JPH11501252A - スクリーンバスケット支持構造体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、パルプ繊維の懸濁液等の繊維節約型の細かいスクリーンに用いられる薄いスクリーン板の支持構造体に係る。この支持構造体は、補強及び位置決め装置により最小のスクリーン接触面積となるようにスクリーンを支持し、運転中に生じる薄いスクリーン板における応力及び撓みを減じるように一体構造に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の名称〕 スクリーンバスケット支持構造体及びその製造方法 〔技術分野〕 本発明は、パルプ等のスクリーンバスケットの支持構造体及びその製造方法に 関する。 〔背景技術〕 紙の製造に繊維を使用するには、その前に、パルプ繊維をいくつかの工程にお いて処理するプロセスが必要である。これらのプロセスには、プレス工程、洗浄 工程及び液抽出工程が含まれる。これらの工程は、ある大きさの繊維が通過する だけの開口を有する濾過表面を含むプレス装置及び洗浄装置により実施される。 それ故、濾過表面を通過して流れる液はある量の繊維を伴っている。 濾液中の繊維は、補集されなければ使用可能な製品の損失となりまた処理問題 の原因にもなるため、これらを補集することが著しく望まれている。繊維を補集 するためには、液のみが通過できる小さな開口を有する濾過表面が必要となる。 これによって、繊維の補集が可能となる。こうした機械を、本発明の出願人は「 ファイバーセイバースクリーン(繊維節約型スクリーン、Fibersaver Screen)」 と称している。市場では、直径0.004 インチ又はそれより小さな開口を有するス クリーンの需要がある。前記以外の機械を使用した場合の濾液は、出来る限り多 くの繊維を回収するため前記の機械に投入される。通常、こういったスクリーン はバスケット（籠）又は中空シリンダ（円筒）の形状に作られている。非常に小 さな開口を有するスクリーンバスケットを製造する工程上及び経済上の都合によ り、バスケットの厚みは一定の値を越えることはできない。一般に、開口が小さ いほど、バスケットは薄くなる。例えば、0.1mm(0.004インチ)直径の穴をもった バスケットでは、厚さは１mm（0.04インチ）以下となる。この厚さのスクリーン バスケットでは、どんなサイズの生産機械においても、それに働く荷重を問題な く取扱うためには支持構造体を必要とする。 前記は、現行の装置及び方法に存在する問題点を述べたものである。かくして 、以上のいくつかの問題点を克服すべく指向された代替装置及び方法を提供する ことに利点がある。よって、本発明により、以下に詳細に述べる特徴を有する適 切 な装置及び方法が提供される。 〔発明の開示〕 本発明の当初の目的は、プロセス液から個々の繊維を効率良く、かつ、コスト 効率も良く除去することであった。これには、非常に小さな穴を有する円筒状ス クリーン板を使用する従来の加圧スクリーンの使用を必要とした。これらの小穴 は電子ビーム又はそれと同等の方法により切り込まれ、かつ、このような製造方 法のために、スクリーン板は強度上望まれる厚さよりもはるかに薄くなければな らない。これらの穴は能力を最高とするため近接した間隔で配され、その結果穴 と穴との間隔は非常に狭いものとなる。それ故、スクリーン板は強度が低く、通 常の運転条件では支持部材の間隔を小さくしなければ耐えることができない。従 来の典型的な補強手段は流れ面積を妨げ、生産能力を大きく減じるものである。 本発明の実施の形態はすべて、妨げのない最大面積を有する強度のある剛性の スクリーン円筒の組立体を提供し、前記の当初の目的を達成する。本発明は、以 下に記述される外向き流れのスクリーン円筒として最も頻繁に使用されるであろ うが、本発明は内向き流れのスクリーン円筒としても使用することができる。 本発明の一特徴は、薄いスクリーンと；スクリーンを通る最大の流れを可能と するように最小のスクリーン接触面積を有するスクリーン支持手段；及びこのス クリーン支持手段を位置決めし支持する手段；を備えたスクリーンバスケットの 支持構造体を提供することである。 前記及びその他の内容は、以下の本発明の詳細な説明と添付の図面とから明ら かとなろう。 〔図面の簡単な説明〕 図１は、本発明の第一の実施の形態のスクリーンバスケットの部分縦断面図で 、本発明のスクリーンとその支持構造体を示す。 図２は、本発明の第二の実施の形態のスクリーンとその支持構造体の部分縦断 面図である。 図３は、図２の線３−３に沿った断面図である。 図４は、本発明の第三の実施の形態に係わる断面図である。 図５は、本発明の第四の実施の形態に係わる部分縦断面図である。 図６は、図５の線６−６に沿った部分断面図である。 図７は、本発明の第五の実施の形態に係わる部分縦断面図である。 〔発明を実施するための最良の形態〕 本発明の第一の実施の形態である垂直型スクリーンバスケットの支持構造体が 図１に示されている。なお、スクリーンの軸線は使用時に水平であっても垂直で あってもよい。