JPH11503328A - オリゴ糖類の改善された酵素合成法 - Google Patents

オリゴ糖類の改善された酵素合成法

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JPH11503328A JP8531084A JP53108496A JPH11503328A JP H11503328 A JPH11503328 A JP H11503328A JP 8531084 A JP8531084 A JP 8531084A JP 53108496 A JP53108496 A JP 53108496A JP H11503328 A JPH11503328 A JP H11503328A
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ジェイ. ベイヤー,ロバート
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Abstract

(57)【要約】 本発明はシアリルガラクトシドの調製のための改善された方法を提供する。この方法は、反応条件を最適にして収率を高めるシアリルトランスフェラーゼサイクルを利用する。

Description

【発明の詳細な説明】 オリゴ糖類の改善された酵素合成法 発明の分野 本発明はオリゴ糖類の合成に関連する。詳しくは、本発明は容易に入手できる 出発材料を利用して単一の反応槽におけるかかる化合物の改善された酵素合成法 に関連する。 発明の背景 細胞表層上の認識因子としての炭水化物の役割の理解の向上は一定の構造の炭 水化物の製造の関心の高まりをもたらしている。例えば、オリゴ糖成分シアリル ラクトースを含んで成る化合物は、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、エッ シェリヒア・コリ(Escherichia coli)及びサルモネラ(Salmonella)の如き細 菌由来の腸内毒素に対する中和剤として注目されている(例えば、米国特許第 5 ,330,975号参照のこと)。シアリルラクトースは関節炎及び関連の自己免疫疾患 の処置のためにも調べられている。特に、シアリルクロリドは IgG上のFc炭水化 物結合部位の占有の度合を阻害又は破綻し、それ故免疫複合体の形成を阻止する ものと考えられている(米国特許第 5,164,374号参照のこと)。最近になって、 シアリルα(2,3)ガラクトシド、シアリルラクトース及びシアリルラクトサ ミンが潰瘍の処置のために提唱されており、そしてこの能力において前記化合物 の利用に関する第一段階臨床試験が始められている。Balkonenら、FEMS Immunol ogy and Medical Microbiology 7:29(1993)及び BioWorld Today p.5 1995年 4月4日参照のこと。更に、シアリルラクトースは例えば小児用流動食における 食品サプリメ ントとして有用である。 所望の炭水化物構造における関心を理由に、グリコシルトランスフェラーゼ及 び炭水化物の酵素触媒化合成におけるその役割が現在かなり研究されている。こ れらの酵素は高い特異性を示し、そして一定の配列の炭水化物の形成において有 用である。従って、グリコシルトランスフェラーゼは治療及びその他の目的のた めに利用されている多数の炭水化物の合成における酵素触媒としての利用が高ま っている。 合成炭水化物化学の分野における酵素の適用において、酵素的シアリル化のた めの酵素の利用は、酵素により供される事実上完璧な立体選択性及び結合特異性 に基づき、化学的方法に勝る利点を供する(Itoら、Pure Appl.Chem.,65:753( 1993)、米国特許第 5,352,670及び 5,374,541号)。 シアリル化炭水化合物の酵素的合成のための改善された方法は数多くの有利な 化合物の製造を発展させるであろう。本発明はこれら及びその他のニーズを満足 せしめる。 発明の概要 本発明はシアリル糖、好ましくはシアリルガラクトシドの調製のための方法を 提供する。特に、この方法は、 (a)以下を含んで成る反応媒体を用意する: (i)シアリルトランスフェラーゼ; (ii)触媒量の CMP−シアル酸シンセターゼ; (iii)シアル酸; (iv)好ましくはガラクトシル単位を有する、シアリルトランスフェラーゼの ための受容体; (v)CTP ;及び (vi)可溶性二価金属陽イオン;そして (b)前記アクセプターがシアリル化するのに十分な時間にわたり、前記反応媒 体の可溶性二価金属陽イオンの濃度が約1mM〜約75mMに達するように可溶性二価 金属陽イオンを補充する; ことを含んで成る。好ましくは、前記可溶性金属陽イオンは約2mM〜約75mMに 維持しておく。添加は不連続的でも連続的であってもよい。 好適な態様において、この反応媒体はシアル酸1モル当り2モル以上のリン酸 供与体、並びに触媒量のアデニンヌクレオチド、リン酸供与体からヌクレオシド 二リン酸へとリン酸を移動させることのできるキナーゼ、及びヌクレオシド三リ ン酸から CMPへと末端リン酸を移動させることのできるヌクレオシド一リン酸キ ナーゼを含んで成る CMP−シアル酸リサイクル系を更に含んで成る。CMP−シア ル酸リサイクル系を利用しないような態様にとっては、この反応媒体がリン酸を 更に含んで成ることが好ましい。 本方法において利用する二価金属陽イオンはMn++、Mg++、Ca++、Co++、Zn++又 はその組合せでありうる。一般に、この陽イオンはMn++である。シアリルトラン スフェラーゼは一般にα(2,3)シアリルトランスフェラーゼ又はα(2,6 )シアリルトランスフェラーゼである。好ましいシアル酸には5−N−アセチル ノイラミン酸が含まれる。シアリルラクトースの製造のためには、このアクセプ ターはラクトースである。 本発明は更に非常に高純度なシアリルラクトース調製品も提供する。これらの 製品は様々な治療及び診断用途に極めて有用である。 図面の簡単な説明 図1は本発明のシアリルトランスフェラーゼサイクルを示す。 図2は二価金属イオンの補充により最適化されうる、シアリルトランスフェラ ーゼを利用する部分サイクルを示す。 発明の詳細な説明 本発明は様々な診断及び治療用途において有用なシアリルオリゴ糖の製造のた めの方法を提供する。この方法は、オリゴ糖の非還元性末端においてガラクトシ ル残基を又は生体分子上に炭水化物成分を含んで成る基質へのシアル酸残基の添 加を触媒するシアリルトランスフェラーゼの利用を頼りとする。従って、本発明 の方法の製品はここではシアリルガラクトシドと呼ぶ。ここで定義する生体分子 には、限定することなく、生物学的に有意義な分子、例えばタンパク質(糖タン パク質)並びに脂質(例えば糖脂質、リン脂質、スフィンゴ脂質及びガングリオ シド)が含まれる。即ち、本発明の方法において利用するシアリルトランスフェ ラーゼのための基質はこのような酵素によりシアル化されうるガラクトシル残基 を含んで成る任意の分子であってよい。以下に説明の通り、好適な基質はシアリ ルラクトースを生成するのに利用するラクトースである。 本明細書においては以下の略を使用する: Ara =アラビノシル; Fru =フルクトシル; Fuc =フコシル; Gal =ガラクトシル; GalNAc=N−アセチルガラクト; Glc =グルコシル; GlcNAc=N−アセチルグルコ; Man =マンノシル;そして NeuAc =シアリル(N−アセチルノイラミニル)。 オリゴ糖は、還元末端にある糖が実際に還元糖であるか否かに関係なく、還元 糖及び非還元糖を有すると考えられる。許容の命名法従い、オリゴ糖は非還元末 端を左側に、そして還元末端を右側にして本明細書に記述する。 本明細書記載のオリゴ糖は全て、非還元糖に関する名称又は略称(即ち、Gal) 、それに続くグリコシド結合の形態(α又はβ)、環結合(1又は2)、結合に 関与する還元糖の環位置(2,3,4,6又は8)、次いで還元糖の名称又は略 称(即ち、GlcNAc)で記述する。 発明の態様 多数のグリコシルトランスフェラーゼサイクル(例えば、図1に記述のシアリ ルトランスフェラーゼサイクル)がオリゴ糖の製造において有用である。米国特 許第 5,374,541号及び WO 9425615Aを参照のこと。このような酵素サイクルは形 成される生成物のモル当り少なくとも1モルの無機ピロリン酸塩を供し、そして 一般には二価金属イオンの存在下で実施される。金属イオンは各サイクルにおけ る少なくとも一種の酵素のための補因子である。 