JPH1144668A - ヒータ付き酸素センサ - Google Patents

ヒータ付き酸素センサ

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JPH1144668A
JPH1144668A JP10151481A JP15148198A JPH1144668A JP H1144668 A JPH1144668 A JP H1144668A JP 10151481 A JP10151481 A JP 10151481A JP 15148198 A JP15148198 A JP 15148198A JP H1144668 A JPH1144668 A JP H1144668A
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oxygen
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oxygen sensing
hollow portion
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Shoji Akatsuka
正二 赤塚
Satoshi Ishikawa
聡 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータ付き酸素センサにおいて、酸素検知素
子2を急速に加熱し、酸素センサが活性化温度に達する
までの所要時間の短縮化を図る。 【解決手段】 中空軸状の酸素検知素子2に、軸状の発
熱体3が端子金具23を介して挿入・固定される。発熱
体3の先端側に局部的に発熱部42が形成され、この発
熱部42の表面が素子内壁面2aにいわば横当たり構造
で弾性的に押し付けられている。発熱体3は、端子金具
23の内部電極接続部26の内面から突出して形成され
た位置決め用突出部50により、発熱体2の中心軸線が
酸素検知素子2の中空部の中心軸線とほぼ平行となるよ
うに中空部内に位置決めされる。このような横当たり構
造により、発熱部42で発生した熱が直接的に酸素検知
素子2に熱伝導し、またその接触部の近傍の輻射熱も発
熱体素子2の加熱に効果的に作用して、酸素検知素子2
が短時間でセンサ活性化温度に達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば内燃機関
の排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサ、
あるいは所定のガス中の酸素を検出するための酸素セン
サに関し、特に短時間に酸素センサを活性化温度まで加
熱するヒータを備えた酸素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車等の内燃機関の排ガ
ス浄化の要求が高まり、車両の始動時やアイドル時な
ど、排ガス温度が低い場合でも内燃機関の排ガス中の酸
素濃度を良好に検出することができるように、ヒータ付
き酸素センサが開発されている。例えば特開平4−15
7358号公報には、先端部が閉じた中空軸状をなし、
それの内壁面に電極層を有する酸素検知素子と、その酸
素検知素子の中空部内に配置されてその酸素検知素子を
加熱する軸状の発熱体とを備えた酸素センサが開示され
ている。この酸素センサでは、酸素イオン電導性固体電
解質によりほぼ試験管状に形成された酸素検知素子の内
部空間に対し、軸状(棒状)の発熱体(ヒータ)がその
先端内面に達するまで同心的に差し入れられており、そ
の発熱体先端と酸素検知素子の先端内面とが接触又はご
く近接するように組み付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のヒ
ータ付き酸素センサにおいては、酸素検出素子が不均一
に加熱された場合、十分に加熱されて活性化した部分と
加熱不十分な高抵抗部分とが混在する形となる。この場
合、検知素子の全体の電気抵抗値は、この高抵抗部分に
支配されることが多いから、結果として素子の抵抗値が
十分低くなり、活性化されるまでの時間、すなわちセン
サの立ち上げ時間が長くなることが考えられる。ここ
で、上記従来の構成では、発熱体が酸素検知素子に対し
て同心的に設けられており、酸素検知素子は発熱体によ
り周方向にほぼ均一に加熱され、活性化した領域も当該
周方向に一様に形成される。また発熱体先端が酸素検知
素子先端内面に接触又はごく近接しているので、発熱体
先端から酸素検知素子への熱伝達もある程度期待でき
る。その結果、センサの立ち上がり時間を短くするとい
う観点では一定の効果が得られるものと推考される。
【0004】ところが、該従来の構成においては、軸状
の発熱体や中空軸状の酸素検知素子の相対的な熱膨張に
より、発熱体先端と酸素検知素子の先端内面とが離れて
しまって、熱伝達効率が低下したり、あるいは逆に両者
が過度に押し付けられて無理な応力を生じ、耐久性に悪
影響を及ぼすなど、熱膨張の影響を大きく受ける欠点が
ある。このことは、酸素検知素子の加熱状態のばらつ
き、ひいては酸素センサの特性のばらつきを生じる原因
ともなりやすい。この場合、発熱体と酸素検知素子との
間の接触状態を解消して、両者の間に始めから相当量の
隙間を形成したのでは、当然のことながら熱伝達効率が
低下して素子の立ち上がり時間が長くなる等の問題につ
ながる。
【0005】従って、素子の立ち上がり時間の短縮化を
優先するためには、発熱体と酸素検知素子とを接触させ
る構成は必須となる。また、センサの立ち上がり時間短
縮のためには、検知素子の均一加熱のために発熱体をこ
れに対して同心的に配置することの必然性が、当業界で
はほぼ絶対常識のごとく認識されており、これに捕われ
る限りは、発熱体と酸素検知素子との接触部分は発熱体
先端と酸素検知素子先端内面との間に形成する以外に方
法はないということになる。その結果、酸素検知素子の
先端内面と発熱体の先端とを接触又はごく近接させる上
記従来の構成では、センサ立ち上がり時間を短縮する効
果が得られる代償として、酸素センサの特性ばらつきの
問題が必然的に生ずるので、酸素検知素子を短時間で効
果的に加熱する上で必ずしも最善の手法とは言えない。
【0006】本発明の課題は、中空軸状の酸素検知素子
をその内部に収容した発熱体で短時間で効果的にセンサ
活性化温度に加熱して、例えば車両の始動時やアイドル
時などの、排気ガス温度が低い場合でも酸素センサが有
効に作動し、しかもセンサ特性のばらつきも少なく抑さ
えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の課
題を解決するために、請求項1のヒータ付き酸素センサ
(以下、単に酸素センサともいう)は、以下の〜の
要件、すなわち、先端部が閉じた中空軸状をなし、そ
れの内外面に電極層を有する酸素検知素子と、該酸素
検知素子の中空部内に配置されて該酸素検知素子を加熱
する軸状の発熱体と、発熱体を周方向に包囲するよう
に形成され、酸素検知素子の内面に直接又は他部材を介
して間接的に接触する固定部と、その固定部に対し発熱
体の軸方向において少なくとも一方の側に連結されて発
熱体を把持する発熱体把持部とを有し、固定部により発
熱体を酸素検知素子の内側に固定する固定金具とを備
え、その固定金具の固定部及び発熱体把持部の少なくと
もいずれかに、それら固定部ないし発熱体把持部の内面
から突出して発熱体の外周面に当接するとともに、その
発熱体を、発熱部の近傍において該発熱体の中心軸線が
該酸素検知素子の中空部の中心軸線に対して片側に寄る
ように偏心した状態で位置決めする位置決め用突出部が
形成されていることを特徴とする。ここで、そのような
偏心(オフセット)の結果として、発熱体の発熱部の表
面が、酸素検知素子の中空部内壁面に接触していること
が望ましい(請求項12)。この場合は、酸素検知素子
の中空部の中心軸線に対して発熱体の発熱部の近傍にお
いて該発熱体の中心軸線が偏心していることにより、該
発熱体の発熱部の表面が、該酸素検知素子の中空部内壁
面に接触する構成となる。
【0008】発熱体の中心軸線を、上述のように酸素検
知素子の中空部の中心軸線に対して片側に寄るように偏
心させた場合、その偏心側において酸素検知素子は局所
加熱され、当該酸素検知素子の中心軸線回りの加熱状態
は不均一なものになると考えられる。そして、このよう
に検知素子を不均一加熱する構成は、従来の常識と照合
