JPH11501634A - 免疫系異常治療用の胆汁からの免疫調節組成物 - Google Patents

免疫系異常治療用の胆汁からの免疫調節組成物

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JPH11501634A JP8527137A JP52713796A JPH11501634A JP H11501634 A JPH11501634 A JP H11501634A JP 8527137 A JP8527137 A JP 8527137A JP 52713796 A JP52713796 A JP 52713796A JP H11501634 A JPH11501634 A JP H11501634A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、3000ダルトンより小さい小分子量成分からなり、次の性質:a)動物の胆汁から抽出できる、b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、c)腫瘍壊死因子産生を調節できる、d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM−CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、e)悪性マウスハイブリドーマ細胞系で抗増殖作用を示し、f)ヒト末梢血液単核細胞又はリンパ球に細胞毒性を示さない、かつg)内毒素ではないを有する組成物の免疫調節剤としての使用に関する。また、本発明は、その組成物の調製、免疫調節剤としての使用及び癌又は子宮内膜症のような免疫成分を有する疾患及び症状の治療におけるその使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫系異常治療用の胆汁からの免疫調節組成物発明の分野 この発明は、免疫調節組成物、これからなる医薬組成物及びこのような組成物 の哺乳動物の治療への使用に関する。特にこの組成物は、免疫系異常と関連した 疾患の治療に関する。発明の背景 免疫系応答が不十分な直接の結果でありうる癌と自己免疫感染症と炎症性疾患 の予防と治療用の療法が常に開発されている。これらの療法のいくつかは免疫系 を治療上用いようとするものである。 1つのアプローチは、免疫系の抗原特異要素、すなわち抗体とT−細胞に基づ いている。例えば、研究は、ある種の抗体反応を制御もしくは誘因するため、異 質剤、またはインターロイキンのようなある種の内因性化学メセンジャーに対す るワクチンを開発することに向けられていた。第2のアプローチは、免疫系の非 抗原特異部分からのペプチドとタンパク質の単離、クローニング、発現と産生に 基づいている。例えば、白血球で産生されるインターロイキンからなるサイトカ インや、外来抗原を消化するリンパ球やスカベンジャー細胞を刺激するインター フェロンのようなタンパク質は治療の可能性を提供している。 例えば、癌の治療は、腫瘍が臨界的なサイズに達しないよう に腫瘍に対する早期の免疫応答が増大できれば大いに強化できるであろう。腫瘍 への免疫応答を増大することを示唆した戦略には、腫瘍関連抗原に特異なワクチ ン;IL−2レセプターに対するような腫瘍細胞の表面における抗原に対するモ ノクローナル抗体の使用;抗腫瘍抗体と超抗原を含む二種特異性分子の使用が含 まれる。 比較的最近では、腫瘍壊死因子(TNF)として知られた生理学的に活性なポ リペプチドの役割が研究されている。特に、TNFは、腫瘍の壊死を誘因し、生 体の正常組織への影響がないことが示されている。TNFをコードするDNAの 塩基配列ならびにTNFのアミノ酸配列が、米国特許第4,879,226号に 開示されている。 TNFが腫瘍壊死の誘因する役割を有することが知られていることから、生体 内てのTNFの産生または生体利用性を刺激しうる剤は、各種の腫瘍症状の治療 に潜在的な利用性を有する。加えて、生体外で、TNFを産生するため単核細胞 と大食細胞(macrophage)を刺激しうる剤は、分析および診断目的ならびに治療投 与用のTNF源を提供する手段として有用である。 また、他の疾患は、免疫系応答障害を有するか、又はそれに関与している。例 えば、自己免疫疾患は、免疫系が生体に異質でない物質に対する抗体を産生し、 炎症と結果として組織損傷を結果づける異常である。例えば関節リウマチ(RA )は、滑膜と称せられる関節の内膜の正常細胞を、生体免疫系が誤って異物とし て認識する自己免疫疾患である。自己免疫攻撃は内膜 を完全に破壊しうる。最も重篤なケースでは、関節は機能が停止し、人工関節と 外科的に置き換えられる。TNFは、RAの損傷の媒介物質である。中等の症状 から重篤状態への進行は非常に急速である。今なお、RA患者の治療はできない 。他の本質的に治療できない自己免疫疾患には、紅斑性狼瘡、多発硬化症と筋萎 縮性側索硬化症がある。 細菌、ウイルスや他の日和見性病原によるもののような感染症は、身体免疫系 をさけるか防御することによってのみ防げることができる。免疫系は、このよう な病原と戦うため非特異的免疫応答と特異的応答の一方または両方を備えるか引 出す。 非特異的免疫応答は、主に大食細胞によるサイトカイン産生に集中し、特異的 抗体応答への前置として役立つ。炎症性サイトカインはTNF−αを含み、血液 提供の増加によって現れる損傷または感染部位に対する急性応答を仲介する。病 原性細菌またはウイルスは、小さな組織スペースへの感染を含めることを企図し て好中球と大食細胞でのみ込まれる。そのため、大食細胞は、感染疾患に対する 防御で次のようなキーの役割を有する。 (1)抗体媒介と細胞媒介免疫応答が生じうるような白血球への抗原のプロセッ シングと提供、 (2)免疫応答中心へのサイトカインの分泌、及び (3)抗体コートの細菌、腫瘍細胞または宿主細胞の分解。 大食細胞は、細菌、真菌や原虫(寄生虫)のような広い多様な病原を消化し殺 生できる。その能力は、大食細胞が“活性化 ”されたとき現れる。活性化大食細胞の分泌産物は、他の免疫細胞からのものよ り多様である。これらは、予備ならびに抗炎症作用の両方を調節し、他のタイプ の細胞を調節する。これらの産物には、TNF−α、IL−1β、IL−6、加 水分解酵素と酸化代謝産物を含む。主にこの細胞媒介免疫過程で除去される細菌 は、結核菌、AIDS患者の50%までにみられる非定型抗酸菌感染のような他 の関連抗酸菌感染、および炭疽、潜在性細菌学的交戦剤を含む。真菌感染は、A IDSに苦しむ患者又は臓器移植患者のような免疫抑制患者に共通の問題である 。原虫はマラリヤのような生物を含む。 炎症疾患には、子宮内膜症や、免疫過程でも媒介される炎症性腸疾患がある。 子宮内膜症は、原因不明で、生理中の女性に影響する組織形成の不明な疾患であ る。この疾患は、子宮内細胞の不適当な着床、生長と機能で特徴付けられる。通 常生理サイクル中に排出される子宮内細胞とその断片は、ファロピウス管を経て 腹腔内に移送され、そこで、ある女性では着床し、増殖し、子宮内の膜病変とな る。しかし、子宮内膜細胞は、全ての生理中の女性の腹腔内に存在するとみられ ることから、全ての女性ではなくある女性で子宮内膜症が生ずるその原因は、現 在不明である。子宮内膜症は、痛みのある炎症性組織、異常出血、広範囲な傷跡 、痛みのある排尿または排便、不妊症を併うことさえある婦人の生殖器の損傷を 生ずる。一時的に軽減する妊娠か、子宮内膜細胞源を除去する手術は別として、 不妊症をも引き起こす子宮内膜症に対する治療は、知られていない。 最近、多くの報告が、子宮内膜症が免疫系での変化と関連していることを示唆 している。初期の報告は、アカゲサルにおいて免疫抑制治療が子宮内膜症の増加 と関連していることを示している。その頃から子宮内膜症の人において細胞の媒 介する免疫と体液性免疫にともに変化が見られている。 過去数年の間、研究は子宮内膜症における大食細胞の役割に焦点を合わせてき た。これらの研究の根底にある仮説は、単球(monocytes)/大食細胞系が子宮内 膜細胞の生長を調節し、正常で健康的な女性に置き違えられた子宮内膜細胞の増 殖を妨げるというものであった。子宮内膜症の女性では、置き違えられた子宮内 膜細胞が移植され、子宮内膜症の原因となる。次いで、子宮内膜症の発達が、子 宮内膜細胞及び細胞由来の抗原に対する自己抗体の産生への刺激物となる。これ らの自己抗体生成は、活性化された大食細胞からの生成物と共に、影響を受けた 女性の生殖能力及び生殖活動を阻害する。 これらの研究の累積した結果は、以下の直接関係のある事実を明らかにしてい る: (1)腹膜腔内の正規の場所以外の子宮内膜細胞の破壊の原因であると考えられて いる腹膜処理系(主として大食細胞を含む)は、拡張性子宮内膜症の女性では不 完全である; (2)拡張性子宮内膜症の女性での不完全な腹膜大食細胞の活性は、少なくとも部 分的にプロスタグランジンの媒介の結果に関連する。それ故、γインターフェロ ンと内毒素のような大食細胞活性化剤に応答する、拡張性の子宮内膜症の女性由 来の腹膜 大食細胞の著しい刺激は、プロスタグランジン合成阻害剤が活性化培地に含まれ ている時にのみ活性化できる; (3)子宮内膜症患者の循環している単球の生成物は、直接子宮内膜細胞の生長調 節に関わる。独特の共同培養系で、自己由来の子宮内膜細胞の増殖向上が、大部 分の子宮内膜症患者由来の単球で認められるが、増殖の抑制は、大部分の生殖力 のある対照の患者由来の単球にみられた;及び (4)子宮内膜症患者由来の子宮内膜細胞の増殖は、大食細胞から誘導されるサイ トカインにより調節することができる。データから得られた結果は、限られた疾 患を有する患者由来の子宮内膜の増殖性反応は、インターロイキン−1−β(I L−1β)及びTNF−αにより高められることを示唆している。逆に、拡張性 の疾患を有する患者由来の子宮内膜の増殖性反応は、IL−1β及びTNF−α により抑制される。 それ故、これらの研究の結果として、子宮内膜症の患者由来の単球及び大食細 胞の機能は、疾患の異常生理学において重要な役割を果たしていることが示唆さ れる。さらに、これらの大食細胞機能の幾つかは、病気の深刻さにより異なる影 響をうけているようである。限られた疾患を有する女性では、大食細胞は腹膜腔 内、おそらく循環内で極度に活動的であるらしく、その子宮内膜細胞は異なる大 食細胞由来の生長因子に反応することができるようである。逆に、拡張性子宮内 膜症は、部分的には免疫調節性のプロスタグランジンの分泌過多により、腹膜腔 内での大食細胞の活性化を抑制することで特徴づけられる。ま た、大食細胞の生成物も、拡張性子宮内膜症の女性での子宮内膜の増殖を調節し ているようである;しかし、異なるサイトカインに対する子宮内膜の反応におけ る性質的な相違は、これらの女性において不完全な大食細胞の活性化の結果が、 おそらく疾患を制御するのに役立っていることを示唆している。 炎症性の腸疾患(IBD)は、胃腸系を含む、原因不明の一群の慢性の炎症性 異常に対する一般的な用語である。これらの異常は不特定の潰瘍性大腸炎及びク ローン疾患を含む。これらの異常(例えば、関節炎、胆管周囲炎)を伴うことも ある腸管外発現は自己免疫現象を示し、IBDの治療に用いられる治療剤(例え ば、コルチコステロイド及びアザチオプリン)は、免疫抑制機構を経てその効果 を奏し得る。炎症性の腸疾患の患者は、結腸細胞、細菌性抗原(例えば、大腸菌 、リポ多糖)及び外来性タンパク質(例えば、牛乳タンパク質)に対して体液性 抗体を有している。一般的に、これらの抗原の存在及び力価は、疾患の活性とは 関連していない;しかし、これらの抗原は、上皮損傷に従属する免疫適格の細胞 にアクセスできるようである。加えて、IBDはIgA欠乏と同様に無ガンマグ ロブリン血症と関連していることが記述されている。細胞の媒介する免疫に関連 した異常性は、皮膚のアネルギー、様々な分裂促進性刺激に対する限定応答を含 み、多数の末梢T−細胞を減少させる。 肝臓により分泌され、胆嚢に保存される胆汁は、正常な肝臓の機能により速や かに代謝される医薬の生体利用性を高めるため(WO90/12583号参照) 及び哺乳動物の白血球溶解 の促進を阻害するため(Shinoda ら、Chem.Pharm.Bull.,30,4429-4434(1982)参 照)の胆汁抽出物の使用を含む様々な目的のために研究されている。しかし、胆 汁が、新形成症、炎症又は感染症性疾患に対する治療上有用な組成物源であると 考えられたことはなかった。興味深いことに、英国特許第337,797号によ れば、抗癌剤の可能性のある源として胆嚢自体の使用が示唆されているが、胆汁 が胆嚢から除去され、胆嚢は完全に洗浄した後のものにすぎなかった。発明の要旨 ここに、胆汁が、大食細胞や単球のような免疫系細胞を活性化できる組成物の 重要な源であり、かつ各種の癌、ことに膵臓癌と悪性黒色腫の治療に有効である ことを発見した。特に、この発明の組成物は、例えば大食細胞から生体外と生体 内の両方でTNF産生を刺激できることを発明した。この性質は、感染性疾患の 治療に有用でありうる。 また、この発明の免疫調節作用(特にTNF−α産生を低く調節または抑制す る能力)が、自己免疫疾患や炎症性疾患と異常のような他の免疫系関連異常の治 療に有用でありうることも見出した。 この発明の胆汁組成物は、また、小児疾患に関したワクチンのアジュバント添 加剤として、例えば異種移植法に関連した拒絶現象の防御として有用であるとみ られる。 この発明の胆汁組成物は、胆汁を水溶性または水混和性溶剤で抽出することに よって得られる。得られる抽出物は、不要も しくは望ましくない成分を除去するためにさらに処理できる。 以下にさらに詳細に開示される胆汁を抽出する方法で得られる生成物は、TN F−刺激活性(または種源によって、TNF−阻害活性)を有することが見出さ れており、癌、感染症、自己免疫異常および炎症性異常に活性であるとみられる 。特に、この発明の胆汁抽出物は、膵臓および他の癌に特に活性である。 このように得られる全体の組成物が、このような活性を示すことを必ずしも必 要としないことは明らかであろう。従って、得られる生成物は、さらに分離、分 画または処理することができ、TNF産生を刺激する、例えば各種の疾患にある 免疫系異常に作用する所望の能力を保持することができる。その上、TNF産生 を刺激しかつ免疫系異常に作用する同一又は類似の能力を有する生成物を合成的 に得ることができることも考えられる。かくして、生成物の成分は、他の生物学 的作用の中で、TNFの刺激及び免疫系異常に作用する能力についての所望の特 性に対するそれぞれの貢献を同定し、分析しうることも考えられる。その上、こ のような同定と分析が、生成物の合成体をつくるのに使用されることも考えられ る。 1つの観点で、この発明は、3000ダルトンより小さい小分子量成分からな り、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、 c)腫瘍壊死因子産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、 IL−4、GM−CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)悪性細胞系で抗増殖作用を有する、 f)ヒト末梢血液単核細胞又はリンパ球に細胞毒性を示さない、及び g)内毒素ではない を1以上有する免疫調節剤として使用するための組成物に関する。 好ましい具体例によれば、組成物は、ウシの胆汁から抽出され、TNFの放出 を刺激できる。 この発明の組成物は、 (a)動物、好ましくはウシ由来の胆汁を、水溶性又は水混和性溶剤、好ましく はアルコール、好ましくは同容量のアルコールと混合し、胆汁/アルコール溶液 をつくり、 (b)溶液、好ましくはアルコール溶解画分を分離し、例えば熱の使用で、アル コールの大部分を除去するようにして、実質的にアルコールのない溶液を単離し 、 (c)溶液から胆汁色素を除去して、澄明な黄色がかった液体を得、 (d)任意に、澄明な黄色がかった液体を処理して、実質的に残留アルコールを 除去し、 (e)澄明な黄色がかった液体をエーテルで抽出するようにして有機脂肪分を除 去し、水相を単離し、かつ (f)任意に水相から残留エーテルを除去する ことによって調製することができる。 組成物は、単にバイアルに入れ、滅菌することによりさらに修飾することなく 使用できる。また組成物は、濃縮形態でも使用できる。好ましい濃縮形態は、次 のように作られる。工程(e)の前に、澄明な黄色がかった液体を、任意に胆汁 /アルコール溶液の容量の約1/8に濃縮し、工程(f)の後で、胆汁/アルコ ール溶液の容量の1/10になるように水相を濃縮する。 また、この発明は、発明の免疫調節組成物を含有する医薬組成物に関する。 さらに、この発明は、この発明の組成物の有効量を患者に投与することからな る患者の治療法に関する。その上、この発明は、免疫応答の調節を必要とする疾 患と症状、好ましくは感染症、炎症疾患、自己免疫疾患、予防接種、異物移植に 関する拒絶現象と新形成症の予防と治療における発明の組成物の使用に関する。 この発明のこれら及び他の観点は、次の詳細な記述と添付図面を参照して明ら かになるであろう。かくして、各種の刊行物をここに参照とする。その全体を参 照としてここに導入する。図面の簡単な説明 この発明のさらなる詳細は、添付図面を示した実施例の助けをかりて、以下に 記述する。 図1は、この発明の濃縮組成物の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−H PLC)のプロフィルである。 図2は、この発明の濃縮組成物のRP−HPLCプロフィルである。 図3は、この発明の濃縮組成物のRP−HPLCプロフィルである。 図4は、末梢血液単核細胞(PBMNs)によるLPSの誘因するTNF放出 についての組成物の作用を示すグラフである。 図5は、PBMNsによるLPSの誘因するTNF放出について組成物の作用 を示す棒グラフである。 図6は、発明の組成物で処置した膵臓癌患者の診断で得た生存を示すグラフで ある。 図7は、発明の組成物で処置した膵臓癌患者の治療で得た生存を示すグラフで ある。 図8は、発明の組成物で処置した全ての黒色腫患者の生存を示すグラフである 。 図9は、発明の組成物で処置した3以上の腫瘍部位を有する黒色腫患者の生存 を示すグラフである。 図10は、発明の組成物で処置した3又は4以上の腫瘍部位を有する黒色腫患 者の生存を示すグラフである。 図11は、発明の組成物についてのSDSゲルである。 図12は、親水性HPLCでの発明の組成物の溶出の条件と時間(a)及び発 明の組成物の上清の溶出プロフィル(b)である。 図13は、親水性HPLCでの発明の組成物の沈殿物の溶出を示す。 図14は、末梢血液単核細胞機能の刺激での発明の組成物の用量反応を示すグ ラフである。発明の詳細な説明 これらの研究の指針となる主要な仮説は、強力な生物刺激剤の治療効力が、大 食細胞及び/又は単球を活性化してある種のサイトカインを生じる又は求める活 性を促進し、外来細胞もしくは置き違え細胞のような疾患原因もしくは誘因細胞 を除去又は分解するようにして、免疫系の適切な調節を引き出す能力によること ができるというものである。例えば、悪性疾患を含む環境での腫瘍破壊機能は、 癌と戦う有用な治療となるであろう。このような機能は、腫瘍の微細な環境にあ る免疫細胞の直接的な刺激で生ずることができる。代わりに、この機能は、免疫 細胞が悪性疾患の部位に宿り、その環境で機能できたとすれば、循環する免疫細 胞を刺激することにより生ずることができる。免疫系態様の根底をなす他の疾患 と症状も、適当な免疫調節剤での治療で打破又は改善されるであろう。このよう な疾患又は症状には、以下でより詳しくは説明されるように子宮内膜症(正常な 子宮内膜細胞が不適当な部位で増殖している疾患症状)、各種の感染性疾患など を含む。 上記したように、この発明は、3000ダルトンより小さい小分子量成分から なり、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激又は活性化できる、 c)腫瘍壊死因子産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM −CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)悪性細胞系で抗増殖作用を有する、 f)ヒト末梢血液単核細胞又はリンパ球に細胞毒性を示さない、及び g)内毒素ではない を少なくとも1つ有する免疫調節剤として使用するための組成物に関する。 より詳しくは、この発明の細胞物の少なくともあるものが、チャン(Chang) ヘパトーマ細胞に対する細胞毒性をもたらす正常単球を刺激するという研究がな されており、そのテストは単球と大食細胞の活性化を測定するのに用いられてい る。また、癌患者(頸部、卵巣、耳/鼻/喉、肺及び子宮内膜癌、カポジ肉種、 及び慢性骨髄性肉腫を含む)由来の単球及び/又は大食細胞が、その組成物で刺 激され、これら自体の特有の癌細胞を攻撃、破壊することも分かった。その上、 子宮内膜症の患者由来の大食細胞が、同様にこの組成物で活性化されることが分 かった(実施例26参照)。 この発明の組成物は、腫瘍懐死因子(TNF)の産生を調節できる。ウシの胆 汁から単離されるこの発明の好ましい組成物は、ヒト末梢血液単核細胞と前単球 細胞系U−937からのTNFの放出を恐らく生理的量で促進する。TNFは、 炎症及び 抗腫瘍性サイトカインの作用のカスケードを開始することが知られていることか ら、好ましい組成物は、ヒト白血球を刺激してTNF(及びおそらく他のサイト カイン)を放出する抗腫瘍作用をもたらす。