JPH11504848A - 音響学的振動発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、音波或いは消音波の発生に対する装置に関するものである。音波変換器に関しては、窓ガラス（１）或いは他のタイプの透明材料により構成され、ピエゾ素子或いは静電引力及び静電斥力に基づいて動作するアクチュエイタのような１個或いは複数のアクチュエイタ（６）により振動が起こる。

Description

【発明の詳細な説明】 音響学的振動発生装置 本発明は、信号発生装置に連結できる少なくとも１個のアクチュエイタを有し 、媒体、例えば空気に振動を伝達するためのほぼシート状の本体を少なくとも具 え、媒体内で音響学的振動を発生させる装置に関するものである。 この種類の装置は、音発生装置とも呼ばれるものであって、本技術特には音楽 を奏でるためのラウドスピーカとして適用するための技術において十分良く知ら れている。しかしながら、音発生装置は、消音用にも使用することが可能である 。外部の音源からの音波を、サウンドレコーダによりこれらの音波を記録し、そ の信号を反対の位相で音発生装置に供給することにより、しばしば有効に減衰さ せることができる。 本発明の目的は、窓ガラス、特にはビルだけではなく車輛或いは船に適用され ている窓ガラスに音発生装置を独創的な方法で統合することである。窓ガラスの 代わりに或いは窓ガラスに加えて、使用に際しては、薄膜即ちフォイルとして被 着することができる透明合成材料を用いることもできる。この有利な点は、殆ど のビルが多くの窓ガラス或いはこのような材料を具えており、これらの材料はそ の柔軟性により音響学的振動を発生させるのに著しく好適であることである。窓 ガラス或いはこのような材料を用いることができ、これらの材料の外側に、例え ば日光を遮断するために或いは人が内側を見るのを阻止するためにミラーコーテ ィングを設けることができる。音発生装置としての窓ガラス或いはこのような材 料の使用によりラウドスピーカを組み込む必要性が無くなる。 上述した本発明の原理を実現するために、本発明の装置は、少なくとも１個の ほぼシート状の本体に、１又は２方向で可視光に対してほぼ透明である少なくと も１つの表面を設けたことを特徴とする。 有利な実施例では、遮断特性のためにを幅広く使用されている二重窓を基礎と している。これにより、窓に簡単に必要なアクチュエイタを組み込むことが可能 となる。 本発明による装置のこの特別な実施例は、更に少なくとも１個の本体に２枚の ほぼ平行な窓ガラスを設け、これによりあるスペースを取り囲むことを特徴とす る。 この場合には、１枚の窓ガラスがもう１枚の窓ガラスよりも相当高い剛性を有 するのが好ましい。このようにして指向性が実現される。このとき発生した音響 学的振動は、振動剛性の低い窓ガラスの側に殆んど伝達される。この際、窓ガス の組み合わせは、振動剛性の低い窓が内側に来るように家或いはビルに固定され る。 ２枚の平行な窓ガラスを具える実施例においては、導電層を両窓ガラスに被着 することによる簡単な方法、例えば蒸着工程によりアクチュエイタを付加できる 。電気信号発生装置によって供給される信号強度により変化する両層間の電位差 を印加することによって、２枚の窓ガラスは、印加された信号の波形に応じて互 いに引き合い或いは反発し合う。電位差は十分に大きく、通常はキロボルトのオ ーダである。 有利な実施例では、更に２枚の窓ガラスに少なくとも部分的に導電層を設け、 これら２層間に電位差を与えることによって２個の導電層がアクチュエイタを構 成するようにしたことを特徴とする。 ２枚の平行な窓ガラスを具える他の有利な実施例においては、ピエゾ素子をア クチュエイタとして使用する。２枚の窓ガラス間のスペース内にピエゾ素子を位 置決めすること及びこの素子を両窓ガスに機械的に連結することにより、２枚の 窓ガラスと組み合わせたアクチュエイタが得られ、このアクチュエイタは高い音 圧レベルを実現できる。 すなわち、この実施例では、アクチュエイタに２枚の窓ガラス間のスペース内 に位置するピエゾ素子を設け、このピエゾ素子を両窓ガラスに機械的に連結する ことを特徴とする。 ２枚の平行な窓ガラスを具える他の好適な実施例においては、アクチュエイタ は両窓ガラス間のスペース内に閉じ込められたガスにより実現される。この実施 例では、アクチュエイタを構成するスペースがガスを含み、このスペースを導管 を介して空気力学的信号発生装置に連結することを特徴とする。 ガスの代わりに液体をもアクチュエイタに使用できる。すなわち、この実施例 では、アクチュエイタを構成するスペースが透明な液体を含み、このスペースを 導管を介して水力学的信号発生装置に連結することを特徴とする。 殆どのビルに多く存在するガラス窓を利用するために、有利な実施例は、少な くとも１個の本体に少なくとも１枚のガラスシートを具えることを特徴とする。 本発明による装置は、消音振動を発生させるのには特に好適である。この実施 例は、特に空港や高速道路の付近に位置するビルに適用される。