JPH1150306A - ブラジャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体形にフィットし、シェイプアップしたい部
分をすっきりとさせ、胸の形状をより立体的に美しく見
せ、かつ着用感を向上させること。 【解決手段】 胴回り部１と肩紐部２とカップ部３と
を、同一素材でニット編みにより一体に連続して編成
し、この各部位の引張力は、胴回り部１を最大として、
肩紐部２、上部カップ部３１、下部カップ部３２の順序
に弱くなっている。そのため、このカップ部３全体が乳
房の形に自然にフィットして着用感がよい。胴回り部１
によりシェイプアップした分の肉部と肩紐部２からの肉
部を、引張力が最も弱い下部カップ部３２内に集中さ
せ、隆起させるため乳房はより立体感を感じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、かぶって着用する
タイプのブラジャーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からブラジャーには、スタンダード
ブラジャーと胴回り部（アンダー部）がウエストライン
まで達しているロングラインブラジャーがあり、いずれ
のブラジャーも左右２つのカップ部と、このカップ部の
下辺を連結し胴回りを包む胴回り部（アンダー部）と、
一端をカップ部の上端部に連結し他端を胴回り部に連結
してある肩紐部とから構成してなる。そして、乳房の形
状補整するために両カップ部の下辺に沿って湾曲してい
るワイヤーが取付けてあり、アンダー部は引張力（収縮
力）の強いパワーネットと称される素材を使用し、この
アンダー部の両端部には背中の中央部で連結させるため
の背フックなどの連結金具が設けてあり、また、上記肩
紐部には丸環、Ｓ環と称される止め金や長さ調整用の止
め具（ストラップ）が設けてある。これら長さ調整用の
付属物により、ユーザは自己の体形にフィットするよう
に、肩紐部の長さを予め調整してからブラジャーを着装
する。そして、ワイヤーの材質は鋼線や硬質の線状の合
成樹脂が使用されている。

【０００３】また、ブラジャーを製造するには、先ず、
カップ部、アンダー部や肩紐部など各構成部分（部位）
を適応する素材を使用してそれぞれ別個に裁断した後、
この構成部分相互を連結縫製し立体的に構成するもので
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、肩紐の長
さを調整する丸環やワイヤーなど付属物はブラジャーを
自己の体形にフィットさせ、乳房の外形をシェイプアッ
プして魅力的に補整する点でブラジャーとして不可欠な
要素であるが、乳房の小さな人または大きい人、骨張っ
た体形の人など多くの人にとって、カップ部の補整用の
ワイヤーーや調整用の止め具が肌に食い込み、そのため
着用感が悪く、この点の改良が要望されている。さら
に、ブラジャーを製造するには、前記したように各構成
部分をそれぞれ別個に裁断した後、この構成部分相互を
連結縫製するものであるため、縫製加工工程が複雑かつ
煩雑である。

【０００５】そこで、本発明の目的は、従来のワイヤー
や長さ調整用の付属物である止め金具などを一切を省略
し、体形に十分フィットさせ、胸の形状をよりスッキリ
と、かつ立体的に美しく見せることができ、かつ着用感
を向上させ、さらにブラジャーの加工工程を簡単にする
ことのできるブラジャーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の特徴は、胴回り部と肩紐部とカップ部
とからなる各部位を、同一素材をもって伸縮自在のニッ
ト編みにより一体に連続して編成してなるもので、上記
胴回り部は上記カップ部の下端部のレベルからウエスト
に向けて所定の幅の筒状のものであり、上記肩紐部は上
記胴回り部の上辺から連続して編成してあり、上記カッ
プの周囲から肩部に向けて延伸してあり、上記カップ部
は乳頭から上の上部カップ部と乳頭から下の下部カップ
部とから構成され、上記各部位の引張力の強さは、上記
胴回り部を最大として、以下上記肩紐部、上記上部カッ
プ部、上記下部カップ部の順序に弱くなっているところ
にある。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一態様を図面を参
照して説明すると、図１は正面形状を、図２は背面形状
を示すもので、この図面では、ロングラインブラジャー
を例示しているもので、これはニット編みで一体に筒状
に編成（丸編み）されたものである。

【０００８】本発明は胴回り部１と肩紐部２とカップ部
３とからなる各部位を伸縮自在のニット編みにより一体
に筒状に統一素材により編成してなるものである。実験
ではこの素材として、ナイロン８７％、ポリウレタン１
３％の混紡を使用した。

【０００９】胴回り部１はカップ部３の下端部のレベル
からウエスト部４に向けて所定の幅の筒状のもので、こ
の胴回り部はカップ部からウエストラインにまで達して
いるもので、このウエスト部４はメーキャップのダブル
仕上げになっている。そして、この胴回り部４は他の部
位２，３に比較して最大の収縮力（弾性力）を有するよ
うに図３（ａ）のような密な編み型（例えば、リブ編
み）で編成してある。この引張力は、女性が最も美しく
見せたい部分、つまり身体の前面では乳房からウエスト
にかけての部分、及び後面では健康骨からウエストにか
けての部分をすっきりと押えるに必要な力が必要であ
る。

