JPH11503319A - 植物の病原体耐性遺伝子及びその利用 - Google Patents
植物の病原体耐性遺伝子及びその利用Info
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Abstract
(57)【要約】
アラビドプシス RPP5遺伝子がクローニングでき、そしてその配列を、コードされるアミノ酸配列と一緒に提供する。このポリペプチド、並びにその対立形質体、突然変異及び誘導体をコードする DNAを植物細胞に導入することができ、そしてこのコードされるポリペプチドは発現され、かかる細胞及びその子孫に病原体耐性を供与した。 RPP5配列はロイシンリッチ反復を含んで成り、そしてかかる反復の存在はその他の植物病原体耐性遺伝子の同定を可能にする。 RPP5とその他の病原体耐性遺伝子との間での相同性はその他の病原体耐性遺伝子の同定において有用なモチーフとなる。
Description
【発明の詳細な説明】
植物の病原体耐性遺伝子及びその利用
本発明は植物における病原体耐性、そしてより詳しくは病原体耐性遺伝子の同
定及び利用に関する。それはアラビドプシス(Arabidopsis)RPP5遺伝子のクロ
ーニングを基礎とする。
植物は潜在的に病原性の微生物により常に攻撃される。作物は極めて被害を受
け易く、その理由はそれらが通常遺伝子的に均一な単一株として成長するからで
ある。病気に襲われると、ひどく損失を受けうる。しかしながら、ほとんどの植
物はほとんどの植物病原体に対して耐性である。それ自体を防御するため、植物
は一連の現在の及び誘導性の防御の双方を発達させてきた。宿主の防御機構を包
囲するには、病原体、特に生きた植物細胞との密接な関係によりその栄養物が由
来している生体栄養性病原体を特定しなければならない。病原体が病気を引き起
こすことができる場合、その相互作用は適合性と称され、植物が耐性なら、その
相互作用は非適合性であると称される。種(race)特異性耐性は、過剰反応(HR
)、誘導反応であって、病原体が侵入を試みる部位での局部的な細胞死により生
きた宿主細胞が病原体を排除する(と仮定されている)反応に強く関係する。
長い間HR関連病気耐性は往々にして優性遺伝子(R遺伝子)により特定されて
いることが知られている(但し、絶対的ではない)。Florは、病原体がかかるR
遺伝子を突然変異させて打ち負かしてしまう場合、そのような突然変異は劣性で
あることを示した。Florは、R遺伝子が機能するには、弱毒性遺伝子(Avr遺伝子
)と称される対応の遺伝子が病原体の中になくてはならないとも考えた。毒性と
なるには、病原体はR遺伝子依存性防御機構を活性化する産物を生産するのを中
止しなければならない(Flor,1971)。往々にして誘起因子/レセプターモデル
と称される広く受け入れられている研究仮説は、病原体が対応の Avr遺伝子をも
っていることを前提に、植物が病原体の存在を検出できるようにする産物をR遺
伝子がコードするというものである(Gabriel and Rolfe,1990)。この認識は
その後、防御反応の活性化へと移り変わっている。
いくつかの相互作用は様々な遺伝的特性を発揮する。毒素(Hc毒素)を発現す
るヘルミントスポリウム・カルボヌム(Helminthosporium carbonum)種は Hml
耐性遺伝子を欠くトウモロコシ系に感染する。Hc毒素発現性を失う突然変異は劣
性であり、そして毒性に至る突然変異が劣性である遺伝子間相互作用とは異なり
、毒性の消失に関係する。主たる成果は Hml遺伝子のタッギングによる単離によ
り、1992年において報告された(Johal and Briggs,1992)。どのように遺伝子
間相互作用が毒素依存性毒性から発展しうるかについてのもっともらしい反論が
なされている。例えば、植物遺伝子であってその産物が毒素の標的であるものは
HRへと結びつく毒素に対する一層高い感度、並びに感受性遺伝子の耐性遺伝子へ
の転換を供するように突然変異し得る。しかしながら、これはその遺伝子産物が
Hc毒素を不活性化する Hmlの作用態様ではないようである。
病原性弱毒性遺伝子はいまだよく理解されていない。いくつかの細菌 Avr遺伝
子はその他のクラスのタンパク質と相同性を有さない親水性タンパク質をコード
し、一方その他は反復単位であってその数が、弱毒性を発揮する植物の範囲を変
更するように変わりうる単位を有する(Keen,1992;Long and Staskawicz,199
3)。HRを誘導するため、更には病原性を誘導するためには更なる細菌遺伝子(hr
p遺伝子)が細菌 Avr遺伝子にとって必要である(Keen,1992;Long
and Staskawicz,1993)。なぜ病原体が、植物がそれに対して防御できる産物
を作り出すかは、わからない。所定の容易に排除される Avr遺伝子は病原性に寄
与はするものの、必須ではなく、一方その他の Avr遺伝子は一層不可欠であるも
のと広く信じられている(Keen,1992;Longら、1993)。二種類の菌類弱毒性遺
伝子の特徴も報告されている。クラドスポリウム・フルブム(Cladosporium ful
vum)の Avr9遺伝子であってCf−9遺伝子をもつトマト品種を攻撃するように
C.フルブム種に弱毒性を与える遺伝子は28個のアミノ酸の最終プロセシングサ
イズをもつ分泌型システインリッチペプチドをコードするが、その適合性相互作
用は不明である(De Wit,1992)。C.フルブムの Avr4遺伝子は 106個のアミ
ノ酸の最終サイズへとプロセシングされる分泌型のペプチドをコードすする(Jo
osten ら、1994)。
遺伝的基準に主として基づく遺伝子単離についての技術は近年著しく進歩して
おり、そして現在数多くの研究者が様々なR遺伝子をクローニングする試みを行
っている。細菌性斑点病原体シュードモナス・シリング(Pseudomonas syringae
)pvトマト(Pst)に対する「遺伝子間」耐性を供するトマト Pto遺伝子の地図ベ
ースクローニングが報告されている(Martinら、1993)。YAC(酵母人工染色体
)クローンは、遺伝子に非常に強く連結された制限フラグメント長の多形態(RF
LP)マーカーを担持するものと同定された。この YACは相同性cDNAクローンを単
離するために用いられている。2種類のこのようなcDNAを強力なプロモーターに
融合し、そして病気感受性トマト品種の形質転換後、そのような遺伝子融合体の
一つは対応の弱毒性遺伝子AvrPtoをもつ Pst株に耐性を供することが示された。
これらの2種類のcDNAは互いとの相同性を示した。事実、Pto cDNAプローブは6
以上の構成員の小さな遺伝子ファミリーであって、その
うちの5つの構成員は YACであってそれから Ptoが単離されるものの上にあるこ
とが見い出され、そしてそれ故その他のR遺伝子座の遺伝子分析から推測される
局在的なマルチ遺伝子ファミリーの種類をまさに構成するものである遺伝子ファ
ミリーを示す。
Pto遺伝子cDNA配列は簡単な誘起因子/レセプターモデルの提唱者に混乱を引
き起こしている。それはセリン/スレホニンキナーゼに対して明瞭な相同性を示
し、シグナル変換における機能と一致する。興味深いことに、アブラナ属(Bras
sicas)における自己非適合性と関係し、ゲノタイプ的に規定される非適合性花
