JPH11505123A - 異種蛋白質の埋込発現 - Google Patents

異種蛋白質の埋込発現

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JPH11505123A JP8534966A JP53496696A JPH11505123A JP H11505123 A JPH11505123 A JP H11505123A JP 8534966 A JP8534966 A JP 8534966A JP 53496696 A JP53496696 A JP 53496696A JP H11505123 A JPH11505123 A JP H11505123A
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Abstract

(57)【要約】 (a)(1)宿主細胞中で発現の可能な担体蛋白質をコードする第一の遺伝子要素に作動可能に結合した調節領域と、(2)異種蛋白質をコードする第二の遺伝子要素であって、第一及び第二の要素が連続し同じ読み枠にあるように第一の要素内に埋め込まれている第二の要素とを有するDNAベクターを準備し;(b)DNAベクターで宿主細胞を形質転換し、及び(c)異種蛋白質がそのN末端で担体蛋白質の第一ドメインに、またそのC末端で担体蛋白質の第二ドメインに結合される、その異種蛋白質と担体蛋白質との融合蛋白質を発現する、段階を含む原核宿主細胞中で異種蛋白質を発現するための方法、異種蛋白質の完全発現を確認する方法、並びに、上記の方法に関連する融合蛋白質、DNA構築物、プラスミドベクター及び形質転換宿主細胞。

Description

【発明の詳細な説明】 異種蛋白質の埋込発現 技術的分野 本発明は微生物宿主細胞による異種蛋白質の生産のための方法に関する。さら に具体的には、本発明は、目的の蛋白質が埋め込まれる、融合蛋白質の形のこの ような蛋白質の発現、さらにまた、その蛋白質を産生するために有用なDNA構 築物、プラスミドベクター及び形質転換宿主細胞に関する。発明の背景 微生物宿主中の原核及び真核生物両方の本来ない(「異種の」)蛋白質を発現 することは公知であるが、蛋白質の発現には克服しなければならない多くの技術 的困難があり、これらは(i)十分なレベルの発現を得ること、(ii)容易に 分離し、精製される形で蛋白質を得ること、及び(iii)蛋白質が十分に発現 され、不完全な翻訳又はその後の分解によって末端を切断されないことを保証す ることを含む。一つの試みはそれぞれに対する遺伝子を結合して目的の蛋白質を 別の「担体」蛋白質と一緒に共発現することであって、生じる融合蛋白質は通常 、直接に又は短い結合セグメントによって、互に共有結合した二 つの遺伝子産物を含む。 特に好適な発現系は米国特許第5,124,255号に記載され、この特許は 参考文献として本明細書に特に組み入れる。その特許では、融合蛋白質が担体蛋 白質として大脳菌(Escherichia coli)酵素CKS(CMP− KDOシンテターゼ、又はCTP:CMP−3−デオキシ−D−マンノ−オクツ ロソン酸シチジリルトランスフェラーゼ)を利用するとして開示されている。そ の担体は、目的の蛋白質が担体遺伝子の3’末端に位置するDNAでコードされ 、所望の融合蛋白質の高レベルでの発現を可能にする。しかし、融合生成物が密 接に関連した発現生成物又は同様な分子量の細胞汚染物質から容易に分離できな いことが、この発現系及び他の発現系で起こる。また、典型的に該融合蛋白質の C末端にある目的の蛋白質が完全長ではなく、その末端が切り取られることも起 こり得る。 これらの困難性は、例えば、目的の蛋白質が、診断免疫アッセイで使用される べきであるエピトープ又はエピトープの組合せであるときには克服される必要が あり、したがって完全に発現され、精製可能でなければならない。従って、広範 囲の完全な異種蛋白質の信頼性のある発現を可能にし、さらに、このよ うな蛋白質の精製を容易にする、改良された発現系を開発することが本発明の目 的である。発明の要約 無傷の異種蛋白質は、その異種蛋白質が融合相手として作用する担体に埋め込 まれ、該担体に付着されていない融合蛋白質として容易に発現され得ることが分 かってきた。この試みは汚染する細胞蛋白質及び汚染する組換え蛋白質末端切断 (truncation)型生成物から蛋白質の精製を簡素化する。 従って、本発明の一つの態様では、(a)(1)宿主細胞中で発現可能な担体 蛋白質をコードする第一の遺伝子要素に作動可能に結合した調節領域、及び(2 )異種蛋白質をコードする第二の遺伝子要素であって、第一要素及び第二要素が 連続し、同じ読み枠中にあるように第一要素内に埋め込まれている第二要素、を 有するDNAベクターを準備し;(b)該DNAベクターで宿主細胞を転換し; 及び(c)該異種蛋白質がそのN末端で担体蛋白質の第一ドメインに、またその C末端で担体蛋白質の第二ドメインに結合している、異質蛋白質及び担体蛋白質 の融合蛋白質を発現する工程を含む、原核宿主細胞中に異種蛋白質を発現するた めの方法を開示する。 本発明の第二の態様では、本発明の発現方法によって発現された異種蛋白質を 開示する。上記方法によって製造される、異種蛋白質を含む融合蛋白質も同様に 開示する。 本発明の別の態様では、(a)本発明の発現方法により融合蛋白質として異種 蛋白質を発現し;(b)融合蛋白質を単離し;及び(c)担体蛋白質の第二ドメ インの一部分の存在を検出する手段に該融合蛋白質を露呈する段階を含む、異種 蛋白質の完全発現を確認するための方法が開示される。 本発明の更なる態様では、(a)宿主細胞中で発現可能な担体蛋白質をコード する第一の遺伝子要素に作動可能に結合した調節領域、及び(b)異種蛋白質を コードする第二の遺伝子要素であって、第一及び第二要素が連続し同じ読み取り 枠にあるように、第一要素内に埋め込まれている第二要素を含む、プラスミドベ クター中に挿入するためのDNA構築物を開示する。 本発明の更に別の側面では、本発明のDNA構築物を含むプラスミドベクター 、及びそれによって形質転換された宿主細胞を開示する。図面の簡単な説明 本発明の次の説明は添付した図面との関連でより容易に理解 されるだろう: 図1はプラスミドpJO210及びJO215の構築、並びに制限部位Eco RI並びにBamHIの除去の図解説明であり; 図2はプラスミドpMC200の構築の図解説明であり; 図3はプラスミドpJO200の構築の図解説明であり; 図4はプラスミドpMB28:lacZ−A1C2の構築の図解説明であり; 図5はプラスミドpMB34:lacZ−A1C2F3の構築の図解説明であ り; 図6はプラスミドpMB38:lacZ−pp38(106−373aa)の 構築の図解説明であり; 図7はプラスミドpCMV−1A:CKS−A1C2F3−CKSの構築の図 解説明であり; 図8は(A)A1C2F3及びH10DNA配列を含むPCRフラグメントの 作製;(B)pp65(297−510aa)及びpp38(117−373a a)DNA配列を含むPCRフラグメントの作製;並びに(C)プラスミドpC MV−3A:CKS−A1C2F3、プラスミドpCMV−3B:CKS− H10、プラスミドpCMV−4:CKS−A1C2F3−H10、プラスミド pCMV−9:CKS−pp65(297−510aa)及びプラスミドpCM V−26:CKS−pp38(117−373aa)の構築の図解説明であり; 図9は(A)プラスミドpJO200−ΔMluI;(B)プラスミド残基1 51〜180(5’−3’)における意図した改変部位を含む、プラスミドpJ O200のヌクレオチド配列;(C)プラスミドpJO200/MluI/CI APへの連結反応のために合成された、変異原オリゴヌクレオチド、5’CGC GACGT3’の二本鎖構造;及び(D)改変残基151〜180(5’−3’ )を含む、プラスミドpJO200ΔMluIのヌクレオチド配列の図解説明で あり; 図10はプラスミドpEElの構築の図解説明であり; 図11は(A)A1C2F3−H10,pp65(297−510aa)及び pp38(117−373aa)DNA配列を含むPCRフラグメントの作製; 並びに(B)プラスミドpCMV−27:CKS−A1C2F3−H10−CK S、プラスミドpCMV−28:CKS−pp65(297−510aa)−C KS、プラスミドpCMV−28STOP:CKS −pp65(297−510aa)−STOP−CKS、及びプラスミドpCM V−29:CKS−pp38(117−373aa)−CKSの構築の図解説明 であり; 図12はヌクレオチド1〜920のDNA配列[配列番号5]、及びプラスミ ドpJO200のアミノ酸1〜260の対応するアミノ酸配列である。発明の詳細な説明 従って、本発明の一つの態様では、(a)(1)宿主細胞中で発現可能な担体 蛋白質をコードする第一の遺伝子要素に作動可能に結合した調節領域、及び(2 )異種蛋白質をコードする第二の遺伝子要素であって、第一及び第二要素が連続 して同じ読み枠にあるように第一要素内に埋め込まれている第二要素、を有する DNAベクターを準備する工程;(b)宿主細胞を該DNAベクターで形質転換 する工程;並びに(c)異種蛋白質がそのN末端で担体蛋白質の第一ドメインと 、またそのC末端で担体蛋白質の第二ドメインと結合している、該異種蛋白質と 担体蛋白質との融合蛋白質を発現する工程を含む、原核宿主細胞中で異種蛋白質 を発現する方法を開示する。 本発明の発現方法では、異種蛋白質は宿主細胞中で発現可能 ないずれの蛋白質であってもよく、発現が宿主の成長を有意に害するか又は阻害 しないように十分に良性であればよい。適当な異種蛋白質は、細菌及びウイルス 蛋白質が好ましいが、細菌、真菌、酵母、ウイルス、原生動物又は他の源(Tr ypanosoma cruzi又はToxoplasma gondiiのよ うな人畜共通伝染病の原因生物を含む)であり得る。 特に好ましくはウイルス蛋白質、及び特にかなり臨床的に重要な病原体である ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、に由来の蛋白質であり、このような蛋 白質はHCMV特異的免疫グロブリンの存在又は不在の測定においてアッセイ標 的としてその使用によるHCMV感染の診断において重要である。本発明の方法 により発現され得る、及びヒト免疫グロブリンで容易に同定されるエピトープを 含む、代表的HCMV蛋白質としては、pp38(38kDアッセンブリィ蛋白 質)、pp65(65kD主要マトリックス蛋白質)、pp52(52kD非構 造的DNA結合蛋白質)、pp150(150kD構造的リン酸化蛋白質)が含 まれ、これらのうち、HCMV蛋白質pp38及びpp65が好ましい。HCM VエピトープH10、F3及びA1C2の中から選ばれたエピトープの免疫原部 分を含 有する異種蛋白質も好ましく、これらのエピトープはHCMVに対する免疫グロ ブリンについてのアッセイにおいて高感度で特異的な手段を提供することが分か った。 上記方法に使用するのに適する代表的調節領域は原核生物プロモーター及び原 核生物リボソーム結合部位を含むもの、及び特に制御調節がlacオペロンを含 有するものを含む。しかし、使用した宿主細胞に依存して、当該分野で良く知ら れた他の調節領域も使用することができる。 本発明の埋込発現法(embedded expression method)が、非制限的にβ−ガラ クトシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、及びマルトース結合蛋 白質を含む他の担体蛋白質との幅広い応用を見いだすことが期待されるが、代表 的担体蛋白質(異種遺伝子が融合され、共発現する融合相手)はCKS蛋白質に 由来するものである。CKSを使用すると、上記方法で使用したDNAベクター の特に好適な実施態様は、異種蛋白質がCKSの1から171のアミノ酸の部分 を含む担体蛋白質の第一ドメインと、CKSの171から260のアミノ酸の部 分を含む担体蛋白質の第二ドメインとの間に位置するものである。(下記のよう に、CKS蛋白質と称するものは、ポリリン カーDNA配列によってコードされたCKS遺伝子の末端に追加の20個のアミ ノ酸が続く本来のkdsB遺伝子の第一の240個のアミノ酸の両方を含み得る 。) したがって、本発明の好適な融合蛋白質は配列CKS*−CMV*−Thr−A rg−CKS**を有するものを含み、ここで(a)CKS*はCKSのアミノ酸 1から171の部分であり;(b)CMV*はHCMV蛋白質の部分であり;及 び(c)CKS**はCKSのアミノ酸171から260の部分である。これらの うち、CMV*がHCMV蛋白質pp38、pp52,pp65及びpp150 の部分中から、及び特にHCMV蛋白質pp38もしくはpp65の免疫原部分 中から又はHCMVエピトープH10、F3及びA1C2の免疫原部分から選ば れる融合蛋白質が特に好適である。