【発明の詳細な説明】
空隙を有する磁気回路上に電気コイルを形成するための巻き付け装置
本発明は、磁気回路の長さに比較して非常に短い長さの(狭い間隔の)空隙を
有する磁気回路の実質上(ほぼ)直線的な腕上に実質上円筒形の電気コイルを形
成するための巻き付け装置に関し、前記空隙は、上述の腕と実質上平行である。
本発明は、磁気回路の長さと比較して非常に短い長さの空隙を有する実質上ト
ロイダル型(ドーナツ型)の磁気回路の上に電気コイルを形成するための巻き付
け装置についてもさらに関連する。
この短い長さの空隙を有する磁気回路の上にコイルを形成するために現在まで
使用されてきた巻き付け方法は、閉回路の場合も同様であるが、例えばスリット
を有する環状部材の形成で補助のワイヤーキャリアーを使用することを求めてい
る。改変例においては、あらかじめ形成したコイルを設置するために磁気回路の
一時的な変形を許容する積層された磁気回路の上に上記コイルは設置されている
。それら公知方法の複雑さとそれら実用性の限界は、回路上にコイルを形成する
よりもむしろ改変された解決方法を使用することに起因して、直接的または非直
接的にコスト高を招くこととなった。
本発明の目的は、非常に経済的な手法で上述したタイプの磁気回路上にコイル
を直接形成することが可能で且つ大幅に連続して生産するために用いることの可
能な巻き付け装置を提供することにある。磁気回路は、特に、生産の原価価格に
有利な影響を及ぼす磁気ロッドまたはワイヤーから形成されることが許容される
べきである。
この目的のため、磁気回路の実質上直線的な枝部にコイルが形成される場合に
おいて、本発明による装置は、前記コイルの軸と平行に並べて配置され前記軸に
関して前記空隙の隔たりと同様の隔たりに位置する延長された中間部と共にワイ
ヤー入口部及びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少なくとも一つ備
え、前記中間部は縦方向に対して前記コイルの長さと少なくとも等しい長さを越
え且つ前記空隙の長さよりも小さな高さを有し、その結果、前記中間部は縦方向
と横方向とに前記空隙を通過することが可能であり、前記ワイヤーガイドと前記
磁気回路とが互いに前記コイルの軸に関して回転運動し且つ前記コイルの軸方向
に対して往復運動する能力を有するように配置された前記ワイヤーガイドのキャ
リア装置及び磁気回路の支持装置を有していることを特徴とする。
実質上トロイダル型の磁気回路の上にコイルが形成される場合においては、本
発明による装置は、中間部が前記空隙を通過している間に形成されるべきコイル
の端部において規定される2つの平面により形成される角度と少なくとも等しい
角度で前記磁気回路の平面内において向きを変えることが可能であるような高さ
を断面において有しているような当該延長された中間部と共にワイヤー入口部及
びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少なくとも一つ備え、互いの関
係において前記空隙について磁気回路の平面内で揺動運動すると共に前記コイル
の瞬間的な軸について回転運動し且つ前記ワイヤーガイドの中間部の縦方向に対
して交互に直動運動することの可能な前記ワイヤーガイドのキャリア装置及び磁
気回路の支持装置を有していることを特徴とする。
請求項2〜5及び7には、本発明による装置の好ましい実施例が示されている
。
本発明のさらに他の特徴、目的及び効果は、例として示され且つ添付図面に描
かれた以下の異なる実施例の記述により明らかになるであろう。
図1は、磁気回路の直線的な腕の上にコイルを形成するための本発明による装
置の主要な部品の側面図である。
図2は、図1のII−II線断面図である。
図3は、図1のIII−III線について一部を切断した平面図である。
図4及び図5は、図1の装置のためのワイヤーガイドの改変例を示す図2に類
似した断面図である。
図6及び図7は、各々図1の装置のためのワイヤーガイドの他の実施例を示す
正面図及び側面図である。
