JPH11505611A - アミリン放出の抑制 - Google Patents
アミリン放出の抑制Info
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- JPH11505611A JPH11505611A JP8533796A JP53379696A JPH11505611A JP H11505611 A JPH11505611 A JP H11505611A JP 8533796 A JP8533796 A JP 8533796A JP 53379696 A JP53379696 A JP 53379696A JP H11505611 A JPH11505611 A JP H11505611A
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Abstract
(57)【要約】
化合物のソマトスタチンタイプ−5レセプター(SSTR−5)への結合能及びアミリン放出の抑制能を測定する方法。当該方法は、SSTR−5を含む、調製物、細胞調製物または膜調製物のいずれか、を得;該調製物、化合物、及びSSTR−5リガンドをインキュベートし、この際、リガンド及び化合物の少なくとも一方は検出できるように標識され;化合物のSSTR−5への結合に関するリガンドとの競合能を測定し;化合物がSSTR−5に結合できると決定される際に及びそのように決定される際にのみ、膵臓細胞を得;アミリン放出刺激物質が膵臓細胞からのアミリンの放出を誘導する条件下で、化合物、膵臓細胞、及びアミリン放出刺激物質をインキュベートし;さらに化合物のアミリン放出の抑制能を測定することからなる。
Description
【発明の詳細な説明】
アミリン放出の抑制
発明の背景
カルシトニン遺伝子関連タンパク質(クーパー(Cooper)、エンドクリン レビ
ュー(Endocrine Review)、15:163(1994年)を参照)と構造が関連す
る37アミノ酸ポリペプチドである、アミリンは、まず、合成され、パッケージ
ングされ、ランゲルハンス島のβ−細胞から分泌される。ランゲルハンス島に加
えて、アミリン様免疫反応活性が、肺、胃腸管、及び神経系でも検出された。ミ
ヤザト エム(MiyazatoM.)ら、バイオク バイオフィ レス コム(Bioch.Biop
h.Res.Comm.)、181:293(1991年);チャンス(Chance)ら、ブレイ
ン レス(Brain Res.)、539:352(1991年);マルダー(Mulder)ら、
ガストロエンテロロジー(Gastroenterology)、107:712(1994年)を
参照のこと。
血液における異常に高濃度のアミリンの存在、即ち、高アミリン血症(hyperam
ylinemia)が、膵臓癌の患者(パーマート(Permert)ら、エヌ エングル ジェー
メド(N.Engl.J.Med.)、330:313(1994年)を参照)、肥満患者
(ヒュアング(Huang)ら、ハイパーテンション(hypertension)、19(Supp
.I):101(1992年)を参照)、および前糖尿病患者(エリックソン
ジェー(Erickson J.)、ダイアベトロジア(Diabetologia)、35:291(19
92年)を参照)において発見された。高アミリン血症状態は、糖尿病およびア
ミロイド形成の双方と関連があった(デコニング(Dekoning)ら、プロック
ナショル アカデ サイ ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、91:
8467(1994年)を参照)。アミロイドの形成は、β島細胞の破壊、さら
には膵臓の機能不全を引き起こす(ジョンソン(Johnson)ら、ラブ インヴェス
ト(Lab.Invest.)、66:522(1992年)及びロレンツォ(Lorenzo)ら、
ネーチャー(Nature)、368:756(1994年)を参照)。
天然のソマトスタチンは、14−アミノ酸イソ型(ソマトスタチン−14)及
び28−アミノ酸イソ型(ソマトスタチン−28)から構成される(ライヒリン
(Reichlin)、ニュー イング ジェー メディシン(New Eng.J.Medicine)、3 09
(24):1495(1983年)を参照)。5個の別のソマトスタチンレ
セプターが同定されその特性が明らかにされた(ホイアー(Hoyer)ら、ノイニン
−シュミーデベルグス アーク ファーマコル(Naunyn-Schmiedeberg's Arch.P
harmacol.)、350:441(1994年)を参照)。ソマトスタチンは、ホル
モン放出、例えば、成長ホルモン、グルカゴン、インスリン、アミリン、及び神
経伝達物質放出、の修飾などの様々な効果を有する。これらの効果によっては、
特定のソマトスタチンレセプターへの結合に関連するものもあった。例えば、成
長ホルモンの抑制はソマトスタチンタイプ−2レセプター(「SSTR−2」)
によるものであった(レイナー(Raynor)ら、モレキュラー ファーマコル(Molec
ular Pharmacol.)、43:838(1993年)及びロイド(Lloyd)ら、アム
ジェー フィジオル(Am.J.Physiol.)、268:G102(1995年)を参
照)。天然のソマトスタチンの半減期は短いため、様々なソマトスタチン類似体
が、例えば、先端巨大症の処置を目的として、開発された(レイナー(Raynor)ら
、モレキュラー ファーマコル(Molecular Pharmacol.)、43:838(199
3年)を参照)。
発明の要約
本発明は、ソマトスタチンタイプ−5レセプター(「SSTR−5」)に選択
的なリガンドが膵臓細胞からのアミリンの放出を有効に抑制するという発見に基
づくものである。
本発明の概念は、化合物のソマトスタチンタイプ−5レセプターへの結合能及
びアミリンを分泌する膵臓細胞からのアミリン放出の抑制能を測定する方法に関
するものである。該方法は、(i)SSTR−5を含む調製物、細胞調製物また
は膜調製物のいずれか、を得る;(ii)該調製物、化合物、及びSSTR−5
リガンドをインキュベートし、この際、リガンド及び化合物の少なくとも一方は
検出できるように標識される(detectably Iabeled);(iii)化合物のSST
R−5への結合に関するリガンドとの競合能を測定する;(iv)化合物がSS
TR−5に結合できると決定される際に及びそのように決定される際にのみ、ア
