JPH1150251A - 導電性中空体の内部表面へのイオン注入法 - Google Patents
導電性中空体の内部表面へのイオン注入法Info
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- JPH1150251A JPH1150251A JP9220886A JP22088697A JPH1150251A JP H1150251 A JPH1150251 A JP H1150251A JP 9220886 A JP9220886 A JP 9220886A JP 22088697 A JP22088697 A JP 22088697A JP H1150251 A JPH1150251 A JP H1150251A
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Abstract
にイオンを注入させて、中空体の内部表面の表層改質を
図ることにある。 【解決手段】 導電性の中空体2の内部をプラズマ雰囲
気にし、接地電位に対してマイナスの電圧をかけて中空
体2をマイナスの電位状態にして、プラズマ雰囲気のイ
オンを中空体2の内部表面2aに注入させる。
Description
のイオンを中空体の内部表面に注入させて、中空体の内
部表面の表層改質を図る導電性中空体の内部表面へのイ
オン注入法に関するものである。
に加速した粒子(イオン)を固体に照射し、固体内部に
打ち込む技術である。イオンは、固体表面原子をスパッ
タリング効果によって弾き飛ばす作用もあるが、多くは
固体内部につきささる。このような大きな運動エネルギ
ーを持ったイオンが固体表面に衝突し侵入する際に、様
々な物理的現象及び化学的現象が起こり、これを利用し
て固体表面の表層改質を図ることができるのが知られて
いる。
表面にイオンを垂直に注入させることは容易であるが、
中空体の内部表面にイオンを注入させる場合、イオンは
直進性を有するため、特に、中空体の内径に対してその
長さが長いときには、イオンを中空体の内部表面に垂直
に注入させることが困難となり、また、図4に図示する
ように、イオンを中空体2の内部表面2aに対して傾斜
角度を有して注入させると、イオンは固体表面原子をス
パッタリング効果によって弾き飛ばして、固体内部に注
入させることができず、このため、中空体の内部表面に
イオンを注入させるのは困難であった。
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、注入が困難であった中空体の内部表面
に垂直にイオンを注入させて、中空体の内部表面の表層
改質を図ることのできる導電性中空体の内部表面へのイ
オン注入法を提供することにある。
めに、この発明は、導電性の中空体の内部をプラズマ雰
囲気にし、接地電位に対してマイナスの電圧をかけて中
空体をマイナスの電位状態にして、プラズマ雰囲気のイ
オンを中空体の内部表面に注入させる手段よりなるもの
である。
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。こ
こで、図1はイオン注入装置の概略図である。
の中空体2の内部表面2aにイオンを垂直に注入させる
装置で、真空状態となる密閉容器3、密閉容器3の内部
に先端側が挿入されたプラズマ発生器4、密閉容器3の
内部の空気を排出して真空状態にする真空ポンプ5、及
び接地電位に対してマイナスの電圧をかけて中空体2を
マイナスの電位状態にパルス高電圧電源6などから構成
されている。
状態にして、内部でプラズマが発生する環境を造り出す
場所であり、密閉容器3の内部には、イオンがその内部
表面2aに注入される導電性の中空体2が配置され、又
プラズマ発生器4の先端側が挿入されている。更に、密
閉容器3には内部の空気を排出して真空状態にするため
の空気排出路3aが接続されており、この空気排出路3
aの他端側には真空ポンプ5が接続されている。
CR(電子サイクロトン共鳴)放電によりプラズマを発
生させる機構になっている。マイクロ波ECR放電に
は、パルス駆動可能な発振周波数例えば2.45GH
z、最大出力例えば3kwのマイクロ波電源が使用され
る。また、プラズマ発生用原料ガスとしては例えば窒素
(N2 )ガスが使用される。
0kV、周波数100Hz、パルスオン時間40μsの
パルス電圧を導電性の中空体2に印加するものであり、
通常の電圧に比べて、少ない電気エネルギーで大きな電
圧を得ることができる。
が開口されている。中空体2には例えば細長な導電性の
筒体などが使用され、中空体2はその一端側が絶縁筒体
7を介してプラズマ発生器4に間接的に取付けられてい
る。即ち、中空体2の一端側はプラズマ発生器4と非接
触状態にあり、中空体2の一端とプラズマ発生器4とは
放電しない距離だけ絶縁筒体7によって離されている。
プラズマの全てを中空体2の内部に導入させる機能を果
たすもので、絶縁筒体7の両端は開口されている。絶縁
筒体7の開口された一端には、プラズマ発生器4の先端
が一部挿入されて接続されている。また、プラズマ発生
器4の先端が挿入される側の反対側となる絶縁筒体7の
開口された他端には、中空体2の一端側が一部挿入され
て接続されている。
くイオンの注入方法について以下説明する。密閉容器3
に導電性の中空体2を入れ、中空体2の一端を絶縁筒体
7の一端に挿入して接続する。中空体2の一端が接続さ
れた絶縁筒体7の他端にプラズマ発生器4の先端側を挿
入して接続する。この場合、中空体2の一端とプラズマ
発生器4の先端側とは、非接触状態でしかも放電しない
距離に離してそれぞれ絶縁筒体7の両端側に接続する。
器3の空気を排出する。密閉容器3の内部の空気は真空
ポンプ5の作動により空気排出路3aから排出されて内
部は真空状態になる。真空状態としては例えば10-2パ
スカルの真空度である。
発生器4に所定のガス、例えば窒素ガスを導入して、プ
ラズマ発生器4を作動させると、窒素プラズマが発生す
