JPH11504521A - 植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用 - Google Patents

植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用

Info

Publication number
JPH11504521A
JPH11504521A JP8533898A JP53389896A JPH11504521A JP H11504521 A JPH11504521 A JP H11504521A JP 8533898 A JP8533898 A JP 8533898A JP 53389896 A JP53389896 A JP 53389896A JP H11504521 A JPH11504521 A JP H11504521A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
plant
gene
plants
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8533898A
Other languages
English (en)
Inventor
マーチン トーマス,コルウィン
ジョン バリント−コーティ,ピーター
アレン ジョーンズ,デビット
ダラス ジョージ ジョーンズ,ジョナサン
Original Assignee
ジョン インズ センター イノベイションズ リミティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジョン インズ センター イノベイションズ リミティド filed Critical ジョン インズ センター イノベイションズ リミティド
Publication of JPH11504521A publication Critical patent/JPH11504521A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8241Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
    • C12N15/8261Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
    • C12N15/8271Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance
    • C12N15/8279Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance for biotic stress resistance, pathogen resistance, disease resistance
    • C12N15/8282Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance for biotic stress resistance, pathogen resistance, disease resistance for fungal resistance

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 位置クローニングによりトマトCf-4遺伝子を単離し、その配列をコードされるアミノ酸配列と共に提供する。ポリペプチド、それの対立遺伝子、変異体および誘導体をコードするDNA、並びにそれと有意な程度の相同性を示すアミノ酸配列をコードするDNAを植物細胞に導入し、コードされるポリペプチドを発現せしめ、そのような細胞およびそれの子孫を含んで成る植物に病原体耐性を付与することができる。Cf-4配列はCf-9と高度な相同性を示し、高ロイシン反復配列を含んで成る。

Description

【発明の詳細な説明】 植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用 本発明は植物における病原体耐性に関し、より詳しくは、病原体耐性遺伝子の 同定および使用に関する。それはトマトCf-4遺伝子のクローニングに基づく。 植物は潜在的に病原性の微生物により常に攻撃を受けている。作物は普通、遺 伝子的に均一な単一栽培(モノカルチャー)として栽培されるので、それらは特 に害を受けやすい。しかしながら、植物は先在性防御と誘発性防御の両方の系列 を進化させてきたが、病原体、特に生存している植物細胞との密接な関連により それらの栄養を得る病原体は、それらの防御を巧みに免れるに違いない。病原体 が病気を引き起こし得るなら、そのような相互作用は和合性であると言われ、植 物が耐性であるなら、相互作用は不和合性であると言われる。 品種特異的耐性はしばしば(排他的でなく)優性R遺伝子により指定される。 病原体がR遺伝子に打ち勝つように突然変異する時、変異はしばしば劣性である 。R遺伝子が機能するには、非病原性遺伝子(avirulence gene; Avr)と呼ばれ る病原体中の対応遺伝子も存在しなければならない。毒性になるためには、病原 体(真菌、細菌またはウイルス)がもはやR遺伝子依存性防御機構を始動させる 物質を生産しなくならなければならない(Flor,1971)。しばしばエリシター/ レセプターモデルと呼ばれる1つのモデルは、もし病原体が対応するAvr 遺伝子 を有するなら、R遺伝子が植物に該病原体の存在を検出することができるように する生成物をコードするというものである(Gabriel および Rolfe,1990)。そ の後でこの認 識が防御反応の活性化に変換される。 トマト腐葉土病原体であるクラドスポリウム・フルバム(Cladosporium fulvu m )からの2つの真菌非病原性遺伝子の特徴付けが報告されている。Avr9Avr4 遺伝子は小さな高システインペプチドをコードし(van Kan 他,1991;Joosten 他,1995)、それらのプロセシングされた成熟形では、両遺伝子はそれぞれ28お よび106 アミノ酸残基から構成される。Avr9Avr4はそれぞれR遺伝子Cf-9Cf -4 を担持しているトマト系統にC.フルバムの品種に対する非病原性を付与する 。本発明者らは、それらの2つのR遺伝子が遺伝子的に密接に連鎖しているか、 ことによると対立遺伝子であるかもしれないことを示した(Jones 他,1993;Ba lint-Kurti他,1994)。本発明者らはトランスポゾン標識法によりCf-9遺伝子を 単離した(Jones 他,1994;WO 95/18230 として公開されたPCT/GB94/02812)の で、本明細書中でより精妙な遺伝子分析およびプローブとしてCf-9DNAを使っ たCf-4の位置クローニングを報告する。クローン化された非毒性遺伝子およびそ れらの同種の耐性遺伝子の入手可能性は、究極的には広範囲の作物において広域 型で且つ永続性の病気抵抗性を構築するために利用することかできる(de Wit, 1992;Staskawicz他,1995)。 植物では遺伝子の単離は2つの主なアプローチ、即ち位置クローニングおよび トランスポゾン標識付けにより達成されている。幾つかの植物遺伝子が位置クロ ーニングにより好結果に単離されており(Tanksley他,1995中に概説されている )、それらの遺伝子としては、幾つかの遺伝子、即ちPto (Martin他,1993) およびトマトからのCf-2(Dixon 他,1996)、並びにアブラナ科(Arabidopsis )からのRPS2およびRPM1(Bent他,1994;Mindrinos他,1994;Grant他,1995) が挙げられる。大部分の位置クローニング方法は、制限 断片長さ多形性(RFLP)マーカーの使用に大きく頼っている。しかしながら、最 近になって、もっと多数のDNA配列を多形性について調査できるようにする、 より微妙なDNA配列変異を検出することのできるPCRをベースにした方法が 開発された。これらの技術はランダム増幅多形性DNA(RAPD、Williams他,19 90)および増幅制限断片多形性分析(AFLP、ZabeauおよびVos,1992,EP-A-9240 2629.7;Vos 他,1995;Thomas他,1995)を含み、そして位置クローニング方法 による植物遺伝子の単離を促進するだろう。トランスポゾン標識付けは、タバコ から遺伝子(Whitham 他,1994)、亜麻から6 (Lawrence他,1995)、トマ トからCf-9(Jones 他,1994;WO 95/18230 として公開されたPCT/GB94/02812) を単離するのに使われている。 植物遺伝子のアミノ酸配列の比較は、現在のところそれらが2つの主なクラ スを構成することを示している。PTOを除く全部が高ロイシン反復(LRR) モチーフを含むと思われるが、しかし遺伝子の 6RPM1およびRPS2Cf- 9 (Staskawicz他,1995)およびCf-2(Dixon 他,1996)中に存在しない追加の 領域を有するようである。更に、 6およびRPS2は、大部分がLRRから成 り且つ主に細胞質外膜結合型タンパク質であると予想されるCf-9およびCf-2とは 対照的に、恐らく細胞内に存在するだろう。本発明者らの分析は、推定上のCf-4 タンパク質がCf-9と高度に相同であることを示す。 WO 93/11241 は、Cf-9と、および我々かたった今発見したCf-4(本発明の主題 である)と幾らか相同性を有するポリガラクツロナーゼ阻害タンパク質(PGIP) をコードする遺伝子の配列を報告している。Cf-9Cf-4および他のもの(Cf-5-2 など)は、当業者により「病原体耐性遺伝子」または「耐病性遺伝子」と呼ば れている。 PGIPをコードする遺伝子は病原体耐性遺伝子ではない。病原体耐性遺伝子(R) は、対応する非病原性遺伝子(Avr )を発現している病原体の存在を植物が検出 できるようにする。病原体が検出されると、過敏性反応(HR)のような防御反 応が活性化される。そのような手段により、植物は病原体が侵入を試みた部位に おける局所的な細胞死によって生存細胞の病原体を滅ぼすことができる。他方で 、WO 93/11241 のPGIP遺伝子(例えば)は、R遺伝子による病原体の検出に起因 する植物防御反応において誘導される種類の遺伝子である。 よって、病原体耐性遺伝子は、病原体由来で且つAvr 依存性の分子に対する受 容体をコードするものと見なすことができる。かくして、それは病原体の検出の ための植物のRADAR にたとえることができるのに反して、PGIPは一度検出された ら病原体に対して植物が開始する防御に関与しており且つ病原体耐性遺伝子では ない。植物中の病原体耐性遺伝子の発現は、その植物における防御反応の活性化 を引き起こす。これは、植物と病原体または対応するエリシター分子との接触に よって起こることができるが、エリシターの不在下での耐性遺伝子の過剰発現に より活性化を引き起こす可能性が報告されている。防御反応は、局所的に、例え ば植物と病原体またはエリシター分子との接触部位で、または全身的に活性化さ れてもよい。病原体耐性遺伝子を発現する植物における防御反応の活性化は、適 当な対応するエリシター分子、例えば記載されるようなクラドスポリウム・フル バム(Cladosporium fulvumavr 遺伝子により生産されるようなもの、と植物 との接触によって引き起こすこともできる。エリシターはクラドスポリウム・フ ルバム(Cladosporium fulvum)のような病原体の抽出物中に含まれるか、また は完全にもしくは部分的に精製されてもよく、完全にもしくは部分的に合成さ れたものであってもよい。エリシター分子は、それが防御反応の活性化を惹起せ しめるためのR遺伝子産物に対する適当なリガンドであるならば、「対応する」 と言うことができる。 「Cf-x」/「Avrx」という用語は当業界で標準的である。Cf耐性遺伝子および 対応する真菌非病原性遺伝子(Avr )は、最初はそれの測定可能な活性が互いに 排他的な相互作用ペアに属する遺伝子の相互作用ペアとして遺伝学的に定義され た。Cf-4により認識される成分がCf-9により認識されるものとは異なっているの で、Avr9Cf-9含有トマトに対して壊死反応を誘発するが、Cf-4含有トマトに対 しては全く反応を誘発しない。 植物中でのCf-4機能の発現は、様々なC.フルバム品種の和合性を調べること により決定することができる。 全ての既知Avr 遺伝子の機能性コピーを有するC.フルバムの品種(品種0) は、全Cf遺伝子を欠いているトマト上でのみ増殖する(和合性である)だろう。 それはいずれかの機能性Cf遺伝子を有する植物上では増殖しない(不和合性であ る)だろう。