JPH11506906A - グルタメートゲートを具えた塩化物チャンネルをコードするdna - Google Patents

グルタメートゲートを具えた塩化物チャンネルをコードするdna

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JPH11506906A JP8533435A JP53343596A JPH11506906A JP H11506906 A JPH11506906 A JP H11506906A JP 8533435 A JP8533435 A JP 8533435A JP 53343596 A JP53343596 A JP 53343596A JP H11506906 A JPH11506906 A JP H11506906A
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Abstract

(57)【要約】 グルタメート及びアベルメクチン感受性の塩化物チャンネルをコードするDNAをクローン化し、特性解明した。このDNAから得られるタンパク質は、アベルメクチンまたはグルタメートによって選択的に開放されるチャンネルを形成し得る。活性な組み換えタンパク質を産生する組み換え宿主細胞においてcDNAを発現させた。組み換えタンパク質は組み換え宿主細胞から精製することもできる。また、組み換え宿主細胞を用いて、受容体活性の調節因子を同定する方法を確立し、受容体調節因子を同定する。本明細書に開示した方法において活性である受容体調節因子は、外部寄生虫駆除薬、寄生虫駆除薬、駆虫薬、ダニ駆除薬及び殺虫薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 グルタメートゲートを具えた塩化物チャンネルをコードするDNA発明の背景 グルタメートゲートを具えた塩化物チャンネルもしくはH受容体は節足動物の 神経及び筋肉において同定され(C.Lingle及びE. Marder, Brain Res. 212, pp.481−488, 1981; B . G. Horseman, C. Seymour, I. Bermud ez及びD. J. Beadle, Neurosci. Lett. 85 , pp.65−70, 1988; K. A. Wafford及びD. B. Sattelle, J. Exp. Bio. 144, pp.44 9−462, 1989; T. J. Lea及びP. N. R. Ush erwood, Comp. Gen. Pharmacol. 4, pp. 333−350, 1973; S. G. Cul−Candy, J. P hysiol. 255, pp.449−464, 1976)、土壌線虫 のCaenorhabditis elegansからクローン化さ れている(D. F. Cully, D. K. Vassilatis, K. K. Liu, P. S. Paress, L. H. T. Va n der Ploeg, J. M. Schaeffer及びJ. P. Arena, Nature 371, pp.707−711, 1994) 。このチャンネルは、広く用いられているアベルメクチンクラスの駆虫薬及び殺 虫薬化合物の重要な標的である。アベルメクチンは、元来放線菌のStrept omyces avermitilisから単離された大環状ラクトン類である 。半合成アベルメクチン誘導体のイベルメクチン(22,23−ジヒドロ−アベ ルメクチンB1a)は世界中で、ヒト及び動物の寄生蠕虫及び有害昆虫の処理に用 いられている。およそ15年前に発見されたアベルメクチンは今でも、受容者に 対して僅かな毒性しか示さない最も強力な広スペクトルエンデクトサイド(en dectocides)である。アベルメクチンは線虫(J. M. Scha effer及びH. W. Haines, Biochem. Pharm. 38, pp.2329−2338, 1989; D. F. Cully 及びP. S. Paress, Mo lecular Pharm. 40, pp.326−332, 1991) 及び昆虫(S. P. Rohrer, P. T. Meinke, E. C. Hayes, H. Mrozik及びJ. M. Schaeffer , Proc. Natl. Acad. Sci. 89, pp.4168 −4172, 1992)の膜の高親和性部位と実質的に不可逆的に相互作用し 、線虫(R. J. Martin及びA. J. Pennington, Br. J. Pharmacol. 98, pp.747−756, 19 89)、節足動物(R. H. Scott及びI. R. Duce, Pe stic. Sci. 16, pp.599−604, 1985; I. R. Duce及びR. H. Scott, Brit. J. Pharm acol. 85, pp.395−401, 1985)及び甲殻類(F. Zufall, C. Franke及びH. Hatt, J. Exp. Biol. 142, pp.191−205, 1989)において膜塩化物 透過性の上昇を惹起する。アベルメクチンはC. elegans由来のグルタ メートゲートを具えた塩化物チャンネル を直接活性化し(J. P. Arena, K. K. Liu, P. S . Paress及びD. F. Cully, Mol. Pharmaco l. 40, pp.368−374, 1991; J. P. Arena , K. K. Liu, P. S. Paress, J. M. Sch aeffer及びD. F. Cully, Mol. Brain Res. 15, pp.339−348, 1992; D. F. Cully, D. K. Vassilatis, K. K. Liu, P. S. P aress, L. H. T. Van der Ploeg, J. M. Schaeffer及びJ. P. Arena, Nature 371, pp.707−711, 1994)、またイナゴの筋肉においてグルタメート ゲートを具えた塩化物チャンネルの電流を直接活性化または増強する(R. H . Scott及びI. R. Duce, Pestic. Sci. 16 , pp.599−604, 1985; E. Aydar, L. Har ding, D. J. Beadle及びI. Bermudez, “Pr oceedings of the Britis h Pharmacological Society,” p.24, 19 93)ことが判明している。発明の概要 節足動物におけるアベルメクチン作用の標的をクローン化し、かつ特性解明し たが、これはリガンドゲートを具えたチャンネルのうちのグルタメートゲートを 具えた塩化物チャンネル類の新規な一員である。逆転写PCR法を用いて、ショ ウジョウバエグルタメート及びアベルメクチン感受性塩化物チャンネルをコード する機能性DNA分子を単離した。このDNA分子から得られるタンパク質の電 気生理学的特性及び構造特性を、アミノ酸及びヌクレオチド配列同様開示する。 本発明の組み換えタンパク質はチャンネルの調節因子の同定に有用である。本発 明の方法で同定した調節因子は、殺虫薬、外部寄生虫駆除薬、内部寄生虫駆除薬 、ダニ駆除薬及び駆虫薬を含めた治療薬として有用である。図面の簡単な説明 図1はDros GluClのヌクレオチド配列を示す説明図である。 図2はDros GluClのアミノ酸配列を示す説明 図である。 図3はアフリカツメガエル卵母細胞において発現されたDros GluCl の電気生理学的特性の説明図である。 図4は化合物1の構造を示す説明図である。 図5はDros GluClの系統分類分析の説明図である。詳細な説明 本発明は、節足動物のグルタメート及びアベルメクチン感受性塩化物チャンネ ル(GluCl)産生細胞から単離した、GluClをコードするDNAに係わ る。本明細書中に用いた記号GluClは、グルタメートまたはアベルメクチン によって開放(gate)されるアニオンチャンネルとして特異的に機能し得る タンパク質を意味する。 Dros GluClのアミノ酸配列はこれまで知られておらず、Dros GluClをコードするヌクレオチド配列も未知であった。本発明は、グルタメ ートゲートを具えた塩化物チャンネルの節足動物からのクローニングを初めて報 告するものである。Dros GluClは、以前にクローン化されたC. e legans GluClα及びGluClβ(D. F. Cully, D . K. Vassilatis, K. K. Liu,P. S. Pares s, L. H. T. Vander Ploeg, J. M. Scha effer及びJ. P. Arena,上掲誌)と関連付けられる。C. e legansチャンネルとは異なり、Dros GluClはアベルメクチンま たはグルタメートによる直接活性化のためにただ1種のポリペプチドしか要しな い。加えて、Dros GluClは、米国特許第5,399,582号に詳述 された該特許の主題である殺虫薬の化合物1(図5)によって直接活性化される 。アベルメクチンに対して感受性であるショウジョウバエ関連生物はいずれも上 述のグルタメート及びアベルメクチン感受性チャンネルを有すると予測される。 GluClを産生し得るショウジョウバエ細胞には、アベルメクチンに対して感 受性である生物から単離した筋肉または神経細胞が非限定的に含まれる。アベル メクチン感受性動物は多様であり、節足動物門及び線形動物門に属する無脊椎動 物が含まれる。 GluCl cDNAの単離に用いるのに他の細胞及び細胞系が適当である場 合も有る。適当な細胞は、細胞抽出物においてGluCl活性に関しスクリーニ ングを行なう ことにより選択し得る。GluCl活性は、放射性標識したイベルメクチンもし くは放射性標識した化合物1、またはその誘導体を用いる結合アッセイを行なう (Cully及びParess,上掲誌; Rohrer等,上掲誌)か、また はグルタメート、化合物1もしくはアベルメクチン感受性である塩化物チャンネ ルを直接電気生理学的に測定する(R. J. Martin及びA. J. Pennington, Br. J. Pharmacol. 98, pp .747−756, 1989; R. H. Scott及びI. R. D uce, Pestic. Sci. 16, pp.599−604, 19 85; I. R. Duce及びR. H. Scott, Brit. J . Pharmacol. 85, pp.395−401, 1985; F . Zufall, C. Franke及びH. Hatt, J. Exp . Biol. 142, pp.191−205, 1989)ことによって 監視し得る。このアッセイにおいてGluCl活性を示す細胞はGluCl D NAまたはRNAの単離に適し得る。 GluCl DNAの分子クローン化には、当業者に公 知である様々な操作のうちの任意のものを用い得る。前記操作には、適当な発現 ベクター系においてGluCl含有DNAライブラリーを構築した後にGluC l遺伝子を直接機能性発現させることが非限定的に含まれる。バクテリオファー ジまたはプラスミドシャトルベクター中に構築したGluCl含有DNAライブ ラリーを、GluClタンパク質のアミノ酸配列から設計して標識したオリゴヌ クレオチドプローブでスクリーニングするのも一法である。更に、バクテリオフ ァージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築したGluCl含有DNAラ イブラリーを、GluClタンパク質をコードする部分的cDNAでスクリーニ ングすることから成る方法も有る。前記部分的cDNAは、精製したGluCl タンパク質のアミノ酸配列から設計した縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用 いて行なうGluCl DNA断片の特異的PCR増幅によって得られる。 更に別の方法では、GluCl産生細胞からRNAを単離し、このRNAをi n vitroまたはin vivo翻訳系を介してタンパク質に翻訳する。前 記RNAをペプチドまたはタンパク質に翻訳することによって、例えば 抗GluCl抗体との免疫反応性やGluClタンパク質の生物活性によって同 定し得るGluClタンパク質の少なくとも一部を調製できる。この方法ではG luCl産生細胞から単離したRNAのプールを、GluClタンパク質の少な くとも一部をコードするRNAの存在について分析する。更に、RNAプールを 分画して、非GluCl RNAからGluCl RNAを精製し得る。この方 法で調製したペプチドまたはタンパク質を分析してアミノ酸配列を求め、得られ た配列を用いてGluCl cDNA調製のためのプライマーを得ることができ 、または翻訳に用いるRNAを分析してGluClをコードするヌクレオチド配 列を得、GluCl cDNA調製のためのプローブを作製し得る。この方法は 当業者に公知であり、例えばJ. Sambrook, E. F. Frit sch, T. Maniatis, “Molecular Cloning : A Laboratory Manual,” Second Editi on, Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess, Cold Spring Harbor, NY, 1989中に見 出され得る。 他の種類のライブラリー、並びに他の細胞または細胞種から構築したライブラ リーもGluClコーディングDNAの単離に有用であり得ることは、当業者に はただちに明らかである。他の種類のライブラリーには、他の細胞に由来するc DNAライブラリー、並びにYAC(酵母人工染色体)を含有するゲノムDNA ライブラリー、及びコスミドライブラリーが非限定的に含まれる。 GluCl活性を有する細胞または細胞系から適当なcDNAライブラリーを 調製し得ることは、当業者にはただちに明らかである。GluCl cDNAを 単離するべくcDNAライブラリーを調製するのに用いる細胞または細胞系は、 最初にアベルメクチン及びグルタメート感受性塩化物チャンネルの電気生理学的 測定かまたはグルタメートもしくはアベルメタチンリガンド結合アッセイを用い て細胞に関連するGluCl活性を測定することによって選択し得る。 cDNAライブラリーの調製は、当業者に良く知られた標準的な技術で可能で ある。良く知られたcDNAライブラリー構築技術は、例えばJ. Sambr ook, E. F. Fritsch, T. Maniatis, “Molecular Cloning: A Laboratory Man ual,” Second Edition, Cold Spring Ha rbor Laboratory Press, Cold Spring H arbor, NY, 1989中に見出され得る。 