【発明の詳細な説明】
ピリミド[4,5-b]インドール
発明の背景
1.発明の分野
本発明のピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は多種
の種々の適応症用の医薬剤として有用である。
2.関連技術の説明
本発明のピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)はピロ
ロ[2,3-d]ピリミジンに化学構造的に類似する。
国際公開番号WO93/20078号はピロロ[2,3-d]ピリミジンおよびピリミド[4,
5-b]インドールの両方を開示している。WO93/20078号においては、二環式複素
環アミン(XXX)は、R5およびR6が結合する炭素原子と一緒になって環を形成
した場合には実際は三環式である。本発明の化合物は国際公開番号WO93/20078号
の選択発明である。
英国特許第1,268,772号は、ジアミノ置換環がピリミジニル環系ではない三環
式化合物を開示している。
J.Heterocyclic.Chem.,25,1633-39(1988)は、6員非ピリミジニル環に種
々の酸化基が結合した化合物を開示している。本発明の化合物は6員非ピリミジ
ニル環上にいずれの酸素官能基を有していない。
発明の概要
式(I):
[式中、R2-1は
(A)-H、
(B)C1-C8アルキル、これは所望により1ないし4個の
(1)-F、
(2)-Cl、
(3)-OR2-10、ここにR2-10は
(a)-H、
(b)C1-C4アルキル、
(c)リン酸、
(d)硫酸、
(e)-CO-R2-11、ここにR2-11はC1-C4アルキルまたはC6-C9アラ
ルキルであり、
(f)-CO-NR2-12R2-13、ここにR2-12およびR2-13は同一または異
なり、-HまたはC1-C3アルキルであり、
(g)スルファミン酸、
(h)グルコシル、
(i)ガラクトシル、
(j)グルクロン酸、
(k)マルトシル、
(l)アラビノシル、
(m)キシロシル、
(n)-CO-CH(NH2)-H、
(o)-CO-CH(NH2)-CH3、
(p)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)2、
(q)-CO-CH(NH2)-CH2-CH(CH3)2、
(r)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)-CH2-CH3、
(s)-CO-CH(NH2)-CH2-OH、
(t)-CO-CH(NH2)-CH(OH)-CH3、
(u)-CO-CH(NH2)-CH2-φ、
(v)-CO-CH(NH2)-CH2-[p-フェニル]-OH、
(w)-CO-CH(NH2)-CH2-[2-インドリル]、
(x)-CO-CH(NH2)-CH2-SH、
(y)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-S-CH3、
(z)-CO-C*H-NH-CH2-CH2-C*H2、ここに「*」で印しを付し
た炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(aa)-CO-C*H-NH-CH2-CH(OH)-C*H2、ここに「*」で印
しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(bb)-CO-CH(NH2)-CH2-COOH、
(cc)-CO-CH(NH2)-CH2-CONH2、
(dd)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-COOH、
(ee)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CONH2、
(ff)-CO-CH(NH2)-CH2-C*-NH-CH=N-C*H=、ここに「*
」で印しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(gg)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-C(=NH)-NH2、
(hh)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ii)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH(OH)-CH2-NH2、
(jj)-CO-CH2-CH2-NH2、
(kk)-CO-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ll)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH2、
(mm)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-CO-NH2、
(nn)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-OHであり、
(4)-N(R2-14)2、ここにR2-14は同一または異なっていてもよく、
(a)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていて
もよいC1-C6アルキル、
(b)C1-C6アルキルカルボニル、
(c)C1-C6アルコキシカルボニル、
(d)C6-C12アリールアルキル、
(e)-φ、
(f)-SO2-C1-C8アルキル、
(g)CH3-C*-O-CO-O-C*-CH2-(ここにアスタリスク(*)で印
しを付した炭素原子は二重結合によって結合して5員環を形成する)
で置換されていてもよく;
R2-2は、
(A)-H、
(B)C1-C8アルキル、これは所望により1ないし4個の
(1)-F、
(2)-Cl、
(3)-OR2-10、ここにR2-10は前記定義に同じ、
(4)-N(R2-14)2(ここにR2-14は同一または異なっていてもよく、前記
定義に同じ)、
で置換されていてもよく;
あるいはR2-1およびR2-2は結合した窒素原子と一緒になって
(A)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ロリジニル、ここにR2-3は、
(1)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルキル、
(2)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルケニル、
(3)C1-C6アルキルカルボニル、
(4)C1-C6アルコキシカルボニル、
(5)C6-C12アリールアルキル、
(6)=O、
(7)-OH、
(8)-C≡N、
(9)-CO2R2-4、ここにR2-4は
(a)-H、
(b)C1-C4アルキル、
(c)C6-C12アリール、
(d)C6-C12アラルキルであり、
(10)-NH2、
(11)-Cl、
(12)-F、
(13)-Br、
(14)所望により1ないし3個の-F、-Cl、-Br、-OH、-OCH3、
-OCH2-φ、-NO2、C1-C3アルキル、-NH2、-NHCH3、N(CH3)2、-
CO2R2-4で置換されていてもよい-φであり、ここにR2-4は前記定義に同じ、
(15)-(CH2)n4NR2-6R2-7、ここにR2-6およびR2-7は同一または異
なり、C1-C4アルキル、または結合した窒素原子と一緒になって複素環-N*-(
CH2)n5-R2-8-(CH2)n6*を形成することもでき、ここにアスタリスク(*)で印
しを付した原子は一緒に結合して環を形成し、ここにn4は0ないし3、n5は1な
いし5、n6は0ないし3であって、R2-8は
(a)-CH2-、
(b)-O-、
(c)-S-、
(d)-NR2-4、ここにR2-4は前記定義に同じであり、
よりなる群から選択され、
(B)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ペリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(C)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-モ
ルホリニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(D)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ペラジニル、ここにR2-3は前記定義に同じであって、所望により4-位でR2-5
で置換されていてもよく、ここにR2-5は、
(1)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルキル、
(2)C1-C6アルキルカルボニル、
(3)C1-C6アルコキシカルボニル、
(4)C6-C12アリールアルキル、
(5)-φ、
(6)-SO2-C1-C8アルキル、
(7)CH3-C*-O-CO-O-C*-CH2-、ここにアスタリスク(*)で印しを
付した炭素原子は二重結合によって結合して5員環を形成し、
であり、
(E)所望により炭素上で1または2個のR2-3で置換されていてもよい1-ア
ジリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(F)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ア
ゼチジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(G)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ヘ
キサメチレンイミノ、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(H)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ロリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(I)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-イ
ミダゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(J)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ラゾイル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(K)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ラゾリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(L)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1,2
,3-トリアゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(M)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1,2
,4-トリアゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(N)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-テ
トラゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(O)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-チ
オモルホリニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(P)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-チ
アゾリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
よりなる群から選択される複素環を形成し、
ここに、R2-3およびR2-5は前記定義に同じで、
R2-9は
(A)-(CH3)n4、ここにn4は1ないし3であり、
(B)-CH2OCH2、