このような融合蛋白質の特定の例は、CMV* が(a)A1C2F3−Leu−Gln−H10;(b)pp65(297− 510aa);(c)pp65(297−510aa)−STOP(ここでST OPは終止コドンである);及び(d)pp38(117−373aa)中から 選ばれるものである。 異種蛋白質の完全発現(intact expression)を確認する本 発明の方法では、融合蛋白質の単離が、他の発現生成物(不完全又は末端切断型 融合蛋白質)又は細胞成分に関して融合蛋白質の電気泳動ゲル中の示差的移動の ような既知の分離法で行ない得る。(なお、「単離」とは、種々の分子種が分離 されるか又は分割されることのみを意味し、所望の融合蛋白質が純粋な形で単離 されることを意味するものではないことに注意すべきである。)単離後、異種蛋 白質にフランキングする担体蛋白質ドメインの部分又は全体の存在を確立するた めの何らかの適当な検出手段を使用してもよい。好ましい検出手段は、担体蛋白 質の第一あるいは第二ドメインに含まれるエピトープと免疫反応を起こす免疫グ ロブリンを含む。融合蛋白質の単離及びこのような検出手段への該蛋白質の露呈 の両方のための特に有用な方法はウエスタンブロット法である。 本発明のDNA構築物は上記方法及び融合蛋白質に対応するものである。した がって、好適な構築物は、好適な異種蛋白質、エピトープ、調節領域、担体蛋白 質、及び上記融合蛋白質要素の並列(juxtaposition)、をコードする配列を含 有するものである。本発明のプラスミドベタターに組み込まれると、好適なベク ターは、(a)pCMV−27;(b)pCMV−28; (c)pCMV−28STOP;及び(d)pCMV−29の中から選ばれるも のを含む。 その種々の態様において本発明は、当該分野で周知の組換え法を用いて行うこ とができる。例えば、担体としてCKS蛋白質を用いる異種蛋白質の慣用の発現 が上記の米国特許第5,124,255号に記載されている。関連する方法は米 国特許第5,312,737及び同第5,322,769号、並びにここに引用 された参考文献にも詳細に記載されている。 本発明の発現方法、確認方法、融合蛋白質、DNA構築物、プラスミドベクタ ー及び形質転換宿主細胞は、本発明を説明することを意図し本発明の範囲を制限 するものでない以下の実施例と関連付けるとより良く理解されるだろう。以下の 記載及び本明細書全体にわたって、文献の引用は明らかに参考として含めること を意図している。 実施例1 一般的方法 材料及び供給源 制限酵素,T4 DNAリガーゼ、仔牛腸アルカリホスファターゼ(CIAP )、ポリヌクレオチドキナーゼ、及びDNA ポリメラーゼIのKlenowフラグメントはNew England Bio labs,Inc.(Beyerly,MA)又はBoehringer Ma nnheim Corp.(Indianapolis,IN)から購入した。 DNアーゼI及びアプロチニンはBoehringer Mannheim C orp.から購入した。 DNA及び蛋白質分子量標準、第一プレキャスト勾配ポリアクリルアミドゲル 、及び緩衝液付き半乾燥ブロッティングシステムはIntegrated Se paration Systems,Inc.(Natick,MA)から得た 。 イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)、アクリルアミド、N −N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル エチレンジアミン(TEMED)、4−クロロ−1−ナフトール、Coomas sieTMBrilliant Blue R250、Triton X−100TM 及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)はBioRad Laborator ies(Richmond,CA)から購入した。 西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)−標識抗体は Kirkegaard & Perry Laboratories,Tnc. (Gaithersburg,MD)から購入した。EPICURIAN Co liTM XL−1 BLUE(recA1 endA1 gyrA96 thi −1 hsdR17 supE44 relA1 lac[F’proAB ac Iq ZΔM15 Tn10(TetI)])supercompeten t coli細胞、DNA単離キット、RNA単離キット、及びZAPTM− cDNA合成キットはStratagene Cloning Systems ,Inc.(La Jolla,CA)から得た。 GeneAmpTM試薬キット及びAmpliTaqTM DNAポリメラーゼは Perkin−Elmer Cetus(Norwalk,CT)から購入した 。一般的方法で使用されたデオキシヌクレオチド三リン酸はGeneAmpTM試 薬キットからのものであった。 支持ニトロセルロース膜はSchleicher & Schuell(Ke ene,NH)から購入した。 SequenaseTM及び7−デアザ−dGTP及びSequenaseTM version 2.0 DNAポリメ ラーゼによるDNA配列決定のためのヌクレオチドキットはU.S.Bioch emical Corp.(Cleveland,OH)から得た。 ポリA+mRNA精製キットはPharmacia LKBBiotechn ology,Inc.(Piscataway,NJ)から購入した。 アンピシリン付きLuriaブロスプレート(LBampプレート)はMic ro Diagnostics,Inc.(Lombard、IL)から購入し た。 OPTI−MEMTM培地、牛胎児血清、リン酸緩衝食塩水、コンピテントcoli DH5α(F−φ80dlacZΔM15Δ(lacZYA−arg F)U169deorecA1 endA1 phohsdR17(rK- 、mK+supE44λ- thi−1 gyrA96relA1)、及びul traPURETMアガロースはGIBCOBRL,Inc.(Grand Is land,NY)から購入した。 Bacto−トリプトン、Bacto−酵母抽出物、及びBacto−寒天は Difco Laboratories (Detroit,MI)から得た。 NZYTMブロスはBecton Dickinson Microbiolo gy Systems(Cockeysville,MD)から購入した。 サケ精子DNA、リゾチーム、アンピシリン、N−ラウロイルサルコシン、チ メロサール、緩衝液、カゼイン酸加水分解物、TWEEN 20TM(ポリオキシ エチレンソルビタンモノラウレート)、ピロカルボン酸ジエチル(DEPC)、 フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)、ウシ血清アルブミン(BSA) 、尿素、グリセロール、EDTA、デオキシコール酸ナトリウム及び無機塩類は Sigma Chemical Co.(Saint Louis,MO)から 購入した。 ポリスチレン微粒子はPolysciences Inc.(Warring ton,PA)から購入した。 過酸化水素(H22)はMallinkrodt(Paris,KY)から購 入した。 メタノールはEM Science(Gibbstown,NJ)から購入し た。培地、緩衝液及び一般試薬 「スーパーブロス II」は11.25g/Lのトリプトン、22.5g/L の酵母抽出物、11.4g/Lの二塩基性リン酸カリウム、1.7g/Lの一塩 基性リン酸カリウム、10mL/Lのグリセロールを含み、水酸化ナトリウムで pH7.2に調整した。 「トリス緩衝食塩水」又は「TBS」はpH7.5で20mMのトリス、50 0mMのNaClからなった。 「トリス緩衝食塩水TWEEN 20TM」又は「TBST」はTBSプラス0 .05%TWEEN 20TMからなった。 「膜ブロッキング溶液」はTBS中に1%のウシ血清アルブミン(BSA)、 1%のカゼイン酸加水分解物、及び0.05%のTWEEN 20TMからなった 。 「Rubazyme試料希釈緩衝液」又は[RubazymeSDB」は13 5mMのNaCl、10mMのEDTA、0.2%のTWEEN 20TM、0. 01%のチメロサール及び4%の牛胎児血清を含むpH7.5の100mMのト リスからなった。 「Rubazymeコンジュゲート希釈剤希釈緩衝液」は 135mMのNaCl、0.01%のチメロサール及び10%牛胎児血清を含む pH7.5の100mMトリスからなった。 「HPRO発色溶液」はTBS中に0.06%の4−クロロ−1−ナフトール 、0.02%のH22及び0.2%メタノールからなった。 「SDS−PAGEローディング緩衝液」は2%のSDS、10%のグリセロ ール、5%のβ−メルカプトエタノール及び0.1%のブロモフェノールブルー を含むpH6.8の62mMトリスからなった。 「TE緩衝液」はpH8.0で10mMのトリス及び1mMのEDTAからな った。 「TEM溶解(lysis)緩衝液」はpH8.5で50mMのトリス、10mM のEDTA及び20mMの塩化マグネシウムからなった。 「PTE緩衝液」はpH8.5で50mMのトリス及び10mMのEDTAか らなった。ウイルス増殖及びcDNAの作製 HCMV AD169株又はTowne株を交換可能に使用し、5%牛胎児血 清を補充したOPTI−MEMTM培地中 で生育するヒト繊維芽細胞中で増殖させた。HCMV AD169及びHCMV ゲノムは、Cheeら,Curr.Top.Microbiol.Immuno .154:125(1990)及びBankierら,DNA Seq.2:1 (1991)の刊行物に記載されており、その開示内容を参考として本明細書に 含めるものとする。 感染6日後、CMV感染繊維芽細胞を遠心分離で収穫し、PBSで洗浄し、ガ ラス−TeflonTMホモジナイザーで均質化した。全ウイルスDNAは、Mo carskiら,Proc.Nat.Acad.Sci.82:1266(19 85)に記載のように単離した。全RNAはRNA単離キット(Stratag ene Cloning Systems)を用いて均質化した細胞から単離し 、ポリA+RNAはmRNA単離キット(Pharmacia Biotech )を用いて単離した。HCMV cDNAはZAP−cDNATM合成キット(S tratagene Cloning System)を用いて精製ウイルスm RNAから合成した。一般的方法 DNAの全酵素消化は供給者の指示によって行なった。少な くとも5単位の酵素がDNA1ミクログラム当たりで使用され、十分な培養時間 がDNAの完全消化を可能にした。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)DNA合成 、DNA配列決定、DNA及びRNAの操作で使用する種々のキットにおいて供 給者のプロトコルに従った。標準方法は、coliからのプラスミドDNA の小規模及び大規模合成、ファージλに感染させたcoli細胞からのファ ージ溶菌液DNAの合成、抗−coli抗体の吸収のためのcoli溶 菌液の調製、DNAのフェノール−クロロホルム抽出及びエタノール沈澱、アガ ロースゲル上のDNAの制限分析、アガロース及びポリアクリルアミドゲルから のDNAフラグメントの精製、DNAポリメラーゼIのKlenow断片を用い る制限酵素によるDNAの消化で生じた陥凹3’末端の充填、T4 DNAリガ ーゼによるDNAフラグメントの連結反応、及びコンピテントB1細胞(F- ra d(lac−proAB)rpsL φ80dlacZΔM15hsdR 17)の調製のために使用した(Maniatisら, Molecular Cloning:ALaboratory Manual,2nd ed.(C old Spring Harbor Laboratory Press,New York,1989)。 PCR増幅で生成したプラスミドへのクローニングのためのDNAフラグメン トは、PCR反応混合物の制限酵素消化に先立って、フェノール−クロロホルム で抽出し、エタノールで沈澱させた。PCR及びDNA配列決定のためのオリゴ ヌクレオチドは、製造者のプロトコルによって、Applied Biosys temsオリゴヌクレオチド合成器、モデル380B又は394で合成した。 HCMV蛋白質A1C2F3(ウイルス遺伝子UL32由来)、H10(UL 44)及びpp65(UL83)に対するマウスモノクロナール抗体は、それぞ れ精製rpMB34(lacZ−A1C2F3)、精製rpROSH10(la cZ−H10)、及び精製rpCMV−9(CKS−pp65(297−510 aa)によるマウスの免疫化で得られた。CKS蛋白質に対するマウスモノクロ ナール抗体は、Daileyらによる国際公開第WO93/04088に記載さ れた、精製rpHCV−23(CKS−BCD)によるマウスの免疫化で得られ た。免疫化に使用された蛋白質はSDS−PAGEにより決定された様に約90 %の純度であった。マウスの免疫化、 細胞融合、モノクロナール抗体の選別及びクローニング、並びにモノクロナール 抗体の特性付けのための方法はMehtaらによる国際公開第WO92/087 38に記載のものと同様であった。 