに詳しくは、治療上の有効量 とは、治療される患者に現存する症状の進行を妨げるかまたは軽減するのに効果 的な量を意味する。所望の生物学的、化学的または他の効果を得るための有効量 の決定は、充分に当業者の能力の範囲内である。 VI.実験セクション A.材料および方法 1.材料 試薬は、ファンスティール・ラボラトリーズ(Phanstiehl Laboratolies)、 アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemmical Company)またはラ ンカスター・シンセシス・リミテッド(Lancaster Synthesis Ltd.)などの製薬 会社から購入し、他に特記しない限り、さらなる精製を行うことなくそのまま使 用する。テトラヒドロフラン(THF)およびジメチルホルムアミド(DMF) は、アルドリッチから完全に封印したビンで購入し、そのまま用いる。すべての 溶媒は、他に特記しない限り、当業者にはよく知られている標準的な方法を用い て精製する。 2.概略的プロトコル 後記の反応は、一般に窒素の正圧下または乾燥チューブを用い、周囲温度(他 に特記しない限り)にて、無水溶媒中で行い、基質および試薬をシリンジにて導 入するためのゴム製の隔壁を取り付ける。ガラス器具はオーブン乾燥および/ま たは加熱乾燥する。分析用薄層クロマトグラフィー(tic)は、ガラスで裏う ちしたシリカゲル60F254プレート(アナルテック(Analtech)製,0.25 mm)上で行い、適当な溶媒比(v/v)で溶離し、適当な箇所を表示する。反応 をTLCによりアッセイし、出発物質の消費によって終了を判定する。 p−アニスアルデヒトスプレー試薬またはホスホモリブデン酸試薬(アルドリ ッチ・ケミカル製,20重量%エタノール溶液)を用いてTLCプレートを視覚 化する。 代表的には反応容量が反応溶媒または抽出溶媒で2倍になったところで反応を 終了し、次いで、他に特記しない限り、抽出容量の25容量%を用いた水溶液で 洗浄する。 生成物溶液を乾燥(Na2SO4)した後に濾過し、ロータリーエバポレーターに て溶媒を減圧蒸発し、溶媒を除去する。 ベイカー・グレードのフラッシュシリカゲル(47〜61μm)およびシリカ ゲル[他に特記しない限り、粗物質比約20:1から50:1]を用いてフラッ シュカラムクロマトグラフィーが行なわれている(スティルらの,1978,A .J.Org.Chem.,43:2923)。 実施例中に示す圧力または周囲圧において水添分解を行うことができる。 300MHzでバリアン(Varian)300装置を作動させて1H−NMRスペ クトルを記録し、75MHzでバリアン300装置を作動させて13C−NMRス ペクトルを記録する。NMRスペクトルは、対象標準としてクロロホルム(7. 25ppmおよび77.00ppm)、DC3OD(3.4および4.8ppmおよび49 .3ppm)または適する場合において内部テトラメチルシラン(0.00ppm)を 用い、CDCl3溶液において得られる(ppmで記録される)。ピーク多重性 は、次の略号を用いて記録する:s(1重),d(2重),t(3重),m(多 重),br(ブロード),dd(2重の2重),dt(3重の2重)。カップリ ング定数がある場合は、ヘルツで記録する。 パーキンエルマーFT−IRスペクトロメーターにて、ニートオイルまたはC DCl3溶液として赤外線スペクトルを記録し、波長(cm-1)で報告する。 LSIMSを用いてマススペクトルを得る。すべての融点は不正確である。微 量分析は、ガルブレイス・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(Galbraith Laboratories,Inc.),ノックスビル,TNにおいて行う。 3.“活性化”炭素配糖体ビルディングブロックの合成 末端置換ハロゲン化炭素配糖体の好ましい合成方法は、2−クロロメチル−3 −トリメトキシシリル−1−プロペン[ジェレスト・インコーポレイテッド(Gel est Inc.);米国特許第3696138号]と活性化糖質およびルイス酸を化学反 応させ、それによって、アリルシランが、アノマー体アセテートとともにルイス 酸触媒により生成されるピラノースオキソニウムイオンに付加されることからな る。ナッシュおよびアンダーソンの,1982,Amer.Chem.Soc.,104:7 282;パネクおよびスパークスの,1989,J.Org.Chem.,54:2034 。前述した他の求電子糖質を使用することもできる[ポステマ,1995、前記 ]。C−1位における他の官能基もまた、アノマー水酸基を適当な脱離しうる基 へ変換してオキソニウムイオンを形成するために使用しうるということは当業者 には明らかであろう。少なくともペル−O−アセチル化糖質および2−クロロメ チル−3−トリメチルシリル−1−プロペン試薬を用いる特定の反応条件下にお いては、2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロペンおよび2−ク ロロメチル−3−トリメトキシシリル−1−プロペンは、ベンジル保護糖質にお いておよそ同程度の能力を呈する。 3.1ベンジル保護糖質を用いた炭素配糖体の形成 a.2−クロロメチル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L−C−フコ ピラノシド)−1−プロペン 1,2−ジクロロエタン(500ml)またはTHF(240ml)中の2,3,4− トリ−O−ベンジル−L−フコピラノース(1)(500g、1.15モル)の溶 液に、酢酸無水物(240ml)およびピリジン(135ml)を加え、混合物を室温で 22時間撹拌する。続いて、反応物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和重炭酸ナト リウム、そして再度水で洗浄する。溶媒を減圧除去し、トルエンで共沸する。白 色固体を減圧ラインにおき、1−O−アセチル−2,3,4−トリ−O−ベンジ ル−L−フコピラノース(1)(542g、収率99%)をのアノマーアセテート の混合物として無色結晶で得る。m.p.86〜87.5℃。 1−O−アセチル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコピラノース( 1)(564.35g、1.19モル、1.00当量)および2−クロロメチル− 3− トリメチルシリル−1−プロペン(214.6ml、1.19モル、1.00当量) をアセトニトリル(HPLCグレード)(1.2リットル)に溶解し、氷水浴を用 いて約0℃まで冷却する。続いて、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホ ネート(11.46ml、59.28ミリモル、0.05当量)を注意深く加え、氷 水浴を溶けるままに放置し、反応物をゆっくりと室温まで暖める(18時間)。 出発物質からの成分置換完了がtlcにより示される。反応物に1リットルの氷 水を注いで反応を終結する。得られる混合物を酢酸エチル(1リットル)で抽出 し、次いで、有機相を1.0N水酸化ナトリウムおよび食塩水で洗浄する。有機 相を乾燥(無水硫酸ナトリウム)し、濾過し、溶媒を減圧除去して、2−クロロメ チル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L−C−フコピラノシド)−1−プロペ ン(2)を明黄色固体で得る。0℃にてメタノール中で結晶化するか、ベイカー グレードのフラッシュシリカゲル(47〜61mm)(20〜1の比率)を用いて5〜 10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーに付すかのい ずれかによって生成物を精製して、白色固体(99%)を得る。m.p.47〜49 ℃。 小さいスケールの反応では、C−グリコシド化反応のα−対β−の比率は、α −フコース誘導体が優勢であり、>10:1である[チャらの,1982,J.A m.Chem.Soc.,104:4976]。反応スケールが大きくなると、β異性体が さらに少なくなるのが観察され、マルチグラムレベルになると、しばしば痕跡量 のみが見られるだけになる。 この実験の結果は、アリルシランおよび活性化グリカールを用いてピラノシド を得るような関連するC−配糖体形成反応を捕足説明するものである。他の好ま しい具体例では、アセトン還流下におけるNaIまたはTHF還流下におけるL iBrなどの存在条件下で、クロリドをヨード(収率97%)またはブロミド( 収率95%)に交換するフィンケルシュタイン交換を行い、反応の進行をtlc またはNMRでモニターする。