図8,9及び10は、各々図9のVIII−VIII線において一部を切断した正面図
、一部を切断した側面図及び図1の装置のためのワイヤーガイドの他の実施例を
示す平面図である。
図11は、図1に類似する図であって、同じ磁気回路上に二つのコイルを同時
に形成するための装置を示している。
図12は、図11のXII−XII線についての部分断面図である。
図13は、トロイダル型の磁気回路上にコイルを形成するための本発明による
装置の操作を図解するための概略図である。
図1は、空隙2を有する磁気回路1と、符号4によって示される軸周りにおい
て上記回路1の直線的な腕の上に形成されたコイル3とを示している。この磁気
回路は、図1に一点鎖線により概略的に描かれた支持装置1aの上に通常用いら
れる方法で固定されている。ワイヤーガイド6は、図1に図解される如く操作可
能な状態で空隙2を通過するように配置されている。このワイヤーガイドは、巻
き付け操作の間、軸4と一直線上に並ぶ軸について回転駆動が可能であるように
配置されて、キャリア装置7上に取り付けられている。
ワイヤーガイド6は、符号10によって示されるワイヤーを形成されるべきコ
イル3に向かって同じもの(コイル)の軸と垂直な平面内で導くためにこのワイ
ヤーを誘導すべく、上記支持部7の近くにワイヤー入口部8を有し且つその自由
端にワイヤー出口部9を有している。これらの二つの端部の間にワイヤーガイド
6は中間部11を有している。その長さはコイルの長さよりも長く、そしてその
中間部に沿ってワイヤーは入口部8及び出口部9の間に導かれる。図1は、比較
的太いワイヤーを本装置に供給するためのワイヤースプール12をさらに示して
おり、実例において示される如く、このワイヤースプールは、軸4と一直線上の
軸の周りで回転可能な状態で支持部7上に取り付けられている。巻き付けられる
べきワイヤーが比較的細い場合は、ワイヤーガイド6の供給は独立したワイヤー
供給部からなされる事が可能であり、そのワイヤーは望ましくはこの場合におい
て軸4である回転軸を通過するように導かれる。
図2は、上述の軸4上に共通の中心を有する二つの円の円弧によって輪郭を横
断面で定義づけられる中間部11におけるワイヤーガイド6の形状を示している
。図2の実施例においてワイヤー10は、ワイヤーガイドの部分8,9の間の解
放された溝の中を通過している。
図3は、特にワイヤーガイド6の平面図を示し、図1と同様の参照番号によっ
て様々な部分が指定されている。
図1〜図3に示すように、ワイヤーガイド6は空隙2を横切るその中間部にお
いて幾分小さな高さを有しており、その剛性は一般的な円筒の各部分の形状及び
自由端部9の形状により確実にされている。
磁気回路1の支持部とワイヤーガイド6は、その磁気回路とワイヤーガイドが
二つの同時に起こる運動を引き起こすように配置されている。特に、軸4周りで
の回動、そしてワイヤーガイドの縦方向に対するコイル3の長さを越える直動で
ある。
巻き付け操作に先だってワイヤーガイドをその動作位置に運ぶに当たり、ワイ
ヤーガイドが上記空隙の完全に外側の角位置に配置されている間にワイヤーガイ
ドと磁気回路とはお互いにコイルの軸の方向に変異させられる。
図4及び図5に図示されるワイヤーガイドの実施例において、中間部は、各々
、ワイヤーを導くための導管と、端部においてワイヤーが図4と類似した導管に
より導かれる解放部とを有している。
図6は、ワイヤーガイドの中間部の側端に形成した溝における類似したワイヤ
ーの誘導を示し、一方、図7は、このようなワイヤーガイド6’の一部分を側面
図から示している。
図8,9及び10は最小の長さの空隙を有する磁気回路上に巻き付けを許容す
るワイヤーガイドの実施例に関する。特に、図8では、中間部11’はこのよう
な実施例においてワイヤー10の厚みと実質上等しい高さを有しており、ワイヤ
ーはその中間部11’の全長にわたって開口部11”を通過する。ワイヤー10
は入口部8’及び出口部9’と連携する部分21及び22により中間部の入口及
び出口において導かれる。図10は、図8,9及び図1〜3における同様の参照