すれば、酸素検知素子の電気抵抗値が全体として十分低
くなるまでに時間がかかり、結果としてセンサの立ち上
がり時間を長くするのではないかという懸念が生ずるな
ど、不都合が極めて多いもののように思われる。ところ
が、本発明者らは、この一見望ましくないと思われる上
記構成の採用により、意外にもセンサの活性化時間は従
来と同等であるかあるいは却って短縮されることを見い
出したのである。
【0009】そして、発熱部が酸素検知素子と接触する
上記横当て構造を例えば採用することで、発熱体の発熱
部で発生する熱がその接触に基づき、その発熱部から酸
素検知素子へ直接的に熱伝導するとともに、その接触点
近傍の輻射熱も酸素検知素子に効果的に作用して、その
酸素検知素子を短時間で昇温させることができ、センサ
活性化時間が短縮される。また発熱体の発熱部が酸素検
知素子の中空部内壁面に側方から接触した構造であれ
ば、発熱部や酸素検知素子の熱膨張が生じても、発熱部
の先端を酸素検知素子の先端内面に当てる構造に比べ
て、その熱膨張の影響を受けにくい。言い換えれば、そ
のような横当て構造をとることにより、発熱体や酸素検
知素子が熱履歴を受けても、両者の接触状態を良好に保
ち易くなるのである。
【0010】また、発熱部を側方から酸素検知素子の中
空部内壁面に当てるようにすれば、接触による直接的な
熱伝導並びに輻射熱の効果により、先端同士で当てる構
造よりも全体としての熱伝達効率は高くなる。そして、
上記のように、酸素センサにおける酸素検知素子と発熱
体の発熱部との接触状態を安定に保証できることによ
り、酸素検知素子の加熱状態のばらつきが減少し、この
ことが酸素センサとしての特性のばらつきを減少させる
効果につながる。
【0011】さらに、上述のような発熱体の偏心配置構
造は、固定金具の固定部及び/又は発熱体把持部に形成
された位置決め用突出部が発熱体の外周面に当接し、こ
れを酸素検知素子の中空部内で上述のように偏心位置決
めすることにより実現される。このような位置決め用突
出部は、例えば固定金具が板金加工品で構成されている
場合は、プレス加工等により簡単に形成できる。また、
発熱体の中心軸線の中空部の中心軸線からの偏心量を、
位置決め用突出部の固定部及び/又は発熱体把持部内面
からの突出高さに応じて容易に調整できる利点も有す
る。
【0012】なお、酸素検知素子の外面と中空部の内壁
面とには、酸素検知素子を構成する固体電解質へ酸素を
注入するための酸素分子の解離反応、及び該固体電解質
から酸素を放出させるための酸素の再結合反応に対する
可逆的な触媒機能(酸素解離触媒機能)を有する多孔質
電極(例えばPt多孔質電極)を設けることができる。
この場合、酸素検知素子の局所加熱を行っても、センサ
の立ち上がり時間が従来と同等レベルに維持されるか、
あるいは却って短縮される要因としては、次のようなこ
とが考えられる。
【0013】すなわち、該方式の酸素センサでは、例え
ば酸素検知素子の内側に大気等の基準ガスを導入する一
方、外側に排気ガス等の測定対象ガスを接触させ、酸素
検知素子の内外の酸素濃度差に基づいて該酸素検知素子
に生ずる濃淡電池起電力により、測定対象ガス中の酸素
濃度が検出される。この場合、酸素イオン電導性固体電
解質により形成された酸素検知素子に十分な濃淡電池起
電力が生じるためには、酸素検知素子の電気抵抗値が十
分小さくなることのほかに、酸素分子に対する解離ない
し再結合反応に対する上記多孔質電極の触媒活性が十分
に高められている必要がある。そして、センサの検出出
力レベルは、酸素検知素子の電気抵抗値と上記多孔質電
極の触媒活性との兼ね合いで決まることとなる。
【0014】ここで、例えばPt等で構成された多孔質
電極の触媒活性は、例えばZrO2系等の固体電解質の
酸素イオン移動度よりも温度に対して急激に増大する傾
向があるものと推測されている。そして、酸素検知素子
が本発明の構成により局所加熱されると、固体電解質の
活性化による酸素検知素子の電気抵抗減少は、不均一加
熱のため酸素検知素子と発熱体とを同心配置する従来の
構成ほどには進まないが、その局所加熱された部分は従
来の構成よりも高温まで加熱されるので、当該部分で多
孔質電極の触媒活性が高められて被測定ガス中の酸素分
子の解離が促進され、その効果により固体電解質の濃淡
電池起電力ひいてはセンサの検出出力レベルが補われ、
結果としてセンサの立ち上がり時間が従来と同等か、そ
れよりも短縮される効果が達成されるものと推測され
る。
【0015】次に、請求項2の酸素センサにおいては、
酸素検知素子の前記中空部に対し、該中空部の中心軸線
を含むある仮想的な第一平面と、同じく中空部の中心軸
線を含むとともに第一平面と直交する仮想的な第二平面
とを設定して、該中空部をそれら第一平面と第二平面と
によって4つの領域に分割した場合に、発熱体は、その
中心軸線の中空部内に位置する部分の全体が、該中空部
の上記4つの領域のいずれか1つに収まるように配置さ
れる。該構成は、換言すれば、発熱体の中心軸線の中空
部内に位置する部分の全体が、中空部の4つの領域のい
ずれかに収まるように、上記仮想的な第一及び第二平面
がどこかに必ず設定できるということを意味している。
【0016】上記構成によってもたらされる作用・効果
について、図15を用いて説明する。なお、以下におい
ては説明の便宜のため、発熱部(42)は発熱体(3)
の酸素検知素子(2)への挿入側端部に形成されてお
り、酸素検知素子(2)の中空部内壁面(2a)はほぼ
円筒状面をなすものと考える(ただし、中空部内壁面
(2a)には、酸素検知素子(2)を固体電解質粉末の
成形・焼成により製造する際に、成形時の離型性を高め
る等の目的で、底部側が縮径するテーパが付与されてい
る場合もある)。まず図15(c)は、上記仮想的な第
一及び第二平面P1,P2を如何に設定しようとも、上記
平面P1,P2で区切られる中空部の4領域のいずれか1
つに発熱体(3)の中心軸線O1を収めるのが不能な場
合を示している。すなわち、中心軸線O1は検知素子
(2)の中心軸線O2に対してかなり傾いて設定されて
おり、結果として該中心軸線O1は上記4領域の2以上
のものに必然的にまたがって位置せざるを得なくなって
いる。一方、図15(a)は、上記仮想的な第一及び第
二平面P1,P2を適当に設定することで、4領域のいず
れかに発熱体(3)の中心軸線O1を収めることが可能
な場合を示している。この場合、発熱体(3)の中心軸
線O1の検知素子(2)の中心軸線O2に対する傾斜は、
図15(c)に示す場合と比べて必ず緩くなる。
【0017】この両者を比較すれば、図15(c)に示
す構成では、発熱部(42)の末端側の角部においては
検知素子(2)の中空部内壁面(2a)までの距離が短
くなり、発熱がこの部分にやや集中する傾向がある。こ
れに対し、同図(a)に示す請求項2の構成は、発熱体
(3)の中心軸線O1の検知素子(2)の中心軸線O2に
対する傾斜が(c)の構成よりも緩やかであることか
ら、発熱部(42)の側面が検知素子(2)の中空部内
壁面(2a)に対しほぼ沿う形となり、発熱部(42)
により検知素子(2)の壁部をより均一に加熱すること
ができる。その結果、酸素センサの活性化時間を短縮す
る上でさらに大きな効果を期待できる。ただし、図15
(c)に示す構成でも、発熱体(3)の中心軸線O1が
検知素子(2)の中心軸線O2から偏心して位置するこ
とに変わりはなく、酸素センサの活性化時間を短縮する
上で一定以上の効果が期待できることはいうまでもな
い。
【0018】この場合、図15(b)に示すように、発
熱体(3)は、該発熱体(3)の中心軸線O1が酸素検
知素子(2)の中空部の中心軸線O2とほぼ平行となる
ように中空部内に配置されていれば、発熱部(42)の
側面を検知素子(2)の中空部内壁面(2a)に対し沿
わせる効果、ひいては検知素子(2)の壁部を均一加熱
する効果がさらに顕著に達成される(請求項3)。
【0019】次に、固定金具において位置決め用突出部
は発熱体把持部に設けても、固定部に設けてもいずれで
もよい(双方に設けることも可能である)。しかしなが
ら、位置決め用突出部を固定部に設け、その固定部に連
結する発熱体把持部のうち、いずれか一方を省略する構
成とすれば、固定金具の発熱体軸線方向における長さを
短くでき、ひいては酸素センサの上記軸線方向の長さを
減じてこれをコンパクトに構成できるようになる。ま
