JPH1150333A - 熱圧縮成形用繊維及び繊維成形体の製造方法 - Google Patents

熱圧縮成形用繊維及び繊維成形体の製造方法

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JPH1150333A
JPH1150333A JP9209076A JP20907697A JPH1150333A JP H1150333 A JPH1150333 A JP H1150333A JP 9209076 A JP9209076 A JP 9209076A JP 20907697 A JP20907697 A JP 20907697A JP H1150333 A JPH1150333 A JP H1150333A
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JP
Japan
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fiber
compression molding
molding
heat compression
birefringence
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JP9209076A
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Yoshikata Ono
義堅 大野
Yoshiyuki Ando
義幸 安藤
Yasunori Murate
靖典 村手
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸音効果、防振効果及び断熱効果を有
する繊維成形体を熱圧縮成形法で容易に製造することの
できる熱圧縮成形用繊維を提供する。 【解決手段】 単繊維繊度が1.0〜30dr、繊維長が5〜6
4mm、アスペクト比が0.30×103〜20×103で、1インチ
当たり8〜15個の機械捲縮を有し、かつ複屈折が50×10
3〜100×103、DSC測定において110〜130℃に結晶化に伴
う4.0〜6.0cal/gの発熱を生じる熱圧縮成形用ポリエチ
レンテレフタレート繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音効果、防振効
果及び断熱効果を有する繊維成形体を容易に熱圧縮成形
法で得ることのできる熱圧縮成形用繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維成形体は、建物や乗り物の室内を外
部や原動機の騒音や振動から遮断するための防音材や防
振材、人や品物を衝撃から保護するためのクッション
材、空気清浄機等に使用されるエアーフィルター材、な
らびに、水浄化槽等に使用される透水材などの分野で使
用されている。
【0003】従来、自動車などのキャビン内部の静粛性
を保つためにキャビン内部とエンジンルームの隔壁など
に使用される防音防振材として、たとえば、軟質ウレ
タンフォームなどの発泡体、ガラス繊維などからなる
無機繊維マットを接着剤で固定したもの、粉末状熱硬
化性樹脂を結合剤とするフェルト、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維などの主体繊
維とポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリアミド系
共重合体等を少なくとも一成分とする低融点バインダー
繊維とを混合した混合綿から不織布としたもの、あるい
は該混合綿を成形器に吹き込んで成形した繊維成形体等
が提案されている(特開平8-13305号公報,特開平8-2182
62号公報,特開平8-246313号公報,特開平8-246315号公
報,特開平6-294061号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ウレタンフォ
ームでは表面に皮膜が形成されたり内部微細孔構造に膜
が残存することから、内部の空気が流動しにくく吸音効
果が十分には得られ難いとともに、エンジンルーム内部
の熱が蓄熱されやすい。
【0005】一方、フェルトや、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリプロピレン繊維などを低融点バイン
ダー繊維と混合して得られる不織布あるいは繊維成形体
は、吸音効果が得られやすい反面、繊維成形体の加工段
階で、粉末状熱硬化性樹脂の使用量やバインダー繊維の
混合比の調整が困難であった。
【0006】さらに、繊維成形体の固定用に接着剤、粉
末状熱硬化性樹脂、あるいはバインダー繊維を用いた場
合、異種ポリマーを使用することとなり、上記のように
して作成された繊維成形体はリサイクル性の面から好ま
しくない。
【0007】本発明は、上記のような従来技術の課題を
解決するためになされたものであり、その目的は、優れ
た吸音効果、防振効果及び断熱効果を有する繊維成形体
を熱圧縮成形法で容易に製造することのできる熱圧縮成
形用繊維を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
チレンテレフタレートよりなる熱圧縮成形用繊維であっ
て、干渉顕微鏡を用いた複屈折(Δn)の測定において、
該繊維の複屈折の値が50×103〜100×103で、かつ、示
差走査型熱量計を用いた熱量測定において、110〜130℃
に結晶化に伴う4.0〜6.0cal/gの発熱を生じることを特