粉管の成長を阻止するのに必要である点で類似の機能を発揮するキナーゼに強い
相同性がある。しかしながら、アブラナ属 SRKキナーゼ(Steinら、1991)に反
して、 Pto遺伝子はキナーゼ触媒性ドメイン及び膜との結合を促進しうる潜在的
なN末端ミリストイル化部位をコードするようである。もしかかる遺伝子産物が
単独で作用して、侵入微生物においてAvrPto遺伝子が検出できたときにのみ防御
反応が開始されるのに必要な特異的な認識を成し遂げるなら、驚くべきことであ
る。AvrPtoを担持する Pst株により作られる種特異性誘起分子はいまだ解明され
ておらず、そして Pto遺伝子によるこの分子の可能な認識がわかる前に特性決定
する必要がある。
Pto遺伝子の単離以来、数多くのその他の耐性遺伝子が単離されている。タバ
コ由来のタバコモザイク耐性遺伝子Nの単離はWhitham ら(1994)により報告さ
れている。亜麻由来の亜麻さび病耐性遺伝子L6の単離はLawrenceら(1995)に
より報告されている。シュードモナス・シリング(P.syringae)に対する耐性の
ための2種類のアラビドプシス・サリアナ遺伝子の単離が報告されている。 RPS
2の単離はBentら(1994)及びMindrinos ら(1994)により報告され、そして R
PM1の単離はGrant ら(1995)により報告されている
。これらの遺伝子はおそらくはヌクレオチド結合部位(NBS)及びロイシンリッ
チ反復(LRR)を担持する細胞質タンパク質をコードする。それらが相互作用す
るリガンドは特定されておらず、そして防御反応を達成するためにどのようなそ
の他の植物タンパク質とそれらが相互作用するかはわかっていない。我々の研究
室は菌類クラドスポリウム・フルブムに対する耐性を供するトマトCf−9遺伝子
の単離を報告した。これはWO95/18230 に開示され、そしてJones ら(1994)に
報告されている。我々は更にクラドスポリジウム・フルブムに対する耐性を供す
るトマトCf−2遺伝子もクローニングした。これは我々が1996年4月1日に出願
し、1995年3月31日に出願したGB 9506658.5の優先権を主張した国際特許出願に
おいて開示し、そしてDixon らにおいて報告されている(1996)。その構造はCf
−9遺伝子と、その DNA配列が主として細胞外的であり、多くのロイシンリッチ
反復をもち、そしてC末端推定膜アンカーをもつタンパク質を推測せしめる点で
、類似する。米のXa21遺伝子も最近クローニングされた(Songら、1995)。この
遺伝子の推定タンパク質産物はCf−9及びCf−2のそれに似た主にロイシンリッ
チ反復より成るおそらくは細胞外的なものであるN末端ドメイン、推定のトラン
スメンブランドメイン、並びにセリン−スレオニンタンパク質キナーゼ、特に P
toによりコードされるものと強い類似性を有するおそらくは細胞質内的なもので
あるドメインを示す。
本発明の課題は「病原体耐性遺伝子」又は「病原体耐性遺伝子」及びそれらの
利用に関する。病原体耐性遺伝子(R)は植物が、対応の弱毒性遺伝子(Avr)を
発現する病原体の存在を検出できるようにする。病原体が検出されたら、過敏反
応(HR)の如き防御反応が活性化される。これにより、植物は、病原体が侵入を
試みる部位での局在細胞死により生きた細胞の病原体を排除しうる。その他の遺
伝子、例えばWO93/11241 のPGIP遺伝子が、R遺伝子による病原体の検出より植
物防御反応において誘導される。
病原体耐性遺伝子は病原体由来且つ Avr依存性の分子に対するレセプターをコ
ードすると推測されうる。従って、それは病原体の検出のための植物のRADAR に
似ているといえる。一旦検出できた病原体に対して植物に備わる防御に関連する
遺伝子は病原体耐性遺伝子ではない。植物における病原体耐性遺伝子の発現は植
物における防御反応の活性化を引き起こす。これは病原体又は対応の誘起分子と
の植物の接触によるものでありうるが、誘起因子の非存在下での耐性遺伝子の過
剰発現により活性化が引き起こされる可能性が報告されている。この防御反応は
例えば病原体もしくは誘起分子との植物の接触部位において局部的に、又は全身
的に活性化しうる。病原耐性遺伝子を発現する植物における防御反応の活性化は
、植物と適当な対応の誘起分子との接触により生じうる。この誘起因子は病原体
、例えばペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)の抽出物の中に
含まれているものであるか、又は完全にもしくは部分的に精製されたもの及び完
全にもしくは部分的に合成されたものでありうる。誘起分子は、それが防御反応
の活性化を誘起するR遺伝子産物にとっての適当なリガンドのとき、「対応する
」と称し得る。
我々はこの度綿毛うどん粉病(downy mildew)菌類(ペロノスポラ・パラシチ
カ[Peronospora parasitica])に対する耐性を供するアラビドプシス RPP5遺
伝子を単離した。我々はその DNAを配列決定し、そしてこの遺伝子から最もそれ
らしいアミノ酸配列を推定した。このアラビドプシス・ RPP5ゲノム遺伝子の D
NA配列を図1に示し(SEQ ID NO 1)、そしてその推定アミノ酸配列を図2に示
す(SEQ ID NO 2)。アミノ酸配列の推測は、決定されたゲノム配列に
対してデザインされたプライマーを利用する逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応に
よるイントロンの同定に基づく。エキソンへと分割され、且つ RPP5ポリペプチ
ドをコードすると推定される DNA配列部を図1において大文字で示す。図4(SE
Q ID NO 5)は、図1のエキソン配列をつなげることにより作った、図2のアミ
ノ酸配列をコードする連続ヌクレオチド配列を示す。
以下に詳細の通り、アラビドプシス RPP5遺伝子を地図ベースクローニングに
より単離した。この技術において、耐性を供する遺伝子座は、耐性遺伝子に連結
した制限フラグメント長の多形態(RFLP)マーカーに対して高解像度でマッピン
グされた。我々は耐性遺伝子に絶対的に連結していると思われるマーカーを同定
し、そしてこのマーカーに対応するプローブを用いて、 RPP5遺伝子をもつアラ
ビドプシス・ランドレース・ランズバーグ・エレクタ(Arabidopsis landrace L
andsberg erecta)の DNAより作ったライブラリーからバイナリーベクターコス
ミドクローンを単離した。29L17と称するバイナリーベクターコスミドクローン
を病気感受性アラビドプシスに形質転換させることにより、病気耐性を供する。
クローニングされた DNAの DNA配列分析はロイシンリッチ反復をもつ遺伝子を同
定した。蓋然的な開始コドン(図1)の5′側に1298bpを含み、且つ蓋然的な終
止コドンの3′側に 458bpを含むpRPP5−1と称する29L17のサブクローンをバ
イナリーベクターの中に構築した。このサブクローンをアラビドプシス・エコタ
イプ・コロンビア(Arabidopsis ecotype Columbia)を形質転換するのに用い、
そして病気耐性を供することが示された。病気感受性となったランズバーグの高
速ニュートロン誘導化突然変異の分析はこの遺伝子の DNA構造の転移を示した。
