JPH1144871A - 液晶素子の駆動方法 - Google Patents
液晶素子の駆動方法Info
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- JPH1144871A JPH1144871A JP35982497A JP35982497A JPH1144871A JP H1144871 A JPH1144871 A JP H1144871A JP 35982497 A JP35982497 A JP 35982497A JP 35982497 A JP35982497 A JP 35982497A JP H1144871 A JPH1144871 A JP H1144871A
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- pulse
- liquid crystal
- voltage
- reset pulse
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液晶素子を円滑にスイッチングさせ、焼き付
き等を抑制する液晶素子の駆動方法を提供すること。 【解決手段】 一方向に配列されたデータ電極を有する
第1の基体と、前記データ電極と交差する方向に配列さ
れたセレクト電極を有する第2の基体との間に液晶が配
されている液晶素子を駆動するに際し、第1のリセット
パルスと、この第1のリセットパルスと逆極性の第2の
リセットパルスとを含むリセットパルスを印加した後に
セレクトパルスを印加する液晶素子の駆動方法におい
て、第1のリセットパルスA1 と同極性である付加パル
スA2 を第2のリセットパルスBと第2のセレクトパル
スaとの間に印加し、付加パルスA2 の電界強度面積A
2 と第1のリセットパルスA1 の電界強度面積A1 との
和を第2のリセットパルスBの電界強度面積Bと実質的
に等しくし、かつ、付加パルスA2 の電圧を、液晶のス
イッチング時のしきい値電圧と同極性であって前記しき
い値電圧以下とすることを特徴とする、液晶素子の駆動
方法。
き等を抑制する液晶素子の駆動方法を提供すること。 【解決手段】 一方向に配列されたデータ電極を有する
第1の基体と、前記データ電極と交差する方向に配列さ
れたセレクト電極を有する第2の基体との間に液晶が配
されている液晶素子を駆動するに際し、第1のリセット
パルスと、この第1のリセットパルスと逆極性の第2の
リセットパルスとを含むリセットパルスを印加した後に
セレクトパルスを印加する液晶素子の駆動方法におい
て、第1のリセットパルスA1 と同極性である付加パル
スA2 を第2のリセットパルスBと第2のセレクトパル
スaとの間に印加し、付加パルスA2 の電界強度面積A
2 と第1のリセットパルスA1 の電界強度面積A1 との
和を第2のリセットパルスBの電界強度面積Bと実質的
に等しくし、かつ、付加パルスA2 の電圧を、液晶のス
イッチング時のしきい値電圧と同極性であって前記しき
い値電圧以下とすることを特徴とする、液晶素子の駆動
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向に配列され
たデータ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と
交差する方向に配列されたセレクト電極を有する第2の
基体との間に液晶が配されている液晶素子(例えば、液
晶表示素子又は液晶ディスプレイ)の駆動方法に関する
ものである。
たデータ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と
交差する方向に配列されたセレクト電極を有する第2の
基体との間に液晶が配されている液晶素子(例えば、液
晶表示素子又は液晶ディスプレイ)の駆動方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶をディスプレイに用いた液晶ディス
プレイ(LCD:liquid crystal display)は、低消費
電力で薄型軽量であるという特長を有しており、これを
生かして、時計、電卓からコンピューターディスプレ
イ、テレビジョン受像機(TV)へと応用が進んでい
る。
プレイ(LCD:liquid crystal display)は、低消費
電力で薄型軽量であるという特長を有しており、これを
生かして、時計、電卓からコンピューターディスプレ
イ、テレビジョン受像機(TV)へと応用が進んでい
る。
【0003】こうしたLCDにおいて液晶として、強誘
電性液晶(FLC:ferroelectricliquid crystal)を
用いようとする研究開発が、活発に進められてきてい
る。FLCについては、1975年にメイヤーによっ
て、はじめて強誘電性液晶が合成され、また、1980
年にクラーク、ラガワールによって、電界によりドメイ
ン反転が可能な表面安定化強誘電性液晶が発明された。
FLCは、その分子自身に永久双極子モーメントを分子
の長軸に対して垂直に有し、自発分極を持ち、電界によ
りスイッチング可能な液晶のことであり、これを用いた
FLCディスプレイは、主として次の(1)〜(3)の
特徴を有するものである。
電性液晶(FLC:ferroelectricliquid crystal)を
用いようとする研究開発が、活発に進められてきてい
る。FLCについては、1975年にメイヤーによっ
て、はじめて強誘電性液晶が合成され、また、1980
年にクラーク、ラガワールによって、電界によりドメイ
ン反転が可能な表面安定化強誘電性液晶が発明された。
FLCは、その分子自身に永久双極子モーメントを分子
の長軸に対して垂直に有し、自発分極を持ち、電界によ
りスイッチング可能な液晶のことであり、これを用いた
FLCディスプレイは、主として次の(1)〜(3)の
特徴を有するものである。
【0004】(1)スイッチング速度がμ秒オーダであ
り、TN液晶表示に比較して1000倍も高速に応答
し、高速応答性に優れている。 (2)分子配列に基本的にねじれ構造がなく、視野角依
存性が少ない。 (3)電源をオフしても画像が保持され、画像にメモリ
性があり、ハイビジョンにも対応できる1000本以上
の走査線に対しても単純マトリクス駆動が可能である。
り、TN液晶表示に比較して1000倍も高速に応答
し、高速応答性に優れている。 (2)分子配列に基本的にねじれ構造がなく、視野角依
存性が少ない。 (3)電源をオフしても画像が保持され、画像にメモリ
性があり、ハイビジョンにも対応できる1000本以上
の走査線に対しても単純マトリクス駆動が可能である。
【0005】従って、FLCディスプレイは、高精細、
低コスト化、大画面化という性能を追求できるディスプ
レイである。
低コスト化、大画面化という性能を追求できるディスプ
レイである。
【0006】このようなFLCディスプレイ(強誘電性
液晶表示素子)は、例えば、図58及び図59に概略的
に示すような構造からなっている。
液晶表示素子)は、例えば、図58及び図59に概略的
に示すような構造からなっている。
【0007】まず、透明ガラス基板(コーニング705
9、0.7mm厚)1a、1b上に透明電極(100Ω
/cm2 のITO:Indium tin oxide)2a、2bが設
けられている。これらの透明電極はエッチングによりス
トライプ状にパターニングされ、互いにマトリックス状
に交差したデータ電極(カラム電極)2aとセレクト電
極(ロウ電極、走査電極)2bに形成されている。
9、0.7mm厚)1a、1b上に透明電極(100Ω
/cm2 のITO:Indium tin oxide)2a、2bが設
けられている。これらの透明電極はエッチングによりス
トライプ状にパターニングされ、互いにマトリックス状
に交差したデータ電極(カラム電極)2aとセレクト電
極(ロウ電極、走査電極)2bに形成されている。
【0008】前記各透明電極2a、2b上には、液晶配
向膜としてSiOの斜方蒸着膜3a、3bが形成されて
いる。SiOの斜方蒸着膜の形成においては、真空蒸着
装置内に、SiO蒸着源から鉛直上に基板を配し、鉛直
の線と基板法線のなす角度を85度として設置する。S
iOを基板温度100℃で真空蒸着後、200℃、2時
間の焼成を行う。
向膜としてSiOの斜方蒸着膜3a、3bが形成されて
いる。SiOの斜方蒸着膜の形成においては、真空蒸着
装置内に、SiO蒸着源から鉛直上に基板を配し、鉛直
の線と基板法線のなす角度を85度として設置する。S
iOを基板温度100℃で真空蒸着後、200℃、2時
間の焼成を行う。
【0009】このようにして作製した配向膜付きの一対
の基板1a、1bは、そのデータ電極2a側とセレクト
電極2b側の配向処理方向が対向面で反平行となり、か
つデータ電極2aとセレクト電極2bの電極配列が直交
するように組まれる。スペーサとして、目的ギャップ長
に応じたガラスビーズ(真し球:直径0.8〜3.0μ
m(触媒化成工業株式会社製))4が用いられている。
ここでは、配向処理方向を反平行に組んだが、平行に組
んでも構わない。
の基板1a、1bは、そのデータ電極2a側とセレクト
電極2b側の配向処理方向が対向面で反平行となり、か
つデータ電極2aとセレクト電極2bの電極配列が直交
するように組まれる。スペーサとして、目的ギャップ長
に応じたガラスビーズ(真し球:直径0.8〜3.0μ
m(触媒化成工業株式会社製))4が用いられている。
ここでは、配向処理方向を反平行に組んだが、平行に組
んでも構わない。
【0010】スペーサ4は、透明基板1a、1bの大き
さにより、即ち、基板面積が小さい場合は、周囲を接着
するシール材(UV硬化型の接着剤(フォトレック:セ
キスイ化学株式会社製))6中に0.3重量%程度分散
させることにより、基板間のギャップを制御する。基板
面積が大きい場合には、上記真し球を基板上に平均密度
で100個/mm2 散布した後、ギャップをとり、液晶
の注入孔を確保してシール剤6でセル周囲を接着する。
さにより、即ち、基板面積が小さい場合は、周囲を接着
するシール材(UV硬化型の接着剤(フォトレック:セ
キスイ化学株式会社製))6中に0.3重量%程度分散
させることにより、基板間のギャップを制御する。基板
面積が大きい場合には、上記真し球を基板上に平均密度
で100個/mm2 散布した後、ギャップをとり、液晶
の注入孔を確保してシール剤6でセル周囲を接着する。
【0011】一対の基板1a−基板1b間には、例え
ば、強誘電性液晶(チッソ株式会社製のYS−C15
2)5を等方相温度で超音波ホモジナイザを用いて均一
に分散させた液晶組成物が注入されている。この強誘電
性液晶組成物は等方相温度或いはカイラルネマチック相
温度のように流動性を示す状態で減圧下で注入される。
液晶注入後は、徐冷され、注入孔周囲のガラス基板上の
液晶が除去された後、エポキシ系の接着剤で封止され、
FLCディスプレイ11が作製される。
ば、強誘電性液晶(チッソ株式会社製のYS−C15
2)5を等方相温度で超音波ホモジナイザを用いて均一
に分散させた液晶組成物が注入されている。この強誘電
性液晶組成物は等方相温度或いはカイラルネマチック相
温度のように流動性を示す状態で減圧下で注入される。
液晶注入後は、徐冷され、注入孔周囲のガラス基板上の
液晶が除去された後、エポキシ系の接着剤で封止され、
FLCディスプレイ11が作製される。
【0012】このFLCディスプレイ11の駆動方式と
しては、X−Y単純マトリクス方式を使用することがで
きる。NTSC(National Television System Committ
ee)方式を選択した場合は、1H(1水平走査時間又は
1ライン選択時間)は63.5μsであり、電気的中和
条件を考慮して、電圧はバイポーラで印加するため、各
選択パルスは63.5/2μs(1/2ライン時間)幅
となる。図60に概略図示するように、ロウ側(セレク
ト電極2b)からはしきい値(閾値:以下、同様)であ
るセレクトパルス(選択電圧)を印加し、カラム側(デ
ータ電極2a)からはデータパルス(データ電圧)を印
加する。
しては、X−Y単純マトリクス方式を使用することがで
きる。NTSC(National Television System Committ
ee)方式を選択した場合は、1H(1水平走査時間又は
1ライン選択時間)は63.5μsであり、電気的中和
条件を考慮して、電圧はバイポーラで印加するため、各
選択パルスは63.5/2μs(1/2ライン時間)幅
となる。図60に概略図示するように、ロウ側(セレク
ト電極2b)からはしきい値(閾値:以下、同様)であ
るセレクトパルス(選択電圧)を印加し、カラム側(デ
ータ電極2a)からはデータパルス(データ電圧)を印
加する。
【0013】強誘電性液晶素子(例えば、表面安定化強
誘電性液晶素子)は、図61に示すように、外部印加電
界E(但し、図中Psは自発分極の向きを示す)に対し
て分子Mの配向方向が状態1と状態2の2つの状態間を
スイッチングする。この分子配向の変化は、液晶素子を
直交する偏光板間に設置することによって透過率の変化
として現れ、図62のように印加電界に対して透過率が
しきい値電圧Vthで0%から100%に急峻に変化す
る。この透過率が変化する電圧幅は一般的に1V以下で
あり、0〜100%の間の透過率を保持することはでき
ない。
誘電性液晶素子)は、図61に示すように、外部印加電
界E(但し、図中Psは自発分極の向きを示す)に対し
て分子Mの配向方向が状態1と状態2の2つの状態間を
スイッチングする。この分子配向の変化は、液晶素子を
直交する偏光板間に設置することによって透過率の変化
として現れ、図62のように印加電界に対して透過率が
しきい値電圧Vthで0%から100%に急峻に変化す
る。この透過率が変化する電圧幅は一般的に1V以下で
あり、0〜100%の間の透過率を保持することはでき
ない。
【0014】このように、従来の双安定モードを用いた
強誘電性液晶表示は上述した2つの状態のみで安定であ
ることから、透過率−印加電圧曲線(V−Tカーブ)に
安定な電圧幅を持たせることが困難であり、電圧制御に
よる階調表示は困難若しくは不可能である。
強誘電性液晶表示は上述した2つの状態のみで安定であ
ることから、透過率−印加電圧曲線(V−Tカーブ)に
安定な電圧幅を持たせることが困難であり、電圧制御に
よる階調表示は困難若しくは不可能である。
【0015】このため、サブピクセルを設けて画像を調
節することにより階調を行う方法(面積階調法)や、1
フィールドの中でスイッチングを繰り返すことにより階
調を行う方法(タイムインテグレーション階調法)等が
提案されている。しかし、前者の方法は、1つの画素内
で階調表現をするのではないため、また後者は、超高速
スピードが要求されるため階調表示の不十分さや高コス
ト化するなどの問題があった。
節することにより階調を行う方法(面積階調法)や、1
フィールドの中でスイッチングを繰り返すことにより階
調を行う方法(タイムインテグレーション階調法)等が
提案されている。しかし、前者の方法は、1つの画素内
で階調表現をするのではないため、また後者は、超高速
スピードが要求されるため階調表示の不十分さや高コス
ト化するなどの問題があった。
【0016】そこで、画素毎にアナログ階調表示を行う
方法として、一つの画素内で対向電極間の距離を変化さ
せたり、対向電極間に形成した誘電性層の厚みを変化さ
せることにより局所的に電界強度勾配を付ける方法や、
対向電極の材質を変えることにより電圧勾配を付けるこ
とが提案されている。しかしながら、画素毎にアナログ
階調表示を行う方法により実用レベルのアナログ階調表
示特性を有する液晶表示素子を製造することは、工程的
にも繁雑となり、また、製造条件のコントロールも困難
となり、更に製造コストが高くなることもあった。
方法として、一つの画素内で対向電極間の距離を変化さ
せたり、対向電極間に形成した誘電性層の厚みを変化さ
せることにより局所的に電界強度勾配を付ける方法や、
対向電極の材質を変えることにより電圧勾配を付けるこ
とが提案されている。しかしながら、画素毎にアナログ
階調表示を行う方法により実用レベルのアナログ階調表
示特性を有する液晶表示素子を製造することは、工程的
にも繁雑となり、また、製造条件のコントロールも困難
となり、更に製造コストが高くなることもあった。
【0017】このような従来技術の課題を解決すべく、
液晶表示素子、特に、強誘電性液晶表示素子において高
コントラストを保持しつつ、アナログ階調表示を実現す
る素子が発明された。
液晶表示素子、特に、強誘電性液晶表示素子において高
コントラストを保持しつつ、アナログ階調表示を実現す
る素子が発明された。
【0018】即ち、一つの画素内の液晶に印加される実
効電界強度に分布を持たせて、一つの画素内で液晶の双
安定状態の間のスイッチングのためしきい値電圧幅を広
げることによりアナログ階調表示を達成できることが見
出され、本出願人によって特願平5−262951号と
して既に提示している(これを以下、先願発明と称す
る)。
効電界強度に分布を持たせて、一つの画素内で液晶の双
安定状態の間のスイッチングのためしきい値電圧幅を広
げることによりアナログ階調表示を達成できることが見
出され、本出願人によって特願平5−262951号と
して既に提示している(これを以下、先願発明と称す
る)。
【0019】この先願発明によれば、上記の「しきい値
電圧幅を広げる」ために、強誘電性液晶中に酸化チタン
等の超微粒子を添加、分散させる方法がとられている。
この超微粒子の添加によって、一つの画素内において、
しきい値電圧(Vth)の異なる微細な領域(マイクロド
メイン:MD)が発現し、印加電圧の大きさに応じてマ
イクロドメインの数が変化し、従って1画素の総和とし
ての透過率が変化するため、透過率が急峻に変化するの
ではなく、比較的緩やかな変化を示し、アナログ階調表
示が可能となるのである。そして、一つのドメイン内で
は、液晶分子が双安定であるメモリ機能を有し、しきい
値電圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成
されることから、連続階調表示が可能となる。
電圧幅を広げる」ために、強誘電性液晶中に酸化チタン
等の超微粒子を添加、分散させる方法がとられている。
この超微粒子の添加によって、一つの画素内において、
しきい値電圧(Vth)の異なる微細な領域(マイクロド
メイン:MD)が発現し、印加電圧の大きさに応じてマ
イクロドメインの数が変化し、従って1画素の総和とし
ての透過率が変化するため、透過率が急峻に変化するの
ではなく、比較的緩やかな変化を示し、アナログ階調表
示が可能となるのである。そして、一つのドメイン内で
は、液晶分子が双安定であるメモリ機能を有し、しきい
値電圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成
されることから、連続階調表示が可能となる。
【0020】従って、図63に例示するように、先願発
明で得られる液晶素子では、印加電圧によって透過率が
図62のように急峻に変化するのではなく、比較的緩や
かな変化を示すものである。これは、上記したように、
特に、一つの画素内において、しきい値電圧(Vth)の
異なる微細な領域(マイクロドメイン)の発現により、
印加電圧の大きさに応じてマイクロドメインの透過率が
変化するためである。そして、一つのドメイン内では、
液晶分子が双安定であるとメモリ機能を有し、しきい値
電圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成さ
