JPH11503320A - Hla−g検出用抗体 - Google Patents

Hla−g検出用抗体

Info

Publication number
JPH11503320A
JPH11503320A JP8530319A JP53031996A JPH11503320A JP H11503320 A JPH11503320 A JP H11503320A JP 8530319 A JP8530319 A JP 8530319A JP 53031996 A JP53031996 A JP 53031996A JP H11503320 A JPH11503320 A JP H11503320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hla
antibody
polypeptide
seq
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8530319A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェイ. フィッシャー、スーザン
リブラッチ、クリフォード
ダムスキー、キャロライン
ティー. マックマスター、マイケル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CARIFORNIA
Original Assignee
THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CARIFORNIA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CARIFORNIA filed Critical THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CARIFORNIA
Publication of JPH11503320A publication Critical patent/JPH11503320A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • C07K16/2833Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily against MHC-molecules, e.g. HLA-molecules
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70503Immunoglobulin superfamily
    • C07K14/70539MHC-molecules, e.g. HLA-molecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/34Identification of a linear epitope shorter than 20 amino acid residues or of a conformational epitope defined by amino acid residues

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 クラスI分子HLA−Gは侵入栄養膜細胞層によって特異的に発現される。HLA−Gに対して特異的な抗体を誘発する抗原およびこれらの抗原と結合する抗体を提供する。生物学的液体中のHLA−Gレベルの測定に関する方法もまた提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 HLA−G検出用抗体 本発明は、米国国立衛生研究所の許可HD-82903号の下、政府の支援を受けて行 われた。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。 発明の背景 妊娠に関する主要な問題は、胎児−胎盤セットが如何にして母体の免疫拒絶を 回避するかということである。妊娠期間を通して胎児と母体の細胞は相互に作用 しあうが、典型的には胎児は依然として排除されない特権的部位である。胎児と 母体の接触面にある細胞の特定の性状およびそれらの産物が、母体の免疫系によ る胎児の排除するのを防止するのに役立っているようである。 着床と胎盤の発達によってホ乳類の胚は母体の子宮と物理的に連結する。この 連結が確立されることがその後の発育に必須である。胚で生じる初期のこの発達 に関する事象によって、胎盤の前駆細胞である固有の胚体外細胞系が将来に向け て準備される。分化の最初の事象によって栄養膜が生じるが、栄養膜は物理的に 胚及び子宮を連結する胎盤の特殊化した上皮細胞である(着床と胎盤形成の周辺 における事象の包括的概説についてはクロスらの論文を参照のこと:Crossら、Sc ience 266:1508(1994))。 卵管での受精後、一連の細胞分裂によって全能の細胞集団(桑実胚)が生じる 。桑実胚の圧縮化後に、最初の分化が起こり胚盤胞の形成をもたらす。一連の複 雑な細胞間および細胞内シグナル発生に関する事象の流れの中で、栄養膜系の細 胞は桑実胚でのその位置にしたがって形成される。霊長類では、胚盤胞の着床は 胚盤胞が透明帯から生じた直ぐ後で起こる。 子宮は、卵巣のエストロゲンおよびプロゲステロンの産生によって大きく制御 される事象の結果として着床を受容するようになる。着床中に、栄養膜は受容性 を示す子宮の上皮に付着し、子宮内膜でいくつかの変化を誘導する。血管の変化 、例えば子宮の血管の透過性が増大し、炎症性細胞が着床部位に補充される。前 炎症性サイトカインが子宮で産生され、いくつかの細胞変化が生じる。例えば、 子 宮の上皮は失われ、子宮脱落膜細胞は類上皮遷移を起こして増殖し、ぶ厚く肥厚 した子宮壁をつくる。この脱落膜はまた多数のマクロファージ、リンパ球および 他の骨髄由来細胞を含む。これらの細胞は通常ではない特性、例えばアロ反応性 (alloreactivity)の低下およびCD3抗体による刺激に対する反応性を示す。 ヒトでは着床後、個々に区別できる分化栄養膜集団が形成される。増殖性栄養 膜細胞層の幹細胞は、2種類の絨毛膜絨毛内で支質中心部を取り巻く基底膜に固 定される。浮動性絨毛では、栄養膜層幹細胞は下層の基底膜から分離して融合し 、絨毛を覆い母体の血液と直接接触する合胞体(多核細胞)を形成する。固定絨 毛では、栄養膜細胞層幹細胞はそれらの基底膜から分離し、凝集して子宮脱落膜 (間隙侵入)およびその動脈系(血管内侵入)に付着し侵入する単核細胞柱を形 成することによって分化する。間隙侵入によって、栄養膜細胞層は妊娠中に子宮 に回帰する高度に特殊化された白血球サブセットと直接接触できる。血管内侵入 によって、栄養膜細胞層は(固定絨毛を覆う合胞体栄養膜と同様に)母体血液と 直接接触できる。したがって、栄養膜による母体−胎児接触面での抗原の表出は 、妊娠中の母体の免疫学的反応の重要な要素である。 MHCクラスI分子およびそれが表わすペプチドはアロ反応性を調節する(She rmanら、Annu.Rev.Immunol.11:385(1993))。したがって、胎児の半同種異系 移植片に対する母体の寛容を理解するキーの1つは、クラスI分子の栄養膜発現 を知ることに有るであろう。ヒトのMHCによってコードされる新規なクラスI 遺伝子を求めて、胎盤細胞によって発現される分子HLA−Gをクローニングし た(Geraghtyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:9145(1987))。この遺伝子は 、クラスIa遺伝子(HLA−A、−Bおよび−C)のイントロン/エクソン構 成と同一の構成を有し、HLA−Gタンパク生成物はクラスIのコンセンサス配 列と86%の配列同一性を有している(Parhamら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,85:4005(1988))。HLA−Gは、細胞質の尾部の6個のアミノ酸を除く全ての 欠落をもたらすエクソン6における終止コドンのゆえにクラスIaより小さい分 子量(37〜39kDa)を有する(Shimizuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:2 27(1988))。この遺伝子の5'側領域に関して、HLA−Gプロモーターは、クラ スIa遺伝子で見出される配列と同様な要素(例えばAP−1、NFκB)を有 す るが、インターフェロン応答要素を欠く。これは新規な転写調節メカニズムの存 在を示唆している。主要なHLA−G RNA転写物はまた特異的なスプライシ ングを受ける。完全な長さのmRNAの他に、エクソン2、エクソン2と3の両 方(Ishitani & Geraghty,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:3947(1992))または エクソン4(Kirszenbaumら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:4209(1994))の何 れかを欠く転写物が産生される。これら選択的なスプライシングを受けるmRN Aがどの程度翻訳されるかは明らかではない。最近になって、イントロン4を含 むmRNAによってコードされるHLA−Gの可溶形が報告された(Fujiiら、J. Immunol.153:5516(1994))。 一方、HLA−A、−Bおよび−Cは高度に多形性であるが、HLA−Gは比 較的低い多形性を示すようである。13人の個々人およびヒト絨毛癌(悪性栄養膜 )細胞系から得たHLA−Gの免疫沈降は二次元電気泳動で同一像を示した。こ れはこの遺伝子座における多形性の低下を示唆している。ゲノム配列とcDNA 配列の情報はまた、HLA−Gが比較的制限された多形性を有することを示して いる。しかしながら、最近の研究は、少なくともある集団(すなわちアフリカ系 アメリカ人)ではHLA−Gは相当な多形性を示すことを示唆している(van de r Ven & Ober,J.Immunol.153:5628(1994))。HLA−Gは内在性栄養膜ペプ チドと複合体を形成するのか、さらにこのことは多形性の程度によってどの様に 影響を受けるのかは明らかではない。 HLA−Gは妊娠していない成人では発現されず、妊娠診断の適切なマーカー となっている。本発明は、可溶性および膜結合性HLA−Gの両方に対する特異 的抗体を作製するための抗原を代表的な抗体とともに提供する。さらに、母体血 液のHLA−Gレベルは、栄養膜細胞層の侵入の強さとそれに対応する胎盤母体 接触面の健康度を示す。 HLA−Gは通常は成人では発現されないので、妊娠の診断とそのモニタリン グのために、さらに生物学的液体から栄養膜細胞層を検出するために理想的なマ ーカーである。しかしながら、成人で発現されるクラスIa分子とHLA−Gと の高度な類似性のために、HLA−Gに対する適切な抗体をデザインし、これを 得ることは以前は可能ではなかった。本発明は、HLA−Gに特異的な抗体を作 製することができる特異的エピトープ、代表的な抗体およびそれらの使用方法を 提供することによってこれらの問題を解決した。 発明の概要 本発明は、HLA−Gと特異的に結合する抗体を誘発するために用いることが できるポリペプチドを提供する。これらの抗体を用いて、例えば母体血液中の可 溶性HLA−Gレベルをモニターする。母体血液中の可溶性HLA−Gレベルは 妊娠診断、または胎児母体接触面の健康度をモニターするのに用いることができ る。 したがって、本発明は、ヒトHLA−Gタンパクのα1ドメインのアミノ酸残 基61〜83から本質的になるアミノ酸配列より選ばれる、連続した少なくとも5個 のアミノ酸を含む精製ポリペプチドを提供する。該ポリペプチドは、免疫原とし て提供されるときHLA−Gと特異的に結合する抗体の産生を誘発し、かつ該ペ プチドは、配列番号1のペプチドで完全に免疫吸着させたHLA−Gに対して作 製した抗血清とは結合しない。代表的なポリペプチドは、配列EEETRNTK AHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)からなるか又は本質的になるポ リペプチドである。これらのポリペプチドは、免疫原組成物の成分として有用で ある。ある種の態様として、このペプチドは、例えば免疫原担体(例えばカギア ナカサガイ(keyhole limpet)のヘモシアニン)のような付加ポリペプチドと共 有結合している。 本発明は、ヒトHLA−Gタンパクのα1ドメインのアミノ酸残基61〜83から 本質的になるアミノ酸配列より選ばれる、連続した少なくとも5個のアミノ酸を 含む上記のポリペプチドをコードする核酸を提供する。該ポリペプチドは、免疫 原として提供されるときHLA−Gと特異的に結合する抗体の産生を誘発し、か つ該ペプチドは、配列番号1のペプチドで完全に免疫吸着させたHLA−Gに対 して作製した抗血清とは結合しない。例えば、ある好ましい態様として、本発明 は、配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)と実 質的に同一であるポリペプチドをコードする。 HLA−Gのα1ドメイン内のサブ配列と特異的に結合する抗体、およびこれ らの抗体を作製する方法を提供する。ある種の態様として、この抗体はアミノ酸 配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)のサブ配 列と特異的に結合する。代表的な抗体として、本明細書に開示する1B8および 3F6が挙げられる。ポリクローナル抗体のほかにモノクローナル抗体も提供す る。 上記ポリペプチドをコードする核酸および抗体を含む組換え細胞もまた提供す る。代表的な細胞系として、1B8および3F6が挙げられる。 適切な種々の検出様式があり、これらにはELISA、RIA、ウェスタンブ ロットおよび他の免疫アッセイが含まれる。 本発明は、さらに上記の種々の要素を含むキットを提供する。 