特定の条件下で、ブロミドは対応するヨードより も安定度が高くなるが、アルキル化の収量が高いことによる結果であると考えら れる。 ベンジル保護糖質、好ましい具体例では1−O−アセチル−2,3,4−トリ− O−ベンジル−L−フコピラノシド(1)を用いるC−配糖体形成反応は、下記 反応工程式で表される。 R=MeまたはOMe L−フコース この反応の代表的なスケールの例として:出発物質 アセテート/2−クロロメ チル−3−トリメチルシリル−1−プロペン(310g/118ml)、得られる生 成物(331g);アセテート/2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1− プロペン(380g/144ml)、得られる生成物(400g)。 アノマー水酸基から出発する別法を、次に示す:無水アセトニトリル(200m l)中のトリ−O−ベンジル−L−フコピラノース(20g、46.03ミリモル、 1.00ミリモル当量)の溶液に、2−クロロメチル−3−トリメチルシリル− 1−プロペン(30.0g、184.34ミリモル、4.00ミリモル当量)を0 ℃にて加える。トリメチルシラントリフルオロメタンスルホン酸(10.24g、 46.03ミリモル、1.00ミリモル当量)を無水アセトニトリル(30ml)に 滴下し(総反応濃度0.2M)、反応物を0℃で30分間撹拌する。30分後、 反応物を酢酸エチル(230ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液をゆっく りと加えて反応を終結する。不均質な層を分離し、有機相を水、1.0M塩酸お よび食塩水で2回洗浄する。粗生成物を乾燥(無水Na2SO4)し、濾過し、小さ いシリカゲルパッドで栓をする。溶媒を減圧除去し、得られる油状物をベイカー グレードのフラッシュシリカゲル(47〜61mm)(50〜1の比率)を用いて5〜 10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーに付す。減圧 濃縮して、2−クロロメチル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L−C−フコピ ラノシド)−1−プロペン(20.01g、収率85%)を得る。MW=507、 [α]D:−27.37、C=0.95/CHCl3。このような反応の結果とし て第2の 生成物、すなわち、α−L−2,3,4−トリ−O−ベンジルフコピラノース−α −L−2,3,4−トリ−O−ベンジル−フコピラノースを得る。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率:91%、m.p.47〜49℃。 マススペクトル(LSIMS、mNBA)505.1/507.3。 元素分析(C3235ClO4として): 計算値:C73.43;H6.96; 実測値:C73.16;H7.12。 b.2−クロロメチル-3−(テトラ−O−ベンジル−α−L−C−グ ルコピラノシド)−1−プロペン 別の好ましい具体例においては、前記L−フコピラノシドの場合に記載した条 件と同条件において1−O−アセチル−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル− D−グルコピラノース(3)を反応に付し、下記式の化合物を得る(91%、m. p.79〜81℃)。 一般に、残りのペル−O−アセチル化糖質に対する試薬の比率を次に例示する :1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノシド(1.00 ミリモル当量)および2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロペン (2.00ミリモル当量)をアセトニトリル(1.3M)に溶解する。三フッ化 ホウ素エーテレート(2.00ミリモル当量)およびトリメチルシリルトリフル オロメタンスルホネート(0.40ミリモル当量)を希釈せずに室温にて注意深 く加える。反応物を6時間還流し、前述のように処理する。TLC30%酢酸エ チル/ヘキサン。 グルコース生成物(3)の分析データは次の通りである: 反応収率:91%、m.p.79〜81℃。 マススペクトル(LSIMS、mNBAおよびNaOAc)635.2(MN a+)。 元素分析(C3841ClO5として): 計算値:C74.43;H6.74; 実測値:C74.62;H6.92。 c.1−O−アセチル−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グ ルコピラノース 別の好ましい具体例においては、下記反応工程式に示すように、前記L−フコ ピラノシドの場合に記載した条件と同条件において1−O−アセチル−2,3,4 ,6−テトラ−O−ベンジル−D−ガラクトピラノースを反応に付し、α−C− 配糖体(4)を得る(84%、油状物)。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率:84%、油状物として単離。 マススペクトル(LSIMS、mNBAおよびNaOAc)635.3(MN a+)。 元素分析(C3841ClO5として): 計算値:C74.43;H6.74; 実測値:C74.31;H6.87。 d.2−ヨードメチル−3−(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L −C−フコピラノシド)−1−プロペン アセトン(3リットル)中のNaI(480g、3222ミリモル、5ミリモル 当量)の撹拌懸濁液に、2−クロロメチル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L −C−フコピラノシド)−1−プロペン(331g、653ミリモル、1ミリモ ル当量)を加える;反応物を3時間加熱還流し、次いで室温まで放冷する。反応 の完了をtlcアッセイでモニターする。使用したtlcの条件は、10%酢酸 エチル/ヘキサン(v/v)であり、反応完了は、生成物のRfが出発物質のも のよりも僅かに高くなる時点で示される。反応物に冷水を注ぎ入れEtOAcで 抽出する。有機層を飽和冷チオ硫酸ナトリウム、飽和NaHCO3およびで2回 、H2Oで洗浄する。生成物を乾燥(無水硫酸ナトリウム)し、濾過して乾燥剤を 除去する。溶媒を減圧除去し、明黄色ワックス状固体を得る。生成物をTHFに 溶解し、次いで低温で2回減圧濃縮して、次の工程で不要の残留溶媒を除去し、 2−ヨードメチル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L−C−フコピラノシド) −1−プロペン(5)(97%)を得る。この反応の代表的なスケールは次の通 りである:出発物質(331g)、得られる生成物(380g)。 生成物は下記式で示される。 e.2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−C−フコピラノシドアリ ルブロミド試薬 THF(197ml)中のLiBr(42.72g、493ミリモル、5ミリモル当 量)の撹拌懸濁液に、2−クロロメチル−3−(トリ−O−ベンジル−α−L− C−フコピラノシド)−1−プロペン(50.0g、98.6ミリモル、1ミリモ ル当量)を加え、反応物を3時間加熱還流し、次いで、室温まで放冷する。反応 の完了をTLCによりアッセイする(生成物のRfが出発物質のものよりも僅か に高くなる)。使用したTLC条件は10%酢酸エチル/ヘキサン(v/v)で ある。反応物をもとのTHFの容量の半分に濃縮し、冷水を注ぎ入れ、酢酸エチ ルで抽出する。有機層を水、1.0M塩酸で2回、再度水で洗浄する。生成物を 乾燥(無水硫酸ナトリウム)し、濾過して乾燥剤を除去する。溶媒を減圧除去して 明黄色固体を得る。生成物をメタノールに溶解し、次いで、低温で2回減圧濃縮 して残留溶媒を除去する。生成物を温メタノール(150ml)に溶解し、0℃で一 夜冷却する。固体を濾過し、白色結晶固体(4.08g)を得る。母液をもとの容 量の半分に濃縮し、再度0℃で一夜冷却し、さらに10.87gの白色結晶固体 を得る。回収物を合わせ、2−ブロモメチル−3−(2,3,4−トリ−O−ベン ジル−α−L−C−フコピラノシド)−1−プロペン(51.67g、収率95% )を得る。m.p.51.5〜53℃。 生成物の分析データは次の通りである: 元素分析(C3135BrO4として): 計算値:C67.51;H6.40; 実測値:C67.81;H6.56。 