れることから、連続階調表示が可能となる。
明で得られる液晶素子では、印加電圧によって透過率が
図62のように急峻に変化するのではなく、比較的緩や
かな変化を示すものである。これは、上記したように、
特に、一つの画素内において、しきい値電圧(Vth)の
異なる微細な領域(マイクロドメイン)の発現により、
印加電圧の大きさに応じてマイクロドメインの透過率が
変化するためである。そして、一つのドメイン内では、
液晶分子が双安定であるとメモリ機能を有し、しきい値
電圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成さ
れることから、連続階調表示が可能となる。
【0021】しかしながら、この階調表示には、強誘電
性液晶自身の持つ自発分極やイオン、配向膜、その他の
影響により、ヒステリシスを有するため、階調数が著し
く低下してしまうことがあった。そこで、本出願人によ
り、特願平7−233385号において、前表示のグレ
イによって影響され、印加電圧と透過率とが1値に決ま
らないという欠点を明らかにし、静止画におけるヒステ
リシスを低減する方法として、単純マトリクス駆動にお
ける新規な駆動方法(駆動波形)を見出した。
性液晶自身の持つ自発分極やイオン、配向膜、その他の
影響により、ヒステリシスを有するため、階調数が著し
く低下してしまうことがあった。そこで、本出願人によ
り、特願平7−233385号において、前表示のグレ
イによって影響され、印加電圧と透過率とが1値に決ま
らないという欠点を明らかにし、静止画におけるヒステ
リシスを低減する方法として、単純マトリクス駆動にお
ける新規な駆動方法(駆動波形)を見出した。
【0022】
【発明に至る経過】上記の如き強誘電性液晶ディスプレ
イを駆動するには、図59に示したX−Y単純マトリク
ス方式(または単純X−Yマトリクス方式)を使用し
て、1ライン時間(ラインタイム:1H)は、例えばN
TSC方式であれば63.5μsとし、電圧はDC電圧
は用いずにバイポーラで印加するため、各選択パルスは
63.5/2μs幅となる。ロウ側からはしきい値であ
る選択パルスを印加し、カラム側からはデータパルスを
印加するが、上記した図63のアナログ階調表示でグレ
イスケールを表すためには、データパルスの電圧を変化
させている。このため、常に1フィールド全体にデータ
パルスは印加されている状態となる。
イを駆動するには、図59に示したX−Y単純マトリク
ス方式(または単純X−Yマトリクス方式)を使用し
て、1ライン時間(ラインタイム:1H)は、例えばN
TSC方式であれば63.5μsとし、電圧はDC電圧
は用いずにバイポーラで印加するため、各選択パルスは
63.5/2μs幅となる。ロウ側からはしきい値であ
る選択パルスを印加し、カラム側からはデータパルスを
印加するが、上記した図63のアナログ階調表示でグレ
イスケールを表すためには、データパルスの電圧を変化
させている。このため、常に1フィールド全体にデータ
パルスは印加されている状態となる。
【0023】本発明者は、このように常に全体にデータ
パルスがバイアスパルスとして印加されることから、一
つの画素には、その周囲の色の違いによる影響を受ける
ことになることを見出した。この影響は、通常、アナロ
グ階調表示においては無視できないほど大きい。
パルスがバイアスパルスとして印加されることから、一
つの画素には、その周囲の色の違いによる影響を受ける
ことになることを見出した。この影響は、通常、アナロ
グ階調表示においては無視できないほど大きい。
【0024】なかでも、次ラインに印加されるデータパ
ルスは、現表示画素の反電界が残留するために、その電
圧分が加算され、実効上、かなり大きな逆符号の電界が
発生し、低しきい値のドメインにおいては、スイッチン
グを起こしてしまうことがある。つまり、データ電圧の
みではスイッチングすることはないが(但し、揺れ、ぶ
れは除く)、反電界分が足されるとしきい値電圧を超え
てしまうのである。
ルスは、現表示画素の反電界が残留するために、その電
圧分が加算され、実効上、かなり大きな逆符号の電界が
発生し、低しきい値のドメインにおいては、スイッチン
グを起こしてしまうことがある。つまり、データ電圧の
みではスイッチングすることはないが(但し、揺れ、ぶ
れは除く)、反電界分が足されるとしきい値電圧を超え
てしまうのである。
【0025】本発明者は、現表示画素の階調が次ライン
以降のライン、特に次ライン(次のセレクトパルス印加
ライン)によって影響を受けるという上記した現象が生
じ、これがアナログ階調表示の大きな障害となる、との
認識を持つに至った。
以降のライン、特に次ライン(次のセレクトパルス印加
ライン)によって影響を受けるという上記した現象が生
じ、これがアナログ階調表示の大きな障害となる、との
認識を持つに至った。
【0026】これまでは、単純マトリクスにおけるデー
タ電圧の影響を減少させるためには、液晶材料におい
て、バイアス安定性の高い組成物の検討が、誘電率異方
性などの改良の点から行われてきた。しかしながら、特
に上記した次ラインによる影響には、各組成物の自発分
極の起こす反電界をなくすことがポイントとなる。
タ電圧の影響を減少させるためには、液晶材料におい
て、バイアス安定性の高い組成物の検討が、誘電率異方
性などの改良の点から行われてきた。しかしながら、特
に上記した次ラインによる影響には、各組成物の自発分
極の起こす反電界をなくすことがポイントとなる。
【0027】しかしながら、液晶表示素子に求められる
特性には、これら階調性に関与する以外にも数多くあり
(例えば、動作温度範囲、保存温度範囲、コントラス
ト、応答速度、ヒステリシス幅、階調を示すしきい値の
分布幅など)、階調表現に直結する、バイアスによる影
響に対し、材料からコントロールするには限界がある。
ここで、「ヒステリシス」とは、印加電界強度と透過率
とにおける履歴のことである。
特性には、これら階調性に関与する以外にも数多くあり
(例えば、動作温度範囲、保存温度範囲、コントラス
ト、応答速度、ヒステリシス幅、階調を示すしきい値の
分布幅など)、階調表現に直結する、バイアスによる影
響に対し、材料からコントロールするには限界がある。
ここで、「ヒステリシス」とは、印加電界強度と透過率
とにおける履歴のことである。
【0028】本発明者は、上記の問題について検討を加
えた結果、バイアスパルスの影響の一つが、強誘電性液
晶の特性である自発分極のメモリ性により発生する反電
界にあることを明らかにした(特願平8−257846
号参照)。
えた結果、バイアスパルスの影響の一つが、強誘電性液
晶の特性である自発分極のメモリ性により発生する反電
界にあることを明らかにした(特願平8−257846
号参照)。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き強誘電性液
晶ディスプレイにおいて、動画を表示するためには、個
々の画素に異なったしきい値電圧が、それぞれのフィー
ルド毎に印加されることになり、その組み合わせには無
限種類のパターンが生じる。
晶ディスプレイにおいて、動画を表示するためには、個
々の画素に異なったしきい値電圧が、それぞれのフィー
ルド毎に印加されることになり、その組み合わせには無
限種類のパターンが生じる。
【0030】例えば、テレビ信号の1垂直走査時間毎に
データ電圧が変わることもあれば、ポーズ画像のよう
に、数秒にわたって数百垂直走査時間毎にデータ電圧が
変わらないこともある。このような走査は液晶表示素子
においても同様である。
データ電圧が変わることもあれば、ポーズ画像のよう
に、数秒にわたって数百垂直走査時間毎にデータ電圧が
変わらないこともある。このような走査は液晶表示素子
においても同様である。
【0031】従って、前記データ電圧の印加時間が長い
ほど、その表示色をその画素が記憶することになる。こ
れは、次の垂直走査時間に影響を与えてしまい、次のデ
ータ電圧に液晶が精確に呼応しにくくなってしまう。
ほど、その表示色をその画素が記憶することになる。こ
れは、次の垂直走査時間に影響を与えてしまい、次のデ
ータ電圧に液晶が精確に呼応しにくくなってしまう。
【0032】即ち、動画においては、尾引き現象を引き
起こすことがあり、特にひどい場合には、焼き付いた画
面がそのまま残り、違う画像を2度と表示できない場合
もある。この現象は、一般に液晶表示種に関わらず「焼
き付き」と言われている(以下、同様)。ここで、前記
「尾引き現象」とは、例えば、野球中継時にボールが高
速で動いている表示をする際に、このボールが彗星のよ
うに尾を引いているように見える現象を言う。以下、尾
引き現象を含めて焼き付きと称する。
起こすことがあり、特にひどい場合には、焼き付いた画
面がそのまま残り、違う画像を2度と表示できない場合
もある。この現象は、一般に液晶表示種に関わらず「焼
き付き」と言われている(以下、同様)。ここで、前記
「尾引き現象」とは、例えば、野球中継時にボールが高
速で動いている表示をする際に、このボールが彗星のよ
うに尾を引いているように見える現象を言う。以下、尾
引き現象を含めて焼き付きと称する。
【0033】上述した焼き付きの主な原因としては、液
晶中のイオンが局在化(例えば、ナトリウムイオン等が
液晶表示素子の作製中に混入して実効電界に影響を与え
るもの、配向膜中のイオンにより液晶分子が配向膜に文
字通り焼き付けされるもの、または、この両方など)が
言われている。
晶中のイオンが局在化(例えば、ナトリウムイオン等が
液晶表示素子の作製中に混入して実効電界に影響を与え
るもの、配向膜中のイオンにより液晶分子が配向膜に文
字通り焼き付けされるもの、または、この両方など)が
言われている。
【0034】この焼き付きの解決策は、上記したイオン
のモビリティコントロールにあることは明白であるが、
現在の液晶の合成方法や配向膜の作製方法からみて、こ
れは容易ではない。
のモビリティコントロールにあることは明白であるが、
現在の液晶の合成方法や配向膜の作製方法からみて、こ
れは容易ではない。
【0035】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、一方向に配列されたデータ電
極を有する第1の基体と、前記データ電極と交差する方
向に配列されたセレクト電極を有する第2の基体との間
に液晶が配されている液晶素子を駆動するに際し、印加
フィールド数毎の印加電界−透過率曲線(V−Tカー
ブ)におけるずれ幅(ヒステリシス幅)を小さくして、
液晶分子を円滑にスイッチングさせ、焼き付きを抑制で
きる、液晶素子の駆動方法を提供することにある。
ものであり、その目的は、一方向に配列されたデータ電
極を有する第1の基体と、前記データ電極と交差する方
向に配列されたセレクト電極を有する第2の基体との間
に液晶が配されている液晶素子を駆動するに際し、印加
フィールド数毎の印加電界−透過率曲線(V−Tカー
ブ)におけるずれ幅(ヒステリシス幅)を小さくして、
液晶分子を円滑にスイッチングさせ、焼き付きを抑制で
きる、液晶素子の駆動方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、液晶分子のス
イッチング挙動のための表示選択パルス(セレクトパル
ス)の印加前の駆動波形のコントロールによって、前記
印加電界−透過率曲線におけるずれ幅(ΔV)を小さく
して、前記セレクトパルスによる前記液晶分子のスイッ
チングを円滑に行い、さらに焼き付き等を抑制すること
ができることを見出した。
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、液晶分子のス
イッチング挙動のための表示選択パルス(セレクトパル
ス)の印加前の駆動波形のコントロールによって、前記
印加電界−透過率曲線におけるずれ幅(ΔV)を小さく
して、前記セレクトパルスによる前記液晶分子のスイッ
チングを円滑に行い、さらに焼き付き等を抑制すること
ができることを見出した。
【0037】即ち、本発明は、一方向に配列されたデー
タ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と交差す
る方向に配列されたセレクト電極を有する第2の基体と
の間に液晶が配されている液晶素子を駆動するに際し、
第1のリセットパルスと、この第1のリセットパルスと
逆極性の第2のリセットパルスとを含むリセットパルス
を印加した後に、第1のセレクトパルスと第2のセレク
トパルスとをこの順に印加する液晶素子の駆動方法にお
いて、前記第1のリセットパルスと同極性である付加パ
ルスを、前記第2のリセットパルスと前記第2のセレク
トパルスとの間に印加し、前記付加パルスの電界強度面
積と前記第1のリセットパルスの電界強度面積との和を
前記第2のリセットパルスの電界強度面積と実質的に等
しくし、かつ、前記付加パルスの電圧を、前記液晶のス
イッチング時のしきい値電圧と同極性であって前記しき
い値電圧以下とすることを特徴とする、液晶素子の駆動
方法(以下、本発明の駆動方法と称する。)に係るもの
である。
タ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と交差す
る方向に配列されたセレクト電極を有する第2の基体と
の間に液晶が配されている液晶素子を駆動するに際し、
第1のリセットパルスと、この第1のリセットパルスと
逆極性の第2のリセットパルスとを含むリセットパルス
を印加した後に、第1のセレクトパルスと第2のセレク
トパルスとをこの順に印加する液晶素子の駆動方法にお
いて、前記第1のリセットパルスと同極性である付加パ
ルスを、前記第2のリセットパルスと前記第2のセレク
トパルスとの間に印加し、前記付加パルスの電界強度面
積と前記第1のリセットパルスの電界強度面積との和を
前記第2のリセットパルスの電界強度面積と実質的に等
しくし、かつ、前記付加パルスの電圧を、前記液晶のス
イッチング時のしきい値電圧と同極性であって前記しき
い値電圧以下とすることを特徴とする、液晶素子の駆動
方法(以下、本発明の駆動方法と称する。)に係るもの
である。
【0038】本発明の駆動方法によれば、前記第1のリ
セットパルスと同極性である付加パルスを前記第2のリ
セットパルスと前記第2のセレクトパルスとの間に印加
し、前記付加パルスの電界強度面積と前記第1のリセッ
トパルスの電界強度面積との和を前記第2のリセットパ
ルスの電界強度面積と実質的に等しくし、かつ、前記付
加パルスの電圧を、前記液晶のスイッチング時のしきい
値電圧と同極性であって前記しきい値電圧以下としてい
るので、前記リセットパルスとして比較的小さな電圧で
前記液晶のダイレクタを一旦一様に戻すことができ、さ
らに、前記しきい値電圧と逆極性である前記第2のリセ
ットパルスによる過剰な反電界を緩和すると同時に、液
晶分子のダイレクタの偏りを緩和することができるの
で、前記セレクトパルスによる前記液晶分子のスイッチ
ングを円滑に行って、液晶分子同士、液晶−配向膜間の
焼き付きを抑制することができる。
セットパルスと同極性である付加パルスを前記第2のリ
セットパルスと前記第2のセレクトパルスとの間に印加
し、前記付加パルスの電界強度面積と前記第1のリセッ
トパルスの電界強度面積との和を前記第2のリセットパ
ルスの電界強度面積と実質的に等しくし、かつ、前記付
加パルスの電圧を、前記液晶のスイッチング時のしきい
値電圧と同極性であって前記しきい値電圧以下としてい
るので、前記リセットパルスとして比較的小さな電圧で
前記液晶のダイレクタを一旦一様に戻すことができ、さ
らに、前記しきい値電圧と逆極性である前記第2のリセ
ットパルスによる過剰な反電界を緩和すると同時に、液
晶分子のダイレクタの偏りを緩和することができるの
で、前記セレクトパルスによる前記液晶分子のスイッチ
ングを円滑に行って、液晶分子同士、液晶−配向膜間の
焼き付きを抑制することができる。
【0039】即ち、フィールド数毎の印加電界−透過率
曲線(V−Tカーブ)におけるずれ幅が小さくなり、即
ち、そのヒステリシス幅を小さくすることができるの
で、液晶分子のスイッチングを円滑に行って、液晶分子
同士、液晶−配向膜間の焼き付きを抑制することができ
る。また、ヒステリシス幅が小さくなると、ある1値の
印加電界(または印加電圧)によって決まる透過率をよ
り高い精度で実施することができる。特に、アナログ階
調表示が可能な液晶表示素子においては、階調数を増や
すことが可能となる。また、液晶に印加する電圧を最小
限に抑えることができる。
曲線(V−Tカーブ)におけるずれ幅が小さくなり、即
ち、そのヒステリシス幅を小さくすることができるの
で、液晶分子のスイッチングを円滑に行って、液晶分子
同士、液晶−配向膜間の焼き付きを抑制することができ
る。また、ヒステリシス幅が小さくなると、ある1値の
印加電界(または印加電圧)によって決まる透過率をよ
り高い精度で実施することができる。特に、アナログ階
調表示が可能な液晶表示素子においては、階調数を増や
すことが可能となる。また、液晶に印加する電圧を最小
限に抑えることができる。
【0040】ここで、上記電界強度面積とは、パルス電
圧値とパルス幅との積である(以下、同様)。また、上
記リセットパルスは、前記第1のリセットパルスと前記
第2のリセットパルスとからなるが、これに更に前記付
加パルスがヒステリシス補正用として印加されるもので
ある。
圧値とパルス幅との積である(以下、同様)。また、上
記リセットパルスは、前記第1のリセットパルスと前記
第2のリセットパルスとからなるが、これに更に前記付
加パルスがヒステリシス補正用として印加されるもので
ある。
【0041】また、本発明の駆動方法によれば、コント
ラストを向上させることができる。ここで、前記コント
ラストとは、白レベル(透過率最大値)と黒レベル(透
過率最小値)との比である。
ラストを向上させることができる。ここで、前記コント
ラストとは、白レベル(透過率最大値)と黒レベル(透
過率最小値)との比である。
【0042】即ち、本発明によれば、上述した各パルス
が前記付加パルスを含めて、リセットパルスとしてその
効果を十分に発揮しており、かつ、前記第1のリセット
パルスの電界強度面積が相対的に小さくなっているの
で、この第1のリセットパルスによって前記液晶がある
特定の配向状態に置かれることなく、適度の緩和状態に
置かれることになる。即ち、例えば、前記第1のリセッ
トパルスが十分に電界強度の大きい白表示パルスの場
合、前記液晶素子が白表示することがあるが、この第1
のリセットパルスの電界強度面積が実質的に小さくなる
と、前記液晶素子の白表示を抑え、かつ、前記付加パル
スにより、たとえ前フィールドが黒表示状態であって
も、十分な緩和状態に置くことができる。
が前記付加パルスを含めて、リセットパルスとしてその
効果を十分に発揮しており、かつ、前記第1のリセット
パルスの電界強度面積が相対的に小さくなっているの
で、この第1のリセットパルスによって前記液晶がある
特定の配向状態に置かれることなく、適度の緩和状態に
置かれることになる。即ち、例えば、前記第1のリセッ
トパルスが十分に電界強度の大きい白表示パルスの場
合、前記液晶素子が白表示することがあるが、この第1
のリセットパルスの電界強度面積が実質的に小さくなる
と、前記液晶素子の白表示を抑え、かつ、前記付加パル
スにより、たとえ前フィールドが黒表示状態であって
も、十分な緩和状態に置くことができる。
【0043】例えば、前記液晶素子が液晶ディスプレイ
の場合、実際には前記リセットパルスによって前記液晶
