JPH11501283A - I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプターに対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物 - Google Patents

I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプターに対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物

Info

Publication number
JPH11501283A
JPH11501283A JP7509002A JP50900295A JPH11501283A JP H11501283 A JPH11501283 A JP H11501283A JP 7509002 A JP7509002 A JP 7509002A JP 50900295 A JP50900295 A JP 50900295A JP H11501283 A JPH11501283 A JP H11501283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ifn
human
cells
monoclonal antibody
pharmaceutical composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7509002A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェー. トーベイ,ミッシェル
ジャコー ベニズリ,エリク
Original Assignee
ラボラトワール ウーロペアン ドゥ バイオテクノロジ ソシエテ アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ラボラトワール ウーロペアン ドゥ バイオテクノロジ ソシエテ アノニム filed Critical ラボラトワール ウーロペアン ドゥ バイオテクノロジ ソシエテ アノニム
Publication of JPH11501283A publication Critical patent/JPH11501283A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2866Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against receptors for cytokines, lymphokines, interferons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトインターフェロンのクラスIレセプター(IFN−R)に対して向けられたモノクローナル抗体の精製調製物を含んでなり、そして下記の性質:ヒト IFN−Rの細胞外ドメインを認識する、およびヒトI型IFN の生物学的性質に対する中和能力を有する、を有する、免疫調節因子として使用するための医薬組成物に関する。本発明は、さらに、診断のためのそれらの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプター に対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物 インターフェロン(IFN)は、広い範囲の生物学的活性を示しそして脊椎動物細 胞における抗ウイルス状態を誘導する能力により特徴づけられる、1群の分泌さ れたタンパク質を構成する(I.GresserおよびM.G.Tovey,Biochem.Biophys .Acta 516 : 231,1978)。IFN の3つのクラスが存在する:アルファ(α)、 ベータ(β)およびガンマ。IFNαおよび IFNβはまとめてI型インターフェロ ンとして知られている。 天然のI型ヒトインターフェロンは、高度の構造的相同性をもつ独特の遺伝子 によりコードされる16またはそれ以上の関係するタンパク質を含んでなる(Weis smann およびWeber,Prog.Nucl.Acid. Res.Mol.Biol. 33 : 251,1986)。 ヒト IFNαの遺伝子座は2つのサブファミリーを含んでなる。第1のサブファ ミリーは、14の非アレル遺伝子(non allelic gene)および少なくとも80%の相 同性を有する4つの偽遺伝子(pseudo yene)から成る。第2のサブファミリー、 αIIおよびオメガ(ω)は、5つの偽遺伝子および、IFNα遺伝子と70%の相 同性を示す1つの機能的遺伝子を含有する(Weissmann およびWeber,1986)。 IFNαのサブタイプは異なる特異的活性を有するが、同一の生物学的スペクト ルもち(Streuli et al.PNAS-USA 78 : 2848,1981)そしていくつかの細胞のレ セプターを有する(Agnet M.et al.,“Interferon 5”,I.Gresser編、p. 1−22,Academic Press,London 1983)。 インターフェロンβ(IFNβ)は、IFNα遺伝子とほぼ50%の相同性を有する単一 の遺伝子によりコードされる。 インターフェロンαのサブタイプとインターフェロンβは、細胞表面上の同一 レセプターに結合する。 インターフェロンガンマ(IFNガンマ)は、また、単一のコピーによりコードさ れ、このコピーは IFNαおよび IFNβとの相同性をほとんどもたない。IFNガン マのレセプターは、αおよびβインターフェロンのレセプターと区別される。 本発明の目的に対して、IFNのαおよびβクラスのレセプターを IFN−Rと表 示する。これは天然のI型レセプターを表す。天然のインターフェロンαを形成 するタンパク質のグループを IFNαと表示し、そしてI型IFN は双方の天然の I FNα,IFNω、および IFNβを表す。 インターフェロンが効力のある抗ウイルス剤という事実にかかわらず、急性ウ イルス疾患、例えば、上気道感染、の多数の特徴的な症状がインターフェロンア ルファの過度の産生により引き起こされるということを示唆する、考慮すべき証 拠が存在する。さらに、IFNアルファは実験動物においてある種の慢性ウイルス 感染の病原性に寄与することが示され、そして入手可能な証拠はこれが、また、 ある種のヒトウイルス疾患、例えば、慢性麻疹ウイルス性疾患、についての症例 であることを示唆する。 インターフェロンαは、また、効力のある免疫調節分子であり、これらの分子 はポリクローナルB細胞を活性化し、NK細胞の細胞障害性を増強し、T細胞の機 能を阻害し、そして主要な組織適合性複合体(MHC)クラスIの発現を調節し、そ れらのすべては自己免疫性の誘導および移植片拒絶に関係づけられる。インター フェロンαの異常な産生は多数の自己免疫疾患、免疫不全および炎症性疾患、例 えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、I型糖尿病、乾癬、慢性関節リウマチ、 多発性硬化症、ベーチェット病、無形成貧血、後天性免疫不全症候群(AIDS)お よび重症の合併型免疫欠損に関連づけられる。全身性狠瘡を有する患者の血清の 中のインターフェロンαの存在は、疾患の活性の増加の臨床的および体液性の双 方の徴候と相関関係をもつ。HIV 陽性の被験者におけるインターフェロンαの産 生は、また、疾患の進展を高度に予測する。 特に、密接な相関関係は、また、循環する酸不安定性インターフェロンαの存 在と、後天性免疫不全症候群(AIDS)を有する患者における疾患の進行との間に 存在する(Mildvan D.et al.1992,The Lancet 339 : 353)。 インターフェロンαの投与は、乾癬および多発性硬化症の患者において根源的 な疾患を憎悪し、そして自己免疫疾患の以前の病歴をもたない患者においてSLE 様症候群を誘発することが報告された。また、インターフェロンαは正常マウス において糸球体腎炎を誘発し(Gresser et al.,1976,Nature,263 : 420)、そ して NZB/Wマウスの自発的自己免疫疾患の開始を加速すること(Adam et al., 1980,Clin.Exp.Immunol.,40 : 373)が示された。 トランスジェニックマウスの膵臓におけるインターフェロンαの構成的発現は 、また、インスリン依存性糖尿病の発生に導くことが示され、その発生はインタ ーフェロンαに対する特定の抗体で動物を治療することによって妨げられる(Ste wart et al.,1993,Science,260 : 1942)。 致死的に照射したマウスのインターフェロンαによる治療は、また、同種異系 骨髄移植片に対する耐性を増強することが示されたが、インターフェロンαに対 する抗体による治療は拒絶反応を抑制することが発見された(Affifi et al.,19 85,J.Immunol.134 : 3 739)。インターフェロンα/βに対する抗体によるラットの治療は、また、これ らの動物における心臓同種異系移植片の生存を延長することが報告された(Gugen heim et al.,1992,Transplant.Int.:460)。 また、移植片対宿主病(GVHD)の過程において全身性GVHDの特徴を示すNK細胞 の活性の増強と平行して、インターフェロンαは産生される。インターフェロン αはNK細胞の細胞損傷作用の主要なモジュレーターであり、そしてインターフェ ロンαの投与は正常マウスにおけるGVDHの腸の結果を増強することが示された(C leveland et al.,1987,Cell Immunol.110 : 120)。 本発明の目的は、ヒトI型IFN の生物学的活性に対する新しいアンタゴニスト を提供することである。これらのアンタゴニストは、I型IFN(IFNα/β)が異 常に産生される症例およびこの異常な産生が病理的症状に関係づけられるとき、 予防の目的を包含する療法のために使用できるであろう。このようなアンタゴニ ストはまた、種々の疾患の診断のために、またはこのような疾患の進展の研究の ために使用できるであろう。 このようなアンタゴニストを定義するために、本発明者らは、ヒトの天然のI 型IFN が事実インターフェロン(サズスペーシス)の混合物から構成されている という事実、およびインターフェロンの異なるサブタイプのこの連合の組成物が 定量的にかつ定性的に変化するという事実を考慮した。 いくつかの天然のインターフェロン、例えば、ナマルワ(Namalwa)細胞により 分泌されるもの(Namalwa インターフェロン)または白血球により分泌されるも の(白血球インターフェロン)、が詳細に研究されてきており(N.B.Finterお よびK.H.Fautes,Interferon 2,1980,p.65−79 I.Gresser編、Academ ic Press ; K .Cantell et al.,Interferon 1,1979,p.2−25,I.Gresser編、Academic Press)、そして本発明者らはこれらを使用して天然のI型インターフェロンを 定義した。 いくつかの病理的症例、例えば、AIDS、において、いくつかの特別の性質を有 するインターフェロンが記載されてきている(O.T.Preble et al.,Annls of New-York Academy of Sciences p.65−75)。AIDSのような病理的症例に関係 するこのインターフェロンは、前述したように、同一レセプターに結合する。 