JPH1145234A - コンピュータを用いた数値計算の処理時間の短縮方法、及びそのプログラム記録媒体 - Google Patents

コンピュータを用いた数値計算の処理時間の短縮方法、及びそのプログラム記録媒体

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JPH1145234A
JPH1145234A JP21706797A JP21706797A JPH1145234A JP H1145234 A JPH1145234 A JP H1145234A JP 21706797 A JP21706797 A JP 21706797A JP 21706797 A JP21706797 A JP 21706797A JP H1145234 A JPH1145234 A JP H1145234A
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Eiji Kojima
小嶋英治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンピュータによって、相似関数を含む数値計
算の処理速度を高めることにある。 【解決手段】コンピュータによる数値計算で相似関数を
含む畳み込みの計算において、デルタ関数を用いてコン
ピュータの処理時間を短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータを使
用した重ね合わせの数値計算の処理時間の短縮に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータを使用して、関数の
合成積lmh(t)*Sg(t)を全ての変数lmについ
て重ね合わせる数値計算は、これらの関数をデジタル化
して重ね合わせの計算と合成積の計算を行っている。
【0003】しかし、従来の方法では、次のような問題
点がある。 <イ>合成積の計算と重ね合わせの計算をコンピュータ
で行うためには、先ず、各変数lmについて関数lm
(t)をデジタル化し、数値列で表現する。次に、関数
Sg(t)もデジタル化し、数値列で表現する。そし
て、各変数lmについて、関数lmh(t)と関数S
(t)の数値列について、合成積を求め、最後に各lm
の合成積の総和を求める。
【0004】この様に、無数の演算処理を行う必要があ
り、多大なコンピュータの処理時間を要することにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
<イ>本発明は、コンピュータによって、相似関数を含
む数値計算の処理速度を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、相似関数G
(t)の変数tの任意の値lmτまでの関数lmh(t)と
任意の関数Sg(t)との合成積を変数lmについて重
ね合わせる数値計算において、以下の数3の式の左辺の
項を右辺の項に換えて、入力装置、出力装置、記憶装置
及び演算装置を備えたコンピュータを用いて数値計算に
より計算し、コンピュータの処理時間を短縮することを
特徴とする、コンピュータを用いた数値計算の処理時間
の短縮方法、又は、相似関数Gh(t)の変数tの任意
の値lmτまでの関数lmh(t)と任意の関数Sg(t)
との合成積を変数lmについて重ね合わせる数値計算に
おいて、以下の数3の式の左辺の項を右辺の項に換え
て、入力装置、出力装置、記憶装置及び演算装置を備え
たコンピュータを用いて数値計算により計算し、コンピ
ュータの処理時間を短縮するためのプログラムを記録し
たことを特徴とする、数値計算の計算時間の短縮のため
のプログラム記録媒体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 <イ>コンピュータによる合成積と重ね合わせの数値計
算の概要 相似関数Gh(t)の変数tの任意の値lmτまでの関数
lmh(t)と任意の関数Sg(t)を畳み込み積分(合
成積)をし、全ての変数lmについて重ね合わせ(総
和、即ち積分)を取る場合、以下の数3及び数4の式を
用いることができる。この様に、式内に相似関数G
(t)が用いられているので、重ね合わせの項lmξ
(t)がデルタ関数を用いて表現でき、デルタ関数δ
(t)は、tが0を除いて全て0であるので、それ以後
の重ね合わせの数値計算を極めて簡単に処理することが
できる。
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】なお、数3の式の重ね合わせの記号は、通
常、変数lmが不連続の場合であり、連続の記号の場合
は、数4の記号を使用するが、本発明では、変数lmが
連続、不連続を問わないので、式の数を減らすために、
数3の式の記号で連続と不連続の両方を表すことにす
る。
【0011】<ロ>相似関数 相似関数h(t)は、以下の数5及び数6の式を満足す
る関数として定義される。相似関数は、例えば、指数関
数や単位階段関数などがある。数5及び数6の式の相似
関数の定義から数3の関係式を数7のようにして求める
ことができる。
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】
【数7】
【0015】<ハ>コンピュータによる数値計算 数3の式の右辺を使用することにより、コンピュータの
数値計算においてコンピュータの処理時間を短縮するこ
とができる。入力装置、出力装置、記憶装置及び演算装
置を備えたパソコンなどのコンピュータを用い、例え
ば、図1の流れ図に従って計算することができる。
【0016】図1において、NL、NW、T0などの諸元
をコンピュータに入力する(S1)。デルタ関数δ
(t)、相似関数Gh(t)、及び関数ξ(t、L、
M)を定義する(S2、S3、S4)。任意の関数の配
列SG(I)、例えば小地震の地震動の配列(数値列)
を入力する(S5)。相似関数の配列GH(I)を計算
する(S6)。lmτの配列T(L、M)を入力する(S
7)。関数ξ(t、L、M)のLとMについてNLとNW
までの重ね合わせ(配列A(I))の計算を行う(S
8)。ステップS5、S6及びS8で求めた配列A
(I)、GH(I)及びSG(I)について畳み込み積