がスイッチングされている時も、これらのリセットパル
スの印加時間が非常に短いので、眼には積算されて見え
るが、フィールド時間が短くなるほど、前記リセットパ
ルスによるスイッチングの影響が大きくなる(即ち、コ
ントラストが低下する)。これに対して、本発明によれ
ば、フィールド時間にかかわらず前記コントラストを良
好に保持することができる。
の場合、実際には前記リセットパルスによって前記液晶
がスイッチングされている時も、これらのリセットパル
スの印加時間が非常に短いので、眼には積算されて見え
るが、フィールド時間が短くなるほど、前記リセットパ
ルスによるスイッチングの影響が大きくなる(即ち、コ
ントラストが低下する)。これに対して、本発明によれ
ば、フィールド時間にかかわらず前記コントラストを良
好に保持することができる。
【0044】なお、本発明において、一方向に配列され
たデータ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と
交差する方向に配列されたセレクト電極を有する第2の
基体との間に液晶が配されている液晶素子を駆動するに
際し、第1のリセットパルスと、この第1のリセットパ
ルスと逆極性の第2のリセットパルスとを含むリセット
パルスを印加した後に、第1のセレクトパルスと第2の
セレクトパルスとをこの順に印加する液晶素子の駆動方
法において、前記リセットパルスとして前記第2のリセ
ットパルスのみを用い、この第2のリセットパルスと逆
極性である付加パルスを前記第2のリセットパルスと前
記第2のセレクトパルスとの間に印加し、前記付加パル
スの電界強度面積を前記第2のリセットパルスの電界強
度面積とを実質的に等しくし、かつ、前記付加パルスの
電圧を前記液晶のスイッチング時のしきい値電圧と同極
性であってこのしきい値電圧以下とすることを特徴とす
る、液晶素子の駆動方法も考えられる。
たデータ電極を有する第1の基体と、前記データ電極と
交差する方向に配列されたセレクト電極を有する第2の
基体との間に液晶が配されている液晶素子を駆動するに
際し、第1のリセットパルスと、この第1のリセットパ
ルスと逆極性の第2のリセットパルスとを含むリセット
パルスを印加した後に、第1のセレクトパルスと第2の
セレクトパルスとをこの順に印加する液晶素子の駆動方
法において、前記リセットパルスとして前記第2のリセ
ットパルスのみを用い、この第2のリセットパルスと逆
極性である付加パルスを前記第2のリセットパルスと前
記第2のセレクトパルスとの間に印加し、前記付加パル
スの電界強度面積を前記第2のリセットパルスの電界強
度面積とを実質的に等しくし、かつ、前記付加パルスの
電圧を前記液晶のスイッチング時のしきい値電圧と同極
性であってこのしきい値電圧以下とすることを特徴とす
る、液晶素子の駆動方法も考えられる。
【0045】この駆動方法によれば、前記第1のリセッ
トパルスを全く印加せずに、前記第2のリセットパルス
のみ(更には、前記付加パルスも含めることが可能)を
リセットパルスとして、上述した本発明の駆動方法と同
様に液晶素子を駆動することができることがある。
トパルスを全く印加せずに、前記第2のリセットパルス
のみ(更には、前記付加パルスも含めることが可能)を
リセットパルスとして、上述した本発明の駆動方法と同
様に液晶素子を駆動することができることがある。
【0046】
【発明の実施の形態】まず、本発明の駆動方法において
使用できる駆動波形(またはパルス波形)の一例を図1
を参照に説明する。
使用できる駆動波形(またはパルス波形)の一例を図1
を参照に説明する。
【0047】図1は、セレクト電極(走査電極、ロウ電
極、選択電極)において、各フィールド(例えば、NT
SC方式では16.7ms)又は所定のフィールドに印
加するリセットパルスとセレクトパルス(または選択パ
ルス:以下、同様)のパルス波形を概略図示したもので
ある。
極、選択電極)において、各フィールド(例えば、NT
SC方式では16.7ms)又は所定のフィールドに印
加するリセットパルスとセレクトパルス(または選択パ
ルス:以下、同様)のパルス波形を概略図示したもので
ある。
【0048】ここでは、まず、正極性であってパルス電
圧V1 とパルス幅T1 とを有する第1のリセットパルス
A1 を印加し、次に、これとは逆極性(即ち、負極性)
でパルス電圧VB とパルス幅TB とを有する第2のリセ
ットパルスBと共に、これと同極性(即ち、負極性)で
あってパルス電圧v(v=VB であってよいが、図1中
に破線で示すようにVB >v又はVB <vであってもよ
い:以下、同様)とパルス幅tとを有する選択パルス
(セレクトパルス)bを印加し、さらに、本発明に基づ
く前記付加パルスとして、正極性であってパルス電圧V
2 とパルス幅T2とを有しているプラス電界による黒表
示パルスA2 を印加した後、正極性であってパルス電圧
vとパルス幅tとを有する選択パルス(セレクトパル
ス)aを印加する。ここでは、前記選択パルスbは前記
第1のセレクトパルスとして作用し、前記選択パルスa
は前記第2のセレクトパルスとして作用する(以下、同
様)。
圧V1 とパルス幅T1 とを有する第1のリセットパルス
A1 を印加し、次に、これとは逆極性(即ち、負極性)
でパルス電圧VB とパルス幅TB とを有する第2のリセ
ットパルスBと共に、これと同極性(即ち、負極性)で
あってパルス電圧v(v=VB であってよいが、図1中
に破線で示すようにVB >v又はVB <vであってもよ
い:以下、同様)とパルス幅tとを有する選択パルス
(セレクトパルス)bを印加し、さらに、本発明に基づ
く前記付加パルスとして、正極性であってパルス電圧V
2 とパルス幅T2とを有しているプラス電界による黒表
示パルスA2 を印加した後、正極性であってパルス電圧
vとパルス幅tとを有する選択パルス(セレクトパル
ス)aを印加する。ここでは、前記選択パルスbは前記
第1のセレクトパルスとして作用し、前記選択パルスa
は前記第2のセレクトパルスとして作用する(以下、同
様)。
【0049】ここで、電気的な中和を考慮して、電圧を
バイポーラで印加するため、リセットパルスA1 の電界
強度面積と付加パルスA2 の電界強度面積との和が、リ
セットパルスBの電界強度面積と実質的に等しくされて
いる。即ち、リセットパルスA1 の電界強度面積を
A1 、付加パルスA2 の電界強度面積をA2 、リセット
パルスBの電界強度面積をBとすると、B=A1 +A2
が成り立っている。同様に、選択パルスaの電界強度面
積と選択パルスbの電界強度面積とは実質的に等しい
(a=b=vt)。但し、図中、リセットパルスA1 に
付した点線部は、付加パルスA2 の電界強度面積と同値
となる部分であり、従来は、この点線部を含むパルスが
第1のリセットパルスとなっており、第2のリセットパ
ルスBと共にリセットパルスを形成していた。
バイポーラで印加するため、リセットパルスA1 の電界
強度面積と付加パルスA2 の電界強度面積との和が、リ
セットパルスBの電界強度面積と実質的に等しくされて
いる。即ち、リセットパルスA1 の電界強度面積を
A1 、付加パルスA2 の電界強度面積をA2 、リセット
パルスBの電界強度面積をBとすると、B=A1 +A2
が成り立っている。同様に、選択パルスaの電界強度面
積と選択パルスbの電界強度面積とは実質的に等しい
(a=b=vt)。但し、図中、リセットパルスA1 に
付した点線部は、付加パルスA2 の電界強度面積と同値
となる部分であり、従来は、この点線部を含むパルスが
第1のリセットパルスとなっており、第2のリセットパ
ルスBと共にリセットパルスを形成していた。
【0050】また、付加パルスA2 のパルス電圧V
2 は、液晶のスイッチング時のしきい値電圧(以下、単
にしきい値電圧と称することがある。)と同極性であっ
てしきい値電圧以下、即ちV2 <v、V2 T2 <vtで
ある。また、選択パルスaは、所定の表示色(例えば、
白色、黒色または階調色)を示すレベルを書き込むため
のものである。即ち、前記選択パルスaによって表示色
(即ち、液晶分子の配向状態)を指示するが、前記付加
パルスA2 のパルス電圧は、しきい値電圧以下であるの
で特定の表示色を示さず、即ち、前記液晶分子の配向状
態を特定するものではなく、液晶分子のダイレクタの偏
りを緩和させるものである。
2 は、液晶のスイッチング時のしきい値電圧(以下、単
にしきい値電圧と称することがある。)と同極性であっ
てしきい値電圧以下、即ちV2 <v、V2 T2 <vtで
ある。また、選択パルスaは、所定の表示色(例えば、
白色、黒色または階調色)を示すレベルを書き込むため
のものである。即ち、前記選択パルスaによって表示色
(即ち、液晶分子の配向状態)を指示するが、前記付加
パルスA2 のパルス電圧は、しきい値電圧以下であるの
で特定の表示色を示さず、即ち、前記液晶分子の配向状
態を特定するものではなく、液晶分子のダイレクタの偏
りを緩和させるものである。
【0051】従って、このような駆動波形を含む選択電
圧を印加することによって(即ち、従来のリセットパル
スに加えて、単にパルスを付加するのではなく)、前記
付加パルスA2 が前記しきい値電圧以下と小さく、かつ
前記リセットパルスA1 を比較的小さくできるため、前
記リセットパルスBによる焼き付き現象に対して、比較
的小さな電圧で前記液晶のダイレクタの偏りを一旦一様
に戻すことができる。さらに、前記しきい値電圧と逆極
性である前記第2のリセットパルスによる過剰な反電界
を緩和すると共に、液晶分子のダイレクタを緩和するこ
とができ、印加電界−透過率曲線(V−Tカーブ)にお
けるヒステリシス幅を小さくすることができる。また、
上述したように、コントラストを向上させることができ
る。
圧を印加することによって(即ち、従来のリセットパル
スに加えて、単にパルスを付加するのではなく)、前記
付加パルスA2 が前記しきい値電圧以下と小さく、かつ
前記リセットパルスA1 を比較的小さくできるため、前
記リセットパルスBによる焼き付き現象に対して、比較
的小さな電圧で前記液晶のダイレクタの偏りを一旦一様
に戻すことができる。さらに、前記しきい値電圧と逆極
性である前記第2のリセットパルスによる過剰な反電界
を緩和すると共に、液晶分子のダイレクタを緩和するこ
とができ、印加電界−透過率曲線(V−Tカーブ)にお
けるヒステリシス幅を小さくすることができる。また、
上述したように、コントラストを向上させることができ
る。
【0052】また、前記各パルスを印加するに際し、間
隔を置かずに前記各パルスを印加してもよいが、例えば
図1において、リセットパルスA1 とリセットパルスB
との間、リセットパルスBと付加パルスA2 との間、付
加パルスA2 と選択パルスaとの間には、図示したよう
に適当な間隔が設けられていてもよい。
隔を置かずに前記各パルスを印加してもよいが、例えば
図1において、リセットパルスA1 とリセットパルスB
との間、リセットパルスBと付加パルスA2 との間、付
加パルスA2 と選択パルスaとの間には、図示したよう
に適当な間隔が設けられていてもよい。
【0053】この間隔は、緩和時間として作用する。特
に、付加パルスA2 と選択パルスaとの間に緩和時間が
設けられていることが望ましい。この緩和時間は、液晶
分子の持つ自発分極による電子分極と配向膜の分極との
結び付きの緩和(配向膜との分極による結び付き)を考
慮したものであり、これによって、リセットやセレクト
がスムーズに行われることになる。即ち、1/2ライン
時間の前記付加パルスと1/2ライン時間の前記緩和時
間とを組と考えると、1ライン時間以上の組を印加する
ことがさらに望ましい。この間隔は、液晶材料の種類に
よってはなくてもよい。
に、付加パルスA2 と選択パルスaとの間に緩和時間が
設けられていることが望ましい。この緩和時間は、液晶
分子の持つ自発分極による電子分極と配向膜の分極との
結び付きの緩和(配向膜との分極による結び付き)を考
慮したものであり、これによって、リセットやセレクト
がスムーズに行われることになる。即ち、1/2ライン
時間の前記付加パルスと1/2ライン時間の前記緩和時
間とを組と考えると、1ライン時間以上の組を印加する
ことがさらに望ましい。この間隔は、液晶材料の種類に
よってはなくてもよい。
【0054】また、本発明の駆動方法においては、前記
付加パルスが複数のパルスからなり、これらのパルスの
うち、少なくとも1つのパルスを1/2ライン時間以上
印加することが望ましい。
付加パルスが複数のパルスからなり、これらのパルスの
うち、少なくとも1つのパルスを1/2ライン時間以上
印加することが望ましい。
【0055】詳しくは後述するが、例えば、図2〜図4
に示すように、前記付加パルスが複数のパルスからなっ
ており、また、図13に示すように、付加パルスの数が
増えるほど前記ヒステリシス幅(ΔV)が小さくなる。
に示すように、前記付加パルスが複数のパルスからなっ
ており、また、図13に示すように、付加パルスの数が
増えるほど前記ヒステリシス幅(ΔV)が小さくなる。
【0056】そこで、例えば図4に示すように、前記付
加パルスが少なくとも9個のパルスからなり、これらの
パルスをそれぞれ1/2ライン時間以上印加することが
望ましい。このようなパルスは、見かけ上の電界強度面
積が大きくなり、緩和時間も大きくなるので、セレクト
パルスの印加前に、十分に前記液晶分子を緩和させるこ
とができる。
加パルスが少なくとも9個のパルスからなり、これらの
パルスをそれぞれ1/2ライン時間以上印加することが
望ましい。このようなパルスは、見かけ上の電界強度面
積が大きくなり、緩和時間も大きくなるので、セレクト
パルスの印加前に、十分に前記液晶分子を緩和させるこ
とができる。
【0057】また、本発明の駆動方法においては、前記
付加パルスが複数のパルスからなり、これらのパルスが
互いに同一の若しくは異なるパルス電圧値及び/又はパ
ルス幅を有することが望ましい。
付加パルスが複数のパルスからなり、これらのパルスが
互いに同一の若しくは異なるパルス電圧値及び/又はパ
ルス幅を有することが望ましい。
【0058】即ち、例えば、図9及び図11に示すよう
に、複数の付加パルスとしてパルス電圧が互いに異なる
付加パルスを用いてもよい。なお、図示しないが、複数
の付加パルスとして、これらの各パルスが互いに同一の
若しくは異なるパルス幅を有していてもよい。即ち、本
発明に基づく前記付加パルスは様々な波形にコントロー
ルすることができる。
に、複数の付加パルスとしてパルス電圧が互いに異なる
付加パルスを用いてもよい。なお、図示しないが、複数
の付加パルスとして、これらの各パルスが互いに同一の
若しくは異なるパルス幅を有していてもよい。即ち、本
発明に基づく前記付加パルスは様々な波形にコントロー
ルすることができる。
【0059】特に、前記パルス電圧値及び/又は前記パ
ルス幅が前記複数のパルスの印加順に徐々に小さくなっ
ていくように、前記付加パルスを印加することが望まし
い。
ルス幅が前記複数のパルスの印加順に徐々に小さくなっ
ていくように、前記付加パルスを印加することが望まし
い。
【0060】例えば、図9に示すように、3つの付加パ
ルスをその印加順に、パルス電圧が徐々に小さくなって
いくようなパルス波形を用いて液晶素子を駆動させる場
合、前記ヒステリシス幅(ΔV)をさらに小さくするこ
とができる。
ルスをその印加順に、パルス電圧が徐々に小さくなって
いくようなパルス波形を用いて液晶素子を駆動させる場
合、前記ヒステリシス幅(ΔV)をさらに小さくするこ
とができる。
【0061】なお、例えば図15に示すように、前記第
1のリセットパルスの電界強度面積をさらに小さくする
ことも可能である。このリセットパルスがしきい電界強
度面積(a)以下であると、コントラストを向上させる
ことができると考えられる。
1のリセットパルスの電界強度面積をさらに小さくする
ことも可能である。このリセットパルスがしきい電界強
度面積(a)以下であると、コントラストを向上させる
ことができると考えられる。
【0062】また、本発明の駆動方法においては、前記
第1のリセットパルス及び前記付加パルスを正極性のパ
ルスとし、前記第2のリセットパルスを負極性のパルス
とすることが望ましい。
第1のリセットパルス及び前記付加パルスを正極性のパ
ルスとし、前記第2のリセットパルスを負極性のパルス
とすることが望ましい。
【0063】即ち、白表示(透過率最大値)から黒表示
(透過率最小値)へのV−Tカーブにおいては、フィー
ルド数に関わらず、ずれ(ΔV)がほとんど生じない
が、黒表示から白表示へのV−Tカーブにおいては、そ
のずれ(ΔV)はフィールド数(実際には連続したフィ
ールド数)に大きく依存することがある。
(透過率最小値)へのV−Tカーブにおいては、フィー
ルド数に関わらず、ずれ(ΔV)がほとんど生じない
が、黒表示から白表示へのV−Tカーブにおいては、そ
のずれ(ΔV)はフィールド数(実際には連続したフィ
ールド数)に大きく依存することがある。
【0064】これは、セレクト電極側から入力するパル
スのうち、負電界側、即ち、黒表示にリセットするパル
スが強いために、液晶分子(特に強誘電性液晶分子)の
自発分極のダイレクタが印加される電界方向に強く配向
し、前述したような反電界が発生したり、イオンの局在
化を招いたりすると考えられる。従って、負極性のリセ
ットパルス(前記第2のリセットパルス)の印加後、黒
レベルに変化はないものの、前記液晶分子のダイレクタ
及び、特にイオンの局在化を緩和するために、前記付加
パルスが、正極性のパルスであって前記しきい値電圧よ
りも小さいパルスであることが望ましい。
スのうち、負電界側、即ち、黒表示にリセットするパル
スが強いために、液晶分子(特に強誘電性液晶分子)の
自発分極のダイレクタが印加される電界方向に強く配向
し、前述したような反電界が発生したり、イオンの局在
化を招いたりすると考えられる。従って、負極性のリセ
ットパルス(前記第2のリセットパルス)の印加後、黒
レベルに変化はないものの、前記液晶分子のダイレクタ
及び、特にイオンの局在化を緩和するために、前記付加
パルスが、正極性のパルスであって前記しきい値電圧よ
りも小さいパルスであることが望ましい。
【0065】次に、本発明の駆動方法に用いることがで
きる前記駆動波形の変形例を例示する。
きる前記駆動波形の変形例を例示する。
【0066】例えば、図17に示すように、前記第2の
リセットパルスを分割してもよい。図17は、図1にお
けるパルス波形における第2のリセットパルスBを、第
2のリセットパルスとしてリセットパルスB1 とリセッ
トパルスB2 とに分割したものである。このようなパル
ス波形では、第2のリセットパルスとして一度に印加す
る電圧を小さくすることができる。即ち、この第2のリ
セットパルスによるダイレクタの偏りを減少させること
ができる。なお、図中、リセットパルスB1 に付した点
線部は、リセットパルスB2 と実質的に同じ電界強度面
積を有するものである。また、前記リセットパルスB2
は、この他の位置に印加してもよく、例えば、リセット
パルスB1 の直前に印加してもよい。
リセットパルスを分割してもよい。図17は、図1にお
けるパルス波形における第2のリセットパルスBを、第
2のリセットパルスとしてリセットパルスB1 とリセッ
トパルスB2 とに分割したものである。このようなパル
ス波形では、第2のリセットパルスとして一度に印加す
る電圧を小さくすることができる。即ち、この第2のリ
セットパルスによるダイレクタの偏りを減少させること
ができる。なお、図中、リセットパルスB1 に付した点