定義 特記しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的、学術的用語は、本発明 が属する分野で通常の技術を有する者が通常考えるものと同じ意味を有する。本 明細書に記載したものと類似するか又は等価ないずれの方法および材料も本発明 を実施または検査するために用いることが可能であるが、好ましい方法および材 料を説明する。本発明のために下記の用語を以下のように定義する。 “抗体”という用語は、1つもしくは複数の免疫グロブリン遺伝子またはその フラグメントによって実質的にコードされるポリペプチドを指す。既知の免疫グ ロブリン遺伝子として、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロ ンおよびミュー定常部遺伝子、並びに無数の免疫グロブリン可変部遺伝子が挙げ られる。軽鎖はカッパまたはラムダの何れかに分類される。重鎖はガンマ、ミュ ー、アルファ、デルタまたはイプシロンに分類され、それらは順次IgG、Ig M、IgA、IgDおよびIgEという免疫グロブリン型にそれぞれ規定される 。 典型的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位は四量体を有する。各四量体は2 つの同一なポリペプチド鎖ペアを含み、各ペアは1本の“軽鎖”(約25kD)お よび1本の“重鎖”(約50〜70kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識 能力をもつ約 100個から 110個のアミノ酸またはそれより多いアミノ酸の可変部 を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれこ れらの重鎖および軽鎖を指す。 抗体は、例えば完全な免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼの消 化によって産生した十分に性状が明らかな多くのフラグメントとして存在する。 したがって、例えばペプシンは、ちょうつがい領域のジスルフィド結合の下部で 抗体を消化してF(ab)'2を生じる。F(ab)'2は、それ自体ジスルフィド結合 でVH−CH1と結合した軽鎖であるFabの二量体である。F(ab)'2は穏やか な条件下で還元してちょうつがい領域のジスルフィド結合を破壊し、それによて F(ab)'2二量体をFab’単量体に変換できる。このFab’単量体は、本質 的にはちょうつがい領域の一部分をもつFabである(他の抗体フラグメントの より詳細な説明についてはFundamental Immunology第3版(この文献は参考とし て本明細書に含まれる)(W.E.Paul編、Raven Press 刊、ニューヨーク(1993)) を参照されたい)。種々の抗体フラグメントは無傷の抗体の消化を基に規定され ている一方、当業者にはそのようなFab’フラグメントは化学的にまたは組換 えDNAの手法によって新たに合成できることは理解されよう。したがって、本 明細書で用いられるとき、抗体という用語はまた、無傷の抗体を修飾することに よって生成した抗体フラグメント、または組換えDNA手法を用いて新たに合成 したものを含む。 “生物学的サンプルまたは液体”という用語は、生きた生物体由来の材料を指 し、例えば血液、頸管膣分泌物、羊水、臍帯血、尿、組織、骨および細胞が含ま れる。 本明細書で用いる“血液サンプル”という用語は、全血および当業者に周知の 全血誘導体を含む。したがって、血液サンプルには、血漿もしくは血清のような 種々の分画された血液形態および全血、又は貯蔵もしくは特定のアッセイでの処 理を容易にするために添加される種々の希釈剤をさらに含む分画血液が含まれる 。そのような希釈剤は当業者には既知で、種々の緩衝液、抗凝固剤、保存料など が含まれる。 “HLA−G”という用語はヒト白血球抗原Gを指し、特記しない限り、可溶 形と不溶形の双方が含まれる。この用語はそれぞれの文脈で抗原またはその遺伝 子座の何れかを指す。 “イムノアッセイ”とは、分析物と特異的に結合する抗体を利用するアッセイ である。イムノアッセイは、分析物を分離するか、目標として狙うかまたは定量 するために特定の抗体の特異的な結合特性を用いるという特徴を有する。 “単離した”、“精製した”または“生物学的に純粋”とは、天然の状態で見 出されるようにある物質に通常付随する成分を実質的または本質的に含まない物 質を指す。 “核酸”とは、一本鎖または二本鎖型のデオキシリボヌクレオチドまたはリボ ヌクレオチドポリマーを指し、また特に限定がなければ、天然に生じるヌクレオ チドと同様な態様で機能することができる天然のヌクレオチドの既知類似体をも 包含する。 “核酸プローブ”とは、核酸の特異的な配列またはサブ配列と結合する分子を 指す。プローブは、好ましくは標的核酸の完全な配列またはサブ配列と相補的な 塩基対を介して結合する核酸である。プローブは、このプローブとの完全な相補 性を欠く標的配列とハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー(string ency)に応じて結合することができることは当業者には理解されよう。好ましく はこのプローブを、例えば同位元素、発色原子団、発光原子団、色素原で直接に 標識化するか、または例えばビオチン(これに後でストレプトアビジン複合体が 結合することができる)で間接的に標識化する。該プローブの有無を調べること によって、選別しようとする配列またはサブ配列の有無を検出することができる 。 “ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク質”という用語は、アミノ 酸残基ポリマーを指すべく本明細書で用いられる。これらの用語は、天然に生じ るアミノ酸ポリマーと同様に、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸 の人工的、化学的類似体であるアミノ酸ポリマーにも用いられる。 “標識”とは、分光顕微鏡的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的 手段によって検出できる組成物である。有用な標識として、例えば32P、蛍光色 素、高電子密度試薬、酵素(例えばELISAで通常用いられるもの)、ビオチ ン、ジオキシゲニン、または抗血清もしくはモノクローナル抗体が利用可能なハ プテンおよびタンパク質(例えばペプチドEEETRNTKAHAQTDRMN LQTLRG(配列番号1)は、例えば放射性標識を該ペプチドに取り込ませる ことによって検出することができ、該ポリペプチドと特異的に反応する抗体を検 出するために用いることができる)が挙げられる。 “標識化核酸プローブ”とは、プローブに結合した標識の存在を検出すること によってプローブの存在を検出できるように、リンカーを介する共有結合、また はイオン結合、ファン・デル・ワールス力もしくは水素結合のいずれかによって 標識を結合させた核酸プローブである。 “組換え体”という用語は細胞に関して用いられる場合は、該細胞にとって外 来性起源を有する核酸を含む細胞を指す。したがって、例えば組換え細胞は、該 細胞の天然型(非組換え体)には見出されない遺伝子を複製および/または発現 する。 2つの核酸配列またはポリペプチド配列について、“同一”という用語は、こ の2つの配列を最大に一致するように並べたとき同一である2つの配列の残基に ついていう。比較のための配列の最適な並べ方は、例えばスミスとウォーターマ ンの局所相同性アルゴリズム(Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981) )、ニードルマンとウンシュの相同配列アルゴリズム(Needleman & Wunsch,J. Mol.Biol.48:443(1970))、ピアソンとリップマンの類似性検索法(Pearson & Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:2444(1988))、これらアルゴリズムの コンピュータ処理(ウィスコンシン・ジネティクス・ソフトウェア・パッケージ (Genetics Computer Group,575 Science Dr.,マジソン、ウィスコンシン)の GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)または精査によって 実施することができる。これらの文献は参考として本明細書に含まれる。 ポリペプチドについて“実質的に同一”または“実質的に類似”とは、ポリペ プチドが、対象配列と少なくとも80%の配列同一性、好ましくは90%、より好ま しくは95%の配列同一性を約20個のアミノ酸の比較ウィンドーにわたって有する 配列を含むことを意味する。2つのポリペプチド配列が実質的に同一であるとい う場合は、1つのペプチドが、第二のペプチドに対して作製された抗体と免疫学 的に反応することを示唆する。したがって、この2つのペプチドが保存的置換に よってのみ互いに相違する場合、このポリペプチドは第二のポリペプチドと実質 的に同一である。 2つの核酸配列が実質的に同一である場合、第一の核酸がコードするポリペプ チドは第二の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応する ことを示唆する。 さらに、2つの核酸が実質的に同一である場合、この2つの分子はストリンジ ェント条件下で互いにハイブリダイズすることを示唆する。ストリンジェント条 件は配列に左右され、環境パラメーターが変われば異なってくるであろう。一般 に、ストリンジェント条件は、限定されたイオン強度とpHにおける特定の配列 融解温度(Tm)よりも約5℃から20℃低くなるように選択される。Tmは、(所 定のイオン強度とpH下で)50%の標的配列が完全に適合するプローブとハイブ リダイズする温度である。しかしながら、ストリンジェント条件下で互いにハイ ブリダイズしない核酸も、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であ るならば依然として実質的に同一である。これは、例えば核酸コピーが遺伝暗号 によって許容される最大のコドン縮退を用いて作製されるときに生じる。 “特異的に結合する”、“特異的にハイブリダイズする”または“特異的に免 疫反応する”という語句は抗体に関していう場合、タンパク質および他の生物学 的物質の異種集団の存在下で該タンパク質の存在を決定しえる結合反応を指す。 したがって、定められたイムノアッセイ条件下で、特定の抗体はもっぱら特定の タンパク質と結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質と顕著な量では結合 しない。そのような条件下でタンパク質と特異的に結合するためには、特定のタ ンパク質に対するその特異性について選択された抗体が必要となる。例えば、配 列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)を含むタン パク質(例えばHLA−G)と特異的に結合し、血液サンプル中に存在する他の タンパク質とは結合しない抗体は、ペプチドEEETRNTKAHAQTDRM NLQTLRG(配列番号1)に対して作製することができる。特定のタンパク 質と特異的に免疫反応する抗体を選別するには、種々のイムノアッセイ様式が適 している。例えば、固相ELISAイムノアッセイはタンパク質と特異的に免疫 反応するモノクローナル抗体を選別するために日常的に用いられる。特異的な免 疫反応性を調べるために用いることができるイムノアッセイ様式とその条件につ いてはハーロウとレーンの文献を参照されたい(Harlow & Lane(1988)、Antibod y: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications 刊、ニューヨーク )。 命名に関する註記:個々の抗体および該抗体を産生する細胞はしばしば同じ名 称で呼ばれる。例えば、モノクローナル抗体1B8は、永代細胞系1B8によっ て産生される。 詳細な説明 ヒト胎盤栄養膜は母体−胎児接触面に存在し、母体の胎児寛容を仲介する。こ の仲介の中心は栄養膜の通常ではないMHCクラスIの発現である。栄養膜はク ラスIaの産生を抑制する一方、クラスIb分子、HLA−Gを発現する。 HLA−Gタンパクのα1ドメインのアミノ酸61〜83の領域に対応する合成ペ プチドを用いて、HLA−Gと特異的に結合するモノクローナル抗体を作製した 。このエピトープは構造的エピトープではなく直線状エピトープであるという利 点を有し、変性させることなく抗体に用いることができる。このエピトープは強 い抗原性を有し、全ての型のHLA−Gを検出できる高力価、高結合性抗体を生 じる。本発明以前には、この合成ペプチドがHLA−Gに対して特異的であるか 否か、または天然のHLA−Gの構造はこの領域に抗体が結合することを許容す るか否かを知る方法はなかった。したがって、本発明以前には、合成ペプチドに 対する抗体が作製できるか否か、または作製されたいずれの抗体がHLA−Gに 結合しえるかを知る方法はなかった。本発明は、HLA−Gのα1ドメインのア ミノ酸61〜83の領域に対応するペプチドに対して抗体を作製し、さらにこれらの 抗体がHLA−Gと特異的に結合することを示す。 抗体の特異性は、絨毛癌細胞由来のHLA−Gの免疫親和性精製によって明ら かにされた。分化の全段階の栄養膜細胞層を含む母体−胎児接触面の組織片とこ れらの抗体をインキュベートしたところ、子宮に侵入した栄養膜細胞層のみがH LA−Gを発現することがわかった。本明細書に示すインビトロ実験は、妊娠初 期の栄養膜細胞層の幹細胞を培養したとき、それらは侵入経路の道筋にしたがっ て迅速に分化してHLA−G産生のアップレギュレーションを生じることを示し ている。 インビトロでの侵入能が低下している妊娠終了期胎盤から得た栄養膜細胞層は また、インビトロでHLA−Gタンパク質発現をアップレギュレーションさせる 能力が低下していた。高い侵入能をもつ第一期および第2期トリメスターの胎盤 から単離した栄養膜細胞層で、高レベルのHLA−G mRNAが検出された。 