番号により表示された部品と類似するワイヤーガイドを底面から示している。
図11は、磁気回路1の平行な腕上に二つのコイル3,3’を同時に形成する
ための装置を示し、その磁気回路の空隙はこれら二つのコイルの間の対称面内に
位置している。ワイヤーガイド6,61は上述したような形状を有しており、各
々がコイルが形成されるべき軸4,4’について回転駆動させられる。この回転
は、同じスピードにおいてなされ、同じ方向または反対の方向に向かってなされ
るが、空隙を通過するときにワイヤーガイド6,61が空隙2を交互に通過する
ように180度の角変位を伴っている。キャリア部7,71と回路1の支持部と
は、各々コイルの軸方向においてさらに関連した動きをなすように配置されてい
る。図12は、支持部7または71の正面図における形状を示し、この支持部は
上述した位相の反対側における回転を許容する。このような装置において、巻き
付けに要求される全体の時間はほぼ1/2に削減される。
本発明は、空隙が比較的減じられた長さを有するトロイダル型の磁気回路上に
コイルを巻き付けるためにも適合することが可能である。図13に示すように、
ワイヤーガイド62は、直線的な腕を有する回路の場合と同様の方法で少なくと
も一つのコイル33を回路上に形成するために磁気回路31の空隙32の中にそ
の中間部が配置されている。しかしながら、この場合、ワイヤーガイド62はさ
らに上記空隙32の中心に関して揺動する。第二のコイルは、図示されていない
が、図11において述べられたのと同様の方法により、回路31上の正反対部分
に形成される。ワイヤーガイド62の二つの端での位置が図13に示されており
、これらは62a及び62bにより示されている。矢印f1,f2及びf3は、
上記回路31に対するワイヤーガイドの異なる動きの要素を示している。
本発明による装置は、大幅な連続的工業生産において高い効率でコイルを製造
することを可能ならしめ、その結果、工業製品の原価価格が現時点で可能な方法
によるそれに比べて相当に低減されたことが上述のことから理解される。特に、
本発明は電磁石、空隙を有する電流若しくは電圧の変換装置、空隙の中にホール
素子を使用した電流センサ、電磁バルブ、エアギャップリレー、接触器又は直動
若しくは回転アクチュエーターの生産に用いることが可能である。
【手続補正書】
【提出日】1998年8月20日
【補正内容】
明細書
空隙を有する磁気回路上に電気コイルを形成するための巻き付け装置
本発明は、実質的に円筒形のコイルを空隙を有する磁気回路の実質的に(ほぼ
)直線的な腕上に形成するための巻き付け装置であって、延長された中間部と共
にワイヤー入口部及びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少なくとも
一つ有し、この中間部は前記空隙を通過可能な寸法を有し、さらに前記ワイヤー
ガイドと前記磁気回路とが互いに前記コイルの軸に関して回転運動し且つ前記コ
イルの軸方向に対して往復運動する能力を有するように配置された前記ワイヤー
ガイドのキャリア装置と磁気回路の支持装置とを有している装置に特に関する。
本発明は、さらに、トロイダル形状の磁気回路上に電気コイルを形成するため
の巻き付け装置であって、空隙を通過できるような寸法を有する延長された中間
部と共にワイヤー入口部及びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少な
くとも一つ有し、互いの関係において前記空隙の中心について磁気回路の平面内
で揺動運動すると共に前記コイルの瞬間的な軸について回転運動することの可能
な前記ワイヤーガイドのキャリア装置と前記磁気回路の支持装置とをさらに有し
ている装置に関する。
この小さな長さの空隙を有する磁気回路上にコイルを形成するために現在まで
使用されてきた巻き付け方法は、閉回路の場合と同様に、例えばスリットを有す
る環状部材の形成のように、補助のワイヤーキャリアを使用することを求めてい
る。一改変例としては、あらかじめ形成したコイルを設置するために磁気回路の