ここに示された垂直型において、多数の薄い水平リング10がスク リーンバスケット20の周りに縦方向に等間隔で配されている。スクリーンバスケ ット20は、例えば、スクリーン材を円筒状に構成したものである。ファイバーセ イバースクリーンでは、スクリーンの厚みはほぼ1mm(0.004インチ)で、例えば直 径が0.1mm(0.004インチ)もしくはそれより小さい多数の穴が互いに近接して設け られている。水平リング10は、スクリーンバスケットをその円筒上で支持してい る。切込みをつけられた多数の垂直リブ15が水平リングを支持するように設けら れている。水平リングと切込み付きの垂直リブは、スクリーンバスケット20を備 える支持構造体を形成する。垂直リブには、切込み17が等間隔に設けられ、それ によって水平リングは容易に間隔を調整して差込まれ組立てられる。水平リング の厚みは最低に維持され、垂直リブは開口面積を最高とするためスクリーンバス ケット20に接触しないように配されている。垂直リブは頂部取付けフランジ22と 底部取付けフランジ23の間に配されると共に、スクリーンバスケットが受ける垂 直方向の圧縮力に耐えるように設計されている。予めスクリーンバスケットに垂 直の圧縮力を作用させることは、場合によっては、捩り振動を防止するために必 要である。 頂部取付けフランジ及び底部取付けフランジはまた、ファイバーセイバーの容 器（図示なし）内にスクリーンバスケットを取付けるためにも使用される。通常 、液を含む繊維は、頂部からファイバーセイバーの容器内に導入されスクリーン 中央部を通って容器底部の出口に至る。紙料液から抽出された濾過水は、スクリ ーンバスケット内を通り、通常容器側部の出口から出ていく。回収された繊維は 、ファイバーセイバーの容器において公知の方法により容器底部から出ていく。 図２は、本発明の支持構造体の第二の実施の形態を示し、ここにおいて実質的 に三角形状の断面を有するリブ11が垂直の支持リブ16にスポット溶接により取付 けられており、更にこの垂直の支持リブ16は頂部フランジ22と底部フランジ23の 間に配されている。図３は、図２の線３−３に沿った断面図で、垂直の支持リブ を円周上に間隔を置いて設けた配置を示している。 図４は、本発明の第三の実施の形態を示し、ここにおいて垂直リブ12はスクリ ーンバスケット20と接触して設けられている。本実施の形態における垂直リブは 、切込み付きの水平リングにより等間隔に配され支持されている。 本発明の第四の実施の形態が図５及び図６に示されている。この支持構造体に おいては、穴の明いた薄いスクリーン板20が一連の垂直の支持ロッド25により支 持される一方、これらの垂直の支持ロッド25は穴の明いた円筒状板の支持フレー ム26により支持されている。図５に示した如く、スクリーン板はその端部におい てスクリーン支持用の円筒状スペーサ30に取付けられている。垂直の支持ロッド 25は、スクリーン板と円筒状板の支持フレームもしくは板26の間に形成される外 側のすき間内に適正に聞隔を置いて配されている。円筒状板の支持フレーム26は 、比較的大きな穴もしくはその他の形状の開口を有する板を円筒状にロール曲げ して作ることができる。これらの開口は、垂直に一線上に並ばないように千鳥状 に配される。製造に当っては、薄いスクリーン板は電子ビーム、抵抗溶接、等に より一連の支持ロッドに取付けられる。スクリーン板20及び支持ロッド25の一体 の組立体は、必要な曲率にロール曲げし、支持ロッドを支持フレーム26に取付け ることにより支持フレーム26に組付けることができる。これを容易に行うため、 垂直の帯状部材27がスクリーン板を位置決めすべく設けられている。 図７は、本発明の第五の実施の形態を示し、ここにおいて半径方向の破裂（及 び／又は座屈）力に耐えるワイヤ30が円筒状スクリーン板20に螺旋状に巻付けら れていることを原理とする。この螺旋のピッチは、穴の明いたこのスクリーン板 に許容される支持のない間隔に適合するように選定される。外側の帯35は、軸方 向及び捩れ方向の双方において座屈及び捩れに耐える剛性を提供する。 螺旋状に補強された一体の組立体は、次のように製造することができる；即ち 、寸法精度を確保するため心金を使用して、スクリーン板を心金に巻付けて円筒 を形成し、これをシーム溶接する；ついで、頂部取付けフランジ22と底部取付け リング（図示なし）をシリンダに溶接して組付ける；次に、補強ワイヤを円筒状 ス クリーン板の開口部分の長さに沿って螺旋状に巻付け、これを抵抗溶接で固定す る；最後に、螺旋形に作られた比較的巾のある薄い外側の補強帯35を各交差部に おいて螺旋状ワイヤ30に抵抗溶接し、これを取付けフランジに溶接する。なお、 一条又は多条の螺旋が、要求される剛性、安定性及び支持を達成するために必要 なピッチに合わせて選択され、形成され、もしくは巻付けられる。 従来の機械加工による細い切込みを有するロール曲げ及び溶接された厚いスク リーン板に比較して、螺旋状に補強された組立体の半径方向の全厚みは左程大き くならない一方、スクリーン表面の半径方向の寸法精度は著しく改善される。