これに較べて、妊娠終了期細胞はHLA−GmRNAのレベルが極めて低下して いた。総合すると、これらの結果は、HLA−G産生は侵入経路にしたがって栄 養膜細胞層が分化するための構成要素であることを示している。 本発明は、HLA−Gを特異的に認識する抗体の作製と使用の方法および組成 物を提供する。これらの抗体は、インビボおよびインビトロでの栄養膜のHLA −Gの発現を測定するために用いられる。これらの結果は、HLA−G産生は栄 養膜の分化の必須部分としてアップレギュレーションを受けることを示している 。一般的技術 クローニング、PCR、LCR、TAS、3SRおよびQB増幅 本発明は、他の技術、例えばPCR、TAS、3SR、QB増幅およびクロー ニングと合わせて用いて、生物学的サンプル中のいずれの核酸も増幅させること ができる。本発明の核酸は、HLA−Gに特異的であるHLA−Gα1ドメイン 領域、即ち他のクラスI分子と少なくとも類似性を示すα1ドメイン領域をコー ドする。好ましい態様として、HLA−Gタンパク質のα1ドメインのアミノ酸 残基61〜83をコードする核酸の隣接領域を増幅用プライマー結合部位として用い ることができる。生成物を通常の発現系と組み合わせて用いて、抗体産生用抗原 を得る目的で配列番号1のペプチドを製造することができる。 特に、本発明の核酸は、クローニングするか、またはポリメラーゼ連鎖反応( PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写型増幅系(Transcription Based Amplification System,TAS)、自家保定型配列複製系(Self-Sustained Seq uence Replication System,3SR)およびQβレプリカーゼ増幅系(QB)な どのインビトロ法によって増幅させることができる。多様なインビトロ増幅法、 クローニング系および発現系が当業者に知られている。このような技術の例およ び多くのクローニング演習によって当業者を指導するために十分な手引きは以下 の文献で見出されるであろう:Berger & Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques、Methods in Enzymology 152、Academic Press,Inc.刊、サンディ エゴ、カリフォルニア(Berger); Sambrookら、Molecular Cloning: A Laborator y Manual第2版、1−3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)、Cold Sp ring Harbor Laboratory Press刊、ニューヨーク(Sambrookら);Current Protoco ls in Molecular Biology、F.M.Ausubelら編(“Current Protocols”はGreene Publishing Associates,Inc.とJohn Wiley & Sons,Inc.との合同事業である) (増補(1994))(Ausubel); Cashionら、米国特許第 5,017,478号; Carr,欧州特許 第 0,246,864号。インビトロの増幅技術をとおして当業者を指導するために十分 な技術の例はバーガー(Berger)、サンブルック(Sambrook)、およびオースベル(A usubel)の論文の他に以下の文献で見出されるであろう。Mullisら、米国特許第 4,683,202号(1987);PCR Protocols A Guide to Methods and Applications(Inn isら編)Academic Press,Inc.刊、サンディエゴ、カリフォルニア(1990)(Innis) ; Arnheim & Levinson(1990年10月1日)C&EN36-47; The Journal of NIH Resear ch(1991),3:81-94; Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:1173(1989); Gu atelli ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1847(1989);Lomellら、J. Clin. Chem 35:1826(1989); Landegrenら、Science 241:1077-1080(1988); Van Brunt ,Biotechnology 8:291-294(1990); Wu & Wallace,Gene 4:560(1989);及び Bar ringerら、Gene 89:117(1990)。 配列番号1のペプチドの合成または化学的製造手段もまた周知である。自動ペ プチド合成装置も種々の販売元から市販入手可能である。HLA−Gに対する抗体 個体間差異、対立遺伝子座による差異、株間差異または種による差異をもつ変 種とそれらのフラグメントを含む本発明のポリペプチドに対する抗体を、天然( 完全な長さをもつ)型および組換え型で作製することができる。さらに抗体は、 天然の形状または人工の形状のいずれかをとるこれらのペプチドに対して作製す ることができる。抗イディオタイプ抗体もまた用いることができる。多くの抗体 作製方法が当業者に知られている。利用可能な技術の一般的概要として以下の考 察を提示するが、当業者には以下の方法について多くの変型が知られていること は理解されよう。 a.抗体製造 多くの免疫原を用いてHLA−Gポリペプチドと特異的に反応する抗体を製造 することができる。ヒトHLA−Gタンパク質(EEETRNTKAHAQTD RMNLQTLRG(配列番号1))のα1ドメインのアミノ酸残基61〜83の領 域を含む組換えまたは合成ポリペプチドは、モノクローナル抗体またはポリクロ ーナル抗体の製造のための好ましいポリペプチド免疫原である。しかしながら完 全なHLA−G部分またはそのサブ配列(特にHLA−Gのα1ドメイン;Gera ghtyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:9145(1987)を参照のこと)も抗原と して用いることができる。得られた抗体を、本明細書で述べる種々の競合的およ び非競合的結合アッセイで、特に競合物としてのペプチドEEETRNTKAH AQTDRMNLQTLRG(配列番号1)に対して得られた抗体を用いて、H LA−G特性についてスクリーニングすることができる。天然に生じるポリペプ チドもまた精製型または非精製型のいずれかで用いることができる。 ポリペプチドを、真核細胞もしくは原核細胞で発現させるかまたは化学的に合 成し、さらに標準的技術を用いて精製する。このポリペプチドまたはその合成型 を抗体を産生することができる動物に注射することができる。該ポリペプチドの 有無および量を測定するその後のイムノアッセイで使用するために、モノクロー ナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかを作製することができる。 ポリクローナル抗体を製造する方法は当業者には既知である。簡単に記せば、 免疫原、好ましくは精製ポリペプチド、適切な担体(例えばカギアナカサガイヘ モシアニン)に共役させたポリペプチド、または組換えワクシニアウイルス(米 国特許第 4,722,848号参照)に組み込んだポリペプチドのような免疫ベクターを アジュバントと混合し、この混合物で動物を免疫化する。この免疫原調製物に対 する動物の免疫反応は、検査血液を採取して問題のポリペプチドに対する反応力 価を求めることによってモニターする。この免疫原に対して適切な強さの力価を もつ抗体が得られたとき、動物から血液を採集して抗血清を調製する。所望の場 合には当該ポリペプチドに反応する抗体を豊富に含むようにさらに抗血清を分画 する。例えば、Coligan、Current Protocols in Immunology(1991)、Wiley/Gree ne刊、ニューヨーク; Harlow & Lane、Antibodies: A Laboratory Manual(1989) 、Cold Spring Harbor Press刊、ニューヨークを参照されたい。これらは参考と して本明細書に含まれる。 予め定めたポリペプチドフラグメントに対する、結合フラグメントおよびその 単鎖組換え体を含む抗体は、上記のようなフラグメントと担体タンパク質との共 役物で動物を免疫化することによって作製することができる。典型的には問題の 免疫原は少なくとも約3個のアミノ酸のペプチドであり、より典型的には該ペプ チドは長さが5個以上のアミノ酸である。該ペプチドは典型的には担体タンパク 質に共役されるか、または免疫ベクター内で組換え体として発現される。抗体が 結合するペプチド上の抗原決定基は典型的には長さが3個〜10個のアミノ酸であ る。 モノクローナル抗体は所望の抗体を分泌する細胞から調製される。正常または 改変ポリペプチドへの結合について、または作動薬もしくは拮抗薬活性、例えば 膜結合性HLA−Gを介して仲介される活性についてこれらの抗体をスクリーニ ングすることができる。特異的なモノクローナルおよびポリクローナル抗体は通 常、KDが少なくとも約 500μMであり、最も好ましくは少なくとも約1μMま たはそれより低い濃度で結合するであろう。 いくつかの事例では、マウス、ゲッ歯類、霊長類などの種々のホ乳類ホスト由 来のモノクローナル抗体を調製することができる。そのようなモノクローナル抗 体を調製する技術についての説明は例えば以下の文献で見出される。Stitesら編 、Basic and Clinical Immunology 第4版、Laneg Medical Publications刊、ロ スアントス、カリフォルニア、およびその中に引用された文献;Harlow & Lane, 上掲書; Goding、Monoclonal Antibodies: Principles and Practice第2版(198 6)、Academic Press刊、ニューヨーク、ニューヨーク; Kohler & Milstein,Nat ure 256:495-497(1975)。簡単に要約すると、この方法は動物に免疫原を注射す ることを必要とする。続いてこの動物を屠殺し、その脾臓から細胞を採取し、続 いてこれら細胞をミエローマ細胞と融合させる。その結果、インビトロで増殖可 能なハイブリッド細胞即ち“ハイブリドーマ”が得られる。続いてこのハイブリ ドーマ集団をスクリーニングし個々のクローンを単離する。これらのクローンの 各々は該免疫原に対してただ1種の抗体を分泌する。このようにして得られた個 々の抗体種は、免疫誘発物質上に認識される特異的部位に反応して産生された該 免疫動物の単一B細胞の永代化クローンの生成物である。 別の永代化法にはエプスタインバーウイルス(Epstein Barr Virus)、腫瘍遺 伝子、もしくはレトロウイルスによる形質転換、または当技術分野で既知の他の 方法が含まれる。ただ1つの永代化細胞から生じたコロニーを、抗原について所 望の特異性と親和性をもつ抗体産生についてスクリーニングする。そのような細 胞によって産生したモノクローナル抗体の収量は、脊椎動物の腹腔への注入を含 む種々の技術によって高められる。本発明のポリペプチドおよび抗体は変更を加 え、または変更を加えることなく用いられ、ヒト化ネズミ抗体などのキメラ抗体 が含まれる。 他の適切な技術は、ファージまたは同様なベクターでの組換え抗体ライブラリ の選別を伴う。Huseら、Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda、Science 246:1275-1281(1989); 及びWardら、Nature 341:544-546(1989)を参照されたい。 ポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質と共有結合的 にまたは非共有結合的に結合させることによってしばしば標識化される。広範な 標識および共役技術が知られており、学術文献および特許文献の両方で詳細に報 告されている。適切な標識には放射性ヌクレオチド、酵素、基質、補助因子、抑 制物質、蛍光分子団、化学発光分子団、及び磁性粒子などが含まれる。そのよう な標識の使用を開示する特許には、米国特許第 3,817,837号、同 3,850,752号、 同 3,939,350号、同 3,996,345号、同 4,277,437号、同 4,275,149号および同 4 ,366,241号が含まれる。組換え免疫グロブリンもまた製造することができる。Ca bolly、米国特許第 4,816,567号; 及びQueen ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,86:10029-10033(1989)を参照のこと。 本発明の抗体はまた、HLA−Gポリペプチドを単離するために親和性クロマ トグラフィーで使用できる。カラムは、例えば固相支持体(例えばアガロース、 セファデックスなどの粒子)に結合させた抗体を用いて調製される。このカラム に細胞溶解物を通して洗浄し、さらに穏やかな変性剤の濃度を高めながら処理し それによって精製HLA−Gポリペプチドを遊離させる。 この抗体を用いて、HLA−Gなどの特定の発現産物について発現ライブラリ ーをスクリーニングするか、又はHLA−G発現細胞の位置を確認するために組 織学的検査に用いることができる。そのような工程で使用する抗体は通常、抗体 結合により抗原の存在を容易に検出できる分子団で標識化される。 b.イムノアッセイ 生物学的サンプルのHLA−Gの濃度を、種々のイムノアッセイ法で測定でき る。一般的な免疫学的およびイムノアッセイ関連方法に関する概要について、例 えばSites & Terr編、Basic and Clinical Immunology 7版(1991)を参照された い。さらに、本発明のイムノアッセイは、幾つかの形態のいずれ(例えば次の文 献に概括されているもの)においても実施できる。