一般に、残りのペル−O−アセチル化糖質に対する試薬の比率を次に例示する :1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノシド(1.00 ミリモル当量)および2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロペン (2.00ミリモル当量)をアセトニトリル(1.3M)に溶解する。三フッ化 ホウ素エーテレート(2.00ミリモル当量)およびトリメチルシリルトリフル オロメ タンスルホネート(0.400ミリモル当量)を希釈せずに室温にて注意深く加 える。反応物を6時間還流し、前述のように処理する。TLC30%酢酸エチル /ヘキサン。 3.2.アセチル保護糖質を用いた炭素配糖体の形成 a.2−クロロメチル−3−(トリ−O−アセチル−α−L−C−フコ ピラノシド)−1−プロペン 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノース(5)(500.0 g、150.5ミリモル、1.00ミリモル当量)および2−クロロメチル−3− トリメチルシリル−1−プロペン(36.7g、225.7ミリモル、2.00ミ リモル当量)をアセトニトリル(116ml)に溶解する。続いて、三フッ化ホウ素 エーテレート(74.8g、526.8ミリモル、3.50ミリモル当量)および トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(13.4g、11.6ml、3 0.2ミリモル、0.40ミリモル当量)を注意深く加える。ルイス酸(好ましくは トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートおよび三フッ化ホウ素エーテ レート)を加えた後、反応物をゆっくりと加温して還流し、6時間還流を続ける 。室温まで冷却して反応を終結し、反応物に水(100ml)を加え、次いで酢酸エ チルで粗α−C−配糖体を抽出する。不均質な層を分離し、有機相を水、飽和重 炭酸ナトリウム、1.0M塩酸および食塩水で洗浄する。粗抽出物を乾燥(無水 硫酸ナトリウム)し、濾過し、溶媒を減圧除去して得られる油状物をベイカーグ レードのフラッシュシリカゲル(47〜61mm)(20〜1の比率)を用いて10% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製する。減圧濃 縮して、2−クロロメチル−3−(2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−C −フコピラノシド)−1−プロペン(46.4g、収率85%)を油状物で得る。 これらの反応条件下、1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノ シド反応混合物は、暗茶色から黒色に変化し、tlcにより出発物質から予測さ れるα−C−配糖体への変換が示される。tlcにより区別しうる化合物を、1 0%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ り単離する。NMR分析により、多い化合物が2,3,4−トリ−アセチル−α− C−L−フコピラノシド(85%)であり、少ない化合物が少量の出発物質であ ることがわかり、tlcにより観察されるベースライン物質はおそらく第3の同 定されない分子を示しているのであろう。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率:85%、油状物として単離される。 マススペクトル(LSIMS、mNBAおよびNaOAc)385.1(MN a+)、363.2(MH+)。 元素分析(C1623ClO7として): 計算値:C52.97;H6.39; 実測値:C52.66;H6.40。 フコースの脱保護 メタノール中、触媒量の金属ナトリウムを撹拌しながら加え、フコース試薬の 脱保護を行う。pHがおよそ2となるまで1.0MのHClを注意深く加え、反 応を終結させる。溶媒を減圧除去する。脱保護されたフコース誘導体は、下記式 で示される。 生成物の分析データは次の通りである: 定量的反応、m.p.185〜185−6℃。 マススペクトル(LSIMS、Gly)237.1(MH+)。 元素分析(C1017ClO4として): 計算値:C50.74;H7.24; 実測値:C50.63;H7.43。 b.2−クロロメチル−3−(テトラ−O−アセチル−α−L−C−グ ルコピラノシド)−1−プロペン 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノシドのα−C−グリコ シド化で用いた反応条件で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−グルコ ピラノース(14)、1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピ ラノースを処理して、所望のα−C−グルコースのα−C−配糖体(17)を得 る(収率20%)。α−C−配糖体のアセチル保護糖における付加されたC−3 ユニットに対する炭素シフトのNMR分析(CDCl3)の化学シフトは、δ4 8における−CH2Clアリル炭素およびδ28におけるC−1位においてC− 配糖体を形成するアリル炭素、およびδ142およびδ117におけるアルケン シフトである。ベンジル化糖およびアセチル保護糖のアリル塩素側鎖に対する炭 素シフトは比較できる。グルコースから誘導されたα−炭素配糖体(6)は下記 式で示される。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率:20%、油状物として単離される。 c.2−クロロメチル−3−テトラ−O−アセチル−α−L−C−ガラ クトピラノシド)−1−プロペン 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノシドのα−C−グリコ シド化で用いた反応条件で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラク トピラノースを処理して、所望のα−C−ガラクトースのα−C−配糖体(18 ) を得る(収率74%)。 1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノシド(1.00 ミリモル当量)および2−クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロペン( 2.00ミリモル当量)をアセトニトリル(1.3ml)に溶解する。三フッ化ホウ 素エーテレート(2.00ミリモル当量)およびトリメチルシリルトリフルオロメ タンスルホネート(0.40ミリモル当量)を室温にて希釈せずに注意深く加える 。反応物を6時間還流し、前述のように処理する。tlc:30%酢酸エチル/ ヘキサン。 α−C−配糖体のアセチル保護糖における付加されたC−3ユニットに対する 炭素シフトのNMR分析(CDCl3)の化学シフトは、δ48における−CH2 Clアリル炭素およびδ28におけるC−1位においてC−配糖体を形成するア リル炭素、およびδ142およびδ117におけるアルケンシフトである。ベン ジル化糖およびアセチル保護糖のアリル塩素側鎖に対する炭素シフトは比較でき る。ガラクトースから誘導されたα−炭素配糖体(7)は下記式で示される。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率74%、m.p.80〜82℃。 マススペクトル(LSIMS、mNBAおよびNaOAc)443.1(MN a+)、421.2(MH+)。 元素分析(C1825ClO9として): 計算値:C51.37;H5.99; 実測値:C51.47;H6.15。 d.2−クロロメチル−3−テトラ−O−アセチル−α−L−C−マン ノソピラノシド)−1−プロペン 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノシドのα−C−グリコ シド化で用いた反応条件で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−マンノ ピラノース(14)、1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピ ラノースを処理して、所望のα−C−マンノースのα−C−配糖体を得る(収率 80%)。α−C−配糖体のアセチル保護糖における付加されたC−3ユニット に対する炭素シフトのNMR分析(CDCl3)の化学シフトは、δ48におけ る−CH2Clアリル炭素およびδ28におけるC−1位においてC−配糖体を 形成するアリル炭素、およびδ142およびδ117におけるアルケンシフトで ある。