JP2001512671A - イヌノミグルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルをコードするdna分子 - Google Patents

イヌノミグルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルをコードするdna分子

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JP2001512671A JP2000506313A JP2000506313A JP2001512671A JP 2001512671 A JP2001512671 A JP 2001512671A JP 2000506313 A JP2000506313 A JP 2000506313A JP 2000506313 A JP2000506313 A JP 2000506313A JP 2001512671 A JP2001512671 A JP 2001512671A
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Abstract

(57)【要約】 現在のところ、L-グルタミン酸依存性塩素イオン(GluCl)チャンネルは、無脊椎生物のみにおいて認められている。このチャンネルのモジュレーター(アゴニストまたはアンタゴニスト)は神経伝達を妨げるであろう。例えば、アベルメクチンなどの物質はGluClを活性化し、神経伝達物質の遊離の遮断により麻痺を引き起こし、該生物を死に至らしめる。GluClチャンネルは無脊椎動物に特異的であるため、それは、脊椎動物におけるメカニズム依存的毒性の欠如による際立った安全性プロフィールを示す新規殺虫剤、駆虫剤および寄生虫撲滅剤を見出すための優れた標的である。本明細書は、L-グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルをコードするC. felis (Ctenocephalides felis)由来のcDNAクローン(CfGluCl-1)の単離について開示する。アフリカツメガエル卵母細胞内でのCfGluCl-1 cRNAの異種発現は、L-グルタミン酸依存性塩素イオン流の活発な発現を引き起こし、該チャンネルは、アベルメクチンにより活性化され強化される。異種発現系におけるCfGluCl-1の発現は、新規GluClチャンネルアゴニストおよびアンタゴニストに関するスクリーニングに有用である。また、本明細書は、GluClチャンネルモジュレーターに関するスクリーニングの改良方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、1つには、Ctenocephalides felis(ノミ)グルタミン酸依存性塩素
イオン(塩化物イオン)チャンネルをコードする単離された核酸分子(ポリヌク
レオチド)に関する。本発明はまた、C. felisグルタミン 酸依存性塩素イオン チャンネルをコードするDNA断片を含有する組換えベクターおよび組換え宿主、 実質的に精製された形態の関連 C. felisグルタミン 酸依存性塩素イオンチャン
ネル、関連突然変異タンパク質、および、関連 C. felisグルタミン 酸依存性塩
素イオンチャンネルを調節する化合物(これは殺虫剤として有用であろう)の同
定に関連した方法に関する。
【0002】 (発明の背景) グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネル(またはH受容体)は、節足動物の 神経および筋肉において同定されている(Lingleら, 1981, Brain Res. 212:481
-488; Horsemanら, 1988, Neurosci. Lett. 85:65-70; WaffordおよびSattelle,
1989, J. Exp. Bio. 144:449-462; LeaおよびUsherwood, 1973, Comp. Gen. Pa
rmacol. 4:333-350; およびCull-Candy, 1976, J. Physiol. 255:449-464)。
【0003】 また、グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルは、土壌線虫セノラブディテ
ィス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)(Cullyら, 1994, Nature 371:70
7-711; 米国特許第5,527,703号も参照されたい)およびキイロショウジョウバエ
(Drosophila melanogaster)(Cullyら, 1996, J. Biol. Chem. 271:20187-201
91)からクローニングされている。
【0004】 無脊椎動物グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルは、広く使用されている
駆虫および殺虫化合物であるアベルメクチンのクラスの重要な標的である。アベ
ルメクチンは、元々は放線菌ストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyc
es avermitilis)から単離された大環状ラクトンのファミリーである。半合成ア
ベルメクチン誘導体であるイベルメクチン(22,23-ジヒドロ-アベルメクチンB )は、ヒトおよび動物における寄生性の蠕虫および有害昆虫を処理するために
世界中で使用されている。アベルメクチンは依然として、宿主に対して低毒性を
示す最も強力な広域スペクトル性エンデクトサイド(endectocides)である。こ
の分野で長年使用された後でも依然として、昆虫集団においてアベルメクチンに
対する耐性はほとんど生じていない。グルタミン酸依存性塩素イオン(GluCl) チャンネルは依然として殺虫剤の開発のための良好な標的であることが、良好な
治療指数および低い耐性の組合せから強く示唆される。
【0005】 動物の健康または作物の保護のための殺虫、殺ダニおよび/または殺線虫活性
を有しうる新規GluClチャンネルモジュレーターを同定するスクリーニングを可 能にするためには、GluClチャンネルをコードする追加的な無脊椎動物遺伝子が 同定するのが有益であろう。本発明は、これらの要求に向けられていて、Ctenoc
ephalides felis(イヌノミ)のGluGlチャンネルを発現する単離された核酸分子
(ツメガエル卵母細胞におけるノミGluCl cRNAの発現は活性GluClチャンネルを 与える)を開示することによりこれらを満足させるものである。
【0006】 (発明の概要) 本発明は、新規無脊椎動物GluClチャンネルタンパク質をコードする単離され た核酸分子(ポリヌクレオチド)、特に機能的C. felis GluCl(本発明では「Cf
GluCl」)チャンネルをコードする核酸分子に関する。
【0007】 本発明はまた、生物学的に活性なCfGluClチャンネルを発現するmRNAをコード するCfGluClの単離された核酸断片に関する。そのようないずれのポリヌクレオ チドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめ(truncated) およびカルボキシ末端切りつめを含むが、必ずしもこれらに限定されるものでは
ない(これらの突然変異は、C. felis GluCl活性のアゴニストおよび/またはア
ンタゴニストに関するスクリーニングに有用となるようツメガエル卵母細胞など
の真核細胞内で機能的C. felis GluClチャンネルを発現するcRNAをコードするよ
うなものである)。
【0008】 本発明の単離された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一
本鎖ポリヌクレオチドが含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、
リボ核酸分子(RNA)、例えば、生物学的に活性なC. felis GluClチャンネルを コードするメッセンジャーRNA(mRNA)、および完全長C. felis GluClチャンネ ルの完全長または生物学的に活性な一部をコードするDNA分子を含む組換え発現 ベクターから転写された相補的RNA(cRNA)など(これらに限定されるものでは ない)が含まれうる。
【0009】 本発明の好ましい態様を、図1A〜Bおよび配列番号1(C. felis GluClチャンネ
ルCfGluCl-1をコードする単離されたcDNA分子)に開示する。
【0010】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
(特に、C. felis GluClチャンネルCfGluClをコードする核酸分子、例えば、図1
A〜Bに開示し配列番号1に記載するcDNA分子)を含有する組換えベクターおよび 組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関する。
【0011】 本発明はまた、実質的に精製された形態のC. felis GluClチャンネルタンパク
質、特に、図2に開示し配列番号2に記載するC. felis GluClチャンネルに関する
【0012】 本発明は、C. felis GluClチャンネルを含んでなり、混入タンパク質(例えば
、CfGluClを発現する組換え細胞からの他のC. felis 由来タンパク質または宿主
タンパク質などであるが、これらに限定されるものではない)を実質的に含まな
い実質的に精製された膜調製物に関する。特に好ましいのは、図2に開示し配列 番号2に記載するC. felis GluClチャンネルを含む膜調製物である。この目的の ために、本発明はまた、組換えベクターがC. felis GluClチャンネルを発現する
組換え宿主(組換え真核性宿主であるか組換え原核性宿主であるかには無関係で
ある)から精製された実質的に精製された膜調製物に関する。特に好ましいのは
、図2に開示し配列番号2に記載するC. felis GluClチャンネルCfGluClの組換え 形態(CfGluCl-1と称される)を含む膜調製物である。
【0013】 本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカル
ボキシ末端切りつめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、C. f
elis GluClチャンネルタンパク質の生物学的に活性な断片および/または突然変
異体(図2に開示し配列番号2に記載するCfGluClタンパク質を含むが、これらに 限定されるものではない)(これらの突然変異は、C. felis GluClチャンネル活
性のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに関するスクリーニングに有用な
生物学的に活性なチャンネルを与えるようなものである)に関する。
【0014】 本発明はまた、図3に例示し配列番号3に記載するノミGluClチャンネルタンパ ク質の切りつめ形態(本発明では「tr-CfGluCl」)をコードする単離された核酸
分子(ポリヌクレオチド)に関する。ツメガエル(Xenopus)卵母細胞内でのtr-
CfGluClとCfGluClとの同時発現はグルタミン酸依存性チャンネル活性を抑制する
ことが示されている。
【0015】 本発明はまた、標的細胞型におけるCfGluClチャンネル活性の抑制または促進 を含む(これらに限定されるものではない)、tr-CfGluClの生物学的に活性な形
態を発現するcRNAをコードするtr-CfGluCl-1の単離された核酸断片(配列番号3 )に関する。そのようないずれのポリヌクレオチドも、該切りつめ形態からの、
ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカルボキシ末端切
りつめを含むが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0016】 この場合もまた、そのようないずれの切りつめ型核酸分子にも(CfGluClと比 べた場合)、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲノムDNAおよび相補的DNA (cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖)または二本鎖であること が可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一本鎖ポリヌクレオチドが
含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、リボ核酸分子(RNA)、 例えば、完全長C. felis GluClチャンネルの切りつめ体をコードするDNA分子を 含む組換え発現ベクターから転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)または相補 的RNA(cRNA)など(これらに限定されるものではない)が含まれうる。
【0017】 本発明のこの形態の好ましい態様を、図3A〜Bおよび配列番号4(C. felis Glu
Clチャンネルの切りつめ体をコードする単離されたcDNA分子)に開示する。
【0018】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
(特に、C. felis GluClチャンネルの切りつめ体をコードする核酸分子、例えば
、図3A〜Bに開示し配列番号3に記載するcDNA分子)を含有する組換えベクターお
よび組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関する。
【0019】 本発明はまた、実質的に精製された形態のC. felis GluClチャンネルの切りつ