従って、この発明は、癌細胞に対す るリンパ球と大食細胞の細胞毒性をも強化しうる。 また、この発明の組成物は、マウスハイブリドーマ細胞系HYB−6−1の細 胞の生長を阻害することが見出されている。マウスハイブリドーマ細胞での組成 物の阻害作用は、抗増殖活性を示唆している。 この組成物のヒト末梢血液単核細胞(PBMNs)とリンパ球の生存効果も調 べた。この組成物は、ヒトPBMNsとリンパ球に非細胞毒性であることが分か った。 以下でさらに例示するように、この発明の組成物は、中でも次の特徴を有する 。 1)PBMNsからのTNF放出に応答しうる成分又は成分類は、C18RP−H PLCカラムから早期に溶出した。 2)この組成物は、インターロイキン−1β(IL−1β)の放出を生じ、かつ IL−1β放出に応答しうる成分はPR−HPLCから早期に溶出し、このこと はTNFを放出する同じ物質(群)とみられる。 3)この組成物は、低い量のインターロイキン−2(IL−2)の放出をも生ず る。 4)この組成物は、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF) の放出を生ずる。 5)TNFのGM−CSF放出に対する比は約2:1である。 6)組成物中で同じ分子(類)、すなわち成分(類)が、TNF、IL−1β及 びGM−CSFの放出に応答しうる。この組成物は、複数の異なるサイトカイン の放出を刺激するか、又は1つのサイトカインの産生と放出を誘因し、順次他の サイトカインの産生と放出を刺激する。 7)沈澱物及びその上清を含むこの組成物を、SDSゲル電気泳動及び分子ふる いHPLCで物理化学分析すると、主成分は2500ダルトンより小さいことが 示される。 8)さらに、親水性(ポリヒドロキシエチル)分子ふるいHPLCでの物理化学 的分析で、組成物中の小分子量の成分を確認する。 9)酸加水分解の前後でのアミノ酸分析で、ペプチドの存在を示すペプチド結合 の存在を示唆する。 上記したように、この発明の組成物は、 (a)動物、好ましくはウシからの胆汁を、同容量のアルコールと混合し、胆汁 /アルコール溶液をつくり、 (b)アルコール溶解性画分を分離し、実質的にアルコールのない溶液を単離し 、 (c)溶液から胆汁色素を除去して、澄明な黄色がかった液体を得、 (d)澄明な黄色がかった液体を処理して、実質的に残留アルコールを除去し、 (e)澄明な黄色がかった液体をエーテルで抽出し、水相を単 離し、かつ (f)水相から残留エーテルを除去する ことによって調製することかできる。 この組成物は、胆汁を生じる何れの動物の胆汁からも得られる。この組成物は 、他の種に対して1つの種の胆汁から得られると特異的な疾患に異なる活性を有 することがありうるが、一般に適する胆汁源は、サメ、ウシ、ヒツジ、ヤギ及び ブタ由来のものである。ほとんどの場合で、発明の組成物の調製への使用に、ウ シ、ヒツジ、ヤギやブタのような屠殺した健康な食品用動物の胆汁を実際に得る ことができる。このようにして採取される胆汁は、屠殺した動物の胆嚢及び/又 は肝器官(種の解剖と生理学に適当なように)から直接採取され、実質的に清浄 であるべきであり、それによって胆汁の調製物は、膿又は血液が実質的にないこ とを示す。 方法の好ましい具体例では、ウシ源の胆汁が利用される。ウシの胆汁は、一部 分で、各動物から比較的大量に抽出できるため豊富である。その上、ウシは、健 康関連規則の下で日常的に屠殺され、検査されるので、このような動物は、発明 の組成物を調製するための信頼できる源となる。その上、ヒトは、ウシ起源の物 質にほとんどアレルギー反応を有しない。 胆汁は等量のアルコールと混合し、胆汁/アルコール溶液(50%アルコール )をつくる。アルコールは、脂肪族アルコール、好ましくはメタノール、エタノ ール又はプロパノール、最も好ましくはエタノールである。 50%アルコール不溶物質が実質的にない溶液は、遠心分離で単離する。胆汁 /アルコール混合物は、3000〜5000rpm、最も好ましくは4200r pmで、約15〜25℃で少なくとも2時間遠心分離するのが好ましい。次いで 、胆汁/アルコール可溶性画分を含むアルコールは、従来法、すなわち画分を適 当な温度(例えば80〜85℃)で、適当な時間(例えば約10時間まで)加熱 し、アルコールと水の揮発性の違いを利用して除去される。 胆汁色素は、活性炭、ポリアミド微顆粒又はろ過を用いて溶液から除去され、 澄明な黄色がかった液体とすることができる。活性炭処理を利用するのが好まし い。溶液は、吸光度と伝導性標準を満たすように、その操作を繰り返してもよい 。 澄明な黄色がかった液体は、従来法を用いて処理し、残留アルコールを実質的 に除去する。好ましくは、澄明な黄色がかった液体を、約1.0〜3.5μmの 保持、もっとも好ましくは2.5μmの保持を有するフィルターを用いてろ過す る。 澄明な黄色がかった液体を次いでエーテルで抽出し、水相を単離する。この工 程で使用されるエーテルは、好ましくはジメチルエーテル、エチルエーテル、n −プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、又はn−ブチルエーテルであり、 もっとも好ましくはエチルエーテルである。 残留エーテルは、例えば溶液を55℃まで、好ましくは約40℃まで、約5〜 15時間、もっとも好ましくは約10時間加熱することにより、水相から除去し てもよい。 この組成物は、ただ単にバイアルに入れ、滅菌することにより、さらに処理す ることなく使用してもよい。この組成物は濃縮形態で使用してもよい。好ましい 濃縮形態は次のようにして調製する。上記の工程(e)の前に、澄明な黄色がか った液体を、任意に例えば約85℃より低い温度、好ましくは約60〜70℃ま で加熱することにより、胆汁/アルコール溶液の容量の約1/8まで濃縮しても よい。工程(f)の後に、水相を、例えば約80〜85℃まで加熱することによ り、胆汁/エタノール溶液の容量の1/10になるように濃縮してもよい。 この発明の組成物を調製する好ましい方法では、採取した胆汁を同量のエチル アルコールと混合する。この胆汁/アルコール混合物を次いで約4200rpm で、少なくとも2時間半、約20±2℃で遠心分離する。上清を捨て、pHとエ タノール含量をチェックする。胆汁色素を次いで活性炭を用いて除去する。次い で、処理した胆汁/エタノール溶液の吸光度(O.D.)と導電率をモニターす る。O.D.レベル又は導電率レベルが許容できる特定の範囲外にあるときは、 胆汁/エタノール溶液をさらに処理して、例えば特定の制限内に達するように再 度活性炭で処理して胆汁色素を除くことが必要である。 活性炭処理に続いて、この溶液を2.5μmの保持を有するフィルターでろ過 し、85℃より低い温度で加熱することによりアルコールを留去し、その溶液を 最初の胆汁/エタノール溶液の容量の約1/8まで濃縮する。この濃縮溶液を約 20〜25℃に冷却する。この溶液を次いでエチルエーテルと混合し、 エーテル相を除去する。0.1〜1容量、好ましくは0.2〜0.5容量のよう な比較的少量のエーテルを用いて、強く撹拌するのが好ましい。この工程は一度 繰り返してもよい。水相を55℃まで約10時間加熱することにより、残留エー テルを除去し、さらに約80〜85℃まで加熱することにより最初の胆汁/エタ ノールの容量の1/10まで量を減少させる。次いで、この溶液を外観、生物学 的活性ならびにエタノール及びエーテル含量について試験する。 塩酸(1%)溶液及び水酸化ナトリウム(1%溶液)ならびに二塩基性及び一 塩基性のリン酸ナトリウム塩を緩衝として用いて得られる緩衝液を用いて、常法 により、組成物のpHを生理学的pH、すなわち7.4〜7.5に調整してもよ い。 この組成物は、ただ単にバイアルに入れ、滅菌することによりさらに処理する ことなく、使用してもよい。好ましい滅菌法は、この組成物を加圧蒸気滅菌、次 いで保温を伴った三つの滅菌サイクルに付すことである。 この組成物は濃縮形態で使用してもよい。濃縮形態の調製は上述している。こ の組成物は凍結乾燥することもできる。この組成物及び濃縮組成物は、本質的に 異質物質を含まず、10ppmを越えないエタノールと5ppmを越えないエー テルを含む澄明な黄色がかった溶液である。この組成物は、実施例2に記載して いるような単球/大食細胞活性分析(TNF放出)により測定したところ、PB MN’sを活性化して生体外でTNFを放出する。さらに、この組成物は例えば 癌患者由来のP BMN’sを活性化し、同じ患者に由来する癌細胞に対する細胞破壊活性を媒介 する。事実、動物及び人を含む臨床試験では、この発明の組成物を使うことによ り抗腫瘍治療において効果を示している。同様に、この組成物で活性化したPB MN’sは子宮内膜細胞に作用することが示され、かくして子宮内膜症及びその 他の炎症性疾患を治療用組成物の使用が、この発明によって提供されている。 この発明の組成物は、一般的に上述した方法を使用することにより、実証され た同一性、有効性及び純度がバッチ間でむらなく再現できる形で製造することが できる。同一性と純度は、逆相高圧液体クロマトグラフィーを用いて測定した( 実施例1参照)。この発明の組成物は、逆相HPLC上で常に再現性のあるパタ ーンを有する。この発明の濃縮組成物の3つのロットについてのHPLCの読取 りを図1〜3に示す。この組成物は、上記のような性質、例えば生体外及び生体 内で単球や大食細胞を刺激する能力などによっても特徴づけられる。 この組成物中に存在していると思われる化合物は、その源から考えて、スルホ ン化された胆汁酸、酸化された胆汁酸、その他の天然に存在する胆汁酸、及びそ れらのアミノ酸(特にグリシン及びタウリン)の包接体(conjugates)ならびにス テロール類を含む。したがって、この組成物は次式を有する化合物を少なくとも 一つ含むものとみられる。 〔式中、分子は完全に飽和していても、していなくてもよく、例えばAとB、B とC又はCとD間の結合は、単結合又は二重結合であってよく、XはH、OH、 =O、又はOSO3Hであり;Yは (Rは例えばグリシル、グルタミル、又はタウリルのようなアミノ酸残基であり 、それによりグリシン、グルタミル、又はタウリン包接体を形成する)〕。 特に、この発明の組成物は、有機及び無機成分を含むその成分化合物について 分析した。そのような情報は、マススペクトルスコピー(MS)を含む分析化学 の標準的な方法によって得た。そのような研究の結果は、例えば、コール酸、グ リココール酸、デオキシグリココール酸、ウルソデオキシコール酸、コ レステロールサルフェート、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸及びタウ ロコール酸を含む、存在していると思われる特定の胆汁酸化合物の同定を含む。 MSからは、ある化合物のOHやH2の喪失がMS中に生じているのかどうか 、あるいはそのような化合物のデオキシ、ジデオキシ及び不飽和類似体が最初か ら存在していたかどうかを識別することはできない。これらの化合物はいずれも 、アンモニウム、アルキルアンモニウム及び無機カチオンの塩として存在し得る 。 MS分析は、この組成物中のリン脂質、スフィンゴ脂質及びミセルを形成し得 る関連物質の組成物の存在下における同定も支持している。存在していると思わ れる特定の化合物は次のものを含む: ステアリン酸 CH3(CH216COOH パルミチン酸 CH3(CH214COOH オレイン酸Z−9オクタデカン酸 CH3(CH22CH2CH=CHCH2(CH26COOH 酸化又は水酸化された/不飽和の短鎖脂肪酸: C683(例えば、CH3CH=CHCOCH2COOH又は二重結合2個と ヒドロキシドを有するC6酸) 酢酸 ステアリン酸ジグリセライド パルミチン酸ジグリセライド ステアリン酸、パルミチン酸ジグリセライド ステアリン酸−モノグリセライド−フォスフォコリン (リゾレシチン) ステアリン酸モノグリセライド ステアリン酸トリグリセライド パルミチン酸モノグリセライド フォスフォコリン フォスフォセリン フォスフォスフィンゴシン スフィンゴミエリン フォスフォグリセロール グリセロール ステアリン酸−スフィンゴシン スフィンゴシン ステアリン酸アミド ステアリン酸メチルアミド コリン グリセロフォスフォコリン ステアリン酸、オレイン酸ジグリセライド ステアリン酸、オレイン酸フォスフォグリセロール パルミチン酸アミド レシチン シアル酸−グリセロールダイマー さらに、予備的HPLC及び滴定の証拠が得られ、それらは 1〜約30の炭素原子を有するようなより短鎖の脂肪酸も存在していることを示 している。 その源ならびにMS及びHPLC分析から得られる情報から考えて、存在して いると思われるリン脂質、スフィンゴ脂質、及び関連する加水分解生成化合物は 、次の式を有する化合物を少なくとも一つ含む。 〔R1、R2、R3は異なっているか同じであってH、COR4、CH=CH−R5 、X、−P(O)(OH)O−又は−S(O)2O−であり;Xはコリン、エタ ノールアミン、N−アルキル化エタノールアミン、セリン、イノシトール、遊離 のヒドロキシルを有する糖、アミノ糖、スルホン化糖及びシアル酸からなる群か ら選択され;R4は飽和もしくは不飽和、酸化もしくはヒドロキシル化されたC1 〜C30のアルキルであり;かつR5はアルキル基又は酸化及び/又はヒドロキシ ル化されたそれらの類縁基である〕。 脂肪酸及びそれらの包接体は、前記の水性抽出物中に塩として存在していても よい。そのような化合物の溶解性は、混合物中の他の成分によっても高められる 。含有されるカルボン酸のアミド、RCONR’R2〔R’及びR2は同一もしく は異な ってH又はアルキルである〕も存在しているとみられる。 化合物の第三の群、すなわちムチン及びプロテオグリカン加水分解生成物も、 組成物の源や前記のMS分析から考えて、存在しているようである。そのような 化合物は、胆汁及び胆嚢壁からのムコタンパク質の加水分解生成物:すなわちコ ンドロイチン 4−及び6−サルフェート、デルマタンサルフェート、ヘパリン 、ヘパリンサルフェート、ヒアルロン酸ならびにこれらのムチン類の加水分解生 成物(モノマー、ダイマー、オリゴマー及びポリマー)のようなものを含む。キ チン及び他のムチンも同様に加水分解され、その加水分解生成物は次の化合物を 含むだろう: N−アセチル−D−グルコサミン、 N−アセチル−D−ガラクトサミン−4−サルフェート、 ガラクトース−6−サルフェート、 N−アセチル−D−グルコサミンー6ーサルフェート、 グルコサミンー6ーサルフェート、 D−グルコサミン 2−サルフェート、 D−グルコサミン 2,3−ジサルフェート、 D−ガラクトース−6−サルフェート、 グルクロン酸 2−サルフェート、 N−アセチルノイラミン酸、シアル酸、 N−アセチルコンドロシン、コンドロイチン 4−サルフェート、コンドロイチ ン 6−サルフェート、D−グルコサミン、 D−ガラクトサミン、グルクロン酸、グルコース、 ガラクトース、マンノース、フコース、イズロン酸、 ヘキソース、ヘキソサミン、エステル サルフェート、 グルクロン酸、コンドロサミン、 2−アミノ−2−デオキシ−D−ガラクトース、セリン、 プロリン、スレオニン、アラニン グリシン タウリン、 グルタミン酸、アスパルチン酸、ヒスチジン、及び小さなペプタイド類。 同じような生成物がケラチンサルフェート、デルマタンサルフェートのような ムチン類の加水分解によって得られるだろう。ダイマー、オリゴマー及びポリマ ー中の天然の糖−糖結合は、糖モノマー間又は隣接する糖鎖間で、−O−Si( OH)2−O−橋によって置換されていてもよい。 特に、存在していると思われる特定のムチン及びプロテオグリカン加水分解生 成化合物は、次のものを含む: シアル酸類ならびにそれらのモノ及びジアセチル化及びグリコール化モノマー類 ; N−アセチルノイラミン酸; グルコサミンのようなヘキソサミン類; L−フコース; ヘキソサミン−ヘキスロン酸(ダイマー)ジサルフェート; グルクロン酸; グルクロン酸もしくはイズロン酸ジサルフェート、モノアセチル化物; シアル酸−グリセロール(ダイマー);ならびに アセチル化及びサルフェート化形態の上記のモノマー類のダイマー、トリマー、 オリゴマー及びポリマー類。 化合物の第四の群、すなわち源や前記のMS分析から考えて存在しているよう に思われる脂溶性のビタミン類は、例えばビタミンA、D及びK(例えば、A2 、D1、D3、D4、K1、K2、K5、K6、K7、K−S(II)ならびに ビタミンEアセテートを含む。 特に、存在していると思われる特定の脂溶性のビタミン化合物は、ビタミンA 2、ビタミンD1、ルミステロール(そのビタミンD1錯体から存在)、ビタミ ンE、ビタミンK1酸化物、及びビタミンK5からなる化合物群の少なくとも一 つを含む。 その源や前記のMS分析から考えて、種々雑多な有機化合物が存在しているよ うに思われる。そのような化合物は次のものを含む: 尿素; メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチル アミン、ジプロピルアミン、及び/又はブチルエチルアミンを含むアルキルアミ ン類; タウリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、n−ロイシン、フォスフォセリ ン、フォスフォエタノールアミン、アスパルチン酸、スレオニン、セリン、ザル コシン、α−アミノアジピン酸、シトルリン、バリン、イソロイシン、β−アラ ニン、γ−アミノ酪酸、ヒドロキシリジン、オルニチン、及びリジンを含むアミ ノ酸類; ビリルビン、及びそのグルコヌリド包接体; ビリベルジン、及びそのグルコヌリド包接体; ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT); ポリエチレングリコール: ステロイド類の痕跡; 糖類、プリン類及びピリミジン類のようなその他の血漿溶質; 種々の食物脂質;ならびに 種々の食物脂質;ならびに グルタチオン及びその加水分解生成物。 特に、組成物中に存在しているとみられる特定の種々の有機化合物は、尿素、 メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチル アミン、ジプロピルアミン、ブチルエチルアミン、アンモニア、コリン、タウリ ン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、p−ser、p−eu、p−ea、a sp、thr、ser、sar、a−aba、cit、val、ile、leu、 B−ala、G−aba、OH−lys、orn、lys、ブチル化ヒドロキシ トルエン(BHT)、及びポリエチレングリコールからなる群の少なくとも一つ を含む。 この組成物中に存在するアミン類、殊に2級アミン類は、空気からの窒素酸化 物を含み、したがってニトロソ化合物を形成していてもよい。N−オキサイド及 びN−カルバメート副生成物も含まれていてもよい。上記一連のアミン類は、す べての1級、2級及び3級アルキルアミンを含むように拡張されるべき である。 ある種の無機成分は、次のように同定し、定量(mg/l)した: この発明の組成物は、有用な薬理学的性質を有する。特に、この発明の組成物 は、新形成の生長に作用し、腫瘍壊死因子の放出に作用し、大食細胞及び単球を 活性化する。この組成物は、重大な毒性を引き起こさず、一時的に不利な副作用 (例えば、微熱、口渇及び注射部位の痛み)を引き起こすに過ぎないことが示さ れた。それらはまた、有害な免疫反応の原因となり得る高分子量物質(すなわち 、約5000ダルトン以上)の成分を検出できるほど含有していないことがわか った。この組成物は、免疫応答の変異を要する症状、特に感染症(細菌、真菌、 原虫、及びその他の易感染症を含む)、炎症(子宮内膜症及び炎症性腸疾患を含 む)、予防接種(HIVのためのアジュバントとしての使用;ジフテリア、百日 咳、破傷風、小児麻痺、はしか、流行性耳下腺炎、風疹、ウイルス性インフルエ ンザ、及びヘモフィールスのような通常の小児もしくは成人の免疫化;ならびに 腸チフス、コレラ、ペスト、細菌性髄膜炎、及びマラリアのような旅行者のワク チンを含む)、新形成症、及び自己免疫疾患の予防及び治療用薬剤として使用さ れ得る。このような疾患は、不十分な免疫システム応答を伴い、またその直接の 結果でもあり得る。前記の技術背景の部分で述べたように、液性及び細胞性欠損 症の両方が含まれる。この発明は、例証された単球 及び大食細胞を活性化する能力の観点から、免疫応答のこれらのどちらをも高め ることができる。さらに、この発明の組成物は、種内又は種間の臓器移植に伴う 拒絶現象を改善又は阻止するために使用することができる。この発明の組成物は 放射線宿酔の治療にも使用することができる。 したがって、この発明の化合物群は、白血病、リンパ腫、黒色腫、腺腫、肉腫 、および癌腫のような種々の型の新形成症の治療に特に有用である。殊に、この 組成物は、悪性の黒色腫、膵臓癌、子宮頚管−子宮癌、腎臓、胃(stomach)、肺 、直腸、卵巣、乳房、腸、胃(gastric)、肝臓、甲状腺、頚部、頚、唾液腺、脚 、舌、唇、胆管、骨盤、縦隔、尿道、気管支、膀胱、食道および結腸の癌、なら びに後天性免疫不全症候群(AIDS)のHIV感染患者に伴う一種の癌である カポジ肉腫の治療に有用である。この組成物は、関節硬化症のような免疫応答の 欠陥によって引き起こされるか高められるその他の症状、ならびにウイルス性感 染症、特にAIDSのような日和見もしくはその他の感染症にも使用することが できる。