本発明の1つの目的は、ヒトI型IFN の生物学的性質を、決定した程度に、阻 害または中和すること、すなわち、α,β,ωの亜種の混合物をin vivo で中和 すること、ができるI型IFN のアンタゴニストを提供することである。 これらのアンタゴニストは免疫調節因子として薬物の組成物の中に利用するこ とができ、そしてそれらの特定決定は、種々の病理学における存在するインター フェロンの特質の本発明者らによる同定により、そしてまた動物モデルの発生に より可能とされた。 本発明者らは、適当なin vivo 動物モデルを発生させ、いくつかのモノクロー ナル抗体がin vivo の免疫応答で、I型IFN レセプターと、種々の病理学に関し て療法的に効率よい方法で、相互作用することができることを証明することがで きた。 特に、本発明者らは、I型IFN レセプターに対して向けられたモノクローナル 抗体のin vivo 投与が、ウイルスのインターフェロン、特にHIV またはHTlVレト ロウイルスによるインターフェロン、と相互作用することができそして、ある場 合において、それらのインターフェロンから生ずるウイルス性疾患の症状を抑制 することができるか、または同種異系移植片拒絶を抑制することができるか、ま たは移植片対宿主の疾患の作用を抑制することができる条件を定め ることができた。 これらの免疫調節因子は、例えば、インターフェロンの異常な産生を包含する 疾患の治療に利用されるか、または他の既知の免疫調節因子または薬物、特にウ イルス薬物、と同時にまたは別々に組み合わせて利用されるであろう。 例えば、本発明者らは、ある場合において、I型IFN レセプターに対して向け られたモノクローナル抗体が他の治療薬と有用な相乗作用を有することができる ことを示した。これは、例えば、I型IFN レセプターに対するモノクローナル抗 体を免疫抑制薬物、例えば、シクロスポリンA、に関連させるとき、当てはまる ように思われる。 従って、本発明者らは、免疫調節因子としての活性をもつためにI型IFN に対 するアンタゴニストであるという性質を有する、抗体、特にモノクローナル抗体 、を含んでなる組成物を定めた。これらの抗体はヒトI型IFN レセプターに対し て向けられている。 従って、本発明は、I型IFN の異常な産生に関連する症状のin vivo 処理につ いて、免疫調節因子として使用するための、医薬組成物における精製されたモノ クローナル抗体の調製物の使用に関する。これらのモノクローナル抗体は、また 、診断試薬の製造のために適当である。 本発明に従い免疫調節因子として使用する医薬組成物の製造に適当な特定のモ ノクローナル抗体は、ヒトI型インターフェロンレセプター(IFN−R)に対し て向けられ、そして下記の性質により特徴づけられる: − それはヒト IFN−Rの細胞外ドメインを認識する、および − それはヒトI型IFN の生物学的性質に対する中和能力を有する。 I型IFN の生物学的性質を中和する能力は、I型IFN の抗ウイルス活性を中和 するモノクローナル抗体の能力の関数として推定することができる。このような 試験はアッセイする抗体が本発明の範囲内の医薬組成物の製造のために適当であ るかどうかを決定するために関係するが、I型IFN の生物学的性質はその抗ウイ ルス性質に限定されないことは明らかである。抗ウイルス活性のこのような試験 を実施できるようにするための詳細な手順は、実施例に記載されている。試験す る細胞は有利にはダウディ(Daudi)細胞であることができ、前記細胞のI型IFN に対してアフィニティーはよく知られている。このような試験の主要なステップ は、下記のステップから成る: − ヒトI型IFN に対して応答性の決定された濃度のヒト細胞を、ヒトI型IFN と、アッセイすべきモノクローナル抗体の一定濃度の存在下で、該モノクローナ ル抗体とヒト細胞の IFN−Rとの間の、および/またはI型IFN とヒト細胞のIF N−Rとの間の、複合体の形成を可能とするために十分な時間の間インキュベー トする; − インキュベートした細胞を決定されたウイルスで、決定された濃度において 感染させる; − 細胞を洗浄する; − 細胞を培地の中に再懸濁させる; − ウイルスの複製を可能とするために十分な時間の間インキュベートする; − 細胞を溶解する; − ウイルスの複製を測定するか、または細胞変性効果の抑制を測定する。 ヒトI型IFN の生物学的性質を中和する本発明のモノクローナル 抗体の能力は、使用する抗体の投与量の関数として調節することができる。従っ て、生物学的性質の 100%の抑制、または部分的抑制を得ることができる。 以上のページは、精製したとき、本発明による医薬組成物の活性成分を構成す るために適当である、ヒトI型IFN レセプターに対して向けられた好ましいモノ クローナル抗体の定義に関する。モノクローナル抗体の精製は通常の技術により 実施され、そしてリムルス(Limulus)試験によるエンドトキシン含量のタンパク 質決定により確認することができる。 本発明の特定の態様に従い、ヒトI型IFN レセプターに対して向けられたモノ クローナル抗体は、それらがヒト IFN−RへのヒトI型IFN の結合を阻害するこ とができるという事実によりさらに特徴づけられる。 ヒト IFN−Rの細胞ドメインを認識する能力を有しかつヒトI型IFN のそのレ セプターへの結合を阻害することができるモノクローナル抗体は、下記のステッ プにより選択することができる: − 決定された濃度の精製されたモノクローナル抗体またはアッセイすべきモノ クローナル抗体を含有するハイブリドーマ培養上澄みを、IFN−Rを収容できる ヒト細胞と前インキュベートする; − 標識化ヒトI型IFN を、決定された濃度で、上の前インキュベートした培地 に添加する; − ヒト細胞、モノクローナル抗体および標識化I型IFN を含有する培地を、一 方においてモノクローナル抗体と他方においてI型 IFNとの間で平衡を起こさせ るために十分な時間の間、細胞 IFN-Rとインキュベートする; − 細胞を洗浄する; − 結合した標識化I型IFN の量を計数することによって、ヒト細胞と標識化I 型IFN との間の結合複合体の形成を決定する。 本発明のモノクローナル抗体のあるものはまた、ヒトI型IFN の抗増殖性質を 中和する能力を有する。この性質はまた、ダウディ細胞について、下記のステッ プを実施することによってアッセイすることができる: − ヒトI型IFN および決定した濃度のmAb の存在下に細胞を増殖させる; − 細胞を計数してヒトI型IFN の抗増殖作用の阻害を検出する。 本発明の医薬組成物の製造に適当な、免疫調節活性を有するモノクローナル抗 体の1つの性質は、ヒトIFN レセプターの細胞外ドメインを認識するその能力に ある。モノクローナル抗体のこの性質は天然のヒトレセプターを有するヒト細胞 についてアッセイすることができるが、また、原核細胞、例えば、大腸菌(E.co li)、の中の発現されるのような組換え IFN−Rまたは真核細胞、例えば、哺乳 動物細胞、例えば、CHO 細胞、の中で発現されるのような組換え IFN−Rの細胞 外ドメインについてアッセイすることができる。 このレセプターは、事実、それが原核細胞または真核細胞の中で産生されると いう事実に依存して、従って、翻訳後の突然変異が起こるか、または起こらない という事実に依存して、異なる性質を表すことができる。本発明者らは、興味あ ることには、本発明によるモノクローナル抗体の能力を評価するための、すなわ ち、細胞 IFN−Rを認識するための、関係するアッセイを哺乳動物細胞の中で発 現された組換えレセプターについて実施できることを示した。事実、このような 組換えレセプターは、その認識活性に関するかぎり、細胞レセプターと同一の性 質を有する。 本発明の達成に有用なモノクローナル抗体は、完全なレセプター 、特定のドメインまたは第3図に表されているレセプターのアミノ酸配列の特徴 を示すペプチドを包含する、種々の形態のレセプターに対して得ることができる 。 本発明に有用なモノクローナル抗体は、例えば、可溶性の形態のレセプターに 対して調製することができる。可溶性の形態の IFN−Rに相当する水溶性ポリペ プチドは第2図に記載されている。本発明によれば、可溶性の形態の IFN-Rは 、体の中で循環できる、ペプチドまたはポリペプチドに相当する。 本発明に有用な他のモノクローナル抗体はまた、第2図に記載するようなレセ プターの細胞外ドメインの中で構成されたペプチドに対して調製することができ る。有利なペプチドは、例えば、アミノ酸1とアミノ酸 427との間で構成された アミノ酸配列に相当する。本発明の他の態様によれば、抗体は1または2以上の アミノ酸の置換により修飾されたポリペプチドに対して製造することができるが 、ただし IFN−Rの非修飾細胞外ドメインに対して向けられた抗体は修飾された ポリペプチドまたはペプチドを認識しなくてはならない。 本発明による好ましいモノクローナル抗体はIgG1型のものである。 前述の抗体の中で、I型IFN のそのレセプターへの結合を阻害する能力を有す る抗体は、好ましくは、100μg/mlに等しいか、またはそれより低い、好まし くは50μg/mlに等しいか、またはそれより低い、有利には20μg/mlより低い 、より好ましくはほぼ 0.5〜2μg/mlの範囲の濃度において、hu− IFN−Rを 収容する細胞と共インキュベートしたとき、それがヒト細胞の IFN−Rへのヒト I型IFN の結合をin vitroで阻害することにおいて特徴づけられる。 モノクローナル抗体の高いアフィニティーの結合能力は、この抗体が IFN-R へのヒトI型IFN の結合活性を阻害できることを保証するために不十分であるこ とを本発明者らは示した。それにもかかわらず、モノクローナル抗体の高いアフ ィニティーの結合能力は、I型IFN のその細胞レセプターへの結合を阻害する抗 体の能力をさらに研究するために必要である。 他のモノクローナル抗体は、それがヒトI型IFN に対して高度に応答性の細胞 、例えば、ダウディ(Daudi)細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗増殖活性を1 〜10μg/mlの範囲の濃度においてin vitroで中和することにおいて特徴づけら れる。 モノクローナル抗体の他の態様は、また、それがヒトI型IFN に対して低い応 答性の細胞、例えば、Ly28細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗増殖活性を50〜 100 μg/mlの範囲の濃度においてin vitroで中和することにおいて特徴づけら れる。 本発明による免疫調節因子として使用するための組成物の製造に適当なモノク ローナル抗体の特定のグループは、それがヒトI型IFN に対して高度に応答性の 細胞、例えば、ダウディ細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗ウイルス活性を1 〜50μg/ml、好ましくは1〜20μg/mlの範囲の濃度において、国際標準 MRC 69/19を参照して1〜1000単位の範囲のI型IFN の濃度について、in vitroで中 和することにおいて特徴づけられる。 有利には、本発明によるモノクローナル抗体は、これらの抗体がIFN ガンマの ヒトレセプターに結合しないようなものである。 本発明の医薬組成物のために興味ある1つの抗体は、それが第2図に表されて いるヒト IFN−Rの細胞外ドメインのアミノ酸27とアミノ酸 427との間で構成さ れたアミノ酸配列上のエピトープに対して向けられているようなものである。 