Maggio編、Enzyme Immunoass ay、CRC Press 刊、Boca Raton,フロリダ(1980);Tijan(1985)、Practice and Theory of Enzyme Immunoassays: Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology、Elsevier Science Publishers B.V.刊、アムステルダム; Harlow & Lane,上掲書; Chan 編(1987)、Immunoassay: A Practical Guide、Aca demic Press刊、Orlando、フロリダ; Price & Newman編(1991)、Principles and Practice of Immunoassays、Stockton Press刊、ニューヨーク; Ngo 編(1988) 、Non-isotopic Immunoassays、Plenum Press刊、ニューヨーク。 イムノアッセイでは、捕捉剤と分析物によって形成される結合複合体に特異的 に結合しこれを標識する標識剤がしばしば利用される。この標識剤自体は、抗体 /分析物複合体を含む部分の1つであろう。したがって、この標識剤は標識化H LA−Gペプチドであるか、または標識化抗HLA−G抗体であろう。また、こ の標識剤は、抗体/HLA−G複合体と特異的に結合する第三の部分(例えばま た別の抗体)、またはHLA−Gペプチドもしくは抗HLA−G抗体に共有結合 している修飾捕捉団(例えばビオチン)と特異的に結合する第三の部分であろう 。 好ましい態様として、この標識剤は捕捉剤(抗HLA−G)と特異的に結合す る抗体である。そのような薬剤は当業者には周知で、最も代表的なものにはこの 捕捉剤が得られた特定の動物種の抗体と特異的に結合する標識化抗体が含まれる 。したがって、例えば該捕捉剤がマウス由来抗ヒトHLA−G抗体である場合、 この標識剤はヤギ抗マウスIgG、すなわちマウス抗体の定常部に対して特異的 な抗体である。 免疫グロブリンの定常部と特異的に結合することができる他のタンパク質、例 えばストレプトコッカスタンパク質Aまたはタンパク質Gもまた標識薬剤として 用いられるであろう。これらのタンパク質は、ストレプトコッカス細菌の細胞壁 の通常の構成部分である。それらは、多様な種の免疫グロブリンの定常部と強い 非免疫学的反応性を示す。概論として、Kronval ら、J.Immunol.111:1401-140 6(1973);及び Akerstromら、J.Immunol.135:2589-2542(1985)を参照のこと。 アッセイを通して、インキュベーションおよび/または洗浄工程は試薬を組み 合わせた後に必要とされるであろう。インキュベーション工程は、約5秒〜数時 間、好ましくは約5分〜約24時間と変動しうるであろう。しかしながら、インキ ュベーション時間はアッセイ様式、分析物、溶液の体積、濃度などに左右される であろう。通常、アッセイは周囲温度で実施されるが、ある範囲の温度、例えば 5℃〜45℃の範囲で実施することができる。 (i)非競合アッセイ様式 HLA−Gを検出するイムノアッセイは競合的、非競合的のいずれでもよい。 非競合的イムノアッセイは、捕捉分析物(この場合はHLA−G)の量が直接測 定されるアッセイである。例えば好ましい“サンドイッチアッセイ”の例では、 捕捉剤(抗HLA−G抗体)は、それら抗HLA−G抗体が固定される固形基礎 材に直接結合させることができる。続いてこれら固定抗体は被験サンプル中に存 在するHLA−Gを捕捉する。このようにして固定されたHLA−Gをその後、 第二の標識運搬HLA−G抗体などの標識剤と結合させる。また、第二のHLA −G抗体は標識を欠くが、第二の抗体が得られた動物種の抗体に対して特異的な 第三の標識抗体にそれに代わって結合させてもよい。 HLA−G検出用および/または定量用サンドイッチアッセイを構築できる。 上記のように、固定された抗HLA−Gは、配列番号1によって表されるエピト ープを介してサンプル中に存在するHLA−Gと特異的に結合する。続いて、第 二の標識化抗HLA−G(必ずしもHLA−G特異的ではない)がこの結合HL A−G分子と結合する。未結合標識化抗体を洗い流し、残存する結合標識化抗H LA−Gを検出する(例えば標識が放射性である場合、γ線検出器を用いる)。 (ii)競合アッセイ様式 競合アッセイにおいて、サンプル中に存在する分析物(HLA−G)の量は、 サンプル中に存在する分析物によって捕捉剤(抗HLA−G抗体)にとってかわ る(または競合される)(外から)添加された分析物の量を測定することによっ て間接的に測定される。競合アッセイの1つでは、既知量の分析物をサンプルに 添加し、このサンプルを捕捉剤、この場合において、該分析物と特異的に結合す る抗体と接触させる。該抗体と結合した分析物の量は、サンプル中に存在する分 析物の濃度に反比例する。 特に好ましい態様として、この捕捉剤を固形基礎材に固定する。捕捉剤に結合 したHLA−Gの量は、HLA−G/抗体複合物中に存在するHLA−G量を測 定するか、また残存する非結合HLA−G量を測定することによって求めること ができる。HLA−G量は標識化HLA−Gを提供することによって検出できる 。 ハプテン抑制アッセイは、その他の好ましい競合アッセイである。このアッセ イでは、既知の分析物、この場合はHLA−Gを固形基礎材に固定する。既知量 の抗HLA−G抗体をサンプルに添加し、続いてこのサンプルを固定HLA−G と接触させる。この場合、固定HLA−Gと結合した抗HLA−G抗体の量は、 サンプル中に存在するHLA−G量と比例する。また、固定された抗体量は、抗 体の固定分画または溶液中に残存する抗体分画のいずれかを検出することによっ て測定できる。検出は、抗体が標識されている場合は直接的であってもよく、ま た上記のように該抗体に特異的に結合する標識化部分を続いて添加することによ って非直接的に実施してもよい。HLA−Gペプチドのアッセイ HLA−Gペプチドは、抗体および抗血清に対するその結合特性によってその 範囲を定めることができる。本明細書の定義の項で述べたように、2つのペプチ ドが実質的に類似していることは、それらがともに同じ1つの抗体または複数の 抗体と特異的に結合することを示唆している。逆に、ペプチドが実質的に類似し ているならば、1つのペプチドは第二のペプチドと特異的に結合しない抗体とは 特異的に結合しない。したがって、本発明のペプチドは、本明細書で述べる種々 のイムノアッセイでのその結合特性によって、その範囲を定めることができる。 例えば、もはや配列番号1のペプチドと結合しなくなるまで配列番号1のペプチ ド(EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)で免疫吸 着させたHLA−Gに対して作製した抗血清は、配列番号1のペプチドと実質的 に同一であるペプチドとは反応しないであろう。配列番号1のペプチドともはや 特異的に結合しなくなるまで配列番号1のペプチドで免疫吸着させた抗血清は、 “完全に免疫吸着された”と称される。 これらのイムノアッセイで使用する抗血清を製造するために、HLA−Gを用 いて、BALB/cのような同系株由来マウスを、フロイントのアジュバントな どの標準的なアジュバントと標準的なマウス免疫プロトコル(Harlow & Lane、上 掲書参照)により免疫化する。また、HLA−G由来であり、かつ配列を含む担 体タンパク質又はペプチドベクターと結合させた合成ペプチドを免疫原として用 いてもよい。ポリクローナル血清を採集し、本明細書で述べるようなイムノアッ セイで免疫原タンパク質に対する力価を測定する。そのようなイムノアッセイは 、例えば固形支持体に固定された免疫原(例えばHLA−G合成ペプチド)によ る固相イムノアッセイである。104またはそれより高い力価をもつポリクローナ ル抗血清を選択し、例えばHLA−Gとは無関係な一般的な競合物質(例えばウ シ血清アルブミン)を用いて上記のような競合結合イムノアッセイを用いて、H LA−Gとの結合能について検査する。HLA−Gと結合する抗血清を問題のペ プチド、即ち配列番号1のペプチドと実質的に同一であるペプチドの性状を決定 するために選択する。 その後、配列番号1と標的ペプチド間の交差反応性を決定するのに競合結合様 式のイムノアッセイを用いる。例えば、配列番号1のタンパク質を固形支持体に 固定して、これを用いて抗血清から配列番号1のペプチドと特異的に結合する抗 体を単離することができる。その後、抗血清プールから単離した抗体と結合する ことができる標的タンパク質の結合能力と、配列番号1のペプチドと結合する抗 体を取り除いた抗血清プールと結合することができる標的タンパク質の結合能力 とを、配列番号1のペプチドについて観察された能力と比較する。標的ポリペプ チドと配列番号1のペプチドが、免疫吸着ポリクローナル抗血清(配列番号1の ペプチドと特異的に結合しない抗血清)と免疫吸着工程中に単離した抗体(配列 番号1のペプチドと結合する抗血清)の両方に対して、この系の実験誤差(+10 %または−10%)内で同じ親和性を有する場合、これらポリペプチドは実質的に 同一である。この系の実験誤差は、ある実験から次の実験、即ち同一のポリペプ チドは同じ抗体結合特性を有し、一切の相違はこの系の実験誤差として現れるコ ントロールとして同一のポリペプチドを用いることによって、モニターすること ができる。可溶性HLA−Gのアッセイ A.サンプルの採集と処理 可溶性HLA−Gは、患者から得た生物学的サンプルで定量化するのが好まし い。特に好ましい生物学的サンプルとして、血液および子宮頸部膣分泌物が挙げ られる。米国特許第 5,096,830号には診断用アッセイサンプルとして子宮頸部膣 分泌物が記載され、そのようなサンプルの採取手段が提供されている。 好ましい態様として、HLA−Gは全血または血漿もしくはは血清などの血液 誘導体で定量化する。血液サンプルは、当業者に周知の標準的な方法にしたがっ て、もっとも典型的には静脈穿刺によって患者から単離する。 サンプルは、必要に応じて適切な緩衝液で希釈するか、または所望の場合は濃 縮して予備処置を行うことができる。生理的pHのリン酸緩衝液またはトリス緩 衝液などの多様な緩衝液を利用して、多数の標準的な水性緩衝液のいずれも用い ることができる。 B.HLA−Gの定量 HLA−Gは、当業者に周知の多くの手段のいずれかによって検出および定量 することができる。これらの手段には、電気泳動、毛細管電気泳動、高速液体ク ロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、及び高拡 散クロマトグラフィーなどの分析生化学的手法並びに液体又はゲル沈降反応、免 疫拡散(単層または重層)、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、 酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、及び免疫蛍光アッセイなど種々の免 疫学的手法が含まれる。 生物学的サンプル(例えば血清)中の可溶性HLA−Gレベルが低い(例えば 1〜 100nM)場合、ラジオイムノアッセイ(RIA)および毛細管電気泳動が 可溶性HLA−Gレベルをモニターするのに好ましい方法である。ある種の態様 として、アッセイを実施する前に例えば非HLA−G成分を除去することによっ てこの生物学的サンプルの可溶性HLA−Gの濃度を高める。上記技術を実施す る前に生物学的サンプルを分画して、可溶性HLA−G検出のために上記の全て のアッセイ感度を高めることがしばしば必要となる。例えば、可溶性HLA−G を他の生物学的成分から最初に大雑把に単離するために、この生物学的サンプル の適切な遠心沈殿、濾過、カラムクロマトグラフィーまたは等張性洗浄を行って もよい。さらに、生物学的サンプルのある種の非HLA−G成分は本明細書で述 べる技術を用いて特に除去することができるが、その場合には、非HLA−G成 分に対して特異的な捕捉剤を用いてこれら非HLA−G成分をサンプルから除去 する。例えば、赤血球は、免疫吸着または親和性クロマトグラフィーによって血 液を含む生物学的サンプルから特に除去することができる。 C.非特異的結合の減少 当業者には、イムノアッセイおよび分析物精製において非特異的結合を減少さ せることがしばしば必要となることは理解されよう。アッセイが固形基礎材に固 定した抗原、抗体または他の捕捉剤を必要とする場合は、この基礎材への非特異 的結合の量を最小限にすることが望ましい。そのような非特異的結合を減少させ る手段は当業者には周知である。典型的には、この手段は、該基礎材をタンパク 質性組成物で被覆することを含む。特に、ウシ血清アルブミン(BSA)、脱脂 粉乳およびゼラチンなどのタンパク質組成物が広く用いられる。 D.他のアッセイ様式 ウェスタンブロット分析を用いて、サンプル中に存在するHLA−Gを検出お よび定量化することができる。一般に、この技術は、分子量を基にサンプルのタ ンパク質をゲル電気泳動によって単離し、別々にしたタンパク質を適切な固形支 持体(例えばニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、またはナイロ ンフィルター誘導物)に移し、このサンプルをHLA−Gと特異的に結合する抗 体とともにインキュベートすることを含む。この抗HLA−G抗体は固形支持体 上のHLA−Gと特異的に結合する。これらの抗体は直接標識化していてもよい が、他には、抗HLA−Gと特異的に結合する標識化抗体(例えば、HLA−G に対する抗体がマウスの抗体の場合は標識化ヒツジ抗マウス抗体)を用いて引き 続いて検出してもよい。 他のアッセイ様式にはリポソームイムノアッセイ(LIA)が含まれるが、こ れは特定の分子(例えば抗体)と結合するようにデザインされたリポソームを用 い、被包化試薬またはマーカーを遊離する。その後、遊離した化学物質を標準的 技術によって検出する(Monroeら、Amer.Clin.Prod.Rev.5:34-41(1986)を参 照のこと。この文献は参考として本明細書に含まれる)。 