JPH1149769A - ヘテロ5員環縮合ベンゼン系テロメラーゼ阻害剤 - Google Patents

ヘテロ5員環縮合ベンゼン系テロメラーゼ阻害剤

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JPH1149769A
JPH1149769A JP20585297A JP20585297A JPH1149769A JP H1149769 A JPH1149769 A JP H1149769A JP 20585297 A JP20585297 A JP 20585297A JP 20585297 A JP20585297 A JP 20585297A JP H1149769 A JPH1149769 A JP H1149769A
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sulfur
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JP20585297A
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Gaeta Federico
フェデリコ・ガエタ
Garan Adam
アダム・ギャラン
Stracker Elaine
エレイン・ストラッカー
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Geron Corp
Original Assignee
Geron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非−悪性細胞には影響を及ぼさずに、不死化
のまま維持するにはテロメラーゼ活性を必要とする悪性
細胞、特に癌を、選択的かつ効果的に治療する治療剤の
提供。 【解決手段】 基本構造式: 【化1】 で示されるテロメラーゼ阻害性化合物またはその医薬上
許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト・テロメアD
NA合成に関与するリボ核蛋白質酵素であるヒト・テロ
メラーゼ、およびテメロラーゼ活性を阻害する化合物に
関する。本発明は、分子生物学、化学、薬理学、腫瘍学
ならびに医薬および診断技術の分野に関連する化合物お
よび組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】染色体の末端は「テロメア」と呼ばれる
オリゴヌクレオチド配列からなる。細胞分裂の間に、テ
ロメアは、有糸分裂の間における染色体DNAの不完全
な複製のために短くなる。テロメアがある臨界的長さに
達すると、残存するDNAは不安定になり;短くなった
DNAを含む細胞は、典型的には老化に入り、結局は死
滅する。老化および細胞死のこのパターンは酵素テロメ
ラーゼを含有する細胞では観察されない。テロメラーゼ
は、該酵素のRNA成分内に含有される配列を鋳型とし
て用いて、テロメリックDNAの一方の鎖を合成するリ
ボ核蛋白質酵素である。かくして、テロメラーゼ活性を
有する細胞は、典型的には、老化を受けず、従って、不
死を維持できる。テメロラーゼ活性は、皮膚、結合組
織、蓄積脂肪、乳房、肺、胃、膵臓、卵巣、頸部、子
宮、腎臓、膀胱、結腸、前立腺、中枢神経系(CN
S)、網膜および血液腫瘍細胞系を含めた、全ての悪性
腫瘍のうち85%を超えるもので見出されている。テロ
メラーゼ活性を検出する方法、ならびにテロメラーゼ活
性を調節するか、またはそれに影響する化合物を同定す
る方法が、テロメラーゼの長さおよびテロメラーゼ活性
を制御することによって細胞の老化および不死化を治療
および診断する方法と共に開示されている。Fengら、19
95、Science, 269:1236-1241;Kimら、1994、Science,
266:2011-2014;および1993年11月25日に公開された
WO93/23572号参照。
【0003】テロメラーゼ活性を阻害する化合物の同定
は、ヒトの疾患を治療する努力に対して重要な利益を供
する。癌細胞はテロメラーゼ活性を発現し、正常ヒト体
細胞は生物学的に重要なレベルにて(すなわち、何回も
の細胞分裂にわたってテロメアの長さを維持するのに十
分なレベルにて)テロメラーゼ活性を発現しないので、
テロメラーゼ活性を阻害する化合物は癌を治療するのに
使用できる。不運なことに、かかる化合物はほとんど同
定され特徴付けされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、テロメラーゼ
阻害剤として作用する化合物、および癌その他テロメラ
ーゼ活性が異常に存在する疾患を治療するための組成物
および治療剤に対する要望が存在する。本発明はこれら
の要望および他の要望を満足するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、テロメラーゼ
活性を有する細胞を標的化することによって悪性疾患を
治療するための、非常にユニークで、特異的かつ効果的
な治療剤、化合物および組成物を提供する。本発明の治
療剤、化合物および組成物は広範な悪性細胞タイプに適
用でき、非特異的であって過度に毒性であるという現行
の癌療法に固有の問題を回避できる。
【0006】第1の態様において、本発明は、以下に示
す構造式:
【化9】 を有する化合物(その医薬上許容される塩を含む)を治
療上有効量で哺乳動物に投与するための癌治療用の剤お
よび組成物を提供する。
【0007】化合物Iにおいて、Yは酸素、硫黄、スル
ホニル、スルフィニル、および−NR7−よりなる群か
ら選択される。R1は−TR8であり、ここに、Tは−C
(X1)−または−SO2−であって、R8は−OR9、−
NHNHSO29、−NHNHC(X2)OR9、−NR
910、−NHNHC(X2)NR910、−NHCR9
10(X2)NR1112、−NHC(X2)NR910、お
よび以下に示すピペラジニル基:
【化10】 (式中、nは0または1であって、n=1についてのQ
nは−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
−である)よりなる群から選択される。R2−R6は、独
立して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、ア
ルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロ
ゲン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリール
カルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバ
ミド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカル
バミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカル
バミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリール
チオカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールア
ミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール
アルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカ
ルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミ
ノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリール
アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキ
シ、アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、
アルキルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミ
ド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキ
ルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ
およびアリールチオよりなる群から選択される。X1
よびX2は、独立して、酸素、および硫黄よりなる群か
ら選択される。R7およびR9−R12は、独立して、水
素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロサイク
ル、およびヘテロサイクルアルキルよりなる群から選択
される。
【0008】もう1つの態様において、本発明は、Tが
−C(X1)−であり、それによりR1が−C(X1)R8
と定義される前記の化合物Iの構造式を有する新規な化
合物を提供する。しかしながら、本発明の化合物に関し
ては、もしTが−C(X1)−で、R8が−NHNHC
(X2)NR910である場合、すなわちR1が−C
(X1)NHNHC(X2)NR910である場合、Yが
硫黄であり、X1が酸素であり、X2が硫黄でありR2
クロロであり、R3、R4、R6およびR9が水素であっ
て、R5がメトキシまたは水素であれば、R10はメチ
ル、フェニルまたはパラ位でメトキシもしくはクロロで
置換されたフェニルではない。また、Tが−C(X1
−であり、R8が−NHNHC(X2)NR910であ
り、かつ、Yが硫黄であり、X1が酸素であり、X2が硫
黄であって、R2がクロロであり、R3−R6およびR9
水素であれば、R10はパラ−メチルフェニル、非置換ベ
ンジルまたは非置換アリルではない。
【0009】本発明の好ましい具体例は、Tが−C(X
1)−であって、R8が−NHNHC(X2)NR910
あり、R9が水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄
であり、R10がフェニルまたは置換フェニルであって、
2−R6が、独立して、水素、アミノ、ニトロ、シア
ノ、アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキシル、ア
リールオキシル、アラルコキシル、アリールチオカルバ
ミド、アルキルチオ、およびアリールチオよりなる群か
ら選択される化合物1の誘導体を含む。化合物Iのこれ
らの好ましい誘導体の中で、Tが−C(X1)−であ
り、R8が−NHNHC(X2)NR910であり、R9
水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、R2
−R4がクロロであり、R5およびR6が水素であり、Y
が硫黄であって、R10が2,3,4,5−テトラクロロ
フェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロ
ロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,3,4−
トリクロロフェニル、2,5−ジブロモフェニル、3,
5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2−(4−
メチルフェニルチオ)フェニル、2−ナフチル、2,
4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロ
フェニル、および4−クロロフェニルよりなる群から選
択されるものは強力な抗−テロメラーゼ活性を有するこ
とが見出された。
【0010】前記誘導体は、有害なテロメラーゼ活性の
阻害剤として多くの価値ある用途、最も重要には、ヒト
において癌を治療するための用途を有する。本発明の医
薬組成物は、エクス・ビボでの癌細胞を殺すための本発
明のテロメラーゼ阻害剤の使用によって証明されるごと
く、癌細胞をイン・ビボで殺す治療方法で使用できる。
かくして、本発明は、ヒトおよび他の哺乳動物(例え
ば、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、雄ウシ、ブタならびにネコ
およびイヌのごとき獣医的興味のある動物)において癌
を治療するための治療用組成物、および癌の治療剤を提
供する。
【0011】本発明のこれらおよび他の特徴は、関連す
る構造式および表を参照して以下に詳細に記載する。
【0012】
【発明の実施の形態】
I.定義 本明細書で用いる「アルキル」なる語は、約1個および
約20個の間の炭素原子、より好ましくは約1個および
約10個の間の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、または環
状の炭化水素鎖のフラグメントまたは基(例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロ
ブチル、アダマンチル、ノルアダマンチル等)をいう。
また、8個以下の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または
環状の炭化水素鎖を本明細書では「低級アルキル」とい
う。炭化水素鎖は、さらに、1以上の不飽和度、すなわ
ち、1以上の二重もしくは三重結合を含んでもよい(例
えば、ビニル、プロパルギル、アリル、2−ブテン−1
−イル、2−シクロペンテン−1−イル、1,3−シク
ロヘキサジエン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−
イル等)。また、前記したごとき二重結合を含むアルキ
ル基を本明細書では「アルケン」ともいう。同様に、三
重結合を有するアルキル基を本明細書では「アルキン」
ともいう。しかしながら、環状アルキル基に関して使用
するごとく、二重および/または三重結合の組合せは、
環状炭化水素鎖を芳香族とする結合配置を含まない。
【0013】加えて、本明細書で用いる「アルキル」な
る語は、さらに、炭化水素のフラグメントまたは基の1
以上の炭素原子において1以上の置換を含む。かかる置
換は、限定されるものではないが、アリール;ヘテロサ
イクル;(例えば、トリフルオロメチルすなわち−CF
3を形成するための)ハロゲン;ニトロ(−NO2);シ
アノ(−CN);(本明細書で「ヒドロキシ」ともい
う)ヒドロキシル、(本明細書で「アルコキシ」ともい
う)アルコキシルまたは(本明細書で「アリールオキ
シ」ともいう、−OR)アリールオキシル;チオまたは
メルカプト、アルキルまたはアリールチオ(−SR);
アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキル
−またはジアリールアミノ、またはアリールアルキルア
ミノ(−NRR’);アミノカルボニル、アルキルアミ
ノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキル
アミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニルまたは
アリールアルキルアミノカルボニル(−C(O)NR
R’);カルボキシル、またはアルキル−もしくはアリ
ールオキシカルボニル(−C(O)OR);カルボキシ
アルデヒド、またはアリール−もしくはアルキルカルボ
ニル(−C(O)R);イミニル、アリール−もしくは
アルキルイミニル(−C(=NR)R’);スルホ(−
