JPH11501847A - 順応性靴構造体及び該構造体のためのゲル組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えば靴（１０）に使用されるような、カスタマイズされた部品のための、ゲル（３０）を含んだ順応性媒質を提供する。更に、本発明には、体温に反応して液体からゲル状に変化し、またはゲル状から液体へと変化するように温度応答性であるような、環境応答性ゲル（３０）が含まれる。本発明には、任意に、環境応答性ゲル中の熱感受性色素および他の着色剤が含まれる。本発明は更に、可撓性部材の袋体のような当該環境応答性ゲルを収容するための隔離手段を有する、対象の輪郭に順応するための物品に向けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 順応性靴構造体及び該構造体のためのゲル組成物 〔技術分野〕 本発明は、注文された部品（例えば靴に使用される部品）のための、ゲルを含 んだ順応性媒質を提供する。更に、本発明には、体温に反応して液体からゲル状 に変化し、またはゲル状から液体へと変化するように温度応答性であるような、 環境応答性ゲルが含まれる。本発明には、任意に、環境応答性ゲル中の熱感受性 色素および他の着色剤が含まれる。本発明は更に、可撓性部材の袋体(bladder) のような当該環境応答性ゲルを収容するための隔離手段を有する、対象の輪郭に 順応するための物品に向けられている。 〔発明の背景〕 靴にクッション性を付与し、また靴に挿入される足の輪郭に対して相補的で、 客の注文にぴったり適合した外形を与えるための、種々の方法および装置が用い られてきた。一つの例は、アレン等(Allen et al.)に付与された米国特許第5,31 3,717号(「アレン」)である。ここで、反応性液体を充填した靴の中のクッショ ンおよび安定化装置は、靴の足前方領域、アーチ領域および／または踵領域に配 置された、１以上の解剖学的形状を有する液体を充填した袋体で構成されている 。この中で述べられているように、典型的な従来技術装置は、柔軟な、より弾力 性のある材料から靴の踵を構成することによって、或いは液体を充填したパッド または袋体を踵部分に組み込むことによって、クッション性および靴内部での客 の足への適合性を与える。 ゲルを使用して、順応する適合性またはクッション性を与えることは、一般に は従来技術として公知である。従来技術のゲルは、一般的に、足の輪郭に適合す るように予め硬化されているか、或いは袋の中に入れなければならない軟質の液 状ゲルである。従来技術のゲルの幾つかの例は、バテス(Bates)に付与された米 国特許第5,155,927号および同第5,493,792号である。これらの特許は、液状組成 物（好ましくはゲル）を充填した可撓性の壁を有するチャンバーを具備したクッ ション部材を使用することによって、衝撃のショックを最小限に抑制し、横方向 の安定性を最大限にするように構成されたアスレチックシューズを開示している 。ここで、前記チャンバーは、前記液状ゲルを、該チャンバーの一部分から他の 部分へと向かわせるための複数の仕切りを有している。 クッション性および顧客に対する適合性を与えるように設計された他の靴では 、靴に挿入された足に適合させるために、空気を充填したフォーム材または空気 袋が使用されてきた。このフォーム材は、その中の空気を圧縮および／または逃 がすことによって足の圧力に反応し、従って足から圧力を受けたときに弾性的に 圧縮される材料である。該材料は、足の非加圧領域へと膨張する能力を有してい ない。しかし、足の周囲に空気を充填した空気袋を組み込んで、靴がその中の足 に順応するようにした靴は、そうする際に、足に加わる圧力を増大させる。この 増大した圧力および足を取り囲むエアポケットによって、足の温度は著しく上昇 する傾向がある。このように、これらの解決策は、単に高圧部位の材料を置換す ること、または圧力を増大させることによって、足の周囲での適合性または順応 性を与える。従って、正常な圧力においては、これらの靴はその中の足に対して 完全には順応しない。 液状からゲルへの転移領域を有するゲルも、当該技術分野で一般に公知である 。例えば、ビーガス等(Viegas et al.)に付与された米国特許第5,143,731 号（ 「ビーガス」）には、ポリオキシアルキレン非イオン性ブロック共重合体を含む 水性の薬学的担体の使用が開示されている。これは周囲温度では液体であり、ま た多糖類を含めることによって、哺乳動物の体温で半固体のゲルに転移する。 従来技術のゲルにおける転移領域での粘度変化は、重要なものと考えられては いない。このことは、斯かるゲルが足に順応する部材として一般に利用されてい ないことの一つの理由である。従来技術によるゲルの殆どは、熱的に反応性では ない。熱反応性のゲルでも、転移領域での粘度改善は顕著ではない。従って、靴 に順応する部材、およびこのような部材に使用するためのゲルについての必要性 が依然存在している。 〔発明の概要〕 本発明は、靴が個人によって装着されるときに足の輪郭に順応する、靴のため の足順応部材に関する。 この足順応部材は個人の足の起伏に接触するように靴の第一の領域に配置され 、環境的に反応する第一のゲル組成物を有し、このゲル組成物は、靴の中に挿入 された個人の足から受ける環境的変化に応答して流動性の程度を変化させる。好 ましくは、この第一のゲル組成物は、第一の温度において液体状態で、該液体は 流動して足の輪郭に順応し、また第一の温度とは異なる第二の温度ではゲル状態 であって、該ゲル組成物は、靴に挿入された個人の足からの熱によって一方の状 態から他方の状態へと変化する。 一つの実施態様において、この足順応部材は、靴が個人に着用されていないと きは第一の温度であり、靴が着用されたときに個人の足の体温によって第二の温 度に加熱されることができる靴内の位置に配置され、足と接触した後にゲル状態 に固化して足に順応する。或いは、当該足順応部材は靴が個人によって着用され ないときは第二の温度にあり、靴が履かれたときに個人の足の体温によって第一 の温度に加熱され得る位置に配置され、該ゲル組成物は足に接触する前はゲル状 態であり、この接触によって液体となり、足に順応する。 第一のゲル組成物は、第一の温度において約5000ｃｐｓ未満の粘度を有し、ま た第二の温度では約500,000 ｃｐｓよりも大きい粘度を有するのが有利である。 こうして、第一のゲル組成物は、液体状態にあるときは第一の速度で流動し、ま たそれがゲル状態にあるときは、第一の速度よりも低い第二の速度で流動する。 第一のゲル組成物は、一般には、非イオン性のブロック共重合体および水を含 有している。このブロック共重合体には、典型的には、ポリオキシブチレン、ポ リオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはこれらの混合物のようなポリオ キシアルキレンブロックが含まれており、約５〜３０重量％の濃度で存在してい る。更に、該第一のゲル組成物は、該ゲル組成物の少なくとも一つの特性を改変 するのに十分な量で、少なくとも一つのゲル特性改変添加物を含んでいる。 好ましくは、上記のブロック共重合体は、ポリオキシエチレン／ポリオキシプ ロピレンブロック共重合体であり、また上記の特性改変添加剤は表面活性剤、ポ リオール、酸、アミンまたはその塩である。特に有用な表面活性剤には石鹸、ま たは水溶性の有機サルフェート、スルホネート、スルホ−サクシネート若しくは それらの塩が含まれ、これらはアルキル、アルキルベンゼン、アルキルフェノー ルまたはオレフィン基を有しており、該オレフィンおよびアルキル部分は６〜２ ０の炭素原子を有している。有用なポリオールは、ブタンジオール、ヘキサンジ オール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン グリコール、トリメチロールプロパン、またはサッカロースである。上記の酸は 、好ましくは有機酸またはその塩であり、上記のアミンはトリエタノールアミン である。 この足順応部材はまた、粘弾性を有する第二のゲル組成物を含んでいてもよく 、該ゲルは、靴が着用されたときに個人の足の第二の起伏表面に接触する、靴の 第二領域に配置される。該第二の起伏表面には、前記第一の起伏表面よりも更に 高い起伏表面が含まれ、所望の場合、当該足順応部材は第二のゲル組成物に隣接 したフォーム材を有することができる。 他の実施態様では、第一のゲル組成物を収容するための袋体を存在させること ができる。この袋体は、一般に、第一のゲル組成物およびその中の液体を保持す ることができる可撓性材料からなっている。従って、第一のゲル組成物は、第一 の温度での膨張状態では水を保持して袋体を部分的に満たし、また第二の温度で は収縮して水を排出し、袋体を実質的に満たすような、熱反応性で且つ膨張−収 縮性の水含有ゲルであり得る。 袋体は、液体が個人の足の中間部(midsection)近傍から踝にまで分布できるよ うに、個人の足の中央部に対応する靴の腰革部分に配置されて、個人の足の踝に 対応する靴のカラー部分の回りに延出するのが有利である。また、足順応部材は 靴上部の一部、足の中間部の上に被せられる靴の腰革の一部、足の上表面にかぶ せるための靴舌の一部、靴底の一部を形成しまたは靴の中に挿入される足床の一 部であってもよい。 本発明はまた、水および約１５〜４０重量％の量の非イオン性ブロック共重合 体を含むゲル組成物であって、この共重合体は、ゲル組成物が液体状態からゲル 状態に変化する約0.1〜５℃の転移温度をゲルに与え、これによってゲル組成物 の粘度はゲル状態では液体状態よりも約１００〜３０００倍高いゲル組成物に関 する。当該ゲル組成物の好ましい転移温度の範囲は、約１３℃〜３５℃で始まる 。上記で述べた何れのブロック共重合体も、これらのゲル組成物に使用すること ができる。 上記のように、ゲル特性改変添加剤を組成物に含めることができるが、該添加 剤は好ましくは表面活性剤、ポリオール、酸、アミンまたはこれらの塩である。 該添加剤は、典型的には約１〜２０重量％の量で存在する。 最も好ましいブロック共重合体は、６０〜８０重量％のポリエチレンオキシド と、２０〜４０重量％のポリプロピレンオキシドと、脱イオン水とを含んでいる 。当該ゲル組成物は、ゲル組成物が液体状態からゲル状態へと変化する温度と実 質的に同じ転移温度で退色する第一の色を与えるのに十分な量の、熱感受性色素 を含有するのが有利である。この熱感受性色素は、任意に約0.02〜0.5重量％の 量で存在する。 最適な実施態様において、第一の転移温度よりも低い温度で熱感受性色素との 色結合を与え、前記第一の転移温度よりも高い温度では第二の色だけを与えるの に十分な量の従来の第二の色素が、約0.07〜0.5重量％で添加される。 本発明はまた、対象の輪郭に順応するための上記何れかのゲル組成物を用いた 製品に関する。該製品は、その中に上記のゲル組成物を含んだ隔離手段である。 この製品は、対象の輪郭に順応するように変形することができる可撓性部材の袋 体であるのが有利である。好ましい実施態様において、該袋体は部分的にのみ前 記ゲル組成物で満たされる。また、上記の可撓性部材は、熱プラスチックまたは ポリマー材料の群から選択される水を保持する材料でできているのが有利である 。この可撓性部材は、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン ポリマー、ポリエチレン／ポリウレタン、ポリエチレン／ＥＶＡ、SURLYNR、お よびＥＶＯＨからなる群から選択された材料で製造される。 〔図面の簡単な説明〕 図１は、温度反応性ゲルおよび該ゲルのための袋体を組み込んだ、本発明によ る靴の斜視図である。 図２は、本発明による靴の順応層を示す斜視図である。 図３は、靴の上部における温度反応性ゲルおよび袋体の拡大断面図である。 図４は、本発明による靴の踵の断面図である。 図５は、膨張した状態での温度反応性ゲルおよび袋体の断面図である。 図６は、収縮した状態での温度反応性ゲルおよび袋体の断面図である。 図７は、本発明による靴の舌部の順応層を示す図である。 図８Ａは、本発明による足床の平面図である。 図８Ｂは、本発明による足床の側面図である。 図８Ｃは、本発明による足床の底面図である。 図８Ｄは、図８Ａの線８Ｄ−８Ｄに沿った断面図である。 図９Ａは、本発明による足床の第二の実施態様を示す平面図である。 図９Ｂは、本発明による足床の第二の実施態様を示す側断面図である。 図１０は、本発明による靴上部を構築するために用いる方法を示すフローチャ ートである。 図１１は、本発明による足床を構築するために用いる方法を示すフローチャー トである。 図１２は、本発明による温度反応性ゲルについての特性（粘度 vs 温度）を示 すグラフである。 図１３は、本発明による温度反応性ゲルについての特性（粘度 vs 温度）を示 すグラフである。 図１４は、本発明による足床の底面図である。 図１５は、図１４における１５−１５千二層断面図である。 図１６は、本発明による靴舌部の平面図である。 図１７は、図１６の線１７−１７沿った断面図である。 図１８は、靴舌部内層の他の実施態様を示す平面図である。 図１９は、図１８における線１９−１９に沿った断面図である。 図２０は、本発明による靴舌部の任意の実施例を示す平面図である。 図２１は、本発明による靴舌部を示す、線２１−２１に沿った断面図である。 図２２は、本発明による靴舌部の好ましい実施態様を示す平面図である。 図２３は、本発明による靴舌部袋体の好ましい実施態様を示す平面図である。 図２４は、本発明による袋体の好ましい実施態様の線２４−２４に沿った断面 図である。 図２５は、本発明による足床の底面図である。 図２６は、ゲル袋体およびファブリック若しくは接着剤層を備えた本発明によ る足床の底面図である。 図２７は、弓状部のゲル袋体を備えた本発明による足床の分解図である。 図２８は、踵部のゲル袋体を備えた本発明による足床の分解図である。 図２９は、前方部または中足骨のゲル袋体を備えた本発明による足床の分解図 である。 図３０は、完全な長さのゲル袋体を備えた本発明による足床の分解図である。 