もしC.フルバム品種が機能性Avr4遺伝子を欠いているならば(品 種4)、それはいずれかのCf遺伝子を欠いている植物上で増殖できるだけでなく 、Cf-4遺伝子を有する植物上でも増殖できるだろう。機能性Avr2遺伝子も欠いて いる品種(品種2,4)は、Cf-2遺伝子を有する植物上で増殖できるだろう。機 能性Avr2遺伝子のみを欠く品種(品種2)は、Cf-4遺伝子を有する植物上で増殖 できないだろう。同様に、C.フルバム品種5(機能性Avr5遺伝子を欠く)は、Cf-4 遺伝子を有する植物上で増殖できないだろう。品種4も品種2,4もどちら も、他のCf遺伝子のいずれかを有する植物上で増殖できないだろう。様々な品種 が当業界で一般に入手可能であり、例えば、Research Institute for Plant Pro tection(IPO-DLO),PO Box 9060,6700 GW Wageningen,The Netherlandsから入手可能である。品種4は受託番号IPO103 79のもとに入手可能であり、そして品種2,4は受託番号IPO50379のもとに入手 可能である。 Cf-2遺伝子は1996年4月1日にJohn Innes Centre Innovations Limited によ り出願されそしてGB9506658.5 から優先権を主張しているPCT/GB96/00785の主題 である。 本発明者らは、今ここで、真菌クラドスポリウム・フルバム(Cladosporium fulvum )に対する耐性を付与するトマト遺伝子Cf-4を単離し、そしてそのDNA 配列および推定アミノ酸配列を決定した。トマトCf-4遺伝子のDNA配列を図5 (配列番号1)に示し、そして推定アミノ酸配列を図6(配列番号2)に示す。 ある面によれは、本発明は病原体耐性遺伝子をコードする核酸単離物であって 、前記遺伝子が配列番号2に示されるアミノ酸配列もしくはその断片、またはそ れに対してかなりの程度の相同性を示すアミノ酸配列をコードすることを特徴と する、核酸単離物を提供する。これは、Cf-9Cf-2およびCf-5のいずれかのアミ ノ酸配列により示されるよりも程度の大きい、配列番号2のアミノ酸配列との配 列同一性であることができる。これは少なくとも約95%の同一性であることがで きる。 最も好ましくは、前記核酸は配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードし、 この場合、前記核酸単離物は配列番号1に示される配列を有する核酸、または所 望のポリペプチドをコードするのに十分な部分(例えばメチオニン開始コドンか らフレーム内の最初の下流終止コドンまで)を含んで成ることができる。一態様 では、DNAが配列番号1のヌクレオチド201 〜2618であるヌクレオチド配列、 またはその変異体、誘導体もしくは対立遺伝子を含んで成る。 本発明の更なる面は、配列番号1のヌクレオチド201 〜2618また はそれの断片、誘導体、変異体もしくは対立遺伝子を含んで成るプローブを使っ てDNAライブラリーをスクリーニングし、そして植物に病原体耐性、例えばク ラドスポリウム・フルバムの品種(例えばAvr4を発現する品種)に対する耐性を 付与することができるポリペプチドをコードするDNAを単離することにより得 られる、病原体耐性遺伝子をコードする核酸単離物、またはその断片を提供する 。前記植物はトマトであることができる。適当な技術は当業界で周知である。 よって、本発明は、病原体耐性遺伝子をコードする核酸を同定しそして/また は単離する方法であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードするか、 コード配列に相補的であるか、またはコード配列かもしくはコード配列に相補的 な配列のいずれかの断片をコードするヌクレオチド配列を有する核酸を使って、 候補の(または「標的」の)核酸を探査することを含んで成る方法も提供する。 前記候補の核酸(例えば、cDNAまたはゲノムDNAであることができる)は 、病原体耐性遺伝子をコードする核酸を含有するかまたは含有する疑いのある任 意の細胞または生物から得ることができる。好ましいヌクレオチド配列は配列番 号1を有する。示された配列に相補的な配列、およびそれの断片を使ってもよい 。 好ましい探査条件は、その先調査することができる、陽性と同定される少数の ハイブリダイゼーションを有する単純なパターンが得られるのに十分な位に緊縮 である条件である。少数の陽性クローンのみが残るまでハイブリダイゼーション の緊縮性を徐々に増加することは当業界で周知である。 本発明の核酸は、配列番号2に示されるアミノ酸配列、または与えられた配列 の変異体、誘導体もしくは対立遺伝子をコードすることができる。好ましい変異 体、誘導体および対立遺伝子は、野性型 遺伝子によりコードされるタンパク質の機能的特徴、特に病原体耐性を付与する 能力、最も特別にはAvr4エリシター分子を発現する病原体に対する耐性を付与す る能力、を保持しているものである。変異体または誘導体を作製するための配列 の変更は、1もしくは複数のアミノ酸の挿入、欠失または置換をもたらすような 、核酸中の1もしくは複数のヌクレオチドの挿入、欠失または置換のうちの1つ もしくは複数によることができる。もちろん、コードされるアミノ酸配列に何ら 変化を生じないような核酸の変更も含まれる。 本発明の一面によれば、本明細書中に提供されるいずれかのコード配列とハイ ブリダイズできるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核 酸も提供される。これの別の見方は、この面での核酸が本明細書中に提供される いずれかのコード配列に相補的なヌクレオチド配列とハイブリダイズできること である。もちろん、DNAは通常二本鎖であり、鎖の分離後、鎖のどちらがハイ ブリダイズしているかその間に区別を付けることなくサザンハイブリダイゼーシ ョンのようなブロット技術が実施される。好ましくは、ハイブリダイズできる核 酸またはそれの相補物は、宿主に病原体耐性を付与することができるポリペプチ ドをコードし、即ち病原体耐性遺伝子を含有する。好ましいハイブリダイゼーシ ョン条件は当業者に周知であるが、通常は他の配列を除外してしまう程に着目の 配列間に陽性のハイブリダイゼーションが起こるのに十分な位、緊縮である。 本発明の核酸、例えば本明細書中に開示される特定の配列の変異体、誘導体お よび対立遺伝子は、下記の特徴のうちの1つもしくは複数により、またはCf-4ア ミノ酸配列とその他の各配列との比較から直接引き出せる他の特徴により、また は遺伝子機能の観察により、Cf-9Cf-2および/またはCf-5から区別することが できる: − アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約95%の同一性を 有すること; − 例えばAvr4を発現するクラドスポリウム・フルバム(Cladosporium fulvum )品種(技術の現状で入手可能である)により与えられるようなAvr4エリシター 分子と植物とを接触せしめた時、該核酸を発現する植物において防御反応を誘発 すること; − Research Institute for Plant Protection(IPO-DLO),PO Box 9060,6700 GW Wageningen,The Netherlands に受託番号IPO10379 のもとに寄託されており 且つそこから入手可能であるC.フルバム品種4またはそれの抽出物と植物とを 接触せしめた時、該核酸を発現する植物において防御反応を誘発しないこと; − 前記機関に受託番号IPO50379のもとに寄託されており且つそこから入手可能 であるC.フルバム品種2,4またはそれの抽出物と植物とを接触せしめた時、 該核酸を発現する植物において防御反応を誘発しないこと; − 例えばAvr4を発現するクラドスポリウム・フルバム品種または他の生物によ り提供されるようなAvr4エリシター分子、WO 95/31564の配列番号13におよび本 明細書中の図4に与えられるアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列と植 物とを接触せしめた時、該核酸を発現する植物において防御反応を誘発すること ; − 例えばAvr9を発現するクラドスポリウム・フルバム品種または他の生物によ り提供されるようなAvr9エリシター分子(de Wit,1992)、例えばWO 95/18230 中に配列番号3としておよびWO 95/31564 中に配列番号4として与えられるキメ ラ形態のアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列と植物とを接触せしめた 時、該核酸を発現する植物において防御反応を誘発しないこと; − 例えばAvr2を発現するクラドスポリウム・フルバム品種または 他の生物により提供されるようなAvr2エリシター分子と植物とを接触せしめた時 、該核酸を発現する植物において防御反応を誘発しないこと; − 例えばAvr5を発現するクラドスポリウム・フルバム品種または他の生物によ り提供されるようなAvr5エリシター分子と植物とを接触せしめた時、該核酸を発 現する植物において防御反応を誘発しないこと; − 該核酸および対応するエリシター分子を発現する植物において、Cf-9遺伝子 および対応するAvr9分子を発現する植物において誘発される防御反応よりも早い 発育段階で、防御反応を誘発すること; − 対応するエリシター分子、例えばAvr4と植物とを接触せしめた時、該核酸を 発現する植物の非光合成組織(例えば根)において防御反応を誘発すること; − Cf-4についての本明細書中に与えられる配列情報から同定することができる 高ロイシン反復配列(LRR)の数を含んで成ること。 Cf-4ポリペプチド、並びにCf-9,Cf-2およびCf-5のような他のものは、推定膜 貫通型タンパク質であることにより、他の病原体耐性遺伝子の生産物から区別す ることができる。例えば、アブラナ科(Arabidopsis RPP5遺伝子の遺伝子産物 は推定上細胞質タンパク質である。 本発明の核酸単離物は、植物中でのそれの発現が植物において防御反応の活性 化を引き起こすことができる病原体耐性遺伝子をコードし、配列番号2に示され るアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含ん で成ることができる。 そのような活性化は、病原体または対応するエリシター分子と植物との接触に よることができる。 前記ヌクレオチド配列は配列番号1に示されるコード配列を含ん で成ることができる。例えば、該配列は配列番号1のヌクレオチド201 〜2619を 含んで成ることができる。 前記核酸は、1もしくは複数のヌクレオチドの付加、挿入、欠失または置換に よる、配列番号1に示されるコード配列の対立遺伝子、誘導体または変異体を含 んで成るヌクレオチド配列を含むことができる。 本発明の核酸は、植物中でのそれの発現が植物において防御反応の活性化を引 き起こすことができる病原体耐性遺伝子であって、ポリペプチドをコードするヌ クレオチド配列を含んで成り、前記ポリペプチドが1もしくは複数のアミノ酸の 付加、挿入、欠失または置換による配列番号2に示されるアミノ酸配列の対立遺 伝子、誘導体または変異体を含んで成るアミノ酸配列を含んで成る病原体耐性遺 伝子をコードすることができる。 配列番号2のアミノ酸配列またはそれに対してかなりの程度の相同性を示すア ミノ酸配列をコードするDNAをゲノムDNAとしてまたはcDNAとして含む ことができる本発明の核酸単離物は、組換えベクター、例えばファージまたはコ スミドベクターの形であることができる。該DNAは、宿主細胞(例えば植物細 胞)中での発現に備えて適当なプロモーターおよび調節因子の支配下にあっても よい。ゲノムDNAの場合、これは自身のプロモーターおよび調節因子を含んで もよく、ゲノムDNAの場合、これは宿主細胞の発現のための適当なプロモータ ーおよび調節因子の支配下に置くことができる。 当業者は、組換え遺伝子発現のためにベクターを作製しそしてプロトコールを 考案するのに十分な能力がある。適当な調節配列、例えばプロモーター配列、タ ーミネーター断片、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子お よび他の配列を適宜含む、適 当なベクターを選択しまたは作製することができる。更なる詳細については、例 えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2版,Sambrook他,1989, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。