これらのデーターを総合すると、図1及び2に示す配列が RPP5遺伝子に対応す
るという必須の証拠を供する。
一の観点に従うと、本発明は病原体耐性遺伝子をコードする核酸単離体を提供
し、この遺伝子はそれがSEQ ID NO 2に示すアミノ酸配列もしくはそのフラグメ
ント、又はそれに対する高い度合いの相同性を示すアミノ酸配列をコードするこ
とを特徴とする。N及びL6はなくてよい。
例えば、本発明に係る核酸、例えば図2に示す配列の突然変異体、誘導体、対
立形質体又は変異体であるアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド(本明細書に
おいて更に論じる)をコードする核酸の態様は、その他の病原体耐性遺伝子、例
えばN,L6から、下記の特徴の任意の一つ又は複数を任意的に有することで区
別される:
コードされるポリペプチドは、図3に示すタバコNタンパク質のアミノ酸配列
と30%以下の相同性を有し、且つ亜麻L6タンパク質のアミノ酸配列と25%以下
の相同性を有する;
その発現は、タバコNタンパク質の誘起因子である分子との植物の接触により
前記防御反応を活性化しない;
その発現は、亜麻L6タンパク質の誘起因子である分子との植物の接触により
前記防御反応を活性化しない;
その発現は、タバコ植物においては、タバコモザイクウィルスとのタバコ植物
の接触により前記防御反応を活性化しない;
その発現は、亜麻植物においては、メランプソラ・リニ(Melampsora lini)
との接触により前記防御反応を活性化しない;
その発現は、アラビドプシス RPS2タンパク質の誘起因子である分子との植物
の接触により前記防御反応を活性化しない;
その発現は、アラビドプシス RPM1タンパク質の誘起因子である分子との植物
の接触により前記防御反応を活性化しない;
その発現は、アラビドプシス・サリアナにおいては、シュードモナス・シリン
グとの植物の接触により前記防御反応を活性化しない
;
コードされるポリペプチドはトマトCf−9タンパク質のアミノ酸配列と20%以
下の相同性を示し、且つトマトCf−2タンパク質のアミノ酸配列と20%以下の相
同性を示す;
その発現は、トマトCf−9タンパク質の誘起因子である分子との、又はトマト
Cf−2タンパク質の誘起因子である分子との植物の接触により前記防御反応を活
性化しない;
その発現は、トマト植物においては、 Avr2分子を発現するクラドスポリウム
・フルブムとの、又は Avr9分子を発現するクラドスポリウム・フルブムとの接
触により前記防御反応を活性化しない;
コードされるポリペプチドは推定のヌクレオチド結合部位を含んで成る;
コードされるポリペプチドは細胞質タンパク質である;
コードされるポリペプチドはドロソフィラTollタンパク質の細胞質ドメインに
対する相同性を有する領域を含んで成る。
本発明に係る核酸をその他の病原体耐性遺伝子、例えばN及びL6から区別す
る別の方法は、コードされるポリペプチドが、図2に示す RPP5のN末端ドメイ
ンのアミノ酸配列(図1のエキソン1によりコードされる)と60%以上の相同性
を有するN末端ドメインを含んで成る、及び/又は図1のエキソン2によりコー
ドされる図2に示す RPP5のドメインのアミノ酸配列と40%以上の相同性を有す
るヌクレオチド結合部位ドメインを含んで成る、及び/又は図1のエキソン3に
よりコードされる図2に示す RPP5のドメインのアミノ酸配列と30%以上の相同
性を有するドメインを含んで成る、並びに/又は図1のエキソン4,5及び6に
よりコードされる図2に示す RPP5のロイシンリッチ反復(LRR)ドメインのア
ミノ酸配列と30%以上の相同性を有するドメインを含んで成ることに関連する。
表2は、ゲノム配列のエキソンによりコードされる、 RPP5とNとの、及び R
PP5とL6との推定ドメイン間での%アミノ酸同一性を示す。
この核酸は、SEQ ID NO 2に示すアミノ酸配列に対して約60%以上の相同性、
好ましくは約70%以上の相同性、約80%以上の相同性、又はより好ましくは約90
%以上の相同性を示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチドの配列を含んで成
りうる。一般に、「%アミノ酸相同性」は%アミノ酸同一性を意味するように用
いている。高度な相同性は適当な条件下、例えば病原体耐性遺伝子をコードしな
い配列に対するハイブリダイゼーションを排除するのに十分なストリンジェンシ
ー条件下で相補性核酸とハイブリダイズする能力により表示されうる。即ち、本
明細書における用語、対立形質体、誘導体又は突然変異体は対応のアミノ酸配列
を含んで成るポリペプチドをコードする任意のヌクレオチド配列とハイブリダイ
ズできる任意のヌクレオチド配列に関して用いている。
最も好ましくは、この核酸はSEQ ID NO 2に示すアミノ酸配列をコードし、こ
の場合、その核酸はSEQ ID NO 1に示す配列をコードする DNAを含んで成りうる
か、又は所望のポリペプチドをコードするのに十分な部分を含んで成りうる(例
えば、開始メチオニンコドンから、mRNAの最初の枠内下流停止コドン)。一の態
様において、 DNAはSEQ ID NO 1のヌクレオチド1966〜6511、又はその突然変異
体、誘導体、もしくは対立形質体、例えばイントロンを欠くものであるヌクレオ
チドの配列を含んで成る。図4は図2のアミノ酸配列をコードする連続配列を供
する。
本発明の更なる観点は、病原体耐性遺伝子をコードする核酸単離体、又はその
フラグメントを提供し、これはSEQ ID NO 1のヌクレオチド1966〜6511を含んで
成るプローブ、それに相補性のヌクレオ
チド、又はそのフラグメント、誘導体、突然変異体もしくは対立形質体により核
酸ライブラリーをスクリーニングし、そして植物に対する病原体耐性を供するこ
とのできるポリペプチドをコードする核酸を単離することによる。適当な技術は
当業界において公知である。即ち、本発明は病原体耐性遺伝子をコードする核酸
を同定及び/又は単離する方法であって、候補(又は「標的」)核酸を、図2に
示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチドの配列を有し、コード配列に対して
相補性であるか又はコード配列もしくはコード配列に対して相補性である配列の
いづれかのフラグメントをコードする核酸によりプロービングすることを含んで
成る方法も提供する。この候補核酸(それは、例えば、cDNA又はゲノム DNAであ
ってよい)は、病原体耐性遺伝子をコードする核酸を含みうる又は含むものと予
測されうる任意の細胞又は生物に由来しうる。好適なヌクレオチド配列を図1に
示す。示しているこの配列に対して相補性である配列及びそのフラグメントを使
用してよい。
プロービングにとって好適な条件は、陽性と同定され、更に調べられうるもの
として同定されるハイブリダイゼーション数が少ない簡単なパターンとなるのに
十分なほどにストリンジェンシーであるものである。当業界において、数個の陽
性クローンしか残らなくなるまで徐々にハイブリダイゼーションのストリンジェ
ンシーを高めることがよく知られる。
本発明に係る核酸はSEQ ID NO 2に示すアミノ酸配列、又は紹介する配列の突
然変異体、誘導体もしくは対立形質体をコードしうる。好適な突然変異体、誘導