シアリルトランスフェラーゼサイクルにおいて(図1)、二価金属陽イオンに ついての絶対的要件を有する酵素は CMP−NeuAc シンセターゼである(Keanら、 METHODS IN ENZYMOLOGY 8:208-215(1966))。二価金属イオンについての絶対的 要件を有するこのシアリルトランスフェラーゼサイクルにおけるその他の酵素は ピルビン酸キナーゼ及びミオキナーゼである(Villafrancaら、THE ENZYMES,XX :63-94(1992))。 シアリルトランスフェラーゼ、CMP−NeuAc シンセターゼ、適当な受容体、シ アル酸、CTP及び適当な二価金属陽イオンを含んで成 る部分サイクル又は化学理論的反応を実施してもよい(図2参照)。この反応に おいて、無機ピロリン酸塩は CMP−NeuAc シンセターゼ反応により生成される。 シアリルトランスフェラーゼサイクル又は部分サイクルのそれぞれについて、 ピロリン酸塩とある種の二価金属陽イオンとの組合せは極めて低い溶解度の錯体 を生成する。これは、換言すれば、溶液中に存在する金属イオンの量の削減、そ して金属イオン補因子を必要とするこのような酵素について全体的な代謝回転の 対応の低下をもたらす。この問題は、酵素的グリコシル化を製造目的のためにス ケールアップするときに極めて切迫する。かかる大量スケール合成のためには、 経済的及び設備的な考慮はその反応が、原材料の要件を削減するため、合理的な 反応槽のサイズを維持するため、及び除去すべき水性溶媒の量を削減するため、 反応を可能な限り濃厚な溶液で実施することを必要とする。高濃度の反応体では 、生ずるリン酸塩又はピロリン酸塩の濃度は比例して高くなる。 更に、シアリルトランスフェラーゼ部分サイクルにとって、もし十分なる CTP 及びシアル酸が存在しているなら、反応は二価金属陽イオンが枯渇するまで、又 は阻害性 CMPが十分なるレベルに至ってしまうまで進行する。この阻害性ヌクレ オチドはPiを生成する適当なホスファターゼによる処理により除去されうる。し かしながら、これは二価金属陽イオンが更に枯渇させる。 この問題に対する一の潜在的な解決案は、高濃度の金属イオン補因子による開 始を包括する。しかしながら、高濃度の金属イオン補因子の利用はガラクトシル トランスフェラーゼ及びシアリルトランスフェラーゼサイクルの双方に対して有 害であると実証された。他方、他の者は無機ピロホスファターゼを反応媒体に組 込んで、ピロリン酸塩の除去により反応サイクルが完了に至るまで運転すること を試みている。にもかかわらず、無機ピロホスファターゼにより生成されるオル トリン酸塩と金属イオン補因子とでは制約された溶解度の錯体が形成され、金属 イオン濃度における効率的な低下が伴う。 従って、本発明は一の観点において受容体糖をシアル化するための方法を提供 する。この方法において、可溶性二価金属陽イオンを含む媒体(一般には水性溶 液)を提供し、これは受容体糖、シアル酸、CMPシアル酸シンセターゼ、CTP及び シアリルトランスフェラーゼも含む。この反応媒体中の可溶性二価金属陽イオン の濃度はグリコシド結合の形成の際に補充する。この可溶性二価金属陽イオンの 添加は、沈殿により失われる可溶性金属陽イオン部の補充を担い、それ故約1mM 〜約75mM、好ましくは約5mM〜約50mM、そしてより好ましくは約10〜約40mMの濃 度を維持する。一の好適な態様において、この媒体はホスファターゼを更に含ん で成る。 反応媒体中の金属イオン濃度をモニターすることにより、そして追加量の二価 金属イオンによりこの媒体を補充することにより、反応は適切な時間枠内で実質 的に完了するまで進行しうる。ここで用いる「実質的完了」及び「受容体をシア ル化する」とは、tlc又はプロトン NMRによる決定に従い、反応を少なくとも90 %の完了、より好ましくは少なくとも95%の完了、そしてより好ましくは98%の 完了に至るまで実施することを意味する。更に、複数種のグリコシルトランスフ ェラーゼを使用するなら、中間生成物を単離することなく同一の反応槽内で連続 サイクルを実施してよい。更に、阻害性ピロリン酸塩を除去することにより、反 応サイクルは実質的に高い基質(受容体)濃度で実施できうる。本発明において 利用するのに好適な二価金属イオンにはMn++、Mg++、Co++、Ca++、Zn++及びそれ らの組合せが含まれる。より好ましくは、二価金属イオンはMn++で ある。 好適な態様の一の群において、この水性媒体は、上記の成分に加えて、シアル 酸のモル当り少なくとも2モルのリン酸供与体、並びに触媒量のヌクレオシド三 リン酸、リン酸をリン酸供与体からヌクレオシド三リン酸へと移動させることの できるキナーゼ、及び末端リン酸をヌクレオシド三リン酸から CMPへと移動させ ることのできるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含んで成る CMP−シアル酸リサ イクル系を含む。 往々にしてシアリルトランスフェラーゼと称されるα(2,3)シアリルトラ ンスフェラーゼはシアリルラクトースの製造においてここで利用する主要酵素で ある。この酵素はシアル酸(NeuAc)を Galに移し、2個の糖の間にα−結合が伴 う。糖間の結合は NeuAcの2位と Galの3位との間にある。 α(2,3)シアルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.6)と称される典型的なα (2,3)シアリルトランスフェラーゼは Galβ1→3Glc 二糖又はグリコシド の非還元末端 Galへとシアル酸を移す。Van den Eijndenら、J.Biol.Chem.,2 56:3159(1981)、Weinsteinら、J.Biol.Chem.,257:13845(1982)及び Wen らJ.Biol.Chem.,267:21011(1992)を参照のこと。その他の典型的なα−2, 3−シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.4)はシアル酸を二糖又はグリコシ ドの非還元末端 Galへと移す。Rearickら、J.Biol.Chem.,254:4444(1979) 及び Gillespieら、J.Biol.Chem.,267:21004(1992)を参照のこと。更なる典 型的な酵素にはGal−β−1、4−GlcNAcα−2,6シアリルトランスフェラー ゼが含まれる(Kurosawaら、Eur.J.Biochem.219:375-381(1994)を参照の こと)。 本発明において利用される第二の主要酵素は CMP−シアル酸シン セターゼである。この酵素は好ましくは、以降に詳細の CMP−シアル酸再生(リ サイクル)系において利用される。CMP−シアル酸シンセターゼは、当業界周知 の手順により、シンセターゼ酵素を含む細胞及び組織から単離及び精製されうる 。例えば、Grossら、Eur.J.Biochem.,168:595(1987)、Vijayら、J.Biol.C hem.,250(1):164(1975)、Zapataら、J.Biol.Chem.,264(25):14769(1989 )及びHigaらJ.Biol.Chem.,260(15):8838(1985)を参照のこと。この酵素の ための遺伝子も配列決定されている。Vannら、J.Biol.Chem.,262:17556(198 7)を参照のこと。この遺伝子の過剰発現は、CMP−NeuAc のグラムスケール合成 における使用に関しても報告されている。Shamesら、Glycobiology,1:187(19 91)を参照のこと。この酵素は市販もされている。 シアル酸も必要である。考慮されるシアル酸には、シアル酸(5−N−アセチ ルノイラミン酸;5−N−アセチルアミノ−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ −D−ガラクト−2−ノヌロソニン酸(nonulosonic acid); NeuAc、そして時 折り AcNeu又はNANAと略されるもの)自体のみならず、9−置換化シアル酸、例 えば9−O−C1−C6アシル−NeuAc、例えば9−O−ラクチル−NeuAc 又は9 −O−アセチル−NeuAc、9−デオキシ−9−フルオロ−NeuAc及び9−アジド− 9−デオキシ−NeuAc も含まれる。シアル化工程におけるこのような化合物の合 成及び利用は1992年10月1日公開の国際出願 WO 92/16640 号に開示されている 。その他の適当なシアル酸には、N−グリコリルノイラミン酸、5−ヒドロキシ ノイラミン酸、5−CbzNH、5−CH3OC(O)NHノイラミン酸(Shamesら、Glycobiol .1:187(1991))及び5−N−アシルノイラミン酸が含まれる。 