一時的な変形を許容する積層された磁気回路上に上記コイルは設置されている。
それら公知方法の複雑さとそれらの応用限界は、回路上にコイルを形成するより
もむしろ改変された解決方法を使用することによって、直接的または非直接的に
コスト高を招くこととなった。
本発明は、非常に小さな長さの空隙を有する磁気回路上にコイルを直接形成す
ることを可能とする巻き付け装置を、特に非常に経済的で且つ大規模な連続生産
に適した手法により提供することを目的とする。
この目的のため、本発明のうち上記前者の発明にかかる装置の特徴は、前記空
隙が前記磁気回路の長さと比べて非常に小さな長さを有すると共にその長さの方
向に垂直に前記コイルの形成されるべき前記腕に実質的に平行な方向に延長して
おり、前記ワイヤーガイドの中間部は、縦方向に対して前記コイルの長さと少な
くとも等しい長さを越え且つ前記空隙の長さよりも小さな高さを有し、この結果
前記中間部は縦方向と横方向とに前記空隙を通過することが可能であり、前記中
間部は前記コイルの軸と平行に並べて配置され前記軸に関して前記空隙の隔たり
と同様の隔たりに位置させられていることにある。
この特徴において、前記ワイヤーガイドのキャリア装置はワイヤー供給スプー
ルを備え、前記スプールの回転軸と前記コイルの軸とが一直線上に並べられてい
ることが望ましい。前記ワイヤーガイドの中間部が、前記コイルの軸の線上に中
心を有する2つの円の同心円弧により規定され且つ前記空隙の長さよりも小さな
距離で隔てられた断面を有すると共に、前記コイルの軸と平行な方向にワイヤー
を導くための導管又は溝を有していてもよい。また、前記ワイヤーガイドの中間
部が、前記コイルの軸の線上に中心を有する2つの円の同心円弧により規定され
且つ前記空隙の長さよりも小さな距離で隔てられた断面を有すると共に、少なく
とも前記コイルの長さと等しい長さの開口部と、この開口部において前記円弧に
よって規定される空間の内側にワイヤーを通過させるためのワイヤーの入口部及
び出口部とを、縦方向に対して有していてもよい。さらに、前記ワイヤーガイド
のキャリア装置及び/又は前記磁気回路の支持装置が、巻き付け操作に先だち前
記ワイヤーガイドが変位の間中ずっと前記空隙の完全に外側へ留まるような行程
で前記ワイヤーガイドと前記磁気回路とを互いに前記コイルの軸の方向に変位さ
せることによって前記ワイヤーガイドの位置を定める手段を有してもよい。
本発明では、前記磁気回路の実質的に直線的な第二の腕上に実質的に円筒形の
第二のコイルを同時に形成するための装置が開示される。この装置の特徴は、上
記特徴において、前記コイルが形成される前記2つの腕が前記空隙の長さの方向
に垂直な方向で前記空隙の中間を通る平面に対して対称的に形成されている構成
において、前記コイルの軸と平行に並べて配置され前記軸に関して前記空隙の隔
たりと同様の隔たりに位置させられている延長された中間部と共にワイヤー入口
部及びワイヤー出口部を備えた第二のワイヤーガイドを備え、前記第二のワイヤ
ーガイドの中間部はこの中間部が縦方向及び横方向に対して前記空隙を通過でき
るような寸法を有しており、さらに前記第二のワイヤーガイドのための第二のキ
ャリア装置を備え、この第二のキャリア装置と前記磁気回路の支持装置とはこの
第二のワイヤーガイドと前記磁気回路とが互いに前記第二のコイルの軸に関して
回転運動し且つ前記第二のコイルの軸方向に対して往復運動するように配置され
、前記第二のワイヤーガイドの前記回転運動が前記第一のワイヤーガイドの前記
回転運動と同じ速度であるが前記空隙を通過する時に180度の角変位を有して
いることにある。
本発明のさらに他の特徴は、上記後者の発明にかかるトロイダル型の磁気回路
に電気コイルを形成するための装置において、前記空隙は前記磁気回路の長さと
比較して非常に小さな長さを有しており、前記ワイヤーガイドの中間部は前記空
隙を通過している間に形成されるべきコイルの端部において規定される2つの平
面により形成される角度と少なくとも等しい角度で前記磁気回路の平面内におい