1つの特定の興味あるモノクローナル抗体は、1992年2月26日にNo.92022605 でECACC(European Collection of Animal Cell Cultures Porton Down Salisbur y,Wiltshire SP4 056,United Kingdom)に受託された64G12 と表示する抗体で ある。 これらの抗体は慣用法により製造することができ、慣用法は、抗体が形成され る抗原が IFN−Rの細胞外ドメインまたはこのドメインのポリペプチドまたはペ プチドにより構成されるような条件下に、ペプチド抗原で前もって免疫化された 動物の脾細胞と骨髄腫細胞との融合により、ハイブリドーマ細胞を製造すること を包含する。 ハイブリドーマはKohlerおよびMilsteinのプロトコール(Nature,1974,256 : 495-497)に従い構成される。例えば、ハイブリドーマは、前述の脾細胞と骨髄 腫細胞としてNS1マウス(BalbC)HGPRTRとの融合から誘導される。 本発明によるモノクローナル抗体を生産する第2手順は、エプスタイン−バー −ウイルスで免疫化された血液のB細胞と、モノクローナル抗体をそれに対して 形成することを決定した IFN−Rの細胞外ドメインまたはその断片と前もって接 触させて配置したヒトBリンパ球との間で、融合を実施することにある。モノク ローナル抗体をそれに対して形成することを決定した IFN−Rの細胞外ドメイン またはその断片と前もって接触させて配置したB細胞は、抗原と接触させたin v itro培養物により得ることができ、これらの抗原でコーティングされたB細胞の 回収の前に1または数サイクルの刺激を実施する。 本発明は、また、前述の手順により得られ、上に定義した性質を有するヒト抗 体の医薬組成物における使用に関する。 本発明はまた、その重鎖および/または軽鎖の変動性または相補性決定領域が ヒト抗体のフレームワークおよび/または一定領域上 にグラフトされていることを特徴とするモノクローナル抗体の医薬組成物におけ る使用に関する。 本発明による好ましい医薬組成物は、モノクローナル抗体の精製調製物を0.05 mg/kg体重〜約3mg/kg、好ましくは0.5mg/kg〜1mg/kg、の間の投与量を含 有するものである。 本発明の医薬組成物は異なる方法で投与することができ、そして特に活性成分 は静脈内または筋肉内投与のために適当な医薬用ベヒクルと組み合わせることが できる。 特定の態様によれば、上に定義されたモノクローナル抗体は、ヒトレトロウイ ルス、特にヒトHIV またはHTLVレトロウイルス、による感染の疾患をin vivo で 抑制するために十分な免疫調節因子の作用を有する薬物の製造に使用することが できる。 幾つかの先行する結果は、インターフェロンがAIDSの病理に関連するであろう ことをすでに示しているが、これはHIV レトロウイルスによる感染の場合に存在 するインターフェロンの組成物が示された最初であり、そしてこれはI型IFN レ セプターに対するモノクローナル抗体が、感染後の免疫応答に作用することによ って、AIDSに関連する疾患の治療のために有用であり得ることが示された最初で ある。 他の例によれば、このような薬物は自己免疫疾患および炎症性疾患の治療のた めに使用することができる。このような疾患は、全身性エリテマトーデス、I型 糖尿病、乾癬、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、ベーチェット病、無形成貧血 、後天性免疫不全症候群(AIDS)、および重症の合併型免疫欠損を包含する。 従って、上に定義した精製されたモノクローナル抗体は、同種異系移植片の拒 絶をin vivo で抑制するために十分な免疫調節因子の作用を有する薬物の製造の ために使用できるか、または移植片対宿 主の疾患の症状をin vivo で抑制するために十分な免疫調節因子の作用を有する 薬物の製造のために使用できる。 急性ウイルス性疾患の症状の治療は、また、本発明の抗体を使用して実行する ことができる。例えば、上気道感染、慢性ウイルス感染、例えば、麻疹ウイルス による感染、を実行することができる。 本発明の組成物は、また、生物学的試料、例えば、血液または他の流体、の中 のヒト可溶性I型IFN レセプターまたは細胞の存在のin vitro診断のために使用 できる。試験はいくつかの技術、例えば、ELISA(第14図(2))またはRIA、によ り行うことができる。 他の面によれば、本発明は免疫抑制因子として使用するための医薬組成物に関 し、この組成物は活性成分として、上の定義を有するモノクローナル抗体と、同 時の、別々のまたは順次の使用のための組み合わされた調製物として、免疫調節 活性、特に免疫抑制活性、を有する因子、例えば、シクロスポリンAまたはFK50 6、とを含んでなることを特徴とする。特に、モノクローナル抗体は約0.05mg/k g〜3mg/kg、好ましくは0.5mg/kg〜1mg/kgの範囲の投与量で存在し、そして 免疫抑制活性を有する因子、特にシクロスポリンA、が存在する。 後述する結果は、上で定義したモノクローナル抗体を体液性免疫または細胞性 免疫のためのアジュバントとして使用できることを示す。 それ以上の詳細および追加の情報は、実施例の記載からおよび図面からの説明 から得られるであろう。図面第1図:下記の細胞への125I標識化モノクローナル抗体34F10 および64G12 の結合: − A:ダウディ細胞 − B:Ly28細胞 簡単に述べると、10%ウシ胎児血清(FCS)を含有するRPMI培地の中に希釈した 異なる量の標識化抗体の存在下に、106細胞を4℃において2時間インキュベー トした。次いで、細胞をRPMI−1% FCSの中で4回洗浄し、そして結合した放射 能について計数した。非特異的結合を 100倍過剰の寒冷抗体とのインキュベーシ ョンにより測定し、そして合計の計数から減じた。 − 第2図:ヒト IFN−Rの細胞外ドメインのヌクレオチドおよび対応するアミ ノ酸配列。 原核細胞〔大腸菌(E.coli)〕または哺乳動物細胞系(Cos 細胞)の中で合成 したヒトインターフェロンアルファ−ベータのレセプター(IFN−R)の組換え 可溶性形態に対して、モノクローナル抗体を生成させた。これらの可溶性形態は 第2図に記載するDNA 配列に基づいた。 − 第3図:ヒト IFN−Rのヌクレオチドおよび対応するアミノ酸配列。 − 第4〜28図:抗体の免疫調節因子の活性に関する結果。 実施例 実施例1: 可溶性レセプターの合成 大腸菌(E.coli)の中の合成 5ヒスチジル残基をコードする余分の配列が終止コドンの直前に導入された、 ヒト IFN−Rの細胞外ドメイン(アミノ酸27−427)をコードする配列を含有するD NA 断片(第2図)を、発現ベクターpKK233−2の中にクローニングした。この 断片はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により生成させ、そして生ずるプラスミドを 配列決定して 、シャイン−ダルガルノ(Shine-Dalgarno)配列およびレセプターをコードする 適当な配列の双方のインフレームの挿入を確証した。 組換えタンパク質の中に導入されたポリ−ヒスチジルテイルは、従来記載され たようにキレート化ニッケル支持体(NTAカラム)のアフィニティークロマトグラ フィーによる前記タンパク質の急速な精製を可能とする(Hochuli E.et al.,B io/Technology,1988,1321-1325)。 プラスミドを大腸菌(E.coli)JM105株の中に導入し、そして培地へのIPTGの 添加によりタンパク質合成を誘発した(pKK233−2,tac プロモーター)。 タンパク質を細菌のペレットから抽出し、そして後述するようにアフィニティ ークロマトグラフィーにより可溶性レセプターを均質に精製した。この手順によ り、還元性条件下に50kDa 付近の2バンドおよび非還元性条件下に3バンドとし て移動するタンパク質が生成した。異なる手順により得られた製造の最大濃度は ほぼ20μg/mlであった。 ゲル電気泳動により検出された2つのタンパク質のN−末端配列は、双方のタ ンパク質がレセプターの期待した断片であることを示した。 非グリコシル化可溶性レセプターの合成および精製: 同一のPCR アプローチを使用して、われわれは、また、追加の5−ヒスチジル 残基をもち、発現ベクターpXMT−3の中に挿入された、IFN−Rアミノ酸配列1 −427 をコードする発現ベクターを構成した。インサートの正確なヌクレオチド 配列をまた決定した。 生ずるプラスミドを一時的発現のためにCos7細胞の中にエレクトロポレーショ ンにより導入し、そして後述するように組換えタンパク質をモノ−Q(Pharmacia )のアフィニティークロマトグラフィーおよび引き続くイオン交換クロマトグラ フィーにより精製した。 Cos7 細胞からの可溶性 IFN−Rの精製 この精製により、76kDa の製造が得られ、そのN−末端配列は予測したレセプ ター配列に相当し、リーダー配列のプロセシングにおいて多少の不均一性をもつ 。 実施例2: インターフェロンI型レセプターに対するモノクローナル抗体の産生 1)モノクローナル抗体の産生 大腸菌(E.coli)またはCos7細胞から精製した組換え可溶性インターフェロン( rsIFN−R)の注射により、マウスを免疫化した。最初に、Balb/Cマウスを完全 フロインドアジュバントの中の精製タンパク質で腹腔内および皮下の両方に注射 した。引き続いて、マウスを緩衝化生理食塩水の中に希釈した精製ペプチドで1 回/週腹腔内注射した。10μgの組換えタンパク質を各回に注射した。 第4回の注射後、血液を集め、そして特定の血清抗体の存在を組換えレセプタ ーに対してELISA およびウェスタンブロットにより試験した。最強のレスポンダ ーを合計の10μgの抗原でブースター投与し、その抗原の半分を静脈内投与しそ して半分を腹腔内投与した。 2)細胞融合 ブースター投与後4日に、免疫化動物からの脾細胞を集め、そしてS.Fazekas et al.(Immunol.Methods 35:1−32,1980)により記載される方法に従いN S1(マウス)(Balbc)HGPRTR骨髄腫細胞に融合させた。簡単に述べると、5× 107脾細胞を1mlのポリエチレングリコール溶液の中で3×107骨髄腫細胞に融合 させ、そしてHAT(ハイポキサンチン、アミノタンパク質およびチミジン)培地の 中の腹膜マクロファージフィーダー上の5つの96ウェルのプレートの中に分布さ せた。この手順を4回反復し、ことのとき20×107脾細胞が免疫化マウスから得 られた。大きいコロニーが培養ウェルにおいて検出可能であるとき、特定のハイ ブリドーマについてのスクリーニングを実施した。 スクリーニングについて、特定の抗体の存在は直接ELISA 法により決定した: a)ELISA プレートを、PBS の中の希釈した精製した大腸菌(E. coli)発現ま たはCos7細胞発現のsIFN−Rで、0℃において一夜コ ーティングした。BSA でコーティングしたプレートを使用して非特異的結合を検 出した。 b)プレートをPBS の中の3% BSAで37℃において1時間のインキュベーショ ンにより飽和させた、 c)プレートを室温において PBS−0.05%ツイーン20で1/4に希釈したハイ ブリドーマ上澄みと4時間インキュベートした、 d)結合した抗体を2つのステップの手順により検出し、この手順はヤギ抗マ ウスビオチニル化免疫グロブリンとの第1インキュベーションおよび引き続くス トレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体とのインキュベーシ ョンを含んでなる(双方はAmershamからそして PBS−0.05%ツイーン20の中で1 /1000に希釈された)。 