ミリンを分泌する膵臓細胞(例えば、ラットまたはマウス等の齧歯動物由来の無
傷の膵臓の細胞、β細胞等のランゲルハンス島細胞、またはアミリノーマ細胞(a
mylinoma cell))を得る;(v)アミリン放出刺激物質が膵臓細胞からのアミリ
ンの放出を誘導する条件下で、化合物、膵臓細胞、及びアミリン放出刺激物質(
例えば、グルコースまたはD−グリセルアルデヒド)をインキュベートする;及
び(vi)化合物のアミリン放出の抑制能を測定する段階からなる。
「SSTR−5リガンド」は、SSTR−5に結合する化合物を意味し、例え
ば、ソマトスタチン−14、ソマトスタチン−28、ソマトスタチン−14若し
くはソマトスタチン−28の類似体([Tyr11]−ソマトスタチン−14等)
、またはSSTR−5に対して生じる抗体が挙げられる。リガンドまたは試験化
合物のいずれかを放射性同位元素または非放射性(例えば、蛍光性、化学発光性
、若しくはビオチン化)分
子で標識されてもよい。好ましくは、[125I−Tyr11]−ソマトスタチン−
14を標識されたSSTR−5リガンドとして用いて、上記方法を実施する。標
識されたリガンドの他の例としては、125I−LTT−ソマトスタチン−28(
パテル(Patel)ら、エンドクリノル(Endocrinol.)、135(6):2814(1
994年)を参照)および125I−CGP 23996(レイナー(Raynor)ら、
モル ファーム(Mol.Pharm.)、44:385〜392(1993年)を参照)
が挙げられる。
上記方法を実施するにあたって使用される膵臓細胞の例としては、齧歯動物や
ヒトの膵島細胞(例えば、β及びδ細胞)および膵臓腫瘍細胞(例えば、アミリ
ノーマ細胞(amylinoma cell))が挙げられる。膵臓細胞は、インビトロあるいは
インビボのいずれでインキュベートされてもよい。インビトロシステムの例とし
ては、単離されたラットの膵臓、ラットのβ−細胞系RINm5f、及びハムス
ターのβ−細胞系HIT−T15が挙げられる。インビボシステムの例としては
、スプラグ−ダウレイ(Sprague-Dawley)またはツッカー(Zucker)脂肪ラットを試
験ソマトスタチン類似体のアミリン抑制活性を試験するための動物モデルとして
使用できる。アミリン放出刺激物質、例えば、16.7mMグルコース、は、動
物に注射されてもよい。次に、試験ソマトスタチン類似体は、様々な濃度で動物
に注射される。血液サンプルを動物から採取し、試験ソマトスタチン類似体の注
射前後に存在するアミリンの量はラジオイムノアッセイによって測定できる。
「アミリン放出刺激物質」は、膵臓細胞中に貯蔵されるアミリンの放出を刺激
する化合物を意味する。アミリン放出刺激物質の例としては、グルコース、D−
グリセルアルデヒド、またはL−アルギニンが挙げられる。
上記方法は、患者の膵臓由来のアミリンの放出を抑制できる新規な化合物をス
クリーニングするために使用できる。効率を促進するために、本方法をスクリー
ニングプロジェクトで使用する際には、2以上の試験化合物を単一のサンプルと
して一緒に使用してもよく、必要であれば、その後、分けて再試験してもよい。
本発明の他の概念は、高アミリン血症にかかっている、あるいはかかりやすい
被験者(例えば、哺乳動物などの温血動物、例えば、ヒト)の膵臓由来のアミリ
ンの放出を抑制することによって高アミリン血症を処置する(即ち、予防するま
たは改善する)方法に関するものである。上記方法は、被験者に、高アミリン血
症を処置するのに、即ち、膵臓細胞からのアミリンの放出を抑制することによっ
て血流におけるアミリンレベルを低減するのに有効な量のSSTR−5アゴニス
トを(例えば、非経口で、静脈内に、皮下に、経皮で、粘膜内に、または持続放
出性配合物の移植を介して)投与することからなる。
「SSTR−5アゴニスト」または、請求の範囲における、「ソマトスタチン
タイプ−5レセプターアゴニスト」は、(i)SSTR−2に対してよりSST
R−5に対してより選択性が高い、即ち、SSTR−5に関するKiがSSTR
−2に比べて低い(下記実施例で記載されるレセプター結合アッセイの一によっ
て測定される際に);および(ii)アミリン放出刺激物質によって誘導される
膵臓細胞からのアミリンの放出を抑制する(下記実施例で記載される機能アッセ
イの一によって測定される際に)化合物を意味する。SSTR−5アゴニスト及
びこれらの選択工程の例は、以下の「発明の説明」の欄に記載する。
上記治療方法は、膵臓癌、前糖尿病症状、または非インスリン依存型糖尿病に
かかっている被験者を処置するのに使用できる。
有効量は、処置される状態、選択される投与経路、及び使用される化合物の特
異的な活性によって変化し、最終的には、主治医または獣医によって決定される
。SSTR−5アゴニストを純粋なあるいは実質的に純粋な化合物として投与す
ることも可能であるが、薬剤配合物または調製物として存在することが好ましい
。ヒト及び動物に対して、本発明において使用される配合物は、以下のSSTR
−5アゴニストのいずれか、および一以上の製薬上許容できる担体や必要であれ
ば他の治療成分からなる。担体は、配合物の活性成分と適合し(及び好ましくは
、ペプチドを安定化でき)、処置される被験者に有害でないという意味で「許容
できる」ものでな
ければならない。
配合物は、単位服用量形態で簡便に存在していてもよく、また、薬学の分野に
おいて既知の方法によって調製されてもよい。すべての方法は、活性成分を一以
上の補助成分を構成する担体と合わせる段階を含む。
通常、錠剤または粉末用の配合物は、活性成分を超微粒子状の固体担体と均一
にかつ均質にブレンドした後、錠剤の場合には必要であれば、生成物を望ましい
形状及び大きさに形成することによって調製される。
一方、静脈内または皮下投与に適した配合物は、簡便には、活性成分の滅菌水
溶液からなる。好ましくは、溶液は、処置される被験者の血液と等張である。こ
のような配合物は、固体の活性成分を水に溶解して水溶液を得、さらにこの溶液
を滅菌することによって簡単に調製される。この配合物は、1回の投与用の(uni
t-dose)あるいは複数回の投与用の(multi-dose)容器、例えば、密閉されたアン
プルまたはバイアル中に含ませてもよい。持続放出性配合物の非経口移植による
薬剤のデリバリーは当該分野において既知である。例えば、米国特許番号377
3919号、米国特許番号4767628号;及びPCT出願番号WO 94/
00148号を参照。