SO2OR);アルキル−もしくはアリールスルホニル
(−SO2R);カルバミド(−HNC(=O)NR
R’);またはチオカルバミド(−HNC(=S)NR
R’)を含み;ここに、RおよびR’は、独立して、水
素、前記定義のアリールまたはアルキルである。複素環
基を含む置換基(すなわち、ヘテロサイクル、ヘテロア
リール、およびヘテロアラルキル)は前記用語と同様に
して定義される。例えば、「ヘテロサイクルオキシ」な
る語は、基−OR(Rは後記定義のヘテロサイクルであ
る)をいう。
【0014】「メチレン」なる語は、基−CH2−をい
う。「メチン」なる語は、1つの水素原子が前記した置
換基によって置き換えられたメチレン基をいう。また、
「メチン」なる語は、1つの水素原子がsp2−混成炭
素中心を形成するための結合によって置き換えられたメ
チレン基(すなわち、−CH=)をいうこともできる。
【0015】「第四級炭素」なる語は、両水素原子が前
記した2つの独立した置換基によって置き換えられたメ
チレン基をいう。また、「第四級炭素」なる語は1つの
水素原子がsp2−混成炭素中心を形成するための結合
によって置き換えられ、他の水素原子が前記した置換基
によって置き換えられたメチレン基(すなわち、−CR
=)、または両水素原子がsp−混成炭素中心を形成す
るための結合によって置き換えられたメチレン基(すな
わち、−C≡)をいうこともできる。
【0016】本明細書で使用する「ハロゲン」なる語
は、置換基フルオロ、ブロモ、クロロ、およびヨードを
いう。本明細書で使用する「カルボニル」なる語は、官
能基−C(O)−をいう。しかしながら、この基は、チ
オカルボニル(−C(S)−);スルフィニル(−S
(O)−);スルホニル(−SO2−)、ホスホニル
(−PO2−)、およびメチレン(−C(CH2)−)の
ごとき、同様の電子的および/または立体的特性を有す
るよく知られた基で置き換えられていてもよいことは認
識されるであろう。他のカルボニル同等体は医薬および
有機化学分野の当業者が精通しているであろう。
【0017】本明細書で使用する「アリール」なる語
は、20以下の炭素原子を有する環状芳香族炭化水素
鎖、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニルおよびア
ントラセニルをいう。また、該アリール基の1以上の炭
素原子は、例えば、アルキル;アリール;ヘテロサイク
ル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;ヒドロキシル、アルコ
キシルまたはアリールオキシル;チオまたはメルカプ
ト、アルキル−もしくはアリールチオ;アミノ、アルキ
ルアミノ、アリールアミノ、ジアルキル−、ジアリール
−、もしくはアリールアルキルアミノ;アミノカルボニ
ル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボ
ニル、ジアルキルアミノカルボニル、ジアリールアミノ
カルボニルまたはアリールアルキルアミノカルボニル;
カルボキシル、またはアルキル−もしくはアリールオキ
シカルボニル;カルボキシアルデヒド、またはアリール
−もしくはアルキルカルボニル;イミニル、またはアリ
ール−もしくはアルキルイミニル;スルホ;アルキル−
もしくはアリールスルホニル;ヒドロキシイミニル、ま
たはアリール−もしくはアルコキシイミニル;カルバミ
ド;またはチオカルバミドで置換されていてもよい。加
えて、アリール基の2以上のアルキルまたはヘテロアル
キル置換基は組み合さって、縮合したアリール−アルキ
ルまたはアリール−ヘテロアルキル環系(例えば、テト
ラヒドロナフチル)を形成することもできる。複素環基
を含めた置換基(例えば、ヘテロサイクルオキシ、ヘテ
ロアリールオキシ、およびヘテロアラルキルチオ)は前
記用語と同様に定義される。
【0018】本明細書で使用する「アラルキル」なる語
は、前記したアルキル基によって親構造に結合したアリ
ール基、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、フェ
ネチル等をいう。
【0019】本明細書で使用する「ヘテロサイクル」
(「複素環基」)なる語は、1以上の炭素原子が非炭素
原子、特に窒素、酸素、または硫黄によって置き換えら
れた前記定義の環状アルキル基またはアリール基をい
う。また、本明細書では、非芳香族ヘテロサイクルは
「環状ヘテロアルキル」ともいう。芳香族ヘテロサイク
ルは本明細書では「ヘテロアリール」ともいう。例え
ば、かかる基はフリル、テトラヒドロフリル、ピロリ
ル、ピロリジニル、チエニル、テトラヒドロチエニル、
オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チア
ゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピラゾリジニ
ル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリ
ル、イミダゾリニル、ピリジル、ピリダジニル、トリア
ジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニ
ル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ナフチ
リジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリ
ル、インドリニル、インドリジニル、インダゾリル、キ
ノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニ
ル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、プ
テリジニル、キヌクリジニル、カルバゾリル、アクリジ
ニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジ
ニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリ
ル、およびベンゾオキサゾリルを含む。
【0020】前記ヘテロサイクルは、さらに、ヘテロサ
イクル基の1以上の炭素および/または非炭素原子にて
1以上の置換基、例えば、アルキル;アリール;ヘテロ
サイクル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;ヒドロキシル;
アルコキシルまたはアリールオキシル;チオまたはメル
カプト、アルキル−もしくはアリールチオ;アミノ、ア
ルキル−、アリール−、ジアルキル−、ジアリール、も
しくはアリールアルキルアミノ;アミノカルボニル、ア
ルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボ
ニルまたはアリールアルキルアミノカルボニル;カルボ
キシル、またはアルキル−もしくはアリールオキシカル
ボニル;カルボキシアルデヒド、またはアリールもしく
はアルキルカルボニル;イミニル、またはアリール−も
しくはアルキルイミニル;スルホ;アルキル−もしくは
アリールスルホニル;ヒドロキシイミニル、またはアリ
ール−もしくはアルコキシイミニル;カルバミド;また
はチオカルバミドを含んでもよい。加えて、2以上のア
ルキル置換基を組み合わせて、縮合したヘテロサイクル
−アルキルまたはヘテロサイクル−アリール環系を形成
することもできる。複素環基を含む置換基(例えば、ヘ
テロサイクルオキシ、ヘテロアリールオキシ、およびヘ
テロアラルキルチオ)は前記用語と同様に定義される。
【0021】「ヘテロサイクルアルキル」なる語は、前
記した1以上のアルキル基によって親構造に結合したヘ
テロサイクル基、例えば、2−ピペリジルメチル等をい
う。本明細書で使用する「ヘテロアラルキル」なる語
は、前記の1以上のアルキル基によって親構造に結合し
たヘテロアリール基、例えば、2−チエニルメチル等を
いう。
【0022】II.テロメラーゼ阻害剤 1つの態様において、本発明は、以下の化合物Iとして
示される一般構造式を有する化合物およびその医薬上許
容される塩に関する医薬組成物および癌治療剤を提供す
る。
【化11】
【0023】前記化合物Iにおいて、Yは酸素、硫黄、
スルホニル、スルフィニル、および−NR7−よりなる
群から選択され、R1は−TR8であり、ここに、Tは−
SO2−または−C(X1)−であって、R8は−OR9
−NHNHSO29、−NHNHC(X2)OR9、−N
910、−NHNHC(X2)NR910、−NHCR9
10C(X2)NR1112、−NHC(X2)NR
910、および以下に示すピペラジニル基:
【化12】 (式中、nは0または1であり、n=1についてのQn
は−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
−である)よりなる群から選択される。R2−R6は、独
立して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、ア
ルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロ
ゲン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリール
カルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバ
ミド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカル
バミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカル
バミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリール
チオカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールア
ミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール
アルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカ
ルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミ
ノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリール
アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキ
シ、アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、
アルキルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミ
ド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキ
ルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ
およびアリールチオよりなる群から選択される。X1
よびX2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から
選択される。R7およびR9−R12は、独立して、水素、
アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、お
よびヘテロサイクルアルキルよりなる群から選択され
る。
【0024】本発明は、化合物Iの構造式を有する新規
な化合物も提供する。しかしながら、本発明の化合物に
関しては、もしTが−C(X1)−であって、R8が−N
HNHC(X2)NR910(すなわち、R1が−C
(X1)NHNHC(X2)NR910)である場合、Y
が硫黄であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、R
2がクロロであり、R3、R4、R6、およびR9が水素で
あって、R5がメトキシまたは水素であれば、R10はメ
チル、フェニルまたはパラ位にてメトキシまたはクロロ
で置換されたフェニルではない。また、Tが−C
(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2)NR910
であり、Yが硫黄であり、X1が酸素であり、X2が硫黄
であり、R2がクロロであり、R3−R6およびR9が水素
である場合、R10はパラ−メチルフェニル、非置換ベン
ジルまたは非置換アリルではない。
【0025】1つの具体例において、本発明は、Tが−
C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2)NR9
10であり、R9が水素であって、X1およびX2が、独立
して、酸素または硫黄である前記化合物Iの誘導体を提
供する。この置換基パターンを有するさらに特別な具体
例は、R10がアリール、アラルキル、またはヘテロアリ
ールであるものである。なおより特別なのは、T、
8、R9、X1およびX2が前記定義と同義であって、R
10がフェニルまたは置換フェニルである具体例である。
よりさらに特別な具体例は、Tが−C(X1)−であ
り、R8が−NHNHC(X2)NR910であり、R9
水素であり、X1およびX2が、独立して、酸素または硫
黄であり、R10がフェニルまたは置換フェニルであっ
て、R2−R6が、独立して、水素、アミノ、ニトロ、シ
アノ、アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキシル、
アリールオキシル、アラルコキシル、アリールチオカル
バミド、アルキルチオ、およびアリールチオよりなる群
から選択されるものである。
【0026】前記化合物Iのより特別な具体例は、Tが
−C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2)NR9
10であり、R9が水素であり、X1が酸素であり、X2
が硫黄であり、R10がフェニルまたは置換フェニルであ
って、R2−R6が、独立して、水素、アミノ、ニトロ、
シアノ、アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキシ
ル、アリールオキシル、アラルコキシル、アリールチオ
カルバミド、アルキルチオ、およびアリールチオよりな
る群から選択されるものである。本発明によって提供さ
れる化合物Iのなおより特別な具体例は、前記の置換基
を有するが、R2が水素またはハロゲンであるものであ
る。本発明によって提供される化合物Iの他の誘導体
は、R1が−C(X1)NHNHC(X2)NR910であ
り、R9が水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄で
あり、R10がフェニルまたは置換フェニルであり、R2
が水素またはハロゲンであり、R3−R6が、独立して、
水素、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、
ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコ
キシル、アリールチオカルバミド、アルキルチオ、およ
びアリールチオよりなる群から選択され、Yが硫黄であ
るものである。