徴とする熱圧縮成形用繊維及び該ポリエチレンテレフタ
レート繊維を含む予備繊維集合体を作成した後、該集合
体を80〜250℃で加圧成形することを特徴とする繊維成
形体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の熱圧縮成形用繊維は、溶
融したポリエチレンテレフタレートを紡糸ノズルから吐
出させ、500〜3000m/minの紡糸速度で捲き取ることによ
り得られる紡糸原糸を60〜70℃の温水浴中で定長熱処理
することにより製造される。
【0010】このとき温水浴の温度として60℃よりも低
い温度で定長熱処理すると繊維表面が充分に結晶化され
ず、示差走査型熱量計による熱量測定において、110〜1
30℃の結晶化に伴う発熱量が6.0cal/gを超える繊維とな
り、捲縮工程での繊維圧縮によって膠着を生じやすいと
ともに、繊維を短繊維に切断する際、過大な張力によっ
て繊維が不用意に延伸されてミスカットを生じやすい。
一方、温水浴の温度として70℃よりも高い温度で定長熱
処理すると、温水浴中で単繊維同士が膠着するため、繊
維の分繊性に劣り、均一な繊維集合体の製造が困難にな
る。
【0011】このようにして得られる熱圧縮成形用繊維
は、干渉顕微鏡を用いた複屈折(Δn)の測定において、
該繊維の複屈折の値が50×103〜100×103であることが
必要である。複屈折の値が50×103より小さいと、繊維
を構成する分子鎖の繊維軸方向への配向が乏しく、繊維
強度が小さくなる。したがって、該繊維を熱圧縮成形用
繊維として使用した際、脆くて弱い成形体となる。一
方、複屈折の値が100×103より大きいと、繊維を構成す
る分子鎖の繊維軸方向への配向結晶化し、いわゆる延伸
糸様の繊維となるため、熱圧縮による成形時に充分な成
形性が得られない。
【0012】本発明の繊維の複屈折の値を50×103〜100
×103とするためには、紡糸工程において様々な要因を
考慮する必要があるが、紡糸ノズルからの吐出量と紡糸
速度とのバランスに大きく左右される。本発明の紡糸原
糸は、ノズル単孔当たりのポリマーの吐出線速度(SG)
と紡糸速度(A)との比(紡糸ドラフト:V=A/SG)を50〜
400、好ましくは80〜300とし、かつ紡糸速度(A)を500
〜3000m/minとすることで得られる。
【0013】捲縮機としては、通常の捲縮機を使用する
ことができ、1インチ当たり8〜15個の機械捲縮を付与
することが好ましい。捲縮数が8個よりも少ないとウェ
ブ製造時に繊維同士の絡合性に劣り、熱圧縮成形する前
の材料として均一な予備繊維集合体の製造が困難となる
場合がある。また、15個よりも多いと、ウェブ製造時に
繊維同士の絡みが激しくネップを生じやすく、これもま
た均一な予備繊維集合体の製造が困難になる場合があ
る。また、エアーによる吹き込み法による予備繊維集合
体の製造にあっても、繊維の分繊性に劣り均一な予備繊
維集合体の製造が困難になる場合がある。
【0014】本発明において、紡糸条件を上記の範囲内
で調整し、定長熱処理、捲縮工程を経て得られた単繊維
繊度1.0〜30drの紡糸原糸は繊維長5〜64mmに切断され
る。このとき、繊維径(D)と繊維長(L)との比(アスペ
クト比:L/D)が0.30×103〜20×103となるように繊
維を切断するのが好ましい。 L/Dの値が0.30×103
りも小さいと、繊維同士の絡合性に劣り、均一な繊維集
合体の製造が困難となる場合がある。一方、 L/Dの
値が20×103よりも大きいと、繊維同士の絡みが激し
く、これもまた均一な繊維集合体の製造が困難になる場
合がある。
【0015】本発明の熱圧縮成形用繊維を使用して繊維
成形体を製造するにあたっては、該成形用繊維を必要に
応じて他の繊維と混合して通常のカードウェブを作成す
るか、もしくは吹き込み法により成形用繊維を成形器
(型枠)に充填するなどして予備繊維集合体を作成し、そ
の後、該予備繊維集合体を80〜250℃、好ましくは180〜
220℃の温度で加圧成形することにより得られる。成形
時の圧力は、最終的に必要とする繊維成形体の硬さに応
じて選択することができるが、圧力が高過ぎると繊維成
形体としての本来のクッション性が殆どなく単に硬いだ
けのものとなり、一方、圧力が低すぎ得ると成形体の形
態保持性が悪くなるので2.0〜4.0kg/cm2程度にすること
が望ましい。また、加圧成形の時間は特に制限されず、
30〜180秒程度でよい。かつ熱処理時間が短いと繊維同
士が十分に接着しないため成形体として十分な強度が得
られにくい場合がある。一方、加圧熱処理時間が長くな
るとポリエステル繊維の劣化により、成形体の強度が低
下する場合がある。本発明の繊維からなる繊維成形体の
見かけの平均密度は、用途に応じて様々に変化させるこ
とができるが性能面からみて、0.04〜0.15g/cm3である
ことが好ましい。
【0016】さらに、繊維成形体は、本発明の熱圧縮成
形用繊維100%で形成させる必要はなく、用途に応じて
他のポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレ
ン繊維など、他の繊維と組み合わせて使用することがで
きる。ただし、熱圧縮成形性を維持するために、本発明
の繊維と他の繊維との混合比(熱圧縮成形用繊維:他の
繊維)は70:30〜100:0の範囲であることが好ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
でない。なお、実施例中で用いた物性の測定方法を以下