例えば核酸構成物の調製 、突然変異誘発、配列決定、細胞中へのDNAの導入および遺伝子発現に用いら れる核酸の工作のための並びにタンパク質の分析のための多数の既知技術および プロトコールが、Short Protocols in Molecular Biology,第2版,Ausubel 他 編,John Wiley & Sons,1992 中に詳しく記載されている。Sambrook他および A usubel他の開示、並びに本明細書中に引用される他の全ての文献は、参考として 本明細書中に組み込まれる。 本発明の核酸分子およびベクターは、実質的に純粋なまたは均質な形態で、即 ち必要な機能を有するポリペプチドをコードする配列以外のいずれの起源のまた は着目の種の核酸もしくは遺伝子を含まないまたは実質的に含まない形で、それ らの自然環境から単離されそして/または精製された状態で提供することができ る。本発明の核酸はcDNA、RNA、ゲノムDNAを含んで成ることができ、 そして完全にまたは部分的に合成のものであることができる。「単離物」という 語はそれらの可能性の全てを包含する。 所定の遺伝子構成物を細胞に導入する時、当業者に周知の幾つかの考慮すべき 事柄を斟酌しなけれはならない。挿入しようとする核酸を、転写を促進する効率 的な調節因子を含む構成物の中で構築することができる。該構成物を細胞中に導 入する方法は入手可能であるに違いない。構成物が一端細胞膜の内側に入ったら 、本発明の様々な態様に従って内因性染色体物質中への組込みが起こってもよく または起こらなくてもよい。最終的に、植物に関する限り、標的細胞のタイプは 細胞を完全な植物に再生することができるようなものであるべきである。 プレ配列を含むDNAセグメントにより形質転換された植物は、植物の遺伝子 操作について既に知られている標準技術によって作製することができる。任意の 適当な技術、例えば本来の遺伝子伝達能力を利用したアグロバクテリウム(Agro bacterium )所有の武装解除Tiプラスミドベクター(EP-A-270355,EP-A-011671 8,Bevan,1984)、粒子もしくはマイクロプロジェクタイル衝撃(US 5100792, EP-A-444882,EP-A-434616)、マイクロインジェクション(WO 92/09696,WO 94 /00583,EP 331083,EP 175966)、エレクトロポレーション(EP 290395,WO 87 06614)、または他の形態の直接DNA取込み(DE 4005152,WO 9012096,US 46 84611)を使って、DNAにより植物細胞を形質転換せしめることができる。ア クロバクテリウム形質転換は、双子葉植物種を形質転換せしめるのに当業者によ り広く利用されている。アグロバクテリウムは外来DNAにより幾つかの単子葉 植物種を形質転換せしめることができると報告されている(WO 92/14828)けれ ども、アグロバクテリウムが非効率的であるかまたは無効である場合にはマイク ロプロジェクタイル衝撃、エレクトロポレーションまたは直接DNA取込みが好 ましい。あるいは、異なる技術の組合せを使って、例えばアグロバクテリウムが コーティングされた微粒子での衝撃(EP-A-486234)、または外傷を誘導するた めのマイクロプロジェクタイル衝撃の後のアグロバクテリウムとの共生培養(EP -A-486233)を使って、形質転換工程の効率を増大させることができる。 形質転換技術の特定の選択は、ある植物宿主を形質転換するそれの効率、並び に選択した特定の方法を使って本発明を実施する人の経験および好みによって決 定されるだろう。植物細胞中に核酸を導入するための形質転換法の特定の選択は 、本発明にとって重要でないし本発明を制限するものでもない。 Cf-4遺伝子およびそれの変形、例えばCf-4遺伝子、それの対立遺伝子、変異体 および誘導体のタンパク質産物にかなりの程度の相同性を示すタンパク質をコー ドするものは、植物に、特にトマトに、C.フルバムのような病原体に対する耐 性を付与するために用いることができる。この例としては、Cf-4遺伝子と同じ染 色体位置を有するトマト属〔ライコペルシコム・ヒルスツム(Lycopersicon hi rsutum )〕からのクローン化DNAまたはそれの任意のサブクローン化断片を挙 げることができる。この目的で、上述のベクターをトランスジェニック植物の生 産に使うことができる。そのような植物はCf-4遺伝子により付与された病原体耐 性を有することができる。 本発明は更に、そのようなベクターにより形質転換された宿主細胞、特に植物 または微生物細胞を包含する。よって、本発明の核酸を含んで成る宿主細胞、例 えば植物細胞が提供される。細胞中、前記核酸は染色体中に組み込まれてもよい 。 本発明の核酸を含んで成るベクターは、特にゲノム中への組換えのために核酸 を細胞中に導入するのに該ベクターを使用する予定である場合には、プロモータ ーを含む必要はない。 本発明によれば、本発明により提供されるようなヌクレオチド配列を、コード されるポリペブチドの発現調節用プロモーターの作用可能な制御下において、そ れのゲノム中に組み込んでいる植物細胞も提供される。本発明の他の面は、植物 細胞中にヌクレオチド配列を含んで成るベクターを導入することを含む、そのよ うな植物細胞の作製方法を提供する。そのような導入の後、ベクターと植物細胞 のゲノムとの間の組換えによって前記ヌクレオチド配列をゲノム中に導入するこ とができる。次いで、導入された核酸によりコードされるポリペプチドを発現せ しめることができる。 本発明の植物細胞を含んで成る植物、並びにそのような植物の任 意のクローン、種子、自殖もしくは雑種後代および子孫、並びにそれらのいずれ かの任意部分、例えば挿し木、種子も提供される。本発明は、任意の植物栄養分 体、即ち有性もしくは無性の繁殖または再生に使うことができる任意部分(挿し 木、種子などを含む)を提供する。 本発明は更に、植物のまたはそれの祖先の細胞中に核酸を導入する初期段階の 後、植物の細胞内での、配列番号2のアミノ酸配列、またはそれの変異体、対立 遺伝子もしくは誘導体、または有意に相同のアミノ酸配列をコードする核酸から の発現(それによりコードされるポリペプチドを生産すること)を含んで成る方 法を提供する。そのような方法は該植物に病原体耐性を付与することができる。 これは、WO 91/15585(Mogen)にまたはより好ましくはWO 95/31564として公開 されたPCT/GB95/01075に記載された方法のいずれかに従って、Avr4遺伝子と、ま たは病原体耐性を付与することに関与する他の任意の遺伝子と組み合わせること ができる。 Cf-4Cf-9およびCf-2遺伝子は、それらがトマト腐葉土C.フルバムの増殖を 防止する耐性をトマトに付与するという点で同じように機能する。しかしながら 、それらは異なるAvr 生産物の認識により動き、それらが病原体の増殖を止めて 耐性応答を刺激する速度に微妙な差がある(Hammond-KosackおよびJones 1994; Ashfield他,1994)。それらの差は本明細書中およびWO 95/31564(前掲)に開 示される用途に最大限に利用することができる。 植物のゲノム中に安定に組み込まれた遺伝子は、世代から世代へと該植物の子 孫に受け継がれ、その子孫の細胞はコードされるポリペプチドを発現することが でき、そのため増強された病原体耐性を有することができる。病原体耐性は、病 原体(例えばクラドスポリウム・フルバム)の和合性を評価することにより、ま たは病原体非 病原性遺伝子(例えばAvr-4 )の組換え発現もしくは例えば本明細書中に記載さ れるような組換えウイルスの形でのAvr-4 遺伝子産物の伝達を使うことにより、 決定することができる。 Cf-4遺伝子の配列分析は、Cf-9遺伝子(PCT/GB94/02812;Jones 他,1994)やCf-2 遺伝子(PCT/GB96/00785;Dixon 他,1996)と同様に、それが高ロイシン反 復(LRR)領域をコードするDNA配列を含むことを示し、そして相同性研究 は、LRRを含む他の遺伝子との強力な相同性があることを明らかにした。それ らの3つの遺伝子は全て同様な一般的特徴を示し、それ自体今までに特徴付けら れた他の耐病性遺伝子とは異なる耐病性遺伝子の新規クラスを意味する。 更なる面によれば、本発明は、新規耐性遺伝子を捜すために、病原体耐性遺伝 子間で、例えばCf-9Cf-4の間で、および/またはCf-4Cf-2の間で保存されて いる1もしくは複数の配列を含んで成るオリゴヌクレオチドの使用を含む、植物 病原体耐性遺伝子を同定する方法を提供する。よって、病原体耐性遺伝子を含ん で成る(病原体耐性を付与することができるポリペプチドをコードする)核酸を 得る方法であって、あるオリゴヌクレオチド(それの詳細は本明細書中に記載さ れる)またはそのようなオリゴヌクレオチドを含む核酸分子を標的/候補核酸と ハイブリダイズせしめることを含んで成る方法が提供される。標的または候補核 酸は、例えば、病原体耐性遺伝子をコードすることが知られている生物から得ら れるゲノムまたはcDNAライブラリーを含んで成ることができる。ハイブリダ イズするクローンを同定し、そして更なる調査および/または使用のために標的 /候補核酸を単離することができる。 ハイブリダイゼーションは、適当に緊縮な条件下で核酸を探査しそして陽性ハ イブリダイゼーションを同定すること(既知技術に従 う)および/または核酸増幅方法(例えばPCR)におけるプライマーとしての オリゴヌクレオチドの使用を必要とし得る。探査のための好ましい条件は、更に 調査することができるような、陽性として同定される少数のハイブリダイゼーシ ョンを有する単純なパターンが得られるのに十分な位に緊縮である条件である。 少数の陽性クローンだけが残るまでハイブリダイゼーションの緊縮性を高めるこ とは当業界で周知である。 探査に代わるものとして、まだ核酸ハイブリダイゼーションを使用するけれど も、DNA配列を増幅せしめる目的でデザインされたオリゴヌクレオチドを、常 用手順を用いて、PCR反応においてまたは別の核酸増幅を含む方法において使 用することができる。例えば“PCR Protocols: A Guide to Methods and Applic ations”,Innis 他編,1990,Academic Press,New Yorkを参照のこと。 プローブのまたはPCRプライマーのデザインに使われる適当な好ましいアミ ノ酸配列は、病原体耐性を付与することができるポリペプチド間で保存された( 完全に、実質的にまたは部分的に)配列、例えばCf-4Cf-9により、および/ま たはCf-4Cf-2により、および/またはCf-4Cf-9およびCf-2によりコードされ る配列である。 アミノ酸配列情報に基づいて、遺伝暗号の縮重、および適当な場合、候補核酸 が得られる元の生物のコドン使用頻度を考慮に入れながら、オリゴヌクレオチド プローブまたはプライマーをデザインすることができる。 好ましくは、例えば核酸増幅に使われる本発明のオリゴヌクレオチドは、約10 以下のコドン(例えば6,7または8個)を有し、即ち長さが約30以下のヌクレ オチド(例えば18,21または24)である。 PCR生成物が耐性遺伝子に相当するかどうかの評価は様々な方法で行うこと ができる。PCRバンドは生成物の複雑な混合物を含 むことがある。個々の生成物をクローニングし、そして各々を、このプローブに 対して多形性を示した子孫において分離している既知の耐病性遺伝子への連鎖に ついてスクリーニングすることができる。あるいは、PCR生成物を、変性ポリ アクリルアミドDNA配列決定用ゲル上で多形性を示すことができるように処理 し、耐性遺伝子に関連づけられる特定バンドをクローニング前に予備選択してお くことができる。一端候補のPCRバンドがクローニングされそして既知の耐性 遺伝子に関連づけられれば、それを使ってクローンを単離して、そのクローンを 他の特徴についておよびCf-9Cf-2Cf-4または他の関連遺伝子との相同性につ いて詳しく調べることができる。その後で形質転換によりそれを分析して、着目 の植物の病気感受性品種への導入に対するそれの機能を評価することができる。 あるいは、PCRバンドまたはそれを分析することにより誘導された配列を使っ て、植物育種家が有用な耐性遺伝子の分離をモニタリングするのを助けることが できる。 それらの技術は、植物の病原体耐性遺伝子の同定に一般的に応用可能である。 