図３１は、本発明による図２７〜図３０の足床の横断面図である。 図３１Ａは、図２７〜図３０に示した足床の分解図の線３１−３１に沿った断 面図の他の実施態様である。 図３２は、本発明による頂部カラー部の適合性ゲル袋体を示す前方左側面図で ある。 図３３は、二つのタイプのゲルを備えた本発明による頂部カラー部の適合性ゲ ル袋体を示す前方左側面図である。 図３４は、本発明による鞍嚢部の適合性ゲル袋体を示す前方左側面図である。 図３５は、本発明に従う靴の別の足順応性部材を示す斜視図である。 図３６は、本発明に従う靴の別の足順応性部材を示す、線３６−３６に沿った 断面図である。 図３７は、本発明に従う靴の別の足順応性部材を示す斜視図である。 図３８は、本発明に従うカスタマイズ可能なゲルおよび／またはフォーム材の 足床を示す左側面図である。 図３８Ａは、本発明に従う図３８の線３８Ａ−３８Ａに沿った断面図である。 図３９は、本発明による巻き付け袋体を有する足順応性部材の他の実施態様を 示す底面図である。 図４０は、図３９に示した本発明による足床の実施態様を示す平面図である。 図４１は、本発明に従う図４０の線４１−４１に沿った断面図である。 図４２および図４３は、種々の温度での粘度および非イオン性ブロック共重合 体の濃度を示すグラフである。 〔好ましい実施態様の詳細な説明〕 本発明は、靴の中に挿入された足の輪郭に順応する靴に向けられている。この 靴は固体状のフォーム材マトリックスを用いており、該マトリックスには、軟質 で且つ高度に流動性の粘弾性をもったゲル、フォーム材および／または環境反応 性ゲルからなる部材が含まれている。この靴は温度反応性ゲルを用いるが、該ゲ ルは靴の中に挿入された足の熱に反応して、適合およびクッション付与のための 順応性媒質を与える。本発明はまた、足が靴に挿入されたときに足に順応する流 動性の粘弾性媒質を与える、軟質の弾性ゲルまたは発泡弾性ゲルに向けられてい る。これら夫々のゲルは、該ゲルを記憶フォーム材(memory foam)または他の商 業的に入手可能なフォーム材で取り囲むことによって、適切な位置に配置するこ とができる。該記憶フォーム材は、ポリオール、消泡剤、触媒およびイソシアネ ートで構成することができる。更に、該フォーム材は中空の微少球または発泡剤 と伴うポリウレタンフォームで構成することができる。 図１を参照すると、本発明の好ましい実施態様は、靴上部１２および靴底１４ を一体化した靴１０である。靴１０の内側には、図示しない靴の中底がある。靴 の上部１２は、外層２０および内層２２で構成されている。内層および害そうの 間には、図２に示すように、順応層２４が設けられている。好ましい実施態様で は、内層２２はブラシナイロンまたはレザー製であり、また外層２０はレザー製 である。 図２における順応層２４は、第一の流動可能な粘弾性ゲル部分５０、第二の温 度反応性ゲル部分３０およびその袋体３２、並びに第三のフォーム材部分４０で 構成されている。 粘弾性ゲル部分５０は、好ましくは、非圧縮性の流動可能な粘弾性ゲルで構成 される。即ち、該ゲル部分は圧縮力が加わった際にその容積を保持する。従って 、この材料は、靴に挿入された足による圧力で圧縮されたときに、圧力がさほど 大 きくない他の位置へと流れる。好ましい実施態様において、該粘弾性ゲルは本体 部分５４および連結された複数のフィンガー部５２の中にモールドされる。これ は、粘弾性ゲル部分５０が靴に挿入された足に順応することを可能にする。当業 者が理解するように、粘弾性ゲル部分５０は、多くの形状にモールドすることが できる。しかし、好ましい実施態様において、粘弾性ゲル部分５０は、足の高い 起伏領域に対応した靴領域内にモールドされるべきである。例えば、一般に、足 の踵は非常に起伏に富んでおり、従って、粘弾性ゲル部分５０は、好ましくは、 靴が実質的に足の踵に順応できるように配置される。従って、粘弾性ゲル部分５ ０は、好ましくは足の踵骨および踝（くるぶし）骨に対応して延設される。 図３を参照すると、外層の靴材料２０と内層の靴材料２２十の間に形成された キャビティー３２ｃに、ゲル袋体３２の拡大断面が示されている。好ましい実施 態様において、水溶液３４が足の中央部分から踵位置に向かって分布できるよう に、ゲル袋体３２は、腰革(quarter)３５中の温度反応性ゲル部分３０からカラ ー部分３６の回りをアキレス腱部分３８へと延出しており、靴が熱せられると、 靴はより良好に足に順応する。このゲルは、上記に開示した何れのゲルであって もよいが、好ましくは環境反応性のゲルであり、より好ましくは非イオン性共重 合体を含む温度反応性ゲルである。 図１〜図３の靴における順応構造に関して、順応層２４の残りの部分を形成し ているフォーム材部分４０は、入手可能な多くの標準フォーム材製とすることが できる。しかし、このフォーム材部分４０は、好ましくは略２５のショアＣ硬度 をもたせて製造される。フォーム部分４０は、流動可能な粘弾性ゲル部分５０お よび温度反応性ゲル部分３０を取り囲み且つ固定するように用いられる。 フォーム材部分４０は、ポリオール、消泡剤、触媒およびイソシアネートから 構成することができる。更にまた、記憶フォーム材は、略５８％のArcol LG-168 、略１％の水、略５％のDabco 131、略0.5％のDabco 33LVおよび略４０％のイソ シアネート2143Lから形成することができる。 図４は、靴の踵の好ましい実施態様の断面を開示しており、ここには靴の踵ま で垂直に延出した複数の粘弾性フィンガー部５２が開示されており、該粘弾性材 料は靴に挿入された足に順応することができる。粘弾性フィンガー部５２は、モ ールドされた後に、フォーム材４０によって封入される。このフィンガー部は足 の踵の凹部内に延出して、より安全な適合性を与える。 図５および図６を参照すると、温度反応性ゲル３０およびゲル袋体３２が、膨 張または冷却された状態、並びに収縮または加熱された状態で夫々で示されてい る。この実施態様における温度反応性ゲル３０は、低い臨界溶液温度未満の温度 (略６０°Ｆ〜９０°Ｆ)で膨張するタイプのゲルである。膨張した状態において 、該ゲルは、その中に水をベースにした溶液を含有している。従って、ゲル３０ が膨張しているとき、袋体３２は相対的に空である。図６に示すように、温度反 応性ゲル３０およびゲル袋体３２は、収縮または加熱された状態で示されている 。温度反応性ゲル３０は、靴の内側の足から放出される熱によって加熱され、水 溶液３４はゲル３０から袋体３２の中へと駆動される。温度反応性ゲル３０が低 い方の臨界溶液温度を越えて加熱されると、ゲル３０は収縮し、その中の水溶液 ３４はゲル３０から押し出されて袋体３２へと送られる。従って、水溶液３４は 靴が加熱されるに伴って、低圧下にある領域へとダイナミックに流れる。これに よって、靴は、その中に挿入される足に対してダイナミックに順応することが可 能になる。 この実施態様の温度反応性ゲル３０は、足が靴から取り出されると冷却される ので、当該ゲルは膨張し、袋体３２からの水溶液３４と反応する。即ち、温度反 応性ゲル３２は、図５に示したその膨張状態に復帰する。好ましい実施態様にお いて、環境反応性のゲル３０は、水を抜き取ることを必要とせずに、簡単に液体 状態へと復帰する。 図７は、靴舌順応層６０の好ましい実施態様例を開示している。靴舌１６は図 １に示されており、靴１０に挿入される足前方の頂部を覆うように、靴１０に取 り付けられている。この順応層６０は、好ましくは、温度反応性ゲル部分６２( そのその回りに延出する袋体６４を含む)、粘弾性ゲル部分６６、ゲル部分６２ および６４の両者を包むフォーム材部分６８で構成されている。この舌部順応層 ６０は、上記で述べた靴上部の内層および外層に実質的に類似した、内層および 外層（図示せず）によって包み込まれている。次いで、靴舌はその底縁７０に沿 って靴上部に取り付けられる。 図８Ａ〜図８Ｄは、フォーム材本体部分またはフォーム材パッド８２、複数の 相対的に軟質の流動可能な粘弾性ゲル部分８４、相対的に軟質の流動可能な粘弾 性ゲルフィンガー部８６、および相対的に硬質の粘弾性ゲル踵プラグ挿入部８８ を組み込んだ、足床８０の実施態様を開示している。ここでも、粘弾性ゲル部分 は足床の何処に配置してもよいが、好ましくは、相対的に軟質の流動可能なゲル は、足が最も大きい起伏を有する部分に対応するように、また相対的に硬質の流 動可能なゲルは歩行、走行および他の運動によって最も大きな衝撃を受ける部分 に対応するように配置される。こうして、好ましい実施態様において、粘弾性ゲ ル部分８４およびフィンガー部８４は足の弓部領域に対応して配置され、足の踵 に対応した領域の周囲にまで延設される。このゲル領域は、ここでも、１０〜１ ００の範囲、好ましくは４０〜６０の範囲の-000硬度で作製される。 粘弾性ゲル踵プラグ挿入部８８は、好ましくは足床の底部に配置されて、足の 踵のためのクッション性および衝撃吸収性を与える。この挿入部は、好ましくは ２０〜６０、より好ましくは略４０〜５０の -000 硬度を有するゲルで作製され る。該粘弾性踵プラグ挿入物８８は、好ましくは、足の踵のために追加のクッシ ョン性および衝撃吸収性を与える複数のリブ８９を含んでいる。 足床８０はフォーム材の踵プラグ９０をも含んでおり、該プラグは、好ましく は本体８２と同じ足床フォーム材で形成されている。 また、好ましい足床８０は複数の溝をも含んでおり、該溝は、流動可能な粘弾 性ゲルが踵の背面にまで広がることを可能にし、また足床８０の可撓性を増大さ せる。 図９Ａ〜９Ｂは、本発明による足床の第二の実施態様を開示している。足床８ １には、硬度に流動性の粘弾性部分８４およびフィンガー部分８６、並びにより 硬い粘弾性の踵プラグ部分８８が含まれている。足床８１は、更に、足に対して クッション性を与えるためのリブ９６を備えた中足骨パッド９４を含んでいる。 更にまた、該足床はゲル部分１００を備えた翼部材９８を含んでいる。これらの ゲル部分１００は温度反応性ゲルで作製することができ、またその中の水溶液は フィンガー部１０２の中へ流れることができ、或いはゲル部分１００およびフィ ンガー部１０２は硬度に流動可能な粘弾性ゲルで作製することができる。これに よって、足前方に対するカスタマイズされた適合性が与えられる。 図１０は、カスタマイズされた適合性または順応性を有する靴を形成する方法 のフローチャートを示している。その工程には、流動可能な粘弾性ゲルおよびフ ォーム材成分をモールド型の中に投入して、靴上部または舌部の順応層の部分を 形成することにより、図２に示すような順応性の靴上部、または図７に示すよう な靴舌部を形成することが含まれる。好ましくは、粘弾性ゲルをモールド型の適 切な位置に投入し、次いで、記憶フォーム材成分をモールド型の中に投入してこ れを満たす。靴の内層は、該内層の上に前記ゲルが形成されるように、該ゲルお よび前記フォーム材をモールド型の中に投入する前に、モールド型の底に配置す ることができる。しかし、好ましい方法は、靴の内層をモールド型の頂部板に取 り付けることである。この頂部板で前記モールド型を閉型し、加熱する。加熱は 、モールド型もしくはモールド型頂部、またはその両者を加熱して、ゲルおよび フォーム材を固化することによって達成される。こうして、流動可能な粘弾性ゲ ルおよびフォーム材は靴の内層の上にモールド成形される。次いで、温度反応性 ゲルおよび該ゲルを含む袋体を適切な位置に配置して、内層からみて順応層の反 対側に外層を取り付けることができる。 温度反応性ゲルは、粘弾性ゲルおよびフォーム材とは別に形成される。この温 度反応性ゲルカセットおよび袋体は、別々のモールドで形成される。プラスチッ クフィルムの第一層がモールドないに配置される。好ましくは、該プラスチック フィルムは約１０ミルの厚さでの、ポリウレタンフィルム、またはSURLYNR／ポ リウレタン積層フィルムのような積層膜であり、ゲル袋体注での水保持性を増大 させる。好ましいプラスチックフィルムは、エクソンイグザクト膜(EXXON Exact film)X-EMB-676 である。このフィルムは、略40,000〜80,000の厚さであるキャ ビティーを覆って真空形成される。次いで、ダイカットされた反応性ゲル材料を 相対的に低い温度、好ましくは略０℃で加えて、水溶液で飽和されたゲルを維持 する。次いで、モールドを覆ってプラスチックフィルムの平坦な頂部層を配置す る。この頂部層は、好ましくは約５ミルの厚さであり、ポリウレタンフィルムま たはSURLYNR／ポリウレタン積層フィルムのような積層膜で形成されている。次 いで、高周波接合法(radio frequency bonding)または他の方法によって、頂部 フィルム層および底部フィルム層が結合される。 靴上部または舌部の順応層は、順応層が外層と内層との間に位置するように、 温度反応性ゲルおよび該ゲルを含んだ袋体を適切な位置に配置し、靴の外層を内 層に取り付けることによって完成する。靴の上部または舌部が形成された後に、 これらは通常の方法によって靴に取り付けられる。 本発明はまた、靴の足床を形成する方法であって、相対的に硬質で高粘度の粘 弾性ゲルを、モールド型における足床の踵プラグ部分に投入する工程と、順応す る適合性および快適性を与えるために、相対的に軟質で流動性の高い粘弾性ゲル を前記モールド型の適切な位置に投入する工程と、ポリウレタンフォーム材また は記憶フォーム材の成分を前記モールド型の中に投入する工程と、前記モールド 型をモールド頂部（これには足床のカバーファブリックを取り付けることができ る）で覆う工程と、該モールド型を加熱する工程とを具備した方法にも向けられ ている。 また、本発明には、フォーム材（ポリウレタンまたは他のフォーム材）の隣接 領域および粘弾性ゲル材料を形成するために用いることができる、他の方法も含 まれる。この方法において、前記フォーム材およびゲルは化学的に結合すること ができ、または結合することなく単に隣接させることもできる。より具体的には 、この方法には、フォーム材をモールド型の中に投入することが含まれる。次い で、膨張していない微小球をもった粘弾性ゲルを、別の操作によってモールド型 のキャビティーの中に注入することができる。