【0027】有用な抗−テロメラーゼ特性を有する化合
物Iの誘導体は、Tが−C(X1)−であり、R8が−N
HNHC(X2)NR910であり、R9が水素であり、
1が酸素であり、X2が硫黄であり、R10がフェニルま
たは置換フェニルであって、R3−R6が、独立して、水
素、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、ハ
ロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキ
シル、アリールチオカルバミド、アルキルチオ、および
アリールチオよりなる群から選択され、R2が水素であ
って、Yが硫黄であるものを含む。特に、Tが−C(X
1)−であり、R8が−NHNHC(X2)NR910であ
り、Yが硫黄であり、R9が水素であり、X1が酸素であ
り、X2が硫黄であり、R2、R3、R5およびR6が水素
であり、R4がN−(4−メチルフェニル)チオカルバ
ミドであって、R10が2,5−ジクロロフェニルである
化合物Iの誘導体(化合物II)が、後記の表1に示す
ごとく良好な抗−テロメラーゼ活性を有することが見出
された。
【0028】本発明によって提供される有用なテロメラ
ーゼ阻害特性を有する化合物Iの他の誘導体は、Tが−
C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2)NR9
10であり、R2、R3、R5、R6およびR9が水素であ
り、R4がN−[2−(4−メチルフェニルチオ)フェ
ニル]チオカルバミドであって、R10が2−(4−メチ
ルフェニルチオ)フェニルであるもの(化合物II
I)、およびTが−C(X1)−であり、R8が−NHN
HC(X2)NR910であり、R2、R3、R5、R6およ
びR9が水素であり、R4がN−(3−メチルフェニル)
チオカルバミドであって、R10が3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニルであるもの(化合物IV)、2
−(4−メチルフェニルチオ)フェニルであるもの(化
合物V)、または4−(メチルチオ)フェニルであるも
の(化合物VI)を含む。
【0029】本発明により提供される化合物Iの他の具
体例において、Tは−C(X1)−であり、R8は−NH
NHC(X2)NR910であり、R2−R6およびR9
水素であり、X1は酸素であり、X2は硫黄であり、R10
は2,5−ジクロロフェニルであって、Yは硫黄である
(化合物VII)。特に有用なテロメラーゼ阻害剤は、
1が−C(X1)NHNHC(X2)NR910であり、
2−R5およびR9が水素であり、X1が酸素であり、X
2が硫黄であり、R10が2,4,5−トリクロロフェニ
ル、2,3,4,5−テトラクロロフェニル、および2
−(4−メチルフェニルチオ)フェニルよりなる群から
選択され、R6がフルオロであって、Yが硫黄であるも
の(各々、化合物VIII、IXおよびX)である。
【0030】また、本発明は、Tが−C(X1)−であ
り、R8が−NHNHC(X2)NR910であり、R2
4−R6およびR9が水素であり、X1が酸素であり、X
2が硫黄であり、R3がクロロであり、Yが硫黄であっ
て、R10が2,4,5−トリクロロフェニル(化合物X
I)、2,3,4,5−テトラクロロフェニル(化合物
XII)、2,5−ジブロモフェニル(化合物XII
I)、2,3,4−トリクロロフェニル(化合物XI
V)、および2−(4−メチルフェニルチオ)フェニル
(化合物XV)よりなる群から選択される化合物I由来
の化合物も提供する。化合物Iの他の有用な誘導体は、
Tが−C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2
NR910であり、R9が水素であり、X1が酸素であ
り、X2が硫黄であり、R2およびR4−R6が水素であ
り、R3がフルオロであり、Yが硫黄であって、R10
4−(4−ニトロフェニルチオ)フェニルであるもの
(化合物XVI)を含む。
【0031】本発明によって提供される化合物Iの他の
誘導体は、Tが−C(X1)−であり、R8が−NHNH
C(X2)NR910であり、R9が水素であり、X1が酸
素であり、X2が硫黄であり、R10がフェニルまたは置
換フェニルであり、R3−R6が、独立して、水素、アミ
ノ、ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、ハロゲン、
アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ア
リールチオカルバミド、アルキルチオ、およびアリール
チオよりなる群から選択され、R2がハロゲンであっ
て、Yが硫黄であるものである。前記した置換基パター
ンを有する本発明によって提供される化合物Iのより特
別な誘導体は、R2がクロロであるもの、およびR2がク
ロロであって、R3およびR4が水素であるものを含む。
化合物Iのより特別な誘導体は、Tが−C(X1)−で
あり、R8が−NHNHC(X2)NR910であり、
3、R4およびR9が水素であり、X1が酸素であり、X
2が硫黄であり、R10がフェニルまたは置換フェニルで
あり、R2がクロロであり、R5が水素、アミノ、ニト
ロ、シアノ、アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキ
シル、アリールオキシル、アラルコキシル、アリールチ
オカルバミド、アルキルチオ、およびアリールチオより
なる群から選択され、R6が水素またはハロゲンであっ
て、Yが硫黄であるものである。なおより特別なのは、
Tが−C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2
NR910であり、R3、R4およびR9が水素であり、X
1が酸素であり、X2が硫黄であり、R5がメトキシであ
り、R2およびR6がクロロであり、Yが硫黄であって、
10が2,4,5−トリクロロフェニルである(化合物
XVII)か、または2,3,4,5−テトラクロロフ
ェニルである(化合物XVIII)誘導体である。
【0032】本発明によって提供される化合物Iのなお
他の誘導体は、Tが−C(X1)−であり、R8が−NH
NHC(X2)NR910であり、R3、R4、R6、およ
びR9が水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であ
り、R10がフェニルまたは置換フェニルであり、R2
クロロであり、R5が水素、アミノ、ニトロ、シアノ、
アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキシル、アリー
ルオキシル、アラルコキシル、アリールチオカルバミ
ド、アルキルチオ、およびアリールチオよりなる群から
選択され、Yが硫黄であるものである。これらの誘導体
の中では、R5が水素であって、R10が2,3,4,5
−テトラクロロフェニルである誘導体(化合物XIX)
が、有用な抗−テロメラーゼ特性を有することが見出さ
れた。有用なテロメラーゼ−阻害特性を有するなお他の
化合物は、Tが−C(X1)−であり、R8が−NHNH
C(X2)NR910であり、R3、R4、R6およびR9
水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、R5
がメトキシであり、R2がクロロであり、Yが硫黄であ
って、R10が2,4,5−トリクロロフェニル(化合物
XX)、2,3,4,5−テトラクロロフェニル(化合
物XXI)、または2,3,4−トリクロロフェニル
(化合物XXII)であるものである。
【0033】もう1つの具体例において、本発明は、T
が−C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2)N
910であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、
10が2,3−ジクロロフェニルであり、R3、R4、R
6およびR9が水素であり、R5がメチルであり、R2がク
ロロであって、Yが硫黄である化合物Iの一般構造式を
有する化合物(化合物XXIII)を提供する。また、
Tが−C(X1)−であり、R8が−NHNHC(X2
NR910であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であ
り、R3、R4、R6およびR9が水素であり、R5がフェ
ニルであり、R2がクロロであり、Yが硫黄であって、
10が2,4,5−トリクロロフェニル(化合物XXI
V)、2,3,4,5−テトラクロロフェニル(化合物
XXV)、2,3−ジクロロフェニル(化合物XXV
I)、2,5−ジクロロフェニル(化合物XXVI
I)、2,5−ジブロモフェニル(化合物XXVII
I)、および2,4,6−トリクロロフェニル(化合物
XXIX)よりなる群から選択される具体例も提供す
る。
【0034】化合物Iについて前記に示す一般式を有す
る本発明のさらなる具体例は、Tが−C(X1)−であ
り、R8が−NHNHC(X2)NR910であり、R9
水素であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、R2
−R4がクロロであり、R5およびR6が水素であり、Y
が硫黄であって、R10が2,3,4,5−テトラクロロ
フェニル(化合物XXX)、2,3−ジクロロフェニル
(化合物XXXI)、2,4−ジクロロフェニル(化合物
XXXII)、2,5−ジクロロフェニル(化合物XX
XIII)、2,3,4−トリクロロフェニル(化合物
XXXIV)、2,5−ジブロモフェニル(化合物XX
XV)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル
(化合物XXXVI)、2−(4−メチルフェニルチ
オ)フェニル(化合物XXXVII)、2−ナフチル
(化合物XXXVIII)、2,4,5−トリクロロフ
ェニル(化合物XXXIX)、2,4,6−トリクロロ
フェニル(化合物XL)、および4−クロロフェニル
(化合物XLI)よりなる群から選択されるものを含
む。
【0035】III.テロメラーゼ阻害剤の合成 本発明の化合物は、例えば、ここに参照のために挙げる
MarchのADVANCED ORGANIC CHEMISTRY第4版(Wiley 199
2);CareyおよびSundbergのADVANCED ORGANICCHEMISTRY
第3版、第AおよびB巻(Plenum 1992)、ならびにGree
nおよびWutsのPROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESI
S第2版(Wiley 1991)に記載されているごとく、当業者
に知られた技術および物質を用いて合成できる。本発明
の化合物のための出発物質は、標準的な技術、ならび
に、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee, WI)、Sigma Che
mical Co. (St. Louis,MO)、Lancaster Synthesis (Wi
ndham, NH)、Apin Chemicals, Ltd. (New Brunswick, N
J)、Ryan Scientific (Columbia, SC)、Maybridge (Cor
nwall, England)、Arcos(Pittsburgh, PA)、およびTr
ans World Chemicals (Rockville, MD)から入手可能の
もののごとき商業的に入手可能な前駆体物質を用いて得
ることができる。
【0036】本発明の化合物を合成するための本明細書
に記載する手法は、保護および脱保護(例えば、アセタ
ール基の形成および除去)の1以上の工程を含んでいて
もよい。加えて、以下に開示する合成手法は、カラムク
ロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄
層クロマトグラフィー(TLC)、再結晶、蒸留、高圧
液体クロマトグラフィー(HPLC)等のごとき種々の
精製法を含むことができる。また、プロトンおよび炭素
−13核磁気共鳴(1Hおよび13C NMR)、赤外お
よび紫外分光分析(IRおよびUV)、X−線結晶解
析、元素分析(EA)、HPLCおよび質量分析(M
S)のごとき化学反応生成物の同定および定量につき化
学分野でよく知られた種々の技術を同様に使用できる。
保護および脱保護、精製、同定および定量の方法は化学
分野でよく知られている。
【0037】化合物Iによって表されるクラスの化合物
は、以下の一般的方法(反応図式1)を用いて合成でき
る。置換基同定符号RおよびR’の使用は、単に、示し
た位置または部位における1以上の置換基の存在を示す
ためである。以下の反応図式1に示すRおよびR’の値
は、化合物Iの構造に関して前記した特異的部位を参照
することによって決定できる。
【0038】
【化13】
【0039】標準的な方法および手法から調製するか、
または商業的(例えば、Aldrich)に購入した適当に置
換したケイ皮酸1から出発し、還流下にて塩化チオニル
と反応させ、対応する塩化 3−クロロベンゾ[b]チ
オフェン−2−カルボニル2を得る。例えば、塩化トリ
メチルシリル(Si(CH33Cl)およびアルコール
(例えば、メタノール)を用いて酸塩化物2を反応させ
て、対応するエステル3を得る。ヒドラジドが望ましい
場合には、該誘導体は、メタノール中にてヒドラジンと
反応させてヒドラジド4を生成することによってエステ
ル3から調製できる。末端ヒドラジド窒素にカルボニル
またはチオカルボニル置換基を含むさらなるヒドラジド
誘導体は、例えば、ヒドラジド4を適当に置換したイソ
シアネートまたはイソチオシアネート5と反応させて対
応するさらなる生成物6を生成することによって調製で
きる。前記に概説した各変換の例を以下に示す。前記の
変換は当該分野でよく知られている(例えば、Reid,W.
ら、1980、Liebigs.Ann.Chem.1424-1427;Connor,D.T.
ら、1992.J.Med.Chem.35(5):958-965;Higa,T.およびK
rubsack,A.J.、1976.J.Org.Chem.41(21):3399-3403;
およびHiga,T.およびKrubsack,A.J.、1976.J.Org.Chem.
40(21):3037-3045。これら各文献の内容も本明細書の
含まれる)。
【0040】ケイ皮酸1の調製を以下の反応図式2で説
明する。対応するベンズアルデヒドから出発し、還流温
度にてピリジン溶液中でピペリジンを含むマロン酸(ま
たはマロン酸エステル)と反応させて、良好ないし最良
の収率で所望のケイ皮酸1を得る。
【0041】
【化14】
【0042】置換2−フルオロおよび2−クロロベンズ
アルデヒドから出発して4−または7−ハロベンゾ
[b]チオフェンエステルおよび5−ニトロベンゾチオ
フェンエステルを調製するための別法を以下の反応図式
3に示す。
【0043】
【化15】
【0044】対応する2−フルオロベンズアルデヒド7
から出発して、70℃にてジメチルスルフォキシド(D
MSO)中でメルカプト酢酸メチルおよびジエチルアミ
ンと反応させて、所望の4−、または7−ハロゲン−置
換2−カルボキシベンゾ[b]チオフェンメチルエステ
ル8を良好な収率で得る。同様にして、40℃、メタノ