め体(trCfGluCl)、特に、図4に開示し配列番号4に記載するC. felis GluClチ ャンネルの切りつめ体(trCfGluCl-1と称される)に関する。
【0020】 本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカル
ボキシ末端切りつめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、切り
つめC. felis GluClチャンネル(trCfGluCl-1)の生物学的に活性な断片および /または突然変異体に関する。
【0021】 新規形態のC. felis GluClチャンネルおよびその生物学的に活性な断片(配列
番号2の誘導体)をコードする単離された核酸分子を提供することが、本発明の1
つの目的である。
【0022】 前段落に記載の核酸分子にコードされるC. felis GluClチャンネルタンパク質
またはタンパク質断片を提供することが、本発明のもう1つの目的である。
【0023】 C. felis GluClチャンネルまたはその生物学的等価体をコードする核酸配列を
含む組換えベクターおよび組換え宿主細胞を提供することが、本発明のもう1つ の目的である。
【0024】 精製された形態のC. felis GluClチャンネルまたはその生物学的等価体(配列
番号2に記載のもの)を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0025】 C. felis GluClチャンネルを含んでなり混入タンパク質を実質的に含まない膜
調製物を提供することが、本発明の1つの目的である。この膜調製物には、組換 え宿主から精製された膜調製物が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0026】 アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカルボキシ末端切り
つめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、CfGluClの生物学的 に活性な断片および/または突然変異体(これらの突然変異は、診断用、治療用
または予防用のタンパク質またはタンパク質断片を与える)を提供することが、
本発明の1つの目的である。
【0027】 実質的に精製された形態のCfGluCl-1(配列番号4に記載のもの)を提供するこ
とが、本発明の1つの目的である。
【0028】 アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカルボキシ末端切り
つめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、CfGluClの生物学的 に活性な断片および/または突然変異体を提供することが、本発明の1つの目的 である。
【0029】 本発明で用いる「GluCl」は、グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルを意 味する。
【0030】 本発明で用いる「CfGluCl」は、生物学的に活性な形態の C. felisグルタミン
酸依存性塩素イオンチャンネルを意味する。
【0031】 本発明で用いる「cDNA」は、相補的DNAを意味する。
【0032】 本発明で用いる「mRNA」は、メッセンジャーRNAを意味する。
【0033】 本発明で用いる「cRNA」は、組換えcDNA鋳型から転写された相補的RNAを意味 する。
【0034】 (発明の詳細な記載) L-グルタミン酸依存性塩素イオン(GluCl)チャンネルは、無脊椎生物のみに おいて認められている。このチャンネルのモジュレーター(アゴニストまたはア
ンタゴニスト)は神経伝達を妨げるであろう。アベルメクチンなどの物質は、こ
のチャンネルを活性化し、神経伝達物質の遊離の遮断により麻痺を引き起こし、
該生物を死に至らしめる。GluClチャンネルは無脊椎動物に特異的であるため、 それは、脊椎動物におけるメカニズム依存的(mechanism based)毒性の欠如に よる際立った安全性プロフィールを示す新規殺虫剤、駆虫剤および寄生虫撲滅剤
を見出すための優れた標的である。本発明は、新規無脊椎動物GluClチャンネル タンパク質をコードする単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)、特に、機能
的C. felis GluClチャンネル(本発明では「CfGluCl」)をコードする核酸分子 に関する。ツメガエル卵母細胞内でのCfGluCl cRNAの異種発現は、L-グルタミン
酸依存性塩素イオン流の活発(robust)な発現を引き起こす。CfGluClチャンネ ルは、アベルメクチン(例えば、イベルメクチンホスファート)により活性化さ
れ強化される。異種発現系におけるCfGluCl-1の発現を用いて、新規GluClチャン
ネルモジュレーターに関するスクリーニングを確立することができる。そのよう
な化合物は、メカニズム依存的脊椎動物毒性を欠くため、ヒトおよび動物の健康
および作物の保護において駆虫剤および殺虫剤として有用であろう。
【0035】 この目的のために、本発明はまた、生物学的に活性なCfGluClチャンネルを発 現するcRNAをコードするCfGluClの単離された核酸断片に関する。そのようない ずれのポリヌクレオチドも、ヌクレオチドの置換、欠失、付加、アミノ末端切り
つめおよびカルボキシ末端切りつめを含むが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない(これらの突然変異は、C. felis GluCl活性のアゴニストおよび/また
はアンタゴニストに関するスクリーニングに有用となるようツメガエル卵母細胞
などの真核細胞内で機能的C. felis GluClチャンネルを発現するcRNAをコードす
るようなものである)。
【0036】 本発明の好ましい態様を、図1A〜Bおよび配列番号1(C. felis GluClチャンネ
ルCfGluCl-1をコードする単離されたcDNA分子)に開示する。
【0037】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
(特に、C. felis GluClチャンネルCfGluClをコードする核酸分子、例えば、図1
A〜Bに開示し配列番号1に記載するcDNA分子)を含有する組換えベクターおよび 組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関する。
【0038】 本発明の単離された核酸分子には、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲ ノムDNAおよび相補的DNA(cDNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖) または二本鎖であることが可能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一
本鎖ポリヌクレオチドが含まれうる。また、本発明の単離された核酸分子には、
リボ核酸分子(RNA)、例えば、生物学的に活性なC. felis GluClチャンネルを コードするメッセンジャーRNA(mRNA)、および完全長C. felis GluClチャンネ ルの完全長または生物学的に活性な部分をコードするDNA分子を含む組換え発現 ベクターから転写された相補的RNA(cRNA)を含む(これらに限定されるもので はない)を含めることが可能である。
【0039】 特定のアミノ酸をコードする種々のコドンには、かなりの量の重複が存在する
ことが公知である。したがって、本発明はまた、以下に示す同一アミノ酸をコー
ドする代替的コドンを含むmRNAまたはcRNAを転写するDNA配列に関する。
【0040】 A=Ala=アラニン:コドンGCA、GCC、GCG、GCU C=Cys=システイン:コドンUGC、UGU D=Asp=アスパラギン酸:コドンGAC、GAU E=Glu=グルタミン酸:コドンGAA、GAG F=Phe=フェニルアラニン:コドンUCC、UUU G=Gly=グリシン:コドンGGA、GGC、GGG、GGU H=His=ヒスチジン:コドンCAC、CAU I=Ile=イソロイシン:コドンAUA、AUC、AUU K=Lys=リシン:コドンAAA、AAG L=Leu=ロイシン:コドンUUA、UUG、CUA、CUC、CUG、CUU M=Met=メチオニン:コドンAUG N=Asp=アスパラギン:コドンAAC、AAU P=Pro=プロリン:コドンCCA、CCC、CCG、CCU Q=Gln=グルタミン:コドンCAA、CAG R=Arg=アルギニン:コドンAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、CGU S=Ser=セリン:コドンAGC、AGU、UCA、UCC、UCG、UCU T=Thr=トレオニン:コドンACA、ACC、ACG、ACU V=Val=バリン:GUA、GUC、GUG、GUU W=Trp=トリプトファン:コドンUGG Y=Tyr=チロシン:コドンUAC、UAU
【0041】 したがって、本発明は、同一タンパク質を発現するDNA分子の相違をもたらし うるコドンの重複性を開示する。本明細書の目的においては、1以上の置換コド ンを保持する配列を縮重変異体と定義する。また、発現されるタンパク質の最終
的な物理的特性を実質的に改変しない、DNA配列または翻訳されたタンパク質に おける突然変異も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、ロイシンからバリン、
リシンからアルギニン、またはグルタミンからアスパラギンへの置換は、該ポリ
ペプチドにおける機能性における変化を引き起こさないであろう。
【0042】 あるペプチドをコードするDNA配列は、その天然に存在するペプチドとは異な る特性を有するペプチドをコードするように改変されうることが公知である。DN
A配列の改変方法には、部位特異的突然変異誘発が含まれるが、これに限定され るものではない。改変される特性には、例えば、基質に対する酵素の又はリガン
ドに対する受容体のアフィニティーの変化が含まれるが、これらに限定されるも
のではない。
【0043】 本発明で用いる「精製(された)」および「単離(された)」は、問題の核酸
、タンパク質またはそれらのそれぞれの断片が、そのインビボ環境から実質的に
取り出されていて、それが当業者により種々の手段(例えば、核酸断片に関する
ヌクレオチドの配列決定、制限消化、部位特異的突然変異誘発および発現ベクタ
ー中へのサブクローニング、ならびにポリクローナル抗体、モノクローナル抗体
の産生の機会を与える純粋な相当量のタンパク質またはタンパク質断片の入手、
アミノ酸の配列決定およびペプチドの消化が挙げられるが、これらに限定される
ものではない)で操作されうることを表すために互換的に使用する。したがって
、本発明で特許請求する核酸は、全細胞中または細胞ライセート中または部分的
に精製された若しくは実質的に精製された形態中に存在することが可能である。
核酸は、それが周囲の混入物から精製されている場合に、実質的に精製されてい
るとみなされる。したがって、細胞から単離された核酸配列は、標準的な方法に
より細胞成分から精製されている場合には、実質的に精製されているとみなされ
、一方、化学合成された核酸配列は、その化学前駆体から精製されている場合に
は、実質的に精製されているとみなされる。
【0044】 本発明はまた、実質的に精製された形態のC. felis GluClチャンネルCfGluCl 、特に、図2に開示し配列番号2に記載するC. felis GluClチャンネル(CfGluCl-
1と称される)に関する。
【0045】 本発明は、C. felis GluClチャンネルを含んでなり混入タンパク質を実質的に
含まない膜調製物に関する。特に好ましいのは、図2に開示し配列番号2に記載す
るC. felis GluClチャンネル(CfGluCl-1と称される)を含む膜調製物である。 本発明は、組換えベクターがC. felis GluClチャンネルを発現する組換え宿主
(組換え真核性宿主であるか組換え原核性宿主であるかには無関係である)から
精製された実質的に精製された膜調製物に関する。特に好ましいのは、図2に開 示し配列番号2に記載するC. felis GluClチャンネルCfGluClの組換え形態(CfGl
uCl-1と称される)を含む膜調製物である。
【0046】 本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカル
ボキシ末端切りつめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、CfGl
uCl-1の生物学的に活性な断片および/または突然変異体(これらの突然変異は 、C. felis GluClチャンネル活性のアゴニストおよび/またはアンタゴニストに
関するスクリーニングに有用な生物学的に活性なチャンネルを与えるようなもの
である)に関する。
【0047】 本発明で用いる、野生型C. felis GluClチャンネルの「生物学的に活性な等価
体」または「機能的誘導体」は、野生型C. felis GluClチャンネルの生物活性と
実質的に類似した生物活性を有する。「機能的誘導体」なる語は、野生型C. fel
is GluClチャンネルタンパク質の「断片」、「突然変異体」、「変異体」、「縮
重変異体」、「類似体」および「ホモログ」または「化学誘導体」を包含する意
である。「断片」なる語は、野生型C. felis GluClの任意のポリペプチドサブセ
ットを意味する。「突然変異体」なる語は、野生型形態と実質的に類似している
ことがあるが異なる生物学的特性を有する分子を意味する。そのような改変され
た特性には、改変された基質結合性、改変された基質アフィニティー、およびC.