この反応混合物は、好ましくはガラクトシル単位を有するシアリ ルトランスフェラーゼのための受容体も含むであろう。適当な受容体には、例え ば、Galβ1→3GalNAc、ラクト−N−テトラオース、Galβ1→3GlcNAc、Galβ 1→3Ara、Galβ1→6GlcNAc、Galβ1→4Glc(ラクトース)、Galβ1→4Glcβ 1−OCH2CH3、Galβ1→4Glcβ1−OCH2CH2CH3、Galβ1→4Glcβ1−OCH2C6H5 、Galβ1→4GlcNAc、Galβ1−OCH3、メリビオース、ラフィノール、スタキオ ース及びラクト−N−ネオテトラオースが含まれる。 CMP−シアル酸リサイクル系は前述した CMP−シアル酸シンセターゼを利用す る。図1に示している通り、CMP−シアル酸(図1に CMP−NeuAc として示す) をα(2,3)シアリルトランスフェラーゼの存在下でシアリルトランスフェラ ーゼ受容体と反応させてシアリルラクトースを形成する。 本発明において利用する CMP−シアル酸再生系はシチジン一リン酸(CMP)、ヌ クレオシド三リン酸(例えばアデノシン三リン酸(ATP))、リン酸供与体(例え ば、ホスホエノールピルビン酸塩又はアセチルリン酸塩)、リン酸供与体からヌ クレオシド二リン酸へとリン酸を移動させることのできるキナーゼ(例えば、ピ ルビン酸キナーゼ又はアセテートキナーゼ)、及びヌクレオシド三リン酸から C MPへと末端リン酸を移動させることのできるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含 んで成る。前述のα(2,3)シアリルトランスフェラーゼ及び CMP−シアル酸 シンセターゼは CMP−シアル酸再生系の一部としても形式視できうる。しかしな がら、これら2種類の酵素は既に論述されているため、ここでは更に論じない。 CMP−シアル酸再生系に関して利用するのに適当なヌクレオシド三リン酸はア デノシン三リン酸(ATP)、シチジン三リン酸(CTP)、ウリジン三リン酸(UTP)、グ アノシン三リン酸(GTP)、イノシン三リン酸(ITP)及びチミジン三リン酸(TTP)で ある。好適なヌクレオ シド三リン酸は ATPである。 ヌクレオシド一リン酸キナーゼはヌクレオシド一リン酸のリン酸化を触媒する 酵素である。本発明の CMP−シアル酸再生系に従って利用するヌクレオシド一リ ン酸キナーゼ(NMK)又はミオキナーゼ(MK;EC 2.7.4.3)は CMPのリン酸化を触 媒するために利用される。NMKは市販されている(Sigma Chem.Co.,St.Louis, MO:Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)。 リン酸供与体及びリン酸供与体から活性化性ヌクレオチドへのリン酸の移動を 触媒する触媒量のキナーゼも CMP−シアル酸再生系の一部である。この再生系の リン酸供与体はリン酸化化合物であり、そのリン酸基がヌクレオシドリン酸をリ ン酸化するのに使用されうる。リン酸供与体の選択の唯一の制約はリン酸供与体 のリン酸化又は脱リン酸化形態がシアル化受容体糖の形成に関与する任意の反応 を実質的に妨害しうることにある。好適なリン酸供与体はホスホエノールピルビ ン酸塩(PEP)及びアセチルリン酸塩である。特に好適なリン酸供与体は PEPであ る。 本発明に従って利用するための特定のキナーゼの選択は使用するリン酸供与体 に依存する。アセチルリン酸塩はリン酸供与体として使用され、キナーゼはアセ テートキナーゼである。PEPをリン酸供与体として使用する場合、キナーゼはピ ルビン酸キナーゼである(PK;EC 2.7.1.40)。その他のキナーゼを他のリン酸供 与体と共に採用してよく、なぜならそれらは当業者に周知だからである。キナー ゼは市販されている(Sigma Chem.Co.,St.Louis,MO:Boehringer Mannheim, Indianapolis,IN)。 このグリコシル化方法の自蔵式及び循環式的な特徴を理由に、全ての反応体及 び酵素が存在したら、反応は当初の化学理論量の基質(遊離の NeuAcもしくはPEP )又は受容体が消費されるまで続く。 即ち、シアル化の例において、CMPは CDPへと変換し、その変換は添加した AT Pの存在下でヌクレオシド一リン酸キナーゼ又はミオキナーゼにより触媒される 。ATPはその副産物 ADPから、添加したホスホエノールピルビン酸塩(PEP)の存在 下でピルビン酸キナーゼ(PK)により触媒的に再生される。CDPは更に CTPへと 変換され、その変換は PEPの存在下でPKにより触媒される。CTPはシアル酸と反 応して無機ピロリン酸塩(PPi)及び CMP−シアル酸を形成し、後者の反応は CMP −シアル酸シンセターゼにより触媒される。α(2,3)シアリルトランスフェ ラーゼ受容体化合物のシアル化に続き、遊離した CMPは再生系に再侵入して CDP ,CTP及び CMP−シアル酸を再形成する。反応サイクルの際の二価金属イオン濃 度の補充により、形成される PPi又はPiは沈殿を介して溶液から除去されうる。 更に、金属イオン補因子依存性酵素は二価金属陽イオンのレベルを適度に保つこ とにより効率的にピークにおいて働きうる。 ピルビン酸塩は副産物であり、そしてN−アセチルマンノースアミン(ManNAc )及びピルビン酸塩を NeuAcアルドラーゼ(EC 4.1.3.3)の存在下で反応させて シアル酸を形成する別の反応において利用されうる。他方、GlcNAcからManNAcへ の異性化の利点もあり、従ってより安価なGlcNAcがシアル酸生成のための出発材 料として利用できうる。即ち、シアル酸はManNAc(又はGlcNAc)及び触媒量の N euAcアルドラーゼにより代用されうる。NeuAcアルドラーゼは逆反応(NeuAcからM anNAc及びピルビン酸塩に至る)をも触媒するが、生成される NeuAcは CMP−シア ル酸シンセターゼにより触媒される CMP−NeuAc を介する反応サイクルの中に不 可逆的に組込まれる。更に、出発材料ManNAcは当業者公知の方法を利用してGlnN Acの化学変換によっても作ることができる(例えば、Simonら、J.Am.Chem.So c.110:7159(1988)を参照のこと)。シアル酸及びその9− 置換化誘導体の酵素合成並びに種々のシアル化反応系におけるシアル酸の利用は 引用することで本明細書に組入れる1992年10月1日公開の国際出願 WO 92/1664 0 号に開示されている。 上記の通り、無機ピロリン酸塩(PPi)は CMP−NeuAc の製造の副産物である。 生成される PPiは、グリコシル化が減じられるようにその他の酵素を阻害するた めにフィードバックされうる。しかしながら、PPiは二価金属陽イオン(例えば 、Mn++又はMg++)により錯形成するか、又は酵素分解されうる。例えば、PPiは 無機ピロホスファターゼ(PPase;EC 3.6.1.1)、即ち、市販の PPi触媒酵素(Si gma Chem.Co.,St.Louis,MO:Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を利 用する加水分解により除去できうる。にもかかわらず、この酵素分解は、二価金 属陽イオンと共に沈殿物を形成しうるリン酸塩(Pi)も生成する。その結果、本 発明の方法は二価金属陽イオンの補充により完了に至るまで進行する。本明細書 でいう「ピロリン酸塩スキャベンジャー」は本発明の反応混合物からの無機ピロ リン酸塩の除去を担う物質を意味する。 以下に説明する通り、反応混合物から PPi又はPiを除去する好適な方法は媒体 の中の二価金属陽イオン濃度を維持することである。特に、陽イオン及び生成さ れる無機リン酸塩は非常に低い溶解度の錯体を形成する。ピロリン酸塩との沈殿 により失われる陽イオンを補充することにより、反応速度は維持され、そして反 応は完了に至るまで行われうる(即ち、100%完了)。 補充は連続的に(例えば自動化により)又は不連続的に行われうる。「可溶性 の二価金属陽イオン濃度の達成」及びその他の関連の用語は、二価金属陽イオン 濃度が一般に至適範囲内に維持され、反応サイクルが実質的に阻害されないよう な方法を意味する。即ち、その用語は詳しくは、二価陽イオン濃度が至適範囲を 、低下した補 因子レベルが反応サイクルを実質的に阻害しない時間の間外れてしまう方法を含 んでいる。以下に示す通り、陽イオン濃度がこのようにして維持できたら、トラ ンスフェラーゼ反応サイクルは完了に至るまで行えうる。 このシアル化転移工程において利用する様々な反応体の濃度又は量は温度及び pH値の如き反応条件、並びにシアル化する受容体糖の選択及び量等の数多くの要 因に依存する。