ール中にて、2−クロロ−5−ニトロベンズアルデヒド
9をメルカプト酢酸メチルおよびナトリウム メトキシ
ドと反応させて、2−カルボキシ−5−ニトロベンゾ
[b]チオフェンメチルエステル10を得る。以下の反
応図式4に示すごとく、この生成物は、還流温度にて、
エタノール中で塩化第一スズ二水和物を用いて還元する
ことができ、2−カルボキシ−5−アミノベンゾ[b]
チオフェンメチルエステル11を形成する。
【0045】
【化16】
【0046】前記の個々の化合物を合成できるプロトコ
ールは、以下の実施例に記載する。
【0047】IV.本発明のテロメラーゼ阻害剤の抗−
腫瘍活性 本発明の化合物は、後記するごとく証明されまたは証明
できるごとくイン・ビボに対して阻害活性を示す。本発
明の化合物のイン・ビトロ活性も、本明細書に記載した
方法を用いて示すことができる。本明細書で使用する
「イン・ビトロ」なる語は、組織培養における生細胞を
用いて行われるテストをいう。かかる手法は「エクス・
ビボ」としても知られている。
【0048】テロメラーゼ活性を阻害する本発明の化合
物を同定するのに使用される1つの方法は、細胞、組
織、または好ましくは細胞抽出物またはテロメラーゼを
含有する他の調製物を、テロメラーゼ活性に適合する緩
衝液中のいくつかの既知の濃度のテスト化合物と接触さ
せることを含む。各濃度のテスト化合物についてのテロ
メラーゼ活性のレベルを測定し、化合物についてのIC
50(試料調製物で観察された活性がその元の値または対
照値の半分に降下することが観察されたテスト化合物の
濃度)を標準的な技術を用いて決定する。本明細書の開
示に基づいて当業者に明らかなごとく、テロメラーゼに
対する本発明の化合物の阻害濃度を決定する他の方法を
使用することができる。
【0049】前記方法により、本発明のいくつかの化合
物についてIC50値を決定した。以下の表1に報告する
値は近似値に過ぎず;より正確なIC50値は反復テスト
によって得ることができる。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すごとく、ほぼ全ての本発明の化
合物が強力な抗−テロメラーゼ活性(すなわち、IC 50
10μM)を有する。本発明の化合物のいくつか(I
X、XXX、XXXI、XXXVIII、およびXXX
IX)は、約5μM未満のまたはそれに等しい近似IC
50値を有する強力なテロメラーゼ阻害剤である。
【0052】前記したことより、本発明が、本発明の化
合物の投与を含む治療法を選択する方法も提供すること
は当業者に明らかであろう。かかる目的には、腫瘍細胞
からのDNAを、テロメリック(T2AG3N配列以外
の配列に特異的な制限酵素で消化することによって分析
する末端反復フラグメント(TRF)分析を行うのが助
けになろう。DNAの消化に続き、ゲル電気泳動を行っ
て、サイズに従って制限断片を分離する。次いで、分離
した断片をテロメリック配列に特異的な核酸プローブで
精査して、試料中の細胞のテロメアの長さを決定する。
テロメリックDNAの長さを測定することによって、テ
ロメラーゼ阻害剤をどの程度の期間投与すべきか、およ
び他の療法(例えば、外科手術、化学療法および/また
は照射)も使用すべきか否かを見積もることができる。
加えて、治療の間、細胞をテストして、進行する細胞分
裂にわたるテロメアの長さの減少が起こりつつあって治
療効率を示すか否かを判断することができる。
【0053】V.テロメラーゼ阻害性組成物およびそれ
を用いた疾患の治療剤 また、本発明は、癌その他テロメラーゼの阻害が効果的
な療法である疾患を治療するための医薬組成物も提供す
る。これらの組成物は、医薬上許容される担体または塩
中の治療上有効量の本発明のテロメラーゼ阻害性化合物
を含む。1つの好ましい具体例において、本発明は、哺
乳動物において癌を治療するのに有効な組成物を提供す
る。該組成物は、医薬上許容される担体中の治療上有効
量の以下に示す構造式を有する化合物(またはその医薬
上許容される塩)を含む。
【0054】
【化17】
【0055】Yは酸素、硫黄、スルホニル、スルフィニ
ル、および−NR7−よりなる群から選択され、R1は−
TR8であり、ここに、Tは−SO2−または−C
(X1)−であって、R8は−OR9、−NHNHSO2
9、−NHNHC(X2)OR9、−NR910、−NHN
HC(X2)NR910、−NHCR910C(X2)NR
1112、−NHC(X2)NR910、および以下に示す
ピペラジニル基:
【化18】 (式中、nは0または1であり、n=1についてのQn
は−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
−である)よりなる群から選択される。R2−R6は、独
立して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、ア
ルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロ
ゲン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリール
カルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバ
ミド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカル
バミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカル
バミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリール
チオカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールア
ミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール
アルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカ
ルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミ
ノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリール
アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキ
シ、アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、
アルキルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミ
ド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキ
ルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ
およびアリールチオよりなる群から選択される。X1
よびX2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から
選択される。R7およびR9−R12は、独立して、水素、
アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、お
よびヘテロサイクルアルキルよりなる群から選択され
る。
【0056】本発明の化合物は、テロメラーゼ活性が過
剰増殖細胞で見出されるいずれのタイプの過剰増殖性疾
患を治療するのにも使用できる。かかる疾患は、限定さ
れるものではないが、癌、乾癬、マルファン症候群、良
性過形成等を含む。また、ある場合には、本発明で提供
される化合物のごときテロメラーゼ阻害剤を、他の治療
剤と組み合わせるのが有用であろう。かかる治療剤はい
ずれのクラスまたは他のタイプの化合物からのものであ
ってもよい。癌を治療するには、例えば、本発明のテロ
メラーゼ阻害剤を、酪酸ナトリウムおよびトリコスタチ
ンAのごときヒストンデアセチラーゼの阻害剤を含め
た、クロマチン構造に影響し得る化合物と組み合わせる
ことができる。加えて、m−AMSA、アムサクリン、
およびアトロポシダのごときトポイソメラーゼII阻害
剤はクロマチンに影響すると考えられている。かくし
て、化合物Vのごとき、トポイソメラーゼIIに対して
阻害活性を示す本発明の化合物は、クロマチン構造に影
響させるために使用することもできる。かかる組合せの
選択は、限定されるものではないが、疾患のタイプ、患
者の年齢および一般的健康、病気進行の攻撃性、治療す
べき疾患細胞のTRF長およびテロメラーゼ活性ならび
に該組合せからなる剤を許容する患者の能力を含めた種
々の因子に依存するであろう。加えて、ある場合には、
本発明のテロメラーゼ阻害剤を、疾患の副作用を治療す
るための1以上の剤、例えば、鎮痛剤、または患者自身
の免疫応答を刺激するのに効果的な剤(例えば、コロニ
ー刺激因子)と組み合わせるのが有利であろう。
【0057】1のかかる治療組合せの例として、医薬処
方は、本発明のテロメラーゼ阻害剤、およびフマギリ
ン、フマギリン誘導体、またはAGM−1470のごと
き抗−脈管形成剤よりなる。後者の化合物は武田薬品工
業(株)から入手可能であり、他方、前者の化合物はIn
gberら,1990年12月6日,「Synthetic analogues of fu
magillin that inhibit angiogenesis and suppress tu
mor growth」, Nature 348:555-557)に記載されてお
り、該文献の内容も本明細書に含まれる。他の組合せ
は、限定されるものではないが、1種以上の抗悪性腫瘍
剤または補助剤(例えば、ホリニン酸またはMESN
A)に加えて本発明のテロメラーゼ阻害剤を含むことが
できる。
【0058】本発明の化合物との組合せに適した抗悪性
腫瘍剤は、限定されるものではないが、ブスルファン、
イムプロスルファン、およびピポスルファンのごときス
ルホン酸アルキル;ベンゾジゼパ、カルボコン、メツレ
デパ、およびウレデパのごときアジリジン;アルトレタ
ミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルア
ミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメ
チロールメラミンのごときエチレンイミン、およびメチ
ルメラミン;クロラムブシル、クロルナファジン、シク
ロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、
メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メル
ファラン、ノベンビキン、フェネステリン、プレドニム
スチン、トロホスファミド、およびウラシルマスタード
のごときナイトロジェンマスタード;カルムスチン、ク
ロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチ
ン、およびラニムスチンのごときニトロソ尿素を含めた
アルキル化剤を含む。さらなる剤はダカルバジン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトールおよび
ピポブロマンを含む。さらに他のクラスの関連剤は抗生
物質、ホルモン抗悪性腫瘍剤および抗代謝剤を含む。な
おさらに他の組合せは当業者に明らかであろう。
【0059】本発明の化合物との組合せに適したさらな
る剤は、アブリン、オーリントリカルボン酸、クロラム
フェニコール、コリシンE3、シクロヘキシミド、ジフ
テリア毒素、エデインA、エメチン、エリスロマイシ
ン、エチオニン、フルオライド、5−フルオロトリプト
ファン、フシジン酸、グアニリルメチレンジホスホネー
トおよびグアニリルイミドジホスフェート、カナマイシ
ン、カスガマイシン、キロマイシン、およびO−メチル
スレオニンのごとき蛋白質合成阻害剤を含む。さらなる
蛋白質合成阻害剤は、モデクシン、ネオマイシン、ノル
バリン、パクタマイシン、パロモマイシン、プロマイシ
ン、リシン、α−サルシン、赤痢毒素、ショウドマイシ
ン、スパルソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプ
トマイシン、テトラサイクリン、チオストレプトン、お
よびトリメトプリムを含む。硫酸ジメチル、マイトマイ
シンC、ナイトロジェンおよびサルファマスタード、M
NNGおよびNMSのごときアルキル化剤;アクリジン
色素、アクチノマイシン、アドリアマイシン、アントラ
セン、ベンゾピレン、臭化エチジウム、二ヨウ化プロピ
ジウム−インタートワイニング(intertwining)のごと
きインターカレーティング剤、およびジスタマイシンお
よびネトロプシンのごとき剤を含めたDNA合成の阻害
剤を医薬組成物中にて本発明の化合物と組み合わせるこ
ともできる。アシクビル、アデニンβ−1−D−アラビ
ノシド、アメトプテリン、アミノプテリン、2−アミノ
プリン、アフィジコリン、8−アザグアニン、アザセリ
ン、6−アザウラシル、2’−アジド−2’−デオキシ
ヌクレオシド、5−ブロモデオキシシチジン、シトシン
β−1−D−アラビノシド、ジアゾオキシノルロイシ
ン、ジデオキシヌクレオシド、5−フルオロデオキシシ
チジン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロ
ウラシル、ヒドロキシ尿素、および6−メルカプトプリ
ンのごときDNA塩基アナログを本発明の化合物と共に
組合せ治療で使用することもできる。クメルマイシン、
ナリジクス酸、ノボビオシンおよびオキソリニン酸のご
ときトポイソメラーゼ阻害剤、コルセミド、コルヒチ
ン、ビンブラスチン、およびビンクリスチンを含めた細
胞分裂の阻害剤;およびアクチノマイシンD、α−アマ
ニチン、および他の真菌アマトキシン、コルジセピン
(3’−デオキシアデノシン)、ジクロロリボフラノシ
ルベンズイミダゾール、リファンピシン、ストレプトバ
リシンおよびストレプトリジギンを含めたRNA合成阻
害剤も本発明の化合物と組み合わせて医薬組成物を供す
ることができる。
【0060】もう1つの具体例において、本発明は、テ
ロメラーゼ阻害剤を、モノクローナル抗体(例えば、ネ
ズミまたはヒト化モノクローナル抗体)のごとき標的化
剤に結合した細胞毒剤と組み合わせるかまたはそれに共
有結合させた化合物および組成物を含む。後者の組合せ
は、細胞毒剤を大きな特異性でもって癌細胞に導入する
のを可能とできることは認識されるであろう。かくし
て、細胞毒剤の活性形態(すなわち、遊離形態)は、抗
体によって標的化される細胞にのみ存在するであろう。
勿論、本発明のテロメラーゼ阻害剤は、癌に対する治療
活性を有するモノクローナル抗体と組み合わせることも
できる。
【0061】本発明のテロメラーゼ阻害剤の、テロメラ
ーゼ活性によって特徴付けられる哺乳動物疾患の治療へ
の適用に加えて、本明細書に開示されたもののごときテ
ロメラーゼ阻害剤を、テロメラーゼ活性によって特徴付
けられる農業植物病理学的生物に適用することができ
る。これらの生物は、テロメラーゼ活性が見出されてい
るCeanorhabditis elegansのごとき線虫、および真菌Us
tilago maydisのDNAが、テロメラーゼによって維持
されるタンデムTTAGGG反復を有するテロメアを示