線部は、リセットパルスB2 と実質的に同じ電界強度面
積を有するものである。また、前記リセットパルスB2
は、この他の位置に印加してもよく、例えば、リセット
パルスB1 の直前に印加してもよい。
【0067】また、例えば、図18に示すように、前記
付加パルスは、付加パルスA14のように、1/2ライン
時間を越えるものであってもよい。この付加パルスA14
は、図3に示したパルス波形においてパルスA4-1 とパ
ルスA4-2 とパルスA4-3 との間隔をなくし、例えば、
パルス幅90μs、パルス電圧3VのパルスA14とする
ことができる。ここで、各パルスの電界強度面積は、B
=A1 +A14の関係にある。このように、前記付加パル
スは、前記しきい値電圧と同極性であって前記しきい値
電圧以下であれば、そのパルス幅やパルス電圧は任意の
ものとすることができる。
付加パルスは、付加パルスA14のように、1/2ライン
時間を越えるものであってもよい。この付加パルスA14
は、図3に示したパルス波形においてパルスA4-1 とパ
ルスA4-2 とパルスA4-3 との間隔をなくし、例えば、
パルス幅90μs、パルス電圧3VのパルスA14とする
ことができる。ここで、各パルスの電界強度面積は、B
=A1 +A14の関係にある。このように、前記付加パル
スは、前記しきい値電圧と同極性であって前記しきい値
電圧以下であれば、そのパルス幅やパルス電圧は任意の
ものとすることができる。
【0068】さらに、例えば、図19に示すように、前
記選択パルスbは、リセットパルスBの直前に印加して
もよい。図19は、図1と同様のパルス幅、パルス電圧
を有する選択パルスbをリセットパルスBとリセットパ
ルスA1 との間に印加するものである。
記選択パルスbは、リセットパルスBの直前に印加して
もよい。図19は、図1と同様のパルス幅、パルス電圧
を有する選択パルスbをリセットパルスBとリセットパ
ルスA1 との間に印加するものである。
【0069】上述したように、本発明においては、前記
付加パルス、前記第1のリセットパルス、前記第2のリ
セットパルス、前記選択パルスは本発明の特徴的構成に
基づき、種々変形が可能である。
付加パルス、前記第1のリセットパルス、前記第2のリ
セットパルス、前記選択パルスは本発明の特徴的構成に
基づき、種々変形が可能である。
【0070】また、本発明の駆動方法においては、前記
液晶として強誘電性液晶を使用し、この強誘電性液晶を
スイッチングするためのしきい値電圧の異なる領域が微
細に分布しているドメインを有する単純マトリクス方式
の液晶素子を駆動することができる。
液晶として強誘電性液晶を使用し、この強誘電性液晶を
スイッチングするためのしきい値電圧の異なる領域が微
細に分布しているドメインを有する単純マトリクス方式
の液晶素子を駆動することができる。
【0071】さらに、印加される実効電界強度に分布を
持たせ、前記液晶素子をスイッチングしてアナログ階調
表示を実現するためのしきい値電圧が分布するように前
記液晶中に微粒子を存在させ、これによって一画素内に
おいてアナログ階調表示を可能としてもよい。
持たせ、前記液晶素子をスイッチングしてアナログ階調
表示を実現するためのしきい値電圧が分布するように前
記液晶中に微粒子を存在させ、これによって一画素内に
おいてアナログ階調表示を可能としてもよい。
【0072】さらに、前記アナログ階調表示を実現する
微細ドメインを持つ液晶ディスプレイを駆動することも
できる。
微細ドメインを持つ液晶ディスプレイを駆動することも
できる。
【0073】即ち、本発明の駆動方法で用いる強誘電性
液晶は、上記微粒子の添加によって、「しきい値電圧の
異なる領域が微細に分布している」状態となってもよ
い。これは、反転ドメイン(例えば白の中に黒のドメイ
ン又はその反対)による透過率が25%であるときに1
μmφ以上の大きさのドメイン(マイクロドメイン)が
1mm2 の視野の中に300個以上(好ましくは600
個以上)存在する。
液晶は、上記微粒子の添加によって、「しきい値電圧の
異なる領域が微細に分布している」状態となってもよ
い。これは、反転ドメイン(例えば白の中に黒のドメイ
ン又はその反対)による透過率が25%であるときに1
μmφ以上の大きさのドメイン(マイクロドメイン)が
1mm2 の視野の中に300個以上(好ましくは600
個以上)存在する。
【0074】従って、このような液晶素子では、図63
に例示したように、印加電圧によって透過率が図62の
ように急峻に変化するのではなく、比較的緩やかな変化
を示すものである。これは、上記したように、特に、一
つの画素内において、しきい値電圧(Vth)の異なる微
細な領域(マイクロドメイン:MD)の発現により、印
加電圧の大きさに応じてマイクロドメインの透過率が変
化するためである。そして、一つのドメイン内では、液
晶分子が双安定であるとメモリ機能を有し、しきい値電
圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成され
ることから、連続階調表示が可能となる。
に例示したように、印加電圧によって透過率が図62の
ように急峻に変化するのではなく、比較的緩やかな変化
を示すものである。これは、上記したように、特に、一
つの画素内において、しきい値電圧(Vth)の異なる微
細な領域(マイクロドメイン:MD)の発現により、印
加電圧の大きさに応じてマイクロドメインの透過率が変
化するためである。そして、一つのドメイン内では、液
晶分子が双安定であるとメモリ機能を有し、しきい値電
圧の異なるμmオーダのドメインから一画素が形成され
ることから、連続階調表示が可能となる。
【0075】図63では、透過率が変化するしきい値電
圧のうち、透過率10%のときをVth1 、透過率90%
のときをVth2 とした場合、しきい値電圧の変化幅(△
Vth=Vth2 −Vth1)が1V以上である。
圧のうち、透過率10%のときをVth1 、透過率90%
のときをVth2 とした場合、しきい値電圧の変化幅(△
Vth=Vth2 −Vth1)が1V以上である。
【0076】マイクロドメインについては、図64
(A)に示すように、透過率25%のときに、1μmφ
以上の大きさのドメインMDが300個/mm2 以上の
割合で存在するものである。こうしたマイクロドメイン
による微細な光透過部分によって、全体として中間調の
画面(透過率)を実現できるが、このようなマイクロド
メインによる構造は、いわば星空の如き様相を呈するの
で、以下に「スターライトテクスチャ」と称することと
する。
(A)に示すように、透過率25%のときに、1μmφ
以上の大きさのドメインMDが300個/mm2 以上の
割合で存在するものである。こうしたマイクロドメイン
による微細な光透過部分によって、全体として中間調の
画面(透過率)を実現できるが、このようなマイクロド
メインによる構造は、いわば星空の如き様相を呈するの
で、以下に「スターライトテクスチャ」と称することと
する。
【0077】このスターライトテクスチャによれば、印
加電圧の大小に応じてマイクロドメインによる光透過部
分MDが図64(A)に点線で示す如くに拡大したり
(透過率上昇)、或いは縮小させる(透過率減少)こと
ができ、印加電圧によって任意に透過率を変化させるこ
とができる。なお、図64(B)に示すように、比較的
大きな粒子が配向膜上に配された液晶素子では、しきい
値電圧幅が極めて小さいために、印加電圧による光透過
部分Dが急激に増加(図中点線)したり、或いは消失
(図中実線)してしまうことがあり、階調表示が困難な
ことがある。
加電圧の大小に応じてマイクロドメインによる光透過部
分MDが図64(A)に点線で示す如くに拡大したり
(透過率上昇)、或いは縮小させる(透過率減少)こと
ができ、印加電圧によって任意に透過率を変化させるこ
とができる。なお、図64(B)に示すように、比較的
大きな粒子が配向膜上に配された液晶素子では、しきい
値電圧幅が極めて小さいために、印加電圧による光透過
部分Dが急激に増加(図中点線)したり、或いは消失
(図中実線)してしまうことがあり、階調表示が困難な
ことがある。
【0078】このような液晶素子の製造方法において
は、上記のマイクロドメインを形成する手段として、液
晶セルにおいて液晶5中に微粒子(又は、超微粒子)を
分散させることができる。
は、上記のマイクロドメインを形成する手段として、液
晶セルにおいて液晶5中に微粒子(又は、超微粒子)を
分散させることができる。
【0079】ここで、超微粒子によるしきい値電圧の変
化を図66について原理的に説明する。超微粒子の粒径
をd2 、誘電率をε2 、超微粒子を除く液晶5の厚みを
d1、誘電率をε1 としたとき、超微粒子にかかる電
界Eeff は、次式(1)で表される。 Eeff =(ε2 /(ε1 d2 +ε2 d1 ))×Vgap ・・・・・(1)
化を図66について原理的に説明する。超微粒子の粒径
をd2 、誘電率をε2 、超微粒子を除く液晶5の厚みを
d1、誘電率をε1 としたとき、超微粒子にかかる電
界Eeff は、次式(1)で表される。 Eeff =(ε2 /(ε1 d2 +ε2 d1 ))×Vgap ・・・・・(1)
【0080】従って、誘電率の値が液晶よりも小さい超
微粒子を添加すると(ε2 <ε1 )、液晶層の全厚dga
p(=d1 +d2)よりも小さな微粒子(d2 )を入れるこ
とにより、 Eeff <Egap となり、液晶には、微粒子を入れない場合(Egap)に比
較して小さな電界Eeffが作用する。
微粒子を添加すると(ε2 <ε1 )、液晶層の全厚dga
p(=d1 +d2)よりも小さな微粒子(d2 )を入れるこ
とにより、 Eeff <Egap となり、液晶には、微粒子を入れない場合(Egap)に比
較して小さな電界Eeffが作用する。
【0081】その反対に、誘電率の値が液晶より大きな
微粒子を添加することにより(ε2>ε1 )、 Eeff >Egap となり、液晶には、微粒子を入れない場合(Egap)に比
較して大きな電界Eeffが作用する。
微粒子を添加することにより(ε2>ε1 )、 Eeff >Egap となり、液晶には、微粒子を入れない場合(Egap)に比
較して大きな電界Eeffが作用する。
【0082】以上をまとめると、次の通りとなる。 ε1 >ε2 のとき →Eeff <{Vgap/(d1+d2 )}
=Vgap/dgap =Egap ε1 =ε2 のとき → Eeff =Egap ε1 <ε2 のとき → Eeff >Egap
=Vgap/dgap =Egap ε1 =ε2 のとき → Eeff =Egap ε1 <ε2 のとき → Eeff >Egap
【0083】いずれにしても、超微粒子の添加によっ
て、液晶自体に加わる実効電界Eeffは変化することに
なり、超微粒子が存在する領域とそうでない領域とで液
晶に加わる実効電界が異なることになる。この結果、同
じ電界Egap を作用させても、それら領域間では反転ド
メインが生じる領域と生じない領域が存在し、図64
(A)で示した如きスターライトテクスチャ構造を実現
できるのである。
て、液晶自体に加わる実効電界Eeffは変化することに
なり、超微粒子が存在する領域とそうでない領域とで液
晶に加わる実効電界が異なることになる。この結果、同
じ電界Egap を作用させても、それら領域間では反転ド
メインが生じる領域と生じない領域が存在し、図64
(A)で示した如きスターライトテクスチャ構造を実現
できるのである。
【0084】このことから、スターライトテクスチャ構
造は連続階調を実現するのに好適なものとなり、超微粒
子の添加下で印加電圧(大きさ、パルス幅等)を制御す
る(即ち、2種類以上の電圧を印加すること)によって
多様な透過率(即ち、2種類以上の階調レベル)を得る
ことができる。また、単に微粒子を存在させるだけで
は、図64(B)の如きものが得られるが、特に微小な
(2μm程度の)ギャップ中に0.3〜2μmの微粒子
を存在させても目的とする表示性能が得られないことが
あり、また、微小なギャップでなくても微粒子部分によ
る色ムラが生じてしまうことがある。
造は連続階調を実現するのに好適なものとなり、超微粒
子の添加下で印加電圧(大きさ、パルス幅等)を制御す
る(即ち、2種類以上の電圧を印加すること)によって
多様な透過率(即ち、2種類以上の階調レベル)を得る
ことができる。また、単に微粒子を存在させるだけで
は、図64(B)の如きものが得られるが、特に微小な
(2μm程度の)ギャップ中に0.3〜2μmの微粒子
を存在させても目的とする表示性能が得られないことが
あり、また、微小なギャップでなくても微粒子部分によ
る色ムラが生じてしまうことがある。
【0085】本発明の駆動方法に用いることができる液
晶素子において、液晶に添加する微粒子としては、図5
8及び図59に示した対向する透明電極層2a、2bの
間に存在する液晶5に印加される実効電界強度に分布を
持たせることができるような微粒子であればよく、例え
ば、誘電率の異なる複数の材質の微粒子を混合して使用
することができる。このように誘電率の異なる微粒子を
存在させることにより、各画素内に誘電率の分布が形成
される。
晶素子において、液晶に添加する微粒子としては、図5
8及び図59に示した対向する透明電極層2a、2bの
間に存在する液晶5に印加される実効電界強度に分布を
持たせることができるような微粒子であればよく、例え
ば、誘電率の異なる複数の材質の微粒子を混合して使用
することができる。このように誘電率の異なる微粒子を
存在させることにより、各画素内に誘電率の分布が形成
される。
【0086】この結果、上記したように、画素の透明電
極層2a−2b間に均一に外部電界を印加した場合で
も、その画素内の液晶に印加される実効電界強度には分
布ができ、液晶(特に強誘電性液晶)の双安定状態間を
スイッチングするためのしきい値電圧の分布幅を広げる
ことができ、一画素内でアナログ階調表示が可能とな
る。
極層2a−2b間に均一に外部電界を印加した場合で
も、その画素内の液晶に印加される実効電界強度には分
布ができ、液晶(特に強誘電性液晶)の双安定状態間を
スイッチングするためのしきい値電圧の分布幅を広げる
ことができ、一画素内でアナログ階調表示が可能とな
る。
【0087】また、使用する微粒子として、誘電率が同
じものを使用する場合には、大きさに分布をもたせれば
よい。このように、誘電率は異ならないが大きさが異な
る微粒子を存在させることにより液晶層の厚みに分布が
できる。その結果、一画素の透明電極層2a−2b間に
均一に外部電界を印加した場合でも、その画素内の液晶
に印加される実効電界強度には分布ができ、一画素内で
アナログ階調表示が可能となる。微粒子の大きさの分布
について、その分布の広がりはある程度大きい方が、優
れたアナログ階調表示ができるので好ましい。
じものを使用する場合には、大きさに分布をもたせれば
よい。このように、誘電率は異ならないが大きさが異な
る微粒子を存在させることにより液晶層の厚みに分布が
できる。その結果、一画素の透明電極層2a−2b間に
均一に外部電界を印加した場合でも、その画素内の液晶
に印加される実効電界強度には分布ができ、一画素内で
アナログ階調表示が可能となる。微粒子の大きさの分布
について、その分布の広がりはある程度大きい方が、優
れたアナログ階調表示ができるので好ましい。
【0088】このような液晶素子では、液晶に添加する
微粒子はpH=2.0以上の表面を有することが望まし
いが、これは、pH=2.0未満では酸性が強すぎ、プ
ロトンにより液晶が劣化し易いからである。
微粒子はpH=2.0以上の表面を有することが望まし
いが、これは、pH=2.0未満では酸性が強すぎ、プ
ロトンにより液晶が劣化し易いからである。
【0089】また、この微粒子の量は、特に限定はな
く、所望のアナログ階調性等を考慮して適宜に決定する
ことができるが、50重量%以下、0.1重量%以上の
割合で液晶に添加されているのが望ましい。添加量があ
まり多いと、凝集してスターライトテクスチャ構造が発
現し難く、また液晶の注入が困難となり易い。
く、所望のアナログ階調性等を考慮して適宜に決定する
ことができるが、50重量%以下、0.1重量%以上の
割合で液晶に添加されているのが望ましい。添加量があ
まり多いと、凝集してスターライトテクスチャ構造が発
現し難く、また液晶の注入が困難となり易い。
【0090】使用可能な微粒子はカーボンブラック及び
/又は酸化チタンからなっていてよく、またカーボンブ
ラックがファーネス法により作製されたカーボンブラッ
クであり、酸化チタンがアモルファス酸化チタンである
のがよい。ファーネス法により作製された熱分解カーボ
ンブラックは、微粒子の粒度分布が比較的広く、またア
モルファス酸化チタンは、表面性が良く、耐久性にも優
れている。
/又は酸化チタンからなっていてよく、またカーボンブ
ラックがファーネス法により作製されたカーボンブラッ
クであり、酸化チタンがアモルファス酸化チタンである
のがよい。ファーネス法により作製された熱分解カーボ
ンブラックは、微粒子の粒度分布が比較的広く、またア
モルファス酸化チタンは、表面性が良く、耐久性にも優
れている。
【0091】使用可能な微粒子は、凝集していない一次
微粒子の状態で、液晶セルギャップの半分以下の大きさ
(0.4μm以下、特に0.1μm以下)が好ましく、
形状としては、コントロールの容易性から球形が好まし
い。また、その粒度分布によって階調表示特性をコント
ロールできるが、粒度分布の標準偏差が9.0nm以上
であることが透過率の変化(トランスミタンス)を緩や
かにできる点で望ましい。微粒子の比重が液晶の0.1
〜10倍であることが、液晶中に分散させた際の沈降防
止の点で望ましく、また、微粒子が良分散性を示すよう
にシランカップリング剤等で表面処理されているのがよ
い。
微粒子の状態で、液晶セルギャップの半分以下の大きさ
(0.4μm以下、特に0.1μm以下)が好ましく、
形状としては、コントロールの容易性から球形が好まし
い。また、その粒度分布によって階調表示特性をコント
ロールできるが、粒度分布の標準偏差が9.0nm以上
であることが透過率の変化(トランスミタンス)を緩や
かにできる点で望ましい。微粒子の比重が液晶の0.1
〜10倍であることが、液晶中に分散させた際の沈降防
止の点で望ましく、また、微粒子が良分散性を示すよう
にシランカップリング剤等で表面処理されているのがよ
い。
【0092】上述のように、微粒子のサイズは極めて小
さいので、この微粒子を超微粒子と称してもよい。
さいので、この微粒子を超微粒子と称してもよい。
【0093】本発明の駆動方法に用いる液晶素子におい
て、前記微粒子は対向する電極間の液晶中に存在させる
ことが望ましいが、これに加えて、液晶配向膜中又は液
晶配向膜上に存在させてもよい。微粒子を対応する電極
間に存在させること以外の構成は、図58及び図59の
液晶表示素子(特に強誘電性液晶表示素子)と同様にす
ることができる。
て、前記微粒子は対向する電極間の液晶中に存在させる
ことが望ましいが、これに加えて、液晶配向膜中又は液
晶配向膜上に存在させてもよい。微粒子を対応する電極
間に存在させること以外の構成は、図58及び図59の
液晶表示素子(特に強誘電性液晶表示素子)と同様にす
ることができる。
【0094】例えば、基板としては透明ガラス板を、電
極層としてはITO(Indium tin oxide)等を、液晶配
向膜としてはラビング処理されたポリイミド膜やSiO
斜方蒸着膜を使用することができる。また、駆動方式も