(C)-CH2SCH2、
(D)-CH2SO2CH2、
(E)-CH2S、
(F)-CH2SO2、
(G)-CH2N(R2-5)CH2、ここにR2-5は前記定義に同じ;
R4-1はR2-1の定義に同じであるが、R2-1と同一であっても、またはそれ以
外で異なっていてもよく、
R4-2はR2-2の定義に同じであるが、R2-2と同一であっても、またはそれ以
外で異なっていてもよく、
R7は
(C7-2) (B)1ないし4個のR7-1で置換されたC1-C8アルキル、
ここにR7-1は
(1)-F、-Cl、-Br、
(2)C1-C4アルキル、
(3)-CF3、
(4)-φ、
(5)-OR7-2、ここにR7-2は
(a)-H、
(b)C1-C4アルキル、
(c)リン酸、
(d)硫酸、
(e)-CO-R7-8、ここにR7-8はC1-C4アルキルまたはC6-C9
アラルキル、
(f)-CO-NR7-10R7-11、ここにR7-10およびR7-11は同一ま
たは異なり、-HまたはC1-C3アルキル、
(g)スルファミン酸、
(h)グルコシル、
(i)ガラクトシル、
(j)グルクロン酸、
(k)マルトシル、
(l)アラビノシル、
(m)キシロシル、
(n)-CO-CH(NH2)-H、
(o)-CO-CH(NH2)-CH3、
(p)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)2、
(q)-CO-CH(NH2)-CH2-CH(CH3)2、
(r)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)-CH2-CH3、
(s)-CO-CH(NH2)-CH2-OH、
(t)-CO-CH(NH2)-CH(OH)-CH3、
(u)-CO-CH(NH2)-CH3-φ、
(v)-CO-CH(NH2)-CH2-[p-フェニル]-OH、
(w)-CO-CH(NH2)-CH2-[2-インドリル]、
(x)-CO-CH(NH2)-CH2-SH、
(y)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-S-CH3、
(z)-CO-C*H-NH-CH2-CH2-C*H2、ここにアスタリス
ク(*)で印しを付した炭素原子は一緒なって結合して複素環を形成し、
(aa)-CO-C*H-NH-CH2-CH(OH)-C*H2、ここにアス
タリスク(*)で印しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(bb)-CO-CH(NH2)-CH2-COOH、
(cc)-CO-CH(NH2)-CH2-CONH2、
(dd)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-COOH、
(ee)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CONH2、
(ff)-CO-CH(NH2)-CH2-C*-NH-CH=N-C*H=、こ
こにアスタリスク(*)で印しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を
形成し、
(gg)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-C(=NH)-
NH2、
(hh)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ii)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH(OH)-CH2-NH2
、
(jj)-CO-CH2-CH2-NH2、
(kk)-CO-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ll)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH2、
(mm)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-CO-NH2
、
(nn)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-OHであり、
(6)-SR7-2、ここにR7-2は前記定義に同じ、
(7)-NHR7-3、ここにR7-3は-HまたはC1-C4アルキル、
(8)-NR7-4R7-5、ここにR7-4およびR7-5は同一または異なり
、C1-C4アルキルであるか、または結合した窒素原子と一緒になって複素環-N
*-(CH2)n1-R5-6-(CH2)n2*を形成してもよく、ここにアスタリスク(*)で印
しを付した原子は一緒になって結合して環を形成し、ここにn1は1ないし5、n2
は0ないし3であって、R5-6は
(a)-CH2-、
(b)-O-、
(c)-S-、
(d)-NR7-9であり、ここにR7-9は
(i)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換さ
れていてもよいC1-C6アルキル、
(ii)C1-C6アルキルカルボニル、
(iii)C1-C6アルコキシカルボニル、
(iv)C6-C12アリールアルキル、
(v)-φ、
(vi)-SO2-C1-C8アルキル、
(vii)CH3-C*-O-CO-O-C*-CH2-、ここに*で示した
炭素原子は二重結合によって結合して5員環を形成し、
(9)-(CH2)n3CO2R7-2、ここにn3は0ないし6であって、
R7-2は前記定義に同じ、
(10)-(CH2)n3CON(R7-3)2、ここにn3は前記定義に同じであ
って、R7-3は同一または異なっていてもよく、前記定義に同じ、
(11)-(CH2)n3CONR7-4R7-5、ここにn3、R7-4、R7-5は前
記定義に同じ、
(12)-(CH2)n1OR7-2、ここにR7-2およびn1は前記定義に同じ
、
(13)-(CH2)n1OCOR7-3、ここにR7-3およびn1は前記定義に
同じ、
(14)-(CH2)n1SR7-2、ここにR7-2およびn1は前記定義に同じ
、
(15)-(CH2)n1NHR7-3、ここにR7-3およびn1は前記定義に同
じ、
(16)-(CH2)n1NR7-4R7-5であり、ここにR7-4、R7-5およびn1
は前記定義に同じ、
(D)所望により1ないし4個のR7-1で置換されていてもよい
-(CH2)n3-ピリジン-2-、3-または4-イル、ここにn3およびR7-1は前記定義
に同じ、
(C5-5) (F)-(CH2)n3CO2R7-2、ここにn3およびR7-2は前記定義に同じ
、
(C5-6) (G)-(CH2)n3CON(R7-3)2、ここにn3は前記定義に同じであって
、R7-3は同一または異なっていてもよく前記定義に同じ、
(C5-7) (H)-(CH2)n3CONR7-4R7-5、ここにn3、R7-4、R7-5は前記定
義に同じ、
(C5-8) (I)-(CH2)n3SO3R7-2、ここにn3およびR7-2は前記定義に同じ
である]で示されるピリミド[4,5-b]インドールおよびその医薬上許容される
塩を開示する。
式(XIII):
[式中、R2-1は
(A)-H、
(B)C1-C8アルキル、これは所望により1ないし4個の
(1)-F、
(2)-Cl、
(3)-OR2-10、ここにR2-10は
(a)-H、
(b)C1-C4アルキル、
(c)リン酸、
(d)硫酸、
(e)-CO-R2-11、ここにR2-11はC1-C4アルキルまたはC6-C9アラ
ルキルであり、
(f)-CO-NR2-12R2-13、ここにR2-12およびR2-13は同一または異
なり、-HまたはC1-C3アルキルであり、
(g)スルファミン酸、
(h)グルコシル、
(i)ガラクトシル、
(j)グルクロン酸、
(k)マルトシル、
(l)アラビノシル、
(m)キシロシル、
(n)-CO-CH(NH2)-H、
(o)-CO-CH(NH2)-CH3、
(p)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)2、
(q)-CO-CH(NH2)-CH2-CH(CH3)2、
(r)-CO-CH(NH2)-CH(CH3)-CH2-CH3、
(s)-CO-CH(NH2)-CH2-OH、
(t)-CO-CH(NH2)-CH(OH)-CH3、
(u)-CO-CH(NH2)-CH2-φ、
(v)-CO-CH(NH2)-CH2-[p-フェニル]-OH、
(w)-CO-CH(NH2)-CH2-[2-インドリル]、
(x)-CO-CH(NH2)-CH2-SH、
(y)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-S-CH3、
(z)-CO-C*H-NH-CH2-CH2-C*H2、ここに「*」で印しを付し
た炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(aa)-CO-C*H-NH-CH2-CH(OH)-C*H2、ここに「*」で印
しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(bb)-CO-CH(NH2)-CH2-COOH、
(cc)-CO-CH(NH2)-CH2-CONH2、
(dd)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-COOH、
(ee)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CONH2、
(ff)-CO-CH(NH2)-CH2-C*-NH-CH=N-C*H=、ここに「*
」で印しを付した炭素原子は一緒になって結合して複素環を形成し、
(gg)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-C(=NH)-NH2、
(hh)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ii)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH(OH)-CH2-NH2、
(jj)-CO-CH2-CH2-NH2、
(kk)-CO-CH2-CH2-CH2-NH2、
(ll)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH2、
(mm)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-CH2-NH-CO-NH2、
(nn)-CO-CH(NH2)-CH2-CH2-OHであり、
(4)-N(R2-14)2、ここにR2-14は同一または異なっていてもよく、
(a)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていて
もよいC1-C6アルキル、
(b)C1-C6アルキルカルボニル、
(c)C1-C6アルコキシカルボニル、
(d)C6-C12アリールアルキル、
(e)-φ、
(f)-SO2-C1-C8アルキル、
(g)CH3-C*-O-CO-O-C*-CH2-(ここにアスタリスク(*)で印
しを付した炭素原子は二重結合によって結合して5員環を形成する)
で置換されていてもよく;
R2-2は、
(A)-H、
(B)C1-C8アルキル、これは所望により1ないし4個の
(1)-F、
(2)-Cl、
(3)-OR2-10、ここにR2-10は前記定義に同じ、
(4)-N(R2-14)2(ここにR2-14は同一または異なっていてもよく、前記
定義に同じ)、
で置換されていてもよく;
あるいはR2-1およびR2-2は結合した窒素原子と一緒になって
(A)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ロリジニル、ここにR2-3は、
(1)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルキル、
(2)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルケニル、
(3)C1-C6アルキルカルボニル、
(4)C1-C6アルコキシカルボニル、
(5)C6-C12アリールアルキル、
(6)=O、
(7)-OH、
(8)-C≡N、
(9)-CO2R2-4、ここにR2-4は
(a)-H、
(b)C1-C4アルキル、
(c)C6-C12アリール、
(d)C6-C12アラルキルであり、