それはまた、多発硬化症、慢性関節リューマチ、全身性エリテマトーデ ス、タイプI糖尿病、重症筋無力症、アジソン病、自己免疫性溶血性貧血、クロ ーン疾患及びその他の炎症性腸疾患、グッドパスチャー症候群、甲状腺機能亢進 症、橋本甲状腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、悪性貧血、溶血性連鎖球菌感染 後糸球体腎炎、乾癬、硬皮症、シェーグレン症候群、自発性不妊症、及び尋常性 天疱瘡を含む自己免疫疾患の治療にも使用することができる。 この組成物は、さらに子宮内膜症および炎症性腸疾患のような炎症性疾患の治療 にも使うことができる。 この発明の組成物は、常法を用いて医薬組成物に変換することができる。医薬 組成物は、この発明の組成物を単独で又は他の活性物質と一緒に含む。そのよう な医薬組成物は、経口、局所、経腸、非経口、局所、吸入、または大脳内の使用 のためのものであってもよい。したがって、それらは固体又は半固体の形、例え ば丸剤、錠剤、クリーム、ゼラチンカプセル、カプセル、坐剤、ソフトゼラチン カプセル、ゲル、メンブラン及びチューブレット(tubelets)である。非経口及 び大脳内の使用のためには、筋肉内または皮下投与用の剤形が使用でき、あるい は吸入又は静脈内もしくは大脳内注射用の剤形が使用でき、したがって組成物の 溶液として、又は前記の使用に適し、生理学的な液体と混和する浸透圧重量モル 濃度の、1以上の薬学的に許容される賦形剤もしくは希釈剤と混合される活性組 成物の粉末として、製造され得る。局所の使用には、局所投与用のクリーム又は 軟膏の形、あるいはスプレーの形の製剤が考えられる;吸入使用のためには、ス プレー、例えば鼻用スプレーの形の製剤が考えられる。好ましくは、この組成物 は筋肉内投与される。 医薬組成物は、患者に投与し得る薬学的に許容される組成物の製造法としてそ れ自体公知の方法で製造することができ、有効量の活性物質が薬学的に許容され る賦形剤と混合して組み合わされる。適当な賦形剤は、例えばレミントン(Remin gton)の ファーマシューティカル・サイエンスズ(Nack Publishing Company,Easton,Pa .,USA 1985)に記載されている。 これに基づいて、医薬組成物は、限定的ではないが、1以上の薬学的に許容さ れる賦形剤もしくは希釈剤と組み合わさったこの発明の組成物を含み、生理的液 体に適したpHと浸透圧の緩衝溶液中に含まれる。 組成物は、単独で、又は他の治療剤あるいは治療の他の形と組み合わさって治 療剤として示される。例えば、悪性腫瘍の場合、この治療は、以前には手術でき なかったものを外科的除去に適した腫瘍にすることができる。あるいはまた、こ の治療は化学療法及び/又は放射線療法と有効的に組み合わせることもできる。 この組成物および薬剤は、人及び動物への投与を意図したものである。 一般に、組成物の投与量の範囲は、人の医薬としての投与を想定した場合、1 日当たり約0.01〜20mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kg、も っとも好ましくは0.1〜1mg/kg体重が適用し得る。静脈内投与の場合、 投与量は1日当たり約0.1〜5mg/kg体重であり、経口投与の場合には、 投与量は1日当たり1〜5mg/kg体重である。濃縮組成物が用いられるとき には、上記の投与量のおよそ半分が使用される。例えば、筋肉内投与のためには 、1日当たり約0.2〜1.0mg/kg体重、好ましくは1日当たり0.27 5〜0.75mg/kg体重が用いられる。 特に治療される動物の体重や症状、治療される特定の疾患、 投与経路の性質及び望まれる治療に応じて、上記の量から外れることが必要であ るということは、医療実施者によって認識されるだろう。さらに、動物のタイプ 及び医薬に対する個々の反応、あるいは製剤の性質及び投与する時期や間隔が、 上記の量とは異なった量の使用を示すかもしれない。かくして、ある場合には上 記の最低量より少ない量で処理して十分であり、他の場合には上記の上限を越え なければならないこともあるだろう。相当の量が投与される場合には、1日に何 回かに分けて投与することが勧められる。 かくして、この発明は、(a)動物由来の胆汁を水溶性の溶剤と混合して、胆 汁/溶剤溶液を製造し;(b)その胆汁/溶剤溶液から溶剤を実質的に含まない 水溶液を単離し;そして (c)実質的に溶剤を含まない溶液から胆汁色素を除去して、澄明な黄色がかっ た液体を得ることからなる免疫調節組成物を製造する方法からなり、ここで好ま しくは、水溶性の溶剤はアルコールであり、動物由来の胆汁は等量のアルコール と混合される。上記の方法は、好ましくは、澄明な黄色がかった液体を最初の胆 汁/溶剤溶液の容量の約1/8あるいは1/10までさらに濃縮することからな る。明らかに上記の方法により製造した組成物は、この発明の好ましい態様を成 す。 この発明は、免疫調節剤として使用するための組成物をも含む。この組成物は 、少なくとも1つの約3000ダルトンより小さい分子量を有する成分を含み、 その成分は人の抹消血単核細胞に対して細胞毒性を示さず、かつ次の性質: (a)生体外又は生体内で、単球及び大食細胞を刺激して1以上のサイトカイ ンを産生することができる;又は (b)単球又は大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生す ることができる;又は (c)悪性の細胞系における抗増殖作用を有する; の少なくとも一つを有し、内毒素、IL−1α、IL−1β、TNF、IL−4 、IL−6、IL−8、GM−CSF又はIFN−γではない。かかる組成物は 、動物、好ましくはウシの胆汁から、あるいは前記のその他の源から得られる。 この組成物の好ましい実施態様において、この組成物は、生体外又は生体内で、 もっとも好ましくは人で、外因性のIL−1α、IL−1β、TNF、IL−4 、IL−6、IL−8、GM−CSF及びIFN−γなしで、腫瘍壊死因子の産 生を刺激する。 この発明の組成物は、カラムクロマトグラフィーによって特徴づけられる成分 を有する。すなわち、該組成物を乾燥して固体の残渣を得、該残渣の2gをメタ ノール中10%濃縮水酸化アンモニウム溶液の20mlに溶解し、不溶物を除去 したのち、5cmx12.5cmの寸法を有し、60Åのフラッシュシリカゲル 102gを充填したメタノール中のカラムクロマトグラフィーに付し、平方イン チあたり10ポンドの圧力で、メタノール溶媒溶液中の濃縮水酸化アンモニウム 溶液で、11ml/分の流速で操作し、カラムの総溶出液が約180〜約220 ml、約220ml〜約260ml、又は約260ml〜約300mlであると きに採取した画分において該成分がカラムから 溶出される。 成分の特徴づけは、該組成物の10mlを、この組成物の10ml中に存在す るすべての陰イオンを実質的に結合させるのに十分な量のBio−Rad AG −1ヒドロキシド型樹脂を充填したカラムで陰イオン交換クロマトグラフィーに 付し、炭酸水素アンモニウム緩衝液のステップグラジエントを用いて、緩衝液濃 度約0.1M〜約1.5M、好ましくは緩衝液濃度約0.2M〜約0.4M、そ してもっとも好ましくは緩衝液濃度約0.2Mで該成分を溶出するような時に、 イオン交換クロマトグラフィーによっても成される。 逆相(C18)HPLCも成分の特徴づけに使用され得る。その他の適切なカ ラム、溶離液、グラジエント、流速、操作温度及び検出システムを使うこともで きる。 この発明の組成物は、該組成物をメタノール中10%濃縮水酸化アンモニウム 溶液のような適切な溶媒系でシリカゲル板の薄層クロマトグラフィーに付し、ニ ンヒドリンのような適切なスプレーで可視化し、ニンヒドリンとの陽性反応が例 えば約0.80〜約0.90のRf値で生じるような時に、TLCによっても特 徴づけることができる。 この発明は、次の化合物: (a)式の化合物 〔式中、A−B、B−C及びC−D間の結合は、単結合又は二重結合であり、X =H、OH、=O又はOSO3Hであり;かつY= (Rはアミノ酸残基である) (b)式の化合物 〔式中、R1、R2及びR3はH、COR4、CH=CH−R5、X、P(O)( OH)O−又は−S(O)2O−であり; Xはコリン、エタノールアミン、N−アルキル化エタノールアミン、セリン、 イノシトール、遊離のヒドロキシルを有する糖、アミノ糖、スルホン化された糖 又はシアル酸であり;かつ R4は約C1〜C30の炭素鎖を有する飽和もしくは不飽和のアルキル基、又はそ れらの酸化及び水酸化した類似体であり;かつ R5はアルキル基又はそれらの酸化及び水酸化した類似体である〕 (c)ムチンの加水分解生成物又はプロテオグリカンの加水分解生成物;又は (d)脂溶性ビタミン の少なくとも1つを含む組成物の有効量を投与することからなる、人における腫 瘍壊死因子の産生を刺激する方法をも含む。 好ましくは、この発明の方法の組成物は、次の化合物群から選択される化合物 を少なくとも1つ含む: タウロコール酸及びそのサルフェート誘導体;グリココール酸及びそのサルフェ ート誘導体;スフィンゴシン、ジアシルグリセロール;レシチン;フォスフォコ リン;フォスフォグリセロール;グリセロ−フォスフォコリン;フォスフォリル コリンクロライド;長さにおいて10サッカライドユニットより少なく、シアル 酸、フコース、ヘキソサミンもしくはサルフェート化ヘキソサミンを含むオリゴ サッカライド;ビタミンA;レチノイン酸誘導体;レチノール誘導体;タウリン ;ならびにグルタミン酸及びその包接体。この組成物は、さらにアンモニア; 1級アルキルアミン;2級アルキルアミン;3級アルキルアミン;ならびにカル ボン酸R6CO2H(R6はC1−C30の飽和もしくは不飽和アルキル及びそれらの 酸化及び/又はそれらの誘導体)からなる群から選ばれる化合物を少なくとも一 つ含んでいてもよい。さらに好ましくは、そのような組成物は、フォスフォコリ ン、グリセロ−フォスフォコリン、グルコサミン−3−サルフェート及びフォス フォリルコリンクロライドからなる群を少なくとも1つ含む。もっとも好ましく は、この組成物は、フォスフォコリン、グリセロ−フォスフォコリン又はグルコ サミン−3−サルフェートを少なくとも1つ含む。 この発明の方法は、タウロコール酸及びそのサルフェート誘導体;グリココー ル酸及びそのサルフェート誘導体;スフィンゴシン;ジアシルグリセロール;レ シチン;長さにおいて10サッカライドユニットより少なく、シアル酸、フコー ス、ヘキソサミンもしくはサルフェート化ヘキソサミンを含むオリゴサッカライ ド;ビタミンA;レチノイン酸誘導体;レチノール誘導体;タウリン;ならびに グルタミン酸及びその包接体からなる群から選ばれる化合物を少なくとも一つ含 む組成物を投与することによる、TNF産生の刺激を包含する。 この発明は、この発明の組成物の治療有効量を癌にかかっている患者に投与す ることからなる、膵臓、耳/鼻/喉、卵巣、肺又は子宮内膜の癌腫を含む癌、な らびに慢性骨髄性白血病及びカポジ肉腫を含む癌の治療法も提供する。この発明 は、また、炎症性疾患を含み、子宮内膜症及び炎症性腸疾患、自己免疫疾 患を含み、慢性関節リューマチ、狼瘡、多発硬化症及びALSを含む免疫系応答 機能障害によって引き起こされるか又はその結果としてのその他の異常、細菌、 真菌、マイコプラズマ、原虫を含む感染症及び他の日和見感染症の治療方法をも 提供する。その方法は、この発明の組成物の治療有効量を上記の疾患の一つに苦 しめられている患者に投与することからなる。さらに、この発明は、この発明の 組成物がアジュバントとしてそのようなワクチンに加えられる、HIV、種々の 小児疾患及びその他の疾患に対する予防接種の方法も提供する。 また、この発明を成す一部は、(1)スフィンゴシンもしくは塩とのスフィン ゴシン錯体のミセル、又は(2)次の性質: (a)生体外で単球と大食細胞を刺激して1以上のサイトカインを産生するこ とができる; (b)単球又は大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生す ることができる;又は (c)悪性の細胞系における抗増殖作用を有する の少なくとも1つを有するレチノイン酸もしくはその誘導体のミセルからなる組 成物である。 このミセルは、ジアシルグリセライド又はレシチンを含んでいてもよく、さら に胆汁酸塩及びアンモニウムもしくはアルキルアンモニウムイオン源を含んでい てもよい。 最後に、この発明は、(1)スフィンゴシン、胆汁酸塩及びアンモニウムもし くはアルキルアンモニウムイオンの源、(2)胆汁酸塩、スフィンゴシン、ジア シルグリセロール、アンモ ニウムもしくはアルキルアンモニウムイオンの源及びレチノール誘導体、(3) ジアシルグリセライド、レシチン及び胆汁酸塩、又は(4)(a)ジアシルグリ セライド、(b)レシチン、及び(c)次の性質: (a)生体外で単球と大食細胞を刺激して1以上のサイトカインを産生するこ とができる; (b)単球または大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生 することができる; (c)悪性の細胞系における抗増殖作用を有する の少なくとも1つを有するムチンの加水分解生成物又はプロテオグリカンの加水 分解生成物を含む組成物も意図している。 以下の実施例は、この発明を説明するものであるが、制限するものではない。 実施例1 この実施例は、本発明の組成物の製造を記載し、例証している。 ウシ胆汁を、少なくとも1歳半の健康な牛(雄ならびに雌の両方)から除去し た胆嚢から採取した。これらの牛は、食品用に認可され、検査された屠殺場で屠 殺された。屠殺した動物を検査して屠殺前の健康を評価し、胆嚢を肝臓から分離 して獣医師により調べ、胆嚢に寄生体と感染の形跡がなく、このために本発明の 胆汁源としての使用に好適であったことを確認した。 この検査をパスした胆嚢を以下の方法に付した: 胆嚢を70%エタノール溶液で拭き、嚢の外側を清浄にし、 シリンジで嚢から胆汁を除去した。除去した胆汁をシリンジで獣医師により視覚 的に検査し、胆汁が血液も膿も含まず、他の点では十分であることを確認した。 健康なウシ由来の胆汁は、実質的に血液と膿のない緑がかった流体である。肝臓 、脾臓及びリンパ節の断片を、その胆汁を採取した動物から採取し、寄生体と疾 病の他の兆候の存在についてその断片を調べた。 定義した胆嚢を有しない種(例えば、鮫)については、胆汁を肝臓器官から直 接得る。 申し分のないことが分かった胆汁を、エタノールを含有する目盛り付の琥珀色 (amber)のボトルに移し、50容量%胆汁/50容量%エタノール溶液を得る。 胆汁/エタノール溶液は、実質的に異質物質のない緑がかった流体であり、合衆 国薬局方XXII、B部(1994)に記載される方法にしたがってエタノール の陽性を試験した。これらのボトルをロット番号でラベルした。50頭の最小限 の動物から採取した胆汁を各ロットに回収した。 次いで、胆汁/エタノール溶液を20±2℃で少なくとも2時間半4200r pmで遠心分離した。上清液を移し、例えば2.5μmの保持を有するフィルタ ーでろ過し、pHとエタノール含量を調べた。次いで、移した液を活性炭処理に 付した。次に、280nmでの吸光度(OD)と導電率について処理液を調べた 。特定の範囲外のODレベル及び/又は導電率レベルは、特定の範囲内のODと 導電率に達するように活性炭での液のさらなる処理を必要とした。 活性炭の処理後、エタノールを蒸発(例えば、約85℃への加熱により)させ 、例えば2.5μmの保持を有するフィルターでろ過した処理液を、最初の胆汁 /エタノール溶液量の約1/8に濃縮した。次いで、濃縮液を20〜25℃に冷 却し、例えば2.5μmの保持を有するフィルターでろ過し、エチルエーテルと 混合し、エーテル相を捨てた。この工程は一度繰り返すことができる。水相を加 熱して(例えば、約10時間約55℃に加熱して)残留エーテルを除去し、さら に約80〜85℃に加熱して最初の胆汁/エタノール容量の1/10量に減少さ せた。次いで、外観、生物活性及びエタノールならびにエーテル含量について得 られた組成物を試験した。組成物は、透明な黄色がかった溶液で、本質的に異質 物質がなく、10ppm未満のエタノールと5ppm未満のエーテルを含んだ。 同一性と純度は、逆相高圧液クロマトグラフィー(逆相HPLC)を用いて測 定した。力価は、実施例2で記載するように、末梢血液単核細胞−腫瘍壊死因子 アッセイ(PBMN−TNFアッセイ、又は単にTNFアッセイ)としてここで 言及する単球/大食細胞活性試験を用いてアッセイした。 本発明の組成物の最初のバッチは、非緩衝液として製造した。その後のバッチ を緩衝液として製造し、塩酸(1%)溶液及び水酸化ナトリウム(1%溶液)な らびに緩衝として二塩基及び一塩基リン酸ナトリウム塩を用いて組成物のpHを 約7.4±0.2に調整して製造した。バイオバーデン(bioburden)還元を、6 0分間104±2℃で蒸気オートクレーブで行った。バ ルク溶液を5ml又は10mlの殺菌ボトルに充填し、密閉した。充填し、密閉 したボトルを60分間104±2℃でオートクレーブし、次いで23±1時間3 5℃でインキュベートする殺菌サイクルに3回付した。各殺菌サイクル(オート クレーブとインキュベーション)のあいだに、サンプルを採取し、バイオバーデ ンの試験をした。最後の殺菌サイクルの後、微粒子の存在を検出するために黒及 び白色のバックグランドでサンプルを視覚的に検査した。 検査後、特定化にしたがってロットを標本にし、試験した。試験は、同一性、 無菌性、発熱性、内毒素、バイオアッセイ、HPLC及び一般的な安全性を含む 。表1は、適当な場合にはデータの通常の範囲を含む、本発明の胆汁抽出物につ いて行った様々な試験について得られたデータを要約している。 したがって、本発明の組成物は、標準的な研究室の方法を用いて容易に入手可 能な胆汁源から調製でき、標準化した最終生成物を得ることができる。実施例2 この実施例は、実施例1の組成物の生物活性を記載する。 研究は、末梢血液単核細胞(PBMN)及び/又は前単球細胞の好適な系であ るU937細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC,Rockville, Maryland)からのサイトカイン放出について実施例1の組成物の作用を評価する ために行った。TNF−α、IL−1a、IL−2、IL−4、IL −6、IL−8、GM−CSF及びIFNのELISAアッセイを行った。これ らの研究は、実施例1により調製した胆汁抽出物を得られたバッチの力価を評価 する標準的な定量試験について試験を標準化するための基本を提供し、その試験 により、PBMN又はU937細胞でTNF−αの生産を刺激する胆汁抽出物又 はそれらの一成分もしくは成分類の能力を評価する。 全血液を、5人の健康な人の被験体からヘパリン化バキュテーナーチューブ(B eckton Dickinson,カナダ)に出した。PBMNsをフィコールハイパック(Fic oll-Hypaque)(Pharmacia)の勾配遠心分離で単離した。PBMNsをリン酸緩衝 塩水(PBS)で2回洗浄し、計測し、106細胞/0.5ml濃度でRPM1 640培養培地(Gibco Labs)に懸濁した。これらの細胞を24ウェルの平底組織 培養プレートで培養した(Falcon,Becton,Dickinson)。PBMN懸濁液の0. 5mlの分割量を、以下の表に示すように50ngのリポポリ多糖(LPS)( 大腸菌由来)、10μlの胎ウシ血清及び10〜300μlの実施例1の組成物 を含む各ウェルに加えた。組成物の高浸透圧性作用を、培養ウェルに用いた組成 物の10容量%に等価の量で蒸留水を加えて中和した。次いで、全容量をRPM Iで1ml/ウェルまでにした。PBSを対照として用いた。細胞を加湿した5 %CO2インキュベーターで37℃で2、6、24、48ならびに72時間培養 した。各インキュベーション期間の終わりに、細胞を収集し、無細胞流体を10 分間9000rpmで遠心分離して得た。次いで、サンプルをELISAのよう な 免疫アッセイまで−70℃で2週間まで保管し、存在するサイトカインを定量し た。 上清におけるサイトカインの合成は、ヒトPBMNをウェル当たり100及び 200μl容量の実施例1の組成物で刺激後に測定した。組成物の最初の調製物 は、サイトカイン産生に直接的な刺激作用を示さなかった(すなわち、LPSは 示さなかった)。たとえ作用があるとしても、サイトカインの産生は、PBMN sを培地のみでインキュベートした時の以下の構成(constitutive)レベルであっ た。 上清におけるサイトカインの合成は、ウェル当たり100μl容量の実施例1 の組成物を用いて、実施例1とLPS(LPS又は正の対照としてのLPSのみ )でPBMNsを刺激後に37℃で24時間測定した。最小限レベルのサイトカ イン5pg/mlを検出するTNF−αELISA(Endogen,Inc.)でT NFを測定した。用いた他のELISA免疫アッセイキットは、IL−1α(End ogen,Inc.)、GM−CSF(Endogen,Inc.)、RFN−α(Endogen,Inc.)、IL− 2(Advanced Magnetics,Inc.)、IL−6(Advanced Magnetics,Inc.)、IL −1(Advanced Magnetics,Inc.)、IL−4(R&D Systems)及びIL−8(R&D S ystems)を含む。結果は、少量のIL−1βならびにGM−CSFに加えて、T NFが上清に存在する主要なサイトカインであることを示した。例えば、実施例 1(バッチB0222)の組成物の40μl用量は、178pg/mlのTNF −α、136pg/mlのGM−CSF及び142pg/mlのIL−1βの産 生と放出を刺激した。 LPSの誘因するTNF放出について、実施例1の組成物の異なるバッチの作 用を調べた。要するに、同様の様式で、同じ動物から生じた組成物のバッチは、 同一の作用を誘導することが見出された。