このシアル化法は活性化性ヌクレオチド、活性化供与体シアル酸 の再生、そして触媒量の酵素の存在下で生成 PPiの排除を可能にするため、この 方法は前述の化学理論的基質の濃度又は量により制約される。本発明の方法に従 って利用されうる反応体の濃度についての上限値はかかる反応体の溶解度により 決定される。 好ましくは、活性化ヌクレオチド、リン酸供与体、シアル酸及び酵素の濃度は 、受容体又は供与体が消費されるまでシアル化が進行するように選択する。 各酵素は好ましくは触媒量で存在する。特定の酵素の触媒量は酵素の基質の濃 度、並びに温度、時間及びpH値の如き反応条件に従って変わる。所定の基質濃度 及び反応条件のもとでの一定の酵素の触媒量を決定するための方法は当業者に周 知である。 酵素の量又は濃度は活性単位で表示する。1活性単位は1分当り、一定の温度 (一般には37℃)及びpH値(一般には7.5)において1μmol の生成物の形成を触 媒する。即ち、10単位の酵素は、37℃の温度及び 7.5のpH値において1分間にお いて、10μmol の基質を10μmol の生成物へと変換させる。 この方法にわたってリサイクルされる試薬は CMP/ CDP/ CTPである。即ち、 反応を任意の物質、又は CMP,CDP及び CTPの組合せにより反応させることがで きる。CMPは安価であり、そしてそのグ ループのうちで最も入手し易いため、CMPが一般に反応の開始に使用され、その 量は使用する物質又は組合せの総量について前述したものとする。 上記の成分は水性反応媒体(溶液)の中での混合により組合せる。その媒体は 約6〜約8のpH値を有する。この媒体はMg++又はMn++の如き酵素補因子に結合す るキレート形成剤を実質的に含まない。媒体の選択はpH値を所望のレベルに維持 する媒体の能力に基づく。即ち、ある態様においては、媒体を約 7.5のpH値へと 、好ましくは HEPESにより緩衝化する。バッファーを使用しないのなら、媒体の pHは塩基の添加により、約6〜8、好ましくは約 7.2〜7.8 に維持する。適当な 塩基はNaOH、好ましくは6MのNaOHである。 反応媒体は可溶化性界面活性剤(例えばトリトン又はSDS)及び有機溶媒、例え ばメタノール又はエタノールをも必要なら含んで成りうる。更に、これらの酵素 は好ましくは溶液の中で遊離状態で使用されるが、ポリマーの如き支持体に結合 してあってもよい。即ち、この反応混合物は当初は実質的に均質であるか、反応 の際に一定の沈殿物が形成しうる。 上記の方法を実施する温度は凍結点のすぐ上から酵素が最も変性し易い温度に 範囲する。この温度範囲は好ましくは0℃〜約45℃、そしてより好ましくは約20 ℃〜約30℃である。 このようにして形成した反応混合物を、受容体がシアル化されて所望のシアリ ルガラクトシド(シアロシド製品になるのに十分な時間にわたり維持する。この 製品の一部は、数時間後、通常は24時間以内で得られる回収できる量で往々にし て検定されうる。この方法の収率を最適化するのが好ましく、そして維持時間は 通常約36〜約 240時間とする。 生成したシアリルガラクトシドは精製することなく利用できる。 しかしながら、この製品を回収することが好ましい。シアル化糖類の回収の標準 的な周知の技術、例えば薄層又は厚層クロマトグラフィー、イオン交換クロマト グラフィー又は膜濾過が使用できうる。回収のための膜濾過の利用、より好まし くは逆浸透膜の利用、又は1もしくは複数のカラムクロマトグラフィー技術の利 用が好ましく、それは以降に、且つ引用文献に記載してある。例えば、膜が約10 00〜約10,000の分子量カットオフ値を有する膜濾過がタンパク質の除去に利用さ れうる。ナノフィルター膜は逆浸透膜のクラスに属し、それは一価の塩類は通す が、多価塩類及び使用する膜に依存して約 200〜約1000ダルトンより大きい無荷 電の溶質は抑留する。即ち、典型的な用途において、本発明のオリゴ糖類は膜に 抑留され、そして夾雑塩類はそれを通過するであろう。かかる技術を利用して、 本発明のシアリルガラクトシド(例えばシアリルラクトース)は、プロトン NMR 及び TLCによる決定に従い、本質的に純度 100%で生成されうる。 本発明に従って調製されるシアリルラクトシドを含むシアリルガラクトシドは 一般に以下の式を有するであろう: NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)GlcX(R′)β−OH この式において、XはO,N又はNHであり、R′は水素、1〜18個の炭素原子 のアルキルもしくはアシル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタミド; ベンズアミド;2−ナフトアミド;4−アミノベンズアミド;又は4−ニトロベ ンズアミドである。Rは水素、糖、オリゴ糖又は少なくとも1個の炭素原子を有 するアグリコン基である。 「少なくとも1個の炭素原子を有するアグリコン基」なる語は基−A−Zを意 味する(ここで、Aは、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、酸素、硫黄、アミノ 、イミノ又はアルコキシにより任意的に 置換された1〜18個の炭素原子のアルキレン基を表わし;そしてZは水素、−OH 、−SH、−NH2、−NHR1、−N(R1)2、−CO2H、−CO2R1、−CONH2、−CONHR1、−C ON(R1)2、−CONHNH2又は−OR1であり、ここで各R1は独立して1〜5個の炭素原 子のアルキルである)。更に、Rは (ここでn,m,o=1〜18);(CH2)n−R2(ここでn=0−18であり、R2は 様々な置換化芳香環、好ましくは1又は複数個のアルコキシ基、好ましくはメト キシもしくはO(CH2)mCH3(m=0−18)又はそれらの組合せにより置換されたフェ ニルである) であってよい。 上記の説明において、それらの用語はそれ標準的な意味に従って一般に用いて いる。本明細書において用いる語「アルキル」は枝分れした又は枝分れしていな い、飽和又は不飽和の、一価又は二価の、1〜20個の炭素を有する炭化水素基、 例えば1〜8個の炭素を有する低級アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロ ピル、ブチル、n−ヘキシル等、シクロアルキル(3〜7個の炭素)、シクロア ルキルメチル(4〜8個の炭素)及びアリールアルキルである。「アルコキシ」 なる語は、酸素を介してアルキル基が分子の残部に結合しているもの、例えばエ トキシ、メトキシ又はn−プロポキシを意味する。「アルキルチオ」なる語は硫 黄を介してアルキル基が分子の残部に結合しているものを意味する。 「アシル」なる語は、有機酸からヒドロキシル基の除去により誘導された基を 意味する。その例には、アセチル、プロピオニル、オレオイル、ミリストイルが 含まれる。 これらの化合物は様々な用途、例えば抗原、診断試薬又は治療剤 として使用できる。即ち、本発明は様々な症状を処置するうえで利用できうる薬 理組成物を提供する。本発明の薬理組成物は様々な薬剤搬送システムに適する。 本発明における利用に適する製剤はRemington's Pharmaceutical Sciences,Mac e Publishing Company,Philaderphia,pA,17th ed.(1985)において見い出 せる。薬剤搬送についての簡単な論文についてはLanger,Science 249:1527-15 33(1990)参照のこと。 本薬理組成物は予防及び/又は治療的処置のため、例えばエアロゾール又は経 皮による非経腸、鼻内、局所、経口もしくは局部適用を意図する。一般に、本薬 理組成物は、非経腸的に、例えば静脈内的に投与される。即ち、本発明は、許容 されている担体、好ましくは水性担体、例えば水、緩衝水、食塩水、PBS等の中 に溶解又は懸濁された化合物を含んで成る非経腸投与用組成物を提供する。この 組成物は生理学的条件に近づけるために必要とされる薬理学的に許容されている 補助剤、例えばpH調整剤及び緩衝剤、等張性調整剤、湿潤剤、界面活性剤、等を 含みうる。 これらの組成物は慣用の滅菌技術により無菌とするか、又は無菌濾過してよい 。得られる水性溶液はそのまま利用するように包装するか、又は凍結乾燥してよ く、凍結乾燥調製品は投与前に無菌水性担体と組合せる。調製品のpHは一般に3 〜11、より好ましくは5〜9、そして最も好ましくは7〜8であろう。 ある態様において、本発明のシアリルガラクトシドを標準の小胞形成脂質から 形成したリポソームの中に組込んでよい。