felis GluClチャンネルおよび/またはC. felis GluClチャンネル誘導体の生物
活性に影響を及ぼす化合物に対する改変された感受性が含まれるが、これらに限
定されるものではない。「変異体」なる語は、構造および機能において全野生型
タンパク質またはその断片と実質的に類似している分子を意味する。ある分子が
野生型C. felis GluClチャンネルおよび/またはC. felis GluClチャンネル様タ
ンパク質と「実質的に類似」しているのは、両方の分子が、実質的に類似した構
造を有する場合、または両方の分子が、類似した生物活性を有する場合である。
したがって、それらの2つの分子が、実質的に類似した活性を有する場合には、 それらの分子の一方の構造が他方において見出されない場合であっても、あるい
はそれらの2つのアミノ酸配列が同一でない場合であっても、それらは変異体で あるとみなされる。「類似体」なる語は、完全長C. felis GluClチャンネルおよ
び/またはC. felis GluClチャンネルまたはそれらの生物学的に活性な断片と機
能において実質的に類似している分子を意味する。
【0048】 本発明はまた、図3A〜Bに例示し配列番号3に記載するノミGluClチャンネルタ ンパク質の切りつめ形態(本発明では「tr-CfGluCl」)をコードする単離された
核酸分子(ポリヌクレオチド)に関する。ツメガエル卵母細胞内でのtr-CfGluCl
とCfGluClとの同時発現は、グルタミン酸依存性チャンネル活性を抑制する。
【0049】 本発明はまた、標的細胞型におけるCfGluClチャンネル活性の抑制または促進 を含む(これらに限定されるものではない)tr-CfGluClの生物学的に活性な形態
を発現するcRNAをコードする配列番号3の単離された核酸断片に関する。そのよ うないずれのポリヌクレオチドも、該切りつめ形態からのヌクレオチドの置換、
欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカルボキシ末端切りつめを含むが、必ず
しもこれらに限定されるものではない。
【0050】 この場合もまた、そのようないずれの切りつめ核酸分子にも(CfGluClと比べ た場合)、デオキシリボ核酸分子(DNA)、例えばゲノムDNAおよび相補的DNA(c
DNA)[これは一本鎖(コード鎖または非コード鎖)または二本鎖であることが可
能である]、ならびに合成DNA、例えば合成された一本鎖ポリヌクレオチドが含ま
れうる。また、本発明の単離された核酸分子には、リボ核酸分子(RNA)、例え ば、完全長C. felis GluClチャンネルの切りつめ体をコードするDNA分子を含む 組換え発現ベクターから転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)または相補的RNA
(cRNA)など(これらに限定されるものではない)が含まれうる。
【0051】 本発明はまた、本明細書の全体にわたり開示する実質的に精製された核酸分子
(特に、C. felis GluClチャンネルCfGluClの切りつめ体をコードする核酸分子 、例えば、図3A〜Bに開示し配列番号3に記載するcDNA分子)を含有する組換えベ
クターおよび組換え宿主(原核性および真核性の両方)に関する。
【0052】 本発明はまた、実質的に精製された形態のC. felis GluClチャンネルの切りつ
め体(trCfGluCl)、特に、図4に開示し配列番号4に記載するC. felis GluClチ ャンネルの切りつめ体(trCfGluCl-1)に関する。
【0053】 本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、付加、アミノ末端切りつめおよびカル
ボキシ末端切りつめを含む(必ずしもこれらに限定されるものではない)、trCf
GluCl-1の生物学的に活性な断片および/または突然変異体に関する。
【0054】 C. felis GluClチャンネルをクローニングするためには、種々の方法のいずれ
かを用いることが可能である。これらの方法には、以下の技術が含まれるが、こ
れに限定されるものではない。(1)RACE PCRクローニング技術(Frohmanら, 19
88, Proc. Natl. Acad. Sci. 85:8998-9002)。完全長cDNA配列を得るために、5
′および/または3′ RACEを行なうことができる。この方法は、C. felis GluCl
チャンネル cDNAのPCR増幅用の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーの使
用を伴う。これらの遺伝子特異的プライマーは、公に利用可能な多数の核酸およ
びタンパク質データベースを検索することにより同定されたEST(発現している タグ配列)ヌクレオチド配列の同定を介して設計する。(2)適当な発現ベクタ ー系におけるC. felis GluClチャンネル含有cDNAライブラリーの構築後のC. fel
is GluClチャンネルcDNAの直接機能発現。(3)C. felis GluClチャンネルタン パク質のアミノ酸配列から設計した標識縮重オリゴヌクレオチドプローブによる
、バクテリオファージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築されたC. fel
is GluClチャンネル含有cDNAライブラリーのスクリーニング。(4)C. felis Gl
uClチャンネルタンパク質をコードする部分cDNAによる、バクテリオファージま たはプラスミドシャトルベクター中に構築されたC. felis GluClチャンネル含有
cDNAライブラリーのスクリーニング。この部分cDNAは、該C. felis GluClチャン
ネルタンパク質に関連した他のキナーゼに関して知られているアミノ酸配列から
の縮重オリゴヌクレオチドプライマーの設計による、C. felis GluClチャンネル
DNA断片の特異的PCR増幅により得られる。(5)C. felis GluClチャンネルタン パク質をコードする部分cDNAによる、バクテリオファージまたはプラスミドシャ
トルベクター中に構築されたC. felis GluClチャンネル含有cDNAライブラリーの
スクリーニング。また、この方法は、前記のとおりにESTとして同定されたC. fe
lis GluClチャンネルcDNAのPCR増幅用の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライ
マーの使用を伴うことがある。(6)鋳型として配列番号1を使用することによる
、5′および3′遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの設計。それにより、該完全長
cDNAを公知RACE技術により作製するか、あるいは該コード領域の一部を、これら
の同じ公知RACE技術により作製して、cDNAおよび/またはゲノムライブラリーの
多数の型の1つをスクリーニングするためのプローブとして使用するコード領域 の一部を作製し単離して、C. felis GluClチャンネルをコードするヌクレオチド
配列の完全長形態を単離することが可能である。
【0055】 C. felis GluClチャンネル活性を有する細胞または細胞系から適当なcDNAライ
ブラリーを調製しうることは、当業者に容易に認められる。C. felis GluClチャ
ンネルをコードするcDNAの単離用のcDNAライブラリーの調製に使用するための細
胞または細胞系の選択は、まず、細胞関連C. felis GluClチャンネル活性を測定
する(これは、そのような目的に利用可能な公知の任意のアッセイを用いて行な
うことができる)ことにより行なうことができる。
【0056】 cDNAライブラリーの調製は、当技術分野でよく知られた標準的な技術により行
なうことができる。よく知られたcDNAライブラリー構築技術は、例えば、Sambro
okら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor L
aboratory, Cold Spring Harbor, New Yorkに記載されている。また、相補的DNA
ライブラリーは、Clontech Laboratories, Inc.およびStratageneを含む(これ に限定されるものではない)多数の商業的起源から入手することができる。
【0057】 また、C. felis GluClチャンネルをコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブ
ラリーからも単離しうることが、当業者に容易に認められる。ゲノムDNAライブ ラリーの構築は、当技術分野でよく知られた標準的な技術により行なうことがで
きる。よく知られたゲノムDNAライブラリー構築技術は、Sambrookら(前掲)に 記載されている。
【0058】 これらの好ましい方法の1つによりC. felis GluClチャンネル遺伝子をクロー ニングするためには、C. felis GluClチャンネルまたは相同タンパク質のアミノ
酸配列またはDNA配列が必要かもしれない。これを達成するために、C. felis Gl
uClチャンネルタンパク質または相同タンパク質を精製し、自動シークエネータ ーにより部分アミノ酸配列を決定することができる。全アミノ酸配列を決定する
ことは必ずしも必要でないが、部分C. felis GluClチャンネルDNA断片のPCR増幅
のために、6〜8アミノ酸の2つの領域の直鎖配列を決定することが可能である。 適当なアミノ酸配列を同定したら、それらをコードしうるDNA配列を合成する。 遺伝暗号は縮重性であるため、特定のアミノ酸をコードするのに2以上のコドン が使用されることがある。したがって、該アミノ酸配列は、類似したDNAオリゴ ヌクレオチドの任意のセットによりコードされうる。該セットの1つのメンバー だけが、C. felis GluClチャンネル配列と同一になる。しかし、該セットのその
他のメンバーは、ミスマッチを有するDNAオリゴヌクレオチドの存在下であって も、C. felis GluClチャンネルDNAにハイブリダイズしうるであろう。そのミス マッチDNAオリゴヌクレオチドは、それでもなお、C. felis GluClチャンネルを コードするDNAの同定および単離を可能にするのに十分な程度にC. felis GluCl チャンネルDNAにハイブリダイズしうる。あるいは、利用可能な1以上のゲノムデ
ータベースを検索することにより、発現される配列の領域のヌクレオチド配列を
同定することができる。cDNAライブラリーまたはcDNA集団から、関心のあるcDNA
のPCR増幅を行なうためには、遺伝子特異的プライマーを使用することができる 。前記のとおり、PCRに基づく方法で使用するための適当なヌクレオチド配列は 、配列番号1から得ることが可能であり、これらを使用して、重複する5′および
3′ RACE産物を単離し、C. felis GluClチャンネルをコードする完全長配列を作
製したり、あるいはC. felis GluClチャンネルをコードするヌクレオチド配列の
一部を単離して、cDNAまたはゲノムに基づくライブラリーの1以上をスクリーニ ングするためのプローブとして使用して、C. felis GluClチャンネルまたはC. f
elis GluCl様タンパク質をコードする完全長配列を単離することが可能である。
【0059】 例示している方法においては、ファジミドクローニングベクターλZAPII(Str
atagene, LaJolla, CA)において調製したC. felis cDNAライブラリーをスクリ ーニングすることによりC. felis GluClチャンネルcDNAを作製した。このライブ
ラリーを、ショウジョウバエ(Drosophila)グルタミン酸依存性塩素イオンチャ
ンネルの最後の4アミノ酸以外の全部をコードするDrosGluCl cDNA(Cullyら, 19
96, J. Biol. Chem. 271:20187-20191; 受託番号U58776)のヌクレオチド471〜1
760に対応するDNAプローブでスクリーニングした。2つの陽性クローンF5Aおよび
F6を、さらなる分析のために選択した。これらのcDNAクローンは、図4および配 列番号4に開示する切りつめポリペプチド(本明細書中ではtrCfGluCl-1と称され
る)をコードしていることが示された。クローンF5Aのアミノ末端領域における 切りつめはフレームシフト突然変異をもたらしたことが、本明細書に示されてい
る。また、この切りつめは、実際には、切りつめタンパク質trCfGluCl-1の発現 を引き起こすフレームシフト突然変異につながる推定アミノ末端細胞外ドメイン
の71ヌクレオチドの欠失によるものであることが、本明細書に示されている。推
定C. felis GluClチャンネルcDNAの該欠失部分を含有するcDNA断片を、ランダム
にプライムされたネコcDNAのPCR増幅により作製した。その欠失している71ヌク レオチドとF5Aクローンにおいて開示されているフランキング配列とを含有する ことがDNA配列分析により示されている532bpのPCR断片を増幅するために、プラ イマー1(5′-CTCAGAGTCAGGATCCGGCTA-3′; 配列番号5)およびプライマー2(5 ′-CTGAAAGTTAACTGGACACTG-3′; 配列番号6)を標準的なPCR反応において使用し
た。このPCR産物の517bpのBamHI/HpaI断片を単離し、BamHI/HpaIで消化されたF5
Aクローン中に挿入して、図1A〜Bに示すFlea51と称される完全長cDNAクローンを
作製した。このcDNA分子は、図2に示し配列番号2に記載するC. felis GluClチャ
ンネルをコードするオープンリーディングフレームを含有する。また、CfGluCl チャンネルタンパク質をコードする例示されているcDNAの5′非翻訳領域を決定 した。それを配列番号7として記載する。
【0060】 哺乳類細胞中で組換えC. felis GluClチャンネルタンパク質を発現させるため
には、種々の哺乳類発現ベクターを使用することができる。発現ベクターは、本
発明では、適当な宿主におけるクローン化DNAの転写およびそれらのmRNAの翻訳 に必要なDNA配列と定義される。そのようなベクターを使用して、細菌、藍藻類 、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞などの種々の宿主中で真核性DNAを発現させる ことができる。特別に設計されたベクターは、細菌−酵母または細菌−動物細胞
などの宿主間のDNAの往復(シャトル)を可能にする。適切に構築された発現ベ クターは、宿主細胞内での自律複製のための複製起点、選択マーカー、一定数の
有用な制限酵素部位、潜在的な高コピー数および活性なプロモーターを含有すべ
きである。プロモーターは、RNAポリメラーゼがDNAに結合しRNA合成を開始する のを指令するDNA配列と定義される。強力なプロモーターは、mRNAの高頻度の開 始をもたらすものである。発現ベクターには、クローニングベクター、修飾され
たクローニングベクター、特別に設計されたプラスミドまたはウイルスを含める
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】 組換えC. felis GluClチャンネルタンパク質の発現に適している可能性がある
商業的に入手可能な哺乳類発現ベクターには、pcDNA3.1(Invitrogen)、pLITMU