実施例2 CKS発現ベクターpJO200の構築 図1〜3に示したように、pJO200ベクターは、Bolling及びMa ndecki、Bio/Techniques 8:488(1990)に記載 された、プラスミドpTB201から出発する三段階で構築された。CKS発現 ベクターpJO200の構築は、coliCMP−KDOシンテターゼ(C KS)蛋白質と組換え蛋白質との融合を可能にした。構造蛋白質CKS(kds B遺伝子としても公知)をコードするDNA遺伝子配列は、Goldmanら, J.Biol.Chem.261:15831(1986)に公表されている。 CKSのアミノ酸配列は248個のアミノ酸(aa)残基を含み、同じ文献に記 載されている。 プラスミドpJO200のための構築計画は、制限酵素部位(EcoRI及び BamHI)の除去及びCKS遺伝子の3’ 末端における多クローニング部位の付加を含んだ。これは、CKSの3’末端に おける、CMV蛋白質抗原をコードするCMV遺伝子のその後のクローニングを 容易にした。最終的に得られたベクターは、全部で260個のアミノ酸で、ポリ リンカーDNAによりコードされた追加の20個のアミノ酸が後に続いた、本来 のkdsB遺伝子由来の最初の240個のアミノ酸の配列をコードするDNAを 含んでいた。段階A:pJO210の構築 プラスミドpJO210はCKS発現ベクター、pTB201の誘導体である (図1)。このプラスミドは、CKS遺伝子用のプロモーターから上流に位置す るpTB201に存在する単一のEcoRI部位を除去して構築された。大規模 プラスミドDNA(pTB201)は一般的方法を用いてTB1細胞から単離さ れた。DNAはEcoRIにより完結するまで消化され、ポリアクリルアミドゲ ル上で精製された。精製されたpTB201/EcoRIフラグメントはついで デオキシヌクレオチド三リン酸の存在下でDNAポリメラーゼIのKlenow 断片により処理した。この酵素はEcoRI消化後に生じた陥凹3’末端を充填 し、平滑末端とした。DNAはKlenow 断片による処理後、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈澱し、T 4 DNAリガーゼ緩衝液中に再懸濁し、最後に室温で4時間T4 DNAリガ ーゼを用いて連結反応した。この連結反応混合物はコンピテントTB1細胞に形 質転換された。DNAのミニプレプ(miniprep)を形質転換体から調製し、DN AはEcoRI部位の欠失について選別された。プラスミドpJO210を単離 したが、これはプラスミドpTB201のEcoRI部位を欠失していた。段階B:pJO215の構築 プラスミドpJO215はプラスミドpJO210の誘導体である(図1)。 このプラスミドは、Mandecki、Proc.Nat.Acad.Sci. 83:7177(1986)の橋かけ変異誘発法(bridge mutagenesis procedu re)を用いて、CKS遺伝子用のプロモーターに位置するpJO210の単一B amHI部位を除去することにより構築された。TBI細胞からのプラスミドD NA(pJO210)は一般的方法を用いて単離された。DNAはBamHIに より完結するまで消化し、アクリルアミドゲル上で精製した。精製したpJO2 10/BamHIフラグメントはついで、BamHI部位に及ぶプラ スミドの領域中のpJO210のDNA鎖の一つに相補的で、配列[配列番号1 ]を有する変異原オリゴヌクレオチドと混合した。 このオリゴヌクレオチドは、プラスミドpJO210に組み込まれると、Bam HI部位を除去する単一のG→C塩基変化(上で下線を付けた、ヌクレオチド♯ 15)を含んでいた。 変異原オリゴヌクレオチドをpJO210/BamHIと混合した後、混合物 を3分間煮沸し、5分間室温まで冷却し、ついでコンピテントTB1細胞に形質 転換した。ミニプレプDNAは形質転換体から調製し、BamHI部位の欠失に ついて選別した。プラスミドpJO215を単離したが、これはpJO210の BamHI部位を欠失していた。段階C:pMC200の構築 プラスミドpMC200(図2)は、Mandecki及びBolling、 Gene68:101(1988)に記載された、プラスミドpMW507の誘 導体である。このプラスミドは、Mandecki及びBollingにより記 載された遺伝子合成のFokI法を用いるpMW507中に多クローニ ング部位を含む合成オリゴヌクレオチドのクローニングにより構築された。 規模プラスミドpMW507DNAは一般的方法を用いてTB1細胞から単離 した。そのDNAをSmaIにより完全に消化し、ついで配列[配意列番号2] を有するオリゴヌクレオチドと混合した。 これは末端におけるFokIアーム及び数個の制限酵素部位を含んでいた。 多クローニング部位ヌクレオチドは次の制限部位及び配列を含んでいた:5’ FokIアーム−BglII 付着末端−SalI/AccI/HincII− EcoRI−SstI−KpnI−SmaI/XmaI−BamHI−XbaI −PstI−SphI−停止コドン−BglII付着末端−FokIアーム3’ 。オリゴヌクレオチドをpMW507/SmaIと混合し、混合物を3分間煮沸 し、5分間室温まで冷却し、ついでコンピテントTB1細胞に形質転換した。ミ ニプレプDNA を形質転換体から調製し、多クローニング部位の存在について選別した。プラス ミドpMC200は、DNA配列決定により確認されたようにpMW507への 多クローニング部位の挿入を含んでいた。段階D:pJO200の構築 プラスミドpJO200はプラスミドpJO215の誘導体である(図3)。 プラスミドpJO200はpMC200からの多クローニング部位の除去及びp JO215中のCKS遺伝子の3’末端におけるこの部位のクローニングによっ て構築された。 大規模プラスミドDNA(pMC200及びpJO215の両方)は一般的方 法を用いてTB1細胞から単離した。プラスミドpJO215DNAをBglI Iにより完全に消化し、ついで連結反応中にプラスミドの再環化を防ぐために仔 牛腸アルカリホスファターゼ(CIAP)で処理した。プラスミドpMC200 DNAはFokIで消化した。FokIによるプラスミドpMC200の消化に より、プラスミドから多クローニング部位DNAを切り出したが、このDNAは BglII付着末端を含み、BglIIで消化した後、それはpJO215DN A中に容易に連結できた。プラスミドpJO215/BglII/CIAP及び pMC200/FokI(106塩基対)から切り出された多クローニング部位 はポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製した。 プラスミドpJO215/BglII/CIAP及びpMC200/FokI から切り出された多クローニング部位は混合され、16℃でT4DNAリガーゼ により一晩連結された。翌日、連結反応混合物はコンピテントTB1細胞に形質 転換した。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、BglII部位にお ける正しい配向で多クローニング部位の存在について選別した。プラスミドpJ O200は正しい配向で多クローニング部位を含んでいた。BglII部位にお けるpJO200中の多クローニング部位のDNA配列はDNA配列決定によっ て確認した。 実施例3 lacZ−A1C2F3発現ベクターpMB34 プラスミドpMB34はHCMV配列を含み、Ellingerら,J.Cl in.Micro.27:971(1989)に記載されたlacZ発現ベクタ ーpROSの誘導体であった。 pROSベクターは、lacZ遺伝子の下流に配置されたポリリンカークローニ ング部位を有するlacZ遺伝子(1−375アミノ酸)の末端切断形を含んで いた。pMB34プラスミドは二段階で構築された。第一段階は、150kD( pp150)の塩基性HCMVリン酸化蛋白質をコードするppUL32の二つ の領域の結合、ついでこのHCMV融合体とpROSのlacZ遺伝子の3’末 端との結合を必要とした。段階A:pMB28:lacZ−A1C2の構築 プラスミドpMB28[プラスミドpROSの誘導体(図4)]は、pROS のポリリンカー領域へのHCMV−A1C2を含むDNAフラグメントのクロー ニングによって構築された。HCMV−A1C2は、pp150のアミノ酸59 5〜14(ppUL32のヌクレオチド1783〜1842、ここでヌクレオチ ド1及び3144は、Cheeら(1990)及びBankierら(1991 )で報告されたように、AD169DNAの相補鎖の、それぞれヌクレオチド4 2993及び39850に対応する)をコードするppUL32遺伝子の領域か らのHCMVゲノムDNAのPCR増幅により得られた。 大規模プラスミドDNA(pROS)は一般的方法を用いてDH5α細胞から 単離した。プラスミドpROSはSalI及びHindIIIにより消化し、ベ クター骨格はアガロースゲル上で精製した。SalI部位を含むppUL32の ヌクレオチド1783で始まるセンスプライマー、及びHindIII部位を含 むppUL32のヌクレオチド1842で始まるアンチセンスプライマーを合成 し、ゲノムHCMV DNAを含むPCR反応混合物を加えた。PCR増幅後、 反応混合物をSalI及びHindIIIで消化し、A1C2(ppUL32の ヌクレオチド1783〜1842)として既知のエピトープを含む60塩基対フ ラグメントをアガロースゲル上で精製した。この精製フラグメントはついで16 ℃で一晩インキュベートすることにより精製pROS/SalI/HindII Iに連結された。翌日、連結反応混合物をコンピテントDH5α細胞に形質転換 した。ミニプレプDNAを形質転換体から調製し、その形質転換体はlacZ遺 伝子の末端のpROSにおける60塩基対フラグメントの存在について選別され た。プラスミドpMB28はA1C2フラグメントを含んでいた。pMB28の A1C2のDNA配列はDNA配列決定で確認し、A1C2を コードする領域がlacZコーディング配列と同じ位相内(in-frame)にあるこ とを決定した。段階B:pMB34:lacZ−A1C2F3の構築 プラスミドpMB34[プラスミドpMB28の誘導体(図5)]は、A1C 2DNA配列のすぐ下流で、pMB28のポリリンカー領域へHCMV−F3エ ピトープを含むDNAフラグメントをクローニングすることによって構築した。 HCMV−F3エピトープを含むDNAフラグメントは、pp150のアミノ酸 1006〜1048(ヌクレオチド3016〜3144)をコードするppUL 32のλgt11サブクローンから得られ、Mocarskiら、Proc.N at.Acad.Sci.82:1266(1985)に記載されたλgt11 ライブラリーからのものであった。 大規模プラスミドDNA(pMB28)は一般的方法を用いてDH5α細胞か ら単離した。ファージ溶解液は一般的方法を用いてファージλgt11クローン λ−F3から調製した。プラスミドpMB28をStuIで消化し、平滑断端を もつベクター骨格をアガロースゲル上で精製した。ファージλ−F3DNAはE coRIで消化し、陥凹3’末端をDNAポリメラー ゼIのKlenow断片で充填し、平滑末端とした。平滑末端化した129塩基 対λ−F3フラグメントはアガロースゲル上で精製し、ついでその平滑末端を1 6℃で一晩pMB28/StuIに連結した。連結反応混合物は翌日コンピテン トDH5α細胞に形質転換された。ミニプレプDNAその形質転換体から作製し 、形質転換体を正しい配向のlacZ遺伝子の末端でpMB28中の129塩基 対フラグメントの存在について選別した。プラスミドpMB34は正しい配向で F3フラグメント含んでいた。プラスミドpMB34のF3のDNA配列はDN A配列決定で確認された。F3コーディング領域はlacZ−A1C2コーディ ング配列と同じ位相内にあった。pMB34のlacZ−A1C2F3構築物の コーディング領域は、「lacZ(1−375aa)−A1C2(595−61 4aa、pp150)−K−L−Q−E−F−F3(1006−1048aa、 pp150)」と表示される構築物を結果的に生じさせる、A1C2とF3の間 の配列[配列番号3] Lys−Leu−Gln−Glu−Phe (又はK−L−Q−E−F)を有する、5個のアミの酸の橋かけを含んでいた。 ペンタペプチド挿入体を含む完全構築物は、 本明細書中で「A1C2F3」と称する。 実施例4 lacZ−pp38(106−373aa)発現ベクターpMB38の構築 プラスミドpMB38[lacZ発現ベクターpROSの誘導体(図6)]は ポリリンカー領域pROSへHCMV−pp38(106−373aa)を含む DNAフラグメントをクローニングすることによって構築された。