しかしながら、組成物の調製方法又は 異なる動物種から調製した組成物の使用における変化は、異なる作用を有する。 例えば、バッチB29/3006、B0213、B0241、BC0241−0 1、BCO0242(B=ウシ)及びCO203(ヤギ)は、表3に示すように LPSのみの誘因する上記TNFの強力な放出を誘導した。しかし、バッチ01 3/2109(ヒツジ)は、試験した全用量でTNFの放出を最小限に刺激した 。逆に、バッチR0201(サメ)は、試験したほとんどの用量でTNFの放出 を阻害した。表3に示すTNF値は、LPSとLPSのみで生じる刺激と組み合 わさるか、 それがない(less)実施例1の組成物で生じる刺激のTNF−α放出における違い として算出した。 実施例1の組成物が、LPSの誘因するヒトPBMNsからのTNF放出に作 用するので、一連の実験は、LPSの誘因するヒトPBMNsからのTNF放出 における組成物の作用を時間中調べるために行った。 表4は、2時間で、LPSの誘因するヒトPBMNsからのTNF放出のレベ ルが697pg/mlに上昇し、6時間で約2006pg/mlのピークに達し たことを示している。24、48ならびに72時間で、TNFの放出は累進的に 減少した。実際に、48ならびに72時間で、LPSの誘因するヒトPBMNs からのTNF放出は、ちょうど上記の構成産生レベルであった。逆に、バッチB 0213の組成物と組合わさったLPS(TNFの強力な刺激剤である)は、L PSの刺激作用が減少し始めた24時間目にTNFの放出のピークを誘導した。 LPSのみと異なり、バッチB0213の組成物と組合わさったLPSは、上記 の構成産生レベルで48ならびに72時間目にTNF放出の刺激を持続した。こ れらのデータは、実施例1のバッチB0213の組成物が、TNFの産生の刺激 において時 間中有効であることを示している。 サメから誘導され、TNFの放出阻害剤であるバッチR0201の組成物は、 2、6及び24時間目にTNF放出を顕著に阻害した。バッチR0201は、4 8、72時間で最小限の正又は負の作用を有した。 要するに、上記の結果は、組成物(例えば、サメ由来)の幾つかのバッチは、 LPSの誘因するPBMNsからのTNF放出を阻害するが、ウシ、ヤギ及びヒ ツジから誘導されるような他のバッチは、LPSの誘因するTNF放出を刺激す ることを示している。結論として、本発明の組成物は、正ならびに負の様式の両 方でTNFの産生を調節できる。データの要約を、図5及び表5に示す。 上述のPBMNs−TNFアッセイは、実施例1の組成物100μlとLPS 50ngを用いて標準化した。異なるヒトの被験体由来のPBMNsは、上述の とおりに得て、同日に用いた。3つのアッセイ(個々に被験細胞を用いた)のそ れぞれの結果は、異なる被験体間の反応における変化を補正するために 平均をとった。解析は、RPMI培地のみならびにLPS50ngの存在下で放 出されるTNF−α量の決定を含む。また、50ngのLPSと組合わさった実 施例1の組成物の100μlの存在下で放出されるTNF−αも決定した。培地 で放出されるTNF−αは、LPS値から減じてLPSのみの存在下で放出され るTNF−αを得た。培地とLPS値は、組合わせた組成物とLPSから減じ、 組成物のみの存在下で放出されるTNF−αを得た(pg/mlで示す)。した がって、TNFの放出アッセイは、胆汁抽出物の力価を定量するのに役立った。 また、この組成物は、本来組織リンパ腫の患者から誘導され、単球の多くの特 徴を示すU937細胞からTNF−αの放出を刺激することが見出された。U9 37細胞は、ATCCから得ることができる。それらは、10%熱不活化胎ウシ 血清(FCS,GIBCO)、2mM L−グルタミン(ICN Biomedical Inc,Costa Mesa, CA)及び10μg/ml硫酸ゲンタマイシン(SIGMA,Mississauga,オンタリオ、 カナダ)を捕捉したRPMI−1640培地(GIBCO,Grand Island,NY)で37 ℃で、CO25%で日常的に保存した。U937細胞の継代は3〜4日ごとに行 い、接種は初期濃度5x105細胞/mlであった。U937細胞は、ホルボー ル12−ミリステート13−アセテート(PMA,Sigma Chemical Co.St.Louis,MO) に暴露されることにより、単球に分化を刺激することができる。得られた単球は 、実施例1の組成物のみ、又はLPSとの組合わせのような刺激でTNFを放出 する能力を有する。 PMAは、10mM濃度でジメチルスルホキシド(DMSO,SIGMA)に溶解し、1 0μM濃度のストック溶液濃度にPBSで1000倍に希釈し、−20℃で保存 した。U937細胞の懸濁液は、室温で10分間350xgで遠心分離し、新鮮 で完全なRPMI−1640培地に2x106細胞/ml濃度で再構成した。細 胞の生存は、トリパンブルー色素の排泄で決定し、日常的に95%以上があった 。PMAをさらに完全な培養培地で500倍に希釈し、20nM濃度にした。 U937細胞(106細胞/ml)の0.5mlの分割量を、24ウェルの平 底組織培養プレート(Becton Dickinson,Lincoln Park,NJ)で0.5mlのPM A(20nM)の存在下又はそれなしで培養し、37℃でCO25%で72時間 インキュベートした。1ウェル当たりの最終濃度は、5x105細胞とPMA1 0nMであった。 インキュベーションから72時間後に、培地120μlを除去し、LPS(5 ng/μl)10μlの存在下又はそれなしで、実施例1の組成物100μlと 殺菌した脱イオン蒸留水10μlで置換した。インキュベーションから24時間 後に、あらゆる細胞と微粒子物質を10分間350xgで遠心分離によりペレッ トにし、得られた上清をTNF−αについてアッセイするまで−20℃で保存し た。全てのビルリジン(virulizin)サンプルを2つの別の場合について試験し た。 U937細胞の培養上清中のTNF−αを定量するために、Endogen,Inc.(Ced arlane Laboratories,Hornby, オンタリオ )から購入したTNF−α ELISAキットを用いて2部位(two-site)サンド イッチELISAを行った。製品により推薦される方法を用いた。簡単に言えば 、100μlのTNF−α標準と試験サンプルを抗ヒトTNF−αの前コートし た96ウェルのプレートに加え、37℃でCO25%で3時間インキュベートし た。洗浄緩衝液で十分に洗浄後、アルカリホスファターゼに結合した抗ヒトTN F−α100μlをプレートに加え、37℃でCO25%で2時間インキュベー トした。インキュベート後、プレートを上述のとおり洗浄し、前混合したTMB の基質100μlを各ウェルに加え、酵素の色反応を30分間暗所で室温で展開 させた。次いで、停止溶液100μlを各ウェルに加えて反応を止め、SLT Lab装置 ELISAリーダーを用いて450nmでプレートを読取る。アッ セイの検出限界は、5pg/mlであった。 U937細胞のTNF値を、PBMN細胞について記載したように決定した。 50ngのLPSを用いて試験した組成物の結果を表3に示す。 実施例3 この実施例は、実施例1の組成物の物理、化学ならびに生化学的特徴を記載す る。 実施例1により製造した組成物の3つの製造バッチについて、導電率、浸透圧 重量モル濃度のような物理学的特性及び全固体を決定した。表1にした結果は、 製造した生成物の無菌性、力価ならびに再現性を決定し、それにより生成物を特 定している。エタノール及びエチルエーテル試験は、方法中(in-process)の試験 のみである。力価、すなわちTNF放出は、実施例2に記載するように決定した 。特徴を決定するために用いた方法を、以下に作表する。 導電率、浸透圧重量モル濃度のような上述の物理及び化学的特性と全固体は、 99%以上が塩の組成物で構成した。組成物中の固体の1%未満は有機物質で、 固体の約半分は炭水化物であり、残りはアミノ酸、脂質及びリン脂質であった。 タンパク質とペプチドも存在した。SDSゲル電気泳動により、組成物中でタン パク質よりペプチドの多いことを確認した。高分子量分子は、検出されなかった 。 本発明の組成物についてのHPLCとバイオアッセイ試験は、緩衝液及び濃縮 配合物(fourmula)として生成物を特徴づけるのに用いた。以下に記載するHP LCの結果により、生成物はそこに示す全てに同一であったことが示されている 。 連結カラムの逆相HPLC方法は、実施例1の組成物を特徴づけるのに用いた 。この方法のために、サンプルを凍結乾燥させ、次いで緩衝液A(0.1%トル フルオロ酢酸(TFA))で再構成し、プリムスフェア(prime-sphere)のHC− C18カラム(250x4.6mm:Phenomenex)を連結したWP60009− C18カラム(W−PORE、C18、250x4.6mm:カルフォルニアの Phenomenex)で流した。カラムを緩衝液Aと緩衝液B(100%アセトニトリル 中0.1%TFA)を用いて環境温度で、流速0.9ml/分で操作した。15 0μlのサンプルを最初のカラムに用い、緩衝液Aを20分間システムを通して 動かした。次に、緩衝液Bの0−80%の最初の直線グラジエントを35分間行 い、次いで緩衝液Bの80−0%の第二の直線グラジエントを5分間行った。溶 出した組 成物は、190〜284nmの光学吸光度で検出し、ほとんどの作動は210及 び235で検出した。 実施例1の組成物は、ピークが認められた逆相HPLCにおいて一貫して再現 性あるパターンを示した。本発明の組成物の3つのロットに関する逆相HPLC を図1〜3に示す。 実施例1として製造し、A−Fをラベルした胆汁抽出物の6つのバッチは、生 理学的様式で操作するLKB 4151 Alphaplusアミノ酸解析でそ れらのアミノ酸を解析し、カラム後にニンヒドリンで検出した。nmol/10 0μlでのその結果を表8に示す。 また、ウシDNAの存在について、サンプルA−Fを評価した。サンプルを、 ウシゲノムから得た32P標識ウシDNAプロ ーブを利用して調べた。アッセイは、サンプル、反応性(spiked)サンプル、負 ならびに正の対照、及び標準を含む。研究は、GLP調節剤にしたがって行った 。このアッセイは、3.9pgの参照の標準DNAを検出した。各サンプルは、 9p/ml未満のDNAを含むことを算出した。 また、様々な電解質の存在について、サンプルA−Fを試験した。この解析は 、トロント大学の臨床生化学部、バイオテクノロジーサービスセンターにより提 供された。nmol/μlでのその結果を表9に示す。 サンプルA−Fを、標準条件下で誘発的結合マススペクトルメトリー(ICP −MS)による半定量的の多元素解析に付した。100万当たりの部(ppm) における結果を表10に示す。 アニオンとカチオン分析をサンプルA−Fで行った。この分析のために、サン プルを‘APHA Standard Methods For The Examination Of Water and Wastewate r’16版(1985)又は‘MOE Handbook Of Analytical Methods For Environmenta l samples’(1983)に推薦されるように製造した。アニオン/カチオン分析装置 は、(1)金属用のJarrell Ash 61E ICAP 放射(emissio n)(Perkin Elmer 3030 Zeeman Graphite Furnace及びPerkin Elmer 2380 Cold V apour AA)、(2)アニオン用のDionex 2000iイオンクロマトグラ フ、及び従来のSkalar SA5セグメント フロー解析であった。mg/ lでのその結果を表11に示す。 幾つかの硫酸エステルが、細胞増殖及び分化のような多くの細胞反応の調節に 関与するので、酸加水分解前後の硫酸鉄イオ ンについてサンプルDを分析した。全サンプルD(すなわち未画分)を用いて、 非加水分解サンプルは100μMの硫酸塩を生じたが、加水分解サンプルは、1 200μMの硫酸塩を生じた。硫酸塩イオンの濃度が酸加水分解後に増加したの で、これらの結果は、存在する全硫酸塩イオンの20%は硫酸エステルであるこ とを示唆している。 物理化学的な標準は、実施例1の組成物について同定し、実施例4で記載した 初期研究と本質的に一致した。これらの標準は、一貫性のある生成物が繰り返し 得られることを示している。実施例4 この実施例は、実施例1の組成物のかなり初期のバッチの物理的、化学的及び 生物学的特性を述べる。 胆汁抽出物のバッチは実施例1で述べた方法に従って調製した。さらに、その バッチの化学的組成を測定し、実施例3で述べた方法を用いて、バッチのアミノ 酸分析を行った。その結果を以下の表に示す。 実施例5 この実施例は、実施例1の組成物の画分の生物学的活性について述べる。 実施例1の組成物の画分の生物学的活性を詳細に調べた。分析結果は、小分子 量の成分(つまり、3000ダルトン未満)に属する組成物の生物学的活性に一 致した。これは、組成物を実施例3に述べた逆相HPLCに通し、画分を溶出し て単離し、実施例2で述べたPBMN−TNFアッセイにより力価を分析した。 顕著な活性が、3000ダルトン未満の分子量と一致する初期の溶出ピーク( F1)、つまり5.6〜6.2分においての み検出された(表15参照)。 追加実験を、活性(TNF−放出)成分が3500ダルトン未満及び1000 ダルトン未満の分子量を有することを示すために以下のように行った。バッチB C0241をタマリら(Tamari et al.)のAgr.Biol.Chem.,40(10),2057-2062 (1977)に従ってホルチ(Folch)抽出を行うことによって分画した。水相をロトバ ップ(回転式エバポレータ)で乾燥し、淡褐色、粒状固体を得た。この固体のス トック溶液を5mg/mlの濃度に調製した。ストック溶液の一部を、3500 又は1000ダルトン分子量カットオフ膜を有するセントリ/ポア(Centri/por )遠心濃縮器(スペクトラム プロダクト、ヒューストン、テキサス)にかけた 。濃縮器は約1500×gで、材料の一部が膜を通過するまで遠心した。膜を通 過した溶液はPBMN−TNFアッセイにおいて力価を評価した。その結果を表 16に示す。 従って、分子量画分の生物学的活性の分析は、TNF−放出成分が1000ダ ルトン未満の分子量であることを示す。実施例6 この実施例は、実施例1の組成物の培養におけるT及びBリンパ球における効 果を示す。 ヒトリンパ球の生育を、実施例1の組成物の存在、非存在下の注意深く制御し た条件下で試験した。標準濃度のリンパ球を、種々の濃度の組成物を含むウェル 中でインキュベートした。正常T及びBヒトリンパ球を、臨床上での使用と同様 の濃度で組成物とインキュベートしたとき、トリパンブルー色素の排泄によって 評価される副作用はなかった。従って、本発明の組成物は、培養における正常T 及びBリンパ球に対して非毒性であった。 生存ヒトPBMNにおける組成物の作用も試験した。PBMNは24及び48 時間、種々の組成物容量及び組織培養培地で、プラスティックのマイクロウェル プレート中でインキュベートした。この時間の終了時、生存細胞の数は、トリパ ンブルー色素の排泄によって算定した。 上記のデータは、生存細胞の数が24時間及びさらに48時間で減少したが、 組成物の存在、非存在下の生存細胞の数は差異がなかったことを示す。さらに、 組成物の容量の増加は生存には影響を与えなかった。よって、組成物はヒトPB MNに対して細胞毒性を示さなかった。 リンパ球を刺激する組成物の能力を、以下の3つの指標系で評価した。1)リ ンパ球DNA合成の刺激、2)リンパ球−媒介細胞毒性機能の誘発、3)単球/ 大食細胞−媒介細胞毒性機能の誘発。これら試験はスクリーンのため選択した。 なぜなら、 それらは悪性疾患の患者において異なる臨床的なパラメータが伴なわれているこ とを示している免疫学的作用を測定するからである。これら免疫作用の指標は、 またIFN又はIL−2のような異なる生物学的応答制御剤で治療した癌患者に おいて調節されるかもしれない。初期スクリーニング法の結果を以下に示す。 1.リンパ球DNA合成の刺激: 植物性赤血球偽凝結素(PHA)の最適刺激濃度と比較 プロトタイプの分裂促進因子、PHAとは異なって、実施例1の組成物は、リ ンパ球が幼若化及び細胞分割を行うことを刺激しないことを示し、組成物によっ てDNA合成の刺激が起こらないか、殆ど起こらないことを示す結果と一致する 。 2.リンパ球−媒介細胞毒性機能の誘発及びIL−2の最適最適刺激濃度との比 較 リンパ球の細胞毒性作用のプロトタイプの刺激剤、IL−2とは異なって、組 成物は、リンパ球の細胞毒性を引き出さない。組成物によって刺激された溶解単 位の数は、負の対照(つまり、培地)のそれとほぼ同等であった。 3.組成物による単球/大食細胞−媒介細胞毒性機能の誘発:IFN−γ及びL PS(IFN+LPS)との比較 実施例1の組成物は、容量依存的に抗腫瘍機能を表すための末梢血単球を刺激 することができた。この刺激の大きさはIFN−γ及びLPSのプロトタイプの 大食細胞活性化剤の組み合わせによって引き出されたものに匹敵する。生体外ア ッセイでのこれらの組成物の作用は、他のいずれもの大食細胞活性化剤の場合に おけるように、内毒素の添加を必要としないことを認識するために重要である。実施例7 この実施例は、実施例1の組成物に、サイトカインが存在するかどうかを調査 するために行ったアッセイの結果を示す。 実施例1に従って調製した胆汁抽出物のサンプル(50μl及び100μl試 験ごとの分割量)を、以下のサイトカインの存在のために試験した(使用したE LISAイムノアッセイキットの源及び検出限界はカッコ書きで示す)。TNF −α(Endogen,Inc.(5pg/ml))、IL−1α(Endogen,Inc.(50p g/ml))、IL−1β(4.3pg/ml)、GM−CSF(Endogen,Inc.) 、RFN−α(Endogen, Inc.)、IL−2(Advanced Magnetics,Inc.)、IL −6(Advanced Magnetics,Inc.)(7pg/ml))、IFN−γ(5pg/ ml)〔源〕、IL−1(Advanced Magnetics,Inc.)〔必要限界〕、IL−4( R&D Syetems(3pg/ml))、及びIL−8(R&D Syetems(4.7ng/m l))。使用した方法は、個々のキットの指示に従い、通常の技術者によって容 易になし得る。 本発明の組成物は、表18に示したように、試験したいずれ のサイトカイン、つまり、TNF−α,IL−1α、IL−1β、IL−4、I L−6、IL−8、GM−CSF及びIFN−γも測定できるレベルを含んでい なかった。 実施例8 この実施例は、実施例1の組成物でのマウスにおける薬力学的試験を、直接の 生体外におけるビルリジンTMの作用並びにマウス腹膜大食細胞におけるビルリジ ン生体内投与の作用を含めて記載する。 腹膜大食細胞は、C57BL/6マウスから、4%プロテアーゼ ペプトン1 .5mlの腹膜内注射の72時間後に採取した。大食細胞は、次いで、培地単独 、50ngLPS又はビルリジンで、生体外で刺激した。刺激の測定は、TNF (ELISAによる)及びNO(グレイス試薬を用いたスペクトロフォトメータ アッセイによる)レベルについて、二重実験で行った。二重実験の間の平均の 標準エラーは10%未満であった。表19に示したように、ビルリジンは、バッ クグラウンド(培 地)レベル(120 pg/ml)に比較してTNF−α産生(60−232pg/ml) のわずかな増加を示したが、LPS(2225pg/ml)との比較におけるビ ルリジンは、大食細胞のTNF−α放出を強力に刺激しなかった。一酸化窒素産 生はゼロであった。 TNF−α放出に対する生体外におけるビルリジンとLPSとの相乗作用をも 示す。腹膜大食細胞は、C57BL/6マウスから、上記と同様の処理の後、採 取した。大食細胞は、次いで、50ngLPS単独又はビルリジンの異なった希 釈度を有するLPSで刺激した。上記したように、TNFはELISAにより測 定した。表20に示したように、LPS単独では、培地262pg/mlに比較 して、生体外において、マウス腹膜大食細胞からの約2900pg/mlのTN F−α放出を示す。LPSをビルリジンと組み合わせたとき、ビルリジン1:5 及び1:10の希釈度で、TNF−α放出を約800pg/ml 増加し、少なくとも1:40まで放出を高めた。 一酸化窒素(NO)に対する生体外におけるLPSのビルリジンの相乗作用は 、処理した大食細胞の上清液においてNOを測定した以外、上記と同様の方法に おいて示される。上記したように、NOのアッセイはスペクロトフォトメータに より、グレイス試薬を用いて行った。上記の表に示したように、LPSはNO( 9μM)のいくらかの放出を引き起こす。ビルリジンのLPSでの相乗作用は、 1:40の希釈度に対してNO産生(13−27μM)において目立った増加を 刺激する。それ自体によってビリルジンは、大食細胞によるNOの放出を刺激し なかった。 TNF−α放出に対する生体外におけるIFN−αのビルリジンの相乗作用を 、上記のように処理したC57BL/6マウス由来の同様の腹膜のマウス大食細 胞を用いて試験した。デー タは、上記の“相乗作用の組み合わせ”について表中に示す。示したように、腹 膜のマウス大食細胞は、生体外培養の24時間後にTNF−αのベースライン放 出を示す。LPS又はIFN−αのいずれかで刺激された同様の大食細胞はTN F−αを約3000pg/ml放出する。ビルリジン及びIFN−αを共に添加 したとき、TNF−αの放出が減少した。一方、LPSとIFN−αの組み合わ せは、TNF−α放出で付加的な作用を有する。 