【００１０】肩紐部２は胴回り部１の上ラインから連続
してカップ部３の外周辺に沿って上方に向け、カップ部
３，３間の連結部２１と同時に筒状に編成してあり、上
部は前後共に２つに分岐して次第に狭い幅になって所定
幅の帯状になって肩部に向けて延伸している。なお、連
結部２１は胴回り部１と同一編み型（リブ編み）で同一
の引張力を有するように編んでもよい。肩紐部２の引張
力は胴回り部１よりも引張力は弱いもので、図３（ｂ）
のような編み型で編成してある。この肩紐部２の引張力
は胸脇（ふく乳部）の部分の肉を相互に内方に乳房と共
にカップ部３内に入れ込みながら押え、乳房が胸脇に流
れる性質を防止し、乳房に立体感を与えるために十分な
力が必要である。そして、前後の肩紐部２，２の上辺２
２，２２は縫い合せ連結してある。

【００１１】肩紐部２と同時に編成されたカップ部３は
乳房全体を被覆する形状で、乳頭から上の上部カップ部
３１と乳頭から下の下部カップ部３２とにより構成さ
れ、この上部カップ部の引張力は肩紐部２よりもさらに
弱いもので、図３（ｃ）の編み型で編成してある。

【００１２】また、下部カップ部３２は上部カップ部３
１よりさらに弱い引張力、つまり図３（ｄ）に示す編み
型（例えば、かのこ編み）で編成され、これは他の部位
に比較して最も弱い引張力を有するものである。

【００１３】このように、カップ部３における引張力は
上部カップ部３１よりも下部カップ部３２の方を弱くし
てあるため、このカップ部全体が乳房の形に自然にフィ
ットして着用感がよい。さらに、胴回り部１によりシェ
ィプアップした分の肉部と肩紐部２、連結部２１からの
肉部を、この引張力が最も弱い下部カップ３２内に集中
させ前方に隆起させることができるため、乳房をより豊
かに立体感を感じさせるようにすることができる。

【００１４】次に、本発明に係るブラジャーの編成工程
について説明する。先ず、ウエスト部４から筒状に編成
を開始し、まずこのウエスト部はメーキャップのダブル
仕上げにし、続いて胴回り部１を強い引張力を有する編
み型、つまり図３（ａ）の編み型で編成していく。この
編成作業に続いて前面に位置する下カップ部３２と肩紐
部２及び両カップの間に位置する連結部２１とを同時に
編成していき、この場合、肩紐部２と連結部２１とは胴
回り部１よりも弱い引張力、即ち図２（ｂ）の編み型で
編成し、この下部カップは乳頭のラインから上方は、図
３（ｃ）の編み型で上部カップ部３１を連続して編成
し、肩紐部２，２はそのまま上方に向けて連続して編成
していくものである。編成終了時はこの肩紐部の上端部
２２，２２は未だ連結されていない。そこで、最後にこ
の前後の肩紐部２の上端部２２を縫い合せるだけでよ
い。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、胴回り部は最も引張力が強い
ので、女性の身体的に最もシェイプアップしたい部分を
すっきりと押え、次に引張力の強い肩紐部によって胸脇
部分を内側に乳房と共に押圧し、これにより乳房の脇に
流れ易い性質を防止し、体形をスリムに補整する。さら
に、カップ部は下部カップ部の方が上部カップ部より引
張力が弱いため、乳房の形に自然にフィットし、シェイ
プアップの効果が大きく、着用感もよく、さらに、胴回
り部によりシェイプアップした分の肉部と肩紐部からの
肉部を、この引張力が最も弱い下部カップ部内に集中さ
せ前方に隆起させることができるため、乳房をより豊か
に立体感を感じさせ美しく見せることができる。また、
従来のようなストラップやワイヤー、背フックなど一切
使用していないので、この着用感は非常に優れている。
さらに、製造工程はニット編みで連続的に編成され、縫
製が必要な個所は僅か肩紐部の先端の連結作業のみであ
るので、従来のブラジャーの製法に比較して簡単な工程
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図である。

【図２】背面図である。

【図３】（ａ）〜（ｄ）は各部位の編み型を拡大して示
す正面図である。

【符号の説明】

１ 胴回り部 ２ 肩紐部 ３ カップ部 ３１ 上部カップ部 ３２ 下部カップ部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴回り部と肩紐部とカップ部とからなる
   各部位を、同一素材をもって伸縮自在のニット編みによ
   り一体に連続して編成してなるもので、 上記胴回り部は上記カップ部の下端部のレベルからウエ
   ストに向けて所定の幅の筒状のものであり、 上記肩紐部は上記胴回り部の上辺から連続して編成して
   あり、上記カップの周囲から肩部に向けて延伸してあ
   り、 上記カップ部は乳頭から上の上部カップ部と乳頭から下
   の下部カップ部とから構成され、 上記各部位の引張力の強さは、上記胴回り部を最大とし
   て、以下上記肩紐部、上記上部カップ部、上記下部カッ
   プ部の順序に弱くなっていることを特徴とするブラジャ
   ー。