JPH11501119A - サンプルの核四極子共鳴テスト方法および装置、および核四極子共鳴を励起するためのパルス・シーケンス - Google Patents

サンプルの核四極子共鳴テスト方法および装置、および核四極子共鳴を励起するためのパルス・シーケンス

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JPH11501119A JP8525510A JP52551096A JPH11501119A JP H11501119 A JPH11501119 A JP H11501119A JP 8525510 A JP8525510 A JP 8525510A JP 52551096 A JP52551096 A JP 52551096A JP H11501119 A JPH11501119 A JP H11501119A
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Abstract

(57)【要約】 四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号と干渉するスプリアス信号を生じる第2の種類の物質とを含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法が、少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスをサンプルに印加して核四極子共鳴を励起することと、応答信号を検出することと、各対のパルスについて、パルス対の2つの要素パルスに続く各応答信号を比較することと、を含み、パルス・シーケンスが、2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、比較によって少なくとも部分的に打ち消すことができる如きものであり、各対のパルスについて、2つの要素パルスが類似の位相である。

Description

【発明の詳細な説明】 サンプルの核四極子共鳴テスト方法および装置、および核四極子共鳴を励起する ためのパルス・シーケンス 本発明は、サンプルを核四極子共鳴(NQR)テストする方法および装置、な らびに核四極子共鳴(NQR)を励起するするためのパルス・シーケンスに関す る。本発明は、特に、サンプル中の所与の物質の存在の検出に対する特定の用途 を有する。サンプルは、整数または半整数のスピン量子数(I≧1/2)の核を 含み、あるいは含みやすい。 NQRテストは、特定の物質の存在即ち性質を検知するために用いられる。こ のテストは、四極子核(quadrupolar nuclei)のエネルギ準 位に依存し、この核はその14Nが一例(I≒1)である1/2より大きなスピン 量子数Iを有する。14Nの核は、動物の組織、骨、食品、爆発物および薬品を含 む広範囲の物質に存在する。本発明の手法の1つの特定の用途は、爆発物または 麻薬のような物質の存在の検知にある。この検知は、空港における荷物について 、あるいは人体に隠されたり地面その他に埋設された爆発物または薬物について である。 従来の核四極子共鳴テストにおいては、サンプルが無線周波(r.f.)コイル 内またはその付近に配置され、検知されるべき物質における四極子核の共振周波 数かあるいはこれに非常に近い周波数を有する電磁放射線のパルスまたはパルス ・シーケンスで照射される。物質が存在する場合、照射エネルギは、サンプルを 包囲するコイルに電圧信号を共振周波数で誘起でき、従って各パルス後減衰期間 中に自由誘導減衰(f.i.d.)として、あるいは2つ以上のパルス後に1つの エコーとして検知できる歳差磁化(precessing magnetiza tion)を生じることになる。これらの信号は、f.i.d.に対する時定数T2 *、パルス間隔(pulse separation)の関数としてエコー振幅 に対 するT2およびT2c、およびパルスまたはパルス・シーケンスの終了後は元の信 号の回復に対するT1に依存する速度で減衰する。 (Buess等の)米国特許第5,365,171号に記載される如く、スプ リアスな干渉信号(「リンギング」とも呼ばれる)は時に、核共鳴で直接には関 連しないNQRテスト中に、サンプルから生じ得る。 例えば、干渉問題を生じ得る材料の1つのグループは、金属導体を含む。この ような材料は、一般に荷物中の多くの種類の物品において見つけられる。サンプ ルが別の材料上のメッキ層として金属材料または強磁性体を含む時に、干渉が特 に顕著であることが判り、特に、メッキ層がニッケルを含む時にこのことが判っ た。このような問題を特に免れない物品は、ねじまたはキー・リング(key− ring)を含む。この種の干渉の原因が証明されていないが、それがサンプル ・コイルのB1磁界における強磁性または類似の共振作用から生じるもので、か つ磁気音響リンギングの形態によるものと考えられる。このような干渉は使用さ れる特定の検知装置の人為的結果ではなく、材料自体の特徴であることが強調さ れるべきである。また、サンプル中の特定物質の存在の検知関連において、これ は通常は検知されるべき特定の核種ではなく、干渉信号を生じることになるサン プルの残りの部分であることも理解されよう。 特別な場合として第1のグループに含まれるのは、磁石と磁性体である。この ような磁石は、前項に述べたものと類似する干渉作用を生じ得る。 干渉問題を生じ得る更に別の材料グループは、機械的共振を生じる圧電物質の ような物質を含む。例えば、砂中のシリカは、5MHzのr.f.周波数で干渉を 生じ得る。 更にまた、上記物質ならびに他の多くの物質は、先に述べたスプリアス(sp urious)な干渉信号以外の干渉問題を生じ得ることに注意すべきである。 特に、これら物質は、核共鳴信号を検知するため用いられるr.f.プローブの 負荷を変化させ得る。従って、このプローブは、再同調する必要があり、そして (または)その特性値がテストされるサンプルの性質に従って調整される。 スプリアスな干渉信号(即ち、「人工物」)は、一般に真のNQR信号に非常 に似た減衰特性を呈し、更に、しばしば何倍も強く、数ミリ秒間継続し得る。干 渉信号の位相および1つの無線周波励起パルスに続く共鳴応答信号の位相は、パ ルス内のr.f.位相によって完全に決定される。しかし、1つの重要な相違があ る。2つ以上のパルスが用いられる時、NQR応答信号の位相は、自由誘導減衰 (f.i.d.)かエコーであるとを問わず、直前のパルスの相対位相により略々 完全に定まる干渉信号の相対位相とは異なり、2つの前のパルスの相対位相に依 存する。 この相違は、NQR応答信号から干渉信号を除去しようとする試みにおいて前 掲の米国特許において検討されている。この堤案された解決法は、位相が交番す る励起パルスの連続的な使用と、種々のパルスに関する応答信号の付加または減 殺とを含み、これがスプリアス信号を低減する効果を有する。 前掲の米国特許もまたスプリアスなリンギングの問題に対する解決法を記載し ているが、実施において、この解決法が、1つの特定の位相が交番するパルス・ シーケンスを使用することに限定される点で多用性に欠けることが判った。この シーケンスは、全ての状況においてほとんど良好であるとは言えない。 実際に、かつ特に、当該米国特許において堤案された手法は、使用される位相 交番シーケンスにおける隣接パルス間の間隔が干渉信号の減衰時間より長くなけ ればならないという制約を持つことが判った。この米国特許の教示とは対照的に 、最初のパルスに応答して生成される干渉信号が異なる位相の以降のパルスにわ たって残存してこのパルスに続いて検知されるものとすれば、干渉信号の一部が 、応答信号から差し引かれるのではなく、この信号に実際に付加されることにな る。このことは、非常に厳しい制約を当手法の感度に課す。 また、前記米国特許に堤案された手法は、励起パルスの位相におけるエラーの ような全てのスプリアスな機器的人工要素を完全に打ち消すことができないこと が判った。 本発明は、上記および他の問題を解消することを探求するものである。 本発明によれば、四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信 号に干渉するスプリアス信号を生じ得る第2の種類の物質とを含むサンプルを核 四極子共鳴テストする方法であって、 少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスをサンプルへ印加して、核 四極子共鳴を励起するステップと、 応答信号を検知するステップと、 前記の対のパルスごとに、この対のパルスの2つの要素に続く各応答信号を比 較するステップと を含み、 前記パルス・シーケンスが、前記2つの要素のパルスに続く各スプリアス信号 を、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、比較によって 少なくとも部分的に打ち消すことができ、かつ かかる対のパルスごとに、2つの要素パルスが同じ位相である 方法が提供される。 2つの要素パルスの特徴が同じ位相(「相等化」の原理(phase equ ivalence))であることにより、前記対のパルスごとに、本発明は、こ れまで可能であったより著しく有効にスプリアス信号を打ち消すことができる。 「同位相(like phase)」とは、位相が90°より小さく、望まし くは45°または30°、あるいは15°、あるいは更に5°より小さく異なる ことを意味することが望ましい。 位相の相違または等価であるとの本文における表現が、位相の変化が少なくと も周波数における瞬時の変化を示唆し、あるいはその反対である点で周波数が相 違しあるいは等価であることの表現に等しいことが理解されよう。 対の要素パルスは、必ずしも、あるいは更に通常は、相互に隣接しない。これ らのパルスは、実際に、異なる個々のパルス・シーケンスにおける対応パルスで あるか、あるいは同じパルス・シーケンスにおける異なるパルスであり得る。 通常は、多数のパルス対が提供される。種々のパルス対が非常に異なる時点で 印加されるので、比較ステップは、関連信号の格納された表示を用いて行われる 。 このような各対のパルスごとに、対のパルスの各要素パルスに先行する(必ず しも直前ではない)各パルスが異なる位相であることが望ましい。これは、スプ リアス信号が少なくとも部分的に打ち消すことを保証する好都合な方法である。 位相を変えることとは、位相が少なくとも90°、望ましくは少なくとも135 °、更に望ましくは180°まで異なることを意味することが望ましい。スプリ アス信号を打ち消すことができるよにNQR応答信号を変えさせる他の方法もま た、対のパルスの1つの要素前に飽和パルス列を使用すること、あるいは対のパ ルスの当該一要素前の磁化の反転を使用することのように可能である。 このようなパルスの各対が第1の種類であり、かつパルス・シーケンスが、第 1の種類の各対に対応するが反復するパルスを有する更なる第2の種類のパルス 対を更に含むことが望ましい。 位相の反復は、本発明の重要な特徴である。これは、干渉信号の除去を助ける のみならず、基線のドリフトおよびエラーの除去、ならびに個々の励起パルスに おける位相エラーのような小さな欠陥により生じる問題の解決を助けることがで きる。 一般に「サイクロップ(Cyclops)」と呼ばれる位相反復手法が、NM R分野で知られている。しかし、この手法は、本手法とは密接に関連するもので はなく、特に、干渉信号の除去はできない。 位相反復特性の望ましい一変更例において、第1および第2の個々のパルス・ シーケンスが提供されるならば、また第1および第2の個々のパルス・シーケン スが一緒にかかるシーケンスの第1の対を形成するならば、別の個々のパルス・ シーケンスの第2の対が提供され、第2の対における各パルスに続く次の各パル スの位相は、最初の対における対応パルスの位相とは異なる。個々のパルス・シ ーケンスの第2の対の2つの初期の各パルスの位相は、最初の対における対応パ ルスの位相と直交状態にある。各対の異なる組の位相とは別に、異なる対におけ る対応するパルス・シーケンスは同じであることが望ましい。 本発明は、360°の範囲にわたる種々のパルスの位相の適切な反復(cyc ling)により、個々のパルス・シーケンスの2つの対あるいは4つの対のい ずれかが提供される位相反復手法の変更例を提供する。更に一般的には、n対の 個々パルス・シーケンスが提供されるならば、各対における対応する個々のシー ケンスの初期パルスに続く次の各パルスが、360°の範囲にわたり均等に分布 される位相を有する。望ましくはnは2または4であるが、6または8のような 他の値もとることができる。 本発明の別の重要な望ましい特徴は、かかるパルス対ごとに、対の各要素パル スに先行する各パルスと、対の各要素パルスに続く各応答信号の検知ステップに おける検知との間の時間が、この時間の終りまでに、スプリアス信号がその初期 値の50%(望ましくは、30より低い、20%または10%)より低くく減衰 するのに充分であることである。また、(提供されるならば)各個のパルス・シ ーケンスごとに、初期パルスの終りと前記シーケンスに対する検知の初めとの間 に予め定めた期間の遅れがあることが望ましい。 時間または遅延期間の賢明な選択により、これはスプリアス信号を除去するか 低減するための好都合な別の手法となり得る。以下に示すように、このような時 間または遅延の導入がパルス・シーケンスの残部の適正な機能に妨げとならずに 済む。 前記時間または遅延は、干渉信号を実質的に除去するのに充分であり、更に望 ましくはこれを除去するのにちょうど充分なだけであることが望ましい。 望ましい実施形態においては、各個のパルス・シーケンスごとに2つの個々の パルス・シーケンスが提供されるならば、このシーケンスに対する検出は、初期 パルスに続く次のパルスの終り後にのみ開始する。このことは、本発明を実施す る特に便利な方法であることが判った。まず、これは必須の遅延を生じる簡単な 方法である。第二に、いかなる場合も、この信号にとって干渉信号と核共鳴応答 とを弁別することができないという外ならぬ理由により、初期パルスに続く信号 を取得するには通常は適切ではない。 別の重要な望ましい特徴は、パルス・シーケンスが第1および第2の個々のパ ルス・シーケンスを含み、各々が第1の個々のパルス・シーケンスの場合に各対 の1つの各要素パルスが後続し、かつ第2の個々のシーケンスの場合は各対の他 の各要素パルスが後続する初期パルスを含み、第1および第2の個々のシーケン スの初期パルスが位相に関して相違していることである。 