NO放出に対する生体外におけるIFN−γのビルリジンの相乗作用を、上記 のように処理したC57BL/6マウス由来の同様の腹膜のマウス大食細胞を用 いて試験した。データは、上記の“相乗作用の組み合わせ”について表中に示す 。示したように、LPS及びIFN−γ単独はそれぞれNO産生を高めた(それ ぞれ9及び7μM)。IFN−γへのビルリジンの添加は、NO産生において、 LPSとIFN−γとの組み合わせに(74μM)ほとんど匹敵する目立った増 加(47〜57μlM)を刺激した。その結果は、IFN−γとの組み合わせで ビルリジンがNO産生を高めるが、TNF−α放出を阻害するという結果に一致 する。 生体内における72時間にわたるTNF−αの産生を、収集する前に何ら処理 しない、72時間前に1.5及び4%プロテアーゼペプトンを腹膜内に注射した 、あるいはPBSで1:10に希釈したビルリジン1.0mlで72、48、2 4時間前に腹膜内に注射したC57BL/6マウスから収集した大食細 胞で試験した。大食細胞の単層はIFM−γ(50μl/ml)、LPS(5n g/ml)単独又はそれらの組み合わせで、24時間生体外で処理した。TNF 及びNOは上記したように測定した。そのデータを表20に示す。 示したように、大食細胞からのTNF−αの放出を、生体外培養24時間後に 、刺激剤の非存在下、あるいはIFN−γ、LPS又はLPS/IFN−γで試 験した。マウス腹膜大食細胞は、生体内でのビルリジンでの刺激後、ほとんどT NF−α放出を示さなかった。収集した大食細胞を、試験の24及び48時間前 にIFN−γに暴露したとき、それらはわずかにTN F−α産生の増加を示した。一方、試験の24及び48時間前(72時間前では ない)にLPSで刺激した収集大食細胞は、高められたTNF−αの放出を示し た。さらに、試験の24及び48時間前(72時間前ではない)に刺激された収 集大食細胞に対して、LPSとIFN−γとの相乗効果があった。 生体内における72時間にわたるNOの産生を、大食細胞で、TNF−α産生 に対して上記で述べたのと同様の条件下で試験した。ビルリジンの腹膜内注射( 以下、IPビルリジンと記す)の24及び48時間後に、わずかなNOの自発的 な放出が測定された。採取細胞をIFN−γでインキュベートしたとき、NOの 目立った放出があり、試験の24及び48時間前にIPビルリジンが行われた収 集大食細胞は、NOの放出において指数関数的な増加を示し、72時間でIFN −γ単独のベースライン値にまで降下した。採取細胞はLPSを刺激し、それら はNOの顕著に高められた放出を示し、IPビルリジンを受けていない大食細胞 と比較して、ビルリジン処理大食細胞で24時間及び48時間観察された。72 時間前にIPビルリジンを受けた採取大食細胞は、ビルリジン前処理を受けてい ない大食細胞とは異ならない応答であった。最後に、IPビルリジンで前処理し た採取大食細胞を、LPS/IFN−γとインキュベートした。それらは、その ような前処理をしない大食細胞と比較してNO産生の助長を示した。最大の応答 は、試験及び収集の48時間前にビルリジンで前処理を行った大食細胞であった 。実施例9 この実施例は、実施例1の組成物での、かつ同様の試験方法での単球及び大食 細胞の活性化を示す。 研究は、単球の毒性を測定するために使用される、チャンヘパトーマ細胞系( Chang hepatoma cell line)に対する細胞毒性を証明するために、実施例1の組 成物が正常単球を活性化することを示し、それは、単球毒性を測定するために使 用され、さらに、癌患者(例えば、頸、卵巣、耳/鼻/喉及び子宮内膜/子宮、 及び慢性骨髄生白血病の癌にさいなまれているもの)からの単球及び大食細胞は 、組成物によって刺激され、同じ患者由来の腫瘍細胞を攻撃及び破壊することを 示す。 さらに詳細には、単球の抗腫瘍作用を本発明の組成物の存在下で試験し、これ らの実験のための基本的な方法を以下に概説する。この方法を、略して“細胞系 及び自己腫瘍細胞に対する単球/大食細胞の細胞毒性アッセイ”又は“細胞毒性 アッセイ”と命名する。 その方法は、単球/大食細胞の単離を必要とし、以下のように行われる。静脈 血を、ヘパリン処理したバキュテーナ管中に無菌的に採取する。無菌の保存剤の 入っていないヘパリンを最終濃度20ユニット/mlとなるまで添加する。血液 を、ハンク平衡塩溶液(HBSS)で3:1に希釈し、リンパ球分離培地に層状 化し、末梢血単核細胞(PBMN)のバンドを得るために遠心分離した。遠心分 離後、単核球細胞層を界面から回収し、培地(培地、10%熱不活化胎ウシ血清 、50ユニット/mlペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシンを添加 したロズウェル パーク メモリアル インスティテュート〔RPMI〕164 0培地)で2回洗浄し、単球をラテックス消化によって数える。単球を96ウェ ルのプラスィックプレート中に接着(37度にて2時間、その後2回培地で洗浄 )することによって単離する。接着細胞は90%より多い単球であると見積もる ことができる。接着細胞を含むウェルをビルリジン(最終希釈度が1:10〜1 :200)の存在下で一夜インキュベートする。次いで、接着細胞をビルリジン を除去するために洗浄し、腫瘍細胞とともに一夜インキュベートする。腫瘍細胞 を、内毒素の濃度が製造者によって低いことが保証され、アッセイにおいて非刺 激性である培地中で保持する。 標準細胞系を使用した試験において、51Cr(クロム)標識チャンヘパトーマ 細胞を使用した。なぜならばこの細胞系は、天然キラー細胞の細胞毒性に対して 感受性が鈍いからである。これらのヘパトーマターゲット腫瘍細胞を、エフェク ター:ターゲット(E:T)20:1〜15:1の細胞比で接着細胞単層に添加 した。このE:T比は、5:1〜30:1にE:T比を変化させることによって 調製した曲線におけるプラトーな範囲に十分に収めるために用いた。24時間後 、上澄み液を収集し、51Cr放出を定量する。比細胞毒性の%を以下のように算 出する。 上記の式において、Eはエフェクター細胞の存在下におけるターゲット細胞か ら放出されたCPM、Sはエフェクター細胞の非存在下におけるターゲット細胞 から放出されたCPM、Tはドデシル硫酸ナトリウム2%で処理した後のターゲ ット細胞から放出されたCPMである。 自己腫瘍細胞を用いた試験について、これら細胞は、外科的生検から得、51C rで標識し、上記したヘパトーマ細胞と同様に用いた。 腹膜及び肺胞の大食細胞の調製を、ブラウンらのCancer Research,53,3362- 3365(1993)に記載された方法で行う。 このプロトコールを使用することにより、組成物は、健康なドナー由来の単球 にチャンヘパトーマ細胞系に対する細胞毒性を発揮させることが見いだされた。 続いて、癌患者からの単球及び大食細胞が、組成物によって刺激され、彼ら自身 の特別な腫瘍を攻撃し得るか否を調査した。標準細胞系(チャンヘパトーマ細胞 )について述べたような同様のプロトコールを使用することにより、癌患者から の単球及び/又は腹膜の大食細胞を単離した。腹膜の大食細胞は、腹腔鏡検査時 に採取した腹膜液から単離した。 組成物は、患者自身の腫瘍細胞に対する細胞毒性を引き起こすために頸部癌の 患者からの末梢の単球及び腹膜の大食細胞を活性化することが見いだされた。こ の作用は、IFN及びLPSの組み合わせによって引き起こされる作用に匹敵す るか、あるいはそれ以上であった。卵巣癌の患者からの腹膜の大食細胞 は、また、組成物によって刺激され、培養において卵巣腫瘍細胞を攻撃し、破壊 することが見いだされた。組成物での単球/大食細胞研究 スクリーニング法は、組成物がリンパ球機能を刺激しないが、単球機能を刺激 することを示したので、次の研究は組成物の単球/大食細胞刺激性活性の更なる 特徴づけを目指した。単球/大食細胞腫瘍破壊性機能刺激における組成物の用量 反応特徴を決定することを目指した多数の比較研究を、異なる化合物バッチを試 験するのと同様に行なった。研究の主な強調点は、癌患者の異なる解剖的位置か らの単球及び大食細胞における組成物の腫瘍破壊性機能を刺激する能力を試験す ることにあった。これらの研究については、次のことに依存した:(1)癌患者 と対照の患者からの末梢血単球;(2)肺癌患者及び非悪性肺病の対照の患者か らの肺胞大食細胞;及び(3)婦人科学の悪性腫瘍を有する患者からの腹膜大食 細胞。 組成物の異なるバッチの用量反応研究は、すべて実施例1により調製し、完了 した。これらの研究は、末梢血単球に基づいて、異なる用量及び異なるバッチ( バッチ番号216、219及び222)の組成物の刺激活性を試験した。組成物 の各バッチは、希釈なし(ニート)、物質の1:10希釈及び1:50希釈で試 験した。結果を図14に図示する。 バッチ#222及び#216は、単球腫瘍破壊性機能を刺激することを示した が、バッチ#219は示さなかった。これらの予備的な調査では、#222が# 216よりも優れていると 思われた。バッチ#222は薄めていない(ニート)場合及び1:10希釈の場 合で弱いが、同等レベルの腫瘍破壊性機能を刺激するようであり、1:50希釈 の場合でも活性は依然検出可能であった。バッチ#216は、薄めていない(ニ ート)濃度の場合に顕著な腫瘍破壊性機能を示し、1:10希釈の場合には弱い 活性を、そして1:50希釈の場合には活性は検出されなかった。上述のように 、バッチ#219は、いずれの試験濃度の場合にも検出可能な単球腫瘍破壊性機 能を示さなかった。 末梢血単球中の腫瘍破壊性機能も同様に測定した。試験は対照患者からの4つ の末梢血単球について行なった。これらの試験は、組成物の最適刺激濃度(バッ チ#222の1:10希釈)及びIFN−γ+LPS最適刺激濃度を利用した。 これらの研究のターゲット細胞は培養された、NK−非感受性の細胞系、すなわ ちチャンヘパトーマであった。結果を次の表に示す。 試験は子宮癌の患者由来の1つの単球サンプルについても行なった。患者自身 の腫瘍細胞が分析中にターゲット細胞として使用されうるので、この試験は重要 である。前述のように、この試験は組成物の最適刺激濃度(バッチ#222の1 :10希釈)及びIFN- γ+LPS最適刺激濃度を利用した。また、 エフェクター/ターゲット細胞比は患者の腫瘍細胞を維持するために15/1に 減じた。この試験の結果を次の表に示す。 対照患者からの末梢血単球中で、組成物はチャンヘパトーマ細胞に対し、IF N- γ+LPSの最適刺激濃度でみられるレベルと同等以上のレベルで単球腫瘍 破壊性機能を刺激した。子宮癌患者からの末梢血単球中では、組成物は患者自身 の腫瘍細胞に対し、IFN- γ+LPSでみられるレベルより30%増しのレベ ルで腫瘍破壊活性機能を刺激した。 婦人科学の悪性腫瘍患者由来の腹膜大食細胞における腫瘍破壊性機能を試験し た。これら試験は子宮癌患者1人及び卵巣癌患者1人の洗浄体液から単離した腹 膜大食細胞サンプルについて行なった。これら試験は、患者自身の腫瘍細胞を分 析中のターゲット細胞として行なった。前述のように、組成物の最適刺激濃度( バッチ#222の1:10希釈)及びIFN- γ+LPS 最適刺激濃度を対照 とした。また、エフェクター/ターゲット細胞比は、患者の腫瘍細胞を維持する ために15/1に減じた。その結果データは: これらの試験は、局所腫瘍の環境が免疫学的活性剤に対する免疫細胞の反応の 決定子でありうるという事実を強調した結果となった。子宮癌のこの場合、腹膜 腔に悪性の病気の病理学的形跡はなく、自己由来腫瘍に対する腫瘍破壊性機能の 向上は、IFN- γ及びLPSを合わせた方が組成物での機能よりも良好だった 。卵巣癌患者には、腹膜腔に著しい腫瘍が存在した。患者自身の腫瘍細胞に対す るIFN−γ及びLPSを合わせた物への反応は、せいぜい最小値で、一方組成 物への反応はより大きかった。 肺癌患者及び対照患者由来の肺胞大食細胞における腫瘍破壊抑制機能を試験し た。これら試験は、1人の非小細胞肺癌患者及び3人の非悪性肺病患者の気管支 肺胞洗浄体液から単離した、肺胞大食細胞サンプルについて行なった。これら試 験は、組成物の最適刺激濃度(バッチ#222の1:10希釈)及びIFN- γ とLPSの組み合わせの最適刺激濃度を利用した。これらの研究のターゲット細 胞は、チャンヘパトーマ細胞であり、エフェクター/ターゲット細胞比は20/ 1であった。結果データは: 結果は、IFN- γ+LPSのような従来の大食細胞活性剤に応じて腫瘍破壊 性機能が向上し、肺癌患者からの肺胞大食細胞が減じていくという観察と一致し ている。結果は、肺癌患者からの肺胞大食細胞の腫瘍破壊性機能が対照患者に比 べて著しく減じていると示していた。先に示したデータは、ビルリジンが肺胞大 食細胞の弱い刺激剤であると示していた。さらに非小細胞肺癌患者由来の肺胞大 食細胞の研究は、実施例23に示してある。肺胞大食細胞における活性は、ビル リジン調製物により異なっているようである。それゆえ、肺胞大食細胞毒性は、 試験したバッチ(222、219、216)から調製した肺胞大食細胞のわずか 2/7にみられた。一方、3/4の肺胞調製物はあとの調製物(233、238 )で刺激された。この相違は、調製品の年齢及び効力又は患者の多様性に関連す る。つまり、組成物は肺胞大食細胞において腫瘍破壊性活性を活性化することが できる。 組成物の予備的な生体外試験は、それが大食細胞活性剤であることを証明して いる。供給された物質は、NK非感受性細胞系及び新鮮な分離したヒト腫瘍細胞 に対する標準細胞毒性分析において腫瘍破壊性活性を示すことができた。示され た活性は、 これらの試験で濃度依存性であることも判明した。生体外で組成物の大食細胞腫 瘍破壊性機能を活性化する能力は、現在知られている最適な大食細胞活性化の組 み合わせ、すなわちIFN- γ及び内毒素(すなわちLPS)の組み合わせのそ れと匹敵する。上述のように、もし物質が内毒素の汚染を受けていなければ、内 毒素なしでのこのレベルの腫瘍破壊性機能を示す組成物は、生物学的に重要とみ なされる。組成物は米国薬局方(USP)社のウサギ発熱物質試験により発熱物質を 試験した時、内毒素により汚染されていなかった。 他の大食細胞活性剤でも見られたように、組成物の大食細胞腫瘍破壊性機能で の活性は大食細胞の源毎に異なっている。組成物は、正常なドナーに対しIFN - γ+LPSと同等で、癌患者のドナーに対しIFN- γ+LPSより多分優れ ている、末梢血単球の優れた活性剤のようである。悪性の病気は使用した刺激剤 により単球の腫瘍破壊性機能の向上に著しい影響を与える(Braunら、(1991)) 。癌患者の単球における異なる大食細胞活性剤の生物学的活性の一決定子は、ア ラキドン酸代謝及び細胞のプロスタグランジンによる分泌に対する活性剤の感受 性である。組成物についてのこれら初期の研究から、化合物により示された活性 はプロスタグランジンの阻害活性に対し感受性ではないようである。プロスタグ ランジン非感受性が組成物で刺激された癌患者の単球に確かに証明できるならば 、このことは多くの他の生物的活性剤の効果はプロスタグランジンにより制限さ れるため治療的に重要とみなされる。2つのサンプルで の予備的な研究は、特に悪性の病気が腹膜腔に存在する場合、組成物が腹膜大食 細胞において良好な活性を有することを示している。 これらの予備的な結果はまた、異なる婦人科の悪性腫瘍患者の腹膜大食細胞に おいて腫瘍破壊性機能を刺激する異なる活性剤の能力を比較するとき、何が発見 されるかを示している。これらの研究では、腹膜腔での悪性の病気の存在が、特 定な活性剤への腹膜大食細胞の反応性に影響を与えることが知られていた。子宮 癌の患者では、悪性の病気は一般に腹膜腔には存在せず、それ故IFN- γ+L PSに対する内在する大食細胞の反応は正常である。病気が腹膜腔に存在すると 、しかし、卵巣癌の場合のようにIFN- γ+LPSに対する反応は抑制される 。これは、部分的に、悪性の病気が存在すると腹膜大食細胞のアラキドン酸代謝 における変化に関係している(Braunら、1993)。組成物が卵巣癌患者からの腹膜 大食細胞において、患者自身の腫瘍細胞に対し腫瘍破壊性を活性化するという事 実は、アラキドン酸代謝経路と独立であるという活性化の機構と一致する。 従って、先に生体外研究で示したように、本発明の組成物は単球及び大食細胞 を活性化し、その免疫系機能を増加させることができる。実施例10 本実施例は、婦人科の病気の患者からの末梢血単球及び腹膜大食細胞において 本発明の組成物や他の大食細胞活性剤に応答した腫瘍破壊性機能を示す。 患者の母集団は、7患者からなり、3人は良性腫瘍、4人は悪性腫瘍(2人は 卵巣癌、1人は子宮内膜癌そして1人子宮癌)であった。サンプルは外科的な処 置の時患者から取り除く。末梢血単球を含む調製物は、Braunらにより設定され た手順(Cancer Immunol.Immunother.,32,55-61(1990))を使用して血液サンプル から単離し、腹膜大食細胞を含む調製品をBraun らにより設定された(Cancer Re search,53,3362(1993))ように単離した。本発明の組成物(貯蔵バッチ#222 の1:10希釈)及び他の活性剤、すなわちIFN- γ(100U/ml)、IL−12 (500U/ml)及び単球−CSF(500U/ml)に対応した腫瘍細胞細 胞毒性は、Braun らの中に記載されている単球細胞毒性分析を使用して評価した 。 以下の表に示す結果は、本発明の組成物が悪性及び非悪性婦科病の病気の患者 からの末梢血単球及び腹膜大食細胞中の両方において、腫瘍破壊性機能を刺激す ることを示している。結果は単球/腫瘍細胞比15:1での腫瘍細胞毒性(±S .E)のパーセンテージとして示した。 末梢血単球及び腹膜大食細胞の刺激 従って、本発明の組成物により示された腫瘍細胞毒性は、試 験した他の生物学的刺激剤によるそれと同等以上である。実施例11 本実施例は、プロスタグランジン合成阻害剤であるインドメタシンの、本発明 の組成物に応答した腫瘍破壊性機能の向上に対する効果を示す;癌患者からの末 梢血単球に対する他の大食細胞活性剤の影響も同様に調べた。 インドメタシン(5ng/mlまで)を本発明の組成物、IL−12(500 U/ml)及び単球−CAF(500U/ml)に同様に加えた以外は、実施例 10の悪性の病気の患者由来のサンプルを、実施例10で述べた分析方法を使用 して試験した。 以下の表に示すように結果は、インドメタシンはIFN- α、GM−CSF及 びM−CSFに応答した細胞毒性が増加することを示す。 インドメタシンの細胞毒性増加 それ故、IFN- γ、GM−CSF及びM−CSFに応答した腫瘍破壊性機能 の向上は、インドメタシン感受性機能により調節された。一方、ホルボルエステ ル(Phorbol-Ester)(PMA)、IL−12及び本発明の組成物に応答した腫瘍破 壊性機能の向上はインドメタシン非感受性機能により調節されず、すなわちイン ドメタシンは本発明の組成物、IL−12及びPMAに応答した細胞毒性を増加 させなかった。実施例12 この実施例は、インドメタシン存在下での、本発明の組成物に応答した腫瘍破 壊性機能向上に対するプロスタグランジンE2の効果を示している。 患者の母集団は、1人の正常な及び9人の患者(1人の健常者、2人の膵臓癌 、2人の頭部及び頚部腫瘍、1人の子宮内膜症及び4人のHIV)からなる。末 梢血単球を含む調製品はBraun(1990)らにより設定された手順により単離した。 PGE2(108M)存在下又は非存在下での本発明の組成物(貯蔵バッチ#22 2の1:10希釈)及びインドメタシン(5ng/mlまで)へ応答した腫瘍細 胞毒性は、Braun らに記載のように単球細胞毒性分析を使用して評価した。 結果は、単球/腫瘍細胞比15:1の場合、腫瘍細胞毒性パーセンテージで以 下の表に示す。 実施例1の組成物に応答して向上する腫瘍破壊性機能へのPGE2の効果 病態生理学レベルのPGE2(10-8M)は、発明の組成物に応答し発生した 腫瘍破壊性機能レベルを抑制できなかったことを以下のデータは示している。こ の結論はIFN- γにより刺激された単球(Braunら(1993))における腫瘍破壊性 機能を抑制するPGE2の能力と、対照的である。実施例13 この実施例は、本発明の組成物により刺激された単球における自己由来の腫瘍 細胞に対する、腫瘍破壊性機能向上を示している。 末梢血単球を含む調製品は、7人の患者(3人の卵巣癌、1人の子宮内膜癌、 1人の子宮癌及び2人のENT癌)由来の血液サンプルからBraun ら(1990)に設 定された手順で単離した。PGE2(10-8M)存在下又は非存在下での本発明 の組成物 (貯蔵バッチ#222の1:10希釈)及びインドメタシン(5ng/ml)へ 応答した腫瘍細胞毒性は、患者の腫瘍細胞をチャンヘパトーマ細胞の代わりに使 用した以外は、Braun ら(1990)に記載の単球細胞毒性分析を使用して評価した。 患者の腫瘍細胞はコラゲナーゼ及びDNaseで処理し、単一の細胞調製品を調 製し、細胞は、Braun ら(1990)に記載のように標識した。 以下の表に示す結果は、本発明の組成物が、患者自身の腫瘍を殺すために患者 自身の単球を活性化できることを立証している。 実施例1の組成物により誘導される単球腫瘍破壊性機能 実施例10から13の実験結果は、実施例1の組成物が、腫瘍破壊性機能を示 す単球を活性化することができる;腹膜大食細胞と共に血液中で働く;そして、 その結果は患者の免疫抑制の原理のひとつであるプロスタグランジンの阻害効果 に影響を受けないことと一致していることを示している。実験データは腹膜、子 宮及び婦人科の悪性腫瘍の治療に組成物が使用でき ることも支持している。実施例14 本実施例は、組成物中のタンパク質を推定するために行なった分析結果を示し ている。 