に示す。
【0018】(1)ポリエステルの固有粘度 [η]( dL/g) ポリエステルをフェノール/テトラクロロエタン(重量
比1/1)の混合溶媒に溶解させ、30℃で測定した。 (2)共重合ポリエステルの示差走査型熱量計(DSC)によ
る測定 JIS K7121に準処して示差熱分析法(理学電機社製 TAS2
00型)により窒素気流下、昇温速度10℃/分で測定した。 (3)防音性能の評価 繊維成形体を自動車のダッシュパネルに組み付け、この
自動車を回転ドラム上で速度90Km/時で走行させ、この
ときにダッシュパネルから自動車室内へ放出される音圧
レベルを音響インテンシティ法により測定した。
【0019】実施例1 固有粘度[η]=0.625( dL/g)のポリエチレンテレフタレ
ートのペレットを水分80ppmに乾燥し、口金温度300℃、
単孔当たりの吐出量0.19g/minで紡出し、1300m/minの紡
糸速度で巻き取った。得られた紡糸原糸は、1.0×105
ニールに集束し、ライン速度80m/min、定長下で70℃の
温水浴を通過させ、油剤を付与し、捲縮を付与した。つ
いで繊維長15mmにカットし、下記のステープルを得た。 繊度=1.4dr、強度=1.4g/dr、伸度=250%、 捲縮数=8.9個/インチ、捲縮率=10.2% 複屈折Δn=80×103、 分子の結晶化による発熱量(ΔH
c=5.2cal/g)
【0020】このようにして得られた熱圧縮成形用繊維
を開繊し、バラバラになった状態で空気とともに成形器
内へ吹き込み、多数の細孔部より空気のみを排出して、
短繊維を成形器内へ充填し、温度200℃、圧力3.0Kg/cm2
で、60秒間、加圧熱処理し、見かけ密度0.12g/cm3の繊
維成形体を得た。該成形体は、防音性、防振性に優れ、
断熱性に優れたものであった。防音性評価結果を表1に
示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2〜4 単繊維繊度及び見掛け密度を変更すること以外は、実施
例1と同様の方法で熱圧縮成形用繊維及び成形体を作成
し、防音性評価を行なった。結果を表1に示す。
【0023】
【発明の効果】本発明の熱圧縮成形用繊維を使用するこ
とにより、優れた吸音効果、防振効果及び断熱効果を有
する繊維成形体を容易に成形することができ、かつ、繊
維成形体を構成するすべての材料がポリエチレンテレフ
タレートのみから成る場合においては、リサイクル性の
面からも優れた繊維成形体を提供することが可能となっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートよりなる熱
    圧縮成形用繊維であって、干渉顕微鏡を用いた複屈折
    (Δn)の測定において、該繊維の複屈折の値が50×10
    3〜100×103で、かつ、示差走査型熱量計を用いた熱量
    測定において、110〜130℃に結晶化に伴う4.0〜6.0cal/
    gの発熱を生じることを特徴とする熱圧縮成形用繊維。
  2. 【請求項2】 単繊維繊度が1.0〜30dr、繊維長が5〜6
    4mm、アスペクト比(繊維径Dと繊維長Lとの比L/D)
    が0.30×103〜20×103で、かつ、1インチ当たり8〜1
    5個の機械捲縮を有する請求項1記載の熱圧縮成形用繊
    維。
  3. 【請求項3】 干渉顕微鏡を用いた複屈折(Δn)の測定
    において、該繊維の複屈折の値が50×103〜100×10
    3で、かつ、示差走査型熱量計を用いた熱量測定におい
    て、110〜130℃に結晶化に伴う4.0〜6.0cal/gの発熱を
    生じるポリエチレンテレフタレート繊維を含む予備繊維
    集合体を作成した後、該集合体を80〜250℃で加圧成形
    することを特徴とする繊維成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 単繊維繊度が1.0〜30dr、繊維長が5〜6
    4mm、アスペクト比(繊維径Dと繊維長Lとの比L/D)
    が0.30×103〜20×103で、かつ、1インチ当たり8〜15
    個の機械捲縮を有する請求項3記載の繊維成形体の製造
    方法。
JP9209076A 1997-08-04 1997-08-04 熱圧縮成形用繊維及び繊維成形体の製造方法 Pending JPH1150333A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8712515B2 (en) 2008-08-22 2014-04-29 Mark L. Faupel Method and apparatus for disease diagnosis and screening using extremely low frequency electromagnetic fields

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8712515B2 (en) 2008-08-22 2014-04-29 Mark L. Faupel Method and apparatus for disease diagnosis and screening using extremely low frequency electromagnetic fields

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