この方法で同定することができる遺伝子のタイプの例としては、ジャガイモの疫 病菌フィトフトラ(Phytophthora)耐性、大麦やトウモロコシのような穀物のう どんこ病耐性およびさび病耐性、キンギョソウ(Antirrhinum )や亜麻のさび病 耐性、レタスやアブラナ科(Arabidopsis )のべと病耐性、ジャガイモ、トマト およびタバコのウイルス耐性、トマトの線虫耐性、アブラナ科やトマトの細菌病 原体に対する耐性、並びにトウガラシのザントモナス(Xanthomonas )耐性が挙 げられる。 一端病原体耐性遺伝子が同定されれば、当業者に周知の技術を使ってそれを植 物細胞の中に再導入してトランスジェニック植物を生産することができる。更な る面によれば、本発明は、LRRの存在 により、または特に上述した技術により同定された植物病原体遺伝子のタンパク 質産物をコードするDNA単離物を提供する。 更に別の面によれば、本発明は、本明細書中に開示されるようにLRRの存在 によりまたは核酸ハイブリダイゼーションにより同定された病原体耐性遺伝子を 有するように遺伝子操作されているトランスジェニック植物、特に作物を提供す る。 本発明に係る植物の例としては、タバコ、ウリ科、ニンジン、アブラナ科植物 、レタス、イチゴ、アブラナ科油料種子、サトウキビ、小麦、大麦、トウモロコ シ、米、大豆、えんどう豆、モロコシ類、ヒマワリ、トマト、ジャガイモ、トウ ガラシ、キク、カーネーション、ポプラ、ユーカリおよびパインが挙げられる。 本発明の変形並びにその他の面および態様は当業者に明白であろう。本明細書 中に引用される全ての文献は参考として組み込まれる。用語「含んで成る」とは 、「包含する」または「有する」という意味であって「から成る」という意味で はないと解釈すべきである。 既に指摘の通り、本発明はトマトCf-4遺伝子のクローニングおよび配列決定に 基づいており、この実験操作について次の図面を参照しながら下記に更に詳しく 説明する。 図1は、Cf-9(Cf9)またはCf-4(Cf4)耐性遺伝子のいずれかを含むトマト(L .e sculentum cv.Moneymaker)の近縁同質遺伝子系統(NIL;near isogenic li ne)、C.フルバムに対する既知の耐性遺伝子を含まない系統(Cf0)、およびト マト染色体1の短いアームにもマッピングされているCf-1耐性遺伝子を含む別の 系統(Cf1,L .esculentum cv.Stirling Castle)から単離された、BglIIで消 化したDNA断片のサザンブロットを示す。Cf-9遺伝子に相当する6.7 kbp の B gl IIバンド、並びにCf-4含有系統に特異的であり且つ明細書本文中に記載される 3つの BglIIバンドの位置も示される。 図2は、Cf-4Cf-9トランス異型接合体検定交雑集団からの5つの病気感受性 組換え体(V408,V512,V514,V516およびV517)の分析により同定された3クラ スの組換え体を概略形で示す。Cf-4遺伝子座が上の行にCf-9遺伝子座が下の行に 描写される。Cf-9遺伝子に隣接する2つのAFLPマーカー(M1とM2,Thomas他 ,1995)の位置が示される。それらのマーカーのうちの1つ(M2)はCf-4遺伝 子座にも存在する。幾つかの病気感受性組換え体に存在する、Cf-9に対して遠位 に位置する同義遺伝子ファミリー(multigene family)の別の2つのメンバー( 図中、遺伝子AおよびBとして示される)も示される。サザンハイブリダイゼー ションとAFLP分析により推定された3クラスの各々における組換え区切り点は破 線により表される。 図3は、Cf-4Cf-5コスミドライブラリーから単離された3つの重複コスミド (4/5-108,4/5-129および4/5-138)から推定されるCf-4遺伝子座の物理的地図 を示す。各コスミドの物理的範囲が概略的に示され、そしてハイブリダイゼーシ ョンと配列分析によって決定された3つのCf-9相同配列の位置が黒のボックスに より表される。各遺伝子の転写極性は矢印により示される。Cf-4遺伝子の位置も 示される。次の酵素についての制限酵素部位も示される:BglII,PstI,EcoRI および XbaI。Cf-9の5′末端から誘導したプローブに対して高い相同性を示す 3つの BglII断片(6.4 kbp,3.2 kbpおよび1.8 kbp)(図1参照)の位置が矢 印により示される。M2は、初めCf-9遺伝子座において同定されCf-4遺伝子座に も存在するAFLPマーカーを表す。 図4は、C.フルバムのAVR4のプロセシング後の成熟形をコードすると提唱さ れた配列に融合したPR1aシグナルペプチド配列をコードする、ClaI/SalI DN A断片の核酸(二本鎖形態)配列と推定 アミノ酸配列を示す。翻訳開始コドンはヌクレオチド5のところで、翻訳終止コ ドンはヌクレオチド413 のところで始まる。アミノ酸1〜30はシグナルペプチド 配列を表し、アミノ酸31〜136 は成熟AVR4ペプチドを表す。 図5は、Cf-4のゲノムDNA配列(配列番号1)を示す。該配列の特徴は次の ものを含む:ヌクレオチド201 のところの翻訳開始部位;ヌクレオチド2619で始 まる翻訳終結;ヌクレオチド2835で始まる共通ポリアデニル化配列(AATAAA); ヌクレオチド2641のところの3′非翻訳配列中のスプライス供与体配列;ヌクレ オチド2755で終わるスプライス受容体配列;ヌクレオチド2955のところの推定上 のポリアデニル化部位。 図6は、一文字アミノ酸記号によるCf-4遺伝子の推定アミノ酸配列(配列番号 2)を示す。推定タンパク質配列は、806 アミノ酸の一次翻訳産物から構成され ;シグナルペプチド配列アミノ酸1〜23;成熟ペプチドアミノ酸24〜806 である 。 図7は、Jones 他(1994)によりCf-9について記載されそして本文中で考察さ れるようなCf-4タンパク質の7つの提案される構造ドメインA〜Gを示す。Cf-9 に比較したCf-4中の欠失は、ドットにより表示される。2つのタンパク質を区別 するアミノ酸の大部分はそれらの各々のN末端に位置しており、図中太ボールド 字体で示されている。潜在的N−グリコシル化配列には下線が引かれている。 図8は、Cf-4配列とCf-9配列の間の2つの主要配列相違領域を示す。(A)ド メインBのCf-9アミノ酸40〜79(上の行)とCf-4アミノ酸40〜69(下の行)との 整列。(B)Cf-9アミノ酸285 〜426(LRR 9〜14)とCf-4アミノ酸274 〜369 (LRR 9〜12)との整列。 図9は、本明細書中で報告するトランスジェンの発現に広く用い られる4つのバイナリーベクタープラスミドの構造を示す。LBおよびRBは、 各ベクター中のT−DNAの左端および右端に相当する。植物形質転換マーカー 遺伝子はLB末端に置かれ、そしてネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝 子(NPT)またはホスフィノトリシンに対する耐性を付与するストレプトマイ セス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)由来の遺伝子(BAR )であった。形質転換マーカー遺伝子はカリフラワーモザイクウイルス35Sプロ モーター(35S)かまたはA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)由来のノパ リンシンターゼ遺伝子プロモーター(pnos)の調節下に置かれた。翻訳終結シグ ナルはA.ツメファシエンスのオクトピンシンターゼ遺伝子3′配列(ocs3' ) により提供された。SLJ7291,SLJ7292およびSLJ755A は全て、図面中に指摘され る制限酵素部位を有するポリリンカー配列を含む。このポリリンカー配列は、Jo nes他(1992)により記載された変形pBluescriptプラスミドから得られた。全て の遺伝子の転写方向は矢印により示される。全操作はJones 他(1992)により記 載された通りに実施した。SLJ10080は、ClaIでの線状化、T4 DNAポリメラーゼ 処理および自己連結によりポリリンカー配列中の ClaI部位を除去することによ りバイナリーコスミドベクターpCLD04541 から誘導した。 SLJ4K1からの35S:uidAカセットをEcoRI /BamHI 断片として生成プラスミドの 中にクローニングした。一過性発現実験用にCf-4およびCf-9コード配列を ClaI /BamHI 断片としてクローニングしてuidA遺伝子と置き換えた(図10参照)。プ ラスミドSLJ755A およびpCLD04541並びにそれらの誘導体は、コスミドクローニ ングベクターとして使われるラムダファージ配列(cos)を含有する。 図10は、一過性アッセイにおけるCf-9(pCf9/10080)およびCf-4(pCf4/10080 )の発現用のバイナリーベクターを示す。各構成物の 詳細については明細書本文を参照のこと。 図11は、C.フルバム非病原性遺伝子Avr9またはAvr4のいずれかと組み合わせ た、35Sプロモーター(35S)の支配下にCf-9またはCf-4遺伝子のいずれかを含 む4つのバイナリー構成物を示す。非病原性遺伝子も35Sプロモーターの支配下 にあり;転写終結配列はA.ツメファシエンス(A .tumefaciens)オクトピンシ ンターゼ遺伝子3′非翻訳領域(ocs3' )により提供された。各プラスミドの作 製(詳細については明細書本文を参照のこと)に関係のある制限酵素部位だけが 示されている。トマトCf-4遺伝子の位置クローニング (1) Cf-4マップ位置 本発明者らは、トマトの古典的地図およびRFLP地図(Dickinson他,1993;Jon es 他,1993;Balint-Kurti他,1994;Thomas他,1995)上にC.フルバムに対 する耐性を付与する数個の遺伝子をマッピングした。それらの研究は、Cf-4Cf -9 が、染色体1の短いアーム上の2つのRFLPマーカーCP46とTG236 により境界が 定められた6 cM範囲内の類似位置にあることを証明した。Cf-4Cf-9は、それの 近縁野性種であるL .hirsutum およびL .pimpinellifolium から培養されたトマ ト中に遺伝子移入されている(Jones 他,1993参照)。本発明者らの遺伝子分析 は、それらの遺伝子が密接に連鎖しているか、もしかすると対立遺伝子かもしれ ないことを示唆する。本発明者らは、トウモロコシのトランスポゾン切断因子( Jones 他,1994;PCT/GB/02812)を使ったトランスポゾン標識法によりCf-9を単 離した。この結果、位置クローニングによりCf-4を単離することが可能になった 。 (2) Cf-4遺伝子候補の同定 Cf-9Cf-4またはC.フルバムに対する未知の耐性遺伝子を含む トマトのNILからDNAを単離し、それを制限酵素 BglIIで消化した。Cf-9の 5′末端を含むプローブpCf9XSを使ったサザンハイブリダイゼーション分析(Jo nes 他,1994)は、3系統の間に広範囲に渡るRFLPがあることを明らかにした( 図1)。この結果は、それらの耐性遺伝子が異なる種から遺伝子移入されている ことと、この遺伝子ファミリーの複数メンバーが同じ遺伝子移入染色体セグメン ト上に存在することから推測された。 候補のCf-4遺伝子を同定するために、Cf4 NIL とCf9 NIL を交雑してCf-4Cf -9 トランス異型接合体を作製した。次いで子孫をCf0と交雑してF1検定交雑集団 を得た。約7,500 の子孫に、Cf-4Cf-9のいずれかを含む植物に不和合性である C.フルバム品種5を接種した。もしCf-4Cf-9が対立遺伝子であるなら、トラ ンス異型接合性の親において遺伝子内組換えがたとえ低頻度でも起こり得ると我 々は推論した。場合によっては、これは各遺伝子の耐性特異性を取り去るかもし れない。そのような組換え染色体を含む子孫は、病気感受性個体として本発明者 らの分析により検出されるだろう。 あるいは、もしCf-4Cf-9が対立遺伝子でなくて密接に連鎖しているだけなら 、同じく低頻度で遺伝子間組換えが起こり、耐性遺伝子を両方とも含むかまたは 両方とも含まない組換え体を生じるだろう。後者の組換え体のクラスは、減数分 裂時の染色体の誤対合や不等交雑の結果としても生成することがある。本発明者 らの分析では、Cf-4Cf-9を欠く子孫のみが同定された。7,500 の検定交雑子孫 の中で5つのそのような病気感受性組換え体が検出された。それらの個体を自家 受粉させそしてその子孫を再びC.フルバム品種5を使って試験して、それらがCf-4Cf-9の両方を失っていることを確かめた。組換え染色体について同型接合 である子孫も同定された。