陽性の抗体を分泌するハイブリドーマを脾細胞フィーダー層上の24ウェルのプ レートの中で継代し、そしてそれらの反応性を再びELISA およびウェスタンブロ ットにより検査した。 3)天然のインターフェロンI型レセプターに対する反応性の同定 組換えsIFN−Rを認識するモノクローナル抗体(mAbs)の反応性を、膜免疫蛍 光により、ダウディ細胞の表面で発現される天然のクラスIレセプターに対して 試験した。簡単に述べると、5×105ダウディ細胞を 100μlの選択したハイブ リドーマの培養上澄みの中で4℃において30分間インキュベートした。次いで、 細胞を1% BSAを含有するRPMI培地の中で4回洗浄し、そして希釈したFITC標識 化ヤギ抗マウスF(ab’)2と4℃においてさらに30分間インキュベートした。 細胞を最後に洗浄後フロー・サイトメトリーにより分析した。大腸菌(E.coli) 組換えレセプターに対して生成した35の試験した抗体のうちの1つ、およびCOS 組換えレセプターに対して 生成した6つの試験した抗体のうちの5つは、ダウディ細胞上の天然のレセプタ ーを認識することが発見された。 次いで、これらのハイブリドーマのクローニングを限界希釈法により実施した 。これらのmAbsのアイソタイプを、アイソタイプ特異的抗体を使用するELISA 法 により決定した。すべての6つのmAbsはカッパ鎖をもつIgG1であることが発見さ れた。これらの6つのmAbsの反応性の要約を表1に記載する。 モノクローナル抗体をタンパク質Gクロマトグラフィーにより培養上澄みから 精製した。 実施例3: ヒト細胞系へのインターフェロンの結合の阻害 ヒト細胞へのインターフェロンの結合の阻害は次のようにしてアッセイした。 106細胞を4℃においてハイブリドーマ培養上澄みま たは精製mAbsの種々の希釈物と、または培地単独と30分間前インキュベートした 。125I標識化IFN アルファ8またはアルファ2を100pM の濃度で添加し、そし て4℃においてから2時間インキュベートした。これらのインキュベーションは 、20mMのHEPES,pH7.4および10%のウシ胎児血清(FCS)を含有するRPMI培地の中 の実施した。 細胞を最後にRPMI−1% FCSで4回洗浄し、そして計数して結合した放射能を決 定した。 ハイブリドーマ系統64G12 により分泌されたmAb(後にmAb64G12と命名した)は 、このアッセイにおいて投与量依存的方法で細胞への標識化IFN の結合を阻害す ることが示された。ダウディ細胞(Burkitt リンパ腫細胞系;Klei et al.,Can cer Research,28 : 1300-1310,1968)は 0.4μg/mlのmAb 濃度で得られた。 同一の阻害はK562細胞(慢性骨髄性白血病、LozzioおよびLozzio,Cell,45 : 3 21-334,1975)を使用して得られたが、50%の阻害はHL60細胞(前骨髄球性白血 病、Collins S.J.et al.,Nature,270 : 347-349, 1977)について11μg/ mlにおいてそしてLy28(Klein G.et al., Int.J.Cancer,10 : 44-57,1972 )について60μg/mlにおいて得られた。 IFN の結合の50%阻害が得られるmAb 濃度の差を、同一細胞系への125I標識 化mAb64G12および34F10 の直接結合および結果のスキャッチャードプロット分析 により研究した。0.1〜1.5μg/mlの濃度において、mAb34F10(約10nM)の高い アフィニティーの結合がすべての細胞系について見られたが、mAb64G12の高いア フィニティーの結合はダウディ細胞およびK562細胞についてのみ検出された(第 1図)。 実施例4: I型インターフェロンの機能の阻害 精製したmAb64G12によりI型インターフェロンの機能の阻害は、まず、ダウデ ィ細胞についての抗ウイルスアッセイにおいて、組換えIFN アルファ2,IFN ベ ータおよびIFN オメガを使用するか、またはNamalwa および白血病インターフェ ロンを使用して、そして組換えIFN アルファ2を使用する抗増殖アッセイにおい て、証明された。 *抗ウイルス活性 ダウディ細胞についての抗ウイルスアッセイを記載されているように実施した (M.Dron およびM.G.Tovey,J.Gen.Virol.64 : 2641-2647,1983)。細胞 (0.5×106/ml)をインターフェロンおよび抗体の存在下に24時間インキュベート した。次いで、1mlの中の106細胞を37℃において1時間小胞性口内炎ウイルス( VSV)で感染させ、次いで3回洗浄し、培地の中に再懸濁させ、そして37℃におい て18時間インキュベートした。次いで、細胞を溶解し、凍結−融解し、そしてウ イルスの複製をL929細胞について上澄みの滴定により測定した。I型IFN の種々 のサブタイプの抗ウイルス活性の投与量依存性阻害は、精製したmAb64G12につい て証明された。 Wish細胞を使用する抗ウイルスアッセイのために、細胞を種々の 濃度のインターフェロンとmAbsの存在下に24時間インキュベートした後、VSV で 誘発した。このアッセイにおいて、mAb64G12は白血病IFN(50U/ml)、組換えIF N アルファ2(50U/ml)およびAIDS患者の血清からのインターフェロン(50, 75および 150U/ml)の抗ウイルス活性を完全にブロックすることが証明された 。 *抗増殖活性 抗増殖アッセイのために、ダウディ細胞を105細胞/mlの濃度で96ウェルのプ レートの中にインターフェロンおよび精製した阻害抗体または対照抗体の存在下 に接種した。次いで、細胞を24,48および72時間後にコールターカウンターで計 数し、そしてトリパンブルーの排除により生活能力について検査した。精製した mAb64G12は、インターフェロンアルファ2の抗増殖活性の投与量依存性阻害を証 明した。 実施例5:インターフェロンおよびAIDSの病原性 I)AIDSの病原性におけるインターフェロンαの役割 サイトカインを包含するコファクターは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による 感染後に、AIDSの発生(Kramer et al.,1992,Lancet,340 : 371;Vadhan et al.,1986,Cancer Res.,46 : 417)、特に免疫系の抑制、において決定的な役 割を演ずることを多数の研究は示唆する。HIV により誘導されたサイトカインの 中に、ウイルス感染に対する宿主の防御において重要な役割を演ずると考えられ るインターフェロンが存在する。インターフェロンはin vitroのHIV の複製を制 限し(Poli et al.,1989,Science,244 : 575 ; Von Sydow et al.,1991,AID S Res.and Human Retroviruses,:437)、そして組換えインターフェロンα 2はカポージ肉腫をもつAIDS患者において抗ウイルスおよび抗腫瘍作用を発揮し (Krown et al.,1991,J.Acquired Immune Deficiency Syndromes,:671)、 インターフェロンの産生はHIV 感染個体におけるAIDSの発生を防止しない。さら に、インターフェロンαによるHIV の複製の制限はマクロファージにおける潜在 的感染の発生に寄与することがある(Gendelman et al.,1990,J.Exp.Pahtol .,5:53;Gendelman et al.,1990,AIDS Res.and Human Retroviruses,:1 045;MaceおよびGazzolo,1991,Res.Virol.,142:2)。異常な酸不安定性α インターフェロンは、CD4+細胞の損失およびこれらの患者における疾患の進行 と相関関係をもつことが示された(Milvan et al.,1992,The Lancet,339 : 4 53)。αインターフェロンは効力のある免疫調節因子であり、これらの分子はウ イルス感染細胞のMHCクラスI抗原の発現、MHC 制限T細胞の殺し、および非MHC 制限NK細胞の殺しを増強し、それらのすべてはHIV 感染個体において観察され るCD4+Tリンパ球の損失に寄与することがある。従って、循環するCD4+Tリン パ球の数の顕著な減少は組換えインターフェロンα2で治療したHIV 感染個体に おいて観察された(Vento et al.,1993,The Lancet,341 : 958)。II )AIDS患者の中に存在する内因性インターフェロンの特性決定 AIDS患者の中に存在する内因性インターフェロンを特性決定するために、高い レベルの循環するインターフェロンを有するHIV 感染患者から末梢血の白血球を 分離し、標準手順を使用して、RNA を抽出し、MLV 逆転写酵素およびいずれかの 単一遺伝子(表3〜5、第4図)に対して特異的な前方プライマー(20マーの 合成オリゴヌクレオチド)で逆転写した。次いで、生ずるcDNAをポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)により、標準手順を使用して、合計30サイクルについて3対の特異 的オリゴヌクレオチドのプライマー(表5)の1つのを使用して増幅した。次い で、IFNβおよびβの遺伝子の場合におけるようにサザンハイブリダイゼーショ ンによるか、またはαインタ ーフェロンの場合におけるようにT7DNA ポリメラーゼ(Sequenase, USB)を使用 する直接ジデオキシ配列決定により、標準手順を使用してさらに15サイクルの非 対称増幅(0.5pmol の特異的オリゴヌクレオチドのプライマーの対の一方および 50pmolの他方の対のプライマーを使用する)後に、生成物を同定した。この分析 の結果により、IFNα5はHIV 感染個体からの末梢血細胞のほぼ30の試料の中の 発現された主要な種であるが、IFNαn(主として IFNα1および IFNα2)は レトロウイルス、インフルエンザウイルス、またはサイトメガロウイルスで感染 されたHIV 血清反応陰性の個体からの末梢血液細胞の中で発現される主要なイン ターフェロン種であることが示された(第5図)。 HIV−1で慢性的に感染したか、または感染しない前単球細胞系U937における インターフェロン遺伝子の発現を同一技術を使用して分析したとき、同様な結果 が得られた。IFNα5は HIV−1で慢性的に感染した細胞の中で発現される主な 種であることが発見されたが、IFNα1および IFNα2はニューカッスル病ウイ ルス(NDV)またはポリリボヌクレオチドポリI−ポリCで誘発した未感染U937細 胞において発現される最も豊富な種であった。 これらの結果は、IFNα2を中和するモノクローナル抗体がAIDS患者の血清の 中に存在するインターフェロンを中和しない理由を説明することができる(表6 ,7)。AIDS患者からの血清インターフェロンは IFNβまたは IFNxにより中和 されないが、ヒトリンパ球系インターフェロンに対して発生させたポリクローナ ル抗体により中和された(表6,7)。 種々の理由で、ポリクローナル抗体はHIV 感染患者の治療的処置に使用するこ とができない。III )AIDS患者の血清の中に存在するインターフェロンの生物学的活 性を中和するモノクローナル抗体インターフェロンαレセプターの能力の決定 抗インターフェロンレセプター抗体64G12 で50μg/mlの濃度においてWISH細 胞(ヒト羊膜細胞系)を前処理すると、AIDS患者の血清の中に存在する内因性イ ンターフェロンの抗ウイルス活性は完全に中和された(表8)。