体及び対立形質体は野生型遺伝子によりコードされるタンパク質の機能的な特徴
、特に病原体を供する能力を保持しているものである。突然変異体又は誘導体を
作るための配列の変更は、1又は複数個のアミノ酸の挿入、欠失又は置換に結び
つく核酸における1又は複数個のヌクレオチドの挿入、欠失又は置換によるもの
でありうる。むろん、コードするアミノ酸配列に対して何ら相違をもたらさない
核酸の変更も含まれる。
核酸は DNA又は RNAであってよく、そして例えば選定の宿主生物における発現
にとっての最適コドン用法により合成されうる。本発明に係る核酸分子及びベク
ターは、その天然の環境から単離及び/又は精製され、実質的に純粋なもしくは
均質な状態で、又は必須の機能をもつポリペプチドをコードする配列以外の注目
の種もしくは起源の核酸もしくは遺伝子を実質的に含まない状態で提供される。
本発明に係る核酸はcDNA、 RNA、ゲノム DNAを含んで成り得、そして完全又は部
分的に合成されうる。「単離体」なる語はこのような可能性のあるもの全てを含
む。
本発明の観点により更に提供されるのは、本明細書において提供する任意のコ
ード配列とハイブリダイズできるヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレ
オチドの配列を含んで成る核酸である。これを別の角度から見ると、この観点に
係る核酸は本明細書において提供する任意のコード配列に対して相補性であるヌ
クレオチド配列とハイブリダイズ可能なものである。むろん、 DNAは一般に二本
鎖であり、そしてブロッティング技術、例えばサザンハイブリダイゼーションが
往々にして、ハイブリダイズさせ合う鎖間の相違を知ることなく鎖間の分離で行
われる。好ましくは、ハイブリダイズ可能な核酸又はその相補体は宿主に対して
病原体耐性を供することのできるポリペプチドをコードし、即ち病原体耐性遺伝
子を含む。ハイブリダイゼーションにとって適当な条件は当業者に周知であるが
、一般にはその他の配列、即ち、宿主に対して病原体耐性を供するポリペプチド
をコードしない配列の排除のため、注目の配列間の陽性ハイブリダイゼーション
が起こるのに十分にストリンジェンシー
な条件である。
核酸は組換ベクターの形態であってよく、例えばファージ又はコスミドベクタ
ーである。核酸は宿主細胞、例えば植物細胞における発現のために適当なプロモ
ーター及び調節因子のコントロール下にありうる。ゲノム DNAの場合、これはそ
れ自体のプロモーター及び調節因子を含み得、そしてcDNAの場合、これは宿主細
胞における発現にとって適当なプロモーター及び調節因子のコントロール下にあ
りうる。
当業者は組換遺伝子発現のためのベクターを構築し、且つプロトコールをデザ
インすることができる。適当な調節配列、例えばプロモーター配列、ターミネー
ターフラグメント、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及
びその他の適当な配列を含む適当なベクターが選定又は構築されうる、更なる詳
細については、例えばMolecular Cloning:a Laboratory Manual:第2版、Samb
rookら、1989,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。例えば核
酸構築体の調製、突然変異誘発、配列決定、細胞への DNAの導入及び遺伝子発現
、並びにタンパク質の分析における核酸の操作のための数多くの技術及びプロト
コールがShort Protcols in Molecular Biology 、第2版、Ausubel ら編、John
Wiley & Sons,1992 に詳細に記載されている。Sambrookら及びAusubel らの開
示内容は本明細書に組入れる。
選定の遺伝子構築体を細胞に導入するとき、当業者に公知の所定の考慮を念頭
に入れなければならない。挿入すべき核酸は転写を誘導する有効な調節因子を含
む構築体の中で集成されうる。この構築体を細胞に輸送する方法が有効でなけれ
ばならない。この構築体が細胞膜に入ったら、内生染色体への組込が本発明の様
々な態様に従って起きたり起きなかったりする。最後に、植物を考慮する限り、
標的細胞のタイプは完全植物への再生しうるような細胞でなくてはならない。
プレ配列を含む DNAセグメントにより形質転換された植物は植物の遺伝子操作
のために公知である標準の技術により製造されうる。任意の適当な技術、例えば
天然の遺伝子導入能力を発揮するアグロバクテリアにより担持されたディスアー
ムドTi−プラスミドベクター(EP-A-270355,EP-A-0116718,NAR 12(22)8711-
87215 1984)、粒子もしくはマイクロプロジェクチルボンバードメント(US 510
0792,EP-A-444882,EP-A-434616)、マイクロインジェクション(WO 92/09696
,WO 94/00583,EP 331083,EP 175966)、エレクトロポレーション(EP 29039
5,WO 8706614)、又はその他の直接 DNA取り込み形態(DE 4005152,WO 901209
6,US 4684611)を利用して DNAを植物細胞に形質転換させることができうる。
アグロバクテリア形質転換は、双子葉植物種を形質転換するために当業者により
幅広く利用されている。アグロバクテリアは外来 DNAを一部の単子葉植物種に導
入できると報告されているが(WO 92/14828)、アグロバクテリアが非効果的又
は非効率的なとき、マイクロプロジェクチルボンバードメント、エレクトロポレ
ーション及び直接 DNA取り込みが好ましい。他方、形質転換過程の効率性を高め
るために、様々な技術の組合せ、例えばボンバードメントとアグロバクテリアコ
ーティング化微粒子(EP-A-486234)又はマイクロプロジェクチルにボンバード
メントとを組合せ、創傷を誘導し、次いでアグロバクテリアと共培養することが
採用されうる(EP-A-486233)。
特定の形質転換技術の選定は、所定の植物種を形質転換するその効率性、並び
に選定の特定の方法で本発明を実施する者の経験及び好みにより決定されるであ
ろう。植物細胞に核酸を導入する特定の形質転換方式の選定は本発明の必須事項
でも限定事項でもないこと
が当業者にとって明らかであろう。
RPP5遺伝子、その改良バージョン、並びに RPP5遺伝子、その対立形質体、
突然変異体及び誘導体のタンパク質生成物に対して高い度合いの相同性を示すタ
ンパク質をコードする近縁遺伝子を、植物において、例えば綿毛うどん粉病を供
するのに利用されうる。この目的のため、上記の核酸を遺伝子導入植物の製造の
ために用いてよい。かかる植物は RPP5遺伝子により供される病原体耐性を所有
しうる。
即ち、本発明は更に開示の通りのベクターで形質転換された宿主細胞、特に植
物又は微生物細胞を包括する。即ち、本発明に係る核酸を含んで成る宿主細胞、
例えば植物細胞を提供する。細胞内で、核酸は染色体内に組込まれうる。
本発明に係る核酸を含んで成るベクターは、特にゲノムへの組換のために核酸
を細胞に導入するためにベクターを利用するとき、プロモーターを含む必要がな
い。
また、本発明に従い、コードされるポリペプチドの発現のコントロールのため
のプロモーターの作用コントロール下にある、本発明により提供されるヌクレオ