(10)-NH2、
(11)-Cl、
(12)-F、
(13)-Br、
(14)所望により1ないし3個の-F、-Cl、-Br、-OH、-OCH3、
-OCH2-φ、-NO2、C1-C3アルキル、-NH2、-NHCH3、N(CH3)2、-
CO2R2-4で置換されていてもよい-φであり、ここにR2-4は前記定義に同じ、
(15)-(CH2)n4NR2-6R2-7、ここにR2-6およびR2-7は同一または異
なり、C1-C4アルキル、または結合した窒素原子と一緒になって複素環-N*-(
CH2)n5-R2-8-(CH2)n6*を形成することもでき、ここにアスタリスク(*
)で印しを付した原子は一緒に結合して環を形成し、ここにn4は0ないし3、n5
は1ないし5、n6は0ないし3であって、R2-8は
(a)-CH2-、
(b)-O-、
(c)-S-、
(d)-NR2-4、ここにR2-4は前記定義に同じであり、
よりなる群から選択され、
(B)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ペリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(C)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-モ
ルホリニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(D)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ペラジニル、ここにR2-3は前記定義に同じであって、所望により4-位でR2-5
で置換されていてもよく、ここにR2-5は、
(1)所望により1ないし3個の-OHまたは-OCH3で置換されていても
よいC1-C6アルキル、
(2)C1-C6アルキルカルボニル、
(3)C1-C6アルコキシカルボニル、
(4)C6-C12アリールアルキル、
(5)-φ、
(6)-SO2-C1-C8アルキル、
(7)CH3-C*-O-CO-O-C*-CH2-、ここにアスタリスク(*)で印しを
付した炭素原子は二重結合によって結合して5員環を形成し、
であり、
(E)所望により炭素上で1または2個のR2-3で置換されていてもよい1-ア
ジリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(F)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ア
ゼチジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(G)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ヘ
キサメチレンイミノ、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(H)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ロリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(I)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-イ
ミダゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(J)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ラゾイル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(K)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-ピ
ラゾリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(L)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1,2
,3-トリアゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(M)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1,2
,4-トリアゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(N)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-テ
トラゾリル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(O)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-チ
オモルホリニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
(P)所望により炭素上で1ないし3個のR2-3で置換されていてもよい1-チ
アゾリジニル、ここにR2-3は前記定義に同じ、
よりなる群から選択される複素環を形成し、
ここに、R2-3およびR2-5は前記定義に同じで、
R2-9は
(A)-(CH3)n4、ここにn4は1ないし3であり、
(B)-CH2OCH2、
(C)-CH2SCH2、
(D)-CH2SO2CH2、
(E)-CH2S、
(F)-CH2SO2、
(G)-CH2N(R2-5)CH2、ここにR2-5は前記定義に同じ;
R4-1はR2-1の定義に同じであるが、R2-1と同一であっても、またはそれ以
外で異なっていてもよく、
R4-2はR2-2の定義に同じであるが、R2-2と同一であっても、またはそれ以
外で異なっていてもよい]で示されるラクタム(XIII)およびその医薬上許容
される塩を開示する。
発明の詳細な説明
国際公開番号WO93/20078号は、二環式アミン(XXX)である化合物を開示し
ている。本発明の化合物は、W1およびW3がともに-N=であって、R5およびR6
が結合する炭素原子と一緒になった場合に環-C*-CR56-1=CR56-2-CR56-3=
CR56-4-C*-(ここに、アスタリスク(*)で印しを付した炭素原子は二重結合(C
=C)によって一緒になって結合し、R56-1、R56-2、R56-3およびR56-4はすべ
て-Hである)を形成する国際公開番号WO93/20078号の選択発明である。
本発明のピリミド[4,5-b]インドール(I)は、国際公開番号WO93/20078号記
載の一般的方法および当該分野でよく知られた方法によって製造する。
薬理学的に有効なピリミド[4,5-b]インドール(I)合成の出発点は、ハロゲ
ン化(X1は-Clまたは-Br)ジアミノピリミジン(II)である。X1は-Clで
あるのが好ましい。5-員環を形成する前に、ピリミジン環の最終的に所望のア
ミノ置換基(-NR2-1R2-2および-NR4-1R4-2)を付加または形成する。置換基
-NR2-1R2-2および-NR4-1R4-2は同一でも異なっていてもよいが;それは化
学合成の単純性のために同一であるのが好ましい。ハロゲン化芳香族/ヘテロ芳
香族化合物からの第四級アミン(-NR2-1R2-2、-NR4-1R4-2)の形成は当業者
によく知られている(例えば、J.Med.Chem.,33,1145(1990)を参照されたし)
。一般的に、C2およびC4位のC所望のアミノ基を形成した後に、R7置換基を
導入して5-員環を形成する。
-NR2-1NR2-2およびNR4-1R4-2基に関しては、R2-1およびR2-2が結合
した窒素原子と一緒になって複素環を形成することが好ましい。該複素環は、1
-ピロリジニル、1-ピペリジニル、4-モルホリニル、4-メチルピペラジニル、
4-チオモルホリニル、1-ピペラジニルよりなる群から選択されることが好まし
い。R2-1およびR2-2は1-ピロリジニルまたは1-ピペラジニルを形成すること
が好ましく、R2-1およびR2-2は1-ピロリジニルを形成することがなお好まし
い。同様にして、R4-1およびR4-2は環化してR2-1およびR2-2と同一の環を形
成することが好ましい。R2-1/R2-2およびR4-1/R4-2によって形成される複
素環は、1ないし3個の基R2-3で置換されていてもよい。R2-3がアルキルであ
る場合、2個以下のかかる基が環中のいずれか1個の炭素原子となり得る。R2- 3
がアルキル以外である場合、かかる基の1個のみがいずれか1個の炭素原子上
に存在し得る。これらの基を如何にして調製するかはよく知られている(例えば
、ビス(1-ピロリジニル)ピリミジンのごとき多種のジアミノ置換ピリミジンを
如何にして調製するかを開示している米国特許第5,175,281号を参照されたし)
。
チャートAはR7が-Hである以外のすべてのR7について、適当なジアミノピ
リミジン(II)から対応するピリミド[4,5-b]インドール(I)への変換の一般
プロセスを開示している。チャートBは、R7が-CH2-CH2-[置換基]である、
適当なジアミノピリミジン(II)から対応するピリミド[4,5-b]インドール(
I)への変換のより特異的なプロセスを開示している。チャートCは、R7が-H
である、適当なジアミノピリミジン(II)から対応するピリミド[4,5-b]イン
ドール(I)への変換の特異的プロセスを開示している。R7は2-(4-モルホリニ
ル)エチル、2-(1-イミダゾリル)エチルおよび2-(1-ピペリジニル)エチルで
あることが好ましく;R7は2-(4-モルホリニル)エチルであることがより好ま
しい。
チャートAにおいて、一般的プロセスは、X1が-Brまたは-Clのごとき遊
離基またはそれらの相当物である適当なジアミノピリミジン(II)で出発する。
X1は-Clであることが好ましい。ついで、当業者によく知られた手段によって
、適当なR7-NHアミンと反応させることによって、ジアミノピリミジン(II)
を対応するトリアミノピリミジン(III)に変換する。安価な容易に入手可能な
アミンを用いれば、このことは、単にジアミノピリミジン(II)を過剰量のR7-
NH2アミンに溶解し、加熱することによってなし得る。隠れたアミンについて
は、ブチルアミンのごとき強塩基でアニオンR7-NH-を予め形成することが、
十分にアミンの求核性を高める。いかなる理由によってかより少量のR7-NH2
アミンを使用することが望ましい場合には、僅かに過剰量のアミンまたはそのア
ニオ
ンだけが必要で、これはDMF、THF、キシレンまたはそれらの相当物のごと
き溶媒中で加熱することができる。過剰量の低分子量第四級アミンを添加するこ
とにより、反応物中に形成される酸(塩酸)が中和される。適当なアミンはトリエ
チルアミンである。ついで、当業者に知られた手段によってトリアミノピリミジ
ン(III)を環化させて、対応する飽和三環式化合物(IV)を形成する。このこ
とは、THF、DMF、DMSOまたはアセトニトリルのごとき溶媒中のトリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのごとき有機塩基存在下、トリアミノ
ピリミジン(III)をα-ブロモシクロヘキサノン(α-クロロシクロヘキサノン
も作用し得る)で処理することによって行う。アセトニトリルが好ましい溶媒で
ある。必要なアルキル化/環化/還元は、還流温度にてこの混合物を6-72時
間加熱することによって起こる。より長い反応時間によって、僅かに高い収量が
得られる。飽和三環式化合物(IV)は結晶化またはクロマトグラフィーによって
単離し、あるいは単離することなく行える。最後に、デカリンまたはジフェニル
エーテルのごとき高揮発性溶媒中、炭素パラジウム触媒で加熱するか、またはD
DQ、クロラニルのごとき高知の手段によって飽和三環式化合物(IV)を脱水素
化し、所望のピリミド[4,5-b]インドールを生成する。
R7基に関しては、本発明の好ましい化合物は、R7が環化アミノ基で置換され
たC2アルキルであるものである。これらの化合物は、チャートBのプロセスに
よって最良に調製される。該プロセスは、ジアミノピリミジン(II)出発物質と
反応するアミノ基がヒドロキシエチルアミン(NH2-CH2-CH2-OH)でヒドロ
キシエチルジアミノピリミジン(VI)を形成する以外はチャートAと全く同一で
ある。この物質を、チャートAに前記したのと同様にして、対応するヒドロキシ
