JPH1150189A - 高強度耐hicラインパイプ用鋼板およびその製造法 - Google Patents
高強度耐hicラインパイプ用鋼板およびその製造法Info
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- JPH1150189A JPH1150189A JP21068897A JP21068897A JPH1150189A JP H1150189 A JPH1150189 A JP H1150189A JP 21068897 A JP21068897 A JP 21068897A JP 21068897 A JP21068897 A JP 21068897A JP H1150189 A JPH1150189 A JP H1150189A
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Abstract
プ用鋼板を低コストで製造する。 【解決手段】 C:0.02〜0.10%、Si:0.05 〜0.50%、M
n: 0.80〜1.40%、P:0.020 %以下、S:0.0020%以下、C
r: 0.30〜1.00%、Ti:0.005〜0.030 %、Ca:0.0005 〜
0.0050%、N:0.0080%以下、残部Feおよび不可避的不純
物からなるスラブを1000〜1200℃に加熱した後、スラブ
表面温度が1000℃以上である温度域でスラブ厚さが製品
厚さの3〜10倍になるまで粗圧延を行い、さらに表面温
度が800℃以上である温度域で仕上げ圧延を行い、圧延
終了後直ちに50〜200m/minの範囲内の搬送速度で鋼板を
搬送しながら、 400〜550 ℃まで水冷する。
Description
た高強度耐 HICラインパイプ用鋼板およびその製造方法
に関する。
スは、H2S 等の腐食性ガスを多量に含むため、その輸送
に使用されるラインパイプには、これらのガスに対する
耐食性が要求されることが多い。
は、敷設の現地でパイプの外周部の溶接 (以下、単に現
地周溶接という) を行うことによりパイプ同士を接続す
るが、現地周溶接により熱影響部 (HAZ)の硬度が上昇
し、耐食性が劣化する。そこで、熱影響部の硬度低下を
目的として後熱処理を行うが、この後熱処理により、鋼
管自体の強度低下、敷設作業の長時間化さらには施工コ
スト上昇が生じる。
ンパイプを接続するため、母材の炭素当量(Ceq.)および
溶接割れ感受性組成(Pcm.)のそれぞれの成分の上限値を
規定して管理することが多い。このように、炭素等量(C
eq.)および溶接割れ感受性組成(Pcm.)のそれぞれの上限
値を管理された母材からなるラインパイプ同士を接続す
る場合は、溶接ままでラインパイプを接続しても所望の
耐食性を維持することができる。
て、このような母材からなるラインパイプに合金元素が
非常に多い鍛造品 (例えばコネクタ) を現地溶接する場
合がしばしば発生する。このような場合には、鍛造品の
溶接による残留応力除去と硬度上昇防止とを目的とし
て、600 〜700 ℃程度の後熱処理を行わざるを得ない。
この後熱処理によって前述の母材からなるラインパイプ
自体も熱処理されるため、溶接部の靱性低下が発生す
る。そのため、ラインパイプ用鋼板には600 ℃以上の高
温SR性能 (SR脆化に対する抵抗性) が要求される。
パイプは、高温SR処理が施されることを勘案して、強度
的にオーバーグレードの鋼板を用いている。そのため、
要求規格に対して設計上相当豊富な合金成分系とせざる
を得ず、極めてコスト高となっていた。
ために合金成分の添加量を増加していくと、炭素当量お
よび溶接割れ感受性組成がいずれも上昇する。そのた
め、このような鋼材の溶接を行うと、熱影響部の硬化が
著しくなる。
割れ(HIC) として現れる腐食性ガス中における腐食の発
生も、著しくなる。この水素誘起割れは、鋼材の成分偏
析にも影響され、特に連続鋳造スラブから製造した鋼板
では中心偏析に起因する水素誘起割れが発生し易い。
合金化とは相反する内容となっており、また耐食性もか
えって低下する結果を招いていた。ここに、本発明の目
的は、高温SR特性に優れた高強度耐 HICラインパイプ用
鋼板を低コストで製造する技術を提供することである。
するところは、C:0.02〜0.10%(以下、本明細書にお
いては特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意
味するものとする)、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜1.