すという判断に基づいてテロメラーゼ活性を有すること
が期待される真菌を含む。本発明のテロメラーゼ−阻害
性化合物は、単独、あるいは他のテロメラーゼ−阻害剤
および/または植物病を抑制するのに使用されている他
の剤と組み合わせて、テロメラーゼ活性を有する植物病
理学的生物に感染した植物および土壌に投与することが
できる。かかる植物病理学的生物を抑制するのに使用さ
れる組成物の抑制、およびかかる組成物を送達する適当
な方法は、農業分野における当業者によく知られてい
る。
【0062】また、線虫および恐らくは真菌がテロメラ
ーゼ活性を有するという判断は、本発明によって提供さ
れるテロメラーゼ阻害剤を用いて、ヒト、ならびにイヌ
およびネコのごとき獣医学的に興味がある動物において
線虫感染を治療することができることを示す。ヒトおよ
び動物における線虫感染は、しばしば、鉤虫または回虫
感染の形態であり、髄膜炎、心筋炎、および種々の神経
学的疾患のごとき致死的二次病の宿主に至る。かくし
て、本発明のテロメラーゼ阻害性化合物のごとき化合物
の、単独での、あるいは他のテロメラーゼ阻害剤および
/または他の治療剤と組み合わせての投与を用いて、ヒ
トおよび動物における線虫および真菌感染を抑制するこ
とができることは認識されるであろう。
【0063】一般に、本発明の化合物の適当に効果的な
用量は、1日当たり受容者の体重1kgにつき0.00
1ないし1000mgの範囲、好ましくは1日当たり体
重1kgにつき0.001ないし100mgの範囲、よ
り好ましくは1日当たり体重1kgにつき約0.1およ
び100mgの間、なおより好ましくは1日当たり体重
1kgにつき0.1ないし10mgの範囲となろう。望
ましい投与量は、好ましくは、1日の間に適当な間隔で
投与する1、2、3、4またはそれ以上のサブ用量とす
る。これらのサブ用量は、例えば、単位投与形態当たり
5ないし10000mg、好ましくは10ないし100
0mgの有効成分を含有する単位投与形態で投与するこ
とができる。好ましくは、投与量は少なくともTIDに
等しい用量で1日当たり1回で供する。
【0064】これらの療法で使用する組成物は種々の形
態とできる。これらは、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液
剤または懸濁剤、リポソーム、および注射および注入溶
液のごとき固体、半固体、および液体投与形態を含む。
好ましい形態は、意図する投与様式および療法適用に依
存する。当業者によく知られているように、組成物は、
好ましくは、通常の医薬上許容される担体およびアジュ
バントも含む。例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL S
CIENCES、Mark Publishing Co.: Easton, PA,17版(19
85)参照。好ましくは、投与は経口または(皮下、筋肉
内、静脈内、および皮膚内を含めた)非経口経路によ
る。より好ましくは、投与経路は経口である。本発明の
治療剤は、勿論、特定の病気または病気状態を治療する
ための他の剤に付随して、またはそれと組み合わせて使
用できる。
【0065】本発明の有効成分を単独で投与することが
できるが、治療剤を医薬処方または組成物の一部として
供するのが好ましい。本発明の処方は、1種以上の医薬
上または治療上許容される担体、および所望により他の
治療成分と共に、治療上または医薬上有効量の少なくと
も1種の本発明のテロメラーゼ活性阻害性化合物よりな
る。かかる処方を調製するための種々の考慮が、例え
ば、Gilmanら(編)、GOODMAN AND GILMAN'S;THE PHARMA
COLOGICAL BASES OF THERAPEUTICS、第8版、Pergamon
Press (1990);およびREMINGTON'S(前掲)に記載され
ており、これら文献の内容も本明細書に含まれる。例え
ば、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、および他の投与形
態のための投与方法がそれらで議論されている。典型的
には、予防および/または治療的処置のための医薬組成
物を投与する方法は、局所、非経口、または経口方法で
ある。経口投与が好ましい。医薬組成物は、投与方法に
応じて、種々の単位投与形態で投与できる。前記したご
とく、経口投与に適した単位投与形態は散剤、錠剤、丸
剤、およびカプセル剤を含む。
【0066】薬物の経皮経路により本発明の化合物を患
者の全身循環に送達するために局所投与することができ
る。皮膚部位は、前腕、腹、胸、背中、臀部、および乳
様突起領域のごとき、薬物を経皮投与するための解剖学
的領域を含む。化合物は、当該化合物よりなる局所処方
または当該化合物を投与する経皮薬物送達デバイスのい
ずれかを皮膚上に置くことによって皮膚に投与される。
いずれの具体例においても、送達ビヒクルは、皮膚上に
容易に置け、皮膚に快適に保持されるように設計し、そ
のような形状、サイズとし、そのように適合するように
する。
【0067】本発明の化合物に関して、種々の経皮薬物
送達デバイスを使用できる。例えば、裏打材およびアク
リレート系接着剤からなる簡便な接着性パッチを調製す
ることができる。薬物およびいずれかの浸透促進剤を接
着性キャスティング溶液に処方化することができる。該
接着性キャスティング溶液は裏打材上に直接流布するこ
とができるか、あるいは皮膚に適用して粘着性コーティ
ングを形成することができる。例えば、米国特許第4,31
0,509号;第4,560,555号;および第4,542,012号参照。
【0068】他の具体例において、本発明の化合物は、
液体貯蔵器系薬物送達デバイスを用いて送達される。こ
れらの系は、典型的には、裏打材、膜、アクリレートベ
ースの接着剤、および離型ライナーよりなる。膜を裏打
材にシールして貯蔵器を形成させる。次いで、薬物また
は化合物およびいずれかのビヒクル、促進剤、安定化
剤、ゲル化剤等を該貯蔵器に取り込ませる。例えば、米
国特許第4,597,961号;第4,485,097号;第4,608,249
号;第4,505,891号;第3,843,480号;第3,948,254号;
第3,948,262号;第3,053,255号;および第3,993,073号
参照。
【0069】裏打材、薬物/浸透促進剤マトリックス、
膜、および接着剤よりなるマトリックスパッチを使用し
て本発明の化合物を経皮送達することもできる。該マト
リックス材は、典型的には、ポリウレタン発泡体よりな
る。薬物、いずれかの促進剤、ビヒクル、安定化剤等を
発泡体前駆体と組み合わせる。該発泡体を硬化させて、
粘着性エラストマーマトリックスが得られ、これは裏打
材に直接付着させることができる。例えば、米国特許第
4,542,013号;第4,460,562号;第4,466,953号;第4,48
2,534号;および第4,533,540号参照。
【0070】また、本発明には、典型的には、非毒性の
医薬上許容される局所用担体と共に、約0.001%な
いし10%の範囲の濃度の本発明の化合物よりなる皮膚
への局所適用のための製剤が含まれる。これらの局所製
剤は、本発明による有効成分を、局所用の乾燥処方、液
状処方およびクリーム処方で常用される通常の医薬希釈
剤および担体と組み合わせることによって調製できる。
軟膏およびクリームは、例えば、適当な粘稠化剤および
/またはゲル化剤を添加して、水性または油性基剤で処
方できる。かかる基剤は、水および/または流動パラフ
ィンまたは落花生油もしくはヒマシ油のごとき植物油の
ような油を含むことができる。基剤の性質に応じて使用
できる粘稠化剤はソフトパラフィン、ステアリン酸アル
ミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、水添ラノリ
ン、蜜蝋等を含む。
【0071】ローションは、水性または油性基剤で処方
することができ、一般に、以下の:安定化剤、乳化剤、
分散剤、懸濁化剤、粘稠化剤、着色剤、香料等のうち1
種以上も含む。散剤は、いずれかの適当な粉末基剤、例
えば、タルク、ラクトース、澱粉等の助けを借りて処方
できる。滴剤は、1種以上の分散剤、懸濁化剤、安定化
剤等も含む水性基剤または非水性基剤で処方できる。本
発明の化合物の局所投与は、皮膚癌および皮膚の真菌感
染(病原真菌は、典型的には、テロメラーゼ活性を発現
する)のごとき疾患を治療するのにも好ましい。
【0072】本発明の局所医薬組成物は、1種以上の保
存剤または制菌剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸メチ
ル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレオソー
ル、塩化ベンザルコニウム等も含むことができる。ま
た、局所医薬組成物は、抗微生物剤、特に抗生物質、麻
酔剤、鎮痛剤、および鎮痒剤のごとき他の有効成分を含
有することもできる。
【0073】本発明の化合物は、粘膜を介して送達する
こともできる。経粘膜(すなわち、舌下、口腔、および
膣)薬物送達は、全身循環への活性物質の効果的な侵入
を提供し、肝臓、および腸壁叢による直後の代謝を低下
させる。経粘膜薬物投与形態(例えば、錠剤、坐薬、軟
膏、ペッサリー、膜、および粉末)は、典型的には、粘
膜との接触を保持され、崩壊しおよび/または迅速に溶
解して直ちに全身吸収される。ある種のかかる経路は、
患者が治療組成物を経口摂取できない場合でさえ使用で
きることに注意されたい。本発明のテロメラーゼ阻害剤
の送達が増強される場合、粘膜への送達用の組成物を選
択でき、例えば、結腸癌の場合、テロメラーゼ阻害剤を
送達するために坐薬を用いることができることにも注意
されたい。
【0074】口腔膜または舌下膜への送達には、典型的
には、ロゼンジ、錠剤、またはカプセル剤のごとき経口
処方を使用する。限定されるものではないが、予備製造
錠剤への薬理剤の添加;不活性充填剤、結合剤、および
(米国特許第4,806,356号に記載された)薬理剤または
該剤を含有する物質の冷圧縮;およびカプセル化を含め
たこれらの処方の製造方法は当該分野で公知である。も
う1つの経口処方は、例えば米国特許第4,940,587号に
記載されているように、セルロース誘導体のヒドロキシ
プロピルセルロースのごとき接着剤を用いて口腔粘膜に
適用できる。この口腔接着性処方は、口腔粘膜に投与し
た場合、薬理剤の口へのおよび口腔粘膜を通しての制御
放出を可能とする。
【0075】非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内また
は静脈内いずれかでの注射によって特徴付けられる。か
くして、本発明は、許容される担体に溶解または懸濁さ
せた本発明の化合物の溶液からなる静脈内投与用組成物
を提供する。注射剤は、液体溶液もしくは懸濁液とし
て、注射に先立っての液体中の溶液または懸濁液に適し
た固体形態として、または乳剤としてのいずれかの通常
の形態で調製できる。適当な賦形剤は、例えば、水、緩
衝化水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、
エタノール等である。これらの組成物は、滅菌濾過のご
とき通常のよく知られた滅菌技術によって滅菌される。
得られた溶液はそのまま使用するために包装し、あるい
は凍結乾燥し、凍結乾燥製剤は投与に先立って滅菌溶液
と合することができる。加えて、所望ならば、投与すべ
き医薬組成物は、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタン
モノラウレート、トリエタノールアミンオレエート等の
ごとき湿潤剤または乳化剤、pH調整剤等のような非毒
性補助物質の少量を含有することもできる。かかる処方
は卵巣癌を治療するのに有用である。
【0076】非経口投与のもう1つの方法は、投与量の
一定レベルが維持されるように、徐放または持続放出系
の移植を使用する。例えば、該公報の内容も本明細書に
含まれる米国特許第3,710,795号参照。
【0077】例えば、液状の医薬上投与可能な組成物
は、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グ
リセロール、エタノール、オリーブ油、および他の親油
性溶媒等のごとき賦形剤に前記定義の活性化合物および
必要により医薬アジュバントを溶解、分散等させて調製
し、溶液または懸濁液を形成させることによって調製で
きる。所望ならば、投与すべき医薬組成物は、湿潤剤ま
たは乳化剤、pH調整剤等、例えば、酢酸ナトリウム、
ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、酢
酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレエート等のご
とき非毒性補助物質の少量を含有することもできる。か
かる投与形態を調製する実際の方法は、当業者に知られ
ており、また当業者に明らかであろう。例えば、REMING
TON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES、前掲参照。投与すべ
き組成物または処方は有効量の本発明の活性化合物を含
有する。
【0078】固体組成物には、通常の非毒性固体担体を
使用でき、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラク
トース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン
ナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロ
ース、炭酸マグネシウム等を含む。経口投与には、医薬
上許容される非毒性組成物は、従前にリストされている
担体のごとき通常使用されるいずれかの賦形剤および一
般に0.1−95%の有効成分、好ましくは約20%の
有効成分を配合することによって形成される。
【0079】本発明の化合物を含有する組成物は、予防
および/または治療処置のために投与できる。治療適用
では、組成物を、疾患およびその合併症の徴候を治癒さ
せるかあるいは少なくとも部分的に阻止するのに十分な
量にて、前記した疾患に既に罹った患者に投与する。こ
れを達成するための適量は、「治療上有効量もしくは用
量」と定義される。この用途に効果的な量は、疾患の重
症度ならびに患者の体重および一般的状態に依存する。
【0080】内部(イン・ビボ)投与に加えて、本発明
の化合物および組成物は、例えば、白血病を罹った患者
の場合、エクス・ビボで適用して治療効果を達成するこ
とができる。かかる適用において、治療すべき細胞、例
えば、血液細胞または骨髄細胞を患者から取り出し、医
薬上有効量の本発明の化合物で処理する。処理に続き、
細胞を患者に戻す。かかる手法は、細胞を、他の場合に
利用できるよりも長時間または高濃度にて種々の濃度の
治療剤に暴露することを可能とする。
【0081】例えば、癌患者の場合は、緩解の発生によ
って、一旦患者の状態の改善が起これば、要すれば維持
用量を投与する。引き続いて、投与量または投与頻度、
あるいは双方を、系の関数として、改良された状態が保
持されるレベルまで低下させることができる。徴候が所
望のレベルまで軽減されれば、治療を終了することがで
きる。しかしながら、患者は疾患徴候のいずれかの再発
に際してさらに治療を要する可能性がある。