チドの配列がそのゲノムの中に組込まれた植物細胞を提供する。本発明の更なる
観点は、植物細胞へのヌクレオチド配列を含んで成るベクターの導入を包括する
かかる植物細胞の作製方法を提供する。かかる導入には、ゲノムへのヌクレオチ
ド配列の導入のためのベクターと植物細胞ゲノムとの組換が後続しうる。導入さ
れた核酸によりコードされるポリペプチドを次いで発現させてよい。
本発明に係る植物細胞を含んで成る植物を、かかる植物のクローン体、種子、
自殖又は交雑子孫、及び子孫、並びに任意のそれらの任意の器官、例えば切株、
種子と共に提供する。本発明の任意の植
物繁殖体、即ち、再生又は繁殖において利用されうる任意の器官、例えば切株、
種子、等を提供する。
本発明は更に、アミノ酸配列SEQ ID NO 2をコードする核酸、その突然変異体
、対立形質体もしくは誘導体、又は有意に相同性なアミノ酸配列をコードする核
酸を植物の細胞内で発現させ(これによりコードポリペプチドを生産する)、次
いで植物の細胞又はその子孫へのこの核酸の初期導入段階を含んで成る方法を提
供する。かかる方法は植物に病原体耐性を供しうる。
植物のゲノムに安定的に組込まれた遺伝子は植物の子孫へと世代毎に継代され
、その子孫の細胞はコードされるポリペプチドをコードし得、従って強められた
病原体耐性を有しうる。病原体耐性はペロノスポラ・パラシチカ又はブレミア・
ラクチュカエ(Bremia lactucae)の如き病原体の適合性の評価により決定し得
る。
RPP5遺伝子の配列決定は、Cf−9遺伝子及びCf−2遺伝子と同様に、それが
ロイシンリッチ反復(LRR)領域をコードする DNA配列を含み、そして相同性探索
は LRRを含むその他の遺伝子に対する強力な相同性を示した。WO 95/18230 号
に論じられている通り、そしてこの発見において更に確められている通り、 LRR
の存在は数多くの病原体耐性遺伝子の特徴であり得、そして LRRの存在は更なる
病原体耐性遺伝子の同定方法において利用されうる。
更に、 RPP5と、タバコモザイクウィルス耐性遺伝子N及び亜麻さび病耐性遺
伝子L6との間に一定の驚くべき相同性がある(図3)。(図3より誘導されう
る通り、 RPP5とNとの全相同性は33%のアミノ酸同一性であり、一方 RPP5及
びL6についてのその値は27%である)。このような相同性は、例えば配列保存
性、好ましくはアミノ酸配列の保存性を基礎にデザインしたオリゴヌクレオチド
(例えば縮重プール)を利用して更なる耐性遺伝子を同定するのに
も利用し得る。特に、プライマーは、遺伝子の領域であって RPP5及びNのアミ
ノ酸配列FYDVDP(SEQ ID NO 6)をコードし、そしてL6の場合FYMVDP(SEQ ID NO
7)をコードする、並びに RPP5の領域IACFF(SEQ ID NO 8)(ここでこの配列はL
6においては同一であり、そしてNではIACFL(SEQ ID NO 9)である)をコード
する領域間で DNAを増幅するようにデザインできうる。
更なる観点に従うと、本発明は病原体耐性遺伝子、例えば RPP5,N及びL6
間で保存されている1又は複数の配列を含んで成るオゴヌクレオチドを新たな耐
性遺伝子の探索のために利用することを含んで成る植物病原体耐性遺伝子の同定
方法を提供する。即ち、(病原体耐性を供することのできるポリペプチドをコー
ドする)病原体耐性遺伝子を含んで成る核酸を得るための方法を提供し、この方
法はオリゴヌクレオチド(その詳細は本明細書において記述してある)又はかか
るオリゴヌクレオチドを含んで成る核酸分子の標的/候補核酸に対するハイブリ
ダイゼーションを含んで成る。標的又は候補核酸は、例えば、病原体耐性遺伝子
をコードすることで知られる生物より獲得できるゲノム又はcDNAライブラリーを
含んで成り得る。有効なハイブリダイゼーションが同定し得、そして更なる研究
及び/又は利用のために標的/候補核酸を単離する。
ハイブリダイゼーションは核酸のプロービング及び適当なストリンジェンシー
条件(公知の技術に従う)下での陽性ハイブリダイゼーション、並びに/又は P
CRの如き核酸増幅方法におけるプライマーとしてのオリゴヌクレオチドの利用を
包括する。プロービングのため、好適な条件は更に調べられうる陽性として同定
されるハイブリダイゼーション数の少ない簡単なパターンができるのに十分にス
トリンジェンシーなものである。数個の陽性クローンしか残らなくなるまでハイ
ブリダイゼーションのストリンジェンシーを徐々に高
めることが当業界において公知である。
プロービングの別の方法として、核酸ハイブリダイゼーションは利用するが、
DNA配列を増幅するためにデザインしたオリゴヌクレオチドを日常の手順を利用
する核酸の増幅を包括する PCR反応又はその他の方法において利用してよい。例
えば「PCR protcols;A Guide to Methods and Applicationsl」 Innis ら編(1
990)、Academic Press,New Yorkを参照のこと。
プローブ又は PCRプライマーのデザインにおいて利用するために適当な好適な
アミノ酸配列は、例えば RPP5並びにN及び/又はL6によりコードされるもの
如き病原体耐性を供することのできる少なくとも2種のポリペプチド間で保存さ
れた(完全に、実質的に、又は部分的に)配列である。
アミノ酸配列情報に基づき、遺伝子コードの縮重性、そして必要なら、候補核
酸が由来する生物のコドン用法を考慮して、オリゴヌクレオチドプローブ又はプ
ライマーがデザインできうる。好適な配列は、アミノ酸(i)FYDVDP(SEQ ID N
O 6);(ii)IACFF(SEQ ID NO 8)をコードする配列、又はこれらをコードす
る配列に相補性である配列を含んで成る又は有するものが含まれうる。これらの
適当なフラグメントを利用してよい。例えば、オリゴヌクレオチド TTC/TAC GA
C/T/TGTX GAT/CCC(SEQ ID NO 10)はアミノ酸配列FYDVDPに由来しうる。かかる
オリゴヌクレオチドプライマーは、IACFFをコードする配列の最も下の鎖に由来
するプライマー A A G/A AAG/A C/A XGC T/G/A AT(SEQ ID NO 11)と組合せて
PCRにおいて利用できる。(配列は全て5′から3′方向で示す;図3参照)。
XはA,G,C又はTを意味する。
好ましくは、本発明に係るオリゴヌクレオチドは、例えば核酸増幅において利
用するため、約10以下のコドン(例えば6,7又は8
個)を有し、即ち、長さ約30以下のヌクレオチド(例えば18,21又は24個)であ
る。
かかる PCR生成物が耐性遺伝子に対応するかどうかの評価は様々な方法で行え
る。かかる反応由来の PCRバンドは生成物の複雑な混合物を含みうる。個々の生
成物をクローニングし、そして各々を、このプローブについての多形態を示す子
孫において分離された公知の病気耐性遺伝子への連結についてスクリーニングで
きうる。他方、 PCR生成物は変性ポリアクリルアミドゲル上で多形態が示される
ように処理してよく、そして耐性遺伝子に連結した特定のバンドはクローニング
前に予備選定してよい。候補 PCRバンドがクローニングでき、そして既知の耐性
遺伝子に連結していることが示されたら、それをcDNAクローンを単離するために
用いることができ、それをその他の特徴及び RPP5、N又はL6のいづれかに対