パルス・シーケンスの後期部分ではなく各個のパルス・シーケンスの初期部分 において初期パルスを用いて励起の位相を決定することによって、本発明は、ど のパルス・シーケンスが期パルスに続くように選定できるかについてかなりの多 岐性を供し得る。また、シーケンスの初期部分で位相を変更することにより、各 シーケンスが構成される以降の種々のパルス間の分離に対してもはや制限の必要 がない。このことは、(以下に述べるように)特に低いフリップ角が使用される 場合に、これまで得られたより実質的に更に高感度なテストを供し得る。 述べたばかりの特徴によれば、各々が少なくとも1つの他のパルスが後続する 初期パルスを含み、第1および第2の個々のシーケンスにおける各初期パルスが 位相に関して相違する、第1および第2の個々のパルス・シーケンスを含むパル ス・シーケンスをサンプルに印加するステップと、かつ 第1および第2の個々のシーケンスに応答して生成された各信号を検出するス テップと を含むサンプルを核共鳴テストする方法が提供されることが望ましい。 第1および第2の個々のシーケンスにおける各初期パルスが、同位相であるこ とが望ましいが適当に反位相にあって、干渉信号の実質的に完全な除去を可能に する。 初期パルスは、典型的にシーケンスにおける残りのパルスとは異なる特性を有 する(通常は、その後で信号が得られない)準備パルス(prcparatio n pulse)として見なされる。例えば、またおそらくは最も重要であるが 、各初期パルスが、同じ個々のシーケンスで後に続く更に他のパルスと異なる位 相を有することが望ましい。このことは、高感度のテスト結果を獲得する上で重 要な特徴となることが判った。このことが2つのパルス間の任意の位相関係とな ることが判ったため、初期パルスの位相がシーケンスにおける次のパルスの位相 と直交関係にあることが特に望ましい。 更に通常には、初期パルスはいずれも個々のシーケンスにおける任意の更に他 のパルスと同じ位相を持たない。しかし、この特徴はつねに必要ではない。例え ば、米国特許第5,365,171号において示唆された如き位相が交番するシ ーケンスは、第1および第2の両方の各個パルス・シーケンスに対して異なる位 相の初期準備パルスと組合わせて使用することもできる。このことは、前記米国 特許に勝る機器的な人工物を多かれ少なかれ完全に取除く利点となる。 更に他の望ましい特徴は、便利なように、各個のシーケンスで、同じシーケン スにおける各々が同じ位相を持つ複数の更なるパルスが提供されることである。 これは、2つの理由から重要な特徴である。第一に、このことが本発明を実施す る際により簡単にすることができる。第二に、かつおそらくは更に重要なことだ が、このことが、干渉信号を取除きながら核共鳴信号を補強することができる方 法で他の各パルスからの信号の蓄積を可能にし得る。 望ましい実施形態において、他の全てのパルスが初期パルスの位相と直交関係 にある位相を有するも、2つの初期パルスは位相において180°だけ異なる。 望ましくは、パルス・シーケンスは、(少なくとも1つの)第1のパルスと、 1つの第2のパルスとを含み、第2のパルスは第1のパルスにより生じる(四極 子核の)磁化を少なくとも部分的にロックする。このようなシーケンスは、「ス ピン・ロッキング」シーケンスと呼ばれ、磁化が相等の単一パルスで得られるよ りも長い時間にわたりロックされる。ロッキングは、B1フィールドを磁化に並 列に保持することにより得ることができ、このためには第2のパルスが第1のパ ルスと位相において略々45°ないし180°だけ、望ましくは70°ないし1 35°だけ、更に望ましくは80°ないし110°だけ異なることを要求し得る 。前記スピン・ロッキング・シーケンスは、第1のパルスの自由誘導減衰時間T2 *を(2倍、3倍、あるいは更に5倍を)越えた、あるいは実におそらくはス ピン・スピン緩和時間T2を越えた磁化をロックすることが可能であるという重 要な利点を有する。少なくとも、磁化はある小さな数、例えばT2*の1/10 、1/4、あるいは1/2の間ロックされる。 第1の望ましい実施形態においては、第1および第2のパルス間の時間は、第 2のパルスの長さより短い。第1および第2のパルス間の時間は小さく、通常は 、 第1あるいは第2のパルスのいずれかの長さの望ましくは50%より小さく、あ るいはその25%より小さい。この時間は、実際には、ゼロであるかあるいはで きるだけゼロに近いことが望ましく、即ち、パルスが連続していることが望まし い。第1および第2のパルスの各々は、それ自体、複数のパルスまたはパルス要 素を含む。 重要な特徴は、独立型に提供される。従って、本発明の密に関連する特質によ れば、 少なくとも第1のパルスと第2のパルスとを含み、第1および第2のパルス間 の間隔が第2のパルスの長さより小さく、第2のパルスが第1のパルスにより生 成される磁化を少なくとも部分的にロックする、パルス・シーケンスをサンプル に印加して核四極子共鳴を励起するステップと、 応答信号を検出するステップと を含む四極子核を含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法が提供される。 望ましくは、第2のパルスの長さは、前記四極子核のT1 ρの値の5倍より小 さく、ここでT1 ρは、印加されたB1フィールドにおける長手方向の磁化の減衰 時間として(NMRとのアナロジーにより)定義される。特に、この長さは、T1 ρ の3倍、1倍、0.5倍、0.3倍、あるいは0.1倍より小さい。このよ うに、利用可能なテスト時間の有効な使用が可能であり、スピン・ロッキング・ シーケンスを任意のテスト条件下で操作することができる。 第1の望ましい実施形態の1つの変更例において、(「分相パルス」と呼ばれ る)第2のパルスは、その第2のパルスの位相は代替的に均等であるが、2つの 移相要素を含む。前者の代替例は、オフ共鳴条件で働くことが要求されるならば 、更に著しく有効であり得る。この代替例においては、第1および第2の個々の パルス・シーケンスが与えられて一緒に第1の対のこのようなシーケンスを形成 するならば、反転位相における位相の順序が第1の対に対する反転位相における 位相の順序と異なる、第2の対の個々のパルス・シーケンスが与えられることが 望ましい。このような特徴により、位相反転におけるタイミングまたは位相のエ ラーを補償することができる。 分相パルス(phase split pulse)の変形例においては、第 2のパルスが前記の2つの位相切替要素(phase alternated element)とは異なる位相を有する第3の要素を含むことが望ましい。こ の第3の要素は、磁化に更なるロックを提供することにより感度を強化すること ができる。第3の要素の位相は、第1および第2の要素の位相間にあり、かつ両 者が典型的に90°離れていることが望ましい。 第1の望ましい実施形態(「重なったパルス」(stacked pulse ))の更に別の変更例では、(パルス・シーケンスの)第2のパルスの長さは、 ある状況においては、第1のパルスの長さの75%より小さい、望ましくはそれ より大きくなく、更に望ましくは50%より大きくない。このことは、適切なベ ッセル関数により得られると予測されるものより大きな磁化を生じるという最も 重要な利点を供し得る。スピン−1系の場合は、このベッセル関数は、1つのパ ルスを用いることにより総磁化の44%が得られるが、重なりパルスを用いると 62%まであるいはそれ以上が得られることを予測する。 第2のパルスの位相は、第1のパルスのそれと直交関係にあることが望ましい 。このことは、パルス・シーケンスの性能を最適化し得る。 また、パルス・シーケンスが望ましくは第1および第2のパルスの磁化を少な くとも部分的にロックし、更に望ましくは第1および第2のパルスの磁化間の位 相である第3のパルスを含む。これは、磁化のロッキングを更に助長し得る。 第1および第2のパルスの少なくとも1つが、異なるスペクトル特性が得られ るように異なる位相(周波数)の複数の要素を含むことが望ましい。 第1および第2のパルスの位相が少なくとも2つの異なる周波数で励起ピーク を一緒に生じるように構成されることが更に望ましい。この特徴は、例えば、( British Technology Group Limitedの)英国 特許第2,286,248号にも教示されるように、NQR物質における実質的 に同時に異なる共振周波数を励起するために用いることもできる。 第2の望ましい実施形態においては、エコー信号が生成される。広義には、こ の第2の実施の形態により得られる信号/雑音比は、T1 ρがT2より長いがスプ リアス信号の減衰が比較的良好である物質に対する第1の実施の形態により得ら れるものよりは劣ることになる。 良好に動作することが判った第2の実施の形態の第1の変更例においては、パ ルス・シーケンスは、少なくとも1つのパルス状のスピン・ロッキング・パルス ・シーケンスを含む。 残る変更例では、パルス状のスピン・ロッキングは用いられない。 第2の変更例においては、パルス・シーケンスは、関連位相0°と180°、 あるいは0°、90°、180°と270°のみを有するパルスを含むエコー生 成シーケンスである。これらパルスは、さもなければ、形状、フリップ角などに 関して同じであることが望ましい。これらのことは、おそらくはエコー生成シー ケンスの最も簡単なものであり、最も有効であることを証明した。 第3の変更例においては、パルス・シーケンスは、少なくとも1つの個々の位 相が交番したシーケンスと、第1の位相が交番しないシーケンスと、この第1の 位相が交番しないシーケンスに対する交番位相を持つ第2の位相が交番しないシ ーケンスとを含んでいる。この変更例は、先に述べた米国特許第5,365,1 71号に記載されたパルス・シーケンスに対する改善を直接提供する。この変更 例は、位相相等原理が正しく遵守されることを保証し得る。 また、第2の実施の形態においては、パルス・シーケンスが適当に、45°ef fective より排他的に小さいフリップ角を用いるエコー生成シーケンスを含み得 る。90°effectiveパルスが関心のある核種に対して最も強い自由誘導減衰信 号を生じるフリップ角を有することが理解されよう。多結晶スピン−1系におい ては、90°effectiveフリップ角が119°actualのフリップ角と対応し、こ の「effective」と「actual」のフリップ角は周知のベッセル関 数により相関させられる。effectiveとactualフリップ角間の関 係もまた、他のスピン系に対して周知である。 本発明のこのような特徴は、核四極子共鳴エコー応答信号が90°effective よりはるかに小さいフリップ角における励起により生成し得るという本発明と関 連付けられた驚くべき発見から生じる。これまで、理論的な考察は、エコー応答 信 号がこの値よりはるかに小さなフリップ角では生成され得なかったことを示して きた。 励起は、30°effectiveより小さいか、あるいは15°effectiveより小さい か、あるいは10°または5°effectiveより小さいフリップ角を用いる。 望ましくは、パルス・シーケンスは、複数のパルスを含み、そのパルス間隔が いずれの場合にも等しくない。このことは、エコー最大値が以降のパルスと一致 しないことを保証し、かつパルスが比較的長い時、低い磁界B1において特に有 効である。 同じ理由から、パルス・シーケンスは、エコー最大値がいずれにおいてもパル スと一致しないように構成された複数のエコー生成パルスを含む。これは、例え ば、パルスの適切な整形によって達成することができる。 また望ましくは、真の四極子共鳴信号が、その(時間的)勾配、曲率または形 状に従って、おそらくは真の信号とスプリアス信号とが反対の符号の勾配を持つ かどうかに従って、スプリアス信号から弁別される。この特徴は、干渉信号が減 衰すると真のNQRエコー信号が起生すること、および2つの信号間を弁別する ためにこれを用いることができるという本発明に関して行われた認識から生じる 。この特徴は、スプリアス信号の微分に関してNQR信号の微分を少なくとも5 0%だけ増分することが実験的に発見された立上がる指数関数を用いるフィルタ によって実施することができる。 先に示唆したように、信号の取得における遅れをパルス・シーケンスに盛り込 むことが有利である。第2の実施の形態においては、このことは、少なくとも2 つの異なる方法において達成することができる。 第2の実施の形態の1つの望ましい変更例では、時間τ(シーケンスにおける 初期パルスと次のパルス間の間隔)は、予め定めた持続時間より大きく設定され る。 代替的な望ましい変更例(パルス状スピン・ロッキングに対して特に適する) においては、時間τは比較的短い値に設定されるが、エコーからの信号はシーケ ンスの最初の少数の(例えば、2つ、5つ、10またはそれ以上の)パルス後に のみ検出される。 前者に勝る後者の代替的変更例の利点は、比較的良好な信号/雑音比を生じる ことができることである。 また第2の望ましい実施形態に関して、パルス・シーケンスの値τができるだ け小さいことが望ましいことが判った。従って、各初期パルスとシーケンスにお ける次のパルス間の間隔が核共鳴が励起されつつある核の値T2*の1倍または 2倍より小さいことが望ましく、おそらくは、この間隔がT2*の0.5、0. 3または更に0.1倍であることが望ましい。 本発明の第3の望ましい実施形態は、第1および第2の望ましい実施形態の特 徴を実質的に組合わせる。 本発明は、印加磁界の存在しないときに実施されることが望ましい。 本発明の密に関連する特質において、四極子核を含む第1の種類の物質と、四 極子核からの共鳴信号と干渉するスプリアス信号を生じる第2の種類の物質とを 含むサンプルを核四極子共鳴テストする装置において、 少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスをサンプルに印加して核四 極子共鳴を励起する手段と 応答信号を検出する手段と、 かかる対の2つの要素パルスに続く各応答信号を比較する手段と、 を備え、前記パルス・シーケンスが、2つの要素パルスに続く各スプリアス信号 が、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、前記比較装置 により少なくとも部分的に打ち消すことができるようなものであり、かつ 各対ごとに、2つの要素パルスが同じ位相であるようなものである サンプルを核四極子共鳴テストする装置が提供される。 