エチル飽和三環式化合物(VII)に環化させ、対応するヒドロキシエチル不飽和
三環式化合物(VIII)に脱水素化する。該不飽和三環系(VIII)を形成した
後に、ヒドロキシル基を良好な遊離基-X2-に変換する。この遊離基には、ハロ
ゲン、スルホン酸エステル様-メタンスルホン酸、および相当基のごときものが
含まれる。該遊離基X2を、R7が-CH2-CH2-Rである「R」で置換して好ま
しいピリミド[4,5-b]インドール(Ia)を形成する。
前記プロセスは、R7基の付加の前に、最後に付加した環中に二重結合を導入
する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)を調製する別法は、飽和6-員環を不
飽和環に変換する前に、所望のR7基を付加することである。
チャートCはR7が-Hであるピリミド[4,5-b]インドール(I)を如何にして
生成するかを開示している。R7が-Hであるピリミド[4,5-b]インドール(I)
を生成するためには、ジアミノピリミジン(II)出発物質と反応するアミンは、
新たな置換基が-NH-(t-ブチル)であるトリアミノピリミジン(III)を形成
するt-ブチルアミンである。ついで、このt-ブチル置換トリアミノピリミジン
(III)を、チャートAの一般プロセスと同様にして環化し、不飽和化させて、
t-ブチル飽和三環式化合物(XI)およびt-ブチル不飽和三環式化合物(XII)
を生成する。最後に、当業者に公知の手段によって、t-ブチル基を-Hで置換し
てピリミド[4,5-b]インドール(Ib)を生成する。典型的な条件には、酸性媒
質、好ましくはトリフルオロ酢酸または濃臭化水素水溶液もしくは濃塩酸水溶液
など中でt-ブチル不飽和三環式化合物(XII)を加熱することが含まれる。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)を調製する別法は、当業者によく知られて
いるか、または市販されているトリハロピリミジンで出発することによる。好ま
しい2,4,6-トリハロピリミジンはトリクロロピリミジンである。THFのご
とき不活性溶媒中のトリハロピリミジン混合物を酸スキャベンジャー存在下で1
当量の第一級アミン、R7-NH2と反応させる。ピリジン、トリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミンのごとき有機アミン、および炭酸カリウムのごとき
無機塩基が有用な酸スキャベンジャーである。反応物を低温(-80〜0℃)にて
混合し、その反応混合物を放置して室温(20〜25℃)まで温め、ついでしばし
ば減圧下にて濃縮する。その残渣を酢酸エチルまたは塩化メチレンのごとき有機
溶媒と重炭酸カリウムのごとき無機塩基の水溶液との間に分配させる。抽出物を
乾燥し、濃縮し、その残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して所望の
4-ピリミジンを分離する。その4-アミノピリミジンを過剰量の第二級アミン、
NHR2-1R2-2と混合し、その混合物を還流温度下にて2ないし24時間加熱す
る。その混合物を放冷し、ついで濃縮する。その残渣を前記のごとく分配させて
無機塩を除去する。粗製生成物を慣用的方法(例えば結晶化および/またはクロ
マトグラフィー)によって精製して所望の三置換ピリミジンを得る。比較的不揮
発性の第二級アミンを使用する場合には、該反応混合物を酢酸エチルのごとき有
機溶媒で希釈し、その混合物を無機塩基水溶液で洗浄する。このことにより、チ
ャートAまたはB中のトリアミノピリミジン(III)または(IV)が得られる。
ある種の例においては、R7基を最終形で付加するよりもそれを三環系に付加
した後にR7置換基を修飾することが望ましいかもしれない。例えば、R7位にお
いては該基はtert-ブチルまたはN-ベンジルのごとき除去可能な基とすることが
できる。当業者に公知の方法によるかかる化合物の脱保護により、-N-Hアナロ
グが得られるであろう。アルキル化、アシル化または他の日常的操作により、新
たなR7を有する式(I)の化合物が得られる。別法として、R7の置換基は、変化
したR7置換基を含む新たな化合物を生成し得る修飾可能な官能基を含んでいて
もよい。該アミン基(-NR2-1R2-2、-NR4-1R4-2)には、前記のごとく修飾し
て新たな-NR2-1R2-2および/または-NR4-1R4-2を含む化合物を形成し得る
(恐らく、保護形の)修飾可能な官能基を含み得る。
チャートDは、当業者に公知である化学(J.Heterocyclic Chem.10,249(1973
)を参照されたし)による、対応するヒドロキシエチル不飽和三環式化合物(VI
II)からラクタム(XIII)の製造を開示している。当業者に公知のごとく、
ヒドロキシエチル不飽和三環式化合物(VIII)の遊離ヒドロキシル基を良好な
遊離基に変換させて、遊離基(IX)を有するヒドロキシエチル不飽和三環式化合
物を形成する。遊離基(IX)を有するヒドロキシエチル不飽和三環式化合物は、
エタノールアミンと反応させてアルコール(XIV)を形成させる。当業者に公知
のごとく、該アルコール(XIV)をジクロロ化合物、Cl-CH2-CO-Cl(X
V)と反応させて、クロロアルコール(XVI)を形成する。最後に、該クロロア
ルコール(XVI)を公知手段により環化させてラクタム(XIII)を形成させる
。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)はアミンであっ
て、十分な強度の酸と反応させた場合には、それ自体が酸付加塩を形成する。医
薬上許容される塩には、無機酸および有機酸の両方の塩が含まれる。医薬上許容
される塩は、対応する遊離アミンよりも好ましい。なぜならば、それが、より水
溶性でより結晶性である化合物を生成するからである。好ましい医薬上許容され
る塩には、以下の酸の塩が含まれる:塩酸塩、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸
、クエン酸、メタンスルホン酸、CH3-(CH2)n1-COOH(式中、n1は0ない
し4)、HOOC-(CH2)n1-COOH(式中、nは前記定義に同じで、HOOC-
CH=CH-COOH、φ-COOHである)。他の許容される塩については、Int.
J.Pharm.,33,201-217(1986)を参照されたし。
多くのピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)ならびに
ピリミド[4,5-b]インドールおよびラクタム(XIII)塩が、1分子の水もし
くは溶媒またはそれらの一部もしくは複数のいずれかと水和物および溶媒和物を
形成する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)なる語を用いる場合、それは、存
在するその医薬上許容される塩およびその水和/溶媒和形を意味し、包含する。
該ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は実施例3、
5、8、10および30の化合物から選択されることが好ましい。該ピリミド[
4,5-b]インドール(I)は実施例10記載の化合物であることがより好ましく
、実施例12および14記載の塩であることがより好ましく、実施例12記載の
塩であることがなおより好ましい。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、脊髄傷害を
治療および/または予防することに有用であり、重度の頭部傷害、クモ膜下出血
(SAH)および続発性の虚血性発作、喘息および肺中粘膜の形成/分泌の低下、
筋ジストロフィー、アドリアマイシン心臓毒性、パーキンソン病、他の神経変性
疾患、多発性硬化症、移植後再かん流の間の器官障害、ドナー処理による移植器
官の保護、皮膚移植片拒絶反応、外傷性および敗血性のショック、ならびに重度
の火傷、ARDS、化学酸化剤-誘導性の腎臓障害(例えば、コントラスト染色ネ
フロパシーの阻害およびシクロスポリン毒性の阻害のごとき)ネフローゼ症候群(
免疫学的)、全身紅斑狼瘡、アレルギー反応、アテローム硬化症、炎症(皮膚学的
抗炎症剤および抗乾癬剤)、気腫、ガン(限定転移、限定腫瘍増殖)、(ストレ
ス性)潰瘍、潰瘍性大腸炎およびクローン病を緩和させるのに有用である。また
、
該化合物は、ピリミド[4,5-b]インドール(I)が水腫を減少させる臀部および
顎の外科手術のごとき外科的操作の前の予防的処理にも有用である。それは、心
筋梗塞治療用、術後を改善する蘇生処理後の処理、特には蘇生処理、薬物アレル
ギー反応および偏頭痛後の神経術後用の外科的操作および神経的操作の間の神経
障害を予防するのに有用である。該化合物は、例えば糖尿病性網膜障害、老化性
筋肉変性、白内障および緑内障、光-誘導性の網膜障害の治療におけるような、
ならびに眼科手術において使用する洗浄混合液、成人および小児における高酸素
障害の予防、口腔/顔面外科手術のごとき術後の顔面水腫または事故による外傷
の減少のように、眼科においても用途を有する。該ピリミド[4,5-b]インドー
ル(I)およびラクタム(XIII)は、腫瘍または細胞系統が耐性となった場合に
、アドリアマイシン、タキソールまたはビンブラスチンのごとき抗-ガン剤と同
時投与することもでき、それは多剤耐性の有効な阻害剤である。該ピリミド[4,
5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、特に脳および腸における放
射線障害からの保護にも有用である。腸の場合、ピリミド[4,5-b]インドール
(I)およびラクタム(XIII)は(例えば、坐薬により)局所または他のより一般
的な経路により投与することができる。このことは、前立腺拡延の間の腸障害を
予防するのに特に有用である。
ヒトにおいては、クモ膜下出血および続発性脳血管痙攣、虚血後脳障害を予防
するための全脳虚血後蘇生術(CPR)、脳腫瘍(神経保護)、ベル麻酔、他の神経
変性疾患、(例えば、ウイルス性肝炎による)肝壊死、(例えば、放射線治療の間
の、または放射線への偶発的暴露による)ある種の形態の放射性障害、心筋虚血
後の心筋障害、出産前の小児窒息および小児低酸素症、ブドウ膜炎および視神経
炎および虚血性腸症候群のごとき眼科疾患の治療においても有用である。
ヒトにおいては、心肺蘇生術、神経学的または心脈管的外科手術の後および心
筋梗塞、(例えば、カタル(cataritic)手術)眼科手術後の眼傷害による障害を予
防するのに有用である。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、手術の合併
症または水腫および神経傷害ならびに網膜傷害のごとき外傷を治療するのに有用
である。
一般的に、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は前
記のヒトの症状ならびに以下に列挙する動物の症状を治療するための糖質コルチ
コイド医薬と同様に使用する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタ
ム(XIII)は、糖質コルチコイドとしての多くの同一症状の治療および同一の
問題点による傷害においてヒトおよび動物の双方に有用であるが、該ピリミド[
4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、糖質コルチコイドが有
用でない多くの症状を治療し、症状からの傷害を傷害を予防するのに有用である
。ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は糖質コルチコ
イド活性を全く有しておらず、したがって糖質コルチコイドとは異なり、糖質コ
ルチコイドに関連する副作用なしに、より長期間にわたって毎日投与することが
できる。このことはきわだった利点である。それは血中グルコースに何ら作用せ
ず、このことも利点である。
ある種のピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)が、こ
れらの症状の幾つかについて他のものとは異なる程度で有用であろうことは理解
される。
治療の標準的条件は、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(X
III)を経口または非経口的、例えばIV(すなわち、注射、灌流または連続点