40%、P:0.020 %以下、S:0.0020%以下、Cr:0.30
〜1.00%、Ti:0.005 〜0.030 %、Ca:0.0005〜0.0050
%、N:0.0080%以下を含有し、さらに必要に応じて、
Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Mo:0.50%以下、N
b:0.060 %以下、V :0.10%以下、およびAl:0.10%
以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴と
する高温SR特性に優れた高強度耐 HICラインパイプ用鋼
板である。
〜0.10%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜1.40%、P:
0.020 %以下、S:0.0020%以下、Cr:0.30〜1.00%、
Ti:0.005 〜0.030 %、Ca:0.0005〜0.0050%、N:0.
0080%以下、さらに必要に応じて、Cu:0.50%以下、N
i:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.060 %以下、V
:0.10%以下、およびAl:0.10%以下からなる群から
選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなるスラブを1000〜1200℃に加熱した
後、スラブ表面温度が1000℃以上である温度域でスラブ
厚さが成品厚さの3〜10倍になるまで粗圧延を行い、引
き続き、表面温度が800 ℃以上である温度域で仕上げ圧
延を行い、圧延終了後直ちに50〜200m/minの範囲内の搬
送速度で搬送しながら、 400〜550 ℃の温度域まで水冷
することを特徴とする高温SR特性に優れた高強度耐 HIC
ラインパイプ用鋼板の製造法である。
ICラインパイプ用鋼板の製造方法の実施形態を、詳細に
説明する。
ブに熱間圧延を行い、その後に加速冷却を行って得られ
るラインパイプ用鋼板であって、特にそれを製造するに
際し、スラブ組成、圧延条件および加速冷却条件を特定
することにより、600 ℃以上の高温SR性能と耐HIC 性能
とに優れた高強度ラインパイプ用鋼板をコスト上昇をで
きるだけ抑制して製造する点にある。そこで、本発明に
おける鋼組成、さらに圧延条件および加速冷却条件を、
それぞれの限定理由を望ましい条件とともに、分説す
る。
Mn:0.80〜1.40%、P:0.020 %以下、S:0.0020%以
下、Cr:0.30〜1.00%、Ti:0.005 〜0.030 %、Ca:0.
0005〜0.0050%、N:0.0080%以下と、その他にCu:0.
50%以下、Ni:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.06
0 %以下、V ≦0.10%以下、およびAl:0.10%以下から
なる群から選ばれた1種または2種以上を必要に応じて
任意に含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる。
では所定の強度を得難く、一方0.10%を越えてしまうと
溶接割れ感受性組成Pcm.が上昇して溶接割れ感受性が大
きくなり、また、連続鋳造スラブを用いた場合には、連
続鋳造スラブの凝固過程における包晶反応の影響により
スラブ割れが発生し易くなるとともに、連続鋳造スラブ
の中心部にCが過度に濃化して偏析帯を形成してしま
う。したがって、C含有量は0.02%以上0.10%以下に限
定する。望ましくは、上限は0.08%であり、下限は0.04
%である。
強化成分として作用する。Si含有量が0.05%未満では脱
酸が不十分となり、一方0.50%を越えると溶接熱影響部
に縞状マルテンサイトが多く生成して靱性を極度に劣化
させる。したがって、Si含有量は0.05%以上0.50%以下
に限定する。同様の観点から、望ましくは、上限は0.35
%であり、下限は0.05%である。
ともに強靱化する。Mn含有量が0.80%未満では高強度鋼
として要求される強度が得られない。一方、Mn含有量が
1.40%を超えるとスラブの中心偏析が増大して水素誘起
割れが多く発生する。したがって、Mn含有量は0.80%以