E.標識 アッセイで用いられる特定の標識または検出可能な基そのものは、それが当該 アッセイで用いられる抗体の特異的結合に著しく干渉しない限り、本発明の重要 な特徴ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する いずれの物質でもよい。そのような検出可能な標識はイムノアッセイの分野で開 発が進み、そのような方法において有用なほとんどの標識が一般に本発明に応用 できる。したがって標識は、分光光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電 気的、光学的または化学的手段で検出可能な一切の組成物である。本発明で有用 な標識には、磁性ビーズ(例えばDynabeadsTM)、蛍光色素(例えばフルオレセ インイソチオシアネート、テキサス赤、及びローダミンなど)、放射線標識(例 えば3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えばホースラディッシュペ ルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼおよびELISAで通常用いられる その他のもの)および比色定量標識(例えばコロイダル金または着色ガラスもし くはプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、及びラテックスなど )ビーズが含まれる。 標識は、当技術分野で周知の方法で直接的または間接的に所望のアッセイ成分 に結合させることができる。上記で示唆したように、必要とされる感度、化合物 の結合の容易さ、必要とされる安定性、利用可能な装置および廃棄の容易さにし たがって選択しながら多様な標識を用いることができる。 非放射線標識はしばしば直接的手段によって結合させられる。一般には、リガ ンド分子(例えばビオチン)を分子に共有結合させる。続いてこのリガンドを抗 リガンド(例えばストレプトアビジン)分子に結合させる。後者は、そのもの自 体を検出できるものであるか、またはシグナル系(例えば検出可能な酵素、蛍光 化合物または化学発光化合物)に共有結合させてもよい。多数のリガンドおよび 抗リガンドを用いることができる。リガンドが天然の抗リガンド、例えばビオチ ン、チロキシンおよびコルチソルを有する場合、これら天然の標識抗リガンドを 組み合わせて用いることができる。また、ハプテン化合物または抗原性化合物を 抗体とともに用いてもよい。 分子はまた、例えば酵素または蛍光団との共役によってシグナル発生化合物に 直接結合させてもよい。標識として考えられる酵素は主に加水分解酵素、特にホ スファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ、または酸素還元酵素、特に ペルオキシダーゼである。蛍光化合物には、フルオレセインとその誘導体、ロー ダミンとその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが含まれる。化学発光化 合物には、ルシフェリンおよび2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えばルミ ノールが含まれる。種々の標識またはシグナル発生系に関する有用な概説として 米国特許第 4,391,904号(この文献は参考として本明細書に含まれる)を参照さ れたい。 標識の検出手段は当業者に周知である。したがって、例えば標識が放射能標識 の場合、検出手段にはシンチレーション計測器またはオートラジオグラフィーの 場合は写真用フィルムが含まれる。標識が蛍光標識の場合、適切な波長の光で蛍 光色素団を励起し、生じた蛍光を例えば顕微鏡、肉眼検査、光学フィルム、電荷 共役装置(charge coupled devices(ccd))または光増幅装置などの電子検出器に よって検出することによって標識を検出できる。同様に、酵素標識は、酵素のた めの適切な基質を提供し、生じた反応生成物を検出することによって標識を検出 できる。最後に、簡単な比色定量標識では標識に付随する色を観察することによ って簡単に検出できる。したがって、種々の浸漬用スティックアッセイでは、共 役された金はしばしば桃色になる一方、種々の共役ビーズはビーズの色を示す。 いくつかのアッセイ様式では標識成分は必要とされない。例えば、凝集アッセ イは標的抗体の存在を検出するために用いることができる。この場合、抗原被覆 粒子が標的抗体を含むサンプルによって凝集される。この様式では、成分のいず れも標識する必要がなく、標的抗体の存在は単純な肉眼検査で検出できる。 F.基礎材 上記で述べたように、アッセイによって抗原、標的抗体または抗イディオ抗体 を含む種々の成分を固形表面に結合させることができる。生物学的分子を種々の 固形表面に固定する多くの方法が当技術分野で知られている。例えば、固形表面 には、膜(例えばニトロセルロース)、マイクロタイター皿(例えばPVC、ポ リプロピレンまたはポリスチレン)、試験管(ガラスまたはプラスチック)、浸 漬用スティック(例えばガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、ラテ ックスなど)、微量遠心沈殿管、またはガラス、シリカ、プラスチック、金属も しくはポリマービーズがある。所望の成分は共有結合または非特異的結合による 非共有結合によって連結される。 広範囲の有機または無機ポリマー(天然および合成を含む)を固形表面用素材 として用いることができる。ポリマーの実例としては、ポリエチレン、ポリプロ ピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリル酸、ポリ( エチレンテレフタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)、 ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド 、セルロース、セルロースアセテート、及びニトロセルロースなどが含まれる。 その他に用いることができる物質には、紙、ガラス、セラミック、金属、非金属 、半導体物質、又はセメントなどが含まれる。さらに、ゲルを形成する物質も含 まれ、例えばタンパク質(例えばゼラチン)、脂質多糖類、ケイ酸塩、アガロー スおよびポリアクリルアミドを用いることができる。幾つかの水性層を形成する ポリマー、例えばデキストラン、ポリアルキレングリコールまたは界面活性剤、 例えばホスホリピド、長鎖(12〜24個の炭素原子)アルキルアンモニウム塩など もまた適切である。固形表面が多孔性の場合、系の性質にしたがって種々の孔径 を用いることができる。 そのような表面を調製する場合、種々の特性を得るために複数の異なる物質を 例えばラミネートのように用いることができる。例えば、ゼラチンなどのタンパ ク質被覆を用いて非特異的結合、単純な共有結合を避け、シグナル検出を高める ことができる。 化合物と表面との間で共有結合が望まれる場合、そのような表面を通常、多官 能基性であるか、または多官能基化することができる。表面に存在し、連結に用 いることができる官能基には、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、 エチレン基、ヒドロキシル基、及びメルカプト基などが含まれる。広範囲の化合 物を種々の表面に連結する態様は周知であり、文献にも多数例示されている。例 えば、Immobilized Enzymes、Ichiro Chibata,Halsted Press 刊、ニューヨー ク、1978;及びCuatrecasas,J.Biol.Chem.245:3059(1970)を参照されたい。 これらの文献は参考として本明細書に含まれる。 さらに共有結合の他に、アッセイ成分を非共有結合するための種々の方法が用 いられる。非共有結合は、典型的には該表面への化合物の非特異的吸着である。 典型的には表面を第二の化合物でブロックし、標識化アッセイ成分の非特異的結 合を防止する。また、1つの成分とは非特異的に結合するが別の成分とは著しく 結合しないように、表面を設計する。例えば、コンカナバリンAのようなレクチ ンを有する表面は炭水化物含有化合物と結合するが、グリコシル基をもたない標 識化タンパク質とは結合しないであろう。アッセイ成分の非共有結合的付加で使 用できる種々の固形表面は米国特許第 4,447,576号および 4,254,082号で概説さ れている。これらの文献は参考として本明細書に含まれる。 G.サンプル集団とのHLA−Gレベルの比較 ある種の好ましい態様として、本発明のアッセイを用いて、例えば特定の妊婦 患者と比較するために参照妊婦集団の平均可溶性HLA−Gレベルが定量される 。例えば母体血液中のHLA−Gの平均レベルを当該集団について推論できるよ うに、本明細書で開示するいずれの分析物の定量用技術もある特定集団の生物学 的サンプル中のHLA−Gレベルの定量に用いることができる。当該集団は、そ の集団の全てのメンバーが同じ妊娠期間にあり、外見上健康で正常な妊娠であり 、さらに全てのメンバーが同様な遺伝的背景(すなわち単一の人種型、例えば北 部ヨーロッパ系)にあるように選択される。この集団は“参照集団”と呼ばれる 。一般的に同じ遺伝的背景と同じ妊娠期間を有する個々の患者を、その後参照集 団と比較し、そのHLA−Gレベルが正常(すなわち参照集団と同じである)か 否かを決定する。妊娠経過観察のためのHLA−Gレベルの決定 成人はHLA−Gを発現しないので、例えば血中のHLA−Gの存在は患者が 妊娠していることを示唆する。母体血液中のHLA−Gの存在は上記の方法で決 定できる。母体血液のHLA−Gレベルは、胎児母体接触面の健康度の一般的な 指標とすることができる。HLA−Gは侵入栄養膜によって主に発現されるので 、参照集団と比較した患者の母体血液のHLA−Gレベルの上昇または減少は、 栄養膜侵入が異常に進行していることを示唆する。 本発明はまた、妊娠診断および循環HLA−Gレベルの異常に関連する病的状 態を診断するためのキットを提供する。このキットは、HLA−Gと特異的に結 合する抗体を含むのが好ましい。この抗体は遊離状態であるか、または上記のよ うに固形支持体に固定されている。このキットはまた、例えば妊娠検出用アッセ イでの抗体の使用を説明する指示用資料、適切な希釈剤、及び化学薬品などを含 む。HLA−Gの発現場所の決定 胎盤性HLA−Gの時間的および空間的発現パターンを決定する位置決定実験 の解釈は、他のクラスI分子と反応する抗体およびプローブを使用したために以 前は複雑を極めた。胎盤性MHCクラスI発現に関する初期の免疫的位置決定実 験は、クラスIaおよびクラスIb分子間を区別できないモノクローナル抗体を 用いて実施された。最近になって、研究者らは in situハイブリダイゼーション によって胎盤内のHLA−G mRNAの位置を決定した。これらの実験では全 て栄養膜細胞層の外絨毛にHLA−G mRNAが検出された。この研究者のう ち2人は、妊娠初期の栄養膜細胞層の絨毛および間葉絨毛にHLA−G mRN Aを検出した(Yelavarthiら、J.Immunol.146:2847(1991); 及びChumbleyら、 Hum.Immunol.37:17(1993))。対照的に、他の研究者らは、転写物が合胞体栄養 細胞層にのみ存在すると報告した(Lata J.Exp.Med.175:1027(1992))。 in situハイブリダイゼーションの研究と同じように、本明細書で示す免疫的 位置決定実験(下記実施例を参照のこと)は、栄養膜細胞層の外絨毛がHLA− Gタンパク質を発現することを示した。しかしながら、栄養膜細胞層絨毛、合胞 体栄養細胞層(第1期トリメスターのブラシ縁の弱い染色を除く)または絨毛コ アの構成成分では抗HLA−G抗体との反応性は認められなかった。特定組織に おけるHLA−G mRNAとHLA−Gタンパク質間の矛盾は、HLA−G転 写物が翻訳されないことを示しているか、またはスプライスされることによって 特定の抗体によって認識されないタンパク質形態が出現することを示唆している 。 しかしながら、これらの抗体がそれに対して作製されたアミノ酸配列は、これま でに記載されてきた別にスプライスされたmRNAのいずれにおいても欠落して いない。 以前の実験で用いられた核酸プローブは、絨毛コアに存在するクラスIa m RNAとのプローブの交差反応による人為的産物を生じた可能性もまた存在する 。HLA−G cDNAの3'非翻訳領域から得た 450bpのPvuIIフラグメ ントに対応するプローブを用いるノザンハイブリダイゼーションは、高い相同性 が要求されるストリンジェント条件以外の全てでクラスIa mRNAと交差反 応して、この可能性を支持した(下記の実施例参照)。精製第1期および第2期栄養膜細胞層はHLA−Gのインビトロ発現をアップレ ギュレートする 侵入経路に沿った栄養膜細胞層の分化の動的様相を調べるために、この過程の インビトロモデルを用いた。妊娠初期胎盤から単離した栄養膜細胞層の幹細胞は 、それら幹細胞を播種した細胞外マトリックスに迅速に侵入する。この過程で、 幹細胞はインテグリンの細胞外マトリックスレセプターのそれらのレパートリー のスイッチを入れ(栄養膜細胞層がインビボで子宮に侵入するように)、92kD aのコラゲナーゼIV型の合成/活性化をアップレギュレートする(Librachら、 J. Biol.Chem.269:17125(1994))。粘着分子またはタンパク質分解酵素機能の いずれかの妨害によって侵入が抑制される。これは、これらの分子が栄養膜細胞 層の侵入に重要な役割を果たすということを示唆している。これらの分子の発現 は、少なくとも部分的には翻訳レベルで制御されるが、インビトロでのタンパク 質分解酵素およびインテグリン発現のアップレギュレーションは、対応するmR NAの産生におけるアップレギュレーションと対応する。栄養膜細胞層のタンパ ク質分解酵素とインテグリンのインビトロにおける発現はまた、妊娠の経過につ れて劇的に変化する。