即 ち、この本実施の形態に係る組立体は従来のスクリーン円筒と物理的に互換性が ある上に、より高い精度で作ることができる。 なお、本発明のいずれの実施の形態においても種々の新しいスクリーンの薄板 を実際に使用することができる。例えば、製紙用パルプの主ラインでのスクリー ンのために非常に細い溝を必要とするスクリーン板を従来のものに比べてより薄 い材料を使用してより高精度にかつ安価に製造することができる。更に、多くの 用途におけるスクリーンの薄板として、効果であり及び／又は厚い板から製造す るのが困難である耐摩耗性の高い材料を経済的に使用することができる。また、 慣用的でない開口の形状、方向及び／又は型を要するスクリーン作業には、薄い スクリーン板をECM(電解加工)及びEDM(放電加工)により経済的に機械加工するこ とができ、また、凹凸のある表面を必要とする時は三次元プレス成形により経済 的に加工することができる。 本発明をいくつかの実施の形態により説明したが、本発明は、それらに限定さ れず以下の請求の範囲内のものが含まれるものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｂ０１Ｄ 29/10 ５１０Ａ 29/16 (72)発明者 ジョンソン、ドナルド・ビー アメリカ合衆国、ニューハンプシャー 03102、ベッドフォード、ウィングソング サークル、44 (72)発明者 ガラグハー、ブライアン・ジェイ アメリカ合衆国、ニューハンプシャー 03103、リッチフィールド、ナティクック アヴェニュー、71 (72)発明者 ヤング、ダグラス・エル・ジー アメリカ合衆国、ニューハンプシャー 03060、ナシュア、バーチウッド ドライ ブ、３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．薄いスクリーンと； 前記スクリーンを通る最大の流れを可能とするように最小のスクリーン接触面 積を有するスクリーン支持手段； 及び、前記スクリーン支持手段を位置決めし支持する手段； を備えてなることを特徴とするスクリーンバスケットの支持構造体。 ２．前記薄いスクリーンは円筒形状に形成されてなることを特徴とする請求の 範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構造体。 ３．前記スクリーン支持手段は複数のリングを更に備え； かつ、前記リングを含む前記スクリーン支持手段を位置決めし支持する手段は 複数の溝付きリブを更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ４．前記スクリーン支持手段は複数のリブを更に備え； かつ、前記リブを含む前記スクリーン支持手段を位置決めし支持する手段は複 数の溝付きリブを更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ５．前記スクリーン支持手段は複数のロッドを更に備え； かつ、前記ロッドを含む前記スクリーン支持手段を位置決めし支持する手段は 成形された支持板を更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ６．前記支持構造体は、前記支持構造体を濾過容器内に取付ける取付フランジ を更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ７．前記スクリーン支持手段は、前記スクリーンバスケットに溶接された複数 のロッドを更に備え； かつ、前記ロッドを含む前記スクリーン支持手段を位置決めし支持する手段は 、前記ロッドに溶接された支持円筒を更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲５に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ８．前記支持構造体は、前記支持構造体を濾過容器内に取付ける取付フランジ を更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲７に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 ９．前記スクリーン支持手段は、螺旋状に巻付けられたワイヤのスクリーン支 持コイルを更に備え； かつ、前記ワイヤのスクリーン支持コイルを含む前記スクリーン支持手段を位 置決めし支持する手段は、螺旋状に形成された支持帯を更に備え； てなることを特徴とする請求の範囲１に記載のスクリーンバスケットの支持構 造体。 10．寸法精度を確保するために心金を使用して、スクリーンを前記心金に巻付 けて円筒を形成し、これをシーム溶接すること； 頂部取付フランジと底部取付フランジを前記円筒に溶接して組付けること； 前記螺旋状に巻付けられたワイヤを前記スクリーン円筒の開口部分の長さに沿 って螺旋状に巻付けて、これを抵抗溶接で固定すること； 及び螺旋状に形成された前記支持帯を各交差部において前記螺旋状ワイヤに抵 抗溶接し、これを取付フランジに溶接すること； の工程からなることを特徴とする請求の範囲９に記載のスクリーンバスケット の支持構造体の製造方法。