S28、pLITMUS29、pLITMUS38およびpLITMUS39(New England Bioloabs)、pcDNAI
、pcDNAIamp(Invitrogen)、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、
pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO-pSV2-neo(ATCC37593)、pBPV-
1(8-2)(ATCC37110)、pdBPV-MMTneo(342-12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37
199)、pRSVneo(ATCC37198)、pSV2-dhfr(ATCC37146)、pUCTag(ATCC37460)
およびλZD35(ATCC37565)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0062】 細菌細胞中で組換えC. felis GluClチャンネルを発現させるためには、種々の
細菌発現ベクターを使用することができる。組換えC. felis GluClチャンネルタ
ンパク質の発現に適している可能性がある商業的に入手可能な細菌発現ベクター
には、pCR2.1(Invitrogen)、pET11a(Novagen)、ラムダgt11(Invitrogen) およびpKK223-3(Pharmacia)が含まれるが、これらに限定されるものではない 。
【0063】 真菌細胞中で組換えC. felis GluClチャンネルタンパク質を発現させるために
は、種々の真菌細胞発現ベクターを使用することができる。組換えC. felis Glu
Clチャンネルの発現に適している可能性がある商業的に入手可能な真菌細胞発現
ベクターには、pYES2(Invitrogen)およびピチア(Pichia)発現ベクター(Inv
itrogen)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0064】 昆虫細胞中で組換え受容体を発現させるためには、種々の昆虫細胞発現ベクタ
ーを使用することができる。C. felis GluClチャンネルタンパク質の組換え発現
に適している可能性がある商業的に入手可能な昆虫細胞発現ベクターには、pBlu
eBacIIIおよびpBlueBacHis2(Invitrogen)、およびpAcG2T(Pharmingen)が含 まれるが、これらに限定されるものではない。
【0065】 組換え宿主細胞中でC. felis GluClチャンネルタンパク質を発現させるために
は、C. felis GluClチャンネルタンパク質および/またはC. felis GluClチャン
ネル様タンパク質をコードするDNAを含有する発現ベクターを使用することがで きる。組換え宿主細胞は、原核性または真核性であることが可能であり、それら
には、大腸菌(E. coli)などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ 、サルおよびげっ歯類由来の細胞系を含む(これらに限定されるものではない)
哺乳類細胞、およびショウジョウバエ(Drosophila)およびカイコに由来する細
胞系を含む(これらに限定されるものではない)昆虫細胞が含まれる。商業的に
入手可能であり適している可能性がある哺乳類種に由来する細胞系には、L細胞L
-M(TK-)(ATCC CCL1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL1.2)、Saos-2(ATCC HTB-85)、
293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(A
TCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC
CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL
1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)、MRC-5(ATCC CCL 171)およびCPAE(ATCC CC
L 209)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0066】 前記の方法により得たクローン化C. felis GluClチャンネルcDNAを、適当なプ
ロモーターと他の適当な転写調節要素とを含有する発現ベクター(例えば、pcDN
A3.1、pCR2.1、pBlueBacHis2およびpLITMUS28)中への分子クローニングにより 組換え的に発現させ、原核性または真核性宿主細胞中に導入して、組換えC. fel
is GluClチャンネルタンパク質を産生させることができる。そのような操作のた
めの技術は、Sambrookら(前掲)に記載されており、実施例の節において詳細に
記載されており、当業者によく知られており容易に利用されうる。
【0067】 該発現ベクターは、直接注入、形質転換、トランスフェクション、プロトプラ
スト融合、リポフェクションおよびエレクトロポレーションを含む(これらに限
定されるものではない)多数の技術のいずれか1つにより宿主細胞中に導入する ことができる。該発現ベクター含有細胞をクローン的に増殖させ個々に分析して
、それらがC. felis GluClタンパク質を産生するか否かを判定する。C. felis ヒトGluClを発現する宿主細胞クローンの同定は、抗C. felis GluCl抗体との免 疫反応性、標識リガンドの結合性および宿主細胞関連GluCl活性の存在の判定を 含む(これらに限定されるものではない)いくつかの手段により行なうことがで
きる。
【0068】 また、C. felis GluCl DNAの発現は、インビトロで得た合成mRNAを使用して行
なうことができる。合成mRNAは、コムギ胚芽抽出物および網状赤血球抽出物を含
む(これらに限定されるものではない)種々の無細胞系中で効率的に翻訳される
ことが可能であり、また、カエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションを含
む細胞に基づく系内で効率的に翻訳されることが可能であり、カエル卵母細胞中
へのマイクロインジェクションが好ましい。
【0069】 最適レベルのC. felis GluClチャンネルタンパク質を与えるC. felis GluClチ
ャンネルcDNA配列を決定するために、以下のものを含む(これらに限定されるも
のではない)cDNA分子を構築することができる:C. felis GluClチャンネルタン
パク質の完全長オープンリーディングフレームを含有するcDNA断片、および該タ
ンパク質の特異的ドメインまたは該タンパク質の再編成ドメインだけをコードす
るcDNA部分を含有する種々の構築物。すべての構築物は、C. felis GluClチャン
ネルcDNAの5′および/または3′非翻訳領域の全部または一部を含有するように
或いはそれらを全く含有しないように設計することができる。C. felis GluClチ
ャンネルタンパク質の発現レベルおよび活性は、これらの構築物を単独で又は組
合せて適当な宿主細胞中に導入した後に決定することができる。一過性アッセイ
において最適な発現を与えるC. felis GluClチャンネルcDNAカセットを決定した
後、このC. felis GluClチャンネルcDNA構築物を、哺乳類細胞、昆虫細胞(例え
ば、バキュロウイルス感染昆虫細胞)、卵母細胞(例えば、ツメガエル卵母細胞
)、細菌(例えば、大腸菌(E. coli))および酵母(S. cerevisiae)における
発現のための発現ベクターを含む(これらに限定されるものではない)種々の発
現ベクター(組換えウイルスを含む)に導入する。
【0070】 本発明はまた、本明細書に開示する活性なC. felis GluClチャンネルタンパク
質および生物学的等価体の発現方法、組換え的に発現させたこれらの遺伝子産物
を使用するアッセイ、これらの遺伝子産物を発現する細胞、およびこれらの組換
え形態を使用するアッセイを用いて同定したアゴニストおよび/またはアンタゴ
ニスト化合物(C. felis GluClチャンネルの1以上のモジュレーターを含むが、 これらに限定されるものではない)に関する。
【0071】 グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルの活性および調節を測定するための
電気生理学に基づくアッセイおよび関連する改良方法のための好ましい発現系は
、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞内に核酸分子を注入すること
を含む。イオンチャンネルの活性の研究におけるツメガエル卵母細胞の一般的な
使用は、当技術分野において公知である(Dascal, 1987, Crit. Rev. Biochem.
22:317-317; Lester, 1988, Science 241:1057-1063; また、Methods of Enzymo
logy, Vol. 207, 1992, Ch. 14-25, RudyおよびIverson編, Academic Press, In
c., New Yorkも参照されたい)。本発明の一部においては、従前に開示されてい
る方法より数倍高い感度を有する、アゴニストおよび/またはアンタゴニストに
よるチャンネルの活性および調節を測定するための改良方法を開示する。依存性
チャンネル(そのチャンネル活性および種々のモジュレーターに対する該チャン
ネルの応答は測定可能である)をコードするDNA、mRNAまたはcRNAを含む(これ らに限定されるものではない)核酸物質を、ツメガエル卵母細胞に注入する。こ
の目的のために、本発明は、塩素イオンの逆転電位より正の(すなわち、-30mV より大きい)保持電位(好ましくは、約0mV)を使用することを含む、真核細胞 (特にツメガエル卵母細胞)におけるイオンチャンネル活性を測定する改良され
たインビトロ方法に関する。アッセイ測定条件におけるこの改変は、イベルメク
チンホスファートによる調節に対して、アッセイ感度における10倍の増加をもた
らした。したがって、この改良されたアッセイは、検出不可能であると従来考え
られていたレベルでGuCl活性を調節する化合物に関するスクリーニングおよび選
択を可能にするであろう。実施例2(この実施例では、ツメガエル卵母細胞にお ける発現イオンチャンネル活性の検出のためのこの改良されたアッセイの使用を
例示する)にデータを示す。この改良方法は種々のイオンチャンネル測定アッセ
イ(特に、ツメガエル卵母細胞などの真核細胞においてグルタミン酸依存性活性
を測定するアッセイ)において使用可能であることが、当業者に明らかであろう
。セノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)、キイロショウ
ジョウバエ(Drosophila melanogaster)およびC. felis (Ctenocephalides fe
lis)グルタミン酸依存性チャンネルタンパク質を含む(これらに限定されるも のではない)無脊椎動物グルタミン酸依存性塩素イオンチャンネルを、これらの
チャンネルの活性を調節する化合物に関してスクリーニングし選択するためのア
ッセイにおいて使用するのが、特に好ましい。
【0072】 宿主細胞中のC. felis GluClタンパク質のレベルは、イムノアフィニティーお
よび/またはリガンドアフィニティー技術により定量する。細胞膜に対する放射
性グルタミン酸またはイベルメクチンの結合の量を測定することにより、GluCl を発現する細胞を発現GluCl分子数に関してアッセイすることができる。GuCl特 異的アフィニティービーズまたはGuCl特異的抗体を使用して、例えば35S-メチ
オニン標識または未標識GluClタンパク質を単離する。標識GuClタンパク質は、S
DS-PAGEにより分析する。未標識GuClタンパク質は、GuCl特異的抗体を使用する ウエスタンブロット法、ELISAまたはRIAアッセイにより検出する。
【0073】 完全長C. felis GuClチャンネルタンパク質に又はC. felis GuClチャンネルタ
ンパク質のポリペプチド断片に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗
体で作製されたイムノアフィニティーカラムの使用により、他の細胞タンパク質
からC. felis GuClタンパク質を分離することができる。さらに、ポリクローナ ルまたはモノクローナル抗体は、配列番号2に記載の該タンパク質の一部に由来 する合成ペプチド(通常、約9〜約25アミノ酸長)に対して産生させることがで きる。C. felis GluClチャンネルに対する単一特異性抗体は、C. felis GluClチ
ャンネルに対して反応性の抗体を含有する哺乳類抗血清から精製したり、あるい
はKohlerおよびMilstein(1975, Nature 256:495-497)の技術を用いてC. felis
GluClチャンネルと反応性のモノクローナル抗体として調製する。本発明で用い
る単一特異性抗体は、C. felis GluClチャンネルに対して均一な結合特性を有す
る複数の抗体種または単一の抗体種と定義される。本発明で用いる均一な結合は
、ある特定の抗原またはエピトープ(例えば、前記のC. felis GluClチャンネル
に伴うもの)に該抗体種が結合しうることを意味する。C. felis GluClチャンネ
ルタンパク質特異的抗体は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマ
などの動物を、免疫アジュバントの存在下または不存在下で、適当な濃度のC. f
elis GluClチャンネルタンパク質またはC. felis GluClチャンネルの一部から作
製した合成ペプチドで免疫することにより産生させる。したがって、本発明はま
た、本明細書に開示のC. felis GluClチャンネルタンパク質に対して産生させた
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体またはその生物学的に活性な断片に関
する。
【0074】 初回免疫の前に、免疫前血清を集める。各動物に、許容される免疫アジュバン
トと共に約0.1μg〜約1000μgのC. felis GluClチャンネルタンパク質を投与す る。そのような許容されるアジュバントには、フロイント完全、フロイント不完
全、アルミ(alum)沈殿物、油中水型エマルション(コリネバクテリウム・パル
ブム(Corynebacterium parvum)およびtRNAを含有するもの)が含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。初回免疫は、好ましくはフロイント完全アジュ
バント中のC. felis GluClチャンネルタンパク質またはそのペプチド断片を複数
部位において皮下(SC)、腹腔内(IP)またはその両方に投与することよりなる
。各動物から一定間隔で(好ましくは毎週)採血して、抗体力価を測定する。初
回免疫後、該動物は、ブースター注射を受けても受けなくてもよい。ブースター
注射を受ける動物には、一般には、フロイント不完全アジュバント中の等量のC.