HCMV−p p38(106−373aa)を含むDNAフラグメントはリン酸化蛋白質pp 38のアミノ酸106−373(ppUL80aのヌクレオチド316−111 9、ここでヌクレオチド1及び1119はそれぞれAD169DNA配列のヌク レオチド116203と117321に対応する)をコードするppUL80a 遺伝子の領域からのゲノムHCMV DNAのPCR増幅によって得られた。 プラスミドpROSはSalI及びHindIIIで消化し、得られたベクタ ー骨格はアガロースゲル上で精製した。ppUL80aのヌクレオチド316で 始まりSalI部位を含むセンスプライマー、及びppUL80aのヌクレオチ ド1119 で始まりHindIII部位を含むアンチセンスプライマーを合成し、両方のプ ライマーをゲノムHCMV DNAを含むPCR反応混合物に加えた。PCR増 幅後、反応混合物をSalI及びHindIIIで消化し、pp38(106− 373aa)を含む804塩基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。 精製フラグメントはついで16℃で一晩精製pROS/SalI/HindII Iに連結した。連結反応混合物は翌日コンピテントDH5α細胞に形質転換され た。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、形質転換体をlacZ遺伝 子の末端のpROS中の804塩基対pp38(106−373aa)フラグメ ントの存在について選別した。プラスミドpMB38はpp38(106−37 3aa)フラグメントを含んでいた。pMB38中のpp38(106−373 aa)のDNA配列はDNA配列決定で確認し、pp38(106−373aa )コーディング領域はlacZコーディング配列と同じ位相内にあった。 実施例5 pJO200に基づくCKS−CMV発現ベクターの構築 CKS発現ベクターpJO200は一連の6個のCKS−C MV遺伝子融合構築物の出発点として使用した。二種類のCKS−CMV遺伝子 融合プラスミドを構築した。本明細書中でエピトープ埋込(epitope-embedding )と称する第一のものは、CMV遺伝子DNA配列がpJO200のヌクレオチ ド638(CKSのアミノ酸171に対応する)においてCKS遺伝子内に挿入 されるように構築された。この構築物は「CKS(1−171aa)−CMV− CKS(171−260aa)」と称した。この種の構築物からcoli中 で発現された融合蛋白質はCKSアミノ酸配列内に完全に埋め込まれた抗原のエ ピトープを含む。プラスミドpCMV−1A(下記)はこの様に構築された。 第二タイプのCKS−CMV遺伝子融合プラスミドは、CKSアミノ酸248 に対応する位置でCKS遺伝子の3’末端に連結したCMV遺伝子DNA配列を 用いて構築された。この構築物は「CKS(1−248aa)−CMV」と称し た。プラスミドpCMV−3A、pCMV−3B、pCMV−4、pCMV−9 、及びpCMV−26(下記)はこのように構築された。大規模プラスミドDN A(pJO200)は一般的方法で単離し、下記の構築物のために使用した。段階A:pCMV−1A:CKS−A1C2F3−CKS プラスミドpCMV−1A[プラスミドpJO200の誘導体(図7)]は、 プラスミドpMB34に含まれたA1C2F3 DNAのPCR増幅により得ら れた、HCMV−A1C2F3を含むDNAフラグメントを、pJO200のS tuI部位にクローニングすることによって構築された。 大規模プラスミドDNA(pMB34)は一般的方法で単離した。プラスミド pJO200DNAをStuI及びMluHIで消化し、ベクター骨格をアガロ ースゲル上で精製した。 StuI/BamHI消化はCKS遺伝子の3’末端の部分を除去し、それは連 結反応で後に回復された。2つのPCR誘導DNAフラグメントは3経路の連結 反応でこのベクター骨格にクローン化された。A1C2F3はStuI/Mlu I DNAフラグメントとしてクローン化され、CKS遺伝子の残りの3’部分 はMluI/BamHI DNAフラグメントとしてクローン化され、完全なC KS遺伝子を回復した。 StuI部位を含むppUL32のヌクレオチド1783で始まるセンスプラ イマー、及びMluI部位を含むppUL32のヌクレオチド3144で始まる アンチセンスプライマー を合成し、プラスミドpMB34を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅 後、反応混合物をStuI及びMluIで消化し、A1C2F3を含む204塩 基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。pJO200のヌクレオチド 640(MluI部位を含む)で始まるセンスプライマー、及びpJO200の ヌクレオチド905で始まるアンチセンスプライマーを合成し、プラスミドpJ O200を含むPCR反応混合物に加えた。(上記のヌクレオチド番号付けは図 12に示されたDNA配列に対応する。)PCR増幅後、反応混合物をMluI 及びBamHIで消化し、CKS遺伝子の3’部分を含む266塩基対フラグメ ントをゲル精製した。これらの精製PCR誘導DNAフラグメントはついで16 ℃で一晩pJO200/StuI/BamHIに連結された。翌日、連結反応混 合物はコンピテントXL−1Blue細胞に形質転換された。 ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pJO200のStuI部位 に挿入されたA1C2F3の存在について選別した。プラスミドpCMV−1A はStuI部位に挿入されたA1C2F3を含んでいた。A1C2F3のDNA 配列及びCKS遺伝子の3’末端はDNA配列決定により確認した。2 個のアミノ酸(スレオニン及びアルギニン)の橋かけを含む蛋白質rpCMV− 1AをコードするCKS−A1C2F3−CKSのコーディング領域はA1C2 F3とCKSの3’末端との間のMluI部位に起因した。さらに、CKSのア ミノ酸171は構築物においては二重鎖化され、それは「CKS(1−171a a)−A1C2F3−T−R−CKS(171−260aa)」と称した。段階B:pCMV−3A:CKS−A1C2F3の構築 プラスミドpCMV−3A[プラスミドpJO200の誘導体(図8A及びC )]は、プラスミドpMV34に含まれるA1C2F3 DNAのPCR増幅で 得られた、HCMV−A1C2F3を含むDNAフラグメントをpJO200の SacI/BamHI部位中にクローニングすることによって構築された。プラ スミドpJO200をSacI及びBamHIで消化し、ベクター骨格をアガロ ースゲル上で精製した。SacI部位を含むppUL32のヌクレオチド178 3で始まるセンスプライマー、及びBamHI部位が後に続くA1C2F3コー ディング配列の末端に終止コドンを含むppUL32のヌクレオチド3144で 始まるアンチセンスプライマーを合成し、プ ラスミドpMB34を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反応混合 物をSacI及びBamHIで消化し、A1C2F3を含む204塩基対フラグ メントをアガロースゲル上で精製し、ついで16℃で一晩pJO200/Sac I/BamHIに連結した。 連結反応混合物は翌日コンピテントXL−1Blue細胞に形質転換された。 ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、SacI/BamHI部位にお けるpJO200中の204塩基対フラグメントの存在について選別した。プラ スミドpCMV−3AはCKS遺伝子と同じ位相内で融合したA1C2F3フラ グメントを含んでいた。A1C2F3のDNA配列及びCKS遺伝子の3’末端 を確認した。このCKS−CMV融合構築物は「CKS(1−248aa)−A 1C2F3」と称した。段階C:pCMV−3B:CKS−H10の構築 プラスミドpCMV−3B[プラスミドpJO200の別の誘導体]は、Ri paltiら,J.Virological Methods46:39(19 94)に記載された、プラスミドpROSH10からのHCMV−H10を含む DNAフラグ メントを、pJO200中にクローニングすることによって構築された。H10 DNA配列は、HCMVからの52kDのリン酸化蛋白質をコードするppUL 44から誘導された。pROSH10のppUL44のH10部分はppUL4 4のヌクレオチド604−1299を含み、ここでヌクレオチド1及び1299 はそれぞれAD169DNA配列の相補鎖のヌクレオチド56512及び552 14に対応する。H10は、アミノ酸202−434に対応する、リン酸化蛋白 質pp52のC末端側の半分をコードする。プラスミドpCMV−3Bは、H1 0DNA配列のPCR増幅で得られた、pROSH10からのH10DNAフラ グメントをpJO200のSacI/BamHI部位にクローニングすることで 構築された。 プラスミドpJO200はSacI及びBamHIで消化され、ベクター骨格 はアガロースゲル上で精製した。SacI部位を含むppUL44のヌクレオチ ド604で始まるセンスプライマー、及びBamHI部位が後に続くH10コー ディング配列の末端に終止コドンを含むppUL44のヌクレオチド1299で 始まるアンチセンスプライマーを合成し、プラスミドpROSH10を含むPC R反応混合物に加えた。PCR増 幅後、反応混合物をSacI及びBamHIで消化し、H10を含む696塩基 対フラグメントをアガロースゲル上で精製し、ついで16℃で一晩pJO200 /SacI/BamHIに連結した。連結反応混合物は翌日コンピテントXL− 1Blue細胞に形質転換された。ミニプレプDNAをその形質転換体から合成 し、SacI/BamHI部位におけるpJO200中の696塩基対フラグメ ントの存在について選別した。プラスミドpCMV−3BはCKS遺伝子と同じ 位相内で融合したH10フラグメントを含んでいた。H10のDNA配列及びC KS遺伝子の3’末端を確認した。CKS−CMV融合構築物は「CKS(1− 248aa)−H10」と称した。段階D:pCMV−4:CKS−A1C2F3−H10の構築 プラスミドpCMV−4[pJO200のさらなる誘導体]は、それぞれpM B34及びpROSH10に由来のHCMV−A1C2F3及びHCMV−H1 0の両方を含むPCR増幅DNAフラグメントをpJO200中にクローニング することによって構築された。 プラスミドpJO200をSacI及びBamHIで消化し、ベクター骨格を アガロースゲル上で精製した。2つのPCR誘 導DNAフラグメントを3経路連結反応でこのベクター骨格にクローン化した。 A1C2F3はSacI/PstIDNAフラグメントとしてクローン化し、H 10はPstI/BamHI DNAフラグメントとしてクローン化した。 SacI部位を含むppUL32のヌクレオチド1783で始まるセンスプラ イマー、及びPstI部位を含むppUL32のヌクレオチド3144で始まる アンチセンスプライマーを合成し、プラスミドpMB34を含むPCR反応混合 物に加えた。PCR増幅後、反応混合物をSacI及びPstIで消化し、A1 C2F3を含む204塩基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。Ps tI部位を含むppUL44のヌクレオチド604で始まるセンスプライマー、 BamHI部位が後に続くH10コーディング配列の末端に終止コドンを含むp pUL44のヌクレオチド1299で始まるアンチセンスプライマーを合成し、 プラスミドpROSH10を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反 応混合物をPstI及びBamHIで消化し、H10を含む696塩基対フラグ メントをアガロースゲル上で精製した。 HCMV−A1C2F3及びHCMV−H10精製PCR誘 導DNAフラグメントはついで16℃で一晩pJO200/SacI/BamH Iに連結された。連結反応混合物は翌日コンピテントXL−1Blue細胞に形 質転換された。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pJO200の SacI/BamHI部位に挿入されたA1C2F3及びH10の存在について 選別した。プラスミドpCMV−4はpJO200のCKS遺伝子の末端にA1 C2F3及びH10を含んでいた。A1C2F3及びH10のDNA配列を確認 した。組換え蛋白質rpCMV−4をコードするCKS−A1C2F3−H10 構築物のコーディング領域はA1C2F3とH10の間のPstI部位に起因し た2個のアミノ酸の橋かけを含んでいた。このCKS−CMV融合構築物は「C KS(1−248aa)−A1C2F3−L−Q−H10」と称した。ジペプチ ド挿入体を含む完全構築物は本明細書中「A1C2F3−H10」と称する。段階E:pCMV−9:CKS−pp65(297−510aa)の構築 プラスミドpCMV−9[pJO200のさらに別の誘導体]は、pp65の アミノ酸297−510をコードするpp UL83の領域からのHCMVcDNAのPCR増幅で得られたHCMV−pp 65(297−510aa)を含むDNAフラグメントをpJO200中にクロ ーニングすることによって構築された。