既述したものと同様であってよい。但し、上記したマイ
クロドメインのスターライトテクスチャでのグレーレベ
ルは、データパルスの電圧を変化させて得るため、常に
1フィールド全体にデータパルスは印加されている状態
とする。
極層としてはITO(Indium tin oxide)等を、液晶配
向膜としてはラビング処理されたポリイミド膜やSiO
斜方蒸着膜を使用することができる。また、駆動方式も
既述したものと同様であってよい。但し、上記したマイ
クロドメインのスターライトテクスチャでのグレーレベ
ルは、データパルスの電圧を変化させて得るため、常に
1フィールド全体にデータパルスは印加されている状態
とする。
【0095】なお、前記液晶素子に使用可能な強誘電性
液晶は、実際には、カイラルスメクチックC(Sm
C* )液晶と非カイラルスメクチックC(SmC)液晶
とを混合したものであるのがよいが、これらの液晶はそ
れぞれ一種のみから成るものであってもよいし、複数種
を混合したものであってもよい。
液晶は、実際には、カイラルスメクチックC(Sm
C* )液晶と非カイラルスメクチックC(SmC)液晶
とを混合したものであるのがよいが、これらの液晶はそ
れぞれ一種のみから成るものであってもよいし、複数種
を混合したものであってもよい。
【0096】ここで、カイラルスメクチックC(SmC
* )液晶(強誘電性液晶)としては、公知のピリミジン
系、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系等(但し、
これらの強誘電性液晶は温度の変化によりカイラルネマ
チック相、スメクチック相等を示すことがある。)のカ
イラルスメクチックC液晶であることが望ましい。
* )液晶(強誘電性液晶)としては、公知のピリミジン
系、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系等(但し、
これらの強誘電性液晶は温度の変化によりカイラルネマ
チック相、スメクチック相等を示すことがある。)のカ
イラルスメクチックC液晶であることが望ましい。
【0097】また、使用可能な非カイラル液晶として
は、非カイラルネマチックC(SmC)液晶であるメル
ク社製のZLI−2008−000(融点−6℃、ネマ
チック相の温度範囲−20〜64℃)が挙げられる。こ
の液晶以外にも、公知の非カイラルスメクチック液晶を
使用できる。例えば、ビフェニル系、ターフェニル系、
3環シクロヘキシル系、シクロヘキシルフェニル系、ビ
フェニルシクロヘキサン系、シクロヘキシルエタン系、
エステル系、ピリミジン系、ピリダジン系、エタン系、
ジオキサン系等である。
は、非カイラルネマチックC(SmC)液晶であるメル
ク社製のZLI−2008−000(融点−6℃、ネマ
チック相の温度範囲−20〜64℃)が挙げられる。こ
の液晶以外にも、公知の非カイラルスメクチック液晶を
使用できる。例えば、ビフェニル系、ターフェニル系、
3環シクロヘキシル系、シクロヘキシルフェニル系、ビ
フェニルシクロヘキサン系、シクロヘキシルエタン系、
エステル系、ピリミジン系、ピリダジン系、エタン系、
ジオキサン系等である。
【0098】また、液晶の層傾斜角に分布を持たせるこ
とによっても、階調を得ることができる。つまり、上記
した超微粒子の存在自体によって、その特質に関わるこ
となく、図65にδで表される液晶の層傾斜角に分布が
できること、即ち、図中、実効自発分極Pseff (強誘
電性液晶のしきい値を決定する特性値)に分布ができる
ことにより、様々なしきい値をもつドメインが1画素内
に多数存在することになる。ドメインの大きさについて
は、ナノメーターオーダの超微粒子では粒子が小さく、
その付近で層の連続性が断ち切れ、ドメインの拡張を止
める効果(ピニング効果)があることが判明している。
サブミクロンオーダーの大きな微粒子では、このピニン
グ効果は見られず、見られた場合においても、大きな欠
陥となり、透過率に大きな悪影響を及ぼす。
とによっても、階調を得ることができる。つまり、上記
した超微粒子の存在自体によって、その特質に関わるこ
となく、図65にδで表される液晶の層傾斜角に分布が
できること、即ち、図中、実効自発分極Pseff (強誘
電性液晶のしきい値を決定する特性値)に分布ができる
ことにより、様々なしきい値をもつドメインが1画素内
に多数存在することになる。ドメインの大きさについて
は、ナノメーターオーダの超微粒子では粒子が小さく、
その付近で層の連続性が断ち切れ、ドメインの拡張を止
める効果(ピニング効果)があることが判明している。
サブミクロンオーダーの大きな微粒子では、このピニン
グ効果は見られず、見られた場合においても、大きな欠
陥となり、透過率に大きな悪影響を及ぼす。
【0099】このように、本発明においては、前記液晶
として強誘電性液晶を使用し、この強誘電性液晶をスイ
ッチングするためのしきい値電圧の異なる領域が微細に
分布している液晶素子や、アナログ階調表示を実現する
ためのしきい値電圧が分布するように前記液晶中に微粒
子を存在させ、これによって一画素内においてアナログ
階調表示を可能とした液晶素子、前記アナログ階調表示
を実現する微細ドメインを持つ液晶素子など、様々な液
晶素子を使用することができる。勿論、白黒の2値表示
系の液晶素子にも本発明を適用することができる。
として強誘電性液晶を使用し、この強誘電性液晶をスイ
ッチングするためのしきい値電圧の異なる領域が微細に
分布している液晶素子や、アナログ階調表示を実現する
ためのしきい値電圧が分布するように前記液晶中に微粒
子を存在させ、これによって一画素内においてアナログ
階調表示を可能とした液晶素子、前記アナログ階調表示
を実現する微細ドメインを持つ液晶素子など、様々な液
晶素子を使用することができる。勿論、白黒の2値表示
系の液晶素子にも本発明を適用することができる。
【0100】また、上述した本発明の駆動方法に用いる
駆動波形(パルス波形)は、本発明の目的を達成できる
範囲内で種々に変化させてよいし、駆動方式も単純マト
リクス方式、アクティブマトリクス方式等のいずれでも
よい。また、この駆動方式に応じて、使用する液晶はF
LCに限らず、例えばツイストネマチックなど、他の種
類であってよい。
駆動波形(パルス波形)は、本発明の目的を達成できる
範囲内で種々に変化させてよいし、駆動方式も単純マト
リクス方式、アクティブマトリクス方式等のいずれでも
よい。また、この駆動方式に応じて、使用する液晶はF
LCに限らず、例えばツイストネマチックなど、他の種
類であってよい。
【0101】また、前記駆動波形(パルス波形)は、黒
表示(又は中間色)から白表示への表示切替え時に用い
てもよいし、白表示(又は中間色)から黒表示への表示
切替え時に用いてもよい。同様に、中間色への表示切替
え時に用いてもよい。また、前記駆動波形(パルス波
形)は、各フィールド毎に印加してもよいし、特定のフ
ィールド(例えば、白表示のためのフィールド)に印加
してもよい。
表示(又は中間色)から白表示への表示切替え時に用い
てもよいし、白表示(又は中間色)から黒表示への表示
切替え時に用いてもよい。同様に、中間色への表示切替
え時に用いてもよい。また、前記駆動波形(パルス波
形)は、各フィールド毎に印加してもよいし、特定のフ
ィールド(例えば、白表示のためのフィールド)に印加
してもよい。
【0102】また、上述の液晶の種類や組み合わせ、微
粒子の材質や物性等は種々に変更してよい。また、上述
の透明電極としては、上記のITO以外にも、酸化ス
ズ、酸化インジウム等、公知の透明電極を使用でき、透
明基板、スペーサ、シール材等の液晶素子の構成材料も
従来公知の材料を使用できる。
粒子の材質や物性等は種々に変更してよい。また、上述
の透明電極としては、上記のITO以外にも、酸化ス
ズ、酸化インジウム等、公知の透明電極を使用でき、透
明基板、スペーサ、シール材等の液晶素子の構成材料も
従来公知の材料を使用できる。
【0103】さらに、上述の素子は、ディスプレイ以外
にも、光シャッタ、光スイッチ、光ブラインド等にも使
用でき、更に、電気光学素子等の組み合わせれば、液晶
プリズム、液晶レンズ、光路切替えスイッチ、光変調
器、位相回折格子、A/D変換器、光ロジック回路等に
も使用できる。
にも、光シャッタ、光スイッチ、光ブラインド等にも使
用でき、更に、電気光学素子等の組み合わせれば、液晶
プリズム、液晶レンズ、光路切替えスイッチ、光変調
器、位相回折格子、A/D変換器、光ロジック回路等に
も使用できる。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例について詳細に説明す
るが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0105】まず、実施例1−1〜実施例1−4及び比
較例1−1は、上記した本発明の駆動方法を適用したも
のであり、図1〜図8及び図20〜図21についてその
詳細を説明する。
較例1−1は、上記した本発明の駆動方法を適用したも
のであり、図1〜図8及び図20〜図21についてその
詳細を説明する。
【0106】スパッタ法により40nm厚の透明ITO
膜(面抵抗100Ω/cm2 )を設けたガラス基板上
に、SiO粉末(純度99.99%、フルウチ化学株式
会社製)を入れたタンタルボート(日本バックスメタル
株式会社製)を加熱(抵抗加熱)することにより、液晶
配向膜として50nm厚のSiO斜方蒸着膜を基板温度
100℃で真空蒸着した。この際、基板法線が蒸着源の
垂直線とのなす角が85°となるように蒸着を行った。
蒸着後、良配向性を得るために、大気中で200℃で1
時間焼成を行った。
膜(面抵抗100Ω/cm2 )を設けたガラス基板上
に、SiO粉末(純度99.99%、フルウチ化学株式
会社製)を入れたタンタルボート(日本バックスメタル
株式会社製)を加熱(抵抗加熱)することにより、液晶
配向膜として50nm厚のSiO斜方蒸着膜を基板温度
100℃で真空蒸着した。この際、基板法線が蒸着源の
垂直線とのなす角が85°となるように蒸着を行った。
蒸着後、良配向性を得るために、大気中で200℃で1
時間焼成を行った。
【0107】このように処理した2枚のガラス基板を、
1.6μm径のスペーサ(真し球:触媒化成株式会社
製)と紫外線硬化型接着剤(フォトレック:積水ファイ
ンケミカル株式会社製)とを用いて、SiO斜方蒸着膜
の蒸着方向が互いに反平行になるように組み、空の液晶
セルを組み立てた。このセルギャップに、酸化チタン微
粒子(IT−S:出光興産株式会社製)を2重量%で均
一に分散した強誘電性液晶(YS−C152:チッソ株
式会社製)を注入して、図58及び図59の液晶素子と
同様の構成の液晶表示素子(FLCディスプレイ)を作
製した。ただし、このFLCディスプレイは微粒子を含
有しており、アナログ階調表示可能に構成されている。
この素子は、上述した液晶ディスプレイと同様に構成さ
れているので、上記以外の説明は省略する。
1.6μm径のスペーサ(真し球:触媒化成株式会社
製)と紫外線硬化型接着剤(フォトレック:積水ファイ
ンケミカル株式会社製)とを用いて、SiO斜方蒸着膜
の蒸着方向が互いに反平行になるように組み、空の液晶
セルを組み立てた。このセルギャップに、酸化チタン微
粒子(IT−S:出光興産株式会社製)を2重量%で均
一に分散した強誘電性液晶(YS−C152:チッソ株
式会社製)を注入して、図58及び図59の液晶素子と
同様の構成の液晶表示素子(FLCディスプレイ)を作
製した。ただし、このFLCディスプレイは微粒子を含
有しており、アナログ階調表示可能に構成されている。
この素子は、上述した液晶ディスプレイと同様に構成さ
れているので、上記以外の説明は省略する。
【0108】この液晶表示素子(液晶パネル)につい
て、印加電圧と透過率との関係を調べた。即ち、直交ニ
コル下で、図1〜図4及び図20に示すような駆動波形
を液晶表示素子に印加した。図1〜図4に示す駆動波形
においては、マイナス側のリセットパルス(第2のリセ
ットパルス)を印加後、プラス電界でありながら黒色を
示す電界(即ち、しきい値以下)の付加パルスを印加
し、その際の光透過強度をモニタした。なお、印加フィ
ールド数は1(16.7ms)〜60(1s)フィール
ドの間で変化させた。
て、印加電圧と透過率との関係を調べた。即ち、直交ニ
コル下で、図1〜図4及び図20に示すような駆動波形
を液晶表示素子に印加した。図1〜図4に示す駆動波形
においては、マイナス側のリセットパルス(第2のリセ
ットパルス)を印加後、プラス電界でありながら黒色を
示す電界(即ち、しきい値以下)の付加パルスを印加
し、その際の光透過強度をモニタした。なお、印加フィ
ールド数は1(16.7ms)〜60(1s)フィール
ドの間で変化させた。
【0109】実施例1−1 上述のようにして作製されたFLCディスプレイのセレ
クト電極から、図1に示す駆動波形のパルスを印加し
た。なお、各パルスのパルス電圧及びパルス幅は次の通
りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA2 > パルス電圧V2 =9V パルス幅T2 =30μs <選択パルスa> パルス電圧v=10V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−10V(但し、VB =v) パルス幅t=30μs
クト電極から、図1に示す駆動波形のパルスを印加し
た。なお、各パルスのパルス電圧及びパルス幅は次の通
りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA2 > パルス電圧V2 =9V パルス幅T2 =30μs <選択パルスa> パルス電圧v=10V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−10V(但し、VB =v) パルス幅t=30μs
【0110】この駆動波形を用いた際の印加電界−透過
率曲線(V−Tカーブ)を図5に示す。また、このV−
Tカーブにおけるずれ幅ΔV1-1 を下記の表1に示す。
率曲線(V−Tカーブ)を図5に示す。また、このV−
Tカーブにおけるずれ幅ΔV1-1 を下記の表1に示す。
【0111】実施例1−2 図2に示した駆動波形を用いた以外は、実施例1−1と
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図6に示す。この図6におけるずれ幅
ΔV1-2 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA3-1 、A3-2 > パルス電圧V3 =4.5V パルス幅T3 =30μs
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図6に示す。この図6におけるずれ幅
ΔV1-2 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA3-1 、A3-2 > パルス電圧V3 =4.5V パルス幅T3 =30μs
【0112】実施例1−3 図3に示した駆動波形を用いた以外は、実施例1−1と
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図7に示す。この図7におけるずれ幅
ΔV1-3 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA4-1 〜A4-3 > パルス電圧V4 =3V パルス幅T4 =30μs
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図7に示す。この図7におけるずれ幅
ΔV1-3 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA4-1 〜A4-3 > パルス電圧V4 =3V パルス幅T4 =30μs
【0113】実施例1−4 図4に示した駆動波形を用いた以外は、実施例1−1と
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図8に示す。この図8におけるずれ幅
ΔV1-4 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA5-1 〜A5-9 > パルス電圧V5 =1V パルス幅T5 =30μs
同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブにお
けるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図8に示す。この図8におけるずれ幅
ΔV1-4 の値は、下記の表1に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA5-1 〜A5-9 > パルス電圧V5 =1V パルス幅T5 =30μs
【0114】比較例1−1 図20に示した駆動波形を用いた以外は、実施例1−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブに
おけるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図21に示す。この図21における
ずれ幅ΔV5-1の値は、下記の表1に示した。また、各
パルスのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=10V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−10V(但し、VB =v) パルス幅t=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブに
おけるずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図21に示す。この図21における
ずれ幅ΔV5-1の値は、下記の表1に示した。また、各
パルスのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=10V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−10V(但し、VB =v) パルス幅t=30μs
【0115】また、図示しないが、実施例1−1〜実施
例1−4と同様に、下記の表1に示すように、実施例1
−5及び実施例1−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例1−5は、実施例
1−1において、付加パルスA2 を5つに分割したもの
であり、実施例1−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
例1−4と同様に、下記の表1に示すように、実施例1
−5及び実施例1−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例1−5は、実施例
1−1において、付加パルスA2 を5つに分割したもの
であり、実施例1−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
【0116】
【0117】図5〜図8、図21及び表1から次のこと
がわかる。
がわかる。
【0118】まず、顕著であったのは、図5〜図8及び
図21において、白表示(透過率100%)から黒表示
(透過率0%)へのV−Tカーブは、フィールド数に関