felis GluClチャンネルを同一経路で与える。ブースター注射は、最大力価が得
られるまで約3週間間隔で行なう。各ブースター免疫の約7日後、または単回免疫
後にほぼ毎週、該動物から採血し、血清を集め、アリコートを約−20℃で保存す
る。
【0075】 C. felis GluClチャンネルに反応性のモノクローナル抗体(mAb)は、近交系 マウス、好ましくはBalb/cをC. felis GluClチャンネルタンパク質で免疫するこ
とにより調製する。約0.5mlのバッファーまたは食塩水中の約1μg〜約100μg、 好ましくは約10μgのC. felis GluClチャンネルタンパク質を等量の許容される 前記アジュバント中に含むもので、該マウスをIPまたはSC経路により免疫する。
フロイント完全アジュバントが好ましい。該マウスは、0日に初回免疫を受け、 約3〜約30週間休ませる。免疫化マウスには、リン酸緩衝食塩水などのバッファ ー溶液中の約1〜約100μgのC. felis GluClチャンネルタンパク質のブースター 免疫を静脈内(IV)経路により1回以上行なう。当技術分野で公知の標準的な方 法により免疫化マウスから脾臓を摘出することにより、抗体陽性マウスからリン
パ球、好ましくは脾リンパ球を得る。安定なハイブリドーマの形成を許容する条
件下で該脾リンパ球と適当な融合相手(好ましくは、骨髄腫細胞)とを混合する
ことにより、ハイブリドーマ細胞を産生させる。融合相手には、マウス骨髄腫P3
/NS1/Ag4-1、MPC-11、S-194およびSp2/0(これらに限定されるものではない)を
含めることが可能であり、Sp2/0が好ましい。該抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを 、約30%〜約50%の濃度で分子量約1000のポリエチレングリコール中で融合させ
る。当技術分野で公知の方法により、融合ハイブリドーマ細胞を、ヒポキサンチ
ン、チミジンおよびアミノプテリンで補足されたダルベッコ変法イーグル基礎培
地(DMEM)中での増殖により選択する。上清流体を、約14、18および21日の増殖
陽性ウェルから集め、該抗原としてC. felis GluClチャンネルタンパク質を使用
する固相イムノラジオアッセイ(SPIRA)などのイムノアッセイにより抗体産生 に関してスクリーニングする。また、該培養流体をオクタロニー沈降アッセイに
おいて試験して、該mAbのアイソタイプを決定する。抗体陽性ウェルからのハイ ブリドーマ細胞を、MacPherson, 1973, Soft Agar Techniques, Tissue Culture
Methods and Applications, KruseおよびPaterson編, Academic Pressの軟寒天
技術などの技術によりクローニングする。
【0076】 初回抗原刺激の約4日後に約2×10〜約6×10ハイブリドーマ細胞を、無垢 (pristine)の初回抗原刺激を受けたBalb/cマウスに注射(約0.5ml/マウス)す
ることにより、モノクローナル抗体をインビボで産生させる。細胞導入の約8〜1
2日後に腹水を集め、該モノクローナル抗体を、当技術分野で公知の技術により 精製する。
【0077】 約2%ウシ胎仔血清を含有するDMEM中で該ハイブリドーマを増殖させることに より、抗C. felis GluClチャンネルタンパク質mAbのインビトロ産生を行なって 、十分な量の該特異的mAbを得る。当技術分野で公知の技術により、該mAbを精製
する。
【0078】 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体力価を、沈降法、受身凝集反応、酵素
結合抗体免疫吸着(ELISA)技術およびラジオイムノアッセイ(RIA)技術を含む
(これらに限定されるものではない)種々の血清学的または免疫学的アッセイに
より測定する。体液または組織および細胞抽出物中のC. felis GluClチャンネル
タンパク質の存在を検出するために、同様のアッセイを用いる。
【0079】 単一特異的抗体を産生させるための前記方法を用いて、C. felis GluClチャン
エルペプチド断片または完全長C. felis GluClチャンネルタンパク質に特異的な
抗体を産生させることが可能である、と当業者には容易に認められる。
【0080】 例えば該抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合を形成するようにN-ヒ
ドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化されたゲル支持体であるAffigel-
10(Biorad)に該抗体を加えることにより、C. felis GluClチャンネル抗体アフ
ィニティーカラムを作製する。ついで該抗体を、スペーサーアームでアミド結合
を介して該ゲルに結合させる。ついで、残存する活性化エステルを1Mエタノール
アミンHCl(pH8)でクエンチする。該カラムを水、ついで0.23MグリシンHCl(pH
2.6)で洗浄して、未コンジュゲート化抗体または外来タンパク質を除去する。 ついで該カラムをリン酸緩衝食塩水(pH7.3)中で平衡化し、完全長C. felis Gl
uClチャンネルタンパク質またはC. felis GluClチャンネルタンパク質断片を含 有する細胞培養上清または細胞抽出物を、該カラムにゆっくり通過させる。つい
で、光学密度(A280)がバックグラウンドに低下するまで、該カラムをリン 酸緩衝食塩水で洗浄し、ついで該タンパク質を0.23Mグリシン-HCl(pH2.6)で溶
出する。ついで該精製C. felis GluClチャンネルタンパク質を、リン酸緩衝食塩
水に対して透析する。
【0081】 宿主細胞中のC. felis GluClチャンネルタンパク質のレベルは、イムノアフィ
ニティーおよび/またはリガンドアフィニティー技術を含む(これらに限定され
るものではない)種々の技術により定量する。C. felis GluClチャンネルタンパ
ク質に特異的なアフィニティービーズまたはC. felis GluClチャンネルタンパク
質に特異的な抗体を使用して、35S-メチオニン標識または未標識C. felis GluCl
チャンネルタンパク質を単離する。標識C. felis GluClチャンネルタンパク質は
、SDS-PAGEにより分析する。未標識C. felis GluClチャンネルタンパク質は、C.
felis GluClチャンネルタンパク質に特異的な抗体を使用するウエスタンブロッ
ト法、ELISAまたはRIAアッセイにより検出する。
【0082】 宿主細胞中でC. felis GluClチャンネルタンパク質を発現させた後、C. felis
GluClチャンネルタンパク質を回収して、活性形態のC. felis GluClチャンネル
タンパク質を得ることができる。いくつかのC. felis GluClチャンネルタンパク
質精製方法が利用可能であり、使用に適している。塩分別、イオン交換クロマト
グラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロ
マトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーの種々の組合せ又は単
独の適用により、細胞ライセートおよび抽出物から、または馴らし培地から、組
換えC. felis GluClチャンネルタンパク質を精製することができる。また、活性
C. felis GluClチャンネルを発現する組換えベクターを含有する組換え宿主細胞
から膜調製物を製造することが可能である。組換え細胞からのそのような膜調製
物は、C. felis GluClチャンネル活性を調節する化合物に関するインビトロに基
づくスクリーニングアッセイに有用であろう。
【0083】 潜在的ないかなる毒性をも最小限に抑制しつつGluCl受容体の最適な抑制また はその活性を得るために、本明細書に開示する方法に従い同定された化合物を適
当な用量で単独で使用することができる。また、他の物質の同時投与または連続
投与が望ましいかもしれない。
【0084】 また、本発明は、本発明の新規治療方法において使用するための適当な局所、
経口、全身および非経口医薬製剤を提供するという目的を有する。GluCl受容体 の調節において使用するための本発明に従い同定された化合物を活性成分として
含有する組成物は、通常の投与用ビヒクル中の多種多様な治療用剤形で投与する
ことができる。例えば、該化合物は、錠剤、カプセル剤(それぞれは時限放出(
timed release)および徐放製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤 、チンキ剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤などの経口剤形として又は注射に
より投与することができる。同様に、それらを、静脈内(ボーラスおよび注入の
両方)、腹腔内、皮下、局所(閉塞(occlusion)の存在下または不存在下)ま たは筋肉内形態として投与することも可能であり、それらはすべて、薬学分野の
当業者によく知られた形態を用いることが可能である。有効かつ無毒性な量の所
望の化合物を、GluCl調節剤として使用することができる。
【0085】 該産物の1日量は、0.001〜1,000mg/患者/日の広範囲の値となることが可能で ある。経口投与には、該組成物は、好ましくは、治療する患者に対する投与量の
対症調節(symptomatic adjusment)のために0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5 、5.0、10.0、15.0、25.0および50.0ミリグラムの活性成分を含有する切れ目入 り(scored)または切れ目無しの錠剤の形態で提供される。該薬物の有効量は、
通常、約0.0001mg/kg〜約100mg/kg体重/日の投与量レベルで供給される。所望の
効果が得られるように併用する場合には該GuCl受容体モジュレーターの投与量を
調節する。一方、これらの種々の物質の投与量を個々に最適化し、いずれかの物
質を単独で使用する場合よりも病状が軽減される相乗効果が得られるようにそれ
らを併用することができる。
【0086】 本発明の方法において活性な化合物を単独1日量で投与したり、あるいは合計1
日量を、2、3または4分割量で毎日投与するのが有利かもしれない。さらに、本 発明の方法において活性な化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的使用により
鼻腔内形態で、または当業者によく知られた経皮皮膚パッチの形態を使用して経
皮経路により投与することができる。もちろん、経皮デリバリーシステムの形態
で投与する場合には、該投与量の投与は、該投与計画の全体にわたり、断続的な
ものではなく連続的なものとなるであろう。
【0087】 別々の投与製剤中の2以上の活性剤の組合せ療法では、該活性剤を同時に投与 することが可能であり、あるいはそれらのそれぞれを、別々にずらした時点で投
与することが可能である。
【0088】 本発明の方法において活性な化合物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種
、年齢、体重、性別および医学的状態;治療する状態の重症度;投与経路;患者
の腎および肝機能;および使用するその個々の化合物を含む種々の因子に応じて
選択される。通常の技量を有する医師または獣医であれば、該状態の進行の予防
、阻止または停止に必要な薬物の有効量を容易に決定し、処方することが可能で
ある。毒性を伴うことなく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るた
めには、標的部位に対する薬物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必
要である。これは、薬物の分布、平衡および排泄に関する考慮を含む。
【0089】 本発明の方法においては、該方法において活性な化合物が活性成分を形成する
ことが可能であり、典型的には、それらを、意図される投与形態(すなわち、経
口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤など)に関して適切に選択され
た適当な医薬希釈剤、賦形剤または担体(本発明ではそれらを「担体」物質と総
称する)と混合して、通常の医薬規範に従い投与する。
【0090】 例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与には、該活性薬物成分を医
薬上許容される無毒性の経口用不活性担体(例えば、エタノール、グリセロール
、水など)と一緒にする。さらに、望ましい場合または必要な場合には、適当な
結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を該混合物に加えることもできる。適当な
結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはβ-ラクト ース、トウモロコシ甘味料、天然および合成ガム、例えばアカシア、トラガカン
トまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレング
リコール、ロウなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの
剤形中で使用する滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム
、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナト
リウムなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。崩壊剤には、デン
プン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる
が、これらに限定されるものではない。
【0091】 液体形態の場合には、該活性薬物成分を、適当に風味付けされた懸濁剤または
分散剤、例えば合成および天然ガム(例えば、トラガカント、アカシア、メチル
セルロースなど)と一緒にすることができる。使用しうる他の分散剤には、グリ
セリンなどが含まれる。非経口投与の場合には、無菌懸濁剤および液剤が望まし