た、発熱体が1ケ所の把持部により把持される形とした
から、例えば固定金具を装着した発熱体を酸素検知素子
の中空部内に挿入してセンサを組み立てる際に、固定金
具を介した過剰な横方向の力が発熱体に作用しにくくな
り、ひいては組立時の発熱体の折損等を防止することが
できる。
【0020】なお、上記構成の固定金具において省略す
べき発熱体把持部は、発熱体の長手方向におけるいずれ
の側のものであってもよい。しかしながら、発熱体から
遠い側のものを省略する構成、換言すれば請求項4のよ
うに、固定金具において、発熱体把持部を固定部に対し
発熱体の発熱部に近い側にのみ連結する構成とすれば、
発熱体は、センサの出力端子部等を介して外力の影響を
受けやすい上記遠い側の把持が解除され、横方向の力を
受けてもこれを緩和し易くなって、前述の折損等を防止
する効果をさらに高めることができる。なお、より具体
的には、請求項5のように位置決め用突出部を固定部に
対し、前記発熱体把持部が連結されているのとは反対側
の端部近傍において、該発熱体把持部の固定部への連結
部に対応する位置に形成するようにすれば、発熱体の軸
線方向において、位置決め用突出部による支持点(当接
点)と発熱体把持部による支持点との間の距離を増すこ
とができ、ひいては固定金具により発熱体をさらに安定
的に位置決め支持させることが可能となる。
【0021】次に、本発明の請求項7の酸素センサは、
先端部が閉じた中空軸状をなし、それの内外面に電極層
を有する酸素検知素子と、該酸素検知素子の中空部内に
配置されて該酸素検知素子を加熱する軸状の発熱体とを
備え、酸素検知素子の前記中空部に対し、該中空部の中
心軸線を含むある仮想的な第一平面と、同じく前記中空
部の中心軸線を含むとともに第一平面と直交する仮想的
な第二平面とを設定して、該中空部をそれら第一平面と
第二平面とによって4つの領域に区切ったときに、発熱
体は、その中心軸線の中空部内に位置する部分の全体
が、中空部の上記4つの領域のいずれか1つに収まるよ
うに配置され、発熱体の中心軸線が、中空部の中心軸線
に対して片側に寄るように偏心していることを特徴とす
る。
【0022】また、本発明の請求項8の酸素センサは、
先端部が閉じた中空軸状をなし、それの内外面に電極層
を有する酸素検知素子と、該酸素検知素子の中空部内に
配置されて該酸素検知素子を加熱する軸状の発熱体とを
備え、発熱体は、該発熱体の中心軸線が酸素検知素子の
中空部の中心軸線とほぼ平行となり、かつその中心軸線
が、中空部の中心軸線に対して片側に寄るように偏心し
ていることを特徴とする。これら請求項7及び8の構成
における作用・効果の要点は、請求項2及び3の構成に
おいて、図15を用いて説明したものと同じであるので
説明は省略する。ただし、請求項7及び8の構成におい
ては、発熱体の中心軸線を、中空部の中心軸線に対して
片側に寄るように偏心させるための手段は、位置決め突
出部を用いた請求項1の手法に限定されない。
【0023】上記請求項7及び8の構成においては、発
熱体を周方向に包囲するように形成され、酸素検知素子
の内面に直接又は他部材を介して間接的に接触する固定
部と、その固定部に対し発熱体の軸方向においてその両
側に連結され、それぞれ発熱体を把持する1対の発熱体
把持部とを有する固定金具を設けることができる(請求
項9)。これによれば、2つの把持部によって発熱体を
より安定的に保持することができる効果も新たに加わ
る。
【0024】また、請求項7及び8の構成においては、
発熱体を周方向に包囲するように形成され、酸素検知素
子の内面に直接又は他部材を介して間接的に接触する固
定部と、その固定部に対し発熱体の軸方向において該発
熱体の先端に近い側の端部にのみ連結され、発熱体を把
持する発熱体把持部とを有する固定金具を設けることも
できる(請求項10)。この構成によれば、発熱体は1
ケ所の把持部により、軸線と交差する向きにおいて若干
の動きの自由度を生じた状態で把持されることとなる。
従って、発熱体を固定金具とともに酸素検知素子の中空
部内に挿入すると、該発熱体は先端部が酸素検知素子の
内壁面との接触に伴い、これに追従して該内壁面に沿う
形で位置決めされ、酸素センサの活性化時間を短縮する
上でさらに大きな効果を期待することができる。また、
センサを組み立てる際に、固定金具を介した過剰な横方
向の力が発熱体に作用しにくくなり、ひいては組立時の
発熱体の折損等を防止することができる。さらに、固定
金具の発熱体軸線方向における長さを短くでき、ひいて
は酸素センサの上記軸線方向の長さを減じてこれをコン
パクトに構成できるようになる。
【0025】なお、上記請求項9及び10の構成におい
て固定金具の発熱体把持部は、酸素検知素子の中空部に
対し、該中空部の中心軸線を含むある仮想的な第一平面
と、同じく前記中空部の中心軸線を含むとともに第一平
面と直交する仮想的な第二平面とを設定して、該中空部
をそれら第一平面と第二平面とによって4つの領域に区
切ったときに、発熱体が、その中心軸線の中空部内に位
置する部分の全体が、中空部の上記4つの領域のいずれ
か1つに収まるように、固定部に対し連結することがで
きる。より具体的には、固定金具の発熱体把持部は、そ
の中心軸線が、酸素検知素子の中空部の中心軸線から偏
心してこれとほぼ平行な共通の軸線上に位置するよう
に、固定部に対して連結することができる。
【0026】固定金具は、具体的には、固定部が酸素検
知素子の内側の電極層に接触する内部電極接続部とされ
た端子金具とすることができる(請求項6、11)。固
定部が酸素検知素子からの出力取出し用の内部電極接続
部を兼ねることにより、部品点数が削減されるので、セ
ンサをより安価に構成することが可能となり、組立工程
も簡略化される。
【0027】以上の本発明の酸素センサにおいて、前述
のような発熱体の上記酸素検知素子に対する偏心配置に
かかわらず、発熱体の発熱部の表面が酸素検知素子の中
空部内壁面に接触はせず、ごく近接して位置する構成で
もよい。このような構成でも、偏心していない場合に比
べて、発熱部から酸素検知素子への熱輻射等の効果は高
まるため、酸素センサの活性化時間を短縮する上で一定
の効果がある。
【0028】また、上記本発明の酸素センサの各構成に
おいては、酸素検知素子の軸断面内側寸法DAと発熱体
の軸断面外側寸法DBとの差ΔD=DA−DBが0.35m
m以下となっていることが望ましい(請求項13)。こ
こで、酸素検知素子の軸断面内側寸法及び発熱体の軸断
面外側寸法は、酸素検知素子内周面ないし発熱体外周面
が円筒状面である場合には、その内径ないし外径を意味
するものとする。また、上記内周面及び外周面が円形か
ら外れた軸断面形状を有している場合には、これを同面
積の円形断面に換算した場合の内径ないし外径を意味す
るものとする。さらに、上記軸断面寸法が、その軸方向
において一定でない場合(例えばテーパ面状に形成され
ている場合)は、該軸断面寸法の軸方向における平均値
で代表させるものとする。
【0029】ΔD=DA−DBが0.35mmを超えると、
酸素検知素子の活性化時間、ひいてはセンサ立ち上がり
時間が長くなったり、あるいは該立ち上がり時間にセン
サ個体間でのばらつきが生じやすくなる場合がある。例
えば、発熱部を側方から酸素検知素子の中空部内壁面に
当てる場合、ΔDが大きくなるとその横当て力に固体間
ばらつきが生じやすくなることが、その原因として考え
られる。なお、ΔDの値は、より望ましくは0.30mm
以下に設定するのがよい。一方、ΔDが0.1mm未満に
なると、発熱体を酸素検知素子の中空部内への挿入が行
いにくくなり、発熱体の酸素検知素子に対する組み付け
能率を低下させる場合がある。それ故ΔDは0.1mm以
上に設定するのがよく、より望ましくは0.15mm以上
に設定するのがよい。
【0030】また、検知素子の軸断面内側寸法DAと発
熱体の軸断面外側寸法DBとの差ΔD=DA−DBの、DB
に対する比ΔD/DBは、0.13以下となっているこ
とが望ましい(請求項14)。ΔD/DBが0.13を
超えると、請求項13と同様にセンサの立ち上がり時間
が長くなったり、あるいはそのセンサ個体間でのばらつ
きが生じやすくなる場合がある。ΔD/DBは、より望
ましくは0.10以下に設定するのがよい。
【0031】なお、上記請求項13又は14の内容は、
発熱体を1ケ所の把持部のみにより把持する請求項10
の構成に適用した場合に特に有効である。すなわち、Δ