治療または予防、例えば、高アミリン血症に関連する病気または疾患の処置に
使用されるSSTR−5アゴニスト、このような病気または疾患の処置を目的と
する薬剤の製造へのSSTR−5アゴニストの使用もまた、本発明の概念に含ま
れる。本発明はさらに、本発明の方法によって同定される新規なSSTR−5ア
ゴニストおよびSSTR−5アゴニストを含む薬剤組成物に関するものである。
SSTR−2に対してよりSSTR−5に対する方がより選択的であるリガン
ドを高アミリン血症を処置するのに使用することにより、望ましくない副作用を
最小限にできる。
本発明の他の態様及び利点は、以下の様々な実施態様の図面及び詳細な説明か
らおよび請求の範囲から明らかであろう。
図面の簡単な説明
まず、図面を以下に簡単に説明する。
図1は、グルコースにより誘導されるアミリンの分泌に関するソマトスタチン
−14の効果を示すグラフである。
図2は、グルコースにより誘導されるアミリンの分泌に関するソマトスタチン
類似体の効果を示すグラフである。
図3は、グルコースにより誘導されるアミリンの分泌に関する他のソマトスタ
チン類似体の効果を示すグラフである。
発明の説明
本発明の治療方法を実施するにあたって使用できるSSTR−5アゴニストは
、SSTR−2に対してよりSSTR−5に対する方がより選択的であるソマト
スタチンレセプターリガンドである。特定のレセプターに対するSSTR−5ア
ゴニストの選択性は、SSTR−5及びSSTR−2に関する各結合阻害定数(
Ki’s)が測定されるレセプター結合アッセイによって測定される。アミリン
の放出を抑制できるSSTR−5アゴニストは、(i)ヒトのSSTR−2でト
ランスフェクションされたCHO−K1細胞を用いて測定される際の、ヒトのS
STR−2に関するKiよりも低い、ヒトのSSTR−5でトランスフェクショ
ンされたCHO−K1細胞を用いて測定される際の、ヒトのSSTR−5に関す
るKi、または(ii)AR42Jラット膵腺房の腫瘍細胞を用いて測定される
際の、ラットのSSTR−2に関するKiよりも低い、ラットの嗅球細胞を用い
て測定される際の、ラットのSSTR−5に関するKiのいずれかを有する上記
化合物である。ここで述べられた4種の結合アッセイは以下の実施例において詳
細に説明する。好ましいSSTR−5アゴニストは、SSTR−2に対するより
SSTR−5に対する方が少なくとも3倍選択性が高い;言い換えると、ヒトの
システムまたはラットのシステムにおいて、SSTR−5に関するKiに対する
SSTR−2に関するKiの割合が3以上(例えば、3〜10,000、例えば
、3〜1,000、特に、3〜100、より特に3
〜60)である。より好ましいSSTR−5アゴニストは、SSTR−2に対す
る選択性に比べて10倍以上のSSTR−5に対する選択性を有する。
好ましくは、上記SSTR−5アゴニストは、直鎖状のペプチド、例えば、オ
クタペプチド等のオリゴペプチドである。このような直鎖状のペプチドの例とし
ては、以下に制限されるものではないが、以下の一般式に含まれるものが挙げら
れる:
ただし、A1は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Thr、Ser、
β−Nal、β−Pal、Trp、Phe、2,4−ジクロロ−Phe、ペンタ
フルオロ−Phe、p−X−Phe、またはo−X−Phe[但し、XはCH3
、Cl、Br、F、OH、OCH3若しくはNO2である]のD−またはL−異性
体であり;
A2は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Phe、β−Nal、ピリ
ジル−Ala、Trp、2,4−ジクロロ−Phe、ペンタフルオロ−Phe、
o−X−Phe、またはp−X−Phe[但し、XはCH3、Cl、Br、F、
OH、OCH3若しくはNO2である]であり;
A3は、ピリジル−Ala、Trp、Phe、β−Nal、2,4−ジクロロ−
Phe、ペンタフルオロ−Phe、o−X−Phe、またはp−X−Phe[但
し、XはCH3、Cl、Br、F、OH、OCH3若しくはNO2である]であり
;
A6は、Val、Ala、Leu、Ile、Nle、Thr、Abu、またはS
erであり;
A7は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Phe、β−Nal、ピリ
ジル−Ala、Trp、2,4−ジクロロ−Phe、ペンタフルオロ−Phe、
o−X−Phe、またはp−X−Phe[但し、XはCH3、Cl、Br、F、
OH、OCH3若しくはNO2である]であり;
A8は、Ala、Leu、Ile、Val、Nle、Thr、Ser、Phe、
β
−Nal、ピリジル−Ala、Trp、2,4−ジクロロ−Phe、ペンタフル
オロ−Phe、p−X−Phe、またはo−X−Phe[但し、XはCH3、C
l、Br、F、OH、OCH3若しくはNO2である]のD−またはL−異性体で
あり;
R1及びR2は、それぞれ独立して、H、低級アシル(例えば、C7アシルまで)
または低級アルキル(例えば、C1からC6のアルキル)であり;R3は、OHま
たはNH2であり:この際、A1及びA8の少なくとも一およびA2及びA7の一方
は芳香族アミノ酸でなければならず;およびA1、A2、A7及びA8はすべてが芳
香族アミノ酸にはならない。
本発明の治療方法に使用される直鎖状のSSTR−5アゴニストの例としては
、下記が挙げられる:
H-D-Phe-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-NH2 (BIM-23052);
H-D-Phe-Phe-Phe-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-OH (類似体I);
H-D-Phe-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-NH2;
H-D-Phe-p-NO2-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2;
H-D-Nal-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2;
H-D-Phe-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2;