滴)またはIM、約5ないし約20mg/kg/日IVの標準用量で20日まで
の間(ある種の症状については10日以内で十分)または約5ないし約30mg/
kg/日で月当たり毎日1ないし4回投与する。メスにはオスよりもより多くの
用量を投与する。なぜならば、平均的に、メス(女性)はオス(男性)よりもピリミ
ド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)をより迅速に代謝するか
らである。メス(女性)については、標準用量は約7ないし約30mg/kg/日
IVまたは約7ないし約50mg/kg/日を月当たり毎日1ないし4回投与す
る。例えば、SAHの治療においては、オスには10mg/kg/日を投与し、
メスには15mg/kg/日を投与する。該用量は単一注射として、またはより
典型的には、分割用量(通常、毎日3または4回)により投与する。
SAHの治療においては、患者は、約6mg/kg/日ないし約20mg/k
g/日、好ましくは約10ないし約15mg/kg/日で治療すべきである。
重度の頭部外傷の緩和においては、患者を、約5mg/kg/日ないし約50
mg/kg/日、好ましくは約10ないし約25mg/kg/日で治療すべきで
ある。
虚血性(血栓閉塞)発作の治療においては、患者を、一日目に約10ないし約
25mg/kgの初期用量で、好ましくは約12.5mg(オス(男性))および1
5mg(メス(女性))ないし約20mg/kgの初期用量で治療し、つづいて約3
日間約10mg/kg(オス(男性))および約12.5mg/kg(メス(女性))な
いし約20mg/kgで処理すべきである。
脊髄外傷の治療においては、患者を、1ないし数日間約5ないし約20mg/
kg/日で治療する。脊髄外傷を負った患者は約10ないし約20mg/kg/
日で1日間治療するのが好ましい。脊髄外傷を負った患者を治療する場合には、
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を投与する前にメ
チルプレドニソロンコハク酸ナトリウムのごとき大用量のステロイドを該患者に
1回投与することも好ましい。
心肺蘇生術、心筋梗塞、移植後再灌流間の器官障害、出血性、外傷性および敗
血性のショック、重度の火傷、ARDSおよびネフローゼ症候群を治療し、皮膚
移植片拒絶を予防するためには、標準的条件を用いる。典型的な治療には、患者
の特定の症状および使用する特定の化合物に依存して、初期負荷用量、例えば0
.05mgないし4mg/kgのIV用量につづいて、維持投与をIV腸注入に
より一日に4回、1ないし10日間通常投与する。このことは、数日、数週間、
数カ月間のIMまたは経口投与で補充してもよい。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)の好ましい使用
は、喘息のごとき炎症性肺疾患を治療することである。喘息の治療においては、
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を標準用量で経口
、IVおよび吸入によって投与する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)および
ラクタム(XIII)は経口またはエアゾールのいずれかで投与するのが好ましい
。
喘息を治療するためには、約5ないし約40mg/kg/日の経口用量を一日に
1ないし4回投与する。過剰な粘膜分泌の治療においては、ピリミド[4,5-b]
インドール(I)およびラクタム(XIII)の経口用量は約5ないし約30mg/
kg/日である。投与頻度は一日当たり1ないし4回である。過剰な粘膜分泌を
治療するためのピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)の
経口投与は数カ月ないし数年にさえ及んで行うことができる。感受性個人は予想
される問題が発生する前に、数時間前-処理できる。IV用量は約5ないし約2
0mg/kg/日である。エアゾール処方は、約0.01ないし約1.0%のピリ
ミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を含有し、これは必要
に応じて、一日当たり約4回投与または使用する。筋ジストロフィー、パーキン
ソン病および他の神経変性性疾患(筋萎縮性側索硬化症:多発性硬化症)の治療に
おいては、約5ないし約30mg/kg/日の用量を使用してピリミド[4,5-
b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を経口投与し、一日当たり1ない
し4回投与または使用する。該治療は数年間行うことができる。
アドリアマイシン-誘導性心臓毒性の治療においては、約1.0ないし約50m
g/kg/日、好ましくは約5ないい約20mg/kg/日の用量を用いて、ピ
リミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を経口またはIV投
与する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、好ま
しくはIVアドリアマイシンと同時に投与し、あるいは個人をピリミド[4,5-
b]インドール(I)およびラクタム(XIII)で前-処理する。神経または心脈管
外科手術の前に予防するか、またはその後の障害を予防するためには、ピリミド
[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)を標準条件に従って使用す
る。該患者は、外科手術の直前またはその後に単−IVまたはIM用量で前処理
するか、または手術の前または後に経口投与することができる。
薬剤アレルギー反応の治療においては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)お
よびラクタム(XIII)を約5ないし約20mg/kg/日の用量で一日当たり
1ないし4回IV投与し、約5ないし約30mg/kg/日を経口投与する。典
型的な治療は、初期IV負荷用量につづく数日またはより長期の経口投与であろ
う。
アテローム硬化症および気腫の治療においては、ピリミド[4,5-b]インドー
ル(I)およびラクタム(XIII)を約5ないし約30mg/kg/日の用量で、
一日当たり1ないし4回、数カ月または数年間経口投与する。ピリミド[4,5-
b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、高酸素環境に維持される未熟
児の治療において有用である。ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタ
ム(XIII)は、頭蓋内出血および気管支異常形成症に麻酔感受性であるこれら
の場合における罹病性および死亡率を改善する。この状況において、標準治療は
IVまたは経口のいずれかで投与する。
乾癬を包含する皮膚炎症症状の治療においては、ピリミド[4,5-b]インドー
ル(I)およびラクタム(XIII)を、約5ないし約30mg/kg/日の用量で
一回経口投与するか、または該量を分割用量で一日当たり2ないし4回投与する
ことができ、あるいは約0.05ないし約5%の濃度のクリーム、軟膏またはロ
ーションまたは同等用量形態として必要な限り長期間局所適用することができる
。これらの症状の治療においては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラ
クタム(XIII)はステロイド剤と一緒に使用することができる。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、ストレス性
潰瘍、および非ステロイド性抗炎症化合物(NOSAC)によって生じる胃不耐性
の予防および治療に有用である。ストレス性潰瘍とは、外傷、火傷、敗血症、広
範な手術、急性疾患などのごとき重篤な条件に暴露された後に発症する潰瘍であ
る。集中治療ユニット中の患者は、ストレス性潰瘍を特に発症しがちである。ス
トレス性潰瘍には、上部胃腸出血に通じ得る病変も包含され、かかる出血はこれ
らの化合物によって予防されるようである。NOSACには、痛覚脱出用に通常
採用されるイブプロフェン、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセンなどの
ごとき薬剤が包含され、それは、出血に通じ得る痛みおよび病変によって特徴付
けられる胃腸不耐性としばしば関連する。ピリミド[4,5-b]インドール(I)お
よびラクタム(XIII)は、約25ないし約500mgの範囲の用量で、一日に
2ないし4回、錠剤、カプセル剤または液剤のいずれかの経口経路によって優先
して投与する。該治療は予防的、すなわち、かかる病変を発症する危険性の患者
に潰瘍が形成される前に始めるか、治療的、すなわち、一旦潰瘍が形成してから
かのいずれかであろう。臨床症状が経口投与形の飲用を除外している患者におい
ては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、経鼻胃
管を通してか、または非経口的、すなわちIVもしくはIMのいずれかによって
投与する。非経口用量は約5ないし約100mgの範囲であって、一日当たり1
ないし4回またはIVによって投与する。
イヌにおいては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XII
I)は、外傷、脊髄間疾患(椎間板ヘルニア)、外傷性ショック、ノミの食い後
および他のアレルギーの治療に有用である。
ウマにおいては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XII
I)は、結腸を流れる内毒性または敗血症性のショックの治療、手術前の結腸へ
の前処理、および蹄葉炎の治療に有用である。ピリミド[4,5-b]インドール(
I)およびラクタム(XIII)は、手術の間の長時間にウマをうつ伏せにしてお
く必要がある手術操作の間に一般的に発生する筋肉障害を低下させることができ
る。
ウシにおいては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XII
I)は、急性大腸菌乳房炎、ウシ乳房炎、多量のワクチン接種に対するアレルギ
ー反応および回帰熱の治療において有用である。
ブタにおいては、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XII
I)は、ブタストレス症候群および高温ストレス症候群の治療において有用であ
る。
本明細書で使用する「治療」または「治療する」なる語は、広範に使用され、
存在する症状の治療、ならびに当業者によく知られているごとく可能性がある場
合に生じる同一症状を治療することの両方を包含する。例えば、ピリミド[4,5
-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、存在する喘息症状を治療する
ため、およびそれが将来発生するのを予防するために使用することができる。例
えば、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は脊髄外傷
を治療し、皮膚移植片の拒絶反応を予防する。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)は、当業者に公
知の前記に列挙した症状の治療において、互いに使用することができ、および/
または他の医薬剤と一緒に使用することができる。
多くの例において、ケトコナゾールまたはTAO(トリアセチルオレアンドマ
イシン)のごときピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)
の代謝の阻害剤を、ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XII
I)投与の前またはそれと同時に投与して、ピリミド[4,5-b]インドール(I)
およびラクタム(XIII)のおよび/またはそれらの代謝物の血中レベルを上昇
させることが望ましい。メスはオスよりもピリミド[4,5-b]インドール(I)お
よびラクタム(XIII)をより迅速に代謝するため、ピリミド[4,5-b]インド
ール(I)およびラクタム(XIII)代謝の阻害剤の投与はオスにおける血中レベ
ルに対してメスのものを上昇することができる。例えば、ケトコナゾールは、急