GluClをコードするDNAが適当なゲノムDNAライブラリーからも単離 できることも、当業者にはただちに明らかである。ゲノムDNAライブラリーの 構築は、当業者に良く知られた標準的な技術で可能である。良く知られたゲノム DNAライブラリー構築技術は、J. Sambrook, E. F. Fr itsch, T. Maniatis, “Molecular Cloni ng: A Laboratory Manual,” Second Edi tion, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989中 に見出され得る。 GluCl遺伝子を上述の方法でクローン化するのにGluClのアミノ酸配 列が必要な場合が有る。このアミノ 酸配列を得るには、GluClタンパク質を精製してその部分アミノ酸配列を自 動配列決定装置で決定し得る。全アミノ酸配列を決定する必要は無く、GluC lタンパク質の、6〜8個のアミノ酸から成る二つの領域の直線状配列を決定し て、これを部分GluCl DNA断片のPCR増幅のためのプライマー作製に 用いる。 適当なアミノ酸配列を同定したら、該配列をコードし得るDNA配列を合成す る。遺伝暗号は縮重するので、或る特定のアミノ酸をコードするのに2種以上の コドンが用いられる場合が有り、従ってアミノ酸配列は一組の類似DNAオリゴ ヌクレオチドのうちのいずれかによってコードされ得る。GluCl配列と同等 であるのは一組のDNAオリゴヌクレオチドのうちのただ一つのみであるが、こ のDNAオリゴヌクレオチドは適当な条件下であれば、不適正部分を有するDN Aオリゴヌクレオチドが存在してもGluCl DNAとハイブリダイズし得る 。不適正部分を有するDNAオリゴヌクレオチドでもなお十分にGluCl D NAとハイブリダイズして、GluClコーディングDNAの同定及び単離を可 能にし得る。このような方法で単離したDNAを用いて、無脊椎動物及び脊椎動 物ソースか ら得た様々な細胞種に由来するDNAライブラリーをスクリーニングし、相同遺 伝子を単離することができる。 精製された生物活性GluClは幾つかの異なる物理的形態を有し得る。Gl uClは完全長の新生ポリペプチドもしくはプロセシングを受けていないポリペ プチドとして、または部分的にプロセシングを受けたポリペプチドか、もしくは プロセシングを受けたポリペプチド同士の組み合わせとして存在し得る。完全長 新生GluClポリペプチドは特異的なタンパク質分解性切断事象によって翻訳 後修飾され得、前記事象は完全長新生ポリペプチドのフラグメントを生成させる 。フラグメント、またはフラグメント同士の物理的会合体はGluClに関連す る完全な生物活性を有し得る(グルタメート、アベルメクチンまたは化合物1感 受性チャンネル)。しかし、GluCl活性の程度は個々のGluClフラグメ ント及び物理的に会合したGluClポリペプチドフラグメント間で様々となり 得る。 本明細書に開示した方法で得られるクローン化GluCl DNAの発現は、 適当なプロモーター及び他の適当な転写調節要素を有する発現ベクター中への分 子クローニングと、原核または真核宿主細胞内への移入とにより組み換 えGluClの産生を実現する組み換え技術によって達成し得る。このような操 作に用いられる技術はJ. Sambrook等,上掲書に詳述されており、か つ当業者に良く知られている。 本明細書では「発現ベクター」を、適当な宿主における遺伝子のクローン化コ ピーの転写及びそのmRNAの翻訳に必要なDNA配列と定義する。このような ベクターは、大腸菌を含めた細菌、藍藻類、植物細胞、昆虫細胞、酵母細胞を含 めた真菌細胞、及び動物細胞などの様々な宿主において真核生物遺伝子を発現さ せるのに用い得る。 特別に設計されたベクターは、細菌−酵母、細菌−動物細胞、細菌−真菌細胞 、または細菌−無脊椎動物細胞などの宿主間でのDNAのシャトル化を可能にす る。適当に構築された発現ベクターは、宿主細胞における自律複製のための複製 開始点と、選択マーカと、限られた数の有用な制限酵素部位と、潜在的高コピー 数領域と、活性なプロモーターとを有する。プロモーターとはRNAポリメラー ゼを、DNAに結合してRNA合成を開始するように導くDNA配列のことであ る。強いプロモーターは、mRNAの合成開始を高い頻度で惹起するプロモータ ーである。発 現ベクターには、クローニングベクター、改変クローニングベクター、特別に設 計されたプラスミドまたはウイルスが非限定的に含まれ得る。 哺乳動物細胞における組み換えGluClの発現には様々な哺乳動物発現ベク ターを用い得る。組み換えGluCl発現に適し得る市販の哺乳動物発現ベクタ ーには、pMAMneo(Clontech)、pcDNA3(Invitro gen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Strata gene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo( ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、 pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRS Vgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198) 、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC 3 7460)及びIZD35(ATCC 37565)が非限定的に含まれる。 細菌細胞における組み換えGluClの発現には様々な細菌発現ベクターを用 い得る。組み換えGluCl発現に適し得る市販の細菌発現ベクターにはpET ベクター(N ovagen)及びpQEベクター(Qiagen)が非限定的に含まれる。 酵母などの真菌細胞における組み換えGluClの発現には様々な真菌細胞発 現ベクターを用い得る。組み換えGluCl発現に適し得る市販の真菌細胞発現 ベクターにはpYES2(Invitrogen)及びPichia発現ベクタ ー(Invitrogen)が非限定的に含まれる。 昆虫細胞における組み換えGluClの発現には様々な昆虫細胞発現ベクター を用い得る。組み換えGluCl発現に適し得る市販の昆虫細胞発現ベクターに はpBlue BacII(Invitrogen)が非限定的に含まれる。 GluClをコードするDNAを、組み換え宿主細胞における発現のための発 現ベクター中へクローン化することも可能である。組み換え宿主細胞は原核細胞 であっても真核細胞であってもよく、大腸菌などの細菌、酵母などの真菌細胞、 ヒト、ウシ、ブタ、サル及び齧歯類起源の細胞系を非限定的に含む哺乳動物細胞 、並びにショウジョウバエ及びカイコ由来の細胞系を非限定的に含む昆虫細胞が 非限定的に含まれる。適当であり得る市販の哺乳動物種由来細 胞系には、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CR L 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1( ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T 3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C1 27I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 2 6)、MRC−5(ATCC CCL 171)、L細胞及びHEK−293( ATCC CRL 1573)が非限定的に含まれる。 発現ベクターの宿主細胞内への導入は、形質転換、トランスフェクション、プ ロトプラスト融合、リポフェクション及びエレクトロポレーションを非限定的に 含む幾つかの技術のうちのいずれかによって行ない得る。発現ベクター保有細胞 をクローン化により増殖させ、個々の細胞を分析してGluClタンパク質を産 生するかどうか確認する。GluClを発現させる宿主細胞クローンは、抗Gl uCl抗体との免疫反応性、及び宿主細胞関連のGluCl活性の存在を非限定 的に含む幾つかの手段によって同定し得る。 GluCl DNAの発現は、in vitroで調製した合成mRNAを用 いても実現可能である。合成mRNA、またはGluCl産生細胞から単離した mRNAは、小麦胚抽出物及び網状赤血球抽出物を非限定的に含む様々な無細胞 系において効率的に翻訳され得、またカエル卵母細胞内へのマイクロインジェク ションを非限定的に含む細胞ベースの系においても効率的に翻訳され得るが、好 ましいのはカエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションである。 最適レベルのGluCl活性及び/またはGluClタンパク質をもたらす( 一つ以上の)GluCl DNA配列を確認するべく、GluClタンパク質を コードするGluCl cDNAの完全長読み取り枠(最初のメチオニンの最初 のヌクレオチドから最初の終結コドンの前に位置する最後のヌクレオチドまでに 対応)を非限定的に含むGluCl DNA分子を構築し得、構築物はGluC lタンパク質をコードするcDNAの一部を含む。いずれの構築物も、GluC l cDNAの5′または3′非翻訳領域を含まないかまたはその全部もしくは 一部を含むように設計可能である。このような構築物を適当な宿主細胞内に 単独で導入し、かつ組み合わせても導入することによってGluCl活性及びタ ンパク質発現レベルの測定が可能となる。経過的(transient)アッセ イにおいて最適発現をもたらすGluCl DNAカセットを確認したらそのG luCl DNA構築物を、哺乳動物細胞、バキュロウイルス感染昆虫細胞、大 腸菌及び酵母S. cerevisiaeを非限定的に含む宿主細胞における発 現のための様々な発現ベクターに移入する。 次の方法によって、宿主細胞トランスフェクト体及びマイクロインジェクショ ンを行なった卵母細胞をGluClチャンネル活性のレベルとGluClタンパ ク質のレベルとの両方についてアッセイし得る。組み換え宿主細胞の場合、アッ セイはGluCl DNAを含む1種の、または場合によっては2種以上のプラ スミドでの同時トランスフェクションを含む。卵母細胞の場合は、アッセイは1 種以上のGluClタンパク質をコードする合成RNAまたはDNAの注入を含 む。発現を可能にする適当な時間の経過後、細胞タンパク質を例えば35S−メチ オニンで24時間代謝標識し、その後細胞溶解物及び細胞培養上清を回収し、こ れらにおいてGluClタンパク質に対するポリ クローナル抗体で免疫沈降を生起させる。 GluCl活性を検出する他の方法の一つに、GluCl cDNAでトラン スフェクトした全細胞またはGluCl mRNAを注入した卵母細胞において 直接GluCl活性を測定することが有る。GluCl活性は、GluCl D NAを発現させる宿主細胞の特異的リガンド結合特性及び電気生理学的特性によ って測定する。GluClが発現される組み換え宿主細胞では、パッチ電圧固定 技術を用いて塩化物チャンネル活性を測定し、かつGluClタンパク質を定量 し得る。卵母細胞では、パッチクランプ技術並びに二電極電圧固定技術を用いて 塩化物チャンネル活性を測定し、かつGluClタンパク質を定量し得る。 宿主細胞のGluClタンパク質レベルは、免疫アフィニティー及び/または リガンドアフィニティー技術で測定する。細胞膜への放射性グルタメートまたは イベルメクチン結合の量を測定することにより、GluCl発現細胞を発現され たGluCl分子の数についてアッセイし得る。GluCl特異的なアフィニテ ィービーズまたはGluCl特異的な抗体を用いれば、例えば35S−メチオニン で標識したかまたは標識していないGluClタンパク質が 単離できる。標識したGluClタンパク質はSDS−PAGEで分析する。標 識していないGluClタンパク質は、GluCl特異的な抗体を用いるウェス タンブロッティング、ELISAまたはRIAアッセイによって検出する。 遺伝暗号は縮重するので、或る特定のアミノ酸をコードするのに2種以上のコ ドンが用いられる場合が有り、従ってアミノ酸配列は一組の類似DNAオリゴヌ クレオチドのうちのいずれかによってコードされ得る。GluCl配列と同等で あるのは一組のDNAオリゴヌクレオチドのうちのただ一つのみであるが、この DNAオリゴヌクレオチドは適当な条件下であれば、不適正部分を有するDNA オリゴヌクレオチドが存在してもGluCl DNAとハイブリダイズし得る。 別の条件下では不適正部分を有するDNAオリゴヌクレオチドでもGluCl DNAとハイブリダイズして、GluClコーディングDNAの同定及び単離を 可能にし得る。 特定の生物に由来するGluClコーディングDNAを用いて他の生物に由来 するGluClの相同体を単離及び精製することが可能である。そのためには、 第一のGlu Cl DNAを適当なハイブリダイゼーション条件下に、GluClの相同体を コードするDNAを含有する試料と混合する。ハイブリダイズさせたDNA複合 体を単離し、この複合体から相同体DNAをコードするDNAを精製する。 特定のアミノ酸をコードする様々なコドンに相当量の重複が存在することが知 られている。従って本発明は、同じアミノ酸の究極的な翻訳をコードする代替コ ドンを含むDNA配列にも係わる。本明細書の趣旨に副って、1個以上の置換コ ドンを含む配列を縮重変異体(degenerate variation)と 定義する。DNA配列または翻訳されたタンパク質において生起する、発現され たタンパク質の最終的な物理特性を実質的に変更しない突然変異も本発明の範囲 内に含まれる。例えば、ロイシンがバリンに、リシンがアルギニンに、またはグ ルタミンがアスパラギンに置換されてもポリペプチドの機能に変化は生じない。 或るペプチドをコードするDNA配列が天然ペプチドのものとは異なる特性を 有するペプチドをコードするように改変され得ることが知られている。DNA配 列を改変する 方法には、位置特異的突然変異誘発が非限定的に含まれる。変更される特性の例 には、酵素の基質に対する親和性や受容体のリガンドに対する親和性の変化が非 限定的に含まれる。 本明細書中、GluClの「機能性誘導体」とは、GluClの生物活性と実 質的に同様の(機能上または構造上の)生物活性を有する化合物のことである。 「機能性誘導体」という語は、GluClの「フラグメント」、「変異体」、「 縮重変異体」、「類似体」及び「相同体」、または「化学誘導体」を包含するも のとする。「フラグメント」という語は、GluClの任意のポリペプチドサブ セットを意味する。