H-D-Phe-p-クロロ-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-Thr-NH2;
H-D-Phe-Ala-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Ala-D-β-Nal-NH2;及び
H-D-Phe-Phe-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Phe-D-Phe-NH2。
必要であれば、一以上の化学部分、例えば、糖誘導体、モノ−若しくはポリ−
ヒドロキシC2-12アルキル基、モノ−若しくはポリ−ヒドロキシC2-12アシル基
、またはピペラジン誘導体、を、SSTR−5に、例えば、N−末端アミノ酸に
結合させてもよい(PCT出願番号WO 88/02756号、欧州特許出願番
号0 329 295号、及びPCT出願番号WO 94/08875号を参照
)。N−末端が化学的に置換されたSSTR−5アゴニストの例としては、以下
がある:
特記しない限り、本明細書中に記載されるすべてのアミノ酸配列式に関して、
各アミノ酸残基、例えば、A1またはLys、は、HN−C(R)H−CO−の
構造(但し、Rは側鎖である)を表わすことを留意すべきである。アミノ酸残基
間の線は、2個のアミノ酸を結合するペプチド結合を表わす。また、アミノ酸残
基が光学活性を有する際には、D−体と特記していない限り、L−体の立体配置
を意味するものとする。一般的でない略称である、β−Nal、β−Pal、N
le、及びAbuは、それぞれ、3−(β−ナフチル)アラニン、3−(β−ピ
リジル)アラニン、ノルロイシン、及びα−アミノ酪酸を表わす。
さらに詳細に述べなくとも、当業者は、本明細書の記載に基づいて、本発明を
十分利用できると考えられる。特記しない限り、本明細書中で使用されるすべて
の技術的及び科学的な用語は本発明が属する分野における通常の知識を有するも
のによって一般的に理解されるのと同様の意味を有する。本明細書中に記載され
る方法及び材料と類似のあるいは同様の方法及び材料は、本発明の実施または試
験において使用できる。本明細書中で述べられるすべての公報、特許出願、特許
、及び他の引用文献は、参考のために引用される。さらに、材料、方法、及び実
施例は詳細に述べるのみであり、本発明を制限するものではない。ソマトスタチンレセプターリガンドの合成
短いアミノ酸配列の合成はペプチド分野において良く確立されている。例えば
、上記構造を有する、BIM−23052の合成は、欧州特許出願番号0 39
5417 A1号の実施例Iに記載されるプロトコルに従うことによって達成で
きる。N−末端が置換されたソマトスタチン類似体の合成は、例えば、WO 8
8/02756号、欧州特許出願番号0 329 295号、及びPCT出願番
号WO 94/08875号に記載されるプロトコルに従うことによって達成で
きる。
類似体I及びII等のSSTR−5アゴニストは同様にして合成できる。放射線標識されたソマトスタチンレセプターリガンドの合成
放射線標識されたソマトスタチンレセプターリガンドの合成は、良く報告され
ており、当該分野における通常の知識を有するものの能力内である(例えば、チ
ェルニック(Czermick)ら、ジェー バイオル ケム(J.Biol.Chem.)、258:
5525(1983年)を参照)。例えば、SSTR−2の放射リガンド、シク
ロ(N−Me−Ala−Tyr[I125]−D−Trp−Lys−Val−Ph
e)または[I125−Tyr]MK−678、を下記の方法で合成した:非ヨウ
素化環状ヘキサペプチドをまず米国特許番号4310518号に記載の方法に従
って合成した。次に、このヘキサペプチドをクロラミン−T法を用いてヨウ素化
した。より詳しくは、50nMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4、50μ
l)、MK−678の溶液(リン酸塩緩衝液において1mM、10μl)、及び
Na125I(約10μlのH2Oにおいて1mCi)をポリプロピレン管に添加し
た。反応を、新たに調製したクロラミン−T溶液(H2Oにおいて1mg/ml
;10μl)を添加することによって開始した。この混合物を30秒間撹拌した
後、リン酸塩緩衝液におけるシステイン溶液(2mg/ml;100μl)を加
えて反応を終了させた。材料をHPLCによって精製した。目的とする生成物を
含む画分を、30分間で20〜50%のグラジエントで214nmのUV検出に
よって同定し、貯め、10%エタノールで希釈し、さらに−20℃で貯蔵した。
別の放射線標識されるソマトスタチンレセプターリガンド[I125−Tyr11
]ソマトスタチン−14は、同様の方法に従って調製できる。[I125−Tyr1 1
]ソマトスタチン−14はまた市販される。
ソマトスタチンレセプター結合アッセイ
(1)ラットのSSTR−2結合アッセイ
未精製膜(crude membrane)を、15秒間、セッティング6で、ポリトロンホモ
ゲナイザー(POLYTRON homogenizer)(ブリンクマン インストラメンツ(Brinkma
nn Instruments)、ウェストバリー(Westbury)、ニューヨーク,米国)で2
0mlの氷冷した50mMトリス−HCl(緩衝液A)中でAR42J細胞(A
TCC、ロックヴィレ,メリーランド(Rockville,Maryland),米国;ATCC
番号CRL1992)を均質化することによって調製した。さらに緩衝液Aを添
加して最終容積を40mlとし、ホモジネートを、0〜4℃で10分間、ソルヴ
ァルSS−34ローター(Sorval SS-34 rotor)(デュポン(DuPont)、ニュータウ
ン,コネチカット(Newtoun,Connecticut),米国)で39,000gで遠心した
。得られた上清をデカンテーションして捨てた。ペレットを氷冷した緩衝液A中
に再度均質化し、希釈し、前記と同様にして遠心した。最終的なペレットを10
mMトリス−HCl中に再懸濁し、レセプター結合アッセイ用に氷上に維持した
。
膜調製物のアリコートを、様々な濃度の試験ペプチド(例えば、10-11〜1
0-6M)、10mg/mlウシ血清アルブミン(フラクションV)(シグマ ケ
ミカル シーオー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス,ミズーリ(St.Louis,
Missouri),米国)、MgCl2(5mM)、トラジロール(200KIU/ml
