JPH11504552A - 髄内骨プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 整形手術中患者の骨の髄管に挿入するための骨プラグ（１０）を提供する。骨プラグは髄管に圧力下で導入された骨セメントの通過を制限し又は防止する。骨プラグはポリエチレンのような生物学的適合性材料で形成され、そして一組の遠位フィン（２４）及び一組の近位フィン（２６）を有するほぼ円筒形の部材からなる。遠位フィンは遠位方向に延びるようにある角度のらせんねじ山によって構成され、該らせんねじ山は曲がり、髄管の形状に順応し、それによって患者の骨に食い込むことによって骨プラグを固定し、これに対して、近位フィンはプラグの挿入中撓んで近位方向に延び、それによって骨プラグを通り越す骨セメントのバイパス流に対してシールする。腰整形のような手術中プラグを配置する際に使用するための挿入工具を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 髄内骨プラグ 本発明は一般的には人口関節取替え（関節形成）用装置及び処置の改良に関す る。特に、本発明は、腰関節取替えのような、関節形成手術中患者の骨の髄管に 圧力下で導入された骨セメントの配置を閉じ込め又は制限するための改良髄内骨 プラグに関する。 人工又は補綴関節構造は、特に腰関節、ひざ関節及び肩関節のような患者の関 節を治療又は取替えるのに広く使用されている。補綴は典型的には、外科的に切 除された患者の骨との確実な固定のための寸法及び形状をもち、コバルトークロ ーム合金で形成された生物学的適合性の構造体からなる。多くの場合、補綴具は 、腰の取替えの場合に患者の大腿骨の上端のような、切除された患者の骨の露出 した髄管に滑り嵌め配置するための細長いステムを有する。骨セメント、典型的 には、メチルメタクリレートがしばしば、患者の骨との確実且つ安定的な補綴取 り付けをもたらすために髄管に圧力下で導入される。加圧骨セメントは補綴具と 取り囲み関係をなして骨組織のすき間を満たして最適な補綴固定を生じさせるも のである。 加圧骨セメントが髄管に導入されるとき、骨セメントを補綴から離れる方向に 髄管を通して遠位方向に移動させるためではなく、骨セメントを補綴と取り囲み 関係に制限するために制限体即ちプラグ要素を使用することが必要であり、或い は望ましい。この点について、多くの制限体又はプラグ具がこの目的のために開 発されてきており、補綴及び骨セメントの配置の直前に髄管に取り付けられるよ うになっている。しかしながら、このような従来の制限体又はプラグ具は完全に 満足な方法で機能しなかった。それと反対に、かかる従来の制限体又はプラグ具 は骨セメントのバイパス漏れで悩んでおり、或いはまた圧力下の骨セメントを受 けたとき、遠位方向における望ましくない滑り移動で悩んでいる。いずれの問題 も骨セメントを不適当に加圧し、それに対応して、補綴の固定を選択以下にして しまう。 従って、骨プラグが髄管内にしっかりと固定され、更に、骨セメントのバイパ ス漏れを防止する高品質のシールをもたらす、整形手術に使用される改良骨プラ グの著しい要望が存在する。本発明はこれらの要望を満たし、更に関連した利点 をもたらす。 発明の概要 本発明によれば、腰取替え手術のような整形手術中患者の骨の髄管への加圧骨 セメントの配置を制限するための改良髄内骨プラグを提供する。改良骨プラグは 遠位フィン及び近位フィンと組み合わせたほぼ円筒形本体を有し、遠位フィンと 近位フィンは、それぞれプラグを患者の骨内に固定するように機能し、且つプラ グを通り越す遠位方向における加圧骨セメントのバイパス漏れを防止するように 機能する。 改良骨プラグはポリエチレン等のような生物学的適合性材料で形成された遠位 フィン及び近位フィンを備えたワンピース構造を有する。遠位フィンは、髄管を 構成する患者の骨にしっかりと食い込み又は固定するために下流方向に又は遠位 方向に存在する鋭い前縁を構成するように角度設定されたらせんねじ山を有する 。これに対して、近位フィンは、プラグ本体に半径方向に延びるように形成され るが、骨プラグを取り付けたとき、フィンの外縁が近位方向に撓むように充分な 弾力性を有する。