既にその侵入能を喪失している分娩期の栄養膜細胞層は、 92kDaのコラゲナーゼIV型をほとんど産生せず、インテグリンのスイッチ機 能を受けることができず、これらの分子をコードする検出可能なmRNAを含ま ない。 タンパク質分解酵素およびインテグリンの場合のように、第1期および第2期 トリメスターの栄養膜細胞層はHLA−Gの発現を培養でアップレギュレートし た。組織切片で実施した免疫的位置決定実験は、絨毛栄養膜細胞層が抗HLA− G抗体と反応しないことを示した。したがって、予想されたように、単離された 絨毛細胞のほんの数%が播種後直ちにHLA−Gを産生する。培養12時間後に、 第1期トリメスターの栄養膜細胞層の64%がHLA−Gを発現した。しかしなが ら、栄養膜細胞層のHLA−G発現がインテグリンおよびタンパク質分解酵素の 発現とは異なる調節をうけることは明白である。HLA−G mRNAレベルは 培養期間を通じて一定であった。この現象について2つの説明が可能である。第 一に、栄養膜細胞層の幹細胞は高レベルのHLA−G mRNAを含むかもしれ ない。すなわちそれらを単離することはHLA−G mRNAレベルに変化を与 えないが翻訳を促進する。第二に、HLA−G mRNAの産生は、単離工程の 間に最大レベルまで誘発することができるかもしれない。いずれの場合でも、栄 養膜細胞層のインビトロでのHLA−G mRNA産生の経時変化は、タンパク 質分解酵素および粘着分子のそれと異なることは明らかである。驚くべきことに 、もはや侵入に必要とされる抗原を発現しない分娩期細胞の顕著な割合(42%) が、それらが妊娠初期の細胞よりはるかに低いHLA−G mRNAレベルしか 含まないにもかかわらず、培養時のHLA−G発現をアップレギュレートした。 これらの観察を総合すると、胎盤は多くの固有の機能を発揮し、それらのいく つかは妊娠中に劇的に変化するという事実を示している。金属結合タンパク質分 解酵素発現の強化およびインテグリンのスイッチ機能の強化は、子宮侵入を仲介 する妊娠初期栄養膜細胞層の特性である。これら遺伝子発現のダウンレギュレー ションは、栄養膜細胞層の侵入を制御する1つの機構である。対照的に、全妊娠 期間における外絨毛栄養膜細胞層は、インビトロでHLA−G発現をアップレギ ュレートする能力を保持する。これらの観察は、細胞が侵入特性を一時的にのみ 発現する必要がある一方、母体の免疫監視を常時回避するという事実と一致する 。 実施例 以下の実施例は、例示のためにのみ提供するのであって、限定するものではな い。当業者には、実質的に同様な結果を得るために変更または改変可能な種々の 非必須パラメーターが存在することは理解されよう。 実施例1:抗HLA−Gモノクローナル抗体の性状決定 HLA−Gのα1ドメインのアミノ酸61〜83(EEETRNTKAHAQTD RMNLQTLRG(配列番号1))と一致する合成ペプチドでマウスを免疫化 して、HLA−Gに対するモノクローナル抗体を作製した。 このペプチドは、製造元の指示にしたがってC末端システイン(この目的のた めに付加)を介してマレイミド活性化カギアナカサガイヘモシアニン(KLH; Imj ect; Pierce Chemical Co.,ロックフォード、イリノイ)と共役させた。2ヵ月 齢の雌のBALB/cマウス(Charles River)にフロイントの完全アジュバント 中で乳化した 100μgのペプチドKLH共役物を腹腔内に注射し、14日後に不完 全アジュバント中の抗原50μgで追加免疫した。試験採血は10日後に尾静脈から 得た。ペプチド免疫原に対する反応性についてはELISA(下記で説明)で血 清をスクリーニングした。最も良好な液性反応を示したマウスに最後の静脈内追 加免疫(50μg)を施し3日後に屠殺した。脾臓細胞を単離し、公表された方法 (Kohler & Milstein,Nature 256:495(1975);及び Harlow & Lane,上掲書(198 8))にしたがってSP2/0ミエローマ細胞と融合させた。培養をHAT培地( UCSF Cell Culture Facility)で選別し、限定希釈でクローニングした。 上記の方法で単離したHLA−G抗体はIgMクラスに属した。少なくとも2 つの因子がこの出現に寄与した。第一は、ハイブリドーマ産生前に比較的短期間 でマウスを免疫したことであり、初期抗原反応は主にIgMクラスの抗体産生を もたらす。第二に、ハイブリドーマのスクリーニングに用いたレポーター抗体は IgGとともにIgMと反応することである。上記の方法を用いて、少なくとも 1%またはそれより高い割合でHLA−G特異的抗体を産生するハイブリドーマ を再現性をもって得ることができる。 1B8抗体がクラスIa分子(HLA−A、−B、−C)と反応するか否か決 定するために2つの方法を用いた。フローサイトメトリ実験(フローサイトメト リ技術は下記で説明する)は、12人の血液から単離された末梢血の白血球がこの 抗体と結合しないことを示した。対照的に、HLA−Gを発現するベクターで安 定的に核酸感染させたJEG−3細胞およびB−類リンパ芽球のHLA−nul 1細胞系(LCL721.221)は、1B8またはW6/32で染色したとき 強い陽性シグナルを発した。1B8またはW6/32は、全てのクラスI重鎖の 単形態性決定基/β2−ミクログロブリン複合体を認識する抗体である(Barnsta bleら、Cell 14:9(1978))。しかしながら、親(非核酸感染)類リンパ芽球細胞 は何れの抗体とも反応しなかった。アイソタイプ適合性非関連IgM(Sigma)は 何れの細胞とも反応しなかった。 抗体がクラスIa分子と反応しないということは、出願人らの免疫的位置決定 データ(下記の節で詳細に考察する)によってさらに支持される。胎盤および胎 盤床はクラスIa抗原を発現する多くの細胞を含んでいる。例えばヒトの妊娠の 特徴は脱落膜の白血球浸潤である(Ferryら、Immunology 70:446(1990))。完全に 胎児性細胞からなる自由絨毛膜絨毛は、豊富な間質細胞とマクロファージ(Hofb auer細胞)を含むが、これはまたクラスIaタンパク質を発現する(Nakamuraら 、Hum.Pathol.21:936(1990))。しかしながら、26人の胎盤組織で実施した免疫 的位置決定実験によって、これらのクラスIa発現細胞集団のいずれもが、HL A−G抗体で染色されないことが示された。すなわち1B8および3F6 mA bは栄養膜細胞層の特定集団とのみ反応した。 実施例2:抗体スクリーニング ペプチド免疫原に対する反応性について、標準的方法にしたがい抗体捕捉EL ISA(Harlow & Laneの上掲書参照)によってハイブリドーマをスクリーニング した。マイクロタイタープレートを合成ペプチド10μg/mlを含むPBS50μ lで被覆し、PBSで3回洗浄し、さらに0.02%(v/v)トゥイーン20、0. 25%(w/v)BSAおよび0.02%(w/v)アジ化ナトリウムを含むPBS( 封鎖用緩衝液)で室温で1時間封鎖した。室温で1時間被験液(被験血清または ハイブリドーマ上清)とともにプレートをインキュベートし、続いて1:2000に 封鎖緩衝液で希釈したアルカリ性ホスファターゼ(Jacson Immuno Research Lab s.,Inc.,ウエストグローブ、ペンシルバニア)共役ウサギ抗マウスIgGでイ ンキュベートした。p−ニトロフェニルホスフェート基質溶液50μl(3mM PNPP、0.05M NaCO3、0.5mM MgCl2、pH9.5)を加え、マイク ロタイタープレート読取り装置(Molecular Devices Inc.,メンローパーク、カ リフォルニア)を用いて 405nmでの吸収を測定することによって、反応性を調 べた。 また、固定絨毛を含む第2期トリメスター胎盤の初期(16〜18週)の栄養膜細 胞層の組織切片との反応性についてハイブリドーマをスクリーニングした。ハイ ブリドーマの上清とサイトケラチンに対するラット・モノクローナルIgG(7 D3)を用いて二重間接免疫蛍光を実施した。サイトケラチン抗原は分化上皮細 胞に存在するが、結合組織、内皮、筋肉または血液細胞には存在しない。 胎盤組織をカルシウム含有PBS中の3%パラホルムアルデヒド(pH7.2)で3 0分間固定した。続いてこれを10mMグリシン中でインキュベートして未反応ア ルデヒド基の反応を停止させ、15%ショ糖を浸透させてOCT(Miles Scientif ic,ナッパビル、イリノイ)中に包埋し液体窒素で凍結した。切片(5μm)を クリオスタット(Slee HRクリオスタット)で切り出し、22mm2のカバースリップ 上に集めた。染色前に、切片をPBSおよび 0.2%BSA含有PBSで各回10分 間洗浄した。一次抗体は、未希釈ハイブリドーマ上清として組織切片に1時間室 温で用いた。洗浄後、フルオレセイン共役ヤギ抗マウスIgGとローダミン共役 ヤギ抗ラットIgG(1:200 希釈、Jackson Immuno Research)の1:1混合物 で切片を室温で30分間インキュベートした。サンプルをマウントし、ツァイスの エピフルオレセンス相顕微鏡で調べ、コダックフィルム(Tri X)で撮影した。 更なる性状検査のために選択した抗体のクラスは、イムノタイプキット(Immun oType Kit,Sigma,セントルイス、ミズーリ)を用い製造元の支持にしたがって 決定した。ELISAを用いてHLA−Gペプチドと結合する幾つかの抗体を単 離し、第1期トリメスター胎盤の栄養膜細胞層を染色した。これらの抗体のうち 、1B8および3F6、ともにIgMクラスの2抗体の性状をさらに調べた。 実施例3:HLA−Gの親和性精製 これらの抗体の特異性の性状を調べるために、1B8 mAbを用いて親和性 カラムを作製し、このカラムに35Sで標識化したJEG−3の洗剤抽出物を通し た。この絨毛癌細胞系はHLA−Gを発現するが、クラスIa分子は発現しない 。洗浄後、結合タンパク質を溶出させ、10%SDS−PAGEと蛍光写真法(fl uorography)で分析した。HLA−G α鎖の分子集団に対応する、単一の38k Daタンパク質が検出された。β2−ミクログロブリン(12kDa)は、用いた 条件下で、ゲルの底から流出したものと思われる。 1B8抗体を用いて、免疫親和性カラムを以下のように作製した。第一に、製 造元の指示にしたがって、ペプチド免疫原をチオプロピル活性化セファロース6 B(Pharmacia,ピスカタウェー、ニュージャージ)に共役させた。続いて、PB Sで1:10に希釈した1B8腹水液をカラムに通し、さらに20ベッド容積のPB Sで洗浄することによって抗体をマトリックスに結合させた。抗体が特異的に結 合したことは、100mMグリシン(pH2.5)でカラムを溶出させることによって証 明した。SDSポリアクリルアミドゲルの銀染色で調べたところ、この分画は純 粋なIgMを含んでいた。 以下のように35S標識化JEG−3絨毛癌細胞抽出物からHLA−Gを精製す るために、この抗体カラムを用いた。0.5mCi/mlの35S−タンパク質標識 化ミックス(EXPRE3535S Protein Labling Mix,>1000Ci/mmol,New England Nuclear,ボストン、マサチューセッツ)を含むメチオニン−システインフリー DMEM(Gibco,ガイザースバーグ、メリーランド)中で一晩インキュベートし て、1×107 JEG−3細胞を代謝によって標識化した。標識化後、細胞を冷P BSで1回洗浄し、50mMトリスと1%NP−40、pH8.0 を含む冷緩衝液で 溶解させた。溶解物を16,000×gで4℃、10分間遠心して清澄にし、上清をカラ ムに重層した。カラムに20ベッド容積のPBSを流し、さらに 100mMグリシン 、pH2.5 で溶出させた。溶出液と流出分画(800cpm/サンプル)を10%SD S−PAGEで単離し、蛍光写真法で処理し、エックス線フィルムに−80℃で露 光させた。 実施例4:フローサイトメトリー 全血をフィコール−ハイパーク1077(Ficoll-Hypaque 1077,Sigma)中で遠心 して末梢血白血球(PBL)を調製した。10%ウシ胎児血清添加イーグルの最少 必須培地(UCSF Cell Culture Facility)中で増殖させたJEG−3の単層培養を トリプシン消化して単一細胞浮遊液を得た。PBLまたはJEG−3細胞をBS A1mg/mlを含むPBSで洗浄し、1B8(ハイブリドーマ上清1:10希釈 )またはW6/32(1μg/ml)のいずれかとインキュベートし、続いてフ ルオレセイン共役抗マウスIgMまたはIgG(1:100 希釈、Jackson Immuno Research)でそれぞれインキュベートした。続いて細胞を洗浄して 0.2%パラホ ルムアルデヒドで固定し、FACScanサイトメータ(Becton Dickinson,マ ウンテンビュー、カリフォルニア)で調べた。 実施例5:胎盤と胎盤床におけるHLA−Gの免疫蛍光による位置決定: HLA−Gはインビボで侵入経路に沿って分化する栄養膜細胞層で発現される 第1期、第2期および第3期トリメスターの妊娠時に得た組織から調製した胎 盤と胎盤床の凍結切片で蛍光検出を用いて免疫組織化学分析を実施した。凍結切 片は、第1期、第2期および第3期トリメスターのヒト絨毛膜絨毛または胎盤床 の生検材料から先に記載されたように調製した(Damskyら、J.Clin.Invest.89 :210(1992))。1B8または3F6(抗HLA−G抗体)および7D3(抗サイ トケラチン)を用いて二重間接免疫蛍光を本質的に上記で述べたように実施した 。1B8および3F6抗体の反応性は、蛍光共役ヤギ抗マウスIgM(Jackson I mmuno Research,1:200希釈)を用いて検出した。コントロール実験は一次もし くは二次抗体単独、非免疫マウス血清または正常マウスIgGとの組織のインキ ュベーションを含んでいた。 切片は、脱落膜化子宮内膜および子宮筋層とともに自由絨毛膜絨毛および固定 絨毛(栄養膜細胞層細胞柱を含む)を含んでいた。したがって、栄養膜細胞層幹 細胞は分化栄養膜(合胞体栄養細胞層および侵入栄養膜細胞層)と同様に、明白 であった。切片は、胎盤床では栄養膜細胞について特異的である抗サイトケラチ ン抗体(7D3)と1B8または3F6抗HLA−GmAb(上記で説明)のい ずれかとで二重染色した。 