これは、その後のサザンハイブリダイゼーション分析 を単純化するた めに行われ、Cf-9に対して2.5 cM 遠位に位置するRFLPマーカーCP46(Balint-K urti他,1994;Thomas他,1995)のCf9 対立遺伝子について同型接合である個体 を同定することによって達成された。 プローブとしてpCf9XSを使った5つの罹病性個体(V408,V512,V514,V516お よびV517)からの BglII消化DNAのサザンハイブリダイゼーション分析は、予 想通り、全てがCf-9遺伝子に相当する6.7 キロ塩基対(kbp)の BglIIバンド(Joh ns 他,1994)および該遺伝子の近位に位置する多数の他のバンドを欠いている ことを確証した。この遺伝子ファミリーのうちの異なるメンバーを含んで成りそ してCf-9遺伝子に対して遠位に位置する2つの別の BglIIハンドは、ある組換え 体では存在したが別のものには存在しなかった(図2)。Cf-4含有系統に存在す る3つの BglIIバンド(6.4 kbp,3.2kbp および1.8 kbp、図1)も一貫して罹 病性個体に欠けており、よってCf-4遺伝子の候補であった。この後者の結果は C f4×L.pennelliの交雑からのF2植物の分析結果と一致する。TG236/CP46範囲で 組み換わったF2個体の特別クラスが、以前に記載された通り(Balint-Kurti他 ,1994;Thomas他,1995)葉材料のPCR分析により同定された。それらの結果 は3つの BglII制限断片がCf-4と共に分離することを証明した。サザンハイブリ ダイゼーションとAFLP分析を使って、本発明者らは図2に示される3クラスの組 換え体を区別することができた。それらの結果は、Cf-4Cf-9の両方を欠く組換 え染色体を生じる染色体誤対合および不等交雑のモデルと一致したが、その証拠 とはならない。 (3) Cf-9相同配列を含むバイナリーベクターコスミドクローンの単離 染色体1上のCf-4遺伝子と染色体6上のCf-9遺伝子の両方を含む保存株から、 両遺伝子を単離するためにライブラリーを使うことが できるようにゲノムDNAライブラリーを作製した。該ライブラリーは、英国ノ リッジのJohn Innes Centre のC.Dean 博士から入手したバイナリーコスミドク ローニングベクターpCLD04541 中に作製した(Bent他,1994参照)。そのような クローニングベクターの使用は、単離されるどんなクローンでも、クローン化遺 伝子の機能について試験する目的で植物中に直接導入することができるために有 利である。 当業者に周知の技術を使って(Thomas他,1994)6週齢の温室栽培植物の葉か ら高分子量DNAを単離し、 MboI制限酵素で部分消化した。当業者に周知の技 術を使って、部分消化生成物をショ糖勾配を用いてサイズ分画し、そしてサイズ 範囲20〜25 kbpのDNAをBam HIで消化したpCLD04541 DNAと連結せしめた。 Stratageneパッケージング抽出液を使って試験管内パッケージングした後、エシ ェリキア・コリ(Escherichia coli)株SURETM(Stratagene)のテトラサイクリ ン感受性変異株の中に前記コスミドを導入した。 pCLD04541 上のテトラサイクリン耐性遺伝子を使って組換え体を選択した。 プールあたり約1500個のクローンを含む144 のプールに前記ライブラリーを無 作為に分配し、各プールから細胞を増殖させ、そして10mlの細胞のうち、9mlを 大量プラスミドDNA抽出に使い、そして1mlを0.2 mlのグリセロールの添加後 に凍結保存物の調製に使った。アルカリ溶解(BirnboimおよびDoly,1979)によ り該プールからプラスミドDNAを単離し、そしてDNA試料を、Cf-9含有トマ ト系統からpCf9XS断片を増幅させるのに使用したプライマーF7とF10(Jones 他,1994)を用いたPCR分析にかけた。このライブラリーからのプール 108, 129 および138 はF7/F10PCR生成物について陽性のプールであると同定さ れた。各プールごとに、約 10,000コロニーを平板培養し、放射性標識pCf9XSを使ったコロニーハイブリダイ ゼーションにより探査した。各プールから単一の相同クローンを単離した。それ らの技術は当業者に周知である。 4/5-108,4/5-129および4/5-138と命名した3つのコスミドクローンを、プロ ーブとしてpCf9XSを使ったサザンブロットハイブリダイゼーションと制限酵素マ ッピングにより更に特徴づけた。3つのコスミドの物理的関係を図3に示す。こ の分析は、前に記載した結果と一致する、6.4,3.2および1.8 kbp のBgl II制限 断片上に、pCf9XSとの高相同性を示す3つの領域があることを示した(図1およ び2)。これらの3つの領域を適当なコスミドクローンからPstI断片としてサ ブクローニングし、当業者に周知の技術を使って、Cf-9ゲノム配列を決定するの に以前に使われたオリゴヌクレオチドプライマー(Jones 他,1994)に加えて、 3つの相同体の各々に特異的な新たなプライマーを使って、それらのDNA配列 を決定した。それぞれコスミド4/5-108 と4/5-129 から誘導した PstIクローン から、相同体IおよびIIのDNA配列を完全に決定した。相同体IIIを含むコス ミド4/5-129 からの PstI断片のDNA配列分析は、このコスミドがこの遺伝子 の完全コピーを含まないことを示唆した。物理的マッピングデータは、この配列 がコスミド4/5-138 上ではより大きく先端が切り取られていることを示唆する( 図3)。この説明は、Cf-4Cf-5cDNAライブラリーから単離された相同体II IのcDNAクローンのDNA配列分析により確かめられた。この分析は、コス ミド4/5-129 上の相同体IIIのコピーがそれのC末端のところで74アミノ酸だけ 切り取られていることを示した。相同体I(862アミノ酸)、相同体II(806 ア ミノ酸)および相同体III(855 アミノ酸)の推定アミノ酸配列は全て、Cf-9に 対して高レベルの相同性(それぞれ86.5%、91.5%および86.5%が同一アミノ酸 )を示す。 (4) 植物におけるCf-4遺伝子機能についての効率的アッセイの開発 トランスジェニック植物中での推定上のクローン化Cf-4遺伝子の機能は、様々 な方法で評価することができる。まず第一に、対応する非病原性遺伝子Avr4を含 むC.フルバム品種を接種してその品種がトランスジェニック植物において不和 合性応答を与えるかどうかを試験することにより;第二には、AVR4を含有する和 合性相互作用から単離された細胞内液体を、トランスジェニック植物の葉に注入 することにより;第三には、Cf-9/AVR9相互作用の研究において以前に記載され たように(Hammond-Kosack他,1995)組換えジャガイモウイルスXの形でAVR4を 伝達せしめることにより、評価することができる。 AVR4をコードするC.フルバム遺伝子のDNA配列、およびプロセシング後の 成熟形ポリペプチドのアミノ酸配列は既に報告されている(Joosten 他,1994) 。我々は、C.フルバム品種2,5からプライマーを使ってAvr4遺伝子を発表さ れた配列にPCR増幅せしめ、提案された成熟ポリペプチドをコードする配列を 、タバコPR1aタンパク質のN末端シグナルペプチドをコードするDNA配列に融 合せしめた。これは、該遺伝子が発現されるトランスジェニック植物中の細胞内 空間に向けたAVR4のターゲッティング(標的指向化)を促進するだろう。このキ メラ遺伝子(SPAvr4)を、以前に記載された通り(Hammond-Kosack他,1995)Cl a I/SalI DNA断片として(図4)ジャガイモウイルスXのcDNAコピーの 中に挿入して、 PVX:SPAvr4を作製した。この組換えウイルスの感染性転写物を 試験管内転写により得た。全ての核酸操作は当業者に周知の標準技術を使って実 施した。 3週齢のトマト実生において組換えウイルスを試験するために対照実験をデザ インした。ウイルス接種部位においてわずかな機械的 損傷の印を示しただけのCf0 対照とは対照的に、Cf-4含有植物では接種後(d.p. i.)3日目に子葉が乾燥しているように見えそして最終的に落果した。Cf0 植物 は、野性型ウイルスで観察される病徴、即ち退緑(クロロシス)モザイク病徴に 匹敵する目に見えるウイルス感染の病徴を7〜10 d.p.i.に表した。4〜5 d.p .i.に、Cf-4含有植物では、おそらくCf-9含有植物においてAvr9を含むPVXを 使った同様な実験で以前に記載されているようなウイルスの全身普及のために( Hammond-Kosack他,1995)、より若い葉に壊死病斑が観察された。他の特徴とし ては、葉柄および茎における壊死セクターが挙げられる。この壊死表現型が全身 に広がるのが観察され、そして14 d.p.i.にはCf-4含有実生の大部分が枯死して いた。Cf0 対照植物は枯れなかったが退緑と葉脈透化の病徴を示した。従って、 この手法は植物におけるCf-4機能についての迅速且つ信頼できるアッセイを提供 するので、潜在的にCf-4遺伝子を含む個体を同定するためにトランスジェニック 植物に適用した。 (5) Cf-4遺伝子のゲノムコピーを含有するバイナリーベクターコスミドクロー ンの同定 Cf-4Cf-5バイナリーベクターコスミドライブラリーから単離した3つのバイ ナリーベクターコスミドクローン(4/5-108,4/5-129および4/5-138)のうちど れかCf-4遺伝子を含むものがあるかどうかを調べるために、当業者に周知の方法 を使ってトランスジェニックトマト(Lycopersicon esclentum)およびタバコ(Nicotiana tabacum cv Petite Havana)植物を作製した(Fillatti他,1987;Ho rsch他,1985)。 12のトマト形質転換体に PVX:SPAvr4を接種することによりCf-4活性が検出で きるように、挿し木によりトランスジェニック植物を繁殖させた。コスミド 4/5 -108を含むトランスジェニックトマト植 物は1つも(0/3)PVX:SPAvr4依存性の葉壊死を示さなかった。対比して、 コスミド 4/5-129を含む8つの形質転換体のうちの6つと、コスミド 4/5-138を 含む4つの形質転換体のうちの3つが、3〜4 d.p.i.に接種した葉において葉 壊死を示した(表1)。この壊死はCf-4対照植物において前に観察されたように 最終的には全身に広かった。壊死葉セクターを示すトランスジェニック植物は最 終的に枯れた。1回目の形質転換実験から得られた多数のトランスジェニック植 物の挿し木を、C.フルバム品種5の接種によりCf-4機能について更にアッセイ した(表1)。 それらの試験では、PVX:SPAvr4依存性壊死を示すトランスジェニック植物と クラドスポリウム・フルバム(Cladosporium fulvum)品種5に耐性のものとの 間に、正の相関性が観察された(表1)。和合性の対照植物(Cf0)では病原体増 殖が観察されたが、不和合性の対照植物(Cf2)では観察されなかった。幾つかの トランスジェニック植物の自家子孫を再びC.フルバム品種5で試験し、その形 質が遺伝性であることを確かめた。これは事実であると証明され、大部分の場合 、単座T−DNA形質転換体と一致したほぼ3:1の比で耐性が分離した(表2 )。品種4がAvr4ペプチドを発現しないことから(Joosten 他,1994)予想され る通り、C.フルバム品種5に対するトランスジェニック子孫耐性は品種4に対 する耐性を付与しなかった。 相同体IIIはコスミド 4/5-108に完全に欠けており、そしてこの遺伝子の先端 が切り取られたコピーのみが他の2つのコスミド上に存在する。従って、相同体 IIIはCf-4の候補でなさそうである。Cf-2の場合に起こるように(Dixon 他,199 6)、この遺伝子座上の複数の遺伝子がAVR4ペプチドの認識と病原体耐性を付与 することはあり得る。しかしながら、後者の例(Cf-2)では2つの遺伝子がほと んど 同一であり、ここに記載する3つのCf-9相同遺伝子の推定アミノ酸配列とは対照 的である。相同体Iの完全コピーは3つのコスミドの全てに存在する(図3)。 コスミド 4/5-108の物理的地図作成およびPCR決定は、このクローンにおいて 相同体IIの先端が切り取られており、それのC末端からの54アミノ酸並びに3′ 非翻訳領域並びに関連の転写終結およびポリアデニル化配列を欠いていることを 示した。 それらのデータは明らかに、相同体IIがCf-4遺伝子と関係があるとする。PVX :SPAvr4依存性葉壊死およびC.フルバム品種5に対する耐性は、相同体IIの完 全コピーを含むバイナリーベクターにより形質転換されたトランスジェニック植 物においてのみ明白である(表1)。