性用途については、約50ないし約300mg/日、好ましくは200mg/日
の量で、約1ないし2時間、反復用量状況については約1ないし約3時間投与す
べきである。
ピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム(XIII)の正確な用量お
よび投与頻度は、治療すべき特定の症状、治療すべき症状の重度、特定の患者の
年齢、体重、一般的体調、当業者によく知られている考慮し得る個人の他の治療
履歴に依存し、患者血液中のピリミド[4,5-b]インドール(I)およびラクタム
(XIII)(またはそれらの生物学的に活性な代謝物)の血中レベルまたは濃度お
よび/または治療すべき特定の症状に対する患者の応答性によって、より正確に
そくてい決定し得る。
定義および約束
以下に説明する定義および説明は、明細書および請求の範囲の両方を包含する
この全書類を通して使用される用語に関するものである。
I.式の約束および変数の定義
本明細書および請求の範囲中の種々の化合物または分子フラグメントを表す化
学式は、表現定義した構造特徴に加えて変数置換基を含み得る。これらの変数置
換基は、文字または数字の後の文字によって、例えば「Z1」または「Ri」(こ
こに「i」は整数)によって定義される。これらの変数置換基は一価または多価
のいずれかであり、すなわち、それらは1または2個の化学結合によって式に結
合した基を表す。例えば、基Z1は、式CH3-C(=Z1)Hに結合する場合には二
価を示す。基RiおよびRjは、式CH3-CH2-C(Ri)(Rj)-Hに結合した場合
には、一価変数置換基を表す。化学式が前記のごとく線状で図示されている場合
、括弧内に含まれる変数置換基は、括弧内に囲まれた変数置換基のすぐ左の原子
に結合している。2または3以上の連続変数置換基が括弧内に囲まれている場合
、各連続変数置換基は、括弧中に囲まれていない左の直前の原子に結合している
。かくして、前記の式中、RiおよびRjの両方は前の炭素原子に結合している。
また、ステロイドのごとき炭素原子番号付けの確立されたシステムを有するいず
れかの分子については、これらの炭素原子はCiと示され、ここに「i」は炭素
原子数に対応する整数である。例えば、C6は6位またはステロイド化学の当業
者によって伝統的に設計されたステロイド核中の炭素ナンバーを示す。同様にし
て、「R6」なる語は、(一価または多価のいずれかの)C6位の変数置換基を表す
。
線状で図示した化学式またはその一部分は直鎖中の原子を表す。記号「-」は
一般的に鎖中の2個の原子間の結合を表す。かくして、CH3-O-CH2-CH(Ri
)-CH3は、2-置換-1-メトキシプロパン化合物を表す。同様の様式で、記号
「=」は例えばCH2=C(Ri)-O-CH3のように二重結合を表し、記号「≡」は
例えばHC≡C-CH(Ri)-CH2-CH3のように三重結合を表す。カルボニル基
は、2つの方法:-CO-または-C(=O)-のいずれか1つで表されるが、単純性
のために前者が好ましい。
環状(環)化合物または分子フラグメントの化学式は、線状で表すことができる
。かくして、化合物4-クロロ-2-メチルピリジンは、アスタリスク(*)で印しを
付した原子が互いに結合して環を形成するという約束で、N*=C(CH3)-CH=
CCl-CH=C*Hにより線状で表すことができる。同様にして、環状フラグメ
ント、4-(エチル)-1-ピペラジニルは、-N*-(CH2)2-N(C2H5)-CH2-C*
H2により表すことができる。
本明細書中のいずれかの化合物の剛直な環状(環)構造は、該剛直な環状化合物
の各炭素原子に結合する置換基について、環面に対する方向を規定する。環系の
一部である炭素原子に結合する2つの置換基を有する飽和化合物-C(X1)(X2)-
については、2個の置換基は該環に対してアキシアルまたはエクアトリアルいず
れかの位で存在し得、アキシアル/エクアトリアルの間で変化し得る。しかしな
がら、該環に対するおよび互いの2個の置換基の位置は固定されたままである。
ある時点にいずれかの置換基は面の上方または下方(アキシアル)よりも環面(エ
クアトリアル)に存在し得るが、1個の置換基は常にもう1個のものの上方に存
在する。かかる化合物を図示する化学構造式において、もう1個の置換基(X2)
の「下方」に存在する置換基(X1)はα立体位置で存在すると規定され、炭素原
子に結合する破線、ダッシュ線または点線、すなわち、「---」または「...」に
よって規定される。「上方の」(X2)に結合した対応するもう1つの置換基(X1)
は、β立体配置で存在すると規定され、これは該炭素原子に結合する破線によっ
て示される。
変数置換基が二価である場合、原子価は一緒または別々であってもよく、ある
いは両方とも変数の定義である。例えば、-C(=Ri)として炭素原子に結合した
変数Riは二価であってもよく、オキソまたはケトと定義され(したがって、カル
ボニル(-CO-)を形成する)、あるいは2個の別々に結合した一価変数置換基α-
Ri-jおよびβ-Ri-kと定義される。変数置換基Riが2個の一価変数置換基より
なると定義される場合、約束を用いて、該二価変数は「α-Ri-j:β-Ri-k」ま
たはそのある種の変形を形成すると定義される。かかる場合においては、α-Ri -j
およびβ-Ri-kは両方とも炭素原子に結合して-C(α-Ri-j)(β-Ri-k)-とな
る。例えば、二価変数R6、-C(=R6)-が2個の一価変数置換基よりなると定義
される場合、該2個の変数置換基はα-R6-1:β-R6-2、.....α-R6-9:β-R6-10
他であり、-C(α-R6-1)(β−R6-2)-、.....-C(α-R6-9)(β-R6-10)-
他となる。同様にして、二価変数R11、-C(=R11)-については、一価変数置換
基はα-R11-1:β-R11-2である。分離した環置換基については、αおよびβ方
向は存在せず(例えば、環中に炭素・炭素二重結合が存在することにより)、環の
一部分ではない炭素原子に結合する置換基については、前記の約束をなお使用す
るが、αおよびβの記号は省略される。
二価変数が2個の別々の一価変数置換基と定義できるように、2個の別々の一
価変数置換基は一緒になって二価変数を形成し得る。例えば、-C1(Ri)H-C2(
Rj)H-(C1およびC2は、各々、第一および第二の炭素原子を軌道的に定義する
)において、RiおよびRjは一緒になって(1)C1およびC2の間の第2の結合ま
たは(2)オキサ(-O-)のごとき二価基およびそれによってエポキシドを記載する
式を形成すると定義できる。RiおよびRjが一緒になって、基-X-Y-のごとき
より複雑な基を形成する場合、該基の方向は前記式中のC1がXに結合し、C2が
Yに結合するようなものである。かくして、約束により、「・・RiおよびRjが
一緒になって-CH2-CH2-O-CO-を形成し・・」なる表現は、カルボニルが
C2に結合したラクトンを意味する。しかしながら、「・・RjおよびRiが一緒
になって-CO-O-CH2-CH2-を形成する・・」と示す場合、該約束はカルボ
ニルがC1に結合したラクトンを意味する。
変数置換基中の炭素原子含量は、2つの方法のうちの1つで示される。第1の
方法は、「C1-C4」(ここに、「1」および「4」は両方とも変数中の炭素原子
の最小および最大の数を表す)のごとき変数の全体名の接頭語を用いる。該接頭
語はスペースによって変数から離れている。例えば、「C1-C4アルキル」とは
、(特に示す表現がなければその異性体も包含する)1ないし4個の炭素原子のア
ルキルを表す。この単一接頭語が付されている場合には、該接頭語は定義すべき
変数の全炭素原子数を示す。かくして、C2-C4アルコキシカルボニルとは、基
CH3-(CH2)n-O-CO-(ここに、nは0、1または2)を説明する。第2の方
法によっては、定義の各部分のみの炭素原子含量を、「Ci-Cj」記号を括弧内
に囲み、それを定義すべき定義部分の直前(介在スペースはない)に置くことによ
って別々に示す。この任意の約束によれば、(C1-C3)アルコキシカルボニルは
C2-C4アルコキシカルボニルと同一の意味を有する。なぜならば、「C1-C3」
とはアルコキシ基の炭素原子含量のみをいうからである。同様にC2-C6アルコ
キシアルキルおよび(C1-C3)アルコキシ(C1-C3)アルキルは両方とも2ないし
6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基を定義するが、前者の定義では
アルコキシまたはアルキル部のいずれかが単独で4または5個の炭素原子を含む
ことが許容されるが後者の定義ではこれらの基のいずれかが3炭素原子に限定さ
れるため2つは異なる。
請求の範囲がかなり複雑な(環状)置換基を含む場合、その特定の置換基を命名
する/示す句の終わりに括弧内の注記があり、これは特定の置換基の化学構造式
も記載するチャートのうちの1つの同一名称/記号に対応する。
II.定義
すべての温度は℃である。
TLCとは薄層クロマトグラフィーをいう。
THFとはテトラヒドロフランをいう。
DMSOとはジメチルスルフォキシドをいう。
DMFとはジメチルホルムアミドをいう。
DDQとは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンをいう。
セーラインとは飽和塩化ナトリウム水溶液をいう。
クロマトグラフィー(カラムおよびフラッシュクロマトグラフィー)とは、(支
持体、溶出液)で表される化合物の精製/分離をいう。適当な画分をプールし、
濃縮して所望の化合物(群)を得ることは理解される。
NMRとは(プロトン)核磁気共鳴法をいい、化学シフトはテトラメチルシラン
から下流のppm(δ)で報告する。
TMSとはトリメチルシリルをいう。
-φとはフェニル(C6H5)をいう。
MSとはm/eまたは質量/電荷単位で表される質量分析をいう。[M+H]+
とは親+水素原子の陽イオンをいう。EIとは電子衝撃をいう。FABとは高速
原子衝撃をいう。
医薬上許容されるとは、組成、処方、安定性、患者許容性および生物学的利用
能に関して、薬理学的/毒素学的に鑑みて患者に許容され、物理/化学的に鑑み
て医薬製造化学者に許容される特性および/または物質をいう。
医薬上許容される陰イオン塩には、メシラート、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、
硝酸塩、クエン酸塩、CH3-(CH2)n1-COO-1(ここにn1は0ないし4)、-1O
OC-(CH2)n1-COO-1(ここに、nは前記定義に同じ)、-OOC-CH=CH-C
OO-1、φ-COO-1が含まれる。
溶媒対を用いる場合、用いる溶媒の比は容量/容量である。
実施例
さらに苦心することなく、これまでの記載を用いて、当業者ならば、本発明を
その完全な範囲で実行できると確信される。以下に詳述する実施例は、様々な化
合物の調製方法および/または本発明の様々なプロセスの実施方法を記述し、単
に例示的なものとして解釈されるべきであり、断じて前記の開示を制限するもの
ではない。当業者ならば、反応物および反応条件ならびに技術の両方に関する手
順から、直ちに、適当な変形を認めるであろう。
実施例1 2−[(2,6−ジ−(1−ピロリジニル)ピリミジン−4−イル)
アミノ]エタノール(VI)
4−クロロ−2,6−ジ−1−ピロリジニル−ピリミジン(II,J.Med.Chem.,
33,1145(1990)、300g)のエタノールアミン(1000mL)中混合物を、
140℃で66時間加熱する。反応混合物を冷却し、水(1700mL)で希釈
し、生成物を濾過によって単離して、標記化合物を得る。融点150.5-151.5℃;
NMR(CDCl3)6.55、4.83、4.75、3.75-3.72、3.54-3.38 および 1.93-1.85δ
実施例2 9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−5
,6,7,8−テトラヒドロ−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(VII
)
2−[(2,6−ジ−(1−ピロリジニル)ピリミジン−4−イル)アミノ]
エタノール(VI、実施例1、5.55g)、2−ブロモシクロヘキサノン(3.
54g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.65g)およびアセトニ
トリル(60mL)の混合物を44時間加熱還流する。反応混合物を20−25