い。静脈内投与が望ましい場合には、適当な保存剤を一般には含有する等張製剤
を使用する。
【0092】 該活性薬物成分を含有する局所製剤を、当技術分野でよく知られている種々の
担体物質、例えばアルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビ
タミンAおよびE油、鉱油、PPG2プロピオン酸ミリスチルなどと混合して、例えば
、アルコール性溶液、局所クレンザー、クレンジングクリーム、スキンゲル、ス
キンローションおよびシャンプーをクリームまたはゲル製剤で得ることができる
【0093】 また、本発明の方法において活性な化合物は、リポソームデリバリーシステム
の形態(例えば、小さな単膜リポソーム、大きな単膜リポソームおよび多重膜リ
ポソーム)で投与することができる。リポソームは、種々のリン脂質(例えば、
コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン)から形成させ
ることができる。
【0094】 また、本発明の方法において活性な化合物は、該化合物分子が結合している個
々の担体としてのモノクローナル抗体の使用により運搬することができる。本発
明の方法において活性な化合物はまた、標的化されうる薬物担体としての可溶性
重合体に結合させることができる。そのような重合体には、ポリビニル-ピロリ ドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシ-プロピルメタクリル-アミドフェノール
、ポリヒドロキシ-エチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキ シドポリリシン(パルミトイル残基で置換されているもの)を含めることができ
る。さらに、本発明の方法において活性な化合物は、薬物のコントロールリリー
スの達成に有用な生分解性重合体のクラス(例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロン
カプロラクタム、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、
ポリジヒドロ-ピラン、ポリシアノアクリラートおよびヒドロゲルの架橋または 両親媒性ブロック共重合体)に結合させることができる。
【0095】 本発明の方法において活性な化合物は、ヒト、動物および植物において多数の
寄生虫症を引き起こす内部寄生虫および外部寄生虫(特に、蠕虫および節足動物
)に対する駆虫剤として有用である。
【0096】 寄生虫症は、内部寄生虫または外部寄生虫により引き起こされうる。内部寄生
虫は、宿主の体内(胃、肺、心臓、腸などの器官内または単に皮膚の下)に生息
する寄生虫である。外部寄生虫は、宿主の外表面に生息するがそれでもなお該宿
主から栄養分を得る寄生虫である。
【0097】 一般に蠕虫病と称される内部寄生虫症は、蠕虫として公知の寄生虫が宿主に感
染することによるものである。蠕虫病は、ブタ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ネコ
、家禽などの家畜に対する感染による主たる深刻な世界的経済問題である。これ
らの感染症の多くは、世界中で種々の動物種において疾患を引き起こす線虫と称
される蠕虫群により引き起こされる。これらの疾患は、しばしば、重篤となり、
該感染動物を死に至らしめることがある。前記で挙げた動物に感染する最も一般
的な線虫属としては、ヘモンカス(Haemonchus)、毛様線虫(Trichostrongylus
)、オステルタジア(Ostertagia)、ネマトディルス(Nematodirus)、クーペ リア(Cooperia)、回虫(Ascaris)、ブノストムム(Bunostomum)、エソファ ゴストムム(Oesophagostomum)、シャベルチア(Chabertia)、鞭虫(Trichuri
s)、円虫(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)、ジクチロカウルス(Dic
tyocaulus)、毛頭虫(Capillaria)、ヘテラキス(Heterakis)、トキソカラ(
Toxocara)、蛔虫(Ascaridia)、蟯虫(Oxyuris)、鉤虫(Ancylostoma)、鉤 虫属(Uncinaria)、トキサスカリス(Toxascaris)およびパラアスカリス(Par
ascaris)が挙げられる。多くの寄生虫は種特異的であり(1つの宿主にしか感染
しない)、また、それらのほとんどは該動物内に優先的感染部位を有する。例え
ば、ヘモンカス(Haemonchus)およびオステルタジア(Ostertagia)は主に胃に
感染し、ネマトディルス(Nematodirus)およびクーペリア(Cooperia)は、ほ とんどの場合、腸を攻撃する。他の寄生虫は、心臓、眼、肺、血管などに生息す
ることを好み、さらに別の寄生虫は皮下寄生虫である。蠕虫病は、衰弱、体重減
少、貧血、腸の傷害、栄養失調、および他の器官に対する傷害を招くことがある
。治療しないまま放置すると、これらの疾患は該動物を死に至らしめることがあ
る。
【0098】 外部寄生性節足動物(例えば、マダニ、ダニ、シラミ、サキバエ、ノサシバエ
、クロバエ、ノミ、および他の咬む昆虫、例えば、テノファリデス(Tenophalid
es)、マダニ(Ixodes)、ソロプテス(Psoroptes)、キンバエ(Lucilia)およ
びヘモトビア(Hemotobia))により引き起こされる疾患も、深刻な問題である 。これらの寄生虫による感染および侵襲は、血液の欠乏、皮膚病変を招くことが
あり、正常な食習慣を妨げ、それにより体重減少を引き起こすことがある。また
、これらの感染は、致死的となりうる脳炎、アナプラズマ症、豚痘などの重大な
疾患の伝播を引き起こしうる。本発明で開示する方法において活性な化合物は、
これらの感染および侵襲の予防および治療に有用である。
【0099】 動物は、いくつかの種の寄生虫に同時に感染することがある。なぜなら、1つ の寄生虫による感染は該動物を衰弱化させ、それを、別の種の寄生虫による感染
に対して、より感受性にするからである。したがって、広域スペクトルの活性を
有する化合物は、これらの疾患の治療において特に有利である。本発明の化合物
は、これらの寄生虫に対する活性を有し、さらに、イヌにおけるジロフィラリア
(Dirofilaria)、げっ歯類におけるネマトスピロイデス(Nematospiroides)お
よびサイファシア(Syphacia)、咬む昆虫、および移行性ハエ目幼虫(migratin
g diperous larvae)、例えば、ウシにおけるヒポデルマ種(Hypoderma sp.)お
よびウマにおけるウマバエ(Gastrophilus)に対して活性である。
【0100】 また、本発明で開示する方法において活性な化合物は、ヒトに寄生虫症を引き
起こす内部および外部寄生虫に対して有用である。ヒトに感染するそのような内
部寄生虫には、例えば、鉤虫(Ancylostoma)、ネカトール(Necator)、回虫(
Ascaris)、ストロンギロイデス(Strongyloides)、トリキネラ(Trichinella )、毛頭虫(Capillaria)、鞭虫(Trichuris)、蟯虫(Enterobius)属などの 胃腸寄生虫が含まれる。ヒトに感染する他の内部寄生虫は、血中および他の器官
中で見出される。そのような寄生虫としては、例えば、フィラリア虫である糸状
虫(Wucheria)、ブルジア(Brugia)、糸状虫属(Onchocerca)など、および腸
虫であるストロンギリデス(Strongylides)およびトリキネラ(Trichinella) の腸外段階が挙げられる。ヒトに寄生する外部寄生虫には、マダニ、ノミ、ダニ
、シラミなどの節足動物が含まれ、家畜の場合と同様、これらの寄生虫による感
染は、重大かつ更には致命的な疾患の伝播を引き起こしうる。該活性化合物は、
これらの内部および外部寄生虫に対して活性であり、また、ヒトを悩ます咬む昆
虫および他のハエ目害虫に対して活性である。
【0101】 また、本発明で開示する方法において活性な化合物は、チャバネゴキブリ種(
Blatella sp.)(ゴキブリ)、チネオラ種(Tineola sp.)(イガ)、アタゲヌ ス種(Attagenus sp.)(モウセンガ)、イエバエ(Musca domestica)(イエバ
エ)などの一般的な家庭害虫およびソレノプシス・インビクタ(Solenopsis Inv
icta)(南米産トフシアリ)に対して有用である。
【0102】 さらに、本発明で開示する方法において活性な化合物は、アブラムシ(アシル
チオシホン種(Acyrthiosiphon sp.))、バッタ、ハダニ、メキシコワタノミゾ
ウムシなどの農害虫に対して、およびトリボリウム種(Tribolium sp.)、ゴミ ムシダマシ種(Tenebrio sp.)などの貯蔵穀物を攻撃する昆虫害虫に対して、お
よび植物組織上に生息する未熟段階の昆虫に対して有用である。該化合物はまた
、農学上重要となりうるキタネコブセンチュウ種(Meloidogyne sp.)などの土 壌線虫および植物寄生虫の駆除のための殺線虫剤として有用である。
【0103】 動物における駆虫剤として使用するためには、該化合物は、内的に、経口また
は注射により、あるいは液体ドレンチまたはシャンプーとして局所的に投与する
ことができる。
【0104】 経口投与の場合には、本発明で開示する方法において活性な化合物を、カプセ
ル剤、錠剤または丸塊形態で投与することが可能であり、あるいはそれらを動物
試料中に混合することが可能である。該カプセル剤、錠剤および丸塊は、該活性
成分と、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムな
どの適当な担体ビヒクルとを含む。これらの単位投与形は、該活性成分と適当な
微粉末不活性成分(希釈剤、充填剤、崩壊剤および/または結合剤)とを十分に
混合して、均一な混合物を得ることにより製造する。不活性成分は、該化合物と
反応せず、治療する動物に対して無毒性である成分である。適当な不活性成分に
は、デンプン、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ガムお
よび油などが含まれる。これらの製剤は、治療する動物種のサイズおよびタイプ
ならびに該感染のタイプおよび重症度などの多数の要因に応じて多種多様な量の
該活性および不活性成分を含有することができる。また、該活性成分は、該化合
物と飼料原料とを単に混合することにより又は該化合物を飼料表面に適用するこ
とにより、飼料添加物として投与することができる。あるいは、該活性成分は、
不活性担体と混合し、ついで、得られた組成物を飼料と混合したり、動物に直接
与えることができる。適当な不活性担体には、トウモロコシ穀粉、柑橘類粉、発
酵残渣、ダイズ粗粒、乾燥穀物などが含まれる。該活性成分を、粉砕、攪拌、製
粉または転摩によりこれらの不活性担体と十分に混合して、最終的な組成物が0.
001〜5重量%の該活性成分を含有するようにする。
【0105】 あるいは、本発明で開示する方法において活性な化合物を、不活性液体担体に
溶解した該活性成分よりなる製剤の注射により非経口的に投与することができる
。注射は、筋肉内、第一胃内、気管内または皮下に行なうことができる。該注射
剤は、適当な不活性液体担体と混合された活性成分よりなる。許容される液体担
体には、ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油などの植物油、およびソルケタール(so
lketal)、グリセロールホルマルなどの有機溶媒が含まれる。あるいは、水性非
経口製剤を使用することもできる。該植物油が、好ましい液体担体である。該製
剤は、該活性成分を該液体担体に溶解または懸濁して、最終的な製剤が0.005〜1
0重量%の該活性成分を含有するようにすることにより製造する。
【0106】 本発明で開示する方法において活性な化合物の局所適用は、水性の溶液、分散
液または懸濁液として本化合物を含有する液体ドレンチまたはシャンプーの使用
により可能である。これらの製剤は、一般には、懸濁化剤、例えばベントナイト
、湿潤剤など、賦形剤を含有し、通常は、消泡剤も含有する。0.001〜1重量%の
該活性成分を含有する製剤が許容される。好ましい製剤は、0.01〜1重量%の該 活性化合物を含有する製剤である。
【0107】 本発明で開示する方法において活性な化合物は、主として、ウシ、ヒツジ、ウ
マ、イヌ、ネコ、ヤギ、ブタ、家禽などの家畜における蠕虫病の治療および/ま
たは予防用の駆虫剤として有用である。また、それらは、マダニ、ダニ、シラミ
、ノミなどの外部寄生虫によるこれらの動物の寄生虫感染の予防および治療に有
用である。また、それらは、ヒトの寄生虫感染の治療に有効である。そのような
感染症の治療においては、該化合物を、個々に、または互いに組合せて、または
他の無関係な駆虫剤と組合せて使用することができる。最良の結果に必要な化合
物の投与量は、該動物の種およびサイズ、感染のタイプおよび重症度、投与方法
、使用する化合物などのいくつかの要因に左右される。動物の体重1kgあたり0.0
005〜10mgの用量レベルの該化合物を、1回量で又は数日間隔で投与される複数回
量で経口投与すると、良好な結果が得られる。該化合物の1つの1回量は、通常、
優れた防除をもたらすが、再感染を阻止したり、異常に持続性の寄生虫種の場合
には、反復投与を行なうことができる。これらの化合物を動物に投与するための
技術は、獣医学の分野の当業者に公知である。
【0108】 また、本発明で開示する方法において活性な化合物は、圃場または貯蔵中の作
物を攻撃する農害虫を撲滅するために使用することができる。そのような用途の
ために、該化合物を、成長中の植物または収穫した作物に噴霧剤、粉剤、乳剤な
どとして適用する。これらの化合物をこのようにして適用するための技術は、農
学分野の当業者に公知である。
【0109】 C. felis GluClチャンネルのモジュレーターを含む医薬上有用な組成物は、公
知方法(例えば、医薬上許容される担体との混合)により製剤化することができ
る。そのような担体および製剤化方法の具体例は、Remington's Pharmaceutical
Sciencesに記載されている。
【0110】 「化学誘導体」なる語は、通常は該基礎分子の一部ではない追加的な化学的部
分を含有する分子を意味する。そのような部分は、該基礎分子の溶解性、半減期