例えば Szokaら、Ann.Rev.Biophys .Bioeng.9:467(1980)、米国特許第 4,235,871、4,501,728及び 4,837,028号 に記載の通り、リポソームを調製するのに様々な方法が適用される。様々なター ゲッティング剤(例えば本発明のシアリルガラクトシド)を利用するリポソーム のターゲッティングは当業界において周知である(例えば、米国特許第 4,957,7 73及び 4,603,044号参照のこと)。 ターゲッティング剤をリポソームにカップリングするためには標準的な方法が 利用できる。これらの方法は一般に、ターゲッティング剤の付加のために活性化 されうるホスファチジルエタノールアミンの如き脂質成分、又は本発明の脂質誘 導化シアリルガラクトシドの如き誘導化親油性化合物のリポソームへの組込を包 括する。 ターゲッティングメカニズムは一般に、ターゲッティング剤がリポソームの表 層上に、標的成分が標的、例えば細胞表層レセプターと相互作用できるようにし て配置されていることを必要とする。本発明の炭水化物は、リポソームが当業者 公知の方法を利用して形成される前に脂質分子に付加させてよい(例えば、長鎖 アルキルハライド又は脂肪酸のそれぞれによる炭水化物上に存在しているヒドロ キシル基のアルキル化又はアシル化)。他方、リポソームは膜の形成時に接続部 がまず膜に組込まれるように仕上げてよい。接続部は膜の中にしっかりと埋もれ て定着される親油性部分を有さなくてはならない。それはリポソームの水性表層 上に化学的に有用な反応性部分も有さなくてはならない。この反応性部分はその 後に添加するターゲッティング剤又は炭水化物と安定な化学結合を形成するのに 化学的に適するものであるように選ぶ。あるケースにおいては、標的剤を接続分 子に直接付加することが可能であるが、ほとんどの場合、化学架橋を担う第三分 子を利用し、膜の中に存在する接続分子を小胞表層から三次元的に広がっている 標的剤又は炭水化物と連結させることが一層適切である。 当該化合物を含む組成物は予防的及び/又は治療的処置のために投与されうる 。治療的用途においては、前述の病気に既に苦しんでいる患者に組成物を、その 症状又はその合併症を治癒又は少なくと も軽減するのに十分な量で投与する。これを成し遂げるのに適当な量は「治療的 有効用量」と定義する。この用途に有効な量は病気の種類及び症度、並びに患者 の体重及び一般的状態に依存するであろうが、一般には70kgの患者につき1日当 り約 0.5mg〜2,000mg のシアリルガラクトシドオリゴ糖に範囲し、1日当り約5 mg〜約200mgの用量がより一般的に利用される。 予防的用途においては、本発明の化合物を含んで成る組成物を特定の病気にか かり易い、又はかかる危険性のある患者に投与する。かかる量は「予防的有効用 量」と定義する。この用途においては、ここでもその正確な量は患者の健康状態 及び体重に依存するが、しかし一般には70kgの患者につき約 0.5mg〜約1,000mg 、より一般には70kgの患者につき約5mg〜約200mg に範囲するであろう。 本組成物の一回又は数回の投与を処置医師により選定された用量及び用法で実 施してよい。いづれにせよ、当該薬理組成物は患者を効果的に処置するのに十分 な量のシアリルガラクトシドを供与すべきである。 当該化合物は診断試薬としても有用でありうる。例えば、ラベル化化合物を、 炎症を有すると推定された患者における炎症又は腫瘍転移箇所を見つけるために 利用できうる。この用途のため、本化合物は125I、14C又はトリチウムでラベ ル化されうる。 本発明のシアリルガラクトシドは、本発明の化合物と特異的に反応するモノク ローナル又はポリクローナル抗体の製造のための免疫原として利用できうる。様 々なイムノグロブリン分子の製造及び操作のための当業者に有用な様々な技術が 本発明において利用できうる。抗体は当業者周知の様々な技術により製造し得る 。 非ヒトモノクローナル抗体、例えばマウス、ウサギ、ウマ等の抗体の製造は周 知であり、そして例えば動物を本発明のシアリルガラ クトシドを含む調製品により免疫することにより成し遂げ得る。免疫動物から獲 得した抗体産生細胞を不死化させ、そしてスクリーニングするか、又は所望の抗 体の生産についてまずスクリーニングし、次いで不死化させる。モノクローナル 抗体の製造の一般手順の論述については、Harlow and Lane,Antibodies,A Lab oratory Manual Cold Spring Harbor Publications,N.Y.(1988)を参照のこと 。 以下の実施例は単に例示の目的で提供し、本発明を限定するものでも規定する ものでもない。 実施例1 本例は下記の糖の調製のためのホスホエノールピルビン酸塩(PEP)を利用する 酵素的シアリル化のための一般手順を例示する。本方法の広い用途は、第 1.5及 び 1.6章に例示し、それにおいてはその酵素にとって天然の基質ではない基質を 使用している。 1.1 エチル(ナトリウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グ リセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(β− D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−β−D−グルコピラノシド。 ホスホエノールピルビン酸三ナトリウム塩(3.16g、14mmole)とHEPES(1M、p H 7.4、20ml)及び水(80ml)との溶液のpHを1MのNaOHで 7.4に調整した。エチ ルβ−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコピラノシド(2 .0g、5.4mmole)、シアル酸(2.0g、6.5mmole)、CMP(30mg)、ATP(10mg)及びMnCl2 (0.36g)を加え、そしてこの溶液のpHをNaOHで 7.4に再調整した。ミオキナー ゼ(500U)、ピルビン酸キナーゼ(800U)、CMP−NeuAc シンセターゼ(40U)及 びα2,3−シアリルトランスフェラーゼ(20U)を加え、そして反応を2日間 進行させた。追加のMnCl2(0.5 g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。更に5日後、この溶液を濾過し、そし て濾液をシリカゲルに収着させた。得られる混合物をクロマトグラフィーにかけ (シリカ:メタノール/酢酸エチル/酢酸/水;70/40/1.3 /5)、そして適 切な画分を濃縮した。その残渣を再びクロマトグラフィーにかけ(シリカ:メタ ノール/酢酸エチル/水;7/4/3)、濃縮して固体を得た。この固体を水( 20ml)に溶かし、そしてそのpHを1MのNaHCO3で 7.4に調整した。得られる溶液 をクロマトグラフィーにかけ(SEPHADEX(登録商標)G−25、20%のエタノール /水)、適当な画分を濃縮し、そしてその固体を水に再溶解し、そして凍結乾燥 して 1.4g(38%)の純粋な製品を白色固体として得た。Rf=0.42(シリカ: 2−プロパノール/1MのNH4OAc;8/2)。この反応において、100%の転換 が、tlcによる確認に従い、達成された。 1.2 ベンジル(ナトリウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D− グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(β −D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−β−D−グルコピラノシド。 ベンジルβ−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコピラ ノシドをエチルβ−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコ ピラノシドに置き代えて上記の酵素反応を実施した。この酵素反応混合物を濾過 し、そしてその濾液をクロマトグラフィーにかけ(C−18シリカ:水、次いで2 %の CH3CH/H2O)、2.07g(40%)の白色固体が凍結乾燥後に得られた。Rf=0 .45(シリカ:2−プロパノール/1MのNH4OAc 8/2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ7.35-7.41(m,5H,ベンジル),4.84(d,J=11Hz,1H,ベ ンジル),4.70(d,J=11Hz,1H,ベンジル),4.50(d,J=8Hz,1H,H-1 ガラクト ース),4.70(d,J=9Hz,1H,H-1 Glc ),4.07-4.03(dd,J=10,3Hz,1H,H-3 Gal),3.97-3.47(m,17H),3.32-3.26(t ,1H),2.70(dd,J=12,5Hz,1H,H-3eqSA),1.97(s,3H,NAc),1.74(dd,J=12 ,12Hz,1H,H-3axSA)。 