かくして、近位フィンは、骨セメントのバイパス漏れを防止す るために、患者の骨に係合してこれとともにシールするように作用し、一方、遠 位フィンは、加圧骨セメントが髄管に導入されるとき、遠位方向に滑らないよう に骨プラグを確実に固定する。ねじ山はまたプラグ具を髄管内の所望位置までね じのように進ませるのに使用される。ねじ山設計のアンダーカット特性により、 ねじ山を曲げさせ、髄空間の凸凹に順応させる。 骨プラグを迅速且つ容易に取り付けるための挿入工具をも提供する。挿入工具 はプラグ本体の近位端に形成されたねじソケットとのねじ込みのためのねじ先端 部を有する細長いスタイレットを備える。このねじソケットはドライバ の六角 頭先端部を受け入れるための、プラグ本体の六角ソケットに対して遠位方向に配 置される。好ましい形態では、ドライバは、スタイレット及びそのねじ先端部の 滑り嵌めによる受け入れ可能な中空スリーブ部材として構成される。従って、ス タイレットとドライバを独立に操作して骨プラグを位置決めし、そしてこれを固 定的に設定することができる。別の設計は、配置工具が単一の構成要素になるよ うにするが、ねじ部分のない長い薬価区ソケットを利用してもよく、この場合に は、プラグの引き抜きに別の工具を必要とする。 本発明の別の実施形態では、ドライバの六角頭先端部を受け入れる六角ソケッ トをプラグ本体に構成するように骨プラグを形成しても良いが、この場合には、 六角ソケットの遠位端は、プラグが取り付けられるとき体液等を骨プラグを通し て逃がすことができる貫通ポートと連通する。取り付けた骨プラグの近位方向に 配置された溜まり体液等を除去するために適当な吸引器具を使用するのがよい。 骨セメントを髄管に導入するに先立って、前記ポートを閉じるために、貫通ポー トに密封式に入れるストッパピンを提供する。 本発明の改良髄内骨プラグの更なる観点及び特徴は、本発明の原理を例示とし て示す添付図面についてなされている以下の詳細な説明からより明らかになろう 。 図面の簡単な説明 添付図面は本発明を図解する。このような図面において、 図１は本発明の新規な特徴を具体化する改良髄内骨プラグ及び関連した取り付 け工具を示す分解斜視図である。 図２は一部縦断面で示す骨プラグの側面図である。 図３は切除した大腿骨の髄管に骨プラグを配置する取り付け工具の使用法を示 す断片的な断面図である。 図４は骨プラグを、取り付けた腰補綴と関係して示す断片的な断面図である。 図５は骨プラグ及び関連した取り付け工具の別の実施形態を示す分解斜視図で ある。 図６は図５の線６−６における分解及び断片的な断面図である。 図７は図５及び６の骨プラグの大腿骨への取り付けを示す断片的な断面図であ る。 図８はストッパピンの骨プラグへの配置を示す、図７と同様な断片的な断面図 である。 好ましい実施形態の詳細な説明 例示図面に示すように、改良髄内骨プラグを全体的に参照番号１０で示す。骨 プラグ１０は挿入工具１２で患者の骨プラグの髄管に配置出来るにように設計さ れている。 図３及び４に最も良く示すように、本発明の骨プラグ１０は、取替え手術の場 合に切除した大腿骨１６のような患者の骨の髄管１４内で、関連した補綴１８（ 図４）から僅かに下流又は遠位方向に間隔を隔てたところに位置決めされる。使 用中、骨プラグは髄管１４に圧力下で導入された骨セメント２０を妨げてこれを 保持するバリヤーをなす。かくして、骨プラグ１０は骨セメントを補綴１８を取 り囲む空間に閉じ込めて実質的に最適な補綴固定を達成する。 骨プラグ１０はポリエチレン等のような適当な生物学的適合性材料で形成され 、そして好ましくは、ワンピース構成要素である。プラグは一組の遠位方向に位 置したフィン２４及びもう一組の近位方向に位置したフィン２６と組み合わせた ほぼ円筒形本体２２（図２）を有する。フィン２４、２６の組をもったプラグ本 体２２の直径寸法は髄管１４に嵌まり込むように選定され、フィン２４、２６は もっと詳細に説明するように、患者の骨に係合して髄管を内張りする。この点に ついて、本発明の骨プラグ１０は特に、ほぼ均一な横断面寸法の髄管に嵌まり込 むように構成される。非均一な横断面寸法の髄管用に構成された関連のある骨プ ラグの構造及び機能操作については、１９９６年１月１７日出願の米国特許出願 第０８／５８７，４９１号を参照。 