DないしΔD/DBを上記範囲で調整することにより、
酸素検知素子の内壁面との接触に伴い、発熱体の先端部
は酸素検知素子の中空部内壁面にさらに沿いやすくな
り、酸素センサの活性化時間を短縮する効果が一層高め
られるのである。
【0032】次に、発熱体の発熱部が、その外周面の周
方向の一部において発熱分布の疎なる発熱疎部分を有す
る場合に、その発熱疎部分以外の部分において当該発熱
体の発熱部を酸素検知素子の中空部内壁面に接触させる
ことができる。例えばセラミックグリーンシートに発熱
抵抗パターンを印刷して、これを芯材に丸めて焼成する
ことにより発熱部を形成する場合は、その継ぎ合わせ側
で発熱パターンが疎になるため、例えばこれと反対側の
発熱部表面を酸素検知素子の中空部内壁面に接触させる
ことができる。つまり、発熱疎部分がその中空部内壁面
に接触した場合でも一定の熱伝達の効果はあるが、それ
より発熱の充分生じる部分を接触させた方がより効果的
であるという意味である。また、発熱体の発熱部が周方
向に偏在することで、より小さな容積に発熱エネルギー
が集中することになり、特にヒータ通電時間後の活性化
時間を短縮する上で効果がある。
【0033】また、発熱体の発熱部を発熱体の先端部に
偏在させるようにすれば、酸素検知素子を速やかに加熱
する上で有効である。つまり、発熱部を発熱体の全体に
広げることもできるが、そうすると熱エネルギーが分散
しやすくなる。有効な酸素検知素子の加熱にとっては、
むしろ発熱部を発熱体の先端部に偏在させた方が、局部
的に発熱し好ましいと言える。このような発熱部の局部
的な発熱パターンと、前述の偏心による横当て構造との
組合せにより、センサの活性化時間をより短縮すること
ができる。
【0034】さらに、発熱体が固定金具を介して酸素検
知素子内に組み付けられるとともに、その固定金具によ
って発熱体の発熱部が、酸素検知素子の中空部内壁面に
押し付けられている構造とすることができる。これによ
って前述のような横当て構造は一層安定に保証され、セ
ンサ特性のばらつき減少の効果はさらに高まる。
【0035】上記本発明の各構成において使用される固
定金具においては、固定部と発熱体把持部との間を、く
びれた形態で連結する連結部を形成することができる。
このようなくびれた形態の連結部が存在することによ
り、例えば発熱体が熱応力により変形しようとした際
に、該連結部が弾性変形ないし塑性変形することで熱応
力が緩和され、ひいては発熱体の破損等も生じにくくな
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すいくつかの実施
例を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。 (実施例1)図1に示す酸素センサ1は、先端が閉じた
中空軸状の固体電解質部材である酸素検知素子2と、軸
状のセラミックヒータである発熱体3とを備え、それら
の外殻を構成する各種部材の組立体として構成される。
酸素検知素子2は酸素イオン電導性を有する固体電解質
により構成されている。そのような固体電解質として
は、YないしCaOを固溶させたZrOが代表
的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属ないし
希土類金属の酸化物とZrOとの固溶体を使用しても
よい。また、ベースとなるZrOにはHfOが含有
されていてもよい。
【0037】この酸素検知素子2の中間部外側には、絶
縁性セラミックから形成されたインシュレータ6,7、
並びにタルクから形成されたセラミック粉末8を介して
金属製の筒部材であるハウジング9が設けられ、酸素検
知素子2はハウジング9と電気的に絶縁された状態で貫
通している。また、図2に示すように、酸素検知素子2
の内面及び外面には、そのほぼ全面を覆うように一対の
電極層2b,2cが設けられている。これら電極層2
b,2cはいずれも、酸素検知素子2を構成する固体電
解質へ酸素を注入するための酸素分子の解離反応、及び
該固体電解質から酸素を放出させるための酸素の再結合
反応に対する可逆的な触媒機能(酸素解離触媒機能)を
有する多孔質電極、例えばPt多孔質電極として構成さ
れている。
【0038】次に、ハウジング9の一方の開口部には、
酸素検知素子2の先端側を所定の空間を隔てて覆うよう
にプロテクタ11が設けられ、プロテクタ11には排気
ガスを透過させる複数のガス透過口12が形成され、こ
れにより排気ガス中の酸素が酸素検知素子2の先端側表
面に接触可能となっている。ハウジング9の他方の開口
部には、第1のスリーブ14がインシュレータ6との間
にリング15を介してかしめられ、このスリーブ14に
さらに第2のスリーブ16が外側から嵌合・固定されて
いる。このスリーブ16の図中上端側の開口は栓体17
で封止され、またこれに続いてさらに内方に栓体18、
及び19が設けられている。そして栓体17,18を貫
通するようにリード線20,21が配置されている。
【0039】一方のリード線20は、固定金具としての
端子金具23のコネクタ部24及びこれに続く引出し線
部25(絶縁管25aで覆われている)、並びに端子金
具23の固定部としての内部電極接続部26を経て、前
述の酸素検知素子2の図示しない内側の電極層と電気的
に接続されている。他方のリード線21は、別の端子金
具33のコネクタ部34及びこれに続く引出し線部35
並びに外部電極接続部35bを経て、酸素検知素子2の
図示しない外側の電極層と電気的に接続されている。ま
た前述の発熱体3に通電するためのプラス側及びマイナ
ス側の一対のヒータ端子部40が、発熱体3の基端部
(図1において上端部)に固定され、これらヒータ端子
部40を経て、発熱体3内に埋設された後述の発熱用抵
抗回路に通電されるようになっている。なお図1で図示
はしないが、一対のヒータ端子部40は、栓体17,1
8等を貫通して設けられたヒータ用の一対のリード線に
それぞれ接続される。
【0040】このように構成された酸素センサ1は、酸
素検知素子2の内側空間に対し、例えばリード線20,
21の被覆部20a,21aと芯線20b,21bとの
間に形成された空隙を介して基準ガスとしての大気が導
入される一方、酸素検知素子2の外面にはプロテクタ1
1のガス透過口12を介して導入された排気ガスが接触
し、該酸素検知素子2にはその内外面で生ずる酸素濃度
差に応じて酸素濃淡電池起電力が生じる。そして、この
酸素濃淡電池起電力を、排気ガス中の酸素濃度の検出信
号として電極層2b,2cからリード線21,20を介
して取り出す。ここで、酸素検知素子2は、排気ガス温
が十分高温となっている場合には当該排気ガスで加熱さ
れて活性化されるが、エンジン始動時など排気ガス温が
低温である場合には前述の発熱体3で強制的に加熱する
ことで活性化される。
【0041】発熱体3は、通常はセラミックヒータであ
り、例えばアルミナを主とするセラミック棒45を芯材
とし、図5に示すようにこのセラミック棒45の表面に
例えば蛇行状に形成された抵抗線部(抵抗パターン)4
1(図7)からなる発熱部42を備える。これはシート
状の外層セラミック部43(図7)に抵抗ペーストを所
定のパターンで印刷し、これをセラミック棒45に巻き
付けるように丸めて焼成したものである。セラミック棒
45は外層セラミック部43の先端から若干突出してお
り、また抵抗パターン41にヒータ端子部40から延び
る図示しない通電路を経て、発熱のための通電が行われ
る。このような発熱部42は発熱体3の先端側に偏って
設けられ、その先端部で局部的に発熱するようになって
いる。
【0042】そして、図5に示すように、発熱体3の発
熱部42の近傍における中心軸線O1は、酸素検知素子
2の中心軸線O2に対して片側に寄るように一定量δだ
け偏心(オフセット)している。それによって、発熱体
3の発熱部42の先端部表面が酸素検知素子2の中空部
内壁面(以下、素子内壁面ともいう)2aに所定の面圧
で押し付けられた状態で接触している。この接触位置
は、図1から明らかなように酸素検知素子2の閉塞側先
端からやや中間側へ寄ったところ、より好ましくは前述
のプロテクタ11のガス透過口12にほぼ対応する位置
にあたるとよい。
【0043】また、図15(b)に概念的に示すよう
に、酸素検知素子2の中空部に対し、該中空部の中心軸
線O2を含むある仮想的な第一平面P1と、同じく中空部
の中心軸線O2を含むとともに第一平面P1と直交する仮