3F6 mAbは、1B8の染色パターンと同一パターンを生じた。絨毛基底 膜に固定された未分化栄養膜細胞層および絨毛コア内の胎児性要素を含む自由絨 毛の成分はいずれも、抗HLA−G抗体とは反応しなかった。対照的に、固定絨 毛の細胞柱内の侵入栄養層細胞膜は明るく染色された(図2、パネルB)。抗体 反応性は、栄養膜細胞層が子宮壁と接触したとき細胞柱の遠位部に最初に検出さ れた。間質侵入に加わる栄養膜細胞層もまた明るく染色された。妊娠のこの時期 に、血管内侵入がピークになるとき、血管内の栄養膜細胞層も、抗HLA−G抗 体との強い反応性を示した。一次または二次抗体単独、非免疫マウス血清または 正常マウスIgGと組織とのインキュベーションでは反応は認められなかった。 第1期トリメスターサンプルで染色される栄養膜細胞層は、第2期トリメスタ ー組織でのそれとほとんど同一であった。自由絨毛成分のいずれもが、いずれの 抗体とも反応しなかった。唯一の例外は、まれに認められる合胞体ブラシ縁の染 色であった。第3期トリメスター組織は同じパターンを示した。すなわち、自由 絨毛(合胞体ブラシ縁を含む)は染色されなかった一方、間質および血管内栄養 膜細胞層は抗体と反応した。しかしながら、第3期トリメスターでは、子宮壁内 の栄養膜細胞層は、妊娠のより初期の匹敵する場所の細胞より少ない明るさで染 色された。 実施例6:HLA−Gはインビトロでの侵入経路に沿って 分化する栄養膜細胞層によって発現される 高度に精製し、マトリゲル(Matrigel)上に播種した妊娠初期栄養膜細胞層の 幹細胞は、時期特異的抗原の発現によって示されるように凝集し、侵入表現型を 獲得する。この実験系を用いて、インビトロでの侵入経路に沿った栄養膜細胞層 分化過程でのHLA−G産生を調べた。2種の培養条件を用いた。第一に、妊娠 初期栄養膜細胞層を、大きな凝集物の形成を促進するマトリゲル栓子に播種した 。これら凝集物の切片を染色することによって、細胞が細胞外マトリックスの基 礎材に侵入するとき、間質でのHLA−G発現パターンを決定することが可能に なる。マトリゲルに侵入しない表面の細胞は染色されなかった一方、基礎材に侵 入した細胞は1B8抗体と反応した。 以前に記載(Fisherら、J.Cell Biol.109:891(1989);及び Librachら、J.Ce ll Biol.113.437(1991))されたように、第1期、第2期および第3期トリメス ターの絨毛膜絨毛から高度精製栄養膜細胞層を調製した。2%ニュートリドーマ (Nutridoma,Boehringer Mannheim Biochemicals,インジアナポリス、インジア ナ)を含むMEM(UCSF Cell Culture Facility)中でラミニン高含有細胞外マ トリックス調製物マトリゲル(Collaborative Research,ベッドフォード、マサ チューセッツ)に細胞を播種した。大型凝集物の形成を促進するために、カプセ ル(直径 6.5mm)中に作ったマトリゲル栓子に 2.5×105細胞を播種した。3 日培養後、マトリゲル栓子と栄養膜細胞層の凝集物を3%パラホルムアルデヒド で固定し、切片を作製し、免疫染色のために処理した。マトリゲル栓子に侵入し た凝集物の切片は本質的に上記で述べたように染色した。但し、反応性は、製造 元の指示にしたがって、ベクタステイン(Vectastain)ABCキット(Vector L aboratories,Burlingame,カリフォルニア)を用いて検出した。 第二の培養条件を用いて、HLA−Gタンパク質のインビトロ産生の経時変化 を決定した。異なる妊娠時期の胎盤から単離した栄養膜細胞層をマトリゲルの薄 層上で培養した。これらの条件下で、マトリゲル栓子で培養したときと同じよう に(Damskyら、Development 120:3657(1994))侵入経路に沿って細胞は分化した 。しかしながら、それらはより小型の凝集物を形成し、この凝集物は切片を形成 する必要がなく個々の細胞の染色パターンを決定することを可能にした。全妊娠 時期の栄養膜細胞層はHLA−G産生を培養でアップレギュレートした。例えば 、播種直後では第1期トリメスター細胞の約25%はHLA−Gを発現したが、培 養12時間までにほぼ60%が抗体と反応した。このレベルは48時間のアッセイ時間 中一定であった。妊娠期間が長くなるとともに、殆どの時点で免疫陽性細胞の割 合は減少した。例えば、12時間後には第1期トリメスター細胞よりも極めて少な い第3期細胞がHLA−Gを発現した(34%対63%)。このアッセイは下記に記 載するように実施した。 種々の培養時間後にHLA−Gを発現する細胞の割合を決定するために、マト リゲルの薄層(10μl)で被覆したカバースリップ(22mm2)上に 2.5×105細 胞を播種した。0〜48時間培養後、細胞を3%パラホルムアルデヒドで室温で5 分間固定し、PBSで洗浄して冷メタノールを5分間浸透させ、上記に記載した とおりに免疫蛍光のために処理した。 実施例7:ノザンブロットハイブリダイゼーションは、栄養膜細胞層の HLA−GmRNAのインビトロ産生が妊娠期間で調節されることを示す 第1期、第2期および第3期トリメスターの栄養膜細胞層培養のmRNAレベ ルを定量するために、ノザンハイブリダイゼーションを用いた。第1期および第 2期トリメスター栄養膜細胞層で単離直後に高レベルのHLA−GmRNAが検 出され、mRNA発現レベルは培養時間によって変化しなかった。対照的に、分 娩期細胞のHLA−G mRNAレベルは培養期間中顕著に低下していた。下記 のようにノザン分析を実施した。 公表された方法(Chomczynski & Sacchi,Anal.Biochem.162:156(1987))に したがって、培養栄養膜細胞層から全RNAを抽出した。簡単に記せば、サンプ ル当たり2〜5×107細胞をグアニジン緩衝液 500μl(4Mグアニジンイソチ オシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、0.5%サルコシル)中で均質化し、 その後、2M酢酸ナトリウム50μl(pH4)、水性飽和フェノール 500μlお よびクロロホルム 100μlを加えた。遠心沈殿後、イソプロパノール 500μlを 添加して水相からRNAを沈澱させ、4M LiClで抽出し、さらに10mMト リス(pH7.5)、1m MEDTAおよび 0.5%SDSを含む溶液から再沈澱さ せた。続いて沈澱塊を70%エタノールで洗浄し、真空乾燥して滅菌水に溶解した 。RNAの濃度は 260nmでの吸収を測定して求めた。 HLA−G特異的cDNAプローブは、標準的方法(Taborら、Current Protoc ols in Molecular Biology1巻、p.3.0.1,K.Jannssen 編、John Wiley & Sons 刊、ニューヨーク)にしたがって32P−CTPとクレノーフラグメントを用い、 HLA−Gの3'非翻訳領域から得た 450bpの大きさのPvuIIフラグメント のランダムプライミングによって合成した。プローブの比活性は2×109dpm /μgであった。全RNA(10μg)はホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳 動で単離し、ニトラン(Nytran)膜(Schleicher & Schuell,Keene,ニューハン プシャー)に移し、先に記載されたとおり(Lehrachら、Biochemistry 16:4743(19 77); Deら、J.Biol.Chem.265:15267(1990))ノザンブロットハイブリダイゼー ションで分析した。全ての実験で、膜に移す前にアクリジンオレンジでゲルを染 色し、RNAサンプルが完全なことを確認し、さらに等量のRNAが各レーンに 添加されたことを確認した。最後のハイブリダイゼーション後洗浄は 0.3×SS C(150mM NaCl、15mMクエン酸ナトリウム、pH7.4)および 0.1%SD S中で68℃で実施した。 本明細書で引用した全ての刊行物および特許出願は、参考として本明細書に含 まれる。 前述の発明は、理解を容易にするために図示と実施例によって説明したが、当 業者には本発明の教示を基に添付の請求の範囲を越えることなく一定の変更また は改変を行い得ることは理解されるところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 G01N 33/53 D 15/02 A C12P 21/08 C12N 5/00 B G01N 33/53 15/00 C A61K 37/02 ABD //(C12P 21/08 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 リブラッチ、クリフォード カナダ国 M6C 2G7 オンタリオ州 トロント オールド フォレスト ヒル ロード 177 (72)発明者 ダムスキー、キャロライン アメリカ合衆国 94002 カリフォルニア 州 ベルモント テラス ドライブ 1746 (72)発明者 マックマスター、マイケル ティー. アメリカ合衆国 94619 カリフォルニア 州 オークランド フェア アベニュ 4305

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトHLA−Gタンパク質のα1ドメインのアミノ酸残基61〜83から本質的 になるアミノ酸配列から選ばれる少なくとも連続した5個のアミノ酸の配列を含 む精製ポリペプチドであって、該ポリペプチドが免疫原として存在するとき、H LA−Gと特異的に結合する抗体の産生を誘発し、かつ該ペプチドが配列番号1 のペプチドで完全に免疫吸着されているHLA−Gに対して作製した抗血清とは 結合しない、上記精製ポリペプチド。 2.配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)を有 する請求項1記載のポリペプチド。 3.配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)を有 するポリペプチドと実質的に同一なポリペプチド。 4.配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1)を有 する請求項3記載のポリペプチド。 5.請求項1記載のポリペプチドおよび医薬上許容可能な賦形剤を含有する免疫 原組成物。 6.請求項1記載のポリペプチドが第二のポリペプチドと共有結合している請求 項5記載の免疫原組成物。 7.免疫原組成物がさらにカギアナカサガイのヘモシアニンを有する請求項5記 載の免疫原組成物。 8.ヒトHLA−Gタンパク質のα1ドメインのアミノ酸残基61〜83から本質的 になるアミノ酸配列から選ばれる少なくとも連続した5個のアミノ酸の配列を含 むポリペプチドをコードする核酸であって、該ポリペプチドが免疫原として存在 するとき、HLA−Gと特異的に結合する抗体の産生を誘発し、かつ該ペプチド が配列番号1のペプチドで完全に免疫吸着されているHLA−Gに対して作製し た抗血清とは結合しない、上記核酸。 9.核酸が配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配列番号1 )と実質的に同一のポリペプチドをコードする請求項8記載の核酸。 10.HLA−Gのα1ドメイン内のサブ配列と特異的に結合する抗体であって、 該サブ配列が配列番号1の配列内に存在する、上記抗体。 11.抗体が1B8及び3F6からなる群から選ばれる請求項10記載の抗体。 12.ヒトHLA−Gタンパク質のα1ドメインのアミノ酸残基61〜83から本質的 になるアミノ酸配列から選ばれる少なくとも連続した5個のアミノ酸の配列を含 むポリペプチドをコードする核酸を含む組換え細胞であって、該ポリペプチドが 免疫原として存在するとき、HLA−Gと特異的に結合する抗体の産生を誘発し 、かつ該ペプチドが配列番号1のペプチドで完全に免疫吸着されているHLA− Gに対して作製した抗血清とは結合しない、上記組換え細胞。 13.配列番号1と特異的に結合する抗体を産生する細胞。 14.細胞系1B8及び3F6からなる群から選ばれる請求項13記載の細胞。 15.ヒトHLA−Gタンパク質のα1ドメインのアミノ酸残基61〜83から本質的 になるアミノ酸配列から選ばれる少なくとも連続した5個のアミノ酸の配列を有 するポリペプチドを含む免疫原組成物に動物を曝すことを含む、特異的にHLA −Gと結合する抗体の作製方法であって、該ポリペプチドが配列番号1のペプチ ドで完全に免疫吸着されているHLA−Gに対して作製した抗血清とは結合しな い、上記抗体の作製方法。 16.ポリペプチドが配列EEETRNTKAHAQTDRMNLQTLRG(配 列番号1)からなる請求項15記載の方法。 17.方法が免疫原組成物に曝した動物の抗体産生細胞を永代化させ、かつ永代化 細胞を単離することをさらに含む請求項15記載の方法。 18.請求項15記載の方法によって産生された抗体。 19.i)配列番号1によって特定されるエピトープからなる、HLA−Gのα1 ドメインの部分と特異的に結合する抗体を生物学的サンプルにハイブリダイズさ せる工程、およびii)該抗体と該生物学的サンプル間の特異的結合を検出する工 程を有する、生物学的サンプル中のHLA−Gを同定する方法。 20.工程ii)が生物学的サンプル中の可溶性HLA−Gの濃度を検出することを 含む請求項19記載の方法。 21.工程ii)が生物学的サンプル中の不溶性HLA−Gの濃度を検出することを 含む請求項19記載の方法。 22.生物学的サンプルがヒトの女性の血液サンプルである請求項19記載の方法。 23.生物学的サンプルが子宮頸管膣分泌物である請求項19記載の方法。 24.ラジオイムノアッセイを用いて工程(ii)を行う請求項19記載の方法。 25.抗体が固形基礎材に連結されている請求項19記載の方法。 26.生物学的サンプルが可溶性HLA−Gを含むヒトの女性の血液であり、抗体 が可溶性HLA−Gと特異的に結合し、かつ特異的抗体−可溶性HLA−G複合 体の形成が妊娠の診断となる請求項19記載の方法。 27.生物学的サンプルが可溶性HLA−Gを含むヒトの女性の血液であり、方法 が抗体とヒト女性血液中の該可溶性HLA−Gとの特異的結合を定量化すること をさらに含む請求項19記載の方法。 28.生物学的サンプルが可溶性HLA−Gを含むヒトの女性の血液であり、方法 がiii)抗体と可溶性HLA−Gとの特異的結合のレベルを定量化する工程、お よびiv)該特異的結合のレベルを参照集団と比較する工程をさらに有する請求項 19記載の方法。 29.配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドと特異的に結合する抗体を 含む容器を有するHLA−G検出用キット。 30.配列番号1から本質的になるポリペプチドを含む容器をさらに有する請求項 29記載のキット。 31.HLA−Gを含む容器をさらに有する請求項29記載のキット。