【0082】予防適用(例えば、化学予防)において
は、本発明の化合物を含有する組成物を、特定の疾患に
対して感受性のまたはその危険がある患者に投与する。
かかる量は「予防上有効量もしくは用量」と定義され
る。この用途では、正確な量は、再度、健康および体重
の患者状態に依存する。
【0083】本開示を読んだ当業者に明らかなごとく、
本発明は、ヒトテロメラーゼに関する価値ある試薬を提
供する。必要な前記記載は、特定化合物の限定的かつ例
示的にすぎないサンプルを提供し、本発明の範囲を限定
するものと解釈されるべきではない。本発明の他の特徴
および利点は以下の実施例および請求の範囲から明らか
であろう。
【0084】
【実施例】以下の実施例は、本発明を理解し実施するに
おいて当業者を助力するために、本発明の特別の態様を
記載して、本発明を説明し、また、テロメラーゼ活性を
阻害する化合物を同定しテストするのに使用する方法の
記載を提供する。実施例は断じて本発明を限定するもの
と解釈されるべきではない。
【0085】A.化学合成 以下の手法は、化合物Iの構造式によって定義されるク
ラスの化合物の合成を説明する。 ケイ皮酸の一般的製法 500ml丸底フラスコ、テフロン製スターラー、還流
冷却器およびガス流入口を160℃で12時間オーブン
乾燥した。装置を迅速に組み立て、乾燥窒素ガスを流
し、室温に冷却した。冷却した後、該フラスコに、マロ
ン酸(220ミリモル)、ピリジン(150ml)、芳
香族アルデヒド(200ミリモル)、およびピペリジン
(4ml、40ミリモル)を満たした。その反応混合物
を加熱還流させつつ撹拌した。16時間の加熱および撹
拌の後に、反応混合物を室温に冷却し、氷(200m
l)および濃塩酸(200ml)の混合物に注入する
と、白色固形物の沈殿が生じ、スラリーを形成した。該
スラリーを2時間撹拌し、濾過し、冷水で洗浄(2×5
00ml)し、真空下で乾燥して、良好ないし最良の収
率(75−90%)で所望のケイ皮酸を得た。
【0086】2,3−ジクロロケイ皮酸の調製 250ml丸底フラスコ、テフロン製スターラー、還流
冷却器およびガス流入口を160℃で12時間オーブン
乾燥した。装置を迅速に組み立て、乾燥窒素ガスを流
し、室温に冷却した。冷却した後、該フラスコに、マロ
ン酸(110ミリモル)、ピリジン(75ml)、2,
3−ジクロロベンズアルデヒド(17.50g、100
ミリモル)、およびピペリジン(2ml、20ミリモ
ル)を満たした。その反応混合物を撹拌し、還流した。
還流温度で16時間撹拌した後に、その反応混合物を室
温に冷却し、氷(100ml)および濃塩酸(100m
l)の混合物に注入すると、白色固形物の沈殿が生じ、
スラリーを形成した。得られたスラリーを2時間撹拌
し、濾過し、冷水で洗浄(2×250ml)し、真空下
で乾燥して2,3−ジクロロケイ皮酸20.01g(92
%)を得た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)6.56
(d,1H,J=16Hz),7.23−7.34(m,2
H),7.39(d,1H,J=9Hz),7.68(d,
1H,J=16Hz),12.65(ブロードs,1H,D
2O交換可能)
【0087】塩化 6−メトキシ−3−クロロベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボニルの合成 100mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口、およびテフロン製スターラーを
160℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組
み立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム
製セプタムで密閉し、室温に冷却した。次いで、室温
で、該反応フラスコに、4−メトキシケイ皮酸(Aldric
h、10g、60ミリモル)、無水ピリジン(Aldrich、
1ml、12.4ミリモル)、無水ジメチルホルムアミ
ド(Aldrich、2.0ml、25.8ミリモル)、および
無水クロロベンゼン(Aldrich、10ml)を満たし
た。この時点で、該装置を乾燥窒素供給源から離した。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.87
(s,3H),6.80(d,1H,J=9Hz),7.8
5(d,1H,J=9Hz),7.91(d,1H,J=
1.5Hz)
【0088】塩化チオニル(Aldrich、205.6ミリモ
ル、15ml)を、シリンジを用いて10分間にわたり
滴下法で反応混合物に添加した。塩酸の発生がフラスコ
中の白色固形物の迅速な溶解と一緒に観察され、黄茶色
溶液を得た。添加が完了したら、反応混合物を室温で3
0分間迅速に撹拌し、次いで加熱マントルにより140
−145℃に5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却
すると、暗茶色溶液が固化した。
【0089】フラスコの内容物を小片に砕き、スラリー
化し、加熱した乾燥ヘキサン(500ml、硫酸マグネ
シウム25g/1000mlで乾燥したもの)を用いて
1000mlエルレンマイヤー・フラスコに移した。熱
いヘキサンスラリーを30分間加熱煮沸し、その間に大
部分の残渣が徐々に溶解した。得られた橙黄色の熱いヘ
キサン溶液を残っている残渣からデカンテーションによ
って取り出し、350mlに濃縮した。該溶液を室温に
放冷し、4℃で一晩保存した。この間に、黄色沈殿物が
形成した。沈殿物を濾別し、真空下で乾燥して所望の物
質4.00gを得た。濾液をさらに200mlに濃縮
し、前記の結晶化工程を繰り返して、さらに1.00g
を得た。400MHzの1H NMR(ジメチルスルフォ
キシド−d6(DMSO−d6))は、両方の試料に塩化
4−メトキシシンナモイルが混入していることを示し
た。乾燥ヘキサンからの再結晶化によって純粋な物質を
生成できた。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.87
(s,3H),6.80(d,1H,J=9Hz),7.8
5(d,1H,J=9Hz)
【0090】塩化 6−メチル−3−クロロベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボニルの合成 250mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口、およびテフロン製スターラーを
160℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組
み立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム
製セプタムで密閉し、室温に冷却した。室温で、該反応
フラスコに、4−メチルケイ皮酸(Aldrich、20g、
123.31ミリモル)、無水ピリジン(Aldrich、2.
2ml、27.28ミリモル)、無水ジメチルホルムア
ミド(Aldrich、4.4ml、56.82ミリモル)、お
よび無水クロロベンゼン(Aldrich、20ml)を満た
した。この時点で、該装置を乾燥窒素供給源から離し
た。
【0091】塩化チオニル(Aldrich、451.32ミリ
モル、39.1ml)をシリンジにより20分間にわた
り滴下法で反応混合物に添加した。塩酸の発生がフラス
コ中の白色固形物の迅速な溶解と一緒に観察され、黄茶
色溶液を得た。添加が完了したら、反応混合物を室温で
30分間迅速に撹拌し、次いで加熱マントルにより16
時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却すると、暗
茶色溶液が固化した。フラスコの内容物を小片に砕き、
スラリー化し、加熱した乾燥ヘキサン(1000ml、
硫酸マグネシウム25g/1000mlで乾燥したも
の)を用いて2000mlエルレンマイヤー・フラスコ
に移した。熱いヘキサンスラリーを30分間加熱煮沸
し、その間に大部分の残渣が徐々に溶解した。得られた
橙黄色の熱いヘキサン溶液を残っている残渣からデカン
テーションによって取り出し、750mlに濃縮した。
該溶液を室温に放冷し、4℃で一晩保存した。これによ
って黄色沈殿物が形成し、それを濾別し、真空下で乾燥
して所望の物質19.46gを得た。1H NMR(DM
SO−d6,400MHz)は、回収した物質が大部分
所望の物質であることを示した(95%より高い純度が
NMRにより測定された)。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)2.31
(s,3H),7.12(dd,1H,J=9および2H
z),7.68(d,1H,J=2Hz),7.69(d,
1H,J=13Hz)
【0092】塩化 6−メトキシ−3,7−ジクロロベ
ンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルの調製 100mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口およびテフロン製スターラーを1
60℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組み
立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム製
セプタムで密閉し、室温に冷却した。該反応フラスコ
に、室温で、4−メトキシケイ皮酸(Aldrich、10
g、60ミリモル)、無水ピリジン(Aldrich、1m
l、12.4ミリモル)、無水ジメチルホルムアミド(A
ldrich、2.0ml、25.8ミリモル)、および無水ク
ロロベンゼン(Aldrich、10ml)を満たした。この
時点で装置を乾燥窒素供給源から離した。
【0093】塩化チオニル(Aldrich、205.6ミリモ
ル、15ml)をシリンジを用いて10分間にわたり滴
下法により反応混合物に添加した。塩酸の発生がフラス
コ中の白色固形物の迅速な溶解と一緒に観察され、黄茶
色溶液を得た。添加が完了したら、反応混合物を迅速に
室温で30分間撹拌し、次いで加熱マントルにより14
0−145℃の温度に6日間加熱した。反応混合物を室
温まで冷却すると、暗茶色溶液が固化した。フラスコの
内容物を小片に砕き、スラリー化し、加熱した乾燥ヘキ
サン(500ml、硫酸マグネシウム25g/1000
mlで乾燥したもの)を用いて500mlエルレンマイ
ヤー・フラスコに移した。熱いヘキサンスラリーを30
分間加熱煮沸し、その間に大部分の残渣が徐々に溶解し
た。得られた橙黄色の熱いヘキサン溶液を残っている残
渣からデカンテーションによって取り出し、350ml
に濃縮した。該溶液を室温に冷却し、4℃で一晩保存し
た。冷却の間に黄色沈殿物が形成し、それを濾別し、真
空下で乾燥して所望の物質2.25gを得た。濾液をさ
らに200mlまで濃縮し、前記の結晶化工程を繰り返
してさらに1.20gを得た。
【0094】メチルエステルは以下の一般的手法を用い
て調製した: アリールまたはヘテロアリールカルボン酸からメチルエ
ステルの一般的調製 主題のカルボン酸(10ミリモル)を100ml丸底フラ
スコに移した。無水メタノール(Aldrich、50ml)を
添加し、撹拌によって溶解した。クロロトリメチルシラ
ン(2.5当量、25ミリモル)を該溶液に添加した。該
反応混合物を室温にて撹拌し、つづいてTLC(シリ
カ、1:1 ヘキサン:酢酸エチル、および100%酢
酸エチル、ヨウ素発色およびUV視覚化)によって分析
した。反応が完了(室温にて16-48時間)したら、得
られた溶液を真空下にて濃縮して粗製物質を得、これは
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)によって高
レベルの純度の所望の物質であることが示された。該粗
製メチルエステルは、直接用いるか、または適当な溶媒
(例えば、メタノール、エタノールまたはアセトニトリ
ル)から再結晶化した。
【0095】6−メトキシ−3,7−ジクロロベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルの調製 上記と同様にして標題化合物を調製した。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.87
(s,3H),3.86(s,1H),6.83(d,1
H,J=9Hz),8.14(d,1H,J=9Hz)
【0096】アリールまたはヘテロアリールアシルクロ
リドからのメチル、エチルおよびイソプロピルエステル
の一般的製法 対応するカルボン酸(10ミリモル)を100mlの丸
底フラスコに移した。無水メタノール(Aldrich、50
ml)を添加し、該酸を撹拌によって溶解した。この撹
拌溶液にクロロトリメチルシラン(Si(CH33
l、2.5当量、25ミリモル)を添加した。反応混合
物を室温で撹拌し、TLC(シリカ、1:1ヘキサン:
酢酸エチル、ヨウ素発色およびUV視覚化)によってモ
ニターした。TLC分析により判断して反応が完了した
ら(室温で16−48時間)、得られた溶液を真空下で
濃縮して粗製物質を得、これは1H NMR(DMSO−
6、400MHz)によって高純度の所望の物質であ
ることが示された。この粗製メチルエステルは直接用い
るか、または適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノ
ールまたはアセトニトリル)から再結晶化させることが
できる。対応するエチルおよびイソプロピルエステルの
調製は、メタノールの代わりにエタノールおよびイソプ
ロピルアルコールを各々用いる以外は同じ技術を用いて
行った。1 H NMR(400MHz,DMSO-d6)3.87
(s,3H),3.86(s,1H),6.83(d,1
H,J=9Hz),8.14(d,1H,J=9Hz)
【0097】6−メトキシ−3−クロロベンゾ[b]チ
オフェン−2−カルボン酸メチルの調製 粗製塩化 6−メトキシ−3−クロロベンゾ[b]チオ
フェン−2−カルボニル(2g、7.67ミリモル)を
100ml丸底フラスコに移した。無水メタノール(Al
drich、50ml)を添加し、該酸塩化物を撹拌によっ
て溶解した。この撹拌溶液にクロロトリメチルシラン
(2.5当量、19.16ミリモル、2.08g、2.43
ml)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
TLC分析(シリカ、1:1ヘキサン:酢酸エチル、U
V視覚化)は、酸塩化物からメチルエステルへの完全な
変換を示した。得られたスラリーを真空下で濃縮して黄
色固形物を得、これは1H NMR(DMSO−d6、4
00MHz)によって所望の物質であることが示され
た。該粗製メチルエステルを熱エタノール(200m
l)に溶解し、容量を150mlまで減少させ、室温に
放冷した。得られた橙色エタノール溶液を−10℃に1
5分間冷却した。得られた沈殿を濾別し、真空下で乾燥
してエステル1.25gを灰色がかった白色固形物とし
て得た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.86
(s,3H),3.88(s,3H),6.82(d,1H,
J=9Hz),7.93(d,1H,J=2Hz),8.