使用したフラグメントはppUL83の ヌクレオチド889−1530からなり、ここでヌクレオチド1及び1683は それぞれ、AD169DNA配列の相補鎖のヌクレオチド121037及び11 9355に対応する。 二段階ネステッド(nested)PCR反応を用いて、鋳型としてHCMVcDN Aを用いてHCMV−pp65(297−510aa)DNAフラグメントを精 製した。外側ネストPCR増幅反応のために、ppUL83のヌクレオチド80 7で始まるセンスプライマー、及びppUL83のヌクレオチド1572で始ま るアンチセンスプライマーを合成し、HCMVcDNAを含むPCR反応混合物 に加えた。PCR増幅後、外側ネスト反応混合物を内側ネストPCR増幅反応の ための鋳型DNAとして使用した。内側ネストPCR増幅反応のために、Sac I部位を含むppUL83のヌクレオチド889で始まるセンスプライマー、及 びBamHI部位が後に続くpp65(297−510aa)コーディング配列 の末端に終止コドン を含むppUL83のヌクレオチド1530で始まるアンチセンスプライマーを 合成し、外側ネスト増幅DNAを含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後 、反応混合物をSacI及びBamHIで消化し、pp65(297−510a a)を含む642塩基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。 プラスミドpJO200をSacI及びBamHIで消化し、ベクター骨格を アガロースゲル上で精製した。HCMV−pp65(297−510aa)精製 DNAフラグメントはついで16℃で一晩pJO200/SacI/BamHI に連結された。連結反応混合物は翌日コンピテントXL−1Blue細胞に形質 転換された。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pJO200のS acI/BamHI部位に挿入されたpp65(297−510aa)の存在に ついて選別した。プラスミドpCMV−9はpJO200のCKS遺伝子の末端 にpp65(297−510aa)を含んでいた。pp65(297−510a a)のDNA配列を確認した。このCKS一CMV融合構築物は「CKS(1− 248aa)−pp65(297−510aa)」と称した。段階F:pCMV−26:CKS−pp38(117−373aa)の構築 プラスミドpCMV−26[pJO200のさらに別の誘導体]は、pMB3 8由来のpp38(ヌクレオチド349−1119)のアミノ酸117−373 をコードするppUL80aの領域からのpp38DNAのPCR増幅で得られ たHCMV−pp38(117−373aa)を含むDNAフラグメントをpJ O200中にクローニングすることによって構築した。 SacI部位を含むppUL80aのヌクレオチド349で始まるセンスプラ イマー、及びBamHI部位が後に続く終止コドンを含むppUL80aのヌク レオチド1119で始まるアンチセンスプライマーを合成し、pMB38DNA を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反応混合物をSacI及びB amHIで消化し、pp38(117−373aa)を含む771塩基対フラグ メントをアガロースゲル上で精製した。 大規模プラスミドDNA(pMB34)は一般的方法で単離した。プラスミド pJO200をSacI及びBamHIで消 化し、ベクター骨格をアガロースゲル上で精製した。HCMV−pp38(11 7−373aa)精製DNAフラグメントはついで16℃で一晩pJO200/ SacI/BamHIに連結された。連結反応混合物は翌日コンピテントXL− 1Blue細胞に形質転換された。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製 し、pJO200のSacI/BamHI部位に挿入されたpp38(117− 373aa)の存在について選別した。プラスミドpCMV−26はpJO20 0中のCKS遺伝子の末端にpp38(117−373aa)を含んでいた。p p38(117−373aa)のDNA配列を確認した。このCKS−CMV融 合構築物は「CKS(1−248aa)−pp38(117−373aa)」と 称した。 実施例6 CKSエピトープ埋込発現ベクターpEE1の構築 CKSエピトープ埋込発現ベクターは、CKS蛋白質内にエピトープ含有組換 え蛋白質の埋込を可能にして、作製された。pEE1と称するベクターは「CK S(1−171aa)−組換え蛋白質−T−R−CKS(171−260aa) 」と称した。このpEE1ベクターはCKS発現ベクターpJO 200から出発し二段階で構築された。第一段階では、変異原オリゴヌクレオチ ドは、MluI部位及びSacI部位の両方を除くように、pJO200のCK S遺伝子の5’末端付近に配置された一対の隣接MluIにクローン化された。 pJO200へのこの改変は、次の段階でCKS遺伝子中のさらに下流に導入さ れるべき唯一のMluIクローニング部位の使用を可能にする。第二段階では、 プラスミドpCMV−1AからのDNAのフラグメントはこの改変pJO200 ベクターにクローン化され、このようにしてCKS遺伝子中へのStuI/Ml uIフラグメントとして遺伝子の埋込を可能にした。段階A:pJO200−ΔMluIの構築 プラスミドpJO200ΔMluI[CKS発現ベクターpJO200の誘導 体(図9A)]は、変異原オリゴヌクレオチドを用いてpJO200DNA中の ヌクレオチド161−174(アミノ酸11−15)に配置された一対の隣接し たMluI部位及びSalI部位を除去することによって構築された。本来のp JO200DNA配列の改変部位はヌクレオチド配列151−180 5’−3 ’に含まれていた(図9B)。二つの標的化変異原ヌクレオチドpJO200D NAチミン− 166及びpJO200DNAアデニン−169は、二つのMluI部位及びS alI部位と同様に、注目される。 プラスミドpJO200をMluIで消化し、エタノールで沈澱し、アルカリ ホスファターゼ緩衝液に再懸濁した。プラスミドpJO200/MluIはつい で仔牛胞アルカリホスファターゼ(CIAP)で処理され、自己連結を防ぐため に5’リン酸基を除去した。DNAはCIAPでの処理後、フェノール−クロロ ホルムで抽出され、エタノールで沈澱され、TE緩衝液に再懸濁された。ベクタ ー骨格はついでアガロースゲル上で精製した。 図9Cの変異原オリゴヌクレオチドはpJO200/MluI/CIAPへの 連結のために合成された。このオリゴヌクレオチドはその3’末端で自己相補的 であり、アニーリング段階が後に続く熱変性段階の後、二本鎖構造の形成を可能 にした。変異原オリゴヌクレオチドはMluIで消化したpJO200DNAへ の連結を可能にするMluI付着末端を含んでいた。このオリゴヌクレオチドの 配列は、本来のpJO200DNA配列とは異なり、pJO200DNA T1 66及びpJO200DNA A169残基が変異原オリゴヌクレオチド(図 9C及びD、下線で注意したように)で逆転していた。このように、変異原オリ ゴヌクレオチドがpJO200のMluI部位にクローン化されると、MluI 部位及びSalI部位の両方を破壊した。 合成変異原オリゴヌクレオチドはポリヌクレオチドキナーゼを用いてその5’ 末端でリン酸化された。反応混合物は20分間65℃まで加熱され、キナーゼを 不活性化した。室温まで冷却後、リン酸化オリゴヌクレオチドをpJO200/ MluI/CIAPと混合し、5分間65℃まで加熱し、ついで室温まで徐々に 冷却して、それ自体へのリン酸化オリゴヌクレオチドのアニーリングを可能にし た。連結反応緩衝液及びT4DNAリガーゼをついで加え、混合物は20℃から 4℃まで温度が低下するように、一晩インキュベートした。連結反応混合物は翌 日コンピテントXL−1Blue細胞に形質転換された。ミニプレプDNAをそ の形質転換体から調製し、MluI及びSalI部位の欠失について選別した。 プラスミドpJO200ΔMluIはこれらの制限酵素部位を失って、単離され た。CKS遺伝子の5’末端のDNA配列はDNA配列分析で確認された。Ml uI及びSalI部位の除去に加えて、変異原オリゴ ヌクレオチドは、Ser−ThrからThr−Serまでのヌクレオチド166 −171でコードされたアミノ酸を変えた。プラスミドpJO200DNA配列 はそれによってプラスミドpJO200ΔMluI DNAに改変され、図9D のヌクレオチド151−180 5’−3’の部分配列を有した。段階B:pEE1の構築 プラスミドpEE1[プラスミドpJO200ΔMluIの誘導体(図10) ]は、CKS遺伝子内に埋め込まれたHCMV−A1C2F3を含む、プラスミ ドpCMV−1AからのStuI/BamHIを、pJO200ΔMluIのS tuI/BamHI中にクローニングして構築された。pJO200ΔMluI に存在するCKSコーディング領域内のStuI/BamHI DNAフラグメ ントをプラスミドpCMV−1AからのStuI/BamHIフラグメントで置 換して、生じるプラスミドpEE1はCKS遺伝子内に埋め込まれたHCMV− A1C2F3を含んでいた。プラスミドpEE1はプラスミドpCMV−1Aと は異なり、pEE1はCKS遺伝子の5’末端に存在する下流MluI部位を含 まなかった。それゆえ、StuI及びMluIによるpEE1の消化はHCMV −A1 C2F3DNAフラグメントを放出し、ブラント/MluI相容性付着末端DN AフラグメントとしてCKS遺伝子中に埋め込むための他の遺伝子を受容するこ とができる、アガロースゲル上で精製後のベクター骨格を提供する。 大規模プラスミドDNA(pJO200ΔMluI及びpCMV−1A)は一 般的方法で単離された。プラスミドpCMV−1AはStuI及びBamHIで 消化され、A1C2F3及びCKS遺伝子の3’末端を含む461塩基対フラグ メントはアガロースゲル上で精製した。プラスミドpJO200ΔMluIはS tuI及びBamHIで消化され、ベクター骨格をアガロースゲル上で精製した 。A1C2F3を含む461塩基対フラグメント及びpJO200ΔMluI/ StuI/BamHIベクター骨格は共に混合され、16℃で一晩連結された。 連結反応混合物を用いて翌日コンピテントXL−1Blue細胞を形質転換した 。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pJO200ΔMluIの4 61塩基対A1C2F3DNAフラグメントの存在について選別した。プラスミ ドpEE1はA1C2F3DNAフラグメントを含み、CKS遺伝子の5’末端 のMluI部位を含まなかった。CKS遺伝子 の3’末端及びA1C2F3フラグメントのDNA配列はDNA配列決定により 確認した。プラスミドpEE1をStuI及びBamHIにより消化した後、ア ガロースゲル上でベクター骨格を精製して、他のDNAフラグメントとの連結の 調製で完全にA1C2F3DNAフラグメントを除去した。この精製ベクター骨 格は、図式的に「5’X−目的遺伝子−Y3’」(ここでXは平滑末端、Yは例 えばMluI又はBssHIIのようなMluI相容性付着末端である)として 表示される、正しい読み枠のCKS遺伝子中に埋め込むためのDNAフラグメン トを受容可能であった。プラスミドpEE1は、1995年5月1日にブダペス ト条約の規定により、American Type Culture Coll ection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Ro ckville,Maryland 20852(米国)に寄託され、受託番号 ATCC69798が与えられた。 実施例7 pEE1に基づくCKSエピトープ埋込発現ベクターの構築 CKS発現ベクターpEE1は一連の4種のCKS−CMV−CKS遺伝子融 合構築物の出発点として使用した。各構築物 のために、プラスミドpEE1をStuI及びMluIで消化し、ベクター骨格 を精製した。PEE1/StuI/MluI骨格はその5’末端にStuI部位 を、その3’末端にMluI部位を有する、PCRによって生成したCMV遺伝 子フラグメントを受容できた。StuI及びMluIで消化後、PCRフラグメ ントはpEE1/StuI/MluI骨格と同じ位相内にクローン化された。こ れらのベクターから発現したCKS−CMV−CKS融合蛋白質は「CKS(1 −171aa)−CMV−T−R−CKS(171−260aa)」と表示され 、ここでT及びRはベクター中に導入された合成MluI部位でコードされたス レオニン及びアルギニン残基である。段階A:pCMV−27:CKS−A1C2F3−H10−CKSの構築 プラスミドpCMV−27[pEE1の誘導体(図11A及びB)]は、pC MV−4由来のHCMV−A1C2F3−H10を含むPCR増幅DNAフラグ メントをpEE1にクローニングして構築された。