1.3 ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ −D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(β−D−ガ ラクトピラノシル)−(1−4)−O−D−フルクトフラノース(シアリルラク シロース)。 β−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−D−フルクトフラノースをエ チルβ−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコピラノシド に置き代えて上記の酵素反応を実施した。この酵素反応混合物を濾過し、そして その濾液を濃縮した。その残渣をクロマトグラフィーにかけ(シリカ: CH3OH/ 酢酸エチル/水 7/4/3)、固体を得、それを水(20ml)に溶かし、そして pHをNaHCO3で 7.4に調整した。この溶液をクロマトグラフィーにかけ(SEPHADEX (登録商標)G25、20%のエタノール/水)、凍結乾燥を経て 1.5g(78%)の 白色固体が得られた。Rf=0.24(シリカ:2−プロパノール/濃NH4OH /水 7/1/2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ4.64(d,J=8Hz,1H,H-1 Gal),4.54(d,J=8Hz,H-1),4 .32-3.48(m,20H),2.75(dd,J=11,4Hz,1H,H-3eqSA),2.02(s,3H,NAc),1. 75(dd,J=12,12Hz,H-3axSA)。 1.4 ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ −D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(α−D−ガ ラクトピラノシル)−(1−6)−O−D−グルコピラノース(シアリルメリビ オース)。 受容体としてメリビオースを利用する酵素反応を、HEPESを加えないことを除 き、上記の通りに設定した。3日間にわたり、24時間 毎にMnCl2(0.297g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。4日目に、pHを 7.4 に調整し、そして5日目に反応を停止させた。追加の酵素(上記)PEP(1.7g) 及びMnCl2(0.297g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。7日間にわたり24時 間毎にpHを 7.4に調整し、その際反応混合物を濾過し、そして濾液を濃縮し、そ してシリカゲルに収着させた。クロマトグラフィー(シリカ:メタノール/酢酸 エチル/酢酸/水 70/40/1.3 /5)にかけ、そして適当な画分を濃縮した。 その残渣をクロマトグラフィーにかけ(シリカ:メタノール/酢酸エチル/水 7/4/3)、濃縮を経て固体が得られた。この固体を水に溶かし(20ml)、そ してpHを1MのNaHCO3でpH 7.4に調整した。この溶液をクロマトグラフィーにか け(SEPHADEX(登録商標)G−25:20%のエタノール/水)、適当な画分を濃縮 し、そして固体を水に再溶解し、そして凍結乾燥して白色固体0.39g(20%)を 得た。Rf=0.38(シリカ:2−プロパノール/濃NH4OH /水 7/1/2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ5.19(d,J=4Hz,H-1a Gal),4.90(d,J=3Hz,1H,H-1 Ga l),4.63(d,J=8Hz,H-1b Gal),4.36-4.29(dd,J=10,3Hz,1H,H-3 Gal),3.9 8-3.38(m,17H),3.38-3.23(m,1H),2.68(dd,J=12,5Hz,1H,H-3eq SA),1.9 8(s,3H,NAc),1.76(dd,J=12,12Hz,1H,H-3ax SA)。 1.5 ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ −D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(α−D−ガ ラクトピラノシル)−(1−6)−O−(α−D−ガラクトピラノシル)−(1 −6)−O−(α−D−グルコピラノシル)−(1−2)−O−β−D−フルク トフラノシド(シアリルスタキオース)。 受容体としてスタキオースを利用する酵素反応を、HEPESを加え ないことを除き、上記の通りにして設定した。3日間にわたり24h毎に追加のMn Cl2(0.297g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。4日目に、pHを 7.4に調整 し、そして5日目に反応を停止させた。追加の酵素(上記)PEP(1.7g)及びMn Cl2(0.297g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。21日間にわたり24時間毎に pHを 7.4に調整し、その際反応混合物を濾過し、そして濾液をクロマトグラフィ ーにかけ(SEPHADEX(登録商標)G−25、20%のエタノール/水)、適当な画分 を濃縮し、そしてその固体を水に再溶解し、そして凍結乾燥して 0.156g(5% )の白色固体を得た。Rf=0.17(シリカ 2−プロパノール/濃NH4OH /水: 7/1/2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ5.37(d,J=4Hz,1H,H-1),4.96(d,J=4Hz,1H,H-1),4 .94(d,J=4Hz,1H,アノマー),4.38-4.24(dd,J=10,3Hz,1H,H-3 Gal),4.16 -3.48(m,31H),2.68(dd,J=12,5Hz,H-3eq SA),1.98(s,3H,NAc),1.76(dd ,J=12,12Hz,H-3ax SA)。 1.6 ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ −D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(α−D−ガ ラクトピラノシル)−(1−6)−O−(α−D−グルコピラノシル)−(1− 2)−O−β−D−フルクトフラノシド(シアリルラフィノース)。 受容体としてラフィノースを利用する酵素反応を、HEPESを加えないことを除 き、上記の通りにして設定した。3日間にわたり24時間毎に追加のMnCl2(0.297 g)を加え、そしてpHを 7.4に調整した。4日目、pHを 7.4に調整し、そして5 日目に反応を停止させた。追加の酵素(上記)PEP(1.7g)及びMnCl2(0.297g )を加え、そしてpHを 7.4に調整した。4週間にわたり24時間毎にpHを 7.4に調 整した。この反応混合物を濾過し、そして濾液をクロマトグラフィ ーにかけ(シリカ メタノール/酢酸エチル/酢酸/水;70/40/1.3 /5)、 そして適当な画分を濃縮した。この残渣を水(20ml)に溶かし、そしてpHをNaHC O3で 7.4に調整した。この溶液をクロマトグラフィーにかけ(SEPHADEX(登録商 標)G−25 20%のエタノール/水)、適当な画分を濃縮し、そしてその固体を 水に再溶解し、そして凍結乾燥して 0.112g(5%)の白色固体を得た。Rf=0 .29(シリカ 2−プロパノール/濃NH4OH /水 7/1/2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ5.37(d,J=3.7Hz,1H,H-1),4.96(d,J=3.7Hz,1H,H-1 ),4.29(d,J=10.3,2.8Hz,1H,H-3 Gal),4.17(d,J=8.8Hz,1H),4.04-3.52( m,25H),2.68(dd,J=4.7,12.2Hz,1H,H-3 SA),1.97(s,3H,NHAc),1.76(dd ,J=12.2,12.2Hz,1H,H-3 SA)。 