非中和性抗体34 F10 で同一濃度においてWISH細胞を前処理すると、AIDS患者からの内因性インタ ーフェロンの抗ウイルス活性への効果は得られなかった(表8)。IV )後天性免疫欠損疾患の進展へのインターフェロンアンタゴニストの作用を試 験するために動物モデルの確立 IFNαはAIDSの病原性においてある役割を演ずるかどうかを決定しかつこの疾 患における治療薬としてインターフェロンアンタゴニストの効能を試験するため に、シミアン免疫不全ウイルス(SIV)で感染したアカゲザルの使用に基づく動物 モデルを発生させた。SIV はHIV とかなりのヌクレオチド配列の相同性、抗原性 、および生物学的性質を共有するCD4+向性レンチウイルスである。アカゲザル におけるSIV 誘発疾患は、リンパ節疾患、免疫不全、および日和見性感染により 特徴づけられ、そしてヒトAIDSのきわめてすぐれた実験用モデルであると考えら れる(McClure et al.,1990,AIDS : Anti-HIV Agents,Therapies and Vaccin es。 Annals NY Academy of Sciences, 616 : 287)。 一次感染 アカゲザルのSIV による感染に引き続いて感染後7〜14日に血清 IFNαはピー クとなり、これは21日までに検出不可能なレベルに低下する(第6図)。血清 I FNαのピークは、感染後14〜15日におけるp27抗原血のピークより2〜3日の前 、またはそれと同時に起こる(第7図)。インターフェロンαおよび27抗原血の 双方のピーク は、感染後21〜25日に検出可能となるウイルス抗原に対する抗体の発生の前に起 こる(第8図)。SIV 感染アカゲザルにおける IFNαの産生は、検出可能なレベ ルの IFNγ,IL−6、または TFN−αの不存在下に起こる。 後期段階の疾患 SIV で感染した12匹のアカゲザルおよび9匹の未感染の対照動物のグループを 、感染後約30カ月間追跡した。30カ月の観察期間の間のいずれの時においても未 感染の対照動物のいずれの血清の中にもインターフェロンは検出されなかった。 SIV 感染アカゲザルにおけるAIDS様疾患の発生の前に、血清 IFNαの第2ピーク が起こり、このピークは一次感染後数カ月のCD4+細胞の損失に付随して発生す る。インターフェロン産生のこの第2ピークは、一次感染の間に観察されるピー クと異なり、数カ月の期間にわたって起こり、そして後期段階の疾患において起 こるp27抗原血より、ある場合において数カ月だけ、先行する。3つのタイプの インターフェロンの応答が後期段階において見られる:感染後約6〜9カ月にお いて疾患の臨床的徴候の発生および死亡の直前のピークのインターフェロンαの 産生(表9、動物483,485、および495、第9図〜第11図)、感染後短期間に最 初に検出可能でありそして30カ月まで持続する低いレベルのインターフェロンα の産生(表9、動物501 、および505 、第12図〜第13図)、およびSIV で感染後 の全30カ月の観察期間の間の検出可能なレベルのインターフェロンαの不存在( 表9、動物475,456,457,489、および489)。 インターフェロンαの産生は、従来記載されたように、ヘルペスパピオウイル スで永久分裂能化しそして8つのウイルスタンパク質(ENV,GAG,POL,NEF,VIF ,REV,TAT、およびVPX)の1つでトランスフェクションさせたオートロガスB細 胞に対して、弱い細胞障 害性T細胞の応答(CTL)を示すか、またはそれを示さない動物においてのみ、観 察された(Venet et al.,1992,J.Immunol., 148 : 2899)。強いCTL 応答を示 した研究した動物は、2年の観察期間の間のいずれの時においても検出可能な循 環インターフェロンをもたなかった。正常のCD4+計数をもつが疾患の徴候をも たないSIV 感染アカゲザルの血清の中において、IFNαは検出されなかった。 HIV −1感染チンパンジーにおけるインターフェロンの応答の決定 HIV によるチンパンジーの感染はAIDS様疾患の発生に導かないが、これらの動 物においてウイルスは複製することができる。HIV−1感染の数カ月の前から、H IV−1感染後20カ月まで、5頭のチンパンジーの群のインターフェロンの応答を 追跡した(表10)。HIV−1感染の前または後のいずれの時においても、5頭の 動物の血清の中にインターフェロンαは検出されなかった(表10)。研究した動 物のいずれにおいても、CD4+Tリンパ球数の減少または臨床的疾患の他の徴候 は観察されなかった。結論 HIV 感染アカゲザルの血清の中の循環インターフェロンの存在と、これらの動 物における弱いCTL 応答またはその不存在、CD4+細胞の減少、および免疫不全 疾患の臨床的徴候の発生との間に、密接な関係が観察された。従って、このシス テムは人間において見られる状況に類似するように思われ、そしてインターフェ ロンアンタゴニストの潜在的効能をAIDS治療について試験するためのすぐれたモ デルを表すように思われる。V)アカゲザルにおける抗インターフェロンαレセプターモノクローナル64G12 の毒物学および薬物速度論の研究 毒性 in vitroで製造しそしてタンパク質Gセファローズのアフィニティークロマト グラフィーにより精製した64G12 抗体は、超遠心(100,000 ×g)、およびミリ ポア(Millipore)膜(0.2μ)上の濾過後、無菌でありそして検出可能なエンドトキ シンを含有しないことが発見された(リムルス試験)。 正常の成体マウスにおいて、640μgの64G12 抗体調製物の静脈内注射の直後 、または注射後3カ月まで、毒性は検出されなかった。同様に、新生児マウスに 同一抗体調製物をくも膜下に注射した。 64G12 抗体は、アカゲザルにおいて 0.5〜1.0 mg/kgの投与量における静脈内 投与後、よく許容された。局在的反応は注射部位において観察されなかった。さ らに、全身的反応、例えば、熱、浮腫などは抗体注射した動物のいずれにおいて も観察されなかった。抗体の連続的注射もよく許容された。観察された唯一の反 応は、15日における第3回の静脈内注射直後にある種の動物において見られた、 わずかの顔面浮腫であった(前の注射は0、および5日であった)。抗体を筋肉 内注射により投与したとき、第3および引き続く注射において、浮腫は観察され なかった。 第0,5,10および15日の4回の前の静脈内注射後の日に64G12 抗体の非精製 製剤を静脈内注射した後20分に、単一のサルにおいて事故(アナフィラキシーシ ョック)が起こった。 モノクローナル抗体64G12 の最低の有効投与量の薬物動態および確立 ヒトインターフェロンαレセプターの細胞外ドメインを認識する抗体を捕捉す る組み換え可溶性レセプターの使用に基づくELISA 試験により、静脈内注射後の 動物の血清の中に存在する64G12 抗体のレベルを決定した(第14図)。 抗インターフェロンI型レセプター抗体を検出するELISA 簡単に述べると、COS またはCHO 細胞の中で産生されたヒトインターフェロン αレセプターの細胞外ドメイン(アミノ酸1−427)に相当する組換えタンパク 質で、PBS または100mM の炭酸塩緩衝液pH9.2 の中の10〜20.0μg/mlの最大濃 度において、ELISA プレートをコーティングした。次いで、プレートをPBS の中 のウシ血清アルブミンまたは同様な物質の3%溶液で飽和させた。プレートを0. 5 〜1.0 %のツイーン20または同様な洗浄剤を含有するPBS で洗浄し、次いで試 験すべき試料または参照調製物の系統的希釈物をプレートに適用した。次いで、 プレートを4℃において一夜または37℃において2時間インキュベートし、PBS/ ツイーンで洗浄し、そして37℃においてアルカリ性ホスファターゼまたはセイヨ ウワサビペルオキシダーゼと複合化したポリクローナル抗マウスIgG とほぼ2時 間インキュベートした。ビオチン−ストレプトアビジン試験を使用することもで きる(Amershamからのヒツジ抗マウスIgおよびストレプトアビジン−ビオチニル 化ペルオキシダーゼ前調製複合体は適当である)。次いで、プレートをPBS/ツイ ーンで洗浄し、対応する基質とインキュベートし(クエン酸塩緩衝液pH5.5 の中 の 0.4mg/mlの濃度のo−フェニレンジアミンはペルオキシダーゼに適当である ;次いで、反応は通常1〜10分後に 0.5MのH2SO4の添加により停止させること ができる)そして光学密度(ペルオキシダーゼ反応について405nm において)を 標準手順に従い決定する。 アカゲザルの血清の中の64G12 の濃度の決定のためにこのELISA の使用は、静 脈内注射後のこの抗体の薬物速度論が他のマウスIgG1モノクローナル抗体につい て前述したものに類似することを示した(第15図)。 アカゲザルの末梢血細胞上のインターフェロンαレセプターの数およびアフィ ニティーの決定 標準手順を使用する結合の研究(Mogensen,Uze et al.,1986,Methods Enzy mol. 119 : 267)は、正常の未処置アカゲザルの末梢血単核細胞への125I標識 化組換えヒト IFNα2の結合がヒト末梢血細胞を使用して観察されたものに類似 することを示した(第16図)。スキャッチャード分析(第17図)は、アカゲザ ル末梢血単核細胞がほぼ1500〜3500/細胞の2〜8×1010Mの範囲のkDをもつレ セプターを示すことを明らかにした(第18図)。1.0mg/kgの64G12抗インター フェロンレセプターの静脈内注射は、抗体の投与後30分に、ほぼ60μg/mlの血 清レベルを生じ、これは動物の血液体積を考慮して期待したレベルとよく一致す る。 0.5mg/kgの投与量における64G12 抗インターフェロンレセプター抗体による アカゲザルの処置は、これらの動物の末梢血単核細胞への放射線標識化ヒトイン ターフェロンα2の結合を5日間まで完全に阻害することが発見された(第19 図)。処置した動物の末梢血細胞上のインターフェロンレセプターの約60〜70% は、放射線標識化 IFNα2の結合に対して第6日まで再びアクセス可能となった (第19図)。すべての引き続く試験において、0.5mg/kgの投与量を最小有効投 与量として使用した。VI )SIV 感染アカゲザルにおける疾患の初期段階への抗インターフェロンレセプ ター抗体64G12 の作用の決定 8匹のアカゲザルの群をSIV 株251 の分子クローンの10アカゲザル感染投与量50 で感染させた。2匹のアカゲザルに 0.5mg/kgの抗インターフェロンレセプタ ー抗体64G12 を、SIV 感染の30分の前に、そして感染後5,10および15日に静脈 内注射した。1匹のアカゲザルに 3.5mg/kgの雄ウシポリクローナル抗リンパ芽 球インターフェロンIgG 調製物を、感染の30分の前に、そして感染後5日に静脈 内注射し、そして 3.5mgの前記抗体を感染後10および15日に筋肉内 注射した。他の5匹の感染動物を未処置のままに放置した。 感染後14日に発生するピークレベルのp27抗原血における有意差は、未処置対 照動物に関して処置動物のいずれにおいても観察されなかった(第20図)。感染 後10日に発生するインターフェロンα産生のピークは、未処置対照SIV 感染動物 において得られたピークに関して、ポリクローナル抗インターフェロン抗体で処 置した動物において、かなり高かった(第21図)。対照的に、抗インターフェ ロンレセプター抗体によるSIV 感染アカゲザルの処置は、これらの動物における インターフェロンの産生に対する有意な効果を与えなかった(第21図)。