組成物のタンパク質推定は、ピアスミクロBCA(Pierce Micro BCA)タンパ ク決定技術(Smithら、Anal.Biochem.,150,76-85(1985))を使用して行なった。組 成物のバッチの10μlのサンプルを蒸留水で1mlにした。5種類の濃度のウシ 血清アルブミン(0.150μg/ml)も調製し、標準として使用した。ブランクとし て、0.1NのNaOHを使用した。これらすべてのサンプルにBCA(2%ビ シンコニン酸ナトリウム塩;Pierce)、4%硫酸銅及びマイクロ試薬A(0.2 NのNaOH中に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び酒石酸ナトリウム) の混合物を添加した。サンプル混合物は、1時間60℃でインキュベートし、冷 却しスペクトロメーターで562nmでの吸光度を読んだ。試験サンプルのタン パク質の量は、プロットした標準カーブ及び適当にされた計算結果と比べた。組 成物のタンパク質濃度は、低く32μg/mlと推定された。実施例15 本実施例は、まとめると、以下の通りである:(1)組成物はTNF−α放出 活性があり、TNF−α放出活性は内毒素のどのような汚染にも関係ない;(2 )大食細胞のプライミングはTNF−α放出活性を刺激する組成物の能力を高め る;(3)組成物の高浸透圧性はTNF−α放出活性に感応しない。 内毒素が実施例1の組成物に対する上述の生物学的活性と関連があるかどうか 試験するために、組成物実験はさらに反応剤としてポリミキシンを加えて行なっ た。ポリミキシンは白血球に対する内毒素の作用を阻害する。以下の表及び続く 情報は組成物実験及びその結果を示している。 TNF−2遊離効果及び大食細胞準備での遊離の増大に関するエンドトキシ ンの不在 その結果は、ポリミキシンがLPS誘導性のTNF−αの放出を完全に阻害す ることを示している。ポリミキシンなしで、LPSは517pg/mlのTNF −αを誘導し、しかしポリミキシン存在下には、11pg/mlのTNF−αを 誘導する。一方、組成物は、ポリミキシン存在下に1591pg/mlのTNF −αを誘導する。ポリミキシン不在下にはLPSと組成物は、大食細胞が活性化 された(prime)時に組成物がより強力 に作用することを示唆するような、刺激剤の添加効果以上のものを示す。 TNF−2放出に対する高浸透圧性の影響の欠如 異なるバッチの浸透圧は、標準法で決定した。結果は先の表に示す。B021 3はやや高い675mOsmである。B0213より良いTNF放出活性を有す ると示されているB0222は、やや低いが高浸透圧性、581mOsmである 。B0226、BC11−06、BC11−09の画分は、540〜603mO smの範囲である。組成物の高浸透圧性がTNF−α放出活性へ与える影響も、 研究した。浸透圧を、高浸透に調整すると、組成物はTNF−αを放出し続ける ことが示された。実施例16 本実施例は、本発明の組成物に関する毒性研究を示している。 予備的毒性試験は、以下の表に示すように様々な動物種について行なわれた。 すべての動物(以下の表に掲載)は、組成物の注射を14、21及び30日目 に行い、日々の臨床的観察に基づいて評価した。血液学的データを最初の30日 間は3日毎に、その後は毎月集めた。注射を行なった期間及びその後の期間の間 中(4ヶ月さらに続いた犬以外はすべての種について1ヶ月)、本研究に関わっ た358以上の動物のいずれにも逆効果は見られなかった。 組成物の大量の1回の筋肉内注射の効果を決定するために、二次的な細胞毒性 研究を行なった。13匹のSDラットに5ml/kgの組成物を1回筋肉内注射 した。3匹のラットは7日間観察した。10匹のラットは14日間観察し、安楽 死させ死体解剖をした。どの集団にも毒性の兆候は見られず、死体解剖した動物 には著しい病理学的知見は見られなかった。これらの観察をもとに、ラットにお ける組成物の筋肉内投与におけるL D50は5ml/kgより大であると決定した。 別の毒性試験、組成物を2頭の混種の犬に投与する試験をオンタリオ獣医大学 により行なった。実験計画案を以下の表に示す: 各ケースにおいて、投与量1は右後ろ足に、投与量2は7日後に左後ろ足の投 与した。両方の犬を最初の注射から14日間観察した。食欲、活動、体温、脈速 度そして呼吸速度を研究のあいだ日に2回観察した。型通りの尿検査、血液学的 及び血清学的化学的プロフィールは、以下の時間の時:処理前及び処理後の24 時間、72時間、7日及び14日に行なった。どちらの動物もいずれの注射に関 連した痛みは示さなかった。2度めの注射に関連したアナフィラキシーは全くな かった。薬によると思われる身体の又は研究室での数値に、なんの異常性又は変 化は見られなかった。薬は健康な犬によく耐えられたようであった。 ビルリジンについての17日連続服用細胞毒性研究を、オンタリオ 癌センタ ーにて動物モデル実験に関して行なった。モデルはメスC57B1マウスを使用 した。以下のような4集団である(IM=筋肉内注射、IP=腹膜組織内注射) : 各集団のマウスは、0日めに5x103のB16F1黒色腫及び中心体を注射 した。最初の17日間は、各集団を毎日ビルリジンTM又は塩水(saline)の注射し た。18日目に、その動物を屠殺した。 屠殺前に、食物の摂取、体重及び行動は、正常であった。さらに、調べた器官 (大腸、脾臓、胃、膵臓、膀胱、肝臓、脳、腎臓、小腸ならびに心臓)のいずれ にも光学顕微鏡で観察可能な変化を生じる毒性の証拠はなかった。食物摂取と行 動は、正常であった。体重は、正常だった。 フッシャー−344ラット(全数でオス40頭及びメス40頭)における13 週目の反復服用毒性の研究は、13週間1週当たり3回ビルリジンTMを投与して 行った。最大服用量は、1.1ml/kg、約20xヒト服用量であった。動物 は、13週後に組織病理に付した。唯一処理に関連して認められた知見は、対照 と比較して20x服用の群におけるわずかな体重減少であった。細胞毒性は、決 定されなかった。実施例17 この実施例は、ペットにおける様々な悪性腫瘍の治療に対する本発明の組成物 の臨床使用を示す。 進行した新形成症を有する11匹のネコ及び10匹のイヌを週ごとの服用に組 成物の筋肉内注射で処理し、新形成症を有しない動物を、従来の治療で処理した 。以下の表は、この研究における個々の臨床ケースを要約している。 注射の数は、1回の筋肉内注射部位当たり7.5ml以下の量で、2〜69の 範囲であった。週毎の実験計画は、各ケースについて個々に診断試験をし、試験 及び注意深い観察を可能とした。臨床医は局所的な炎症又はアナフィラキシーを 含む激しいアレルギー反応は全く見られなかったと記していた。臨床医及び動物 の所有者は、系的な逆反応は全く認めなかった。実験者は、わずかな減少、食欲 及び活動レベルの上昇、2、3の動物に見られた著しい体重増加及び痛み及び/ 又は不快の減少を含む臨床的改善を確認した。 先の表に記した臨床結果は、ビルリジン処置に対する動物の反応を記述するあ る用語が含まれている。これらの用語を以下の表に定義する: 6匹の動物が(3/10がイヌ科、3/11がネコ科)完全な反応を示した。 1匹の動物(1/11ネコ科)が初期の強い完全な反応を示した。11匹の動物 (5/10がイヌ科、6/11がネコ科)が弱い部分的反応を示した。1匹の動 物(1/10イヌ科)が安定で、1匹の動物(1/10ネコ科)が反応しなかっ た。動物の臨床実験は、悪性腫瘍の治療に組成物が非常に効果があることをはっ きりと支持している。実施例18 この実施例は、癌患者に対して行われたオープンフェイズII臨床試験の結果 を示すものである。 1988年に、オープンフェイズII臨床試験が、モントリオール一般病院( Montreal General Hospital)においてサールウェル(Thirlwell)博士により開 始され、マクシミウク(Maksymiuk)博士の指導の下サスカトゥーン癌センターに 進展された。試験は、疾患に対し(照射を除く)治療を以前に施されたまたは施 されていない様々の進行した充実性癌を有する患者に開かれている。患者は、一 週間に三度ビルリジン(商標)を7.5ml筋肉内注射の治療を施されており、 継続して治療が続けられ、また安全性、東部協働腫瘍学グループ(Eastern Coop erative Oncology Group)(”ECOG”)のパフォーマンス状態、生命の質(qual ity of life)及び生存をみるべく継続された。 1994年3月31日に、99人の患者に治療を施した。副作用は一般的に穏 やか及至中程度であった。5人の患者が副作 用のため治療を中止した。18人の患者が疾患の安定化を達成したが、完全なあ るいは部分的な応答は認められなかった。臨床的終端点に関して変化がないか、 又はデータが得られた患者に対し、ビルリジン(商標)の8週間の治療の後、生 命の質、痛み及びECOGパフォーマンス状態についてそれぞれ51%、78%及び 56%の割合で改善が見られた。進行膵臓癌に対しビルリジン(商標)で治療し た患者の部分群(n=12)は、ビルリジン(商標)の治療の日から29%の一年生 存率を示し、生存期間の中央値は160日であった。診断の日からの一年生存率 については、歴史的コントロール群(historical control)については13.8% であるのに比較して38%を示した。 したがって、オープンフェイズII臨床試験からの結果は、生体外及び動物試 験と整合していた。ビルリジンは癌治療に対しかなりの程度効果的である。実施例19 この例は、測定可能な生検確認後の(biopsy-proven)膵臓癌を有する患者に 対し本発明の組成物を用いた、膵臓癌臨床研究、特にフェイズII試験(プロト コルCO2-104)の方法及び結果を示すものである。 治療は、実施例1において調製した組成物0.11mg/kg(最小投与量7 .5ml)を、投与の度に臀部を交互にして、大臀筋に一回で深部に筋肉内注射 によって投与することからなる。患者は最初の週は3回の注射を受け、さらに癌 進行まで週に二回注射を行った。 応答は、ミラー(Miller)他、”Cancer”、47、207-214(1981)に記載され ているとおり、標準の基準を用いて定義した。完全応答(CR)は、少なくとも4 週間の間疾患の証拠の全ての完全な消失であると定義した。部分応答(PR)は、 少なくとも4週間の間、最大の測定可能な病変の2つの最大垂直直径の積の少な くとも50%の減少及び新規の病変あるいは病変の進行がないことであると定義 した。進行的疾患は、1つ以上の測定可能な病変の大きさについて25%以上の 増加あるいは新規の病変の出現であると定義した。応答あるいは進行的疾患に対 する基準を満たさない疾患は、安定性疾患であると定義した。 全部で22人の患者が研究の候補となったが、5人の患者は、効能の評価が不 可能であると考えられた。完全あるいは部分応答はなかった。3人の患者は、最 初の一か月で疾患の進行が見られた。6人の患者は3カ月以上疾患の安定を見た (すなわち3.5、3.5、5、8、12+、及び14+の月数)。全体の群に 対する生存期間の中央値は、診断の日から8カ月であり、治療の開始から5カ月 であった。生検確認肝臓転移及び37ng/mlのCEAレベル(正常値は3n g/mlである)を有する1人の患者は、8カ月間にわたって肝臓転移及びCE Aレベルの絶対的安定性が見られた。1人は5カ月にわたって疾患が安定してい た。1人の患者はホイップル手順(Whipple procedure)の4カ月後、膵臓床に 疾患の再発が見られ、CEAが徐々にではあるが上昇する点を除いてはこの組成 物に対して少なくとも1年間安定であった。第三の患者は、皮下にステント を挿入し、少なくとも14カ月フルタイムで仕事を続けたが、腫瘍の進行の証拠 は見られなかった。 22人の全ての患者は、全部で500回以上の注射を受け、毒性について評価 可能であった。薬剤に関係する毒性について臨床上あるいは研究室上の証拠を示 した患者はなかった。一般的に、疾患の活性に匹敵する(parallelled)生命の 質に対する有害な影響はなかった。白血球の全数あるいは血清免疫グロブリンに 対する絶対的リンパ球数の有意の変化は見られなかった。 診断時から及び治療の開始時からの生存期間を表す生存曲線を、図6及び7に それぞれ示す。比較のため、図6においてグジョンソン(Gudjonsson)(1987) の歴史的生存曲線を重ねて記載する。比較し得る歴史的生存曲線の別の例がバッ ケボルド(Bakkevold)、ペターソン(Petterson)、アルネショー(Arnesjo) 、及びエスペンハウグ(Espenhaug)(1990)に記載されているであろう。 生存分析の結果を、以下のように要約する。 診断における平均生存期間は、図6に示すように281日間であった。生存期 間の中央値は、182日間(約5カ月)であった。比較すると、グジョンソン( 1987)は、彼の188人の外科患者の平均生存期間が208日であり、生存期間 の中央値が120日間であったことを報告している。治療の開始からの平均生存 期間は、166日であった。(図7を参照)。生存期間の中央値は、133日間 であった(約4カ月と1週間)。 それぞれ少なくとも13回の注射を受けた評価可能な患者の部分群についても また、生存期間を評価した。22人の患者の内14人が評価可能であった。これ らの患者の内、前記の表で注記したように、診断からの生存期間の中央値は、2 19日間であった(約7カ月と1週間)。治療の開始からの生存期間の中央値は 146日間であった(約5カ月)。 評価可能な患者(n=17)に対するビルリジン(商標)治療の 開始からの1年後生存率は、18%であり、生存期間の中央値は5カ月であった 。診断からの1年後生存率は35%であり、生存期間の中央値は7.3カ月であ った。類似の疾病を有する歴史的一群の患者においては、診断からの1年後生存 率は138%であり、生存期間の中央値は120日間であった。生命の質、痛み 及びECOGパフォーマンス状態は、データが報告された患者のそれぞれ57%、7 1%、及び66%について8週間のビルリジン(商標)治療の期間にわたって一 定であるかまたは改善を示した。安定し下降するCEAレベルは、安定な疾病の 臨床的結果を支持した。実施例20 この実施例は、ビルリジンを用いた悪性黒色腫の治療に関する臨床試験を示す ものである。 進行性悪性黒色腫は、全ての段階のIIIあるいはIVの患者及び全ての局所 的(loco-regional)あるいは遠隔の転移が初期治療の後に生起したものを含む ものとして定義される。全ての他の治療が判断される標準の治療は、DTIC( ダカルバジン)であり、それは約15%の応答率を有すると報告されている。応 答期間の中央値は3から6カ月であり、激しい吐き気と嘔吐とを伴っており、肝 静脈の血栓症による急性肝壊死という致死可能性のある副作用を伴っている。こ の治療は、確固とした生存についての利点を示していない。 この研究は、本発明の組成物について、進行した悪性黒色腫を有する患者に用 いたときの安全性と効能を測定し、生存と生 命の質に対するその効果を測定するために行なった。この研究は、比較的でない (non-comparative)、多中心の(multicenter)試験であった。 1週間に3回、筋肉内に本発明の組成物を7.5ml注射する初期投与スケジ ュールを用いた。器官あるいは骨髄に対する毒性がないことを観察した後、15 日間負荷スケジュールを増やして毎日の注射とし、その後の維持期間として週3 回の注射を行った。その後、負荷投与量を30日間に増加した。治療の継続期間 は36週間とし、その後16週間に減らした。その後患者は継続手順(continua tion protocol)に入るという選択肢を与えられた。 進行した黒色腫を有する33人の患者が、研究対象の人員の中に含まれ(17 人は女性で16人は男性)、年齢は17才から85才にわたっていた。研究対象 の人員のうち、64%が以前に治療を受けており、36%は治療を受けていなか った。33人の患者のうち25人が評価可能であった。カルノフスキパフォーマ ンス状態(Karnofsky Performance Status)(ベースライン)は、40から10 0%の範囲にあり、中央値は80%で、11人の患者が、研究期間の終了後生存 しており、これらのうち5人は治療中であった。 33人のうち16人に小規模の部分応答を観察した(48%)。1人の患者は 肺に33%の減少が見られ、6人の患者に痛みの減少がみられ、8人の患者が1 カ月以上にわたり1000グラム以上の体重の増加が見られた(1000〜26 00g の範囲)。33人の内19人に安定な状態が観察された(58%)(60日から 170日の範囲、中央値77日)。 図8、9及び10は、転移/再発の診断からの生存日数として測定し、歴史的 コントロール群と比較した、本発明の組成物で治療した患者の生存期間を示すも のである。実線は本発明の組成物で治療した患者の生存曲線を表し、破線は歴史 的生存曲線を表す(Balch et al.、Cutaneous Melanoma、2版、1992、第14章 及び39章、165〜187頁及び499〜508頁、Lippincott Co.、Philad elphia、ペンシルバニア)。1〜410以上の腫瘍部位を有する患者を含む本発 明の組成物によって治療したすべての患者の生存期間を、図8に示す。2つの腫 瘍部位及び3つ以上の腫瘍部位を有する患者の生存期間を、それぞれ図9及び図 10に示す。 本発明の組成物で治療したすべての患者の群は、1年後において、39%の生 存を示した(Kaplan-Meier評価)。すべての進行悪性黒色腫(AMM)の患者に対 する1年後の生存率は、歴史的コントロール群においては約11%である(腫瘍 の数でマッチングした)。歴史的コントロール群の生存期間の中央値が89日で あるのに比較して、この群の生存期間の中央値は315日であった。 2つの腫瘍部位を有する患者に関しては、1年後生存率は本発明の組成物を用 いて治療した患者については49%であるのに対し、歴史的コントロール群につ いては13%であった。この群の生存期間の中央値は360日であるのに対し、 歴史的コ ントロール群の中央値は120日であった。3つ以上の腫瘍部位を有する患者に 関しては、1年後生存率は本発明の組成物を用いて治療された患者については3 1%であるのに対して、歴史的コントロール群については0%であった。3つ以 上の腫瘍を有する群は、生存期間の中央値が205日であるのに対し、歴史的コ ントロール群の中央値は60日であった。 生命の質は、体重の増加、パフォーマンス状態(Karnofsky)、生命の質指数(S pitzer)及びペインスケール(線形アナログ)によって評価した。時間的な体重 増加を次の表に示す。 カルノフスキ及びスピッツァ(Spitzer)スケールはともに主観的なものであ り、各々の個人においておおよそ一致していることが認められた。これらのパラ メータに関して15人の患者は変化が報告されなかった。4人の患者は変動を示 し、後になって以前のレベルに戻った。1人の患者は減少が見られた(40〜2 0%)。 6人の患者に対する痛みの評価の結果によれば、4週目には痛みは5(最も悪 い)から2(中程度)あるいは0(痛みなし)まで下がった。1人の患者は痛み が3から0に下がった。肝臓の転移を有する1人の患者は痛みが0に減少し、1 1カ月 間安定が見られた。痛みが0のまま研究に入った9人の患者は研究中ずっとその レベルを維持した。5人の患者は痛みが緩やかに(2単位)増加した。3人の患 者は、2カ月目あるいは3カ月目に過渡的な痛みの増加(1から2単位)が見ら れた。 33人に投与された1734本の注射の内、21人の患者は悪性の薬剤反応が 見られなかった。12人の患者に14個の悪性の薬剤反応が報告された。悪性の 薬剤反応は通常4週目あるいは8週目に起こり、穏やか及至過渡的なものであり 、低い程度の発熱である場合がしばしばであった。 歴史的コントロール群と、本発明の組成物によって治療したプロトコル群の生 存率の相違は、本発明の組成物で治療した患者に対する生存上の利点を示唆する ものである。19人の患者で癌が安定化するように思われた。進行性黒色腫(AM M)に対して治療の行われたすべての患者が生存データに含まれた。さらに21 人の以前に治療された患者が含まれた(以前の治療が失敗したときの予後が悪い ため多くの臨床試験は治療を施していない患者を要する)。この患者群における 腫瘍の負荷は高かった(82%は2以上の転移部位を有していた)。 生存及び生命の質についてのデータは、ほとんどの患者がこの治療から何らか の利益を得たということを示している。研究期間の終了時に11人の患者は依然 として生存しており、これらの11人の内5人が治療を継続した。 33人の患者に対する予備分析は、39%の1年後生存率(再発の診断から) を示した。研究の終結に際し、45人に対 して最終データが得られた。これらの患者の内41人は遠隔転移を有していた。 これらの患者に対する遠隔転移の診断時からの1年後生存率は、61%であり、 生存期間の中央値は529日であった(17.6カ月)。このことは歴史的コン トロール群のデータからの生存率が13%である(中央値92日)ことに比較し 得るものである。すべての患者に対するビルリジン(商標)の開始からの1年後 生存率は22%であり、生存期間の中央値は200日であった(6.7カ月)。 生命の質、痛み及びECOGパフォーマンス状態は、データが得られた患者のそれ ぞれ63%、93%、及び70%について、最初の8週間の治療期間にわたって 変化あるいは改善が見られなかった。さらにビルリジン(商標)の使用前及び使 用後の腫瘍病理学的考察によれば、TNF−αに仲介された効果と合致する、通 常でないパターンの腫瘍細胞壊死、繊維形成、及び血管血栓症を示した。