て向きを変えることが可能であり、前記ワイヤーガイドのキャリア装置と磁気回
路の支持装置とは前記磁気回路に対してさらに前記ワイヤーガイドの中間部の長
さ方向に対し交互に直動運動をなすように配置されていることにある。
本発明のさらに他の特徴、目的及び効果は、例として示されかつ添付図面に描
かれた次の異なる実施例の記述により明らかになるであろう。
図1は、磁気回路の直線的な腕の上にコイルを形成するための本発明による装
置の主要な部品の側面図である。
図2は、図1のII−II線断面図である。
図3は、図1のIII−III線について一部を切断した平面図である。
図4及び図5は、図1の装置のためのワイヤーガイドの改変例を示す図2に類
似した断面図である。
図6及び図7は、各々図1の装置のためのワイヤーガイドの他の実施例を示す
正面図及び側面図である。
図8,9及び10は、各々図9のVIII−VIII線において一部を切断した正面図
、一部を切断した側面図及び図1の装置のためのワイヤーガイドの他の実施例を
示す平面図である。
図11は、図1に類似する図であって、同じ磁気回路上に二つのコイルを同時
に形成するための装置を示している。
図12は、図11のXII−XII線についての部分断面図である。
図13は、トロイダル型の磁気回路上にコイルを形成するための本発明による
装置の操作を図解するための概略図である。
図1は、空隙2を有する磁気回路1と、符号4によって示される軸周りにおい
て上記回路1の直線的な腕の上に形成されたコイル3とを示している。この磁気
回路は、図1に一点鎖線により概略的に描かれた支持装置1aの上に通常用いら
れる方法で固定されている。ワイヤーガイド6は、図1に図解される如く操作可
能な状態で空隙2を通過するように配置されている。このワイヤーガイドは、巻
き付け操作の間、軸4と一直線上に並ぶ軸について回転駆動が可能であるように
配置されて、キャリア装置7上に取り付けられている。
ワイヤーガイド6は、符号10によって示されるワイヤーを形成されるべきコ
イル3に向かって同じもの(コイル)の軸と垂直な平面内で導くためにこのワイ
ヤーを誘導すべく、上記支持部7の近くにワイヤー入口部8を有し且つその自由
端にワイヤー出口部9を有している。これらの二つの端部の間にワイヤーガイド
6は中間部11を有している。その長さはコイルの長さよりも長く、そしてその
中間部に沿ってワイヤーは入口部8及び出口部9の間に導かれる。図1は、比較
的太いワイヤーを本装置に供給するためのワイヤースプール12をさらに示して
おり、実例において示される如く、このワイヤースプールは、軸4と一直線上の
軸の周りで回転可能な状態で支持部7上に取り付けられている。巻き付けられる
べきワイヤーが比較的細い場合は、ワイヤーガイド6の供給は独立したワイヤー
供給部からなされる事が可能であり、そのワイヤーは望ましくはこの場合におい
て軸4である回転軸を通過するように導かれる。
図2は、上述の軸4上に共通の中心を有する二つの円の円弧によって輪郭を横
断面で定義づけられる中間部11におけるワイヤーガイド6の形状を示している
。図2の実施例においてワイヤー10は、ワイヤーガイドの部分8,9の間の解
放された溝の中を通過している。
図3は、特にワイヤーガイド6の平面図を示し、図1と同様の参照番号によっ
て様々な部分が指定されている。
図1〜図3に示すように、ワイヤーガイド6は空隙2を横切るその中間部にお
いて幾分小さな高さを有しており、その剛性は一般的な円筒の各部分の形状及び
自由端部9の形状により確実にされている。
磁気回路1の支持部とワイヤーガイド6は、その磁気回路とワイヤーガイドが
二つの同時に起こる運動を引き起こすように配置されている。特に、軸4周りで
の回動、そしてワイヤーガイドの縦方向に対するコイル3の長さを越える直動で
ある。
巻き付け操作に先だってワイヤーガイドをその動作位置に運ぶに当たり、ワイ
ヤーガイドが上記空隙の完全に外側の角位置に配置されている間にワイヤーガイ
ドと磁気回路とはお互いにコイルの軸の方向に変異させられる。