ベンジル化糖およびアセチル保護糖のアリル塩素側鎖に対する炭素シフト は比較できる。マンノースから誘導されたα−炭素配糖体(8)は下記式で示さ れる。 生成物の分析データは次の通りである: 反応収率80%、(油状物として単離)。 マススペクトル(LSIMS、mNBAおよびNaOAc)443.0(MN a+)、421.3(MH+)。 B.実施例:反応実施例 1.液相中の反応 a.p−(C−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−C−L−フコピラノー ス)安息香酸エチル DMF6.0ml中、p−ヒドロキシ安息香酸エチル(3.01ミリモル、1.0 0ミリモル当量)0.5gの撹拌溶液に、炭酸セシウム(9.03ミリモル、3. 00ミリモル当量)2.94gおよびC−フコシド試薬(4.52ミリモル、1. 50ミリモル当量)を加え、反応液を室温にて12時間撹拌した。反応液はヘキ サン(v/v)中30%酢酸エチルの試験条件でtlcクロマトグラフィーによ り試験しながら反応を終了させた。反応物を酢酸エチルで希釈し、ついで、冷水 中に注いだ。有機層を、水で2回、ついで食塩水で洗浄し、生成物を無水硫酸ナ トリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去した。溶媒を真空下除去し、淡黄色 の含ろう状固体を得、それをベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(4 7−61mm)(20:1の比率)でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン中、5 または10%酢酸エチルで溶出させた。真空下濃縮して淡黄色油状物(1.33 g、90%)の生成物を得た。 b.p−(C−2,3,4−トリ−O−ヒドロキシル−α−C−L−フコピラ ノース)安息香酸メチル メタノール10ml中、p−(C−トリ−O−アセチル−α−C−L−フコピラ ノース)安息香酸エチル(2.03ミリモル、1.00ミリモル当量)1.0gの 溶液に、炭酸セシウム(10.15ミリモル、5.00ミリモル当量)3.31g および水5mlを加え、反応物を48時間撹拌した。反応液を1.0M HClを用 いてpHを約1とし反応を中止させ、生成物をクロロホルムで抽出した。有機層 を水で洗浄し、生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去 した。溶媒を真空下除去し、白色固体を得た。その白色固体は脱アセチル化メチ ルエステル(0.70g、97%)であった。 c.p−(C−2,3,4−トリ−O−ヒドロキシル−α−C−L−フコピラ ノース)安息香酸 THF(6ml)中、メチルエステル(1.42ミリモル、1.00ミリモル当量 )0.50gの溶液に、炭酸セシウム(7.10ミリモル、5.00ミリモル当量 )1.19gおよび水1mlを加え、反応液を室温にて12時間撹拌し、ついで、 1.0M HClを用いてpHを約1とし反応を終了させた。生成物をクロロホル ムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去した。溶媒 を真空下除去し、白色固体(0.432g、90%)を得た。 2.固体相のアルキル化および脱保護 以下は固体担体上の炭水化物試剤のアルキル化および脱保護のための好ましい プロトコールである。 アルキル化のために、p−メチレンヒドロキシ樹脂(2.00g、樹脂1g当 たりアルコール0.70ミリモル、1.40ミリモル、1.00ミリモル当量)を フラスコ中に入れた。DMF(0.06M)25mlを加え、樹脂/DMF混合物 を1時間撹拌し、膨潤後樹脂を十分被覆した。p−ヒドロキシ安息香酸(2.8 0ミリモル、2.00ミリモル当量)0.387gを、最少量DMF中の撹拌樹脂 に加え、続いてHOBt(14.0ミリモル、10.00ミリモル当量)1.89g 、DMAP(1.40ミリモル、1.00ミリモル当量)0.171gおよびDC C(14.0ミリモル、1000ミリモル当量)2.89gを添加した。反応物を さらに4時間室温にて撹拌し、その後、反応液を半融ガラス濾過器(微細メッシ ュ)上で樹脂を濾去して反応を終了させ、ついで、DMF、メタノール、アセト ン、 水、1.0M HCl、水、アセトン、ついで酢酸エチルで樹脂を洗浄した。樹脂 をフリットした漏斗上に放置して空気乾燥した。反応の終了をtlc(薄層クロ マトグラフィー)試験により監視したが、出発物質が残っていないことを示した 。誘導体化樹脂2gを回収した。 脱保護のために、誘導体化樹脂(1.40ミリモル、1.00ミリモル当量)2 .00gをDMF20ml中に懸濁し、30分間ゆるやかに撹拌した。炭素−フコ シド試薬(2.80ミリモル、2.00ミリモル当量)1.02gを、TBAI( 2.80ミリモル、2.00ミリモル当量)1.03gと共に最少量のDMF中に 溶解し、ついで、撹拌樹脂に加えた。反応物は茶色に変わり、それを室温にて6 時間撹拌した。ついで、メタノール20mlを加え、さらに2時間撹拌することに より反応を終了させた。反応の終了をtlc試験により監視し、脱アセチル化メ チルエステルの生成を確認した。ついで、水10ml中水酸化セシウム(7.00 ミリモル、5.00ミリモル当量)2.28gを加え、2時間後、反応液を1.0 M HClを用いてpHを約1とし、反応を中止させた。樹脂を半融ガラス濾過器 を通して濾去し、濾液を集めて、溶媒を真空下除去した。粗生成物をメタノール 少量を補足してクロロホルムで抽出し、抽出層を水で洗浄し、溶媒を真空下除去 した。生成物は先の生成物(0.280g、最初の樹脂モルに基づいて59%) と同じであった。 C.実施例:一定のコア構造と炭素グリコシドの変異体とのランダムライブラ リーの生成 本発明の1つの具体例において、コア構造は常に一定であるが、炭素グリコシ ド試薬の量/比率および種類が変わる。 例えば、単一の芳香族フェノールを含む芳香族コア構造を、それぞれアセチル 保護された2:1の比率のフコシドとガラクトシド試薬と混交する。基質をDM F中に溶解し、続いて、炭酸セシウム2〜5ミリモル当量および2種の炭素グリ コシド試薬を加える。統計学的には、大体等量のフコシドとガラクトシド付加物 が期待できる。反応生成物の数は、炭素グリコシドとのより高い複合性の採用に よ り容易に変化し得る。例えば、3種の炭素グリコシド試薬は3つの生成物をもた らすが、すなわち、概して、x個の炭素グリコシドはx個の反応生成物をもたら す。 さらなる変異は、芳香族フェノールヒドロキシル基を1個以上含有する基質と の化学反応を採用することにより達成し得る。数学的には、従って、得られる付 加物の数は、反応基の数と用いられた異種の炭水化物試剤の数の生成物であると 予想され、さらに、用いられた炭水化物試剤の種類と比率は反応結果に影響を与 える。問題の変異は、例えば、カルボン酸と非保護炭素グリコシド試薬の使用に より達成され得、さらなる変異はアルファおよびベータグリコシドの両方が採用 されたとき達成される。他の修飾は当業者に自明である。この実施例は、例えば 、チオール、アミン、フェノール、カルボン酸塩、炭水化物、ヘパリン誘導体、 高分子類などの炭素グリコシド試薬と反応し得る他の官能基を排除することを意 味するものではない。 記述の方法は固体相担体に結合した基質、または液相中の基質のいずれにも採 用され得る。 D.実施例:コア構造の変異体と一定の炭素グリコシドとのランダムライブラ リーの生成 この方法は、反応に用いられる単一の炭水化物試剤(アルファ、ベータまたは 両方)を保持し、反応に用いられるコア構造を変化させるものである。 ペプチドのランダムライブラリーはチロシンを用いて創造され、チロシンはラ ンダムライブラリー生成前に前−反応基化されているか、そうでなければ生成中 またはランダムライブラリー生成後にライブラリーに付加される。固体相または 溶液の手法を採用すると、ジ−アミノ酸ライブラリーが20個の天然アミノ酸ま たは他の(非天然)D−およびL−アミノ酸のいずれか1個を用いて生成され得 る。チロシンはフェノール性ヒドロキシルが炭素グリコシドで誘導体化され、固 体相に結合され、ついで第2のアミノ酸が結合する。さらなる変異はアルファお よびベータグリコシドの両方が採用されたとき達成される。 E.実施例:コア構造の変異体と炭素グリコシドの変異体によるランダムライ ブラリーの生成 この方法は上記の方法1と2の組み合わせと言える。この方法は膨大かつ高度 にランダム化ライブラリーを生成する。さらに、アルファおよびベータの両方の 使用は変異体の数をさらに拡大する。 F.