03(d,1H,J=9Hz)
【0098】6−メチル−3−クロロベンゾ[b]チオ
フェン−2−カルボン酸メチルの調製 粗製塩化6−メチル−3−クロロベンゾ[b]チオフェ
ン−2−カルボニル(5g、20.46ミリモル)を2
50ml丸底フラスコに移した。無水メタノール(Aldr
ich、80ml)を添加し、該酸塩化物を撹拌によって
溶解した。この撹拌溶液にクロロトリメチルシラン
(3.0当量、61.38ミリモル、6.68g、7.80
ml)を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、反応の
進行をTLC(シリカ、1:1ヘキサン:酢酸エチル、
ヨウ素およびUV視覚化)によってモニターした。反応
は、24時間後に完了していることが示された。得られ
たスラリーを真空下で濃縮して黄色固形物4.80gを
得、これは1H NMR(DMSO−d6、400MH
z)によって所望の物質であることが示された。粗製メ
チルエステルは純粋であることが示され、直接用いた。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)2.35
(s,3H),3.83(s,3H),7.12(dd,1
H,J=9および2Hz),7.69(d,1H,J=12
Hz),7.81(d,1H,J=2Hz)
【0099】6−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボン酸メチルの調製 前記と同様の方法を用いて、標題化合物を調製した。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)2.31
(s,3H),3.83(s,3H),7.12(dd,1
H,J=9および2Hz),7.69(d,1H,J=12
Hz)
【0100】アリールおよびヘテロアリールエステルか
らのアリールおよびヘテロアリールカルボニルヒドラジ
ドの一般的製法 100ml丸底フラスコ、還流冷却器、ガス流入口およ
びテフロン製スターラーを160℃で12時間オーブン
乾燥した。装置を迅速に組み立て、乾燥窒素ガスを流
し、室温に冷却した。該反応フラスコに、メチルエステ
ル(5.0ミリモル)、無水メタノール(Aldrich、50
ml)、および無水ヒドラジン(Aldrich、2.5当量、
12.5ミリモル)を満たした。その撹拌反応混合物を
還流し、反応の進行をTLC(シリカ、1:1ヘキサ
ン:酢酸エチル、ヨウ素およびUV視覚化)によってモ
ニターした。反応が完了したら、反応混合物を室温に冷
却し、さらに5℃に1時間冷却した。得られた固形物を
濾別し、冷メタノールで洗浄(2×10ml)し、真空
下で乾燥した。得られたヒドラジドは十分に純粋であっ
て、直接用いた。
【0101】アリールおよびヘテロアリールアシルまた
はスルホニルクロライドからのアリールおよびヘテロア
リールカルボニルヒドラジドの一般的製法 250mlの三首丸底フラスコ、テフロン製スターラ
ー、50ml等圧添加漏斗、およびガス流入口を160
℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組み立
て、乾燥窒素ガスを流し、室温に冷却した。該反応フラ
スコに、無水THF(Aldrich、100ml)、および
無水ヒドラジン(Aldrich、131.0ミリモル、4.2
1g、4.12ml)を満たした。反応混合物を0℃
(氷/水)に冷却し、塩化 2−ナフトイル(10g、
52.54モル)のTHF溶液(20ml)を、滴下法
で30分間にわたり、撹拌した反応混合物に添加した。
添加が完了したら、反応混合物を室温に温め、一晩撹拌
した。反応混合物を氷/水(1000ml)に注入し、
1時間激しく撹拌した。得られた白色スラリーを濾過
し、冷水で洗浄(4×50ml)し、真空下で乾燥して
白色粉末9.80gを得た。1HNMR(DMSO−
6、400MHz)は生成物が純粋であることを示し
た。
【0102】6−メトキシ−3−クロロベンゾ[b]チ
オフェン−2−ヒドラジドの調製 100mlの丸底フラスコ、還流冷却器、ガス流入口、
およびテフロン製スターラーを160℃で12時間オー
ブン乾燥した。装置を迅速に組み立て、乾燥窒素ガスを
流し、室温に冷却した。該反応フラスコに、6−メトキ
シ−3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン
酸メチル(1.50g、5.85ミリモル)、無水メタノ
ール(Aldrich、50ml)、および無水ヒドラジン(A
ldrich、2.5当量、0.47g、0.45ml、14.6
1ミリモル)を満たした。撹拌した反応混合物を還流さ
せ、反応の進行をTLC(シリカ、1:1ヘキサン:酢
酸エチル、ヨウ素およびUV視覚化)によってモニター
した。72時間後に、反応が完了した混合物を室温に冷
却し、さらに5℃に1時間冷却した。得られた固形物を
濾過し、冷メタノールで洗浄(2×10ml)し、真空
下で乾燥した。これにより、所望の物質0.856gを
白色非晶質粉末として得、これを直接用いた。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.80
(s,3H),4.66(ブロードs,2H,D2O交換可
能),7.12(dd,1H,J=9および2Hz),7.
62(d,1H,J=2Hz),7.69(d,1H,J=
9Hz)
【0103】3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボキシ−2'−[(2,5−ジクロロフェニルアミ
ノ)チア]ヒドラジンの調製 50mlの丸底フラスコ、テフロン製スターラー、およ
びガス流入口を160℃で12時間オーブン乾燥した。
装置は、乾燥窒素を流し、冷却した。該反応フラスコ
に、3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニ
ルヒドラジド(2g、8.85ミリモル)を満たし、こ
れを無水テトラヒドロフラン(THF、25ml)で溶
解した。この均一な反応混合物に、無水THF(4m
l)中の2,5−ジクロロフェニル イソチオシアネート
(1.88g、9.2ミリモル)を添加した。反応混合物
を室温で24時間撹拌した。得られたスラリーを無水T
HF(10ml)で希釈し、さらに10分間撹拌した。
固形物を濾別し、1:1ヘキサン−ジエチルエーテル
(15ml)で洗浄し、真空下で乾燥して純粋な生成物
1.21gを得た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)7.31
(m,1H),7.52(d,2H,J=9Hz),7.5
6(t,2H,J=4Hz),7.89(d,1H,J=9
Hz),7.95(m,1H,J=9Hz),9.67(ブ
ロードs,1H,D2O交換可能),10.16(ブロード
s,1H,D2O交換可能),10.52(ブロードs,1
H,D2O)
【0104】3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボキシ−2'−[(3,4−ジクロロフェニルアミ
ノ)オキサ]ヒドラジンの調製 50mlの丸底フラスコ、テフロン製スターラー、およ
びガス流入口を160℃で12時間オーブン乾燥した。
装置は、乾燥窒素を流し、冷却した。該反応フラスコ
に、3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニ
ルヒドラジド(2g、8.85ミリモル)を満たし、こ
れを無水THF(25ml)で溶解した。無水THF
(4ml)中の3,4−ジクロロフェニル イソシアネー
ト(1.73g、9.2ミリモル)を撹拌した均一反応混
合物に1度に添加した。反応混合物を室温で24時間撹
拌した。得られたスラリーを無水THF(10ml)で
希釈し、さらに10分間撹拌した。固形物を濾過し、
1:1ヘキサン−ジエチルエーテル(15ml)で洗浄
し、真空下で乾燥して純粋な生成物1.21gを得た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)7.57
(m,1H),7.52(d,2H,J=9Hz),7.8
9(m,2H),8.35(t,1H,J=9Hz),8.
78(d,1H,J=9Hz),9.67(ブロードs,1
H,D2O交換可能),10.59(ブロードs,1H,D2
O交換可能),10.88(ブロードs,1H,D2O交換
可能)
【0105】4−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボン酸メチルの調製 100mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口およびテフロン製スターラーを1
60℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組み
立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム製
セプタムで密閉し、室温に冷却した。冷却した反応フラ
スコに、無水ジメチルスルフォキシド(40ml)、2
−フルオロ−6−クロロベンズアルデヒド(5g、3
1.53モル)、無水トリエチルアミン(2.5当量、7
8.83モル、7.976g、11ml)およびチオグリ
コール酸メチル(1.1当量、3.681g、3.10m
l、34.68ミリモル)を満たした。反応混合物を迅
速に撹拌しつつ75℃に加熱した。反応の進行を薄層ク
ロマトグラフィー(TLC、シリカ、10%ジクロロメ
タン−ヘキサン展開溶液およびUV視覚化)によってモ
ニターした。3時間後に、反応混合物を室温に放冷し、
氷/水混合物(250ml)に注入した。得られたスラ
リーを20分間撹拌し、濾過し、冷水で洗浄(2×10
0ml)し、真空下で乾燥して4−クロロベンゾ[b]
チオフェン−2−カルボン酸メチル6.07g(85
%)を得た。A.J.Bridges、A.Lee、E.C.Madukorおよび
C.E.Schwartz、Tetrahedron Letters,33:7499(1992)参
照。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.83
(s,3H),7.28(m,2H),7.64(d,1H,
J=9Hz),7.81(s,1H)
【0106】4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2
−カルボン酸メチルの調製 100mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口、およびテフロン製スターラーを
160℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組
み立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム
製セプタムで密閉し、室温に冷却した。冷却した反応フ
ラスコに、無水ジメチルスルフォキシド(40ml)、
2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(5g、35.18
ミリモル)、無水トリエチルアミン(2.5当量、87.
95ミリモル、8.952g、12.33ml)、および
チオグリコール酸メチル(1.1当量、4.10g、3
8.70ミリモル)を満たした。混合物を迅速に撹拌し
つつ75℃に加熱した。反応の進行は、TLC(シリ
カ、10%ジクロロメタン−ヘキサン、UV視覚化)に
よってモニターした。19時間後に、反応混合物を室温
に冷却し、氷/水混合物(250ml)に注入した。得
られたスラリーを20分間撹拌し、濾過し、冷水で洗浄
(2×100ml)し、真空下で乾燥して4−フルオロ
ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル5.7
6g(78%)を得た。A.J.Bridges、A.Lee、E.C.Madu
korおよびC.E.Schwartz、Tetrahedron Letters,33:749
9(1992)参照。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.81
(s,3H),6.98(d,1H,J=9Hz),7.3
3(m,1H),7.49(d,1H,J=9Hz),7.
68(s,1H)
【0107】ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
メチルの調製 100mlの三首丸底フラスコ、還流冷却器、温度計ア
ダプター、ガス流入口、およびテフロン製スターラーを
160℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組
み立て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、ゴム
製セプタムで密閉し、室温に冷却した。冷却した反応フ
ラスコに、無水ジメチルスルフォキシド(40ml)、
2−フルオロベンズアルデヒド(4.44g、31.53
ミリモル)、無水トリエチルアミン(2.5当量、78.
83ミリモル、7.976g、11ml)、およびチオ
グリコール酸メチル(1.1当量、3.681g、3.1
0ml、34.68ミリモル)を満たし、迅速に撹拌し
つつ75℃に加熱した。反応の進行はTLC(シリカ、
10%ジクロロメタン−ヘキサン、UV視覚化)によっ
てモニターした。18時間後に、反応混合物を室温に冷
却し、氷/水浴(250ml)に注入した。得られたス
ラリーを20分間撹拌し、濾過し、冷水で洗浄(2×1
00ml)し、真空下で乾燥してベンゾ[b]チオフェ
ン−2−カルボン酸メチル5.136g(85%)を得
た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.78
(s,3H),7.45−7.40(m,2H),7.97
(q,2H,J=8Hz),8.06(s,1H)
【0108】5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボン酸メチルの調製 2000mlの三首丸底フラスコ、250ml等圧滴下
漏斗、テフロン製スターラー、およびガス流入口を16
0℃で12時間オーブン乾燥した。装置を迅速に組み立
て、温度計を取り付け、乾燥窒素ガスを流し、室温に冷
却した。冷却したフラスコに、メタノール(600m
l)およびチオグリコール酸メチル(28.6g、0.2
7モル)を満たした。メタノール(125ml)中のナ
トリウムメトキシド(19.98g、0.37モル)を、
撹拌しつつ10分間にわたって反応混合物に添加した。
次いで、反応混合物を40℃に温め、2−クロロ−5−
ニトロベンズアルデヒド(28.6g、0.27モル)の
メタノール(300ml)溶液を約20分間にわたって
添加した。得られたスラリーを40℃で1時間撹拌し、
室温に冷却し、2M塩酸で酸性化した。得られた白色固
形物を濾過し、水で洗浄(2×300ml)し、風乾し
て5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
メチルを得た。R.A.Zambias、M.L.Hammond、Synthetic
Communications,21:959(1991)参照。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.87
(s,3H),8.24−8.35(m,2H,J=8,1.