また 、64G12 抗体で処置した動物または未処置のSIV 感染対照動物におけるより、ポ リクローナル抗インターフェロン抗体で処置した動物において、抗p27抗体はよ り早くかつより大きい量で出現した(第22図)。 SIV によるアカゲザルの感染に引き続いて、CD4+Tリンパ球の百分率の顕著 な減少が感染後14〜15日に起こった。抗インターフェロンαレセプター抗体で処 置した2匹の動物において、CD4+細胞の百分率は未処置対照動物と同様な方法 において減少し、次いで急速に回復して、ポリクローナル抗インターフェロン抗 体で処置した動物または未処置対照SIV 感染動物におけるより高いレベルを、両 方の動物において、獲得することが発見された(第23図)。抗インターフェロ ンαレセプター抗体で処置した動物におけるCD4+細胞の差はほぼ3週間持続し た後、対照動物のそれと平行してゆっくり減少した。処置した動物のいずれにお いても、CD8+細胞のレベルへの有意な効果は、未処置対照動物において見られ るレベルに関して観察されなかった。ポリクローナル抗インターフェロン抗体は 、CD4+細胞またはCD8+細胞の数または百分率のいずれにも有意な効果をもたな かった。 実施例6:アカゲザルにおける皮膚同種異系移植片の生存への抗インターフェロ ンαレセプター抗体の作用 感作T細胞および非MHC 制限細胞の双方により生産されたサイトカインは、同 種異系移植片の拒絶に導くプロセスにおいて重要な役割を演ずると考えられる。 認識の初期の段階の間に生産されるインターフェロンαは、移植片の拒絶に導く プロセスの開始において決定的な役割を演ずることを多数の観察は示唆する。例 えば、致死的に照射されたマウスをインターフェロンαで処置すると、また、同 種異系骨髄移植片に対する耐性が増強されることが示されたが、インターフェロ ンαに対する抗体による処置は拒絶を抑制することが発見された(Affifi et al. ,J.Immunol.134 : 3739)。また、インターフェロンα/βに対する抗体によ るラットの処置は、単独でまたはシクロスポリンAと一緒に投与したとき、これ らの動物における心臓同種異系移植片の生存を延長することが報告された(Gugen heim et al.,1992,Transplant.Int.:460)。これらの結果は、インターフ ェロンαがMHC クラスI抗原およびNK−細胞の活性の主要なアクチベーターであ り、それらの両者が同種異系移植片の拒絶において主要な役割を演ずるという事 実と一致する。 インターフェロンαは、また、移植片対宿主の疾患(GVHD)の発生において重 要な役割を演ずることを多数の観察は示唆する。従って、インターフェロンαは 、全身性GVHDの特徴を示すNK細胞の増強された活性と平行して、移植片対宿主の 疾患間に生産され、そしてインターフェロンαの投与は正常のマウスにおいてGV HDの腸の結果を増強することが示された(Cleveland et al.,1987,Cell Immuno l.110 : 120)。 I)混合リンパ球培養物の同種異系応答への抗インターフェロンαレセプター抗 体の作用 抗インターフェロンαレセプター抗体64G12 の潜在的免疫抑制活性を試験する ために、混合リンパ球培養物(MLC)を変化する濃度の64G12 抗体、または非中和 性対照34F10 抗体で処置した。双方の抗体は、ヒト末梢血単核細胞またはヒトリ ンパ芽球細胞系ダウディ(Daudi)の生活能力または増殖に対して、50μg/mlの 濃度において96時間のインキュベーション後、作用をもたないことが以前に示さ れた。 正常のドナーからのヒト末梢血単核細胞をフィコール勾配で単離し、そして補 体依存性ミクローリンパ球細胞障害性によりMHC クラスIおよびクラスIIについ て型別した。レスポンダー細胞の増殖は、ミトマイシン−Cで処置して非増殖性 とした同種異系刺激細胞に応答する3HTdR の取り込みを測定することによって、 決定した。混合リンパ球培養物を抗インターフェロンαレセプター抗体で処置す ると、投与量依存的に、3HTdR の取り込みが阻害された(第24図)。3HTdR の取 り込みのほぼ50%の平均阻害が、64G12 抗体で処置したMLC において20μg/ml の濃度において観察された(第24図)。しかしながら、3HTdR の取り込みの阻害 の程度は1つのMLC から他のものついてかなり変化し(1系列の12MLC について 20〜82%、平均 50.58+20.1%、第25図)ドナーまたはレセプターのリンパ球の MHC DR型に対する明瞭な関係は存在しなかった(表11)。50μg/mlまでの非中 和性抗インターフェロンαレセプター抗体34F10 で処置した培養物において、3H TdR の取り込みの阻害は観察されなかった。 II)アカゲザルにおける皮膚同種異系移植片の生存への抗インターフェロンαレ セプター抗体の作用 MHC クラスI(Rh LA−AおよびB)およびクラスII抗原(Th LA−DR)の双方に おいて異なる、AOB 適合性の1〜3歳の雄の動物(Ma caoa Fascicularis)の間で、標準手順により、皮膚同種異系移植片を交換した。 移植片を取りそして左の腸骨窩の中に移植した。動物は左において未処置である か、または移植の1時間前におよび各々引き続く日にシクロスポリンA(5.0mg/ kg/日)で、または移植の1時間前におよび第5日および引き続いて第5日毎に6 4G12 抗体(5.0mg/kg/日)で(最初の2回の注射について静脈内注射により、次 いで引き続いて筋肉内注射により)第85日までまたは移植片の拒絶まで処置した か、またはシクロスポリンAおよび64G12 抗体で各物質単独で使用したときと同 一投与量で処置した。 移植片を拒絶の臨床的徴候(色、柔軟性など)について毎日検査し、そして移 植組織を第5,10,20、および60日および拒絶の日に生検した。各生検材料は拒 絶の組織学的徴候およびMHC クラスIおよびクラスIIの抗原の発現について検査 した。 皮膚移植片の平均生存時間は、未処置対照動物において 7.5+0.57日であり、 そしてシクロスポリンA処置した動物において 9.5+0.57日であることが発見さ れた(表12)3。64G12 抗体で処置した動物は、未処置対照動物(Wilcox試験p <0.01)およびシクロスポリンAで処置した動物の双方に関して、移植組織の平 均生存時間を有意に増加した(14.25±0.95日)(表12)。 抗インターフェロンαレセプター抗体とシクロスポリンAとの組み合わせで動 物を処置すると、永久的移植片の受容が生じた(表12)。事実、移植片の拒絶は 単一の動物のみにおいて第63日に観察されたが、この処置群において残る4匹の 動物は完全に生活可能であり、そして第 235日において拒絶の徴候は存在しなか った(表12)。抗インターフェロンレセプター抗体を使用する処置は、無傷の皮 膚−移植片を有する動物において第85日に停止した。しかしながら、すべての処 置を停止した第 140日まで、これらの動物は低い投与 量のシクロスポリンA(5.0mg/kg)で処置し続けた。 この群における単一のサルは、64G12 抗体の未精製調製物の静脈内注射後、ア ナフィラキシーショックのために第20日に死亡した。この動物における皮膚移植 片は、この時において、肉眼的または微視的な徴候または拒絶を示さなかった。 抗インターフェロンレセプター抗体とシクロスポリンAとの組み合わせで処置 した動物から、第60日に取った、生存する移植片の生検材料の組織学的検査は、 表皮の下においてある種の毛管の回りに、稀な単核細胞のみを示した。85および 140日間抗インターフェロンレセプター抗体およびシクロスポリンAで処置した 動物から第185日に取った皮膚生検材料は、それぞれ、正常の非移植皮膚と区別 が困難である組織を明らかにした。介在性および/または毛管を通る単核細胞か ら本質的に成る中程度の炎症性浸潤が、試験した動物から取った生検材料の中に 見られた。これは、未処置対照動物から取った生検材料の中に見られる非常に重 症の病変(壊死性浮腫、多数の多核好中球をもつ顕著な炎症性浸潤)と対照的で あった。シクロスポリンA単独で処置した動物から取った生検材料は、単核細胞 および多少の多核好中球から本質的に成り、中程度の浮腫を伴う皮膚および皮下 の炎症性浸潤を示した。 皮膚同種異系移植片の生検材料を、また、MHC クラスI抗原(HLA−ABC)および クラスII抗原(HLA−DR)の発現について検査した。未処置対照動物からの生検材 料は、クラスIおよびクラスIIの双方の抗原の顕著な発現を示した(表13)。シ クロスポリンAで処置した動物から取った生検材料におけるMHC クラスI抗原の 発現は未処置対照動物のそれに類似したが、クラスII抗原の発現は強度が低く( 表13)、これに対して抗インターフェロンレセプター抗体で処置した動物から取 った生検材料において、MHC クラスI抗原の発現は減 少したが、クラスII抗原の発現は対照動物に関して未変化に止まった(表13)。 対照的に、64G12 抗体とシクロスポリンAとの組み合わせで処置した動物から取 った生検材料において、MHC クラスIおよびクラスIIの双方の抗原は未処置対照 動物に関して顕著に減少した(表13)。 抗インターフェロンレセプター抗体単独で、またはシクロスポリンAと一緒に 処置した動物において、リンパ球増加が観察された(表14)。このリンパ球増加 は、未処置対照動物に関して、CD8+Tリンパ球の百分率の増加に関連した。CD 4+Tリンパ球の絶対数または百分率の差は、対照動物に関して、抗インターフ ェロンレセプター抗体で処置した動物において観察されなかった(表15)。赤血 球または血小板細胞系において、差は観察されなかった。 血液ナトリウムまたはカリウムクレアチンのレベルの差は、いずれの動物にお いても移植後に観察されなかった(表16)。 シクロスポリンA(5.0mg/kg/日)と抗インターフェロンαレセプター抗体 との組み合わせで処置したサルは、同一投与量のシクロスポリンA単独で処置し た動物よりも有意に高いレベルの血清シクロスポリンAを示した(表17)。 マウス抗インターフェロンαレセプター抗体に対する検出可能なサル抗体(IgG )は、抗インターフェロンαレセプター抗体に対して特異的な感受性ELISA を使 用して(第26図〜第28図)、0.5mg/kgの抗体で5日毎に(60日まで)単独また はシクロスポリンAとの組み合わせにおいて処置した動物のいずれの血清の中に も検出されなかった(第28図)。64G12 モノクローナル抗体の免疫不全の明ら かな不存在は、この抗体で処置した動物において観察された非常に強い免疫抑制 の結果であることがある。 初期の皮膚移植の停止後6カ月そしてすべての処置の停止後2カ 月に、それ以上の処置をしない同一ドナーからの第2皮膚移植片を動物に与えた 。二次移植片は未処置対照群において 5.5±0.5 日にそして最初に抗インターフ ェロンαレセプター抗体とシクロスポリンAとの組み合わせで処置した動物にお いて11.5±2.0 日に拒絶された(表18)。対照的に、最初に抗インターフェロン αレセプター抗体とシクロスポリンAとの組み合わせで処置した動物において一 次移植片は無傷に止まったが、二次皮膚移植片はこれらの動物において拒絶され た。これらの結果が示唆するように、移植された組織の内部または部位における インターフェロンαの局所的生産は、同種異系移植片の拒絶に導く初期のプロセ スにおいて決定的な役割を演ずる。 これらの結果が示すように、64G12 抗体によるアカゲザルの処置はこれらの動 物における同種異系移植片の生存率を増加する。