次いで、このモールド型を、前記 微小球の膨張温度よりも高い温度にまで加熱する。当該モールド成形部分の圧力 を変化させるように、モールド型が加熱される温度に依存して、前記微小球の膨 張を制御することができる。 図１１は、図８Ａ〜８Ｄまたは９Ａおよび９Ｂに示した靴の足床に言及たフロ ーチャートであり、これらは、相対的に硬質で高粘度の粘弾性ゲルを、モールド 型における足床の踵プラグ部分の中に投入することと、相対的に軟質で低粘度の 粘弾性ゲルを、所望の位置（足の弓部および踵の周囲領域を含み得る）に投入す ることと、前記モールドの中にフォーム材の成分を投入することと、前記モール ド型を、前記足床カバーファブリックを取り付けたモールド型頂部で覆うことと 、 該モールド型を加熱することとによって形成される。 本発明は更に、足底に順応し且つ足底のためのクッション性を与えるように、 粘弾性ゲルおよび／または温度反応性ゲルで構成された足床を与えることによっ て足に順応する靴に向けられている。好ましくは、この靴の足床は、足底を支持 するためのクッション性を与え、また歩行等の衝撃を吸収するために、低流動性 の硬質ゲルで形成される。更に、足床は、顧客毎の適合性および足（特に弓部お よび踵）の快適性を与えるように、軟質で高流動性のゲルを与えなければならな い。これは、足に対して快適な支持を与えるための適切な硬度および粘度を有す る、種々の弾性ゲルおよび温度反応性ゲルを適切に置き換えることにより、好ま しく達成される。更にまた、足床は、ポリウレタンフォーム材、好ましくは記憶 フォーム材マトリックスの中に封入されたゲルの組合せを用いて形成される。こ れによって、顧客毎の適合性、快適性、クッション性および安定性の全てが同一 の系に提供される。 液体からゲルへの転移は、図１２および図１３に見ることができる。図１２は 、１rpm（上方の曲線）〜100 rpm（下方の曲線）の回転速度でブルックフィール ド粘度系を用いて測定した、水中の16.5％ＰＥＯ−ＰＰＯの混合物についての測 定結果である。このグラフは、２７℃において、清澄な液体からゲルへの転移を 示している。図１３は、２３℃のより低い温度でのより硬いゲルへの転移を示し ている。 図１４を参照すると、他の足床１１０の底面が示されている。この足床１１０ は、中間層１１４と、ポリウレタンフォーム材で形成されたリム１１２から構成 されている。底面１１６には、ポリウレタン粘弾性エラストマーで形成された二 つのパッド１１８および１２０が設けられている。パッド１１８は、使用者の踵 に対応する足床１１０の踵部分に配置されて、当該部分のためのクッション性を 与えている。両パッド１１８および１２０は、複数のリブ１２２を含んでいる。 足床１１０はまた、図１５に示す頂部表面１２４を含んでいる。この頂部表面 は、ブラシナイロン、レザーまたはテキスタイル層１２６によって覆うことがで きる。 足床１１０はまた、温度反応性ゲルを充填した袋体１３０を含む。この袋体は 、 使用者の足の弓部に対応した足床１１０の弓部領域における、中間層１１４の下 側に固定されていて、心地よい適合性を与え且つそれを支持する。好ましくは、 温度反応性ゲルは、室温では液体のような低粘度を有し、また室温と体温との間 では、遥かに大きな粘度をもったゲルになる。より具体的には、温度反応性のゲ ルは、図１５に示すように、室温では液体であるか或いは5000ｃｐｓ未満の粘度 を有し、また体温に略等しい温度では、500,000 ｃｐｓよりも大きな粘度を有す るゲルになる。 足床１１０の好ましい実施態様において、温度反応性ゲルは液状であり、また 足床１１０を組み込んだ靴の中に使用者が最初にその足を挿入したときには高度 に流動性になる。このように、温度反応性ゲルは流動して、使用者の足に順応す ることができる。使用者の足は、足床１１０を備えた靴の内部を加熱するから、 温度反応性ゲルの粘度が増大して、足に対する適合性および支持を与える。使用 者の足が取り出された後は、温度反応性ゲルは室温にまで冷却され、高度に流動 可能な状態または液体の状態に復帰する。 図１６〜１９を参照すると、本発明による靴のための舌部１３２が示されてい る。この舌部１３２は底縁１３４を有しており、これが靴本体（図示せず）に取 り付けられる。この舌部は底縁から伸び、使用者の足の上面がカバーする。舌部 は時々使用者の足と靴のレースの間に挿入される。 この舌部１３２は、内層１３６と外層１３８とから構成される。 内層および外層は、好ましくはレザー製である。外層１３８は、更に、ポリエ ンカビニル（ＰＶＣ）のような透明な材料で構成された窓１４０を含んでいる。 内層および外層１３６および１３８の間には、使用者の足の上部表面に対する 適合性、順応性および支持を与える順応層１４２が存在している。この順応層１ ４２は、好ましくは、フォーム材部分１４４およびゲル部分１４６で構成されて いる。フォーム材部分１４４は、上記で述べたような記憶フォーム材性であるの が好ましい。ゲル部分１４６は、好ましくは、環境応答性ゲルまたは上記で述べ たような粘弾性ゲルである。最も好ましい実施態様において、ゲル部分１４６は 、室温では低い粘度（5000ｃｐｓ未満）を有し、体温では遥かに大きな粘度（50 0,000ｃｐｓ超）を有する環境反応性ゲル製である。好ましくは、このゲル はＰＥＯ−ＰＰＯブロック重合体およびここで述べる水混合物からなっている。 図１８および図１９は、舌部におけるフォーム材部分１４８の第二の実施態様 を開示している。この実施態様における該フォーム材部分には、複数の孔１５０ が貫通して形成されている。これらの孔１５０は矩形であり、舌部の重量を減少 させ、また空気をより容易に舌部に流すことを可能にする。この舌部には切り欠 き部１５２が含まれており、その中にゲル部分（図示せず）を挿入することがで きる。 図２０は、靴舌部１３２における外層１３８の実施態様のための、設計上の特 徴および縫合１４１を開示している。外層１３８は、更に、ポリエンカビニル（ ＰＶＣ）のような透明材料でできた窓１４０を含むことができる。この外層は、 好ましくはレザー製であり、場合によっては、屈曲可撓性を与えるように、中心 線１４３で結合された二つのレザー層で作られる。靴の舌部１３２は、足の上に 快適に配置されるように人が靴を履くのを補助するために、任意にプルタブ１３ ９を有している。靴の舌部１３２は、好ましくは、底縁１３４から任意のプルタ ブ１２９への垂直軸に沿って、足の回りで屈曲可能である。 図２１は、図２２の線２３−２３に沿った、本発明による靴舌部１３２の断面 図である。温度反応性ゲルの袋体１４６は、大きなフォーム材部分１４４，１４ ８のうちの一つに取り付けられている。場合によっては、描写されているように 、袋体１４６に隣接して取り付けられた追加のフォーム材片を設けて、袋体をフ ォーム材に取り付けるのを補助してもよい。フォーム材部分１４４，１４８は、 固体状の記憶フォーム材１４４であってもよいが、孔１５０を備えた格子状のフ ォーム材１４８であるのが好ましい。靴舌部の袋体１４６は、膠のような少なく とも接着剤または両面テープによって、或いは外層１３８をフォーム部分１４８ に縫い付けることによって取り付けられる。この外層１３８は、好ましくはレザ ー製であり、任意には上記のような窓１４０が含まれている。外層は、外層に設 けられた穿孔（図示せず）を介して換気を補助するのが好ましい。外層は、１枚 のシート材料でもよいが、靴舌部が着用者の足に順応するのを補助するように、 中心線１４３で結合された二つの部分であるのが好ましい。内層１３６はレザー 、またはポリエステル、ナイロンまたはTACLINERRの織布のような軟質のテ キスタイル層である。 好ましい実施態様（図示せず）において、環境反応性ゲルの袋体は、フォーム 材単一層のポケット内部に位置して、該袋体を該フォーム材に取り付ける他の手 段の必要性を回避する。当該袋体は、靴の舌部長さの約１／２〜７／８、より好 ましくは約２／３〜６／８の長さに延出する。 図２２は、上記のように、部分的な切り欠きおよび任意の窓１４０を備えた、 靴舌部１３２の外層の平面図である。この舌部は、内層１３６（図示せず）およ び害そう１３８を有しており、両者の間には順応層を具備している。好ましい形 態に置いて、内層１３６（図示せず）はレザー製、またはTACLINERRのような軟 質テキスタイルライニング製である。順応層１４２は、好ましくはフォーム材部 分１４８およびゲル部分１４６からなっている。フォーム材部分１４８は、好ま しくは上記で述べたような記憶フォーム材製である。靴舌部１３２は、好ましく はプルタブ１３９を有しており、換気を補助するために孔１５０を備えた格子網 状のゲルを使用する。ゲル部分１４６は、好ましくは、環境反応性ゲルまたは粘 弾性ゲルで作製される。最も好ましい実施態様において、ゲル部分１４６は、室 温では低粘度（5,000ｃｐｓ未満）を有し、体温では遥かに高い粘度（1,000,000 ｃｐｓ）を有する環境反応性ゲルで製造される。好ましくは、このゲルはＰＥＯ −ＰＰＯブロック重合体と、水と、ここで述べる洗浄剤の混合物を含んでいる。 図２３は、本発明による靴舌部袋体１４６の好ましい実施態様の平面図である 。本発明における何れかの袋体の内層および外層は、種々の接着剤の何れかのよ うな、何等かの結合手段によって結合される。これらの層は、インディアナ州イ ンディアナポリス所在のプラスチック・ウエルディング・テクノロジー社によっ て行われているような、高周波シール手段によって結合される。 図２４は、線２４−２４に沿った、この好ましい実施態様の断面図である。ゲ ルの袋体は、好ましくは少なくとも一つの高周波シール部１４９を含んでおり、 上記のように、靴舌部の袋体１４６の可撓性を高める。最も好ましくは、袋体の 中央に位置する一つの高周波シール部１４９が存在している。 図２５は、本発明による足床の底面１１６を示す底面図である。底面１１６に は、ポリウレタンのフォーム材またはゲルのような粘弾性エラストマーで形成さ れた、二つのパッド１１８および１２０が存在している。パッド１１８は、使用 者の踵に対応する足床１１０の踵部分に位置していて、踵のためのクッションを 与える。パッド１２０は、使用者の足の中足骨パッドに対応した足床１１０の中 足骨部分にあり、そのためのクッションを与える。両パッド１１８および１２０ には、複数のリブ１２２が含まれている。二つのパッドに隣接して配置された環 境応答性ゲルの袋体１６０は、描写されているように、靴の弓部を横切って一つ のパッドから他のパッドへと走っている。袋体１６０の中の環境応答性ゲルは、 好ましくは着色されており、より好ましくは青色に着色されている。環境反応性 ゲルがパッドの隣へ流れたとき、色混合によって新しい色が与えられるように、 この粘弾性エラストマーのパッドは透明であるのが好ましく、また好ましくは着 色され、より好ましくは黄色に着色されている。青色ゲルおよび黄色のパッドを 具備した上記の好ましい実施態様では、緑色を生じるであろう。 図２６は、本発明によるゲルの袋体とファブリック若しくは接着剤の層１６２ とを具備した、足床１１０の底面図である。足床１１０は、ポリウレタンフォー ムで形成されたリブ１１２を含んでいる。 足床１１０は、図１５に示すように、頂面１２４（ここでは図示しない）をも 含んでいる。この頂面は、ブラシナイロン層、レザー層、またはテキスタイル層 １２６で覆うことができる。また、足床１１０には温度反応性ゲルを満たした袋 体１３０が含まれている。この袋体は、使用者の足の弓部に対応して心地よい適 合性を与え、且つこれを支持するように、足床１１０の弓部領域における中間層 １１４の下側に固定されている。好ましくは、温度反応性ゲルは、室温では液体 のような低粘度を有し、また室温と体温との間では遥かに大きな粘度を有するゲ ルになる。より好ましくは、図１５に示すように、温度反応性ゲルは室温では液 体であるか、或いは5,000ｃｐｓ未満の粘度を有しており、また体温に略等しい 温度では500,000ｃｐｓよりも大きい粘度をもったゲルになる。 足床１１０の好ましい実施例において、足床１１０を組み込んだ靴の中に使用 者がその足を最初に挿入するときには、温度反応性ゲルは液状で且つ高度に流動 性である。このようにして、温度反応性ゲルは流動して使用者の足に順応するこ とができる。使用者の足が足床１１０を有する靴の内部を加熱するに伴って、温 度反王制ゲルは粘度が増大して、足のための適合性を与え且つこれを支持する。 使用者の足が取り出された後は、温度反応性ゲルは室温に冷却されて、高度に流 動可能な状態または液体状態に復帰する。 図２７は、本発明による弓部ゲルの袋体１７０を備えた足床の分解図である。 この図は、環境反応性ゲルの袋体１７０が弓部領域のみにあるような、本発明の 実施態様を描写している。このゲル袋体は、足床１１０のポリウレタンベース１ １６に隣接して配置される。好ましくは、ポリウレタンの粘弾性エラストマープ ラグは、足の踵１１８および前部１２０の下に配置される。ポリウレタンベース １１６には、任意に環境反応性ゲルの翼部１７８を設けてもよく、これは足の後 方側部および後部を収容して、改善された快適性および従来の靴を凌駕する適合 性を与える。この任意の翼部１７８は、ポリウレタンベース１１６よりも上方に 若干隆起しており、好ましくは、靴の前方に向かって略半ばで終端している。場 合によっては、翼部１７８はポリウレタンベース１１６の前方部の中間部まで、 更に前方に延出する(図示せず)。ポリウレタンベース１１６およびプラグ１１８ ，１２０に隣接して、頂面および底面を有する織布テキスタイル層１７７、好ま しくはTACLINERRの層が配設されている。プラグの上に位置するこの層の部分は 、ポリウレタンベース１１６に接触する部分に比較して隆起している。テキスタ イル層１７７の底面は、ポリウレタンベース１１６に接触する。テキスタイル層 １７７の頂面は、夫々が粘弾性プラグ１１８および１２０の寸法および形状に実 質的に対応した、輪郭１７５および１７６を有するレザー層１７１に接触する。 レザー層１７１の最上部は、テキスタイル層１７７の頂面と一致している。 図２８〜図３０は、図２７に類似し手いるが、ゲル袋体の種々の実施態様を備 えた足床の分解図を描写している。