実施例21 この実施例は、悪性黒色腫に対する病理学的プロトコルを示すものである。 次のものは硬口蓋及び歯齦の進行性悪性黒色腫を有する73才の女性について の報告である。顕微鏡下で2つの悪性黒色腫が観察された。上方から下方に見て いくと、ケラチンを伴った上皮層が観察され、その下で悪性の細胞が顕在し始め る。これらの黒色腫細胞は丸形あるいは卵型で好酸球の細胞質が豊富であり、多 態性高色素性核を有していることが見て取れる。これ らの細胞が、正常な粘膜下組織に置き変わっている。観察される血管は正常であ るように思われ、白血球(多形態核細胞及び単核細胞)の存在によって代表され るような炎症/免疫応答はいずれの種類のものでの少なかった。これは、繁殖中 の腫瘍組織の例(すなわち腫瘍構造が損なわれていない)である。 この組成物で2カ月間治療した同一の患者からの腫瘍組織の標本を観察した。 上方から下方にかけて、上皮の連続性が、壊死過程により破壊されていることが 見て取れる。この壊死は決定的な塊にまで至ったいずれの腫瘍の中心にも共通す るものであるが、周辺部とくに悪性黒色腫にはめったに見られず、ホスト免疫応 答が腫瘍に対し攻撃を仕掛けているというしるしである。写真中いたるところ、 もとの腫瘍細胞と異なる巨大な数の細胞が存在する。これらが、好中球、リンパ 球、大食細胞を含む免疫細胞であり、これらは共同して典型的腫瘍構造の破壊を 導いたものである。血管壁は多数のホスト免疫細胞によって密に浸潤されている 。この細胞浸潤は次に血管の破壊をもたらし、そのことによって腫瘍がその栄養 分及び酸素の供給を受けることを妨げる結果となる(虚血性壊死)。この患者の 組織スライドに見られた腫瘍の破壊に貢献したこの免疫応答は、TNF(腫瘍壊 死因子)によってもたらされることが報告されて知られている変化及び前記した 実施例に記載した仕事の結果と合致している。 組成物スライドによる事後治療において示された免疫応答は、組成物による生 体外のTNF免疫調節と、既知の生体内の抗腫 瘍TNF効果とを強く結びつけるものである。実施例22 この実施例は癌患者の末梢血単球の腫瘍破壊機能に対するビルリジン(商標) の効果を示すものである。 癌患者からの静脈血からの末梢血単球を採取し処理し、実施例9の手順に従っ てチャンヘパトーマ細胞に対してその腫瘍破壊活性を測定した。結果は次の表に 記載し、その中で次の略語を用いている: "ENT CA"は耳、鼻、及び喉の癌であり、 "KS/HIV"はヒト免疫不全ウイルスに感染した患者のカポジ肉腫であり、 "Ovarian CA"は卵巣癌であり、 "Lung CA"は肺癌であり、 "ENDO CA"は子宮の子宮内膜癌であり、 "CML"は慢性骨髄性白血病である。 表中用いる用語には、患者が持っていた癌のタイプを示す"Diagnosis"という 語が含まれる。試験のため単球を提供した患者の全数は「#試験」と注記する。 試験された患者の全数に対する、単球がビルリジン(商標)によって刺激される 能力を示した患者の数は、「#刺激/全ビルリジン(商標)」と記載する。試験 した患者の全数に対する、単球が100ユニット/mlのインターフェロンγ( IFN−γ)及び2ng/mlの大腸菌由来のリポポリ多糖(LPS)の組み合 わせによって刺激される能力を示した患者の数は、「#刺激/全(IFN/LP S)」と記載される。「#刺激/全(IFN/LPS)あるいはビルリジン(商 標)」に関しては、刺激は媒地だけの培養で得られた腫瘍破壊価を50%以上上 回る増加として定義する。「バッチ/刺激」は用いたビルリジンのバッチあるい はロット番号と、括弧に入れたそのバッチ/ロットについての試験の全数に対す る刺激を示した試験の数とを示すものである。 これらの結果は、癌患者の単球においてビルリジンによって誘導された腫瘍破 壊活性が従来の大食細胞賦活物質(IFN−α及びLPS)の組み合わせに対す る応答として生成される活性と等しいか大きいということを示している。ビルリ ジン(商標)、カポジ肉腫を有するHIV患者から得られた大食細胞における腫 瘍破壊機能を、その疾患の非常に後期の段階においても腫瘍破壊機能を刺激する ことができる。このようにビルリジン(商標)の作用は、ヘルパーTリンパ球を 含むその他の免疫細胞のタイプとの共働と独立であるように思われる。実施例23 この実施例は、癌患者からの腫瘍付随の大食細胞に対するビルリジン(商標) の効果を示すものである。 非小細胞肺癌を有する11人の患者からの肺胞大食細胞を、気管支肺胞の洗浄 により採取し、実施例9に記載した手順にしたがってチャンヘパトーマ細胞に対 する腫瘍破壊活性を測定した。婦人科の癌(2人は子宮内膜、3人は卵巣、2人 は子宮頸部)を有する7人の患者から得られた腹膜の大食細胞を採取し、上記の 手順に従ってチャンヘパトーマ細胞に対する腫瘍破壊活性を測定した。 結果は次の表に示しており、用いる略語と用語は実施例22に記載しているよ うに定義する。 これらの結果は、癌患者からの末梢血単球及び局所的癌付随の大食細胞の両方 を刺激し、有意な腫瘍致死効果を表すことを 示している。この結果は、婦人科の悪性腫瘍を有する婦人由来の腹膜の大食細胞 と肺癌を有する患者からの肺胞大食細胞において観察された。これらの結果から 、ビルリジン(商標)は、γインターフェロンと内毒素との組み合わせの従来の 賦活物質による刺激に応答しない癌患者の大食細胞をも刺激し得るものと思われ る。実施例24 この実施例は、癌患者からの単球における、自己由来の腫瘍細胞に対する腫瘍 破壊機能の増大に対するビルリジン(商標)の効果を示すものである。 末梢血単球を採取し、実施例9に記載した方法を用いて自己由来の腫瘍細胞に 対する腫瘍破壊活性を測定した。このように、例えば耳/鼻/喉の癌を有する患 者からの単球について、その患者自身の腫瘍細胞に対する腫瘍破壊活性を測定し た。卵巣及び子宮内膜癌及び慢性骨髄性白血病の細胞を用いた類似の試験も行っ た。その結果は、次の表に記載し、用いる略語と用語は実施例22に記載してい る通りである。用いる培地は、10%の熱不活化胎ウシ血清と50ユニット/m lのペニシリンと50ug/mlのストレプトマイシンを捕捉した、ロズウェル メモリアルパーク インスティテュート〔RPMI〕1640培地である。 これらの結果は、ビルリジン(商標)が、癌患者からの外科的生検によって調 製された自己由来の腫瘍細胞に対して、癌患者の大食細胞における腫瘍破壊活性 を刺激することができることを示している。これらの結果から、ビルリジン(商 標)は、γインターフェロンと内毒素との組み合わせの従来の賦活物質による刺 激に応答しない癌患者の大食細胞をも刺激し得るものと思われる。実施例24 この実施例は、ビルリジン刺激単球における腫瘍破壊機能の増大に対する、サ イトカイン特異性抗体の効果を示すものである。 肺癌を有する患者と、慢性骨髄性白血病(CML)を有する患者からの末梢血単 球を採取し、実施例9の方法に従ってチャンヘパトーマ細胞に対する腫瘍破壊活 性を測定した。ビルリジン(商標)と抗IL1αあるいは抗IL1βあるいは抗 TNFαあるいはイソタイプの対照抗体との組み合わせとともに、ビルリジン( 商標)単独をも、単球の刺激を試験するために用いた。用いた抗体の量は、標準 の方法に従った滴定実験によって定められるこれらの試験条件に対して飽和量で あった。 結果は次の表に示しており、用いる略語は実施例23に記載の通りである。さ らに、「抗IL1α」はインターロイキン1アルファに対する抗体であり、「抗 IL1β」はインターロイキン1ベータに対する抗体であり、「抗TNFα」は 腫瘍壊死因子アルファに対する抗体であり、「イソタイプ対照」は上記のサイト カインに無関係のエピトープに対する抗体である。 この結果は、腫瘍壊死因子αに対する抗体がビルリジン(商標)によって誘導 される腫瘍破壊機能を阻害することを示している。インターロイキン1αあるい はインターロイキン1βに対する抗体は、ビルリジン(商標)刺激単球の腫瘍破 壊機能を減少させることができなかった。この結果は、ビルリジン(商標)に応 答して増大する大食細胞腫瘍破壊機能が単球による腫瘍壊死因子α(TNFα) の生成に付随するという結論と合致している。実施例25 この実施例は、ビリリジン刺激末梢血単球における腫瘍破壊 機能の増大に対する細胞毒性療法の効果を示すものである。 緩解誘導化学療法(remission induction chemotherapy)の第一の過程の終期 における癌患者から、末梢血単球を採取し、実施例9の方法を用いてチャンヘパ トーマ細胞に対する腫瘍破壊活性を測定した。 結果は次の表に開示し、用いる略語は実施例24に開示している通りである。 さらに「Pt」はシスプラチナであり、「5−FU」は、5フルオロウラシルで あり、「RT」は放射線療法であり、「AraC」はシトシン アラビノシドで ある。「診断」という用語は、患者が持っていた癌のタイプである。「再発」と いう語句がここに挙げられている場合、癌が再発したか、さもなくば癌が新しく 診断されたものである。「療法」という語は、患者が受けていた癌化学/放射線 療法の養生法である。 この結果は、ビルリジン(商標)が、細胞毒性療法を受けている癌患者から得 た大食細胞における腫瘍破壊機能を刺激することを示している。従って、ビルリ ジン(商標)がその他の治療様相とうまく相互作用するものと思われる。注目す べきことは、ビルリジン(商標)が、γインターフェロンと内毒素の組み合わせ のような従来の賦活物質に比べて、腫瘍破壊機能を刺激することにおいてより効 果的であったという事実である。実施例26 この実施例は、子宮内膜症を有する患者における大食細胞の細胞毒性に対する ビルリジンの効果を示すものである。 子宮内膜症の患者からの末梢血単球と腹膜の大食細胞を実施例9のようにして 採取し、チャンヘパトーマ細胞に対する腫瘍破壊活性及び子宮生検から得られた 自己子宮内膜細胞に対する細胞毒性を測定した。 この結果は、次の表に記載し、用いる略語と用語は、実施例25と同様である 。さらに「段階」はRAFS(改訂アメリカ生殖学会)分類システムに基づく子 宮内膜症段階を表すものである。 この結果は、ビルリジン(商標)が、子宮内膜症患者からの末梢血単球及び腹 膜の大食細胞を刺激して、子宮生検から得られた子宮内膜細胞を殺すことを示し ている。従って、本発明の組成物は、子宮内膜症に対する治療を提供することが できる。実施例27 この実施例は、ビルリジン(商標)バッチの予備試験の結果を示すものである 。 静脈血液からの末梢血単球を採取し、処理し、実施例9に記載の手順によって チャンヘパトーマ細胞に対する腫瘍破壊活性を測定した。ビルリジンは実施例1 にしたがって、調製した。 結果は次の表に示し、用いる略語と用語は実施例26と同様である。さらに「 ドナー」は、末梢血単球を採取した患者の疾患の状態である。「正常」は患者が 疾患を有しなかったことを意味する。「ENT CA」は患者が頭及び首(耳/鼻/喉 )の癌を有していたことを意味する。 この結果は、正常及び癌患者の単球におけるビルリジン(商標)によって誘導 された腫瘍破壊活性は、従来の大食細胞賦活物質(IFN−γ及びLPS)の組 み合わせに応答して製造される活性に等しいかあるいはそれより大きいことを示 している。実施例28 この実施例は活性画分の単離を示すものである。 組成物の300mlのサンプルを、湯浴の温度が40℃を越えないようなロト バップ上で蒸発させて乾燥させた。蒸発中溶液が塩基性を保つことを保証するた め、濃縮水酸化アンモニウムの溶液5滴を、蒸発が終了するまで組成物に半時間 毎に加えた。得られた残留物は11.6gの重量であった。 次にメタノールに溶かした10%の濃縮水酸化アンモニウムの溶液20mlを 、上記の残留物2gに加えた。不溶性の成分はろ過し、ろ液を、5cm×12. 5cmの寸法を有するカラ ムで60Åのフラッシュシリカゲル101.93gを通してクロマトグラフィー にかけた。用いた溶媒系は、メタノールの中に溶かした10%の濃度の水酸化ア ンモニウム溶液であった。カラムは、10p.s.i.の圧力で11ml/分の流量で 流した。カラム中を100mlの溶媒が通過した後、12個の20mlの画分を 採取した。これらの画分の集まりは、カラム中をすばやく下方に移動するオフホ ワイトの帯の出現と相関していた。 これらの画分の薄層クロマトグラフィー(TLC)を、メタノールに溶かした 10%の濃度の水酸化アンモニウム溶液中でシリカゲル板上で行い、ニンヒドリ ン噴霧により可視化した。同様のTLCプロフィールを有する画分が結合されて 次の画分組み合わせを得、ロトバップ上で乾燥させた。 画分5−6、7−8及び9−10は、0.81のRf値においてニンヒドリン と正の反応を示した。 画分5−6及び9−10は、(実施例9に従い)生体外でTNF刺激を試験し た。結果は以下に示す通りである。 このように、画分9−10は非常に活性なTNF刺激物質であった。 画分5−6のサンプルを電子衝撃質量スペクトル分析計(EIMS)及び電子 スプレー質量スペクトル分析計を用いて解析し、画分中に存在すると予想される 特定の化合物を同定した。電子スプレーMSは、5%の酢酸水溶液を溶質として 、パーキンエルマーサイエックス(Perkin-Elmer Sciex)API−IIIスペク トル分析計を用いて行われた。いくつかの場合、溶解を助けるためメタノールが 加えられた。直接の挿入探子を用いるEIMSが、グリセロールをマトリックス として用い、クラトス解析プロフィール質量分析計上のDCI探子を用いて、V G解析モデルΣAB−SEスペクトル分析計上で行われた。 得られたスペクトルの検討から次の化合物、すなわちフォスフォコリン、タウ ロコール酸、コリンステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸、ステアリン酸ジ グリセリド、パルミチン酸ステアリン酸ジグリセリド、及びスフィンゴシンオレ イン酸抱合体が画分5−6に存在していると予想されることが示された。実施例29 この実施例は、活性画分を単離する拡張手順を例示する。実施例28を下記の ようにより大きなスケールで繰り返した。 濃縮水酸化アンモニウム溶液10mlを組成物900mlに加え、得られた溶液 を浴の温度が40℃以下のロトバップで蒸発乾燥させた。蒸発中溶液の塩基性を 保つために濃縮水酸化アンモニウム溶液5滴を蒸発が完了するまで半時間毎に組 成物に加え、残留物を残した。 次に10%濃縮水酸化アンモニウムのメタノール溶液150mlを全残留物に 加えた。この溶液を15分間超音波処理し、不溶性の物質を濾過した。濾液を寸 法30cmx12cmのカラムで60Aのフラッシュシリカゲル1695gを通 してクロマトグラフに付した。使用した溶媒系は10%濃縮水酸化アンモニウム のメタノール溶液であった。カラムは圧力6p.s.i.、流量30ml/分で 行った。カラムの結果を下記の表にまとめる。 TLCを濃度10%水酸化アンモニウム溶液中、シリカゲル板で行い、ニンヒ ドリンスプレーで視覚化した。類似のTLCプロフィールを有する画分を組み合 わせたところ、下記の画分組み合わせが得られた。これらはロトバップで乾燥さ せた: 15−16から31−34までの画分組み合わせはすべて、実施例28の活性 画分のRf値に非常に近いRf値0.87でニンヒドリンに陽性反応を有した。画 分24−30及び31−34は、さらにRf値0.85でもニンヒドリンに陽性 反応を有した。 画分4−5、15−16及び17−18は、生体外でTNF刺激について(実 施例9に準じて)試験したが、TNF刺激活 性を示さなかった。上記の画分を基礎分析したところ、上記の画分はTNF生成 を阻害することが知られているNH4Clが高いことが分かった。 画分15−16及び24−30のサンプルを透析し、実施例28に記載の方法 を用いてマススペクトロスコピーによって分析した。画分17−18及び24− 30の未透析のサンプルも分析した。得られたスペクトルを調べたところ、次の 化合物がおそらく存在することを示した:グリココール酸、トリヘキソサミン三 量体及びタウロコール酸(画分15−16);ステアリン酸及びヘキソサミン二 量体;及びグリココール酸(画分24−30)。実施例30 この実施例は、発明の組成物の活性成分を分画、分析するさらなる方法の適用 を例示する。 TNF、IL−1β及びGM−CSF放出活性が80%アセトニトリルによっ て部分的に沈澱でき、放出活性の多くがCl8RP−HPLCから初期に溶出す ることを確認したので、沈澱画分の物理化学的特性を調べ、組成物全体及び組成 物の上清画分と比較した。 図11は、組成物全体及び組成物の沈澱物と上清のSDSゲル電気泳動を示す 。3つの例全てで、組成物はSDS前方付近に泳動され、分子量が低いことを示 した。使用した最小の標準は14,400ダルトンであった。 組成物の分子の大きさもまた、分子ふるいHPLCカラムか らの溶出時間を測定することによって調べた。組成物全体、沈澱物及び上清の溶 出時間を標準と比較した。3例とも24.5分で溶出するインシュリンより遅か った。物理化学分析は、再び分子量が2,400ダルトンより小さいことを示す 。 TNF−放出成分は、初期に溶出する。従って、反対の効果を有するカラム、 有機溶媒の存在する親水性カラムが選択された。ポリヒドロキシエチルカラムの 理想的溶出条件は、80%アセトニトリルである。しかしながら、前実施例で述 べたように、調整物質の中にはこの濃度では沈澱するものがあった。それ故、組 成物の分析は、カラムがほぼ分子ふるいカラムとして機能するアセトニトリルの 低濃度で行った。図12、13は上清及び沈澱物全体のプロフィールを示す。い ちばん前の紙は、異なるピークについての溶出時間をまとめたものである。溶出 時間は組成物の活性成分が低い分子量を有することを示す。 組成物とその沈澱物と上清をイオン交換HPLCによって分離した。AX30 0クロマトグラフィー(陰イオン交換)とCMX300クロマトグラフィー(陽 イオン交換)の双方によって、成分を有意に分離した。疎水性逆相クロマトグラ フィーではピークは分離しなかった。 別の一連の実験では、ビルリジンTMを陰イオン交換クロマトグラフィーカラム (Bio−Rad AGー1、水酸化物型、全樹脂湿潤体積10ml、Mill ipore脱イオン水で平衡)に装填した。樹脂の体積は、抽出物中に存在する 全ての陰イオンの結合に充分であるよう計算した。未結合の画分は収集 し、樹脂への結合を最大にするためにカラムに再装填した。この2回目の経過の 未結合画分は収集し、取りのけた。カラムの空隙に残った未結合物質はいずれも 脱イオン水(2x20ml)で洗浄して除去した。結合分子は炭酸水素アンモニ ウムのステップグラジエント、20ml/ステップで溶出させた。遊離炭酸水素 アンモニウムは、凍結乾燥によって除去した。すべての画分からのサンプルを単 球/大食細胞活性化試験でTNF放出活性について試験した。TNF放出活性は 、未結合画分(放出液)には見られなかったが、大部分は0.2Mの炭酸水素ア ンモニウムで溶出させた溶出液中に見られた。これらの結果から、活性成分が極 性を持ち、陰イオン性で、酸性であることが分かった。 画分全てのサンプルを実施例2の手順に準じてTNF刺激活性について分析し た。結果を下記にしめす: 活性アッセイの結果からTNF生成刺激が0.2M及び0.4M画分で見られ たことが分かる。 組成物を下記のように、透析に付し、透析物を乾燥した:100の分子量遮断 を持つSpectra/Por CE膜管内に組成物100mlを入れた。管の 両端をクリップで封止し、管を蒸留水10Lの撹拌浴中に入れた。透析管から溶 液を1mlを除去し、1/10N硝酸銀溶液を3〜4滴加えることによって透析 を毎日モニターした。塩素が存在すれば透析が完了していないことが分かる。透 析が完了していない場合、浴は新しい蒸留水と交換した。3〜4日後、透析は完 了した。透析完了後、透析した物質をロトバップにかけて乾燥し、原体積の1m lにつき、平均0.3mgの固体分を得た。 固体物質のサンプルを次にHPLCグレード水に溶解し、TLCを10%濃縮 水酸化アンモニウムのメタノール溶液中、シリカゲル板で実施し、ニンヒドリン スプレーで視覚化した。Rf値0.83でニンヒドリンに対する陽性反応が得ら れた。 固体物質のサンプルもまた、実施例28に記載の方法を用いてマススペクトロ スコピーによって分析した。得られたスペクトルを調べたところ、次の化合物が おそらく存在することを示した:スフィンゴシン−オレイン酸抱合体、ジアセチ ルシアル酸、フコース−ヘキソサミン二量体、デオキシグリココール酸、タウロ コール酸、シアル酸−フコース二量体及びジ(フコース)ヘキソサミン三量体。実施例31 この実施例は、発明の組成物を分析するための逆相−HPLC(RP−HPL C)の使用を例示する。 サンプルを凍結乾燥した後、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液(緩 衝液A)中で再構成し、次に下記のカラムに下記条件で流した: カラム:WP60009−C18カラム(W−PORE C18、250x4. 6mm、フェノメネックス、カリフォルニア)とプライム−スフィアHC−C1 8カラム(250x4.6mm、フェノメネックス、カリフォルニア)を一列に 配置。 溶離液:緩衝液A:0.1%TFA水溶液 緩衝液B:0.1%TFAアセトニトリル溶液 グラジエント:カラムにサンプル150μlを装填 緩衝液Aを20分間注入、直線グラジエントを開始、0−80%緩衝液B、35 分間で注入、80−0%緩衝液Bを5分間で注入 流量:0.9ml/分 温度:室温 検出:吸光度290〜284nm、ほとんどの溶出が210〜235で検出。 下記の表に記したおおよその注入後経過時間で15の溶離液画分を収集した。