「変異体」という語は、完全なGluCl分子またはそのフ ラグメントと実質的に同様の構造及び機能を有する分子を意味する。GluCl 分子と実質的に同様の構造を有するか、または同様の生物活性を有する分子をG luClと「実質的に同様」とする。従って、実質的に同様の活性を有する二つ の分子は、一方の分子の構造が他方において見出されなくても、あるいはまた両 者のアミノ酸配列が同等でなくても変異体であると看做される。「類似体」とい う語は、完全なGluCl分子またはその フラグメントと実質的に同様の機能を有する分子を意味する。 組み換え宿主細胞におけるGluCl発現後、GluClタンパク質を回収し てその活性形態とし得る。幾つかのGluCl精製操作が利用可能で、かつ使用 に適する。天然ソースからのGluCl精製に関して先に述べたように、塩分画 、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシ ルアパタイト吸着クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーを 様々に組み合わせてかまたは単独で適用することにより、組み換えGluClを 細胞溶解物及び抽出物または馴らし培地から精製し得る。 加えて、完全長新生GluClまたはGluClもしくはGluClタンパク 質のポリペプチドフラグメントに対して特異的であるモノクローナルまたはポリ クローナル抗体を用いて製造した免疫アフィニティーカラムを用いれば、組み換 えGluClを他の細胞タンパク質から分離することができる。 GluClに対する単一特異性抗体を、GluClに対して反応性である抗体 を含有する哺乳動物抗血清から精製 するか、またはKohler及びMilstein, Nature 256, pp.495−497, 1975の技術を用いてGluClに対して反応性 であるモノクローナル抗体として調製する。本明細書中に用いた「単一特異性抗 体」という語は、GluClに対して均一の(homogenous)結合特性 を有する単抗体種または多抗体種を意味する。本明細書中に用いた「均一の結合 」という語は抗体種の、先に述べたGluClに関連する能力のような、特定の 抗原またはエピトープと結合する能力を意味する。GluCl特異的な抗体は、 マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマ等のような動物、好ましくは ウサギを、免疫アジュバントを伴ったかまたは伴わない適当な濃度のGluCl で免疫すると産生される。 初回免疫の前に免疫前(preimmune)血清を採集する。各動物に約0 .1〜約1000mgのGluClを、許容可能な免疫アジュバントと共に与え る。前記許容可能なアジュバントには、フロイントの完全アジュバント、フロイ ントの不完全アジュバント、ミョウバン沈降物、Corynebacteriu m parvum含有油中水型乳濁液及びtRNAが非限定的に含まれる。初回 免疫は、 好ましくはフロイントの完全アジュバント中に存在させたGluClを多数の部 位において皮下(SC)投与するか、腹腔内(IP)投与するか、またはこれら の経路の両方から投与することにより行なう。各動物から規則的な間隔で、好ま しくは週1回採血(bleed)して抗体力価を測定する。初回免疫後、動物に 追加免疫注射を行なってもよく、また行なわなくてもよい。追加免疫注射を行な う動物には通常、フロイントの不完全アジュバント中に存在させた等量の抗原を 同じ経路で投与する。追加免疫注射は最大力価が得られるまで約3週間置きに行 なう。各追加免疫の約7日後に、またはただ1回の免疫後約1週間置きに動物か ら採血し、血清を採集し、アリコートを約−20℃で貯蔵する。 GluClと反応するモノクローナル抗体(mAb)は、近交系マウス、好ま しくはBalb/cをGluClで免疫することによって調製する。等量の先に 述べた許容可能なアジュバント中に存在させた約0.5mlの緩衝液または食塩 液中の約0.1〜約10mg、好ましくは約1mgのGluClでマウスをIP またはSC経路で免疫する。アジュバントはフロイントの完全アジュバントが好 ましい。 第0日にマウスに初回免疫を施し、このマウスを約3〜約30週間放置する。こ のように免疫したマウスに、リン酸緩衝食塩液どの緩衝液中の約0.1〜約10 mgのGluClを用いる追加免疫を1回以上、静脈内(IV)経路から施す。 抗体陽性マウス由来のリンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を、免疫したマウスか ら脾臓を当業者に知られた標準的な操作で摘出することによって得る。安定なハ イブリドーマの形成を可能にする条件下に脾臓リンパ球を適当な融合相手、好ま しくはミエローマ細胞と混合することによってハイブリドーマ細胞を作製する。 上記融合相手にはマウスミエローマのP3/NS1/Ag4−1、MPC−11 、S−194及びSp 2/0が非限定的に含まれ得、なかでもSp 2/0が 好ましい。抗体産生細胞とミエローマ細胞とは約1000の分子量のポリエチレ ングリコール中で約30〜約50%の濃度で融合させる。融合ハイブリドーマ細 胞は当業者に知られた操作により、ヒポキサンチン、チミジン及びアミノプテリ ンを補充したダルベッコの改良イーグル培地(DMEM)中での増殖によって選 択する。第14日、第18日及び第21日ごろに増殖陽性ウェルから上清を回収 し、この上清を抗体産生に関し て、抗原としてGluClを用いる固相ラジオイムノアッセイ(SPIRA)な どのイムノアッセイによってスクリーニングする。培養液もオクタロニー沈降ア ッセイで試験し、mAbのイソタイプを決定する。抗体陽性ウェルから得たハイ ブリドーマ細胞を、MacPherson, “Soft Agar Tech niques,” Tissue Culture Methods and Applications, Kruse及びPaterson編, Acad emic Press, 1973に記載された軟寒天技術などの技術によって クローン化する。 マウス1匹当たり約0.5mlのプリスタン(pristane)で感作した Balb/cマウスに前記感作の約4日後に約2×106〜約6×106個のハイ ブリドーマ細胞を注射することにより、モノクローナル抗体のin vivo産 生を実現する。細胞伝達の約8〜12日後に腹水を採集し、当業者に知られた技 術でモノクローナル抗体を精製する。 抗GluCl mAbのin vitro産生は、約2%のウシ胎児血清を含 有するDMEM中でハイブリドーマを増殖させ、それによって十分な量の特異的 mAbを得 ることにより行なう。mAbは当業者に知られた技術で精製する。 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価を、沈降、受動凝集、酵素結合イ ムノソルベント抗体(ELISA)技術及びラジオイムノアッセイ(RIA)技 術を非限定的に含む様々な血清学的または免疫学的アッセイによって測定する。 体液または組織及び細胞抽出物においてGluClの存在を検出するのにも同様 のアッセイを用いる。 単一特異性抗体を産生させる上述の方法を、GluClポリペプチドフラグメ ントまたは完全長新生GluClポリペプチドに特異的な抗体の産生に用い得る ことは当業者には直ちに明らかである。特に、ただ1種のGluClタンパク質 のみ、または完全に機能するグルタメート、化合物1もしくはアベルメクチン感 受性塩化物チャンネルのみに特異的である単一特異性抗体を産生させ得ることは 当業者には直ちに明らかである。 抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合するようにN−ヒドロキシスタ シンイミドエステルで活性化したゲル支持体であるAffigel−10(Bi orad)に抗体を添加することにより、GluCl抗体アフィニ ティーカラムを作製する。次に、スペーサーアームが介在するアミド結合によっ て抗体とゲルとを結合させる。その後、残存する活性化エステルを1Mエタノー ルアミンHCl(pH8)で反応停止させる。カラムを水、次いで0.23Mグ リシンHCl(pH2.6)で洗浄して、結合しなかった抗体や生体外タンパク 質を除去する。次に、カラムをリン酸緩衝食塩液(pH7.3)中で平衡させ、 このカラムにGluClまたはGluClタンパク質フラグメントを含有する細 胞培養上清または細胞抽出物をゆっくり通す。その後、カラムを光学密度(A2 80)が低下してバックグラウンドに達するまでリン酸緩衝食塩液で洗浄してか ら、タンパク質を0.23MグリシンHCl(pH2.6)で溶離する。このよ うに精製したGluClタンパク質をリン酸緩衝食塩液に対して透析する。 アフリカツメガエル卵母細胞において同価同義(homomeric)チャン ネルとして、またはGluCl類に属する他のチャンネルを伴った異価同義(h eteromeric)チャンネルとして発現されるとグルタメートまたはアベ ルメクチンによって直接活性化されるタンパク質をコードする、pGluClと 呼称するDNAクローンを 同定する。グルタメートゲートを具えた塩化物チャンネルは無脊椎動物において のみ報告されていて、昆虫の筋肉及びニューロン体細胞並びに甲殻類の筋肉中に 見出され、卵母細胞において昆虫の筋肉ポリ(A)+RNAから発現され(C. Lingle及びE. Marder, Brain Res. 212, pp.481−488, 1981; B. G. Horseman, C. Seymour, I. Bermudez及びD. J. Beadle, Neurosci. Lett. 85, pp.65−70, 1988; K. A. Wafford及びD. B. Sattelle, J. E xp. Biol. 144, pp.449−462, 1989; T. J. Lea及びP. N. R. Usherwood, Comp. Ge n. Pharmacol. 4, pp.333−350, 1973; S . G. Cull−Candy, J. Physiol. 255, pp .449−464, 1976; S. P. Fraser等, Mol. Brain Res. 8, pp.331−341, 1990)、また土壌 線虫のC. elegansからクロー ン化されている(D. F. Cully, D. K. Vassilati s, K. K. Liu, P. S. Paress, L. H. T. Van der Ploeg, J. M. Schaeffer及びJ. P. Arena)。「H(過分極)受容体」という語は、イナゴの筋肉のグル タメートゲートを具えた塩化物チャンネルを該筋肉の興奮性D(脱分極)グルタ メート受容体と区別するのに用いてある(T. J. Lea及びP. N. R. Usherwood, Comp. Gen. Pharmacol. 4, pp.333−350, 1973; S. G. Cull−Cand y, J. Physiol. 255, pp.449−464, 1976 )。Dros GluCl RNAを注入された卵母細胞と同様に、節足動物の H受容体はイボテネートによって特徴的に活性化され、ピクロトキシンによって 低い親和性でしか遮断されず、かつGABAによっては活性化されない(C. Lingle及びE. Marder, Brain Res. 212, p p.481−488, 1981; K. A. Wafford及びD. B . Sattelle, J. Exp. Biol. 144, pp.449−462, 1989; S. G. C ull−Candy, J. Physiol. 255, pp.449−4 64, 1976; T. J. Lea及びP. N. R. Usherw ood, Comp. Gen. Pharmacol. 4, pp.351 −363, 1973)。イナゴの筋肉のH受容体は、C. elegansポ リ(A)+ RNAから発現されるグルタメートゲートを具えた塩化物チャンネ ルと同様にアベルメクチンによって直接活性化される(R. H. Scott 及びI. R. Duce, Pestic. Sci. 16, pp.59 9−604, 1985; J. P. Arena, K. K. Liu, P. S. Paress, J. M. Schaeffer及びD. F . Cully, Mol. Brain Res. 15, pp.339− 348, 1992)。加えて、イナゴのニューロン体細胞に存在するグルタメ ートゲートを具えた塩化物チャンネルはアベルメクチンによって強化され、かつ 直接活性化される(E. Aydar, L. Harding, D. J. Beadle及びI. Bermudez, “(Proceedings of the British Pharmac ological Society,” p.24, 1993)。従って、D ros GluClは節足動物のH受容体との間に関連性を有すると考えられる 。このチャンネルはショウジョウバエにおいてアベルメクチン及び化合物1の標 的である。 系統発生分析が示唆するところでは、Dros GluClはリガンドゲート を具えた塩化物チャンネルの、グリシンα及びβ、Lymζ並びにDros r dlタンパク質と関連し得るユニークなサブクラスを成すC. elegans GluClα及びGluClβチャンネルとも関連付けられる。これらのタン パク質は系統発生的には関連性を有するが、異なるリガンドに応答し、薬理学的 に区別される(V. Schmieden, G. Grenningloh, P. R. Schofield及びH. Betz, EMBO Jour nal 8, pp.695−700, 1989; R. H. Ffren ch−Constant, T. A. Rocheleau, J. C. Steichen及びA. E. Chalmers, Nature 363 , pp.4 49−451, 1993; G. Grenningloh等, Neuro n 4, pp.963−970, 1990; M. L. Hutton, R. J. Harvey, F. G. P. Earley, E. A . Barnard及びM. G. Darlison, FEBS Lett ers 326, pp.112−116, 1993)。アベルメクチンはリ ガンドゲートを具えた塩化物チャンネル類に属する他の塩化物チャンネルと相互 作用することが報告されている。アベルメクチンは、線虫及び昆虫ではGABA 感受性電流を遮断し、一方ザリガニでは多伝達物質(グルタメート、アセチルコ リン、GABA)ゲートを具えた塩化物チャンネルを直接活性化する(R. J . Martin及びA. J. Pennington, Br. J. P hramacol. 