する相同性について調査できうる。次にそれを注目の植物の病気感受性品種への
導入によりその機能を評価するように形質転換により分析し得る。他方、分析に
由来する PCRバンド又は配列は、有用な耐性遺伝子の分離をモニターするうえで
植物育成者を補助するのに利用し得る。
その他の耐性遺伝子を同定するために RPP5配列を利用する更なる方法は、有
意な RPP5相同性を有するタンパク質をコードするその他の種において遺伝子を
同定するための発現された配列tag(EST)及びその他の DNA配列のコンピュータ
ーサーチの利用である。例えば、BLAST 計算法(Altschulら、1990)の一つを利
用する60点以上の相同性スコアが候補耐性遺伝子を示唆するであろう。
このような手法のいづれかを利用して核酸を得たら、獲得できた核酸の配列の
全体又は一部を含んで成る核酸分子を、例えば植物に病原体耐性を付与するため
に遺伝子導入植物の製造において利用することができうる。
上記の観点及び態様、そして更には本発明の更なる観点及び態様への変更は当
業者にとって明らかであろう。引用する全ての文献を本明細書に組入れる。
図1は RPP5遺伝子(SEQ ID NO 1)のゲノム DNA配列を示す。この図におい
てイントロンは小文字で示す。特徴:核酸配列−ヌクレオチド1966において翻訳
が開始し、ヌクレオチド6512において翻訳は停止する。
図2は推定の RPP5タンパク質アミノ酸配列(SEQ ID NO 2)を示す。
図3は RPP5(SEQ ID NO 2),N(SEQ ID NO 3)及びL6(SEQ ID NO 4)
遺伝子の推定アミノ酸配列の比較を示す。タンパク質配列は推定のタンパク質ド
メインに従って整列させている。図3はWisconsin 大学のGenetics Computer Gr
oup Sequence Analysis Software Package Version 7.2のPRETTYBOX and PileUp
プログラムを利用して作製した。
図4は図2に示すアミノ酸配列(SEQ ID NO 2)をコードする連続ヌクレオチ
ド配列(SEQ ID NO 5)を示し、そして図1の配列(SEQ ID NO 1)のエキソンの
配列につなげてある。
アラビドプシス RPP5遺伝子のクローニング
RPP5遺伝子は前記のトマト Pto遺伝子の単離のために用いたものと類似の原
理の地図ベースクローニング戦略を利用してクローニングした。
(i)RPP5遺伝子地図位置の挙示
アラビドプシスRFLP地図上の RPP5の地図位置は既に報告されている(Parker
ら、1993)。この論文には、コロンビア及びランズバーグ・エレクタと称される
2種類のアラビドプシスのランドレース(landrace)がどのようにしてNoCo−2
と称されるペロノスポラ・
パラシチカ種に対して異なる反応を示すかが詳細されている;ランズバーグ・エ
レクタは耐性であり、そしてコロンビアは感受性である。ランズバーグとコロン
ビアとの間のF1に由来するF2種に基づく単一種子継代に由来して組換同系列
(Lister and Dean,1993)を構築し、そしてこれらの組換同系列をNoCo−2に
対する耐性又は感受性について試験した。この分析は RPP5遺伝子が染色体4の
上でRFLPマーカーm226 とg4539との間にあることを示した。ランズバーグ及び
コロンビアの DNAをRAPD(ランダムに増幅させる多形態DNA)技術(Williamsら
、1990)を利用して分析し、そしてランズバーグとコロンビアとの間の多形態を
RPP5に対する連結について分析した。コロンビアにおけるバンドは増幅させる
がランズバーグにおけるそれは増幅させないオペロンプライマーOPC18 を利用し
て得られる一の多形態は RPP5に絶対的に連結されていた。 540bpのこの DNAバ
ンド(Parkerら、1993においてOPC18540と称されている)をクローニングし、そ
して得られるプローブをC18プローブと命名した。
(ii)マーカーm226 とマーカーg4539との間の物理地図の樹立
アラビドプシスゲノムプロジェクトは染色体4及び究極的には全アラビドプシ
スゲノムの物理地図の樹立の目的を有する。C18プローブをハイブリダイズする
酵母人工染色体(YAC)クローンを同定するのに用いた。これはその他の連結マー
カー、例えばg13683 を組込む4539と 226との間の物理的な近接体(contig)の
樹立を助長する。C18RAPDバンドをクローニングし、そしてコロンビア及びラン
ズバーグゲノム DNAに対するプローブとして使用した。このプローブのハイブリ
ダイゼーションは、これらの2種類のゲノムタイプにおける非常に多形態な小さ
なマルチ遺伝子ファミリーを示した。組換同系列(Lister and Dean,1993)に
対するハイブリダイゼーショ
ンはこのマルチ遺伝子ファミリーの構成員全てが耐性遺伝子座に絶対的に連結さ
れていることを示した。CAPS手順(Konieczny and Ausubel,1993)を利用し、
コロンビア及びランズバーグのF1雑種の自殖に由来するF2集団の個体を連結
マーカー Ara−1と4539との組換についてクローニングした。 Ara−1遺伝子の
ために用いたプライマーは
である。
これはコロンビ及びランズバーグにおいて 700bpのバンドを供し、それは Acc
−1による消化の後、ランズバーグ DNAは切断されて 360bpと 340bpのバンドを
供した。4539遺伝子座のために用いたプローブは
である。
Hind III消化の後、コロンビア 600bpバンドが切れずに残り、一方ランズバー
グバンドは切れて 480bpと 120bpのフラグメントを供した。これにより更に24種
の組換体がこの間隔内で誘導された。これらの組換体の分析は、ここでもC18マ
ルチ遺伝子ファミリーの構成員全てがまさに RPP5と共に分離することを示した
。連結したマルチ遺伝子ファミリーは病気耐性遺伝子の特徴であるため(Martin
ら、1993;Jonesら、1994;Whitham ら、1994)、我々はC18バンドが RPP5遺
伝子にハイブリダイズしうる仮説を試験した。ベクターpCLD04541(C.Dean,pe
rs.com.;Bentら、1994)中のランズバーグバイナリーベクターコスミドライ
ブラリーからコスミドを同定し、そしてC18プローブにハイブリダイズするコス
ミドクローンを同
定した。表1はハイブリダイズするクローンを別挙する。これらそれぞれを、No
CO−2に対して感受性である容易に形質転換可能なアラビドプシス・ランドレー
スによる形質転換実験において用いた。コスミド29L17による形質転換に由来す
る形質転換体を同定し、そしてこの形質転換体の自己子孫はP.パラシチカNoCO
−2に対する耐性に関して分離した。これは、C18RAPDプローブにハイブリダイ
ズするバンドを担持するクローン29L17が機能的なペロノスポラ・パラシチカ耐
性遺伝子を担持していることを実証した。
(iii)29L17植物 DNAインサートの DNA配列分析
コスミド DNAを29L17から調製し、音波処理し、そしてpUC18 ベクターにクロ
ーニングし、そしてランダムに配列決定した。 240回の DNA配列決定反応を、29
L17インサート DNAにハイブリダイズするクローン、即ち、植物 DNAのインサー