、吸収性などを改善しうる。あるいは、該部分は、該基礎分子の望ましくない副
作用を減弱させたり、あるいは該基礎分子の毒性を減少させうる。そのような部
分の具体例は、Remington's Pharmaceutical Sciencesなどの種々の刊行物に記 載されている。
【0111】 また、本発明は、C. felis GluClタンパク質をコードするDNAまたはRNAの発現
またはC. felis GluClタンパク質のインビボでの機能を調節する化合物に関する
スクリーニング方法に関する。これらの活性を調節する化合物は、DNA、RNA、ペ
プチド、タンパク質または非タンパク質性有機分子であってもよい。化合物は、
C. felis GluClをコードするDNAまたはRNAの発現またはC. felis GluClタンパク
質の機能を増強または減弱させることにより調節しうる。C. felis GluClをコー
ドするDNAまたはRNAの発現またはC. felis GluClタンパク質の機能を調節する化
合物は、種々のアッセイにより検出することができる。該アッセイは、発現また
は機能の変化が存在するか否かを判定するための単純な「イエス/ノー(yes/no
)」アッセイであってもよい。該アッセイは、試験サンプルの発現または機能を
標準サンプルにおける発現または機能のレベルと比較することにより定量的なも
のにすることができる。この方法において同定されたモジュレーターは、治療剤
、殺虫剤および駆虫剤として有用である。
【0112】 C. felis GluCl DNA、C. felis GluClに対する抗体またはC. felis GluClタン
パク質を含有するキットを製造することができる。そのようなキットは、C. fel
is GluCl DNAにハイブリダイズするDNAを検出するため又はサンプル中のC. feli
s GluClタンパク質またはペプチド断片の存在を検出するために使用する。その ような特徴づけは、法医学的分析および疫学研究を含む(これらに限定されるも
のではない)種々の目的に有用である。
【0113】 本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質および抗体を使用して、C. fel
is GluCl DNA、RNAまたはタンパク質をスクリーニングし、それらのレベルを測 定することができる。組換えタンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、C. f
elis GluClの検出およびタイピング(typing)に適したキットの製剤化に有用で
ある。そのようなキットは、少なくとも1つの容器を密閉的(close confinement
)に収容するのに適した区画化された担体を含むことになろう。該担体は更に、
試薬(例えば、組換えC. felis GluClタンパク質、またはGluClの検出に適した 抗GluCl抗体)を含むことになろう。また、該担体は、標識抗原または酵素基質 などの検出手段を含有していてもよい。
【0114】 アンチセンス療法のために、C. felis GluClをコードするDNA配列に相補的な ヌクレオチド配列を合成することができる。これらのアンチセンス分子は、DNA 、DNAの安定な誘導体(例えば、ホスホロチオアートまたはメチルホスホナート )、RNA、RNAの安定な誘導体(例えば、2′-O-アルキルRNA)または他のGluClア
ンチセンスオリゴヌクレオチド模擬体であってもよい。C. felis GluClアンチセ
ンス分子は、マイクロインジェクション、リポソーム封入により、あるいは該ア
ンチセンス配列を保持するベクターからの発現により、細胞内に導入することが
できる。C. felis GluClアンチセンス療法は、GluCl活性を減少させるのが有益 である疾患の治療に特に有用であろう。
【0115】 C. felis GluCl DNAを使用して、標的生物の細胞内にGluClを導入することが できる。GluCl遺伝子は、受容宿主細胞への感染によりGluCl DNAの導入を媒介す
るウイルスベクター中に連結させることができる。適当なウイルスベクターには
、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、
ワクシニアウイルス、ポリオウイルスなどが含まれる。あるいは、リガンド-DNA
コンジュゲートまたはアデノウイルス-リガンド-DNAコンジュゲートを使用する 受容体媒介標的化DNA導入、リポフェクション膜融合または直接マイクロインジ ェクションを含む非ウイルス技術により、GluCl DNAを細胞内に導入することが できる。これらの方法およびそれらの変法は、エクスビボ(ex vivo)およびイ ンビボGluCl遺伝子療法に適している。GluCl遺伝子療法は、GluCl活性を上昇さ せるのが有益な場合に特に有用である。
【0116】 本発明はまた、GuClチャンネル全般のモジュレーターおよび特にC. felis のG
luClチャンネルのモジュレーターに関するスクリーニングの改良方法を提供する
。改良されたアッセイ条件は、チャンネルモジュレーターに対する感度における
10倍の増加(従前公知のアッセイ条件と比較した場合)をもたらすことを、実施
例2に示す。GluClチャンネル活性を測定する好ましい態様においては、1以上のC
. felis GluClタンパク質に関する合成RNAまたはDNAを卵母細胞に注入する。発 現を可能にする適当な時間の経過後、GluCl DNAを発現する宿主細胞の特異的リ ガンド結合および電気生理学的特性によりGluCl活性を測定する。実施例2に記載
のとおり、好ましくは、イベルメクチンホスファートによる調節の測定中に0mV の保持電位を用いて、ボルテージクランプによる研究を行なった。細胞に基づく
GluClチャンネル活性アッセイのこの改良方法の具体例を、実施例2に示し、さら
に図5Aおよび5B(グルタミン酸によるCfGluCl-1の活性化を示す)、図6(CfGluC
l-1チャンネルが塩素イオンに選択的であることを示す)ならびに図7Aおよび7B (IVM-POがGluClチャンネルのアゴニストであることを示す)に詳細に記載す る。
【0117】 以下の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではな
い。
【0118】 実施例1 C. felis GluClチャンネルをコードする完全長cDNAの単離および特徴づけ C. felis ポリA RNAの単離 ノミ全体からポリ(A) RNAを調製した。該ノミを液体N中で急速冷凍し、液
体Nに浸しながら乳鉢および乳棒ですりつぶした。該凍結粉末C. felis 組織を、
4Mグアニジニウムチオシナート、5mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)および0.1M β-メルカプトエタノールを含有する溶液に加え(1gm組織/10ml溶液)、ポリト ロンホモジナイザーで混合した。1分間のホモジネートの後、0.5%サルコシルナ
トリウムを加え、十分に混合し、該溶液を10,000rpmで10分間遠心した。該上清 を5.7M CsClクッション上に重層し、33,000rpmで18時間遠心した。該RNAペレッ トを70%エタノールで洗浄し、HOに再懸濁し、クロロホルム:イソブタノール
(4:1)で抽出し、エタノールで沈殿させた。オリゴ(dT)-セルロースカラム上 での2ラウンドの精製により、ポリ(A) RNAを単離した。
【0119】 C. felis GluClチャンネルを部分的にコードするcDNAの単離 ファジミドクローニングベクターλZAPII(Stratagene, LaJolla, CA)中で、
オリゴ-dTプライム化C. felis cDNAライブラリーを調製した。このライブラリー
を、大腸菌(E. coli)PLK-F′細胞中にトランスフェクトし、NZY培地(Sambroo
kら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)上にプレーティングし、37 ℃で18時間インキュベートした。得られたプラークをDuruloseメンブレン(Stra
tagene)にトランスファーした。該メンブレンを、50%ホルムアミド、2×デン ハルト液、5×SSPE、0.1% SDS、100μg/mlサケ精子DNA中で16時間プレハイブリ ダイズさせ、10%デキストラン硫酸を含有する前記プレハイブリダイゼーション
溶液中で2×10cpmでハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションプローブ
は、GenBank(Cullyら, 1996, J. Biol. Chem. 271 (33): 20187-20191; 受託番
号U58776)に挙げられているcDNAのヌクレオチド471〜1760に対応するDrosGluCl
cDNAのPCR生成断片であった。このDNAは、成熟ショウジョウバエグルタミン酸 依存性塩素イオンチャンネルの最後の4アミノ酸を除く全部をコードしている。 該フィルターを、6×SSC、0.1%SDS中、52℃で洗浄した。洗浄したフィルターを
X線フィルムにさらした。2個の陽性クローン(F5AおよびF6)を、さらなる分析 のために選択した。これらのクローンを、Stratageneのプロトコールのとおりの
インビボ切除によりプラスミドに変換した。クローンF5Aを、DNA配列分析に付し
、図3および配列番号3に開示する(以下のとおり)。
【0120】
【化7】
【0121】 クローンF5Aは、図4および配列番号4に開示する切りつめポリペプチド(本明 細書中ではtrCfGluCl-1と称され、以下のとおり開示される)をコードすること が示された。
【0122】
【化8】
【0123】 C. felis GluClチャンネルをコードするcDNAの単離 クローンF5Aは、推定アミノ末端細胞外ドメインにおける考えうるC. felis Gl
uClチャンネルcDNAの中間部分を欠き、フレームシフト突然変異を引き起こし、 それに伴い切りつめタンパク質trGluCl-1を与えることが確認された。推定C. fe
lis GluClチャンネルcDNAの欠失部分を含有するcDNA断片を、ランダムにプライ ムされたノミcDNAのPCR増幅により生成させた。その欠失している71ヌクレオチ ドおよびフランキング配列(F5Aクローンにおいて開示されているもの)を含有 することがDNA配列分析により示された532bpのPCR断片を増幅するために、プラ イマー1(CTCAGAGTCAGGATCCGGCTA; 配列番号5)およびプライマー2(CTGAAAGTTA
ACTGGACACTG; 配列番号6)を標準的なPCR反応において使用した。このPCR断片は
以下のとおりである。
【0124】
【化9】
【0125】 このPCR断片を、TAクローニングベクターキット(Invitrogen)を使用してク ローニングし、個々のクローンを配列決定して、PCR人工産物を欠き該欠失71bp 断片を含有するクローンを同定した。このPCR産物の517bpのBamHI/HpaI断片(前
記において下線で示されているとおり、Bam HI-GGATCC; HpaI GTTAAC)を単離し
、BamHI/HpaIで消化されたF5Aクローン(図3、配列番号3)中に挿入して、Flea5
1と称され図1に示され配列番号1(以下のとおり)に記載されているF5A pBSベク
ター中の完全長cDNAクローンを得た。
【0126】
【化10】
【0127】 このcDNA分子は、図2に示され配列番号2(以下のとおり)に記載されているC.
felis GluClチャンネルをコードするオープンリーディングフレームを含有する
【0128】
【化11】
【0129】 また、CfGluClチャンネルタンパク質をコードする例示されているcDNAの5’非
翻訳領域を決定し、配列番号7(以下のとおり)として記載する。
【0130】
【化12】
【0131】 実施例2 ツメガエル(Xenopus)卵母細胞内でのCfGluCl-1タンパク質の発現 プラスミドベクターpBluescript(Stratagene, LaJolla, CA)においてCfGluC
l-1をコードする完全長cDNAを線状化し、適当なオリゴヌクレオチドプライマー およびmMESSAGE mMA CHINE in vitro RNA転写キット(Ambion)を使用してキャ ップ化cRNA転写産物を合成した。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細
胞を調製し、文献記載(Arenaら, 1991, Mol. Pharmacol. 40:368-374; Arenaら
, 1992. Mol. Brain Res. 15: 339-348)のとおりの標準的な方法により注入を 行なった。成体雌アフリカツメガエルを0.17%メタンスルホン酸トリカインで麻
酔し、卵巣を外科的に摘出し、NaOH(OR-2)でpH7.5に調節されたNaCl 82.5、KC
l 2、MgCl 1、CaCl 1.8、HEPES 5(mM)よりなるディッシュ中に配置した。卵
巣葉を解体して開き、数回リンスし、0.2%コラゲナーゼ(Sigma, 1A型)を含有
するOR-2中で2〜5時間穏やかに振とうした。濾胞層の約50%を摘出した場合には
、ステージVおよびVIの卵母細胞を選択し、NaOH(ND-96)でpH7.5に調節したNaC
l 86、KCl 2、MgCl 1、CaCl2 1.8、HEPES 5、ビルビン酸Na 2.5、テオフィリ ン0.5、ゲンタマイシン0.1(mM)よりなる媒体中に、注射前に24〜48時間配置し
た。ほとんどの実験では、RNアーゼを含まない50nlの水中の10ngのcRNAを卵母細
胞に注入した。対照卵母細胞には50nlの水を注入した。記録前に、50mg/mlゲン タマイシン、2.5mMピルビン酸Naおよび0.5mMテオフィリンで補足されたND-96中 、卵母細胞を1〜5日間インキュベートした。インキュベーションおよびコラゲナ
ーゼ消化を18℃で行なった。
【0132】 Dagan CA 1増幅器(Dagan Instruments, Minneapolis, MN)を使用する2個の 微小電極でのボルテージクランプ技術で、ボルテージクランプ研究を行なった。
電流が通過する微小電極には0.7M KClおよび1.7Mクエン酸K3を充填し、電位記録
微小電極には1.0M KClを充填した。ほとんどの実験の細胞外溶液は、NaOHでpH7.