る。発生した窒素プラズマはプラズマ発生器4の先端か
ら絶縁筒体7の内部を通って中空体2の内部に入り、中
空体2の内部は窒素プラズマ雰囲気になる。
ラズマ雰囲気になった後、パルス高電圧電源6により、
接地電位に対してマイナスの電圧をかけて中空体2をマ
イナスの電位状態にする。
中空体2の内部の窒素プラズマ雰囲気からプラスの電位
状態のイオンは、マイナスの電位状態の中空体2の内部
表面2aに吸引加速され、運動エネルギーを持ち中空体
2の内部表面2aに衝突して、内部表面2aに垂直にイ
オンが注入される(図2(A)(B)参照)。
2にパルス電圧が印加されている間は、イオンが中空体
2の内部表面2aに吸引加速され、一方、電子は中空体
2から遠ざかり密閉容器3の内壁面に衝突する。このた
め、シースエッジは時間とともに拡がっていき、中性プ
ラズマ部は空間電荷槽(シース)へのイオンの供給源と
なる。
注入されることにより、中空体2の内部表面2aの表層
改質を図ることができる。
160mm、内径35mmφのステンレスチューブからなる中
空体2を使用した。このときパルス高電圧電源6は、マ
イナス20kV、100Hz、40μs、30minで
ある。
は、絶縁筒体7寄りのプラズマ発生器4に一番近いほど
(A点)、注入された窒素濃度は高くなる傾向にある
が、中空体2の内部すべてにイオンが注入されているこ
とがわかる。
限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない
範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
明に係る導電性中空体の内部表面へのイオン注入法によ
れば、導電性の中空体の内部をプラズマ雰囲気にし、接
地電位に対してマイナスの電圧をかけて中空体をマイナ
スの電位状態にし、プラズマ雰囲気のイオンを中空体の
内部表面に注入させることにより、これまで注入が困難
であった中空体の内部表面にプラズマ雰囲気のイオンを
垂直に注入させることができ、これを利用して中空体の
内部表面の表層改質を図ることができる。
概略図である。
内部表面にイオンが注入される概念を示す断面図であ
る。(B)はこの発明の実施の形態を示す中空体の内部
表面にイオンが注入される概念を示す側断面図である。
体)の寸法サイズ、高電圧パルスの条件を示す実験概要
図である。(Y)は図3(X)のステンレスチューブ
(中空体)の寸法サイズによる内部表面の所定位置
(A,B,C)における、オージェ電子分析により測定
したチューブ内表面(中空体の内部表面)に注入された
窒素の濃度分布図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 導電性の中空体の内部をプラズマ雰囲気
にし、接地電位に対してマイナスの電圧をかけて中空体
をマイナスの電位状態にして、プラズマ雰囲気のイオン
を中空体の内部表面に注入させることを特徴とする導電
性中空体の内部表面へのイオン注入法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22088697A JP3333717B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 導電性中空体の内部表面へのイオン注入法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22088697A JP3333717B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 導電性中空体の内部表面へのイオン注入法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150251A true JPH1150251A (ja) | 1999-02-23 |
JP3333717B2 JP3333717B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=16758086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22088697A Expired - Fee Related JP3333717B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 導電性中空体の内部表面へのイオン注入法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3333717B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002046726A (ja) * | 2000-05-26 | 2002-02-12 | Kanazawa Inst Of Technology | 高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置 |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP22088697A patent/JP3333717B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002046726A (ja) * | 2000-05-26 | 2002-02-12 | Kanazawa Inst Of Technology | 高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置 |
Also Published As
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JP3333717B2 (ja) | 2002-10-15 |
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