トを担持するクローンとして同定されたランダムクローンに基づいて実施した。
この DNA配列データのコンピューター分析から、14.3kbの DNAを含んで成る DNA
配列近接体が樹立できる。この DNA配列をロイシンリッチ反復をコードする配列
の存在について調べた。一のかかる領域、即ち、SEQ ID NO 1 におけるヌクレオ
チド3000〜ヌクレオチド6138が見つけられた。
(iv)RPP5突然変異に関与する DNA転移の分析
植物 DNAの特性決定領域が注目の遺伝子に対応するかどうかを樹立するための
一の基準は、電離性放射線により引き起こされる対応の遺伝子の中の突然変異が
注目の領域における DNAの転移に関係するかどうかである。高速ニュートロン突
然変異誘発させたランズバーグの種子をペロノスポラ・パラシチカにより、突然
変異体から病気感受性に至るまでスクリーニングした。3種の突然変異体が見つ
けられ、そしてロイシンリッチ反復を担持する遺伝子に対応する D
NAにおける困乱又は転移についてサザンブロットにより分析した。一の突然変異
系FNB387は異なるサザンブロットハイブリダイゼーションパターンを示した。よ
り詳しい分析は、困乱が、ロイシンリッチ反復を担持するリーディングフレーム
のC末端における 270bpの DNAの挿入より成ることを示した。この領域の配列分
析は、 270bpの挿入が、コスミド29L17上に担持された遺伝子内の複数の LRRの
倍化(duplication)に由来することを示した。このことは、 RPP5遺伝子が、
ロイシンリッチ反復を担持するリーディングフレームに対応することを非常に強
く裏付けた。
(v)29L17のサブクローンが RPP5を含むことの証明
突然変異誘発により同定された遺伝子が必須だけでなく、病気耐性をも付与す
るのに十分であることを確認するため、29L17のサブクローンをバイナリーベク
ターSLJ7292 において構築した。pRPP5−1と称されるサブクローンは、遺伝子
の5′側の Bgl II制限酵素部位(SEQ ID NO 1におけるヌクレオチド668)及び遺
伝子の3′側のPstI制限酵素部位(SEQ ID NO lにおけるヌクレオチド6971)によ
り規定される6304bpの DNAフラグメントを含んだ。pRPP5−1をアラビドプシス
・エコタイプ・コロンビアを形質転換させるのに用い、そして病気耐性を供与す
ることが示された。
(vi)RPP5転写体のRT-PCR分析
第一鎖cDNAを実生葉メッセンジャー RNAから調製し、そしてこのcDNAによる P
CR増幅をイントロン隣接プライマーを利用して実施した。プライマーは、イント
ロン1については5′−GAGTTCGCTCTATCATCTCC及び5′−TTATTGCATTCGAAACATCA
TTG;イントロン2及び3については5′−AAATTGATCGTGCAAAGTCC及び5′−AAG
ATTCGCATTCTTCAAGATT;イントロン4については5′−GAAGATGGATTTGTATAATTCC
及び5′−TCAAATTCGGGCATCCAGTGとした。イントロン5については
、入れ子(nested)PCR 戦略を採用し、第一増幅の生成物のアリコートを第二の
ための鋳型として用いた。使用したプライマーは:第一増については5′−TGGT
GACACTTCCTTCCTCG及び5′−CCAAACTTTTGCAGTTGTTG;第二増幅については5′−
TCTCAATGTGAGCGGCTGCAAGC及び5′−AACTTGAGCAACCACTGAGATCG である。クロー
ニングした PCR生成物をベクター特異的プライマー及びインサート特異的プライ
マーの組合せを用いて配列決定した。イントロン配列をSEQ ID NO 1(図1)にお
いて大文字で示すエキソン配列の間の小文字として示す。
(vii)その他の耐性遺伝子の配列との RPP5遺伝子配列の対比
N及びL6遺伝子との RPP5配列の対比はN−末端領域にわたる非常に強い相
同性を示した。これらの領域を図3の中で強調した。それらはキナーゼ−1a、
キナーゼ−2、キナーゼ3aと称するヌクレオチド結合に関与する領域を含む。
キナーゼ−1aは往々にしてP−ループと称される。また、N末端からヌクレオ
チド結合ドメインに至る領域は明確な相同性を示す。特にアミノ酸配列FYDVDP(R
PP5のアミノ酸 104〜109)を担持する保存領域及びアミノ酸IACFF(RPP5の 437
〜441)に対するプライマーをデザインした。アラビドプシスゲノム DNA及びその
他の種の RNAから作ったcDNAの双方に基づき、アミノ酸配列に基づく縮重オリゴ
ヌクレオチドプライマーを PCR反応に用いたとき、耐性遺伝子をコードする潜在
性に合致するサイズの生成物が観察された。
これらのプライマーは単独で、又は同定された耐性遺伝子の保存及び非保存領
域をコードするその他のプライマーとの組合せて、未だ特性決定されていない耐
性遺伝子を含みうるその他の相同性遺伝子配列を単離するのに利用できうる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年6月9日
【補正内容】
9.前記ポリペプチドの発現のための調節配列を更に含んで成る、請求項8記
載の核酸。
10.遺伝子導入植物の製造における先の請求項のいづれか1項記載の核酸の利
用。
11.請求項1〜9のいづれか1項記載の外生核酸を含んで成る宿主細胞。
12.微生物である請求項11記載の宿主細胞。
13.植物細胞である請求項11記載の宿主細胞。
14.請求項13記載の細胞を含んで成る植物又はその任意の器官。
15.請求項14記載の植物の種子、自殖もしくは交雑子孫、もしくは子孫、もし
くは誘導体、もしくはその抽出物、又はその任意の器官。
16.請求項1〜9のいづれか1項記載の核酸の宿主細胞への導入を含んで成る
方法。
17.前記宿主細胞が植物又は微生物細胞である、請求項16記載の方法。
18.植物に病原体耐性を供与する方法であって、請求項1〜9のいづれか1項
記載の核酸の前記植物の細胞内での発現、それに次ぐ前記植物の細胞又はその先
祖への前記核酸の導入の初期段階を含んで成る方法。
19.前記核酸が図2に示すアミノ酸配列をコードする核酸である、請求項18記
載の方法。
20.アラビドプシスの RPP5(この配列は図2に示す)とタバコのN遺伝子又
は亜麻のL6遺伝子との間で保存されているアミノ酸配列をコードする約18個の
ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド又はこのアミノ酸配列をコードするヌクレオ
チド配列に対して相補性である配列を含んで成るオリゴヌクレオチド。
21.(i) FYD/MVDP;及び(ii) IACFF/Lのいづれかのアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列を含んで成る、又は
前記コード配列に対して相補性であるヌクレオチド配列、を含んで成る請求項
20記載のオリゴヌクレオチド。
22.(i)
TTC/TTAC/TGAC/TGTXGAT/CCC;
(ii)
AAG/AAAG/ACAXGCT/G/AAT;及び
(iii)
(i)又は(ii)に対して相補性である配列;
から選ばれる配列を含んで成る、請求項21記載のオリゴヌクレオチド。