98, pp.747−756, 1989; F. Z ufall, C. Franke及びH. Hatt, J. Exp. B iol. 142, pp.191−205, 1989; L. Holde n−Dye及びR. J. Walker, Parasitology 10 1, pp.265−271, 1990; I. Bermudez, C. A. Hawkins, A. M. Taylo r及びD. J. Beadle, Journal of Receptor Research 11, pp.221−232, 1991)。ニワトリ の雛の脳GABAa受容体を発現させる卵母細胞では、アベルメクチンはGAB A応答を増強する(E. Sigel及びR. Baur, Mol. Pha fmacol. 32, pp.749−752, 1987)。加えて、アベ ルメクチンはストリキニーネが哺乳動物のグリシン受容体に結合するのを抑制す る(D. Graham, F. Pfeiffer及びH. Betz, N eurosci. Letters 29, pp.173−176, 198 2)。しかし、GluClタンパク質はリガンドゲートを具えた塩化物チャンネ ル類に属する塩化物チャンネルのうちでグルタメート及びイボテネートに関しユ ニークな薬理特性を示す唯一のものであり、従ってリガンドゲートを具えたイオ ンチャンネル類の新規なサブクラスを成す。 本発明は、GluClをコードするDNAまたはRNAの発現及びGluCl タンパク質の機能をin vivo で調節する化合物をスクリーニングする方法にも係わる。上記のような活性を調 節する化合物は、DNA、RNA、ペプチド、タンパク質、または非タンパク性 有機分子であり得る。これらの化合物は、GluClをコードするDNAもしく はRNAの発現、またはGluClタンパク質の機能を促進または抑制して調節 し得る。GluClをコードするDNAもしくはRNAの発現、またはGluC lタンパク質の機能を調節する化合物は様々なアッセイによって検出できる。前 記アッセイは、発現または機能に変化が有るかどうかを確認する単純な「はい/ いいえ」アッセイであり得る。試験試料の発現または機能を標準試料の発現また は機能レベルと比較することによってアッセイを定量的に行なうことも可能であ る。本発明の方法で同定される調節因子は、治療薬、殺虫薬及び駆虫薬として有 用である。 GluCl DNA、GluClに対する抗体、またはGluClタンパク質 を含むキットを作製し得る。このようなキットは、GluCl DNAとハイブ リダイズするDNAの検出、または試料におけるGluClタンパク質またはペ プチドフラグメントの存在の検出に用いられる。このようなキットを用いての特 性解明は、法医学的分析及 び疫学研究を非限定的に含む様々な目的のために有用である。 本発明のDNA分子、RNA分子、組み換えタンパク質及び抗体は、GluC l DNA、GluCl RNAまたはGluClタンパタ質のレベルに関する スクリーニング及び測定に用い得る。本発明の組み換えタンパク質、DNA分子 、RNA分子及び抗体は、GluClの検出及び型分類に適したキットの作製に 役立つ。前記キットは、少なくとも1個の容器を厳重に固定して保持するのに適 した仕切り付きの支持器(carrier)を含む。この支持器はGluClの 検出に適した組み換えGluClタンパク質または抗GluCl抗体などの試薬 も保持する。支持器は、標識した抗原または酵素基質等といったものを検出する 手段も具備し得る。 GluClコーディングDNA配列と相補的であるヌクレオチド配列をアンチ センス療法用に合成し得る。得られるアンチセンス分子はDNA、ホスホロチオ エートやメチルホスホネートといった安定なDNA誘導体、RNA、2′−O− アルキルRNAなどの安定なRNA誘導体、または他のGluClアンチセンス オリゴヌクレオチド模擬 体(mimetics)である。GluClアンチセンス分子は、マイクロイン ジェクション、リポソーム封入、またはアンチセンス配列を含むベクターからの 発現によって細胞内に導入し得る。GluClアンチセンス療法は、GluCl 活性の低下が有益である疾患の治療に特に有用であり得る。 GluClを標的臓器の細胞内に導入するのにGluCl DNAを用い得る 。GluCl遺伝子はウイルスベクター中に連結することができ、前記ベクター は受容宿主細胞に感染することによってGluCl DNAの移入を媒介する。 適当なウイルスベクターに、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイ ルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス等が含まれる。 あるいは他の場合には、リガンド−DNA結合体またはアデノウイルス−リガン ド−DNA結合体を用いる受容体媒介型標的指向性DNA移入、リポフェクショ ン、膜融合または直接マイクロインジェクションを含めた、ウイルスベクターを 用いない(non−viral)技術によってGluCl DNAを細胞内に移 入し得る。これらの操作とその改良型とは、ex vivo並びにin viv o G luCl遺伝子療法に適している。GluCl遺伝子療法は、GluCl活性を 高めることが有益である場合に特に有用であり得る。 GluCl DNA、GluCl RNAもしくはGluClタンパク質、ま たはGluCl受容体活性調節因子を含有する、医薬に有用な組成物を、医薬に 許容可能なキャリヤの混合によるような公知方法に従って調製し得る。前記キャ リヤや調製方法の例は、Remington’sPharmaceutical Sciences中に見出され得る。有効な投与に適した、医薬に許容可能な 組成物を調製するべく、組成物には有効量の上記タンパク質、DNA、RNAま たは調節因子を含有させる。 本発明の治療または診断用組成物は、GluCl関連活性の調節が指示される 障害の治療または診断に十分な量で個体に投与する。有効量は、個体の状態、体 重、性別及び年齢などの様々な要因に従って変化し得る。上記以外の要因に、投 与モードが含まれる。本発明の医薬組成物は、皮下、局所的、経口及び筋肉内な どの様々な経路で個体に投与し得る。 「化学誘導体」という語は、通常は基本分子の一部でな い付加的な化学的部分を有する分子を意味する。前記部分によって、基本分子の 溶解度、半減期、吸収性等を改善し得る。あるいは他の場合には、上記部分によ って基本分子の望ましくない副作用を抑制したり、基本分子の毒性を低下させた りする。このような部分の例は、Remington’s Pharmaceu tical Sciencesなどの様々な文献に記載されている。 本明細書に開示した方法によって同定した化合物は、潜在的な毒性を最小限に 留めつつGluCl受容体もしくはその活性を最適に抑制するべく常用試験によ って規定した適当な用量で単独に用い得る。 本発明の方法は、本発明の新規な治療方法で用いるのに適した局所用、経口用 、全身用及び非経口用医薬組成物の提供も目的とする。GluCl受容体の調節 に用いる、活性成分として本発明により同定した化合物を含有する組成物は、通 常の投与用賦形剤を用いてきわめて様々な治療投与形態として投与し得る。例え ば、上記化合物は錠剤、カプセル剤(それぞれ時限放出製剤及び徐放製剤を含む )、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、溶液剤、懸濁液剤、シロッ プ剤及び乳濁液剤などの経口投与形態で、 または注射によって投与し得る。上記化合物はまた、静脈内形態(ボーラスと注 入との両方)、腹腔内形態、皮下形態、閉塞を伴うかもしくは伴わない局所形態 、または筋肉内形態でも投与可能であり、用いられる形態はいずれも医薬の分野 において当業者に良く知られている。有効であるが有毒でない量の所望化合物を GluCl調節剤として用い得る。 化合物の1日当たりの用量は、患者1人につき0.001mgから1,000 mgまでの広い範囲にわたって様々となり得る。経口投与用組成物は好ましくは 、治療するべき患者への投与量を症状に応じて調節できるように、0.01、0 .05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25 .0及び50.0mgの活性成分を含有する溝付きまたは溝無しの錠剤の形態で 提供する。通常、有効量の薬物を1日当たり体重1kgにつき約0.0001〜 約100mgの投与レベルで供給する。所望の作用が得られるように配合する場 合は、GluCl受容体調節因子の用量を調節する。他方、配合する様々な薬物 の用量を独立に最適化して組み合わせ、それによっていずれの薬物を単独使用し た場合よりも病因が減少する相 乗的な成果を挙げることも可能である。 本発明の方法において活性である化合物は、1日分の用量をただ1回で投与す るか、または1日2回、3回もしくは4回に分けて投与すると有利である。その うえ、本発明の方法において活性である化合物は、適当な鼻腔内用賦形剤の局所 使用を介して鼻腔内形態で投与したり、当業者に良く知られた経皮投与用皮膚パ ッチの形態を用いて経皮経路から投与したりできる。経皮送達系の形態での投与 では当然ながら、用量は投与方式全体を通して断続的にではなく連続的に投与さ れる。 2種以上の活性物質を別個の投与製剤中に存在させて用いる組み合わせ治療で は前記活性物質を同時に投与し得、または各活性物質を別々にずらした時点に投 与し得る。 本発明の方法において活性である化合物の投与方式は、患者のタイプ、種、年 齢、体重、性別及び病状; 治療するべき状態の重篤度; 投与経路; 患者の 腎及び肝機能; 並びに用いる特定の化合物を含めた様々な要因に従って選択す る。通常の医師または獣医師であれば、状態の進行を予防し、打ち消し、または 阻止するのに必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方し得る。毒性を伴わない 効力をもたらす範囲内の薬物濃度を達成するのに最適の精度の実現には、標的部 位に対する薬物の有効性の動力学に基づく投与方式が必要である。このような方 式では、薬物の分布、平衡及び排除が考慮される。 本発明の方法では該方法において活性である化合物が活性成分を構成し得、こ の化合物は典型的には、所期の投与形態、即ち経口用の錠剤、カプセル剤、エリ キシル剤、シロップ剤等のために適宜選択された、通常の調剤法で実際に用いら れる適当な医薬用稀釈剤、賦形剤またはキャリヤ(本明細書中ではまとめて「キ ャリヤ」物質と呼称)と混合して投与される。 例えば、錠剤またはカプセル剤の形態で経口投与する場合は活性薬物成分をエ タノール、グリセロール、水等といった、無毒で医薬に許容可能な経口用不活性 キャリヤと組み合わせ得る。そのうえ、所望または必要であれば、適当な結合剤 、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤も混合物に添加し得る。適当な結合剤には、澱粉、 ゼラチン、グルコースまたはβ−ラタトースといった天然糖、コーン甘味剤、ア ラビアゴム、トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウムといった天然及び合 成ゴム、カルボキシメチルセルロース、 ポリエチレングリコール、蝋等が非限定的に含まれる。上記投与形態に用いられ る滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸 マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が非限 定的に含まれる。崩壊剤には、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、 キサンタンゴム等が非限定的に含まれる。 液体形態の場合は活性薬物成分を、適宜香味付けした合成及び天然ゴム、例え ばトラガカントゴム、アラビアゴム、メチルセルロース等といった懸濁化剤また は分散剤中に加え得る。用い得る他の分散剤にグリセリン等が含まれる。非経口 投与の場合は滅菌懸濁液剤及び溶液剤が望ましい。静脈内投与が望ましい場合に は、通常適当な防腐剤を含有する等張製剤を用いる。 活性薬物成分を含有する局所用製剤は、例えばアルコール、アロエベラゲル、 アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、PPG2プロピオン酸 ミリスチル等の当業者に良く知られた様々なキャリヤ物質と混合して、例えばア ルコール性溶液剤、局所用清浄剤、清浄化クリーム剤、皮膚用ゲル剤、皮膚用ロ ーション剤、及びクリーム 剤またはゲル剤状のシャンプー剤とし得る。 本発明の方法において活性である化合物は、小さな単ラメラ小胞、大きな単ラ メラ小胞、及び多重ラメラ小胞などのリポソーム送達系の形態でも投与できる。 リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン といった様々なリン脂質から形成可能である。 本発明の方法において活性である化合物は、化合物分子を結合させる個別キャ リヤとしてモノクローナル抗体を用いることによっても送達し得る。本発明の方 法において活性である化合物は標的指向性薬物キャリヤとしての可溶性ポリマー と結合させることもできる。前記ポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピラン コポリマー、ポリヒドロキシ−プロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒド ロキシ−エチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換され たポリエチレンオキシドポリリシンが含まれ得る。更に、本発明の方法において 活性である化合物は薬物の制御放出に有用な生分解性ポリマー類、例えばポリ乳 酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ アセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの 架橋また は両親媒性ブロックコポリマーに結合させることも可能である。 本発明の方法において活性である化合物は、ヒト、動物及び植物において多く の寄生虫症を引き起こす内部及び外部寄生虫、特に蠕虫及び節足動物に対する寄 生虫駆除薬として有用である。 寄生虫症は内部寄生虫または外部寄生虫によって引き起こされ得る。内部寄生 虫とは、宿主の体内で(胃、肺、心臓、腸等のような)臓器内にか、または単に 皮下に棲息する寄生虫のことである。外部寄生虫とは、宿主の外表面上に棲息す るが栄養は宿主から摂取する寄生虫のことである。 通常蠕虫病と呼称される内部寄生虫症は、宿主が蠕虫として知られている寄生 虫に感染することによって引き起こされる。