図２８は、本発明による踵ゲル袋体１８０を 備えた足床１１０の分解図である。図２９は、本発明による前方部ゲル袋体また は足中骨部ゲル袋体を備えた足床１１０の分解図である。図３０は、本発明によ る完全な長さのゲル袋体１８２を備えた足床１１０の分解図である。 図３１は、図２７〜図３０に描写された足床の分解図の、線３１−３１に沿っ た断面図である。袋体は、この図には図示されていない。この図からは、プラグ １１８および１２０の形状および寸法に実質的に対応したレザー層１７１が、如 何にしてプラグ１１８および１２０の回りに適合し、テキスタイル層１７７の殆 どの頂面と接触するかが一層明瞭に分かる。この図はまた、粘弾性プラグ１１８ および１２０の厚さが、好ましくはポリウレタンベース層１１６の厚さよりも大 きくあるべきことを、より明瞭に図示している。 図３１ａは、図２７〜図３０に図示した足床の分解図の、線３１−３１に沿っ た断面図の他の実施態様である。この図には、可撓性を高め、また袋体をシール するための高周波シール部１１９を備えた袋体１７２が示されている。該袋体は 、好ましくは環境反応性のゲル１７３を含んでいる。この図から、プラグ１１８ および１２０の形状および寸法に実質的に対応したレザー層１７１が、如何にし てプラグ１１８および１２０の回りに適合し、テキスタイル層１７７の殆どの頂 面と接触するかが一層明瞭に分かる。また、この図は、粘弾性プラグ１１８およ び１２０の厚さが、好ましくはポリウレタンベース層１１６の厚さよりも大きく あるべきことをより明瞭に図示している。 図３２は、本発明による頂部カラー適合ゲル袋体の前方左側面図である。この ゲル２０５は、上記で述べた何れの環境反応性ゲルであってもよいが、好ましく はポリマーゲルである。この図は、靴製造に含まれ得る、任意の鞍袋形状のゲル 袋体２００を示している。このゲル袋体２００は、靴の後方部分における頂部カ ラーの回りに延出して、靴のより良好な快適性および適合性を与える補助となる 尾部２０２を有している。 図３３は、本発明による二つのタイプのゲルを備えた頂部カラー適合ゲル袋体 の前方左側面図である。この図は、二つの異なったタイプのゲルを有する鞍袋形 状のゲル袋体２００を示している。一方のゲルは、図３２の袋体におけると同様 に環境反応性のゲル２０５であり、他方のゲルは上記で述べたヒドロゲルタイプ のゲル２０６であろう。これらのゲルは、好ましくは、それらが袋体の別々の部 分に配置されたときに混合しない。 図３４は、図３３に示した本発明による鞍袋適合ゲル袋体の前方左側面図の好 ましい実施態様である。この好ましい実施態様には、袋体２００に配置されて袋 体および靴の可撓性を向上させる、種々の高周波シール部２０４が存在している 。側面からは、これらの高周波シールは図２４に描写したものに類似している。 環 境反応性ゲル２０５が好ましく使用される。 図３５は、本発明による靴における他の順応装置の斜視図である。ここに図示 した順応装置は、順応層２４の中に環境反応性ゲル２０５を含む鞍袋形状の袋体 ２００である。アキレス腱領域３８は図の中央にあり、またカラー３６および腰 革３５の領域が同様に示されている。順応装置の可撓性を高めるために、高周波 シール部２１０が加えられ、また、換気のための空隙２１１を与えるために、こ の材料には完全に貫通した穿孔が施されている。図示されてはいないが、順応装 置は、好ましくは両側を約３ｍｍのフォーム材４０によって包まれ、また順応装 置の上側に縫い付けられる（それは約１ｍｍに圧縮されるようになる）。このフ ォーム材４０は、好ましくは換気を向上するために格子状の網目フォームである が、上記で述べた記憶フォーム材であればよい。内層（図示せず）は不織テキス タイル層であってよく、好ましくはTACLINERRであるが、この材料の両面に縫い 付けられる材料はレザーであり得る。 図３６は、本発明による図３５の順応装置の線３６−３６に沿った断面図であ る。ここでの袋体２００は、換気を補助する空隙２１１と共に高周波シール部２ １０をもった環境反応性ゲル２０５を有しているように見える。 図３７は、本発明による苦Ｋつの中の他の順応装置を示す斜視図である。この 実施態様は、実質的に図３５に示したものと同じであるが、順応装置２０５は、 カラー３６の回りを包み込み、アキレス腱領域３６に接近する尾部３２を有して いる。 図３８は、本発明による、カスタマイズ可能なゲルおよび／またはフォーム材 製足床の左側面図である。任意の踵受け台２２０順応装置を足床に配置して、靴 の適合性および快適性の向上を補助してもよい。足床は、着用に適したプラスチ ックまたはエラストマーの底層２２４を含んでおり、また連続的に隣接した幾つ かの層を含んでいる。第一の隣接層はフォーム材（好ましくはポリウレタン）の 層２２６である。次の層は、TACLINERRのような不織布テキスタイル層２２７で ある。その頂部は他の層２２６であり、これは他の適切な層で置き換えてもよい が、典型的にはレザーである。踵には、踵の支持を与える粘弾性ポリマープラグ ２２２が含まれており、該プラグ２２２は、好ましくは着色されている。他のオ プションは、足の底縁の回りを包み込む翼部袋体２２５を含めて、靴の適合性お よび快適性の向上を補助することである。他の選択可能な実施態様は、任意に着 色されたプラグ２２２が見えるように、窓２２１を含んでいる。別のオプション は、環境反応性ゲルを有する袋体２３０を、踵プラグ２２２の下に配置すること である。奔出眼における如何なる環境反応性ゲルも、同様に着色されたゲルであ ってよく、また温度感受性の色素または着色ゲル並びに任意の窓２２１と共に、 任意に着色されたプラグ２２２を使用することは、与えられた何れの時点におい ても、踵の下の当該ゲルの温度およびゲル流体の量に依存した複数の色変化を可 能にする。低い方の転移温度を越えた温度では、温度感受性色素の色は消えて白 色に戻る。もし、この色素が低濃度で存在していれば、該色素は低い方の転移温 度を越えた温度で半透明になるであろう。第一の色の温度感受性色素は、典型的 には溶液の約0.02〜約0.5重量％で存在する。第二の着色した従来の色素は、溶 液の約0.08〜約0.5重量％で存在し得る。これによって、低い方の転移温度未満 での色結合が与えられ、また該転移温度を越えた温度では、熱感受性色素の退色 によって第二の色のみが与えられる。 図３８Ａは、本発明による図３８の線３８Ａ−３８Ａに沿った断面図である。 任意の翼部袋体２２５は、フォーム材層２２６の周囲における適合形態として図 示されている。 図３９は、本発明による包み込み袋体２４０を有する本発明の他の実施態様の 底面図である。この袋体２４０は、靴が他の表面に対して垂直に接触するときに 最大の圧力が加わる、踵および足中骨点の周囲を包み込む。従って、袋体２４０ は、好ましくは、靴底２４５における支持よりもむしろ快適性および適合性を与 える。袋体２４０はまた環境反応性ゲル２４６を含んでおり、該ゲルは、好まし くは着色されており、より好ましくはは青色に着色されている。靴の中間領域お よび足の前方領域には、図３８〜３８Ａの任意の翼部２２５が図示されている。 靴底２４５には、透明な窓２４０および２４１が配置して粘弾性ゲルが見えるよ うにしてもよく、該ゲルは着色され、より好ましくは黄色に着色されている。加 えて、包み込み袋体２４０の弓部に高周波シール部２４３を追加して、足床の可 撓性を向上させるのが好ましい。最も好ましい実施態様においては、重なり領域 ２４２での色が緑色になるように、粘弾性ゲル２４１は黄色であり、また環境反 応性ゲル２４６は青色である。勿論、重なり領域に種々の色を与えるように、ゲ ルおよび足中骨領域の色は他の色を容易に置き換えられる。 図４０は、図３９に図示した本発明による足床の実施態様の平面図である。足 床の頂部層２６３が示されており、該層は、好ましくはレザーである。任意の翼 部袋体２５５が示されている。踵はまた、好ましくは、換気を高めるために足床 層に複数の孔２４１を含んでいる。これらの孔は、好ましくは足中骨領域にも同 様に存在している。 図４１は、本発明による図４０の線４１−４１での断面図である。この包み込 み袋体２６０は、足床の踵部分の縁部に図示されており、これは好ましくは環境 反応性ゲルで満たされている。踵の下には、好ましくは着色され、より好ましく は黄色に着色された粘弾性プラグ２６３が存在している。プラグ２６３を取り囲 んでいるのはフォーム材、好ましくはポリウレタンフォーム材である。該プラグ およびフォーム材の上には、ポリウレタンゲル２６１の層がある。 本発明は更に、所定の温度で軟化し、または硬くなるように加工することがで きる環境反応性ゲルに向けられている。本発明の好ましい実施態様において、靴 順応性部材は、下記に述べるゲル組成物のうちの一つを組み込んでいる。好まし くは、これらの環境反応性ゲルは、第一および第二の転移温度を有する温度反応 性ゲル組成物である。第一の低い転移温度未満では、該組成物は液状であり、ま た該ゲルは加熱すると硬くなる。加熱を続けて第二の高い転移温度に到達すると 、当該ゲルは液化する。二つの転移温度、粘度変化の量、および該温度を越える とゲルが転移する温度領域は、種々の添加物を含めることによって調節すること ができる。従って、所定の温度で鋭い粘度変化を伴って液化し、或いはゲル化す るようなゲル組成物を提供することが可能である。好ましい実施態様において、 液体からゲルへの転移は、人もしくは他の体温またはその近傍で起きる。ゲル化 の後の最終的な粘度変化は、典型的には、液状の初期粘度よりも約１００倍〜５ ００倍大きく、より好ましくは約１０００倍大きく、最も好ましくは約３０００ 倍大きい（これらの間の全ての整数倍を含む）。転移温度は、平均体温よりも低 いか若しくは高い異なった温度で転移するように調節してもよい。 従って、環境反応性ゲルは室温では液体であり、また略体温では粘度が増大し たゲルである。かくして、この環境反応性ゲルは、靴または足床のような足に着 用する用途において、使用者がそれを使用する前には液体であり得る。この足着 用製品に使用者が足を挿入すると、液体は第一の速度で流動して足に順応する。 次いで、温度反応性ゲルは足により体温にまで加熱され、粘度が急速に増大して 、順応性の適合および安定性を与える。この時点ではゲル組成物はゲル状態にあ り、第一の速度よりもかなり低い第二の速度で流動する。 流動可能な環境反応性ゲルは、水をベースとするゲルである。これらのゲルを 使用する利点は、従来技術のゲルに比較して、これらが低い転移温度で粘度の急 峻な増大を伴って液体からゲルへと転移することである。これら環境反応性ゲル は、水溶液中に、好ましくは約１５〜４０重量％、より好ましくは約２０〜３２ 重量％、最も好ましくは約２２〜２８重量％のの非イオン性ポリオキシアルキレ ンブロック共重合体と、好ましくは約１〜約２０重量％、より好ましくは約５〜 １８重量％、最も好ましくは約９〜１５重量％のSUN-LIGHTR液体洗浄剤表面活性 剤とを含んでいる。同等に好ましい他の実施態様では、SUN-LIGHTRについてのド デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに、約１〜４重量％、より好まし くは約１．５〜３重量％、最も好ましくは約２〜２．５重量％のドデシルベンゼ ンスルホン酸ナトリウム（Ｎａ−ＤＢＳ）を置換する。他の実施態様において、 当該ゲルは表面活性剤の代わりに、またはこれと組み合わせて、水溶液中に約１ ５重量％以下、より好ましくは約６〜１２重量％の１，６−ヘキサンまたは１， ４−ブタンジオールを含有する。ここでの水は、典型的には水道水に存在するマ グネシウム、ナトリウム、カルシウムおよび他のミネラルのような塩によるゲル の汚染を回避するために、好ましくは脱イオン水でる。このような汚染物が存在 していても、当該溶液は転移温度において液体状態からゲル状態へと変化するが 、転移温度は低下し、また粘度曲線は所望の鋭い形ではなくなる。 このタイプの好ましいゲル組成物は、水と、ポリエチレンオキシド／ポリプロ ピレンオキシド（ＰＥＯ−ＰＰＯ）非イオン性ブロック共重合体とを含有してお り、好ましくは、例えばポリエチレンオキシド（ＰＥＯ）ホモポリマーおよび／ またはポリプロピレンオキシド（ＰＰＯ）ホモポリマー、および表面活性剤、ア ルコール、酸、塩、アミン等のような親水性化合物のような添加剤、またはこれ ら添加剤の混合物を含有している。水中におけるベース混合物／ＰＥＯ−ＰＰＯ ブロック共重合体中のホモポリマーまたは他の添加剤の濃度を変化させることに よって、転移温度およびゲルの硬さを所望に従って調節することができる。加熱 に際して硬化するゲル組成物を与えることによって、流動して着用者の足の形状 に順応し、次いでゲル化して適切な支持体を与える靴挿入物を得ることができる 。 適切なポリマー表面活性剤ゲルは、ポロクサマー(PLURONICR)、ポロクサミン( TETRONICR)、BUTRONICR ポリオール等のような異なった非イオン性ブロック共重 合体から製造すればよい。好ましい実施態様において、使用されるポロクサマー はPLURONICR表面活性剤である。このような組成物において、ポロクサマー407と しても知られるPLUR0NICRF 127ポリオールを用いるのがより好ましい。本発明で 使用するのに適した全てのPLURONICR、TETRONICR、BUTRONICR は、アメリカ合衆 国ニュージャージー州パーシッパニーに本部を置く、アメリカ合衆国ワイアンド ットのＢＡＳＦコーポレーション社から入手可能である。 好ましい商業的に入手可能な添加剤は、米コック特許第4,614,612 号に開示さ れた液体洗浄剤のSUN-LIGHTR表面活性剤であり、該特許の開示はここに出典を明 示することにより、本明細書の一部として明示的に本願に組み込まれる。この液 体洗浄剤は、ニューヨークのレバーブラザーズ社(Lever Brothers Co)によって 製造されている。また、ジオール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ま たは他の石鹸もしくは表面活性剤を使用するのが好ましい。