上1.40%以下に限定する。
P、Sはいずれもできるだけ少ないほうが好ましい元素
である。P含有量が0.020 %を越えるとスラブにおける
中心偏析度が上昇し、局部的な硬度上昇が発生する。そ
こで、P含有量は0.020 %以下に限定する。同様の観点
から、望ましくは0.0015%以下である。
対して有害な介在物(MnS) が多く生成する。そこで、S
含有量は0.0020%以下に限定する。同様の観点から、望
ましくは0.015 %以下である。
程において中心偏析部に濃化し難い元素である。また、
Crは、熱間圧延後の鋼板の水冷時に、オーステナイトの
フェライトやパーライトへの変態を遅らせて焼き入れ性
を向上して鋼板の強度を上昇させ、かつ焼き戻し処理
(高温SR) においては素地フェライトの軟化を遅らせて
微細な特殊炭化物の析出硬化作用により軟化抵抗の増加
をもたらす。そのため、ラインパイプ用鋼板の耐HIC 性
能と強度とをともに確保するには非常に有効な元素であ
る。Cr含有量が0.30%未満では高温熱処理の前後で高強
度鋼として求められる強度が得られない。一方、Cr含有
量が1.00%を越えると溶接時の作業性を極度に低下させ
るとともにコストが嵩む。したがって、Cr含有量は0.30
%以上1.00%以下に限定する。同様の観点から、望まし
くは上限:0.70%、下限:0.30%であり、より望ましく
は上限:0.60%、下限:0.30%である。
向上させるとともにスラブ品質を安定させる元素であ
る。Ti含有量が0.005 %未満ではこのような効果が認め
られず、一方Ti含有量が0.030%を超えると、溶接熱影
響部(HAZ) の靱性を劣化させる。したがって、Ti含有量
は0.005 %以上0.030 %以下に限定する。
おいては非常に有害な介在物を形態制御して低減させる
ことに有効な元素である。また、Caを添加することによ
って伸長性のMnS を低減し、鋼自体の靱性を向上する。
Ca含有量が0.0005%以下ではこのような効果が得られ
ず、一方Ca含有量が0.0050%を超えるとCa系介在物が増
加するとともにコストが嵩む。したがって、Ca含有量は
0.0005%以上0.0050%以下に限定する。
成し、溶接熱影響部の靱性劣化を防止する反面、多く含
有しすぎると、過剰なNがAlと結合し、スラブの表面品
質を悪化させる。したがって、N含有量は0.0080%以下
に限定する。同様の観点から、望ましくは上限:0.0070
%、下限:0.0020%である。
持のため、Cu、Ni、Mo、Nb、V およびAlの1種または2
種以上を必要に応じて任意に含有する。以下、これらの
任意添加元素の組成を限定する理由を説明する。
鋼強化元素であるが、Cuを含有する場合にはCuチェッキ
ング防止のためNiを約Cu/2以上の割合で添加しなければ
ならず、Cu含有量の増加に伴って必然的にコストが嵩
む。したがって、Cu含有量は0.50%以下に、Ni含有量は
0.50%以下にそれぞれ限定する。
が、0.50%超添加すると必然的にコスト上昇を伴う。そ
こで、Mo含有量は0.50%以下に限定する。同様の観点か
ら、望ましくは0.30%以下である。
靱性を向上させる元素である。特に、オーステナイト未
再結晶領域で仕上げ圧延を行うことによりオーステナイ
ト粒を細粒化し、鋼板をAr3 変態点以上から急冷するこ
とにより強靱な細粒でかつ均一なベーナイト組織を得る
ことができる。したがって、成品に求める強度と靱性と
のバランスに応じて適宜添加されるが、0.060 %超添加
するとスラブ加熱時に固溶が不完全になるとともにコス
トが嵩む。そこで、Nb含有量は0.060 %以下に限定す
る。同様の観点から、望ましくは上限:0.060 %、下
限:0.020 %である。
の固溶強化および低温仕上げ圧延による析出硬化によ
り、強度を向上させる元素である。しかし、本発明にお
いて規定する圧延仕上げ温度は、Vの析出効果が得られ
る温度範囲を外れるため、過度に添加しても有効ではな
く、コストが嵩むだけである。そこで、V含有量は0.10
%以下に限定する。同様の観点から、望ましくは0.070
%以下である。
として用いられるが、0.10%超含有すると、溶接熱影響
部(HAZ) の靱性を劣化させる。したがって、Al含有量は
0.10%以下に限定する。同様の観点から、望ましくは0.