わらず、ずれはほとんどないが、黒表示から白表示への
V−Tカーブはフィールド数に依存してずれが大きいこ
とがわかる。
図21において、白表示(透過率100%)から黒表示
(透過率0%)へのV−Tカーブは、フィールド数に関
わらず、ずれはほとんどないが、黒表示から白表示への
V−Tカーブはフィールド数に依存してずれが大きいこ
とがわかる。
【0119】この違いは、セレクト電極側から入力する
リセットパルスのうち、マイナス電界側、即ち、黒色に
リセットするパルスの強度が大きすぎるために、強誘電
性液晶分子の自発分極のダイレクタが印加電界方向に強
く向き、前述したように反電界が発生したり、イオンの
局在化を招いたりすることによるものと考えられる。そ
こで、マイナスのリセットパルスの後、黒色レベルに変
化はないものの、液晶分子のダイレクタ及び、特にイオ
ンの局在化を緩和するためにプラスの付加パルスを導入
することによって、黒色から白色へのV−Tカーブを白
色から黒色へのV−Tカーブに近づけることができるこ
とができたと考えられる。
リセットパルスのうち、マイナス電界側、即ち、黒色に
リセットするパルスの強度が大きすぎるために、強誘電
性液晶分子の自発分極のダイレクタが印加電界方向に強
く向き、前述したように反電界が発生したり、イオンの
局在化を招いたりすることによるものと考えられる。そ
こで、マイナスのリセットパルスの後、黒色レベルに変
化はないものの、液晶分子のダイレクタ及び、特にイオ
ンの局在化を緩和するためにプラスの付加パルスを導入
することによって、黒色から白色へのV−Tカーブを白
色から黒色へのV−Tカーブに近づけることができるこ
とができたと考えられる。
【0120】このような理由によって、マイナス電界の
リセットパルス(第2のリセットパルス)印加後、すぐ
に選択パルスを印加する比較例1−1に比べて、プラス
電界であってしきい値電圧以下の付加パルスを加えられ
ることによって、図4〜図8のように、印加フィールド
数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少していくと考
えられる。但し、これらの図は、繁雑さを省くことを目
的として、最低電圧を通るカーブと最高電圧を通るカー
ブの2つのカーブのみを示した。
リセットパルス(第2のリセットパルス)印加後、すぐ
に選択パルスを印加する比較例1−1に比べて、プラス
電界であってしきい値電圧以下の付加パルスを加えられ
ることによって、図4〜図8のように、印加フィールド
数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少していくと考
えられる。但し、これらの図は、繁雑さを省くことを目
的として、最低電圧を通るカーブと最高電圧を通るカー
ブの2つのカーブのみを示した。
【0121】これは、液晶分子の安定状態は同じ側(F
LCは双安定性)でありながら、過剰なマイナス電界を
印加直後にもう1つの安定状態にスイッチングするより
も、マイナス電界のリセットパルスを印加した後、付加
パルスを印加することによって、一旦、液晶分子を緩和
させるために、液晶分子同士や液晶−配向膜間の焼き付
きが減少したためであると考えられる。この結果、液晶
材料を一切変えずに、印加フィールド数毎のV−Tカー
ブのずれ(ΔV)を十分に減少させることが可能となっ
た。
LCは双安定性)でありながら、過剰なマイナス電界を
印加直後にもう1つの安定状態にスイッチングするより
も、マイナス電界のリセットパルスを印加した後、付加
パルスを印加することによって、一旦、液晶分子を緩和
させるために、液晶分子同士や液晶−配向膜間の焼き付
きが減少したためであると考えられる。この結果、液晶
材料を一切変えずに、印加フィールド数毎のV−Tカー
ブのずれ(ΔV)を十分に減少させることが可能となっ
た。
【0122】また、図13から、付加パルスの数は多い
方がV−Tカーブのずれ幅ΔVが小さくなることがわか
る。これは、付加パルスの数が多くなると、見かけ上の
電界強度が大きくなるためであると考えられる。
方がV−Tカーブのずれ幅ΔVが小さくなることがわか
る。これは、付加パルスの数が多くなると、見かけ上の
電界強度が大きくなるためであると考えられる。
【0123】また、比較例1−1は、マイナス電界の第
2のリセットパルスの印加後、すぐに選択パルスを印加
する場合である。このパルス波形においては、第2のリ
セットパルスのように、黒表示にリセットさせるために
過剰な電界が印加されることになるため、図21のよう
に、印加フィールド毎のV−Tカーブのずれが大きく発
現したものと考えられる。
2のリセットパルスの印加後、すぐに選択パルスを印加
する場合である。このパルス波形においては、第2のリ
セットパルスのように、黒表示にリセットさせるために
過剰な電界が印加されることになるため、図21のよう
に、印加フィールド毎のV−Tカーブのずれが大きく発
現したものと考えられる。
【0124】次に、実施例2−1及び実施例2−2は、
本発明の駆動方法を用いてFLCディスプレイを駆動し
たものである。
本発明の駆動方法を用いてFLCディスプレイを駆動し
たものである。
【0125】実施例2−1 実施例1−1と同様にして、強誘電性誘電性液晶表示素
子を作製し、図9に示した駆動波形を用いて、実施例1
−1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用い
た際のV−Tカーブを図10に示す。この図10におけ
るずれ幅ΔV2-1 は、300mVであった。また、第1
のリセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択
パルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は
実施例1−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA6 > パルス電圧V6 =5V パルス幅T6 =30μs <付加パルスA7 > パルス電圧V7 =3V パルス幅T7 =30μs <付加パルスA8 > パルス電圧V8 =1V パルス幅T8 =30μs
子を作製し、図9に示した駆動波形を用いて、実施例1
−1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用い
た際のV−Tカーブを図10に示す。この図10におけ
るずれ幅ΔV2-1 は、300mVであった。また、第1
のリセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択
パルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は
実施例1−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA6 > パルス電圧V6 =5V パルス幅T6 =30μs <付加パルスA7 > パルス電圧V7 =3V パルス幅T7 =30μs <付加パルスA8 > パルス電圧V8 =1V パルス幅T8 =30μs
【0126】実施例2−2 図11に示した駆動波形を用いた以外は、実施例2−1
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図12に示す。この図12におけるず
れ幅ΔV2-2 は、450mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA9 > パルス電圧V9 =1V パルス幅T9 =30μs <付加パルスA10> パルス電圧V10=3V パルス幅T10=30μs <付加パルスA11> パルス電圧V11=5V パルス幅T11=30μs
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図12に示す。この図12におけるず
れ幅ΔV2-2 は、450mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA9 > パルス電圧V9 =1V パルス幅T9 =30μs <付加パルスA10> パルス電圧V10=3V パルス幅T10=30μs <付加パルスA11> パルス電圧V11=5V パルス幅T11=30μs
【0127】なお、実施例2−1及び実施例2−2のV
−Tカーブのずれ幅ΔVは、図13に併せて示した。
−Tカーブのずれ幅ΔVは、図13に併せて示した。
【0128】このように、様々な波形の付加パルスを用
いて、V−Tカーブのずれを減少させることができる
が、特に、パルス電圧値が前記複数のパルスの印加順に
徐々に小さくなっていくように前記付加パルスを印加す
ると、前記V−Tカーブのずれ(ΔV)をさらに小さく
することができる。
いて、V−Tカーブのずれを減少させることができる
が、特に、パルス電圧値が前記複数のパルスの印加順に
徐々に小さくなっていくように前記付加パルスを印加す
ると、前記V−Tカーブのずれ(ΔV)をさらに小さく
することができる。
【0129】上述したように、実施例1−1〜1−4及
び実施例2−1〜2−2から、上述した微粒子含有の液
晶素子の如く、階調性を目的とした液晶素子を動作さ
せ、任意の階調を選ぶための種々の駆動波形を使用でき
ることから、完全なアナログ階調を実現することができ
る。
び実施例2−1〜2−2から、上述した微粒子含有の液
晶素子の如く、階調性を目的とした液晶素子を動作さ
せ、任意の階調を選ぶための種々の駆動波形を使用でき
ることから、完全なアナログ階調を実現することができ
る。
【0130】当然のことながら、これらの駆動波形は、
通常の液晶や強誘電性液晶を用いて白黒の2値表示を行
う方法においても、焼き付きというディスプレイの品質
を著しく低下させる現象を防ぐのに非常に有効である。
通常の液晶や強誘電性液晶を用いて白黒の2値表示を行
う方法においても、焼き付きというディスプレイの品質
を著しく低下させる現象を防ぐのに非常に有効である。
【0131】次に、実施例3及び比較例1−2を説明す
る。
る。
【0132】実施例3 前記微粒子が液晶中に添加されていない他は、実施例1
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図9(実
施例2−1)に示した駆動波形を用いて実施例1−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図14に示す。この図14におけるずれ
幅ΔV3 は、550mVであった。
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図9(実
施例2−1)に示した駆動波形を用いて実施例1−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図14に示す。この図14におけるずれ
幅ΔV3 は、550mVであった。
【0133】比較例1−2 図20に示した駆動波形を用いた以外は、実施例3と同
様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図22に示す。この図22におけるずれ幅
ΔV5-2 は、1100mVであった。
様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図22に示す。この図22におけるずれ幅
ΔV5-2 は、1100mVであった。
【0134】図14と図22とに示すように、明らかに
図14のV−Tカーブのずれが図22のV−Tカーブの
ずれに比べて小さく、前記微粒子が液晶中に添加されて
いない液晶表示素子において白黒2値表示を行う方法に
おいても、この駆動方法は有用であることが示された。
図14のV−Tカーブのずれが図22のV−Tカーブの
ずれに比べて小さく、前記微粒子が液晶中に添加されて
いない液晶表示素子において白黒2値表示を行う方法に
おいても、この駆動方法は有用であることが示された。
【0135】次に、実施例4及び比較例2を説明する。
【0136】実施例4 図15に示したような駆動波形を用いた以外は実施例1
−1と同様にして、コントラストを測定した。また、図
16に、この駆動波形を用いた際の白表示での時間によ
る透過率の変化を示すグラフと黒表示での時間による透
過率の変化を示すグラフとを示した。但し、図15の駆
動波形において、パルス電圧及びパルス幅は次の通りで
ある。第2のリセットパルス及び選択パルスa及びbは
実施例1−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA12> パルス電圧V12=5V パルス幅T12=30μs <付加パルスA13-1〜A13-3> パルス電圧V13=5V パルス幅T13=30μs
−1と同様にして、コントラストを測定した。また、図
16に、この駆動波形を用いた際の白表示での時間によ
る透過率の変化を示すグラフと黒表示での時間による透
過率の変化を示すグラフとを示した。但し、図15の駆
動波形において、パルス電圧及びパルス幅は次の通りで
ある。第2のリセットパルス及び選択パルスa及びbは
実施例1−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA12> パルス電圧V12=5V パルス幅T12=30μs <付加パルスA13-1〜A13-3> パルス電圧V13=5V パルス幅T13=30μs
【0137】比較例2 図20に示した駆動波形を用いた以外は、実施例4と同
様にして、コントラストを測定した。図23に、この駆
動波形を用いた際の白表示での時間による透過率の変化
を示すグラフと黒表示での時間による透過率の変化を示
すグラフとを示した。
様にして、コントラストを測定した。図23に、この駆
動波形を用いた際の白表示での時間による透過率の変化
を示すグラフと黒表示での時間による透過率の変化を示
すグラフとを示した。
【0138】本実施例のような付加パルスを導入した駆
動波形には、コントラストを向上させる効果もある。一
般に、コントラストとは白色レベルと黒色レベルとの比
であるが、実際には、リセットパルスによってスイッチ
ングしている時間の透過率は、眼には積算されて見え
る。従って、同じ駆動波形のリセットパルスである場合
には、フィールド時間が短くなるほど、コントラストは
影響を受けて低下することがある。
動波形には、コントラストを向上させる効果もある。一
般に、コントラストとは白色レベルと黒色レベルとの比
であるが、実際には、リセットパルスによってスイッチ
ングしている時間の透過率は、眼には積算されて見え
る。従って、同じ駆動波形のリセットパルスである場合
には、フィールド時間が短くなるほど、コントラストは
影響を受けて低下することがある。
【0139】実施例4においては、図15に示した駆動
波形による透過率変化(図16)から、コントラストを
計算した。なお、この駆動波形は、プラス側のパルスを
すべてしきい値電圧以下となるように設計した。なお、
ここで使用した液晶において、そのしきい値となる電界
強度面積は30μs×10Vである。
波形による透過率変化(図16)から、コントラストを
計算した。なお、この駆動波形は、プラス側のパルスを
すべてしきい値電圧以下となるように設計した。なお、
ここで使用した液晶において、そのしきい値となる電界
強度面積は30μs×10Vである。
【0140】コントラストの計算は以下のように行っ
た。各白黒表示での透過率の1フィールド時間内の平均
値Tは、次式で表される。 T={tw ×Tw +(ft −tw )×TB }/ft ただし、tw :高い透過率を表示している時間 Tw :高い透過率 TB :低い透過率 ft :1フィールド時間 である。ここで、透過率は強誘電性液晶の場合、2値し
か存在せず、図16では、Tw =100、TB =1であ
る。
た。各白黒表示での透過率の1フィールド時間内の平均
値Tは、次式で表される。 T={tw ×Tw +(ft −tw )×TB }/ft ただし、tw :高い透過率を表示している時間 Tw :高い透過率 TB :低い透過率 ft :1フィールド時間 である。ここで、透過率は強誘電性液晶の場合、2値し
か存在せず、図16では、Tw =100、TB =1であ
る。
【0141】そして、コントラストは白表示していると
きの平均値Tと黒表示しているときの平均値Tとの比と
なる。つまり、コントラストは、それぞれの透過率、そ
の表示時間、1フィールド時間によって影響される。
きの平均値Tと黒表示しているときの平均値Tとの比と
なる。つまり、コントラストは、それぞれの透過率、そ
の表示時間、1フィールド時間によって影響される。
【0142】実施例4の図16では、コントラストはフ
ィールド時間が16.7msの時は96、8.4msの
ときは92であった。フィールド時間の長さに関わら
ず、コントラストはほとんど変化していない。従って、
第1のリセットパルスの電界強度面積が比較的小さいの
で、このパルスによって液晶分子が配向していないと考
えられる。
ィールド時間が16.7msの時は96、8.4msの
ときは92であった。フィールド時間の長さに関わら
ず、コントラストはほとんど変化していない。従って、
第1のリセットパルスの電界強度面積が比較的小さいの
で、このパルスによって液晶分子が配向していないと考
えられる。
【0143】これに対して、比較例2の図23において
同様の計算を行ったところ、コントラストはフィールド
時間が16.7msの時は93、8.4msのときは5
4であり、フィールド時間の長さによってコントラスト
が大きく低下していた。これは、第1のリセットパルス
の電界強度面積が大きいので、液晶分子が影響を受けて
白表示していることによるものと考えられる。
同様の計算を行ったところ、コントラストはフィールド
時間が16.7msの時は93、8.4msのときは5
4であり、フィールド時間の長さによってコントラスト
が大きく低下していた。これは、第1のリセットパルス
の電界強度面積が大きいので、液晶分子が影響を受けて
白表示していることによるものと考えられる。
【0144】実施例5−1 強誘電性液晶材料をYS−C151(チッソ株式会社
製)に変えた以外は、上述のようにして作製されたFL
Cディスプレイのセレクト電極から、図24に示す駆動
波形のパルスを印加した。なお、各パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA15> パルス電圧V15=9V パルス幅T15=30μs <選択パルスa> パルス電圧v=12V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−12V パルス幅t=30μs
製)に変えた以外は、上述のようにして作製されたFL
Cディスプレイのセレクト電極から、図24に示す駆動
波形のパルスを印加した。なお、各パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA15> パルス電圧V15=9V パルス幅T15=30μs <選択パルスa> パルス電圧v=12V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−12V パルス幅t=30μs
【0145】この駆動波形を用いた際の印加電界−透過
率曲線(V−Tカーブ)を図25に示す。また、このV
−Tカーブにおけるずれ幅ΔV6-1 を下記の表2に示
す。
率曲線(V−Tカーブ)を図25に示す。また、このV
−Tカーブにおけるずれ幅ΔV6-1 を下記の表2に示