)、バシトラシン(0.02mg/ml)、及びフェニルメチルスルホニルフッ
化物(0.02mg/ml)を含む50mM HEPES(pH7.4)におけ
る0.05nM [125I−Tyr]MK−678(2000Ci/mmol)
と共に25℃で90分間インキュベートした。最終的なアッセイ容積は0.3m
lであった。インキュベーションを、瀘過マニホルド(filtration manifold)(
ブランデル(Brandel),ガイザースブルグ,メリーランド(Gaithersburg,Maryla
nd),米国)を用いたGF/Cフィルター(予め0.3%ポリエチレンイミン中
に30分間浸漬した)によるラピッドフィルトレーション(rapid filtration)に
よって終了させた。次に、各チューブ及びフィルターを氷冷した緩衝液Aの5m
lのアリコートで3回洗浄した。特異的な結合を、[全結合[125I−Tyr]
MK−678結合ソマトスタチン−14]から[200nMソマトスタチン−1
4の存在下で結合した値]を引いた値として定義した。
以下のソマトスタチン類似体をアッセイした:ソマトスタチン−14、類似体
I(上記構造)、類似体II(上記構造)、BIM−23052(上記構造)、
BIM−23014(H−D−β−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Ly
s−Val−Cys−Ser−NH2;ランレオタイド(LANREOTIDE)またはソマ
ツライン(SOMATULINE))、及びSMS 201−995(H−D−Phe−Cy
s−Phe−D−Trp−Lys−Thr−Cys−トレオニノル(Threoninol)
;サンドスタチン(SANDOSTATIN)またはオクトレオタイド(OCTREOTIDE))。これ
らの試験ソマトスタチン類似体に関するKi値を下記式を用いて算出した:
Ki=IC50/[1+(LC/LEC)]
ただし、IC50放射リガンド[125I−Tyr]MK−678の特異的な結合の
50%を阻害するのに必要な試験化合物の濃度であり、LCは放射リガンドの濃
度(0.05nM)であり、およびLECは放射リガンドの平衡解離定数(0.
155nM)である。試験ペプチドについて算出されたKi値を、表1の見出し
が「SSTR−2」の下のカラムに示す。
(2)ラットのSSTR−5結合アッセイ
未精製膜(crude membrane)を、ポリトロンホモゲナイザー(POLYTRON homogeni
zer)(セッティング6、15秒間)で20mlの氷冷した50mMトリス−HC
l中でラットの嗅球細胞(ジヴィック−ミラー ラボラトリー インコーポレイ
テッド(Zivic-Miller Laboratory,Inc.),ゼレノプル,ペンシルバニア(Zelleno
ple, Pennsylvania),米国)の均質化によって調製した。緩衝液を添加して最終
容積を40mlとし、ホモジネートを、0〜4℃で10分間、ソルヴァルSS−
34ローター(Sorval SS-34 rotor)で39,000gで遠心した。得られた上清
をデカンテーションして捨てた。ペレットを氷冷した緩衝液中に再度均質化し、
希釈し、前記と同様にして遠心した。最終的なペレットを10mMトリス−HC
l中に再懸濁
し、レセプター結合アッセイ用に氷上に維持した。
膜調製物のアリコートを、様々な濃度の試験ペプチド(例えば、10-11〜1
0-6M)、10mg/mlウシ血清アルブミン(フラクションV)(シグマ ケ
ミカル シーオー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス,ミズーリ(St.Louis
,Missouri),米国)、MgCl2(5mM)、トラジロール(200KIU/m
l)、バシトラシン(0.02mg/ml)、及びフェニルメチルスルホニルフ
ッ化物(0.02mg/ml)を含む50mM HEPES(pH7.4)にお
ける0.05nM [125I−Tyr11]ソマトスタチン−14(2000Ci
/mmol;アマシャム コーポレイション(Amersham Corp.),アーリントンハ
イツ,イリノイ(Arlington Heights,Illinois),米国)と共に30℃で30分
間インキュベートした。最終的なアッセイ容積は0.3mlであった。インキュ
ベーションを、ブランデル瀘過マニホルド(Brandel filtration manifold)を用
いたGF/Cフィルター(予め0.3%ポリエチレンイミン中に30分間浸漬し
た)によるラピッドフィルトレーション(rapid filtration)によって終了させた
。次に、各チューブ及びフィルターを氷冷した緩衝液の5mlのアリコートで3
回洗浄した。特異的な結合を、[全結合[125I−Tyr11]ソマトスタチン−
14]から[1000nM BIM−23052の存在下で結合した値]引いた
値として定義した。試験ソマトスタチン−14及びその類似体に関するKi値を
下記式を用いて算出した:
Ki=IC50/[1+(LC/LEC)]
ただし、IC50は放射リガンド[125I−Tyr11]ソマトスタチン−14の特
異的な結合の50%を阻害するのに必要な試験化合物の濃度であり、LCは放射
リガンドの濃度(0.05nM)であり、およびLECは放射リガンドの平衡解
離定数(0.16nM)である。試験ソマトスタチン類似体に関するKi値(n
M)を、表1の見出しが「SSTR−
5」の下のカラムに示す。
表1はまた、ラットのSSTR−5に関するKiに対するラットのSSTR−
2に関するKiの各割合をも示す。これより、1より大きな割合を有する上記ソ
マトスタチン類似体(例えば、BIM−23052、類似体I及び類似体II)
は、ラットのSSTR−2に対してよりラットのSSTR−5に対する方がより
選択的である。
(3)ヒトのSSTR−2結合アッセイ
ヒトのSSTR−2 cDNAクローンは、報告されており(ヤマダ(Yamada)
ら、プロック ナショル アカデ サイ ユーエスエー(Proc.Natl.Acad. Sci
.USA)、89:251〜255(1992年)を参照)、ATCCから利用でき
る(ATCC番号79046)。ヒトのSSTR−2レセプターの全コーディン
グ領域を含む1.7kbのBamHI−HindIII断片は、制限酵素による
消化によって単離されており、ニューイングランドバイラブス(New England Bio