想的な第二平面P2とを設定して、該中空部をそれら第
一平面P1と第二平面P2とによって4つの領域に分割し
た場合に、発熱体3は、その中心軸線O1の上記中空部
内に位置する部分の全体が、該中空部の上記4つの領域
のいずれか1つに収まるように配置されている。より具
体的には、図5にも示すように発熱体3は、その中心軸
線O1が中空部の中心軸線O2とほぼ平行となるように配
置されている。これにより、発熱体3は、発熱部42の
側面が検知素子2の中空部内壁面2aに対しほぼ沿う形
となっている。
【0044】ここで、上述のように発熱体3の中心軸線
O1を上述の配置関係で酸素検知素子2の中空部の中心
軸線O2から偏心させ、かつ発熱部42を素子内壁面2
aに弾性的に押し付ける機能を果たしているのは端子金
具23である。この場合、端子金具23は3つの役割を
果たす。第一は、酸素検知素子2の内側の電極層の出力
端子としてリード線20との電気的接続を図ること、第
二は発熱体3を酸素検知素子2の内側に固定することで
あるが、これらは従来と同様の機能である。そして第三
の機能が、発熱体3の先端部を素子内壁面2aに横当た
り構造で弾性的に押し付けることである。
【0045】図3に端子金具23の単体状態を、図4に
端子金具23を発熱体3に組み付けた状態を示す。これ
らの図から明らかなように、前述の内部電極接続部26
に関して発熱体3の先端側(すなわち発熱部42に近い
側)に発熱体把持部27が形成されている。発熱体把持
部27は、発熱体3の周囲を包囲するC字状の横断面形
状を有している。そして、発熱体3を未挿入の状態では
該発熱体3の外径よりは少し小さい内径を有し、発熱体
3の挿入にともない弾性的に拡径してその摩擦力により
該発熱体3を把持するものである。この発熱体把持部2
7は内部電極接続部26の軸方向端部の片側の1箇所に
のみ設けられている。
【0046】内部電極接続部26は、左右両側の縁に鋸
刃状の接触部26aがそれぞれ複数形成された板状部分
を円筒状に曲げ加工することにより、発熱体3を包囲す
る形態で形成されている。そして、その外周面と酸素検
知素子2の中空部内壁面2aとの間の摩擦力によって発
熱体3を該中空部に対し軸線方向に位置決めする役割を
果たすとともに、上記複数の接触部26aの各先端部に
おいて内側の電極層2c(図2)と接触・導通するよう
になっている。また、発熱体3との間には所定の隙間が
形成されている。なお、これら両側の接触部26aは、
鋸刃の山に相当する部分と谷に相当する部分とが、左右
両側で互い違いに形成されており、例えばセンサ組立時
において内部電極接続部26を酸素検知素子2の内側に
挿入する際に、左右の接触部26aが同時に酸素検知素
子2の開口縁に引っ掛かったりする等のトラブルが生じ
にくくなり、ひいては内部電極接続部26の酸素検知素
子2に対する組み付けが容易となる効果を有している。
また、鋸刃状の各接触部26aの高さをやや大きく設定
することにより、上記板状部分を筒状に曲げて内部電極
接続部26を形成する際に、その曲げ方向の幅が増大し
て加工が行いやすくなる効果も合わせて達成される。
【0047】また、内部電極接続部26には、発熱体把
持部27が連結されているのとは反対側の端部近傍にお
いて、該発熱体把持部27の内部電極接続部26への連
結部30に対応する位置に、その内面から突出して発熱
体3の外周面に当接する位置決め用突出部50が形成さ
れている。この位置決め突出部50は、例えば内部電極
接続部26の壁部をプレス加工等により内向きに凹ませ
ることにより形成されており、発熱体3を前述のように
酸素検知素子2の中空部の中心軸線O2に対して偏心し
た状態で位置決めするためのものである。
【0048】酸素検知素子2の中空部内壁面2aには、
これを固体電解質粉末の成形・焼成により製造する際
に、成形時の離型性を高める等の目的で、底部側が縮径
する僅かなテーパが付与されている。これに対し発熱体
3は、図5等に示すように、その中心軸線O1が検知素
子2側の中心軸線O2とほぼ平行となるように配置され
るわけであるから、発熱体3の基端側に向かうほど、発
熱体3と中空部内壁面2aとの間に形成される隙間を大
きくする必要がある。上記位置決め用突出部50は、該
突出部50の形成位置におけるこの隙間量を所定の値に
規定することにより、発熱体3が発熱部42の近傍にお
いて上記中空部内壁面2aと接触し、かつ2つの中心軸
線O1と中心軸線O2とがほぼ平行となる位置関係を満足
させる役割を果たしている。
【0049】なお、酸素センサ1の製造工程では、発熱
体3に端子金具23を固定した後、このアッセンブリを
酸素検知素子2に挿入するのが普通である。ここで、発
熱体3に対する酸素検知素子2の壁部からの拘束力が存
在しないと仮定した場合に、発熱体把持部27の内部電
極接続部26に対する半径方向の連結位置関係は、発熱
体把持部27と位置決め突出部50とによって該発熱体
3の中心軸線O1が酸素検知素子2の中空部の中心軸線
O2に対し、発熱部42側が該中心軸線O2から遠ざかる
ように少し傾いた状態で保持されるように定められてい
る。これにより、上記アッセンブリの挿入の際に、発熱
体3の先端部は素子内壁面2aに弾性的に接触した状態
でここを滑りつつ内部に挿入され、図4(c)に矢印で
示すように、その中心軸線O1 が中空部の中心軸線O2
と平行となる向きにその傾斜状態が矯正されつつ該検知
素子2に対して装着されることとなる。また、発熱体把
持部27と内部電極接続部26との間の連結部30は、
両側から周方向にU字状の切欠を形成することによりく
びれた形態で形成されている。そして、発熱体3の検知
素子2への装着時には、これが内向きに弾性変形し、そ
の弾性復帰力によって発熱体3の発熱部42を検知素子
2の中空部内壁面2aに押し付け、図1のような横当た
り形態を生じさせる。
【0050】この状態で発熱体3には、素子内壁面2a
が発熱体3に及ぼす応力、位置決め突出部50において
発熱体3に作用する応力、発熱体把持部27において発
熱体3に作用する応力とによって、これらの合成による
曲げモーメントが生じるが、その曲げモーメントにより
発熱体3が折れないように、言い換えれば発熱体3の許
容強度範囲以上の応力が生じないようにされている。こ
のような応力ひいては曲げモーメントの調整を図るの
は、内部電極接続部26に隣接するくびれ形態の連結部
30である。
【0051】すなわち、連結部30は、上記挿入工程で
発熱体把持部27及び位置決め突出部50を介して発熱
体3に付与される曲げ力を吸収・緩和してその折損等を
防止する役割も果たす。そして、その弾性力の調整は、
くびれ部分の幅調整により可能となる。換言すれば、連
結部30のくびれ幅を適切に設定することで、上記弾性
力を適度な値に調整でき、図1の発熱体3の横当たり構
造において、素子内壁面2aに対する弾性的な押付力を
必要十分な値に確保できるのである。
【0052】次に、図7(b)に示すように、発熱体3
の外層セラミック部43がセラミック棒45に巻き付け
られた際の接合隙間として、発熱体3の外周の1箇所に
軸方向と平行なスリット状部44が生じ、この近傍では
抵抗パターン41が存在せず、発熱疎部分となるが、発
熱体3の素子内壁面2aの横当たり構造に際してはこの
スリット状部44の反対側の発熱部42表面を素子内壁
面2aに当てることが望ましい。これによって充分発熱
する部分から直接的に酸素検知素子2に効果的な熱伝達
が生じる。
【0053】また、酸素検知素子2の中空部内壁面2a
はテーパ状に形成されているが、その内径の平均値(以
下、単に内径という)DAと発熱体3の外径DBとの差Δ
D=DA−DBは0.1〜0.35mm、望ましくは0.1
5〜0.30mmに設定されている。また、上記ΔDの発
熱体3の外径DBに対する比ΔD/DBは、0.13以
下、望ましくは0.10以下に設定されている。
【0054】以下、上記酸素センサ1の作用について説
明する。図6は、発熱体3の中心軸線O1と酸素検知素
子2の中心軸線O2とが同心的な従来構造の比較例を示
すもので、これと図5とを比較すると明らかなように、
図5の本件実施例では、酸素検知素子2の中心軸線O2
に対し、発熱体3の中心軸線O1がほぼ平行な状態で、
酸素検知素子2の中心軸線O2から距離δだけ偏心し、
その発熱部42の先端部表面が素子内壁面2aに側方か
ら押し付けられた、いわば横当たり構造とでも称すべき