この有利な実施 例では、アクチュエイタを消音振動用の手段を具える信号発生装置に連結するこ とを特徴とする。 本発明による装置を次の図面によってより詳細に説明する。 図１は、本発明による装置に適用するのに好適な二重窓を示したものである。 図２Ａ乃至２Ｄは、本発明による装置の第１、第２、第３及び第４の各変形例 に関する図１の断面Ａ−Ａを示したものである。 図３は、本発明の装置に使用できる単一の窓ガラスを示したものである。 図４は、窓ガラスに動きセンサを具えた実施例を示したものである。 図１は、二重窓ガラスの正面図である。窓ガラス１及びその背後に位置する窓 ガラス２を、四方に固着されたスペーサ素子３により離間させる。窓ガラスの幅 ４及び高さ５を約数十ｃｍとするのが好適である。この寸法を大きくすれば、二 重窓ガラスにより低音を生じる可能性が高くなる。窓ガラスの中心部分において 、アクチュエイタとしての機能を果たすピエゾ素子６を、窓ガラス１及び窓ガラ ス２が互いに振動するように固着する。このピエゾ素子６に、２個の導電体７に より変化する電圧を印加することができる。 図２Ａは、図１で示した断面Ａ−Ａを示したものである。本目的を明確にする ために、２枚の窓ガラスの間の寸法８を、その幅４及び高さ５の通常の比率に比 べて著しく拡大して示す。通常は、寸法８はせいぜい１或いは２ｃｍである。窓 ガラス１及び２を、接着剤９をコートすることによりスペーサ素子３に連結する 。この場合は円筒形であるピエゾ素子６の直径１０を約１或いは２ｃｍとする。 このピエゾ素子６を接着剤１１をコートすることにより２枚の窓ガラス１及び２ に機械的に連結する。各コネクタ７を、電気信号発生装置１２に接続するよう、 窓ガラスに沿って下方に導きスペーサ構成部材３を貫通させる。ピエゾ素子６を このとき信号発生装置１２により与えられる信号の波形に応じて伸縮させると、 その結果窓ガラス１或いは２が振動する。このようにして、両窓ガラスがラウド スピーカとして作用する。好適な実施例においては、２枚の窓ガラスのうち１枚 の窓ガラスの厚み及び剛性を増大させ、この結果もう一方の窓ガラスを振動させ る。これにより、指向性がある程度得られる。もし必要であれば、幾つかのピエ ゾ素子６を設けて、音圧を上げることができる。 図２Ｂは、他の実施例の、図１の断面Ａ−Ａを示したものであり、ここではピ エゾ素子６は省略してある。この場合においては、スペーサ構成部材３をピエゾ 素子として使用する。もしピエゾ素子６の中心位置が目障りなものであれば、こ れは好適な解決法である。この際スペーサ構成部材３は、その両側で導電体１３ を介して電気信号発生装置１２に接続される。 図２Ｃは、さらに他の例の、図１の断面Ａ−Ａを示したものであり、ここでも ピエゾ素子６は省略してある。この例では、アクチュエイタ５を蒸着工程で窓ガ ラス１及び２の内側に被着した導電層１４及び１５により形成する。導電層１４ 及び１５を導電体１６を介して電気信号発生装置１７に接続するが、この電気信 号発生装置１７は、両導電層間に静電引力及び斥力を発生させるように十分高い 電圧を生じるものである。これにより、印加される信号の波形に応じて窓ガラス １及び２が振動する。 図２Ｄは、更に他の例の、図１の断面Ａ−Ａの断面図を示したものであり、こ こでもピエゾ素子６は省略してある。アクチュエイタは２枚の窓ガラス１と２と の間のスペース１８内に閉じ込められたガスから成る。スペーサ素子３の１つに 形成した貫通孔１９を通る導管２０を経てスペース１８を空気力学的信号発生装 置２１と連通させる。このときスペース１８内での圧力は、空気力学的信号発生 装置２１により供給された信号の波形に応じて変化し、窓ガラス１及び２を振動 させる。もう一つの実施例においては、スペース１８に液体を具え、信号発生装 置２１を水力学的な信号発生装置とする。 図３は、１枚のガラス窓２２を具える本発明による装置を示したものであり、 このガラス窓２２を、アクチュエイタ２３、例えばピエゾ素子によりフレーム２ ４に連結する。上述した方法に類似する方法により、このアクチュエイタはここ では示していない電気信号発生装置に接続できる。 上述の全実施例により、信号発生装置は消音信号を発生できる。閉鎖されたス ペースに外部から到来する音信号をマイクロフォンにより記録し、この音信号を 反対位相で、信号発生装置に供給できる。これにより、特に可聴スペクトル内の 音が大幅に減衰する。 或いは又スペースに１個又は数個のマイクロフォンを設け、その出力信号を信 号発生装置に、必要な場合にはフィルタを経て供給することができる。従って、 閉鎖されたループ内に浸入して来るいかなるノイズ信号をも最小に調整できる。 両方法を組み合わせて使用することもできる。 他の好適な実施例においては、アクチュエイタを、１枚の窓ガラスの動き或い は複数の平行な窓ガラスの際にはその内側の窓ガラスの動きを実質的に０に減少 させるように制御する。この結果、この窓ガラスを介して部屋に入るノイズは無 くなる。