labs)(ビバリー,マサチューセッツ(Beverly,Massachusetts),米国)から利
用できる。このcDNA断片を、標準的な分子生物学的な技術を用いて、哺乳動
物の発現ベクターである、pCMV(ラッセル(Russell)ら、ジェー バイオル
ケム(J.Biol.Chem.)、264:8222〜8229(1989年)を参照)
中に挿入し、発現プラスミド、pCMV−ヒト SSTR−2を得た。他の哺乳
動物の発現ベクターとしては、pcDNA1/Amp(インヴィトロゲン(Invit
rogen),サンドレシイ,カルフォルニア(Sandlesy,California),米国)が挙げ
られる。例えば、マニアティス(Maniatis)ら、モレキュラー クローニング,ア
ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning,A Laboratory Manual),コー
ルド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)
,1982年を参照。この発現プラスミドを適当な細菌宿主である、大腸菌HB
101(E.coli HB101)(ストラタジーン(Stratagene),ラ ジョラ,カルフォ
ルニア(La Jolla,Califomia),米国)に導入し、トランスフェクション用の、
プラスミドDNAを塩化セシウムグラジエントで調製した。
CHO−K1(卵巣、チャイニーズハムスター)細胞をアメリカン タイプ
カルチャー コレクション(American Typr Culture Collection)、ロックヴィレ
,メリーランド(Rockville,Maryland),米国(ATCC番号CCL61)から
得た。この細胞を成長させ、標準的な組織培養条件下で10%ウシ胎児血清を添
加したハムのF12培地(ギブコ ビーアールエル(Gibco BRL)、グランド ア
イランド,ニューヨーク(Grand Island,New York),米国)中で維持した。
トランスフェクションを目的として、細胞を1×106/60cm2の密度でプ
レート(バクスター サイエンティフィック プロダクツ(Baxter Scientific P
roducts),マクガウ パーク,イリノイ(McGaw Park,Illinois),米国)に播種
した。DNA介在トランスフェクション(DNA mediated transfection)を、リン
酸カルシウム共沈法(オウスベル(Ausubel)ら、キャレント プロトコルズ イ
ン モレキュラー バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biology),
ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons),1987年を参照)
を用いて行った。プラスミドpRSV−neo(ATCC;ATCC番号371
98号)を、1/10の発現プラスミドの濃度で選択マーカーとして含ませた。
トランスフェク
ションされたDNAを安定して保持しているCHO−K1クローン細胞系を、1
0%ウシ胎児血清及び0.5mg/ml G418(シグマ ケミカル シーオ
ー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス,ミズーリ(St.Louis,Missouri),米
国)を含むハムのF12培地で生育させることにより選択した。この細胞を、分
析のために同様の培地でリングクローニングして(ring-clone)拡張した(expand)
。
ヒトのSSTR−2レセプターの発現は、細胞から調製された全RNAのノー
ザンブロッティング分析(サムブルック(Sambrook)ら、モレキュラー クローニ
ング−ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Manual
),第2版,コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratory),コールド スプリング ハーバー(Cold Spring Harbor),ニュ
ーヨーク,1989年を参照)によって及びリガンドとして[125I−Tyr11
]ソマトスタチン−14を用いたレセプター結合によって検出した。ヒトのSS
TR−2レセプターを発現するトランスフェクションされた細胞系を培養物にお
いてクローニングにより拡張し(clonally expand)、上記ラットのSSTR−2
結合プロトコルに使用した。試験ソマトスタチン類似体に関するKiを表2に列
挙する(LCは0.05nMであり、LECは0.15nMである)。
(4)ヒトのSSTR−5結合アッセイ
ヒトのSSTR−5 cDNAクローンは文献に記載されている(パネッタ(P
anetta)ら、モル ファーマコル(Mol.Pharmacol.),45:417〜427(1
994年);オー’キャロル(O'Carroll)ら、モル ファーマコル(Mol.Pharmac
ol.),46:219〜298(1994年);およびヤマダ(Yamada)ら、バイオ
ケム バイオフィズ レス コミュン(Biochem.Biophys.Res.Commun.),19 5
:844(1993年)、この際、図1はヒトのSSTR−5のDNA配列を
示すを参照)。開始コドン(30〜50番目の残基)のすぐ先に位置する(prece
ding)、センス5’−オリゴヌクレオチドプライマー、および停止コドン(11
80〜1200番目の残基)のすぐ先に位置する(preceding)、アンチセンス3
’−オリゴヌク
レオチドプライマーを用いて、レセプターの全長のコーディング配列を有する1
170塩基対の断片を標準的な逆転写PCR(ヤマダ(Yamada)ら、バイオケム
バイオフィズ レス コミュン(Biochem.Biophys.Res.Commun.),195:8
44(1993年)、この際、図1はヒトのSSTR−5のDNA配列を示す;
およびイニス(Innis)ら、PCR プロトコルズ,ア ガイド ツー メソッズ
アンド アプリケーションズ(PCR Protocols,A Guide to Methods and Appli
cations),アカデミック プレス(Academic Press),1990年を参照)によっ
て得た。cDNA断片の同一性を、シークェナーゼキット(Sequenase kit)(ユ
ナイテッド ステーツ バイオケミカルズ(United States Biochemicals)、アー