す。
【0146】実施例5−2 図26に示した駆動波形を用いた以外は、実施例5−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図27に示す。この図27におけるずれ幅
ΔV6-2 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA16-1、A16-2> パルス電圧V16=4.5V パルス幅T16=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図27に示す。この図27におけるずれ幅
ΔV6-2 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA16-1、A16-2> パルス電圧V16=4.5V パルス幅T16=30μs
【0147】実施例5−3 図28に示した駆動波形を用いた以外は、実施例5−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図29に示す。この図29におけるずれ幅
ΔV6-3 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA17-1、A17-2、A17-3> パルス電圧V17=3V パルス幅T17=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図29に示す。この図29におけるずれ幅
ΔV6-3 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA17-1、A17-2、A17-3> パルス電圧V17=3V パルス幅T17=30μs
【0148】実施例5−4 図30に示した駆動波形を用いた以外は、実施例5−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図31に示す。この図31におけるずれ幅
ΔV6-4 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA18-1〜A18-9> パルス電圧V18=1V パルス幅T18=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図31に示す。この図31におけるずれ幅
ΔV6-4 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA18-1〜A18-9> パルス電圧V18=1V パルス幅T18=30μs
【0149】比較例3−1 図32に示した駆動波形を用いた以外は、実施例5−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図33に示す。この図33におけるずれ幅
ΔV7-1 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=12V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−12V パルス幅t=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図33に示す。この図33におけるずれ幅
ΔV7-1 の値は、下記の表2に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=12V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−12V パルス幅t=30μs
【0150】また、図示しないが、実施例5−1〜実施
例5−4と同様に、下記の表2に示すように、実施例5
−5及び実施例5−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例5−5は、実施例
5−1において、付加パルスA15を5つに分割したもの
であり、実施例5−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
例5−4と同様に、下記の表2に示すように、実施例5
−5及び実施例5−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例5−5は、実施例
5−1において、付加パルスA15を5つに分割したもの
であり、実施例5−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
【0151】
【0152】このことから、実施例5−1〜実施例5−
6のように、マイナス電界のリセットパルス(第2のリ
セットパルス)印加後、プラス電界であってしきい値電
圧以下の付加パルスを加えられることによって、印加フ
ィールド数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少して
いくことが分かる。
6のように、マイナス電界のリセットパルス(第2のリ
セットパルス)印加後、プラス電界であってしきい値電
圧以下の付加パルスを加えられることによって、印加フ
ィールド数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少して
いくことが分かる。
【0153】実施例6−1 実施例5−1と同様にして、FLCディスプレイを作製
し、図34に示した駆動波形を用いて、実施例5−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図35に示す。この図35におけるずれ
幅ΔV8-1 は、360mVであった。また、この第1の
リセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択パ
ルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は、
実施例5−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA19> パルス電圧V19=5V パルス幅T19=30μs <付加パルスA20> パルス電圧V20=3V パルス幅T20=30μs <付加パルスA21> パルス電圧V21=1V パルス幅T21=30μs
し、図34に示した駆動波形を用いて、実施例5−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図35に示す。この図35におけるずれ
幅ΔV8-1 は、360mVであった。また、この第1の
リセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択パ
ルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は、
実施例5−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA19> パルス電圧V19=5V パルス幅T19=30μs <付加パルスA20> パルス電圧V20=3V パルス幅T20=30μs <付加パルスA21> パルス電圧V21=1V パルス幅T21=30μs
【0154】実施例6−2 図36に示した駆動波形を用いた以外は、実施例6−1
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図37に示す。この図37におけるず
れ幅ΔV8-2 は、540mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA22> パルス電圧V22=1V パルス幅T22=30μs <付加パルスA23> パルス電圧V23=3V パルス幅T23=30μs <付加パルスA24> パルス電圧V24=5V パルス幅T24=30μs
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図37に示す。この図37におけるず
れ幅ΔV8-2 は、540mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA22> パルス電圧V22=1V パルス幅T22=30μs <付加パルスA23> パルス電圧V23=3V パルス幅T23=30μs <付加パルスA24> パルス電圧V24=5V パルス幅T24=30μs
【0155】なお、実施例5−1〜実施例5−6、比較
例3−1、実施例6−1及び実施例6−2のV−Tカー
ブのずれ幅ΔVは、図38に併せて示した。
例3−1、実施例6−1及び実施例6−2のV−Tカー
ブのずれ幅ΔVは、図38に併せて示した。
【0156】実施例7 前記微粒子が液晶中に添加されていない他は、実施例5
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図34
(実施例6−1)に示した駆動波形を用いて実施例5−
1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図39に示す。この図39における
ずれ幅ΔV9 は、660mVであった。
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図34
(実施例6−1)に示した駆動波形を用いて実施例5−
1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図39に示す。この図39における
ずれ幅ΔV9 は、660mVであった。
【0157】比較例3−2 図32に示した駆動波形を用いた以外は、実施例7と同
様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図40に示す。この図40におけるずれ幅
ΔV7-2 は、1300mVであった。
様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図40に示す。この図40におけるずれ幅
ΔV7-2 は、1300mVであった。
【0158】実施例8−1 強誘電性液晶材料をYS−C149(チッソ株式会社
製)に変えた以外は、上述のようにして作製されたFL
Cディスプレイのセレクト電極から、図41に示す駆動
波形のパルスを印加した。なお、各パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA25> パルス電圧V25=9V パルス幅T25=30μs <選択パルスa> パルス電圧v=9.5V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−9.5V パルス幅t=30μs
製)に変えた以外は、上述のようにして作製されたFL
Cディスプレイのセレクト電極から、図41に示す駆動
波形のパルスを印加した。なお、各パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA1 > パルス電圧V1 =5.5V パルス幅T1 =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <付加パルスA25> パルス電圧V25=9V パルス幅T25=30μs <選択パルスa> パルス電圧v=9.5V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−9.5V パルス幅t=30μs
【0159】この駆動波形を用いた際の印加電界−透過
率曲線(V−Tカーブ)を図42に示す。また、このV
−Tカーブにおけるずれ幅ΔV10-1を下記の表3に示
す。
率曲線(V−Tカーブ)を図42に示す。また、このV
−Tカーブにおけるずれ幅ΔV10-1を下記の表3に示
す。
【0160】実施例8−2 図43に示した駆動波形を用いた以外は、実施例8−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図44に示す。この図44におけるずれ幅
ΔV10-2の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA26-1、A26-2> パルス電圧V26=4.5V パルス幅T26=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図44に示す。この図44におけるずれ幅
ΔV10-2の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA26-1、A26-2> パルス電圧V26=4.5V パルス幅T26=30μs
【0161】実施例8−3 図45に示した駆動波形を用いた以外は、実施例8−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図46に示す。この図46におけるずれ幅
ΔV10-3の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA27-1、A27-2、A27-3> パルス電圧V27=3V パルス幅T27=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図46に示す。この図46におけるずれ幅
ΔV10-3の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA27-1、A27-2、A27-3> パルス電圧V27=3V パルス幅T27=30μs
【0162】実施例8−4 図47に示した駆動波形を用いた以外は、実施例8−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図48に示す。この図48におけるずれ幅
ΔV10-4の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA28-1〜A28-9> パルス電圧V28=1V パルス幅T28=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図48に示す。この図48におけるずれ幅
ΔV10-4の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA28-1〜A28-9> パルス電圧V28=1V パルス幅T28=30μs
【0163】比較例4−1 図49に示した駆動波形を用いた以外は、実施例8−1
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図50に示す。この図50におけるずれ幅
ΔV11-1の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=9.5V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−9.5V パルス幅t=30μs
と同様に、FLCディスプレイにおけるV−Tカーブの
ずれ幅を測定した。なお、この駆動波形を用いた際のV
−Tカーブを図50に示す。この図50におけるずれ幅
ΔV11-1の値は、下記の表3に示した。また、付加パル
スのパルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <第1のリセットパルスA> パルス電圧VA =10V パルス幅TA =60μs <第2のリセットパルスB> パルス電圧VB =−10V パルス幅TB =60μs <選択パルスa> パルス電圧v=9.5V パルス幅t=30μs <選択パルスb> パルス電圧v=−9.5V パルス幅t=30μs
【0164】また、図示しないが、実施例8−1〜実施
例8−4と同様に、下記の表3に示すように、実施例8
−5及び実施例8−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例8−5は、実施例
8−1において、付加パルスA25を5つに分割したもの
であり、実施例8−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
例8−4と同様に、下記の表3に示すように、実施例8
−5及び実施例8−6について、V−Tカーブにおける
ずれ幅ΔVを測定した。但し、実施例8−5は、実施例
8−1において、付加パルスA25を5つに分割したもの
であり、実施例8−6は、同様に、7つに分割したもの
である。
【0165】
【0166】このことから、実施例8−1〜実施例8−
6のように、マイナス電界のリセットパルス(第2のリ
セットパルス)印加後、プラス電界であってしきい値電
圧以下の付加パルスを加えられることによって、印加フ
ィールド数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少して
いくことが分かる。
6のように、マイナス電界のリセットパルス(第2のリ
セットパルス)印加後、プラス電界であってしきい値電
圧以下の付加パルスを加えられることによって、印加フ
ィールド数毎のV−Tカーブのずれ(ΔV)が減少して
いくことが分かる。
【0167】実施例9−1 実施例8−1と同様にして、FLCディスプレイを作製
し、図51に示した駆動波形を用いて、実施例8−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図52に示す。この図52におけるずれ
幅ΔV12-1は、270mVであった。また、この第1の
リセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択パ
ルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は、
実施例8−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA29> パルス電圧V29=5V パルス幅T29=30μs <付加パルスA30> パルス電圧V30=3V パルス幅T30=30μs <付加パルスA31> パルス電圧V31=1V パルス幅T31=30μs
し、図51に示した駆動波形を用いて、実施例8−1と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図52に示す。この図52におけるずれ
幅ΔV12-1は、270mVであった。また、この第1の
リセットパルスA1 、第2のリセットパルスB、選択パ
ルスa及び選択パルスbのパルス電圧及びパルス幅は、
実施例8−1と同様であるが、付加パルスのパルス電圧
及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA29> パルス電圧V29=5V パルス幅T29=30μs <付加パルスA30> パルス電圧V30=3V パルス幅T30=30μs <付加パルスA31> パルス電圧V31=1V パルス幅T31=30μs
【0168】実施例9−2 図53に示した駆動波形を用いた以外は、実施例9−1
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図54に示す。この図54におけるず
れ幅ΔV12-2は、400mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA32> パルス電圧V32=1V パルス幅T32=30μs <付加パルスA33> パルス電圧V33=3V パルス幅T33=30μs <付加パルスA34> パルス電圧V34=5V パルス幅T34=30μs
と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際