4,0.4Hz),8.39(s,1H),8.94(d,
1H,J=2Hz)
【0109】5−アミノベンゾ[b]チオフェン−2−
カルボン酸メチルの調製 テフロン製スターラーおよび還流冷却器を備えた250
mlの丸底フラスコにおいて、5−ニトロベンゾ[b]
チオフェン−2−カルボン酸メチル(10g、42.1
8ミリモル)をエタノール(100ml)に溶解した。
塩化スズ(II)二水和物(5当量、47.60g、2
11ミリモル)を1度で添加し、得られたスラリーを撹
拌しつつ18時間還流した。反応混合物を室温に冷却
し、2000mlのエルレンマイヤー・フラスコに移
し、もはや発泡が検出されなくなるまで、5%重炭酸ナ
トリウム溶液(約700ml)で注意深くクエンチし
た。生じた沈殿を濾別し、風乾した。乾燥した固形物を
熱エタノール(500ml)に溶解し、濾過して不溶性
物質を除去した。濾液から溶媒を真空下で蒸発させて5
−アミノベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチ
ル8.564g(96%)を得た。1 H NMR(400MHz,DMSO−d6)3.81
(s,3H),5.23(s,2H,D2O交換可能),6.
82(d,1H,J=9Hz),7.02(s,1H),
7.59(d,1H,J=9Hz),7.83(s,1H)
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、テロメラーゼ活性を阻
害し、テロメラーゼ活性が悪影響を及ぼす疾病状態、特
に癌を治療するための新規な化合物、組成物および剤が
提供される。また、本発明の化合物によれば、非−悪性
細胞には影響を及ぼさないが、不死化のまま維持するに
はテロメラーゼ活性を必要とする悪性細胞を非常に選択
的かつ効果的に治療する治療剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アダム・ギャラン アメリカ合衆国94025カリフォルニア州ア ラメダ、マディソン・ストリート3005番 (72)発明者 エレイン・ストラッカー アメリカ合衆国95687カリフォルニア州ベ イカビル、ハーベスト・サークル436番

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式: 【化1】 [式中、Yは酸素、硫黄、スルホニル、スルフィニル、
    および−NR7−よりなる群から選択され;R1は−TR
    8であり、ここに、Tは−SO2−または−C(X1)−
    であって、R8は−NHNHSO29、−NHNHC
    (X2)OR9、−NR910、−NHNHC(X2)NR
    910、−NHCR910C(X2)NR1112、−NH
    C(X2)NR910、および 【化2】 (式中、nは0または1であって、n=1についてのQ
    nは−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
    −である)よりなる群から選択され;R2−R6は、独立
    して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アル
    コキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロゲ
    ン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリールカ
    ルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバミ
    ド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカルバ
    ミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカルバ
    ミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリールチ
    オカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
    ノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールア
    ルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカル
    ボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノ
    カルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールア
    ルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、
    アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコキシ
    カルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、アル
    キルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミド、ア
    ルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスル
    フィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオおよび
    アリールチオよりなる群から選択され;X1およびX
    2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から選択さ
    れ;R7およびR9−R12は、独立して、水素、アルキ
    ル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、およびヘ
    テロサイクルアルキルよりなる群から選択され;但し、
    1が−C(X1)NHNHC(X2)NR910であり、
    Yが硫黄であり、X1が酸素であり、X2が硫黄であり、
    2がクロロであって、R3、R4、R6、およびR9が水
    素である場合;R5がメトキシまたは水素であれば、R
    10はメチル、フェニルまたはパラ位でメトキシもしくは
    クロロで置換されたフェニルではなく;およびR5が水
    素であれば、R10はパラ−メチルフェニル、非置換ベン
    ジルまたは非置換アリルではない]で示される化合物ま
    たはその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 Tが−C(X1)−であり、R8が−NH
    NHC(X2)NR910であり、R9が水素であって、
    1およびX2が、独立して、酸素または硫黄である請求
    項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R10がアリール、アラルキル、またはヘ
    テロアリールである請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R10がフェニルまたは置換フェニルであ
    る請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R2−R6が、独立して、水素、アミノ、
    ニトロ、シアノ、アルキル、アリール、ハロゲン、アル
    コキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、アリー
    ルチオカルバミド、アルキルチオ、およびアリールチオ
    よりなる群から選択される請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】 X1が酸素であって、X2が硫黄である請
    求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R2が水素またはハロゲンである請求項
    6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Yが硫黄である請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R2が水素である請求項8記載の化合
    物。
  10. 【請求項10】 R3、R5およびR6が水素であり、R4
    がN−(4−メチルフェニル)チオカルバミドであっ
    て、R10が2,5−ジクロロフェニルである請求項9記
    載の化合物。
  11. 【請求項11】 R3、R4およびR6が水素であり、R5
    がN−[2−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]チ
    オカルバミドであって、R10が2−(4−メチルフェニ
    ルチオ)フェニルである請求項9記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R3、R5およびR6が水素であり、R4
    がN−(3−メチルフェニル)チオカルバミドであっ
    て、R10が3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
    ル、2−(4−メチルフェニルチオ)フェニル、または
    4−(メチルチオ)フェニルである請求項9記載の化合
    物。
  13. 【請求項13】 R3−R6が水素であって、R10が2,
    5−ジクロロフェニルである請求項9記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R3−R5が水素であり、R6がフルオ
    ロであって、R10が2,4,5−トリクロロフェニル、
    2,3,4,5−テトラクロロフェニル、および2−
    (4−メチルフェニルチオ)フェニルよりなる群から選
    択される請求項9記載の化合物。
  15. 【請求項15】 R3がクロロであり、R4−R6が水素
    であって、R10が2,4,5−トリクロロフェニル、
    2,3,4,5−テトラクロロフェニル、2,5−ジブ
    ロモフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、およ
    び2ー(4−メチルフェニルチオ)フェニルよりなる群
    から選択される請求項9記載の化合物。
  16. 【請求項16】 R3がフルオロであり、R4−R6が水
    素であって、R10が4−(4−ニトロフェニルチオ)フ
    ェニルである請求項9記載の化合物。
  17. 【請求項17】 R2がハロゲンである請求項8記載の
    化合物。
  18. 【請求項18】 R2がクロロである請求項17記載の
    化合物。
  19. 【請求項19】 R3およびR4が水素である請求項18
    記載の化合物。
  20. 【請求項20】 R6が水素またはハロゲンである請求
    項19記載の化合物。
  21. 【請求項21】 R5がメトキシであり、R6がクロロで
    あって、R10が2,4,5−トリクロロフェニルまたは
    2,3,4,5−テトラクロロフェニルである請求項2
    0記載の化合物。
  22. 【請求項22】 R6が水素である請求項20記載の化
    合物。
  23. 【請求項23】 R5が水素であって、R10が2,5−
    ジクロロフェニルまたは2,3,4,5−テトラクロロ
    フェニルである請求項22記載の化合物。
  24. 【請求項24】 R5がメトキシであって、R10が2,
    4,5−トリクロロフェニル、2,3,4,5−テトラ
    クロロフェニル、または2,3,4−トリクロロフェニ
    ルである請求項22記載の化合物。
  25. 【請求項25】 R5がメチルであって、R10が2,3
    −ジクロロフェニルである請求項22記載の化合物。
  26. 【請求項26】 R5がフェニルであって、R10が2,
    4,5−トリクロロフェニル、2,3,4,5−テトラ
    クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,5−
    ジクロロフェニル、2,5−ジブロモフェニル、および
    2,4,6−トリクロロフェニルよりなる群から選択さ
    れる請求項22記載の化合物。
  27. 【請求項27】 R3およびR4がクロロであり、R5
    よびR6が水素であって、R10が2,3,4,5−テト
    ラクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4
    −ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,
    3,4−トリクロロフェニル、2,5−ジブロモフェニ
    ル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2
    −(4−メチルフェニルチオ)フェニル、2−ナフチ
    ル、2,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−ト
    リクロロフェニル、および4−クロロフェニルよりなる
    群から選択される請求項18記載の化合物。
  28. 【請求項28】 癌細胞のテロメアが連続的細胞分裂に
    わたって長さが減少するように哺乳動物における癌細胞
    においてテロメラーゼ活性を阻害する構造式: 【化3】 [式中、Yは酸素、硫黄、スルホニル、スルフィニル、
    および−NR7−よりなる群から選択され;R1は−TR
    8であり、ここに、Tは−C(X1)−または−SO2
    であって、R8は−OR9、−NHNHSO29、−NH
    NHC(X2)OR9、−NR910、−NHNHC
    (X2)NR910、−NHCR910C(X2)NR11
    12、−NHC(X2)NR910、および: 【化4】 (式中、nは0または1であって、n=1についてのQ
    nは−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
    −である)よりなる群から選択され;R2−R6は、独立
    して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アル
    コキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロゲ
    ン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリールカ
    ルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバミ
    ド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカルバ
    ミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカルバ
    ミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリールチ
    オカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
    ノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールア
    ルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカル
    ボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノ
    カルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールア
    ルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、
    アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコキシ
    カルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、アル
    キルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミド、ア
    ルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスル
    フィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオおよび
    アリールチオよりなる群から選択され;X1およびX
    2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から選択さ
    れ;R7およびR9−R12は、独立して、水素、アルキ
    ル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、およびヘ
    テロサイクルアルキルよりなる群から選択される]を有
    する化合物またはその医薬上許容される塩を有効成分と
    する癌治療剤。
  29. 【請求項29】 医薬上許容される担体中の治療上有効
    量の請求項28記載の化合物またはその医薬上許容され
    る塩を含有してなる癌治療用組成物。
  30. 【請求項30】 構造式: 【化5】 [式中、Yは酸素、硫黄、スルホニル、スルフィニル、
    および−NR7−よりなる群から選択され;R1は−TR
    8であり、ここに、Tは−C(X1)−または−SO2
    であって、R8は−OR9、−NHNHSO29、−NH
    NHC(X2)OR9、−NR910、−NHNHC
    (X2)NR910、−NHCR910C(X2)NR11
    12、−NHC(X2)NR910、および: 【化6】 (式中、nは0または1であって、n=1についてのQ
    nは−SO2−、−C(X 2)−または−C(X2)NR10
    −である)よりなる群から選択され;R2−R6は、独立
    して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アル
    コキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロゲ
    ン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリールカ
    ルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバミ
    ド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカルバ
    ミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカルバ
    ミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリールチ
    オカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
    ノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールア
    ルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカル
    ボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノ
    カルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールア
    ルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、
    アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコキシ
    カルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、アル
    キルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミド、ア
    ルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスル
    フィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオおよび
    アリールチオよりなる群から選択され;X1およびX
    2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から選択さ
    れ;R7およびR9−R12は、独立して、水素、アルキ
    ル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、およびヘ
    テロサイクルアルキルよりなる群から選択される]を有
    する化合物またはその医薬上許容される塩を有効成分と
    する癌治療剤。
  31. 【請求項31】 構造式: 【化7】 [式中、Yは酸素、硫黄、スルホニル、スルフィニル、
    および−NR7−よりなる群から選択され;R1は−TR
    8であり、ここに、Tは−C(X1)−または−SO2
    であって、R8は−OR9、−NHNHSO29、−NH
    NHC(X2)OR9、−NR910、−NHNHC
    (X2)NR910、−NHCR910C(X2)NR11
    12、−NHC(X2)NR910、および: 【化8】 (式中、nは0または1であって、n=1についてのQ
    nは−SO2−、−C(X2)−または−C(X2)NR10
    −である)よりなる群から選択され;R2−R6は、独立
    して、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アル
    コキシル、アリールオキシル、アラルコキシル、ハロゲ
    ン、シアノ、ニトロ、アルキルカルバミド、アリールカ
    ルバミド、ジアルキルカルバミド、ジアリールカルバミ
    ド、アルキルアリールカルバミド、アルキルチオカルバ
    ミド、アリールチオカルバミド、ジアルキルチオカルバ
    ミド、ジアリールチオカルバミド、アルキルアリールチ
    オカルバミド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
    ノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールア
    ルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカル
    ボニル、アリールアミノカルボニル、ジアルキルアミノ
    カルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールア
    ルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、
    アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、アルコキシ
    カルボニル、アリールオキシカルボニル、スルホ、アル
    キルスルホニルアミド、アリールスルホニルアミド、ア
    ルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスル
    フィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオおよび
    アリールチオよりなる群から選択され;X1およびX
    2は、独立して、酸素および硫黄よりなる群から選択さ
    れ;R7およびR9−R12は、独立して、水素、アルキ
    ル、アリール、アラルキル、ヘテロサイクル、およびヘ
    テロサイクルアルキルよりなる群から選択される]を有
    する化合物またはその医薬上許容される塩を有効成分と
    するテロメラーゼ阻害剤。
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