遠位フィン２４は多巻きらせんねじ山（例示図面は４〜５巻きを示す）として 形成れさる。このらせんねじ山は、遠位方向に存在した比較的鋭い外縁２８を構 成するために遠位方向に傾けられる。この幾何形状では、遠位フィン２４は患者 の骨に係合してこれに食い込み、髄管を内張りするように構成され、それによっ て、プラグを、下流に滑り運動しないように確実に係止しかつ固定する。アンダ ーカット形状の新規なねじ山設計により、ねじ山を曲げさせ、髄管の形状と一致 させ、しかも髄骨に係合する鋭い外縁をもたらす。 近位フィン２６は対として示す多環状リングとして形成され、該リングは患者 の骨に係合するための外縁３０を有する。図示したように、これらの環状フィン リング２６は、プラグ１０が取り付けられるとき、フィン２６の撓みを容易にす るために斜めの遠位面３２を有する。その結果、近位フィン２６の外縁３０は、 これらが骨セメントのバイパス漏れを防止するシールとして機能する場合に、上 流方向即ち近位方向に延びるように向き直す。 骨プラグ１０は更に、該プラグに形成されたねじソケット３４を有し、該ねじ ソケットとプラグの開放近位端との間には六角ソケット３６が配置されている。 これらのソケット３４、３６は髄内配置中プラグを保持し且つ操作すするための 取り付け工具１２を受け入れるようになっている。好ましい取り付け工具は一端 にねじ先端部４０を、他端にハンドル４１を有する細長いスタイレット３８を備 える。先端部４０はねじソケット３４と螺合するようになっている。スタイレッ ト３８は六角ソケット３６に係合するための六角頭４６を有するドライバ４４の ボア４２に滑り嵌めするように寸法決めされている。ドライバ４４はまた六角頭 と反対側にハンドル部材４５を有する。 使用中、スタイレット３８を図１及び３に示すように、ドライバ４４と組み立 て、ねじ先端部４０及び六角頭４６をプラグ本体に係合させる。次いで、プラグ を楽に操作してプラグを髄管１４に取り付けることができる。次いで、ドライバ ４４を必要なだけ回転させてプラグを所望位置まで進ませることができる。スタ イレット及びドライバの長さをプラグの適切な配置のためのゲージとして使用す ることができる。次いで、ドライバ４４とスタイレット３８を取り付けたプラグ １０から分離してプラグを、引き続いて圧力下で導入された骨セメント２０（図 ４）を妨害するバリヤーとして適所に残すことができる。遠位フィン３４はプラ グ１０を、圧力により遠位方向に移動しないように確実に固定し、一方、近位フ ィン３６は骨セメントのバイパス漏れしないようにシールする。 図５〜８は本発明の別の好ましい形態を示し、この形態では、骨プラグ１０は 一般的には、遠位フィン２４及び近位フィン２６を備えるように図１〜４に従っ て構成されるが、この例では、更内部六角ソケット３６は骨プラグの遠位端の開 放貫通ポート６０と連通する。図７に示すように、骨プラグ１１０を、骨プラグ の六角ソケット３６に受け入れるための頭６４を有するドライバ６２によって大 腿部の骨１６等の髄管１４に先ず取り付ける。この取り付け段階中、ドライバ６ ２を適当に回転させて上述のように、骨プラグの遠位フィン２４及び近位フィン ２６を着座させることができ、一方、遠位貫通ポート６０により、骨プラグ １１０の遠位方向に位置した体液等を骨プラグの近位側に逃がし、この近位側で 、体液をドライバ６２のカニューレ通路６６を適当な吸引源６８（図７）に連結 することによって除去することができる。しかる後、ドライバ６２を、ストッパ ピン７０をポート６０内の着座位置に滑り込ませるガイドとして使用することが できる。別のやり方として、ドライバ６２を取り外し、挿入工具７２を使ってス トッパピン７０を貫通ポート６０内に着座させることができる。図示したように 、ストッパピン７０はポート６０の近位端で骨プラグ１１０内に着座させる拡大 頭を有し、拡大頭７４の六角ソケット７６は挿入工具の六角先端部７８との具合 の良い係合を可能にする。ストッパピン７０が置かれた後、図４に示すように、 圧力下で骨セメントを適当に付与することによって補綴を取り付けることができ 、骨セメント１１０及び関連したストッパピン７０は骨プラグを通り越す骨セメ ントのバイパス漏れを防止する。 