本発明は、四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号と干 渉するスプリアス信号を生じ得る第2の種類の物質とを含むサンプルに核四極子 共鳴を励起するパルス・シーケンスに拡張し、少なくとも1つのパルス対を含み 、このパルス・シーケンスが、前記対の2つの要素パルスに続く各スプリアス信 号が対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく少なくとも部分 的 に打ち消され得るようなものであり、かつかかる各対に対しては、2つの要素パ ルスが同じ位相であるようなものである。 本発明の方法の特質の全ての特徴は、適当に装置およびパルス・シーケンスの 特質に適用され得る。 本発明の望ましい諸特徴については、例示としてのみ、添付図面に関して次に 記述される。 図1は、本発明によるNQRテストのための装置のブロック図、 図2(a)、図2(b)、図2(c)および図2(d)は、本発明の第1の望 ましい実施形態で用いられるパルス・シーケンスの諸変形であり、 図3は、本発明の第1の実施の形態の第1の変更例を用いて得られるスピン・ ロッキング・パルスP2の信号強さと長さの関係プロット、 図4は、信号対パルス長カーブの異なる部分を示す、図3のプロットと類似の プロット、 図5は、信号対パルス長カーブの異なる部分を再び示す、図3のプロットと類 似のプロット、 図6は、初期の準備パルスP1に対する3つの異なるパルス長さと対応する3 つの異なるプロットを示す、図5のプロットと類似のプロット、 図7は、2つの異なる種類のパルス間の比較を示す、初期パルスP1の長さ対 信号強さの関係プロット、 図8は、第1の実施の形態の第2の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の 関係プロット、 図9は、1つの励起パルスを用いて得られる類似のプロットと比較された、第 1の実施の形態の第3の変更例を用いて得られる信号強さ対周波数の関係プロッ ト、 図10は、第1の実施の形態の第1と第4の変更例を用いて得られる信号強さ 対周波数の関係プロット、 図11は、本発明の第2の望ましい実施形態で用いられるパルス・タイミング 図、 図12は、本発明の第2の実施の形態の第1の変更例を用いて得られる実際と 仮想の信号強さ対時間の関係プロット、 図13は、第1の変更例を用いて得られる信号強さ対パルス間隔(τ)のプロ ット、 図14は、第1のフリップ角値(119°actual)における第1の変更例を用 いて得られる信号強さと周波数の関係プロット、 図15は、第2のフリップ角値(33°actual)における対比的なプロット、 図16は、第1の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の関係プロット、 図17は、第2の実施の形態の第2の変更例を用いて得られる信号強さ対時間 の関係プロット、 図18は、第2の実施の形態の第2と第3の変更例を用いて得られる信号強さ 対時間の関係プロット、および 図19は、信号強さの異なるスケールによる図18のプロットと類似のプロッ トである。装置 まず図1において、NQRテストのための装置は、位相/振幅コントロール1 0とゲート12とを介してr.f.電力増幅器13に接続された無線周波源(ra dio−frequency source)11を含んでいる。後者の増幅器 の出力は、r.f.プローブ14に接続され、このプローブは、サンプルがテスト 中の物質(例えば、爆薬物)に核四極子共鳴を励起するため適切な周波数のr. f.パルスで照射できるように、テストされるサンプル(図示せず)の周囲にま たは隣接して配置された1つ以上のr.f.コイルを含む。r.f.プローブ14は また、核四極子共鳴信号を検出するため、r.f.レシーバおよび検出回路15に 接続されている。検出信号は、回路15から制御コンピュータ16(または、他 の制御装置)へ、処理のためおよび信号の加除のために送られる。このコンピュ ータは、特定の関心物質の存在についての所与の検出閾値を越えたかどうかに従 って警告信号を生じるある装置17を含む。警告信号は、通常は、テスト中の物 質 の存在についてオペレータに警告するため音響または視覚的な警報器を付勢する ために用いられる。 制御コンピュータ16はまた、全てのパルス、その無線周波数、時間、長さ、 振幅および位相を制御する。本発明の関連において、これらのパラメータの全て は正確に調整される必要があり、例えば、位相はエコー応答(echo res ponse)を生じることができるために変更される必要がある。 r.f.プローブ14の再同調、その整合の変更、およびそのQ値の変更は全て 、サンプルの性質に従って行われる必要がある。これらの機能は、下記のように 制御コンピュータ16によって行われる。最初に、コンピュータは、ピックアッ プ・コイル18とr.f.モニター19によりr.f.プローブ14の同調を調べ、 同調コントロール20によって調整を行う。第二に、r.f.電力増幅器13に対 するマッチングは、指向性結合器21(または、指向性電力計)により監視され 、前記コンピュータがマッチング回路22を介して応答し、このマッチング回路 が更に、変更可能なキャパシタンスまたはインダクタンスによりr.f.プローブ 14を調整する。指向性結合器21は、必要でない時は、スイッチ23を介して 遮断される。第三に、r.f.コイルのQファクタ(Q factor)は、周波 数切換えプログラムにより監視され、コイルのQを変更するかあるいはコンピュ ータに測定回数を増すように警告するQ−スイッチ24によって調整される。 制御コンピュータ16は、コントロール10によってパルスの振幅と位相を制 御することにより先に述べたスプリアス干渉を減じるか除去するため、種々の方 法でプログラムすることができる。これらの方法については後で記述する。これ らの方法は、r.f.レシーバおよび検出回路15の位相へ適切に切換えて、結果 として得る信号を更に処理するため制御コンピュータ16の残部へ送ることによ り、異なるパルスからの応答信号を比較するコンパレータ25の使用を含む。 図1に27として略図的に示されるのは、r.f.プローブ14に隣接する領域 へ一連のサンプルを輸送するためのコンペア・ベルトのようなある手段である。 コンピュータ16は、前記プローブに接近する特定のサンプルの到達と実質的に 同時に励起パルスの印加を調時するように構成される。代替的な実施の形態にお いては、サンプルをコンペア・ベルトで搬送する代わりに、実際には人員でよく 、r.f.プローブは歩行ゲート路または手に持った棒の形態でもよい。 先に述べた装置は通常は方形パルスを用いるが、他のパルス形状も用いること ができる。更にまた、通常は無線周波プローブは信号の送受のため1つのコイル を使用するが、適当数のコイルを用いてもよく、また送信と受信のために異なる コイルを用いることができる。また、当該装置は、通常は任意の印加磁界のない 場合に動作することになる。位相等化とスプリアス信号打ち消しの原理 位相の循回により純正なNQR信号とサンプルからのスプリアス干渉間を弁別 するように設計された任意の振幅、長さおよび形状の一連のr.f.パルスにおい ては、できるだけ離れた同じ関連位相を有するr.f.パルスにより生成される応 答を比較して操作することが重要である。換言すれば、「相似性」は「相似性」 と比較され、この原理は、本文においては「位相等化(phase equiv alence)」の原理と呼ばれる。 また、これらのパルスが振幅、周波数、形状および長さのような他の観点で同 じであること、あるいは少なくとも、任意のかかる相違の結果が許容し得ること も望ましいが、相等位相の原理(principle of equivale nt phase)は最も重要である。この原理を満たすことで、位相が励起パ ルスと既知量だけ異なるいかなるスプリアス応答も、適切な位相サイクルによっ て無効化することができる。 本発明に関して述べるパルス・シーケンスは、位相等化の原理を満たすことが できる。 本発明に関する位相等化の原理の発見は、以降の理論的および実験的な発見に 基いて予測される。 r.f.パルスに対する多くの物質の応答は、その振幅ではなくこのパルスの正 確な位相に依存する。この応答はまた、パルスの長さにも依存する。反対に、励 起パルスにより生成されるNQR信号は、その位相がパルスの位相によって決定 されるが、応答の実際の形状は、励起パルスの位相とは比較的独立的に見える。 この点は、1つのr.f.パルスに対する信号応答が爆薬物RDXと砂(スプリ アスな圧電応答を生じる)について考察される4つの実験に関して示される。実 験では、1つのr.f.パルスが5T1より大きなパルス反復時間で反復される。 実験とは下記の如くである。即ち、 (i)全ての同位相で加算された信号(0°、0°、0°、0°) (ii)全ての同位相で減算された信号(0°、0°、0°、0°、、、) (iii)代替的な位相および加算された信号(0°、180°、0°、180° 、、、) (iv)代替的な位相および減算された信号(0°、180°、0°、180°、 、、) 直感的に言えば、信号は、(i)と(iv)から予期されるが、(ii)と(iii) からは信号は予期されず、このことはRDXの場合に実質的に妥当する(任意の 位相の不整合は許容)。RDXの場合、(ii)は信号なしを示し、(iii)は非 常に小さな信号を示すが、(i)と(iv)は大きな信号を示す。 しかし、スプリアス応答を生じる材料である砂の場合は、(ii)のみが無信号 ((iv)から−33dBの減衰)を呈するが、(iii)は部分的に低減した信号 (約−12dBの減衰)のみを呈する。(i)と(iv)の両者は大きな信号を生 じる。 従って、スプリアス信号の完全な打ち消しのためには位相180°と位相0° の比較では充分でないことが明らかである。類似位相は類似位相から差し引かれ ねばならない(位相等化の原理)。0°および180°のパルス後に信号を付加 することによってスプリアス信号を除去することは充分ではない。 砂のような干渉物質が位相が励起パルスの位相では正確には定義されない応答 を生じ得るので、位相等化の原理が重要であると考えられる。励起パルスとスプ リアス応答間には位相の転移が存在し、従って、これはスプリアス信号が減衰す るに伴い励起位相に従って変化し得る。 スプリアス干渉信号の打ち消しを獲得するためには、2つ以上の異なる方法で 同じr.f.パルスに応答するように、r.f.パルスに先立って異なる方法でスピ ン系を用意することが必要である。この用意は、系の他の要素に対する用意によ る影響が無視し得る状態にさせるため充分前に行われねばならない。 本発明においては、このことは、異なるものとして比較される2つの位相相等 パルスに先行する(望ましくは、直前の)各パルスの位相を構成することにより 達成することができる。位相が180°だけ異なることが望ましいが、これより 小さな差でも満足し得る結果を生じることができる。 比較が有意義な結果を生じるためには、第1および第2の個々のパルス・シー ケンス(提供されるならば)が異なる位相であるが同じ大きさの各核応答信号を 生じることが望ましい。これは、両シーケンスに同数のパルスを持ち、各シーケ ンスにおいて同じ位相を持つ対比し得るパルスにより、かつ各シーケンスにおい て同じフリップ角を生じる対比し得るパルスによって、望ましい実施形態で達成 される。初期パルスはさておき、1つ以上の他のパルスが個々のシーケンスごと に提供されるならば、このようなパルスはそれぞれ同じパルス間隔で分けられ、 この間隔は各初期パルスとシーケンスにおける次のパルス間の間隔より大きい。 全てが上記原理に従う本発明の3つの異なる望ましい実施形態について、先に 述べたテスト装置で用いられるように次に記述する。第1の実施の形態−スピン・ロッキング・シーケンス 本発明の第1の望ましい実施形態において、要約すれば、「スピン・ロッキン グ」(SL)タイプのシーケンスを含む2つの無線周波パルス後に、干渉信号が 自由誘導減衰から除去される。 基本的な技法は、磁化を(例えば)回転フレームのOy軸と平行に(B0はOz に沿ってあり、B1はOxに沿う)回転させるため、フリップ角90°および位相 0°(「90°0°パルスを呼ぶ」)の初期の準備パルスを用いることである。 このパルスは、その直後に可変長さで位相が第1のパルスに関して90°だけ偏 移されたいわゆるスピン・ロッキング・パルスが続く。従って、2つのパルスの 組合わせは、(90°)0°−t90°の形態で書くことができ、ここで「t」は 第2のパ ルスの調整可能長さを表わす。2つのパルスの組合わせは、時に、サンドイッチ ・パルスまたは複合パルスとして知られる。しかし、本文では全体にわたって、 この組合わせは2つの別個のパルスと見なされる。 サイクルのスピン・ロッキング位相においては、磁化はr.f.磁界に平行であ り、回転フレームにおけるスピン格子緩和時間である時定数T1 ρで減衰するこ とが観察される。対照的に、1つの90°パルス後は、磁界が時定数T2または T2*で減衰する。多くの物質において、T1 ρは、T2またはT2*よりもT1に はるかに近く、固体中ではT1>>T2であるので、スピン・ロッキングははるか に長い期間にわたり磁化を保存することができる。 本発明の第1の実施態様において、信号の検出をシーケンスの第1の初期パル スにより生じるいかなる干渉信号からも時間的に隔てるのに有効に増した緩和時 間が用いられ、従って、第2のスピン・ロッキング・パルスに続く干渉信号が、 後で更に詳細に述べる位相偏移を用いる比較手法によって除去される。 本発明の1つの特に重要な特徴は、NQRにおける当該スピン・ロッキング手 法の機能の発見である。これは、ある範囲のスピン・ロッキングr.f.フィール ドを生じる、B1に関する粉末化されたサンプル中の結晶の多数の異なる配向の ゆえに、予期されなかった。更にまた、NQRにおいては、B1は、双極性の相 互作用および不均一性の拡大の如き他の全ての「内部」フィールドより大きくな ければならない。また、静止磁界の作用がラモール周波数に近い有効な回転とし て認められる、NQRにおけるNMR回転フレームの直接的な相等性がない。 位相偏移即ち循回を用いる先に述べた比較手法については、第1の実施の形態 の多数の変更例に関して、次に更に詳細に述べる。