形態となっている。なお、図3及び図4ともに、理解を
容易にするために発熱体3と酸素検知素子2との隙間は
実際のものより誇張して描かれているが、上述の偏心量
δは、素子内壁面2aの内径を2.8〜3.2mm、発熱
体3の外径を2.43〜2.63mmとしたとき、発熱体
3と酸素検知素子2との間で過度な押し付け力を生ずる
ことなく上記横当り構造を確実なものとするために、例
えば0.085〜0.385mm程度の大きさに設定する
のがよい。また図6の発熱部42’と比べて、図5の発
熱部42は、前述のように発熱体3の先端側により狭い
領域に偏って形成されている。
【0055】このような発熱体3の素子内壁面2aに対
する横当たり構造を採用することにより、発熱部42で
生じた熱が上記接触に基づく熱伝導により速やかに酸素
検知素子2に伝わってこれを加熱し、また発熱部42の
上記接触部近傍の局部的に発熱した部分の熱輻射によっ
ても酸素検知素子2が加熱される。そして、その熱伝導
及び熱輻射による相乗的な熱伝達が、酸素検知素子2を
急速に加熱し、活性化温度までの上昇時間を短縮する。
【0056】ここで、図2に示すように酸素検知素子2
は、その素子内壁面2aに横当て状態で配置された発熱
部42により局所加熱されるのであるが、センサの立ち
上がり時間は図6に示す従来構成のセンサと同等レベル
に維持されるか、あるいは却って短縮される。その要因
としては、次のようなことが考えられる。すなわち、酸
素イオン電導性固体電解質により形成された酸素検知素
子2に十分な濃淡電池起電力が生じるためには、酸素検
知素子2の電気抵抗値が十分小さくなることのほかに、
酸素分子に対する解離ないし再結合反応に対する電極層
2b,2cの触媒活性が十分に高められている必要があ
る。そして、センサの検出出力レベルは、酸素検知素子
2の電気抵抗値と上記2b,2cの触媒活性の兼ね合い
で決まる。
【0057】ここで、酸素検知素子2が発熱部42によ
り局所加熱されると、固体電解質の活性化による酸素検
知素子2の電気抵抗減少は、例えば図6に示す従来の構
成ほどには進まないが、図2に示すように、その局所加
熱された部分2dはより高温まで加熱されるので、当該
部分で電極層2b,2cの触媒活性が高めらる。そし
て、電極層2bの触媒活性が向上すると被測定ガス中の
酸素分子の解離が促進され、その効果により固体電解質
の濃淡電池起電力ひいてはセンサの検出出力レベルが補
われ、結果としてセンサの活性化時間(立ち上がり時
間)が短縮されるものと推測される。
【0058】また、発熱体3の中心軸線O1が検知素子
2側の中心軸線O2とほぼ平行となるように配置するこ
とにより、発熱部42の側面が検知素子2の中空部内壁
面2aに対しほぼ沿う形となり、発熱部42により酸素
検知素子2の壁部をより均一に加熱することができるよ
うになり、ひいては酸素センサの活性化時間短縮の効果
がさらに高められている。
【0059】さらに、図1に示すように、端子金具23
において、発熱体把持部27が内部電極接続部26に対
し発熱体3の発熱部42に近い側にのみ連結されている
ので、端子金具23の発熱体3の軸線方向における長さ
が短くなり、ひいては酸素センサ1は、その軸線方向の
長さが減じられてコンパクトに構成されている。また、
発熱体3が1ケ所の把持部27により把持される形とし
たから、端子金具23を装着した発熱体3を酸素検知素
子2の中空部内に挿入してセンサ1を組み立てる際に、
前述の通り、端子金具23を介した過剰な横方向の力が
発熱体に作用しにくくなり、ひいては組立時の発熱体3
の折損等を防止することができる。
【0060】実験によれば、図6のような従来タイプの
もので、例えばヒータ抵抗値を3〜3.5Ωに設定した
とき、センサ活性化温度までの所要時間は20秒程度要
するのに対し、図5の横当たり構造のものでは、同じヒ
ータ抵抗値の条件で活性化温度に達するまでの所要時間
が、単に偏心した場合で15秒程度、更に横接触した場
合で9秒程度と大幅に短縮することが確認された。この
ことは、例えば自動車の始動時やアイドリング時等の、
排気ガス温度が低い場合でも、酸素センサが従来に比べ
て相当早い段階から酸素濃度を適正に検出し、従来より
高精度・高能力で排ガス浄化を達成することにつなが
る。
【0061】以下、実施例1の酸素センサのいくつかの
変形例について説明する。なお、上記実施例1の酸素セ
ンサ1と共通する部分には同一の符号を付与して説明は
省略し、主にその相違点について以下に説明する。図1
8に示す酸素センサ200においては、端子金具23に
代えて、内部電極接続金具120と、固定金具123と
を設けた例である。内部電極接続金具120は、酸素検
知素子2の中空部に対し、その開口側端部に嵌め込まれ
る筒状の内部電極接続部121を備え、その内部電極接
続部121の後端側に、図1の酸素センサ1の端子金具
23の、コネクタ部24及びこれに続く引出し線部25
(絶縁管25aで覆われている)とを結合した構造を有
している。
【0062】図19に示すように、内部電極接続部12
1は、軸方向のスリット121bを有するC字状断面を
有する略円筒状に形状を有し、自由状態において酸素検
知素子2の開口側端部よりも少し大きい外径を有する。
また、その後端面には、引出し線部25の一端がスリッ
ト121bと反対側の位置に一体化されている。図18
に示すように、内部電極接続部121は、酸素検知素子
2内に押し込まれることにより、スリット121bを縮
小させつつ径方向に圧縮され、その弾性復帰力による摩
擦で酸素検知素子2の内面に固定されるとともに、素子
2の内面側の電極層2c(図2)と接し、引出し線部2
5を経て素子2からの出力電圧を取り出す役割を果た
す。なお、内部電極接続部121の後端側開口縁には、
外向きに突出する係止用凸部121aが周方向に沿って
複数形成されている。これら係止用凸部121aは素子
2の中空部の開口内縁と係合し、該素子2内において内
部電極接続部121を軸線方向に位置決めする。
【0063】一方、固定金具123は、図1の端子金具
23からコネクタ部24及び引出し線部25を取り除い
たものと略等価な形態を有する。発熱体把持部27は、
発熱体3を把持する。他方、固定部126は、図1の端
子金具23の内部電極接続部26に対応するものであ
り、形態もこれとほぼ同様である。そして、該固定金具
123は内部電極接続部121内に押し込まれ、その外
周面と内部電極接続部121の内壁面との間の摩擦力に
よって発熱体3を素子2の中空部に対し軸線方向に位置
決めする役割を果たす。なお、固定部126は、内部電
極接続部121を介して間接的に酸素検知素子2の内面
に接する形となっている。
【0064】次に、図8及び図9に示すように、端子金
具23においては、2つの発熱体把持部27a,27b
をそれぞれ連結部29,30を介して、内部電極接続部
26に対しその軸線方向両側に連結する構成とすること
もできる。また、位置決め突出部50は、発熱体把持部
27a,27bのいずれかに形成するようにしてもよ
い。この場合、発熱体把持部の内径は、位置決め突出部
50の突出量を考慮に入れて大きく設定しておく必要が
ある。
【0065】例えば、図8の酸素センサ201では、発
熱部42から遠い側の発熱体把持部27aに位置決め突
出部50を形成している。図20の酸素センサ203
は、その端子金具23を図18の酸素センサ200と同
様に、内部電極接続金具120と固定金具123とで置
き換えた例である。
【0066】また、図9の酸素センサ202は、発熱部
42から近い側の発熱体把持部27bに位置決め突出部
50を形成した例であり、図21の酸素センサ204
は、その端子金具23を内部電極接続金具120と固定
金具123とで置き換えた例である。これらの場合は、
発熱体3は、連結部29ないし30が位置するのとは反
対側においてその発熱部42が酸素検知素子2の中空部
内壁面2aに当接している。これにより、発熱体3は、
図10に示すように該側にやや大きく傾いて、その中心
軸線O1が中空部の中心軸線O2と所定の傾きθで交差す
る形態となっている。
【0067】なお、図10においては、理解を容易にす
るために発熱体3と酸素検知素子2との隙間や傾きθを
実際のものより誇張して描いている。ここで、発熱部4
2の近傍における中心軸線O1の酸素検知素子2の中心
軸線O2に対する偏心量δと、傾きθとは、素子内壁面
2aの内径を2.8〜3.2mm、発熱体3の外径を2.