好ましいジオールに は、１，４−ブタンジオールおよび１，６−ヘキサンジオールが含まれる。 好ましいＰＥＯ−ＰＰＯ、即ちPLURONICR F127は、プロピレングリコールの二 つの水酸基に、プロピレンオキシドを制御して付加することにより形成される。 エチレンオキシド（ＥＯ）は、この疎水記を親水性基の間にサンドイッチするた めに添加され、最終分子の1０重量％〜８０重量％を構成するように長さを制御 される。PLURONICR F127ポリオールは、典型的には約12,500の分子量を有してお り、また約７０重量％の水に可溶性（親水性）のＥＯからなっており、約３０重 量％の水に不溶性（疎水性）のプロピレンオキシド（ＰＯ）からなっている。ポ リオールの式は、略ＥＯ２８−ＰＯ６６−ＥＯ９９である。他のＰＥＯ−ＰＰＯ ブロック共重合体は、当業者によって容易に製造され、置換されるものであり、 従って本発明の範囲内にあると理解されるべきである。 粉末PLURONICRのＡ−Ｂ−Ａトリブロック構造は、これらを水性システム中の 分散剤としての使用に十分に適したものとする。何故なら、夫々の分子が、より 効果的な立体安定性を可能にする二つのＰＥＯ親水性鎖を有しているからである 。長い疎水性ＰＰＯ中心があると、分散剤が粒子から脱着する機会は最小限に抑 制される。低濃度において、一つの分子ミセルは中央のＰＰＯおよび疎水性ＰＰ Ｏの周囲に巻かれた外殻のＰＥＯを用いて形成される。共重合体形成の濃度が増 大すると、ミセルのスタックが得られてネットワークを作り、従って剪断面の大 きな拡張が生じる。この連続的なネットワークがゲルであり、臨界濃度は温度が 高くなるにつれて減少する。例えば、僅か２４％のPLURONICR F127の水溶液は、 転移温度が妬く１７℃であるのに対して、２７％のPLURONICR F127では転移温度 は約１４℃である。ゲル化に必要な臨界ミセル濃度は温度に依存するが、１５％ 未満のPLURONICポリマーでは、一般に、他の添加剤なしでは本発明のゲルは形成 されない。約４０重量％を越えると、比イオン性共重合体は容易に溶解すること ができず、全体の系としては、転移温度を越えるとゲル状態になるであろう。こ れは水の氷点（０℃）である。過剰な非イオン性ブロック共重合体を使用するこ との望ましくない影響は、一定の温度において水がゲルから漏出すると、ポリマ ー濃度の効果的な増大によってゲルの固化が起こることである。 これらのポリオオール類は、如何なる所与の分子量についても親水性／親油性 バランス（ＨＬＢ）が固定される必要がないから、陰イオン性ポリオールおよび 従来の比イオン性ポリオールとは異なっている。ＰＯ疎水基およびＥＯ親水基の 長さは、必要とされる如何なる長さにも独立に変化させることができる。こうし て、ＨＬＢを一定に保持しながら幾つかの同様のポリマー類を得てもよく、また 逆も同様である。このような置換は、全て本発明の範囲内に含まれる。 非イオン性ブロック共重合体、またはこの例におけるPLURONICR の濃度がゲル 形成に十分であれば、ミセルの凝集は温度に依存する。低温においては、ＰＥＯ ブロックおよびＰＰＯブロックは、その回りに集まった水で可溶化されて、全体 の計が液体になる。温度が上昇すると、実験および理論的研究の両者によって証 明されるように、臨界ミセル化濃度が低下して、ゲル化が起きるまでミセル寸法 および凝集が増大する。溶液である間は、ミセルは約５から約７ナノメータであ る。ゲル化点では、ミセルは実質的に大きく成長してゲルを形成する。SANSの研 究によって、ゲルは立方体に密接にパックされたブロック共重合体から作られる ことが見出された。ミセル化の駆動力は主に、特に高温における、水中でのＰＰ Ｏの貧溶媒条件である。従って、ゲル化は疎水性力および親水性力の相互作用に よるものである。 イオン性表面活性剤の添加によって、ミセルの寸法は減少し、ミセルの数が増 大して、転移温度が高くなるように思える。好ましい実施態様に置いて、約１４ 重量％のSUN-LIGHTR液体洗浄剤または約2.2重量％のＮａ−ＤＢＳは、転移温度 を、純粋な２４％PLURONICR での約１３℃から、約２５℃へとシフトさせる。こ のような表面活性剤が添加されると、ゲルの粘度はPLURONICR F-127 水溶液のそ れを越えて増大し、また、これら表面活性剤は転移温度をも同様に上昇させる。 とはいっても、過剰の表面活性剤はミセルをひどく破壊するであろう。これはゲ ル粘度を減少させる効果を有しており、またゲル化を阻害することもできる。ジ オールおよび洗浄剤の添加は、同様にしてミセルの凝集を減少させる。液体洗浄 剤中におけるそれに類似した表面活性剤の代わりに、またはこれと組み合わせて ジオールを使用することの一つの利点は、ジオールが室温では典型的に液体であ り、従って、溶液から水が漏出したときに、溶液を液体に維持することである。 この添加剤は転移温度を高くするが、最終的なゲル粘度を低下させる。しかしな がら、最終粘度における対応の減少は、もっと非イオン性のブロック共重合体を 用いることにより得られる増大した粘度よりも大きくはない。これは、添加剤に よる増大した転移温度に起因するものである。表面活性剤または他の添加剤がゲ ルの「融解」を起こし、或いはゲルの強化を生じるかどうかは、疎水性力および 親水性力のバランスに依存する。好ましい実施態様は、約２４％のPLURONICR F- 127、１４％のSUNLIGHTR液体洗浄剤および６２％の脱イオン水である。他の好ま しい実施態様は、約２４％のPLURONICR F-127、2.2％のドデシルベンゼンスルホ ン酸ナトリウム（Ｎａ−ＤＢＳ）および６２％の脱イオン水である。 好ましいポリオール、即ち、PLURONICR F-127は、好ましくは水中油タイプの エマルジョンの向上した乳化を与える。エマルジョンは、相互に混和しない一つ の液体粒子の第二の液体中における懸濁液である。混合装置、成分の添加順序、 プロセスの速度および持続、温度変化および種々の成分の相対的濃度のような他 の因子は全て、エマルジョンの安定性を決定する。ＢＡＳＦから入手可能な他の 適切なPLURONICR化合物は、典型的には950〜4000の分子量の疎水性ポリオキシプ ロピレンを有し、また略４５重量％よりも大きなポリオキシエチレンを有してい る。熟練した当業者は、同様の特性をもった何れかの他の化合物で置き換えるこ とが本発明の範囲内にあることを理解するであろう。 本発明の好ましいブロック共重合体ゲル組成物は、ＰＥＯ−ＰＰＯおよび水の みで構成され、典型的には約１３℃〜３５℃、より好ましくは約２０℃〜３０℃ 、最も好ましくは約２３℃〜２６℃の、液体からゲルへの転移温度を有している 。この転移温度は、種々の量の上記で列記した添加物を添加することによって調 節することができる。この添加物には、ＰＥＯおよびＰＰＯのようなホモポリマ ー、並びにアルコール、グリセリン、ソルビトール、サッカロース、イオン化可 能なポリマー、酸、塩およびアミンのような親水性化合物が含まれるが、これら に限定されるものではない。これらの添加剤は単独または組み合わせて、当該組 成物重量の約８５重量％以下の量で添加して、転移温度範囲を拡げることができ る。 添加剤には更に、広範な表面活性剤、アルコール、酸および塩、アミン、並び にイオン化可能なポリマーの１以上が含まれる。表面活性剤には、ドデシルベン ゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、並びにステアリ ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウムまたはパルミ チン酸カリウムのような他の石鹸が含まれる。アルコール添加剤は、モノアルコ ール、ジオール、トリオール、および更なるポリオールであってもよい。モノア ルコール、ジオール、トリオールおよびポリオールは、好ましくはＣ１−２０の アルカンアルコールである。例えば、モノアルコールはメタノール、エタノール またはブタノールであってよく；ジオールはエチレングリコール、プロパンジオ ール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、またはポ リプロピレングリコールであってよく；またトリオールはグリセリン、またはト リメチロールプロパンであってよい。ポリオールは、例えば、ソルビトールまた はサッカロースのような糖であってよい。酸添加剤および塩添加剤は、例えば、 塩化ナトリウム、塩化かあり有無、酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムであっ てよい。酸は、好ましくは有機酸である。アミンは、例えばトリエタノールアミ ンであり得る。 ｐＨおよび／またはイオン強度の変化に反応する幾つかのイオン化可能なポリ マー添加剤には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フェニルアクリル 酸、ペンテン酸などのようなモノマーのカルボキシビニルポリマーが含まれ、ま た１以上のポリ（カルボキシビニル）ポリマーを添加剤として用いてもよい。最 も好ましいのはポリアクリル酸である。アクリル酸とメタクリル酸の共重合体の ようなコポリマーもまた、添加剤として有用である。 一般に、第一の低い転移温度を上昇させる添加剤は、先ずゲルの粘度を増大さ せる。しかし、添加剤の濃度を増大させると、ゲルの粘度は或る程度減少する。 これらの添加剤は、一般に表面活性剤、モノアルコール、ジオール、ポリエチレ ングリコールおよび幾つかのアミンである。第一の低い転移温度を低下させ、ゲ ル強度および粘度を増大させる添加剤は、グリセリン、糖および幾つかの塩であ る。 これらの環境反応性ゲルを製造する方法は、極めて簡単である。ゲル混合物は 、水の氷点よりも高く且つゲルのゲル化点よりも低い如何なる温度で形成しても よいが、好ましくは、混合領域の回りで例えば氷キューブまたは氷ジャケットを 使用することによって、秤量された量の脱イオン水をできるだけ氷点近くにまで 冷却する。また、ゲルの両方の転移点よりも高い温度、即ち、ゲルの融点よりも 高い温度で成分を混合することも可能であろうが、このような高温は、溶液中の 水濃度の制御に困難を加える。SUN-LIGHTR洗浄剤またはドデシルベンゼンスルホ ン酸ナトリウムのような表面活性剤を有する添加剤を、秤量された水に添加する 。次いで、この溶液に、粉末化されたPLURONICR F-127のようなブロック共重合 体を添加する。TETRONICRまたはBUTRONICRブロック共重合体のような広範な種類 の比イオン性ブロック共重合体表面活性剤が適切であるが、本発明の添加剤と混 合するときは、PLURONICR ポロクサマーが最も望ましい特性を与える。 上記成分は一つづつ水に加えることとし、最初に表面活性剤を添加するのが好 ましいが、それらを全て同時に添加してもよい。他の実施態様において、熱感受 性色素を有する熱感受性ゲルの製造は、種々のタイプの熱感受性色素のうちの一 つを導入することによって達成し得る。１以上の従来の色素または着色剤を任意 に加えてもよい。一つの実施態様においては、CHROMICOLOR AQ INKファーストブ ルー、タイプ２０（カリホルニア州ガーデン所在のマツイインターナショナルＣ ｏ．社により製造されたもの）を使用して、２９℃の転移温度を有する熱感受性 色素が与えられる。ロイコ色素は１６℃未満で強い色（青）を有しており、温度 の増大と共に徐々に退色を開始し、２９℃では完全に色を失う。このような温度 を越えると、もはや強い青によってマスクされなくなるから、使用された他の何 れかの色、即ち、黄色色素が見えるようになるであろう。熱感受性色素を用いる ときは、粘度および色の両方の転移が同じ温度で起きるのが好ましい。この混合 物は激しく攪拌されて、本発明の順応装置にパッキングするために準備され、ま たは出荷用に他の容器にパッキングするために準備される。有利には熱感受性色 素および着色剤を含む上記の環境反応性ゲルは、本発明の最も好ましい実施態様 として理解されるべきものである。 本発明の更なる実施態様において、腰革およびカラー、並びに舌部および足床 のような、ここに記載した靴部分の中の環境反応性ゲルは、可逆的にゲル化する 少なくとも二つの反応性ポリマーネットワークで構成されており、これらポリマ ー類の相互作用によって、これらポリマーが個々にまたは単純なブレンドで利用 されたとしても、成分ポリマーが示さない特性を与えるような相乗効果が提供さ れる。反応性ポリマーネットワークは特別のタイプのポリマー組成物であり、そ こでは、２以上のポリマーが共有結合することなく相互作用して、該ポリマー類 の相互作用から生じる独特の特性をもった安定な混和性の組成物を与える。この 混和性組成物は、各成分間の混和特性とは無関係に形成される。この反応性ポリ マーネットワークは、環境的刺激に反応して凝集することができる少なくとも一 つの反応性成分と、該反応性成分を支持し且つこれと反応する少なくとも一つの 構造成分と、水溶媒とを含んでいる。反応性成分における凝集の形態には、ミセ ル形成、沈殿および不安定な架橋形成が含まれる。成分間の共有結合は必要とさ れない。 反応性成分は、変化する刺激に応答して、会合および／または凝集の程度が変 化するオリゴマーまたはポリマーである。そのような刺激には、温度、ｐＨ、イ オン濃度、溶媒濃度、光、磁界もしくは電界、圧力、または反応性ゲル物質にお ける反応をトリガーすることが知られている他の環境的トリガー因子が含まれる 。好ましくは、反応性成分は、温度変化に伴ってコンホメーションおよびミセル 濃度の変化を受け、開放性の非凝集形態からミセル性の凝集形態に変化する、温 度感受性の凝集性ポリマーである。好ましい転移温度範囲は、約０℃〜１００℃ 、最も好ましくは体温またはその近傍、即ち、３０℃〜４０℃であるが、溶液の 氷点よりも高く且つ沸点よりも低い温度である限り、更に高い温度または低い温 度でも転移は起こり得る。 構造成分は反応性であることは要求されないが、反応性成分を支持してこれと 相互作用し、反応性のポリマーネットワークを形成するオリゴマーまたはポリマ ーである。