リントン ハイツ,イリノイ(Arlington Heights,Illiois),米国)によるジデ
オキシ−鎖終止法(dideoxy-chain termination method)(サンガー(Sanger)ら、
プロック ナショル アカデ サイ ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A)、74:5463(1977年)を参照)を用いたDNA配列決定によって確
認した。
ヒトのSSTR−5 cDNA断片を、哺乳動物の発現ベクター、pCMV中
に挿入し、平滑末端連結(例えば、マニアティス(Maniatis)ら、モレキュラー
クローニング−ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Clonig-A Laboratory
Manual),コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbo
r Laboratory),コールド スプリング ハーバー(Cold Spring Harbor),ニュ
ーヨーク,1982年を参照)によって発現プラスミドpCMV−ヒト SST
R−5を得た。この発現プラスミドを実施例3に記載されるのと同様にしてCH
O−K1細胞中にトランスフェクションし、クローン細胞系を、ノーザンブロッ
ティング分析及び[125I−Tyr11]ソマトスタチン−14を用いたリガンド
結合によって選択し、ヒトのSSTR−5レセプターの発現に関する特性を明ら
かにした。細胞系、CHO−K1Mは、ヒトのSSTR−5を発現することが示
された。安定してトランスフェクションされた細
胞系由来の膜を上記ラットのSSTR−5結合プロトコルで使用した。試験ソマ
トスタチン類似体に関するKi値(nM)を表2に列挙する(LCは0.05n
Mであり、LECは0.18nMである)。
ラットの膵臓細胞を用いたアミリン放出抑制アッセイ
スプラグ−ダウレイ(Sprague-Dawley)ラット(オス、200〜300g)(ハ
ーラン−オラク(Harlan-Olac)、バイセスター,オクソン(Bicester,Oxon),英
国)をペントバルビトンナトリウム(sodium pentobarbitone)で麻酔をかけた(
60mg/kg)。ラットの膵臓を、デュンモレ(Dunmore)ら、ジェー エンド
クリノル(J.Endocrinol.)、92:15〜20(1982年)に従来報告された
のと同様にして単離した。この膵臓を、3%デキストランT40(ファルマシア
(Pharmacia)、ミルトン ヘインズ,ブックス(Milton Heynes,Bucks),英国)
及び1%高純度ウシ血清アルブミン(シグマ(Sigma)、プール,ドーセット(Pool
e,Dorset),英国)を含む修飾クレブス-リンガー重炭酸塩緩衝液で、デュンモ
レ(Dunmore)ら、ジェー エンドクリノル(J.Endocrinol.)、137:375〜
381(1993年)に記載されるのと同様にして、潅流した。始めの5分間で
安定化させた後、単離
された膵臓を以下の組成の緩衝液で4.5〜5.0ml/分の速度で経時的に1
0分間の間隔で灌流した:1)緩衝液1:5.6mMグルコースを含むクレブス
-リンガー重炭酸塩緩衝液(基準となるアミリンの分泌を試験するため);2)
緩衝液2:16.7mMグルコースを含むクレブス-リンガー重炭酸塩緩衝液(
高グルコースで刺激された分泌を試験するため);3)緩衝液3:10nMの試
験化合物の存在下で16.7mMグルコースを含むクレブス-リンガー重炭酸塩
緩衝液(高グルコースで刺激されたアミリンの分泌に関する試験化合物の活性を
試験するため);および4)緩衝液2:16.7mMグルコースを含むクレブス
-リンガー重炭酸塩緩衝液(試験化合物の活性の可逆性を評価するために高グル
コースで刺激されたアミリンの分泌を再試験するため)。
灌流液の画分を400KIU/mlのアプロチニン(ベイヤー(Bayer)、ヘイ
ワーズ ヒース,ダブリュー スセックス(Hayward's Heath,W.Sussex),英国
)の存在下で1分毎に水上で収集した。画分をアッセイを行うまで−20℃で貯
蔵した。収集した灌流液を3×1.5mlのアリコートに分け、デュンモレ(Dun
more)ら、ジェー エンドクリノル(J. Endocrinol.)、137:375(199
3年)に記載されるのと同様にして、ラジオイムノアッセイによってアミリンに
関して検定した。アミリンは、ペニンシュラ ラボラトリーズ リミテッド(Pen
insula Laboratories Ltd.)(セント ヘレンズ,マーセイサイド(St.Helens,
Merseyside),英国)によって供給される試薬を用いて検定した。これらの試薬
としては、125Iで標識されたアミリン、ウサギの抗ラットアミリン抗体、及び
ラットのアミリンが挙げられる。結合したアミリンを、ヤギの抗ウサギ第2抗体
がカップリングしたセルロース(サック−カル(Sac-Cal),アイディエス(IDS),
ボルドン,タイン アンド ウェアー(Boldon,Tyne and Wear),英国)を用い
て沈殿させた。
ソマトスタチン−14、BIM−23014、及びBIM−23052を、上
記アッセイにおいて試験化合物として使用した。アッセイの結果を図1〜3に示
す。すべての場合において、単離されたラットの膵臓を16.7mMグルコース
で灌流することにより、アミリンの分泌がかなり向上した。SSTR−5に対し
て高い親和性を有する、ソマトスタチン−14は、10nMでグルコースにより
誘導されるアミリンの分泌を抑制した(図1)。SSTR−5に対して低い親和
性を有する、ソマトスタチン類似体であるBIM−23014は、同濃度では何
等効果を有さなかった(図2)。全く反対に、SSTR−5に対して高い親和性
を及びSSTR−2に対しては低い親和性を有する、BIM−23052は、同
濃度でグルコースにより刺激されるアミリンの分泌を78%抑制した(図3)。
上記アッセイはまた、メスのツッカー(Zucker)脂肪ラット(ハーラン−オラク(H
arlan-Olac)、バイセスター,オクソン(Bicester,Oxon),英国)から単離され
たラットの膵臓を用いても実施できる。RINm5f細胞を用いたアミリン放出抑制アッセイ
ラットのβ−細胞系であるRINm5f細胞の確立及び培養は既に報告されて