43〜2.63mmとしたとき、発熱体3と酸素検知素子
2との間で過度な押し付け力を生ずることなく上記横当
り構造を確実なものとするには、例えばδは0.085
〜0.385mm、またθは0.1〜0.5°程度の大き
さとするのがよい。
【0068】(実施例2)図11は、本発明の酸素セン
サの第二実施例を示すものである。なお、該酸素センサ
150の構成において上記実施例1の酸素センサ1と共
通する部分には同一の符号を付与して説明は省略し、主
にその相違点について以下に説明する。
【0069】すなわち、該酸素センサ150が次のよう
に構成されている点で実施例1の酸素センサ1と相違す
る。すなわち、端子金具23は、実施例1の端子金具
(図1)とほぼ同様に形成された内部電極接続部26を
備え、発熱体3の軸方向において該内部電極接続部26
の一方の側には、実施例1と同様の第一発熱体把持部2
7aが形成される一方、他方の側にも第二発熱体把持部
27bが同様の構成で形成されている。ここで、図12
に示すように、上記1対の発熱体把持部27a,27b
は、その中心軸線が、酸素検知素子2の中空部の中心軸
線O11から偏心してこれとほぼ平行な共通の軸線O10上
に位置するように、内部電極接続部26に対して連結さ
れている。
【0070】具体的には、端子金具23においては、第
一発熱体把持部27aと第二発熱体把持部27bとが、
内部電極接続部26の各々対応する端部に対し、それぞ
れくびれた形態の第一及び第二連結部29及び30によ
り、発熱体3の径方向において同じ側の周縁に一体的に
接続されている。そして、これら連結部29,30は、
内部電極接続部26の径方向内側に曲げられて段付き部
を形成するとともに、その曲げ量を調整することによ
り、発熱体把持部27a,27bの中心軸線O10は、酸
素検知素子2の中空部の中心軸線O11に対しほぼ平行な
状態で、連結部29,30の形成側とは反対方向に所定
の偏心量dで偏心させられている。
【0071】このような端子金具23は、例えば図13
に示すような形状の板状金属部材128を曲げ加工する
ことにより製造することができる。すなわち、図13
(a)に示すように板状金属部材128は、3つの部分
127a、126及び127bが、その幅方向中間部に
おいて、連結部29及び30となるべき接続部129及
び130により互いに一体化された形態をなし、同図
(b)〜(d)に示すように、接続部129及び130
の両側に張り出した部分を幅方向において筒状に丸める
ように曲げ加工することにより、それぞれ第一発熱体把
持部27a、内部電極接続部26及び第二発熱体把持部
27bとなる。また、連結部29及び30は、同図
(e)に示すように、発熱体把持部27a,27bの中
心軸線O10が、所期の位置となるように段付き状に曲げ
加工される。
【0072】上記構成の酸素センサ150においても、
基本的には実施例1の酸素センサ1と同様の効果を奏す
ることができるほか、2つの把持部27a,27bによ
り発熱体3をより安定的に保持することができる効果も
新たに加わる。
【0073】なお、図22の酸素センサ205は、図1
1の酸素センサ150の端子金具23を、図18の酸素
センサ200と同様に、内部電極接続金具120と固定
金具123とで置き換えた例である。
【0074】次に、図14の酸素センサ206において
は、発熱体把持部27は、内部電極接続部26に対し発
熱体3の軸方向において該発熱体3の先端に近い側の端
部において1ケ所にのみ設けられている。この構成によ
れば、発熱体3は1ケ所の把持部27により、軸線と交
差する向きにおいて若干の動きの自由度を生じた状態で
把持されることとなる。従って、発熱体3を端子金具2
3とともに酸素検知素子2の中空部内に挿入すると、該
発熱体3は、先端部が酸素検知素子2の内壁面との接触
に伴い、これに追従して該内壁面に沿う形で位置決めさ
れ、酸素センサの活性化時間を短縮する上でさらに大き
な効果を期待することができるようになる。この場合、
ΔDないしΔD/DBを前述の範囲で調整することによ
り、発熱体3の先端部は酸素検知素子2の中空部内壁面
にさらに沿いやすくなり、酸素センサの活性化時間を短
縮する効果が一層高められる。
【0075】また、別の効果としては、センサを組み立
てる際に、端子金具23を介した過剰な横方向の力が発
熱体3に作用しにくくなり、ひいては組立時の発熱体3
の折損等を防止することができる。さらに、端子金具2
3の発熱体軸線方向における長さを短くでき、ひいては
酸素センサの上記軸線方向の長さを減じてこれをコンパ
クトに構成できるようになる。
【0076】なお、図23の酸素センサ207は、図1
4の酸素センサ206の端子金具23を、図18の酸素
センサ200と同様に、内部電極接続金具120と固定
金具123とで置き換えた例である。
【0077】以上、図面に示す実施例を参照しながら説
明したが、本発明は以上の実施例の記載により限定的に
解釈されるものでは決してなく、特許請求の範囲の趣旨
を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識の基づく種々
なる変更・改良が可能であることは言うまでもない。
【0078】
【実施例】以下、実験例により、本発明の実施例をさら
に詳しく説明する。 (実験例1)図1に示す酸素センサ1を、酸素検知素子
2のテーパ状の中空部内壁面の内径(平均値)DAと、
発熱体3の外径DBとを表1に示す6つの組み合わせ条
件で各種変化させ、各条件毎に50個ずつ作製した。こ
こで、酸素検知素子2は、ZrO粉末に安定化成分と
してのYを配合して成形後、焼成することによ
り、Yを8.5〜9.0重量%含有するZrO
固体電解質として形成されたものである。なお、ΔD
(=DA−DB)及びΔD/DBの各条件毎の値も表1に
合わせて示している。また、発熱体3の酸素検知素子2
の中空部に対する挿入深さは47.4mm に固定した。
さらに、発熱部42は、発熱体3の軸線方向における幅
が4mmであり、12V通電時の出力が10Wのものを用
いた。
【0079】これらセンサ1の酸素検知素子2に対し、
以下の性能試験を行った。すなわち、リード線21側
(外側の電極層2b側)を、800kΩの抵抗器を介し
て直流定電圧電源(電圧4V)の正極端子に接続する一
方、リード線20側(内側の電極層2c側)を接地し
た。この状態で発熱体3の発熱部42に対し14Vで定
電圧通電して酸素検知素子2を加熱するとともに、酸素
検出素子2に印加される分圧電圧に基づいてその電気抵
抗値の時間的な変化を連続的にモニタした。そして、そ
の電気抵抗値が5.6MΩに到達すれば酸素検出素子2
が活性化したと判断し、通電開始からその活性化するま
での時間を、センサ立ち上がり時間として各センサ毎に
測定した。表1に、各条件のセンサの立ち上がり時間の
平均値と標準偏差とを示す。また、図16及び図17
は、センサ立ち上がり時間の平均値Tav及び標準偏差σ
TをΔD及びΔD/DBに対してプロットしたものであ
る。
【0080】
【表1】
【0081】すなわち、図16においては、センサ立ち
上がり時間の平均値TavはΔDの増加とともに増加する
ことがわかる。また、ΔDが0.35mmを超えると、セ
ンサ立ち上がり時間の標準偏差σT、すなわちセンサ個
体間でのばらつきが急激に大きくなっている。従って、
上記センサ立ち上がり時間の個体間ばらつきを抑制する
ためには、該ΔDの値を0.35mm以下の範囲で設定す
ることが望ましいといえる。一方、図17から、ΔD/
DBの値は、0.13以下(より望ましくは、0.10
以下)に設定することが、同様に上記立ち上がり時間の
個体間ばらつきを抑制する上で望ましいこともわかる。
【0082】(実験例2)図11に示す酸素センサ15
0を、酸素検知素子2のテーパ状の中空部内壁面の内径
(平均値)DAと、発熱体3の外径DBとを、実験例1と
同様の6つの組み合わせ条件で各種変化させ、各条件毎
に50個ずつ作製した。なお、酸素検知素子2と、発熱
体3とは実験例1と同じものを用いた。また、発熱体3
の酸素検知素子2の中空部に対する挿入深さは、47.
4mm に固定した。そして、これらセンサ150に対
し、実験例1と同様の性能試験を行った。表2に、各条
件のセンサの立ち上がり時間の平均値Tavと標準偏差σ
Tとを示す。
【0083】
【表2】
【0084】すなわち、センサ立ち上がり時間の平均値
TavはΔDの増加とともに増加することがわかる。ま
た、ΔDが0.35mmを超えると、センサ立ち上がり時
間の標準偏差σT、すなわちセンサ個体間でのばらつき
が急激に大きくなっている。従って、上記センサ立ち上
がり時間の個体間ばらつきを抑制するためには、該ΔD
の値を0.35mm以下の範囲で設定することが望ましい
といえる。一方ΔD/DBの値は、0.13以下(より
望ましくは、0.10以下)に設定することが、同様に
上記立ち上がり時間の個体間ばらつきを抑制する上で望
ましいこともわかる。
【0085】(実験例3)図14に示す酸素センサ20
6を、酸素検知素子2のテーパ状の中空部内壁面の内径
(平均値)DAと、発熱体3の外径DBとを、実験例1と
同様の6つの組み合わせ条件で各種変化させ、各条件毎
に50個ずつ作製した。なお、酸素検知素子2と、発熱
体3とは実験例1と同じものを用いた。また、発熱体3
の酸素検知素子2の中空部に対する挿入深さは、47.