070 %以下である。次に、本発明における圧延条件を、
スラブ加熱、粗圧延および仕上圧延に分けて説明する。
ブや連続鋳造スラブを用いることができるが、製造効
率、歩留りおよび省エネルギーの観点から、連続鋳造ス
ラブを用いることが望ましい。
ましいが、1000℃未満では所定の強度を得ることができ
ないことがある。一方、スラブ加熱温度が1200℃を
越えるとオーステナイト粒が粗大化して鋼板の靱性を劣
化させる可能性がある。そこで、本発明では、スラブの
加熱温度は1000℃以上1200℃以下と限定する。望ま
しくは1020〜1180℃である。
である温度域でスラブ厚さが成品厚さの3〜10倍になる
まで行う。1000℃未満の温度域で粗圧延を行うと、仕上
げ圧延時の表面温度を800 ℃以上に保持できない場合が
あるからである。
さの3倍よりも薄く粗圧延すると、仕上げ圧延における
圧下量が不足し鋼板の靱性を改善できないおそれがあ
り、一方、粗圧延におけるスラブ厚さが成品厚さの10倍
を越える厚さであるとスラブ中心部まで粗圧延による圧
下が浸透し難くなるとともに圧延能率が極度に低下す
る。そこで、粗圧延におけるスラブ厚を製品厚の3〜10
倍に限定する。望ましくは、4〜7倍である。
スラブに対し、冷却することなく引き続き、圧下を行っ
て所定の板厚の成品とする。この仕上圧延では、圧延終
了時の成品表面温度が800 ℃以上になるようにして、圧
延を行う。成品である鋼板の水冷開始温度を Ar3変態点
以上にするためである。水冷開始温度をAr3変態点以上
とすることにより、オーステナイト未再結晶領域におい
て仕上げ圧延を完了し、鋼板を Ar3変態点以上の温度域
から急冷することにより、部分的なパーライト組織の生
成を抑制し、強靱な細粒でかつ均一なべーナイト組織を
得ることができる。
m/minで 400〜550 ℃まで水冷し、その後空冷または放
冷する。成品表面温度800 ℃以上で仕上圧延を終了した
後、搬送速度:50〜200m/minで直ちに鋼板を搬送しなが
ら水冷し、 400〜550 ℃の温度域で水冷を停止する。
却となって一部にマルテンサイト組織が存在する混在組
織になってしまい耐HIC 性能が悪化するとともに、降状
応力が低下する。一方、水冷の停止温度が 550℃超であ
ると細粒組織が得られず、所定の強度および靱性が得ら
れない。そこで、本発明では水冷の停止温度を 400℃以
上550 ℃以下に限定する。同様の観点から、望ましくは
400〜500 ℃である。
min 未満では、水冷温度が上昇するので鋼板内部の残留
応力が増大し、鋼板に平坦度不良が発生し易くなる。一
方、鋼板搬送速度が200m/minを越えると冷却速度が低下
し、鋼板の焼入れ性が不十分となって強度および靱性が
劣化する。さらに、板厚方向の中心部における組織制御
が不十分となって拡散性元素が濃化し易くなり、母材の
硬度分布が不均一になるとともに耐HIC 性能が劣化す
る。そこで、本発明では鋼板の搬送速度は、50〜200m/m
inに限定する。望ましくは、50〜150 m/min である。な
お、鋼板搬送速度は、上記の範囲内で、スラブの組成お
よび鋼板 (成品) の板厚に応じて、適宜決定する。この
ようにして、水冷を行った後は、空冷に切り換えて常温
まで冷却すればよい。
耐 HICラインパイプ用鋼板の製造方法により、高温SR特
性に優れた高強度耐 HICラインパイプ用鋼板を低コスト
で製造することが可能となる。
ンパイプ用鋼板は、適宜手段により製管された後、例え
ばラインパイプ用として、現地周溶接を行うことにより
それぞれの端面同士が、現地周溶接により接続される。
ンパイプ用鋼板を使って製造されたパイプをコネクタに
接続するときの溶接の施工を模式的に説明するもので、
図中、パイプ1、1の間には、パイプ1の外径と略同一