プラスミドpCMV−27は 1995年5月1日にブタペスト条約の規定に基づいてATCCに寄託され、受 託番号69797を与えられた。 大規模プラスミドDNA(pEE1及びpCMV−4)は一般的方法で単離さ れた。プラスミドpEE1をStuI及びMluIで消化し、ベクター骨格、P EE1/StuI/MluIをアガロースゲル上で精製した。StuI部位を含 むppUL32のヌクレオチド1783で始まるセンスプライマー、及びMlu I部位を含むppUL44のヌクレオチド1299で始まるアンチセンスプライ マーを合成し、プラスミドpCMV−4を含むPCR反応混合物に加えた。PC R増幅後、反応混合物をStuI及びMluIで消化し、A1C2F3−H10 を含む906塩基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。精製906塩 基対DNAフラグメントは16℃で一晩pEE1/StuI/MluIに連結し た。連結反応混合物を用いて翌日コンピテントXL−1Blue細胞を形質転換 した。ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pEE1のStuI/M luI部位に挿入されたA1C2F3−H10DNAフラグメントの存在につい て選別した。プラスミドpCMV−27はpEE1のStuI/MluIに埋め 込まれたA1C2F3−H10を含んでいた。A1C2F3−H10のDNA配 列及びCKSの隣接DNA配列はDNA配列決定で確認し た。このCKS−CMV−CKS融合構築物は「CKS(1−171aa)−A 1C2F3−L−Q−H10−T−R−CKS(171−260)」と表示され 、ここでL及びQ、並びにT並びにRは、それぞれ、ベクターに導入された合成 PstI及びMluI部位でコードされたロイシン、グルタミン、スレオニン及 びアルギニン残基である。段階B:pCMV−28:CKS−pp65(297−510aa)−CKSの 構築 プラスミドpCMV−28[pEE1の別の誘導体]は、pCMV−9由来の HCMV−pp65(297−510aa)を含むPCR増幅DNAフラグメン トをpEE1にクローニングして構築された。プラスミドpCMV−28は、1 995年5月1日にブタペスト条約の規定に基づいてATCCに寄託され、受託 番号69799を与えられた。 大規模プラスミドDNA(pEE1及びpCMV−9)は一般的方法で単離さ れた。プラスミドpEE1はStuI及びMluIで消化し、ベクター骨格はア ガロースゲル上で精製した。StuI部位を含むppUL83のヌクレオチド8 89で始まるセンスプライマー、及びMluI部位を含むppUL83の ヌクレオチド1530で始まるアンチセンスプライマーを合成し、プラスミドp CMV−9を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反応混合物をSt uI及びMluIで消化し、pp65(297−510aa)を含む642塩基 対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。精製642塩基対DNAフラグ メントは16℃で一晩pEE1/StuI/MluIに連結された。連結反応混 合物を用いて翌日コンピテントXL−1Blue細胞を形質転換された。ミニプ レプDNAをその形質転換体から調製し、pEE1のStuI/MluI部位に 挿入されたpp65(297−510aa)DNAフラグメントの存在について 選別した。pp65(297−510aa)を含んだプラスミドpCMV−28 はpEE1のStuI/MluI部位に埋め込まれていた。pp65(297− 510aa)のDNA配列及びCKSの隣接DNA配列はDNA配列決定で確認 した。このCKS−CMV−CKS融合構築物は「CKS(1−171aa)− pp65(297−510aa)−T−R−CKS(171−260)」と表示 され、ここでT及びRはベクターに導入された合成MluI部位によってコード されたスレオニン及びアルギニン残基である。段階C:pCMV−28STOP:CKS−pp65(297−510aa)− STOP−CKSの構築 プラスミドpCMV−28STOP[pEE1の更なる誘導体]は、pCMV −9由来のHCMV−pp65(297−510aa)を含むPCR増幅DNA フラグメントをpEE1にクローニングして構築された。翻訳すると、プラスミ ドは以下のように、組換え蛋白質rpCMV−28の末端切断形を生じた。 大規模プラスミドDNA(pEE1及びpCMV−9)は一般的方法で単離さ れた。プラスミドpEE1をStuI及びMluIで消化し、ベクター骨格をア ガロースゲル上で精製した。StuI部位を含むppUL83のヌクレオチド8 89で始まるセンスプライマー、及びMluI部位が後に続く終止コドンを含む ppUL83のヌクレオチド1530で始まるアンチセンスプライマーを合成し 、プラスミドpCMV−9を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反 応混合物はStuI及びMluIで消化し、pp65(297−510aa)を 含む642塩基対フラグメントをアガロースゲル上で精製した。精製642塩基 対DNAフラグメントは16℃で一晩pEE1 /StuI/MluIに連結された。連結反応混合物を用いて翌日コンピテント XL−1Blue細胞を形質転換した。ミニプレプDNAをその形質転換体から 調製し、pEE1のStuI/MluI部位に挿入されたpp65(297−5 10aa)DNAフラグメントの存在について選別した。pp65(297−5 10aa)を含んだプラスミドpCMV−28はpEE1のStuI/MluI 部位に埋め込まれた。pp65(297−510aa)のDNA配列及びCKS の隣接DNA配列を確認した。このCKS−CMV−CKS融合構築物は「CK S(1−171aa)−pp65(297−510aa)−STOP−T−R− CKS(171−260)」と表示され、ここでSTOPは終止コドンであり、 T及びRはベクターに導入された合成MluI部位によってコードされたスレオ ニン及びアルギニン残基である。pp65コーディング配列の末端の終止コドン の存在のために、CKS蛋白質のC末端領域に対する残りのコーディング配列は 翻訳されず、この構築物からはcoli中で発現されなかった。段階D:pCMV−29:CKS−pp38(117−373aa)CKSの構 プラスミドpCMV−29[pEE1の誘導体]は、pCMV−26由来のH CMV−pp38(117−373aa)を含むPCR増幅DNAフラグメント をpEE1にクローニングして構築された。プラスミドpCMV−29は199 5年5月1日にブタペスト条約の規定に基づいてATCCに寄託され、受託番号 ATCC69796が与えられた。 大規模プラスミドDNA(pEE1及びpCMV−26)は一般的方法で単離 された。プラスミドpEE1をStuI及びMluIで消化し、ベクター骨格を アガロースゲル上で精製した。StuI部位を含むppUL80aのヌクレオチ ド349で始まるセンスプライマー、及びMluI部位を含むppUL80aの ヌクレオチド1119で始まるアンチセンスプライマーを合成し、プラスミドp CMV−26を含むPCR反応混合物に加えた。PCR増幅後、反応混合物をS tuI及びMluIで消化し、pp38(117−373aa)を含む771塩 基対フラグメントを16℃で一晩PEE1/StuI/MluIに連結した。連 結反応混合物を用いて翌日コンピテントXL−1Blue細胞を形質転換した。 ミニプレプDNAをその形質転換体から調製し、pEE1のStuI/MluI 部位に挿入 されたpp38(117−373aa)DNAフラグメントの存在について選別 した。pp38(117−373aa)を含んだプラスミドpCMV−29はp EE1のStuI/MluI部位に埋め込まれた。pp38(117−373a a)のDNA配列及びCKSの隣接DNA配列はDNA配列決定によって確認し た。このCKS−CMV−CKS融合構築物は「CKS(1−171aa)−p p38(117−373aa)−T−R−CKS(171−260)」と表示さ れ、ここでTおよびRはベクターに導入された合成MluI部位でコードされた スレオニン及びアルギニン残基である。 実施例8 組換えCMV抗原の生成と特性化 プラスミドpCMV−1A、pCMV−3A、pCMV−4、pCMV−9、 pCMV−26、pCMV−27、pCMV−28、pCMV−28STOP、 及びpCMV−29はコンピテントcoliK−12株XL−1Blue中 に別々に形質転換された。個々のHCMV蛋白質を発現する細菌クローンは10 0μg/mLのアンピシリンを含むスーパーブロスII培地中で37℃で一晩増 殖された。一晩培養物は同じ培地で 1:100に希釈され、600nmで測定して、培養物が光学密度0.7〜0. 9に達するまで、通気して37℃で増殖された。誘導前試料は培養物から採取さ れ、13,000xgで1分間遠心され、粗細菌溶菌液は、SDS−PAGEロ ーディング緩衝液に細胞ペレットを再懸濁し、5分間煮沸して調製した。 組換えHCMV抗原の合成は、光学密度が0.7〜0.9に達した後、1mM の最終濃度までのIPTGの添加で個々の培養物に誘導された。試料はIPTG 誘導後4時間培養物から採取され、試料は13,000xgで1分間遠心され、 粗細菌溶菌液は、細胞ペレットをSDS−PAGEローディング緩衝液中に再懸 濁し、5分間煮沸して、調製された。細胞は4℃で12,000xgで15分間 で集められ、次の処理まで−80℃で凍結された。 誘導前及び誘導後試料は第一(Daiichi)プレキャスト4〜20%勾配 SDS−PAGEゲルにロードされた。泳動後、ゲルは50%メタノール及び1 0%酢酸中0.125%CoomassieTMブルー色素の溶液中で1時間染色 され、ついで透明な背景を得るまで、7%酢酸及び5%メタノールの溶液中で脱 色された。蛋白質分子量標準はcoli中で発 現した組換えHCMV蛋白質の分子量決定のためにゲル上で泳動された。段階A:組換え抗体CKS−A1C2F3−CKS(rpCMV−1A)の特性 組換え蛋白質rpCMV−1A(CKS−A1C2F3−CKS)の発現は、 pCMV−1Aで形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶菌液から得られた 誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動することで評価さ れた。CoomassieTM染色ゲルの分析は、rpCMV−1A蛋白質が全胞 蛋白質の15%からなることを示した。組換え蛋白質は44,000の見かけの 分子量を有し、36,000の計算分子量より大きかった。段階B:組換え抗原CKS−A1C2F3(rpCMV−3A)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−3A(CKS−A1C2F3)の発現はpCMV− 3Aで形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶離液から得られた誘導前及び 誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動して評価された。ゲルを染色 したCoomassieTMの分析は、rpCMV−3A蛋白質が全細 胞蛋白質の15%からなることを示した。組換え蛋白質は42,000の見かけ の分子量を有し、34,000の計算分子量より大きかった。段階C:組換え抗原CKS−A1C2F3−H10(rpCMV−4)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−4(CKS−A1C2F3−H10)の発現はpC MV−4で形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶菌液から得られた誘導前 及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動することで評価された。 ゲルを染色したCoomassieTMの分析はrpCMV−4蛋白質が全細胞蛋 白質の15%からなることを示した。組換え蛋白質は70,000の見かけの分 子量を有し、58,000の計算分子量より大きかった。段階D:組換え抗原CKS−pp65(297−510aa)(rpCMV−9 )の特性化 組換え蛋白質rpCMV−9(CKS−pp65(297−510aa))の 発現はpCMV−9で形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶菌液から得ら れた誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動して評価され た。