4mm に固定した。そして、これらセンサ206に対
し、実験例1と同様の性能試験を行った。表3に、各条
件のセンサの立ち上がり時間の平均値Tavと標準偏差σ
Tとを示す。
【0086】
【表3】
【0087】すなわち、センサ立ち上がり時間の平均値
TavはΔDの増加とともに増加することがわかる。ま
た、ΔDが0.35mmを超えると、センサ立ち上がり時
間の標準偏差σT、すなわちセンサ個体間でのばらつき
が急激に大きくなっている。従って、上記センサ立ち上
がり時間の個体間ばらつきを抑制するためには、該ΔD
の値を0.35mm以下の範囲で設定することが望ましい
といえる。一方ΔD/DBの値は、0.13以下(より
望ましくは、0.10以下)に設定することが、同様に
上記立ち上がり時間の個体間ばらつきを抑制する上で望
ましいこともわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の酸素センサの縦断面図。
【図2】図1の、発熱部と酸素検知素子との接触部付近
を拡大して示す断面図。
【図3】図1の端子金具を単体状態で示す図。
【図4】図3の端子金具に発熱体を組み付けたアッセン
ブリを示す図。
【図5】図2の要部を概念化して示す部分断面図。
【図6】比較例の同様な部分断面図。
【図7】図1の発熱部の一例を示す図。
【図8】図1の酸素センサの変形例を示す縦断面図。
【図9】同じく別の変形例を示す縦断面図。
【図10】図9の発熱部近傍を概念化して示す部分断面
図。
【図11】本発明の実施例2の酸素センサの縦断面図。
【図12】図11の端子金具を単体状態で示す図。
【図13】図12の端子金具を製造するための板状金属
部材の一例を示す図。
【図14】実施例2の酸素センサの変形例を示す縦断面
図。
【図15】本発明の酸素センサの作用の一部を参照例と
比較して説明する概念図。
【図16】実験例で得られたTav及びσTのデータを、
ΔDに対してプロットしたグラフ。
【図17】同じくTav及びσTのデータを、ΔD/DBに
対してプロットしたグラフ。
【図18】図1の酸素センサの変形例を示す縦断面図。
【図19】その内部電極接続金具と固定金具とを示す分
解斜視図。
【図20】図8の酸素センサの変形例を示す縦断面図。
【図21】図9の酸素センサの変形例を示す縦断面図。
【図22】図11の酸素センサの変形例を示す縦断面
図。
【図23】図14の酸素センサの変形例を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1,150,200〜207 酸素センサ 2 酸素検知素子 2a 中空部内壁面(素子内壁面) 3 発熱体 23 端子金具(固定金具) 26 内部電極接続部(固定部) 27 発熱体把持部 27a 第一発熱体把持部 27b 第二発熱体把持部 29 連結部(第一連結部) 30 連結部(第二連結部) 42 発熱部 123 固定金具 126 固定部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が閉じた中空軸状をなし、それの
    内外面に電極層を有する酸素検知素子と、 該酸素検知素子の中空部内に配置されて該酸素検知素子
    を加熱する軸状の発熱体と、 前記発熱体を周方向に包囲するように形成され、前記酸
    素検知素子の内面に直接又は他部材を介して間接的に接
    触する固定部と、その固定部に対し前記発熱体の軸方向
    において少なくとも一方の側に連結されて前記発熱体を
    把持する発熱体把持部とを有し、前記固定部により前記
    発熱体を前記酸素検知素子の内側に固定する固定金具と
    を備え、 その固定金具の前記固定部及び発熱体把持部の少なくと
    もいずれかに、それら固定部ないし発熱体把持部の内面
    から突出して前記発熱体の外周面に当接するとともに、
    その発熱体を、発熱部の近傍において該発熱体の中心軸
    線が該酸素検知素子の中空部の中心軸線に対して片側に
    寄るように偏心した状態で位置決めする位置決め用突出
    部が形成されていることを特徴とするヒータ付き酸素セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記酸素検知素子の前記中空部に対し、
    該中空部の中心軸線を含むある仮想的な第一平面と、同
    じく前記中空部の中心軸線を含むとともに前記第一平面
    と直交する仮想的な第二平面とを設定して、該中空部を
    それら第一平面と第二平面とによって4つの領域に分割
    した場合に、 前記発熱体は、その中心軸線の前記中空部内に位置する
    部分の全体が、前記中空部の前記4つの領域のいずれか
    1つに収まるように配置されている請求項1記載の酸素
    センサ。
  3. 【請求項3】 前記発熱体は、該発熱体の中心軸線が前
    記酸素検知素子の中空部の中心軸線とほぼ平行となるよ
    うに前記中空部内に配置されている請求項1又は2に記
    載の酸素センサ。
  4. 【請求項4】 前記固定金具において、前記発熱体把持
    部は前記固定部に対し前記発熱体の前記発熱部に近い側
    にのみ連結されており、前記位置決め用突出部は前記固
    定部に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記
    載の酸素センサ。
  5. 【請求項5】 前記位置決め用突出部は、前記固定部に
    対し、前記発熱体把持部が連結されているのとは反対側
    の端部近傍において、該発熱体把持部の固定部への連結
    部に対応する位置に形成されている請求項4記載の酸素
    センサ。
  6. 【請求項6】 前記固定金具は、前記固定部が前記酸素
    検知素子の内側の電極層に接触する内部電極接続部とさ
    れた端子金具である請求項1ないし5のいずれかに記載
    の酸素センサ。
  7. 【請求項7】 先端部が閉じた中空軸状をなし、その内
    外面に電極層を有する酸素検知素子と、該酸素検知素子
    の中空部内に配置されて該酸素検知素子を加熱する軸状
    の発熱体とを備え、 前記酸素検知素子の前記中空部に対し、該中空部の中心
    軸線を含むある仮想的な第一平面と、同じく前記中空部
    の中心軸線を含むとともに前記第一平面と直交する仮想
    的な第二平面とを設定して、該中空部をそれら第一平面
    と第二平面とによって4つの領域に区切ったときに、前
    記発熱体は、その中心軸線の前記中空部内に位置する部
    分の全体が、前記中空部の前記4つの領域のいずれか1
    つに収まるように配置され、前記発熱体の中心軸線が前
    記中空部の中心軸線に対して片側に寄るように偏心して
    いることを特徴とするヒータ付き酸素センサ。
  8. 【請求項8】 先端部が閉じた中空軸状をなし、それの
    内外面に電極層を有する酸素検知素子と、該酸素検知素
    子の中空部内に配置されて該酸素検知素子を加熱する軸
    状の発熱体とを備え、 前記発熱体は、該発熱体の中心軸線が前記酸素検知素子
    の中空部の中心軸線とほぼ平行となり、かつその中心軸
    線が、前記中空部の中心軸線に対して片側に寄るように
    偏心していることを特徴とするヒータ付き酸素センサ。
  9. 【請求項9】 前記発熱体を周方向に包囲するように形
    成され、前記酸素検知素子の内面に直接又は他部材を介
    して間接的に接触する固定部と、その固定部に対し前記
    発熱体の軸方向においてその両側に連結され、それぞれ
    前記発熱体を把持する1対の発熱体把持部とを有する固
    定金具を備えている請求項7又は8に記載の酸素セン
    サ。
  10. 【請求項10】 前記発熱体を周方向に包囲するように
    形成され、前記酸素検知素子の内面に直接又は他部材を
    介して間接的に接触する固定部と、その固定部に対し前
    記発熱体の軸方向において該発熱体の先端に近い側の端
    部にのみ連結され、前記発熱体を把持する発熱体把持部
    とを有する固定金具を備えている請求項7又は8に記載
    の酸素センサ。
  11. 【請求項11】 前記固定金具は、前記固定部が前記酸
    素検知素子の内側の電極層に接触する内部電極接続部と
    された端子金具である請求項9又は10に記載の酸素セ
    ンサ。
  12. 【請求項12】 前記酸素検知素子の中空部の中心軸線
    に対して前記発熱体の発熱部の近傍において該発熱体の
    中心軸線が偏心していることにより、該発熱体の発熱部
    の表面が、該酸素検知素子の中空部内壁面に接触してい
    る請求項1ないし11のいずれかに記載の酸素センサ。
  13. 【請求項13】 前記酸素検知素子の軸断面内側寸法D
    Aと前記発熱体の軸断面外側寸法DBとの差ΔD=DA−
    DBが0.35mm以下である請求項1ないし12のいず
    れかに記載の酸素センサ。
  14. 【請求項14】 前記酸素検知素子の軸断面内側寸法D
    Aと前記発熱体の軸断面外側寸法DBとの差ΔD=DA−
    DBの、前記DBに対する比ΔD/DBが0.13以下で
    ある請求項1ないし13のいずれかに記載の酸素セン
    サ。
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