実施例:化合物の製造一般的反応および一般的実験操作 熟練技術者は下記の一般的実験が本発明の新規化合物の製造に当分野で用いら れるものであると評価し理解し得るであろう。ミリモル当量とは、アルキル化さ れる部位当たりの、炭素グリコシド試薬との反応により反応性誘導体化されるべ き反応基質をいう。さらなる官能基変換は標準的反応条件を用いて技術者により 達成され得る。例えば、アリルハライドのアリルアミンへの変換は、アリルアジ ドを経て水中トリフェニルホスフィンによりアジドのアミンへの還元による。つ いでアミンはアミド結合形成に利用される。 水素化ナトリウムおよび脂肪族アルコールを用いるアルキル化条件 外界温度にてTHF(スラリー)中水素化ナトリウム(3.00ミリモル当量 、注:水素化ナトリウムは使用前にヘキサンで3回洗浄する)を機械的撹拌溶液 に、最少量の無水テトラヒドロフラン中脂肪族アルコール(1.00ミリモル当 量)を滴下しながら加える。ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.10ミリモ ル当量)を加え、反応物を室温(上記室温へのわずかな加温が時々反応の開始に 必要である)にて60分間撹拌し、ガスの発生率を最小にする。反応物を2時間 加温し、水素の発生を注意深く監視する。反応物を機械的な撹拌機を用いて撹拌 しながら1.5時間ゆるやかに還流させる。ベンジル基保護炭素グリコシド試薬 (1.50ミリモル当量)を、無水テトラヒドロフラン(総反応濃度が0.2から 0.5Mである)中に1−2時間かけてゆっくりと滴下し、4時間撹拌する。[ 反応物 の一部を取り、1.0M HClで反応を中止させ、酢酸エチルで抽出する;用い られるtlc条件はクロロホルム(v/v)中5%メタノールである。]ついで 、反応液をトルエンで希釈し、0℃にてトルエン中50%メタノールを慎重に添 加して、残留水素化ナトリウムを消費させ、続いてpH〜2までの1.0M塩酸 による酸性化により反応を終了させた。反応物を酢酸エチルで希釈した。不均一 層を分離し、有機相を1.0M塩酸、チオ硫酸塩飽和ナトリウムおよび食塩水で 2回に分けて洗浄する。生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル (47−61mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより 精製され得る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30 %酢酸エチルである。シリカゲルをメタノールで溶出し、生成物物質についてt lcにより調べる。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させる。所望生成 物を回収する。 チオール、アミン、カルボン酸等のアルキル化のためのマイルドな塩基として の炭酸セシウムを用いる一般的アルキル化条件 DMFまたはアセトン(0.5M)中、チオール、フェノール、アミン、カル ボン酸等(1.00ミリモル当量)の撹拌溶液に、炭酸セシウム(3.00ミリモ ル当量)および炭素−グリコシド試薬(1.50ミリモル当量)を加えた。反応 液を室温にて12時間撹拌し、反応物をtlcにより試験した。用いられるtl c条件はヘキサン(v/v)中30%酢酸エチルである。反応物を酢酸エチルで 希釈し、ついで、冷水に注いだ。有機層を、水で2回、ついで、食塩水で洗浄す る。生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去する。溶媒 を真空下除去する。生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(4 7−61mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製 し得る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30%酢酸 エチルである。シリカゲルをメタノールで溶出し、どの生成物物質に対してもt lcにより調べる。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させる。所望生成 物を回収する。 アセチル化した炭素グリコシドからのアセチル保護基の脱離 メタノール(0.5M)中、アセチル保護化合物(1.00ミリモル当量)の溶 液に、炭酸セシウムまたはナトリウムメトキシド(5.00ミリモル当量)およ び水(触媒量)を加え、反応物を48時間撹拌した。1.0M HClを用いてp Hを約1と反応を中止させる。生成物をクロロホルムなどの適当な抽出溶媒で抽 出し、有機層を水で洗浄する。生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し て乾燥剤を除去する。生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル( 47−61mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精 製し得る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30%酢 酸エチルである。シリカゲルをメタノールで溶出し、生成物物質についてtlc により調べる。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させる。所望生成物を 回収する。 実施例:樹脂上でのアルキル化 この具体的な実施例は類似の化合物についての一般的な実施例として役立つ。 p−メチレンヒドロキシ樹脂(2.00g、樹脂1g当たりアルコール0.70ミ リモルを含有、1.40ミリモル、1.00ミリモル当量)をフラスコ中に入れ、 DMF(0.06M)25mlを加え、DMF中樹脂の混合物を1時間(これは樹 脂の膨潤後樹脂を十分被覆する。)撹拌する。最少量のDMF中p−ヒドロキシ 安息香酸(0.387g、2.80ミリモル、2.00ミリモル当量)を、撹拌樹 脂に加える。反応物を4時間室温にて撹拌する。半融ガラス濾過器(微細メッシ ュ)上で樹脂を濾取して反応を中止させ、ついで、DMF、メタノール、アセト ン、水、1.0M HCl、水、アセトン、ついで酢酸エチルで樹脂を洗浄する。 樹脂をフリット漏斗上に放置して空気乾燥した。樹脂の少量のサンプルを取り、 メタノール中に懸濁させ、tlcにより懸濁液を調べると、いずれの出発物質も 残っていないことを示した。誘導体化樹脂2gを回収した。 誘導体化樹脂(2.00g、1.40ミリモル、1.00ミリモル当量)をDM F (20ml)中に懸濁し、30分間緩やかに撹拌した。炭素−フコシド試剤(1. 02g、2.80ミリモル、2.00ミリモル当量)を、TBAI(1.03g、 2.80ミリモル、2.00ミリモル当量)と共に最少量のDMF中に溶解し、つ いで、撹拌樹脂に加えた。反応物は茶色に変わり、室温にて6時間撹拌した。つ いで、メタノール(20ml)を加え、さらに2時間撹拌することにより反応を終 了させた。TLCは脱アセチル化メチルエステルが生成したことを示した。つい で、水10ml中水酸化セシウム(2.28g、7.00ミリモル、5.00ミリモ ル当量)を加えた。2時間後、1.0M HClを用いてpHを約1とし反応を中 止させた。樹脂を半融ガラス濾過器を通して濾過により除去し、濾液を集めて、 溶媒を真空下除去した。粗生成物をメタノール少量を補足してクロロホルムで抽 出し、抽出層を水で洗浄し、溶媒を真空下除去した。その生成物を先の生成物( 0.280g、開始樹脂モルに基づいて59%)と同じであった。 四酸化オスミウムでの酸化によるオレフィンのビスヒドロキシル化 0℃にてアセトン(0.5M)中1%水中、オレフィン(1.00ミリモル当量 )の撹拌溶液に、アセトン(0.01ミリモル当量)中に予め溶解しておいた四 酸化オスミウムを加え、N−メチルモルホリン−N−オキシド(2.00ミリモ ル当量)を固形物で慎重に加えた。反応物を0℃にて撹拌し、氷浴(水/氷)に 放置して溶融させた。反応液を外界温度にて18時間撹拌させるか、または、反 応をtlcによる分析により終了させた。反応はTLCまたは反応酢酸塩の一部 により試験され得る。反応液の一部はCDCl3中、1H−NMRにより調べられ る。反応を重亜硫酸塩ナトリウム(NaHSO3およびNa225の混合物を含む )を慎重に添加し、1時間室温にて撹拌し、ついで水を添加して終了させる。ク ロロホルムなどの抽出溶媒を加え、不均一層を分離し、有機相を1.0M塩酸、 水および食塩水で洗浄する。洗浄した生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、 濾過する。