ゲル を染色したCoomassieTMの分析は、rpCMV−9蛋白質がともに計算 分子量51,000より大きい分子量60,000及び56,000の2種の蛋 白質の間に等しく分布し全細胞蛋白質の10%からなることを示した。段階E:組換え抗原CKS−pp38(117−373aa)(rpCMV−2 6)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−26(CKS−pp38(117−373aa)) の発現は、pCMV−26で形質転換されたXl−1Blue細胞の粗溶菌液か ら得られた誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動して評 価された。ゲルを染色したCoomassieTMの分析はrpCMV蛋白質が全 細胞蛋白質の10%からなることを示した。組換え蛋白質は65,000の見か けの分子量を有し、54,000の計算分子量より大きかった。段階F:組換え抗原CKS−A1C2F3−H10−CKS(rpCMV−27 )の特性化 組換え蛋白質rpCMV−27(CKS−A1C2F3−H10−CKS)の 発現はpCMV−27で形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶菌液から得 られた誘導前及び誘導後試 料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動して評価された。CoomassieTM 染色ゲルの分析はrpCMV−27蛋白質が全細胞蛋白質の10%からなるこ とを示した。組換え蛋白質は72,000の見かけの分子量を有し、60,00 0の計算分子量より大きかった。段階G:組換え抗原CKS−pp65(297−510aa)−CKS(rpC MV−28)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−28(CKS−pp65(297−510aa)− CKS)の発現は、pCMV−28で形質転換されたXL−1Blue細胞の粗 溶菌液から得られた誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳 動して評価された。CoomassieTM染色ゲルの分析は、rpCMV−28 蛋白質が全細胞蛋白質の5%からなることを示した。組換え蛋白質は57,00 0の見かけの分子量を有し、53,000の計算分子量より大きかった。段階H:組換え抗原CKS−pp65(297−510aa)−STOP−CK S−(rpCMV−28STOP)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−28STOP(CKS−pp65(297−510 aa)−STOP−CKS)の発現は、pC MV−28STOPで形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶菌液から得ら れた誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動して評価され た。CoomassieTM染色ゲルの分析は、rpCMV−28STOP蛋白質 が全細胞蛋白質の5%からなることを示した。組換え蛋白質は47,000の見 かけの分子量を有し、42,000の計算分子量より大きかった。段階I:組換え抗原CKS−pp38(117−373aa)−CKS(rpC MV−29)の特性化 組換え蛋白質rpCMV−29(CKS−pp38(117−373aa)− CKS)の発現はpCMV−29で形質転換されたXL−1Blue細胞の粗溶 菌液から得られた誘導前及び誘導後試料を、勾配SDS−PAGEゲル上で泳動 して評価された。CoomassieTM染色ゲルの分析は、rpCMV−29蛋 白質が全細胞蛋白質の5%からなることを示した。組換え蛋白質は67,000 の見かけの分子量を有し、55,000の計算分子量より大きかった。 実施例9 埋込及び非埋込CKS発現の比較 粗溶菌液及び精製蛋白質はCKS発現の埋込様式及びCKS発現の非埋込様式 で発現した各組換え抗原に対してcoli細胞から調製された。これは組換 え抗原のCKS発現の埋込様式をCKS発現の非埋込様式と直接比較するために 行われた。これらの粗溶菌液及び精製蛋白質は引き続き下記のSDS−PAGE 及びウエスタンブロットで分析された。coliからの粗溶菌液は実施例8 に記載されたように調製された。 coliからの精製蛋白質は次の一般的方法で調製された。実施例7に記 載の細胞ペレットは融解され、追加の1mg/mLのリゾチーム、25mg/m LのDNアーゼI、2mg/mLのアプロチニンを含んだTEM溶菌緩衝液中で 均質化された。均質化後、PMSFを0.2mg/mLの最終濃度まで加え、細 胞を室温又は4℃で30分間溶菌した。溶菌後細胞溶菌液は4℃で30分間25 ,000xgで遠心された。可溶性coli蛋白質及び可溶性組換え抗原は 上澄みに見いだされ、不溶性包接体を形成した組換え抗原はペレット中に見いだ された。可溶性E.coli蛋白質は、引き続いて追加のTriton X−1 00を含んだPTE緩衝液で一回、追加の1%デオキシコール酸ナトリウムを含 んだPTE緩衝液で一 回、及び追加の0.5M塩化ナトリウムを含んだPTE緩衝液で一回ペレットを 洗浄してペレットから除去された。組換え抗原を含む不溶性ペレットはついで追 加の8M尿素を含むPTE緩衝液に溶解され、4℃で保存された。 粗溶菌液及び精製蛋白質は実施例8に記載のようにSDS−PAGEゲルで、 下記のようにウエスタンブロットで分析された。SDS−PAGEゲル上で泳動 した後、蛋白質は、Semi−Dry ElectroblotterTM(Inte grated Separation Systems)を用いてニトロセルロース膜に移され、ニトロセ ルロースは膜ブロッキング溶液を用いて一晩ブロックされた。翌日膜はRuba zyme試料希釈緩衝液中に希釈された適当なマウスモノクロナール抗体と室温 で2時間インキュベートされた。TBS及びTBSTで膜を洗浄後、膜はついで ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgGと室温で1時間インキュベートされた 。TBS及びTBSTで別の洗浄段階後、ブロットは4−クロロ−1−ナフトー ル/過酸化水素で可視化された。段階A:CKS−pp65(297−510aa)−CKS(pCMV−28) とCKS−pp65(297−510aa)(CMV−9)の発現の比較 実施例8D及び8GでCoomassieTMで染色したSDS−PAGEゲル による粗溶菌液の評価は、プラスミドpCMV−28(CKS−pp65(29 7−510aa)−CKS)の発現はIPTGによる誘導で分子量57,000 ダルトンの単一主要蛋白質バンドを生じたが、プラスミドpCMV−9(CKS −pp65(297−510aa))は60,000及び56,000ダルトン に二重バンドを生じた。これらの構築で誘導後に生じた蛋白質生成物をさらに理 解するために、ウエスタンブロット分析がこれらの粗溶菌液について、及びプラ スミドpCMV−28STOP(CKS−pp65(297−510aa)ST OP−CKS)から得られた粗溶菌液について行なった(実施例8H参照)。こ の構築物における終止コドンの存在により、CKSの最後の90アミノ酸を含ま ない末端切断型蛋白質の形成が生じた。 これら3種の構築物からの溶菌液は、CKSに対するモノクロナール抗体及び pp65に対するモノクロナール抗体で試験された。組換え蛋白質rpCMV− 28STOP、rpCMV−28、及びrpCMV−9のウエスタンブロット分 析の結果は下の表1に示される。coli中のプラスミドpCMV −28STOP、pCMV−28、及びpCMV−9の発現は期待した完全長の 蛋白質の形成を生じた。さらに、蛋白質末端切断生成物の範囲がCKS及びpp 65のモノクロナール抗体の両方に免疫反応的に観察された。末端切断生成物の サイズと数は各蛋白質で変化した。 coli中のプラスミドpCMV−28STOPの発現は期待した完全長 の蛋白質(47kDにおけるrpCMV−28STOP)プラスpp65モノク ロナール抗体で検出可能な末端切断生成物の範囲の生成を生じた。CKSモノク ロナー ル抗体で検出される蛋白質生成物はなかった。この結果はCKSモノクロナール 抗体で認識されるエピトープが、アミノ酸171〜260がpp65遺伝子の下 流の終止コドンの存在のためにこの蛋白質に存在しないので、CKS蛋白質のC 末端部分に位置したことを示した。 coli中のプラスミドpCMV−28の埋込発現は、CKSモノクロナ ール抗体及びpp65モノクロナール抗体の両方で検出された、期待した完全な 長さの蛋白質(57kD)の生成を生じた。しかし、プラスミドpCMV−28 (47から41kDまで)の末端切断生成物はpp65モノクロナール抗体での み検出された。これは、これらの末端切断生成物がCKSモノクロナール抗体と のエピトープ反応性を失った事実のためであった。 プラスミドpCMV−28からの完全な長さの蛋白質(57kDで)と、その 全てがpp65モノクロナール抗体と免疫反応性であるpCMV−28(47か ら41kDまで)の末端切断生成物の間に10kDのギャップが存在することが 観察された。pp65モノクロナール抗体に免疫反応性である、プラスミドpC MV−28STOP及びpCMV−28で生じる末端 切断生成物が同じ大きさであることに注目することは重要である。それゆえ、coli中の埋込CKS発現中に、(i)完全な長さの蛋白質生成物が作られ るか、又は(ii)恐らく埋め込まれた遺伝子の翻訳中のリボソーム休止のため に、CKSのC末端(アミノ酸171〜260)を欠いた10kD又はそれより 小さい末端切断(truncaition)生成物が作られた。 理論に拘束されるつもりはないがcoli中の埋込融合遺伝子の翻訳中に 二つのことの一つが起こったと思われた。CKS遺伝子内に埋め込まれた遺伝子 の翻訳中にリボソームが立ち往生して、蛋白質末端切断生成物を生じたか、又は リボソームが埋込遺伝子をうまく翻訳してCKS遺伝子の残部によって続けたか である。これは、両方のモノクロナール抗体で検出されたように、完全な長さの 蛋白質(59kD)と最大末端切断生成物(55kD)の間に10kDのギャッ プが存在しない、coli中のプラスミドpCMV−9の非埋込発現と対照 的である。 これらの結果は、非埋込CKS発現を超える埋込CKS発現の二つの長所を示 す。第一に、埋込CKS発現は混入する末端切断生成物のサイズを10kDだけ シフトさせ、したがって標 準クロマトグラフ法を使用するときの末端切断生成物からの完全長蛋白質のクロ マトグラフィー分離を改善する。第二に、CKSのC末端に対するCKSモノク ロナール抗体の使用、及び精製蛋白質のサイズが、埋込エピトープが無傷である 埋込CKS発現で生じた精製蛋白質のウエスタンブロットデータから証明するた めに使用できた。この埋込CKSの末端におけるCKSアミノ酸配列(アミノ酸 171〜260)はCKSモノクロナール抗体を用いるウエスタンブロットで可 視化できる免疫学的「タグ」として役立つ蛋白質を発現した。その存在は埋め込 みエピトープが精製蛋白質中で無傷であることを保証した。このような蛋白質の C末端の何らかの欠陥は免疫学的に無関係なCKS部分に制限されるだろう。段階B:CKS−A1C2F3−H10−CKS(pCMV−27)とCKS− A1C2F3−H10(pCMV−4)の発現の比較 実施例8C及び8FでCoomassieTMで染色したSDS−PAGEゲル による粗溶菌液の評価は、プラスミドpCMV−27(CKS−A1C2F3− H10−CKS)及びpCMV−4(CKS−A1C2F3−H10)の発現は 、 IPTGによる誘導で70,000〜72,000の分子量の単一の主要蛋白質 バンドを生じた。 ウエスタンブロット分析は蛋白質生成物をさらに特性化するために、co li 中のこれらの構築物の発現から得られた粗溶菌液について行われた。これら 二つの構築物からの溶菌液はCKSに対するモノクロナール抗体及びH10に対 するモノクロナール抗体を用いて試験された。この分析の結果は下の表2に示さ れる。 表2に見られるように、coli中のプラスミドpCMV−27及びpC MV−4蛋白質の発現により、CKS及びH10モノクロナール抗体の両方に免 疫反応性である、期待した 完全長の蛋白質プラスある範囲の蛋白質末端切断生成物の形成を生じた。 coli中のA1C2F3の埋込CKS発現は、完全な長さの蛋白質(6 8kD)及びH10モノクロナール抗体と免疫反応性のある範囲の末端切断生成 物の生成を生じた。埋込CKS発現から生じた混入する末端切断生成物は完全長 の蛋白質から大きさで10kDだけ離れていた。対照的に、coli中のA 1C2F3−H10の非埋込CKS発現により、完全な長さの蛋白質(68kD )及びH10モノクロナール抗体と免疫反応性のある範囲の末端切断生成物(6 6から56kDまで)の生成を生じた。非埋込CKS発現から生じた混入する蛋 白質末端切断生成物は完全長の蛋白質からうまくサイズ分離されなかった。 