これは、内側の窓ガラスの動き及び絶対位置を感知する１個のセンサ或 いは分散させた複数のセンサを有する内側窓ガラスを具えることにより効果的と なる。このセンサ信号を用いて、制御システムによって１個のアクチュエイタ又 は分散させた複数のアクチュエイタを制御し、それにより内側窓ガラスの動きを 最小とする。このようにして、効果的なノイズダンプニングシステム（noise da mpening system）が得られる。分散させたアクチュエイタ及び分散させたセンサ を使用することは、高周波数の場合、即ち窓がより高いモードで振動する傾向の 際には特に有利である。このようにして、窓ガラスの動きの分散制御及びダンプ ニングが得られる。 窓ガラスに動きセンサを設ける実施例のうちの一例を図４に示すが、これは図 ２Ｂの実施例から由来する。図４において対応する部分には、図２Ｂと同じ数字 を付してある。更に、窓ガラス２に動きセンサ２５を設ける。動きセンサを、例 えば窓ガラスに適当に接着された２対のストレインゲージから構成できる。或い は又、動きセンサをピエゾ電気透明シートから構成することもできる。好適には 、窓ガラスが基底モードにより低周波数で振動するようなときには、動きセンサ ２５を、窓ガラスの動きが最大である所に、窓ガラスの中央に位置させる。動き センサ２５の信号をコントローラ２６に送り込む。このコントローラ２６により 信号発生装置１２を制御するが、この発生装置により、動きセンサ２５からの信 号を最小とするようにピエゾアクチュエイタ３用の電気信号を発生させる。必要 な変更を加えて、同様な原理を１枚の窓ガラス及び／又は異なるタイプのアクチ ュエイタを使用する実施例にも適用できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｈ０４Ｒ 23/00 ３１０ Ｇ１０Ｋ 11/16 Ｈ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＧ，ＢＲ，Ｃ Ａ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＰ ，ＫＲ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＧ， ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．信号発生装置に連結できる少なくとも１個のアクチュエイタを有し、媒体、 例えば空気に振動を伝達するためのほぼシート状の本体を少なくとも具え、媒体 内で音響学的振動を発生させる装置において、少なくとも１個のほぼシート状の 本体に、１又は２方向で可視光に対してほぼ透明である少なくとも１つの表面を 設けたことを特徴とする装置。 ２．少なくとも１個の本体に２枚のほぼ平行な窓ガラスを設け、これによりある スペースを取り囲むことを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．１枚の窓ガラスがもう１枚の窓ガラスよりも相当高い振動剛性を有すること を特徴とする請求項２に記載の装置。 ４．２枚の窓ガラスに少なくとも部分的に導電層を設け、これら２層間に電位差 を与えることによって２個の導電層がアクチュエイタを構成するようにしたこと を特徴とする請求項２又は３に記載の装置。 ５．アクチュエイタに２枚の窓ガラス間のスペース内に位置するピエゾ素子を設 け、このピエゾ素子を両窓ガラスに機械的に連結することを特徴とする請求項２ 又は３に記載の装置。 ６．アクチュエイタを構成するスペースがガスを含み、このスペースを導管を介 して空気力学的信号発生装置に連結することを特徴とする請求項２又は３に記載 の装置。 ７．アクチュエイタを構成するスペースが透明な液体を含み、このスペースを導 管を介して水力学的信号発生装置に連結することを特徴とする請求項２又は３に 記載の装置。 ８．少なくとも１個の本体に少なくとも１枚のガラスシートを具えることを特徴 とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載の装置。 ９．少なくとも１個の本体に少なくとも１枚の合成材料のシートを具えることを 特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の装置。 １０．アクチュエイタを消音振動用の手段を具える信号発生装置に連結すること を特徴とする請求項１乃至９のいずれか１項に記載の装置。 １１．少なくとも１枚のシート状本体の少なくとも１枚に、前記シート状の本体 の位置及び動きを感知可能な１個のセンサ或いは分配された複数のセンサを具え ることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか１項に記載の装置。 １２．センサに連結され且つアクチュエイタを制御することによりセンサを具え る窓ガラスの動作を最小限にするよう装置された制御システムを特徴とする請求 項１１に記載の装置を具えるノイズダンプニングシステム。