その生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(47− 61mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製され 得る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30%酢酸エ チルで ある。シリカゲルをメタノールで溶出し、生成物物質についてtlcにより調べ る。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させ、所望生成物を回収する。 四酸化オスミウム過ヨウ素酸ナトリウムでの接触酸化によるケトンへのアルケ ンの酸化 0℃にてアセトン(0.5M)中1%水中、オレフィン(1.00ミリモル当量 )の撹拌溶液に、アセトン(0.01ミリモル当量)中に予め溶解しておいた四 酸化オスミウムを加え、過ヨウ素酸ナトリウム(2.00ミリモル当量)を固形 物で慎重に加えた。反応物を0℃にて撹拌し、氷浴(水/氷)で溶融させ、反応 液を外界温度にて18時間放置しながら撹拌し、反応をtlcによる試験により 終了させた。反応はTLCにより試験されるか、または反応物の一部を取り、メ タ亜流酸ナトリウム水溶液で終了させ、酢酸エチルで抽出した。反応液の一部は CDCl3中、1H−NMRにより調べられる。反応を重亜硫酸ナトリウム(NaH SO3およびNa225の混合物を含む)を慎重に添加し、1時間室温にて撹拌 、ついで水を添加して終了させる。クロロホルムなどの抽出溶媒、ついで塩酸、 水および食塩水を加える。洗浄した生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾 過する。その生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(47−6 1mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製され得 る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30%酢酸エチ ルである。シリカゲルをメタノールで溶出し、生成物物質についてtlcにより 調べる。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させ、所望生成物を回収する 。 ベンジル保護基の脱離のための接触水素化 ベンジル保護基含む化合物について、1.00ミリモル当量を脱保護される化 合物に適した適当な水素化溶媒中に溶解する。例えば、その溶媒は触媒量の酢酸 または酢酸エチルを伴ったメタノール、およびメタノール5%または10%パラ ジウム炭素(アルゴン下トルエン50−100mLで湿らせた触媒と共に出発物 質各50gに対して1g)でよく、蒸発させ、水素ガスを添加し、この工程を3 回繰り返す。反応液を振盪させ、脱保護が完了するまで数時間撹拌する。セライ トを通過させて反応物を濾過し触媒を除去することにより、反応を終了させ、そ の触媒をクロロホルム中30%メタノールで洗浄する。真空下濃縮して所望の化 合物を得た。その生成物はベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(47 −61mm)および適当な溶媒系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製さ れ得る。例えば、ヘキサン中10%酢酸エチル、ついで、ヘキサン中30%酢酸 エチルである。シリカゲルをメタノールで溶出させ、生成物物質についてtlc により調べる。溶媒を真空下除去し、生成物を真空下乾燥させ、所望生成物を回 収する。 ヒドロキシル官能基の硫酸化 外界温度にて無水ジメチルホルムアミド(0.2M)中、本発明の生成物(1. 00ミリモル当量)から硫酸化されるべきアルコール基の溶液に、三酸化硫黄ピ リジン複合ポリマー結合[Graf,W.chem.Ind.1987,232](10ミリモル当 量)の三酸化硫黄ピリジン複合体を加える。反応物を外界温度にて8時間撹拌し た。反応を炭酸ナトリウムを用いて終了させ、凍結乾燥により溶媒を除去し、得 られた物質を、残留イオン塩をナトリウムイオンに交換するためにナトリウムイ オン交換樹脂で処理した。真空下濃縮して硫酸化物質を得た。 記載の実験操作は下記に例示された新規物質の製造および修飾に適用し得る( 実施例G、H、I、J、K、L、O、P、Q、R、S、T、U)。 G.実施例:新規ペプチドライブラリーの生成 ペプチドとの炭素−グリコシドの反応は、チロシンのヒドロキシ−基での好ま しい具体例において、新規ペプチドライブラリーの生成に採用され得る。 試剤は合成のいずれかの段階の近くでペプチドに結合させ得る。例えば、試剤 は、芳香族系のための一般的な操作を用いるペプチド合成中または後に添加する か、またはあらかじめ修飾したアミノ酸に結合させる。 H.実施例:天然物質の修飾 炭素グリコシドとの反応は公知の医薬活性化合物の芳香族系の修飾による新規 化合物の生成に用いられ得る。 芳香族ヒドロキシル基のアルキル化はアルキル化に一般的に採用されるのと同 じ条件下で行われ得る。それらは特にR.C.ラロック、Comprehensive Organi c Transformations,ISBN 0-89573-710-8,1989,VCH Publishers,Inc.220 Ea st 23rd Street,Suite 909,New York,NY 10010に記載されている。アリルア ルコールのアルキル化は芳香族ヒドロキシル基を保護、ついでアリルアルコール のアルキル化によって行われる。芳香族ヒドロキシル基の保護は上掲、グリーン を参照。 I.実施例:新規芳香族系の生成 適切な条件下での炭素グリコシドと芳香族分子との反応は新規芳香族分子の生 成に用いられ得、下記の反応式に例示される: J.実施例:芳香族系の修飾 別の好ましい具体例において、サリチル酸メチルの芳香族ヒドロキシル基は標 準的条件下でアルキル化される。コープ転移反応は1,2−ジクロロメタン中1 80−220℃にて行われる。これらは当業者によって採用される典型的な条件 であり、本発明の新規化合物をもたらす。"Organic Syntheses Based on Named Reactions and Unnamed Reactions" ,Tetrahedron Organic Chemistry Series , edts.Baldwin and Magnus,Pergamon,Great Britain参照。 K.実施例:天然物の誘導体化 別の好ましい具体例において、ビタミンEおよび他の天然物の新規構造類似体 が炭素グリコシドと反応させることにより合成される。マンノース−誘導炭素グ リコシド試薬を用いた実施例をここに示す。 炭素マンノシド試薬(5.57ミリモル、1.20ミリモル当量)2.34g、 ヨウ化テトラ−ブチルアンモニウム(9.28ミリモル、2.00ミリモル当量) 3.43gおよび最後に炭酸セシウム(9.28ミリモル、2.00ミリモル当量 )3.02gを、DMF(0.5M)9ml中、ビタミンE(4.64ミリモル、1. 00ミリモル当量)2.00gの溶液に加えた。反応物は、試薬の添加により反 応物は茶色に変わるが、光を遮断し、それを室温にて12時間撹拌した。反応の 完了を、tlc(条件:ヘキサン(v/v)中30%酢酸エチル)により監視し た。反応物を酢酸エチルで希釈し、ついで、冷水に注ぎ、有機層を水で2回、1 .0M HClで3回および食塩水で1回洗浄した。生成物を無水硫酸ナトリウム で乾 燥させ、濾過して乾燥剤を除去した。溶媒を真空下除去して淡褐色の油状物を得 、それをベーカー・グレイド・フラッシュ・シリカゲル(47−62mm)(20 :1の比率)でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン中、10%酢酸エチル、続 いてヘキサン中、30%酢酸エチルで溶出させた。真空下濃縮して淡黄色油状物 (3.14g、83%)として生成物を得た。 ビタミンE誘導体脱保護: メタノール(0.01M)245ml中、誘導体化ビタミンE(2.45ミリモル 、2.00ミリモル当量)2.00gの溶液に、炭酸セシウム(4.90ミリモル 、2.00ミリモル当量)1.60gを加え、反応物を12時間撹拌した。反応液 を1.0M HClでpHを約1として終了させ、ついで、生成物をクロロホルム で抽出し、有機層を水で洗浄した。生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾 過して乾燥剤を除去した。