の内径を有する管状のコネクタ2、2が突き合わされた
状態で配置される。コネクタ2、2はパイプ1、1に外
挿されており、コネクタ2とパイプ1との接合部3、3
が現地周溶接により、環状に溶接される。また、コネク
タ2、2の突き合わせ部には環状にフランジ4、4が形
成されており、フランジ4、4を貫通する複数組のボル
トおよびナット5により締結固定されて、接続される。
上昇防止とを目的として、後熱処理(焼なまし) が600
〜700 ℃で行われても、本発明にかかる高強度耐 HICラ
インパイプ用鋼板は、600 ℃以上の高温SR性能 (SR脆化
に対する抵抗性) が優れるため、溶接部の靱性低下は殆
ど発生しない。
り詳細に説明する。表1に示す鋼種A〜Vの組成を有す
るスラブ (厚さ235 mm) を連続鋳造プロセスで製造し
た。
含有量が本発明の上限値である0.10%を越えているた
め、連続鋳造後のスラブ段階で割れが発生した。さら
に、鋼種L、P、S、Vのスラブは、Cu含有量に対する
Ni含有量が相対的に少ないため、Cuチェッキングが発生
した。したがって、鋼種L、N、P、R、S、Vのスラ
ブについては圧延を行わなかった。
除く表1に示す鋼種のうちで炭素当量Ceq.{=C+Mn/
6+ (Cr+Mo+V) /5+ (Cu+Ni) /15}が略0.45で
ある鋼種A、T、U、炭素当量Ceq が略0.40である鋼種
J、Q、炭素当量Ceq が略0.32である鋼種K、Mのスラ
ブについて、それぞれグレードX80 、X70 またはX52の
ラインパイプ用鋼板を圧延した。鋼板の板厚は、それぞ
れ、19.05mm 、25.40mm または15.88mm である。圧延条
件を表2に示す。
含有するNbかVのどちらか一方の固溶強化作用を有効に
活用するため、1140℃に設定しているが、鋼板に要求す
る性能 (強度、靱性) に応じて1000〜1200℃の範囲で適
宜決定することができる。
および水冷条件の性能に及ぼす影響を比較するため、お
よそ板厚×5.0(mm) に設定した。
搬送速度は、50〜200m/minの範囲で、グレードおよび板
厚に応じて適宜設定することができ、平坦度に悪影響を
及ぼさない搬送速度とした。
板について、パイプT方向強度 (YS、TS) 、耐HIC 性能
および650 ℃SR後T方向強度 (YS、TS) を調査した。結
果を表3にまとめて示す。
種A、UおよびTについて比較した。本発明の範囲を満
足する鋼種Aのスラブを、本発明の範囲を満足する圧延
条件および加速冷却条件で製造した試料 (試料No.A−1
〜試料No.A−3)は、耐HIC 性能および高温SR特性とも良
好であった。しかし、試料No.A−4 、試料No.A−5 は、
水冷停止温度、圧延仕上温度が本発明の範囲を外れるた
め、耐HIC 性能が不足した。
スラブからなる試料 (試料No.U−1、試料No.U−2 、試
料No.U−3 および試料No.T−1)は、本発明の範囲を満足
する圧延条件および加速冷却条件で製造しても (試料N
o.U−1 、試料No.U−2 および試料No.T−1)、Cr含有量
が本発明の範囲の下限を下回るため、高温SR特性が不足
する。
度が2グレード程度高いため、高温SR後の強度はX80は
満足する。換言すれば、Cr含有量が本発明の範囲を満足
しない鋼種からなる試料では、高温SR後の強度低下を考
慮して組成を設計せざるを得ず、合金元素量の増加に伴
うコスト高となり、生産性が低下する。
する鋼種JおよびQについて比較した。いずれも適当な
Crを含有するため、高温SR特性は良好である。しかし、
鋼種QはMn含有量が本発明の範囲外であるため、Mn等の
濃化部による中心偏析および介在物原因で水素誘起割れ
が発生し、耐HIC 性能が劣化した。さらに、グレードX