図4及び図5に図示されるワイヤーガイドの実施例において、中間部は、各々
、ワイヤーを導くための導管と、端部においてワイヤーが図4と類似した導管に
より導かれる解放部とを有している。
図6は、ワイヤーガイドの中間部の側端に形成した溝における類似したワイヤ
ーの誘導を示し、一方、図7は、このようなワイヤーガイド6’の一部分を側面
図から示している。
図8,9及び10は最小の長さの空隙を有する磁気回路上に巻き付けを許容す
るワイヤーガイドの実施例に関する。特に、図8では、中間部11’はこのよう
な実施例においてワイヤー10の厚みと実質上等しい高さを有しており、ワイヤ
ーはその中間部11’の全長にわたって開口部11”を通過する。ワイヤー10
は入口部8’及び出口部9’と連携する部分21及び22により中間部の入口及
び出口において導かれる。図10は、図8,9及び図1〜3における同様の参照
番号により表示された部品と類似するワイヤーガイドを底面から示している。
図11は、磁気回路1の平行な腕上に二つのコイル3,3’を同時に形成する
ための装置を示し、その磁気回路の空隙はこれら二つのコイルの間の対称面内に
位置している。ワイヤーガイド6,61は上述したような形状を有しており、各
々がコイルが形成されるべき軸4,4’について回転駆動させられる。この回転
は、同じスピードにおいてなされ、同じ方向または反対の方向に向かってなされ
るが、空隙を通過するときにワイヤーガイド6,61が空隙2を交互に通過する
ように180度の角変位を伴っている。キャリア部7,71と回路1の支持部と
は、各々コイルの軸方向においてさらに関連した動きをなすように配置されてい
る。図12は、支持部7または71の正面図における形状を示し、この支持部は
上述した位相の反対側における回転を許容する。このような装置において、巻き
付けに要求される全体の時間はほぼ1/2に削減される。
本発明は、空隙が比較的減じられた長さを有するトロイダル型の磁気回路上に
コイルを巻き付けるためにも適合することが可能である。図13に示すように、
ワイヤーガイド62は、直線的な腕を有する回路の場合と同様の方法で少なくと
も一つのコイル33を回路上に形成するために磁気回路31の空隙32の中にそ
の中間部が配置されている。しかしながら、この場合、ワイヤーガイド62はさ
らに上記空隙32の中心に関して揺動する。第二のコイルは、図示されていない
が、図11において述べられたのと同様の方法により、回路31上の正反対部分
に形成される。ワイヤーガイド62の二つの端での位置が図13に示されており
、これらは62a及び62bにより示されている。矢印f1,f2及びf3は、
上記回路31に対するワイヤーガイドの異なる動きの要素を示している。
本発明による装置は、大幅な連続的工業生産において高い効率でコイルを製造
することを可能ならしめ、その結果、工業製品の原価価格が現時点で可能な方法
によるそれに比べて相当に低減されたことが上述のことから理解される。特に、
本発明は電磁石、空隙を有する電流若しくは電圧の変換装置、空隙の中にホール
素子を使用した電流センサ、電磁バルブ、エアギャップリレー、接触器又は直動
若しくは回転アクチュエーターの生産に用いることが可能である。
請求の範囲
1.実質的に円筒形のコイルを空隙を有する磁気回路の実質的に直線的な腕上に
形成するための巻き付け装置であって、延長された中間部と共にワイヤー入口部
及びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少なくとも一つ有し、この中
間部は前記空隙を通過可能な寸法を有し、さらに前記ワイヤーガイドと前記磁気
回路とが互いに前記コイルの軸に関して回転運動し且つ前記コイルの軸方向に対
して往復運動する能力を有するように配置された前記ワイヤーガイドのキャリア
装置と磁気回路の支持装置とを有している装置において、前記空隙は前記磁気回
路の長さと比べて非常に小さな長さを有すると共にその長さの方向に垂直に前記
コイルの形成されるべき前記腕に実質的に平行な方向に延長しており、前記ワイ