5に調節されたNaCl 96、BaCl 3.5、MgCl 0.5、CaCl 0.1、HEPES 5(mM) よりなる塩類液であった。いくつかの実験では、示されている陰イオンのナトリ
ウム塩によるNaClの等モル置換により、細胞外塩素イオン濃度を減少させた。実
験は21〜24℃で行なった。プログラムPulseを使用してデータを得、ほとんどの 分析を、付随プログラムPulsefit(Instrutech Instrumens, Great Neck, NY) またはIgor Pro(Wavemetrics, Lake Oswego, OR)で行なった。特に示さない限
り、データは1kHzのフィルター(fc, -3db)にかけた。
【0133】 図5Aおよび図5Bは、グルタミン酸によるCfGluCl-1の活性化を示す。図5Aは、1
0、30、100および300μMのグルタミン酸に応答した電流の記録の重ね合せを示す
。グルタミン酸に対する曝露の持続時間を、最上部に実線で示す。図5Bは、グル
タミン酸に関する濃度応答曲線を示す。ピーク外向電流が、グルタミン濃度に対
してプロットされている。該実線曲線は、式I/Imax={1+(EC50/[グルタミン酸
])}−1に最もよく適合したものである。図5Bに示す実験では、EC50=9.3μM
、n=2.13である。また、他のタイプのリガンド-依存性塩素イオンチャンネルに 対するアゴニストを、CfGluCl-1を活性化する能力に関して試験した。GABA、グ リシン、ヒスタミン、アセチルコリンおよびムシモールはすべて不活性であった
【0134】 図6は、CfGluCl-1チャンネルが塩素イオンに選択的であることを示している。
各曲線は、10μMグルタミン酸の存在下および不存在下で測定した電流間の相違 を表す。該電圧は、-120から+60mVまで1ボルト/秒で傾斜している。塩素イオン 濃度は、メタンスルホン酸Naまたはグルコン酸NaによるNaClの等モル置換により
、104mMから8.2mVまで減少した。各電流-電圧関係を、非線形最小2乗分析を用い
て7次多項式に適合させ、逆転電位をこの多項式のx切片とみなした。この逆転電
位の測定は、メタンスルホン酸の相対透過性(すなわち、(メタンスルホン酸の 透過性)/(塩素イオンの透過性))が0.218であり、グルコン酸の相対透過性が0.0
64であることを示している。
【0135】 図7Aおよび7Bは、イベルメクチンホスファート(IVM-PO)が、CfGluCl-1に コードされるC. felis GluClチャンネルのアゴニストであることを示す。図7Aは
、イベルメクチンホスファート(IVM-PO)によるCfGluCl-1の活性化、ならび に100μMグルタミン酸および10nM IVM-POによる活性化を示す電流の記録の重 ね合せを示す。IVM-POによる活性化はS字状の開始を示し、このことは、開口 のためには複数の結合部位が占拠されなければならないことを示唆している。図
7Bは、IVM-POに関する濃度応答曲線を示す。各卵母細胞上で単一の[IVM-PO]
を試験した。縦軸は、最大有効濃度である100μMのグルタミン酸により誘起され
たピーク電流により正規化されたIVM-POにより誘起された最大電流である。誤
差を示す棒線は±S.E.M.を示す。保持電位は、両方の測定において0mVであった 。黒丸は、CfGluCl-1に関するデータを表す。実線曲線は、(1)I=Iivm,max/{1+
(EC50/[IVM-PO])}(式中、Iivm,max=0.718、EC50=2.93nM、およびn=1.0
)により、このデータに最もよく適合するものである。また、キイロショウジョ
ウバエ(Drosophila melanogaster)由来のDmGluCl1クローンに関して既に報告 されている用量-反応曲線も示されている(ただし、これらの従前の研究では保 持電位は-80mVであった(Cullyら, J. 1996, J. Biol. Chem. 271:20187-20191 ))。この曲線は、IVM-POによる修飾に関して式(1)(式中、Iivm,max=0.3
5、EC50=41nM、およびn=1.2)に最もよく適合するものである。このデータは
、効力における10倍の増加を示している。追加的なデータは、効力におけるこの
増加が、該クローン間および/または測定技術における相違の結果ではないこと
を示している。該測定を、0mVの保持電圧においてDmGluCl1上で繰返した(黒塗 りの正方形)。該実線曲線は、EC50およびnがCfGluCl1の場合と同じであると いう拘束を有する式(1)に最もよく適合するものである。該適合度は、DmGluCl
1のEC50がCfGluCl1のものと類似しており、従来認められている濃度より10倍 低い濃度で両方のチャンネルがIVM-POにより活性化されることを示している。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 C. felis GluClチャンネル(CfGluCl-1)をコードするオープンリーディング フレームを含むヌクレオチド配列を示す。
【図1B】 C. felis GluClチャンネル(CfGluCl-1)をコードするオープンリーディング フレームを含むヌクレオチド配列を示す。
【図2】 CfGluCl-1のアミノ酸配列を示す。
【図3A】 切りつめC. felis GluClチャンネル(trCfGluCl-1)をコードするオープンリ ーディングフレームを含むヌクレオチド配列を示す。
【図3B】 切りつめC. felis GluClチャンネル(trCfGluCl-1)をコードするオープンリ ーディングフレームを含むヌクレオチド配列を示す。
【図4】 trCfGluCl-1のアミノ酸配列を示す。
【図5A】 グルタミン酸によるCfCluCl-1の活性化を示し、10、30、100および300μMのグ
ルタミン酸に応答した電流の記録の重ね合せを示す。
【図5B】 グルタミン酸によるCfCluCl-1の活性化を示し、グルタミン酸に対する濃度応 答曲線を示す。
【図6】 CfGluCl-1チャンネルが塩素イオンに選択的であることを示す。
【図7A】 イベルメクチンホスファート(IVM-PO)が、CfGluCl-1にコードされるC. fe
lis GluClチャンネルのアゴニストであることを示し、100μMグルタミン酸およ び10nM IVM-POによる活性化を示す電流の記録の重ね合せを示す。
【図7B】 イベルメクチンホスファート(IVM-PO)が、CfGluCl-1にコードされるC. fe
lis GluClチャンネルのアゴニストであることを示し、CfGluCl(0mV)、DmGluCl
(0mV)およびDmGluCl(-80mV)に関するIVM-POに対する濃度応答曲線を示す 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12Q 1/02 C12P 21/02 C12N 5/00 A C12Q 1/02 15/00 ZNAA (72)発明者 エツター,アドリアン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 カリー,ドリス・エフ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 パーレス,フイリツプ・エス アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 コーエン,チヤールズ・ジエイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ブローシユ,リチヤード アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA10 BA21 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 4B063 QA01 QQ43 QR32 QR55 QR62 QS34 4B064 AG02 CA02 CA19 CC24 DA12 4B065 AA26X AA90Y AB01 BA02 CA24 CA43 4H045 AA10 BA10 CA51 DA01 EA06 FA74

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2に3文字の略号で記載されているアミノ酸配列 【化1】 を含むC. felis GluCluチャンネルタンパク質をコードする精製されたDNA分子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDNA分子を含んでなる、組換え宿主細胞内で
    C. felis GluCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. felis
    GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  4. 【請求項4】 組換え宿主細胞内でC. felis GluCluチャンネルタンパク質 を発現させるための方法であって、 (a)請求項2に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクトし
    、 (b)該発現ベクターからの該C. felis GluCluチャンネルタンパク質の発現を
    可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  5. 【請求項5】 配列番号2に3文字の略号で記載されているアミノ酸配列 【化2】 よりなるC. felis GluCluチャンネルタンパク質をコードする精製されたDNA分子
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のDNA分子を含んでなる、組換え宿主細胞内で
    C. felis GluCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. felis
    GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  8. 【請求項8】 組換え宿主細胞内でC. felis GluCluチャンネルタンパク質 を発現させるための方法であって、 (a)請求項6に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクトし
    、 (b)該発現ベクターからの該C. felis GluCluチャンネルタンパク質の発現を
    可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方法。
  9. 【請求項9】 配列番号1に記載のヌクレオチド配列 【化3】 を含んでなる、組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質をコードする精製 されたDNA分子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のDNA分子を含んでなる、組換えC. felis G
    luCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. fel
    is GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  12. 【請求項12】 組換え宿主細胞内で組換えC. felis GluCluチャンネルタ ンパク質を発現させるための方法であって、 (a)請求項10に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質の
    発現を可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方 法。
  13. 【請求項13】 配列番号1に記載のヌクレオチド配列 【化4】 よりなる、組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質をコードする精製され たDNA分子。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のDNA分子を含んでなる、組換えC. felis
    GluCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. fel
    is GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  16. 【請求項16】 組換え宿主細胞内で組換えC. felis GluCluチャンネルタ ンパク質を発現させるための方法であって、 (a)請求項14に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質の
    発現を可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方 法。
  17. 【請求項17】 配列番号4に3文字の略号で記載されているアミノ酸配列 【化5】 よりなるC. felis GluCluチャンネルタンパク質の切りつめ部分をコードする精 製されたDNA分子。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のDNA分子を含んでなる、組換え宿主細胞 内でC. felis GluCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. fel
    is GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  20. 【請求項20】 組換え宿主細胞内でC. felis GluCluチャンネルタンパク 質を発現させるための方法であって、 (a)請求項18に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質の
    発現を可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方 法。
  21. 【請求項21】 配列番号3に記載のヌクレオチド配列 【化6】 よりなる、組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質をコードする精製され たDNA分子。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のDNA分子を含んでなる、組換えC. felis
    GluCluチャンネルタンパク質を発現させるための発現ベクター。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の発現ベクターを含有する、組換えC. fel
    is GluCluチャンネルタンパク質を発現する宿主細胞。
  24. 【請求項24】 組換え宿主細胞内で組換えC. felis GluCluチャンネルタ ンパク質を発現させるための方法であって、 (a)請求項22に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞内にトランスフェクト し、 (b)該発現ベクターからの該組換えC. felis GluCluチャンネルタンパク質の
    発現を可能にする条件下、工程(a)の宿主細胞を培養することを含んでなる方 法。
  25. 【請求項25】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含んでなり、他のC. fe
    lisタンパク質を含まないC. felis GluCluチャンネルタンパク質。
  26. 【請求項26】 組換え宿主細胞内に含有されているDNA発現ベクターの産 物である、請求項25に記載のC. felis GluCluチャンネルタンパク質。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の組換え宿主細胞から精製された膜調製物
  28. 【請求項28】 配列番号4に記載のアミノ酸配列を含んでなり、他のC. fe
    lisタンパク質を含まない切りつめC. felis GluCluチャンネルタンパク質。
  29. 【請求項29】 組換え宿主細胞内に含有されているDNA発現ベクターの産 物である、請求項28に記載の切りつめC. felis GluCluチャンネルタンパク質。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の組換え宿主細胞から精製された膜調製物
  31. 【請求項31】 グルタミン酸依存性チャンネルタンパク質の活性を調節す
    る化合物を同定する方法であって、 a)その少なくとも一部はグルタミン酸依存性チャンネルタンパク質をコード している核酸分子の集団を、該核酸分子部分の発現が活性なグルタミン酸依存性
    チャンネルを与えるように宿主細胞溶液中に注入し、 b)試験化合物を該溶液中に加え、 c)塩素イオンの逆転電位より正の保持電位で宿主細胞膜電流を測定すること を含んでなる方法。
  32. 【請求項32】 該グルタミン酸依存性チャンネルタンパク質が、セノラブ
    ディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)、キイロショウジョウバエ
    (Drosophila melonogaster)およびクテノセファリデス・フェリス(Ctenoceph
    alides felis)グルタミン酸依存性チャンネルタンパク質よりなる群から選ばれ
    る、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 該核酸分子が、相補的DNA、ポリAメッセンジャーRNAお よび相補的RNAよりなる群から選ばれる、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 該保持電位が0mVである、請求項32に記載の方法。
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