実施例2 本例はナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセ ロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノソネート)−(2−3)−O−(β−D− ガラクトピラノシル)−(1−3)−O−D−アラビノースの合成を例示する。 3−O−β−D−ガラクトピラノシル−D−アラビノース(0.911g、2.92mmol )、シアル酸(0.993g、3.5mmol)、CTP二ナトリウム塩(2.3g、4.38mmol)、MnCl2 (0.6g)及び水(50ml)の溶液のpHを 8.0に調整し、そして CMP−NeuAc シン セターゼ(30U)及びシアリルトランスフェラーゼ(20U)を加えた。pHを慎重 にモニターし、そして1NのNaOHの添加により 7.2〜7.8 に維持した。3h後、 溶液のpHはゆっくり下降し、そして反応混合物を18h放置した。追加のMnCl2(0 .6g)を加え、そしてpHを1NのNaOHで 7.5に調整した。次の5日間にわたり24 時間毎にpHを 7.5に再調整した。反応は TLCによる観察に従い完了し、次いで濾 過した。その濾液を乾く までシリカゲルで濃縮し、そしてその固体をクロマトグラフィーにかけ(シリカ :メタノール/酢酸エチル/酢酸/水;70/40/1.5 /5)、そして適当な画分 の濃縮は固体を供した。この材料をクロマトグラフィーにかけ(シリカ:メタノ ール/酢酸エチル/水;7/4/3)、固体を得、それを水(20ml)に溶かし、 そしてpHを飽和NaHCO3でpH 7.4に調整した。この溶液をクロマトグラフィーにか け(SEPHADEX(登録商標)G−25:20%のエタノール/水)、適当な画分を濃縮 し、そしてその固体を水に再溶解し、そして凍結乾燥して 0.755g(41%)の白 色固体を得た。Rf=0.30(シリカ:2−プロパノール/濃NH4OH /水;7/1 /2)。1 H NMR(300MHz,D2O)δ5.22(d,J=2Hz,H-1),4.57(d,J=8Hz,1H,H-1 Gal),4 .48(d,J=8Hz,1H,H-1),4.15-3.52(m,18H),2.73-2.68(dd,J=12,3Hz,1H, H-3cq SA),1.97(s,3H,NAc),1.74(dd,J=12,12Hz,1H,H-3ax SA)。 実施例3 本例は、マンガンイオン濃度をコントロールしながら、シアリルトランスフェ ラーゼサイクルを利用してのα−N−アセチルノイラミン酸(2,3)β−ガラ クトシル(1,4)グルコースの製造を例示する。 ポリプロピレン容器内で、ホスホエノールピルビン酸三ナトリウム塩(285.4g 、1.22mol)及びシアル酸(197g、0.637mol)を5lの水に溶かし、そしてpHを6 MのNaOHで 7.1に調整した。シチジン−5′−リン酸(5.14g、15.9mmol)及び 塩化カリウム(7.9g、0.106mol)を加え、そしてpHを6MのNaOHで7.45に再調整 した。ピルビン酸キナーゼ(28,000単位)、ミオキナーゼ(17,000単位)、アデ ノシン三リン酸(0.98g、1.6mmol)、CMP NeuAcシンセターゼ(1,325単位)、α2 ,3シアリルトランスフェラーゼ(663単位)及び MnCl2・4H2O(52.4g、0.265mol)を加え、そして混合した。得られる混合物の 3.7リットル部にラクトース(119g、0.348mol)及びアジ化ナトリウム(1.75g) を加えた。この反応混合物を室温に保ち、そして薄層クロマトグラフィー(tlc) 及びイオン交換クロマトグラフィーにより毎日モニターした。2日後、追加の酵 素を下記の通りに加えた:ピルビン酸キナーゼ(38,100単位)、ミオキナーゼ( 23,700単位)、CMP NeuAcシンセターゼ(935単位)、及びα2,3シアリルトラン スフェラーゼ(463単位)。pHを定期的に6MのNaOHで 7.5に調整した。更に、マ ンガンイオンの濃度を測定し、そして以下の表に示す通りに補充した。 9日目に、反応は tlcにより本質的に完了していた。表が示している結果の通 り、Mn++の枯渇は、金属イオン濃度を維持するためにほぼ毎日追加量の MnCl2・ 4H2Oを添加することをもたらした。マンガンイオンはシアリルトランスフェラー ゼサイクルにおいて、少な くとも一種の酵素にとって必要とされる補因子である。しかしながら、マンガン イオン及び生成される無機リン酸塩(図1参照)は非常に低い溶解度の錯体を形 成する。この制約された溶解度を理由に、トランスフェラーゼサイクルは、遅い 反応速度ではあるが、進行し続けることができる。ピロリン酸塩による沈殿によ り失われるマンガンイオンの補充により、反応速度は維持できる。即ち、マンガ ンイオン濃度が至適範囲に保たれると、シアリルトランスフェラーゼ反応は完了 するまで進行しうる。 実施例4 本例は、過アセチル化及びエステル化が後続する、実施例3で製造した三糖の 処理及び精製を例示する。 ラクトース(55g)に対する適当な補因子の存在下でのシアリルトランスフェ ラーゼの作用より生成したナトリウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ− α−D−グリセロ−D−ガラクトノヌロピラノシロネート−(2−3)−O−β −D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコピラノースの溶液 (2l)を紙で濾過した。その濾液を 3,000〜10,000分子量カットオフ値の膜に 通して、所望の製品からタンパク質を除去した。その溶出液を濃縮し、そして適 当な装置(Millipore,Bedford MA)において逆浸透膜に対して流すことにより脱 塩した。当該製品を含む抑留物を濃厚シロップとなるまでエバポレーションした 。任意的に、抑留物をキレート化性樹脂で処理して二価陽イオンを除去した。濾 過後、濾液は、塩を実質的に含まず、1Hmrスペクトルにより示される通り高い純 度で所望の製品を含んだ。そうでなければ、このシロップをピリジンと共に2回 エバポレーションした(2×200ml)。蒸発フラスコに、ピリジン(1.2L)中のN, N−ジメチルアミノピリジン(2.2g)の溶液を添加した。無水酢酸(0.83L)を 1時間かけて加えた。得 られる混合物を室温でゆっくり回転させながら24〜48時間放置した。反応を TLC により検定した(メタノール:ジクロロメタン 1:9)。反応完了後、真空を 適用し、そして溶液をエバポレーションして残渣を得た。 。 その残渣を酢酸エチル(1.5L)に溶かした。この溶液を5%の水性塩酸(1.5 L)、次いで飽和炭酸水素ナトリウム(1.5L)、そして最後に水(1.5L)で洗った 。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾かし、そして濾過した。その濾液を半固 形残渣となるまで濃縮した。パー−O−アセチル化ラクトン三糖(69g)をメタ ノール(350ml)に溶かし、そしてナトリウムメトキシド溶液(17.5ml、メタノー ル中25%の溶液)、次いで水(3.5ml)を加えた。イソプロパノール:水酸化アン モニウム:水 7:1:2により展開した TLCが反応の完了を示したら、酢酸( 2ml)をこの溶液に加えた。エチルエーテル(180ml)をこの溶液に加えて製品を 沈殿させた。この固体を濾過し、そして水(350ml)に溶かした。チャーコール(2 4g)をこの溶液に加え、そして60℃で1時間加熱した。この溶液を室温にまで 冷やし、そして濾過した。濾液のエバポレーションは固体製品(34g)を供した 。1Hmrスペクトルはこの固体が、11重量%の酢酸ナトリウムを含む純粋なシアリ ルラクトースであることを示した。 実施例5 本例は実施例3で製造した三糖の別の処理及び精製を提供する。 約50mlの上記実施例3由来の酵素反応混合物をシリカゲル上に収着させ、そし てクロマトグラフィー(シリカ:メタノール/酢酸エチル/酢酸/水 70/40/ 1.3 /5)を実施した。適当な画分を濃縮し、そして再びクロマトグラフィーに かけ(シリカ:メタノール/酢酸エチル/水;7/4/3)、濃縮を経て固体が 得られた。この固体を水(20ml)に溶かし、そしてpHを1MのNaHCO3でpH 7.4に 調整した。この溶液をクロマトグラフィーにかけ(SEPHADEX(登録商標)G−25 、20%のエタノール/水)、適当な画分を濃縮し、そしてその固体を水に再溶解 し、そして凍結乾燥して 1.4gの純粋なシアリルラクトースを得た。 本明細書に挙示する全ての公開物、特許及び特許出願はあたかも各公開物、特 許及び特許出願を引用することで本明細書に組込むように特別に且つ個別に表示 するかの如き、引用することで本明細書に組込む。 上記説明は例示であり、限定ではない。本発明の数多くのバリエーションは本 開示内容の参照により当業者に明らかとなるであろう。例えば数多くの基質、酵 素及び反応条件が、本発明の範囲を逸脱することなく本発明の一部としてグリコ シルトランスフェラーゼサイクルに代用できうる。従って、本発明の範囲は上記 の詳細な説明ではなく、請求の範囲のみにより決定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ラトクリフ,マーレイ アメリカ合衆国,カリフォルニア 92008, カールスバッド,スタンフォード ストリ ート 4362