抗体単独で観察された効果の大 きさは、今日まで記載された最も効力のある免疫抑制モノクローナル抗体の中に 入ると考えることができる。従って、インターフェロンγまたはTFA に対するモ ノクローナル抗体は、サルにおける皮膚同種異系移植片の拒絶の防止において、 64G12 抗体より効果に劣るように思われる(Stevens et al.,1990,Transplant ation, 50 : 856)が、抗CD3抗体(Nooji et al.,1987,Eur.J.Immunol. 1 7 : 1089)は抗インターフェロンαレセプター抗体64G12 のそれに匹敵する効果 を与える唯一の抗体である。 抗インターフェロンαレセプター抗体とシクロスポリンAとの組み合わせによ るアカゲザルの処置は、非MHC 合致動物において永久的同種異系移植片の受容を 生じ、これは霊長類のモデルにおける他の免疫抑制剤の制限された効果と顕著に 対照をなす。 低い投与量のシクロスポリンAと一緒に抗インターフェロンαレ セプター抗体で処置した動物において観察された、非常に強い相乗的免疫抑制効 果は、通常無効である投与量のシクロスポリンAで有効な免疫抑制の達成を可能 とし、従って高い投与量のシクロスポリンAで長期間にわたって処置される患者 において観察される重大な毒性を減少するであろう。さらに、抗インターフェロ ンαレセプター抗体の処置を停止した後、同種異系移植片の生存が維持されると いう事実は、有効な免疫抑制を達成するために、制限された期間の64G12 抗体を 使用する処置のみが必要であることを示唆する。 同様なモードの作用が与えられると、64G12 抗体をFK506 と一緒に投与した場 合、匹敵する免疫抑制効果が観察される可能性がある。 これらの結果は、低い投与量のシクロスポリンAと一緒に与えられる比較的低 いレベルのインターフェロンアンタゴニストの投与により、選択的な長く続く免 疫抑制を得ることができることを示し、ヒト同種異系移植片の拒絶の予防および 治療のための重要な意味を有することがある。 このような治療の養生法は、また、自己免疫疾患、特にインターフェロンαの 異常な、または延長した産生により特徴づけられる疾患、の治療に適用可能であ る。 III)アカゲザルにおける移植片対宿主の疾患への抗インターフェロンαレセプ ター抗体の作用 霊長類の放射性感受性、骨髄の組成、および骨髄の移植に対する免疫学的反応 のパターンはヒトのそれらに密接に類似するので、霊長類は骨髄移植の臨床前の 研究のためのほぼ最適なモデルを提供する。さらに、急性の移植片対宿主の疾患 (GVHD)の変更は、無関係の非MHC 合致ドナーからの移植骨髄後にサルにおいて 発生し、ヒトの状況を高度に予言することが証明された(van Bekkam,Transpla ntation Proceedings,10,105-111,1988)。 若い成体の雄の動物(Macaca Fascicularis)を、照射の前に広いスペクトルの 抗生物質で処置して腸を滅菌した。 動物を全体投与量の8Gyで照射し、そして4時間後にMHC クラスI抗原(Rh LA −AおよびB)およびクラスII抗原(Th LA−DR)の双方において異なるランダムド ナーからの4×108/kgの同種異系骨髄細胞を移植した。 動物を未処置で放置したか、または移植の30分前そして第5日そして引き続い て第5日毎に抗インターフェロンαレセプター抗体(最初の2回の静脈内注射そ してその後に筋肉内注射により)と移植の30分後にそしてその後毎日、低い投与 量のシクロスポリンA(5.0mg/kg)とで処置した。 生存する動物を、照射後最初の1カ月の間、隔離室に入れ、次いで解放した条 件下に配置した。 未処置の移植した動物は急性の形態のGVHDで9±1.0 日に死亡し、人間におい て見られるものに類似する皮膚の特徴的な組織学的病変を有した(表19)。抗イ ンターフェロンαレセプター抗体ならびに低い投与量のシクロスポリンAで今日 まで処置した3匹の移植した動物のうちで、1匹の動物は第19日に細菌の感染か ら死亡し、GVHDの臨床的または組織学的徴候は存在しなかった。2匹の他の動物 は移植後第93日に健康に止まった(表19)。 低い投与量のシクロスポリンAと一緒に与えられた抗インターフェロンαレセ プター抗体はGVHDのための有効な治療であることを、これらの予備的結果は示唆 する。霊長類において見られる急性形態のGVHDを緩和しかつこれらの動物の生存 を延長することにおいて有効である薬物は非常にわずかである。事実、このモデ ルにおいて有益な効果は、MHC 合致ドナーからの骨髄を受け取る患者において見 られる重症度の低いタイプのGVHDにおいて、対応してより大きい有益な効果を予 言すると考えられる。 培養物の各対について、補体依存性ミクロリンパ表毒性により、正常提供者から の末梢血単核細胞をMHC クラスI及びIIについてタイプ分けした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 15/02 A61K 37/02 AGA // C12P 21/08 C12N 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,L V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU ,SD,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトインターフェロンのクラスIレセプター(IFN−R)に対して向けられ たモノクローナル抗体の精製調製物を含んでなり、そして下記の性質: − ヒト IFN−Rの細胞外ドメインを認識する、および − ヒトI型IFN の生物学的性質に対する中和能力を有する、 を有することを特徴とする、免疫調節因子として使用するための医薬組成物。 2.モノクローナル抗体がI型 IFN−Rへのヒト病理的I型IFN の結合を阻害 する能力を有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。 3.前記モノクローナル抗体が可溶性の形態のヒト IFN−Rで前もって免疫化 された動物からの脾細胞と骨髄腫細胞との融合により製造されたハイブリドーマ 細胞から得ることができるものである、請求項1または2に記載の医薬組成物。 4.前記モノクローナル抗体が可溶性の形態のヒト細胞の IFN−Rまたは組換 え IFN−Rの上のエピトープを認識する、請求項1,2または3に記載の医薬組 成物。 5. 100μg/mlに等しいか、またはそれより低い、好ましくは50μg/mlに 等しいか、またはそれより低い、有利には20μg/mlより低い、より好ましくは ほぼ 0.5〜2μg/mlの範囲の濃度において、hu− IFN−Rを収容する細胞と共 インキュベートしたとき、モノクローナル抗体がヒト細胞の IFN−RへのヒトI 型IFN の結合をin vitroで阻害する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬 組成物。 6.モノクローナル抗体が、ヒトI型IFN に対して高度に応答性 の細胞、例えば、ダウディ(Daudi)細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗増殖活 性を1〜10μg/mlの範囲の濃度においてin vitroで中和する、請求項1〜5の いずれか一項に記載の医薬組成物。 7.モノクローナル抗体が、ヒトI型IFN に対して低い応答性の細胞、例えば 、Ly28細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗増殖活性を50〜100 μg/mlの範囲 の濃度においてin vitroで中和する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬 組成物。 8.モノクローナル抗体がIFN ガンマのヒトレセプターに結合しない、請求項 1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。 9.モノクローナル抗体がヒト IFN−Rのアミノ酸配列27〜427 の上のエピト ープを認識する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。 10.モノクローナル抗体が、ヒトI型IFN に対して高度に応答性の細胞、例え ば、ダウディ細胞、に対するこのヒトI型IFN の抗ウイルス活性を1〜10μg/ mlの範囲の濃度においてin vitroで中和する、請求項1〜9のいずれか一項に記 載の医薬組成物。 11.モノクローナル抗体が、ヒトクラスIのIFN に対して低い応答性の細胞、 例えば、Ly28細胞、に対するこのヒトIFN の抗ウイルス活性を50〜100 μg/ml の範囲の濃度においてin vitroで中和する、請求項1〜10のいずれか一項に記載 の医薬組成物。 12.免疫抑制因子として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載 の医薬組成物。 13.免疫刺激因子として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載 の医薬組成物。 14.モノクローナル抗体が、1992年2月26日にNo.92022605としてECACC に受 託された、64G12 抗体である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物 。 15.モノクローナル抗体がヒト抗体であり、例えば、その重鎖および軽鎖の可 変領域または相補性決定領域がヒト抗体のフレームワークまたは定常領域上にグ ラフトされていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬 組成物。 16.モノクローナル抗体がヒト抗体である、請求項1〜13のいずれか一項に記 載の医薬組成物。 17.モノクローナル抗体の精製調製物を約0.05mg/kg体重〜約3mg/kgの間の 投与量で使用することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の医薬 組成物。 18.静脈内投与に適当な医薬用ベヒクルを含んでなる、請求項1〜17のいずれ か一項に記載の医薬組成物。 19.筋肉内投与に適当な医薬用ベヒクルを含んでなる、請求項1〜17のいずれ か一項に記載の医薬組成物。 20.ヒトレトロウイルス、特にヒトHIV またはHTLVレトロウイルスの感染によ る疾患をin vivo で抑制するために十分な免疫調節因子の作用を有する薬物の製 造のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の精製調 製物の使用。 21.同種移植片の拒絶反応をin vivo で抑制するために十分な免疫調節因子の 作用を有する薬物の製造のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のモノク ローナル抗体の精製調製物の使用。 22.移植片対宿主病の症状をin vivo で抑制するために十分な免疫調節因子の 作用を有する薬物の製造のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のモノク ローナル抗体の精製調製物の使用。 23.活性成分として、請求項1〜16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗 体と、同時の、別々のまたは順次の使用のための組み合わされた調製物として、 免疫調節活性、特に免疫抑制活性、を有する因子とを含んでなることを特徴とす る、免疫抑制因子として使 用するための医薬組成物。 24.免疫調節活性を有する因子がシクロスポリンAまたはFK506であることを 特徴とする、請求項23に記載の医薬組成物。 25.モノクローナル抗体が約0.05mg/kg〜3mg/kg、好ましくは 0.5mg/kg〜 1mg/kgの範囲の投与量で存在し、そして免疫抑制活性を有する因子、特にシク ロスポリンA、が少なくとも 0.1mg/kgの投与量で存在することを特徴とする、 請求項19に記載の医薬組成物。 26.体液性免疫または細胞性免疫のためのアジュバントとしての、請求項1〜 16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の精製調製物の使用。 27.自己免疫疾患、特にI型IFN 、殊にαIFN 、の異常なまたは延長した産生 により特徴づけられる疾患、の治療に適用可能な薬物の製造のための、請求項1 〜16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の精製調製物の使用。 28.殊に自己免疫疾患またはHIV 感染の場合における、生物学的試料、例えば 、血液または他の生物学的流体についての、可溶性I型インターフェロンのin v itro検出のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の 調製物の使用。