pCf9XSプローブを使った多数の耐性一次形 質転換体(4/5-129A,4/5-129B,4/5-129D,4/5-129G,4/5-129H,4/5-138Aおよ び4/5-138B)のサザンハイブリダイゼーション分析は、それら全てが相同体IIに 特徴的な3.2 kbp のBglII DNA断片を含むことを示した。 相同体IIが特異的にAVR4を認識することは、前記3つのコスミドを含むトラン スジェニックタバコ(N .tubacum)植物の分析の結果により更に実証される。PV X:SPAvr4を接種した時(表3)、コスミド 4/5-129を含む形質転換体の大部分 (7/10)およびコスミド4/5-138 を含む形質転換体の大部分(4/5)が3〜 4 d.p.i.にウイルス接種部位のところに、幾つかのウイルス耐性変種において ウイルス接種に応答して見られる病斑と外観上同じ、壊死病斑を示した。それら の個体では、壊死は局部病斑にとどまらずに最終的には合体し、そして7〜10 d .p.i.には葉壊死がウイルス感染の全領域に渡ってはっきり見られる。幾つかの 形質転換体では、PVX:SPAvr4に対する反応がもっと急性であり、葉壊死セクタ ーを3〜4 d.p.i.に観察することができる(表3)。それらの表現型は、コスミド 4/5-108 を含むトランスジェニックタバコ(0/5,表3参照)でもPVX:SPAvr4でチャ レンジした非形質転換対照植物でも観察されなかった。 (6) 相同体IIによりコードされるタンパク質の分析 相同体IIのDNA配列(配列番号1、以後Cf-4と呼称する)を図5に示す。こ の配列は、概念翻訳上では配列番号2(図6)により示されるような806 アミノ 酸タンパク質をコードする、長い連続した転写解読枠を含む。3′隣接領域にお けるCf-4Cf-9の間の核酸配列相同性は非常に高く、cDNA分析により決定さ れたCf-9転写産物(Jones 他,1994)の終止コドンとポリアデニル化部位の間で はそれらが全く同じである。 Cf-4転写産物から誘導したPCR増幅後のcDNAクローンの分析は、それがCf-9 と同じように3′非翻訳領域中に1つのイントロンを含むことを示す(図5 )。 Cf-4アミノ酸配列とCf-9の863 アミノ酸配列との比較は、それらが高度に相同 であること(91.5%同一、95.5%類似)を示した。Cf-9 の場合と同じように、Cf-4アミノ酸配列はJones 他(1994)により提唱され たような7つの推定構造ドメイン(図7)を有する。 ドメインA(アミノ酸1〜23)はシグナルペプチド配列と一致する。 ドメインB(アミノ酸24〜81)はCf-4の成熟N末端領域に相当する;この領域 はCf-9に比較して10アミノ酸の欠失を含む。 ドメインC(アミノ酸82〜702 )は24アミノ酸LRR配列の26の不完全コピー を含む。この領域は、Cf-9に比較して、LRR 10 で始まりそしてLRR 12 で 終わる2つの完全LRRに相当する46アミノ酸の欠失を含む(図7)。Cf-9Cf -4 の間のアミノ酸変異はタ ンパク質のN末端半分にも存在する(図7)。この領域はおそらく、同族の非病 原性ペプチドとまたは適当な非病原性ペプチドに結合する別の因子と特異的に相 互作用する各タンパク質中の領域を表すのだろう。 この領域に対してC末端側の配列では、推定Cf-4とCf-9タンパク質は高度に相 同である;Cf-4のアミノ酸455 〜806 とCf-9のアミノ酸512 〜863 (Jones 他, 1994)が同一である。 ドメインD(アミノ酸703 〜730)は何も目立った特徴を持たない。 ドメインE(アミノ酸731 〜748)は10個の負に帯電した残基を含み著しく酸 性である。 ドメインF(アミノ酸749 〜785)は非常に疎水性であり、膜貫通領域と一致 する。 ドメインG(アミノ酸786 〜806)は著しく塩基性であり、8個の正に帯電し た残基とわずか2個の負に帯電した残基を有する。 Cf-4タンパク質は、Cf-9と同様に、細胞膜結合型の細胞質外タンパク質に予想 される性質の多くを有する。 (7) AVR4ペプチドを発現するトマトトランスジェニック植物 前の研究は(Hammond-Kosack他,1994)、AVR9を発現するトランスジェニック 植物と交雑したCf-9含有植物の子孫が発育段階で調節される植物枯死を示すこと を証明した。発芽する実生は、子葉に壊死が観察される発芽後(dpg)10日目ま でにそれらの野性型相応物と表現型上区別可能である。この壊死は進行性であり 、15 dpgには実生が枯れる。 本発明者らは、SP:AVR4カセット(図4)をClaI/BamHI 断片としてベクター SLJ4K1(Jones 他,1992)の中にクローニングして、安定な発現に備えて植物プ ロモーター(CaMV 35S)と転写終結 (nos3' )調節配列を提供した。このクローンをpAVR4/4K1 と命名した。35S: Avr4:nos3’カセットを BglII/HindIII断片として切り出し、 BglIIとHindIII で消化したバイナリー形質転換ベクターSLJ7291(図9)の中にクローニングし て、プラスミドpAVR4/7291を作製した。 トランスジェニック植物を作り、Cf4 系統との検定交雑によりAVR4発現につい てスクリーニングした。検定交雑子孫を実生致死表現型についてスクリーニング した。6つの独立した形質転換体との交雑から、野性型実生と壊死実生に1:1 分離する子孫を同定した(AVR4/7291J,AVR4/72910,AVR4/7291L,AVR4/7291N, AVR4/7291MおよびAVR4/7291G)。 それらの子孫では、壊死の発現パターンがAVR9とCF-9を発現する植物において 記載されたものと本質的に同様であった。 AVR4/7291G(雌性親)とCf-4を発現する一次形質転換体(4/5-129H)との別の交 雑からの子孫では、単座半接合性植物間の交雑に予想される通り、子孫(野性型 35:壊死型10)の25%において実生致死が観察された。それらの実生を生育室の 中で普通寒天中で発芽させると、壊死のパターンが上述の対照交雑とは異なって いた。最終的に壊死を示した実生はそれらの野性型同胞と比較して矯化し、壊死 はより早期の発育段階で明白であった。更に、Cf-9とAVR を発現する植物では観 察されない表現型である、根の部分に壊死セクターも観察された。4/5-129Hの子 孫に PVX:SPAvr4を接種した実験では、Cf4 対照植物よりも早期に壊死が明白に なった。この現象は、T−DNA挿入の染色体位置の結果として増大された形質 転換体 4/5-129H中のCf-4発現を反映するのかもしれない。 この結果は、非光合成組織、例えば根において十分なレベルのCf-4が発現され るならは、AVR4の存在下で壊死が誘発され得ること を示唆する。従って、この結果は、広範囲の植物、例えば作物において、様々な 組織の中で耐病性を工作するため、特に根系生息菌または線虫のような根病原体 に対する耐性を作るために、二成分系(例えば WO 95/31564)を使用することを 暗に示す。 (8) 相同体IIのみを含有するトマトトランスジェニック植物 相同体IIがAVR4認識とC.フルバム品種5に対する耐性の原因であるという結 論を更に調べるために、自身のプロモーターまたは植物中で高レベルの遺伝子発 現を指令することができるプロモーター、即ちカリフラワーモザイクウイルス35 Sプロモーター(35S;Jones他,1992参照)の支配下の相同体IIを使って、ト マトトランスジェニック植物を作製した。それらの作製は当業者に周知のDNA 操作と修飾を必要とした。 コスミド 4/5-129からの6.0 kbp PstI断片(129P1、図3参照)を、ポリリン カー配列からのEcoRI およびHindaIII制限部位を欠く変形pUC119ベクターの中に クローニングして、クローンp129P6A を得た。このクローンにまずオリゴヌクレ オチド突然変異誘発を行って、それぞれヌクレオチド308 と312 で始まる内部のXba IとEcoRI制限部位を除去し、クローンp129P6A-3 を作製した。そのような変 更はCf-4タンパク質の推定アミノ酸組成を変えなかった。 自分自身のプロモーターの下で相同体IIを発現させるために、p129P6A-3から6 .0 kbp xbaI/BamHI カセットを切り取り、xbaI/BamHI で消化したSLJ7291(図 9)の中にクローニングして、クローンpCf4XB/7291 を作製した。植物中で高レ ベルのCf-4発現を与えるであろうベクターの作製のために、更にオリゴヌクレオ チド突然変異誘発によりp129P6A-3 に遺伝子操作を行った。同じく、この変更は Cf-4タンパク質の推定アミノ酸組成を変えず、全ての変更は完成構成物のDNA 分析により確認した。 これらの変更としては次の追加の修飾が挙げられる:(i)構成物SLJ4K1(Jones 他,1992)中の35Sプロモーターへの融合を促進するための、ヌクレオチド197 (図5)で始まるClaI制限部位(ATCGAT)の導入;(ii)ヌクレオチド1766で始 まる内部HindIII制限部位の削除;(iii)ヌクレオチド2096で始まる内部 BglII部 位の削除;(iv)ヌクレオチド2685で始まる3′非翻訳領域中の ClaI制限部位の 削除。 変形相同体IIコード配列と3′非翻訳領域をClaI/BamHI 断片として切り出し 、それをSLJ4K1(Jones 他,1992)中にクローニングしてプラスミドp4K1/Cf4を 作製した。35S:Cf-4カセットを BglII/HindIII断片として切り取り、それをB am HI /HindIIIで切断されたSLJ7291 中にクローニングしてプラスミドp35SCf4/ 7291を作製した。前記2つのバイナリーベクタークローンを使ってトマトトラン スジェニック植物を作り、上述した通りに PVX:SPAvr4またはC.フルバム品種 5の接種により試験した。 pCf4XB/7291 を含む幾つかの独立形質転換体が、 PVX:SPAvr4を接種した時に 全身性壊死を示した(表4)。試験した3つのトランスジェニック植物のうちの 2つが、C.フルバム品種5に対しても十分に耐性であった。p35SCf4/7291を含 む8つのトランスジェニック植物が PVX:SPAvr4依存性壊死を示し、また幾つか の試験植物はC.フルバム品種5に対して十分な耐性を与えるように見えた(表 4)。 これらの結果は、相同体IIがAVR4認識におよびC.フルバム品種5に対する十 分な耐性を付与するのに必要且つ十分であることを証明する。 (9) 相同体IIのみを含有するタバコトランスジェニック植物 先行実験は、Cf-9とAVR4を発現するトマト子孫において観察され る実生致死表現型がタバコでも観察され得ることを示した。コスミド 4/5-129か らサブクローニングした2つの PstI断片(図3)のいずれかを含有するバイナ リーベクタープラスミドを作製した。それらの断片を当業者に周知の技術を使っ てプラスミドSLJ755A 中にクローニングし、プラスミドp129P1/755とp129P2/755 を作製した。バイナリーベクターSLJ755A は、アグロバクテリウム・ツメファシ エンス(A .tumefaciensnos 遺伝子プロモーターの支配下にストレプトマイセ ス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)BAR 遺伝子を含有する。 この遺伝子は、除草剤ホスフィノトリシンに対する耐性を付与することにより、 植物において形質転換マーカーとして用いられている(Jones 他,1992)。 これらの構成物はタバコ形質転換実験に上手く使えたが、トマトには使えず、 トマト形質転換には別のベクターを使った(上記参照)。 トランスジェニックタバコ植物に PVX:SPAvr4を接種し、上述したバイナリー コスミドベクター形質転換実験において観察されたような壊死病斑またはセクタ ーの出現をモニタリングすることにより、Cf-4活性について試験した。p129P2/7 55A を含む7つのトランスジェニック植物のうち特徴的な壊死病斑やセクターを 示したものはなく、これに対してp129P1/755A を含む13のトランスジェニック植 物のうちの10個がそのような表現型を示した(表5)。この結果は、相同体IIがCf-4 機能を付与するという前の観察結果と再び一致する。 pAVR4/7291(上記参照)を含むタバコトランスジェニック植物も作製した。Cf -4 を発現するp129P1/755A を含む一次形質転換体(雌性親株として)をpAVR4/72 91トランスジェニック体と交雑して、F1子孫における実生致死をモニタリング することにより、AVR4を発現する個体を同定した。