第1の実施の形態の第1の変更例−基本パルス・シーケンス 図2(a)に関して示される位相偏移の基本的な変更例において、第2のパル スにより生成される任意の干渉信号は、以降のシーケンス(B)における初期パ ルスの位相が前のシーケンス(A)における初期パルスの位相に関して180° だけ偏移されることを除いて、できるだけ略々同じである2つのパルス・シーケ ンス(「A」と「B」で示される)の使用によって除去される。先に示唆したよ うに、後のBシーケンスにおいては、このことは第2のスピン・ロッキング・パ ルスに続くNQR応答信号の位相を180°だけ偏移する効果を有するが、位相 が直前のパルスの位相にのみ依存する干渉信号の位相には何らの効果もない。 従って、図2(a)に示される如き位相偏移のこの基本的変更例においては、 最初の(A)パルス・シーケンスでは、パルス・シーケンスα0°−t90°が生 成され、信号が2番目のスピン・ロッキング・パルスに続いて取得される。この 信号SAは、自由誘導減衰のNQR応答信号(「Q」)と干渉信号(「I」)と の両者を誘導する。即ち、 SA=Q+I 2番目の(B)パルス・シーケンスにおいては、初期の準備パルスの位相が1 80°だけ偏移されたことを除けば、2つのパルスが最初のシーケンスにおける 対応パルスと同じである。従って、このシーケンスはα180°−t90°であり、 これは下記信号を生成する。即ち、 SB=−Q+1 SAおよびSBを差し引くと、Iを除去しQを加算する。 通常は、多数のAおよびBのシーケンスがサンプルに加えられて信号/雑音比 を改善し、2つのシーケンスが個々に蓄積されるかあるいは直ちに処理される結 果となる。このシーケンスは、例えば、順序ABABAB...または順序AA A...BBB...で行われる。通常は、AとBのシーケンス間の比較ができ るだけ近いことを意図して、同数のAおよびBのシーケンスが行われる。第1の実施の形態の第2の変更例−全位相循回 第1の望ましい実施形態の更に複雑であるが更に有効な変更例においては、完 全な位相循回が用いられ、これにおいては、最初のパルスが2番目のパルスと位 相において90°だけ異なるという条件に従って、パルス・シーケンスにおける 2つのパルスの位相の全てのあり得る組合わせが用いられる。従って、4対の個 々のシーケンスを用いる位相循回シーケンスの1つのあり得る組は、下記のとお りである。即ち、 AとBのシーケンス間のレシーバ位相における偏移が180°であり、その結 果Aシーケンス信号からのBシーケンス信号の差し引きが可能であることに注意 すべきである。また、レシーバ位相が2番目のパルスの位相に関して必ずしも同 位相か反位相である必要がないことに注意すべきである。位相値がBシーケンス 信号をAシーケンス信号から差し引き、あるいはその逆である効果を有すること を仮定して、任意の位相値が充分である。この点は、レシーバ位相が切換えられ ると、2つのレシーバ・チャンネルにおける信号成分X+iYを示す上表の最後 の2欄に示される。位相の8つの置換にわたる成分の和は、実際に個々のパルス ・シーケンスの各対にわたるそれらの和であるように、ゼロである。このことは 、2番目のパルスにより生成される干渉信号が打ち消すが、AとBの各シーケン ス間の初期パルスの位相における180°の偏移のゆえに、NQR応答信号は保 存されることを示す。 上記の4対のシーケンスがP2パルスの位相を各対の個々のパルス・シーケン スごとに90°だけ循回するが、より簡単な2対の位相の循回バージョンも可能 であり、これは位相を180°だけ循回する。このことは、以下に示されるとお りである。即ち、 第1の実施の形態の今述べた全位相循回の変更例(4または8サイクル形態の いずれか)は、干渉信号の除去ばかりでなく、基線ドリフトとエラーの除去、な らびに個々の励起パルスにおける位相エラーのような小さな欠陥により生じる問 題の解決をも助けることができる。この変更例は、本文に述べる他の変更例で用 いることができる。 第1の実施の形態の残りの変更例(第3および第4の変更例)はそれぞれ、2 つ以上のパルスおよび(または)異なる幅の組合わせを用いる。第3の変更例( 分相パルス)においては、このような組合わせはスピン・ロッキング・パルスに おいて用いられ、第4の変更例(重なりパルス)においては、このような変更例 は初期の準備パルスにおいて用いられる。第1の実施の形態の第3の変更例−分相パルス 温度または他のこのような環境パラメータにおける変動は、検査中の核の共振 周波数に影響を及ぼすことがある。図2(a)に示されたパルス・シーケンスは 、制限された帯域幅にわたりオフ共鳴条件において良好に動作し得るが、パルス ・シーケンスの別のバージョンがかなり良好にオフ共振の動作が可能である。本 文では「分相パルス」と呼ばれるものの使用を含むこのシーケンスについては、 以下において図2(b)に関して記述する。このシーケンスは、NQR信号を増 加することが可能である。 別のパルス・シーケンスに対する背景は下記のとおりである。図2(a)に示 されたシーケンスAのスピン・ロッキング・パルスの間、オフ共振条件では、第 1のパルスにより生成された磁化は、ω1とΔωq(Δωqはオフ共振周波数の偏 移)の結果について処理(章動)して、その結果磁化ベクトルが位相を外れる。 本発明に関して、回転フレームにおける困難な条件を勘案してオフ共振テストの 感度を改善するには、初期状態を再現するのが有利であることが判った。これは 、スピン・ロッキング・パルスにおける180°の位相偏移によりB1の方向を 反転する(即ち、(ω1/γ))ことにより得られ、この位相の反転はスピン・ ロッキング・パルスの正確に半分だけ行われるならば、(比較的小さいと考えら れる緩和による変化は別にして)スピン・ロッキング・シーケンスの終りに、ω1 とΔωqの結果についてのスピン章動の反転が元の信号を再生する(即ち、磁化 を再集束する)ことが判った。 図2(b)は、この位相反転手法を示す。(長さtおよび位相90°の)図2 (a)に示されたスピン・ロッキング・パルスは、長さt/2およびそれぞれの 位相90°および270°の相等部分へ分けられるスピン・ロッキング・パルス により図2(b)において置換される。先に述べたものと同じように、循回Aと Bに続く自由誘導減衰の差し引きがそれぞれスピン・ロッキング・パルスの終り に続くスプリアスなリング・ダウンを除去する。再び先に述べたように、初期の 準備パルスに続く自由誘導減衰は、スプリアスな干渉信号がゼロへ減衰するため に充分な時間だけスピン・ロッキング・パルスが続くことを許容することによっ て有効に除去される。1ないし3または4ミリ秒間のスピン・ロッキング・パル スに対するパルス長さは、RDXでは3.41MHzの遷移に対して有効である ことが判った。 スプリアス信号を更に有効に除去するために、先に述べたものと同様な方法で 、完全な位相循回(phase cycle)を行うことができる。これは、例 えば、先に述べた2または4対の循回でよい。 2つのスピン・ロッキング・パルスの半分が等しい持続時間であり、かつ正確 に180°の位相差で分けられることが重要であり得る。さもなければ、共振線 の分離が生じ得る。スピン・ロッキング・パルスのタイミングにおける潜在的エ ラーおよび180°の位相偏移を除去するため、位相反転における位相の順序が それぞれ0°−180°と180°−0°である等しい数のシーケンスがあるよ うに、 位相循回を実現することが有利である。各個のAとBのシーケンス内で、類似が 完全な類似と比較されるためには、前記順序は同じままである。しかし、異なる 対の場合は、この順序は変更することができる。このように、例えば、完全な位 相循回(2または4対の個々のシーケンスでの)を順序を0°−180°として 行うことができ、次いで更に別の類似の完全位相循回を順序を180°−0°と して実行することができる。 単に0°−180°の位相変化を持つシーケンスは、より長いパルスに対して 信号の強化に優れていることが判ったが、オフ共振作用が明らかに再集束されな いので、帯域幅を実質的に増加することができない。 この問題および他の問題に対処するため、位相分離パルスの変更の種々の小さ な変更が考えられた。第1の小変更例においては、例えば、スピン・ロッキング ・パルスが形態(0°−180°−0°−180°)(3つの実際の反転)また は(0°−180°−0°−180°)(5つの実際の反転)の位相を持つよう に、スピン・ロッキング・シーケンスの間に更に奇数個の実際の位相反転の挿入 によって、感度の更なる改善を得ることができる。 第2の小変更例においては、形態(P2A、P2B、P2A、P2C)のスピ ン・ロッキング・パルスが用いられ、ここでP2BとP2Cは位相において典型 的に180°離れており、位相Aはこれらの両方から典型的に90°であり、ロ ッキング・シーケンスの全ての要素が典型的に等しい長さである。従って、第2 の小変更例のスピン・ロッキング・パルスは形態(0°−90°−0°−270 °)の位相を有し、準備パルスが90°のPHを有する。このパルスはまた、図 2(c)に示されるように、位相が形態(0°−90°−0°−270°−0° −270°−0°−90°)であるように、更に反復される要素を有してもよい 。図2(c)の(i)と(ii)もまた、このスピン・ロッキング・パルスが1対 の個々のパルス・シーケンスに用いられ、対の要素が位相90°と270°の準 備パルスを持つことを示す。 第2の小変更例の基本的前提は、r.f.パルスが共振から外れる時に生じる位 相外れを許すことである。回転フレームでは、磁化ベクトルがスピン・ロッキン グ・パルスから離れるように移動し、その結果平行成分と直角成分の両方が生じ て、90°の位相切換えがスピン・ロッキング周期の少なくとも一部に対する両 方のこれら成分をロックしようとする試みを表わす。次に、最初の3つのセグメ ントの間にB1との並列関係からかなり外れて移動したこれら成分を部分敵に再 集束するために、180°の位相偏移が加えられる。 図2(c)のAとBのシーケンスを用いて得られる結果の応答信号は、位相変 化が周波数の変化に相等するので、周波数領域において非対称である。従って、 第2の小変更例の強化において、AとBのシーケンスが、図2(d)に示される 如く「ミラー・イメージ」のCとDのシーケンスと組合わされる。逐次実現され るシーケンスAないしDの加算された応答が、励起搬送周波数を中心に対称であ りかつ比較的広い帯域幅を有する性能を生じ得る。 励起帯域幅における同様な改善は、個々のパルス間に周波数の離散的変化を印 加することにより得ることができる。更にまた、位相偏移と周波数変化の両方の 組合わせが、狭い帯域幅の長いr.f.パルスが必要な時ある重要度の作用である 、搬送周波数における変化が位相の変化を補償するように更に優れた性能を生じ ることができ、このことは、第4の変更例との関連において以下に詳細に説明さ れる。また、第1の実施の形態の第2の変更例との関連において述べるように、 全位相循回を用いることにより更なる改善を得ることもできる。第1の実施の形態の第4の変更例−重なったパルス 第1の実施の形態の別の変更例は、通常は初期準備パルスにおける異なる位相 および(または)異なる幅の2つ、3つまたはそれ以上のパルスを組合わせるこ とである。パルスのこのような組合わせは、「重なった」パルスと呼ばれる。重 なったパルスはまた本発明の第2の実施の形態(後で述べる)において使用され 、この場合は、重なったパルスがスタンド・アローン・パルスとして用いられ、 ロックは特に長く維持されないが、重なったパルスはそれら自体の右側において スピン・ロッキング・パルス・シーケンスである。 一般に、例えば、B1フィールドの低い値のみが使用されねばならない時、個 々のパルスにより生成することができるフリップ角度(flip angle) に対する制約がある場合に重なったパルスが特に適用可能である。従って、一例 として、119°のスピン−1核に対する最適値の代わりに30°のみが利用可 能である。 典型的な重なりパルスは、低いフリップ角度パルスP1AおよびP1Bの幾つ かの(例えば、n個の)通常は連続対からなり、多数の位相偏移、例えば事例( P1A0°−P1B90°)として90°がロッキングを生じる(nは、1より大 きいかこれと等しく、典型的には2、3、4、あるいは更に大きい)。このよう なパルスは、ほとんど1つの最適なフリップ角度パルス同様に機能し得、これに 対する理由が位相90°の第2のP1Bパルスが最初のパルスにより伝達される 磁化のX,Y面部分で最初にロックし、次にX,Y面において磁化を最大化する と考えられる。また、2番目のパルスは将来のパルスに対する位相を規定するよ うに働く。 P1A−P1Bパルスが反復される(即ち、nが1より大きい)ならば、P1 Bパルスが生じる小さなフリップ角度のゆえに、更なる磁化が相対的に位相ゼロ の第3のパルスにより伝達され、これは次に相対的な90°のスタックにおける 第4のパルスによりロックされるという如くである。 第2の(P1B)パルスが最初の(P1A)パルスより長い(例えば、2倍) か、あるいはこれらパルスが同じ長さであるが、更に良好な信号/雑音比が、2 番目の(P1B)パルスを最初のパルスより小さな長さを持つように選択するこ とにより達成することができる。この理由は、基本的な2つのパルス・シーケン スP1A0°−P1B90°(最初のパルスの長さがtAであり2番目のパルスの長 さがTBである)が磁化の実(real)成分(X)と仮想(imaginar y)成分(Y)の両方を生じることであり、tB=tA/2ならば、実成分と仮想 成分がそれらの最大値を時間的に同じ点に持ち、その結果、tB≒tAならば、信 号の大きさが2の根倍であり、組合わせた信号の相対位相は最適なフリップ角度 の最初のパルスに対して約26.5°であり、この場合生成される磁化は62% に近い。 重なりパルスの結果として得る位相は、成分パルスの数、その各々の位相およ びその相対長さに依存することになる。 更に、おそらくは中間の位相を持つが必ずしも0、90°、180°、あるい は270°ではない更に短いパルスが、X,Y面における更なる磁化を生じるよ うに用いることができ、このような磁化がZ方向に沿って更なる磁化から得られ 、これは最初の2つのパルス後も維持する。例えば、最初の2つに続く異なる位 相で印加される第3の(P1C)パルスを用いることが可能であり、この位相は 、多結晶サンプルに印加される1つの119°パルスに適する0.436のベッ セル関数値より大きい磁化を生じるように選択される。