蠕虫病は、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウ シ、ヤギ、イヌ、ネコ及び家禽などの家畜の感染に起因して、普遍的でかつ重大 な世界規模の経済問題である。上記感染の多くは、世界中の様々な動物種におい て疾患の原因となる、線虫と呼称される寄生虫群によって引き起こされる。線虫 が原因の疾患はしばしば重症で、感染動物を死亡させかねない。先に挙げた動物 に感染する線虫で最も一般的なものは、捻 転胃虫、毛様線虫、Ostertagia属、Nematodirus属、Co operia属、カイチュウ、Bunostomum属、Oesophagos tomum属、Chabertia属、鞭虫、円虫、Trichonema属、 Dictyocaulus属、毛細線虫、Heterakis属、犬回虫、As caridia属、ウマギョウチュウ、ズビニ鉤虫、極東鉤虫、Toxasca ris属及び馬回虫である。多くの寄生虫が種特異的(ただ1種の宿主にのみ感 染)であり、またほとんどの寄生虫は動物体内に好ましい感染部位を有する。即 ち、捻転胃虫及びOstertagia属は主として胃に感染し、一方Nema todirus属及びCooperia属は大抵腸を冒す。別の寄生虫は心臓、 眼、肺、血管等に好んで棲息し、更に別の寄生虫は皮下寄生虫である。蠕虫病は 、衰弱、体重減少、貧血、腸傷害、栄養不良、及び他の臓器の障害を招く恐れが 有る。これらの疾患は、治療せずに放置すれば動物を死亡させかねない。 外部寄生虫であるマダニ類(ticks)、その他のダニ類(mites)、 シラミ、サシバエ、ツノサシバエ、クロバエ科及びニクバエ科のハエ(blow flies)、 ノミ、並びにTenophalides属、Ixodes属、Psoropte s属、Lucilia属及びHemotobia属のような他の吸血昆虫(bi ting insects)などの節足動物が引き起こす疾患も重大な問題であ る。上記のような寄生虫による感染及び侵襲は血液の減少、皮膚病変をもたらし 、また正常な摂食習慣を妨げ、即ち体重減少を惹起しかねない。上記のような寄 生虫への感染によって、致命的となりかねない脳炎、アナプラズマ症、豚痘等の 重症疾患が伝播する恐れも有る。本明細書に開示した方法において活性である化 合物は上述の感染及び侵襲を予防及び治療するのに有用である。 動物は幾つかの寄生虫種に同時に感染する場合が有り、なぜなら1種の寄生虫 への感染によって動物は衰弱し、第二の寄生虫種により感染しやすくなり得るか らである。即ち、寄生虫症の治療では広範な活性を有する化合物が特に有利であ る。本発明の化合物は上述のような寄生虫に対する活性を有し、加えてイヌの犬 糸状虫、齧歯類のNematospiroides属及びSyphacia属、 吸血昆虫、並びにウシのHypoderma属種及びウマのウマバエなどの体内 移行性双翅類幼虫に対しても活性である。 本明細書に開示した方法において活性である化合物は、ヒトにおいて寄生虫症 を引き起こす内部及び外部寄生虫に対しても有用である。ヒトが感染する内部寄 生虫の例には、ズビニ鉤虫、アメリカ鉤虫、カイチュウ、糞線虫、旋毛虫、毛細 線虫、鞭虫、キョウチュウ等の胃腸寄生虫が含まれる。ヒトが感染する内部寄生 虫は血中に、または他の臓器においても見出される。そのような寄生虫の例には 、フィラリア寄生虫の糸状虫、Brugia属、Onchocerca属等、並 びに腸外期の腸寄生虫のStrongylides属及び旋毛虫が有る。ヒトに 寄生する外部寄生虫にはマダニ類、ノミ、マダニ類以外のダニ類、シラミ等の節 足動物が含まれ、これらの寄生虫への感染は家畜の場合同様、重症で致命的です らある疾患の伝播を招きかねない。本発明の活性化合物は上記のような内部及び 外部寄生虫に対して活性であり、しかもヒトを悩ます吸血昆虫その他の双翅類害 虫に対しても活性である。 本明細書に開示した方法において活性である化合物は、Blatella属種 (ゴキブリ)、Tineola属種(イガ)、Attagenus属種(ヒメマ ルカツオブシムシ)、Musca domestica(イエバエ)と いった通常の家庭内害虫、及びSolenopsis Invicta[トフシ アリの一種(imported fire ant)]に対しても有用である。 本明細書に開示した方法において活性である化合物は更に、アブラムシ(Ac yrthiosiphon属種)、イナゴ、ハダニ及びワタミハナゾウムシなど の農業害虫に対して、またTribolium属種及びゴミムシダマシなどの貯 蔵穀物を傷める有害昆虫、並びに植物組織上に棲息する末成熟期の昆虫に対して も有用である。本発明の化合物は、農業の分野で重要であり得る、土壌線虫及び Meloidogyne属種などの植物寄生虫の防除のための殺線虫剤としても 有用である。 動物において寄生虫駆除薬として用いる場合は本発明の化合物を、経口でかも しくは注射によって体内に投与するか、またはドレンチ液剤(liquid d rench)もしくはシャンプー剤として局所投与し得る。 経口投与の場合、本明細書に開示した方法において活性である化合物はカプセ ル剤、錠剤またはボーラスの形態で投与し得、あるいはまた飼料に混入し得る。 カプセル剤、錠剤及びボーラスは、澱粉、タルク、ステアリン酸マグネ シウムまたはリン酸二カルシウムといった適当なキャリヤ賦形剤と組み合わせら れた活性成分から成る。これらの単位投与形態は、活性成分を稀釈剤、充填剤、 崩壊剤及び/または結合剤を含めた適当な微粉状不活性成分と、均一混合物が得 られるように十分混合することによって調製する。不活性成分とは、本発明の化 合物と反応せず、かつ治療する動物に対して有毒でない成分のことである。適当 な不活性成分に、澱粉、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物 性のゴム質及び油等が含まれる。上記製剤は、治療するべき動物種の大きさ及び タイプ並びに感染の種類及び重篤度などの多くの要因に応じて様々に変化し得る 量の活性及び不活性成分を含有し得る。活性成分を飼料への添加物として投与す ることも、単に本発明の化合物を飼料と混合するか、または本発明の化合物を飼 料の表面に適用することによって可能である。あるいはまた、活性成分を不活性 キャリヤと混合してもよく、このようにして得られた組成物は飼料と混合し、ま たは直接動物に与える。適当な不活性キャリヤに、コーンミール、シトラス(c itrus)ミール、発酵残留物、大豆粗粒(grits)、乾燥穀粒等が含ま れる。活性成分を上記のような不活性 キャリヤと、粉砕、攪拌、磨砕またはタンブリングによって十分に混合し、それ によって0.001〜5重量%の活性成分を含有する最終組成物を得る。 あるいは他の場合には、本明細書に開示した方法において活性である化合物を 、不活性液体キャリヤに溶解した活性成分から成る製剤の注射によって非経口投 与する。注射は、筋肉内、反芻胃内(intraruminal)、気管内また は皮下注射とし得る。注射用製剤は、適当な不活性液体キャリヤと混合された活 性成分から成る。許容可能な液体キャリヤに、落花生油、綿実油、胡麻油等とい った植物油及びソルケタール、グリセロール、ホルマール等といった有機溶媒が 含まれる。代替物として、水性の非経口用製剤を用いることも可能である。液体 キャリヤとして好ましいのは植物油である。注射用製剤は、最終製剤が0.00 5〜10重量%の活性成分を含有するようにして活性成分を液体キャリヤ中に溶 解または懸濁させることによって調製する。 本明細書に開示した方法において活性である化合物の局所適用は、水性の溶液 剤、分散液剤または懸濁液剤状の、本発明の化合物を含有するドレンチ液剤また はシャンプー 剤を用いることによって可能となる。前記のような製剤は通常、ベントナイトな どの懸濁化剤、湿潤剤または類似の賦形剤を含有し、かつ普通は消泡剤も含有す る。0.001〜1重量%の活性成分を含有する製剤が許容可能である。好まし い製剤は、0.01〜1重量%の活性化合物を含有するものである。 本明細書に開示した方法において活性である化合物は主として、ウシ、ヒツジ 、ウマ、イヌ、ネコ、ヤギ、ブタ及び家禽などの家畜の蠕虫病を治療及び/また は予防するのに用いる寄生虫駆除薬として有用である。この化合物は、上記のよ うな家畜のマダニ類、その他のダニ類、シラミ、ノミ等といった外部寄生虫への 感染を予防及び治療するのにも有用である。この化合物はヒトの寄生虫感染の治 療にも有効である。そのような感染の治療では上記化合物を個別に、または別の 上記化合物とかもしくは関連性の無い他の寄生虫駆除薬と組み合わせて用い得る 。最良の結果を得るのに必要な化合物用量は、動物の種及び大きさ、感染の種類 及び重篤度、投与方法並びに用いる化合物などの幾つかの要因によって左右され る。本発明の化合物は通常、動物の体重1kg当たり0.0005〜10mgの 投与レベ ルで一度に、または数日置きに数回に分けて経口投与すると良い結果をもたらす 。普通、いずれか1種の本発明の化合物の一回投与によって優れた防除を達成で きるが、再感染に対処したり、異例に耐性である寄生虫種を防除したりする場合 は反復投与を行ない得る。上述のような化合物を動物に投与する技術は獣医学分 野の当業者に公知である。 本明細書に開示した方法において活性である化合物は、作物を圃場において、 または貯蔵中に傷める農業害虫への対処にも用い得る。この化合物は、成長中の 植物、または収穫した作物に対して噴霧剤、散布剤、乳濁液剤等を用いる場合に 適用する。本発明の化合物を前記のように適用する技術は農業分野の当業者に公 知である。 本発明を、以下の実施例によって非限定的に詳述する。実施例1 ショウジョウバエRNA単離 キイロショウジョウバエのOregon R系統の頭部からポリ(A)+ R NAを調製した。上記頭部を液体N2中で急速冷凍し、液体N2中に沈めたままで 乳鉢及び乳棒で粉砕した。粉末状の凍結ショウジョウバエ組織を、4Mチオシア ン酸グアニジニウムと、5mMクエン酸ナトリ ウム(pH7.0)と、0.1M β−メルカプトエタノールとを含有する溶液 に添加し(溶液10ml当たり組織1g)、これをポリトロンホモジナイザーで 混合した。1分間ホモジナイズした後、0.5%ナトリウムサルコシルを添加し て十分に混合し、溶液を10,000rpmで10分間遠心した。上清を5.7 M CsClクッション上に重層させ、33,000rpmで18時間遠心した 。RNAペレットを70%エタノールで洗浄し、H2O中に再懸濁させ、4:1 のクロロホルム:イソブタノールで抽出し、エタノールで沈澱させた。オリゴ( dT)−セルロースカラム上での精製ラウンドを2回行なってポリ(A)+ R NAを単離した。実施例2 ショウジョウバエGluCl PCR生成物のクローニング及び特性解明 DNAオリゴヌクレオチドプライマー (配列番号1; プライマー1)及び (配列番号2; プライマー2)を低ストリンジェンシー PCR反応に用いてショウジョウバエGluCl遺伝子配列を増幅した。上記オ リゴヌクレオチドは、C. elegans GluClα遺伝子のM1及びM 3ドメインに存在するアミノ酸配列をコードする(Cully等,上掲誌)。シ ョウジョウバエポリ(A)+ RNA(H2O17μl中に1μg)を65℃で3 分間加熱してから氷上に置いた。氷上に、3μlのRNアシン(RNasin) (40単位/μl)、8μlの5倍RT緩衝液(250mMトリス−HCl、p H8.3、375mM KCl、15mM MgCl2、BRL)、4μlの0 .1M DTT、4μlの20mM dNTP、2μlの20μMプライマー2 オリゴヌクレオチド、及び0.5μlの200単位/μlのモロニーマウス白血 病ウイルス逆転写酵素を添加した。反応混合物を42℃で90分間インキュベー トし、その後65℃で10分間加熱することによって反応を停止させた。得られ た第1鎖(first strand)cDNAを次のようにしてポリメラーゼ 連鎖反応に用いた。Taq反応緩衝液(1.5mM MgCl2、50mM K Cl、10mMトリス−HCl、pH8.3、400μM dNTP)中の2. 5単位のAmpliTaq DN Aポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus)を含有する反応混合 物50μl中で3μlのcDNAを1.2μMの各プライマー(DNA配列1及 び2)及び20μCiの32P−dCTPと共にインキュベートした。反応混合物 のインキュベーションは、94℃(1分間)、37℃(2分間)、72℃(3分 間)のサイクルを25回実施するようにプログラムしたPerkin Elme r Cetusサーモサイクラーで行なった。反応混合物を1μgのtRNA、 1/10体積部の3M酢酸ナトリウム及び2体積部の100%エタノールと混合 し、−20℃で16時間インキュベートし、11,000×gで30分間遠心し 、70%エタノールで洗浄した。ペレットを脱水して3μlのH2O及び3μl の停止溶液(95%ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェ ノールブルー、0.05%キシレンシアノールFF)中に再懸濁させ、70℃で 2分間加熱し、6%アクリルアミドゲル−尿素配列決定ゲル(Maniatis )上でキシレンシアノールマーカーがゲル(40cm)の底部に達するまで電気 泳動させた。対照DNAを配列決定し(USB Sequenase Vers ion 2.0 DNA配列決定 キット)、サイズマーカーとしてゲル上を移動させた。ゲルを取り出し、10% メタノール、7%酢酸に15分間浸漬し、Whatman 3mm濾紙に移し、 乾燥し、X線フィルムに対して曝露した。152塩基の領域に対応するゲルを切 り取り、400μlのH2Oに22℃で2時間浸漬した。溶離したDNA(30 μl)を、Taq反応緩衝液、1.0μMの各プライマー(DNA配列1及び2 )及び5単位のTaqポリメラーゼを含有するPCR反応混合物100μl中に 鋳型として用いた。サーモサイクラーは先に述べたのと同様にプログラムした。 このようにして得られたPCR反応生成物の30μlアリコートを、同等の第二 のPCR反応のための鋳型として用いた。 反応混合物から152bpのPCR増幅DNA断片を、1/10体積部の3M 酢酸ナトリウム及び2体積部の100%エタノールを用いて−20℃で16時間 沈澱させ、11,000×gで30分間遠心し、70%エタノールで洗浄した。 ペレットを脱水して10μlのTE(pH8.0のトリス−HCl、1mM E DTA)中に再懸濁させ、4% NuSieve TAE(40mMトリス−H Cl、pH8.0、20mM酢酸ナトリウム、2mM EDT A)アガロースゲル(FMC BioProducts)上で電気泳動させた。 DNA断片をゲルから切り取り、QIAEXゲル抽出キット(Qiagen, Inc.)を用いて精製した。