溶媒を真空下除去して脱アセチル化生成物1.44g (91%)を得た。 L.実施例:エストロン誘導体類の生成 別の好ましい具体例では、エストロンおよび他の天然物の新規構造類似体は炭 素グリコシドと反応させることにより合成される。マンノース−誘導炭素グリコ シド試薬を用いた実施例をここに示す。 エストロン D−マンノース 炭素マンノシド試薬(5.57ミリモル、1.20ミリモル当量)2.34g、 ヨウ化テトラブチルアンモニウム(9.28ミリモル、2.00ミリモル当量)3 .43gおよび最後に炭酸セシウム(9.28ミリモル、2.00ミリモル当量) 3. 02gを、DMF(0.5M)9ml中、エストロン(4.64ミリモル、1.00 ミリモル当量)1.25gの溶液に加えた。試薬の添加により反応物は茶色に変 わり、反応物について光を遮断する。反応液を室温にて12時間撹拌後、tlc 試験(条件:ヘキサン(v/v)中30%酢酸エチル)により確認しながら反応 を完了させた。反応物を酢酸エチルで希釈し、ついで、冷水に注ぎ、有機層を水 で2回、1.0M HClで3回および最後に食塩水で1回洗浄した。生成物を無 水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去した。最後に、溶媒を真空 下除去して淡褐色の油状物を得、それをベーカー・グレイド・フラッシュ・シリ カゲル(47−61mm)(20:1の比率)でクロマトグラフィーにかけ、ヘキ サン中、30%酢酸エチルで溶出させた。真空下濃縮して淡黄色油状物(3.0 g、98%)の生成物を得た。 エストロン誘導体脱保護: 炭酸セシウム(5.80ミリモル、2.00ミリモル当量)1.89gを、メタ ノール(0.01M)200ml中、誘導体化エストロン(2.90ミリモル、1. 00ミリモル当量)1.90gの溶液に加え、反応物を12時間撹拌した。反応 液を1.0M HClでpHを約1として終了させ、ついで、生成物をクロロホル ムで抽出し、有機層を水で洗浄した。生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、 濾過して乾燥剤を除去した。最後に、溶媒を真空下除去して脱アセチル化した生 成物1.26g(89%)を得た。C28387のの分析計算値:C,69.11 ;H,7.87 実測値:C,68.93;H,8.08。 M.実施例:カスタノスペルミン誘導体の生成 カスタノスペルミンの誘導体は主としてハマナら、1988,J .Amer.Chem.Soc ., 110:312-313に記載と同様にして製造された。要約すれば、ベンジル化フコー スのグリニヤール試薬(3.1.aの項参照)をマグネシウム反転を用いる標準的 な合成条件下で製造する。この反応は、例えば、アルデヒド、ケトンエステルな どとの反応に適した新規グリニヤール試薬を提供する。この文献に記載の反応に 反 して、カスタノスペルミンはアリルグリニヤールの代わりに、同様の反応を採る グリニヤールを用いて製造された。 N.ペプチド/ペプチドライブラリーの修飾 他の好ましい具体例において、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MM PI)の誘導体は炭素グリコシドとの反応により製造された。 O.実施例:ペプチド−ライブラリーの修飾 現在するペプチドおよびペプチドライブラリーの一群の構造的類似体は炭素グ リコシドによる修飾により製造され得る。 実験操作および条件についてはFの項参照。 P.実施例:ランダムペプチドライブラリーの生成 一群のランダムに修飾されたペプチドを含むランダムペプチドライブラリーは 種々の部位でのアミノ酸残基と炭素グリコシドとの反応によって製造される。 実験操作および条件についてはFの項参照。 Q.実施例:抗生物質の修飾 抗生物質の改良誘導体は、例えば、ペニシリンOは炭素グリコシドとの反応に よって製造される。 チオール化合物は塩化アリル炭素グリコシド試薬および硫化ナトリウムから製 造され得る。官能基変換に関する一般的文献は、特に、R.C.ラロック、Comp rehensive Organic Transformations,ISBN 0-89573-710-8,1989,VCH Publish ers,Inc.220 East 23rd Street,Suite 909,New York,NY 10010に見ること ができる。 R.実施例:炭素グリコシドとの多段階反応による有機分子の変換 炭素グリコシドとの多段階反応は莫大な数の新規化合物の製造を可能にする。 適用し得る変換に関する一般的文献は、特に、ハマナら、1988,J .Amer.Chem. Soc.110:312-313に見ることができる。 一般に、グリニヤールの生成は、特に、Comprehensive Organic Transformati ons, ISBN 0-89573-710-8,1989,VCH Publishers,Inc.220 East 23rd Street ,Suite 909,New York,NY 10010に見ることができる。 S.実施例:フコイダン様類似体(4−テトラ−ブチルカリックス[8]アレ ン) 他の好ましい具体例において、フコイダンの誘導体は炭素グリコシドとの反応 によって製造される。 式中、少なくとも1個のRは炭素グリコシドである。 実験操作および条件についてはFの項参照。 T.実施例:フコイダン様類似体(4−スリホンカリックス[6]アレン) 他の好ましい具体例において、フコイダンの誘導体は炭素グリコシドとの反応 によって製造される。 式中、少なくとも1個のRは炭素グリコシドである。 実験操作および条件についてはFの項参照。 U.実施例:天然物の修飾 天然物の誘導体は炭素グリコシドによる修飾によって製造される: 本発明は例示された具体例によって範囲を限定されるものではなく、例示され た具体例は本発明の一の態様の説明を意図したものであり、均等である化学化合 物または方法は本発明の範囲内にある。事実、ここに記載の修飾に加えて本発明 の種々の修飾が前記の記載および付記した反応式から当業者に自明である。その ような修飾は添付の請求の範囲内にあることを意味する。 ここに引用されたすべての文献は引用によってすべてこの明細書の記載とする 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 43/90 102 A01N 43/90 102 C07D 311/72 102 C07D 311/72 102 405/12 209 405/12 209 407/12 311 407/12 311 417/12 309 417/12 309 471/04 104 471/04 104A 499/86 499/00 A 499/87 499/897 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: (X)m−Z [式中、Xは炭水化物単位または変性炭水化物単位; ZはXのアノマー位置の炭素に、少なくとも1つの炭素原子を含有するスペー サー/リンカー単位を介して結合する、活性化官能基; mは正の整数、好ましくは1〜100 である] で示される化合物。 2.mが1である請求の範囲1に記載の化合物。 3.mが2〜14の範囲にある請求の範囲1に記載の化合物。 4.mが15以上である請求の範囲1に記載の化合物。 5.Xが5員または6員環である請求の範囲1に記載の化合物。 6.(X)mが400以下の分子量を有する請求の範囲1に記載の化合物。 7.(X)mが400〜40000範囲の分子量を有する請求の範囲1に記載 の化合物。 8.(X)mが40000以上の分子量を有する請求の範囲1に記載の化合物 。 9.Zが−CH2(C=CH2)CH2T、−CH2(C=O)CH2T、=C= CHCH2T、−ArCH2Tの群から選ばれ、およびTがONa、OK、NH2 、SH、S(O)H、SO3H、P(O)OEt2、CO2H、O−C(NH)C Cl3、OH、NH2、N3、SH、SO2Ph、Cl、Br、I、OMs、OTf 、OTs、OAc、O−C(NH)CCl3の群から選ばれる請求の範囲1に記 載の化合物。 10.