第3の(通常は比較的短 い)パルスの目的が更に多くの残留磁化をX,Y面にもたらすと同時に、既にX ,Y面における磁化をロックすることであるため、その場所は、パルスの相対的 長さに従って、適当に0°と90°の間(望ましくは、10°と60°の間、あ るいは20°と45°の間、更に望ましくは、26.5°に近い)となる。再び 、第4の(P1D)パルスが加えられて、更に多くの残留磁化をX,Y面にもた らし、その位相は適当に90°より大きくなる。更に他のパルスが、前のパルス の位相より大きい、90°またはそれ以下の(例えば、45°より大きい)位相 を持つことになる。 先に述べた如き重なりパルスの利点は、これらが単に実効スピン・ロッキング を生じるのみでなく、実際に信号/雑音比を強化することができることである。 個々のパルス長さが著しく制限されるならば、より長い重なりシーケンスを用 いることが利点となり得る。例えば、シーケンス(P1AP1B)で10μ秒の パルス長さの特定の実験的な構成においては、n=2が最適の応答を生じるが、 5μ秒のパルス長さでは、n=5が要求される。 スピン・ロッキング・パルスとの現関連において、一連の重なりパルスが初期 の準備パルスを置換し、スピン・ロッキング・パルスに使用される全ての先に述 べた可能性が利用可能となる。従って、基本的なスピン・ロッキング・パルス・ シーケンスと同じ方法で重なりパルスの位相を循回させることによって、位相循 回が達成される(第1の実施の形態の第1および第2の変更例参照)。 下表は、2つのこのような適切な全位相循回シーケンスを示し、その順次組合 わせが、中心周波数に関して妥当に対称的である応答を生じる。同表において、 AとBのパルスの各対がn回反復される。 このようなシーケンスでは、典型的にtB=tA/2またはtB=tAであるが、信 号応答および励起帯域幅を最適化するために他の比も用いられる。このようなシ ーケンスは、このような比の適切な選択により、励起特性の最大値の形状および 位置を変更できるという更に別の利点を有する。このことは、例えば、(同様な 効果が分相パルスに関して先に述べられたことを念頭において)励起特性におけ る最大値を濾波を改善するために搬送波の最大値からオフ周波数だけ移動させる 。多数の励起最大値もまた、位相が切換えられる速度に応じて生成される。例え ば、位相が250μ秒ごとに切換えられる4つのパルス・シーケンス(n=2) にお いて、信号最大値がΔω=φ/t、あるいはφ=90°に対してはΔν=1/4 tの周波数偏移に対応する1KHzのオフ共振の間隔で現れる。この効果は、2 つの重要な利点を有し、これは最初に準備パルスの励起範囲を強化し、次いでス ピン・ロッキング・パルスの実効帯域幅を増加するために用いられる。所要のス ペクトラムを生じるため位相の変化と周波数の変化とを組合わせことが望ましい 。 上記の諸原理が、(当変更例におけるように)スピン・ロッキング・シーケン スの準備パルスばかりでなく、スピン・ロッキング・パルスにも適用し得ること (例えば、前の第3の変更例参照)が理解されよう。第1の望ましい実施形態に対する一般的考察 第1の実施の形態の位相循回手法において有利に保持されるべき重要な条件は 、第一に、全てのP2タイプのパルスに関して、類似のものは類似のものから差 し引かれることである。即ち、例えば、(第1の実施の形態の第2の変更例を記 載した章に示された)先の4表の2番目において、2つの90°P2自由誘導減 衰信号が、2つの270°信号のが行うように正確に相殺する。従って、パルス および位相の不完全さは相殺する。 第二に、レシーバ位相は、干渉信号と自由誘導減衰応答信号の適切な差し引き を可能にするように調整される。 第三に、個々のシーケンスのAおよびB対のそれぞれにおける各P2タイプの パルスが、360°の位相変動範囲にわたって望ましくは均等に分布される位相 を有する。 第四にかつ最後に、各対ごとにP1タイプ・パルスが、P2タイプ・パルスの 位相と直交関係にあることが望ましい位相を有する。 本発明の第1の実施の形態の任意の変更例が満足に機能するならば、他の色々 な条件もまた満たされることが望ましい。これらは、下記のとおりである。 第一に、1つの特定の条件は、第2のスピン・ロッキング・パルスのパルス長 さtが、NQR信号を最初の初期パルスにより生じる任意の干渉信号から完全に 離れるように変位させるため充分に長いことであり、これは前記干渉信号が位相 の偏移により除去されないためである。やや別の言い方をすれば、各初期パルス に続く次のパルスのパルス長は、初期パルスに応答して生じる干渉信号がこの他 のパルスの終りを越える実質的な範囲に止まらない充分に長いことが望ましい。 この条件については、次に更に詳細に述べる。 先に述べた干渉信号があるr.f.パルスの後やや迅速に、通常は例えばパルス の終りの350、500、750、1000または1500μ秒以内に、減衰し ようとすることが判った。このように、第2のパルスのパルス長がこれら信号の 減衰時間より著しく大きくなるように選定されることを前提として、干渉信号が 第1のパルスに続くにも拘わらず、第2のパルス後に有効な応答データを得るこ とができる。200、400、500、600、700、1000または150 0μ秒に等しいかあるいはこれより大きなパルス長が、大半の状況において実験 的に満たされることが判った。利用可能なテスト時間を有効に利用するため、こ の長さは3、2、1.5、1あるいは更に0.7ミリ秒より小さいことが望まし い。干渉信号を除波するため望ましい応答信号に対する充分な減衰は、その初期 ピーク値の20、10あるいは5%より小さくなり、それより小さいと干渉信号 は不充分に減衰すると考えられる。あるいはまた、干渉信号は、その強さがNQ R信号の最大強さの20、10あるいは5%より低い時、それほど減衰しないと 見なされる。無論、大きすぎる減衰を用いることは望ましくない。 第二に、更に他の類似の(しかし、おそらくはそれほど重要ではない)条件は 、第2のパルスのパルス長tが自由誘導減衰時間T2*と少なくとも同じ長さ、 望ましくはこれより長い(例えば、3または5倍長い)ことである。このことは 、最後の初期パルスに続く応答信号が第2のパルスに続く応答信号の開始の完全 に前に減衰し得ることを保証し得る。 第三に、かつ最後に、特に重要な特徴は、第2のパルスのパルス長tが回転フ レームにおけるスピン格子緩和時間T1 ρの例えば5倍あるいは3倍より小さい ことが望ましいことである。このように、通常はこの時間における厳しい実際の 制約があることを念頭におけば、利用可能なテスト時間を有効に利用することが で き、本発明が特定の物質の存在の検出に適用される場合、総許容テスト時間は僅 かに数秒でよい。従って、実際には、tは更に望ましくはT1 ρより小さく、更 にはT1 ρの0.5、0.3あるいは0.1倍である。 また、利用可能なテスト時間を更に有効に用いるために、異なる位相のパルス を織り込むこともできる。第1の望ましい実施形態を用いる事例 図3ないし図8に関して、本発明の第1の実施の形態の第1および第2の変更 例を用いて行われた種々の実験結果について次に述べる。 これらの実験において、初期パルスに対するB1磁場の値は、16ガウスで一 定に保持された。用いられた特定の実験条件では、20μ秒のパルス長が119 °actualの初期パルスを生成することができた。パルス長は、代替的なフリップ 角度を生じるように変更された。この場合、実験は、「一定のB1」実験として 考えることができる。全ての実験は、爆薬RDXのサンプルの3.41MHz線 を用いて行われた。他のことわりがある場合を除いて、20μ秒のパルス長が初 期パルスに対して用いられた。 図3に示された事例では、オン共振スピン・ロッキング・シーケンス(即ち、 関連するNQR共鳴の0.5または1KHz以内のシーケンス)がサンプルに印 加され、初期パルスの長さがP1=20μ秒であり、スピン・ロッキング・パル スP2は可変長であった。先の関連表に示された4対の位相循回シーケンスが用 いられた。第2のパルスP2に続く各信号強さは、第2のパルスの長さの100 の異なる値に対して決定された。これらの100の信号強さは、図3にプロット されている。 図3から判るように、信号の強さは60μ秒までは略々一定であり、それから 、おそらくはP2の長さが254°actualのフリップ角度(このパルスに対する ゼロの信号強さを生じる1つのパルスのフリップ角度の値)に密に対応する時、 非常に迅速に約20%だけ低減している。信号強さの単位は任意であるが、プロ ットが原点(即ち、ゼロ)までは下降しないことに注意すべきである。 図4は、図3のプロットと類似するプロットを示すが、このとき、実質的な干 渉信号を生じることが知られているニッケル・メッキねじが存在する。図4のプ ロットもまた、非常に多くのスピン・ロッキング時間までは拡張されていない。 先に述べた全位相循回シーケンスが再び用いられた。NQR信号がある損失で2 ミリ秒まで見られ、また更に12ミリ秒まで見られるが著しく多くの損失のある ことが明らかであろう。ねじの存在は、r.f.プローブのQ値(Q facto r)を著しく減じ、従って、応答信号の信号/雑音比を著しく減じる。それにも 拘わらず、干渉信号が応答信号から実質的に完全に除去されたことが確認された 。干渉信号は、図4に示される真のNQR応答の強さの5ないし10倍の範囲に おける信号を生じることになった。 図4に関して述べた実験に類似する更に別の実験(ここでは示さないが)では 、位相循回が用いられず、換言すれば、Aタイプのパルス・シーケンスのみが用 いられた。この実験では、NQR応答が、前記ねじから生じた干渉信号によって 完全に感知できなかった。 図3のプロットと類似するがスピン・ロッキング・パルスP2の長さの異なる 範囲を示す図5のプロットは、B1=1.6mT(T1 ρがB1と共に変化するこ とに注目して)で3.42MHzのRDX線に対して室温におけるNQRスピン ・ロッキング時間T1 ρの推定値を生じるために用いられた。実験データ点は白 丸で示され、示された線は、r=3ミリ秒より長い第2のパルスP2の長さに対 して下記形態の式の最適値である。即ち、 y=a.exp(−x/b) 最小2乗適合が、35の「a」に対する値と5990の「b」に対する値とを生 じ、値T1 ρ≒6ミリ秒を示す。このことは、T1≒14ミリ秒およびT2≒8ミ リ秒の値と対比し、但しT2*=0.7ミリ秒であり、全ての値は室温でとられ た。 図5のプロットは、スピン・ロッキング手法が第1の初期パルスにより生じる 干渉信号がNQR信号よりはるかに小さくなるのに要する時間より著しく長い時 間磁化を保持し得ることを示す。 更に別の類似のプロット(図6参照)は、20μ秒から初期パルスP1の長さ を減じる効果を示し、その結果フリップ角度(flip angle)は119 °から減じる。黒四角記号は、119°のフリップ角度を指し、(6.6μ秒の パルス長に対する)白丸は約40°を指し、(4.4μ秒のパルス長に対する) 白四角は約25°を指し、所与の全てのフリップ角度値は実効値ではなく実値で ある。 同図から、1つのパルスだけが用いられた場合に予期されるように、約3ミリ 秒までは、信号強さがフリップ角度に比例して第1の近似値まで減じることが推 論される。 図7は、異なる方法における同じ点を示している。同図において、白丸記号は 1つのP1パルスの異なる長さに対するこのパルスに続く信号強さを表わし、白 四角記号は可変長さのP1パルスと固定長100μ秒のパルスP2のスピン・ロ ッキング・シーケンスに続く信号強さを表わしている。 スピン・ロッキング・シーケンスに続く信号強さは、制限内で、隔離状態の1 つのP1パルス以後のそれと略々同じように初期P1パルス長に依存することが 判る。このことは、自由誘導減衰を観察することができるならば、B1あるいは フリップ角度の値(制限内)の如何に拘わらず、略々同じ強さのスピン・ロッキ ング応答も同様に観察することができるはずであることを示唆する。 この点は、砂と爆薬RDXの両者を含むサンプルに対する応答を示す図8に示 される。第1の実施の形態の全位相循回された(第2の)変更例が2ミリ秒のス ピン・ロックで用いられた。信号強さと時間の関係プロットは、最初に、砂の信 号(相等する1つのパルスだけを用いて決定された破線により示される)がどれ だけ大きくなるかを示し、次いで、真のNQR信号のみが2ミリ秒後にサンプル されるならば、これが砂の信号より著しく大きいことを示す(実線参照)。 上記の結果がスピン・ロッキング・シーケンスのオン共振性能に対して示され たことに注意すべきである。このシーケンスは、特に図2(b)、図2(c)ま たは図2(d)に示されたパルス・シーケンスのバージョンが用いられる場合に 、制限された帯域幅にわたってオフ共振条件でほとんど良好に機能し得る。 次に、図9において、サンプルとして爆薬RDXを3.41MHzで再び用い て、図2(c)および図2(d)に示され第1の実施の形態の第3の変更例とし て述べた分相パルス・シーケンスに対する応答を加算し、次いで0.1KHzの 増分で励起搬送周波数を段階表示しながら、加算結果を2で除した結果が三角記 号によって示される。準備パルスは240μ秒の長さであり、8つの分相パルス の各々が275μ秒の長さであって、略々2.5ミリ秒の合計パルス・シーケン ス長さとなる。丸記号により、再び0.1KHzの増分で搬送周波数を段階表示 しながら240μ秒の長さの同様な1つのパルスの結果が示される。3.5KH zの帯域幅は略々類似するが、分相パルス・シーケンスに対する信号強さが1つ のパルスに対する信号強さの少なくとも70%であることが判るであろう。この 帯域幅は、38℃の温度変化を表わし、分相シーケンスの良好なオフ共振特性を 示す。 次に図10において、再びサンプルとして爆薬RDXを3.41MHzで用い て、第1の変更例として述べた基本スピン・ロッキング・シーケンスと比較する ことにより、(第1の実施の形態の第4の変更例として述べた)重なりパルスを 用いる結果が示される。図10に示された4つの全ての場合に、スピン・ロック は同じ持続時間(1ミリ秒)であった。予期されるように、共にピーク応答と帯 域幅に関する最良の結果が、tB=tA/2(=250μ秒)およびn=3を持つ 重なりパルスで得られる(直立三角記号参照)。この第2の最良結果は、tB= tA(=250μ秒)で得られる(丸記号参照)。