埋込及び非埋込CKS発現から生じた完全長の蛋白質及び非埋込CKS発現か ら生じた蛋白質末端切断生成物はCKSモノクロナール抗体と免疫反応性であっ た。埋込CKS発現から生じた混入する蛋白質生成物は、CKSモノクロナール 抗体がCKSのC末端に特異的であるため、CKSモノクロナール抗体と免疫反 応性でなかった。 埋込CKS発現は混入する末端切断生成物の大きさを10kDだけシフトし、 したがって標準クロマトグラフィー法を用いるときの末端切断生成物からの完全 長蛋白質の分離を改善した。この埋込CKS発現蛋白質の末端におけるCKSア ミノ酸配列(アミノ酸171〜260)は、抗CKSモノクロナール抗体を用い るウエスタンブロットで可視化可能な免疫学的タグとしても役立ち、埋込エピト ープが精製蛋白質中で無傷であることを示した。段階C:CKS−A1C2F3−CKS(pCMV−1A)とCKS−A1C2 F3(pCMV−3A)の発現の比較 実施例8A及び8BでCoomassieTMで染色したSDS−PAGEゲル による粗溶菌液の評価は、プラスミドpCMV−1A(CKS−A1C2F3− CKS)及びpCMV3A(CKS−A1C2F3)の発現が、IPTGによる 誘導で42,000〜44,000ダルトンの分子量の単一主要蛋白質バンドを 生じさせたことを示した。CoomassieTM染色ゲルの分析はrpCMV− 1A及びrpCMV−3A蛋白質がそれぞれ全細胞蛋白質の15%からなること を示した。 プラスミドpCMV−3Aの非埋込CKS発現で得られた、 rpCMV−3A蛋白質は、細胞溶菌液の遠心後得られた上澄みに完全に存在し た。この蛋白質はSDS−PAGEで決定されたようにほぼ15%の純度であっ た。対照的に、プラスミドpCMV−1Aの埋込CKS発現で得られたrpCM V−1A蛋白質は細胞溶菌液の遠心後に得られたペレット内に完全に存在した。 プラスミドpCMV−1Aの発現で得られた包接体(inclusion)は上記のよう に洗浄で精製された。包接体は8M尿素に可溶化され、rpCMV−3AはSD S−PAGEで85〜90%純度であると決定された。rpCMV−1Aの埋込 CKS発現は、非埋込CKS発現に優る好ましいCKS発現様式であった。rp CMV−1Aの精製は埋込CKS発現で生じた蛋白質の溶解度の変化のために非 常に簡素化された。 それ故、A1C2F3エピトープクラスター(プラスミドpCMV−3A中) の非埋込発現は可溶性組換え抗原を生じさせたが、A1C2F3(プラスミドp CMV−1A中)の埋込CKS発現は不溶性組換え抗原を生じさせた。これらの 結果は、非埋込CKS発現に優る本発明の埋込CKS発現法の別の可能な利点を 示し、組換え蛋白質の精製が、埋込CKS発現で精製させる場合、蛋白質の溶解 性の変化のために非常に簡素化され 得る。段階D:CKS−pp38(117−373aa)−CKS(pCMV−29) とCKS−pp38(117−373aa)(CMV26)との発現の比較 実施例7E及び71でCoomassieTMで染色されたSDS−PAGEゲ ルによる粗溶菌液の評価は、プラスミドpCMV−29(CKS−pp38(1 17−373aa)−CKS)及びpCMV−26(CKS−pp38(117 −373aa))の発現により、IPTGによる誘導で65,000〜67,0 00ダルトンの分子量の単一の主要蛋白質バンドが生じたことを示した。Coo massieTM染色ゲルの分析は、rpCMV29およびrpCMV−26の蛋 白質がそれぞれ全細胞蛋白質の5%及び10%からなることを示した。 プラスミドpCMV−26の非埋込CKS発現で得られたrpCMV−26蛋 白質は細胞溶菌液の遠心後得られた上澄み内に完全に存在した。この蛋白質はS DS−PAGEで決定されたように約10%の純度であった。対照的に、pCM V−29の埋込CKS発現で得られたrpCMV−29蛋白質は溶菌液の遠心後 得られたペレット内に完全に存在した。プラスミドp CMV−29の発現で得られた包接体は上述のように洗浄で精製された。包接体 は8M尿素に溶解され、rpCMV−29はSDS−PAGEで85〜90%の 純度であると決定された。ここで、pp38(プラスミドpCMV−26中)の アミノ酸117〜373の非埋込CKS発現は可溶性組換え抗原を生じさせたが 、その蛋白質配列(プラスミドpCMV−29中)の埋込CKS発現は不溶性組 換え抗原を生じさせた。 これらの結果は、組換え蛋白質の精製が、埋込CKS発現で生成させる場合、 蛋白質の溶解性の変化のために非常に簡素化できることを再び示した。 前述の詳細な説明及び付随の実施例は単に説明であって、添付の請求の範囲及 びそれらの均等物によってのみ規定される本発明の範囲を制限するものとして取 られるべきではない。開示された実施態様に対する種々の変更及び変形は当業者 には明白であろう。例えば、CKS担体蛋白質内の部位の任意の数の部位が異種 蛋白質の埋込発現を可能にすることが予想される。さらに、CKS又は他の担体 蛋白質の異なる位置の複数の部位が種々の異種蛋白質の同時埋込発現に使用でき ると考えられる。エピトープが担体蛋白質の異なる部位に埋め込まれるこのよう な「セグメント化発現(segmented expression)」は発現レベルを改善すること を可能にするだろう。異種蛋白質のセグメント化発現は、融合蛋白質のほぼ同じ 領域に結合しようとする免疫グロブリンの間の立体障害を最少にすることが期待 されるだろう。発明のさらに別の変形として、ポリリンカー配列が種々の異種蛋 白質をコードするDNAの挿入を容易にするために、担体蛋白質遺伝子に挿入さ れるだろう。さらに、上記実施例のプラスミドの構築がある型の連結(平滑/付 着)を示すが、他の型の連結(平滑/平滑又は付着/付着)も使用可能であろう 。このような変化及び変形は、制限なしで発現方法、確認方法、融合蛋白質、D NA構築物、プラスミドベクター、及び本発明の形質転換宿主細胞、並びにそれ らの使用に関するものを含んで、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく行 ない得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/02 C // C12N 7/00 C12N 7/00 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)(1)宿主細胞中で発現可能な担体蛋白質をコードする第一の遺伝子 要素に作動可能に結合した調節領域と、 (2)異種蛋白質をコードする第二の遺伝子要素であって、第一及び 第二の要素が連続し同じ読み枠にあるように第一要素内に埋め込まれている前記 第二要素と を有するDNAベクターを準備し、 (b)前記DNAベクターで前記宿主細胞を形質転換し、及び (c)前記異種蛋白質と前記担体蛋白質との融合蛋白質を発現し、ここで前 記異種蛋白質はそのN末端で前記担体蛋白質の第一ドメインに、またそのC末端 で前記担体蛋白質の第二ドメインに結合される、工程を含む、原核宿主細胞中で 異種蛋白質を発現する方法。 2.異種蛋白質が細菌蛋白質である請求項1に記載の方法。 3.異種蛋白質がウイルス蛋白質である請求項1に記載の方法。 4.調節領域が原核生物プロモーター及び原核生物リボソーム結合部位を含む、 請求項1に記載の方法。 5.調節領域がlacオペロンを含む、請求項4に記載の方法。 6.担体蛋白質がCKS蛋白質である請求項1に記載の方法。 7.異種蛋白質がヒトサイトメガロウイルス(HCMV)の蛋白質である請求項 6に記載の方法。 8.異種蛋白質がHCMV蛋白質pp38、pp52、pp65及びpp150 からなる群から選ばれたウイルス蛋白質の部分を含む、請求項7に記載の方法。 9.異種蛋白質がHCMV蛋白質pp38からなる群から選ばれたウイルス蛋白 質の免疫原性部分を含む、請求項7に記載の方法。 10.異種蛋白質がHCMV蛋白質p65からなる群から選ばれたウイルス蛋白 質の免疫原部分を含む、請求項7に記載の方法。 11.異種蛋白質がHCMVエピトープH10、F3及びA1C2からなる群か ら選ばれたエピトープの免疫原性部分を含む、請求項7に記載の方法。 12.担体蛋白質の第一ドメインがCKSのアミノ酸1〜171の部分を含み、 担体蛋白質の第二ドメインがCKSのアミノ酸171〜260の部分を含む、請 求項6に記載の方法。 13.請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12に記 載の方法により発現された異種蛋白質。 14.請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12に記載 の方法による異種蛋白質を含む融合蛋白質。 15.配列CKS*−CMV*−Thr−Arg−CKS**、ここで、 (a)CKS*はCKSのアミノ酸1〜171の部分であり、 (b)CMV*はHCMV蛋白質の部分であり、 (c)CKS**はCKSのアミノ酸171〜260の部分である、 を有する請求項14に記載の融合蛋白質。 16.CMV*がHCMV蛋白質pp38、pp52、pp65及びpp150 の部分からなる群から選ばれる請求項15に記載の融合蛋白質。 17.CMV*がHCMV蛋白質pp38からなる群から選ばれたウイルス蛋白 質の免疫原性部分である請求項15に記載の融合蛋白質。 18.CMV*がHCMV蛋白質pp65からなる群から選ば れたウイルス蛋白質の免疫原性部分である請求項15に記載の融合蛋白質。 19.CMV*がHCMVエピトープH10、F3及びA1C2からなる群から 選ばれたエピトープの免疫原性部分である請求項15に記載の融合蛋白質。 20.CMV*が、 (a)A1C2F3−Leu−Gln−H10; (b)pp65(297−510aa); (c)pp65(297−510aa)−STOP、ここでSTOPは終 止コドンである;及び (d)pp38(117−373aa) からなる群から選ばれる請求項15に記載の融合蛋白質。 21.(a)請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12 に記載の方法による融合蛋白質として異種蛋白質を発現し; (b)前記融合蛋白質を単離し;及び (c)担体蛋白質の第二ドメインの部分の存在を検出する手段に前記融合 蛋白質を露呈する、段階を含む、異種蛋白質の完全発現を確認する方法。 22.検出手段が、担体蛋白質の第二ドメインに含まれるエピトープと免疫反応 性である免疫グロブリンを含む、請求項21に記載の方法。 23.確認方法の段階(b)及び(c)がウエスタンブロッティングを用いて行 われる請求項21に記載の方法。 24.(a)宿主細胞中で発現可能な担体蛋白質をコード化する第一の遺伝子要 素に作動可能に結合した調節領域、及び (b)異種蛋白質をコードする第二の遺伝子要素であって、第一及び第二 の要素が連続し同じ読み枠内にあるように第一要素内に埋め込まれている前記第 二要素 を含む、プラスミドベクターへの挿入のためのDNA構築物。 25.異種蛋白質が細菌蛋白質である請求項24に記載のDNA構築物。 26.異種蛋白質がウイルス蛋白質である請求項24に記載のDNA構築物。 27.調節領域が原核生物プロモーター及び原核生物リボソーム結合部位を含む 、請求項24に記載のDNA構築物。 28.調節領域がlacオペロンを含む請求項27に記載のDNA構築物。 29.担体蛋白質がCKS蛋白質である請求項24に記載のDNA構築物。 30.異種蛋白質がヒトサイトメガロウイルス(HCMV)蛋白質である請求項 29に記載のDNA構築物。 31.異種蛋白質がHCMV蛋白質pp38、pp52、pp65及びpp15 0からなる群から選ばれたウイルス蛋白質の部分を含む請求項30に記載のDN A構築物。 32.異種蛋白質がHCMV蛋白質pp38からなる群から選ばれたウイルス蛋 白質の免疫原性部分を含む請求項30に記載のDNA構築物。 33.異種蛋白質がHCMV蛋白質pp65からなるグループから選ばれたウイ ルス蛋白質の免疫原性部分を含む請求項30によるDNA構築物。 34.異種蛋白質がHCMVエピトープH10、F3及びA1C2からなる群か ら選ばれたエピトープの免疫原性部分を含む請求項30に記載のDNA構築物。 35.担体蛋白質の第一ドメインがCKSのアミノ酸1〜171の部分を含み、 担体蛋白質の第二ドメインがCKSのアミノ酸171〜260の部分を含む請求 項29に記載のDNA構築物。 36.請求項24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、 34または35に記載のDNA構築物を含むプラスミドベクター。 37.(a)pCMV−27; (b)pCMV−28; (c)pCMV−28STOP;及び (d)pCMV−29 からなる群から選ばれた請求項36に記載のプラスミドベクター。 38.請求項36に記載のプラスミドベクターで形質転換された宿主細胞。 39.請求項37に記載のプラスミドベクターで形質転換された宿主細胞。
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