式; [式中、Zは−CH2WCH2T、−COCH2T、=C=CHCH2T、−Ar CH2T、−ArV、または(CH2nV; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3、またはCR2−CR21 2; TはO-1、M2、SR1、S(O)R1、SO21、P(O)OR1 2、COD 、OC(NH)CCl3、またはNR1 2; VはO-1、SR1、S(O)R1、SO21、P(O)OR1 2、COD、NR1 2 ; nは正の整数、好ましくは1〜10; M1はNa+、K+、Mg++、Cu+、またはCu++イオン; M2はLi+、Mg++、Ca++イオン; R1はH、CH3、または低級アルキル; R2はOR1、NR1 2、またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3; 保護基はメチル−,ベンジル−,MOM、MEM、MPM、およびtBDMS を包含; UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3、またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2、またはNR1; DはOR1、NR1 2、またはOM1;および 低級アルキルはC1〜C10の分枝鎖または枝なし鎖 であるか、または ZはCH2−W−CH2E、−COCH2E、=C=CH2E、−ArCH2E、 −ArE、ArG、または−(CH2nG; WはC=O、C=CR1 2、CR1CR1 3、CR1−CR1 2OR1、COR1−CR1 2 OR1、CR1 2、CR2−CR2 2OR3、またはCR2−CR21 2; EはOH、Cl、Br、I、OMs、OTf、OTs、OAc、またはOC( NH)CCl3; GはOH、Cl、Br、I、OMs、OTf、OTs、OAc、またはCOD ; nは正の整数、好ましくは1〜10: M1はNa+、K+、Mg++、またはCa++イオン; R1はH、または低級アルキル; R2はOR1、NR1 2、またはSR1; R3はR1、保護基、SO31、C−炭水化物(直鎖または分枝鎖)またはO− 炭水化物(直鎖または分枝鎖); sは1、2または3; 保護基はメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM 、MPM、tBDMSおよびTMSを包含; UはCH2OR1、CH2O−保護基、CH2OSO31、CH2SO31、CH2 OR3、またはCOD; AはO、S、NR1 2CR1 2、またはNR1; DはOR1、NR1 2、またはO-1;および 低級アルキルはC1〜C10の分枝鎖または枝なし鎖 である] で示される化合物。 11.下記A〜Vの群から選ばれる式で示される化合物。 12.複数の化合物から成り、該化合物のそれぞれは1種もしくは複数種のモ ノマーで構成され、かつ該モノマーの少なくとも1種は炭水化物である、合成ラ イブラリーの炭素グリコシド化合物を製造する方法であって、式: (X)m−Z [式中、Xは炭水化物単位または変性炭水化物単位; ZはXのアノマー位置の炭素原子に、少なくとも1つの炭素原子を含有するス ペーサー/リンカー単位を介して結合する、活性化官能基; mは正の整数 である] の1種または複数種をZ−プライムド反応にて、”B”の1種または複数種と反 応させ、ここで、”B”はいずれかの化学的性質を持つモノマー、ホモ−/ヘテ ロ−オリゴマー、ホモ−/ヘテロポリマー分子であることを特徴とする製造法。 13.複数の化合物から成り、該化合物のそれぞれは1種もしくは複数種のモ ノマーで構成され、かつ該モノマーの少なくとも1種は炭水化物である、合成ラ イブラリーを製造する方法であって、請求の範囲10に記載の化合物の1種また は複数種をZ−プライムド反応にて、”B”の1種または複数種と反応させ、こ こで、”B”はいずれかの化学的性質を持つ、モノマー、ホモ−/ヘテロ−オリ ゴマー、ホモ−/ヘテロポリマー分子であることを特徴とする製造法。 14.Bが有機化合物である請求の範囲13に記載の製造法。 15.Bがペプチド・ライブラリー、ポリマー、芳香族フェノール、またはそ のコープ転位の群から選ばれる請求の範囲13に記載の製造法。 16.Bがペプチド、ビタミン、エストロンおよび抗生物質の群から選ばれる 請求の範囲13に記載の製造法。 17.各ライブラリー・メンバーが合成保持体に結合し、および該ライブラリ ー・メンバーと合成保持体間のリンケージがライブラリー・メンバーと合成保持 体間のリンカーである請求の範囲12に記載の製造法。 18.Bが有機化合物である請求の範囲17に記載の製造法。 19.Bがペプチド・ライブラリー、ポリマー、芳香族フェノールまたはその コープ転位の群から選ばれる請求の範囲17に記載の製造法。 20.Bが同定タグからなる合成化学ライブラリーで、同定タグが各ライブラ リー・メンバーの分子構造を同定する請求の範囲17に記載の製造法。 21.Bがペプチド、ビタミン、エストロンまたは抗生物質である請求の範囲 17に記載の製造法。 22.各ライブラリー・メンバーが合成保持体に結合し、および該ライブラリ ー・メンバーと合成保持体間のリンゲージがライブラリー・メンバーと合成保持 体間のリンカーである請求の範囲15に記載の製造法。 23.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護される請求の範 囲17に記載の製造法。 24.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護され、該保護基 がメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM、MPM 、tBDMSおよびTMSの群から選ばれる請求の範囲17に記載の製造法。 25.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護され、該保護基 がメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM、MPM 、tBDMSおよびTMSの群から選ばれ、かつ該保護基を合成反応の一部とし て脱離する請求の範囲17に記載の製造法。 26.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護される請求の範 囲22に記載の製造法。 27.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護され、該保護基 がメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM、MPM 、tBDMS、TMSの群から選ばれる請求の範囲22に記載の製造法。 28.上記モノマーの官能基が、保護基によって選択的に保護され、該保護基 がメチル−、ベンジル−、ベンゾイル−、アセチル−、MOM、MEM、MPM 、tBDMS、TMSの群から選ばれ、かつ該保護基を合成反応の一部として脱 離する請求の範囲22に記載の製造法。 29.一連の化合物をデコンボル−テイングする方法であって、 a.請求の範囲13に記載の化合物のプールの合成、ここで[(X)m−Z] と”B”sの規定セットを用いて各プールを合成し; b.所定の生物学的、化学的または他の効果を有する化合物プールを同定し; c.[(X)m−Z]および/または”B”sの小さなサブセットを用いて工 程aを繰返し、ここで、工程bで同定したプールを合成するのに用いたセットか ら上記サブセットを誘導し;次いで d.単一の活性化合物を合成および/または同定するまで、工程bおよびcを 繰返す 工程から成る方法。 30.式: (X)m−Z’ [式中、Xは炭水化物単位または変性炭水化物単位; Z’は”Z”と”B”の反応生成物; Bは有機分子、無機分子、固体合成保持体を含む、いずれかの化学的性質を持 つモノマー、ホモ−/ヘテロ−オリゴマー、またはホモ/ヘテロ−ポリマー独立 体の1種または複数種; ZはXのアノマー位置の炭素に、少なくとも1つの炭素原子を含有するスペー サー/リンカー単位を介して結合する、活性化官能基;および mは正の整数 であって、但し、Xの少なくとも1つはそのアノマー位置に酸素を有しない]で 示される化合物もしくはその医薬的に許容しうる塩 から成ることを特徴とする医薬組成物。 31.請求の範囲10に記載の化合物およびその医薬的に許容しうる塩の少な くとも1種から成る医薬化合物。 32.Z’が−CH2(C=CH2)CH2T、−CH2(C=O)CH2T、ま たは−ArCH2Tの群から選ばれ、Tが有機分子である請求の範囲31に記載 の化合物。 33.Z’が−CH2(C=CH2)CH2T、−CH2(C=O)CH2T、お よび−ARCH2Tの群から選ばれ、Tがペプチド、ビタミン、エストロンまた は抗生物質の群から選ばれる請求の範囲31に記載の化合物。 34.下記A〜Lの群から選ばれる式で示される化合物。 式中、少なくとも1つのRは炭素配糖体である 式中、少なくとも1つのRは炭素配糖体である
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