250μ秒に等しい準備パル スのパルス長を持つ基本スピン・ロッキング・シーケンスにより2乗データ点が 得られた。125μ秒に等しい準備パルスのパルス長を持つ基本スピン・ロッキ ング・シーケンスで、反転三角のデータ点が得られた。第2の実施の形態−多パルス・エコー手法 本発明の第2の望ましい実施形態において、要約すると、干渉信号が多パルス ・エコー手法によって除去される。 第2の実施の形態により、先に述べたものと同じ位相等化の原理が、スプリア ス干渉信号をNQRエコーから除去するために用いられる。また、シーケンス単 位で初期準備パルスの位相を反転させる原理が、排他的にではなく一般に用いら れる。 信号/雑音比は、第2の実施の形態の第1の変更例において触れたパルス状ス ピン・ロッキング・シーケンス(以下参照)ばかりでなく、先に触れた米国特許 第5,365,171号に記載された、カール−パーセル−マイブーム−ギル( Carr−Purcell−Meiboom−Gill;CPMG)シーケンス 、ならびに「強いオフ共振くし形および安定状態の自由歳差(Strong O ff Resonant Comb and Steady State Fr ee Precession)」シーケンス(いかなる場合も、パルス状スピン ・ロッキング・シーケンスとして認められる)においても一般的なように、エコ ーの反復蓄積により改善することができる。従って、関連パルス・シーケンスに おける「n」は、できるだけ大きい、おそらくは10ないし50、あるいは15 ないし25、あるいは更に大きいことが有利である。 パルス状スピン・ロッキング・シーケンスばかりでなく、先に述べた強いオフ 共振くし形および安定状態自由歳差シーケンスもまた、例えばサンプルにおける 温度変動による線の太りの存在時にエコーを生成でき、かつ低いB1値で機能で きることが分かった。従って、これらシーケンスの全てが、本発明により本文に 述べた如き関連初期準備パルスで適切な場合に組合わせて成功裏に用いることが できる。実際に、初期準備パルスに続く更に他のパルス・シーケンスも、本発明 の手法の多岐性を前提として、シーケンスのタイプにおける僅かな制約で代替的 に用いられる。多くの有効なパルス・シーケンスについては、第2の実施の形態 の変更例として以下に述べる。 本発明の第2の望ましい実施形態は、第1の実施の形態に関して、また特に、 P2パルスと同じ位相をとる各個のシーケンスにおけるP2パルスの更に他のパ ルスを用いて、先の2つの表に示された2または4対のシーケンスにおいて述べ た位相循回手法を用いることが望ましい。第2の実施の形態の第1の変更例−パルス状スピン・ロッキング・パルス・シー ケンス まず図11に関して、下記形態のオン共振パルス状スピン・ロッキング(PS L)「A」シーケンスは、 α0°−τ−α90°−(−2τ−α90°−)n 下記形態の類似の「B」シーケンスで代替される。即ち、 α180°−τ−α90°−(−2τ−α90°−)n 但し、時間τはシーケンスにおける初期パルスと次のパルスとの間の間隔であり 、時間2τは残りのパルスに対する「パルス反復時間」と呼ばれる。 PSLシーケンスが先に述べたスピン・ロッキング手法を用いることが判る。 同図に示されるように、応答信号の取得がα90°パルスの各々間に生じるが、 初期(P1)パルスα0°あるいは準備パルスα180°の直後には生じない。実際 に、取得(acquisition)は、機器のリング・ダウンを勘案して、第 2のパルス(P2)のやや後に遅れる。シーケンスにおいては、nは任意の適切 な値(短いエコー・シーケンスのみが要求されるならば、1または0さえも含む )をとり得る。 先に述べたものと類似する位相偏移手法において、2つのシーケンスは他方か ら一方が差し引かれて、干渉信号の影響を実質的に受けないエコー応答信号、あ るいは実際に自由な誘導減衰信号を生じる。第2の実施の形態の第2の変更例−安定状態の自由歳差パルス・シーケンス 本発明の第2の実施の形態の第2の変更例においては、パルス・シーケンスを 生じる多数の安定状態自由歳差エコーが開示され、これらシーケンスの全てが初 期準備パルスを使用するのではなく、これらシーケンスは全て位相等化の原理を いぜんとして遵守する。 第1の最も簡単な(非スピン・ロッキング)パルス・シーケンスにおいては、 180°の位相偏移を持つ4つのパルスの多重パルス・シーケンスが用いられる 。 即ち、 但し、nはシーケンスの反復を表わし、示された角度は位相である。信号は、( A−B−C+D)として組合わされる。このシーケンスは、類似の位相が相互に 差し引かれるという位相等化の原理を満たしている。スプリアス信号の打ち消し は、通常は、反対の位相である組合わせ(AとB、CとD)である特定のパルス 対の要素の直前の各パルスによって行われる。 位相の循回は、第1のシーケンスの0°の位相が90°の位相により置換され 、180°の位相が270°の位相により置換される、第2のシーケンスを用い ることによって達成することができる。 第1のシーケンスの位相循回バージョンは、90°の位相循回を持つ第2の8 つのパルスの多重パルス・シーケンスに類似している。即ち、 その後に、以降のレシーバ位相A−0°、B−270°、C−180°、D−9 0°、E−180°、F−270°、G−0°およびH−90°を持つ が続く。このパルス長は同じであることが望ましく、また14Nの如きスピン−1 核に対する最適値119°にできるだけ近いことが望ましいが、このシーケンス は信号/雑音比のある損失を持つ比較的低いフリップ角度で機能することになる 。最適値より小さなフリップ角度を用いるエコーの生成が、本明細書の他のばし ょでは開示されている。エコーに似た信号であると、応答信号は自由誘導減衰信 号よりもサンプル内の温度勾配の影響を受けにくい。この第2のシーケンスは、 特に望ましく、低いB1磁界で特によく機能する。 通常は、先に述べた8つのパルス・シーケンスでは、位相循回は不要である。 それにも拘わらず、更に他のシーケンスが異なる順列における同じ位相を使用す ることが判る。 パルス間隔(pulse separation)τ1、τ2、τ3およびτ4は 等しい必要がなく、これらが等しければ、信号の応答は以降のパルスにおけるエ コー・ピーク形態で現れ、これは信号/雑音比の観点から不利である。エコーの 最大値は、パルスの間隔を相違させることにより更にアクセス可能な領域へ変位 され得、従って、先の(British Technology Group Limitedの)英国特許第2,262,610号に教示される如く、シミュ レートされるなどのエコーを生成する。簡単であるが有効な選択は、τ2=2τ1 、τ3=τ1およびτ4=τ2を持つ2つのシーケンスのみを使用することであるが 、他の組合わせも可能であり、2つ以上または3つ以上の異なるパルス間隔を用 いることもできる。 先に述べた第3の変更例の第1の小変更において、シーケンスにおける各パル スは、同じパルスの対により置換される。例えば、先に述べた8つのパルス・シ ーケンスの最初の半分は、下記の如くである。即ち、 {α0°−τ−α0°−τ1−α90°−τ2−α90°−τ1−α180°−τ2−α180 °−τ1−α270°−τ2−α270°−}n これもまた、τ2=2τ1で良好に機能する。この小変更は信号/雑音比を強化す ることができる。 第3の変更例の第2の小変更においては、 {α0°−τ−α180°−2τ−α90°−τ−α270°}取得 と組合わされた、下記形態の特定のシーケンス {α90°−τ−α0°−2τ−α180°−τ−α270°}取得 もまた良好に機能する。これは、B1磁界において特に利点を持ち、この条件下 では磁化を強化し、従って信号を強化することができる。 第3の小変更においては、90°の位相偏移を持つ基本的な8つのパルス・シ ーケンスが、1対の個々の複合スピン・ロッキング重なりパルス・シーケンス( 第1の実施の形態参照)へ分解される。例えば、 {α0°−α90°−α180°−α270°}n {α180°−α90°−α0°−α270°}n 各個のシーケンスにおける最初のパルスは、準備パルスとして有効に働き、2 番目のパルスはあるスピン・ロッキングを行い、3番目は位相反転を行い、最後 のパルスはスピン・ロッキングを行う。個々のシーケンスは、エコーならびに自 由誘導減衰を生じる。 第3の小変更は、それ自体か、あるいは別のシーケンスの一部として用いられ る。各個の重なりパルス・シーケンスは、例えば先に述べた8つのパルス・シー ケンスにおける1つのパルスを形成することもできる。 第3の小変更は、スピン・ロッキング時間T1 ρが全パルス長より長いことを 前提に、特に比較的高いB1磁界で良好な全性能を有するが、これは「長い」パ ルスであるゆえに、その励起帯域幅が狭くてよいからである。 第4の小変更においては、8つの基本的パルス・シーケンスの各パルスは、例 えば、τ2≒2τ1を持つ2つ(あるいはそれ以上)のパルスの重なりタイプのス ピン・ロッキング・シーケンスにより置換される。即ち、 {α0°−α90°−τ1−α90°−α180°−τ2−α180°−α270°−τ3−α2 70 °−α0°−τ4−}n {α180°−α90°−τ1−α90°−α0°−τ20°−α270°−τ3−α270 °−α180°−τ4−}n 応答信号の同じ組合わせは、基本的な8つのパルス・シーケンスに関して述べた ようにとられる。通常は、スピン・ロッキング・シーケンスにおける第2のスピ ン・ロッキング・パルスは、準備パルスと略々同じ長さである。第3の小変更の このパルス・シーケンスは、低いB1磁界で磁化を強化することができる。この シーケンスはエコーと自由誘導減衰の両方を生成でき、後者は比較的長いロッキ ング・パルスが用いられる時優勢となる。信号の取得は、エコーまたはf.i.d .のいずれか、あるいはその両方を検出するように調整することができる。 第4の小変更においては、中間位相(45°とその奇数倍の如き)における別 のパルスを用いて、先に述べた基本的な4つまたは8つのパルス・シーケンスよ り長いパルス・シーケンスを用いることができる。しかし、このようなパルス・ シーケンスが4つおよび8つのパルス・シーケンスに勝る実際の利点を供するか どうかは疑問である。 この特定の変更例に開示された全てのシーケンスは、119°より著しく小さ なフリップ角度でエコーまたはエコー状の信号を生成することができ、その結果 長いr.f.パルスを低いB1磁界で使用することを可能にする。第2の実施の形態の第3の変更例−位相交番を有する安定状態の自由歳差パルス ・シーケンス 米国特許第5,365,171号において、安定状態自由歳差(SSFP)法 が以下に示すように、180°の位相偏移に基いて記述されている。即ち、 パルス間隔τの全ての値は同じ(即ち、τ1=τ2)であり、下つき添字nは、 必須の信号/雑音比を達成するためのパルス・シーケンスの適切な反復を意味す る。第1のシーケンスは、「位相交番パルス・シーケンス(PAPS)」と呼ば れ、第2のシーケンスは「非位相交番パルス・シーケンス(NPAPS)」と呼 ばれる。組合わせ(A−B−C−D)がスプリアス応答の効果的な混和(eff ective mulling)を生じることが要求される。 しかし、砂からの圧電応答の場合には、この手法では比較的おだやかな減衰2 0dBしか得られないこと、また更に、その非対称性のゆえに、シーケンスが分 光計の調整に応じて大きな信号のオフセットを生じようとすることが、本発明に 関して判った。これらの短所に対する理由は、PAPS/NPAPSシーケンス が正確な位相等化、即ち、シーケンスが3つの0°の位相と僅かに1つの180 °の位相を含むために、位相類似のものは類似のものから控除されるべきである という位相に関する原理を達成し得ないことである。 本発明によれば、位相等化の原理を達成する当該シーケンスの改定バージョン が開発された。このことは、以下に示される。即ち、 および、ここで得るべき組合わせは、(A−C−E+G)、あるいはより完全に は、(A−C−E+G−B+D+H)である。このようなパルス・シーケンスは 、オフセットを持たない前記応答の33dBの減衰を生じるための実験であるこ とが判った。このような性能は、第2の実施の形態の他の変更例により達成し得 る最良の性能と対比し得る。 180°の位相が270°の位相へ変換されるも、0°の位相が90°の位相 へ変換されるシーケンスの位相循回バージョンを実施することによって、性能は 更に強化される。 更にまた、このシーケンスの改定バージョンにおいては、τ1をτ2と異ならせ ることが可能であり、このことは固有の非対称性に照らして米国特許第5,36 5,171号に記載される方法に対して実現することが不可能ならば困難であろ う。τ2とは異なるτ1で、第2の実施の形態の第2の変更例に関して先に述べた ように、信号/雑音比を強化する際に利点となり得る。第2の望ましい実施形態に対する一般的考察 本発明の第2の実施の形態が満足に機能するならば、種々の条件が望ましく満 たされ、種々の特徴が望ましく提供される。それらは、下記の通りである。 第一に、シーケンスの1つの特に重要な特徴は、初期パルスにより生じるいか なる干渉信号も実質的に濾波するのに充分に初期パルスの後に信号の取得が遅延 されることである。 第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に関して先に述べた遅延手法 と同様に、関連するパルス反復時間τが典型的に200、400、500、60 0、700、1000、あるいは1500μ秒より大きく設定されることが望ま しい。 あるいはまた、遅延された信号取得の同じ原理(principle オリフ ィス delayed signal acquisition)に基いて、タ イマが典型的に200μ秒よりさえも小さく設定されるが、エコーからの信号は シーケンスの最初の少数の(例えば、2、5、10あるいはそれ以上の)パルス 後に検出されるに過ぎず、総遅延量はいぜんとして、先に述べた200、400 、500、600、700、1000あるいは1500μ秒の値より大きくなる ように構成される。当該変更例においては、適当に多数のパルスが各個のAおよ びBのシーケンスにおいて相互に密な連続状態で用いられることになる。この代 替例の利点は、これが信号/雑音比を強化できることである。例えば、オン共振 (on−resonant)PSLシーケンスにおけるエコー減衰時間T2eはτ-n の如きパルス反復時間2τに依存し、ここで「n」は3ないし5の範囲にあり 、その結果早いパルス形態が最良の信号/雑音比を生じることができ、同様な原 理はオフ共振PSLシーケンスにも適用する。 