構造成分の相互作用は、刺激に応答して当該組成物をゲル化する際に 、反応性成分の効果を増強する。好ましくは、構造成分は、典型的にはｐＨまた は塩濃度の変化から生じる溶液のイオン強度の変化に応答して、イオン化するこ とができるポリマーである。構造成分のイオン状態の変化は、ポリマーを反応さ せて、分子中に引力（崩壊）または斥力（膨張）を生じさせる。従って、反応性 成分と構造成分との間の相互作用は、所定の適用について、適切なｐＨ濃度また は塩濃度を選択することにより調節することができる。 構造成分の不存在下での刺激に対する反応性成分の反応は、もしあるとすれば 、当該反応性ポリマーネットワークのそれとは質的または量的に異なっている。 構造成分の存在は、反応成分の応答性を増幅および／または変化させる。 構造成分および反応成分、並びに水性溶媒に加えて、反応性ポリマーネットワ ークは、粒子凝集に必要とされる添加剤を含有していてもよい。本発明に関して 有用な添加剤には、非イオン性表面活性剤、酸、塩基、塩、色素、フィラーなど が含まれる。 反応性ポリマーネットワークは、固体の全重量を基準として約１０〜７５％の少 なくとも一つの反応性成分と、固体の全重量を基準として約９０〜２５％の少な くとも一つの構造成分とを水の中に溶解することによって形成される。鰓レア反 応性ポリマーネットワーク中の成分ポリマー間の相互作用によって、非常に低い 固体含量を有する清澄な無色のゲルの形成が可能になり、溶液の重量に基づいて 約0.01〜２０％の反応性成分および溶液の重量に基づいて約0.01〜２０％の構造 成分の水溶液中においてゲル化が観察される。 反応性ポリマーは、一般式（Ｐ₁）ａ（Ｐ₂）ｂ（Ｐ₁）ｃの、典型的には線形 ポリマーもしくは分岐ポリマーまたはオリゴマーである。ここで、Ｐ₁は典型的 には一般基（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）ａのポリオールであり、Ｐ₂は典型的には一般式（ ＣＨＲＣＨＲＯ）ｂのポリオールである。また、ＲはＨまたはアルキルであり、 ａは約１０〜２０であり、ｂは約５０〜７０である。しかし、Ｐ₁およびＰ₂は、 望ましい反応性ポリマーネットワークを与える何れのポリオールの組合せであっ てもよい。本発明の反応性ポリマーネットワークにおいては、約５〜１００倍、 好ましくは約１０〜５０倍の粘度増大が観察される。 典型的な反応性ポリマーネットワークは、約４％未満の全ポリマー固体を含有 しており、そのうちの約２％未満が反応性成分、約２％未満が構造成分であり、 残りは水性溶媒からなっている。好ましい反応性成分は、式(ＰＥＯ)ａ(ＰＰＯ) ｂ（ＰＥＯ）ａのトリブロックポリオールであり、ここでａは約１０〜５０、ｂ は約５０〜７０である。転移点において、このようなゲルは、５℃の温度変化に 亘って典型的には１０倍の濃度増大を与える。 典型的な構造成分にはイオン化可能なポリマーが含まれ、これはｐＨおよび／ またはイオン強度の変化に反応する。好ましいイオン化可能なポリマーには、ア クリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フェニルアクリル酸、ペンテン酸等の ようなモノマーのカルボキシビニルポリマーが含まれ、また本発明の反応性ポリ マーネットワークには１以上のポリ（カルボキシビニル）ポリマーを用いてもよ い。最も好ましいのはポリアクリル酸である。アクリル酸およびメタクリル酸の 共重合体のようなコポリマーもまた、構造成分として有用である。 最も好ましい可逆的なゲル化反応性ポリマーネットワークは、約４％以下の反 応性成分および構造成分を１：１の比率で含有する水溶液で構成され、該反応性 成分はPLURONICR F-127 であり、また該構造成分はポリアクリル酸である。 本発明の他の実施態様は、ポリウレタンゲルで構成される粘弾性ゲルである。 靴上部において、粘弾性ゲルは、好ましくは相対的に軟質で且つ高度に流動性の ゲルである。即ち、このゲルは略１０〜１００、好ましくは約４０の -000 硬度 を有する。更に、足に最良に順応するように、粘弾性ゲル部分は種々の硬度で形 成することができる。例えば、本体部分５４は略４０〜６０の -000 硬度の軟質 ゲル製とし、延出するフィンガー部は、同じ硬度またはより低い硬度を有し且つ より流動性のゲルで作製することができる。 粘弾性ゲルを使用することによる他の利点は、該ゲル(特にポリウレタンゲル) が、袋体の中に封入する必要がないこと、即ち、該ゲルはその流動を制限するた めにプラスチックライナーで取り囲む必要がないことである。この好ましい材料 は流動性ゲルであるから、前方層および後方層２０，２２の間に直接形成するこ とができる。該ポリウレタンゲルは、適合性およびクッション製を含む靴の快適 性を得るための適切な媒質を与えるように、種々の硬度で提供され得る。ポリウ レタンゲル、または流動性の粘弾性ゲルは、好ましくは、高分子量トリオール（ 6000よりも大きな分子量）およびジイゾシアネートを含み得る高いゾル（可塑剤 ）画分を伴う軟質のエラストマーである。このポリオールは、Arcol E-452 から 造り得るが、より好ましくはArcol LHT28から造られ、また可塑剤はパラフィン 油またはジプロピレングリコールジベンゾエートであり得る。 他の実施態様において、流動性の粘弾性ゲルは、ブタジエン・エチルゴム(but adiene etyle rubber)である。このゴムは、油およびポリイソブタジエンから製 造することができる。好ましくは、Kaydolのような油と、Kratonのような中程度 の分子量のスチレン-エチレン-ブタジエン- スチレン・トリブロックゴムポリマ ーである。より好ましくは、６０ｍｌのkaydolと7.5 ｇのKratonとを混合し、１ ４０°Ｆで１時間加熱する。これを１時間のうちに２回攪拌し、次いで冷却して 、ゲルに硬化させる。Kaydolはパラフィン（５５％）およびナフテニック（４５ ％）である。Kratonのパーセンテージを増大することによって、より硬いゲルが 望ましい種々の位置でゲルの硬さを高めることができ、その逆も同様である。更 に、ゲルの重量を低減するために、Expancel 091 DE60 のような膨張した弾性プ ラスチックの中空微小球、膨張したガラス微小球または発泡剤をゲルに添加する ことができる。更にまた、超音波発泡を用いてゲルを空気で泡立たせるこ とができ、または未膨張のExpancel DU等級の微小球を使用して、加工の際に膨 張させることができる。上記で述べたようなクッション用のゴムゲルは、スチレ ンブロックポリマーの融点よりも高い温度、典型的には１３０℃の温度で、選択 された油の中に２％〜５０％のポリマーを混合することによって製造される。こ の油はパラフィン性、ナフテン性または芳香性の鉱油であり、好ましくは約半分 はパラフィン性で半分はナフテン性である。ＡＲＣＯケミカルから入手できるSh ellflex 371およびTufflo 6056のような他の鉱油を用いても良好なゴムゲルを製 造し得るが、好ましい油はKaydolである。 好ましいポリマーは、Kraton Gポリマーのようなスチレン-エチレン／ブチレ ン-スチレン（ＳＥＢＳ）である。Kratonの好ましい濃度は、軟質の適用につい ては約５〜１５％であり、硬質の適用については２０％超である。Kratonおよび Kaydol混合物は１３０℃において幾分粘性であり、おそらくは射出成形または圧 縮キャスティングによりフォーム材部品にする必要がある。しかしながら、１５ ０℃における混合物は、４０％以下のKraton濃度でもキャスト成形することがで きる。 好ましいクッションは、更に、中空の弾性微小球を含んでいる。１〜１５％の Kratonを有するゴムゲルは、或る程度の油ブリーディングまたはコールドフロー （クリープ）を呈するが、これはプラスチック製中空微小球を添加することによ って顕著に低減することができる。従って、好ましいクッションには、ゴムゲル の密度、クリープおよびブリーディングを低減するために、Akzo-Nobel Co.社か ら入手可能なExpancel 91 DE 80のような弾性微小球が含まれている。Expancel 91 DU 80 のような未膨張の中空微小球を用いることができるが、これらは重量 減少および弾性を最大限にするために、略１４０℃で後加熱して、完全に膨張さ せなければならない。このポリマーおよび油に基づくゲルは、約0.90〜0.95の比 重を有している。弾性の中空微小球を添加して、ゴムゲルの比重を約0.20〜0.50 に低減することができる。更に、ポリマーおよび油は主にエネルギーの戻りが少 ししかない衝撃緩衝材として働くのに対して、プラスチックの中空微小球はクッ ションにバネを与えるように機能する。従って、ポリマー、油および微小球のゴ ムゲルは、衝撃時に優れたクッション性を提供し、また圧力が開放されるときに は、圧縮された微小球がエネルギーの戻りを与える。この微小球はまた、ゲルの 弾性係数(modulus)増大させてゲルをより硬くする。 Expancel 91..DU 80のようなプラスチック中空微小球の好ましい濃度は、約２ 〜５％、最も好ましくは約３％である。Expancel 91..DU 80のような好ましい微 小球は、部分的に膨張されており、完全な膨張に達するには追加の加熱を必要と する。好ましくは、Expancel微小球は油およびＳＥＢＳ共重合体に添加され、ま たこの混合物は１３０℃で１０〜４０分間加熱される。このゴムゲル溶液は、冷 却すると軟質のゴム状ゲルに固化する。或いは、該ゲルを泡立てることによって 、または弾性の中空微小球を添加することによって、フォーム材を製造すること ができる。 最高温度の加工のためには、Expancel 820 DU微小球を使用することができる 。 得られたゴムゲル溶液はシートに成形することができ、また個々の部品にダイ カットし、射出成形し、圧縮成型し、キャストおよび再溶融し、キャスト成形し て、足、頭、手および他の身体部分に対する緩衝を与えるための、或いは何れか 他のクッション用途に使用するための、種々の形状のクッションまたはパッドと することができる。本発明のゲルはまた、玩具；車椅子のクッション、自転車シ ートのクッションおよび他のクッション；ブラジャー；マットレスパッドおよび 他のパッド；ベッド；手の握りおよびハンドル棒の握り；野球のミット；アーム レストおよび自動車のアームレスト；サーモメータ；各層の間にゲルを封入した ２層コンドーム；その他を含む広範囲の用途に使用することができる。環境反応 性ゲルおよび着色ゲルは、同様にして、上記の広範な用途に使用すればよい。 ゲルの着色は、Anline Corp.社製造のキーストーンオイル黄2635(Keystone oi l yellow 2635)、キーストーンオイル青または緑のような、炭化水素に可溶性の 色素を用いて達成することができる。着色料の量は所望の色強さに依存する。ゲ ルが微小球を含まないときは、略0.02％の着色剤は明るい淡色を生じ、また0.08 ％の着色剤は暗い不透明な色を生じるであろう。、 他の実施態様において、流動性の粘弾性ゲルはシリコーンゲルである。このゲ ルを使用することの利点は、ゴム／油混合物のように、時間が経っても油を浸出 させないことである。従って、レザーのような材料の次に使用するのに適してい る。使用し得る一つのシリコーンゲルは、ビニルポリジメチルシロキサンである 。このゲルの好ましい商業的に入手可能な形態は、ジェネラルエレクトリック社 のRTV6139A-D1 である。使用し得る他のシリコーンゲルは、メチル水素ジメチル シロキサンである。このゲルの好ましい商業的に入手可能な形態は、ジェネラル エレクトリック社のRTV6139B-D1である。 温度反応性ゲルは、ゲルの特性がポリマーネットワークおよび液体の両者によ って決定されるように実質的な量の液体を含んだ、化学的または物理的に架橋さ れた３次元ポリマーネットワークとして説明されている。この液体が水であれば 、該ゲルは通常「ヒドロゲル」と称される。このタイプの「反応性ゲル」の容積 は、当該ゲルが温度、ｐＨ、溶媒もしくは溶媒濃度、イオン濃度、光、圧力また は電界のような外部条件の変化を受けたときに、数百％以下の因子によって収縮 し得る。好ましくは、この用途に使用されるゲルは微孔性であり、また温度およ び／または圧力に対して迅速に反応し、且つ外部条件が元に戻ったら柔軟に復旧 するタイプのものである。 環境反応性ゲルは、２官能または多官能の架橋材分子と反応できる側鎖基をも った何れかの反応性ポリマーから製造することができる。該ポリマーは、水溶性 の架橋材と共に、水溶液中において低い臨界溶液温度を有する水酸基、酸基また はアミン基を側鎖に有することができる。更に好ましくは、当該ゲルは温度誘導 性の相分離または相転移を受けることができる、温度反応性ゲルである。更にま た、ポリマー前駆体は、好ましくは、アクリル酸ヒドロキシプロピル／アクリル 酸ヒドロキシエチル共重合体のような線形ポリマーまたはセルロースエーテルで ある。好ましくは、このアクリル酸ヒドロキシプロピル／アクリル酸ヒドロキシ エチル共重合体のゲルは、５０〜１００％のアクリル酸ヒドロキシプロピルを含 み、また５０〜０％のアクリル酸ヒドロキシエチルを含んでいる。また、ゲルの 製造に使用される水ベースの液体は、反応温度を変化させるために、３０％〜６ ０％の範囲の蔗糖を含むことができる。更に、温度反応性ゲルを低温で動作させ ることを可能にするために、グリセリンまたはグリコールを添加して、溶液の氷 点を低下させることができる。 好ましい実施態様で使用する反応性ヒドロゲルのネットワーク材料は、低い臨 界溶液温度（ＬＣＳＴ）を有する多くのポリマー材料からなっていてもよい。Ｌ ＣＳＴの用語は、ポリマーが液体中に実質的に可溶性である温度より低く、且つ ポリマーが実質的に不溶性である温度よりも高い温度をいう。従って、反応性ゲ ルは２相系を形成する。 好ましい温度反応性ゲル部分３０は、ヒドロゲルで構成されている。このよう なゲルの例は、米国特許第5,183,879 号に与えられており、該特許は、ここで引 用することにより本明細書の一部をなすものとして本願に組み込まれる。