JP7509002A 1993-09-17 1994-09-16 I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプターに対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物 Pending JPH11501283A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP93402279 1993-09-17
GB93402279.9 1993-09-17
PCT/EP1994/003114 WO1995007716A1 (en) 1993-09-17 1994-09-16 Pharmaceutical composition comprising monoclonal antibodies against the interferon receptor, with neutralizing activity against type i interferon

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11501283A true JPH11501283A (ja) 1999-02-02

Family

ID=8214749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7509002A Pending JPH11501283A (ja) 1993-09-17 1994-09-16 I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプターに対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0725654A1 (ja)
JP (1) JPH11501283A (ja)
AU (1) AU7782894A (ja)
CA (1) CA2171955A1 (ja)
WO (1) WO1995007716A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006524703A (ja) * 2003-04-23 2006-11-02 メダレックス インコーポレイテッド 炎症性腸疾患治療用の組成物及び治療方法
JP2009132736A (ja) * 2001-01-09 2009-06-18 Baylor Research Inst 対象における自己免疫疾患の治療法及びinvitro診断アッセイ

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL118096A0 (en) * 1996-05-01 1996-09-12 Yeda Res & Dev Antibodies against interferon alpha/beta receptor
US6713609B1 (en) 1996-07-16 2004-03-30 Genentech, Inc. Monoclonal antibodies to type I interferon receptor
AU2007202840B2 (en) * 2001-01-09 2011-07-28 Baylor Research Institute Methods for treating autoimmune diseases in a subject and in vitro diagnostic assays
AU2007203559B2 (en) * 2003-04-23 2010-09-02 E. R. Squibb & Sons, L.L.C. Compositions and methods for the therapy of inflammatory bowel disease
CA2523142A1 (en) * 2003-04-23 2004-11-04 Medarex, Inc. Humanized antibodies to interferon alpha receptor-1 (ifnar-1)
DK2418220T3 (da) 2003-12-10 2017-11-06 Squibb & Sons Llc Interferon-alpha-antistoffer og anvendelser deraf
LT2662390T (lt) 2004-06-21 2017-10-10 E. R. Squibb & Sons, L.L.C. Interferono-alfa receptoriaus-1 antikūnai ir jų panaudojimas

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL88377A (en) * 1988-11-14 1996-09-12 Yeda Res & Dev Cloning and expression of a protein which modulates cellular response to type I interferon
FR2653445B1 (fr) * 1989-10-20 1994-07-29 Centre Nat Rech Scient Fragment d'adnc codant pour le gene du recepteur de l'interferon alpha et procede de preparation d'une proteine correspondante.
DK0601052T3 (da) * 1991-08-30 1996-11-18 Genentech Inc Terapeutisk fremgangsmåde til behandling af IDDM
EP0563487A1 (en) * 1992-03-31 1993-10-06 Laboratoire Europeen De Biotechnologie S.A. Monoclonal antibodies against the interferon receptor, with neutralizing activity against type I interferon

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132736A (ja) * 2001-01-09 2009-06-18 Baylor Research Inst 対象における自己免疫疾患の治療法及びinvitro診断アッセイ
JP2006524703A (ja) * 2003-04-23 2006-11-02 メダレックス インコーポレイテッド 炎症性腸疾患治療用の組成物及び治療方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1995007716A1 (en) 1995-03-23
CA2171955A1 (en) 1995-03-23
AU7782894A (en) 1995-04-03
EP0725654A1 (en) 1996-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7179465B2 (en) Monoclonal antibodies against the interferon receptor, with neutralizing activity against type 1 interferon
US7183390B2 (en) Humanized antibodies to gamma-interferon
EP1425028B1 (en) Use of il-18 inhibitors for the treatement or prevention of sepsis
EP0449769A1 (en) CD 25 binding molecules
JP4308322B2 (ja) インターフェロンアルファ/ベータ受容体に対する抗体
WO1998042377A1 (en) Preventives or remedies for sensitized t cell-related diseases containing il-6 antagonists as the active ingredient
JPH09509646A (ja) 多発性硬化症を治療する方法
US20100254941A1 (en) Interleukin-18 binding proteins, their preparation and use for the treatment of sepsis
US6140043A (en) Pharmaceutical compositions for competitively inhibiting the binding of a retrovirus to the IFN-receptor and means for diagnosis of an HIV infection
JP2022501319A (ja) 抗Siglec抗体、それを備える薬学的組成物及びその使用
JPH11501283A (ja) I型インターフェロンに対する中和活性を有する、インターフェロンレセプターに対するモノクローナル抗体を含んでなる医薬組成物
KR100333148B1 (ko) 당뇨질환예방제및치료제로서사용되는Vα14Jα281을함유하는가용성T-세포수용체α쇄및유도체
EP1250358B1 (en) Therapeutic peptides
CN114053403A (zh) 融合蛋白在制备疫苗佐剂或预防和治疗病毒感染的药物中的用途
Steinmann et al. Low incidence of antibody formation due to long-term interferon-α 2c treatment of cancer patients
KR20230140362A (ko) 항-Fetuin-B 항체 및 해당 항체를 유효 성분으로 포함하는 근육질환의 예방, 치료 또는 개선용 조성물
KR20230142834A (ko) 항-cd38 항체 및 이의 용도