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.受容体糖をシアル化するための方法であって: (a)以下を含んで成る反応媒体を用意する: (i)シアリルトランスフェラーゼ; (ii)触媒量の CMP−シアル酸シンセターゼ; (iii)シアル酸; (iv)前記シアリルトランスフェラーゼのための受容体糖; (v)CTP ;及び (vi)可溶性二価金属陽イオン;そして (b)前記可溶性二価金属陽イオンを補充して前記反応媒体の濃度が、前記受容 体のシアル化にとって十分な時間にわたり、約1mM〜約75mMに達するようにする ; ことを含んで成る方法。 2.前記反応媒体が、シアル酸のモル当り少なくとも2モルのリン酸供与体、 並びに触媒量のヌクレオシド三リン酸、シチジン一リン酸、前記リン酸供与体か らヌクレオシド二リン酸へとリン酸を移動させることのできるキナーゼ、及びヌ クレオシド三リン酸から CMPへと末端リン酸を移動させることのできるヌクレオ シド一リン酸キナーゼを含んで成る CMP−シアル酸リサイクル系を更に含んで成 る、請求項1記載の方法。 3.前記補充が不連続的である、請求項1記載の方法。 4.前記補充が連続的である、請求項1記載の方法。 5.前記可溶性二価金属陽イオンがMn++、Mg++、Ca++、Co++、Zn++及びその組 合せより成る群から選ばれる構成員である、請求項1記載の方法。 6.前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3)シアリルト ランスフェラーゼである、請求項1記載の方法。 7.前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,6)シアリルトランスフェラ ーゼである、請求項1記載の方法。 8.前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3)シアリルトランスフェラ ーゼであり、そして前記可溶性二価金属陽イオンがMn++である、請求項1記載の 方法。 9.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸である、請求項1記載の方 法。 10.前記受容体がラクトースである、請求項1記載の方法。 11.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸であり、そして前記受容体 がラクトースである、請求項1記載の方法。 12.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸であり、前記受容体がラク トースであり、前記ヌクレオシド三リン酸が ATPであり、前記リン酸供与体がホ スホエノールピルビン酸塩であり、前記キナーゼがピルビン酸キナーゼであり、 前記ヌクレオシド一リン酸キナーゼがミオキナーゼであり、前記可溶性二価金属 陽イオンがMn++であり、そして前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3) シアリルトランスフェラーゼである、請求項2記載の方法。 13.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸であり、前記受容体がラク トースであり、前記ヌクレオシド三リン酸が ATPであり、前記リン酸供与体がア セチルリン酸塩であり、前記キナーゼがアセテートキナーゼであり、前記ヌクレ オシド一リン酸キナーゼがミオキナーゼであり、前記可溶性二価金属陽イオンが Mn++であり、そして前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3)シアリルト ランスフェラーゼである、請求項2記載の方法。 14.前記反応媒体が前記反応媒体を約6〜約8のpH値に維持するためのバッフ ァーを更に含んで成る、請求項1記載の方法。 15.シアリルα2→3βガラクトシドの酵素的形成のための方法であって: (a)単一容器内において以下の成分を組合せて反応混合物を形成する: (i)触媒量のα(2,3)シアリルトランスフェラーゼ; (ii)触媒量の CMP−シアル酸シンセターゼ; (iii)シアル酸; (iv)ガラクトシル単位を有する前記α(2,3)シアリルトランスフェラー ゼのための受容体; (v)シアル酸のモル当り少なくとも2モルのリン酸供与体、並びに触媒量の ヌクレオシド三リン酸、シチジン一リン酸、前記リン酸供与体からヌクレオシド 二リン酸へとリン酸塩を移動させることのできるキナーゼ、及びヌクレオシド三 リン酸から CMPへと末端リン酸を移動させることのできるヌクレオシド一リン酸 キナーゼを含んで成る CMPリサイクル系;並びに (vi)可溶性二価金属陽イオンを約1mM〜約75mMの量で含み、且つ約6〜約8 のpH値を有する反応媒体; (b)前記反応混合物を約0℃〜約45℃の温度に維持する;そして (c)前記可溶性二価金属陽イオンを補充して、前記受容体(iv)がシアル化さ れ、そしてシアリルα2→3βガラクトシドが形成されるのに十分な時間にわた り、前記反応媒体の濃度が約1mM〜約75mMに達するようにする; ことを含んで成る方法。 16.前記可溶性二価金属陽イオンがMn++、Mg++、Ca++、Co++、Zn++及びその組 合せより成る群から選ばれる構成員である、請求項15記載の方法。 17.前記可溶性二価金属陽イオンがMn++である、請求項15記載の 方法。 18.前記シアル酸が5−N−アセチル−ノイラミン酸である、請求項15記載の 方法。 19.前記受容体がラクトースである、請求項15記載の方法。 20.前記シアル酸が5−N−アセチル−ノイラミン酸であり、そして前記受容 体がラクトースである、請求項15記載の方法。 21.前記形成されたシアリルα2→3βガラクトシドを回収することを更に含 んで成る、請求項15記載の方法。 22.前記回収が、シアリルα2→3βガラクトシド溶液の膜濾過を含んで成り 、前記膜が約 100〜約10,000の分子量カットオフ値を有する、請求項21記載の方 法。 23.前記回収が、シアリルα2→3βガラクトシド溶液の膜濾過を含んで成り 、前記膜が約 200〜約 1,000の分子量カットオフ値を有する、請求項21記載の方 法。 24.前記回収がシアリルα2→3βガラクトシド溶液のナノ濾過を含んで成る 、請求項21記載の方法。 25.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸であり、前記受容体がラク トースであり、前記ヌクレオシド三リン酸が ATPであり、前記リン酸供与体がホ スホエノールピルビン酸塩であり、前記キナーゼがピルビン酸キナーゼであり、 前記ヌクレオシド一リン酸キナーゼがミオキナーゼであり、そして前記可溶性二 価金属陽イオンがMn++である、請求項15記載の方法。 26.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸であり、前記受容体がラク トースであり、前記ヌクレオシド三リン酸が ATPであり、前記リン酸供与体がア セチルリン酸塩であり、前記キナーゼがアセテートキナーゼであり、前記ヌクレ オシド一リン酸キナーゼがミオキナーゼであり、そして前記可溶性二価金属陽イ オンがMn++で ある、請求項15記載の方法。 27.本質的に純度 100%の、請求項15の方法に従って製造されたN−アセチル ノイラミニル−ラクトース。 28.請求項15記載の方法に従って調製したベンジルシアリル−ラクトース。 29.請求項15記載の方法に従って調製したエチルシアリル−ラクトース。 30.薬理学的に許容される担体及び治療的に有効量の請求項27記載のN−アセ チルノイラミニル−ラクトースを含んで成る薬理組成物。
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