のV−Tカーブを図54に示す。この図54におけるず
れ幅ΔV12-2は、400mVであった。付加パルスのパ
ルス電圧及びパルス幅は次の通りである。 <付加パルスA32> パルス電圧V32=1V パルス幅T32=30μs <付加パルスA33> パルス電圧V33=3V パルス幅T33=30μs <付加パルスA34> パルス電圧V34=5V パルス幅T34=30μs
【0169】なお、実施例8−1〜実施例8−6、比較
例4−1、実施例9−1及び実施例9−2のV−Tカー
ブのずれ幅ΔVは、図55に併せて示した。
例4−1、実施例9−1及び実施例9−2のV−Tカー
ブのずれ幅ΔVは、図55に併せて示した。
【0170】実施例10 前記微粒子が液晶中に添加されていない他は、実施例8
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図51
(実施例9−1)に示した駆動波形を用いて実施例8−
1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図56に示す。この図56における
ずれ幅ΔV13は、500mVであった。
−1と同様の強誘電性液晶表示素子を用いて、図51
(実施例9−1)に示した駆動波形を用いて実施例8−
1と同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた
際のV−Tカーブを図56に示す。この図56における
ずれ幅ΔV13は、500mVであった。
【0171】比較例4−2 図49に示した駆動波形を用いた以外は、実施例10と
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図57に示す。この図57におけるずれ
幅ΔV11-2は、1000mVであった。
同様の測定を行った。なお、この駆動波形を用いた際の
V−Tカーブを図57に示す。この図57におけるずれ
幅ΔV11-2は、1000mVであった。
【0172】
【発明の作用効果】本発明の駆動方法によれば、一方向
に配列されたデータ電極を有する第1の基体と、前記デ
ータ電極と交差する方向に配列されたセレクト電極を有
する第2の基体との間に液晶が配されている液晶素子を
駆動するに際し、第1のリセットパルスと、この第1の
リセットパルスと逆極性の第2のリセットパルスとを含
むリセットパルスを印加した後に、第1のセレクトパル
スと第2のセレクトパルスとをこの順に印加する液晶素
子の駆動方法において、前記第1のリセットパルスと同
極性である付加パルスを、前記第2のリセットパルスと
前記第2のセレクトパルスとの間に印加し、前記付加パ
ルスの電界強度面積と前記第1のリセットパルスの電界
強度面積との和を前記第2のリセットパルスの電界強度
面積と実質的に等しくし、かつ、前記付加パルスの電圧
を、前記液晶のスイッチング時のしきい値電圧と同極性
であって前記しきい値電圧以下とすることを特徴として
いるので、前記リセットパルスとして比較的小さな電圧
で前記液晶のダイレクタの偏りを一旦一様に戻すことが
でき、さらに、前記しきい値電圧と逆極性である前記第
2のリセットパルスによる過剰な反電界を緩和すると共
に、液晶分子のダイレクタの偏りを緩和することができ
るので、前記セレクトパルスによる前記液晶素子のスイ
ッチングを円滑に行い、さらに液晶分子同士、液晶−配
向膜間の焼き付きを抑制し、フィールド数毎の印加電界
−透過率曲線(V−Tカーブ)におけるずれ(ΔV)を
減少させることができる。また、コントラストも向上さ
せることができる。
に配列されたデータ電極を有する第1の基体と、前記デ
ータ電極と交差する方向に配列されたセレクト電極を有
する第2の基体との間に液晶が配されている液晶素子を
駆動するに際し、第1のリセットパルスと、この第1の
リセットパルスと逆極性の第2のリセットパルスとを含
むリセットパルスを印加した後に、第1のセレクトパル
スと第2のセレクトパルスとをこの順に印加する液晶素
子の駆動方法において、前記第1のリセットパルスと同
極性である付加パルスを、前記第2のリセットパルスと
前記第2のセレクトパルスとの間に印加し、前記付加パ
ルスの電界強度面積と前記第1のリセットパルスの電界
強度面積との和を前記第2のリセットパルスの電界強度
面積と実質的に等しくし、かつ、前記付加パルスの電圧
を、前記液晶のスイッチング時のしきい値電圧と同極性
であって前記しきい値電圧以下とすることを特徴として
いるので、前記リセットパルスとして比較的小さな電圧
で前記液晶のダイレクタの偏りを一旦一様に戻すことが
でき、さらに、前記しきい値電圧と逆極性である前記第
2のリセットパルスによる過剰な反電界を緩和すると共
に、液晶分子のダイレクタの偏りを緩和することができ
るので、前記セレクトパルスによる前記液晶素子のスイ
ッチングを円滑に行い、さらに液晶分子同士、液晶−配
向膜間の焼き付きを抑制し、フィールド数毎の印加電界
−透過率曲線(V−Tカーブ)におけるずれ(ΔV)を
減少させることができる。また、コントラストも向上さ
せることができる。
【図1】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例であ
る。
る。
【図2】同、他の駆動波形の1例である。
【図3】同、他の駆動波形の1例である。
【図4】同、更に他の駆動波形の1例である。
【図5】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブであ
る。
る。
【図6】同、他の駆動波形を使用した際のV−Tカーブ
である。
である。
【図7】同、他の駆動波形を使用した際のV−Tカーブ
である。
である。
【図8】同、更に他の駆動波形を使用した際のV−Tカ
ーブである。
ーブである。
【図9】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例であ
る。
る。
【図10】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図11】同、他の駆動波形の1例である。
【図12】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図13】同、付加パルスの数またはパルス電圧による
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
【図14】本発明の駆動方法に基づく駆動波形を使用し
た際のV−Tカーブの1例である。
た際のV−Tカーブの1例である。
【図15】本発明に基づく駆動方法に基づく駆動波形の
1例である。
1例である。
【図16】同、時間による透過率の変化を示したグラフ
である。
である。
【図17】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図18】同、他の駆動波形の1例である。
【図19】同、更に他の駆動波形の1例である。
【図20】比較の駆動方法に基づく駆動波形の1例であ
る。
る。
【図21】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図22】同、他の駆動波形を使用した際のV−Tカー
ブである。
ブである。
【図23】同、時間による透過率の変化を示したグラフ
である。
である。
【図24】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図25】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図26】同、他の駆動波形の1例である。
【図27】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図28】同、他の駆動波形の1例である。
【図29】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図30】同、他の駆動波形の1例である。
【図31】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図32】比較の駆動波形の1例である。
【図33】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図34】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図35】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図36】同、他の駆動波形の1例である。
【図37】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図38】同、付加パルスの数またはパルス電圧による
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
【図39】本発明の駆動方法に基づく駆動波形を使用し
た際のV−Tカーブの1例である。
た際のV−Tカーブの1例である。
【図40】比較の駆動波形を使用した際のV−Tカーブ
の1例である。
の1例である。
【図41】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図42】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図43】同、他の駆動波形の1例である。
【図44】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図45】同、他の駆動波形の1例である。
【図46】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図47】同、他の駆動波形の1例である。
【図48】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図49】比較の駆動波形の1例である。
【図50】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図51】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図52】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図53】本発明の駆動方法に基づく駆動波形の1例で
ある。
ある。
【図54】同、駆動波形を使用した際のV−Tカーブで
ある。
ある。
【図55】同、付加パルスの数またはパルス電圧による
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
V−Tカーブのずれ(ΔV)を示すグラフである。
【図56】本発明の駆動方法に基づく駆動波形を使用し
た際のV−Tカーブの1例である。
た際のV−Tカーブの1例である。
【図57】比較の駆動波形を使用した際のV−Tカーブ
の1例である。
の1例である。
【図58】液晶表示素子の単純X−Yマトリクスパネル
の構造を示す要部の概略断面図である。
の構造を示す要部の概略断面図である。
【図59】同、液晶表示素子をセレクト電極側からみた
概略平面図である。
概略平面図である。
【図60】同、選択電圧及びデータ電圧の駆動波形例で
ある。
ある。
【図61】強誘電性液晶のモデル図である。
【図62】強誘電性液晶のしきい値特性を示す印加電圧
による透過率の変化を示すグラフである。
による透過率の変化を示すグラフである。
【図63】超微粒子含有系の強誘電性液晶のしきい値特
性を示す印加電圧による透過率の変化を示すグラフであ
る。
性を示す印加電圧による透過率の変化を示すグラフであ
る。
【図64】超微粒子含有系の液晶表示素子のドメイン発
生状況を示す概略図(A)、通常の粒子を含有している
液晶表示素子のドメイン発生状況を示す概略図(B)で
ある。
生状況を示す概略図(A)、通常の粒子を含有している
液晶表示素子のドメイン発生状況を示す概略図(B)で
ある。
【図65】強誘電性液晶の層傾斜角と有効自発分極とを
説明するための概略図である。
説明するための概略図である。
【図66】超微粒子含有系の液晶表示素子のしきい値電
圧の変化を説明するための原理図である。
圧の変化を説明するための原理図である。
1a、1b…ガラス基板、2a、2b…電極、3a、3
b…配向膜、4…スペーサ、5…液晶、6…シール剤、
11…FLC素子
b…配向膜、4…スペーサ、5…液晶、6…シール剤、
11…FLC素子
Claims (10)
- 【請求項1】 一方向に配列されたデータ電極を有する
第1の基体と、前記データ電極と交差する方向に配列さ
れたセレクト電極を有する第2の基体との間に液晶が配
されている液晶素子を駆動するに際し、第1のリセット
パルスと、この第1のリセットパルスと逆極性の第2の
リセットパルスとを含むリセットパルスを印加した後
に、第1のセレクトパルスと第2のセレクトパルスとを
この順に印加する液晶素子の駆動方法において、 前記第1のリセットパルスと同極性である付加パルス
を、前記第2のリセットパルスと前記第2のセレクトパ
ルスとの間に印加し、前記付加パルスの電界強度面積と
前記第1のリセットパルスの電界強度面積との和を前記
第2のリセットパルスの電界強度面積と実質的に等しく
し、かつ、前記付加パルスの電圧を、前記液晶のスイッ
チング時のしきい値電圧と同極性であって前記しきい値
電圧以下とすることを特徴とする、液晶素子の駆動方
法。 - 【請求項2】 前記付加パルスを1/2ライン時間以上
印加する、請求項1に記載した液晶素子の駆動方法。 - 【請求項3】 前記付加パルスが複数のパルスからな
り、これらのパルスのうち、少なくとも1つのパルスを
1/2ライン時間以上印加する、請求項1に記載した液
晶素子の駆動方法。 - 【請求項4】 前記付加パルスが少なくとも9個のパル
スからなり、これらのパルスをそれぞれ1/2ライン時
間以上印加する、請求項3に記載した液晶素子の駆動方
法。 - 【請求項5】 前記付加パルスが複数のパルスからな
り、これらのパルスが互いに同一の若しくは異なるパル
ス電圧値及び/又はパルス幅を有する、請求項1に記載
した液晶素子の駆動方法。 - 【請求項6】 前記パルス電圧値及び/又は前記パルス
幅が前記複数のパルスの印加順に徐々に小さくなってい
くように、前記付加パルスを印加する、請求項5に記載
した液晶素子の駆動方法。 - 【請求項7】 前記第1のリセットパルス及び前記付加
パルスを正極性のパルスとし、前記第2のリセットパル
スを負極性のパルスとする、請求項1に記載した液晶素
子の駆動方法。 - 【請求項8】 前記液晶として強誘電性液晶を使用し、
この強誘電性液晶をスイッチングするためのしきい値電
圧の異なる領域が微細に分布しているドメインを有する
単純マトリクス方式の液晶素子を駆動する、請求項1に
記載した液晶素子の駆動方法。 - 【請求項9】 印加される実効電界強度に分布を持た
せ、前記液晶素子をスイッチングしてアナログ階調表示
を実現するためのしきい値電圧が分布するように前記液
晶中に微粒子を存在させ、これによって一画素内におい
てアナログ階調表示を可能とした、請求項8に記載した
液晶素子の駆動方法。 - 【請求項10】 前記アナログ階調表示を実現する微細
ドメインを持つ液晶ディスプレイを駆動する、請求項9
に記載した液晶素子の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35982497A JPH1144871A (ja) | 1997-05-28 | 1997-12-26 | 液晶素子の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-138738 | 1997-05-28 | ||
JP13873897 | 1997-05-28 | ||
JP35982497A JPH1144871A (ja) | 1997-05-28 | 1997-12-26 | 液晶素子の駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144871A true JPH1144871A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=26471713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35982497A Pending JPH1144871A (ja) | 1997-05-28 | 1997-12-26 | 液晶素子の駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1144871A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002215116A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Sony Corp | 液晶表示装置及びその駆動方法 |
WO2005093509A1 (en) * | 2004-03-29 | 2005-10-06 | Seiko Epson Corporation | Electrophoretic display, method for driving electrophoretic display, and storage display |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP35982497A patent/JPH1144871A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002215116A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Sony Corp | 液晶表示装置及びその駆動方法 |
WO2005093509A1 (en) * | 2004-03-29 | 2005-10-06 | Seiko Epson Corporation | Electrophoretic display, method for driving electrophoretic display, and storage display |
KR100758770B1 (ko) * | 2004-03-29 | 2007-09-14 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 전기영동 표시 장치, 전기영동 표시 장치의 구동 방법 및기억성 표시 장치 |
US7701435B2 (en) | 2004-03-29 | 2010-04-20 | Seiko Epson Corporation | Electrophoretic display, method for driving electrophoretic display, and storage display |
US8300009B2 (en) | 2004-03-29 | 2012-10-30 | Seiko Epson Corporation | Electrophoretic display, method for driving electrophoretic display, and storage display |
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