第1の実施の形態に関して先に述べたような遅延を含む残りの全ての原理もま た、第2の実施の形態に適用され得る。 第二に、望ましくは達成されるべき更に別の重要な条件は、フリップ角度αと パルス間隔τの両方と、この2つの間の相互関係に対するエコーの強さの依存性 に関するものである。本発明に関してなされた発見は、下記の如くである。最初 に、(本文のどこかで更に詳細に述べるように)119°actualより充分に下方 のフリップ角度でエコーが生成され得ることが判り、低いフリップ角度でエコー を生成することが実際に有利である。第二に、エコー信号の強さは、より低いフ リップ角度で著しく低減することが判った。しかし、第三に、信号強さがパルス 間隔と逆に関連することが判ったため、パルス間隔の値τの低減がある程度フリ ップ角度に伴う信号強さの低減を相殺し得ることが判った。特に、パルス間隔τ が関連する核種の自由誘導減衰時間T2*より小さいことが望ましく、かつτが 自由誘導減衰時間T2*の0.5、0.3あるいは更に0.1倍より小さいこと が 更に望ましい。この観点において、τは実際にできるだけ小さいことが最も有利 である。 第三に、エコーの生成の条件は、本文ではある変更例に対して用いられる如く 2τに等しい関連パルスの反復時間がいかなる場合もT2*の略々5または10 倍より小さいことである。従って、RDXの3.41MHz線の場合、関連パル スの反復時間が略々3.5または7ミリ秒より小さければ、エコーが生成される ことになる。 第四に、エコーを生成するシーケンスからの応答信号の適正な検出においては 注意を必要とする。パルス反復時間の比較的高い値(T2*の5または10倍付 近、あるいはそれ以上)では、大部分の磁化がパルスの後または前に続く自由誘 導減衰タイプの信号に集中され、その結果検知されることが望ましいのは信号の この部分である。比較的低い(例えば、T2*の1倍または2倍に等しいパルス 反復時間より低い)値では、磁化の大部分はエコーあるいは擬似静止状態の安定 状態タイプの信号に実質的に集中することになり、そのため信号の異なる部分が 検出されることが望ましい。パルス反復時間の中間の値では、両方の信号が重要 となり、従って、最適な信号回復を保証するようにレシーバ位相の慎重な調整を 行うことを必要とする。使用されるテスト装置における制約によりプローブのリ ング・ダウン時間がこれらの中間の値における自由誘導減衰信号の良好な取得を 妨げるならば、エコー応答信号のみを検出することが必要となろう。 第五に、第2の実施の形態の全ての変更例がエコー・タイプの応答を生じ得る ため、生成されるパルスが実際にNQRエコーを生じることを仮定して、パルス の整形は、周波数および(または)振幅の変調で用いることができる。例えば、 (British Technology Group Limitedの)英 国特許第2,282,666号に記載される如く整形されたパルスを使用するこ とができる。このようなパルスを用いることの利点は、特に使用されるB1磁界 または利用可能なr.f.トランスミッタ電力における諸制限が長いパルスの使 用を必要とする時、1つの方形パルスに関してより良好な励起帯域幅を得ること ができることである。この励起帯域幅は、(British Technolo g y Group Limitedの)英国特許第2,255,830号に既に述 べられるように、異なる温度におけるサンプルが検査される時に必要とされる。 パルス間の周波数変化もまた、励起帯域輻を改善するために使用することができ る。 適当に整形されたパルスを使用する更なる利点は、エコー最大値が次のパルス より下がることのないように、従って捕捉のための更にアクセス可能な領域へ移 動するように、この最大値を偏移できることである。等しくないパルス間隔(先 に述べた如き)と組合わせて、低いr.f.磁界における重なりパルス、分相パル ス、あるいは位相および(または)振幅変調パルスを使用することは、捕捉のた め得られるエコーの長さを増加する付加的な利点を有する。 第六に、第2の実施の形態のエコーを生じるパルス・シーケンスは、特定の利 点をもって低B1磁界において使用できる。このことは、このような低磁界にお ける信号強さが予期されるよりもかなり高いという本発明に関して得た発見によ るものである。 第七に、かつ最後に、エコー状信号の信号/雑音比は、指数的逓増フィルタか 、あるいは、スプリアス干渉信号をエコー信号から、エコー信号が逓増する間前 者が減衰する信号捕捉時間中に、弁別することができるならば、例えばエコー形 状、即ちT2*に対する整合された時間の逓増関数に基く他のあるフィルタの使 用によって更に改善され得る。1つのテスト実験において、砂のサンプルからの スプリアス信号に関して整合された指数的立上がりフィルタの使用によって、信 号/雑音比が略々50%だけ増加された。箪2の望ましい実施形態を用いる事例 図12ないし図16において、本発明の第2の実施の形態の第1の変更例を用 いて行われた種々の実験の結果(パルス状スピン・ロッキング・パルス・シーケ ンス)が次に示される。一般に、実験は、個々のAまたはBのパルス・シーケン ス当たり一連の少なくとも10または15パルスを使用した。4対の位相循回シ ーケンスが使用されたので、このことは、合計で略々80ないし120パルスの 最小値を意味する。各個のパルス・シーケンス間の間隔は、略々60ミリ秒であ った。この間隔は、更に一般的には、磁化が回復することを許容するのに充分で あり、従ってT1の1倍、2倍、3倍あるいは5倍より多くなる。 図12において、第1の事例では、個々のパルス・シーケンス当たり31のP SLパルスが用いられた(即ち、n=31)。同図は、4対のパルス・シーケン スにより生成された多数のエコー・シーケンスの直角位相の検出された実部分と 仮想部分を示し、ここで全てのパルスの長さは30μ秒であり、パルス間隔τ= 160μ秒であった。エコー信号の強さは時間と共に減衰したが、少なくとも3 1のエコーが観察され、パルス・シーケンスが終了した7ミリ秒で良好な品質の エコーがいぜんとして視認できる。2番目、3番目およびその他のエコーが特に 強いことに注意すべきであり、略々これらのエコー要素を生成するように意図さ れたパルス・シーケンスを用いることが有利である。 また、図12からは、当該手法がプローブのリング・ダウンにより生じるパル スのブレークスルー(breakthrough)の全ての痕跡を払拭したこと を知るべきである。パルスのブレークスルーを除去したことの特別な利点は、プ ローブおよびレシーバ・システムの実効リング・ダウン時間を短縮でき、その結 果データの取得が関連パルスのエッジにより近く開始できることである。 次に、大数目盛り上のエコー信号強さとパルス間隔τ間のプロットである図1 3を参照する。図12のプロットにおけるように、全てのパルスの長さは30μ 秒であった。図13において、最初の初期パルスP1の少なくとも2ミリ秒後の 時間に続いて最初のエコーが観察された。このエコー信号の強さは、パルス間隔 τと共に変化して、0.3ミリ秒に近いτ値で最大値に達するが、最も顕著なこ とに、τのより高い値で急激に降下することが観察された。テストされるRDX の特定の線に対する自由誘導減衰時間T2*は略々0.7ミリ秒であり、0.3 ミリ秒より上の急激な降下が利用可能なテスト時間の不充分な利用により生じる ことが推定される。更に、図13から、制限内でτの値が小さほど良好であるこ とが推論できる。信号強さはより低い値で低減するが、更なるパルス反復をサン プルに印加することができ、所与の時間内でより多くのエコーを観察することが でき、このことは、信号強さの低下の補償に勝り得る。 フリップ角度に関する信号強さの変化に関して、更に別の事例において、先に 述べたものに類似する2対のパルス・シーケンスを用いてテストが行われ、各個 のシーケンスにおける3つのパルスの長さが70ないし250μ秒間で変化させ られ、パルス間隙τは1、0.5および0.25の値を取った。n=1サイクル 後にエコーがサンプルされ、遅延時間は400μ秒の最終パルス後であり、遅延 時間が機器の制約によって必要とされ、通常は著しく短縮されることになる。2 50μ秒のパルス長が119°actualのフリップ角度に対応することが観察され 、70μ秒のパルス長が33°actualに対応するものとされた。これらテストの 結果は、下表に示される。この表の最下欄が、左方に各テストにおけるエコー強 さの任意の単位における値を示し、右方にτの各値に対する2対のエコー強さ値 の比を示している。 上表は、先に示唆したように、集積エコー強さがτの低減と共に実に増加するこ とを示している。 更にまた、一定なB1における実効フリップ角度を係数3.6だけ減じること で、τ=1ミリ秒である時の6.5からτ=0.25ミリ秒である時の3.4ま で変化する係数だけ積分されたエコー強さを減じる。積分されたエコー強さにお ける低減がτの更に低い値に更に少なくマークされることが予期される。比較テ ストにおいて、フリップ角度33°の1つのパルスに続いて、自由誘導減衰信号 強さがフリップ角度119°のパルスに続くものに関して、ちょうどベッセル関 数依存性から予期されるだけ多くの約2.5係数だけ減じることが判った。従っ て、先に述べたテストに基いて、1つのエコー・シーケンスに対して、119°actual より小さなフリップ角度の低減が1つのパルスに続く比較し得る自由誘導 減衰に対するより更に著しい信号強さにおける低減を生じるが、パルス間隔τの 充分に低い値が用いられるならば、不足が大きく回復され得る。 上の結果がPSLシーケンスのオン共振動作に対して述べられたが、このシー ケンスは、制限された帯域幅にわたりオフ共振条件でほとんど良好に機能するも のと信じられる。 オフ共振条件への移動の明らかな作用は、多くの状況において時間的に外方へ 、かつ強さにおいてやや下方へエコー・エンベローブ最大値を偏移させることで ある。従って、オフ共振結果の場合は、比較的少数ではなく多数の励起パルスを 用いることが有利であるかも知れない。 オフ共振条件へ移動する更なる作用は、応答信号の大きさが周波数オフセット に従って変化し得ることである。これは、受取った信号の慎重な操作により、あ るいは国際特許出願第WO92/17794号に教示される如く、複数の離散周 波数での励起の使用によって補償される必要がある。更にあり得る解決法は、F reemanとHill(「フーリエ変換NMRにおける位相と強さの特異性( Phase and Intensity Anomalies in Fou rier Transform NMR)」、J.Magn.Reson.,4 ,366〜383(1971))の教示と同様に、小さな不規則な変化をパルス 反復時間に誘導することである。これは、エコーの強さは変化させず、それらの 時間的な正確な位置のみを変化させるはずである。 オフ共振条件への移動の別の効果は、応答信号の強さが周波数オフセットが正 か負かに依存し得ることであり、更なる強さの信号が正の周波数オフセットで時 に見出される。この効果は、励起周波数を周波数の関心範囲の中心周波数よりや や低い周波数へ歪めることにより補償される必要がある。 本発明の望ましい実施形態の最も重要な特徴は、それらが低フリップ角度αで 有効に機能できる能力である。このような能力は、サンプルに印加されるr.f. 電力に対する制限がある状況において重要である。 低フリップ角度でエコーを生成する能力については、次に、図14および図1 5に関して示される。これら2つの図における条件は、それぞれ、前表の初めの 2行における条件によるものであり、図14の場合は、フリップ角度はP1およ びP2の両パルスに対して119°actualであったが、図15の場合は、フリッ プ角度は両方のパルスに対して僅かに33°actualであった。それぞれの場合に 、先に述べたパルス状スピン・ロッキング・シーケンスがn=1で用いられ、換 言すれば、シーケンスにおける3番目のパルス後のエコーがサンプルされた。図 14と図15のブロットでは、水平(周波数)軸における各細目盛りが0.62 5KHzを表わし、RDXの5.192MHz線が励起された。前記図から、フリ ップ角度の両条件下でエコーが生成されたことが判る。実際に、エコーは、本発 明によって10°actualもの小さなフリップ角度で生成された。これらのエコー は、90°effectiveより小さなフリップ角度を有するP2パルスを除いて、9 0°effectiveのフリップ角度を有するP1パルスでも生成された。 本発明による更なる実験は、PSLシーケンスが、低いフリップ角度値におい ても長期間存続するいわゆる「準定常(quasi−stationary)」 状態で応答信号を生じることができることを示した。 また、先に述べた全てのパルス・シーケンスが90°effectiveより高いフリ ップ角度で用いることができるとも言わねばならない。 先に述べたように、エコーが90°effectiveよりはるかに小さなフリップ角 度(スピン−1系の場合、119°actual)で生成できることの本発明による発 見は、驚異の発見であった。この発見はまた、第2の望ましい実施形態に関して 述べた他のパルス・シーケンスにも適用することが判った。 最後に第2の実施の形態の第1の変更例に関して、図16は、典型的な実験条 件下でニッケル・メッキされたねじと共に爆薬RDXを含むサンプルに対する信 号強さと時間の関係プロットである。前記ねじからの信号をテストの最初の1ミ リ秒以内に見ることができ、この時点で信号を除去する試みはされなかった。し かし、その後、エコーの応答はスプリアス応答からのブレイクスルー(brea k through)もなく明瞭に視認できる。 図17は、第2の実施の形態の第2の変更例の8つのパルス・シーケンスの動 作を例示している。同図は、下記条件下で爆薬RDXからのNQR信号を検出す るためシーケンスを用いる信号強さと時間の関係プロットである。即ち、 (i)τ1=τ2=τ3=τ4=1.5ミリ秒(全線) (ii)τ1=τ2/2=τ3=τ4/2=1ミリ秒であるシーケンス間に得た1ミ リ秒エコー(短破線)、および (iii)(ii)と同じシーケンス間に得た2ミリ秒エコー(長破線) エコーが全てがいかなる場合にも見出されるとはかぎらないことが理解されよ う。 3つのカーブのそれぞれの下方の領域の積分が、等しくないパルス間隔が等し い間隔で生じるパルスより悪い結果とならないことを示唆する。