精製したDNA断片を、TAクローニングシステ ム(Invitogen Corp.)を用いてpCRベクター中に連結した。 連結DNAを、先に述べたのと同様に1/10体積部の3M酢酸ナトリウム及び 2体積部の100%エタノールを用いて沈澱させ、−20℃でインキュベートし 、遠心し、洗浄し、2μlの水中に再懸濁させた。DNAの1μlアリコートで 40μlのINVαF′エレクトロコンピテント細胞(Invitogen C orp.)を、2.5kV、キャパシタンス25μF及び抵抗200ΩのGen e−Pulser(BioRad)を用いるエレクトロポレーションによって形 質転換し、その後1mlのSOC培地(J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniatis, “Molecular Cl oning: A Laboratory Manual,” Second Edition, Cold Spring Harbor Laborato ry Press, Cold Spri ng Harbor, NY, 1989)を添加し、細胞を37℃で1時間イ ンキュベートした。形質転換細胞を、50μg/mlのアンピシリン及び40μ g/mlのX−gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガ ラクトシド)を含有するLB寒天プレート上に播種し、37℃で18時間インキ ュベートした。白色のコロニーを取り出し、そのうちの、約152塩基対の挿入 部分を有するベクターをそれぞれ保持する10のコロニーにおいて、USB S equenase Version 2.0 DNA配列決定キットを用いて配 列決定を行なった。完全長cDNAクローンを同定するプローブとしてクローン pPCR−2を選択した。pPCR−2のDNA配列は配列番号4の配列であり 、この配列は予測されるアミノ酸配列 (配列番号3)を有するペプチドをコードする。実施例3 Dros GluCl cDNAの単離及び同定 ショウジョウバエのOregon R系統の頭部からcDNAライブラリーを 、ファージミド(phagemi d)クローニングベクター(Stratagene)中に作製した。このライブ ラリーで大腸菌BB4細胞をトランスフェクトし、この細胞をNZY培地(J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniati s, “Molecular Cloning: A Laboratory Manual,” Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Sprin g Harbor, NY, 1989)上に播種し、37℃で18時間インキ ュベートした。得られたプラークをDurulose膜(Stratagene )に移した。膜をプレハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、2倍 Denhardts試薬、5倍SSPE、0.1% SDS、100μg/ml ニシン精子一本鎖DNA)中で42℃で16時間プレハイブリダイズさせ、その 後ランダムプライミング式DNA標識キット(Boehringer−Mann heim)を用いてランダムプライミングにより32P−dCTPで標識したクロ ーンpPCR−2のEcoRI挿入断片を2×107cpm含有する50mlの ハイブリダイゼーション溶液(1 0%のデキストラン硫酸を含有するプレハイブリダイゼーション溶液)中で42 ℃で65時間ハイブリダイズさせた。膜をX線フィルムに対して曝露した。36 個の陽性ファージクローンを同定し、これらをStratageneプロトコル によるようなin vivo切り出しによってプラスミドに変換した。或るクロ ーン即ちpDros GluClは3958塩基の挿入部分を有することが判明 した。Dros GluCl cDNAの配列を図1に示す。実施例4 Dros GluClチャンネルの一次構造 pDros GluClはそのヌクレオチド配列から、約1518塩基対から 成るただ一つの大型の読み取り枠を有することが判明した。このcDNAは約2 54ヌクレオチドから成る5′非翻訳延長部分と、約2186ヌクレオチドから 成る3′非翻訳領域とを有する。最初の枠内メチオニン(塩基405)が、終結 コドンTAA(塩基1773)において終わる読み取り枠の開始コドンとして指 示された。予測されるGluClタンパク質(図2)は約52,344Daの推 定分子質量(Mr)を有する。このタンパク質は疎水性アミノ末端残基を、アミ ノ酸23辺りで始ま る成熟タンパク質をもたらすシグナル切断部位を強力に予兆する配列で有する。 予測されるDros GluClタンパク質をヌクレオチド及びタンパク質デ ータベースと突き合わせたところ、C. elegans GluClα、Gl uClβ、並びにグリシン及びGABAA受容体と関連することが判明した。前 記チャンネル類において見出される大型NH2末端細胞外ドメイン及び四つの疎 水性膜貫通ドメインM1〜M4などの保存モチーフがDros GluCl配列 中にも見出された。Dros GluClタンパク質は、リガンドゲートを具え た塩化物チャンネル総ての細胞外ドメインに存在する保存システイン残基を有し ていた。更に2個のシステイン残基(アミノ酸356及び367)が存在したが 、これらはグリシンゲートを具えた塩化物チャンネル並びにC. elegan sのGluClα及びGluClβにおいても見出される。Dros GluC lタンパク質は、推定膜貫通領域M3とM4との間に位置するプロテインキナー ゼCリン酸化部位に関して二つの強いコンセンサス配列を有していた。GABAA 受容体タンパク質のM3とM4との間の細胞内ドメインにも類似のリン酸化部 位が存在し、この部位はチャンネル調節に関与すると考えられる(N. J. Leidenheimer, S. J. McQuilkin, L. D. Hahner, P. Whiting及びR. A. Harris, M ol. Pharm. 41, pp.1116−1123, 1992; S . Kellenberger, P. Malherbe及びE. Sige l, J. Biol. Chem. 267, pp.24660−2566 3, 1992)。上記GluClタンパク質は先に挙げた細胞外ドメイン内に 、GABAA及びグリシン受容体配列中に見出される推定N連結グリコシル化部 位を有していた。 完全なDros GluClタンパク質配列、C. elegans Glu Clα及びGluClβタンパク質、GABAA及びグリシン受容体タンパク質 、並びに関連する無脊椎動物タンパク質配列に関して系統発生分析を行なった( 図5)。上記タンパク質類が進化によってそれぞれに分かれる様子を、GABAA α及びγタンパク質をその他のタンパク質から分かれさせた2本の大枝への分 岐によって示した。前記大枝は更に小枝に分岐しており、これ らの小枝によってタンパク質は、GABAAα、β、γ、δ、ρ、並びにグリシ ンα及びβなどの各サブクラスに分類される。 Dros GluClタンパク質はC. elegans GluClα及び GluClβ、グリシンα及びβ、Lymζ並びにDros rdlタンパク質 と系統発生的に関連するが、これらのタンパク質は薬理学的にはGluClタン パク質と区別される一つのグループを成す。アフリカツメガエル卵母細胞におけ る発現研究によれば、機能性同価同義塩化物チャンネルはグリシンに対して感受 性であるグリシンαタンパク質(V. Schmieden, G. Gren ningloh, P. R. Schofield及びH. Betz, E MBO Journal 8, pp.695−700, 1989)及びGA BAに対して感受性であるDros rdlタンパク質(R. H. Ffre nch−Constant, T. A. Rocheleau, J. C. Steichen及びA. E. Chalmers, Nature 36 3, pp.449−451, 1993)によって形成される。同価同義グリ シンβチャンネルは非常に低効 率で形成され(G. Grenningloh等, Neuron 4, pp .963−970, 1990)、またLymζタンパク質は機能性同価同義チ ャンネルを形成しない(M. L. Hutton, R. J. Harve y, F. G. P. Earley, E. A. Barnard及びM . G. Darlison, FEBS letters 326, pp. 112−116, 1993)。実施例5 アフリカツメガエル卵母細胞におけるDros GluClタンパク質の発現 クローンpDros GluClを制限エンドヌクレアーゼSalIでの消化 によって直鎖状にした。40mMトリス−HCl(pH7.5)と、6mM M gCl2と、2mMスペルミジンと、10mM NaClと、10mM DTT と、0.05mg/mlウシ血清アルブミンと、2単位/μl RNアシンと、 各800μMのATP、CTP及びUTPと、200μM GTPと、800μ M m7G(5′)ppp(5′)Gと、5μCi 32P−CTPと、50単位 のT3 RNAポリメラーゼとを含有する 最終体積50μlの反応混合物中で0.5μgの上記プラスミドからin vi tro RNAを合成した。反応混合物を37℃で3時間インキュベートし、そ の後20単位のRNアーゼ無含有DNアーゼを加えて更に15分間インキュベー トし、フェノール、フェノール:クロロホルム、クロロホルムで抽出した。1/ 10体積部の3M酢酸ナトリウム及び2.5体積部の100%エタノールを用い てRNAを沈澱させ、これを−20℃で16時間貯蔵し、70%エタノールで洗 浄し、1mg/mlの濃度で水中に再懸濁させてXenopus laevis 卵母細胞内に注入した。 Xenopus laevis卵母細胞の調製と該細胞内へのRNA注入は、 これまでに文献に記載されていて当業者に公知である標準的な方法を用いて行な った(J. P. Arena, K. K. Liu, P. S. Par ess及びD. F. Cully, Mol. Pharmacol. 40 , pp.368−374, 1991; J. P. Arena, K. K. Liu, P. S. Paress, J. M. Schaeffe r及びD. F. Cully, Mol. Brain Res. 15, pp.339−348, 1992)。成体の 雌Xenopus laevisに0.17%トリカイン(tricaine) メタンスルホネートで麻酔を掛け、外科手術により卵巣を取り出して、82.5 mM NaClと、2mM KClと、1mM MgCl2と、1.8mM C aCl2と、5mM HEPESとから成る混合物(NaOHでpH7.5に調 節; OR−2)を収容した皿に入れた。卵巣葉を切開(breakopen) し、数回濯ぎ、0.2%のコラゲナーゼ(Sigma; 1A型)を含有するO R−2中で2〜5時間穏やかに振盪した。約50%の卵胞層を除去したところで 第V期及び第VI期卵母細胞を選択し、注入前に24〜48時間、86mM Na Clと、2mM KClと、1mM MgCl2と、1.8mM CaCl2と、 5mM HEPESと、2.5mMピルビン酸Naと、0.5mMテオフィリン と、0.1mMケンタマイシンとから成る培地(NaOHでpH7.5に調節; ND−96)中に置いた。卵母細胞に50nlのDros GluCl RN A(0.01〜1mg/ml)を注入した。対照卵母細胞には50nlの水を注 入した。卵母細胞をND−96中で2 〜10日間インキュベートしてから記録を取った。インキュベーション及びコラ ゲナーゼ消化は18℃で行なった。 記録は、115mM NaClと、2mM KClと、1mM MgCl2と 、1.8mM CaCl2と、10mM HEPESとから成る標準的なカエル 食塩液(NaOHでpH7.5に調節)中で室温において取った。卵母細胞を、 標準的な二微小電極増幅器(Dagan 8500またはTEV−200, M inneapolis, MN)を用いて電圧固定した。ピペットに3M KC lを満たし、その抵抗を0.5〜3.0MΩとした。プレキシグラス製の記録室 (容量200μl)には常に10ml/分での灌流を行なった。記録室をAg/ AgCl電極で接地した。TL−1インターフェースを具備したPCLAMP( Axon Instruments, Foster City, CA)を用 いてデータを取得及び解析した。固定(holding)電位−80mVにおけ る膜電流を記録した。薬物感受性電流の強さを、薬物存在下に得られるピーク電 流から−80mVにおける固定電流を減算することによって測定した。データを 30Hzにおいて濾波し、16.6Hzにおいて標本化した。電流/電圧関係( I/ V)及び逆転電位(Erev)を、−110〜+80mVの電圧範囲にわたる1〜 3秒電圧ランプを用いて測定した。前記ランプに関しては、データを0.3〜3 kHzにおいてフィルターし、160Hzにおいてサンプリングした。薬物無含 有溶液中の電流を薬物存在下での電流から減算して、薬物感受性電流/電圧関係 を求めた。 Dros GluClタンパク質を発現させる卵母細胞は、急速に活性となり 、かつ急速に脱感受性(desensitizing)となるグルタメート感受 性電流を示した(図3)。グルタメートに関するEC50は30μMで、その際H ill係数は1.3であった。脱感受性となる速度はグルタメートの濃度によっ て左右され、グルタメート濃度が高いほど早く脱感受性となった。 IVMPO4も、Dros GluCl発現卵母細胞において直接電流を活性 化した(図3)。IVMPO4による電流の活性化は、浴からIVMPO4を洗浄 した後10分もの間不可逆的であった。電流は1μM 1VMPO4によって最 大限に活性化され、10nMでは最強電流の20〜40%まで活性化された。 米国特許第5,399,582号に詳述されている殺虫 薬の化合物1(図4)も膜電流を直接活性化した(図3)。化合物1によって発 生した電流はゆっくり変化する可逆性を有し、基線値まで完全に戻るのに10分 掛かった。 Dros GluClは、グルタメート類似体のイボテネート(100μMに おいて最大限に活性化)及び関連アミノ酸のアスパルテート(1mMにおいて最 大限の8%活性化)によっても可逆的に活性化された。Dros GluCl RNAを注入された卵母細胞は、1mM以上の濃度で試験したGABA、グリシ ン、カイネート、ヒスタミン及びN−メチル−D−アスパラギン酸に対して非感 受性であった。IVMPO4によって発生した電流は、リガンドゲートを具えた 塩化物チャンネルの遮断薬であるピクロトキシンによって弱く遮断された(50 0μMにおいて13%遮断)。