52では、グレードX80、X70と同様な挙動を呈し、Cr含
有量が少ない鋼種Mでは、高温SRにおける強度の低下が
激しい。
/SR後X80グレードを目標に、ラインパイプ用鋼板を製
造した。図1は、Crを添加した高温SR後の強度に及ぼす
影響例を示すグラフである。鋼種Aは、高温SR抵抗が大
きく700 ℃/SRでもX80を満足する。しかし、鋼種T
は、ASの状態から比較しても強度の降下はかなり激しい
ことがわかる。
り、高温SR特性に優れた高強度耐 HICラインパイプ用鋼
板を低コストで製造することが可能となった。
板を使って製造されたパイプをコネクタに接続するとき
の溶接の施工を模式的に示す説明図である。
に及ぼす影響例を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.05
〜0.50%、Mn:0.80〜1.40%、P:0.020 %以下、S:
0.0020%以下、Cr:0.30〜1.00%、Ti:0.005 〜0.030
%、Ca:0.0005〜0.0050%、N:0.0080%以下、残部Fe
および不可避的不純物からなることを特徴とする高温SR
特性に優れた高強度耐 HICラインパイプ用鋼板。 - 【請求項2】 さらに、重量%で、Cu:0.50%以下、N
i:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.060 %以下、V
:0.10%以下、およびAl:0.10%以下からなる群から
選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1記載の高温SR特性に優れた高強度耐 HICライ
ンパイプ用鋼板。 - 【請求項3】 重量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.05
〜0.50%、Mn:0.80〜1.40%、P:0.020 %以下、S:
0.0020%以下、Cr:0.30〜1.00%、Ti:0.005 〜0.030
%、Ca:0.0005〜0.0050%、N:0.0080%以下、残部Fe
および不可避的不純物からなるスラブを1000〜1200℃に
加熱した後、スラブ表面温度が1000℃以上である温度域
でスラブ厚さが成品厚さの3〜10倍になるまで粗圧延を
行い、引き続き、表面温度が800 ℃以上である温度域で
仕上げ圧延を行い、圧延終了後直ちに50〜200m/minの範
囲内の搬送速度で搬送しながら、 400〜550 ℃の温度域
まで水冷することを特徴とする高温SR特性に優れた高強
度耐 HICラインパイプ用鋼板の製造法。 - 【請求項4】 さらに、前記スラブは、重量%で、Cu:
0.50%以下、Ni:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.
060 %以下、V :0.10%以下、およびAl:0.10%以下か
らなる群から選ばれた1種または2種以上を含有するこ
とを特徴とする請求項3記載の高温SR特性に優れた高強
度耐 HICラインパイプ用鋼板の製造法。
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JP21068897A JP3783356B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 高強度耐hicラインパイプ用鋼板の製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1150189A true JPH1150189A (ja) | 1999-02-23 |
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