好まし い温度反応性ゲルは、靴１０の中に挿入された足から熱が適用されると収縮し、 これによってゲルから水が抜き取られる。靴の中に足が挿入され、正常な活動の 際に運動する足によって靴の温度が上昇すると、当該ゲルは収縮する。従って、 温度反応性ゲル部分３０は、足の輪郭に対する順応性を補助するために、靴の何 処にも配置することができる。好ましい実施態様において、ゲルの袋体は、実質 的な熱が派生する靴の中央部、靴舌部および足床部のうちの少なくとも一つに配 置される。ゲルの袋体３２は、収縮したゲルから追い出された水溶液３４を収容 し、またこの水溶液を周囲に流動させて、靴の中に挿入される足に順応させるた めに使用される。好ましくは、袋体３２は、腰革３５からカラー３６の周囲を通 って、カラーを支持するためのアキレス腱領域３８（これは足を靴の中に保持す るのを助け、またアキレス腱を保護する）にまで延出している。 体温付近に液体状態からゲル状態への転移温度を有する、開示された他の従来 技術のゲルは、ここに開示した添加剤をその処方に含めるならば、本発明による 使用にも適し得る。本発明による添加剤と共に使用するのに適する可能性をもっ た従来技術によるゲルの一つは、例えば、ビーガス等(Viegas et al.)に付与さ れた米国特許第5,143,731号（「ビーガス」）であり、その内容は、ここで引用 することにより本発明の一部をなすものとして本願に組み込まれる。ビーガスは 、ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水性薬剤担体の使用を開示 しており、これは周囲温度では液体であり、また多糖類を含有させることによっ て、哺乳動物の体温で半固体のゲルへと転移する。 本発明の他の側面は、上記のゲル組成物の一つを含む対象の輪郭に順応するた めの製品であり、該製品はゲル組成物を単離するものである好ましい実施例にお いて、当該製品は、温度反応性ゲルを収容するために使用される、可撓性部材の 袋体を具備している。これらの袋体は、温度反応性ゲルを収容する用に設計され 、また人の足の輪郭に順応するために十分に可撓性で且つ柔らかい。好ましくは 、この袋体はポリエチレン、メタロセンポリマー、またはポリプロピレンのフィ ルムのような非極性の可能性材料でできており、これらはゲル〜でた水が袋体を 貫通するのを防ぐために、同時押し出し若しくはラミネートしてもよく、または 異なった材料とのアロイを形成してもよい。ポリマー材料の部分は、好ましくは 、インディアナ州インディアナポリス所在のプラスチック・ウエルディング・テ クノロジー社によって行われているような、高周波（ＲＦ）シーリングを用いて 一緒に結合される。ＲＦシーリングは、ゲル組成物を袋体の中に収容するために 、袋体の外縁周囲で使用される。更にまた、外縁内の一定の位置をＲＦシールし て、袋体の厚さを減少させ、これによって袋体の曲げ可能性を増大することがで きる。他の実施態様において、この袋体は、ＦＲシーリングを用いて一緒に結合 された二つの異なったフィルムを含んでいる。この二つの異なったフィルムは、 メタロセンポリマーなどの他のフィルムで置き換えることもできるが、好ましく はポリエチレンおよびポリウレタンである。ポリウレタンをベースにしたフィル ムは非極性であり、優れた水収容特性を与える。即ち、水は該フィルムを貫通し て移動しない。ポリウレタンフィルムは極性であるから、当該膜を通して水を移 動させる傾向がある。しかしながら、ポリウレタンフィルムは高い強度を与え易 い。従って、優れた水保持性および高い強度をもった膜は、これら二つのタイプ のフィルムを一緒にラミネートすることによって作製することができる。 他の実施態様において、非極性のフィルムは優れた水保持特性を与えるために 使用され、また袋体を、履き物または他のクッション型装置に一般に用いられて いるポリウレタンのフォーム材またはゲルに対してもっと容易に結合できるよう に、不織布ポリエステル裏打ち材または業者(Starensier of Newburyport，MA) により製造されたTACLTNERRに接合される。更に別の実施態様において、非極性 フィルムは、足床または他の靴部分の圧縮性フォーム材に直接結合される。他の 実施態様においては、非極性フィルムは同時押し出しされて、靴、クッションま たは他の装置では順応した装置を取り付けるときに通常そうであるように、外層 に接着剤を含めてフィルムがポリウレタンフォーム材に接着するようにした、ポ リエチレンまたはメタロセンポリマーの小袋が形成される。更に別の実施態様に おいて、当該フィルムは極性材料である。他の実施態様において、当該フィルム はポリエチレン／ポリウレタンまたはポリエチレン／ＥＶＡ共重合体であり、こ れは同時押し出しされ、ラミネートされ、またはアロイ化されてもよい。他の実 施態様には、非極性フィルムがSURLYNR、EVOHであるもの、更にはアルミニウム を第二層とするものが含まれる。 メタロセン樹脂、またはポリプロピレン、ポリエチレン等のようなポリマーは 、順応装置のための好ましいフィルム材料である。これは、メタロセン触媒で製 造されたフィルムは高度に規則的であり、高度に線形であり、また（従来の多く のポリマーとは異なり）狭い分子量帯を有しているので、より強く且つより可撓 性の材料が得られるからである。これらのメタロセン樹脂は、ポリマー、三元重 合体(terpolymer)または共重合体の形態で、ダウ社およびエクソン社を含む幾つ かの会社によって現在製造されている。種々の量のエチレン-ブテン、エチレン- ヘキセンおよびエチレン-オクテンを含む組成物は、弾性の低下を伴うことなく 硬さを減少させるといった、非常に有利な材料特性を有している。メタロセンポ リマーの二つの好ましい実施態様は、エクソン社のX-EMB-676 ＴＭおよびダウ社 のXUR 15515-4052-46ＴＭおよび-39ＴＭ実験メタロセンであり、ダウの処方では 、足床のモールド成形における約７０℃での熱活性化の際にポリウレタンと結合 するための、約１／２ミリメータの接着剤を外層上に有している。他の好ましい 実施例は、ダウ社のXUR 9501255-Nシリーズ（Ｎは１〜５０）のメタロセンフィ ルムを使用することである。より好ましいのは、Ｎが３９の場合であり、これは 優れた水蒸気保持特性をもった柔らかく且つ強いフィルムを生じる。ポリスチレ ン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリヘキセン、またはポリオクテンのよう な他のメタロセンポリマーも適切である。これらのエチレンをベースとするメタ ロセンポリマーは、下記の式を有している： ここで、 Ｒ₁は水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ ルおよびオクチルのようなアルキルであり； Ｒ₂は水素、Ｃ₁−Ｃ₅を含む低級アルキル、炭素環、芳香属またはヘテロ環であ り； Ｒ₃は水素、Ｃ₁−Ｃ₅を含む低級アルキル、炭素環、芳香属またはヘテロ環であ り、； Ｒ₄は、水素、ｎ＝１〜１８についてＣｎＨ２ｎ＋１（ＣＨ₃、Ｃ₂Ｈ₅、Ｃ₃Ｈ₇、 Ｃ₄Ｈ₉、Ｃ₅Ｈ₁₁、Ｃ₆Ｈ₁₃、Ｃ₇Ｈ₁₅、Ｃ₈Ｈ₁₇、…Ｃ₁₀Ｈ₂₁を含む）およびフェ ニルからなる群から選択される。ここで、Ｒ４の中の０〜５Ｈは、ＣＯＯＨ、Ｓ Ｏ₃Ｈ、ＮＨ₂、Ｆ、Ｃｌ、Ｂｒ、Ｉ、ＯＨ、ＳＨ、シリコーン、低級アルキルエ ステルおよび低級アルキルエーテルからなる群から選択される置換基で置換され ることができる。但し、Ｒ₃およびＲ₄は組み合わされてビシクロ環を形成するこ とができる。 Ｒ₅は水素、Ｃ₁−Ｃ₅を含む低級アルキル、炭素環、芳香属またはヘテロ環であ り； Ｒ₆は水素、Ｃ₁−Ｃ₅を含む低級アルキル、炭素環、芳香属またはヘテロ環であ り； ｘ、ｙおよびｚは各コモノマーの相対的パーセンテージである。 何れの圧力も適切な設計と共に使用し得るが、袋体は約１気圧未満の気体を含 んでいるのが好ましい。低圧は、袋に大きな力が加わったときに、袋の破れに抵 抗するのを補助する。また、夫々の袋体は約２〜１５グラム、より好ましくは６ 〜９グラムの環境反応性ゲルを含んでおり、これにより袋体の一部を空のまま残 すのが好ましい。しかし、ゲルの量は、袋体の寸法および形状、並びに該袋体が 使用される靴の寸法に応じて大きくしてもよい。経時的なゲルの喪失は最小限に 抑制するのが好ましい。１４０°Ｆでの９日間の試験によって、袋体が両側に１ ０ミルの非極性フィルム厚さを有していれば、２年で１０パーセント未満のゲル が失われるであろうことが示された。これは、概略的には、0.2 ”以下のフィル ム厚をもった水性袋体を含む従来の靴と均等であった。ポリウレタン、ＥＶＡ、 およびＰＶＣのような極性フィルムに比較すると、蒸気保持特性が優れているた め、非極性フィルムが好ましい。何れの非極性フィルムを使用してもよいが、好 ましい実施態様はメタロセンフィルムであり、これはその柔軟性および可撓性が 高いからである。 好ましい実施例において、袋体は、該袋体フィルムの頂部に、追加の強度を与え るポリウレタンのコーティングを有している。この強化された袋体は、踵の下ま たは足中骨が適用される下に用いるためには最良である。厚さが非常に大きくな ると、袋体の強度は増大する代償として、袋体の可撓性および柔軟性が減少する が、該フィルムは約0.01”より厚くしてもよい。 このゲル組成物は、好ましくは、図２，３，５−７，１４−１８，２１−３０ ，および３２−４１に例示した一定の好ましい設計に関して、本発明に用いるこ とができる広範な袋体設計の一つの中に収容される。当業者は、足に対する順応 性を与え、靴の着用者にる快適性および支持を与えるために、袋体の多くの代替 え設計および代替え構成を工夫できるであろうが、これらは全て本発明の範囲内 に含まれるものである。一定の追加の構造設計は、米国特許第5,313,717号に例 示されており、その内容は、ここでの引用によって明示的に本願に組み込まれる 。 〔実施例〕 以下の例は、本発明を例示する目的のためだけに提供されるモノであり、如何な る意味でも本発明を制限するものと解釈されるべきではない。 例１〜１２ 適切な量のＰＥＯ−ＰＰＯと水とを混合することによって、ゲル組成物のサン プルを調製した。この混合物を完全に攪拌し、次いで氷浴中で約２時間冷却した 。得られた組成物は光学的に透明な溶液であり、低い転移温度と高い転移温度と の間でゲル化した。高い方および低い方の転移温度は、粘度の急激な変化を特徴 としていた。約１６％〜２７％のＰＥＯ−ＰＰＯの水中組成物についての転移温 度は、表１に示されている。図４２は、種々の温度およびPLURONICR F-127 濃度 の結果としての完全な粘度応答を示すグラフである。この粘度測定値は、平行板 構造および１ｍｍの分離をもった、レオメトリックス社(Rheometrics，Inc.)製 の ダイナミック・ストレス・レオメータを用いて得られた。複合体粘度(complex v iscosity)は、１０ｒａｄ／ｍｉｎおよび0.5℃／ｍｉｎの加熱速度で測定した。 これらの結果は、ブルックフィールド粘度計の測定値と良く一致していたが、よ り高い精度を有していた。 例１３〜２６ 添加物を加えることによって、ゲル組成物の転移温度を調節した。例１〜１２の 方法でＰＥＯ−ＰＰＯ、水および添加剤を混合することによって、ゲル組成物を 調製した。表２は、ゲルの特性に対するグリセリンの影響を示している。 例２７〜３３ グリセリンを含有するゲルにおけるＰＰＯホモポリマーの影響を表３に示す。 ＰＰＯは、ＰＥＯ−ＰＰＯにおけるＰＰＯブロックと相互作用して、それを更に 大きく且つより安定にすることが予想される。４０％を越える量のＰＰＯについ て硬さの増大が生じ、また高い法の転移温度は上昇した。 例３４〜５０ ＮａＣｌのような塩は、表４に示すように、ゲルの溶解度を増大させ且つ転移温 度を低下させる。 表４に見られるように、少量のＮａＣｌは、転移温度を低下させることが出来 る。従って、ＮａＣｌは転移温度を当接するための便利な添加剤である。 ＮａＣｌの効果は、表５に示すように、グリセリンを含まない組成物において 確認される。 約２０％のＰＥＯ−ＰＰＯ、１０％のＮａＣｌ、および７０％の水を含有する ゲルは、約３７℃〜３９℃の高い法の転移温度を有するであろう。 熱水浴中に配置された混合用基を用いた点を除き、例１〜１２の方法で上記成 分を混合することによって、低い方の転移温度が約５０℃〜５５℃のゲルを調製 した。 ＰＥＯ−ＰＰＯゲルの他の適用には、順応性または層変化特性が望まれる用途 、例えば、１）玩具（液体を含むシール管）、２）バルブ、３）マットレス、４ ）クッション、５）手の運動用の治療用グリップ、６）衝撃吸収材、７）椅子シ ート、８）治療用支持パッド、９）ハンドル棒のグリップおよびサドル、１０） コックおよびコックライナー、１１）スポーツ用の保護製の衣類および装置、１ ２）耳栓、１３）包帯(wound dressings)等である。 下記の表は、その高い水分障壁特性によって、袋体フィルムとしての使用に好 ましいポリマー材料を例示している。 例５１ ２３℃の転移温度および約3,500,000ｃＰの最終粘度を有する２４kgの熱硬化性 ゲルを調製下。該ゲルの組成は：２４％ PLURONICR F-127、１１％ SUN-LIGHTR 液体洗浄剤、および６５％の水であった。このゲルは、ＲＦシールディングのた めに、インディアナポリスのプラスチックス・ウエルディング・テクノロジー社 に輸送された。熱感受性色素を含む熱感受性ゲルの製造は、次のようにして達成 された。２９℃の転移温度をもった熱感受性色素として、CHRONICOLOR AQ INKフ ァーストブルー、タイプ２０（カリホルニア州ガーデン所在のマツイインターナ ショナルＣｏ．社により製造されたもの）を使用した。ロイコ色素は１６℃未満 で強い色（青）を有しており、２９℃まで温度が上がると共に徐々に退色を始め 、２９℃で色は完全に消失した。使用した色素は、光を散乱して色素が透明にな ったときに乳白色を与える微小球の中に封入された。粘度および色の両者が、同 じ２９℃の温度で転移するのが望ましい。