23.病原体耐性遺伝子を含んで成る核酸を得るための方法であって、請求項20
〜22のいづれか1項記載のオリゴヌクレオチド又はこのオリゴヌクレオチドを含
んで成る核酸分子の標的核酸に対するハイブリダイゼーションを含んで成る方法
。
24.核酸増幅の利用を包括する請求項23記載の方法。
25.前記ハイブリダイゼーションに次いで、標的核酸の有効なハイブリダイゼ
ーションの同定及び単離を行う、請求項23又は24記載の方法。
26.請求項23〜25のいづれか1項記載の方法を利用して核酸を得た後に、得ら
れる核酸の配列の全体又は一部を含んで成る核酸分子を遺伝子導入植物の製造に
利用することを含んで成る、方法。
27.前記核酸分子を、前記植物に病原体耐性を供与するのに利用する、請求項
28記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12Q 1/68 C12N 5/00 C
//(C12N 1/21
C12R 1:01)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 パーカー,ジェーン
イギリス国,ノーフォーク エヌアール2
3アールダブリュ,ノーウィッチ,アー
ラム ロード 182
(72)発明者 コールマン,マーク
イギリス国,ノーフォーク エヌアール2
3ビーエヌ,ノーウィッチ,セント.フ
ィリップス ロード 55
(72)発明者 ダニエルズ,マイケル ジョン
イギリス国,ノーフォーク エヌアール4
7キューワイ,ノーウィッチ,ミル エ
ンド ロード 9
(72)発明者 スザボ,ベロニク
アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616,
デービス,フィフス ストリート 1930,
エヌエスエフ センター フォー エンジ
ニアリング プランツ フォー レジスタ
ンス アゲインスト パソーゲンス (シ
ーイーピーアールエーピー),ユニバーシ
ティ オブ カリフォルニア
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.植物における発現が植物における防御反応の活性化を及ぼすことのできる 病原体耐性遺伝子をコードする核酸単離体であって、図2に示すアミノ酸の配列 を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含んで成る核酸。 2.前記活性化が、病原体又は対応の誘起分子との前記植物の接触に基づくも のである、請求項1記載の核酸。 3.前記ヌクレオチドの配列が図1に示すコード配列を含んで成る、請求項1 記載の核酸。 4.前記ヌクレオチドの配列が、図1に示すコード配列の1又は複数個のヌク レオチドの付加、挿入、欠失又は置換を介する対立形質体、誘導体又は突然変異 体を含んで成る、請求項1記載の核酸。 5.植物における発現が植物における防御反応の活性化を及ぼすことのできる 病原体耐性遺伝子をコードする核酸であって、図2に示すアミノ酸配列の1又は 複数個のアミノ酸の付加、挿入、欠失又は置換を介する対立形質体、誘導体又は 突然変異体を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含んで 成り、 但し、コードされるポリペプチドが図2に示すアミノ酸配列と約60%以上の相 同性を有するものである、 前記核酸。 6.植物における発現が植物における防御反応の活性化を及ぼすことのできる 病原体耐性遺伝子をコードする核酸であって、図2に示すアミノ酸配列の1又は 複数個のアミノ酸の付加、挿入、欠失又は置換を介する対立形質体、誘導体又は 突然変異体を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含んで 成り; 但し、前記核酸の発現が、卵菌類、例えばペロノスポラ・パラシ チカ又はその抽出物との前記植物の接触により防御反応の活性化を及ぼすことが できるものである、 前記核酸。 7.前記活性化が病原体又は対応の誘起分子との前記植物の接触に基づくもの である、請求項5又は6記載の核酸。 8.請求項1〜7のいづれか1項記載の核酸を含んで成るベクターである核酸 。 9.前記ポリペプチドの発現のための調節配列を更に含んで成る、請求項8記 載の核酸。 10.遺伝子導入植物の製造における先の請求項のいづれか1項記載の核酸の利 用。 11.請求項1〜9のいづれか1項記載の核酸を含んで成る宿主細胞。 12.微生物である請求項11記載の宿主細胞。 13.植物細胞である請求項11記載の宿主細胞。 14.請求項13記載の細胞を含んで成る植物又はその任意の器官。 15.請求項14記載の植物の種子、自殖もしくは交雑子孫、もしくは子孫、もし くは誘導体、もしくはその抽出物、又はその任意の器官。 16.請求項1〜9のいづれか1項記載の核酸の宿主細胞への導入を含んで成る 方法。 17.前記宿主細胞が植物又は微生物細胞である、請求項16記載の方法。 18.植物に病原体耐性を供与する方法であって、請求項1〜9のいづれか1項 記載の核酸の前記植物の細胞内での発現、それに次ぐ前記植物の細胞又はその先 祖への前記核酸の導入の初期段階を含んで成る方法。 19.前記核酸が図2に示すアミノ酸配列をコードする核酸である、請求項18記 載の方法。 20.アラビドプシスの RPP5とその他の病原体耐性遺伝子との間で保存されて いるアミノ酸配列をコードする配列又はこのアミノ酸配列をコードするヌクレオ チド配列に対して相補性である配列を含んで成るオリゴヌクレオチド。 21.前記病原体耐性遺伝子がタバコのN又は亜麻のL6である、請求項20記載 のオリゴヌクレオチド。 22.(i) FYD/MVDP;及び(ii) IACFF/Lのいづれかのアミノ酸配列をコ ードするヌクレオチド配列を含んで成る、又は 前記コード配列に対して相補性であるヌクレオチド配列、を含んで成る請求項 21記載のオリゴヌクレオチド。 23.(i) TTC/TTAC/TGAC/TGTXGAT/CCC; (ii) AAG/AAAG/ACAXGCT/G/AAT;及び (iii) (i)又は(ii)に対して相補性である配列; から選ばれる配列を含んで成る、請求項22記載のオリゴヌクレオチド。 24.請求項20〜23のいづれか1項記載のオリゴヌクレオチドの配列の1又は複 数個のヌクレオチドの付加、挿入、欠失又は置換を介する変異体又は誘導体であ る配列を含んで成るオリゴヌクレオチド。 25.病原体耐性遺伝子を含んで成る核酸を得るための方法であって、請求項20 〜24のいづれか1項記載のオリゴヌクレオチド又はこのオリゴヌクレオチドを含 んで成る核酸分子の標的核酸に対するハ イブリダイゼーションを含んで成る方法。 26.核酸増幅の利用を包括する請求項25記載の方法。 27.前記ハイブリダイゼーションに次いで、標的核酸の有効なハイブリダイゼ ーションの同定及び単離を行う、請求項25又は26記載の方法。 28.請求項25〜27のいづれか1項記載の方法を利用して核酸を得た後に、得ら れる核酸の配列の全体又は一部を含んで成る核酸分子を遺伝子導入植物の製造に 利用することを含んで成る、方法。 29.前記核酸分子を、前記植物に病原体耐性を供与するのに利用する、請求項 28記載の方法。
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