AVR4を発現する数個のトラン スジェニック体が同定された(AVR4/7291 I,AVR4/7291 KおよびAVR4/7291 J) 。 検定交雑した全てのF1子孫(表5)において、両方のトランスジェニック体 が致死に必要であるならば単一T−DNA遺伝子座半接合性両親の子孫について 予測される通り、実生の25%において致死が観察された。実生致死の発育段階で の発現の変化は、少なくとも巨視的レベルでは、様々な交雑の子孫において全く 観察されなかった。しかしながら、Cf-4/AVR4相互作用で観察される表現型は、 Cf-9/AVR9相互作用で観察される表現型とは異なっている。 具体的には、タバコ実生致死は実生発育の早期段階で観察される。(普通寒天 上への)播種後7日目に、野性型同胞はCf-4/AVR4を発現しているものと容易に 区別することができる。Cf-4とAVR4を発現する実生の子葉は完全に伸長せず、検 知できる量のクロロフィルを生産しない。実生の大部分において、種皮が1つの 子葉に付着した状態かまたは2つの子葉を取り囲んだ状態のままである。後者の 特徴は、Cf-9/AVR9を発現するタバコ実生では観察されなかった。播種後14日目 、Cf-4/AVR4を発現する実生の子葉は完全に壊死しているように見える。それら の実生はCf-9/AVR9相互作用について報告されたような広い根系を発生すること もできない。 これらの結果は、Cf-9/AVR9相互作用について報告されたものより早い発育段 階で実生致死が表れることを示唆する。 (10) Cf-4およびCf-9活性をモニタリングするための一過性発現アッセイ 我々の研究室での実験は、CaMV 35Sプロモーターの調節下にあるバイナリーベ クタープラスミド上の遺伝子が、A.ツメファシエンス(A .tumefaciens)菌の 懸濁液を浸潤させることによって葉の中に導入されると、タバコ(Nicotiana t abacum )葉細胞において一過性発現され得ることを証明した。AVR9を発現する安 定なトランスジェニック体の35S:Cf-9浸潤葉パネルを使った実験で、浸潤領域 において壊死が観察された。この表現型はAVR9を発現する植物に特異的であった 。uidA(GUS)レポーター遺伝子のイントロン含有変異体を使った別の実験は、こ の現象が植物の核内遺伝子発現の結果であることを証明した。我々がタバコに使 った手法は、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)の葉での一過性遺伝子発現を アッセイするために開発されたプロトコールから変形したものであった。 バイナリーベクタープラスミドを、当業者に周知の技術である三親交雑により A.ツメファシエンスGV3101/pMP90の中に移入した。抗生物質リファンピシリン (50μg/ml)とテトラサイクリン(1μg/ml)を含むLブロス培地上で増殖させ た単コロニーを採取し、抗生物質を含む5mlのLブロス上で振盪培養器の中で28 ℃にて48時間増殖させた。この飽和培養物の1mlを、抗生物質、10 mM 2−(N −モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)pH 5.6およびアグロバクテリウム(Agrobacterium Vir 遺伝子を誘導するための20μMアセトシリンゴンを含有す るLブロス 100ml中に接種した。培養物を振盪培養器の中で28℃で16時間培養し た。細菌細胞を低速遠心によりペレット化し、ムラシゲ&スクーグ(MS)塩、 2%w/v ショ糖、500 μM MES pH 5.6 および10μM アセトシリンゴンを含有 する緩衝液中に再懸濁した。各培養物のOD600を測定し、OD600=0.5 になる ように調整した。次いで培養物を振盪せずに22℃で3時間インキュベートした。 タバコ(N .tabacum)の成葉に、標的葉パネル中に数個の小さな切り目を作っ た後で、シリンジを使ってアグロバクテリウム懸濁液を浸潤させた。数パネルの 注入後、浸潤させた葉をプラスチック袋で覆って乾燥を防いだ。72時間後、袋を 取り外した。 35S:Cf-4バイナリーベクターを含むアグロバクテリウムを使って同様な実験 を行い、構成的に(非調節的に)AVR4を発現するタバ コ(N .tabacum)の葉に浸潤させた。35S:Cf-4バイナリーベクターは次のよう にして作製した。 E.コリからのuidA(GUS)遺伝子をコードする1.8 kbp のClaI/BamHI 断片を 、バイナリーベクターSLJ10080中でプラスミドp4K1/Cf4(項目(8)を参照のこと )由来のCf-4をコードする2.9 kbp ClaI/BamHI断片で置換した。Cf-9DNAの オリゴヌクレオチド突然変異誘発を含む同様な変更を上記と同様に実施して同様 な構成物を作製した。得られたバイナリーベクタープラスミド pCf4/10080 とpC f9/10080をA.ツメファシエンス中に移入した。 一過性発現アッセイにおいて、 pCf4/10080 もしくはpCf9/10080を含有するア グロバクテリウム懸濁液またはバイナリーベクターを含まない対照はいずれも、 非形質転換タバコにおいて目に見える壊死を全く誘導しなかった。pCf9/10080 を浸潤させた葉パネルのみが、AVR9を発現するタバコにおいて浸潤後5〜6日目 に壊死応答を誘導した。トランスジェニック植物AVR4/7291 K(項目(9)を参照の こと)では、pCf4/10080 を感染させた葉パネルのみが、浸潤後5〜6日目に目 に見える壊死を誘導した。 従って、このアッセイは、別の種においてCf-9Cf-4遺伝子機能の両方を検定 するためおよび変異Cf遺伝子を発現する安定なトランスジェニック植物を作製す る必要なしに特定の変異の影響を調べるための、迅速で且つ信頼できる方法を提 供する。 本発明者らはまた、一過性アッセイにおいて、35S:Cf-4または35S:Cf-9遺 伝子構成物と対応する35S:Avr 遺伝子構成物との両方を担持しているベクター が、浸潤させた葉において目に見える壊死を引き起こし得ると推論した。もしそ うなら、該アッセイは、耐性遺伝子かまたは非病原性遺伝子成分のいずれかを発 現するトランスジェニック植物を作製する必要なしに、Cf-4およびCf-9が機能す ることのできる種の範囲を決定するための方法を提供することができる。これは 、別の作物種において耐性を付与するためのCf遺伝子/非病原性遺伝子二成分系 (WO 95/31564)の利用に重要な含みを持つだろう。 耐性遺伝子と非病原性遺伝子の両方を含むバイナリーベクタープラスミドを次 のようにして作製した。35S:Cf-4および35S:Cf-9カセットをpCf4/10080およ びpCf9/10080から次のように切除した:(i)Apa Iで消化しそしてT4 DNAポリメ ラーゼ処理してDNA断片を平滑末端にし;(ii)PstIで消化して35S:Cf-4お よび35S:Cf-9カセットを遊離させ;(iii)ベクター SLJ456(Jones他,1992) を ClaIで直鎖状にし、T4 DNAポリメラーゼで処理して該DNAを平滑末端にし 、次いで PstIで消化して2.1 kbp のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ( NPT)レポーター遺伝子断片を遊離させ;(iv)4.3 kbpの35S:Cf-4および4.5 kbp の35S:Cf-9 ApaI(T4)/PstI断片を、ClaI(T4)/PstIで処理した SLJ456の中にクローニングして、プラスミドp4/456およびp9/456を作製した。こ れらの技術は全て当業者に周知である。 非病原性遺伝子構成物は次のようにして作製した。 クローンpAVR4/4K1(項目(9)を参照のこと)をEcoRI とBamHI で消化して35S :AVR4カセットを切除した。精製した断片を、SLJ6B1(Jones 他,1992)からの 約3.9 kbp のEcoRI /BamHI 断片と連結せしめ、35S、AVR4およびA.ツメファ シエンス(A .tumefaciens)オクトピンシンターゼ遺伝子の転写ターミネーター (ocs3' )を含有するプラスミドpAVR4/6B1 を作製した。クローンSLJ6071(Ham mond-Kosack他,1994)からも同様な方法で35S:AVR0:ocs3' 構成物を作製し 、プラスミドpAVR9/6B1 を得た。プラスミド pAVR4/6B1と pAVR9/6B1をHindIII で直鎖状にし、T4 DNAポリメラーゼで処 理してDNA断片を平滑末端にした。35S:AVR4:ocs3' および35S:AVR9:oc s3 ' カセットを BglIIでの処理により単離した。精製した各カセットをBamHI /Hpa Iで処理したp4/456およびp9/456とそれぞれ連結せしめ、AVR4またはAVR9の いすれかと組み合わせて各耐性遺伝子(Cf-4またはCf-9)の機能をアッセイする ことができる4種類のプラスミドを作製した。 タバコ(Nicotiana benthamiana )植物の単葉上の4つの葉パネルに、図11に 示す4種のプラスミドの各々を含むアグロバクテリウム(Agrobacterium )を浸 潤させた。ベクターp4/456/AVR4 を注射したパネルにおいて浸潤後5日目に葉壊 死が観察された。 p4/456/AVR9 を注射したパネルにおいては全く壊死が観察されなかった。これは 、後者の結果が同一細胞中でのCf-4とAVR4の同時発現のためであることを示す。 7日後、壊死した葉を取り、密封したポリエチレン袋の中に室温で保存した。 最終的に壊死はp9/456/Avr9 を注射した葉パネルで浸潤後12日目に観察されたが 、p9/456/Avr4 を注射した葉パネルでは観察されなかった。 これらの実験は、同族の非病原性決定基が同時発現される時に、別の種を使っ た一過性発現アッセイにおいてCf遺伝子の壊死誘発活性を検出できることを証明 する。Cf-4/AVR4 相互作用により誘発される壊死は、Cf-9/AVR9 相互作用により 誘発されるものよりもかなり早く出現した。各構成物中のプロモーター、翻訳お よび転写調節配列は全て同じであるので、この現象はそれらの対応する非病原性 遺伝子産物に対するCf-4とCf-9の相対親和力の差を反映するのかもしれない。こ の説は、Cf-4とAVR4を発現するトランスジェニックタバコの方がCf-9とAVR9を発 現するものに比べて早期に実生致死表現型を出現することと一致する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年6月6日 【補正内容】 9.前記ポリペプチドの発現のための調節配列を更に含んで成る、請求項8に 記載の核酸。 10.トランスジェニック植物の生産における、請求項1〜9のいずれか一項に 記載の核酸の利用。 11.請求項1〜9のいずれか一項に記載の外因性核酸を含んで成る宿主細胞。 12.微生物細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。 13.植物細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。 14.請求項13に記載の細胞を含んで成る植物またはそれの任意部分。 15.請求項14に記載の植物の種子、自殖もしくは雑種子孫または後代、派生物 もしくは抽出物、あるいはそれの任意部分。 16.請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸を宿主細胞中に導入することを 含んで成る方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 65/00 C12N 5/00 C (C12N 1/21 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 バリント−コーティ,ピーター ジョン アメリカ合衆国,メリーランド 20892, ベゼスダ,ルーム 1−22,ビルディング 6,ラボラトリー オブ セルラー デ ィベロプメンタル バイオロジー,ナショ ナル インスティテュート オブ ダイア ベテス アンド ディジェスティブ アン ド キッドニー ディズィーズ,ナショナ ル インスティテュート オブ ヘルス (72)発明者 ジョーンズ,デビット アレン イギリス国,ノリッジ エヌアール4 6 ピーディー,イートン,グリーンウェイズ 139 (72)発明者 ジョーンズ,ジョナサン ダラス ジョー ジ イギリス国,ノーフォーク エヌアール4 6エスジー,ノリッジ,ウェイバリー ロード 19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物中での発現が植物の防御反応の活性化を引き起こすことができる病原 体耐性遺伝子をコードする核酸単離物であって、配列番号2に示されるアミノ酸 配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る核酸 単離物。 