本発明の骨プラグ１０に対して種々の更なる修正及び改良は当業者に明らかで あろう。従って、発明は上記の説明及び添付図面によって限定されるものではな く、発明の範囲は添付の請求の範囲に記載される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．患者の骨の髄管に受け入れられる寸法及び形状を有するほぼ円筒形プラグ本 体と、 前記プラグ本体に設けられ、遠位方向に存在した外縁を構成するように斜め に形成された一組の遠位フィンと、 前記プラグ本体に設けられ、髄管に挿入されるときに変形する大きさ及び形 状を有し、近位方向に存在した外縁を構成する少なくとも１つの近位フィンとを 含む髄内骨プラグ。 ２．前記プラグ本体は前記遠位フィン及び前記少なくとも１つの近位フィンと一 体に形成されている、請求の範囲１に記載の髄内骨プラグ。 ３．前記骨プラグは生物学的適合性材料で形成されている、請求の範囲２に記載 の髄内骨プラグ。 ４．前記少なくとも１つの近位フィンは複数の近位フィンからなる、請求の範囲 １に記載の髄内骨プラグ。 ５．前記一組の遠位フィンは前記プラグ本体に形成されたらせんねじ山からなる 、請求の範囲１に記載の髄内骨プラグ。 ６．前記らせんねじ山は少なくとも２つの巻きを構成するように形成されている 請求の範囲５に記載の髄内骨プラグ。 ７．前記プラグ本体は近位端を有し、そこに六角ソケットが形成されている、請 求の範囲５に記載の髄内骨プラグ。 ８．前記プラグ本体はねじソケットを有し、前記六角ソケットは前記ねじソケッ トと前記近位端との間に形成されている、請求の範囲７に記載の装置。 ９．前記プラグ本体は近位端を有し、そこに六角ソケットが形成されている、請 求の範囲１に記載の髄内骨プラグ。 10．前記プラグ本体はねじソケットを更に有し、前記六角ソケットは前記ねじソ ケットと前記近位端との間に形成されている、請求の範囲９に記載の装置。 11．前記プラグ本体は前記六角ソケットの一端と前記プラグ本体の遠位端との間 に延びる貫通ポートを更に構成し、前記貫通ポートは該貫通ポートを閉じるため に前記プラグ本体に取り付けられるストッパピンを更に有する、請求の範囲 ９に記載の髄内骨プラグ。 12．医療級のプラスチック材料で形成され、患者の骨の髄管に受け入れられる寸 法及び形状を有するほぼ円筒形プラグ本体と、 前記プラグ本体に一体に形成され、遠位方向に存在した外縁を構成するよう に形成された斜め設定されたらせんねじ山からなる一組の遠位フィンと、 前記プラグ本体に一体に形成され、骨プラグが髄管に挿入されるとき近位方 向に存在した外縁を構成する大きさ及び形状を有する一組の近位フィンとを含み 、 前記プラグ本体は前記一組の近位フィンに隣接して近位端を有し、そこに平 らな面のドライバソケットが形成されている、髄内骨プラグ。 13．前記プラグ本体は前記ドライバソケットの遠位端に配置されたねじソケット をさらに有する、請求の範囲１２に記載の髄内骨プラグ。 14．前記プラグは前記ドライバソケットの遠位端と前記プラグ本体の遠位端との 間に延びる貫通ポートを更に有し、前記貫通ポートは該貫通ポートを閉じるため に前記プラグ本体に取り付けられるストッパピンを更に有する、請求の範囲１２ に記載の髄内骨プラグ。 15．骨プラグを患者の骨の髄管に髄管的に配置するための挿入工具であって、 ねじ先端部をもった遠位端及び第１ハンドル部材を構成する近位端を有する 細長いスタイレットと、 平らな面のドライバ頭をもった遠位端及び第１ハンドル部材を構成する近位 端を有する細長いドライバと、 平らな面のドライバ頭をもった遠位端及び第２ハンドル部材を構成する近位 端を有する細長いドライバと、を含み、 前記ドライバは前記ドライバ頭に隣接して前記ねじ先端部を向き直すために 前記細長いスタイレットの滑り嵌め受け入れのためのボアを有する、挿入工具。 16．前記ドライバ頭は六角頭からなる、請求の範囲１５に記載の挿入工具。 17．骨プラグを患者の骨の髄管に髄管的に配置するための挿入工具であって、 平らな面のドライバ頭をもった遠位端及びハンドル部材を構成する近位端を 有する細長いドライバを備え、前記細長いドライバにカニューレ通路が形成さ れている、挿入工具。