実施例6 Dros GluCl cDNAの大腸菌発現ベクター中へのクローニング pETシリーズ(Novagen)を非限定的に含む大腸菌発現ベクター中に GluCl発現カセットを移入し、その後大腸菌に組み換えDros GluC lタンパク質 を産生させる。pETベクターはDros GluCl発現を、厳密に調節され たバクテリオファージT7プロモーターの制御下に置く。上述のように作製した 構築物を、誘導性lacプロモーターによって駆動されるT7 RNAポリメラ ーゼ遺伝子の染色体コピーを有する大腸菌宿主内に移入し、次に適当なlac基 質(IPTG)を培養物に添加するとDros GluClの発現が誘導される 。発現されたDros GluClのレベルを、先に述べたアッセイによって測 定する。 Dros GluClに対応する読み取り枠全体をコードするcDNAをpE T[16]11aのNdeI部位に挿入する。正の向きの構築物を配列解析によ り同定して、発現宿主株BL21の形質転換に用いる。次に、形質転換体を、D ros GluClタンパク質産生のための培養物への接種に用いる。培養物は 、その組成が当業者に公知であるM9またはZB培地中で増殖させ得る。OD60 0 =1.5まで増殖させた後、1mM IPTGを用いてDros GluCl の発現を37℃で3時間誘導する。実施例7 哺乳動物細胞系におけるDros GluClの発現 Dros GluCl cDNAを哺乳動物発現ベクターpMAMneo及び pcDNA3中へサブクローン化した。pMAMneoを制限エンドヌクレアー ゼNheIで消化し、かつKIenow酵素で処理して5′突出部分を満たした 。次に、DNAをSalIで消化して、1個の平滑末端と1個のSalI部位と を有する直鎖状ベクターを創出し、これを仔ウシ腸アルカリホスファターゼで処 理して自己連結を防止した。ベクターを0.7%アガロースゲル上でゲル精製し た。pDros GluClをSmaI及びSalIで消化してベクターから挿 入部分を取り出し、次いで0.7%アガロースゲル上を移動させて挿入部分を精 製した。上記cDNAを含む挿入部分を精製したpMAMneoベクターに連結 し、組み換え体を選択し、これを用いて哺乳動物L細胞をCaPO4沈澱によっ てトランスフェクトした。 pcDNA3をNotIで消化し、かつKlenow酵素で処理して5′突出 部分を満たした。次に、DNAをBamHIで消化して、1個の平滑末端と1個 のBamHI部位とを有する直鎖状ベクターを創出し、これを仔ウシ腸アルカリ ホスファターゼで処理して自己連結を防止した。 pDros GluClをSalIで消化し、かつKlenow酵素で処理して 5′突出部分を満たした。次に、DNAをBamHIで消化して、pcDNA3 ベクターと相容性である、1個の平滑末端と1個のBamHI部位とを有するc DNA断片を創出した。ベクターと挿入部分との両方を0.7%アガロースゲル 上でゲル精製し、その後両者を連結した。組み換え体を選択し、これを用いて哺 乳動物L細胞をCaPO4沈澱によってトランスフェクトした。 安定な細胞クローンを、G418の存在下での増殖によって選択した。G41 8耐性の単一クローンを単離したところ、無傷のDros GluCl遺伝子を 有することが判明した。Dros GluCl cDNAを有するクローンを、 GluClタンパク質に特異的な抗体を用いる免疫沈降法、ウェスタンブロッテ ィング及び螢光抗体法などの免疫学的技術を用いて発現に関して分析する。抗体 は、Dros GluCl配列から予測したアミノ酸配列に基づき合成したペプ チドを接種したウサギから得る。発現の分析は、パッチクランプ式の電気生理学 的技術、アニオン流動アッセイ、並びに3H−イベルメクチン及び3H−グルタ メート結合アッセイを用いても行なう。 Dros GluClを安定に、または一時的に発現させる細胞を用いて、ア ベルメクチン、グルタメート、化合物1感受性塩化物チャンネルの発現、及びリ ガンド結合活性について試験する。上記細胞を用いて上記以外の化合物を同定し 、かつ当該化合物が有する、アベルメクチン、グルタメート、化合物1感受性塩 化物チャンネルを調節し、阻害し、または活性化する能力、及び結合に関してア ベルメクチン、グルタメート、化合物1と競合する能力を調べる。上記細胞を用 いて、GluCl活性を調節する上記以外の化合物をアニオン流動アッセイで同 定及び試験する。 プロモーターに対して正の向きを有するDros GluCl cDNAを含 むカセットをプロモーターの3′に位置する適当な制限部位に連結し、制限部位 マッピング及び/または配列決定によって同定する。このようにして得られたc DNA発現ベクターを線維芽細胞である宿主細胞、例えばCOS−7(ATCC # CRL1651)、及びCV−1 tat(Sackevitz等, Sc ience 238, p.1575, 1987)、293, L(ATCC # CRL6362)内に、エレクトロポレーションや化学的操作(カチオン性 リポソーム、DEA Eデキストラン、リン酸カルシウム)を非限定的に含む標準的な方法で導入する 。トランスフェクトした細胞及び細胞培養上清を回収し、先に述べたようにして Dros GluCl発現に関し分析し得る。 哺乳動物移行(transient)発現に用いられるベクターは総て、Dr os GluClを発現させる安定な細胞系の樹立に用いることができる。発現 ベクター中へクローン化した、改変していないDros GluClcDNA構 築物は宿主細胞を、DrosGluClタンパク質を産生するようにプログラム すると予測される。加えて、Dros GluCl cDNA構築物を分泌タン パク質のシグナル配列をコードするDNAに連結すれば、Dros GluCl は分泌タンパク質として細胞外で発現される。トランスフェクション宿主細胞に は、CV−1−P(Sackevitz等, Science 238, p. 1575, 1987)、tk−L(Wigler等, Cell 11, p .223, 1977)、NS/0、及びdHFr−CHO(Kaufman及 びSharp, J. Mol. Biol. 159, p.601,198 2)が非限定的に含まれる。 Dros GluCl cDNAを含む任意のベクターと、G418、アミノ グリコシドホスホトランスフェラーゼ; ヒグロマイシン、ヒグロマイシン−B ホスホトランスフェラーゼ; APRT、キサンチン−グアニンホスホリボシル トランスフェラーゼを非限定的に含む薬物選択プラスミドとで同時トランスフェ クションを行なえば、安定にトランスフェクトされたクローンを選択することが できる。Dros GluClのレベルは本明細書中に述べたアッセイで測定す る。 GluCl cDNA構築物を、可能な最高レベルのDros GluClを 合成する哺乳動物細胞クローンの作製に用いられる、増幅可能な薬物耐性マーカ ーを有するベクター中にも連結する。このようにして得られた構築物を細胞内に 導入した後、プラスミドを有するクローンを適当な物質を用いて選択し、前記物 質の用量を徐々に増やしながら選択することによって高コピー数のプラスミドを 有する過剰発現クローンを単離する。 組み換えDros GluClの発現は、哺乳動物宿主細胞を完全長Dros GluCl cDNAでトランスフェクトすることによって実現できる。実施例8 Dros GluCl cDNAの、昆虫細胞における発現に用いられるバキュ ロウイルス発現ベクター中へのクローニング AcNPVウイルスのゲノムに由来するバキュロウイルスベクターを、昆虫細 胞のSf9系(ATCC# CRL1711)においてcDNAの高レベル発現 を実現するように設計する。Dros GluCl cDNAを発現させる組み 換えバキュロウイルスを、次の標準的な方法(InVitrogen Maxb ac Manual)で作成する。Dros GluCl cDNA構築物を、 pAC360及びBlueBacベクター(InVitrogen)を含めた様 々なバキュロウイルス移入ベクター中のポリヘドリン遺伝子中に連結する。バキ ュロウイルス移入ベクターと直鎖状AcNPVゲノムDNA(P. A. Ki tts, Nuc. Acid. Res. 18, p.5667, 199 0)とでSf9細胞を同時トランスフェクトした後に相同組み換えを行なうこと によって組み換えバキュロウイルスを発生させる。組み換えpAC360ウイル スは感染細胞内に封入体が存在しないことに よって同定し、組み換えpBlueBacウイルスはβ−ガラクトシダーゼ発現 に基づいて同定する(M. .D. Summers及びG. E. Smit h, Texas Agriculture Exp. Station Bu lletin, No.1555)。プラーク精製後、Dros GluCl発 現を本明細書中に述べたアッセイによって測定する。 Dros GluClに対応する読み取り枠全体をコードするcDNAをpB lueBacIIのBamHI部位に挿入する。正の向きの構築物を配列解析によ り同定して、直鎖状AcNPV野生型(mild type)DNAの存在下に Sf9細胞をトランスフェクトするのに用いる。 真正の活性Dros GluClは感染細胞の細胞質中に見出される。感染細 胞から活性Dros GluClを、低張溶解または洗浄剤溶解によって抽出す る。実施例9 Dros GluCl cDNAの酵母発現ベクター中へのクローニング 最適のDros GluCl cDNAシストロンを、異種タンパク質の細胞 内または細胞外発現を導くように設 計した発現ベクターに挿入し、その後酵母S. cerevisiaeに組み換 えDros GluClを産生させる。細胞内発現のためには、EmBLyex 4等のようなベクターをDros GluClシストロンに連結する(U. R inas等, Biotechnology 8, pp.543−545, 1990; B. Horowitz等, J. Biol. Chem. 2 65, pp.4189−4192, 1989)。細胞外発現のためにはDr os GluClシストロンを、Dros GluClタンパタ質のNH2末端 に分泌シグナル(酵母または哺乳動物ペプチド)を融合させる酵母発現ベクター 中に連結する(M. A. Jacobson, Gene 85, pp.5 11−516, 1989; L. Riett及びN. Bellon, B iochem. 28, pp.2941−2949, 1989)。 上記のようなベクターには、ヒト血清アルブミンシグナルをcDNA発現物と 融合させるpAVE1>6(O. Steep, Biotechnology 8, pp.42−46, 1990)、及びヒトリゾチームシグナル をcDNA発現物と融合させるベクターpL8PL(Y. Yamamoto, Biochem. 28, pp.2728−2732)が非限定的に含まれ る。加えて、ベクターpVEPを用いてDros GluClを酵母において、 ユビキチンと結合した融合タンパク質として発現させる(D. J. Ecke r, J. Biol. Chem. 264, pp.7715−7719, 1989; E. A. Sabin, Biotechnology 7, pp.705−709, 1989; D. P. McDonnell, Mol. Cell Biol. 9, pp.5517−5523, 198 9)。発現されたDros GluClを本明細書中に述べたアッセイによって 測定する。実施例10 組み換えDros GluClの精製 遺伝的組み換えによって産生されたDros GluClは、抗体アフィニテ ィークロマトグラフィーによって精製可能である。 抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合するようにN−ヒドロキシスク シンイミドエステルで予め活性化し たゲル支持体であるAffigel−10(Biorad)に抗Dros Gl uCl抗体を添加することにより、Dros GluCl抗体アフィニティーカ ラムを作製する。次に、スペーサーアームが介在するアミド結合によって抗体と ゲルとを結合させる。その後、残存する活性化エステルを1Mエタノールアミン HCl(pH8)で反応停止させる。カラムを水、次いで0.23MグリシンH Cl(pH2.6)で洗浄して、結合しなかった抗体や生体外タンパク質を除去 する。次に、カラムを洗浄剤などの適当な膜溶解剤と混合したリン酸緩衝食塩液 (pH7.3)中で平衡させ、このカラムに、可溶化されたDros GluC lを含有する細胞培養上清または細胞抽出物をゆっくり通す。その後、カラムを 洗浄剤と混合したリン酸緩衝食塩液で、光学密度(A280)が低下してバック グラウンドに達するまで洗浄してからタンパク質を、洗浄剤と混合した0.23 MグリシンHCl(pH2.6)で溶離する。このように精製したDros G luClタンパタ質をリン酸緩衝食塩液に対して透析する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年5月6日 【補正内容】請求の範囲 1. 配列番号5に示したヌクレオチド配列を含み、グルタメートゲートを具え たアニオンチャンネルとして機能するショウジョウバエアベルメクチン及び/ま たはグルタメート結合タンパク質をコードする精製DNA分子。 2. 請求項1に記載のDNA分子を含む、組み換え宿主細胞におけるショウジ ョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質発現のための 発現ベクター。 3. 請求項2に記載の発現ベクターを保有し、組み換えショウジョウバエアベ ルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質を発現させる宿主細胞。 4. ゲノムDNAであることを特徴とする請求項1に記載のDNA分子。 5. ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク 質を発現させる方法であって、 (a)請求項1に記載の発現ベクターで適当な宿主細胞をトランスフェクトする こと、及び (b)宿主細胞を前記発現ベクターからのショウジョウバエアベルメクチン及び /またはグルタメート結合タンパク 質の発現に適する条件下に培養すること を含む方法。 6. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機能するショウジ ョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質をコードする 精製DNA分子であって、前記タンパク質が配列番号6に示したアミノ酸配列を 含むDNA分子。 7. 請求項6に記載のDNA分子を含む、組み換え宿主細胞におけるショウジ ョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質発現のための 発現ベクター。 8. 