ヤーガイドの中間部は、縦方向に対して前記コイルの長さと少なくとも等しい長
さを越え且つ前記空隙の長さよりも小さな高さを有し、この結果前記中間部は縦
方向と横方向とに前記空隙を通過することが可能であり、前記中間部は前記コイ
ルの軸と平行に並べて配置され前記軸に関して前記空隙の隔たりと同様の隔たり
に位置させられていることを特徴とする装置。
2.前記ワイヤーガイドのキャリア装置はワイヤー供給スプールを備え、前記ス
プールの回転軸と前記コイルの軸とが一直線上に並べられている請求項1記載の
装置。
3.前記ワイヤーガイドの中間部が、前記コイルの軸の線上に中心を有する2つ
の円の同心円弧により規定され且つ前記空隙の長さよりも小さな距離で隔てられ
た断面を有すると共に、前記コイルの軸と平行な方向にワイヤーを導くための導
管又は溝を有している請求項1記載の装置。
4.前記ワイヤーガイドの中間部が、前記コイルの軸の線上に中心を有する2つ
の円の同心円弧により規定され且つ前記空隙の長さよりも小さな距離で隔てられ
た断面を有すると共に、少なくとも前記コイルの長さと等しい長さの開口部と、
この開口部において前記円弧によって規定される空間の内側にワイヤーを通過さ
せるためのワイヤーの入口部及び出口部とを、縦方向に対して有している請求項
1記載の装置。
5.前記ワイヤーガイドのキャリア装置及び/又は前記磁気回路の支持装置が、
巻き付け操作に先だち前記ワイヤーガイドが変位の間中ずっと前記空隙の完全に
外側へ留まるような行程で前記ワイヤーガイドと前記磁気回路とを互いに前記コ
イルの軸の方向に変位させることによって前記ワイヤーガイドの位置を定める手
段を有している請求項1記載の装置。
6.前記磁気回路の実質的に直線的な第二の腕上に実質的に円筒形の第二のコイ
ルを同時に形成するための上述の請求項1〜5のいずれかに記載された装置であ
って、前記コイルが形成される前記2つの腕が前記空隙の長さの方向に垂直な方
向で前記空隙の中間を通る平面に対して対称的に形成されている構成において、
前記コイルの軸と平行に並べて配置され前記軸に関して前記空隙の隔たりと同様
の隔たりに位置させられている延長された中間部と共にワイヤー入口部及びワイ
ヤー出口部を備えた第二のワイヤーガイドを備え、前記第二のワイヤーガイドの
中間部はこの中間部が縦方向及び横方向に対して前記空隙を通過できるような寸
法を有しており、さらに前記第二のワイヤーガイドのための第二のキャリア装置
を備え、この第二のキャリア装置と前記磁気回路の支持装置とはこの第二のワイ
ヤーガイドと前記磁気回路とが互いに前記第二のコイルの軸に関して回転運動し
且つ前記第二のコイルの軸方向に対して往復運動するように配置され、前記第二
のワイヤーガイドの前記回転運動が前記第一のワイヤーガイドの前記回転運動と
同じ速度であるが前記空隙を通過する時に180度の角変位を有していることを
特徴とする装置。
7.トロイダル形状の磁気回路上に電気コイルを形成するための巻き付け装置で
あって、空隙を通過できるような寸法を有する延長された中間部と共にワイヤー
入口部及びワイヤー出口部を備えた堅いワイヤーガイドを少なくとも一つ有し、
互いの関係において前記空隙の中心について磁気回路の平面内で揺動運動すると
共に前記コイルの瞬間的な軸について回転運動することの可能な前記ワイヤーガ
イドのキャリア装置と前記磁気回路の支持装置とをさらに有している構成におい
て、前記空隙は前記磁気回路の長さと比較して非常に小さな長さを有しており、
前記ワイヤーガイドの中間部は前記空隙を通過している間に形成されるべきコイ
ルの端部において規定される2つの平面により形成される角度と少なくとも等し
い角度で前記磁気回路の平面内において向きを変えることが可能であり、前記ワ
イヤーガイドのキャリア装置と磁気回路の支持装置とは前記磁気回路に対してさ
らに前記ワイヤーガイドの中間部の長さ方向に対し交互に直動運動をなすように
配置されていることを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】