そこで、同じ転移温度をもった水ベー スのゲルを調製した。２９℃の転移温度をもったゲルの組成は：２４％ PLURONI CR F-127、１４％ SUN-LIGHTR 液体洗浄剤、および６２％の水であった。このゲ ルの４０℃での最終粘度は、3,000,000ｃＰを越えていた。 McCormic食品着色剤を背景色に用い、また熱感受性のファースト・ブルー色素 を用いることにより、着色したゲルの幾つかの組合せを製造した。転移温度は２ ９℃であり、ゲルの液体状態および固体状態での色は下記の表７に列記されてい る。 一方は高濃度の色素を含み、他方は低濃度の色素を含む２系列のサンプルを調 製した。低濃度の色素は半透明なゲルを与えた。これは、今回の処方では好まし いものである。 例５２ PLURONICR F-127および水をベースとする好ましい水ゲルの転移温度と、ゲル の低い方の転移温度および最終粘度に対する種々のジオールおよび洗浄剤の影響 の測定を行った。適切な量のPLURONICR F-127、水および１，４−ブタンジオー ルを秤量することにより、ゲルサンプルを調製した。この混合物を完全に攪拌し 、氷浴の中で２時間冷却した。得られた光学的に透明な溶液は、定義された温度 範囲においてゲル化した。最終濃度は、２５％ PLURONICR F-127、１０％１，４ −ブタンジオールであった。液体洗浄剤の濃度は、この実験においては５％〜１ ０％で変化させた。 低い方の転移温度は、粘度の急峻な増大および液体からゲルへの転移によって決 定しした。粘度はブルックフィールドデジタル粘度計(Model DV-I+RV spindle # 7 at 1 RPM)によって測定した。結果を表８に示す。 何れのジオールも含まないゲルについて、上記の試験を繰り返した。結果を表 ９に示す。 １，４−ブタンジオールの代わりに１，６−ヘキサンジオールを含むゲルにつ いて、先のデータの試験を繰り返した。結果を表１０に示す。 例５３ 試験のために下記の処方を選択し、４kgのゲルを調製し、ＲＦシーリングのた めにプラスチック・ウエルディングに送った： 23.2％ PLURONICR F-127、9.2 ％１，４−ブタンジオール、7.5％ SUN-LIGHTR液体洗浄剤、および60.1％の水。 表１１に提示した実験結果は、表面活性剤が、ゲルの低い方の転移温度および 最終粘度に対して強い影響を有していることを示している。液体洗浄剤の含量を 約０から８重量％にまで増大させると、ゲルの低い方の転移温度は増大し、また ゲルの最終粘度もまた増大した。約８％よりも高い濃度は、ゲルの低い方の転移 温度を増大させたが、ゲルの最終粘度を減少させた。１，４−ブタンジオールの 濃度は１０％であった。 表１１から、表面活性剤としての洗浄剤は、転移温度および採取粘度に対して 強い影響を有することが明らかである。１〜５％の間の洗浄剤濃度によって、粘 度は3500000 ｃＰよりも大きく増大した。洗浄剤の濃度を高くすると、最終濃度 は減少するが、転移温度は上昇する。１０％の洗浄剤濃度は粘度を2700000 ｃＰ まで増大させる。１０％の１，４−ブタンジオールおよび7.5％の洗浄剤を含む ゲルについて、同様の粘度が得られた。１０％を越える濃度においては、転移温 度の増大は顕著であるが、最終粘度は、１，４−ブタンジオールおよび洗浄剤を 含むサンプルにおけるものよりも高かった。 先の例は、転移温度におけるシャープな粘度応答を例示しており、これはSUN-LI GHTR洗浄剤組成物に依存して変化する。図４３は、異なった表面活性剤組成を与 えたときの、種々の温度における完全な粘度応答曲線のグラフである。ドデシル ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムのような 、ここに開示した他の表面活性剤もまた、実質的に同じ結果を与えるために置き 換えることができる。他の添加剤、特に、１，４−ブタンジオールおよび１，６ −ヘキサンジオールのような他のアルコールは、洗浄剤および表面活性剤を置き 換えてもよい。 ここに開示した発明の例示的実施例は、上記で述べた目的を完全に満たすもの であるが、当業者は、多くの変形および他の実施例が案出され得ることを認める であろう。従って、添付の請求の範囲は、本発明の精神および範囲にあるこのよ うな改変および実施例の全てを包含するものであることが理解されるであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ５４９，２９９ (32)優先日 1995年10月27日 (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (31)優先権主張番号 ５５０，３３３ (32)優先日 1995年10月30日 (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＢ ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ， ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｋ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ジャヴニー イーヴァン アメリカ合衆国 カンザス州 66762 ピ ッツバーグ ウェスト ファースト スト リート 20 (72)発明者 ゴールドマン ニール エム アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02048 マンスフィールド エリック ロ ード ６ スイート 63

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．個人が着用したときに足の輪郭に順応する靴のための足順応部材であって、 該足順応部材は、個人の足の第一の起伏表面に対応して配置され、また、靴に挿 入された個人の足から受ける環境的変化に応答して流動性の程度を変化させる環 境反応性の第一のゲル組成物が靴の第一の領域に含まれている足順応部材。 ２．請求項１に記載の足順応部材であって、前記第一のゲル組成物は、第一の温 度では足の輪郭に順応するように流動する液体の状態にあり、また第一の温度と は異なる第二の温度ではゲル状態にあり、該ゲル組成物は靴の中に挿入された個 人の足から加わる熱によって一つの状態から他の状態へと変化する足順応部材。 ３．請求項２に記載の足順応部材であって、前記足順応部材は、前記靴が個人に 着用されていないときは前記第一の温度であり、また靴が着用されるときは個人 の足の体温によって前記第二の温度に加熱され得るような靴内の位置に配設され ており、前記ゲル組成物は足に接触する前は液体状態で、足に接触した後はゲル に固化して足に順応する足順応部材。 ４．請求項２に記載の足順応部材であって、前記足順応部材は、前記靴が個人に 着用されていないときは前記第一の温度であり、また靴が着用されるときは個人 の足の体温によって前記第二の温度に加熱され得るような靴内の位置に配設され ており、前記ゲル組成物は足に接触する前はゲル状態で、足に接触して加熱され たときに液体になって足に順応する足順応部材。 ５．請求項２に記載の足順応部材であって、前記第一のゲル組成物は、前記第一 の温度では約5000ｃｐｓ未満の粘度を有し、また前記第二の温度では約500,000 ｃｐｓよりも大きい粘度を有する足順応部材。 ６．請求項２に記載の足順応部材であって、前記第一のゲル組成物は、液体状態 にあるときに第一の速度で流動し、またゲル状態にあるときには該第一の速度よ りも低い第二の速度で流動する足順応部材。 ７．請求項１に記載の足順応部材であって、前記第一の組成物は、非イオン性ブ ロック共重合体および水を含有している足順応部材。 ８．請求項７に記載の足順応部材であって、前記ブロック共重合体は、ポリオキ シアルキレンブロックを含み、且つ約５〜３０重量％の濃度で存在しており、ま た前記第一のゲル組成物は更に、該ゲル組成物の少なくとも一つの特性を改変す るのに十分な量で少なくとも一つのゲル特性改変添加剤を含んでいる足順応部材 。 ９．請求項８に記載の足順応部材であって、前記ブロック共重合体は、ポリオキ シエチレン／ポリオキシプロピレンブロック共重合体であり、前記特性改変添加 剤は表面活性剤、ポリオール、酸、アミンまたはそれらの塩である足順応部材。 10．請求項９に記載の足順応部材であって、前記表面活性剤は石鹸、または有機 部分としてアルキル、アルキルベンゼン、アルキルフェノール若しくはオレフィ ン基（オレフィンおよびアルキル部分は６〜２０の炭素原子を有する）を有する 水溶性有機サルフェート、スルホネート、スルホ−サクシネート、またはそれら の塩であり；前記ポリオールはブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン 、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメ チロールプロパン、またはサッカロースであり；前記酸は有機酸であり；前記ア ミンはトリエタノールアミンである足順応部材。 11．請求項１に記載の足順応部材であって、更に、粘弾性特性を有し、且つ前記 靴が着用されたときに個人の足の第二の起伏表面に接触するように靴の中の第二 の領域に配置された、第二のゲル組成物を具備した足順応部材。 12．請求項１１に記載の足順応部材であって、前記第二の起伏表面には、前記第 一の起伏表面よりも更に高く起伏した表面が含まれており、また前記足順応部材 は更に、前記第二のゲル組成物に隣接したフォーム材を具備している足順応部材 。 13．請求項１に記載の足順応部材であって、更に、前記第一のゲル組成物を収容 する袋体を具備して、該袋体は前記第一のゲル組成物およびその中の液体を保持 できる可撓性材料からなり、また前記第一のゲル組成物は温度反応性で膨張- 収 縮性の水含有ゲルであり、該ゲルは前記第一の温度における膨張状態では水を保 持し手前記袋体を部分的に満たし、且つ前記第二の温度では収縮して水を放出し 、前記袋体を実質的に満たす足順応部材。 14．請求項１３に記載の足順応部材であって、前記液体が個人の足の中間部付近 から個人の足の踝にまで分布するように、前記袋体は個人の足の中間部に対応す る靴の腰革部分に配置されて、個人の足の踝に対応した靴のカラー部分の回りに 延出している足順応部材。 15．請求項１に記載の足順応部材であって、該足順応部材は、靴上部の一部、足 の中間部を覆うための靴の腰革部分の一部、足の上部表面を覆うための靴舌の一 部、靴底の一部を形成しまたは靴の中に挿入される足床の一部である足順応部材 。 16．水および約１５〜３０重量％の量の非イオン性ブロック共重合体を含むゲル 組成物であって、該の共重合体は、ゲル組成物が液体状態からゲル状態に変化す る約0.1〜５℃の転移温度をゲルに与え、これによって、該ゲル組成物の粘度が 、ゲル状態では液体状態よりも約１００〜３０００倍高いゲル組成物。 17．請求項１６に記載のゲル組成物であって、更に、ゲル特性改変添加剤を含有 しており、前記ブロック共重合体はポリオキシアルキレンブロックを含んでおり 、また当該ゲル組成物の転移温度の範囲は約１３℃〜３５℃で始まるゲル組成物 。 18．請求項１６に記載のゲル組成物であって、前記添加剤は表面活性剤、ポリオ ール、酸、アミンまたはこれらの塩であるゲル組成物。 19．請求項１８に記載のゲル組成物であって、前記表面活性剤は石鹸、または有 機部分としてアルキル、アルキルベンゼン、アルキルフェノール若しくはオレフ ィン基（該オレフィンおよびアルキル部分は６〜２０の炭素原子を有する）を有 する水溶性有機サルフェート、スルホネートスルホ−サクシネート、またはそれ らの塩であり；前記ポリオールはブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリ ン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリ メチロールプロパン、またはサッカロースであり；前記酸は有機酸であり；前記 アミンはトリエタノールアミンであるゲル組成物。 20．請求項１９に記載のゲル組成物であって、前記添加剤は約１〜２０重量％で 存在するゲル組成物。 21．請求項２０に記載のゲル組成物であって、前記ブロック共重合体は６０〜 ８０重量％のポリエチレンオキシドおよび２０〜４０重量％のポリプロピレンオ キシドを含有しており、また前記水は脱イオン水であるゲル組成物。 22．請求項１６に記載のゲル組成物であって、更に、ゲル組成物が液体状態〜ゲ ル状態へと変化する温度と実質的に同じ転移温度で退色する第一の色を与えるの に十分な量の、熱感受性色素を含有するゲル組成物。 23．請求項２２に記載のゲル組成物であって、前記熱感受性色素が約0.02〜0.5 重量％で存在するゲル組成物。 24．請求項２２に記載のゲル組成物であって、更に、前記第一の転移温度未満の 温度で前記熱感受性色素との色結合を与えるのに十分な量の第二の色の色素を含 有しており、前記第一の転移温度よりも高い温度では該第二の色のみを与えるゲ ル組成物。 25．請求項２４に記載のゲル組成物であって、前記第二の色の色素は約0.07〜0. 5重量％の量で存在しているゲル組成物。 26．対象の輪郭に順応するための製品であって、請求項１６のゲル組成物を含ん でなり、また該製品は前記ゲルを収容するための隔離手段を具備する製品。 27．請求項２６に記載の製品であって、前記隔離手段は、変形して前記対象の輪 郭に順応することができる可能性部材の袋体である製品。 28．請求項２７に記載の製品であって、前記袋体は前記ゲル組成物で部分的に満 たされる製品。 29．請求項２７に記載の製品であって、前記可撓性部材は、サーモプラスチック またはポリマー材料の群から選択された水を保持する材料でできている製品。 30．請求項２７に記載の製品であって、前記可撓性部材は、ポリエチレン、ポリ プロピレン、メタロセンポリマー、ポリエチレン／ポリウレタン、ポリエチレン ／ＥＶＡ、SURLYN、およびＥＶＯＨからなる群から選択された材料でできている 製品。