請求項7に記載の発現ベクターを保有し、組み換えショウジョウバエアベ ルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質を発現させる宿主細胞。 9. ゲノムDNAであることを特徴とする請求項6に記載のDNA分子。 10. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機能するかまた はしないショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパ ク質として機能する、実質的に純粋な形態のタンパク質。 11. 配列番号6に示したアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項10 に記載のタンパク質またはその機能性誘導体。 12. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機能するかまた はしないショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパ ク質と免疫反応する単一特異性抗体。 13. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活性を遮断すること を特徴とする請求項12に記載の抗体。 14. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機能するかまた はしないショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパ ク質を組み換え宿主細胞において発現させる方法であって、 (a)請求項7に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内に移入すること、及び (b)ステップ(a)の宿主細胞を、アベルメクチン及び/またはグルタメート 結合タンパク質の発現ベクターからの発現を可能にする条件下に培養すること を含む方法。 15. アベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質活性を調節す る化合物を同定する方法であって、 (a)ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク 質活性の調節因子を、グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機 能するかまたはしないアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質 と組み合わせること、及び (b)調節因子がタンパク質に及ぼす作用を測定すること を含む方法。 16. 調節因子がタンパク質に及ぼす作用が、グルタメートゲートを具えたア ニオンチャンネルのリガンドの結合の抑制または促進であることを特徴とする請 求項15に記載の方法。 17. 調節因子がタンパク質に及ぼす作用が、グルタメートゲートを具えたア ニオンチャンネルを介してのアニオン流動の刺激または抑制であることを特徴と する請求項15に記載の方法。 18. アニオン流動が膜塩化物流動であることを特徴とする請求項17に記載 の方法。 19. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたア ニオンチャンネルの調節因子である、請求項15に記載の方法において活性であ る化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 C12N 1/21 G01N 33/53 G01N 33/53 D 33/577 33/577 B // C12P 21/02 C12P 21/02 C (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 アリーナ,ジヨウジフ・ピー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ペアレス,フイリツプ・エス アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 リユウ,ケン・ケイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能するシ ョウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパタ質をコー ドする、単離精製されたDNA分子またはその機能性誘導体。 2. 配列番号5に示したヌクレオチド配列を有することを特徴とする請求項1 に記載のDNA分子またはその機能性誘導体。 3. ゲノムDNAであることを特徴とする請求項1に記載のDNA分子。 4. 組み換え宿主におけるショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグル タメート結合タンパク質発現のための発現ベクターであって、グルタメートゲー トを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能するアベルメクチン及び/また はグルタメート結合タンパク質をコードする組み換え遺伝子またはその機能性誘 導体を含むベクター。 5. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能するア ベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質をコードする、配列番号 5に示したヌクレオチド配列を有するクローン化遺伝子またはその機 能性誘導体を含むことを特徴とする請求項4に記載のベクター。 6. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能するシ ョウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質をコー ドするゲノムDNAを含むことを特徴とする請求項4に記載のベクター。 7. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能するシ ョウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質をコー ドする、組み換え技術でクローン化された遺伝子またはその機能性誘導体を保有 する組み換え宿主細胞。 8. 配列番号5に示したヌクレオチド配列を有する前記遺伝子またはその機能 性誘導体を保有することを特徴とする請求項7に記載の細胞。 9. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルをコードする前記クロー ン化遺伝子がゲノムDNAであることを特徴とする請求項7に記載の細胞。 10. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能する ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質とし て機能する、 実質的に純粋な形態のタンパク質。 11. 配列番号6に示したアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項10 に記載のタンパク質またはその機能性誘導体。 12. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能する ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質と免 疫反応する単一特異性抗体。 13. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活性を遮断すること を特徴とする請求項12に記載の抗体。 14. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任意に機能する ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質を組 み換え宿主細胞において発現させる方法であって、 (a)請求項4に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内に移入すること、及び (b)ステップ(a)の宿主細胞を、アベルメクチン及び/またはグルタメート 結合タンパク質の発現ベクターからの発現を可能にする条件下に培養すること を含む方法。 15. アベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質活性を調節す る化合物を同定する方法であって、 (a)ショウジョウバエアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク 質活性の調節因子を、グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして任 意に機能するアベルメクチン及び/またはグルタメート結合タンパク質と組み合 わせること、及び (b)調節因子がタンパク質に及ぼす作用を測定すること を含む方法。 16. 調節因子がタンパク質に及ぼす作用が、グルタメートゲートを具えたア ニオンチャンネルのリガンドの結合の抑制または促進であることを特徴とする請 求項15に記載の方法。 17. 調節因子がタンパク質に及ぼす作用が、グルタメートゲートを具えたア ニオンチャンネルを介してのアニオン流動の刺激または抑制であることを特徴と する請求項15に記載の方法。 18. アニオン流動が膜塩化物流動であることを特徴とする請求項17に記載 の方法。 19. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの調 節因子である、請求項15に記載の方法において活性である化合物。 20. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの作 動物質または拮抗物質である、請求項15に記載の方法において活性である化合 物。 21. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの発 現の調節因子である、請求項15に記載の方法において活性である化合物。 22. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活 性の調節因子である、請求項15に記載の方法において活性である化合物を含有 する医薬組成物。 23. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルによって媒介される状 態の治療を必要とするヒト以外の動物の患者を治療する方法であって、請求項1 5に記載の方法において活性である、グルタメートゲートを具えたアニオンチャ ンネルを調節する化合物の投与を含む方法。 24. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルによって媒介される、 無脊椎生物感染または侵入を特徴と する状態の治療を必要とするヒト以外の動物の患者を治療する方法であって、請 求項15に記載の方法において活性である、グルタメートゲートを具えたアニオ ンチャンネルを調節する化合物の投与を含む方法。 25. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活性を調節する化合 物を同定する方法であって、 (a)ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活性 の調節因子を、グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルとして機能する かまたはしない組み換えアベルメクチン結合タンパク質を発現する細胞と組み合 わせること、及び (b)調節因子がチャンネルに及ぼす作用を測定すること を含む方法。 26. ステップ(b)の調節因子がチャンネルに及ぼす作用が、ショウジョウ バエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルのリガンドの結合の抑制ま たは促進であることを特徴とする請求項25に記載の方法。 27. ステップ(b)の調節因子がチャンネルに及ぼす作用が、ショウジョウ バエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルを介してのアニオン流動の 抑制または促 進であることを特徴とする請求項25に記載の方法。 28. アニオン流動が膜塩化物流動であることを特徴とする請求項27に記載 の方法。 29. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの調 節因子である、請求項25に記載の方法において活性である化合物。 30. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの作 動物質または拮抗物質である、請求項25に記載の方法において活性である化合 物。 31. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの発 現の調節因子である、請求項25に記載の方法において活性である化合物。 32. ショウジョウバエグルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルの活 性の調節因子である、請求項25に記載の方法において活性である化合物を含有 する医薬組成物。 33. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルによって媒介される状 態の治療を必要とするヒト以外の動物の患者を治療する方法であって、請求項2 5に記載の方法において活性である、グルタメートゲートを具えたアニ オンチャンネルを調節する化合物の投与を含む方法。 34. グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルによって媒介される、 無脊椎生物感染または侵入を特徴とする状態の治療を必要とするヒト以外の動物 の患者を治療する方法であって、請求項25に記載の方法において活性である、 グルタメートゲートを具えたアニオンチャンネルを調節する化合物の投与を含む 方法。 35. 請求項15に記載の方法において活性である、グルタメートゲートを具 えたアニオンチャンネルを調節する化合物の投与を含む作物処理方法。 36. 請求項25に記載の方法において活性である、グルタメートゲートを具 えたアニオンチャンネルを調節する化合物の投与を含む作物処理方法。
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