ま た、実施例2記載のTNF放出試験を各画分について行ったところ次の結果を得 た: 従って、ビルリジンの活性成分の大部分が画分1に溶出した。活性は画分4− 5、8−9、11−12及び14にも見られた。 全てのRP−HPLC画分からのサンプルを実施例28に準じマススペクトロ スコピーによって分析した。各画分について得られたスペクトルを調べたところ 、次の化合物がおそらく存在することを示した:タウロコール酸、シアル酸−グ リセロール二量体、NaCl、トリメチルアミン、メチルエチルアミン、 及びプロピレンアミン。実施例32 この実施例は、発明の組成物中同定された化合物を示す。 発明の組成物を実施例1に準じて調製し、標準分画方法に付した。この方法に は、(1)100MWCO透析膜での透析;(2)フォルチ抽出(タマリら、Agr .Biol.Chem.,40(10),2057-2067(1976))を含む公知の有機抽出;(3)シリカカ ラムクロマトグラフィー;(4)イオン交換クロマトグラフィー;及び(5)薄 膜及びペーパークロマトグラフィーのための染色試薬(Dting Reagents fit Thin LAter and Paper Chromatography)(E.Merck,Darmstadt,ドイツ(1997))に開示 の標準的方法を用いて、溶離液としてブタノール:酢酸:水、6:2:2を、視 覚化試薬としてニンヒドリンを用いる、分取シリカTLC分画を含む。 化合物の同定は、独立して又は組み合わせて用いられる下記の器具類及び手法 に基づいた。 VG70−250SスペクトロメータをEI−MS、CI−MS(OH−)及 びFAB−MS(グリセロール又はチオグリセロールマトリックスで)を得るの に用いた。VG分析モデルZAB−SE器具をEI−MS、FAB−MS(グリ セロール又はチオグリセロールマトリックスで)及びGC−MSを得るのに用い た。その器具と組み合わせて用いたガスクロマトグラフ(GC)は、ヒューレッ トパッカードのモデル5890であった。クラトス(Kratos)プロフィー ルスペクトロメー タをEI−MS、LSIM−MS(グリセロール及びNPOEマトリックスて) 及びGC−MSマススペクトルを得るのに用いた。器具と組み合わせて用いたG Cもまた、ヒューレットパッカードのモデル5890であった。MS−MS、溶 質として水又は水アルコール(メタノール又はイソプロピルアルコール)混合物 、EI−MS、グリセロール又はチオグリセロールマトリックスでのFAB−M Sは、パーキン−エルマーサイエックス(perkin−Elmer Scie x)API−IIIスペクトロメータで実行した。画分は、MS分析のため必要 とされるように、無水酢酸/ピリジンによるアセチル化又はジアゾメタンによる メチル化によって誘導体化した。分子のナトリウム化した種への変換は、酢酸ナ トリウムをエレクトロスプレー溶質に追加することによって達成した。エレクト ロスプレーMSのための分子のプロトン化は、酢酸又はトリフルオロ酢酸を用い て実行した。抽出物及び標準のTLCは、移動相としてブタノール:酢酸:水を 6:2:2で、又は引用する溶質及び視覚化のための数種の試薬スプレーを用い てシリカTLC板で行った。 前述の器具に組み合わせて、次の参考文献にさらに記載された標準的方法を用 いた:リーガーら、J.Chromatography,277, 321-327(1983); サンダラムら、Cl inica Chimica Acta,34 425-429(1971);バンダルスキら、J.Biol.Chem.,193 4 05-410(1951);及びラルソンら、J.Chromatography,226,481-487(1981)。 シリカ板上での典型的TLCプロフィール(溶質としてブタノール:酢酸:水 を6:2:2で用いる)は、ビルリジンの活性ロットのために表に作成している : 前述の器具類と方法を用いる、発明の組成物の分析によって、組成物中に次の 化合物が含まれていることが明らかになった: 1)胆汁酸: コール酸; グリココール酸; デオキシグリココール酸; 硫酸コレステロール; デオキシコール酸; ケノ(cheno)デオキシコール酸;及び タウロコール酸。 注:−OH及び−H2がMSに起こっているか、デオキシ、ジデオキシ及び不飽 和類似体もまた始めに存在するかは、MSからは判別できない。これらの化合物 はすべて、アンモニウム、アルキルアンモニウム及び無機陽イオン塩として存在 することもある。 2)リン脂質、スフィンゴ脂質、及び関連(加水分解)生成物: ステアリン酸、CH3(CH216COOH; パルミチン酸、CH3(CH214C00H; オレイン酸 Z−9 オクタデカン酸: CH3(CH22CH2CH=CHCH2(CH26CO OH 酸化又はヒドロキシル化/不飽和短鎖脂肪酸 C683(CH3CH=CH−COCH2COOH又は 2つの2重結合と水酸化物をもつC6の酸)等; 酢酸; ステアリン酸ジグリセリド; パルミチン酸ジグリセリド; ステアリン酸パルミチン酸ジグリセリド ステアリン酸モノグリセリド−ホスホコリン(リソレシチン); ステアリン酸モノグリセリド; ステアリン酸トリグリセリド; ホスホコリン; ホスホセリン; ホスホスフィンゴシン; スフィンゴミエリン; レシチン; ステアリン酸−スフィンゴシン; スフィンゴシン; ホスホグリセロール; グリセロール; コリン; グリセロ−ホスホコリン; ステアリン酸、オレイン酸ジグリセリド; ステアリン酸、オレイン酸ホスホグリセロール; ステアリン酸アミド; ステアリン酸メチルアミン;及び パルミチン酸アミド。 また、短鎖の脂肪酸(C1からC30の範囲の酸)も存在していることを示す 予備HPLC及び滴定による証拠が得られて いる。 3)ムチン加水分解生成物: シアル酸類及びそのモノ及びジアセチル化単量体; N−アセチルノイラミン酸; グルコサミン等のヘキソサミン類; L−フコース; ヘキソサミン−ヘキスロン酸(単量体)二硫酸塩; グルクロン酸; グルクロン酸又はイズロン酸二硫酸塩、モノアセチル化物; シアル酸−グリセロール(二量体);及び 上記モノマーのアセチル化及び硫酸化物の形態の二量体、三量体、オリゴマー及 びポリマー。 (4)脂溶性ビタミン: ビタミンA2; ビタミンD1; ルミステロール(そのビタミンD1複合体から存在); ビタミンE; ビタミンK1酸化物;及び ビタミンK5。 (5)その他の有機物: 尿素; メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチル アミン、ジプロピルアミン、ブチルエチルアミンを含むアルキルアミン類; タウリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、n−ロイシン、ホスホセリン、 ホスホエタノールアミン、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、サルコシン、 α−アミノアジピン酸、シトルリン、バリン、イソロイシン、β−アラニン、γ −アミノブチル酸、ヒドロキシリシン、オルニチン及びリジンを含むアミノ酸類 ; ブチルヒドロキシトルエン(BHT);及び ポリエチレングリコール。実施例33 本実施例は、本発明のサッカリド化合物を示す。 サンプルのモノサッカリド組成物を加水分解の前後で測定した。モノサッカリ ドの分析のため用いた試薬はすべて、分析用グレードであった。アルドリッチ( Aldrich)から得たTHF(トリフルオロ酢酸)を脱イオン化水で希釈し た後、サンプルの加水分解に用いた。50%の(W/W)NaOH溶液(炭酸塩 が低い)をフィッシャーサイエンティフィック(Fisher Scienti fic)より購入した。酢酸ナトリウムは、ニューヨークのフルカゲランティ( Fluka−Gerantie)より購入した。 モノサッカリドを放出させる ために、サンプルを4Mのトリフルオロ酢酸で100℃で4時間処理した。サン プルは凍結乾燥し、Carbopack Pal分離カラム(250x4mm i.d.)と25ulサンプルループを装着したHPLC−AG6ガードカラム (50x4mm i.d.)とを有する炭水化物のためのDionex Bio−LCシステムを用いて高性能液体クロマトグラフィ−陰イオン交換に よって分析した。溶出するモノサッカリドの検出は、PAD、即ちパルスアンペ ロメトリック(電流計)検出器を用いて行った。条件は下記の通り: 加水分解前 イノシトール、シアル酸及びグルクロン酸の検出のため、無勾配の溶出溶離液 (100mM NaOH+150mM NaOAc 混合物)を用いた。溶離液 は、ヘリウムモジュール脱ガス剤で雰囲気から保護した。流量は、カラムを通じ て1ml/分であった。 フコース、ガラクトサミン、ガラクトース、グルコース及びマンノースを含む モノサッカライドの検出もまた、無勾配溶出、ポストカラム300mM NaO Hを有する溶離液(15mM NaOH)、流量1ml/分で行った。 検出器の設定は、E1=0.05V、E2=0.60V、E3=0,60V, t1=120ms,t2=120ms,t3=300ms;金加工電極;銀=塩 化銀基準電極;出力範囲1ー3K nAmp最大;チャートスピード0.5cm /分。 ウロン酸とモノサッカリドについて検出器で測定を行った。標準混合物の漸進 的希釈によって0.5〜2.5ugで変化する濃度について直線的応答が得られ た。 加水分解後 サンプルの加水分解後、グラジエント溶出、溶離液A(50mM NaOH) 及び溶離液B(50mM NaOH/150 mM NaOAc混合物)、を適用した後、モノサッカリドを検出した。溶離液 は、ヘリウムモジュール脱ガス剤によって雰囲気から保護した。スペクトラ−フ ィジックス(SP4270)インテグレータを用いて流出物を分析した。標準グ ラジエントは100%溶離液A、次の10分間で80%のA:20%のBへと直 線的に進む注入であった。この状態を20分間維持し、次に5分間で溶離液を1 00%のAに戻し、続いて次のサンプルを注入する前に少なくとも10分間平衡 させた。 記載のモノサッカリドの分析結果を下記の表に示す: 表から分かるように、緑色の胆汁(バッチMU100GB)の酢酸エチル抽出 物のみが加水分解に以前にモノサッカライド、即ちシアル酸とグルクロン酸をミ リリットルにつきマイクログラムの濃度で含むことが示された。加水分解後、シ アル酸は検出されず、グルクロン酸は約20%の濃度で存在した。加水分解後、 発明の組成物のその他の調製物は、シアル酸、グルクロン酸、グルコサミン及び イノシトールを含むことが示された。 発明の特定の実施態様を説明のためここに記載してきたが、本発明の精神と範 囲から離れることなく様々に変化させることができると前記より理解されるであ ろう。従って、この発明は添付の請求項のみによって限定されるものではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年6月17日 【補正内容】 IL−4、GM−CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞又はリンパ球に細胞毒性を示さない、及び f)内毒素ではないを有する 免疫調節剤として使用するための組成物に関する。 好ましい具体例によれば、組成物は、ウシの胆汁から抽出され、TNFの放出 を刺激できる。 この発明の組成物は、 (a)動物、好ましくはウシ由来の胆汁を、水溶性又は水混和性溶剤、好ましく はアルコール、好ましくは同容量のアルコールと混合し、胆汁/アルコール溶液 をつくり、 (b)溶液、好ましくはアルコール溶解画分を分離し、例えば熱の使用で、アル コールの大部分を除去するようにして、実質的にアルコールのない溶液を単離し 、 (c)溶液から胆汁色素を除去して、澄明な黄色がかった液体を得、 (d)任意に、澄明な黄色がかった液体を処理して、実質的に残留アルコールを 除去し、 (e)澄明な黄色がかった液体をエーテルで抽出するようにして有機脂肪分を除 去し、水相を単離し、かつ (f)任意に水相から残留エーテルを除去する c)腫瘍壊死因子産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM −CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞又はリンパ球に細胞毒性を示さない、及び f)内毒素ではない を少なくとも1つ有する免疫調節剤として使用するための組成物に関する。 より詳しくは、この発明の細胞物の少なくともあるものが、チャン(Chang) ヘパトーマ細胞に対する細胞毒性をもたらす正常単球を刺激するという研究がな されており、そのテストは単球と大食細胞の活性化を測定するのに用いられてい る。また、癌患者(頸部、卵巣、耳/鼻/喉、肺及び子宮内膜癌、カポジ肉種、 及び慢性骨髄性肉腫を含む)由来の単球及び/又は大食細胞が、その組成物で刺 激され、これら自体の特有の癌細胞を攻撃、破壊することも分かった。その上、 子宮内膜症の患者由来の大食細胞が、同様にこの組成物で活性化されることが分 かった(実施例26参照)。 この発明の組成物は、腫瘍懐死因子(TNF)の産生を調節できる。ウシの胆 汁から単離されるこの発明の好ましい組成物は、ヒト末梢血液単核細胞と前単球 細胞系U−937からのTNFの放出を恐らく生理的量で促進する。TNFは、 炎症及び 抗腫瘍性サイトカインの作用のカスケードを開始することが知られていることか ら、好ましい組成物は、ヒト白血球を刺激してTNF(及びおそらく他のサイト カイン)を放出する抗腫瘍作用をもたらす。従って、この発明は、癌細胞に対す るリンパ球と大食細胞の細胞毒性をも強化しうる。 この組成物のヒト末梢血液単核細胞(PBMNs)とリンパ球の生存効果も調 べた。この組成物は、ヒトPBMNsとリンパ球に非細胞毒性であることが分か った。 以下でさらに例示するように、この発明の組成物は、中でも次の特徴を有する 。 1)PBMNsからのTNF放出に応答しうる成分又は成分数は、C18RP−H PLCカラムから早期に溶出した。 2)この組成物は、インターロイキン−1β(IL−1β)の放出を生じ、かつ IL−1β放出に応答しうる成分はPR−HPLCから早期に溶出し、このこと はTNFを放出する同じ物質(群)とみられる。 3)この組成物は、低い量のインターロイキン−2(IL−2)の放出をも生ず る。 4)この組成物は、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF) の放出を生ずる。 (a)生体外又は生体内で、単球及び大食細胞を刺激して1以上のサイトカイ ンを産生することができる;又は (b)単球又は大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生す ることができる;かつ の少なくとも一つを有し、 内毒素、IL−1α、IL−1β、TNF、IL−4 、IL−6、IL−8、GM−CSF又はIFN−γではない。かかる組成物は 、動物、好ましくはウシの胆汁から、あるいは前記のその他の源から得られる。 この組成物の好ましい実施態様において、この組成物は、生体外又は生体内で、 もっとも好ましくは人で、外因性のIL−1α、IL−1β、TNF、IL−4 、IL−6、IL−8、GM−CSF及びIFN−γなしで、腫瘍壊死因子の産 生を刺激する。 この発明の組成物は、カラムクロマトグラフィーによって特徴づけられる成分 を有する。すなわち、該組成物を乾燥して固体の残渣を得、該残渣の2gをメタ ノール中10%濃縮水酸化アンモニウム溶液の20mlに溶解し、不溶物を除去 したのち、5cmx12.5cmの寸法を有し、60Åのフラッシュシリカゲル 102gを充填したメタノール中のカラムクロマトグラフィーに付し、平方イン チあたり10ポンドの圧力で、メタノール溶媒溶液中の濃縮水酸化アンモニウム 溶液で、11ml/分の流速で操作し、カラムの総溶出液が約180〜約220 ml、約220ml〜約260ml、又は約260ml〜約300mlであると きに採取した画分において該成分がカラムから 患を含み、慢性関節リューマチ、狼瘡、多発硬化症及びALSを含む免疫系応答 機能障害によって引き起こされるか又はその結果としてのその他の異常、細菌、 真菌、マイコプラズマ、原虫を含む感染症及び他の日和見感染症の治療方法をも 提供する。その方法は、この発明の組成物の治療有効量を上記の疾患の一つに苦 しめられている患者に投与することからなる。さらに、この発明は、この発明の 組成物がアジュバントとしてそのようなワクチンに加えられる、HIV、種々の 小児疾患及びその他の疾患に対する予防接種の方法も提供する。 また、この発明を成す一部は、(1)スフィンゴシンもしくは塩とのスフィン ゴシン錯体のミセル、又は(2)次の性質: (a)生体外で単球と大食細胞を刺激して1以上のサイトカインを産生するこ とができる;又は (b)単球又は大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生す ることができる;の少なくとも1つを有する レチノイン酸もしくはその誘導体のミセルからなる組 成物である。 このミセルは、ジアシルグリセライド又はレシチンを含んでいてもよく、さら に胆汁酸塩及びアンモニウムもしくはアルキルアンモニウムイオン源を含んでい てもよい。 最後に、この発明は、(1)スフィンゴシン、胆汁酸塩及びアンモニウムもし くはアルキルアンモニウムイオンの源、(2)胆汁酸塩、スフィンゴシン、ジア シルグリセロール、アンモ ニウムもしくはアルキルアンモニウムイオンの源及びレチノール誘導体、(3) ジアシルグリセライド、レシチン及び胆汁酸塩、又は(4)(a)ジアシルグリ セライド、(b)レシチン、及び(c)次の性質: (a)生体外で単球と大食細胞を剌激して1以上のサイトカインを産生するこ とができる;又は (b)単球または大食細胞を刺激して生体外又は生体内で腫瘍壊死因子を産生 することができる;の少なくとも1つを有する ムチンの加水分解生成物又はプロテオグリカンの加水 分解生成物を含む組成物も意図している。 以下の実施例は、この発明を説明するものであるが、制限するものではない。 実施例1 この実施例は、本発明の組成物の製造を記載し、例証している。 ウシ胆汁を、少なくとも1歳半の健康な牛(雄ならびに雌の両方)から除去し た胆嚢から採取した。これらの牛は、食品用に認可され、検査された屠殺場で屠 殺された。屠殺した動物を検査して屠殺前の健康を評価し、胆嚢を肝臓から分離 して獣医師により調べ、胆嚢に寄生体と感染の形跡がなく、このために本発明の 胆汁源としての使用に好適であったことを確認した。 この検査をパスした胆嚢を以下の方法に付した: 胆嚢を70%エタノール溶液で拭き、嚢の外側を清浄にし、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ペルチェソン、ポール、ビー カナダ、オンタリオ エル9ピー アイア ール4、アクスブリッジ、アールアール #4、コンセッション 74300

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 3000ダルトンより小さい小分子量成分からなり、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、 c)腫瘍壊死因子の産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM −CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞に細胞毒性を示さない、かつ f)内毒素ではない を有する、膵臓癌、悪性黒色腫、卵巣癌、ENT癌、子宮内膜癌、肺癌及びカポ ジ肉腫からなる群から選択される癌の治療用組成物の使用。 2. 3000ダルトンより小さい小分子量成分からなり、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、 c)腫瘍壊死因子の産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM −CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞に細胞毒性を示さない、かつ f)内毒素ではない を有する、子宮内膜症の治療用組成物の使用。 3. 3000ダルトンより小さい小分子量成分からなり、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、 c)腫瘍壊死因子の産生を調節できる、 d) IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、G M−CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞に細胞毒性を示さない、かつ f)内毒素ではない を有する、膵臓癌、悪性黒色腫、卵巣癌、ENT癌、子宮内膜癌、肺癌及びカポ ジ肉腫からなる群から選択される癌の治療用薬剤の製造用組成物の使用。 4. 3000ダルトンより小さい小分子量成分からなり、次の性質: a)動物の胆汁から抽出できる、 b)生体外と生体内で単球及び大食細胞を刺激できる、 c)腫瘍壊死因子の産生を調節できる、 d)IL−1α、IL−1β、TNF、IL−6、IL−8、IL−4、GM −CSF又はIFN−γを測定できるレベルで含まない、 e)ヒト末梢血液単核細胞に細胞毒性を示さない、かつ f)内毒素ではない を有する、子宮内膜症の治療用薬剤の製造用組成物の使用。 5. 組成物が筋肉内注射される、請求項1に記載の使用。 6. 組成物が筋肉内注射される、請求項2に記載の使用。
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