JP8530319A 1995-04-07 1996-03-21 Hla−g検出用抗体 Pending JPH11503320A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US41964895A 1995-04-07 1995-04-07
US08/419,648 1995-04-07
PCT/US1996/003765 WO1996031604A1 (en) 1995-04-07 1996-03-21 Antibodies for the detection of hla-g

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11503320A true JPH11503320A (ja) 1999-03-26

Family

ID=23663133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8530319A Pending JPH11503320A (ja) 1995-04-07 1996-03-21 Hla−g検出用抗体

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0819171A1 (ja)
JP (1) JPH11503320A (ja)
AU (1) AU696118B2 (ja)
CA (1) CA2213620A1 (ja)
WO (1) WO1996031604A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534464A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 神経細胞性脳腫瘍に対する新規免疫療法
JP2010534463A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 免疫療法用の新規免疫原性エピトープ
JP2013511708A (ja) * 2009-11-23 2013-04-04 コミッサリア ア レネルジ アトミック エ オー エネルジ アルターネイティブス 骨発生マーカーとしてのhla−gのアイソフォームの使用
JP2018511319A (ja) * 2015-03-27 2018-04-26 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア Car t細胞免疫療法のための新規標的としてのhla−g
JP2023527246A (ja) * 2021-05-20 2023-06-27 広州凱普医薬科技有限公司 妊婦の子宮頸部剥離細胞から胎盤栄養膜細胞を分離する方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2760023B1 (fr) * 1997-02-21 2004-05-07 Commissariat Energie Atomique Cellules eucaryotes exprimant a leur surface au moins une isoforme d'hla-g et leurs applications
EP1054688B1 (fr) 1998-02-20 2004-06-30 Commissariat A L'energie Atomique Methode de selection de tumeurs exprimant hla-g, sensibles a un traitement anticancereux et ses applications
FR2775294B1 (fr) * 1998-02-20 2000-12-01 Commissariat Energie Atomique Methode de selection de tumeurs sensibles a un traitement anticancereux et ses applications
EP1056886A1 (en) * 1998-02-25 2000-12-06 National University of Ireland, Cork Hla linked pre-eclampsia and miscarriage susceptibility gene
FR2794977B1 (fr) * 1999-06-18 2003-10-31 Commissariat Energie Atomique Utilisation de compositions contenant des formes solubles d'hla-g dans le traitement de pathologies inflammatoires de la peau, et leur procede d'obtention
EP1224465B1 (en) * 1999-09-27 2005-12-21 Clifford L. Librach Detection of hla-g
FR2810047B1 (fr) * 2000-06-13 2004-04-02 Commissariat Energie Atomique Nouvelle isoforme d'hla-g et ses applications
GB0507755D0 (en) * 2005-04-16 2005-05-25 Univ Sheffield Cytotrophoblast stem cells
CN105675883B (zh) * 2016-02-22 2018-08-31 叶尚勉 一种检测人类白细胞抗原hla-g的方法
SG11201810149VA (en) 2016-06-03 2018-12-28 Invectys Anti hla-g specific antibodies
US11492387B2 (en) * 2018-05-09 2022-11-08 Tianjin Dongya Biological Technology Co., Ltd. Broad spectrum vaccine, preparing method and application thereof
KR20210112295A (ko) 2018-08-31 2021-09-14 잉벡띠스 에스아 다수의 hla-g 이소형에 대한 키메라 항원 수용체
TWI828767B (zh) 2018-09-27 2024-01-11 美商提聖納醫療公司 抗hla-g抗體、包含抗hla-g抗體之組成物及使用抗hla-g抗體之方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK0412700T3 (da) * 1989-08-03 1998-04-06 Univ California Fremgangsmåde til isolering af føtale cytrophoblastceller

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534464A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 神経細胞性脳腫瘍に対する新規免疫療法
JP2010534463A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 免疫療法用の新規免疫原性エピトープ
JP2013511708A (ja) * 2009-11-23 2013-04-04 コミッサリア ア レネルジ アトミック エ オー エネルジ アルターネイティブス 骨発生マーカーとしてのhla−gのアイソフォームの使用
JP2018511319A (ja) * 2015-03-27 2018-04-26 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア Car t細胞免疫療法のための新規標的としてのhla−g
JP2023527246A (ja) * 2021-05-20 2023-06-27 広州凱普医薬科技有限公司 妊婦の子宮頸部剥離細胞から胎盤栄養膜細胞を分離する方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU696118B2 (en) 1998-09-03
CA2213620A1 (en) 1996-10-10
WO1996031604A1 (en) 1996-10-10
AU5256896A (en) 1996-10-23
EP0819171A1 (en) 1998-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Devergne et al. Expression of Epstein-Barr virus-induced gene 3, an interleukin-12 p40-related molecule, throughout human pregnancy: involvement of syncytiotrophoblasts and extravillous trophoblasts
JPH11503320A (ja) Hla−g検出用抗体
Guo et al. A monoclonal antibody to the DEC-205 endocytosis receptor on human dendritic cells
Zhou et al. Highly specific monoclonal antibody demonstrates that pregnancy-specific glycoprotein (PSG) is limited to syncytiotrophoblast in human early and term placenta
JPH07505528A (ja) αvβ3インテグリンに対する抗体
EP0329699A1 (en) Immunometric assay for the detection of human chorionic gonadotropin
US6284474B1 (en) Detection and diagnosis of conditions associated with lung injury
EP0421392B1 (en) Anti-hCG-beta core monoclonal antibody, its production and use
KR20090039802A (ko) 가용형 lox―1에 대한 단일 클론 항체
Veselský et al. Characterization of boar spermadhesins by monoclonal and polyclonal antibodies and their role in binding to oocytes
JPH10509581A (ja) トロフィニンおよびトロフィニン補助タンパク質
US6187549B1 (en) Protein as a diagnostic of cancer
Bellet et al. Identification of pro-EPIL and EPIL peptides translated from insulin-like 4 (INSL4) mRNA in human placenta
EP0667916B1 (en) Crf binding protein
US4837171A (en) Anti-epiglycanin monoclonal antibodies
JPH10226700A (ja) Miaの検出のためのイムノアッセイ
NO174005B (no) Monoklonalt antistoff, hybridom, og reagens for immunologisk analyse av alfa-hanp
Halperin et al. Identification, immunoaffinity purification and partial characterization of a human decidua-associated protein
WO1990011520A1 (fr) Anticorps contre une chaine lourde de myosine des muscles lisses
EP0803065B1 (en) A-protein as a diagnostic of cancer
EP0644930B1 (en) Monoclonal antibody against the extra-villous trophoblast
Mowles et al. A two-site immunoradiometric assay for human pregnancy-associated plasma protein A (PAPP-A) using monoclonal antibodies
JP2002267673A (ja) う蝕性リスクの判定方法及び判定薬
EP0716095A1 (en) Method for quantitative determination of fas antigen
Loke Human trophoblast antigens