実際には、比較 的低いB1磁界において、等しくない間隔を用いた結果がより優れていることが 判った。 第2の実施の形態(安定状態の自由歳差パルス・シーケンス)の第2および第 3の変更例の動作の一例について、図18に関して次に記述する。これは、下記 条件下で中心周波数3.41MHzのr.f.パルスに応答して(RDXが存在し ない時の)砂からの信号の時間的解法を示す(信号(v)を除く)。即ち、 (i)1つの最適フリップ角度(90°effective)パルスに続く信号(点鎖 線) (ii)1.5ミリ秒の一定パルス反復時間τを持つ、第2の変更例の8つの相 等パルス・シーケンスに応答する信号(点線) (iii)τの同じ値を持つ、第3の変更例の相等位相交番シーケンスに応答す る信号(実線) (iv)再びτの同じ値を持つ、米国特許第5,365,171号に記載された 相等PAPS/NPAPSパルス・シーケンスに応答する信号(3点鎖線) 信号(ii)ないし(iv)は、それらの各シーケンスの終りに得られた。1.5 ミリ秒のパルス反復時間と0.2ミリ秒の不動作時間の場合、実際にはパルス・ シーケンス中に信号取得が図18似示される信号の最初の1.3ミリ秒のみに生 じる。 明らかに、平坦な未減衰の砂信号(sand signal)が、(i)この 砂信号を減衰させるため特に設計されたシーケンスの内で優勢であり、第2およ び第3の変更例が、((ii)および(iii))最良の動作となり、PAPS/N PAPSシーケンスが、(iv)やや劣った動作となる。 同じ情報の大部分もまた図19に示されるが、信号強さはより大きな縮尺で示 される(単一パルスに対する応答は示されない)。同じ信号が、同じ線種で示さ れる。図19には、上記信号(ii)に対応する信号も示されるが、砂の代わりに 爆薬RDXを用いる場合である(黒の記号)。 第2および第3の変更例を用いる結果が略々等しい(砂信号の略々−33dB 減衰を表わす)が、PAPS/NPAPSシーケンスを用いる結果はかなり劣る (略々−20dBの減衰を表わす)ことが判る。比較において、砂がない場合に 爆薬RDXから得た相等信号(equivalent signal)は、PA PS/NPAPSシーケンスと信号(i)を用いて得た砂信号より強さが弱く、 用いられた特定の実験状況では、非位相循回シーケンスもPAPS/NPAPS シーケンスもいずれもRDXを検出したことを示唆する。一般に、第2および第 3の変更例を用いた結果が略々対比し得ることが判ったが、1つあるいは他の変 更例がしばしば特定の条件に対してかろうじて更に有効であることが判った。こ のことは、2つの変更例が様々な時点に用いる異なる位相によるものと考えられ る。第3の実施の形態−ハイブリッド 本発明の第3の望ましい実施形態は、効果的に前の2つの実施の形態の第1の 変更例のハイブリッドであり、これにおいて、各個のパルス・シーケンスは、第 1の実施の形態による2つのパルスのスピン・ロッキング・シーケンス(初期準 備パルスを含む)を含み、その後に第2の実施の形態によるエコー・シーケンス (他の準備パルスは含まない)が続き、エコー・シーケンスのパルスはP2パル スと同位相であるか、あるいは実際に他の位相を有する。 前に用いた表記を用いると、個々のパルス・シーケンスは下記形態である。即 ち、 α0°−t90°−{−2τ−α90°−}n スピン・ロッキング・シーケンスが用いられて、反復し得る品質の自由誘導減衰 信号を生じる。これは次に、エコー・シーケンスによりエコーとして再生され、 エコーの位相がスピン・ロッキング・シーケンスの位相により指示される。この ハイブリッド・シーケンスは、応答信号の信号/雑音比を改善するという先に述 べたシーケンスに勝る利点を持ち得る。 本文に述べた本発明の望ましい実施形態に関して要約すると、以下のように述 べることができる。即ち、 (a)干渉信号は、位相等化の原理に従う時、適切な位相偏移/位相循回手法に より除去することができる。付随する利点は、プローブおよびレシーバ・システ ムにおけるリング・ダウンにおけるある明らかな低減がパルスのブレイクスルー における低減により達成可能であることである。 (b)位相循回スピン・ロッキング・シーケンスは、広範囲のフリップ角度にわ たる1つのパルスに続く自由誘導減衰に対比し得る強さの自由誘導減衰を生じる ことができ、全てのスプリアスなリング・ダウンの完全な排除が第2のパルスか ら生じる。3.41MHzのRDX線の場合には、第1のパルスからのいかなる 干渉信号の完全な減衰を可能にするため、1ないし2ミリ秒間のスピン・ロッキ ング時間が予測できる。 (c)位相循回シーケンス(phase cycled sequence)は 、初期準備パルスを除く全てからの全ての干渉信号のほとんど完全な抑制と共に エコーを生成することができる。RDXの3.41MHz線の場合は、おそらく は最も短いパルス間隔が望ましく思われ、τ=0.25ミリ秒の値が、119°actual のフリップ角度の集積エコー強さと関連して僅かに3.4の33°actual のフリップ角度に対する集積エコー強さにおける損失を生じる。 本発明が本文において単に事例として記述され、細部の修正が本発明の範囲内 で可能であることが理解されよう。 本文の記述、および(適切な場合に)請求の範囲および図面に開示された各特 徴は、独立して、あるいは任意の適切な組合わせにおいて提供することができる 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,CN,FI,J P,RU,SG,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号と干渉するス プリアス信号を生じる第2の種類の物質とを含むサンプルを核四極子共鳴テスト する方法において、 少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスを前記サンプルに印加して 、核四極子共鳴を励起するステップと、 応答信号を検出するステップと、 前記対のパルスの各々について、該対の2つの要素パルスに続く各応答信号を 比較するステップと、 を含み、 前記パルス・シーケンスが、前記2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が 、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、比較によって少 なくとも部分的に打ち消されることが可能である如きものであり、 前記対の各々について、前記2つの要素パルスが類似の位相である 方法。 2.前記各対のパルスについて、該対の各要素パルスに先行する各パルスが異な る位相である請求項1記載の方法。 3.前記対のパルスの各々が第1のタイプであり、前記パルス・シーケンスが更 に、前記第1のタイプの対に対応するが循回された位相を有する少なくとも1つ の更なる第2のタイプのパルス対を含む請求項1または2のいずれかに記載の方 法。 4.前記各対のパルスについて、該対の各要素パルスに先行する各パルスと、該 対の各要素パルスに続く各応答信号の検出ステップにおける検出との間の時間が 、スプリアス信号が前記時間の終りまでにその初期値の50%より小さく減衰す るために充分である請求項1ないし3のいずれか一つに記載の方法。 5.前記パルス・シーケンスが、各々が、第1の個々のパルス・シーケンスの場 合には、各対の1つの各要素パルスが続き、かつ第2の個々のシーケンスの場合 には、各対の他の各要素パルスが続く初期パルスを含んでいる、第1および第2 の個々のパルス・シーケンスを含み、該第1および第2の個々のシーケンスの初 期パルスが位相に関して異なる、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の方法 。 6.前記パルス・シーケンスが第1および第2のパルスを含み、該第1および第 2のパルス間の時間が第2のパルスの長さより小さいことが望ましく、該第2の パルスが前記第1のパルスにより生成される磁化を少なくとも部分的にロックす る請求項1ないし5のいずれか一つに記載の方法。 7.四極子核を含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法において、 少なくとも1つの第1のパルスと第2のパルスとを含むパルス・シーケンスを サンプルに印加して、核四極子共鳴を励起するステップであって、前記第1と第 2のパルス間の時間が前記第2のパルスの長さより小さく、前記第2のパルスが 前記第1のパルスにより生成される磁化を少なくとも部分的にロックすることと 、 応答信号を検出するステップと を含む方法。 8.前記第2のパルスの長さが、前記四極子核の値T1 ρの5倍より小さい請求 項6または7のいずれかに記載の方法。 9.前記第2のパルスが2つの位相交番要素を含む請求項6ないし8のいずれか 一つに記載の方法。 10.前記第2のパルスが、前記2つの位相交番要素とは異なる位相を有する請 求項9記載の方法。 11.前記第2のパルスの長さが、前記第1のパルスの長さの望ましくは75% より大きくなく、更に望ましくは50%より大きくない請求項6ないし10のい ずれか一つに記載の方法。 12.前記第2のパルスの位相が前記第1のパルスの位相と直行関係にある請求 項11記載の方法。 13.前記第1および第2のパルスにより生成された磁化を少なくとも部分的に ロックし、前記第1および第2のパルスの位相の中間の位相であることが望まし い第3のパルスを含む請求項6ないし12のいずれか一つに記載の方法。 14.前記第1および第2のパルスの少なくとも1つが異なる位相の複数の要素 を含む請求項6ないし13のいずれか一つに記載の方法。 15.前記第1および第2のパルスの位相が、少なくとも2つの異なる周波数で 励起ピークを一緒に生じるように構成される請求項6ないし14のいずれか一つ に記載の方法。 16.前記パルス・シーケンスが少なくとも1つのスピン・ロッキング・パルス ・シーケンスを含む請求項1ないし5のいずれか一つに記載の方法。 17.前記パルス・シーケンスが、関連する0°と180°、あるいは0°、9 0°、180°および270°のみを有するパルスを含むエコー生成シーケンス である請求項1ないし5のいずれか一つに記載の方法。 18.前記パルス・シーケンスが、少なくとも1つの個々の位相交番シーケンス と、1つの第1の非位相交番シーケンスと、該第1の非位相交番シーケンスと交 番的な位相を有する1つの第2の非位相交番シーケンスとを含む請求項1ないし 5のいずれか一つに記載の方法。 19.前記パルス・シーケンスが、排他的に45°effectiveより小さいフリッ プ角度を用いるエコー生成シーケンスを含む請求項1ないし5、あるいは請求項 16ないし18のいずれか一つに記載の方法。 20.前記パルス・シーケンスが、パルス間隔がそれぞれの場合に等しくない複 数のパルスを含む請求項1ないし5、あるいは請求項16ないし19のいずれか 一つに記載の方法。 21.前記パルス・シーケンスが、エコーの最大値がそれぞれの場合にパルスと 一致しないように構成された複数のエコー生成パルスを含む請求項1ないし5、 あるいは請求項16ないし20のいずれか一つに記載の方法。 22.真の四極子共鳴信号が、勾配、曲率あるいは形状に応じてスプリアス信号 から弁別される請求項1ないし5、あるいは請求項16ないし21のいずれか一 つに記載の方法。 23.四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号と干渉する スプリアス信号を生じる第2の種類の物質とを含むサンプルを核四極子共鳴テス トする装置において、 少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスを前記サンプルに印加して 、核四極子共鳴を励起する手段と、 応答信号を検出する手段と、 前記各対のパルスについて、該対の2つの要素パルスに続く各応答信号を比較 する手段と、 を備え、 前記パルス・シーケンスが、前記2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が 、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、前記比較手段に よって少なくとも部分的に打ち消すことができる如きものであり、 前記各対のパルスについて、前記2つの要素パルスが類似の位相である装置。 24.前記各対のパルスについて、該対の各要素パルスに先行する各パルスが異 なるパルスである請求項23記載の装置。 25.前記各対のパルスが第1のタイプであり、前記パルス・シーケンスが更に 、各第1のタイプの対に対応するが循回位相を有する少なくとも1つの更なる第 2のタイプのパルス対を含む請求項23ないし24のいずれか一つに記載の装置 。 26.前記パルス・シーケンスが、第1および第2の個々のパルス・シーケンス を含み、それぞれが、第1の個々のパルス・シーケンスの場合は各対の各個の要 素パルスが続き、かつ第2の個々のシーケンスの場合は前記各対の他の各要素パ ルスが続く初期パルスを含み、前記第1および第2の個々のシーケンスの初期パ ルスが位相に関して異なる請求項23、24または25のいずれか1つに記載の 装置。 27.四極子核を含む第1の種類の物質と、該四極子核からの応答信号に干渉す るスプリアス信号を生じる第2の種類の物質とを含むサンプルにおいて核四極子 共鳴を励起するパルス・シーケンスにおいて、少なくとも1対のパルスを含み、 該パルス・シーケンスが、前記対の2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が 、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく少なくとも部分的 に打ち消すことができる如きものであり、前記各対について、前記2つの要素パ ルスが類似の位相であるパルス・シーケンス。 28.本文に実質的に記述されたサンプルを核四極子共鳴テストする方法。 29.添付図面の図1ないし図19のいずれかに関して実質的に記述され、かつ 該図面に示されたサンプルを核四極子共鳴テストする装置。 30.添付図面の図1ないし図19のいずれかに関して実質的に記述され、かつ 該図面に示された核共鳴を励起するパルス・シーケンス。
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