いる(ガツダー(Gazdar)ら、プロック ナショル アカデ サイ ユーエスエー
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、77:3519(1980年);およびプラズ
(Praz)ら、バイオケム ジェー(Biochem.J.)、210:345(1983年)
を参照)。インビトロのアミリンの放出抑制アッセイでは、19〜21継代の、
RINm5f細胞を使用する。この細胞(ザ ナショナル インスティテュート
オブ ヘルス(the National Institute of Health),ベセスダ,メリーランド
(Bethesda,Maryland),米国から市販)を、2%ウシ胎児血清及び2mMのグル
タミンを添加したRPIM−1640中で標準的な組織培養条件下で維持する。
アミリンの放出の評価を目的として、細胞を、24穴プレート(バクスター
サイエンティフィック プロダクツ(Baxter Scientific Products),マクガウ
パーク,イリノイ(McGaw Park,Illinois),米国)に3×105細胞/ウェルで
播種する。37℃で36〜48時間培養した後、培地を除去し、30分間でpH
7.4で、500μlの2mMグルコース、1mg/ml BSA(シグマ A
−4378、シグマ ケミカル シーオー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス
,ミズーリ(St.Louis,Missouri),米国)を含むクレブス-リンガー緩衝液で置
換する(ムーア(Moore)ら、バイオケム バイオフィズ レス コミュン(Bioche
m.Biophys.Res.Commun.),179:1(1993年)を参照)。この期間終
了時に、緩衝液を、試験化合物の存在下であるいは不存在下で、15mM D−
グリセルアルデヒドまたは50mM DL−グリセルアルデヒド(シグマ ケミ
カル シーオー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス,ミズーリ(St.Louis,Mi
ssouri),米国)のいずれかを含む1mlの新たな緩衝液と置換する。37℃で
2時間インキュベートした後、緩衝液を回収し、700rpmで5分間遠心し、
前記(デュンモレ(Dunmore)ら、ジェー エンドクリノル(J.Endocrinol.)、1 37
:375(1993年)を参照)したのと同様にしてアミリン含量を検定す
る。
他の実施熊様
前記説明により、本発明の特定の実施態様が制限された。しかしながら、変更
及び修飾が本発明にはなされて、本発明の利点の一部またはすべてが達成される
ことは明らかであろう。このような実施態様もまた以下の請求の範囲の概念に含
まれる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 カウトーン,ミカエル,アンソニー
イギリス国,バッキンガム エムケー18
1エージー,ハンター ストリート,ユニ
ヴァーシティ オブ バッキンガム
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.以下よりなる、化合物のソマトスタチンタイプ−5レセプターへの結合能 及びアミリンを分泌する膵臓細胞からのアミリン放出の抑制能を測定する方法: ソマトスタチンタイプ−5レセプターを含む調製物を得る; 該調製物、化合物、及びソマトスタチンタイプ−5レセプターリガンドをインキ ュベートし、この際、該リガンド及び該化合物の少なくとも一方は検出できるよ うに標識される; 該化合物のソマトスタチンタイプ−5レセプターへの結合に関する該リガンドと の競合能を測定する; 測定された化合物がソマトスタチンタイプ−5レセプターに結合できる際に及び そのように結合できる際にのみ、アミリンを分泌する膵臓細胞を得る; アミリン放出刺激物質が膵臓細胞からのアミリンの放出を誘導する条件下で、化 合物、膵臓細胞、及びアミリン放出刺激物質をインキュベートする;および 化合物のアミリン放出の抑制能を測定する。 2.該調製物が細胞調製物である、請求の範囲第1項に記載の方法。 3.該調製物が膜調製物である、請求の範囲第1項に記載の方法。 4.該調製物が齧歯動物の嗅球由来である、請求の範囲第1項から第3項のい ずれかに記載の方法。 5.該調製物がヒトのソマトスタチンタイプ−5レセプターでトランスフェク ションされたCHO−K1細胞由来である、請求の範囲第1項から第3項のいず れかに記載の方法。 6.該膵臓細胞がランゲルハンス島細胞またはアミリノーマ細胞またはRIN m5f細胞である、請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の方 法。 7.該ランゲルハンス島細胞がβ−細胞である、請求の範囲第6項に記載の方 法。 8.該膵臓細胞が単離された齧歯動物の膵臓の細胞である、請求の範囲第1項 から第7項のいずれかに記載の方法。 9.該リガンドが検出できるように標識される、請求の範囲第1項から第8項 のいずれかに記載の方法。 10.高アミリン血症を治療することを目的とする薬剤の製造へのソマトスタチ ンタイプ−5レセプターアゴニストの使用。 11.ソマトスタチンタイプ−2レセプターに対するよりもソマトスタチンタイ プ−5レセプターに対する方が少なくとも3倍選択性が高いソマトスタチンタイ プ−5アゴニストの請求の範囲第10項に記載の使用。 12.ソマトスタチンタイプ−2レセプターに対するよりもソマトスタチンタイ プ−5レセプターに対する方が少なくとも10倍選択性が高いソマトスタチンタ イプ−5アゴニストの請求の範囲第10項に記載の使用。 13.有効量のソマトスタチンタイプ−5レセプターアゴニストを被験者に投与 することからなる、被験者の高アミリン血症の処置方法。 14.ソマトスタチンタイプ−2レセプターに対するよりもソマトスタチンタイ プ−5レセプターに対する方が少なくとも3倍選択性が高いアゴニストを該ソマ トスタチンタイプ−5アゴニストとして使用する、請求の範囲第13項に記載の 方法。 15.ソマトスタチンタイプ−2レセプターに対するよりもソマトスタチンタイ プ−5レセプターに対する方が少なくとも10倍選択性が高いアゴニストを該ソ マトスタチンタイプ−5アゴニストとして使用する、請求の範囲第13項に記載 の方法。
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