2.前記活性化が病原体または対応するエリシター分子と植物との接触による 、請求項1に記載の核酸。 3.前記ヌクレオチド配列が配列番号1に示されるコード配列を含んで成る、 請求項1に記載の核酸。 4.前記ヌクレオチド配列が、1もしくは複数のヌクレオチドの付加、挿入、 欠失または置換による、配列番号1に示されるコード配列の対立遺伝子、誘導体 または変異体を含んで成る、請求項1に記載の核酸。 5.植物中での発現が植物の防御反応の活性化を引き起こすことができる病原 体耐性遺伝子をコードする核酸であって、ポリペプチドをコードするヌクレオチ ド配列を含んで成り、前記ポリペプチドが1もしくは複数のアミノ酸の付加、挿 入、欠失または置換による、配列番号2に示されるアミノ酸配列の対立遺伝子、 誘導体または変異体を含んで成るアミノ酸配列を含んで成り、 ただし、コードされるポリペプチドが配列番号2に示されるアミノ酸配列と少 なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有することを前提とする核酸単離物。 6.植物中での発現が植物の防御反応の活性化を引き起こすことができる病原 体耐性遺伝子をコードする核酸であって、ポリペプチドをコードするヌクレオチ ド配列を含んで成り、前記ポリペプチドが1もしくは複数のアミノ酸の付加、挿 入、欠失または置換による、 配列番号2に示されるアミノ酸配列の対立遺伝子、誘導体または変異体を含んで 成るアミノ酸配列を含んで成り、 ただし、前記核酸の発現が植物とAvr4エリシター分子との接触によって防御反 応の活性化を引き起こすことができることを前提とする核酸。 7.前記活性化が病原体または対応するエリシター分子と植物との接触による 、請求項5または6に記載の核酸。 8.請求項1〜7のいずれか一項に記載の核酸を含んで成るベクターである核 酸。 9.前記ポリペプチドの発現のための調節配列を更に含んで成る、請求項8に 記載の核酸。 10.トランスジェニック植物の生産における、請求項1〜9のいずれか一項に 記載の核酸の利用。 11.請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸を含んで成る宿主細胞。 12.微生物細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。 13.植物細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。 14.請求項13に記載の細胞を含んで成る植物またはそれの任意部分。 15.請求項14に記載の植物の種子、自殖もしくは雑種子孫または後代、派生物 もしくは抽出物、あるいはそれの任意部分。 16.請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸を宿主細胞中に導入することを 含んで成る方法。 17.前記宿主細胞が植物細胞または微生物細胞である、請求項16に記載の方法 。 18.植物に病原体耐性を付与する方法であって、前記植物のまたはそれの祖先 の細胞への前記核酸の導入の初段階に続く、前記植物 の細胞内での請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸からの発現を含んで成る 方法。 19.前記核酸が配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項18に 記載の方法。
JP8533898A 1995-05-11 1996-05-13 植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用 Pending JPH11504521A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9509575.8 1995-05-11
GBGB9509575.8A GB9509575D0 (en) 1995-05-11 1995-05-11 Plant pathogen resistance genes and uses thereof
PCT/GB1996/001155 WO1996035790A1 (en) 1995-05-11 1996-05-13 Plant pathogen resistance genes and uses thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11504521A true JPH11504521A (ja) 1999-04-27

Family

ID=10774318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8533898A Pending JPH11504521A (ja) 1995-05-11 1996-05-13 植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6225527B1 (ja)
EP (1) EP0830451A1 (ja)
JP (1) JPH11504521A (ja)
AU (1) AU702130B2 (ja)
CA (1) CA2218554A1 (ja)
GB (1) GB9509575D0 (ja)
WO (1) WO1996035790A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012532605A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ワゲニンゲン ウニヴェルシテイト 病原体に対する植物またはその一部の耐性を増強するための方法、病原体に対する植物またはその一部の耐性をスクリーニングするための方法、およびその用途

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6235974B1 (en) * 1996-12-05 2001-05-22 Cornell Research Foundation, Inc. Hypersensitive response induced resistance in plants by seed treatment with a hypersensitive response elicitor
WO1999043823A1 (en) * 1998-02-26 1999-09-02 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Methods for enhancing disease resistance in plants
US6476292B1 (en) 1998-02-26 2002-11-05 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Methods for enhancing disease resistance in plants
EP1165814A2 (en) * 1999-03-12 2002-01-02 Her Majesty the Queen in Right of Canada, representend by the Department of Agriculture and Agri-Food Canada Ve protein and nucleic acid sequences, compositions, and methods for plant pathogen resistance
US20020059658A1 (en) * 2000-06-15 2002-05-16 Zhong-Min Wei Methods of improving the effectiveness of transgenic plants
BR0209181A (pt) 2001-04-24 2004-08-24 Cornell Res Foundation Inc Molécula sintética de ácido nucléico para conferir traços múltiplos

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995005731A1 (en) * 1993-08-24 1995-03-02 Cornell Research Foundation, Inc. Gene conferring disease resistance to plants
CA2178488A1 (en) * 1993-12-24 1995-07-06 Jonathan Dallas George Jones Plant pathogen resistance genes and uses thereof
WO1995031564A2 (en) * 1994-05-11 1995-11-23 John Innes Centre Innovations Limited Method of introducing pathogen resistance in plants

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012532605A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ワゲニンゲン ウニヴェルシテイト 病原体に対する植物またはその一部の耐性を増強するための方法、病原体に対する植物またはその一部の耐性をスクリーニングするための方法、およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
AU702130B2 (en) 1999-02-11
WO1996035790A1 (en) 1996-11-14
US6225527B1 (en) 2001-05-01
AU5699196A (en) 1996-11-29
EP0830451A1 (en) 1998-03-25
CA2218554A1 (en) 1996-11-14
GB9509575D0 (en) 1995-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU708081B2 (en) RPS2 gene and uses thereof
JPH07506485A (ja) 真菌応答性キメラ遺伝子
JP2008289481A6 (ja) 線虫及び/又はアリマキに対する耐性
JP2002500503A (ja) 獲得抵抗性npr遺伝子およびその利用
JP2008289481A (ja) 線虫及び/又はアリマキに対する耐性
AU697247B2 (en) Plant pathogen resistance genes and uses thereof
AU2003259011B2 (en) Nucleic acids from rice conferring resistance to bacterial blight disease caused by xanthomonas SPP.
AU722863B2 (en) Resistance against wilt inducing fungi
AU2004210748A1 (en) Gene resistant to Aphis gossypii
JPH11504521A (ja) 植物病原体耐性遺伝子およびそれの使用
WO2000008189A2 (en) Plant resistance gene
US20040093635A1 (en) Dna sequence encoding proteins conferring phytophthora infestans resistance on plants
US8901372B2 (en) Plant resistance to banana bunchy top virus
JPH11503310A (ja) 植物病原体耐性遺伝子及びその使用
MXPA96004739A (es) Gene rps2 y sus usos
EP1003838A1 (en) Cercosporin-degrading bacteria
AU2004236279A1 (en) Genetic sequences of plant pathogen avirulence genes and uses therefor