℃まで冷却し、減圧下で濃縮する。残渣を塩化メチレンおよび重炭酸ナトリウム
水溶液の間に分配する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
クロマトグラフィー(シリカゲル、2.5%アセトン/クロロホルム)により、
標記化合物を得る。NMR(CDCl3)7.64、4.05、3.91、3.67、3.55、2.72、2.56
、2.0-1.7δ;MS(m/z)、計算値 355.2372、実測値 355.2368
実施例3 9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9
H−ピリミド[4,5−b]インドール(VIIIおよびI)
9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−5,6,7
,8−テトラヒドロ−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(VII、実施例
2、5.14g)および炭素上のパラジウム(10%、1.4g)のデカリン(
250mL)中混合物を3時間加熱還流する。混合物を20−25℃に冷却し、
塩化メチレン(250mL)で希釈し、ケイソウ土で濾過する。濾液から溶媒を
除去し、次いで得られる残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、1%メタノー
ル/クロロホルム)に付して標記化合物を得る。融点 110-111℃;MS(m/z)351
、323、307、296 および 279;NMR(CDCl3)7.89、7.23、7.13、6.97、4.38、4
.05、3.92、3.62 および 2.0-1.9δ
実施例4 9−(2−メタンスルホニルオキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(IX)
塩化メタンスルホニル(0.38mL)の塩化メチレン(20mL)中混合物
を、9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピ
リミド[4,5−b]インドール(VIII、実施例3、1.05g)およびトリエ
チルアミン(0.5mL)の塩化メチレン(25mL)中混合物に滴下する。数
分後、反応混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出する。有機相を乾燥し(硫
酸ナトリウム)、濃縮して標記化合物を得る。
実施例5 9−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリ
ジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I)
9−(2−メタンスルホニルオキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル
−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(IX、実施例4、50g)およびピ
ペリジン(200mL)の混合物を16時間加熱還流する。過剰のピペリジンを
減圧下で除去し、残渣を塩化メチレンおよび重炭酸ナトリウム水溶液の間に分配
する。有機相をセーラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、標記
化合物を得る。NMR(CDCl3)7.88、7.28、7.20、7.10、4.46-4.40、3.94-3.90
、3.66-3.62、2.74-2.68、2.57、1.98-1.94、1.64-1.58 および 1.45δ
実施例6 9−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリ
ジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール一塩酸塩(I)
9−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例5、44g)および塩酸
水溶液(1M、107mL)のエタノール(900mL)中混合物を、混合物が
均一になるまで、60℃で撹拌する。混合物を窒素気流中、減圧下で濃縮する。
反応容量が元の容量の約半分に達すると、結晶化が始まる。混合物を−10℃に
3時間で冷却し、標記化合物を濾過によって単離する。融点>260℃;NMR(CD
Cl3)7.88、7.52、7.28、7.13、4.86、3.94-3.89、3.62、3.45、3.15 および 2.0
1-1.96δ
実施例7 9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9
H−ピリミド[4,5−b]インドール一塩酸塩(I)
9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリ
ミド[4,5−b]インドール(VIII、実施例3)で出発する以外は重大な変更
はせずに、実施例6の一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点 230-232℃
実施例8 9−[2−(1−イミダゾリル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリ
ジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I)
9−(2−メタンスルホニルオキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル
−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(IX、実施例4、0.64g)、イ
ミダゾール(1.02g)およびキシレン(15mL)の混合物を、3時間加熱
還流する。次いで、キシレンを減圧下で除去し、残渣を塩化メチレンおよび重炭
酸ナトリウム水溶液の間に分配する。有機相をセーラインで洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濃縮する。クロマトグラフィー(シリカゲル、4%メタノール/
塩化メチレン)により標記化合物を得る。融点 181-183℃;NMR(CDCl3)7.88
、7.40、7.14-7.09、7.01-6.97、6.82、4.56-4.54、4.44-4.42、3.92、3.63 お
よび 1.99δ
実施例9 9−[2−(1−イミダゾリル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリ
ジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール硫酸塩(I)
9−[2−(1−イミダゾリル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例8、0.334g)、硫
酸(0.5M、1.73mL)、水(2mL)および2−プロパノール(20m
L)の混合物を、混合物が均一になるまで穏やかに加温する。減圧下で溶媒を除
去後、固体生成物をエタノール/アセトンから再結晶化して標記化合物を得る。
融点 262-263℃
実施例10 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I)
ピペリジンの代わりにモルホリンを用いる以外は重大な変更はせずに、実施例
5の一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点 138-139℃;MS(m/z)計算
値 420.2637、実測値 420.2640;NMR(CDCl3)7.90、7.25、7.19、7.10、4.45
、3.92、3.70、3.62、2.75、2.62 および 2.05-1.90δ
実施例11 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,一塩酸塩無水物(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10、2.77g)、メ
タノール性塩化水素(0.65M、10.15mL)、酢酸エチル(70mL)
の混合物を、溶液が均一になるまで、穏やかに加温する。その後すぐに、標記塩
が沈澱し、濾過によって単離する。融点 246-247℃
実施例12 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,一塩酸塩半水和物(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10、64.1g)、エ
タノール(950mL)、水(50mL)および塩酸水溶液(37%、12.5
mL)の混合物を、混合物が均一になるまで穏やかに加熱する。冷却して、標記
化合物を結晶化し、濾過によって単離する。融点 230℃
実施例13 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,二塩酸塩(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10、420mg)、メ
タノール2mLおよび0.43Mメタノール性塩酸5mLの混合物を、均一にな
るまで加熱する。溶媒を注意深く蒸留によって除去し、結晶化が始まるまで酢酸
エチルを加える。冷却後、標記化合物を濾過によって単離する。融点 255-257℃
実施例14 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,硫酸塩(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10)で出発する以外は
重大な変更はせずに、実施例9の一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点
218-219℃
実施例15 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,一クエン酸塩(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10、420mg)、ク
エン酸一水和物210mgおよびメタノール10mLを、均一になるまで加熱す
る。減圧下でメタノールを蒸発させた後、残渣をエーテルでトリチュレートし、
次いで濾過して、標記化合物を得る。融点 168-170℃
実施例16 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,二クエン酸塩(I)
2当量のクエン酸を用いる以外は重大な変更はせずに、実施例15の一般的手
順に従って、標記化合物を得る。融点 161-163℃
実施例17 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,モノメタンスルホン酸塩
(I)
9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−
9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I、実施例10、1.0g)、メタ
ンスルホン酸0.228gおよびイソプロピルアルコール/水(95/5、55
mL)の混合物を、混合物が均一になるまで加温する。減圧下で溶媒を除去後、
アセトンから再結晶化して、標記化合物を得る。融点 223-225℃
実施例18 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,ジメタンスルホン酸塩(
I)
2当量のメタンスルホン酸を用いる以外は重大な変更はせずに、実施例17の
一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点 170-172℃
実施例19 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,マレイン酸塩(I)
メタノール性塩酸の代わりに1当量のマレイン酸をを用いる以外は重大な変更
はせずに、実施例13の一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点 190℃
実施例20 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール,臭化水素塩(I)