分(合成積)の計算処理を行う(S9)。このようにコ
ンピュータによって数値計算で処理すると、コンピュー
タの処理速度を短縮することができる。
【0017】以下に、本発明の実施例を説明する。 <イ>半経験的地震動予測 観測された小地震の地震動Sg(t)から大地震の地震
Gg(t)を半経験的に予測する方法は、図2のよう
に大地震の断層(縦横WL)を小地震の断層(縦横ΔW
ΔL)と同じ面積(小領域)に分割し(NW個、N
L個)、地震の断層がある分割地点(小領域)ls、ms
から開始し、途中の分割地点(小領域)l、mに進み、
各小領域から地震動が観測点Oに伝搬するモデルを用
い、小地震の地震動Sg(t)、小領域の距離減衰の補
正関数lmR(t)、小領域の放射特性の補正関数lmd
(t)、及び小領域のスリップ補正関数lmd(t)から
なる下記の数8〜数10の式で大地震の地震動G
(t)を算出することができる。ここで、数8の式を整
理すると数11の式が得られる。数9の式は、数8の式
で使用されているスリップ補正関数を示している。数1
0の式は、数9で使用されている小領域に変動を考慮し
たスリップ速度関数lmv(t)を示している。
【0018】
【数8】
【0019】
【数9】
【0020】
【数10】
【0021】
【数11】
【0022】<ロ>小嶋モデル 本発明者である小嶋は、断層を質点系の過減衰でモデル
化し、時間の経過と共に指数関数的に減衰するスリップ
速度関数を得た(例えば、小嶋の文献(1995年):
半経験的地震動予測法の検討−その10 やや長周期地
震動のためのスリップ補正関数(その2)−、日本建築
学会、pp.281−282参照)。
【0023】小嶋モデルの大地震のスリップ速度関数G
v(t)は、図3の曲線Aに示され、例えば、数12の
式で表現される。また、小地震のスリップ速度関数S
(t)は、例えば、数13の式で表現される。この大地
震と小地震のスリップ速度関数Gv(t)とSv(t)
は、共に相似関数であり、相似関数の定義である数5の
式を満足している。
【0024】
【数12】
【0025】
【数13】
【0026】<ハ>スリップの状態を表現する関数 数10及び数11の式にある関数lmξ(t)は、断層の
スリップが一様でないことを表す関数であり、滑り初め
てから時間lmτで停止する場合、数14の式で表すこと
ができる。なお、数12の式の大地震のスリップ速度関
Gv(t)は相似関数であることから、デルタ関数δ
(t)で極めて簡単に表される。
【0027】また、断層のスリップが、滑り初めてから
時間lmτで一時停止し、Δt後に再び滑り始める場合、
数15の式で表すことができる。なお、この場合も、数
12の式の大地震のスリップ速度関数Gv(t)が相似
関数であることから、デルタ関数δ(t)で極めて簡単
に表すことができる。
【0028】この様に、関数lmξ(t)が、数11の式
でデルタ関数δ(t)の重ね合わせ(和)で表現できる
ので、変数tにおいて、0が多くなり、数11の関数f
(t)を容易に求めることができる。従って、数値計算
を簡単化でき、コンピュータの処理時間を短縮できる。
【0029】
【数14】
【0030】
【数15】
【0031】<ニ>ハスケルモデル ハスケルモデルの大地震のスリップ速度関数Gv(t)
は、図3の曲線Bに示され、数16の式で表現される。
また、小地震のスリップ速度関数Sv(t)は、数17
の式で表現される。
【0032】ハスケルモデルの小領域のスリップ速度関
数は、数16(又は数17)の表現以外に、数18の式
で単位階段関数u(t)を用いた関数η(t)で表すこ
とができる。関数η(t)が相似関数であるので、関数
lmξ(t)は、数14の式及び数15の式で表わされ
る。小嶋モデルと同様に、数値計算を簡単化でき、コン
ピュータの処理時間を短縮できる。
【0033】
【数16】
【0034】
【数17】
【0035】
【数18】
【0036】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を得ることが
できる。 <イ>コンピュータによる数値計算において、相似関数
を含む場合、重ね合わせの計算にデルタ関数δ(t)を
用いて、コンピュータの処理時間を短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローチャート図
【図2】大地震と小地震との関係を示す説明図
【図3】ハスケルと小嶋との大地震(又は小地震)の時
間領域のスリップ速度関数の説明図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相似関数Gh(t)の変数tの任意の値lm
    τまでの関数lmh(t)と任意の関数Sg(t)との合
    成積を変数lmについて重ね合わせる数値計算におい
    て、 以下の数1の式の左辺の項を右辺の項に換えて、入力装
    置、出力装置、記憶装置及び演算装置を備えたコンピュ
    ータを用いて数値計算により計算し、コンピュータの処
    理時間を短縮することを特徴とする、 コンピュータを用いた数値計算の処理時間の短縮方法。 【数1】
  2. 【請求項2】相似関数Gh(t)の変数tの任意の値lm
    τまでの関数lmh(t)と任意の関数Sg(t)との合
    成積を変数lmについて重ね合わせる数値計算におい
    て、 以下の数2の式の左辺の項を右辺の項に換えて、入力装
    置、出力装置、記憶装置及び演算装置を備えたコンピュ
    ータを用いて数値計算により計算し、コンピュータの処
    理時間を短縮するためのプログラムを記録したことを特
    徴とする、 数値計算の計算時間の短縮のためのプログラム記録媒
    体。 【数2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218744A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Takenaka Komuten Co Ltd 震災リスクの評価方法及び震災リスク評価用の断層モデル形成プログラム

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