塩化水素の代わりに1当量の臭化水素を用いる以外は重大な変更はせずに、実
施例12の一般的手順に従って、標記化合物を得る。融点 267℃
実施例21 5,6,7,8−テトラヒドロ−9−[2−(4−モルホリニル)
エチル]−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]イン
ドール
9−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル−5,6,7
,8−テトラヒドロ−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(VII、実施例
2)で出発する以外は重大な変更はせずに、実施例4および10の一般的手順に
従って、標記化合物を得る。融点 132-133℃;MS(m/z)424、312、311、283 お
よび 100;NMR(CDCl3)4.10、3.73-3.65、3.56-3.54、2.72-2.56 および 1.94
-1.75δ
実施例22 9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−2,4−ジ−1−ピロ
リジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(I)
5,6,7,8−テトラヒドロ−9−[2−(4−モルホリニル)エチル]−
2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(実
施例21)で出発する以外は重大な変更はせずに、実施例3の一般的手順に従っ
て、標記化合物を得る。融点 138-139℃;NMR(CDCl3)7.90、7.25、7.19、7.1
0、4.45、3.92、3.70、3.62、2.75、2.62 および 2.05-1.90δ
実施例23 4−(t−ブチルアミノ)−2,6−ジ−1−ピロリジニルピリミ
ジン(X)
t−ブチルアミン21.7gのテトラヒドロフラン100mL中混合物を、約
−40℃まで冷却し、約15分にわたって、ヘキサン中1.6Mn−ブチルリチ
ウム170mLで処理する。混合物を0℃に2時間で加温し、次いで−40℃ま
で再冷却し、30分にわたって、4−クロロ−2,6−ジ−1−ピロリジニルピ
リミジン25gおよびテトラヒドロフラン50mLの混合物で処理する。混合物
を20−25℃まで加温し、16−18時間撹拌する。次いで、水(50mL)
を加え、混合物を減圧下で濃縮する。残渣を塩化メチレンおよび10%重炭酸ナ
トリウム水溶液の間に分配する。有機相をセーラインで洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥して、濃縮する。クロマトグラフィー(シリカゲル、5%酢酸エチル
/ヘキサン)に付して標記化合物を得る。NMR(CDCl3)4.78、4.25、3.53-3.49
、3.40、1.93-1.86 および 1.41δ
実施例24 5,6,7,8−テトラヒドロ−9−t−ブチル−2,4−ジ−1
−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(XI)
4−(t−ブチルアミノ)−2,6−ジ−1−ピロリジニルピリミジン(X、
実施例23)で出発する以外は重大な変更はせずに、実施例2の一般的手順に従
って、標記化合物を得る。NMR(CDCl3)3.68-3.64、3.59-3.55、2.91-2.87、2.
76-2.72、1.94-1.85、1.82、1.67-1.64δ
実施例25 9−t−ブチル−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド
[4,5−b]インドール(VII)
5,6,7,8−テトラヒドロ−9−t−ブチル−2,4−ジ−1−ピロリジ
ニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(XI、実施例24)で出発する
以外は重大な変更はせずに、実施例3の一般的手順に従って、標記化合物を得る
。NMR(CDCl3)7.79-7.74、7.12-7.08、3.82-3.77、3.65-3.61、2.00および2.0
7-1.89δ
実施例26 2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]イ
ンドール(Ib)
9−t−ブチル−2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−
b]インドール(VII、実施例25、4.0g)およびトリフルオロ酢酸100
mLの混合物を、2時間加熱還流する。約半分のトリフルオロ酢酸を蒸留によっ
て除去する。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、25%水酸化ナトリウム水
溶液で塩基性化し、塩化メチレンで抽出する。合した有機相をセーラインで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。クロマトグラフィー(シリカゲル
、5%酢酸エチル/塩化メチレン)に付して標記化合物を得る。NMR(CDCl3)7
.89、7.86、7.26-7.09、3.95、3.67 および 2.01-1.95δ
実施例27 2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]イ
ンドール,一塩酸塩(Ib)
2,4−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(
I
b、実施例26)で出発する以外は重大な変更はせずに、実施例6の一般的手順
に従って、標記化合物(塩)を得る。融点 303-306℃;NMR(CDCl3)7.93、7.9
0、7.47、7.44、7.31-7.20、4.60-3.60 および 2.20-1.90δ
実施例28 9−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル]−2,4−ジ−1
−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(XIV)
9−(2−メタンスルホニルオキシエチル)−2,4−ジ−1−ピロリジニル
−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(IX、実施例4、1.3g)および
エタノールアミン15mLの混合物を、4時間加熱還流し、次いで冷却し、塩化
メチレン(100mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈する。相を分
離して、水相を塩化メチレン/クロロホルム(1/1)で再抽出する。合した抽
出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、50−60℃にて減圧下で濃縮して固体を得る
。固体を20−25℃にて酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、標記化合物
を得る。NMR(CDCl3)1.5-1.7、1.9-2.0、2.84、3.12、3.56、3.63、3.92、4.2
0、7.10、7.13-7.30および 7.80δ;MS(EI,m/z)394(M+),363、320 および 30
7
実施例29 9−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル]−2,4−ジ
−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドールクロロアセチル
アミド(XVI)
塩化クロロアセチル(0.68g、5.99ミリモル)の塩化メチレン(10
mL)中溶液を、9−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル]−2,4
−ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(XIV、実
施例28、2.15g、5.45ミリモル)およびトリエチルアミン(1.13
mL、8ミリモル)の塩化メチレン(40mL)中溶液に、−78℃で滴下する
。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで0℃まで温度上昇させる。混合物を
さらに塩化メチレンおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈する。相を分離し
、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、2.6gの粗生成物を
得る。TLC(シリカゲルGF;メタノール/塩化メチレン(10/90):主
要スポット Rf=0.33 および微量スポット Rf=0.83(UV&I2);NMR(CDCl3
)1.97、3.35、3.61、3.78、3.82、3.90、4.55、7.11、7.20-7.35 および 7.88δ
該生成物をさらに精製せずに、続いての環化反応に利用する。
実施例30 9−[2−(3−オキソ−4−モルホリニル)エチル]−2,4−
ジ−1−ピロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(XIII)
カリウムtert−ブトキシドのTHF(1M、7mL、7ミリモル)中溶液
を、9−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル]−2,4−ジ−1−ピ
ロリジニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドールクロロアセチルアミド(
XVI、実施例29、5.4ミリモル)のTHF(25mL)中撹拌溶液に0℃で
加え、次いで20−25℃で15分間撹拌する。反応混合物を水および酢酸エチ
ル(100mL)で希釈する。相を分離し、有機相を炭酸カリウム水溶液、水お
よ
び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃
縮する。濃縮物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60;メタノール
/塩化メチレン、2/98)に付して固体を得、アセトンから結晶化して標記化
合物を得る。融点 179-180℃;NMR(CDCl3)1.98、2.74、3.20、3.64、3.79、3
.91、4.04、4.57、7.10、7.21、7.33 および 7.88δ;IR(mull)1660、1647、1
610、1583、1542、1522、1488、1433、1426、1344、1308、1221、1112、789 お
よび 741 cm-1;MS(EI,m/z)434(M+)、435、434、379、320、308、307、279
、128、70 および 56
実施例31 9-[2-(3-オキソ-4-モルホリニル)エチル]-2,4-ジ-1-ピ
ロリジニル-9H-ピリミド[4,5-b]インドール塩酸塩(XIII)
エタノール(60ml)中の9-[2-(3-オキソ-4-モルホリニル)エチル]-2
,4-ジ-1-ピロリジニル-9H-ピリミド[4,5-b]インドール(XIII、実
施例30、0.91g、2.1ミリモル)の熱溶液を希塩酸(5M、0.43ml、
2.15ミリモル)で処理する。その混合物を20-25℃に冷却し、減圧下にて
濃縮して固形物とする。その固形物をアセトン/メタノール/エーテルから再結
晶化させて標題化合物を得る。融点=210-213°;IR(マル)1651、1631
、1573、1554、1527、1499、1486、1436、1415、1353、1339、1312、1241、1110
および 772cm-1
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,
MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S
E,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA
,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ウェーバー,グレゴリー・エル
アメリカ合衆国49002ミシガン州ポーテイ
ジ、コーチライト2809番